(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6268265
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】レーダ機能学習装置
(51)【国際特許分類】
G09B 9/54 20060101AFI20180115BHJP
【FI】
G09B9/54
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-215117(P2016-215117)
(22)【出願日】2016年11月2日
【審査請求日】2016年11月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000221155
【氏名又は名称】東芝電波プロダクツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【弁理士】
【氏名又は名称】鵜飼 健
(72)【発明者】
【氏名】小原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】太田 昌彦
【審査官】
上田 泰
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭50−146651(JP,U)
【文献】
特開2003−285722(JP,A)
【文献】
米国特許第4580251(US,A)
【文献】
名和 靖彦 Yasuhiko Nawa,超音波を用いたレーダ原理実験II Radar Principal ExperimentsII make use of the Ultrasonic Wave,2010年春季第57回応用物理学関係連合講演会講演予稿集,日本,2010年 3月31日,PP.18-042
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00−9/56,17/00−19/26
G01S 7/52−7/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波センサから放射される超音波ビームを目標物に当ててその超音波ビームの反射波を受信することで、前記目標物の位置をモニタの表示部に表示するレーダ機能学習装置であって、
前記超音波センサから放射される超音波ビームを垂直方向に向ける状態で前記超音波センサを支持する支持部と、
前記超音波センサから放射される超音波ビームの放射方向に配置され、前記超音波ビームを水平方向に反射する反射部材と、を具備し、
前記反射部材は、前記超音波センサから放射される前記超音波ビームのビーム形状を前記超音波ビームの拡開角度が狭い狭角ビームから前記拡開角度が前記狭角ビームよりも広い広角ビームに変更する曲面反射板を有する
レーダ機能学習装置。
【請求項2】
前記曲面反射板は、凸面鏡によって形成されている
請求項1に記載のレーダ機能学習装置。
【請求項3】
前記超音波センサの動作を制御して超音波ビームの送受信を行い前記超音波センサから放射された超音波ビームを前記目標物に当ててその超音波ビームの反射波を受信して前記目標物までの距離を測定し、受信した超音波を増幅、検波し受信ビデオ信号を生成するパルスレーダ実験部と、
前記パルスレーダ実験部を制御し、前記受信ビデオ信号から前記表示部に前記目標物の位置を表示する制御部とを具備する
請求項1に記載のレーダ機能学習装置。
【請求項4】
前記支持部は、垂直方向の回転軸上に前記超音波センサの中心軸を配置する状態で前記超音波センサを保持するセンサ保持部と、
前記曲面反射板の支持アームを固定するアーム固定部を有し、前記曲面反射板を前記中心軸の軸回り方向に回転可能に支持する回転支持機構とを有する
請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレーダ機能学習装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、レーダ機能学習装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からレーダの機能を学習する装置(実習装置)が使用されている。空港監視レーダなどの現場で実際に使用されているレーダ装置の実機では、アンテナから電波を空間に放射し、電波を例えば航空機などの目標物に当ててその電波の反射波を受信する。このとき、その電波の往復時間およびアンテナの指向特性から、距離および方位を探知し、目標物の位置を測る。
【0003】
レーダ装置の実機でアンテナから電波を空間に放射する代わりに従来のレーダ機能学習装置では、例えば教室内で使用するために超音波ビームを使用する。従来のレーダ機能学習装置は、超音波ビームがペンシルビームとなっており、空港監視レーダなどの現場で実際に使用されている1次レーダのファンビームとはそのビーム形状に違いがある。ペンシルビームのビーム形状は、高低角方向、方位角方向が狭い狭角ビームであり、ファンビーム形状は、高低角方向に広がる広角ビームである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のレーダ機能学習装置では、レーダ装置の実機で実際に使用されている1次レーダのファンビームとビーム形状が異なるので、レーダ機能学習装置での学習がレーダ装置の実機の操作とは異なるものとなる。そのため、従来のレーダ機能学習装置では、レーダ装置の実機についての理解が難しく、レーダ機能学習装置での学習によりレーダ装置の実機についての理解がし易くなることが望まれている。
【0005】
また、超音波ビームのビーム形状をペンシルビームからファンビームに変更させるためには、超音波センサをより幅の広い超音波を放射できるものに変更する方法や、超音波センサを垂直方向に直列に複数配置するなどの方法がある。しかしながら、幅の広い超音波を放射できる超音波センサを使用する場合には、超音波センサが高価なものとなる不具合がある。また、超音波センサを垂直方向に直列に複数配置する場合には、複数の超音波センサのデータを合成するなど複雑な演算処理が必要になる。そのため、この場合もレーダ機能学習装置のシステム全体が高価になる可能性がある。
【0006】
実施形態の課題は、超音波センサから放射される超音波ビームのビーム形状をペンシルビームからファンビームへの変更を簡単に実現することができ、レーダ装置の実機についての理解がし易くなるレーダ機能学習装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態のレーダ機能学習装置は、超音波センサから放射される超音波ビームを目標物に当ててその超音波ビームの反射波を受信することで、前記目標物の位置をモニタの表示部に表示する。レーダ機能学習装置は、前記超音波センサから放射される超音波ビームを垂直方向に向ける状態で前記超音波センサを支持する支持部と、前記超音波センサから放射される超音波ビームの放射方向に配置され、前記超音波ビームを水平方向に反射する反射部材と、を具備する。前記反射部材は、前記超音波センサから放射される前記超音波ビームのビーム形状を前記超音波ビームの拡開角度が狭い狭角ビームから前記拡開角度が前記狭角ビームよりも広い広角ビームに変更する曲面反射板を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態のレーダ機能学習装置の全体の概略構成図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態のレーダ機能学習装置の要部の概略構成を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態のレーダ機能学習装置の要部の概略構成を示す側面図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態のレーダ機能学習装置の要部の概略構成を示す正面図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態のレーダ機能学習装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1乃至
図5は、第1の実施形態を示す。
図1は、本実施形態のレーダ機能学習装置1の全体の概略構成図である。
図2は、レーダ機能学習装置1の要部の概略構成を示す斜視図である。
図3は、レーダ機能学習装置1の要部の概略構成を示す側面図である。
図4は、レーダ機能学習装置1の要部の概略構成を示す正面図である。
図5は、第1の実施形態のレーダ機能学習装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0010】
本実施形態のレーダ機能学習装置1は、主に超音波の送受信を行う超音波センサ2と、パルスレーダ実験部3と、制御部4と、レーダスコープ(表示部)5とを有する。超音波センサ2は、
図2〜
図4に示すように円筒状の支持筒(センサ保持部)6内に挿入された状態で取り付けられている。この支持筒6は、円筒の中心線Oを垂直方向に向けた状態で配置されている。超音波センサ2は、超音波の送受信を行う振動面2aを有する。そして、支持筒6の円筒内に超音波センサ2の振動面2aが上向きに配置された状態で超音波センサ2が取り付けられている。
【0011】
超音波センサ2からの超音波ビームの放射方向(垂直方向)には、超音波ビームを水平方向に反射する曲面反射板(反射部材)7が設けられている。この曲面反射板7には、支持アーム8の上端部が固定されている。この支持アーム8の下端部は、支持筒6の外周面のアーム固定部9に固定されている。
【0012】
曲面反射板7は、凸面鏡によって形成されている。この曲面反射板7には、
図3中で右側に凸形状のわずかに曲率を有する表面が滑らかな凸曲面が形成されている。そして、この曲面反射板7は、超音波センサ2から垂直方向に放射される超音波ビームが当たるように設置されている。
【0013】
超音波センサ2からの超音波ビームをこの曲面反射板7で水平方向に反射させた場合、この曲面反射板7の凸曲面で扇型に広がる適当な拡開角度が与えられる。これにより、超音波センサ2からの超音波ビームのビーム形状を超音波ビームの拡開角度(ビーム幅)が狭い狭角ビーム(ペンシルビーム)からEL(垂直)方向の拡開角度が狭角ビームよりも広い広角ビーム(ファンビーム)に変更することができる。
【0014】
支持筒6の下には円筒状の目盛板10と、スリップリング保持部11とが配設されている。スリップリング保持部11の内部には、図示しないスリップリングが入っている。このスリップリング保持部11は、曲面反射板7を中心軸Oの軸回り方向に回転可能に支持する回転支持機構12を有する。回転支持機構12は、図示しない例えばロータリーエンコーダとステッピングモータとを有する。
【0015】
また、曲面反射板7によって水平方向に反射させた超音波ビームの進行方向には、目標物13が配置されている。この目標物13は、レーダ装置の実機で実際に使用されている例えば航空機などの疑似目標となる三角板などによって形成されている。
【0016】
パルスレーダ実験部3は、制御部4からの信号により、超音波センサ2の送信ON/OFFの制御を行う。これにより、超音波センサ2からの超音波の送受信を行い、目標物13までの距離を測定する。さらに、パルスレーダ実験部3は、回転支持機構12の回転ON/OFFの制御を行う。これにより、曲面反射板7を回転させて全方位の目標物13を探知する。また、パルスレーダ実験部3は、超音波センサ2で受信した超音波を増幅、検波し、受信ビデオ信号を生成する。
【0017】
制御部4は、例えば、パソコンと、モニタであるレーダスコープ5とを有する。そして、制御部4は、パルスレーダ実験部3を制御する。このとき、目標物13によりビデオ信号を作成し、疑似的にレーダスコープ5に表示する。
【0018】
次に、上記構成の本実施形態のレーダ機能学習装置1の作用について
図5に示すフローチャートを参照して説明する。本実施形態のレーダ機能学習装置1の使用時には、パルスレーダ実験部3は、制御部4からの信号により、超音波センサ2の送信ON/OFFの制御を行う。そして、act1で超音波センサ2の送信ONの状態と判断された場合には、超音波センサ2から超音波ビームが垂直方向に放射される(act2)。この超音波センサ2から垂直方向に放射される超音波ビームは曲面反射板7によって水平方向に反射される。このとき、超音波センサ2からの超音波ビームは、曲面反射板7の凸曲面で扇型に広がる状態で水平方向に反射される。これにより、超音波センサ2からの超音波ビームのビーム形状を超音波ビームの拡開角度(ビーム幅)が狭い狭角ビーム(ペンシルビーム)からEL(垂直)方向の拡開角度が狭角ビームよりも広い広角ビーム(ファンビーム)に変更することができる。
【0019】
また、曲面反射板7によって水平方向に反射させ、水平方向に進行する超音波ビームは、進行方向の目標物13に当たるとこの目標物13から反射される(act3)。この目標物13から反射される超音波ビームの反射波は、超音波センサ2からの放射時と逆の経路を通り、超音波センサ2で受信される(act4)。
【0020】
パルスレーダ実験部3は、超音波センサ2で受信した超音波を増幅、検波し、受信ビデオ信号を生成する(act5)。このビデオ信号は、レーダスコープ5に入力され、レーダスコープ5に目標物13の位置が疑似的に表示される(act6)。
【0021】
また、レーダ機能学習装置1の動作時には、回転支持機構12が駆動され、曲面反射板7は、中心軸Oの軸回り方向に時計回り方向又は反時計回り方向に360°の全周に渡り回転駆動される。これにより、超音波センサ2から垂直方向に放射され、曲面反射板7によって水平方向に反射させた超音波ビームを360°の全周に渡り放射させることができる。
【0022】
そこで、上記構成の本実施形態のレーダ機能学習装置1にあっては次の効果を奏する。すなわち、本実施形態のレーダ機能学習装置1では、超音波センサ2から垂直方向に放射される超音波ビームを水平方向に反射させる曲面反射板7を設け、この曲面反射板7を凸曲面を有する凸面鏡によって形成している。そして、超音波センサ2からの超音波ビームをこの曲面反射板7で水平方向に反射させた場合、この曲面反射板7の凸曲面で扇型に広がる適当な拡開角度が与えられるようにした。これにより、超音波センサ2からの超音波ビームのビーム形状を超音波ビームの拡開角度(ビーム幅)が狭い狭角ビーム(ペンシルビーム)からEL(垂直)方向の拡開角度が狭角ビームよりも広い広角ビーム(ファンビーム)に変更することができる。このように、超音波ビームのビーム形状をファンビーム形状に変更したことで超音波ビームによる目標物13の捕捉範囲を広げることができ、EL(垂直)方向の目標探知能力を向上させることができる。
【0023】
そして、水平方向に進行する超音波ビームを進行方向の目標物13に当ててその超音波ビームの反射波を超音波センサ2で受信することにより、目標物13の位置をレーダスコープ5に表示する。さらに、レーダ機能学習装置1の動作時には、回転支持機構12が駆動され、曲面反射板7を時計回り方向又は反時計回り方向に回転させる。これにより、EL(垂直)方向に広いファンビームを360°の全周に渡り放射することができ、全方位の目標物13を探知することができる。
【0024】
したがって、空港監視レーダなどの現場で実際に使用されているレーダ装置と本実施形態のレーダ機能学習装置1でのビーム形状が同じファンビームになることで、より空港監視レーダなどの現場で実際に使用されているレーダ装置についての理解がし易くなる効果がある。さらに、本実施形態のレーダ機能学習装置1において、ビーム幅の違いにより目標物13の探知がどのように変化するかを確かめる事が出来るようになる。
【0025】
上記実施形態によれば、超音波センサから放射される超音波ビームのビーム形状をペンシルビームからファンビームへの変更を簡単に実現することができ、レーダ装置の実機についての理解がし易くなるレーダ機能学習装置を提供することができる。
【0026】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0027】
1…レーダ機能学習装置、2…超音波センサ、2a…振動面、3…パルスレーダ実験部、4…制御部、5…レーダスコープ(表示部)、6…支持筒、7…曲面反射板(反射部材)、8…支持アーム、9…アーム固定部、10…目盛板、11…スリップリング保持部、12…回転支持機構、13…目標物。
【要約】
【課題】 実施形態は、超音波センサから放射される超音波ビームのビーム形状をペンシルビームからファンビームへの変更を簡単に実現することができ、レーダ装置の実機についての理解がし易くなるレーダ機能学習装置を提供することが課題である。
【解決手段】 実施形態のレーダ機能学習装置1は、超音波センサ2から放射される超音波ビームを目標物13に当ててその反射波を受信することで、目標物13の位置をレーダスコープ5に表示する。レーダ機能学習装置1は、超音波センサ2から放射される超音波ビームを垂直方向に向ける状態で超音波センサ2を支持する支持アーム8と、超音波センサ2から放射される超音波ビームの放射方向に配置され、超音波ビームを水平方向に反射する反射部材と、を具備する。反射部材は、超音波センサ2から放射される超音波ビームのビーム形状を狭角ビームから広角ビームに変更する曲面反射板7を有する。
【選択図】
図1