(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記フィルター部材のフィルター開口部に供給されたバラスト水を分割して濾過するように前記フィルター部材内に設けられた分割部材をさらに含まれたことを特徴とする、請求項1に記載のフィルター装置。
【背景技術】
【0002】
一般に、船舶には船舶の均衡及び喫水を調節するために船舶平衡水(ballast water)を格納することができるバラストタンク(ballast tank)が設置される。
【0003】
このようなバラストタンクは船舶に貨物を積載した時、船舶の前後または左右の均衡が取れなくなった場合、船舶平衡水を流入または流出させて船舶の均衡を維持することができる。そして、船舶は一般的に貨物を積載した状態の時に経済的で、かつ安定した運航が可能であるように設計される。したがって、船舶は貨物の積載量によってバラストタンク内の船舶平衡水の量を調節して、貨物を積載した状態と類似な条件を作ってやることで、安定した運航をすることができる。
【0004】
ここで、バラストタンク内に格納される船舶平衡水は、主にポンプなどを用いて船舶の周辺の海水または淡水をバラストタンクに流入または流出させる方法により調節される。ところが、船舶平衡水をバラストタンクに流入させる過程で船舶が位置する地域の異物、即ち、砂利、砂、泥などの無機質だけでなく、魚介類、甲殻類、プランクトンなどの生物体、及び有機物質などが共に流入することがある。したがって、船舶が遠距離を運航する場合、このような異物がバラストタンク内に沈殿及び固着することで、バラストタンクの機能が低下することがある。また、船舶が貨物を積載しながらバラストタンク内の船舶平衡水を流出させる時、その中に含まれた生物体及び有機物質などが共に流出するので、周辺の生態系に変化をもたらして周辺環境に悪影響をもたらすことがある。
【0005】
ここに、国際海事機構(International Maritime organization:IMO)は船舶平衡水による生態系の被害を防ぐために、2004年船舶平衡水浄化規定を導入した。したがって、遠距離航海をする船舶は、船舶平衡水に含まれた生物体や有機物質などの異物を除去できる装置を設置することが義務付けられた。そして、遠距離を航海するタンカー、コンテナ船、LNG運搬船などの大型船舶には大量の船舶平衡水が使われる。
【0006】
したがって、このような大型船舶の船舶平衡水に使われる大量の海水または淡水を速かに濾過できるように効率的なフィルター装置の開発が求められる。また、海水または淡水に含まれた微生物などの異物を濾過する中にもフィルター部材を速かに逆洗浄してフィルター部材の濾過効率を向上させることができるフィルター装置の開発が求められる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係るフィルター装置の実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1から
図4に示すように、本発明の実施形態に係るフィルター装置1は、船舶の均衡及び喫水を調節するために船舶平衡水(ballast water)としてバラストタンク(ballast tank)に提供される海水あるいは淡水のような水に含まれた無機質及び微生物などの異物を濾過するための装置である。しかしながら、本発明に係るフィルター装置1は船舶に限定されず、流入する海水または淡水などの水に含まれた無機質及び微生物などの異物を濾過する必要がある他の装置に多様に使用できる。バラストタンクに提供される海水あるいは淡水のような水をバラスト水といい、以下、バラスト水を含んだ海水、淡水などの液体を通称して水と称する。
【0015】
本発明の実施形態に係るフィルター装置1は、水を流入するための流入口11及び流入口11を通って流入した水を流出するための流出口37が設けられたフィルター筐体10と、フィルター筐体10の内に設置されて流入口11から流入した水を濾過するように中空形状に設けられた複数のフィルター部材50と、フィルター筐体10の内に設けられて流入口11から流入した水がフィルター部材50に形成されたフィルター開口部51に供給されるようにフィルター部材50の少なくとも一の側に設けられた流入部13と、フィルター部材50により濾過された異物をフィルター部材50から逆洗浄するように複数のフィルター部材50のうち、少なくとも1つに連結された連結管71を有する逆洗浄部70を含むことができる。
【0016】
フィルター筐体10は、フィルター装置1の外観を形成する。フィルター筐体10は、たとえば、船舶のバラストタンク(図示せず)の水が流入する入口領域に設置されることができ、バラストタンク(図示せず)の内部に設置されたポンプ(図示せず)などによりフィルター筐体10の内部に水が流入できる。フィルター筐体10の内部には流入口11を通って流入した水を濾過するためにフィルター部材50を収容して取り付けるフィルター取付部31が設けられることができる。
【0017】
流入口11は、たとえば、フィルター筐体10の下部領域に形成できる。しかしながら、流入口11はこれに限定されず、水を流入できるようにフィルター筐体10の上部領域など、様々な領域に形成されることもできる。また、流出口37はたとえば、フィルター取付部31が形成されたフィルター筐体10の側面に形成できる。しかしながら、流出口37はこれに限定されず、水を流出できるようにフィルター筐体10の下部領域など、様々な領域に形成されることもできる。
【0018】
たとえば、フィルター部材50がフィルター筐体10の内に垂直方向に設置できる。このような場合、流入部13はフィルター部材50の下側に設けられた下部流入部14及びフィルター部材50の上側に設けられた上部流入部15を含むことができる。そして、流入部13はフィルター筐体10の中央領域に形成されて下部流入部14及び上部流入部15を相互連通させる流入通路部17を含むことができる。しかしながら、これに限定せず、フィルター部材50がフィルター筐体10の内に水平方向に設置されることができ、このような場合には流入部13はフィルター部材50の両側に各々形成できる。また、流入部13はフィルター部材50の一の側のみに設けられることもできる。
【0019】
下部流入部14は、流入口11を通って流入した水を複数のフィルター部材50の下部に形成されたフィルター開口部51を通じて供給するように複数のフィルター部材50の下部領域に設けられることができる。上部流入部15は、流入口11を通じて流入した水が下部流入部14及び流入通路部17を通じて流入して複数のフィルター部材50の上部に形成されたフィルター開口部51を通じて供給するように複数のフィルター部材50の上部領域に設けられることもできる。
【0020】
流入通路部17は、たとえば、円柱形状に設けられたフィルター取付部31の中央領域に貫通形成されて下部流入部14に流入した水を上部流入部15に供給することができる。しかしながら、流入通路部17はフィルター筐体10の中央領域に限定されず、下部流入部14に流入した水を上部流入部15に供給できるようにフィルター筐体10の他の領域に設けられることもできる。
【0021】
フィルター取付部31は、たとえば、複数のフィルター部材50を収容して設置することができるように、中空形状を有する円柱形状に設けられることができる。しかしながら、フィルター取付部31は中空形状の多角形柱など、多様な形状に設けられることもできる。形状フィルター取付部31の下部及び上部には垂直方向に設置された複数のフィルター部材50のフィルター開口部51に対応して複数の流路貫通部33が形成できる。たとえば、フィルター取付部31には6個のフィルター部材50が等角度に取付できる。しかしながら、フィルター取付部31にはこれに限定されず、5個以下あるいは7個以上の多様な数量のフィルター部材50が取り付けられることもできる。フィルター取付部31の下側には下部流入部14が形成され、フィルター取付部31の上側には上部流入部15が形成される。そして、中空形状のフィルター取付部31の中央領域には流入通路部17が形成できる。フィルター取付部31には流路貫通部33を通じてフィルター部材50に流入してフィルター部材50のフィルター孔53を通じて濾過された水を収容する流出部35が形成される。フィルター取付部31の一の側には流出部35に収容された濾過された水をバラストタンク(図示せず)方向に排出するように流出口37が形成される。
【0022】
流路貫通部33は、たとえば、6個のフィルター部材50のフィルター開口部51に対応してフィルター取付部31の下部及び上部に各々6個ずつ等角度に設置できる。ここに、流路貫通部33を通じて上部流入部15及び下部流入部14から水がフィルター部材50のフィルター開口部51を通じて流入してフィルター部材50のフィルター孔53を通じて流出部35に抜け出しながら濾過過程が実行される。
【0023】
流出部35は、フィルター部材50のフィルター孔53を通じて濾過された水が流出口37に排出される前に収容される所であって、フィルター取付部31内のフィルター部材50の外側に形成できる。
【0024】
フィルター部材50は、フィルター取付部31内に取り付けられて両側から中央に流入した水を濾過できるように中空形状に設けられることができる。たとえば、フィルター部材50はパイプ形状に設けられ、その両側に水が流入または流出できるようにフィルター開口部51が形成できる。フィルター部材50にはフィルター開口部51を通じて流入した水を濾過できるように複数のフィルター孔53が形成できる。たとえば、フィルター部材50のフィルター孔53は流入する水に含まれた異物aのサイズが45乃至50マイクロメートル以上の場合には、濾過できるように形成できる。しかしながら、フィルター部材50のフィルター孔53はこれに限定されず、流入する水の種類や状態及び本発明に係るフィルター装置1が適用される分野などによって、45マイクロメートルより小さなサイズの異物aも濾過できるように形成できる。ここに、フィルター部材50のフィルター開口部51を通じて流入した水がフィルター孔53を通過しながら異物が濾過できる。
【0025】
本発明の第1実施形態に係るフィルター装置1は、フィルター部材50の濾過過程でフィルター部材50のフィルター開口部51に供給された水を分割して濾過し、フィルター部材50の逆洗浄過程でフィルター部材50を分割して逆洗浄するようにフィルター部材50内に設けられた分割部材55をさらに含むことができる。
【0026】
分割部材55は、中空形状のフィルター部材50の内部に取り付けられて上部流入部15及び下部流入部14からフィルター部材50の両側に形成されたフィルター開口部51を通じて各々流入した水を分割して濾過できるだけでなく、逆洗浄部70により逆洗浄する過程でも分割して逆洗浄を実行することができる。したがって、濾過過程で下部流入部14のみがある場合には、フィルター部材50の中で下部流入部14に近接した下部領域で濾過が多く起こるようになり、フィルター部材50のうち、下部流入部14に近接した下部領域に異物aが多く混合することで、濾過効率が落ちるという問題が発生することがあるが、下部流入部14及び上部流入部15を通ってフィルター部材50の両側から水が流入して濾過効率を向上させることができる。また、分割部材55をさらに設置することによって、フィルター部材50が下部流入部14から流入した水と上部流入部15から流入した水を各々分離して濾過できるようになって、濾過効率をより向上させることができる。そして、分割部材55は流入部13がフィルター部材50の両側に各々設けられた場合に設置できるので、流入部13がフィルター部材50の一の側のみに設けられた場合には、分割部材55が設置される必要はない。
【0027】
逆洗浄部70は、複数のフィルター部材50のうち、少なくとも1つに連結されて内部圧力と大気圧との差を用いて異物を除去する。逆洗浄部70が異物を除去する必要がない場合、逆洗浄部70に連結された複数のフィルター部材50のうちの少なくとも1つが水に含まれた異物を濾過できるように、逆洗浄部70は、水の流入を可能にするように設けられる。
【0028】
これによって、本発明に係るフィルター装置1は、水に含まれた異物の濾過及び逆洗浄を同時に実施できるだけでなく、全てのフィルター部材50が濾過過程のみを実行するように設定できるので、濾過性能をより向上させることができる
【0029】
逆洗浄部70は、複数のフィルター部材50のうち、少なくとも1つの両側に連結されるように回転可能に設けられた連結管71、連結管71が複数のフィルター部材50のうち、少なくとも1つと連結されるように連結管71を回転させる連結管駆動部75、及びフィルター部材50から洗浄された異物aを連結管71を通って排出されるように連結管71と連通している排出管79を含むことができる。
【0030】
連結管71は、たとえば、下部流入部14内に形成されてフィルター部材50の下側に連結される下部連結管72、上部流入部15内に形成されてフィルター部材50の上側に連結される上部連結管73、及び流入通路部17内に形成されて下部連結管72と上部連結管73とを連結する中央連結管74を含むことができる。
【0031】
下部連結管72は、たとえば、フィルター取付部31の下部に形成された複数の流路貫通部33のうちの1つに選択的に結合可能であるように、回転可能に設けられることができる。ここに、逆洗浄過程で下部連結管72と連通しているフィルター部材50の内部に積まれた異物aを下部連結管72を通って排出させることができる。
【0032】
上部連結管73は、たとえば、フィルター取付部31の上部に形成された複数の流路貫通部33のうちの1つに選択的に結合可能であるように、回転可能に設けられることができる。ここに、逆洗浄過程で上部連結管73と連通しているフィルター部材50の内部に積まれた異物aを上部連結管73を通って排出させることができる。
【0033】
中央連結管74は、たとえば、上部連結管73及び下部連結管72を連結するように中空形状のフィルター取付部31の中央領域に設けられ、その下側には排出管79が結合される。即ち、たとえば、中央連結管74はフィルター取付部31の中央領域に形成された流入通路部17内に設置できる。ここに、上部連結管73及び下部連結管72を通って移送される異物aが中央連結管74を通って排出管79に排出できる。
【0034】
連結管駆動部75は、たとえば、中央連結管74、上部連結管73、及び下部連結管72を一体に回動可能に設けられる。連結管駆動部75は、たとえば、中央連結管74、上部連結管73、及び下部連結管72を一体に回動可能に駆動モーターなどで設けられて、フィルター筐体10の上側に設置できる。しかしながら、連結管駆動部75はこれに限定されず、フィルター筐体10の下側など、多様な位置に設置できる。そして、連結管駆動部75は上部連結管73及び下部連結管72が複数のフィルター部材50のうち、異物aが多く混合するフィルター部材50に連結されるように駆動できる。この場合、異物aが多く混合しているフィルター部材50を判断する方法は、複数のフィルター部材50の内部に圧力センサー(図示せず)などを取り付けて各々のフィルター部材50内の圧力を測定することによって、圧力の高い方が異物aが多く混合していると判断することができる。このように、異物aの多いフィルター部材50が定まれれば、そのフィルター部材50に上部連結管73及び下部連結管72が連結されるように連結管駆動部75を制御すればよい。
【0035】
排出管79は、たとえば、フィルター筐体10の下側に設けられて中央連結管74を通って移送される異物aを外部に排出する。ここに、本発明に係るフィルター装置1は、たとえば、濾過過程と同時に逆洗浄過程が進行できる。即ち、連結管駆動部75により複数のフィルター部材50のうちの1つに上部連結管73及び下部連結管72が連結される。そして、流入口11を通って水がフィルター筐体10に供給されてフィルター筐体10の内部に水が一杯になるようになって、圧力が高まる。この際、排出管79の方は大気圧になり、フィルター筐体10の内部は相対的に圧力が高く形成される。ここに、フィルター筐体10内の流出部35で上部連結管73及び下部連結管72が連結されたフィルター部材50のフィルター孔53に水が逆流しながら異物aが洗浄されて剥離する逆洗浄現象が起こる。このように剥離された異物aが水と共に上部連結管73と下部連結管72及び中央連結管74を通って排出管79に排出できる。したがって、逆洗浄過程で下部連結管72のみがある場合には、フィルター部材50のうち、下部連結管72に近接した下部領域で逆洗浄がたくさん起こるようになって、フィルター部材50のうち、下部連結管72に近接した下部領域の異物aが洗浄がよく起こり、その他の上部領域の異物aの逆洗浄効率が落ちるという問題が発生することがあるが、下部連結管72及び上部連結管73を通ってフィルター部材50の両側に水を排出できるようになって、下部連結管72だけでなく、上部連結管73に近接した領域の異物aも洗浄がよく行われて、逆洗浄効率を向上させることができる。また、本発明に係るフィルター装置1は、分割部材55を更に備えることによって、下部連結管72及び上部連結管73を通ってフィルター部材50の両側に排出される水を分割することができるので、逆洗浄効率をより向上させることができる。
【0036】
分割部材55は、たとえば、垂直方向に設置されたフィルター部材50の中間より高い位置に設置されることが好ましい。例えば、分割部材55はフィルター部材50の長さの3/5乃至4/5位の位置に設置できる。しかしながら、分割部材55はフィルター部材50の長さやフィルター開口部51の直径などを考慮してフィルター部材50の長さの1/2乃至3/5位の位置、あるいは4/5以上の位置にも設置できることが勿論である。このように、分割部材55をフィルター部材50の中間より高い位置に設置することは、重力の影響により上部流入部15からフィルター部材50に流入する水の流入圧力が下部流入部14からフィルター部材50に流入する水の流入圧力より低いので、下部流入部14からフィルター部材50に流入する水の量がより多いので、流入する水の濾過をより効果的に実行するためである。また、逆洗浄過程でも重力の影響により上部連結管73に排出される水の量より下部連結管72に排出される水の量が多いので、分割部材55をフィルター部材50の中間より高い位置に設置することで、逆洗浄効率をより向上させることができる。しかしながら、フィルター部材50の上側のフィルター開口部51の直径が下側のフィルター開口部51の直径より大きい場合には、上側のフィルター開口部51を通過する流量がより多いので、このような場合に、分割部材55はフィルター部材50の中間より低い位置に設置されることが好ましい。
【0037】
本発明の実施形態に係るフィルター装置1は、流入口11に流入した水が連結管71に流入及び遮断を選択的に開閉可能に連結管71に設置された選択バルブ81をさらに含むことができる。
【0038】
選択バルブ81は、逆洗浄部70がフィルター筐体10の流入口11または大気と選択的に連通するようにする。選択バルブ81は、流入口11に流入した水が連結管71に流入するように連結管71に形成された流入開口部83と、排出管79と連通するように連結管71に形成された流出開口部85を選択的に開閉するように連結管71に設置される。
【0039】
選択バルブ81は、たとえば、バルブ駆動部89によりバルブディスク87が回動しながら流入開口部83及び流出開口部85を選択的に開閉する3WAYバルブ形態に設けられる。しかしながら、選択バルブ81はこれに限定せず、流入開口部83及び流出開口部85を個別的に開閉できるように、2つの電動式バルブ形態に設けられるなど、多様に設けられることができる。選択バルブ81は、たとえば、連結管71のうち、中央連結管74に設置できる。即ち、選択バルブ81はより高い圧力の水を連結管71に供給できるように、流入口11に近接した中央連結管74の下部領域に設置できる。このような場合、流入開口部83及び流出開口部85もやはり流入口11に近接した中央連結管74の下部領域に設置できる。しかしながら、選択バルブ81は、これに限定されず、中央連結管74の中間乃至上部領域や下部連結管72、あるいは上部連結管73など、多様な所に設置できる。選択バルブ81は、ユーザの操作あるいは制御部(図示せず)などによりバルブ駆動部89を駆動することによって作動できる。即ち、複数のフィルター部材50内の測定された圧力値が所定の設定値より小さい場合には、逆洗浄過程を必要としないことと判断してユーザの操作や制御部(図示せず)などによって選択バルブ81が流入開口部83を開放し、流出開口部85を閉鎖するようにバルブ駆動部89を駆動させることができる。また、複数のフィルター部材50のうちの1つの内部で測定された圧力値が所定の設定値より大きい場合には、逆洗浄過程が必要であると判断して、ユーザの操作や制御部(図示せず)などによって選択バルブ81が流入開口部83を閉鎖し、流出開口部85を開放するようにバルブ駆動部89を駆動させることができる。
【0040】
図1乃至
図8を参考すると、本発明の実施形態に係るフィルター装置1は流出口37を通って流出する水の量を調節する流量調節バルブ93(
図5に図示される)をさらに含むことができる。
【0041】
流量調節バルブ93は、たとえば、流出口37に結合された流出管91に設置できる。しかしながら、流量調節バルブ93はこれに限定されず、流出口37を通って流出する水の量を調節できるように流出口37に設置されるなど、様々な場所に設置できる。
【0042】
流量調節バルブ93は、
図5に示すように、選択バルブ81が流入開口部83を閉鎖し、流出開口部85を開放して、濾過過程と逆洗浄過程を同時に実行する場合に流出口37を通って流出する水の量が減少するように、制御部(図示せず)またはユーザの操作などにより調節できる。即ち、濾過過程と逆洗浄過程を同時に実行する場合に、制御部(図示せず)などによる逆洗浄を必要とするフィルター部材50内の測定された圧力値によって流量調節バルブ93のバルブディスクの角度を調節することで、流出口37を通って流出する水の量を調節することができる。ここに、濾過過程と逆洗浄過程を同時に実行する場合に、流量調節バルブ93を調節することで、流出口37を通って排出される濾過された水の量を減少させることで、流出部35内の圧力を高くし得る。その結果、逆洗浄過程で逆洗浄効率の低下を防止することができる。
【0043】
そして、流量調節バルブ93は、
図6に示すように、選択バルブ81が流入開口部83を開放し、流出開口部85を閉鎖して、濾過過程のみを実行する場合に、流出口37を通って流出する水の量を増加させるように調節することができる。この場合、流量調節バルブ93は、流出口37を通って流出する水の量を最大にするように流出口37を完全に開放することができる。
【0044】
このような構成によって本発明の実施形態に係るフィルター装置1の濾過過程及び逆洗浄過程を
図4乃至
図8を参照して説明すれば、次の通りである。
【0045】
まず、濾過過程及び逆洗浄過程を同時に実行する場合を説明すると、選択バルブ81が流入開口部83を閉鎖し、流出開口部85を開放する。続いて、流入口11を通って水がフィルター筐体10に供給される。その結果、供給された水は下部流入部14、流入通路部17、及び上部流入部15に移送されてフィルター取付部31の流路貫通部33を通って複数のフィルター部材50に供給される。フィルター部材50に供給された水はフィルター部材50のフィルター孔53を通過しながら濾過されて流出部35を通って流出口37に排出される。この場合、流量調節バルブ93は開放されているので流出口37を通って流出管91に排出される。
【0046】
このような濾過過程と同時に逆洗浄過程が実行される。即ち、流入口11を通って水が流入してフィルター筐体10の内部には水が一杯になって圧力が上昇する。そして、連結管駆動部75は、上部連結管73及び下部連結管72を複数のフィルター部材50のうち、異物aが多く混合しているフィルター部材50に連結させるように駆動される。すると、排出管79側は大気圧になるので相対的に圧力の高いフィルター筐体10内の流出部35で上部連結管73及び下部連結管72が連結されたフィルター部材50のフィルター孔53に水が逆流しながら異物aを逆洗浄できる。このように、逆洗浄された異物aが上部連結管73と下部連結管72及び中央連結管74を通って排出管79に排出できる。このように、濾過過程と逆洗浄過程を同時に実行する場合に、流量調節バルブ93を調節することによって、流出口37を通って排出される濾過された水の量を減少させることで、流出部35内の圧力を高くすることができる。その結果、逆洗浄過程でフィルター部材50のフィルター孔53に混合する異物aは効果的に除去され得るので、逆洗浄効率は向上し得る。
【0047】
そして、仮に複数のフィルター部材50内の測定された圧力値が所定の設定値より小さい場合には選択バルブ81が流入開口部83を開放し、流出開口部85を閉鎖することで、全てのフィルター部材50が濾過過程を実行することができる。
【0048】
次に、濾過過程のみを実行する場合を説明すると、選択バルブ81が流入開口部83を開放し、流出開口部85を閉鎖する。そして、流入口11を通って水がフィルター筐体10に供給される。すると、供給された水は下部流入部14、流入通路部17、及び上部流入部15に移送されてフィルター取付部31の流路貫通部33を通って複数のフィルター部材50に供給される。また、逆洗浄部70の中央連結管74に形成された流入開口部83を通って水が供給されて中央連結管74、下部連結管72、及び上部連結管73を通って逆洗浄部70が結合されたフィルター部材50のフィルター開口部51にも水が供給される。このように、複数のフィルター部材50の全部に供給された水は、フィルター部材50のフィルター孔53を通過しながら濾過されて流出部35を通って流出口37に排出される。
【0049】
ここに、本発明に係るフィルター装置1は、濾過過程で下部流入部14及び上部流入部15を通ってフィルター部材50の両側フィルター開口部51に水が供給されるので、下部流入部14のみ形成された場合に比べて濾過効率を向上させることができる。また、フィルター部材50に分割部材55が設けられた場合には、下部流入部14から流入した水と上部流入部15から流入した水を各々分離して濾過するので、分割部材55がない場合に比べて、より濾過効率を向上させることができる。また、分割部材55がフィルター部材50の中間より高い位置に設置されることで、重力の影響によって濾過効率がより向上し得る。
【0050】
そして、本発明の実施形態に係るフィルター装置1は、逆洗浄過程で下部連結管72及び上部連結管73にフィルター部材50の両側フィルター開口部51を通って異物aなどを含んだ水が排出されるので、下部連結管72のみ形成された場合に比べて逆洗浄効率を向上させることができる。また、フィルター部材50に分割部材55が設けられた場合には、下部流入部14から流入した水と上部流入部15から流入した水を各々分離して濾過するので、分割部材55がない場合に比べて、より逆洗浄効率を向上させることができる。また、分割部材55がフィルター部材50の中間より高い位置に設置されることで、重力の影響によって逆洗浄効率がより向上し得る。
【0051】
また、本発明に係るフィルター装置1は逆洗浄過程を実行せずに濾過過程のみを実行する場合に、選択バルブ81を使用する。その結果、全てのフィルター部材50が濾過過程を実行できるので、フィルター装置1の濾過効率はより向上し得る。
【0052】
図9は、本発明の他の実施形態に係るフィルター装置の概略図である。
【0053】
本発明の他の実施形態に係るフィルター装置100は、前述した実施形態における流入部13のうちの上部流入部15及び流入通路部17と、逆洗浄部70の連結管71のうちの上部連結管73と、選択バルブ81と、分割部材50が削除され、逆洗浄バルブ77が追加されたことが前述した実施形態との差異点である。このような差異点を除いては前述した実施形態と同一であるので、このような差異点を中心として説明する。
【0054】
逆洗浄バルブ77は、たとえば、排出管79に取り付けられて排出管79を開閉する。しかしながら、逆洗浄バルブ77は、排出管79を開閉できるように連結管71と排出管79との間に取り付けられることもできる。
【0055】
このような構成により、逆洗浄バルブ77が開放された状態であれば、排出管79側は大気圧となり、フィルター筐体10の内部は相対的に圧力が高く形成される。ここに、フィルター筐体10内の流出部35で下部連結管72が連結されたフィルター部材50のフィルター孔53に水が逆流しながら異物aが洗浄されて離脱される逆洗浄現象が起こる。このように離脱された異物aが水と共に下部連結管72を通って排出管79に排出されて濾過過程及び逆洗浄過程が同時に起こる。そして、仮に複数のフィルター部材50内の測定された圧力値が所定の設定値より小さい場合には、混合する異物aがは多くないと判断して逆洗浄バルブ77を閉鎖することができる。したがって、濾過過程と逆洗浄過程を同時に実行する場合に、流量調節バルブ93を調節することによって、流出口37を通って排出される濾過された水の量を減少させることで、流出部35内の圧力を高くすることができる。その結果、逆洗浄過程でフィルター部材50のフィルター孔53に混合する異物aを効果的に除去できるので、逆洗浄効率を向上させることができる。
【0056】
以上、説明した本発明は、前述した実施形態及び添付の図面に限定されるものでなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内でさまざまな置換、変形、及び変更が可能であるということが本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に当たって明白である。