(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面を参照するが、その全体にわたり、類似の参照符号は類似の部分を指す。
【0022】
なお、本開示は、圧平圧力測定法により人体の橈骨動脈(すなわち、手首)から取得された血圧など、侵襲的または非侵襲的に取得された血行力学的パラメータの測定値を利用して、生体対象の心拍出量を算出する装置および方法に関して主に説明するが、本開示は、人体のその他の血管および位置でのそのようなパラメータ、ならびにその他の温血種のパラメータを利用するように容易に具体化し、または適合させることができる。同様に、本開示の技術は、他のパラメータ測定値に対して、ならびに生物体の循環系と同様の特性を有するその他類似の流体系において利用することができる。こうしたすべての適応および他の実施形態は当業者によって容易に実現され、添付の特許請求の範囲に含まれると考えられる。
【0023】
本明細書で使用される際、「連続的」という用語は、連続的、区分的に連続的、および/または略連続的なプロセス(たとえば、性質上は概ね連続的だが、それ自体は連続的でない)を制限なく含むことを意味する。
【0024】
本明細書で使用される際、「血行力学的パラメータ」という用語は、例えば、圧力(たとえば、拡張期圧、収縮期圧、脈圧、または平均圧)、導関数またはその組み合わせ、動脈流、動脈壁径(およびその導関数)、動脈の断面積、動脈の伸展性を含む、対象の循環系に関連するパラメータを含むことを意味する。
【0025】
さらに、本明細書で使用する用語「圧力測定」、「圧力計」、「圧力測定法」は、たとえば皮膚表面と連通するセンサを配置することによるような、1つまたはそれ以上の血行力学的パラメータの非侵襲表面測定を広く指すことを意図するが、皮膚との接触は直接的でなくてもよく、間接的であってもよい(たとえば、接続媒体またはその他のインタフェースを介して)。
【0026】
本明細書で使用される際、「アプリケーション」という用語(ソフトウェアアプリケーションの文脈で)は概して、特定の機能またはテーマを実現する実行可能なソフトウェアのユニットを指す。アプリケーションのテーマは任意数の規則および機能(オンデマンドコンテンツ管理、電子商取引、株取引、ホームエンターテイメント、計算機など)にわたって広く変動し、1つのアプリケーションが2つ以上のテーマを有することができる。実行可能なソフトウェアのユニットは概して前もって定められた環境で実行され、たとえば、ユニットはJava TV(商標)環境で実行されるダウンロード可能なJava Xlet(商標)を備えることができる。
【0027】
本明細書で使用される際、「コンピュータプログラム」または「ソフトウェア」という用語は、機能を果たすすべてのシーケンス、あるいは人間または機械の認知可能なステップを含むことを意味する。このようなプログラムは、たとえば、C/C++、Fortran、COBOL、PASCAL、アセンブリ言語、マークアップ言語(たとえば、HTML、SGML、XML、VoXML)などを含む実質上すべてのプログラミング言語または環境や、共通オブジェクト・リクエスト・ブローカ・アーキテクチャ(CORBA)、Java(商標)(J2ME、Java Beansなどを含む)などのオブジェクト指向環境で表現することができる。
【0028】
本明細書で使用される際、プロセッサ、「マイクロプロセッサ」、「デジタルプロセッサ」という用語は、デジタル信号プロセッサ(DSP)、縮小命令セットコンピュータ(RISC)、汎用(CISC)プロセッサ、マイクロプロセッサ、ゲートアレイ(たとえば、FPGA)、PLD、再構成可能コンピューティングファブリック(RCF)、アレイプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)を制限なく含むあらゆる種類のデジタル処理装置を含むことを意味する。上記デジタルプロセッサは単独の一体型ICダイに含めること、あるいは複数の構成要素にまたがって分散させることができる。
【0029】
概要
基礎的な一側面では、本開示は心拍出量の算出装置および方法を備える。一実施形態では、人工知能と機械学習の概念を使用して、従来の線形アプローチの制約を克服する心拍出量の非線形数学モデルを構築する目的で、多次元非線形最適化を実行する。数学モデルは、数学的に最適な形で、生理学的入力ソースデータベクトルを、拍動毎に測定される目標心拍出量値または所定期間にわたる移動平均に対応する短期平均値に関連付ける。
【0030】
生理学的入力データは、血行力学的センサまたはその他の機器によって生成される測定値を介して収集する、あるいはセンサによって生成されるデータから導出することができる。測定されたパラメータは、たとえば、a)収縮期圧、b)拡張期圧、c)脈圧、d)心拍間隔、e)平均動脈圧、f)収縮期中の圧力上昇の最大勾配、g)脈圧波の収縮期部分の面積、を含む。これらの測定値は選択された非線形モデルに送られる入力パラメータの追加的なセットである性別(男性または女性)、年齢、身長、体重と組み合わされる。
【0031】
目標心拍出量値は平均への回帰という数学的概念を用いて取得され、これは、複数の測定様式を適用することにより個々の方法と関連付けられる体系的バイアス成分が最小化され、オーバーサンプリングが統計ノイズの最小化につながることを示唆する。したがって、心拍出量値は、複数の個人にわたって、確立されている波形ベースの方法、ドップラー心エコー法ベースの方法、熱希釈法ベースの方法を含む数多くの方法を使用して1つの実施例において取得される。
【0032】
次いで、多次元非線形最適化が、最小自乗最適法で生理学的入力データを目標心拍出量データに変換する数学モデルを発見するために使用される。
【0033】
次いで、モデルが個々の患者に適用される。
【0034】
例示の動作
上述したように、心拍出量(CO)は、心臓の収縮期中の右心室からの出力と左心室からの出力の合計を指し、以下のように数学的に表される。
CO=1回拍出量×心拍数
ただし、心拍数(HR)は単位時間当たりの心拍の数(bpm)を指し、1回拍出量(SV)は拍動毎に一方の心室から送り出される血液の体積(mL)を指す。
【0035】
上述したように、病態生理学的研究によると、左心室の収縮期および拡張期機能ならびに中枢血管機能は非線形プロセスである。したがって、従来技術の線形近似法を用いる心拍出量の計算は不正確で準最適のものである。したがって、本開示は、特に非線形ベースのCO算出機構を提供することによって現在の技術を向上させる。
【0036】
図1を参照すると、本開示による心拍出量を算出する、一般化された方法100が示されている。図示するように、該方法は概して、心拍出量の複数の目標値を取得すること(ステップ102)を備える。
図2に関して、以下に、より詳細に説明するように、目標値は例示の実施形態において、平均への回帰を使用してドップラーや熱希釈によるCO測定値から取得される。非線形最適化アルゴリズムを使用して、生体対象の1つまたはそれ以上の測定された生理学的パラメータに基づきCOを推定することのできる数学モデルを構築する。
【0037】
ステップ104で、数学モデルが構築される。数学モデル(付録IおよびIIに示す)は、1つまたはそれ以上の測定された血行力学的パラメータを目標CO値に関連付けるように構成される。よって、ステップ106によって、対象の1つまたはそれ以上の血行力学的パラメータが測定される。血行力学的パラメータは、血行力学的パラメータ測定値に適合される、文字どおり、あらゆる種類の装置を用いて測定することができる。血行力学的パラメータは、たとえば、その両方が本願の譲受人に譲渡されている、「血管位置を含む血行力学的パラメータの非侵襲査定方法および装置」(METHOD AND APPARATUS FOR THENONINVASIVE ASSESSMENT OF HEMODYNAMIC PARAMETERS INCLUDING BLOOD VESSEL LOCATION)という名称の2009年3月17日に発行された共同所有米国特許第7,503,896号と、「生体対象の循環系内の血行力学的パラメータの査定方法および装置」(METHOD AND APPARATUS FOR ASSESSING HEMODYNAMIC PARAMETERS WITHIN THE CIRCULATORY SYSTEM OF A LIVING SUBJECT)という名称の2006年5月23日に発行された米国特許第7,048,691号とに記載される装置を介してのものを含む圧平圧力測定法によって測定される。本明細書に開示される血行力学的パラメータ測定値のそれぞれ毎に、上記共同所有特許および特許出願に記載の装置および方法に加えて(またはその代わりに)、他の装置を使用することができる。
【0038】
方法100のステップ108によって、数学モデル(ステップ104で構築)がステップ106で取得された血行力学的パラメータ値に適用される。上述したように、数学モデルは、測定された血行力学的パラメータを目標CO値に関連付ける。したがって、ステップ108で適用されるとき、モデルは測定された血行力学的パラメータが与えられれば、CO値の概算値を求めることができる。その後、このCO値はユーザに表示される(ステップ110)か、あるいは別の装置またはプロセスへの入力として使用される。
【0039】
心拍出量を算出する最適化数学モデルの生成
図2を参照すると、COの算出に使用される数学モデルを生成する、一般化された方法200の例示の実施形態が示されている。
【0040】
方法200は、その母集団のサイズが理想的に大きい生体対象(すなわち、検査対象)のサンプルから収集されたデータを利用して数学モデルを生成する。ステップ202によって、複数の生理学的パラメータ値が対象毎に測定される。測定された生理学的パラメータはたとえば、従来のツールを用いて測定される対象の身長(たとえばcm)と体重(たとえばkg)を含むことができる。
【0041】
加えて、測定された生理学的パラメータは、たとえばアネロイド型血圧計および聴診器を用いて聴診方法によって測定することのできる、収縮期血圧(PSys、mmHg)および拡張期血圧(PDia、mmHg)を含む。もしくは、またはさらに、収縮期血圧と拡張期血圧は、たとえば、前に参照された、米国特許第7,503,896号および第7,048,691号に記載の方法および装置を用いて測定することができる。いわゆる「A−ライン」(観血的動脈ライン)も使用することができるが、これは侵襲処置を含むためにさほど好適ではない。
【0042】
加えて、心拍間隔(BTBI)も、測定される生理学的パラメータに含めることができる。BTBIは、各対象の心拍を聴き、第1の心拍を検出し、次の心拍までの時間を(秒で)測定することによって測定される。もしくは、BTBIは、上述のパラメータ測定装置を用いて取得されるデータから導出することができる。
【0043】
次に、該方法のステップ204によって、各対象に関して入力ベクトルχが生成される。入力ベクトルは、すべての測定されたパラメータ(たとえば、身長、体重、収縮期圧(PSys)、拡張期圧(PDia)、心拍間隔(BTBI))の行列を表し、ベクトルは、測定された対象毎に生成される。
【0044】
加えて、ベクトルは、手動で入力される、あるいは他の測定可能な情報から導出される情報を含むことができる。たとえば、入力ベクトルは、手動で入力される、対象の年齢および性別をさらに含むことができる。さらに、入力ベクトルは、脈圧値(PP、mmHgで測定)、平均動脈圧(MAP、mmHg/s)、収縮期間の最大勾配(dPdtMax、mmHg/sで測定)、収縮期面積(SysA、mmHg×sで測定)を含むことができる。入力ベクトルを示す例示の行列を以下に示す。
【0045】
PP、MAP、dPdtMax、SysAの値の導出は、入力ベクトルを生成するプロセスと同じプロセッサで、あるいは異なる処理エンティティで実行され得る第1のプロセスによって実行することができる。たとえば、COアルゴリズム導出装置(
図4を参照して後述)を利用して、入力ベクトルの生成を実行することができる。COアルゴリズム導出装置は、PP、MAP、dPdtMax、SysAの値を導出するのに必要な数学的演算を実行することもできる。本開示を与えられれば、各種その他の実施例が当業者によって認識されるであろう。
【0046】
脈圧は、収縮期および拡張期の血圧測定値の差から導出することができる。上述の米国特許第7,503,896号と第7,048,691号に開示される方法および装置は、収縮期および拡張期の血圧測定値に基づき、PPを独立に算出し、表示することができる。
【0047】
平均動脈圧(MAP)は個人の平均血圧であり、1つの心臓周期間における平均動脈圧として定義される。MAPは収縮期血圧(PSys)と拡張期血圧(PDia)の測定値に基づき、以下のように算出することができる。
【数1】
【0048】
収縮期間の最大勾配(dPdtMax)は、収縮期に対応する時間間隔内の血圧(BP)信号の1次導関数の最大値として定義される。これは、以下のようにして算出される。
【数2】
ただし、P(t)はBP信号を表し、T
sysは現在の拍動の収縮期間隔を表す。均一に離散化されたBP信号の場合、導関数は1次差分によって概算することができる。
【数3】
ただし、dtは、秒単位のBP信号のサンプリング期間である。
【0049】
この推定を利用して、dPdtMaxは、(i)現在のBP拍動の開始(t
onset)を判定し、(ii)現在のBP拍動の収縮期ピークの位置(t
sys)を判定し、(iii)上記推定により間隔[t
onset、t
sys]内のBP信号の1次差分を計算し、(iv)間隔[t
onset、t
sys]内の計算された差分の最大値としてdPdtMaxを判定する、ことによって計算される。
【0050】
一実施形態では、ノイズが導関数の推定に及ぼす影響は、ローパスプリコンディショニングフィルタを用いてBP信号を前処理することによって低減される。たとえば、カットオフ周波数が30Hzの2次バターワースローパスフィルタを使用することができる。
【0051】
収縮期面積(SysA)は以下の式により計算される。
【数4】
ただし、左心室駆出時間(LVET)の概算は以下のように計算される。
【数5】
【0052】
上記値が導出されれば、各入力ベクトルにも代入される(ステップ204)。したがって、入力ベクトルは生体対象の(大きい)サンプルの各メンバーに対して生成される。
【0053】
ステップ206によって、心拍出量測定値は、サンプル内の各対象に対して2つ以上の方法を用いて収集される。言い換えると、単一の対象に対して、複数の心拍出量値が、それぞれ異なる心拍出量の測定方法から、取得される。以下の方法のうちの1つまたはそれ以上を利用してCO値を取得することができる。
【0054】
CO値は、たとえばフィックの原理を用いて判定することができる。フィックの原理は、酸素の消費速度が血流量と酸素が赤血球によって捕捉される速度の関数であるという概念に基づいている。フィックを用いてCOを算出するために、静脈血と動脈血の酸素濃度の測定値からの、所与の期間に消費された酸素の測定値が利用される。COを算出するためは、(i)1分間当たりに消費される酸素の体積(V
O2)が、たとえば肺活量計および二酸化炭素吸収器で測定され、(ii)肺動脈から採られた血液(すなわち、静脈血)の酸素含有量(C
V)が測定され、(iii)末梢動脈のカニューレから採られた血液(すなわち、動脈血)の酸素含有量(C
A)が測定される。その後、測定値を使用して、以下のようにCOを判定する。
CO=V
O2/(C
A−C
V)×100
【0055】
COは希釈法を用いても判定することができる。希釈を用いてCOを判定するためには、患者の血流に注入された指示薬の量を、心臓を通した1回の循環後の動脈血中の平均濃度で除算する。指示薬は染料を含むことができ、染料の濃度は、静脈注射などにより、通常は体動脈内の下流サンプリング部位のように、血液循環内の異なる地点で測定される。COは以下のようにして測定することができる。
【数6】
【0056】
別のCO算出方法は、上述の希釈法と類似するが、指示薬染料の代わりに冷却または加熱された流体を使用する、肺動脈熱希釈法(または右心横断熱希釈法)を利用する。この方法では、(上述の染料濃度と対照的に)温度変化が血液循環中の様々な部位で測定され得る。
【0057】
また、「ドップラー超音波」を利用してCOを測定することができ、ドップラー超音波は超音波とドップラー効果を利用する。心臓内の血液速度によって生じる超音波の周波数のドップラーシフトを利用して、流速と流量、ひいてはCOを以下のように算出する。
CO=vti×CSA×心拍数
ただし、CSAは弁開口の断面積を指し(rを弁の半径として、πr
2を用いて算出)、vtiはドップラー流れプロファイルのトレースの速度時間積分を指す。
【0058】
さらに他のCOの算出メカニズムは心エコー検査を利用する。この方法によると、大動脈環の径(d)を測定し、そして、その断面積の算出を可能にするために、二次元(2D)撮像を使用する。次に、上述の式を用いて、COを、断面積にドップラー流れプロファイルの大動脈弁にわたる速度時間積分(vti)と心拍数とを積算することによって算出することができる。
【0059】
他のCO算出方法は、たとえば経皮ドップラー機構を含む。経皮ドップラー測定を行うために利用可能な例示の一装置は、オーストラリア、シドニーのUscom Ltd社製造のいわゆるUltrasonic Cardiac Output Monitor(超音波心拍出量モニタ、USCOM)である。経皮ドップラー機構は連続波(CW)ドップラーを使用してドップラー流れプロファイル(vti)を測定し、人体計測を使用して大動脈および肺動脈の弁の径と弁開口断面積とを算出する。人体測定の使用により、右側と左側の両方のCO測定を行うことができる。
【0060】
さらに、経食道ドップラー(TOD)を使用してCOを算出することができる。TOD機構は、患者に(たとえば口または鼻を介して)導入し、食道に配置するプローブ端のCWセンサを利用する。ドップラービームは下行胸部大動脈(DTA)と既知の角度で並び、トランスデューサが血流に近いため、信号が明確である。しかしながら、TODはDTA流を測定するだけで、真のCOではないので、患者の鎮静を必要とする。さらに、DTA流、ひいてはTOD測定値は、上半身と下半身の間の血流の不均衡な変化に影響を受ける場合がある。
【0061】
脈圧法は、ある期間にわたる動脈の圧力波形を導くために利用することができ、その後、波形を利用して心機能を算出することができる。しかしながら、そのような測定値は、動脈機能(伸展性、インピーダンスなど)の変化に関連する圧力変動を含むため、信頼性に欠ける。言い換えると、脈圧法は心臓と血管の合わせた機能を測定するが、特にCOの測定にとっては不正確である場合がある。別のCO測定方法への波形の心拍間較正によって適切な補整が行われる。脈圧は(たとえば、圧力センサまたは「Aライン」を大動脈に挿入することによって)侵襲的に、および(たとえば血圧測定および圧力測定によって)非侵襲的に測定することができる。
【0062】
COを測定する非侵襲PP法に関しては、カフ血圧装置(血圧計)を使用して、非侵襲的に血圧を測定し、収縮期と拡張期の圧力の共通のPP波形値を提供する。その後、波形値を使用してPPを算出する。PPは心機能および/またはCOの指標であるが、CO値を完全に認識するには動脈床の弾力性をも考慮に入れなければならない。言い換えると、大動脈が伸張するほど、脈圧が上昇する。概して、血液が2ml追加される毎に圧力が1mmHg上昇する。したがって、COは以下のようにして算出することができる。
CO=2mL×PP×HR
【0063】
本譲受人の上記圧力測定装置のうち1つまたはそれ以上を、本実施形態による連続的かつ非侵襲的圧力感知に利用することができる。
【0064】
心拍出量は、インピーダンスカルジオグラフィを用いて測定することもできる。インピーダンスカルジオグラフィ(ICG)は、心拍周期にわたる胸部全体でのインピーダンスの変化を侵襲的または非侵襲的に測定する。より低いインピーダンスは、より大きい胸腔内の流体体積および血流を示す。流体体積の変化が心拍と同期する際、インピーダンスの変化を利用して、たとえば1回拍出量、心拍出量、収縮期血管抵抗を算出することができる。非侵襲ICG法を使用してCOを測定する例示の装置は、ワシントン州ボセルのSonosite Inc社製造のいわゆるBio−Z Dx装置と、ドイツ、イルメナウのmedis GmbH社製造のいわゆるniccomo装置がある。
【0065】
加えて、超音波希釈(UD)を使用して心拍出量を測定することができる。UDは、体外ループに導入される指示薬として通常生理食塩水を使用するAV循環を生成する。血液超音波速度(1560〜1585m/s)は総血液タンパク質濃度(プラズマおよび赤血球内のタンパク質の合計)、温度、その他の要因の関数である。したがって、生理食塩水(1533m/secの超音波速度を有する)をAVループに導入することで、全体の血液超音波速度は低下し、希釈曲線が生成される。食塩水指示薬は注入されると、患者の右心房に導入される前に、AVループで静脈クランプオンセンサによって検出される。指示薬が心臓と肺を横切る際、動脈ラインにおける濃度曲線が記録され、周知のスチュワート・ハミルトン式で使用されてCOを算出する。
【0066】
COの測定方法は、胸部電気バイオインピーダンス(TEB)が測定されるという点でICG(上述)に類似する電気心拍記録をさらに含むことができる。しかしながら、電気心臓計測では、拍動毎のTEBの急激な上昇は赤血球の配向に帰すると考える。
【0067】
さらに、磁気共鳴映像法(MRI)を使用して心拍出量を算出することができる。具体的には、速度エンコード位相コントラストMRI(velocity encoded phase contrast MRI)が血管内の流れを測定し、それを利用して陽子摂動の位相変化を検出することができる。その変化は既知の勾配で、磁界を通る陽子の運動速度に比例する。MRIスキャンにより、心拍周期の各時点について、解剖学的画像と、各画素の信号強度が面通過速度に正比例する画像とが得られる。血管断面における画素の平均信号強度を測定し、それに既知の定数を掛けることによって血管内の平均速度を判定することができる。次いで、平均速度に血管の断面積を掛けることによって流量が算出され、時間に対してグラフ化される。1回の心拍周期の流量対時間曲線の下の領域が1回拍出量であり、心拍周期の長さが心拍数を決定する。したがって、COは、拍出量と心拍数の積として算出される。
【0068】
再度
図2を参照すると、上記アプローチの1つまたはそれ以上を使用して、上述の方法のステップ206で心拍出量値を測定する。次に、ステップ208によって、各対象について取得された複数のCO測定値に基づき、目標値が生成される。一実施形態では、各対象についての複数のCO測定サンプルがたとえば平均への回帰を用いて調べられて、平均値が特定される。上述したように、複数の測定様式(上述)の適用によって、個々の方法に関連付けられる体系的バイアス成分が最小化され、上記オーバーサンプリングにより統計的ノイズが最小化される。したがって、心拍出量の正確な値が目標心拍出量値として判定および設定される。
【0069】
ステップ210によって、非線形数学モデルが決定され、入力ベクトルが計算された目標値に関連付けられる。一実施形態では、多次元非線形最適化が、最小自乗最適法で生理学的入力データを目標心拍出量データに変換する数学モデルを決定するために使用される。HighDim GmbH社が製造するような最適化ツールを一実施形態において利用して最適化を実行することができる。
【0070】
数学モデルは以下のコスト関数を最小化することによって決定される。
【数7】
ただし、
は選択されたモデルを表すM次元非線形関数であり、
はK個の入力ベクトルのセットであり、
はK個の目標CO値のセットである。選択された最小化基準の解という意味での最適値は以下のように定義される。
【数8】
解は、ガウス−ニュートン法などの非線形最適化方法によって決定することができる。
【0071】
図2の方法によって生成される数学モデルは、それが配布または記憶される1つまたはそれ以上の装置によって実行可能なコンピュータプログラムとして記憶することができる。モデルの実施例を付録IおよびIIに示す(以下に、より詳細に説明)。
【0072】
数学モデルを使用する心拍出量の算出
図3を参照すると、上述の(
図2の方法により生成した)数学モデルが与えられたときに個々の対象の心拍出量を算出する例示の方法300が示されている。上述したように、一実施形態では、心拍出量の算出に使用される数学モデルは、個々の患者にこの方法を適用するための装置にソフトウェアアプリケーションとして分配される。その後、装置のオペレータが後述のステップを実行する。
【0073】
図示されるように、ステップ302によって、個々の対象の複数の血行力学的パラメータが、圧平圧力測定法を用いて非侵襲的に測定される。測定された血行力学的パラメータは、入力ベクトルが生成された時点で選択されたものと同一の血行力学的パラメータである。言い換えると、複数の対象に対して上記のステップ202で測定された血行力学的パラメータは、ステップ302で個々の対象に対して測定されたものと同一の血行力学的パラメータである。一例では、測定されるパラメータは、身長、体重、収縮期血圧(PSys)、拡張期血圧(PDia)、心拍間隔(BTBI)を含む。上述したように、血圧測定値は、従来の測定ツールによって、より進化した圧力測定法によって、または侵襲的な方法(たとえば、A−ラインまたは類似のものが他の目的で既に設置されている場合)によって、取得することができる。
【0074】
次に、ステップ304によって、測定された血行力学的パラメータデータが心拍出量算出アルゴリズムを実行する装置(たとえば、
図5に関して後述する装置)に入力され、前処理される。一実施形態では、血行力学的パラメータデータの前処理は、追加のパラメータを導くために測定されたデータを用いることを含む。たとえば、脈圧(PP)、平均動脈圧(MAP)、収縮期中の最大勾配(dPdtMax)を算出するために、PSysおよびPDiaの測定値を使用することができる。加えて、収縮期面積(SysA)を算出するために、BTBIの測定値が使用される。測定されたデータの前処理は、オペレータにより手動で、COの算出装置(たとえば、後述する
図5の装置)によって、または(これと通信可能な)CO算出装置とは別の装置によって実行することができる。
【0075】
測定され、導出され、入力された血行力学的パラメータは、ステップ204に関して上記で生成されたベクトルに類似するベクトルとして表すことができる。上述したように、個々の対象に関して収集される血行力学的およびその他のパラメータは、例示の実施形態では、モデル生成中に(
図2)収集されるパラメータと同一である、あるいは後述の計算に必要な同じ要素を少なくとも最小限含む。したがって、これらは、上記複数の対象に対して生成されたベクトルと同様のベクトルで表現することができる。具体的には、ベクトルは以下のように表すことができる。
【0076】
特定のデータポイントの個々のものは(連続的な)バイオ信号内で検出され、個々の対象に関して入力された血行力学的パラメータに対応する複数の入力ベクトル(ステップ204で生成)のうちの1つの選択を可能にするために使用され得る(ステップ306)。もしくは、このステップを省略し、生成されたベクトル(個々の対象の実際のデータに対応)にモデルを直接適用することができるが、後述のステップ308を参照されたい。
【0077】
次に、ステップ308によって、非線形数学モデルを使用して、個々の対象の入力ベクトルを、計算された目標値に相関させる。付録IおよびIIは、本開示による心拍出量の算出アルゴリズムの実行のために心拍出量取得パラメータを適用する、例示のMatlab互換コードを示す。図示されるように、アルゴリズムの適用は、アルゴリズムへの入力のため、最初に複数のパラメータ(付録IおよびIIでは「params」と表示)を呼び出すことを含む。概して、パラメータ内の値は、標準的な情報から導出される定数である。パラメータは、心拍出量アルゴリズムを実行するプロセッサと通信する記憶装置に記憶される。一実施形態では、記憶装置とプロセッサとは、
図5を参照して後述するような心拍出量算出装置にともに配置することができる。「params」内のデータは、付録IIに示されるアルゴリズムでの使用のために呼び出される。Matlab互換コードとして図示されているが、本開示は特定のコンピューティング言語またはソフトウェアパッケージに限定されるものでは決してなく、図示された実施形態は心拍出量算出アルゴリズムの機能を例示しているに過ぎないことに注意されたい。
【0078】
以下の擬似コードは、CO算出アルゴリズムによって実行されるステップを概説する。
以下のパラメータが与えられる:
行列の抽出とベクトル代数を使用して、以下のように非線形数学モデルにより心拍出量を計算する。
【0079】
したがって、個々の対象のベクトルデータの入力により、データは一連の数学的ステップを介して予め取得されたデータと比較されて1回拍出量に到り、BTBIと併せて使用されて心拍出量の正確な測定値に到る。さらに、個々の生体対象は特定の血行力学的パラメータを測定させるだけでよく、測定されたパラメータは理想的には非侵襲に測定されることがわかる。こうして、本明細書で論じられる装置および方法は、生体対象の心拍出量を算出する有効かつ正確な非侵襲機構を提供する。
【0080】
その後、心拍出量値はユーザに表示されるか、別の形で提供される(ステップ310)。一実施形態では、これは、CO算出装置がCO値を表示装置に送るときに行われる。もしくは、CO算出装置は、アルゴリズムによって導出された値を直接標示するディスプレイを含むように構成することができ、判定されたCO(またはそれに関連する構成データ)は、対象のさらなる評価(たとえば、多パラメータ解析)においてCOを利用するものなど、別の装置またはプロセスの入力に提供することができる。たとえば、2004年3月16日に発行され、「生体対象の生理学的パラメータの監視方法および装置」(METHOD AND APPARATUS FOR MONITORING PHYSIOLOGIC PARAMETERS OF A LIVING SUBJECT)という名称がつけられた米国特許第6,705,990号を参照されたい。
【0081】
心拍出量算出アルゴリズム導出装置
上述したように、心拍出量算出アルゴリズムは、複数の検査対象から複数のデータを受信するように構成される装置によって生成される。装置400の例示の実施形態(
図4を参照)は受信した情報を使用して、非線形最適化法により血行力学的データを心拍出量に相関させる。
【0082】
図示されるように、装置400は概して、インタフェース404、記憶エンティティ406、プロセッサ402を備える。プロセッサ402は、少なくともデータ導出アプリケーション410、入力ベクトル生成アプリケーション412、パラメータ生成アプリケーション414、アルゴリズム導出アプリケーション416を実行するように構成される。なお、これらは本明細書では実質上別々のアプリケーションまたはモジュールとして説明しているが、具体的な実施に応じて相互に(および/またはさらに別のルーチンまたはモジュールと)一部または全部を組み合わせることができることが理解されよう。また、これらは、別個の位置に配置される別々の装置を含め(たとえば、「クラウド」ベースのプロセスを含むことができる)2つ以上の物理的および/またはソフトウェア環境にわたって分散させることができる。
【0083】
データ導出アプリケーション410は、ユーザ入力420またはデータインタフェース404を介して入力される情報を利用して、他のデータを導出するように構成される複数の命令を備える。たとえば、収縮期および拡張期の血圧測定値を使用して、脈圧(PP、mmHgで測定)、平均動脈圧(MAP、mmHg/s単位)、収縮期の最大勾配(dPdtMax、mmHg/sで測定)、収縮期面積(SysA、mmHg×sで測定)の値を導出することができる。これらの値をそれぞれ導出するのに必要な数学的プロセスは上述したとおりであり、本実施形態によると、データ導出アプリケーション410によって実行される。したがって、測定された血行力学的パラメータデータの入力装置420による(あるいは、たとえばデータインタフェース404による、または図示しない無線インタフェースを介して受信されるような、別のデータソースによる)入力に際し、装置のオペレータは単にデータ導出アプリケーション410を実行させるだけで、装置400と通信する表示装置422に表示させる上記値を取得することができる。
【0084】
入力ベクトル生成アプリケーション412は、測定された血行力学的パラメータ、入力されたデータ(年齢や性別など)、(たとえば、上述のデータ導出アプリケーション410により)測定された血行力学的パラメータから導出されたデータに少なくとも部分的に基づいて複数のベクトルを生成するように構成される複数の命令を備える。各ベクトルは、複数の検査対象のそれぞれに対応する。一実施形態では、ベクトルは、以下に示されるように行列または「タプル」を備える。
【0085】
パラメータ生成アプリケーション414は、本開示による心拍出量算出アルゴリズムで実現される係数を有する複数の行列(または付録IおよびIIに示すような「params」)を生成するように構成された複数の命令を備える。パラメータ内の値は、標準的な情報から導出される定数である。パラメータは、心拍出量算出アルゴリズムを実行する装置(後述の
図5の装置など)の記憶エンティティに記憶される。
【0086】
アルゴリズム導出アプリケーション416は、入力ベクトルとパラメータに少なくとも部分的に基づく心拍出量算出アルゴリズムを生成するように構成される複数の命令を備える。一実施形態では、心拍出量算出アルゴリズムは、上述の付録IおよびIIに示されるような複数のステップを備える。
【0087】
いったんアルゴリズムが生成されると、個々の対象(すなわち、患者)の心拍出量の算出に使用される、臨床医が操作する装置に送られる。装置はたとえば、
図5に関して後述する装置とすることができる。
【0088】
なお、入力および表示装置420、422は別個の構成要素として示されているが、それらは単独の装置(たとえば、当該技術において周知な種類の容量性またはその他のタッチスクリーン装置)に一体化させることができることが理解されよう。さらに、
図4の装置400は、固定またはデスクトップ装置、可搬無線装置(たとえば、タブレットコンピュータ)、大型のホスト装置で使用されるカードまたは「ブレード」などの文字どおり任意のフォームファクタをとることができる。
【0089】
心拍出量算出装置
上述したように、心拍出量の算出アルゴリズムは、臨床医が操作する装置によって実現される例示の実施形態に含まれる。装置は、個々の患者に特有の複数のデータ(すなわち、血行力学的データおよびその他の入力されたデータ)を受信して、対象の心拍出量を算出するように構成される。一実施形態では、
図5の装置500がこれらの機能のために利用される。
【0090】
図示されるように、例示の装置500は概して、データインタフェース504、記憶エンティティ506、プロセッサ502を備える。プロセッサ502は、少なくともデータ前処理アプリケーション510、ベクトル選択アプリケーション412、CO算出アルゴリズム514を実行するように構成される。
【0091】
データ前処理アプリケーション510は、入力装置またはデータインタフェース504を介して入力された情報を利用してCOの算出に必要なデータを導出するように構成される複数の命令を備える。一例では、患者の収縮期および拡張期の血圧の測定値が、入力装置520を介して臨床医によって入力される。前処理アプリケーション510はこの入力を使用して、たとえば上述したような、脈圧、平均動脈圧、収縮期中の最大勾配、収縮期を算出する。
【0092】
一変形例では、ベクトル選択アプリケーション412は、検査対象に関して生成される複数のベクトルの中から1つのベクトルを選択するように構成される複数の命令を備える。しかしながら、このアプリケーション412は一実施形態では省略することができることは理解されよう。
【0093】
CO算出アルゴリズム514は、個々の対象に関するデータにCO算出アルゴリズムを適用するように構成される複数の命令を備える。一実施形態では、アルゴリズムは概して、本明細書の付録IおよびIIに記載の例示のコードに示されるステップを備える。いったんCOが算出されれば、それは、装置500のユーザに、それと通信する表示装置522を介して表示され、あるいはその他の方法で(たとえば、データインタフェース504を介して、あるいは図示しないWi−Fiや類似の無線インタフェースなどの別のインタフェースを介して)出力される。
【0094】
図4の装置と同様、これらは本明細書では本質的に別々のアプリケーションまたはモジュールとして説明されているが、具体的な実施例に応じて相互に(および/またはさらに別のルーチンまたはモジュールと)一部または全部を組み合わせることができることは理解されよう。また、これらは、別個の位置に配置される別々の装置を含め(たとえば、「クラウド」ベースのプロセスを含むことができる)2つ以上の物理的および/またはソフトウェア環境にわたって分散させることができる。
【0095】
さらに、入力および表示装置520、522は別々の構成要素として示されているが、それらは単独の装置(たとえば、当該技術において周知な種類の容量性またはその他のタッチスクリーン装置)に一体化させることができる。
【0096】
さらに、
図5の装置500は、固定またはデスクトップ装置、可搬無線装置(たとえば、タブレットコンピュータ)、大型のホスト装置で使用されるカードまたは「ブレード」などの文字どおり任意のフォームファクタをとることができる。
【0097】
なお、
図4および5の装置400、500は、実質的に一体のフォームファクタを備えるように、互いに組み合わせることができることも理解されよう。
【0098】
その他の用途
本明細書に記載されたアルゴリズムは、他の血行力学的パラメータを計算するようにさらに構成されることができる。たとえば、脈圧変動(PPV)および1回拍出量変動(SVV)は、CO算出アルゴリズムを用いてBP拍動毎に計算することのできる脈拍値(SV)サンプルに基づき算出することができる。上述したように、脈圧(PP)は収縮期および拡張期の圧力の既知の値に基づき算出される。付録IおよびIIで与えられる例示のコードに示されるように、1回拍出量(SV)も本明細書に開示される装置および方法を用いて算出される。
【0099】
したがって、PPVおよびSVVは以下のようにして算出することができる。
PPV=100(PP
max−PP
min)/PP
med
SVV=100(SV
max−SV
min)/SV
med
ただし、PP
maxは直近30秒間に収集された4つの最大PPサンプルの中央値であり、PP
minは直近30秒に収集された4つの最小PPサンプルの中央値であり、PP
medは直近30秒に収集されたPPサンプルの中央値である。同じように、SV
maxは直近30秒に収集された4つの最大SVサンプルの中央値であり、SV
minは直近30秒に収集された4つの最小SVサンプルの中央値であり、SV
medは直近30秒に収集されたSVサンプルの中央値である。この種の計算により、30秒内の数回の呼吸サイクルにおけるPPおよびSVの平均変動を推定することができる。このおよび他の血行力学的パラメータの算出は、本明細書に論じられる方法および装置を用いて正確にすることができる。
【0100】
なお、上述の方法の多数の変形例が、本開示と相反なく利用することができる。具体的には、いくつかのステップが任意であり、所望に応じて実行または省略することができる。同様に、他のステップ(たとえば、追加データサンプリング、処理、フィルタリング、較正、または数学的解析など)を上述の実施形態に追加することができる。また、特定のステップの実行の順番を、所望に応じて、並べ替える、あるいは並列に(または直列に)実行することができる。したがって、前述の実施形態は単に、本明細書の開示のより広範な方法を例示したに過ぎない。
【0101】
上記の詳細な説明は、様々な実施形態に適用される本開示の新規な特徴を図示し、説明し、指摘しているが、当業者であれば、本開示の精神を逸脱せずに、図示される装置またはプロセスの形式および詳細において、様々な省略、置換、変更を行うことができることが理解されよう。上記説明は、本開示の実施の、現在予期される最善の様式である。本明細書は限定することを全く意図しておらず、本開示の一般的原理の例示と解釈すべきである。本開示の範囲は請求項を参照して判定すべきである。