特許第6268263号(P6268263)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6268263
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】遠近両用眼鏡状のフレーム
(51)【国際特許分類】
   G02C 5/20 20060101AFI20180115BHJP
   G02C 5/12 20060101ALI20180115BHJP
   G02C 5/04 20060101ALI20180115BHJP
   G02C 7/06 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   G02C5/20
   G02C5/12
   G02C5/04
   G02C7/06
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-211264(P2016-211264)
(22)【出願日】2016年10月28日
【審査請求日】2017年9月6日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596179070
【氏名又は名称】関 則雄
(74)【代理人】
【識別番号】100083633
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏
(72)【発明者】
【氏名】関 則雄
【審査官】 廣田 健介
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭58−093029(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3134235(JP,U)
【文献】 実開昭51−126148(JP,U)
【文献】 特開2008−286884(JP,A)
【文献】 特開2000−122009(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0145699(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 1/00−13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に配置したレンズA,Bを保持する一対のレンズ保持枠(1)と、該一対のレンズ保持枠(1)を連結するブリッジ(2)と、折畳み可能に取付けられたツル(4)と、鼻に当接して支持させる鼻当部材(5)と、前記レンズ保持枠(1)を上下移動するための上下移動手段(6)と、前記鼻当部材(5)を上下移動するための鼻当上下移動手段(7)と、から少なくとも構成し、且つ、前記上下移動手段(6)が、前記ツル(4)の先端部に固着した軸受部(61)と、その軸受部(61)に一端が軸(63)で軸支された作動アーム(62)と、該作動アーム(62)の他端を前記レンズ保持枠(1)の外側に軸支させるための取付軸(64)と、前記作動アーム(62)を所定位置に保持するための位置保持部材(65)と、から少なくとも構成されたことを特徴とする遠近両用眼鏡状のフレーム。
【請求項2】
前記位置保持部材(65)が、前記軸受部(61)に設けた凸部(65a)と、前記作動アーム(62)の端部に形成すると共に前記凸部(65a)に係止する切欠部(65b)と、から少なくとも構成された請求項1記載の遠近両用眼鏡状のフレーム。
【請求項3】
前記鼻当上下移動手段(7)が、前記ブリッジ(2)の中央から吊下して設けた吊下軸(71)と、該吊下軸(71)に挿入して上下移動する軸受(72)と、該軸受(72)の内部に装着した弾性部材(73)と、前記吊下軸(71)の端部に取付けるストップリング(74)と、から少なくとも構成された請求項1記載の遠近両用眼鏡状のフレーム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアームを介してレンズを上下移動させ、異種類のレンズなどを使い分け出来る遠近両用眼鏡状のフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に遠近両用眼鏡は、1枚のレンズの上部を遠視用に、その下部を近視用に成し、眼鏡の装着者が眼球の方向や見る角度を変え、遠くの物を見る時には上目使いに、近くの物を見る時には下目使いにして見ているのが現状である。この場合、図6(a)に示すように視線が水平位置から下方に向って物を見るため、物を見るのに正視する(レンズの中心と目の高さが合致した視線で見る)のが自然であるのに対して、特に近くの物を見る時の視線は、不自然な見方、不自然な使い方で無理が生じ易く、目の疲れを誘発し易いものとなっていた。
【0003】
このため、下方の近視用領域を目の位置に近付けて、視線を正視状態に近くするための提案も多くある。この中で、鼻当部材だけを上下移動させる提案のものは、図6(b)に示すように、視線を水平位置から下方に向けて物を見ると、図6(a)の時よりも下方に向ける位置が少なくて済み、目の高さに近付けることができる。しかし、これはレンズ全体が図中のように傾くため、見にくいものとなり、目の疲労が生じ易いものとなっていた。
【0004】
又、眼鏡自体を反転させる眼鏡や、眼鏡自体の高さを鼻当て位置の上下高さ調節によって目の位置に近付けた眼鏡など多種類のものがある。この中で、眼鏡自体を反転させる提案のものとして、特開平7−199126号があり、これは、反転して眼鏡が掛けられるようにツルを反転して耳当部を上下移動させると共に、鼻当部を上下移動させて、遠中視部又は近視部の中央付近に目が位置するような構造のものである。
【0005】
しかしなら、眼鏡自体を反転させる眼鏡は、ツルの取付部が眼鏡枠の外側中央高さに設けられているため、眼鏡自体を反転させても、視線が上下のレンズの境に来て見にくくなり、必ず鼻当部材の上下高さ調節をしなければならないものであった。この眼鏡は反転させて使用できるようにした後、鼻当部材を上下移動させて高さ調節する必要があり、面倒であると共に、その微調節はなかなか正確に行うのは困難である。又、この時の視線としては、図6(c)に示すようになり、装着者の目の高さにズレが生じ、且つ、レンズ全体が図中のように傾くため、目の疲労をなくすことはできないものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−199126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はアームを介してレンズを上下移動させ、異種類のレンズなどを簡単に使い分け出来ると共に、レンズなどの中心と装着者の目の高さを合致させて眼精疲労が軽減される遠近両用眼鏡状のフレームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記現状に鑑みて成されたものであり、つまり、上下に配置したレンズA,Bを保持する一対のレンズ保持枠と、該一対のレンズ保持枠を連結するブリッジと、折畳み可能に取付けられたツルと、鼻に当接して支持させる鼻当部材と、レンズ保持枠を上下移動するための上下移動手段と、鼻当部材が上下移動するための鼻当上下移動手段と、から少なくとも構成し、且つ、上下移動手段が、ツルの先端部に固着した軸受部と、該軸受部に一端が軸で軸支された作動アームと、その作動アームの他端をレンズ保持枠の外側に軸支させるための取付軸と、作動アームを所定位置に保持するための位置保持部材と、から少なくとも構成されたものとする。また位置保持部材が、軸受部に設けた凸部と、作動アームの端部に形成すると共に凸部に係止する切欠部と、から少なくとも構成する。更に鼻当上下移動手段が、ブリッジの中央から吊下して設けた吊下軸と、該吊下軸に挿入して上下移動する軸受と、該軸受の内部に装着した弾性部材と、吊下軸の端部に取付けるストップリングと、から少なくとも構成されたものとしても良い。
【発明の効果】
【0009】
請求項1のように上下に配置したレンズA,Bを保持する一対のレンズ保持枠(1)と、該一対のレンズ保持枠(1)を連結するブリッジ(2)と、折畳み可能に取付けられたツル(4)と、鼻に当接して支持させる鼻当部材(5)と、レンズ保持枠(1)が上下移動するための上下移動手段(6)と、鼻当部材(5)を上下移動するための鼻当上下移動手段(7)と、から少なくとも構成し、且つ、上下移動手段(6)が、ツル(4)の先端部に固着した軸受部(61)と、その軸受部(61)に一端が軸(63)で軸支された作動アーム(62)と、該作動アーム(62)の他端をレンズ保持枠(1)の外側に軸支させるための取付軸(64)と、作動アーム(62)を所定位置に保持するための位置保持部材(65)と、から少なくとも構成されることにより、作動アーム(62)を介してレンズ保持枠(1)を上下移動させ、異種類のレンズなどを簡単に使い分け可能となると共に、レンズの中心と装着者の目の高さを合致させ、眼精疲労が軽減されるものとなる。特にレンズAの眼鏡とレンズBの眼鏡の2種類の眼鏡が、上辺同士を固定した眼鏡と略同様な使用が可能となるため、レンズAの眼鏡とレンズBの眼鏡を使い分けて単独の眼鏡として使用する状態と略同一の感覚となり、上下移動しても装着者の目の高さがズレないので、極めて見え易いものとなる。従って、本発明品を用いれば、眼鏡を掛け変えなくても簡単に2種類のレンズがそれぞれ単独状態で使用できるものとなるのである。
【0010】
請求項2のように位置保持部材(65)が、軸受部(61)に設けた凸部(65a)と、作動アーム(62)の端部に形成すると共に凸部(65a)に係止する切欠部(65b)と、から構成されることにより、レンズA或いはレンズBの中心と装着者の目の高さを合致させることが、可能なものとなる。このため、レンズAとレンズBの使い分けが簡単で迅速且つ確実に行え、しかもレンズの使用範囲(視線の移動範囲)が広がるものとなる。また物を見る場合、正視する自然状態となり、眼精疲労が軽減可能なものとなるのである。
【0011】
請求項3に示すように鼻当上下移動手段(7)が、ブリッジ(2)の中央から吊下して設けた吊下軸(71)と、該吊下軸(71)に挿入して上下移動する軸受(72)と、該軸受(72)の内部に装着した弾性部材(73)と、吊下軸(71)の端部に取付けるストップリング(74)と、から少なくとも構成されることによって、簡単な構造で、且つ、鼻当部材(5)の上下移動がスムーズに行えるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態を示す説明図である。
図2】本実施形態の上下移動手段を示す説明図である。
図3】本実施形態の上下移動手段の作用を示す説明図である。
図4】本実施形態の鼻当上下移動手段を示す説明図である。
図5】本実施形態の鼻当上下移動手段の作用を示す説明図である。
図6】従来品の視線を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態を図1図2に基づいて説明する。(1)は上下に配置したレンズA,Bを保持する一対のレンズ保持枠であり、該レンズ保持枠(1)はレンズA,Bの外周を図中の如く囲っているが、これに限定するものではなく、例えば、縁なし眼鏡のレンズ保持枠(1)を用いても良い。
尚、前記レンズ保持枠(1)によって保持されるレンズとしては、凹レンズ,凸レンズ,板ガラス(素通しや偏光板),色付きガラス(サングラスなど),ウェアラブル端末グラスなどを用いるのが好ましい。またレンズの形状としては、図1の図中に示す四角形に限定されるものではなく、例えば円形,楕円形や他の形状でも良い。またレンズA,Bは個別でなく、1枚のレンズに一体化させたものとしても良い。更に前記レンズの代わりに、ウェアラブル端末用の表示画面として使用するものとしても良い。又、レンズA,Bが傾斜するようにレンズ保持枠(1)を図示しないが、前後方向に折曲(傾斜)させたものとしても良い。
【0014】
(2)は一対のレンズ保持枠(1)の中央高さ位置に連結したブリッジである。尚、前記ブリッジ(2)の連結位置は、中央高さ位置に限定されるものではない。(3)は後述するツル(4)を折畳み可能に取付けるための蝶番である。(4)は先端が折畳み可能に取付けられたツルであり、該ツル(4)の先端が下方に曲げられて形成した折曲部(41)が設けられている。また後端部には耳当部(42)が設けられている。尚、前記折曲部(41)は必ずしも必要ではない。例えば、図2に示す2点鎖線のようにツル(4)の先端を真直ぐなものとしても良い。
【0015】
(5)は鼻に当接して全体を支持させる鼻当部材であり、該鼻当部材(5)はブリッジ(2)の下部に設けると共に上下方向へ移動可能に配置されている。また鼻当部材(5)は、パット(51)と、支持棒(52)と、から少なくとも構成されている(図4参照)。該支持棒(52)の端部は後述する軸受(72)に固着している。(6)はレンズ保持枠(1)を上下移動するための上下移動手段であり、該上下移動手段(6)は、ツル(4)の折曲部(41)先端に固着した円板状の軸受部(61)と、その軸受部(61)に一端が軸(63)で軸支された平板状の作動アーム(62)と、該作動アーム(62)の他端をレンズ保持枠(1)の外側で中央高さ位置に軸支させるための取付軸(64)と、作動アーム(62)を所定位置に保持するための位置保持部材(65)と、から少なくとも構成されている(図2参照)。また前記軸(63)としては、ピンを用い、取付軸(64)としては、ピンや頭付きネジなどを用いると良い。前記位置保持部材(65)は、軸受部(61)に設けた凸部(65a)と、該凸部(65a)に係止すると共に作動アーム(62)の端部に形成した切欠部(65b)と、レンズ保持枠(1)の外側に立設したピン等の上限ストッパー(65c)及び下限ストッパー(65d)と、から構成されている。また前記凸部(65a)は半球状に形成されている。尚、前記上下移動手段(6)は、上記構成に限定されるものではなく、作動アーム(62)を用いたものであれば良い。又、前記位置保持部材(65)は、上記構成に限定されるものではない。
【0016】
(7)は鼻当部材(5)を上下移動させるための鼻当上下移動手段であり、該鼻当上下移動手段(7)は、ブリッジ(2)の中央から吊下した丸棒状の吊下軸(71)と、該吊下軸(71)に挿入して上下移動する軸受(72)と、該軸受(72)の内部に装着した弾性部材(73)と、前記吊下軸(71)の端部に取付けるストップリング(74)と、から少なくとも構成されている(図4参照)。前記吊下軸(71)には、弾性部材(73)が挿入されて位置決めするための湾曲凹面状の溝(71a)が2本形成されており、その2本の溝(71a)の間隔は、レンズ保持枠(1)の上下移動距離と同じ寸法である。又、前記弾性部材(73)としては、Oリングを用いるのが好ましいが、他の弾性部材(73)を用いても良い。またストップリング(74)としては、Eリングを用いるのが好ましいが、軸受(72)が吊下軸(71)から抜けるのを防止できるものであれば、他のものでも良く、例えば、Cリングや頭付き止めネジなどを用いると良い。尚、前記鼻当上下移動手段(7)は作動アームを用いた前記上下移動手段(6)と同一構成のものを用いても良い。又、前記鼻当上下移動手段(7)の他の構成として、図示しないが、ブリッジ(2)の代りに、固定板を設け、固定板と対向する可動板を用意し、中央が膨らむようにセットする一対の板バネの一端を固定板に固着させ、他端を抜け防止部材に固着させ、可動板の中穴に板バネを挿入させ、固定板と抜け防止部材の間で、可動板(前記軸受に相当する)が上下移動可能としたものとしても良い。
【0017】
次に本発明の上下移動手段(6)の作用を図3に基づいて説明する。先ず始めに(a)の状態について説明する。この状態で眼鏡を掛けると、装着者の目の高さとレンズAの中心が合致しているので、物が非常に見易く、且つ、レンズAの上下を有効に使用できるものとなる。次にレンズBを使用する時は、先ず片手でレンズ保持枠(1)を掴んで固定させると共に他方の手でツル(4)を掴み、作動アーム(62)を下方へ押下げると、作動アーム(62)は図中の矢印のように、取付軸(64)を中心に回転して、(b)の位置まで来る。この時、ツル(4)は下方へ向いているので、そのツル(4)が水平になるようにする。この場合、前記片手でレンズ保持枠(1)を掴むと共に作動アーム(62)も一緒に掴んで固定する。そしてツル(4)が水平になるように、軸(63)を中心にツル(4)が回転される。この時、軸受部(61)の凸部(65a)は、作動アーム(62)の端部が若干浮き上がって、凸部(65a)は切欠部(65b)の下に入り込むため、係止状態が解除される。その後、作動アーム(62)の下に潜り込んだまま回転されると、他方の切欠部(65b)から凸部(65a)が突出して嵌り込めば、(c)のように係止状態を保持するものとなるのである。尚、上記作用は、ツル(4)を固定して、レンズ保持枠(1)を上方へ持上げるようにしても良い。この場合、鼻当部材(5)も一緒に持上げられるので、軸受(72)を指で下方へ下げて、鼻当部材(5)を下げることにより、前記レンズAの時と同じように、レンズBの中心が装着者の目の高さと合致するものとなる。従って、物を見る時は、正視できるものとなり、目の疲れが激減出来るものとなる。前記取付軸(64)側の作動アーム(62)の回転力は、眼鏡を装着時にレンズ保持枠(1)が回転しないように保持できる以上の力に調節しておくと良い。
【0018】
次に本発明の鼻当上下移動手段(7)の作用を図5に基づいて説明する。先ず始めに(イ)の状態にある軸受(72)を、指で矢印方向へ持上げると、Oリングである弾性部材(73)は溝(71a)から外れ、弾性部材(73)の内径が吊下軸(71)の外径と同一になる。この時、(ロ)の状態の如く弾性部材(73)が軸受(72)の溝の奥へ押しやられる。この状態で上方へ更に移動して行くと、弾性部材(73)は溝(71a)に嵌り、(ハ)の位置で軸受(72)が止まるのである。この時、鼻当部材(5)は(イ)から(ハ)の位置間で上方へ移動するのである。尚、前記鼻当部材(5)が(ハ)の位置にある時は、レンズAを見る時であり、(イ)の位置にある時は、レンズBを見る時である。
【0019】
次に本発明を使用する場合について説明する。先ず始めにレンズAを使用する時は、ツル(4)は図3(a)の状態にし、鼻当部材(5)は図5(ハ)の位置で、且つ、吊下軸(71)の上部に配置されている状態となる。一方、レンズBを使用する時は、ツル(4)は図3(c)の状態にし、鼻当部材(5)は図5(イ)の位置まで下げて、吊下軸(71)の下部に配置されている状態となる。このようにツル(4)と鼻当部材(5)を上下移動することにより、2種類のレンズの使い分けが可能となる。しかも、従来品と異なり、本発明は、目の位置がレンズAの中心からレンズBの中心に移動した場合、レンズAの時の位置関係、つまり、鼻当部材(5),ツル(4),耳当部(42)の位置関係は変化しないものとなるのである。
【0020】
この時、レンズAとして凹レンズを使用し、レンズBとして凸レンズを使用すれば、従来の問題点が、素早く解決できるものとなる。つまり、1)運転席のカーナビやオーディオ機器等を操作した後、直ぐに前方を見ても、焦点が合わず前方がぼけることがなくなると共に、距離に対して違和感がなくなる。2)コンピューターの前で、手元のデーターや文字を確認した後、画面を見ると細かな文字が見えにくく、且つ、眩しく感じたりすることがなくなり、目の疲れが軽減し、頭痛や肩こり等が軽減するものとなる。3)階段を下がる時に足元がぼけて、歩きにくくなることが防止でき、階段を踏み外す事故も防止出来るものとなる。4)テレビジョンを見ながら新聞や雑誌を見てもピンボケが減少する。5)岩場で釣りをする場合、針に餌を付けた後にすぐに岩場を歩いても岩につまずくことが殆どなくなる。
【0021】
又、レンズAとしてサングラスを使用し、レンズBとして凸レンズを使用する際、特に運転席のカーナビやオーディオ機器等を操作した後、直ぐにサングラスに変えて見れば、前方がぼけることがなくなり、且つ、距離に違和感がなくなると共に、眩しさに対応できるものとなる。更に、レンズAとしてウェアラブル端末グラスを使用し、レンズBとして凸レンズを使用すると、眼鏡としてレンズBを使用しながら、一々眼鏡を外さなくてもウェアラブル端末が使用できるものとなるのである。
【符号の説明】
【0022】
1 レンズ保持枠
2 ブリッジ
4 ツル
5 鼻当部材
6 上下移動手段
61 軸受部
62 作動アーム
63 軸
64 取付軸
65 位置保持部材
65a 凸部
65b 切欠部
7 鼻当上下移動手段
71 吊下軸
72 軸受
73 弾性部材
74 ストップリング
【要約】
【課題】本発明はアームを介してレンズを上下移動させ、異種類のレンズなどを簡単に使い分け出来ると共に、レンズなどの中心と目の高さを合致させて眼精疲労が軽減される遠近両用眼鏡状のフレームを提供することを目的とする。
【解決手段】上下に配置したレンズA,Bを保持する一対のレンズ保持枠1と、該レンズ保持枠1を連結するブリッジ2と、折畳み可能なツル4と、鼻に当接して支持させる鼻当部材5と、レンズ保持枠1を上下移動する上下移動手段6と、鼻当部材5が上下移動する鼻当上下移動手段7と、から少なくとも構成し、且つ、上下移動手段6が、ツル4の先端部に固着した軸受部61と、該軸受部61に一端が軸63で軸支された作動アーム62と、その作動アーム62の他端をレンズ保持枠1に軸支させる取付軸64と、作動アーム62を所定位置に保持するための位置保持部材65と、から少なくとも構成されたものとする。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6