(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、上述した従来技術の問題点に鑑み、本発明の目的は、従来よりも操作性に優れた新たな水圧飛行装置(ハイドロフライト装置/水噴射式飛行器具/水圧を利用する運動器具)を提供することにある。また、本発明の他の目的は、水圧飛行装置(例えば既存の水圧飛行装置)に装着することで該飛行装置の操作性を向上させることが可能なアダプターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的は、
水上にあるウォータージェット推進装置(たとえば水上バイクが具備する推進装置)からホースを介して圧送される水(ウォータージェット)を噴射させて、それを推力として水上で飛行または空中浮遊するための飛行装置であって、
乗員を支えるための乗員支持手段(例えば後述する支持部(21)(31))と、
前記乗員支持手段から離れる方向に水を噴射する噴射手段(例えば後述する噴射ノズル(23)(33))と、
前記噴射手段に向けて圧送される水の流路を具備する自在継手部(例えば後述するボールジョイント)と、
を有する飛行装置(マリンスポーツの運動器具を含む)によって達成される。
【0010】
また上記目的は、
圧送される水を噴射させて(その噴射エネルギーを推力として利用して)水上で飛行または空中浮遊するための飛行装置であって、
乗員の右足側に直接または間接的に連結(固定)される右支持部と、該右支持部から離れる方向に水を噴射する右噴射部と、を一体的に具備する第1の飛行制御手段と、
乗員の左足側に直接または間接的に連結(固定)される左支持部と、該左支持部から離れる方向に水を噴射する左噴射部と、を一体的に具備する第2の飛行制御手段と、
前記右噴射部および前記左噴射部に向けて圧送される水の流路を具備する自在継手部と、を有する飛行装置(マリンスポーツの運動器具を含む)によって達成される。
【0011】
上記飛行装置において、前記自在継手部は、たとえば流路を有するボールジョイントを含んで構成されている。
【0012】
また、上記飛行装置が具備する自在継手部は、少なくとも、
外側湾曲部と、
前記外側湾曲部の内側で相対的に動作可能な内側湾曲部と、
前記内側湾曲部が前記外側湾曲部から外れることを阻止する止め部と、
を含んで構成されてもよい。
【0013】
また、上記飛行装置では、
前記自在継手部の流路に通ずる第1の継手部を更に有しており、第1の飛行制御手段は、第1の継手部に対して回動可能に連結されており、
前記自在継手部の流路に通ずる第2の継手部を更に有しており、第2の飛行制御手段は、第2の継手部に対して回動可能に連結されている、
ことが好ましい。
【0014】
また、上記飛行装置は、
第1の飛行制御手段の回動を妨げるための第1の回動阻止手段と、
第2の飛行制御手段の回動を妨げるための第2の回動阻止手段と、
を着脱可能に具備してもよい。
【0015】
また、上記目的は、
圧送される水を噴射させて水上で飛行または空中浮遊するための飛行装置と、該飛行装置に向けて水を圧送するためのホースと、を相互接続するための飛行装置用アダプターであって、
前記ホースの圧送水出口に接続可能な第1の流路と、
前記飛行装置の圧送水入口に接続可能な第2の流路と、
を有する自在継手を含んで構成される飛行装置用アダプターによって達成される。
【0016】
上記アダプターが具備する自在継手は、少なくとも、
外側湾曲部と、
前記外側湾曲部の内側で動作可能な内側湾曲部と、
前記内側湾曲部が前記外側湾曲部から外れることを阻止する止め部と、
を含んで構成されてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る水圧飛行装置は、噴射ノズルなどの噴射手段に向けて圧送される水の流路として自在継手部を備えている。この自在継手部は、例えば、内部に流路が形成されたボールジョイントで構成される。このような自在継手部に対して送水ホース(水上バイク等から供給されるウォータージェットの流路)を接続することで、該ホースによる飛行装置の拘束が緩和され、空中で自由自在に動き回ることが可能になる。すなわち、自在継手部の一部分がホースに追従して動き回る(傾斜したり相対的に回動する)ことができるので、飛行装置全体(乗員の動き)に対するホースの拘束が緩和され、複雑な飛行パフォーマンスを実現することが可能になる。
【0018】
また、自在継手部を構成するボールジョイントは、内側湾曲部と、該内側湾曲部に対して球面接触する外側湾曲部を有している。内側湾曲部と外側湾曲部の一方は他方に邪魔されることなく任意の方向に回動できる。また、引っ張られても内側湾曲部が外側湾曲部から抜け出ることがないように、内側湾曲部と外側湾曲部は相互結合している。
水上バイクに連結された送水ホースとの接続部(連結部)にこのようなボールジョイントを介在させることで、該送水ホースによる飛行装置の拘束が緩和され、空中で自由に動き回ることが可能になる。
また、送水ホースとの接続部(連結部)にスイベルジョイントなどを設ける場合に比べて、飛行装置を軽量化することができる。
したがって、本発明によれば、飛行装置の重量増加を抑えつつ、該飛行装置のコントロール性能を飛躍的に向上させることが可能になる。
【0019】
また本発明において、自在継手部(ボールジョイント)は、
・外側湾曲部と、
・外側湾曲部の内側で相対的に動作可能な内側湾曲部と、
・内側湾曲部が外側湾曲部から外れることを阻止する止め部と、
の少なくとも3つのパーツ(3部構造)で構成することも可能である。
このような3部構造を採用することで、自在継手部(ボールジョイント)の組立て、分解、洗浄、メンテナンスなどが容易になる。
また、摩耗などの劣化が生じた場合に、部分的な交換や補修で対応することができ、自在継手部(ボールジョイント)の全体を交換する場合に比べて、低コストでのメンテナンスが可能になる。
なお、自在継手部(ボールジョイント)を4つ以上のパーツで構成する態様であっても、上述した3つのパーツ(3部構造)を採用する限り、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0020】
また本発明に係る水圧飛行装置は、
前記第1の飛行制御手段の回動を妨げるための第1の回動阻止手段と、
前記第2の飛行制御手段の回動を妨げるための第2の回動阻止手段と、
を着脱可能に具備することも可能である。
このような回動阻止手段を採用することで、第1・第2の飛行制御手段が回動しないように必要に応じて固定することが可能となる。すなわち、第1・第2の飛行制御手段の可動域を必要に応じて意図的に制限することで(第1・第2の飛行制御手段の動作を規制することで)、飛行装置の操作が単純化され、飛行装置の初心者であっても、安心して安定した飛行を楽しむことができる。
また、飛行装置の操作に慣れた者が使用する場合には、回動阻止手段を取り外すことで、第1・第2の飛行制御手段を自由自在に回動させることができ、その結果、複雑な飛行パフォーマンスを実現することが可能になる。
つまり、飛行装置のユーザのレベル(練度や技能)に応じて、飛行装置の操作を単純化させたり複雑化させることが可能となる。
【0021】
また、本発明のアダプターは、水圧飛行装置と、該飛行装置に向けて水を圧送するためのホースと、を相互接続するための接続器具に関するものである。この飛行装置用アダプターは、ホースの圧送水出口に接続される第1の流路と、飛行装置の圧送水入口に接続される第2の流路と、を有するボールジョイントなどの自在継手で構成される。第1の流路は、第2の流路との連結状態を保ったまま自在に動き回ることができる。
このような自在継手タイプのアダプターを、水圧飛行装置とホースとの間に介在させることで、例えば既存の水圧飛行装置の操作性を大幅に向上させることが可能になる。
なお、本発明のアダプターを適用可能な飛行装置の種類は特に限定されない。
【0022】
すなわち、本発明のアダプターを適用可能な飛行装置は、少なくとも、
・乗員を支えるための乗員支持手段と、
・該乗員支持手段から離れる方向に水(ウォータージェット)を噴射する噴射手段と、
・この噴射手段に向けて圧送される水の流路と、
・アダプターを接続可能であって前記流路に通ずる接続部と、
を具備していれば足り、その他の点は特に限定されない。
【0023】
また、前述した自在継手部の3つのパーツ(3部構造)を、本発明のアダプターの自在継手に採用することも可能である。これにより、アダプターのメンテナンスが容易になり、また、低コストでのメンテナンスが可能になる、といった優れた効果が達成される。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明に係る水圧飛行装置1は、ウォータージェット推進装置(インペラー等)を具備する水上バイクなどの小型船舶から供給されるウォータージェットを推進力として利用し、乗員が足元に装着して水上を飛行または空中浮遊するためのハイドロフライト装置(ウォータージェット噴射装置)である。この水圧飛行装置1は、河川、湖、海などの水上で利用する。なお、この出願で言及する「水」には「海水」も含まれる。
【0026】
図1に示す例では、長尺の可撓性耐圧ホース3の一端が、水上バイクなどのウォータージェット噴出口に金具等で接続されており、また、耐圧ホース3の他端が水圧飛行装置1に接続されている。以下の説明では、ウォータージェット推進装置を具備する船舶の具体例として水上バイクを挙げる。
【0027】
耐圧ホース3を介して水上バイクのインペラーから供給された高圧のウォータージェットは、ボールジョイントからなる自在継手部4を経て2方向(図面において左右方向)に分岐し、左右の噴射ノズル23,33(噴射手段)から噴出する。飛行装置はノズル23,33から噴出するウォータージェットを推進力として利用し、乗員を乗せた状態で水上で飛行することができる。
【0028】
飛行装置のユーザである乗員は、飛行装置を足元で操作したり、飛行装置の上で重心を移動させるなどして、空中で横回転や宙返りなどの多彩な動きを見せることが可能である。
【0029】
以下、添付図面に基づいて、水圧飛行装置の構成について具体的に説明する。
【0030】
(飛行装置の構成)
図1は、本発明に係る飛行装置の使用状態を示す図である。
図2は、本発明に係る飛行装置を示す断面図である。
図3は、
図2に示す飛行装置の分解図である。
図4は、
図2に示す飛行装置が具備する自在継手部(ボールジョイント)の動作を示す断面図である。
【0031】
本発明に係る飛行装置1は、
図1〜
図3に示すように(特に
図3を参照)、
・ 乗員の右足側に連結される右支持部21と、該右支持部から離れる方向に水を噴射する右ノズル23(右噴射部)と、を一体的に具備する第1の飛行制御手段25と、
・ 乗員の左足側に連結される左支持部31と、該左支持部から離れる方向に水を噴射する左ノズル33(左噴射部)と、を一体的に具備する第2の飛行制御手段35と、
・ 右ノズル23および左ノズル33に向けて圧送されるウォータージェットの流路を内部に具備する自在継手部4と、を有する。
【0032】
なお、この出願において「乗員」とは、飛行装置のユーザ、すなわち、飛行装置を足元に装着して飛行する者を指している。また、本発明の飛行装置をマリンスポーツの運動器具として使用する場合には、当該運動器具を使用するユーザや競技者が「乗員」に該当する。
【0033】
右支持部21と左支持部31はそれぞれ、例えば足を乗せる台やブーツを固定するビンディングなどを含んで構成されている。右支持部21には、例えば乗員の右足に装着したブーツを固定し、また、左支持部31には、例えば乗員の左足に装着したブーツを固定する。右支持部21と左支持部31の組み合わせは、飛行装置のユーザである乗員を支える乗員支持手段を構成している。
【0034】
右ノズル23と左ノズル33の組み合わせはウォータージェット噴射手段を構成し、乗員支持手段(支持部21,31)から離れる方向に水を噴射する。自在継手部4を介して左右のノズル23,33に個別に且つ同時にウォータージェットを供給することで、該ウォータージェットがノズル23,33から噴出し、その反動で飛行装置1は
図1に示すように水上で(河川、湖、海などの水上で)飛行することができる。
【0035】
なお、本実施形態では、右支持部21と左支持部31を別個独立の部材として構成しているが、例えば右支持部21と左支持部31を従来装置のように一つの台などで一体的に構成してもよい。
【0036】
(自在継手部の特徴)
自在継手部4は、内部にウォータージェット用の流路(水が流れることが可能な空間からなる流路)を有するボールジョイントで構成されている。
【0037】
この自在継手部4は、
図2及び
図3に示すように、ウォータージェットが流通可能な第1の流路5と第2の流路6を含んで構成されている。
【0038】
第1の流路5は、
・ 球体の曲率の外周面(湾曲面)を持つ内側湾曲部51(内側ボール部)と、
・ 水上バイク等のウォータージェット推進装置につながる耐圧ホースへの接続部53と、を一体的に具備している。
【0039】
第2の流路6は、
・ 球体の曲率の内周面(湾曲面)を持つ外側湾曲部61(外側ボール部)と、
・ 第1の飛行制御手段25を接続可能な第1継手部63と、
・ 第2の飛行制御手段35を接続可能な第2継手部65と、
を一体的に具備している。
【0040】
第1の流路の内側湾曲部51と、第2の流路の外側湾曲部61は、
図2に示すように、外側湾曲部61が内側湾曲部51を外側から包み込むように(例えば内側と外側で球面接触するように)、相互連結されている。また、第1の流路5に対して引っ張り力が作用しても、内側湾曲部51が外側湾曲部61から抜け出ないように、第1の流路5は第2の流路6の外側湾曲部61によって保持されている。ただし、内側湾曲部51は、外側湾曲部61の内側に収まった状態で(所定の範囲内で)自由に動き回ることが可能である。
【0041】
なお、この出願で言及する「湾曲部」とは、必ずしも球体形状に限定されるものではなく、
図2及び
図3に示す湾曲部51,61のように、球体の一部を切り欠いた形状であってもよい。
【0042】
第1の流路5の接続部53には、水上バイクのウォータージェット噴出口に接続された耐圧ホース3を連結することが可能である。耐圧ホース3を接続部53に連結する際には、クランプなどの連結金具を利用してもよい。なお、図示する実施形態では、接続部53にフランジを設けていているが、このようなフランジは有っても無くてもどちらでもよい。
【0043】
第2の流路6が具備する第1継手部63と第2継手部65は、外側湾曲部61の上部から分岐した流路であって、該外側湾曲部61と一体的に形成されている。第1継手部63には、図示しないボールベアリングを介して、第1の飛行制御手段25を連結する。同様に、第2継手部65には、図示しないボールベアリングを介して、第2の飛行制御手段35を連結する。つまり、分岐した継手部63,65と、別箇独立の飛行制御手段25,35と、の間にはそれぞれボールベアリングが介在している。
【0044】
耐圧ホース3を介して供給されるウォータージェットは、接続部53に形成された入口から第1の流路5内に流れ込み、内側湾曲部51の上部に形成された出口から排出され、さらに分岐した継手部63,65内の流路に流れ込み、さらに飛行制御手段25,35の流路を経て、
図1に示すようにノズル23,33から噴出する。すなわち、自在継手部4に入り込んだウォータージェットは、継手部63,65の手前で分岐し、継手部63,65のそれぞれに流れ込んで、ノズル23,33へと導かれるようになっている。
【0045】
なお、本実施形態では図示を省略しているが、内側湾曲部51と外側湾曲部61との間には、ベアリングを介在させてもよい。あるいは、内側湾曲部51と外側湾曲部61の間に隙間を設けて、両者の間に薄い水の
膜が張るようにしてもよい。
【0046】
このような構成の自在継手部4に対して耐圧ホース3(水上バイク等から供給されるウォータージェットの流路)を接続することで、該ホースによる飛行装置1の拘束が緩和され、空中で自由に動き回ることが可能になる。すなわち、例えば
図4の矢印Xで示すように、自在継手部4の一部分(下側の第1の流路5)が耐圧ホース3に追従して動き回ることができるので、飛行装置1の全体に対する耐圧ホース3の拘束が緩和され、飛行装置1が空中で自由自在に動き回ることが可能になる。
【0047】
(飛行制御手段の特徴)
右支持部21と右ノズル23を一体的に具備する第1の飛行制御手段25は(
図3参照)、自在継手部4内の流路に通ずる第1の継手部63に対して、図示しないベアリング等を介して連結されている。したがって、
図4の矢印Aで示すように、右支持部21と右ノズル23を一体的に具備する第1の飛行制御手段25は、自在継手部4に対して自由に回動させることが可能である。
【0048】
同様に、左支持部31と左ノズル33を一体的に具備する第2の飛行制御手段35は(
図3参照)、自在継手部4内の流路に通ずる第2の継手部65に対して、図示しないベアリング等を介して連結されている。したがって、
図4の矢印Bで示すように、左支持部31と左ノズル33を一体的に具備する第2の飛行制御手段35は、自在継手部4に対して自由に回動させることが可能である。
【0049】
すなわち、
・右支持部21と右ノズル23を一体的に具備する第1の飛行制御手段25と、
・左支持部31と左ノズル33を一体的に具備する第2の飛行制御手段35は、
それぞれ、(一方が他方に拘束されることなく)独立して回動させることが可能である。
したがって、第1の飛行制御手段25および第2の飛行制御手段35の一方のノズルによる噴射方向を、任意のタイミングで、他方のノズルの噴射方向とは異なる方向に回動させることが可能である。
【0050】
(アダプターの構成)
次に、
図5〜
図7に基づいて、本発明に係るアダプターについて説明する。
図5は、本発明に係るアダプターの一例を示すサンプル図である。
図6(a)は本発明に係るアダプターの一例を示す断面図であり、
図6(b)は
図6(a)に示すアダプターの分解図である。
図7は、
図6(a)(b)に示すアダプターを、水圧飛行装置に適用した状態を示す図であって、該アダプターの動作を示す図である。
【0051】
本発明に係るアダプター9は、
図7に示すように、
・圧送される水を噴射させて水上で飛行するための飛行装置2と、
・該飛行装置に向けて水を圧送するための耐圧ホース3と、
を相互接続するための飛行装置用アダプター(接続器具)である。
【0052】
ここでいう飛行装置とは、主として、従来装置のような自在継手を持たない装置を指しているが、前述した本発明に係る飛行装置であってもよい。すなわち、アダプターを適用可能な飛行装置には、ウォータージェットを推進力とする飛行装置であって、該アダプターを接続可能なあらゆる飛行装置が含まれる。
【0053】
アダプター9は、
図5〜
図7に示すように、
ボールジョイントなどの自在継手で構成され、主として、
耐圧ホース3のウォータージェット出口71に接続される第1の流路5と、
飛行装置2のウォータージェット入口73に接続される第2の流路6と、
を有している。
【0054】
第1の流路5は、前述した
図2及び
図3に示す実施形態と同様に、
・ 球体の曲率の外周面を持つ内側湾曲部51と、
・ 水上バイク等のウォータージェット推進装置につながる耐圧ホースへの接続部53と、を一体的に具備している。
【0055】
第2の流路6は、前述した
図2及び
図3に示す実施形態と同様に、
・ 球体の曲率の外周面を持つ外側湾曲部61と、
・ 第1の飛行制御手段を接続可能な第1継手部63と、
・ 第2の飛行制御手段を接続可能な第2継手部65と、
を一体的に具備している。
【0056】
すなわち、本発明に係るアダプター9は、機能的には、前述した飛行装置が有する自在継手部4(ボールジョイント)と同様である。
【0057】
このような自在継手タイプのアダプター9を、
図7に示すように、水圧飛行装置2と耐圧ホース3との間に介在させることで、第1の流路5が耐圧ホース3の動きに追従するので、例えば既存の水圧飛行装置の操作性を大幅に向上させることが可能になる。
【0058】
(飛行装置の第2実施形態)
次に、
図8・
図9に基づいて、本発明に係る飛行装置の第2実施形態について説明する。
図8は、第2実施形態に係る飛行装置を示す断面図である。
図9は、
図8に示す飛行装置の分解図である。
【0059】
なお、前述した第1実施形態に係る飛行装置と同様の構成については、図面に同じ符号を記載し、詳細な説明を省略するとともに、前述した説明を援用する。
【0060】
本実施形態において、自在継手部4bは、
・ 外側湾曲部61bと、
・ 外側湾曲部61bの内側で相対的に動作可能な内側湾曲部51と、
・ 内側湾曲部51が外側湾曲部61bから外れることを阻止する抜け止め部67(止め部)と、を含んで構成される。
【0061】
内側湾曲部51と、外側湾曲部61bは、
図8に示すように、外側湾曲部61bが内側湾曲部51の一部を外側から包み込むように(例えば内側と外側で球面接触するように)、相互連結されている。また、内側湾曲部51は、外側湾曲部61bの内側に収まった状態で(所定の範囲内で)自由に動き回ることが可能である。
【0062】
外側湾曲部61bは、
図2・
図3に示す第1実施形態の場合と異なり、内側湾曲部51を外側湾曲部61bの内側空間に抜き差し自在な形状・寸法を有している。つまり、第1実施形態の外側湾曲部61は、「内側湾曲部が外側湾曲部から外れることを阻止する」抜け止め機能を有していたが、第2実施形態の外側湾曲部61bは、そのような抜け止め機能を有していない。(それ以外の機能は、第1実施形態の外側湾曲部の機能と同様である。)
【0063】
その代わりに、第2実施形態の自在継手部4bは、図示するようなリング状/環状の抜け止め部67を具備している。抜け止め部67は、
図9に示すように、その上部内周面に内ネジ部68が形成されている。この抜け止め部67の内ネジ68に対応するように、外側湾曲部61bの下部外周面には外ネジ部62が形成されている。抜け止め部67の内ネジ部68と、外側湾曲部61bの外ネジ部62は、
図8に示すように螺合して両者は一体化する。そして、
図8に示すように外側湾曲部61bと抜け止め部67が一体化した状態では、内側湾曲部51が外側湾曲部61bから抜け出ないようになっている。
【0064】
なお、図示する抜け止め部67の形状は一例であり、「内側湾曲部が外側湾曲部から外れることを阻止する」といった機能を具備するものであれば、その形状や寸法は特に限定されない。
【0065】
このように、本実施形態において自在継手部4bは、外側湾曲部・内側湾曲部・抜け止め部の3部構造を採用しており、これによって、自在継手部(ボールジョイント)の組立て、分解、洗浄、メンテナンスなどが容易になる。
また、摩耗などの劣化が生じた場合に、部分的な交換や補修で対応することができ、自在継手部(ボールジョイント)の全体を交換する場合に比べて、低コストでのメンテナンスが可能になる。
【0066】
(アダプターの第2実施形態)
次に、
図10に基づいて、本発明に係るアダプターの第2実施形態について説明する。
図10(a)は第2実施形態に係るアダプターの一例を示す断面図であり、
図10(b)は
図10(a)に示すアダプターの分解図である。
【0067】
なお、前述した第1実施形態に係るアダプターと同様の構成については、図面に同じ符号を記載し、詳細な説明を省略するとともに、前述した説明を援用する。
【0068】
第2実施形態に係るアダプター9は、前述した第1実施形態と同様に、ボールジョイントなどの自在継手で構成されている。
【0069】
ただし、第2実施形態のアダプター9bは、
・ 外側湾曲部61bと、
・ 外側湾曲部61bの内側で相対的に動作可能な内側湾曲部51と、
・ 内側湾曲部51が外側湾曲部61bから外れることを阻止する抜け止め部67(止め部)と、を含んで構成される。
【0070】
外側湾曲部61b、内側湾曲部51、抜け止め部67の機能作用は、
図8・
図9に示す第2実施形態に係る飛行装置が具備するものと同様であるので、その詳細な説明を省略するとともに、第2実施形態に係る飛行装置の説明を援用する。
【0071】
このように、本実施形態においてアダプター9bは、外側湾曲部・内側湾曲部・抜け止め部の3部構造を採用しており、これによって、当該アダプターの組立て、分解、洗浄、メンテナンスなどが容易になる。
また、摩耗などの劣化が生じた場合に、部分的な交換や補修で対応することができ、アダプターの全体を交換する場合に比べて、低コストでのメンテナンスが可能になる。
【0072】
(飛行装置の第3実施形態)
次に、
図11に基づいて、本発明に係る飛行装置の第3実施形態について説明する。
図11は、第3実施形態に係る飛行装置を示す断面図である。
【0073】
なお、前述した第1実施形態に係る飛行装置と同様の構成については、図面に同じ符号を記載し、詳細な説明を省略するとともに、前述した説明を援用する。
【0074】
第3実施形態に係る飛行装置は、
・第1の飛行制御手段25の回動を妨げる第1の回動阻止部材27(回動阻止手段)と、
・第2の飛行制御手段35の回動を妨げる第2の回動阻止部材37(回動阻止手段)と、
を具備している。
【0075】
回動阻止部材27,37は、飛行制御手段25,35の動きをロックするため、飛行制御手段25,35が継手部63,65に対して相対的に回動しようとしても動くことがない。つまり、回動阻止部材27,37はそれぞれ、飛行制御手段25,35に対する動作ロック部材として機能する。
【0076】
上述した回動阻止部材27,37は、必要なときに自由に取り外すことができ、また、自由に取り付けることができる。すなわち、回動阻止部材27,37は着脱自在に構成されている。
【0077】
なお、回動阻止部材27,37の構成は、着脱可能であれば特に限定されるものではなく、たとえば固定棒やロックピンなどで構成することが可能である。また、回動阻止部材27,37は、単に抜き差しするものでもよく、あるいは、簡単に外れたり落下しないようにネジ込み式の部材で構成されてもよい。
【0078】
上述した構成を採用することで、第1・第2の飛行制御手段が回動しないように必要に応じて固定することが可能となる。すなわち、第1・第2の飛行制御手段の可動域を必要に応じて意図的に制限することで(第1・第2の飛行制御手段の動作を規制することで)、飛行装置の操作が単純化され、飛行装置の初心者であっても、安心して安定した飛行を楽しむことができる。
また、飛行装置の操作に慣れた者が使用する場合には、回動阻止部材27,37を取り外すことで、第1・第2の飛行制御手段を自由自在に回動させることができ、その結果、複雑な飛行パフォーマンスを実現することが可能になる。
つまり、飛行装置のユーザのレベル(練度や技能)に応じて、飛行装置の操作を単純化させたり複雑化させることが可能となる。
【0079】
(その他の実施形態)
上述した実施形態では、乗員を支えるための乗員支持手段を、乗員の右足側に連結される右支持部と、乗員の左足側に連結される左支持部と、を別個独立の部材として構成したが、本発明で採用可能な乗員支持手段の構成は必ずしもこれに限定されない。
すなわち、乗員支持手段は、機能的に一体化した一つの台で構成してもよく、あるいは、前述した実施形態のように、左支持部と右支持部に分けて構成してもよい。
【0080】
また、前述した実施形態では、右ノズルを具備する第1の飛行制御手段と、左ノズルを具備する第2の飛行制御手段を、それぞれ独立して回動するように構成しているが、従来装置にようにこれらが回動しないように固定することも可能であえる。
【0081】
最後に、上述した実施形態は、特許請求の範囲に記載した本発明に例示であり、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではない。