特許第6268296号(P6268296)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6268296コーティング材料及び低ヘイズ熱遮断複合体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6268296
(24)【登録日】2018年1月5日
(45)【発行日】2018年1月24日
(54)【発明の名称】コーティング材料及び低ヘイズ熱遮断複合体
(51)【国際特許分類】
   C09D 201/00 20060101AFI20180115BHJP
   C09D 7/40 20180101ALI20180115BHJP
   C09D 5/32 20060101ALI20180115BHJP
   C09K 5/14 20060101ALI20180115BHJP
   C09K 3/00 20060101ALI20180115BHJP
【FI】
   C09D201/00
   C09D7/12
   C09D5/32
   C09K5/14 Z
   C09K3/00 105
【請求項の数】14
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2016-540492(P2016-540492)
(86)(22)【出願日】2014年12月16日
(65)【公表番号】特表2017-509720(P2017-509720A)
(43)【公表日】2017年4月6日
(86)【国際出願番号】US2014070626
(87)【国際公開番号】WO2015100072
(87)【国際公開日】20150702
【審査請求日】2016年6月16日
(31)【優先権主張番号】61/919,927
(32)【優先日】2013年12月23日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500149223
【氏名又は名称】サン−ゴバン パフォーマンス プラスティックス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100188857
【弁理士】
【氏名又は名称】木下 智文
(72)【発明者】
【氏名】ブレア・ケイ・ブレットマン
(72)【発明者】
【氏名】アジズ・マフファウド・ファミリア
(72)【発明者】
【氏名】チョウン・エイチ・ライ
(72)【発明者】
【氏名】ロブレヒト・ムールケルケ
(72)【発明者】
【氏名】ミタン・カマス
【審査官】 櫛引 智子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−170442(JP,A)
【文献】 特開平07−070363(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/019358(WO,A1)
【文献】 特開2009−031505(JP,A)
【文献】 特開2006−124686(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 5/00−7/14
C09D 101/00−201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線軽減コーティング材料であって:
2以上の屈折率を有する粒子と;
1.53以上の屈折率を有する結合剤システムと、を含
前記粒子が酸化タングステン複合粒子を含み、前記酸化タングステン複合粒子は、MがCs、Na、Rb、Ti又はこれらのいずれかの組合せである一般式Mを有する、前記赤外線軽減コーティング材料。
【請求項2】
赤外線軽減コーティング材料であって、透明基板に適用され、390nmの波長で測定される際に、20%以下のヘイズ寄与を有前記コーティング材料は粒子と結合剤システムとを含み、前記粒子が酸化タングステン複合粒子を含み、前記酸化タングステン複合粒子は、MがCs、Na、Rb、Ti又はこれらのいずれかの組合せである一般式Mを有する、前記赤外線軽減コーティング材料。
【請求項3】
粒子及び結合剤システムを含む赤外線軽減コーティング材料であって、前記粒子及び前記結合剤システムが1.5以下の屈折率の差を有前記粒子が酸化タングステン複合粒子を含み、前記酸化タングステン複合粒子は、MがCs、Na、Rb、Ti又はこれらのいずれかの組合せである一般式Mを有する、前記赤外線軽減コーティング材料。
【請求項4】
赤外線軽減コーティング材料を形成する方法であって:
粒子及び結合剤システムを提供することと;
前記粒子及び前記結合剤システムを混合してコーティング材料を作製すること、とを含み、
前記粒子が酸化タングステン複合粒子を含み、前記酸化タングステン複合粒子は、MがCs、Na、Rb、Ti又はこれらのいずれかの組合せである一般式Mを有し、
前記コーティング材料は、
(a)結合剤システム及び前記結合剤システムに分散されている粒子を含み、前記粒子は2以上の屈折率を有し、前記結合剤システムは1.53以上の屈折率を有し、
(b)透明基板に適用され、390nmの波長で測定される際に、20%以下のヘイズ寄与を有し、又は、
(c)粒子及び結合剤システムを含み、前記粒子及び前記結合剤システムが1.5以下の屈折率の差を有する、前記方法。
【請求項5】
前記コーティング材料が約0.1%〜約20%の範囲でヘイズ寄与を有する、請求項1、2及び3のいずれか1項に記載のコーティング材料。
【請求項6】
前記コーティング材料が、低VLT基板に適用される際に、1%〜10%の範囲でヘイズ寄与を有する、請求項1、2及び3のいずれか1項に記載のコーティング材料。
【請求項7】
前記粒子と前記結合剤システムとの屈折率の差が0.1〜1.5の範囲である、請求項1、2及びのいずれか1項に記載のコーティング材料。
【請求項8】
前記粒子が酸化タングステン、アンチモンスズ酸化物、インジウムスズ酸化物、六ホウ化ランタノイド又はこれらのいずれかの組合せを含む、請求項1、2及びのいずれか1項に記載のコーティング材料。
【請求項9】
xが0.1〜0.5の範囲である値を有する、請求項1、2及び3のいずれか1項に記載のコーティング材料。
【請求項10】
前記粒子が500nm以下の直径を有するナノ粒子である、請求項1、2及びのいずれか1項に記載のコーティング材料。
【請求項11】
前記粒子が、1nm以上の直径を有するナノ粒子である、請求項1、2及びのいずれか1項に記載のコーティング材料。
【請求項12】
前記コーティング材料が、99重量%以下の量で前記結合剤システムを含む、請求項1、2及びのいずれか1項に記載のコーティング材料。
【請求項13】
前記コーティング材料が、15重量%以上の量で前記結合剤システムを含む、請求項1、2及びのいずれか1項に記載のコーティング材料。
【請求項14】
前記粒子の屈折率と前記結合剤システムの屈折率との差が0.1以上である、請求項1、2及びのいずれか1項に記載のコーティング材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、赤外線軽減粒子をベースにしたコーティング、及び、より具体的にはそのようなコーティングを含む太陽熱遮断複合体に関する。
【背景技術】
【0002】
可視スペクトルの放射を透過させる一方で近赤外スペクトルの太陽放射(800−2500nm)を軽減する複合体には、例えば建物又は乗り物の窓といった、重要な用途がある。しかし、そのような複合体の可視光透過率は高い必要があり、よって、可視光の反射率及び吸収率は低くなくてはいけない。例えば、自動車のフロントガラスが少なくとも70%の可視光透過率を有していなくてはいけない国がいくつかある。
【0003】
この需要に応えて、短波長及び長波長赤外線の双方を反射する、ガラス及び透明なポリマー材料にコーティングされた、銀又はアルミニウムといった金属層をベースにした複合体が開発されてきた。しかし、そのような複合体の製造は、マグネトロンスパッタリングといった方法を介して金属層を蒸着する高いコストのために、費用が高くなり得る。
【0004】
コストがより低い解決策として、赤外線を軽減するナノ粒子といった粒子を含むコーティングをベースにした複合体が開発されてきた。しかし、粒子は基板及び結合剤と相互作用して光散乱を引き起こし得、基板そのもののヘイズよりも大きいヘイズに繋がり得る。粒子コーティングのヘイズ寄与は、より短い波長の光でより顕著であり得る。
【0005】
よって、複合体のヘイズ全体に寄与するヘイズがより少ない粒子コーティングの必要性が存在する。また、より優れた可視光透過特性を有する粒子コーティングを含む複合体の必要性も存在する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
実施形態は、実施例を用いて例示され、添付の図に限定されない。
【0007】
図1図1は、本開示の一実施形態に従ったコーティング材料の図示である。
図2図2は、本開示の一実施形態に従った複合体の図示である。
図3図3は、本開示の実施例1で説明される複合体のヘイズプロフィールを示すグラフである。
図4図4は、本開示の実施例2で説明される複合体のヘイズプロフィールを示すグラフである。
図5図5は、本開示の実施例3で説明される複合体のヘイズプロフィールを示すグラフである。
図6図6は、本開示の実施例4で説明される複合体のヘイズプロフィールを示すグラフである。
図7図7は、本開示の実施例5で説明される複合体のヘイズプロフィールを示すグラフである。
図8図8は、本開示の実施例6で説明される複合体のヘイズプロフィールを示すグラフである。
図9図9は、本開示の実施例6で説明される複合体のヘイズプロフィールを示すグラフである。
図10図10は、本開示の実施例6で説明される複合体のヘイズプロフィールを示すグラフである。
図11図11は、本開示の実施例7で説明される複合体のヘイズプロフィールを示すグラフである。
図12図12は、本開示の実施例8で説明される複合体のヘイズプロフィールを示すグラフである。
【0008】
当業者であれば、図の要素は簡潔性及び明瞭性のために例示されるのであって、必ずしも縮尺通りではないことを理解するだろう。例えば、図の要素には、その寸法が本発明の実施形態の理解を促すために他の要素に対して誇張され得るものもある。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明は、図と一緒に、本明細書で開示される教示の理解を手助けするために提供される。以下の考察は、本教示の具体的な実装及び実施形態に焦点を絞る。この焦点は、教示を説明する手助けとして提供され、教示の範囲又は適用性に対する限定として解釈されるべきではない。しかし、他の実施形態は、本明細書に開示される教示に基づいて、用いられ得る。
【0010】
「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」又はこれらのいずれかの他の活用形は、非排他的な包括を包含することが意図される。例えば、一連の特徴を含む方法、製品又は装置は、必ずしもこれらの特徴だけに限定されず、明示的に列挙されていない、又はそのような方法、製品又は装置に固有である特徴を含み得る。さらに、明示的に記述されない限り、「又は」は包括的な「又は」を指し、排他的な「又は」ではない。例えば、条件A又はBは、次のうちいずれか1つによって満たされる:Aは正しく(又は存在し)、Bは間違っている(又は存在しない)、Aは間違っており(又は存在せず)、Bは正しい(又は存在する)、及び、A及びBの双方が正しい(又は存在する)。
【0011】
また、「1(a)」又は「1(an)」の使用は、本明細書に記載される要素及び成分を記述するのに用いられる。これは単に利便性及び本発明の範囲の一般的な意味を提供するためになされる。この説明は1つ、少なくとも1つを包含するように解釈されるべきであり、その逆を意味することが明らかでない限りは、単数は複数も含むとして解釈されるべきであり、又はその逆もそうである。例えば、単数のアイテムが本明細書で記載される場合、2つ以上のアイテムが単数のアイテムの代わりに用いられ得る。同様に、2つ以上のアイテムが本明細書で記載される場合、単数のアイテムはその2つ以上のアイテムの代わりになり得る。
【0012】
別の方法で定義されない限り、本明細書で用いられる技術及び科学用語は全て、本発明が属する技術分野の当業者に通常理解されるものと同じ意味を有する。材料、方法及び例は全て例示的のみであり、限定的とは理解されない。本明細書に記載されない特定の材料及び処理作用に関する多くの詳細は従来のものであり、日照調整フィルム技術分野内での教科書及び他の情報源で見つかり得る。
【0013】
本開示では、赤外線軽減コーティング材料及び赤外線軽減コーティング材料を含む複合体が記載される。赤外線軽減コーティング材料及び赤外線軽減コーティング材料を含む複合体を形成する方法も記載される。以下で詳細が説明される通り、本明細書に記載されるコーティング材料の特定の実施形態は、粒子と結合剤及び/又は基板との相互作用によるヘイズを減少し得る。
【0014】
日照調整フィルムでは、可視透過光の透明性は、フィルムそのものの質の尺度になり得る。透過可視光の透明性が低下する量はしばしばヘイズと呼ばれ、パーセンテージで表され得る。日照調節フィルムのヘイズには、基板によって引き起こされるヘイズ及びコーティング材料によって引き起こされるヘイズが包含され得る。コーティング材料が引き起こすヘイズは、光を散乱する、粒子と基板及び/又は結合剤システムとの相互作用の結果であり得る。
【0015】
コーティング材料の粒子が光の波長の1/10未満であるとき、その散乱はレイリー散乱として表され得る。しかし、より大きな粒子の散乱は、ミー散乱と説明されるほうが良い。コーティング材料の粒子の多くが特定の光の波長(特に赤色スペクトル)よりも小さい場合、その散乱の現象はレイリー散乱に対応し得る。光の波長が青色スペクトルに近づくにつれ、レイリー散乱では散乱のプロセスを説明するのに十分でなくなり得、ミー散乱体制の方が適切になり得る。つまり、日照調節フィルムにおいて光散乱の現象に取り組むことは、複雑であり得る。
【0016】
驚くことに、結合剤システムの屈折率と粒子の屈折率との間のミスマッチを軽減することは、光散乱を軽減し得、したがって、コーティング材料が引き起こすヘイズを軽減する。結合剤システムと粒子間の屈折率のミスマッチを軽減することは、不十分な硬さ、又は不十分な接着性といった不利点を有し得るが、特定の高屈折率コーティングは、そのような不利点を最小化又は回避しつつ、引き起こされるヘイズが特に可視光スペクトルの短波長でより小さい。もちろん、コーティング材料が引き起こすヘイズの軽減は日照フィルムの全体のヘイズの軽減に繋がり得る。この概念は、以下で説明する、本発明の範囲を限定せずに例示する実施形態を参照して理解が深まる。
【0017】
コーティング材料は、所定の基板に適用される際に引き起こすヘイズの量という観点から説明され得る。本開示の目的のために、コーティング材料が引き起こすヘイズの量は、そのヘイズ寄与として参照される。所定の波長でのコーティング材料のヘイズ寄与(HCコーティング)は、その波長における次の測定をもとに決定され得る:複合体のヘイズ合計(H複合体)及び基板のみのヘイズ(H基板)。例えば、一実施形態のコーティング材料の390nmにおけるヘイズ寄与は、次の式に従って決定され得る:
390nmの複合体=HC390nmのコーティング+H390nmの基板
【0018】
特定の実施形態では、コーティング材料は、20%以下、15%以下、12%以下又は10%以下、9%以下又は8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下又は3%以下さえのヘイズ寄与を有し得る。さらなる実施形態では、コーティング材料は、0.1%以上、0.2%以上、0.3%以上、0.4%以上又は0.5%以上のヘイズ寄与を有し得る。さらに、コーティング材料は、約0.1%〜約20%、0.5%〜10%、1%〜8%又は2%〜5%といった、上記の最大値及び最小値のいずれかの範囲でヘイズ寄与を有し得る。コーティング層のヘイズ寄与の値は、390nmにおけるスペクトロフォトマーに従って測定される値である。
【0019】
コーティング材料のヘイズ寄与は、コーティング材料が配置される基板に影響され得る。すなわち、ある基板に適用されるコーティング材料の特定の一実施形態のヘイズ寄与は、他の基板に適用される同一コーティング材料のヘイズ寄与よりも高い又は低い可能性がある。
【0020】
特定の実施形態では、コーティング材料は、複合体の可視光透過率(VLT)によって変化し得るヘイズ寄与を有する。VLTは、複合体を透過する、可視スペクトル(380〜780ナノメートル)の光の量の尺度であり、通常パーセンテージで表される。VLTは、ISO 9050基準に従って測定され得る。ISO 9050はぎらつきを指すが、同じ手順を、透明の基板にテープで貼った、又はそうでなければ粘着されたフィルムでも用い得る。
【0021】
特定の実施形態では、コーティング材料は、基板複合体のVLTが増大すると共に減少するヘイズ寄与を有し得る。例えば、40%のVLTを有する基板に配置されるコーティング材料は約10%のヘイズ寄与を有し得る一方で、66%のVLTを有する基板に配置される同一のコーティング層は、約5%のヘイズ寄与を有し得る。基板のVLTと比べたコーティング材料のヘイズ寄与(HCvlt)は、次の式に従って決定され得る:
HCvlt=(HCコーティング)/(1−VLT)
【0022】
上記の通り、コーティング材料の性能は、所望する屈折率値を有する粒子及び結合剤システムを提供することで向上され得る。本明細書で列挙される屈折率値は、別で記述されない限り、エリプソメトリーによって算出される。
【0023】
特定の実施形態では、コーティング材料の粒子は、2.0以上、2.05以上、2.1以上、2.15以上、2.2以上、2.25以上又は2.3以上さえの屈折率を有し得る。さらなる実施形態では、コーティング層は、2.8以下、2.75以下、2.7以下、2.65以下又は2.6以下の屈折率を有する粒子を含み得る。さらに、粒子は、2.0〜2.8又は2.1〜2.75又は2.2〜2.7又は2.3〜2.65又は2.4〜2.6の範囲である屈折率といった、上記の最大値及び最小値のいずれかの範囲である屈折率を有し得る。
【0024】
特定の実施形態では、結合剤システムは1.50以上、1.51以上、1.52以上又は1.53以上の屈折率を有し得る。さらなる実施形態では、結合剤システムは、1.60以下、1.59以下、1.58以下又は1.57以下さえの屈折率を有し得る。さらに、結合剤システムは、1.50〜1.60、1.50〜1.59、1.51〜1.58、1.52〜1.57又は1.53〜1.56といった上記の最大値及び最小値のいずれかの範囲である屈折率を有し得る。
【0025】
特に、特定の実施形態では、結合剤システムの屈折率及び粒子の屈折率間のミスマッチを軽減することは、コーティング材料のヘイズ寄与を低下し得る。結合剤システムの屈折率が粒子の屈折率にどれだけ近くマッチしているかの尺度は、屈折率の差として表され得る。例えば、コーティング材料の粒子が屈折率Aを有し、コーティング材料の結合剤システムが屈折率Bを有する場合、屈折率の差はAとBとの差によって決定される。
【0026】
特定の実施形態では、コーティング材料は、1.5以下、1.4以下、1.3以下、1.2以下又は1.1以下さえの屈折率の差を有し得る。さらなる実施形態では、屈折率の差は0.1以上、0.2以上、0.3以上、0.4以上又は0.5以上であり得る。さらに、コーティング材料の屈折率の差は、0.1〜1.5、0.3〜1.3又は0.5〜1.1といった、上記の最大値及び最小値のいずれかの範囲であり得る。
【0027】
コーティング材料は、その組成の観点から説明され得る。図1は、本開示の一実施形態に従った赤外線軽減コーティング材料5の断面図を例示する。コーティング材料5は、結合剤システム15及び粒子25を含み得る。図1で例示されるコーティング材料5は例示的な実施形態であることが理解される。あらゆる数の追加の要素、又は示されるよりも少ない数の要素を有する実施形態が本発明の範囲内である。
【0028】
特定の実施形態では、コーティング層は、1重量%以上、2重量%以上、3重量%以上、4重量%以上、5重量%以上、6重量%以上、7重量%以上、8重量%以上又は9重量%以上さえの量で粒子を含み得る。さらなる実施形態では、コーティング層は、50重量%以下、40重量%以下、30重量%以下、20重量%以下又は15重量%以下の量で粒子を含み得る。さらに、コーティング層は、1〜約30重量%、約5〜約20重量%又は約9〜約15重量%さえといった上記の最大値及び最小値のいずれかの範囲で粒子を含み得る。上記の含有値は、コーティング組成物の全重量をもとに算出される値である。
【0029】
特定の実施形態では、コーティング材料は、所望する粒径の粒子を含み得る。例えば、粒子は微粒子又はナノ粒子であり得る。本明細書で使用される「微粒子」という語句は、500nm以下の直径を有するナノ粒子を指す。特定の実施形態では、粒子は、300nm以下、200nm以下、150nm以下又は100nm以下の直径を有し得る。さらなる実施形態では、粒子は、1nm以上、20nm以上、30nm以上又は40nm以上の直径を有し得る。さらに、粒子は、20nm〜200nm、30nm〜150nm又は40nm〜100nmさえといった、上記の最大値及び最小値のいずれかの範囲で直径を有し得る。
【0030】
特定の実施形態では、コーティング材料は、可視範囲で所望する赤外線軽減及び透過率を示す粒子を含み得る。例えば、コーティング材料は、可視範囲で所望する赤外線軽減及び所望する透過率を有する微粒子の分散液を含み得る。
【0031】
特定の実施形態では、コーティング材料は、10%以上、30%以上、40%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上又は85%以上のVLTを有し得る。さらに特定の実施形態では、コーティング材料は、99%以下、95%以下又は90%以下のVLTを有し得る。さらに、コーティング材料は、10%〜99%、70%〜95%又は75%〜90%といった、上記の最大値及び最小値のいずれかの範囲でVLTを有し得る。
【0032】
さらなる実施形態では、コーティング材料は、1000nm以上又はそれよりも長い波長の赤外線といった、赤外線を吸収し得る。特定の実施形態では、コーティング材料は、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、15%以下、10%以下又は5%以下の赤外光の透過率を有し得る。さらに特定の実施形態では、コーティング材料は、0.1%以上、0.5%以上、1%以上、2%以上又は3%以上の赤外光の透過率を有し得る。さらに、コーティング材料は、0.1%〜20%又は0.5%〜15%又は1%〜10%といった、上記の最大値及び最小値のいずれかの範囲で赤外光の透過率を有し得る。
【0033】
特定の実施形態では、コーティング材料は、所望する組成の粒子を含み得る。特定の実施形態では、粒子は、無機化合物、酸化物又は金属酸化物を含み得る。さらに特定の実施形態では、粒子は、酸化タングステン、アンチモンスズ酸化物、インジウムスズ酸化物及び六ホウ化ランタノイドを含み得る。より特定の実施形態では、粒子は、酸化タングステンを含み得る。
【0034】
さらなる実施形態では、粒子は、複合金属窒化物を含み得る。本明細書で使用される「複合金属窒化物」という用語は、金属及び窒素を含有する金属窒化物を指す。金属には、Ti、Ta、Zr、Hf又はこれらのいずれかの組合せが包含され得る。
【0035】
さらなる実施形態では、粒子は、複合金属六ホウ化物を含み得る。本明細書で使用される「複合金属ホウ化物」という用語は、金属及びホウ素を含有する金属ホウ化物を指す。金属にはLa、Ho、Dy、Tb、Gd、Nd、Pr、Ce、Y、Sm又はこれらのいずれかの組合せが包含され得る。
【0036】
さらなる実施形態では、粒子は、複合金属酸化物を含み得る。本明細書で使用される「複合金属酸化物」という用語は、金属、酸素及び少なくとも1つの追加の元素を含有する金属酸化物を指す。具体的な実施形態では、複合金属酸化物の少なくとも1つの追加の元素には、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、I又はこれらのいずれかの組合せが包含され得る。さらに具体的な実施形態では、複合金属酸化物の少なくとも1つの追加の元素は、Cs、Na、Rb、Ti又はこれらのいずれかの組合せであり得る。
【0037】
さらに、特定の実施形態では、粒子は、酸化タングステン複合粒子を含み得る。特定の実施形態では、酸化タングステン複合粒子は、Mの一般式を有し得、MはCs、Na、Rb、Ti又はこれらのいずれかの組合せを含む。さらに特定の実施形態では、MはCsであり得る。例えば、粒子は、Csの一般式を有し得、xは0.1〜0.5、0.12〜0.45、0.13〜0.4、0.14〜0.35又は0.15〜0.33さえの範囲で値を有する。特定の実施形態では、xは0.15〜0.33の範囲で値を有する。
【0038】
特定の実施形態では、コーティング材料は、99重量%以下、98重量%以下、97重量%以下、93重量%以下、94重量%以下、93重量%以下、92重量%以下又は91重量%以下の量で結合剤システムを含み得る。さらなる実施形態では、コーティング層は、15重量%以上、20重量%以上、25重量%以上、30重量%以上、35重量%以上又は40重量%以上さえの量で結合剤システムを含み得る。さらに、コーティング材料は、約99〜70重量%又は95〜80重量%又は91〜85重量%といった、上記の最大値及び最小値のいずれかの範囲で結合剤システムを含み得る。上記の含有量の値は、コーティング組成物の全重量をもとに算出される。
【0039】
特定の実施形態では、コーティング材料は、所望する組成の結合剤システムを含み得る。特定の実施形態では、結合剤システムは、例えば、紫外線(UV)硬化性モノマー又はオリゴマーといった、モノマー又はオリゴマーを含有し得る。特定の実施形態では、結合剤システムに含有されるモノマー又はオリゴマーは、例えば、芳香族モノマー又はオリゴマーであり得る。さらに特定の実施形態では、モノマー又はオリゴマーは、エポキシアクリレートモノマー若しくはオリゴマー、芳香族エポキシアクリレートモノマー若しくはオリゴマー、部分的アクリル化ビスフェノールAエポキシモノマー若しくはオリゴマー、グリセリルプロポキシトリアクリレートと配合したニ官能性ビスフェノールAエポキシモノマー若しくはオリゴマー又は臭素化芳香族アクリレートオリゴマーといった、アクリレートモノマー若しくはオリゴマーを含有し得る。さらに特定の実施形態では、結合剤システムは、アクリル樹脂、アクリレートモノマー及びアクリル樹脂の混合物、アクリル酸エステルオリゴマーを含有し得る。特定の実施形態では、結合剤システムは、上記オリゴマー及びモノマーのいずれかの組合せであり得る。
【0040】
屈折率に加えて、結合剤システムを選択する際に考慮され得る複数の重要な特性がある。これらの特性としては、基板への高接着性、コーティングの高耐引っかき性及び硬さ、結合剤の色の中間性、高耐薬性、高耐熱性、高柔軟性、高耐水性、高UV硬化応答速度、UV劣化及び結合剤に関する他のケミカルハザードに対する高耐性が挙げられ得る。これらの最終製品の特性に加え、複数の特徴が、結合剤システムの加工性に影響を及ぼし得、例えば、粘度、表面張力、密度及びシステム内での他の材料との適合性が挙げられる。上記特性又は特徴のうち1つ以上が、所定の適用に関するコーティング材料の性能に影響を及ぼし得る。
【0041】
上記の通り、コーティング材料は、基板に適用され、複合体を形成し得る。図2は、本開示の一実施形態に従った赤外線軽減複合体10の断面図を例示している。複合体10は、基板層20及びコーティング層30を含み得る。例えば、図2を参照すると、コーティング層30は、基板層上に配置され得る。一般的に、コーティング層は、基板層に隣接して、又は、基板層の主面に直接接触するように配置され得る。図2で例示される複合フィルム10は、例示的な実施形態であることが理解されたい。あらゆる数の追加の層、又は示されるよりも少ない数の層を有する実施形態が本発明の範囲内であり得る。
【0042】
特定の実施形態では、複合体は、日照フィルム又は低ヘイズ日照フィルムといった、複合フィルムであり得る。特定の実施形態では、複合体は、基板上に配置されるよう適応させた低ヘイズ日照フィルムであり得る。窓といった硬質の表面への適用で日照フィルムとして使用する場合は、基板層は、フィルムで被覆される表面に隣接して配置されるように適応させ得る。例えば、例として窓に接着させる場合、基板層は、コーティング層よりも窓の近くにあり得る。さらに、接着層が基板層に隣接して配置され、複合体で被覆する窓又は他の表面に接着するように適応され得る。複合体は、以下でより詳細が説明される。
【0043】
複合体の具体的な効果は、その性能の観点から説明され得る。パラメーターとしては、ヘイズ、可視光透過率、総太陽エネルギー遮断率、太陽熱取得係数、光対太陽の取得比が挙げられる。
【0044】
本明細書に記載するヘイズ値は、フィルムサンプルに対してATSM D1003を用いて測定される。可視光透過率(VLT)値は分光光度計で測定され、550nmにおけるVLTによって特徴付けられる。総太陽エネルギー遮断率(TSER)、太陽熱取得係数(SHGC)、総太陽エネルギー透過率、総太陽エネルギー反射率及び光対太陽熱取得係数(LSHGC)は、Lawrence Berkeley National Labから無料で利用可能なWindow6及びOptics6ソフトウェアパッケージを用いて算出する。300nm〜2500nmの透過、300nm〜2500nmのフィルムの一面の反射、及び300nm〜2500nmのフィルムのもう一面の反射は、Perkin Elmer Lambda 950のスペクトロフォトマーを用いて測定される。データを次いでOptics6のソフトウェアに入力し、Opticsファイルを作成する。Opticsファイルを次いでWindow6ソフトウェアに入力しNFRC 100−2001、単一層、及び90度の傾き角の環境条件を用いて算出する。
【0045】
上記の通り、複合体は、ヘイズの軽減の向上を示し得る。特定の実施形態では、複合体は、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下又は3%以下さえのヘイズを有し得る。さらなる実施形態では、複合体は、0.1%以上、0.5%以上又は1%以上のヘイズを有し得る。さらに、複合体は、0.1%〜10%、0.5%〜8%又は1%〜3%さえといった、上記の最大値及び最小値のいずれかの範囲でヘイズを有し得る。本開示の特定の効果は、特に以下で記述する他のパラメーターと一緒に、本明細書で説明及び実施例で例示するヘイズ(及びヘイズ寄与)値を得る能力である。
【0046】
複合体は、所望するVLTを示し得る。特定の実施形態では、複合体は、10%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、68%以上、70%以上、73%以上又は75%以上さえのVLTを有し得る。さらなる実施形態では、複合体は、95%以下、90%以下、88%以下、86%以下、84%以下、82%以下、80%以下さえといった、100%のVLTを有し得る。例えば、複合体は、30%〜50%、50%〜70%又は60%〜80%といった、上記の最大値及び最小値のいずれかの範囲でVLTを有し得る。
【0047】
複合体は、所望する総太陽エネルギー遮断率(TSER)を示し得る。TSERとは、太陽の正反射率及び外側に向かう二次的な熱伝達遮断因子の合計である、フィルムが遮断した総エネルギーの測定であり、後者の二次的な熱伝達遮断因子とは、入射した日射のうちフィルムに軽減された部分の対流及び長波長IR放射による熱伝達から引き起こされる。総太陽エネルギー遮断率は、ISO 9050基準に従って測定され得る。本開示の特定の効果は、特に以下で記述する他のパラメーターと一緒に、本明細書で説明及び実施例で例示する総太陽エネルギー遮断率を得る能力である。
【0048】
本開示の特定の実施形態では、複合体は、35%以上、52%以上、55%以上又は59%以上さえのTSERを有し得る。さらに、複合体は、90%以下、80%以下又は70%以下さえの総太陽エネルギー遮断率を有し得る。さらに、複合体は、約50%〜約90%又は約59%〜約80%といった、上記の最大値及び最小値のいずれかの範囲で総太陽エネルギー遮断率を有し得る。
【0049】
複合体は、所望する光対太陽熱取得係数(LSHGC)を示し得る。LSHGCは、異なる種類の複合体の、熱取得を遮断しながら日光を透過する相対効率の基準を指す。割合が高いほど、過剰な量の熱を加えることなく室内はより明るい。光対太陽熱取得係数は、次の式に従って決定され得る:
LSHGC=(VLT)/(TSER*100)
ここで、VLT及びTSERは、上記の通りに決定される。
【0050】
本開示の特定の実施形態では、複合体は、スペクトロフォトマーで測定され、Windowsソフトウェアで算出される、少なくとも1.1、少なくとも1.2、少なくとも1.3、少なくとも1.4、少なくとも1.5、少なくとも1.6といった、少なくとも1のLSHGCを有し得る。さらに、複合体は、1.95以下、1.92以下又は1.90以下さえのLSHGCを有し得る。さらに、複合体は、約1.60〜約1.95又は1.80〜約1.90さえといった、上記の最大値及び最小値のいずれかの範囲でLSHGCを有し得る。
【0051】
総太陽エネルギー吸収率(TSEA)は、複合体が吸収する太陽エネルギーの量の測定である。TSEAは次の式に従って決定され得る:
【0052】
TSEA=100−(総太陽エネルギー透過率)−(総太陽エネルギー反射率)であって、ここで、エネルギー透過率及び太陽エネルギー反射率は、Lawrence Berkeley National Labから無料で利用できるWindow6及びOptics6ソフトウェアパッケージを用いて算出される。300nm〜2500nmの透過率、フィルムの一面の300nm〜2500nmの反射率及びフィルムももう一方の面の300nm〜2500nmの反射率を、Perkin Elmer Lambda 950分光光度計を用いて算出する。データを次いでOptics6ソフトウェアに入力し、Opticsファイルを作成する。Opticsファイルを次いでWindow6ソフトウェアに入力し、NFRC 100−2001、単一層及び90度の傾きである環境条件を用いて算出する。
【0053】
本開示の特定の実施形態では、複合体は、分光光度計で測定し、Windowソフトウェアで算出される、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上又は70%以上さえのTSEAを有し得る。さらなる実施形態では、複合体は、100%又は95%以下又は90%以下又は85%以下さえのTSEAを有し得る。さらに、より具体的な実施形態では、複合体が、30%〜100%又は40%〜95%又は70%〜90%の範囲といった、上記の最大値及び最小値のいずれかの範囲でTSEAを有し得る。
【0054】
複合体は、所望する組成を有する基板層を含み得る。基板は、あらゆる数の異なる材料から成り得る。特定の実施形態では、基板層は、ポリマーを含み得る。具体的な実施形態では、基板層は、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、フルオロポリマー、三酢酸セルロースポリマー又はこれらのいずれかの組合せを含み得る。より具体的な実施形態では、基板層は、ポリエチレンテレフタレート(PET)を含有し得る。さらに具体的な実施形態では、基板層はガラス基板を含有し得る。
【0055】
複合体は、所望する硬性を有する基板層を含み得る。基板は、硬質又は半硬質であり得る。本明細書で使用される「硬質」という用語は、材料が500Mpa超のヤング率の値を有する状態を指し、「半硬質」という用語は、材料が10MPa〜500Mpaの範囲でヤング率を有する状態を指す。
【0056】
複合体は、所望するVLTを有する基板層を含み得る。特定の実施形態では、基板層は、透明の基板を有し得る。本明細書で使用される「透明」という用語は、材料が5%以上のVLTを有する状態を指す。特定の実施形態では、透明基板は10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上又は70%以上さえのVLTを有し得る。さらに特定の実施形態では、透明基板は、100%又は95%以下、90%以下、85%以下、80%以下又は75%以下のVLTを有し得る。さらに、透明基板は、40%〜85%又は50%〜85%の範囲といった、上記の最大値及び最小値のいずれか1つの範囲内でVLTを有し得る。
【0057】
特定の実施形態では、基板層は、高VLT基板を含み得る。本明細書で使用される「高VLT基板」という用語は、60%以上のVLTを有する基板を指す。特定の実施形態では、高VLT基板は、65%以上、68%以上又は70%以上のVLTを有し得る。さらに特定の実施形態では、高VLT基板は、80%以下、85%以下、90%以下、95%以下又は100%以下さえのVLTを有し得る。さらに、高VLT基板は、60%〜85%又は65%〜80%の範囲といった上記の最大値及び最小値のいずれか1つの範囲内でVLTを有し得る。特定の実施形態では、基板 は、65%〜75%の範囲でVLTを有し得る。
【0058】
特定の実施形態では、基板層は、低VLT基板を含み得る。本明細書で使用される低VLT基板は、60%未満のVLTを有する基板を指す。特定の実施形態では、低VLT基板は、58%以下又は55%以下又は53%以下又は50%以下さえのVLTを有し得る。さらに特定の実施形態では、低VLT基板は、25%以上、30%以上、35%以上又は40%以上のVLTを有し得る。さらに、低VLT基板は、30%〜55%又は35%〜50%さえの範囲といった、上記の最大値及び最小値のいずれかの範囲でVLTを有し得る。適切な低VLT基板としては、例えば、染色、金属化又は押出基板が挙げられる。
【0059】
複合体は、所望する厚さを有する基板層を含み得る。特定の実施形態では、基板層は、少なくとも約0.1ミクロン以下、少なくとも約1ミクロン又は少なくとも約10ミクロンさえといった厚さを有し得る。さらなる実施形態では、基板層は、約1000ミクロン以下、約500ミクロン以下、約100ミクロン以下又は約50ミクロン以下さえの厚さを有し得る。さらに、基板層は、約0.1ミクロン〜約1000ミクロン、約1ミクロン〜約100ミクロン又は約10ミクロン〜約50ミクロンさえといった、上記の最大値及び最小値のいずれかの範囲で厚さを有し得る。
【0060】
さらなる実施形態では、基板層は、1ミリメートル〜50ミリメートル又は1ミリメートル〜20ミリメートルさえといった、より大きい厚さを有し得る。さらに他の実施形態では、基板は、少なくとも0.001インチ、少なくとも0.01インチ、少なくとも0.1インチ、少なくとも1インチ又は少なくとも10インチの厚さを有し得る。例えば、そのような基板層は、ガラスといった硬質の基板を含み得る。
【0061】
さらなる実施形態では、基板層は、赤外線反射性基板を含み得る。特定の実施形態では、赤外線反射性基板は、赤外線反射性フィルムを含み得る。より具体的な実施形態では、赤外線反射性フィルムは、基板層に含まれ得、赤外線反射をコーティング層の実施形態の赤外線吸収と組合せる。
【0062】
特定の実施形態では、コーティング層は、50ミクロン、20ミクロン以下又は10ミクロン以下さえの厚さを有する。さらなる実施形態では、コーティング層は、50nm以上、100nm以上、200nm以上、300nm以上、400nm以上又は500nm以上の厚さを有し得る。さらに、コーティング層は、約200nm〜20ミクロン、500nm〜15ミクロン又は1ミクロン〜10ミクロンさえといった、上記の最大値及び最小値のいずれかの範囲で厚さを有し得る。
【0063】
特定の実施形態では、複合体は、保護層又はハードコート層といった追加層を含み得る。当業者であればそのような層を理解できる。
【0064】
上記の通り、本明細書で記載するのは、コーティング材料を作製する方法及び複合体を作成する方法である。
【0065】
特定の実施形態では、コーティング材料を作製する方法には、結合剤システムを提供すること、粒子を提供すること、及び結合剤システムに粒子を分散することが含まれ得る。特定の実施形態では、当該方法には、本開示で記載するコーティング材料の特徴のうち1つまたは複数の特徴を有するコーティング材料を作製することが含まれ得る。さらに特定の実施形態では、当該方法にはメチルイソブチルケトンといった溶媒内で、結合剤システムを本明細書で開示する粒子といった粒子と混合することが含まれ得る。さらに特定の実施形態では、当該方法には、粒子の屈折率に近接してマッチする屈折率を有する結合剤システムを提供することが含まれ得る。
【0066】
特定の実施形態では、複合体を作成するための方法には、基板を提供すること、コーティング材料を提供すること及びコーティング材料を基板に適用することが含まれ得る。特定の実施形態では、コーティング材料を提供することには、本明細書に記載するコーティング材料を作製する方法が含まれ得る。例えば、コーティング材料は、本開示で記載するコーティング材料の特徴のうち1つまたは複数の特徴を有し得る。さらなる実施形態では、当該方法には、コーティング材料を基板に適用し、本明細書で開示する厚さといった、所望する厚さを有するコーティング層を形成し得る。
【0067】
本開示は、本明細書は、従来技術からの逸脱を示す。特に、性能の特徴、特に本明細書に記載する性能の組合せを提供し得る赤外線軽減コーティング材料の形成方法は、未知であった。例えば、本開示は、誘電層及び金属を含む層を有する様々な電極を例示している。本明細書で詳細が説明されるその構造は、今まで達成不可能であったよりももっと顕著に低いヘイズ寄与を示すことが予想を反して発見された。
【0068】
多くの異なる態様及び実施形態が可能である。態様及び実施形態のいくつかを以下で説明する。本明細書を呼んだ後、当業者であればこれら態様及び実施形態は例示的に過ぎず本発明の範囲を限定するものではないことが分かる。実施形態は、以下に列挙するアイテムのうち、いずれか1つまたは複数のアイテムに従い得る。
【0069】
アイテム1.赤外線軽減コーティング材料であって:
2以上の屈折率を有する粒子と;
1.53以上の屈折率を有する結合剤システムと、を含む、赤外線軽減コーティング材料。
【0070】
アイテム2.透明基板に適用され、390nmの波長で測定される際に、20%以下のヘイズ寄与を有する、赤外線軽減コーティング材料。
【0071】
アイテム3.粒子及び結合剤システムを含む赤外線軽減コーティング材料であって、粒子及び結合剤システムが1.5以下の屈折率の差を有する、赤外線軽減コーティング材料。
【0072】
アイテム4.複合体であって:
基板と;
赤外線軽減コーティング材料であって、
(a)結合剤システム及び結合剤システムに分散されている粒子を含み、粒子は2以上の屈折率を有し、結合剤システムは1.53以上の屈折率を有し、
(b)透明基板に適用され、390nmの波長で測定される際に、20%以下のヘイズ寄与を有し、又は
(c)粒子及び結合剤システムを含み、粒子及び結合剤システムは1.5以下の屈折率の差を有する、赤外線軽減コーティング材料と、を含む複合体。
【0073】
アイテム5.赤外線軽減コーティング材料を形成する方法であって:
粒子及び結合剤システムを提供することと;
粒子及び結合剤システムを混合してコーティング材料を作製すること、とを含み、コーティング材料は、
(a)結合剤システム及び結合剤システムに分散されている粒子を含み、粒子は2以上の屈折率を有し、結合剤システムは1.53以上の屈折率を有し、
(b)透明基板に適用され、390nmの波長で測定される際に、20%以下のヘイズ寄与を有し、
(c)粒子及び結合剤システムを含み、粒子及び結合剤システムが1.5以下の屈折率の差を有する、方法。
【0074】
アイテム6.複合体を形成する方法であって:
基板、粒子及び結合剤システムを提供することと;
粒子及び結合剤システムを混合してコーティング材料を形成することであって、コーティング材料は、
(a)結合剤システム及び結合剤システムに分散されている粒子を含み、粒子は2以上の屈折率を有し、結合剤システムは1.53以上の屈折率を有し、
(b)透明基板に適用する際に20%以下のヘイズ寄与を有し、又は、
(c)粒子及び結合剤システムを含み、粒子及び結合剤システムが1.5の屈折率の差を有することと;
基板を赤外線軽減コーティング材料でコーティングすること、とを含む、方法。
【0075】
アイテム7.アイテム1〜6のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、コーティング材料が、20%以下、15%以下、12%以下又は10%以下、9%以下又は8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下又は3%以下さえのヘイズ寄与を有する、コーティング材料、複合体又は方法。
【0076】
アイテム8.アイテム1〜7のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、コーティング材料が、0.1%以上、0.2%以上、0.3%以上、0.4%以上又は0.5%以上のヘイズ寄与を有する、コーティング材料、複合体又は方法。
【0077】
アイテム9.アイテム1〜8のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、コーティング材料が、約0.1%〜約20%、0.5%〜10%、1%〜8%又は2%〜5%の範囲のヘイズ寄与を有する、コーティング材料、複合体又は方法。
【0078】
アイテム10.アイテム1〜9のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、高VLT基板に適用する際に、コーティング材料が0.1%〜5%、0.5%〜4%又は1%〜3%の範囲でヘイズ寄与を有する、コーティング材料、複合体又は方法。
【0079】
アイテム11.アイテム1〜10のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、低VLT基板に適用される際に、コーティング材料は、1%〜10%、4%〜9%又は6%〜8%の範囲でヘイズ寄与を有する、コーティング材料、複合体又は方法。
【0080】
アイテム12.アイテム1〜11のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、屈折率の差が1.4以下、1.3以下、1.2以下又は1.1以下さえである、コーティング材料、複合体又は方法。
【0081】
アイテム13.アイテム1〜12のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、屈折率の差が0.1以上、0.2以上、0.3以上、0.4以上又は0.5以上である、コーティング材料、複合体又は方法。
【0082】
アイテム14.アイテム1〜13のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、屈折率の差が、0.1〜1.5、0.3〜1.3又は0.5〜1.1の範囲である、コーティング材料、複合体又は方法。
【0083】
アイテム15.アイテム1〜14のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、粒子が酸化タングステン、アンチモンスズ酸化物、インジウムスズ酸化物、六ホウ化ランタノイド又はこれらのいずれかの組合せを含む、コーティング材料、複合体又は方法。
【0084】
アイテム16.アイテム1〜15のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、粒子が、酸化タングステン複合粒子を含み、当該酸化タングステン複合粒子は、MがCs、Na、Rb、Ti又はこれらのいずれかの組合せである一般式Mを有する、コーティング材料、複合体又は方法。
【0085】
アイテム17.アイテム7に記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、MがCsである、コーティング材料、複合体又は方法。
【0086】
アイテム18.アイテム7及び8に記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、xが0.1〜0.5、0.12〜0.45、0.13〜0.4、0.14〜0.35又は0.15〜0.33の範囲である値を有する、コーティング材料、複合体又は方法。
【0087】
アイテム19.アイテム1〜18のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、粒子が複合金属窒化物を含む、コーティング材料、複合体又は方法。
【0088】
アイテム20.アイテム19に記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、複合金属窒化物の金属がTi、Ta、Zr、Hf又はこれらのいずれかの組合せを含む、コーティング材料、複合体又は方法。
【0089】
アイテム21.アイテム1〜20のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、粒子が複合金属六ホウ化物を含む、コーティング材料、複合体又は方法。
【0090】
アイテム22.アイテム21に記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、複合金属六ホウ化物の金属がLa、Ho、Dy、Tb、Gd、Nd、Pr、Ce、Y、Sm又はこれらのいずれかの組合せを含む、コーティング材料、複合体又は方法。
【0091】
アイテム23.アイテム1〜22のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、粒子が2.0以上、2.05以上、2.1以上、2.15以上、2.2以上、2.25以上又は2.3以上の粒子の屈折率を有する、コーティング材料、複合体又は方法。
【0092】
アイテム24.アイテム1〜23のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、粒子が2.8以下、2.75以下、2.7以下、2.65以下又は2.6以下の屈折率を有する、コーティング材料、複合体又は方法。
【0093】
アイテム25.アイテム1〜24のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、粒子が2.0〜2.8又は2.1〜2.75又は2.2〜2.7又は2.3〜2.65又は2.4〜2.6の範囲である屈折率を有する、コーティング材料、複合体又は方法。
【0094】
アイテム26.アイテム1〜25のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、粒子がナノ粒子を含む、コーティング材料、複合体又は方法。
【0095】
アイテム27.アイテム1〜26のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、粒子が、300nm以下、200nm以下、150nm以下又は100nm以下といった、500nm以下の直径を有するナノ粒子である、コーティング材料、複合体又は方法。
【0096】
アイテム28.アイテム1〜27のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、粒子が、1nm以上、20nm以上、30nm以上又は40nm以上の直径を有するナノ粒子である、コーティング材料、複合体又は方法。
【0097】
アイテム29.アイテム1〜28のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、粒子が20nm〜200nm、30nm〜150nm又は40nm〜100nmの範囲の直径を有するナノ粒子である、コーティング材料、複合体又は方法。
【0098】
アイテム30.アイテム1〜29のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、結合剤システムが、モノマー又はオリゴマー又はUV硬化性モノマー又はオリゴマーを含む、コーティング材料、複合体又は方法。
【0099】
アイテム31.アイテム1〜30のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、結合剤システムが、芳香族モノマー又はオリゴマーを含む、コーティング材料、複合体又は方法。
【0100】
アイテム32.アイテム1〜31のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、結合剤システムがアクリレートモノマー又はオリゴマー、エポキシアクリレートモノマー又はオリゴマー、芳香族エポキシアクリレートモノマー又はオリゴマー、部分的アクリル化ビスフェノールAエポキシモノマー又はオリゴマー、グリセリルプロポキシトリアクリレートと配合した二官能性ビスフェノールA系エポキシアクリレート又は臭素化芳香族アクリレートオリゴマーを含む、コーティング材料、複合体又は方法。
【0101】
アイテム33.アイテム1〜32のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、結合剤システムがアクリル樹脂、アクリレートモノマー及びアクリル樹脂の混合物又はアクリル酸エステルオリゴマーを含む、コーティング材料、複合体又は方法。
【0102】
アイテム34.アイテム1〜33のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、結合剤システムが1.50以上、1.51以上、1.52以上又は1.53以上の屈折率を有する、コーティング材料、複合体又は方法。
【0103】
アイテム35.アイテム1〜34のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、結合剤システムが1.65以下、1.62以下、1.61以下又は1.60以下の屈折率を有する、コーティング材料、複合体又は方法。
【0104】
アイテム36.アイテム1〜35のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、結合剤システムが1.50〜1.65、1.53〜1.62又は1.55〜1.60の範囲で屈折率を有する、コーティング材料、複合体又は方法。
【0105】
アイテム37.アイテム1〜36のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、コーティング材料が、赤外線軽減コーティング材料の全重量に対して、約1〜約30重量%、約5〜約20重量%、約9〜約15重量%といった、少なくとも1重量%以下以上の量で粒子を含む、コーティング材料、複合体又は方法。
【0106】
アイテム38.アイテム1〜37のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、コーティング材料が99重量%以下、98重量%以下、97重量%以下、93重量%以下、94重量%以下、93重量%以下、92重量%以下又は91重量%以下の量で結合剤システムを含む、コーティング材料、複合体又は方法。
【0107】
アイテム39.アイテム1〜38のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、コーティング材料が15重量%以上、20重量%以上、25重量%以上、30重量%以上、35重量%以上又は40重量%以上の量で結合剤システムを含む、コーティング材料、複合体又は方法。
【0108】
アイテム40.アイテム1〜39のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、コーティング材料が、約99〜70重量%又は95〜80重量%又は91〜85重量%の範囲で結合剤システムを含む、コーティング材料、複合体又は方法。
【0109】
アイテム41.アイテム1〜40のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、粒子の屈折率と結合剤システムの屈折率の差が1.5以下、1.4以下、1.3以下、1.2以下又は1.1以下である、コーティング材料、複合体又は方法。
【0110】
アイテム42.アイテム1〜41のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、粒子の屈折率と結合剤システムの屈折率の差が1.5以下、1.4以下、1.3以下、1.2以下又は1.1以下である、コーティング材料、複合体又は方法。
【0111】
アイテム43.アイテム1〜42のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、粒子の屈折率と結合剤システムの屈折率の差が0.1以上、0.2以上、0.3以上、0.4以上又は0.5以上である、コーティング材料、複合体又は方法。
【0112】
アイテム44.アイテム1〜43のいずれかに記載のコーティング材料、複合体又は方法であって、粒子の屈折率と結合剤システムの屈折率の差が0.1〜1.5、0.3〜1.3又は0.5〜1.1である、コーティング材料、複合体又は方法。
【0113】
アイテム45.アイテム1〜44のいずれかに記載の複合体又は方法であって、複合体が、スペクトロフォトマーに従って計測される、68%以上、70%以上、73%以上、75%以上、78%以上、80%以上といった、65%以上の可視高透過率を有する、複合体又は方法。
【0114】
アイテム46.アイテム1〜45のいずれかに記載の複合体又は方法であって、複合体が、スペクトロフォトマーに従って計測され、Windowソフトウェアで算出される、少なくとも1.1、少なくとも1.2、少なくとも1.3、少なくとも1.4、少なくとも1.5、少なくとも1.6といった、少なくとも1の光対太陽熱取得係数(LSHGC)を有する、複合体又は方法。
【0115】
アイテム47.アイテム1〜46のいずれかに記載の複合体又は方法であって、複合体が、1.95以下、1.92以下又は1.90以下の光対太陽熱取得係数(LSHGC)を有する、複合体又は方法。
【0116】
アイテム48.アイテム1〜47のいずれかに記載の複合体又は方法であって、複合体が1.60〜1.95又は1.80〜約1.90の範囲で光対太陽熱取得係数(LSHGC)を有する、複合体又は方法。
【0117】
アイテム49.アイテム1〜48のいずれかに記載の複合体又は方法であって、複合体が、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、9%以下、8%以下、7%以下、6%以下、5%以下、4%以下又は3%以下さえのヘイズを有する、複合体又は方法。
【0118】
アイテム50.アイテム1〜49のいずれかに記載の複合体又は方法であって、複合体が、0.1%以上、0.5%以上又は1%以上のヘイズを有する、複合体又は方法。
【0119】
アイテム51.アイテム1〜50のいずれかに記載の複合体又は方法であって、複合体が、0.1%〜10%、0.5%〜8%又は1%〜3%さえの範囲でヘイズを有する、複合体又は方法。
【0120】
アイテム52.クレーム1〜51のいずれかに記載の複合体又は複合体を形成する方法であって、コーティング層のヘイズ寄与が15%以下、12%以下、10%以下又は9%以下又は8%以下である、複合体又は複合体を形成する方法。
【0121】
アイテム53.アイテム1〜52のいずれかに記載の複合体又は複合体を形成する方法であって、コーティング層のヘイズ寄与が0.1%以上、0.2%以上、0.3%以上、0.4%以上又は0.5%以上である、複合体又は複合体を形成する方法。
【0122】
アイテム54.アイテム1〜53のいずれかに記載の複合体又は複合体を形成する方法であって、コーティング層のヘイズ寄与が約0.1%〜約15%、0.5%〜10%又は1%〜8%の範囲である、複合体又は複合体を形成する方法。
【0123】
アイテム55.アイテム1〜54のいずれかに記載の複合体又は複合体を形成する方法であって、複合体が35%以上、52%以上、55%以上又は59%以上さえの総太陽エネルギー遮断率(TSER)を有する、複合体又は複合体を形成する方法。
【0124】
アイテム56.アイテム1〜55のいずれかに記載の複合体又は複合体を形成する方法であって、複合体が90%以下、80%以下又は70%以下さえの総太陽エネルギー遮断率(TSER)を有する、複合体又は複合体を形成する方法。
【0125】
アイテム57.アイテム1〜56のいずれかに記載の複合体又は複合体を形成する方法であって、複合体が、50%〜90%又は59%〜90%の範囲で総太陽エネルギー遮断率(TSER)を有する、複合体又は複合体を形成する方法。
【0126】
アイテム58.アイテム1〜57のいずれかに記載の複合体又は複合体を形成する方法であって、複合体が、分光光度計で測定し、Windowソフトウェアで算出される、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上又は70%以上さえの総太陽エネルギー吸収率(TSEA)を有する、複合体又は複合体を形成する方法。
【0127】
アイテム59.アイテム1〜58のいずれかに記載の複合体又は複合体を形成する方法であって、複合体が、100%又は95%以下又は90%以下又は85%以下さえの総太陽エネルギー吸収率(TSEA)をする、複合体又は複合体を形成する方法。
【0128】
アイテム60.アイテム1〜59のいずれかに記載の複合体又は複合体を形成する方法であって、複合体が、30%〜100%又は40%〜95%又は70%〜90%の範囲で総太陽エネルギー吸収率(TSEA)を有する、複合体又は複合体を形成する方法。
【0129】
アイテム61.アイテム1〜60のいずれかに記載の複合体又は複合体を形成する方法であって、
複合体が、50%〜90%又は59%〜80%の範囲で総太陽エネルギー反射率(TSER)の総太陽エネルギー遮断率(TSER)を有し、
複合体が、分光光度計で測定し、Windowソフトウェアで算出される、30%〜100%又は40%〜95%又は70%〜90%の範囲で総太陽エネルギー吸収率(TSEA)を有し、
コーティング層が、約0.1%〜約15%、0.5%〜10%又は1%〜8%の範囲でヘイズ寄与を有する、複合体又は複合体を形成する方法。
【0130】
アイテム62.アイテム1〜61のいずれかに記載の複合体又は複合体を形成する方法であって、基板が屈曲性ポリマー、クリアーポリマーといった、ポリマーである、複合体又は複合体を形成する方法。
【0131】
アイテム63.アイテム1〜62のいずれかに記載の複合体又は複合体を形成する方法であって、基板が、35%以上のVLTを有する染色、金属化又は押出基板である、複合体又は複合体を形成する方法。
【0132】
アイテム64.アイテム1〜63のいずれかに記載の複合体又は複合体を形成する方法であって、基板がガラスである、複合体又は複合体を形成する方法。
【0133】
アイテム65.アイテム28に記載の複合体又は複合体を形成する方法であって、ポリマーがポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、フルオロポリマー、三酢酸セルロースポリマー又はこれらのいずれかの組合せである、複合体又は複合体を形成する方法。
【0134】
アイテム66.アイテム28に記載の複合体又は複合体を形成する方法であって、基板が、30%〜65%又は35%〜60%の範囲といった、上記の最大値及び最小値のいずれかの範囲でVLTを有する、複合体又は複合体を形成する方法。
【0135】
アイテム67.アイテム28に記載の複合体又は複合体を形成する方法であって、基板が60%〜85%又は65%〜80%さえ又は65%〜75%の範囲といった、範囲内でVLTを有する、複合体又は複合体を形成する方法。
【0136】
アイテム68.アイテム1〜67のいずれかに記載の複合体又は複合体を形成する方法であって、基板が、赤外線反射性基板である、複合体又は複合体を形成する方法。
【0137】
アイテム69.アイテム55に記載の複合体又は複合体を形成する方法であって赤外線反射性基板が赤外線反射性フィルムを含む、複合体又は複合体を形成する方法。
【0138】
アイテム70.アイテム1〜69のいずれかに記載の複合体又は複合体を形成する方法であって、コーティング材料が、基板の主面にコーティングされている、複合体又は複合体を形成する方法。
【0139】
アイテム71.アイテム1〜70のいずれかに記載の複合体又は複合体を形成する方法であって、コーティング材料が、50ミクロン以下、20ミクロン以下又は10ミクロン以下の厚さを有する、複合体又は複合体を形成する方法。
【0140】
アイテム72.アイテム1〜71のいずれかに記載の複合体又は複合体を形成する方法であって、コーティング材料が、50nm以上、100nm以上、200nm以上、300nm以上、400nm以上又は500nm以上さえの厚さを有する、複合体又は複合体を形成する方法。
【0141】
アイテム73.アイテム1〜72のいずれかに記載の複合体又は複合体を形成する方法であって、コーティング材料が、約200nm〜20ミクロン、500nm〜15ミクロン又は1ミクロン〜10ミクロンさえの範囲の厚さを有する、複合体又は複合体を形成する方法。
【0142】
これらの予期しない優れた特徴及び他の予期しない優れた特徴が以下の実施例で説明されるが、これらは例示的なものであり、いかなる方法でも本明細書に記載する実施形態に限定されない。
【実施例】
【0143】
以下の実施例に関して、特定の材料を一緒に混合し、基板上にコーティングして及びUV硬化した。各実施例を測定してコーティング層のヘイズ寄与を決定した。ヘイズ値は、ASTM D1003方法を用いて測定した。
【0144】
実施例1
2つの異なる高屈折率モノマーを実施例1で用い、1つはエポキシアクリレート(Ebecryl 3605、RI=1.56)で、もう一方はアクリレート化モノマー及びアクリル樹脂の混合物(Cytec Ex 15039、RI=1.59)であり、それぞれを、およそ結合剤50%及び分散液50%の割合で、酸化セシウムタングステン(RI=2.5−2.6)分散液(住友金属鉱山株式会社、YMF−02A)と混合し、開始剤を添加した。マイヤーロッドコーティングを用いて混合物を超クリアーPETフィルム上におよそ77%のVLTになる厚さでコーティングし、UV硬化した。これら2つのモノマーに関する波長の関数であるヘイズを、別の低屈折率システム:CN2920(RI=1.48)及びCN9006(RI=1.49)を用いて上記と同じ方法で調製した2つのサンプルの波長の関数であるヘイズと比較した。
【0145】
太陽エネルギーに関する性能データを表1にまとめる。
【0146】
【表1】
【0147】
図3で示す通り、ヘイズは、高屈折率モノマーコーティング物でより低く、特に短い光の波長でより低かった。表2に示すHCvlt値は、高屈折率の結合剤システムに関してHCvltが著しく低いことを示している。
【0148】
【表2】
【0149】
実施例2
3つの異なる高屈折率結合剤を実施例2で用いた。1つ目は、グリセリルプロポキシトリアクリレートと配合した二官能性ビスフェノールA系エポキシアクリレート(CN104D80、RI=1.54)であった。2つ目は、臭素化芳香族アクリレートオリゴマー(CN2601、RI=1.57)であった。3つ目は、アクリル酸エステルオリゴマー(CN2603、RI=1.55)であった。これらの高屈折率結合剤システムを含むコーティング層を有する複合体を、低屈折率結合剤を含むコーティング層を有する2つの複合体と比較した。1つ目の低屈折率結合剤は脂肪族アクリル酸ウレタンオリゴマー(CN2920、RI=1.48)であり、2つ目の低屈折率結合剤は6官能基性脂肪族アクリル酸ウレタンオリゴマー(CN9006、RI=1.49)であった。実験のために、各結合剤システムを、結合剤50%及び分散液50%の割合で、酸化セシウムタングステンナノ粒子(RI=2.5−2.6)分散液(住友金属鉱山株式会社、YMF−02A)と混合し、開始剤を添加した。混合物をおよそ77%のVLTになるような厚さで超クリアーPET上にコーティングし、UV硬化した。
【0150】
太陽エネルギーに関する性能データを表3にまとめる。
【0151】
【表3】
【0152】
図4で示す通り、それぞれのコーティング物に関する波長の関数であるヘイズは、ヘイズが高屈折率結合剤とのコーティング物に関してより低いことを示している。表4は、本実施例のコーティング物のHCvlt値を示す。HCvlt値は、低屈折率結合剤よりも、高屈折率結合剤に関して著しく低かった。
【0153】
【表4】
【0154】
実施例3
エポキシアクリレート高屈折率結合剤CN2602(RI=1.56)及び脂肪族アクリル酸ウレタン低屈折率結合剤CN2920(RI=1.48)を実施例3で用いた。それぞれを、結合剤50%及び分散液50%の割合で酸化セシウムタングステン(RI=2.5−2.6)ナノ粒子分散液(住友金属鉱山株式会社、YMF−02A)と混合し、及び開始剤を添加した。マイヤーロッドコーティングを用いて、およそ40%の可視透過率になる厚さで混合物をガラス上にコーティングし、UV硬化した。
【0155】
太陽エネルギーに関する性能データを表5にまとめる。
【0156】
【表5】
【0157】
図5で示す通り、高屈折率結合剤でのコーティング物のヘイズは、短波長では低屈折率結合剤とのものよりも低かった。CN2602ベースのコーティング物のHCvltは11.95であり、CN2920ベースのコーティング物に関しては15.97であり、ヘイズ寄与は、低屈折率結合剤システムよりも高屈折率結合剤システムの方が低いことを示している。
【0158】
実施例4
2つの異なる結合剤システムを実施例4で用いた。それぞれを、セシウムをドーピングした酸化タングステンナノ粒子系(ナノ粒子屈折率、RI=2.5−2.6)と混合した。1つ目は、SR444/SR399の配合物(ペンタエリスリトールトリアクリレート及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートの配合物)UV硬化性結合剤(RI=およそ1.48)である。2つ目は、エポキシアクリレート(CN2602、RI=1.56)がベースである、標準コーティング結合剤よりも高いUV硬化性結合剤である。各結合剤システムに関して、セシウムをドーピングした酸化タングステンナノ粒子分散液(住友金属鉱山株式会社、YMF−02A)を、およそ結合剤50%及び分散液50%の割合でUV硬化性結合剤と混合し、開始剤を添加した。マイヤーロッドコーティング方法を用いて溶液をPET基板にコーティングし、およそ77%のVLTを得て、UV硬化した。
【0159】
太陽エネルギーに関する性能データを表6にまとめる。
【0160】
【表6】
【0161】
PET基板は本来、390nmでおよそ2.2%のヘイズを有するため、HCコーティングを調べることは大変重要である。図6で示す通り、高屈折率結合剤システムのヘイズプロフィールは、屈折率がより低い結合剤システムよりも、低い波長で低いヘイズを示す。SR444/SR399結合剤システムでは、HCvlt=4.7%であり、CN2602結合剤システムでは著しくより小さい値であるHCvlt=1.6%であった。
【0162】
実施例5
実施例5のサンプルを、エポキシアクリレート高屈折率結合剤(CN2602、RI=1.56)及び脂肪族アクリル酸ウレタン低屈折率結合剤(CN2920、RI=1.48)を用いて調製した。それぞれを、およそ結合剤50%及び分散液50%の割合で酸化セシウムタングステン(RI=2.5−2.6)ナノ粒子分散液(住友金属鉱山株式会社、YMF−02A)と混合し、開始剤を添加した。マイヤーロッドコーティングを用いて、混合物を、可視光高透過率がおよそ66%になる厚さで超クリアーPET上にコーティングし、UV硬化した。
【0163】
太陽エネルギーに関する性能データを表7にまとめる。
【0164】
【表7】
【0165】
図7に示す通り、高屈折率結合剤でのコーティング物のヘイズは、低屈折率結合剤でのものよりも低かった。CN2602ベースのコーティング物に関するHCvltは6.3であり、一方で、CN2920ベースのコーティング物に関するHCvltは12.4であり、ヘイズ寄与は、低屈折率結合剤システムよりも高屈折率結合剤システムに関してより低いことを示している。
【0166】
実施例6
実施例6のためのサンプルを、エポキシアクリレート高屈折率結合剤(CN2602、RI=1.56)及び脂肪族アクリル酸ウレタン低屈折率結合剤(CN2920、RI=1.48)を用いて調製する。それぞれを、およそ結合剤50%及び分散液50%の割合で酸化セシウムタングステン(RI=2.5−2.6)ナノ粒子分散液(住友金属鉱山株式会社、YMF−02A)と混合し、開始剤を添加した。マイヤーロッドコーティングを用いて、混合物を染色された2つの異なるPETフィルムに、可視光透過率がおよそ40−50%になる厚さでコーティングし、UV硬化する。ディップ染色フィルム1は、50%の可視光透過率を本来有し、ディップ染色フィルム2は70%の可視光透過率を本来有し、ディップ染色フィルム3は52%の可視光透過率を本来有する。コーティングされたフィルムの全体的な可視光透過率は、コーティングされたディップ染色フィルム1、ディップ染色フィルム2及びディップ染色フィルム3に対してそれぞれ40%、50%、及び48%である。
【0167】
太陽エネルギーに関する性能データを表8にまとめる。
【0168】
【表8】
【0169】
図8〜10に示す通り、高屈折率結合剤でのコーティング物のヘイズは、3つ全ての場合で低屈折率結合剤よりも低かった。異なる6つのコーティングサンプルのヘイズ寄与を表9に示す。HCvlt値は、低屈折率結合剤(CN2920)でのものよりも、高屈折率結合剤(CN2602)でのコーティング物での方が著しく低い。
【0170】
【表9】
【0171】
実施例7
実施例7のためのサンプルを、エポキシアクリレート高屈折率結合剤(CN2602、RI=1.56)及び脂肪族アクリル酸ウレタン低屈折率結合剤(CN2920、RI=1.48)を用いて調製した。それぞれを、およそ結合剤50%及び分散液50%の割合で酸化セシウムタングステン(RI=2.5−2.6)ナノ粒子分散液(住友金属鉱山株式会社、YMF−02A)と混合し、開始剤を添加した。マイヤーロッドコーティングを用いて、混合物を、可視光透過率がおよそ45%になる厚さで金属化PETフィルム上にコーティングし、UV硬化した。金属化フィルムは55%の可視光透過率を本来有する。コーティングされたフィルムの全体的な可視光透過率は45%であった。
【0172】
太陽エネルギーに関する性能データを表10にまとめる。
【0173】
【表10】
【0174】
図11に示す通り、高屈折率結合剤でのコーティング物のヘイズは、低屈折率結合剤でのよりも低かった。金属化フィルム上のCN2920に関するHCvltは12.50であり、金属化フィルム上のCN2602に関しては4.25であり、コーティング物のヘイズ寄与は、低屈折率結合剤でのコーティング物よりも高屈折率結合剤でのコーティング物の方が低いことを示している。
【0175】
実施例8
実施例8のためのサンプルを、エポキシアクリレート高屈折率結合剤(CN2602、RI=1.56)及び脂肪族アクリル酸ウレタン低屈折率結合剤(CN2920、RI=1.48)を用いて調製する。それぞれを、およそ結合剤50%及び分散液50%の割合で酸化セシウムタングステン(RI=2.5−2.6)ナノ粒子分散液(住友金属鉱山株式会社、YMF−02A)と混合し、開始剤を添加した。混合物を、濃色の押出染色PETフィルム上にコーティングする。押出染色フィルムは、48%の可視光透過率を本来有する。コーティングされたフィルムの全体的な可視光透過率は36%である。
【0176】
太陽エネルギーに関する性能データを表11にまとめる。
【0177】
【表11】
【0178】
図12に示す通り、高屈折率結合剤でのコーティング物のヘイズは、低屈折率結合剤のものよりも低い。押出染色フィルム上のCN2920のHCvltは7.27であり、押出染色フィルム上のCN2602に関しては2.62であり、コーティングのヘイズ寄与は、低屈折率結合剤でのコーティングに関してよりも、高屈折率結合剤でのコーティングに関しての方が低い。
【0179】
一般的な説明及び実施例で説明した全ての動作が必要なわけではなく、特定の動作の一部分は必要とされ得ず、1つまたは複数の動作がさらに上記したものに加えて実施され得ることに留意したい。さらに、動作が列挙される順番は、必ずしも実施される順番ではない。
【0180】
利点、他の効果及び問題の解決策が、具体的な実施形態に対して説明された。しかし、利点、効果、問題の解決策、及び、利点、効果又は解決策の発生又は顕著化につながり得るさらなる特徴(複数可)は、いずれか又は全ての請求項の、必須、必要又は本質的な特徴として解釈されるべきではない。
【0181】
本明細書及び本明細書で説明する実施形態の例示は、様々な実施形態の構造の一般的な理解を図ることを意図している。本明細書及び例示は、本明細書に記載する構造又は方法を用いる装置及びシステムの要素及び特徴全ての網羅的及び包括的な説明として機能する意図はない。別々の実施形態は単一の実施形態とも組合され得、また、逆に、簡潔性のために単一実施形態の文脈で説明された各種特徴も、別々又は副次的な組合せで提供され得る。さらに、範囲内で記述される値への参照には、その範囲内の各及び全ての値を含む。他の多くの実施形態は、この説明を読んで初めて当業者に明らかになり得る。構造上の置換、論理上の置換又は他の変更が本開示の範囲を逸脱することなくなされ得るように、他の実施形態は本開示から使用及び由来し得る。したがって、本開示は制限的ではなく例示的なもとのとして見なされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12