(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のシステムにおいては、人口分布等に基づいて潜在需要を分析しているのであって、顧客の実際の動線に基づいた分析ではないという問題点を有していた。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、顧客の実際の動線に基づいた交通手段の分析評価を行うことができる、
分析評価システム、分析評価方法、情報処理装置、および、分析評価プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するため、本発明の分析評価システムは、入力部を介して、出発地と目的地とを少なくとも含む経路取得条件を利用者に入力させる経路取得条件入力手段と、上記経路取得条件入力手段により入力された上記経路取得条件に基づいて、出発地から目的地までの経路であって、時刻表に基づいて運行される交通手段の移動区間を含む移動経路の経路データを複数取得する経路データ取得手段と、上記経路データ取得手段により取得された上記複数の移動経路の上記経路データの統計処理を行い、上記交通手段に関して分析する統計分析手段と、上記統計分析手段による統計処理の分析結果を、出力部を介して出力する分析結果出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の分析評価システムは、上記記載の分析評価システムにおいて、上記経路データ取得手段は、上記経路取得条件の出発時刻を所定の時間間隔で複数設定することにより上記複数の移動経路の上記経路データを取得することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の分析評価システムは、上記記載の分析評価システムにおいて、上記交通手段の路線網を含む交通網を規定したネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段、を更に備え、上記経路データ取得手段は、上記ネットワークデータに基づく経路探索により、上記所定の時間間隔で設定された上記出発時刻を含む上記経路取得条件を満たす経路のうち最適経路を上記移動経路として取得する経路探索手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の分析評価システムは、上記記載の分析評価システムにおいて、経路案内利用者により案内用の経路として選択された経路探索結果の履歴を記憶する経路探索履歴記憶手段、を更に備え、上記経路データ取得手段は、上記所定の時間間隔で設定された上記出発時刻を含む上記経路取得条件を満たす経路のうち、経路案内利用者が上記案内用の経路として選択した割合が所定の閾値以上の経路を、移動経路として取得することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の分析評価システムは、上記記載の分析評価システムにおいて、上記統計分析手段は、上記統計処理の結果に基づいて、上記交通手段の路線または時刻表の運転時刻に関する課題箇所を検出する課題箇所検出手段、を更に備え、上記分析結果出力手段は、上記課題箇所を上記分析結果として上記出力部に出力することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の分析評価装置は、入力部と出力部と制御部とを少なくとも備えた分析評価装置であって、上記制御部は、上記入力部を介して、出発地と目的地とを少なくとも含む経路取得条件を利用者に入力させる経路取得条件入力手段と、上記経路取得条件入力手段により入力された上記経路取得条件に基づいて、出発地から目的地までの経路であって、時刻表に基づいて運行される交通手段の移動区間を含む移動経路の経路データを複数取得する経路データ取得手段と、上記経路データ取得手段により取得された上記複数の移動経路の上記経路データの統計処理を行い、上記交通手段に関して分析する統計分析手段と、上記統計分析手段による統計処理の分析結果を、上記出力部を介して出力する分析結果出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明の分析評価方法は、経路取得条件入力手段と、経路データ取得手段と、統計分析手段と、分析結果出力手段と、を備えた分析評価システムにおいて実行される分析評価方法であって、上記経路取得条件入力手段が、入力部を介して、出発地と目的地とを少なくとも含む経路取得条件を利用者に入力させる経路取得条件入力ステップと、上記経路データ取得手段が、上記経路取得条件入力ステップにて入力された上記経路取得条件に基づいて、出発地から目的地までの経路であって、時刻表に基づいて運行される交通手段の移動区間を含む移動経路の経路データを複数取得する経路データ取得ステップと、上記統計分析手段が、上記経路データ取得ステップにて取得された上記複数の移動経路の上記経路データの統計処理を行い、上記交通手段に関して分析する統計分析ステップと、上記分析結果出力手段が、上記統計分析ステップによる統計処理の分析結果を、上記出力部を介して出力する分析結果出力ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の分析評価方法は、入力部と出力部と制御部とを少なくとも備えた分析評価装置において実行される分析評価方法であって、上記制御部において実行される、上記入力部を介して、出発地と目的地とを少なくとも含む経路取得条件を利用者に入力させる経路取得条件入力ステップと、上記経路取得条件入力ステップにて入力された上記経路取得条件に基づいて、出発地から目的地までの経路であって、時刻表に基づいて運行される交通手段の移動区間を含む移動経路の経路データを複数取得する経路データ取得ステップと、上記経路データ取得ステップにて取得された上記複数の移動経路の上記経路データの統計処理を行い、上記交通手段に関して分析する統計分析ステップと、上記統計分析ステップによる統計処理の分析結果を、上記出力部を介して出力する分析結果出力ステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明のプログラムは、経路取得条件入力手段と、経路データ取得手段と、統計分析手段と、分析結果出力手段と、を備えた分析評価システムに実行させるためのプログラムであって、上記経路取得条件入力手段が、入力部を介して、出発地と目的地とを少なくとも含む経路取得条件を利用者に入力させる経路取得条件入力ステップと、上記経路データ取得手段が、上記経路取得条件入力ステップにて入力された上記経路取得条件に基づいて、出発地から目的地までの経路であって、時刻表に基づいて運行される交通手段の移動区間を含む移動経路の経路データを複数取得する経路データ取得ステップと、上記統計分析手段が、上記経路データ取得ステップにて取得された上記複数の移動経路の上記経路データの統計処理を行い、上記交通手段に関して分析する統計分析ステップと、上記分析結果出力手段が、上記統計分析ステップによる統計処理の分析結果を、上記出力部を介して出力する分析結果出力ステップと、を実行させることを特徴とする。
【0016】
また、本発明のプログラムは、入力部と出力部と制御部とを少なくとも備えた分析評価装置において実行されるプログラムであって、上記制御部において、上記入力部を介して、出発地と目的地とを少なくとも含む経路取得条件を利用者に入力させる経路取得条件入力ステップと、上記経路取得条件入力ステップにて入力された上記経路取得条件に基づいて、出発地から目的地までの経路であって、時刻表に基づいて運行される交通手段の移動区間を含む移動経路の経路データを複数取得する経路データ取得ステップと、上記経路データ取得ステップにて取得された上記複数の移動経路の上記経路データの統計処理を行い、上記交通手段に関して分析する統計分析ステップと、上記統計分析ステップによる統計処理の分析結果を、上記出力部を介して出力する分析結果出力ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、入力部を介して、出発地と目的地とを少なくとも含む経路取得条件を利用者に入力させ、入力された経路取得条件に基づいて、出発地から目的地までの経路であって、時刻表に基づいて運行される交通手段の移動区間を含む移動経路の経路データを複数取得し、取得した複数の移動経路の経路データの統計処理を行い、交通手段に関して分析し、統計処理の分析結果を、出力部を介して出力する。これにより、本発明は、顧客の実際の動線に基づいた交通手段の分析評価を行うことができるという効果を奏する。具体的には、利用者の所望の出発地から目的地までの経路において、時刻表に基づいて運行される交通手段が、どのように影響するかを統計処理により分析することができるので、実際の利用状況を反映した分析と評価を行うことができる。
【0018】
この発明によれば、上記において、経路取得条件の出発時刻を所定の時間間隔で複数設定することにより複数の移動経路の経路データを取得する。これにより、出発時刻によって、利用者の待ち時間等がどのように変動するか等を分析することができ、時刻表等の評価を行うことができるという効果を奏する。
【0019】
この発明によれば、上記において、交通手段の路線網を含む交通網を規定したネットワークデータを記憶し、ネットワークデータに基づく経路探索により、所定の時間間隔で設定された出発時刻を含む経路取得条件を満たす経路のうち最適経路を移動経路として取得する。これにより、出発時刻ごとに探索された経路のうち最適経路を移動経路とすることによって、利用者により最も採用される可能性の高い経路探索結果に基づいて、より精度の高い分析結果を出力させることができるという効果を奏する。
【0020】
この発明によれば、上記において、経路案内利用者により案内用の経路として選択された経路探索結果の履歴を記憶し、所定の時間間隔で設定された出発時刻を含む経路取得条件を満たす経路のうち、経路案内利用者が案内用の経路として選択した割合が所定の閾値以上の経路を、移動経路として取得する。これにより、利用者が実際に経路案内に使用した割合の高い経路を移動経路とすることで、利用者が実際に行動した可能性や信頼性が高い経路探索結果に基づいて、より精度の高い分析結果を出力させることができるという効果を奏する。
【0021】
この発明によれば、上記において、統計処理の結果に基づいて、交通手段の路線または時刻表の運転時刻に関する課題箇所を検出し、検出した課題箇所を分析結果として出力部に出力する。これにより、待ち時間が長くなる等の原因となる時刻表上の箇所や、徒歩時間が長くなる等の原因となる路線上の箇所等を、課題箇所として提示することができるという効果を奏する。
【0022】
なお、上記において、本発明の分析評価システムを一例に効果の説明をしたが、分析評価装置、分析評価方法、および、プログラムにおいても同様の効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明にかかる分析評価システム、分析評価装置、分析評価方法、および、プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0025】
本発明の実施形態にかかる分析評価システムについて、
図1から
図7を参照して説明する。但し、以下に示す本実施形態は、本発明の技術思想を具体化するために分析評価装置として構成された分析評価システムを例示するものであって、本発明をこの分析評価システムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の情報出力システムにも等しく適用し得るものである。例えば、本実施形態で分析評価装置として例示する分析評価システムは、スタンドアローン型に限られず、サーバ側と端末側に任意に機能分散した形態であってもよく、同様の効果や機能を奏し得る範囲において、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0026】
[分析評価システムの構成]
まず、本実施形態における分析評価システムの構成の一例について、
図1を参照して以下に説明する。ここで、
図1は、本実施形態における分析評価システムの構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
【0027】
図1に示すように、本実施形態の分析評価システムは、概略的に、単数又は複数の閲覧端末装置100、経路探索や分析等を行う分析評価装置200、および、単数または複数のユーザ端末装置400、を通信可能に接続して構成される。ここで、
図1に示すように、通信には、一例として、ネットワーク300を介した有線・無線通信等の遠隔通信等を含む。また、これら分析評価システムの各部は任意の通信路を介して通信可能に接続されている。なお、ネットワーク300は、ユーザ端末装置400と分析評価装置200と閲覧端末装置100と外部機器(例えば、外部の地図提供サーバや地点データ提供サーバやネットワークデータ提供サーバや気象庁サーバなど)等とを相互に接続する機能を有し、例えば、インターネット、電話回線網(携帯端末回線網および一般電話回線網等)、イントラネット、または、電力線通信(PLC)等であってもよい。
【0028】
そして、
図1に示すように、本実施形態の分析評価システムにおいて、概略的に、分析評価装置200は、制御部202と記憶部206とを少なくとも備えて構成されており、ユーザ端末装置400は、
図1に示すように、位置取得部412と出力部414と入力部416と制御部402とを少なくとも備えて構成されている。
【0029】
[分析評価装置200の構成]
ここで、
図1において、分析評価装置200は、入力部を介して、出発地と目的地とを少なくとも含む経路取得条件を利用者に入力させ、入力された経路取得条件に基づいて、出発地から目的地までの経路であって、時刻表に基づいて運行される交通手段の移動区間を含む移動経路の経路データを複数取得し、取得した複数の移動経路の経路データの統計処理を行い、交通手段に関して分析し、統計処理の分析結果を、出力部を介して出力する等の機能を有する。分析評価装置200は、通信制御インターフェース部204を介してネットワーク300を経由し、閲覧端末装置100およびユーザ端末装置400と相互に通信可能に接続されており、制御部202と記憶部206とを備えて構成される。また、分析評価装置200は、入出力制御インターフェース部208を介して、出力部214や入力部216等の制御を行う。
【0030】
ここで、出力部214は、分析結果等を表示出力するための表示手段(例えば、液晶や有機EL等から構成されるディスプレイやモニタ等)であってもよい。また、出力部214は、分析結果等を印刷出力するための印刷手段(プリンタ等)であってもよく、分析結果等を音声出力するための音声出力手段(スピーカ等)であってもよい。また、入力部216は、経路取得条件等の入力を行うための入力部216(例えば、キー入力部、タッチパネル、キーボード、マイク等)である。なお、入出力制御インターフェース部208は、出力部214や入力部216等の制御を行う。
【0031】
制御部202は、各種処理を行う制御手段である。通信制御インターフェース部204は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、分析評価装置200とネットワーク300との間における通信制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部204は、閲覧端末装置100やユーザ端末装置400等と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。記憶部206は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の固定ディスク装置等のストレージ手段であり、各種のデータベースやテーブル(ネットワークデータベース206a、経路探索履歴データベース206b、交通情報データベース206c、および、地図データベース206d等)を格納する。
【0032】
これら記憶部206の各構成要素のうち、ネットワークデータベース206aは、交通網を規定するネットワークデータを記憶するネットワークデータ記憶手段である。ここで、ネットワークデータベース206aに記憶されるネットワークデータは、道路ネットワークデータや、路線網ネットワークデータ、施設内ネットワークデータ等を含んでいてもよい。これらネットワークデータは、ネットワークデータベース206aに予め記憶されており、分析評価装置200の制御部202は、定期的に、および/または、制御部202による処理に応じて(例えば、制御部202においてデータが必要となる契機等)、ネットワーク300を介して最新のデータを外部機器(例えば、ネットワークデータを提供するネットワークデータ提供サーバなど)等からダウンロードしてネットワークデータベース206aに記憶されたネットワークデータをアップデートしてもよい。
【0033】
ここで、ネットワークデータベース206aに記憶される道路ネットワークデータは、道路網を規定するネットワークデータであり、例えば、交差点等の道路網表現上の結節点であるノードのノードデータと、ノード間の道路区間であるリンクのリンクデータとの組み合わせによって表現されるネットワークデータである。ノードデータには、ノード番号、緯度経度等の位置座標、ノード種別、接続するリンク本数、接続ノード番号、および、交差点名称等を含んでいてもよい。また、リンクデータには、リンク番号、接続する道路の種別、国道や県道や市道等の路線番号、重用する路線情報、リンクの存在する行政区域の属性情報、リンク長、道路供用状況、異常気象時通行規制区間、車重制限、車両高さ制限、幅員、道路幅員区分、車線数、制限速度など交通規制、高架やトンネルや橋等のリンク内属性、所要時間、および、名称等を含んでいてもよい。また、道路ネットワークデータは、交通規制データや利用料金データ等を含んでいてもよい。ここで、交通規制データは、各種の交通規制を定義するデータであり、例えば、道路の損壊や道路工事等による車両通行止、交通の安全を確保するために設置されるコミュニティ・ゾーン等による一般車の進入禁止、および、私有地への接続路であることによる一般車の進入禁止等の情報などを含んでもよい。また、利用料金データは、自動車、オートバイ等で移動する場合に消費する燃料料金、高速自動車国道や自動車専用道路等の有料道路の通行料金等を表す情報等であってもよい。また、道路ネットワークデータは、自動車、オートバイ、自転車、徒歩等で移動する場合の経路上に存在する施設等の地点の緯度経度情報などの位置情報等を記憶してもよい。
【0034】
また、ネットワークデータベース206aに記憶される路線網ネットワークデータは、電車、飛行機、バス、路面電車、ロープウェイ、モノレール、ケーブルカー、および、船(フェリーなど)等の各交通機関の路線網を規定するネットワークデータであり、例えば、駅、空港、港、および、停留所(バス停など)等の路線網表現上の結節点であるノードのノードデータと、ノード間を接続する鉄道路線、航空路線、航路、および、バス路線等のリンクのリンクデータとの組み合わせによって表現されるネットワークデータである。また、路線網ネットワークデータは、交通機関の時刻表データおよび利用運賃料金データ等を含んでいてもよい。ここで、時刻表データは、例えば、電車、飛行機、バス、路面電車、ロープウェイ、モノレール、ケーブルカー、および、船等の各公共交通機関の時刻表を表す情報等であってもよい。また、利用運賃料金データは、例えば、電車、飛行機、バス、路面電車、ロープウェイ、モノレール、ケーブルカー、および、船等の各交通機関を利用した場合に生じる利用運賃料金等を表す情報等であってもよい。また、路線網ネットワークデータは、路線上に存在するバス停等の地点の緯度経度情報などの位置情報等を記憶してもよい。
【0035】
また、経路探索履歴データベース206bは、経路探索結果の履歴を記憶する経路探索履歴記憶手段である。例えば、経路探索履歴データベース206bは、ネットワークデータベース206aに記憶されたネットワークデータに基づいて経路探索部202cにより算出された、ユーザ端末装置400から送信された経路探索条件を満たす経路探索結果の履歴を記憶してもよい。ここで、経路探索履歴データベース206bに記憶される経路探索結果は、経路探索部202cにより探索された経路探索結果の複数の経路のうち、経路案内利用者により案内用の経路として選択された経路探索結果であってもよい。なお、経路探索履歴データベース206bに記憶される経路探索結果は、経路探索条件の出発地や目的地に関する情報のほか、所要時間、移動距離、出発時刻、到着時刻、経路探索条件が送信された時または経路探索条件で指定された出発時刻・到着時刻等の情報、移動手段(徒歩・路線・自動車等の移動手段や交通手段を含む。)に関する情報、経由地点、経由地通過時刻、使用路線等の情報を含んでもよい。また、経路探索履歴データベース206bは、経路探索条件が、ユーザ端末装置400の位置取得部412により取得された位置情報に基づいて設定されたものか、ユーザ端末装置400の入力部416を介して設定されたものか等を識別する識別情報を記憶してもよい。例えば、経路探索履歴データベース206bは、時刻表データに基づく計算上の所要時間や到着時刻ではなく、位置取得部412により取得された位置情報に基づく経路案内利用者が実際に要した所要時間や到着時刻等の履歴(移動ログなど)を、案内用の経路の履歴として記憶してもよい。
【0036】
また、交通情報データベース206cは、交通情報を記憶する交通情報記憶手段である。ここで、交通情報は、時刻表に基づいて運行される交通手段などの交通機関の運行情報(例えば、渋滞情報や遅延情報等)を含んでいてもよく、例えば、運行情報は、鉄道運行情報、航空運行情報、船舶運行情報、および、バス運行情報等を含んでいてもよい。また、交通情報は、バスや電車等の交通機関の混雑度データであってもよい。例えば、混雑度データは、Felica(登録商標)等の技術を用いた乗車ICカード等によって収集されるデータであってもよい。また、交通情報は、道路交通情報を含んでいてもよい。ここで、道路交通情報は、渋滞発生地点や渋滞距離(渋滞の起点と終点など)や道路上の二地点間の通過時間(すなわち、旅行時間など)等の渋滞情報を含んでいてもよい。また、道路交通情報は、交通障害情報や交通規制情報等を含んでいてもよい。ここで、交通規制情報は、各種の交通規制を定義するデータであり、例えば、降水量規制、積雪・凍結規制、超波規制、風速規制、および視程規制等の異常気象時通行規制、高さ規制および重量規制等の車両通行規制、道路工事や作業、道路周辺の工事に伴う工事時規制、時間帯や車種により通行できる通行帯を規制している通行帯規制および道路の損壊等による車両通行止、交通の安全を確保するために設置されるコミュニティ・ゾーン等による一般車の進入禁止、ならびに、私有地への接続路であることによる一般車の進入禁止等の情報などを含んでもよい。また、交通規制情報は、工事、事故、または、車両故障等により車両通行帯等が走行不能または走行困難となる通行規制情報であってもよい。また、これら交通情報は、交通情報データベース206cに予め記憶されており、分析評価装置200の制御部202は、定期的(例えば、5分毎等)に、および/または、制御部202による処理に応じて(例えば、制御部202においてデータが必要となる契機等)、ネットワーク300を介して最新のデータを外部機器(例えば、警察庁、VICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System)、および、ATiS(Advanced Traffic Information Service)(登録商標)、日本道路交通情報センター(JARTIC)(登録商標)、鉄道会社、および、交通情報配信サーバ(サービス)など)等からダウンロードして交通情報データベース206cに記憶された交通情報をアップデートしてもよい。あるいは、分析評価装置200は、当該外部機器等が能動的に送信した交通情報を受信して、交通情報データベース206cに格納してもよい。
【0037】
また、地図データベース206dは、地図に関する地図データを記憶する地図データ記憶手段である。ここで、地図データベース206dに記憶される地図データは、本発明において、例えば、縮尺に従ってメッシュ化された地図データ(例えば、JIS規格の第1〜3次地域区画メッシュデータ、および、100mメッシュデータ等)等の屋外地図データであってもよい。また、地図データベース206dは、全国および各地方の道路地図や、路線図や経路概要等の地図データを記憶してもよい。また、地図データベース206dは、例えば、高さ情報を持つ建築物(例えば、立体駐車場、駅、デパート、および、学校等)に関するフロア案内地図等の屋内地図データをさらに記憶してもよい。また、地図データベース206dに記憶される地図データは、地図上に表示される地物(例えば、ビルや住宅や駅等の建造物、道路、線路、橋、トンネル、等高線、海岸線や湖岸線等の水涯線、海、河川、湖、池、沼、公園や屋外施設等の場地、行政界、行政区域、および、街区等)の形状についての形状データ、地図上に表示される注記(例えば、地名、住所、電話番号、店や公園や駅等の施設名称、名所や旧跡や河川や湖や湾や山や森林等の俗称を含む名称、道路や橋やトンネル等の名称、路線名称、地点情報、および、口コミ情報等)の注記データ、ならびに、地図上に表示される記号(例えば、山や史跡や寺社や学校や病院や工場や墓地等の地図記号、ガソリンスタンドやコンビニエンスストアやスーパーマーケットやレストランや銀行や郵便局等の店舗記号、道路上の信号や有料道路の出入口や料金所やサービスエリアやパーキングエリアやインターチェンジ等の記号、駐車場や駅やホテルや美術館や博物館等の施設記号、および、口コミ地点記号等)の記号データ等のデータを含んでいてもよい。また、屋外地図データや屋内地図データは、ラスタ形式、ベクタ形式等の地図描画用の画像データであってもよい。これら屋外地図データや屋内地図データは、地図データベース206dに予め記憶されており、分析評価装置200の制御部202は、定期的に、および/または、制御部202による処理に応じて(例えば、制御部202においてデータが必要となる契機等)、ネットワーク300を介して最新のデータを外部機器(例えば、地図データを提供する地図提供サーバなど)等からダウンロードして地図データベース206dに記憶された地図データをアップデートしてもよい。
【0038】
また、制御部202は、OS(Operating System)等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部202は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部202は、機能概念的に、経路取得条件入力部202a、経路データ取得部202b、統計分析部202d、および、分析結果出力部202fを備えて構成される。
【0039】
このうち、経路取得条件入力部202aは、入力部を介して、出発地と目的地とを少なくとも含む経路取得条件を利用者に入力させる経路取得条件入力手段である。一例として、経路取得条件入力部202aは、入力部216を介して、利用者に経路取得条件を入力させてもよい。また、経路取得条件入力部202aは、閲覧端末装置100の入力部(図示せず)を介して入力された経路探索条件を受信してもよい。なお、経路取得条件は、更に、分析対象とする出発地と目的地の地点に関する地点情報を含む。この他、分析対象とする交通手段(時刻表に基づいて運行されるバスやフェリー等の交通機関の種別)等の情報を含んでもよい。また、経路取得条件は、更に、利用者により指定された、分析対象とする時間帯(例えば、始バスから終バスまでの時間帯)等の情報を含んでもよい。ここで、経路取得条件入力部202aは、地図データベース206dに記憶された地図データを閲覧端末装置100に送信することにより、閲覧端末装置100の閲覧ユーザにより入力部を介して選択された地点の地点情報を受信してもよい。
【0040】
また、経路データ取得部202bは、経路取得条件入力部202aにより入力された経路取得条件に基づいて、経路取得条件を満たす出発地から目的地までの経路であって、時刻表に基づいて運行される交通手段(例えば、バス)の移動区間を含む移動経路の経路データを複数取得する経路データ取得手段である。例えば、経路データ取得部202bは、経路取得条件の出発時刻を所定の時間間隔で複数設定することにより複数の移動経路の経路データを取得してもよい。なお、分析対象とする時間帯(例えば、始バスから終バスまでの時間帯)を指定した情報が経路取得条件に含まれる場合、経路データ取得部202bは、当該時間帯の範囲内で出発時刻を設定してもよい。
【0041】
また、経路データ取得部202bは、経路探索履歴データベース206bから、経路取得条件を満たす出発地から目的地までの経路探索履歴を抽出することにより、経路データを取得してもよい。例えば、経路データ取得部202bは、経路探索履歴データベース206bから抽出した、所定の時間間隔で設定された出発時刻ごとの経路取得条件を満たす候補経路のうち、経路案内利用者が案内用の経路として選択した割合が所定の閾値以上の経路を、移動経路として取得してもよい。すなわち、経路データ取得部202bは、経路案内利用者が案内用の経路として所定回数以上選択した経路を移動経路としてもよく、あるいは、経路案内利用者により案内用の経路として所定割合以上で選択された経路を移動経路としてもよい。また、経路データ取得部202bは、経路取得条件に移動手段を指定する情報(バス路線や鉄道路線などの移動手段の種別)が含まれる場合、当該移動手段の情報に対応する経路探索履歴に限定して抽出してもよい。また、経路データ取得部202bは、抽出した経路探索結果の重み付けを行ってもよく、例えば、案内用の経路が、ユーザ端末装置400の位置取得部412により取得された現在位置情報の履歴(位置ログ)に基づく場合、この案内用の経路の経路探索履歴が重視されるよう重み付けを行ってもよい。反対に、ユーザ端末装置400の入力部416を介して設定された経路探索条件に基づく経路探索履歴の場合は、経路探索履歴を重視しないように重み付けを行ってもよい。ここで、本実施形態において、
図1に示すように、経路データ取得部202bは、経路探索部202cを備える。そして、経路データ取得部202bは、経路探索部202cの処理により、所定の時間間隔で設定された出発時刻を含む経路取得条件を満たす経路のうち最適経路を、移動経路として取得してもよい。
【0042】
ここで、経路探索部202cは、ネットワークデータベース206aに記憶されたネットワークデータに基づいて、経路探索条件および/または経路取得条件を満たす経路の経路探索を行う経路探索手段である。例えば、経路探索部202cは、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を満たす経路を、ネットワークデータベース206aに記憶された路線ネットワークデータや道路ネットワークデータ等を用いて探索し、探索した経路に関する経路データを生成してもよい。ここで、経路探索部202cは、所定の評価基準(所要時間が最短、経路長が最短、乗換回数が最小、目的地に最も早く到着すること、料金が安いこと等)に基づいて、最適経路を取得してもよい。なお、経路探索条件および/または経路取得条件は、更に、経由地や、移動手段、出発時刻、経由時刻、到着時刻、および/または、日付等を含んでいてもよく、経路探索部202cは、これら条件を満たす経路を取得してもよい。ここで、出発時刻は、現在時刻であってもよい。ここで、経路探索部202cは、交通情報データベース206cに記憶された交通情報を考慮して探索してもよく、例えば、経路探索部202cは、渋滞情報や遅延情報等の交通情報を加味して、リンクコスト(所要時間等)を計算しながら、経路探索を行ってもよい。なお、経路情報は、探索した経路を示すリンクデータの組み合わせであってもよく、経路の位置情報や、当該経路を示す画像データ(例えば、ポリライン等)などを含んでいてもよい。なお、経路取得条件は、経路取得条件入力部202aの制御によって、分析評価装置200の入力部216または閲覧端末装置100の入力部から入力された条件であるのに対し、経路探索条件は、ユーザ端末装置400の入力部416または位置取得部412を介して入力された条件である。なお、経路探索部202cは、ユーザ端末装置400から送信された経路探索条件に基づく経路探索結果を、当該ユーザ端末装置400に送信する。
【0043】
ここで、経路探索部202cは、経路探索条件を満たす経路探索結果の履歴を経路探索履歴データベース206bに格納してもよい。なお、経路探索部202cは、経路探索条件に対応付けて経路探索結果を格納してもよい。また、経路探索部202cは、経路探索条件が、ユーザ端末装置400の位置取得部412により取得された現在位置情報に基づいて設定されたものか、ユーザ端末装置400の入力部416を介して設定されたものか等を識別する情報を、経路探索結果に対応付けて経路探索履歴データベース206bに格納してもよい。なお、これらの識別情報等は、ユーザ端末装置400から経路探索条件とともに送信される構成としてもよく、また、経路探索部202cは、ユーザ端末装置400から送信された経路探索条件を解析することにより、識別情報等を取得してもよい。また、経路探索部202cは、経路探索結果が算出された日時等の時間情報を当該経路探索結果に対応付けて経路探索履歴データベース206bに格納してもよい。また、経路探索部202cは、経路探索部202cにより算出された複数の経路を含む経路探索結果のうち、ユーザ端末装置400の経路案内利用者により入力部416を介して案内用の経路として選択された経路に関する経路探索結果のみを、経路探索履歴データベース206bに格納してもよい。
【0044】
また、統計分析部202dは、経路データ取得部202bにより取得された複数の移動経路の経路データの統計処理を行い、交通手段に関して分析する統計分析手段である。例えば、統計分析部202dは、時刻表に基づいて運行される移動手段に着目して、複数の移動経路の統計処理を行う。本実施形態において、統計分析部202dにより実行される統計処理とは、移動経路中に含まれる、徒歩で移動する徒歩時間、バスや電車などの他の移動手段に乗り換えるために駅やバス停等で待つ待ち時間、それらの合計時間のほか、全体の所要時間に対する乗換時間や徒歩時間や待ち時間や合計時間などの割合等、を計算すること等である。例えば、統計分析部202dは、駅やバス停における待ち時間と駅やバス停までの徒歩時間との割合等を算出してもよい。なお、統計分析部202dは、以下の指標を算出する統計処理を行ってもよい。ここで、Aは、駅または出発地からバス乗車までの徒歩時間であり、Bは、バス停留所におけるバス乗車の待ち時間であり、Cは、出発地から目的地までの経路全体の所要時間である。
指標1:時間A
指標2:時間B
指標3:時間A+B
指標4:割合(A+B)/C
指標5:出発時間ごとの合計時間A+B
【0045】
ここで、本実施形態において、統計分析部202dは、課題箇所検出部202eを更に備える。課題箇所検出部202eは、統計処理の結果に基づいて、移動手段の路線または時刻表の運転時刻に関する課題箇所を検出する課題箇所検出手段である。例えば、課題箇所検出部202eは、複数の移動経路において、全体の所要時間に対する待ち時間や、待ち時間とバスや電車などの他の移動手段に乗り換えるために駅やバス停等への移動時間との合計時間の割合が所定値以上となっている移動経路がある場合、当該移動経路の出発時刻や、当該移動経路における時刻表上の出発時刻や路線上の停留所の位置等を特定して、課題箇所として検出する。課題箇所として検出するのは、合計時間の割合のほか、徒歩時間、出発待ち時間、乗換待ち時間、所要時間などすべての項目ごとに検出してもよい。なお、課題箇所検出部202eは、地図データベース206dを参照して、課題箇所を重畳表示する地図データを生成してもよい。また、課題箇所検出部202eは、複数の移動経路についての項目を表形式に表示する表データにおいて、課題箇所を強調表示させたデータを生成してもよい。例えば、課題箇所検出部202eは、色や下線や反転表示や点滅表示等によって強調表示を行ってもよい。なお、課題箇所検出部202eは、さらに、課題箇所に基づいて変更推奨箇所を算出してもよい。例えば、課題箇所検出部202eは、乗り換えの際に徒歩時間が長い課題箇所のバス停がある場合、徒歩時間が短くなるようなバス停の候補位置を変更推奨箇所として算出してもよい。
【0046】
さらに、課題箇所検出部202eは、移動経路中に含まれる、徒歩で移動する徒歩時間、バスや電車などの他の移動手段に乗り換えるために駅やバス停等で待つ待ち時間、それらの合計時間のほか、全体の所要時間に対する乗換時間や徒歩時間や待ち時間や合計時間などの割合等、のうち指定された値よりも大きいまたは小さい値を含む経路を課題箇所として検出しデータを生成してもよい。
【0047】
また、分析結果出力部202fは、統計分析部202dによる統計処理の分析結果を、出力部214を介して出力する分析結果出力手段である。ここで、分析結果出力部202fは、課題箇所検出部202eにより検出された課題箇所を分析結果として出力部214に出力してもよい。なお、分析結果出力部202fは、出力部214を介して、分析結果を表示出力してもよく印刷出力してもよく音声出力してもよい。また、分析結果出力部202fは、出力部214を介して出力することに限らず、閲覧端末装置100から送信された経路取得条件に基づく分析結果を当該閲覧端末装置100に送信することにより、閲覧端末装置100の出力部から出力させてもよい。
【0048】
[ユーザ端末装置400の構成]
また、
図1において、ユーザ端末装置400は、経路探索条件を設定して分析評価装置200に送信し、分析評価装置200から送信される経路探索結果を受信して、当該経路探索結果に基づく経路案内を実行する等の機能を有する。ユーザ端末装置400は、例えば、一般に市販されるデスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置、携帯電話やPHSやPDA等の携帯端末装置、および、走行経路案内等を行なうナビゲーション端末等である。ここで、ユーザ端末装置400は、インターネットブラウザ等を搭載していてもよく、経路案内アプリケーションや乗換案内アプリケーション等を搭載していてもよい。また、ユーザ端末装置400は、リアルタイムに現在位置取得が行えるよう、GPS機能やIMES機能等を有する位置取得部412を備えている。また、ユーザ端末装置400は、出力部414と入力部416を備えている。ここで、出力部414は、経路探索結果に基づく表示案内データ等の表示画面を表示する表示手段(例えば、液晶や有機EL等から構成されるディスプレイやモニタ等)や、経路探索結果に基づく音声案内データ等を音声として出力する音声出力手段(例えば、スピーカ等)等である。また、入力部416は、経路探索条件の入力等を行う入力手段(例えば、キー入力部、タッチパネル、キーボード、マイク等)である。また、入出力制御インターフェース部408は、位置取得部412、出力部414、入力部416等の制御を行う。
【0049】
ここで、位置取得部412は、例えば、位置発信装置500から発信される位置情報信号を受信する位置取得手段であってもよい。ここで、位置発信装置500は、位置情報信号(GPS信号)を発信するGPS装置であってもよく、また、GPS信号と類似した特徴を持つ位置情報信号を用いて屋内測位を可能とするIMES(Indoor Message System)技術を実現するIMES装置であってもよい。なお、IMES技術は測位衛星システムである準天頂衛星の枠組みから発案されたシステムである。また、位置発信装置500は、屋外で受信したGPS信号を屋内で発信するGPSリピータであってもよい。また、位置発信装置500は、建物(例えば、立体駐車場等)内の各フロアや地下構造物(例えば、トンネル、地下駐車場等)の各所に任意に設置される小型発信装置であってもよい。なお、この小型発信装置には、設置場所に応じた自己位置情報(位置ID等)が割り振られている。そして、ユーザ端末装置400が通信可能範囲に入ると、ユーザ端末装置400は、小型発信装置から送信される自己位置情報を位置情報信号として受信する。この際の通信方式は、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグシステムやBluetooth(登録商標)等の各種近距離無線方式や、赤外線通信方式等であってもよい。また、位置発信装置500は、無線LANのアクセスポイントであってもよい。本実施形態において、位置取得部412は、無線LAN信号等を受信して、アクセスポイントの識別情報を取得してもよい。そして、制御部402は、位置取得部412にて取得したアクセスポイント固有の識別情報からアクセスポイントの位置を特定して位置情報を取得してもよい。また、本実施形態において、制御部402は、位置取得部412にて取得された位置情報信号から、緯度、経度、および、高さ情報を含む位置情報を算出してもよい。ここで、位置情報は、緯度および経度により特定される絶対位置の他、基準となる位置からの相対位置を示すものであってもよい。
【0050】
また、位置取得部412は、例えば、方位センサにて検出したユーザ端末装置400の進行方向等の方位情報、距離センサにて検出した距離情報、および、地図データに基づいてユーザ端末装置400の経路案内利用者の現在位置を示す位置情報を取得してもよい。ここで、方位センサには、ユーザ端末装置400の絶対走行方位を検出する地磁気センサおよびユーザ端末装置400の相対走行方位を検出する光ジャイロが使用されてもよい。また、方位センサは、地磁気センサと加速度センサを組み合わせることで方位や傾きに関する情報を取得できる電子コンパスであってもよい。
【0051】
また、通信制御インターフェース部404は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、ユーザ端末装置400とネットワーク300との間における通信制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部404は、分析評価装置200等と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。
【0052】
また、制御部402は、OS等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部402は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部402は、機能概念的に、経路探索条件設定部402a、経路探索条件送信部402b、経路探索結果受信部402c、および、経路案内部402dを備えて構成される。
【0053】
また、経路探索条件設定部402aは、経路探索条件を設定する経路探索条件設定手段である。一例として、経路探索条件設定部402aにより設定される経路探索条件は、少なくとも出発地と目的地の情報を含み、更に経由地の情報を含んでもよい。ここで、経路探索条件設定部402aは、経路探索条件の出発地または目的地として、ユーザ端末装置400の現在位置情報を設定してもよい。例えば、経路探索条件設定部402aは、位置取得部412にて位置発信装置500から受信した位置情報信号から算出した位置情報、および/または、位置取得部412の方位センサにて検出したユーザ端末装置400の進行方向等の方位情報を、出発地または目的地として設定してもよい。また、経路探索条件設定部402aは、経路案内利用者により入力部416を介して入力された位置座標等を出発地や目的地や経由地として設定してもよい。ここで、経路案内利用者により入力部416を介して入力された出発地や目的地や経由地は、経路案内利用者が現実に存在する現在位置であってもよく、経路案内利用者により任意に選択された仮想の現在位置(一例として、東京にいる経路案内利用者により選択された大阪の駅や空港等の任意の地点)であってもよい。具体的には、経路探索条件設定部402aは、入力部416を介して経路案内利用者に出力部414に表示された地図の表示画面上で指定(例えば、タッチパネル方式の出力部414での指定操作等)させた座標、および/または、方位情報を出発地や目的地や経由地として設定してもよい。なお、経路探索条件設定部402aは、経路探索条件に、対応する地点決定情報を含めてもよい。
【0054】
また、経路探索条件送信部402bは、経路探索条件設定部402aにより設定された経路探索条件を分析評価装置200に送信する経路探索条件送信手段である。
【0055】
また、経路探索結果受信部402cは、分析評価装置200から送信される経路探索結果を受信する経路探索結果受信手段である。
【0056】
また、経路案内部402dは、経路探索結果受信部402cにより受信された経路探索結果に基づいて出力部414を介して経路案内を実行する経路案内手段である。ここで、経路案内部402dは、受信された複数の経路に関する経路探索結果のうち、経路案内を実行する一の案内用の経路を経路案内利用者に入力部416を介して選択させるよう制御し、選択された案内用の経路の情報を分析評価装置200に送信するとともに、選択された案内用の経路について経路案内を実行してもよい。経路案内部402dは、経路案内にかかる案内用の経路と、ユーザ端末装置400の経路案内利用者の現在位置情報(例えば、位置取得部412により取得される位置情報)と、を出力部414を介して出力させることにより、経路案内を実行してもよい。また、経路案内部402dは、地図データ上に、案内経路データ、および/または、ユーザ端末装置400の経路案内利用者の現在位置情報を重畳した表示画面を出力部414に表示させてもよい。また、経路案内部402dは、案内データを出力部414を介して出力させることにより、経路案内を実行してもよい。具体的に、経路案内部402dは、案内データに含まれる案内経路上の分岐点等の案内地点における進行方向等に対応付けられた音声案内データを、出力部414を介して出力させることにより、経路案内を実行してもよい。
【0057】
[閲覧端末装置100の構成]
図1において、閲覧端末装置100は、閲覧ユーザに経路取得条件を、入力部を介して入力させるよう制御し、入力された経路取得条件を分析評価装置200に送信し、分析評価装置200から送信される、当該経路取得条件に基づく分析結果を受信して出力する等の機能を有する。閲覧端末装置100は、例えば、一般に市販されるデスクトップ型またはノート型のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置、携帯電話やPHSやPDA等の携帯端末装置等である。なお、閲覧端末装置100は、図示しない制御部や記憶部や出力部や入力部等を備えていてもよい。例えば、閲覧端末装置100は、インターネットブラウザ等を搭載していてもよい。また、閲覧端末装置100は、表示部や音声出力部等の出力部(図示せず)を備えている。ここで、出力部は、分析結果等を出力するための表示画面を表示する表示手段(例えば、液晶や有機EL等から構成されるディスプレイやモニタ等)であってもよい。また、閲覧端末装置100は、経路取得条件の入力等を行う入力部(例えば、キー入力部、タッチパネル、キーボード、マイク等)を備えている。なお、閲覧端末装置100の制御部は、分析対象となる出発地と目的地を少なくとも含む経路取得条件を、利用者(閲覧ユーザ)に入力部を介して入力させるよう制御し、入力された経路取得条件を分析評価装置200に送信し、分析評価装置200から送信された分析結果を受信して出力する。なお、具体的な構成については、ユーザ端末装置400と同様であってもよい。
【0058】
以上で、本実施形態における分析評価システムの構成の一例の説明を終える。
【0059】
[分析評価システムの処理]
次に、このように構成された本実施形態における本分析評価システムの処理の一例について、以下に
図2〜
図7を参照して詳細に説明する。
図2は、本実施形態における分析評価装置200の処理の一例を示すフローチャートである。
【0060】
図2に示すように、経路取得条件入力部202aは、分析対象となる出発地と目的地の地点情報(緯度経度や住所等)を少なくとも含む経路取得条件を、利用者に入力部216を介して入力させるよう制御する(ステップSA−1)。ここで、経路取得条件入力部202aは、地図データベース206dに記憶された地図上の複数の地点を、入力部216を介して選択させるよう制御することにより経路取得条件を取得してもよい。すなわち、経路取得条件入力部202aは、地図データベース206dに記憶された地図データを出力部214に出力し、出力部214に出力された地図データの地図上の単数または複数の地点を、入力部216を介して選択させるよう制御することにより経路探索条件を取得してもよい。また、経路取得条件入力部202aは、目的地や出発地以外の情報を指定させることにより経路取得条件を取得してもよく、例えば、利用者に入力部216を介して分析対象とする交通手段(バスや鉄道などの移動手段の種別)を指定させることにより経路取得条件を取得してもよい。このほか、経路取得条件入力部202aは、出発時刻を設定する時間帯や、位置ログに応じた経路探索結果の重み付けを行うか否か等を指定させることにより経路取得条件を取得してもよい。
【0061】
そして、経路データ取得部202bは、経路取得条件入力部202aにより入力された経路取得条件に基づいて、出発地から目的地までの移動経路の経路データを取得する(ステップSA−2)。なお、移動経路は、時刻表に基づいて運行される分析対象の交通手段(例えば、バス)の移動区間を含む。また、経路データ取得部202bは、経路取得条件の出発時刻を所定の時間間隔で複数設定することにより複数の移動経路の経路データを取得してもよい。なお、分析対象とする時間帯(例えば、始バスから終バスまでの時間帯)を指定した情報が経路取得条件に含まれる場合、経路データ取得部202bは、当該時間帯の範囲内で出発時刻を設定してもよい。一例として、経路データ取得部202bは、経路探索部202cの処理により、所定の時間間隔で設定された出発時刻を含む経路取得条件を満たす経路のうち最適経路を、移動経路として取得してもよい。なお、これに限られず、経路データ取得部202bは、経路探索履歴データベース206bから、経路取得条件を満たす出発地から目的地までの経路探索履歴を抽出することにより、経路データを取得してもよい。
【0062】
そして、統計分析部202dは、経路データ取得部202bにより取得された複数の移動経路の経路データの統計処理を行い、交通手段に関して分析する(ステップSA−3)。ここで、
図3は、統計分析部202dにより表形式で生成される統計処理の分析結果を示す図である。なお、この例では、出発地Pおよび目的地Qの経路取得条件が設定されており、また、経路データ取得部202bにより30分の時間間隔で出発時刻が設定されている。
【0063】
図3の横軸の各項目に示すように、一例として、統計分析部202dは、経路データ取得部202bにより取得された出発時刻ごとの移動経路における、所要時間や、徒歩時間と待ち時間の合計である徒歩+待ち時間、出発待ち時間、徒歩時間、乗換待ち時間、および、乗換時間割合(所要時間に対する徒歩+待ち時間の割合)を、計算することによって、統計処理を行う。なお、統計分析部202dは、表形式の分析結果を生成することに限られず、出発時刻ごとの変動を表すグラフ表示形式で分析結果を生成してもよい。
【0064】
また、統計分析部202dの課題箇所検出部202eは、統計処理の結果において、移動手段の路線または時刻表の運転時刻に関する課題箇所を検出してもよい。ここで、
図4は、
図3の分析結果において課題箇所検出部202eにより検出された課題箇所の検出結果を示す図である。
【0065】
なお、
図3の出発時刻は、経路探索時に設定する出発時刻であってもよいし、公共交通機関の時刻表の出発時刻に基づいて、10時以降の最適な出発時刻を示すものであってもよい。すなわち、出発地がバス停や駅でない場合に、最初に乗車するバス停や駅での待ち時間が出発時刻によって増減してしまうため最小に取得するよう制御してもよいものである。
【0066】
図4に示すように、一例として、課題箇所検出部202eは、全体の所要時間に対する待ち時間や移動時間やそれらの合計時間の割合が所定値以上となっている移動経路がある場合、当該移動経路の出発時刻や、当該移動経路における時刻表上の出発時刻や路線上の停留所の位置等を特定して課題箇所として検出する。例えば、
図4において、経路ID:1の経路データは、乗換時間割合が0%となっているが、経路ID:4および5の経路データは、乗換時間割合が63%および70%という、突出した高い値を示している。これは、他の出発時刻と比べて、特定の出発時刻での移動が何らかの理由で、大幅に時間を要してしまっているためである。したがって、課題箇所検出部202eは、当該課題箇所を強調表示した分析結果等を生成する。これにより、利用者は、強調表示された課題箇所(
図4の経路ID:4,5,7)を見ることによって、分析対象の移動手段の時刻表のダイヤ改正を検討することができる。また、利用者は、待ち時間が長いのではなく徒歩時間が長い場合等には、当該移動手段の停留所(バス停など)の位置を変更することも検討することができる。
図4に示すように、課題箇所として強調表示する個所は、経路ID表示部分でも良いし、経路IDが該当する行や、課題箇所を示すセルのみを強調表示するようにしてもよい。ここで、
図5は、課題箇所検出部202eにより抽出された課題箇所の抽出結果の一例を示す図である。
【0067】
また、
図5に示すように、別の一例として、課題箇所検出部202eは、移動経路中に含まれる、徒歩で移動する徒歩時間、バスや電車などの他の移動手段に乗り換えるために駅やバス停等で待つ待ち時間、それらの合計時間のほか、全体の所要時間に対する乗換時間や徒歩時間や待ち時間や合計時間などの割合等、のうち指定された値もりも大きいまたは小さい値を含む経路を課題箇所として検出する。
【0068】
例えば、
図5において、徒歩時間が5分以上の経路を指定した場合について、経路ID:1の経路データが徒歩時間5分となってしまっている。したがって、課題箇所検出部202eは、経路ID:1のデータを表示する。これにより、利用者は、表示された数値の高い箇所(
図5の経路ID:1、21、35、…)を見ることによって、分析対象の複数の経路のうち、課題箇所の経路を網羅的に把握し、改正を検討することができる。このように、課題箇所検出部202eは、検出した課題箇所を強調表示するのではなく抽出してもよい。
【0069】
再び
図2に戻り、分析結果出力部202fは、統計分析部202dによる統計処理の分析結果を、出力部214を介して出力する(ステップSA−4)。なお、分析結果出力部202fは、課題箇所検出部202eにより検出された課題箇所を分析結果として出力部214に出力する。ここで、分析結果出力部202fは、上述のように表形式やグラフ形式等で生成された分析結果を出力することに限られず、地図上に分析結果を重畳的に表示して出力してもよい。ここで、
図6は、地図上に課題箇所を表示した例を示す図である。
【0070】
図6に示すように、分析結果出力部202fは、統計分析部202bにより生成された地図ベースの分析結果に基づいて、課題箇所として特定されたバス停や、その原因となっている数値等を、地図や経路(図中の一点鎖線で示された移動経路の全部または移動区間)と合わせて表示してもよい。なお、分析結果出力部202fは、出力部214を介して、分析結果を表示出力することに限られず、印刷出力してもよく音声出力してもよい。
【0071】
以上が、本実施形態における分析評価装置200の処理の一例である。なお、以上のステップSA−1〜ステップSA−4の処理は、繰り返し行うよう構成してもよく、例えば、分析評価装置200は、ステップSA−4からステップSA−1に処理を戻し、更なる経路取得条件を利用者に入力させることにより、分析結果の絞り込みを行ってもよい。
【0072】
[経路探索履歴を用いる処理]
つづいて、上述した分析評価システムの処理において、経路探索履歴を用いる処理の例について
図7を参照して説明する。
図7は、本実施の形態における本分析評価システムの処理の一例を示すフローチャートである。
【0073】
まず、ユーザ端末装置400の経路探索条件設定部402aは、少なくとも出発地と目的地を含む経路探索条件を設定する(ステップSB−1)。ここで、経路探索条件の出発地または目的地は、位置取得部412により取得される位置情報に基づくユーザ端末装置400の経路案内利用者の現在位置であってもよい。例えば、経路探索条件設定部402aは、位置取得部412にて位置発信装置500から受信した位置情報信号から算出した位置情報等に基づいて、経路探索条件の出発地や目的地を設定してもよい。その際、経路探索条件設定部402aは、経路探索条件の出発地や目的地が位置取得部412により取得された位置情報等に基づいて設定されたことを示す地点決定情報を経路探索条件に設定してもよい。また、経路探索条件設定部402aは、経路案内利用者に入力部416を介して、出発地または目的地を入力させるよう制御することにより経路探索条件の設定を行ってもよい。その際、経路探索条件設定部402aは、入力部416を介して設定されたことを示す地点決定情報を経路探索条件に設定してもよい。
【0074】
そして、ユーザ端末装置400の経路探索条件送信部402bは、経路探索条件設定部402aにより設定された経路探索条件を、分析評価装置200に送信する(ステップSB−2)。
【0075】
そして、分析評価装置200の経路探索部202cは、ユーザ端末装置400から送信された経路探索条件を受信する(ステップSB−3)。
【0076】
そして、分析評価装置200の経路探索部202cは、ネットワークデータベース206aに記憶されたネットワークデータに基づいて、経路取得条件入力部202aにより受信された経路探索条件を満たす経路探索結果を算出する(ステップSB−4)。
【0077】
そして、分析評価装置200の経路探索部202cは、経路探索条件に基づいて算出した経路探索結果を、経路探索条件の送信元のユーザ端末装置400に送信する(ステップSB−5)。
【0078】
そして、ユーザ端末装置400の経路探索結果受信部402cは、分析評価装置200から送信された経路探索結果を受信する(ステップSB−6)。
【0079】
そして、ユーザ端末装置400の経路案内部402dは、経路探索結果受信部402cにより受信された経路探索結果に基づいて、出力部414を介して経路案内を実行する(ステップSB−7)。ここで、経路案内部402dは、受信された経路探索結果に複数の経路がある場合、経路案内利用者に案内用の経路を、入力部416を介して選択させるよう制御し、選択された案内用の経路の情報を分析評価装置200に送信するとともに、選択された案内用の経路についての経路案内を実行してもよい。
【0080】
一方、分析評価装置200の経路探索部202cは、ステップSB−4において経路探索部202cにより算出された経路探索結果を経路探索履歴データベース206bに格納する(ステップSB−8)。ここで、経路探索部202cは、経路探索条件を送信したユーザ端末装置400の経路案内利用者に関するユーザ識別情報(ユーザID、ユーザ属性情報(性別、年齢、年代などの情報等)を、経路探索結果に対応付けて経路探索履歴データベース206bに格納してもよい。また、経路探索部202cは、経路探索条件が、ユーザ端末装置400の位置取得部412により取得された現在位置情報に基づいて設定されたものか、ユーザ端末装置400の入力部416を介して設定されたものか等を識別する地点決定情報を、経路探索結果に対応付けて経路探索履歴データベース206bに格納してもよい。また、経路探索部202cは、経路探索結果の複数の経路のうち選択した経路の情報をユーザ端末装置400から受信した場合、選択された経路に関する経路探索結果のみを、経路探索履歴データベース206bに格納してもよい。
【0081】
以上の処理を繰り返すことによって、分析評価装置200は、ユーザ端末装置400から送信された経路探索条件を満たす経路探索結果を算出しながら、その経路探索結果を経路探索履歴データベース206bに蓄積する。
【0082】
そして、閲覧端末装置100は、出発地と目的地を少なくとも含む経路取得条件を、閲覧ユーザに入力部を介して入力させるよう制御する(ステップSB−9)。ここで、閲覧端末装置100は、分析評価装置200に経路取得条件を入力する旨を通知することにより、分析評価装置200から送信される複数の地点を受信し、入力部を介して単数または複数の地点を選択させるよう制御することにより経路取得条件を取得してもよい。また、閲覧端末装置100は、分析評価装置200に経路取得条件を入力する旨を通知することにより、分析評価装置200から送信される、地図データベース206dに記憶された地図データを受信して出力部に出力し、出力部に出力された地図データの地図上の単数または複数の地点を、入力部を介して選択させるよう制御することにより地点情報を取得してもよい。また、閲覧端末装置100は、閲覧ユーザに入力部を介して分析対象とする交通手段(バス路線などの移動手段の種別)を指定させることにより経路取得条件を取得してもよい。このほか、閲覧端末装置100は、経路探索結果の重み付けを行うか否か、出発時刻を設定する時間帯等を指定させることにより経路取得条件を取得してもよい。
【0083】
そして、閲覧端末装置100は、入力された経路取得条件を、分析評価装置200に送信する(ステップSB−10)。
【0084】
そして、分析評価装置200の経路取得条件入力部202aは、閲覧端末装置100から送信された経路取得条件を受信する(ステップSB−11)。
【0085】
そして、分析評価装置200の経路データ取得部202bは、経路取得条件入力部202aにより受信された経路取得条件に基づいて、出発時刻ごとに、出発地から目的地までの経路を含む経路探索結果を経路探索履歴データベース206bから抽出することにより、経路データを取得する(ステップSB−12)。例えば、経路データ取得部202bは、経路探索履歴データベース206bから抽出した、所定の時間間隔で設定された出発時刻ごとの経路取得条件を満たす候補経路のうち、経路案内利用者が案内用の経路として選択した割合が所定の閾値以上の経路を、移動経路として取得してもよい。すなわち、経路データ取得部202bは、経路案内利用者が案内用の経路として所定回数以上選択した経路を移動経路としてもよく、あるいは、経路案内利用者により案内用の経路として所定割合以上で選択された経路を移動経路としてもよい。また、経路データ取得部202bは、経路取得条件に移動手段を指定する情報(バス路線や鉄道路線などの移動手段の種別)が含まれる場合、当該移動手段の情報に対応する経路探索履歴に限定して抽出してもよい。また、経路データ取得部202bは、抽出した経路探索結果の重み付けを行ってもよく、例えば、案内用の経路が、ユーザ端末装置400の位置取得部412により取得された現在位置情報の履歴(位置ログ)に基づく場合、この案内用の経路の経路探索履歴が重視されるよう重み付けを行ってもよい。反対に、ユーザ端末装置400の入力部416を介して設定された経路探索条件に基づく経路探索履歴の場合は、経路探索履歴を重視しないように重み付けを行ってもよい。
【0086】
そして、統計分析部202dは、経路データ取得部202bにより取得された複数の移動経路の経路データの統計処理を行い、交通手段に関して分析する(ステップSB−13)。なお、この処理は、上述したSA−3の処理と同様であるので説明を省略する。
【0087】
そして、分析評価装置200の分析結果出力部202fは、統計分析部202dにより生成された分析結果のデータを、経路取得条件の送信元の閲覧端末装置100に送信する(ステップSB−14)。
【0088】
そして、閲覧端末装置100は、分析評価装置200から送信された分析結果を受信し(ステップSB−15)、受信した分析結果を出力部に出力する(ステップSB−16)。なお、上述のように、閲覧端末装置100は、閲覧ユーザに入力部を介して更なる経路取得条件を入力させることにより、分析結果の絞り込みを行ってもよい。以上で、本実施形態の分析評価システムについての説明を終える。
【0089】
[他の実施の形態]
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
【0090】
例えば、上述の実施の形態においては、実施形態における分析評価システムにおいては、各構成が一筐体内に全て備えられたもの(スタンドアローン型)を、分析評価装置200として説明したが、当該実施例に限らず、各構成が分離した筐体内に備えられ、ネットワーク300等を介して接続されて一つの概念としての装置を構成するもの(例えば、クラウドコンピューティング等)であってもよい。
【0091】
また、上述のように、分析評価装置200がスタンドアローンの形態で処理を行ってもよく、分析評価装置200とは別筐体で構成されるクライアント端末からの要求に応じて処理を行い、その処理結果を当該クライアント端末に返却するように構成してもよい。
【0092】
また、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0093】
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0094】
また、閲覧端末装置100や分析評価装置200やユーザ端末装置400に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0095】
例えば、閲覧端末装置100や分析評価装置200やユーザ端末装置400の各装置が備える処理機能、特に制御部202,402にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)および当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、後述する、コンピュータに本発明に係る方法を実行させるためのプログラム化された命令を含む、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて閲覧端末装置100や分析評価装置200やユーザ端末装置400等に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDDなどの記憶部206などは、OS(Operating System)として協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0096】
また、このコンピュータプログラムは、閲覧端末装置100や分析評価装置200やユーザ端末装置400に対して任意のネットワーク300を介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0097】
また、本発明に係るプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD等の任意の「可搬用の物理媒体」、あるいは、LAN、WAN、インターネットに代表されるネットワークを介してプログラムを送信する場合の通信回線や搬送波のように、短期にプログラムを保持する「通信媒体」を含むものとする。
【0098】
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0099】
記憶部206に格納される各種のデータベース等(ネットワークデータベース206a〜地図データベース206d)は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラムやテーブルやデータベースやウェブページ用ファイル等を格納する。
【0100】
また、分析評価装置200は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、該情報処理装置に任意の周辺装置を接続して構成してもよい。また、分析評価装置200は、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0101】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じて、または、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。