【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日 平成26年7月1日 ウェブサイトのアドレス http://www.silex.jp/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1つのクライアント端末から、当該クライアント端末とネットワーク接続された中継装置を介して画像データを表示装置に表示させるシステムにおける中継装置であって、
前記ネットワークを介して、前記中継装置にローカルに接続された周辺機器を、クライアント端末から直接接続されているかのようにデータ制御する仮想ネットワークドライバと、
前記仮想ネットワークドライバに基づいて任意の1つのクライアント端末と前記中継装置との間でデータを相互に通信できるか否かを判断するドライバ接続判断部と、
アドレス情報記憶部であって、前記ドライバ接続判断部が特定のクライアント端末とデータを相互に通信できると判断した場合に、前記特定のクライアント端末から受信した所定のキャプチャ画面のアドレス情報を記憶するアドレス情報記憶部と、
リダイレクト部であって、前記ドライバ接続判断部が前記特定のクライアント端末とデータを相互に通信できると判断した場合に、任意の情報表示端末からアクセスがあると、前記情報表示端末に対して、前記所定のキャプチャ画面のアドレス情報にアクセスするように、前記アドレス情報記憶部に記憶されている前記所定のキャプチャ画面のアドレス情報をリダイレクト通知するリダイレクト部と、
を備える
中継装置。
少なくとも1つのクライアント端末から、当該クライアント端末とネットワーク接続された中継装置を介して画像データを表示装置に表示させるシステムにおけるクライアント端末のプログラムであって、
クライアント端末を、
前記ネットワークを介して、前記中継装置にローカルに接続された周辺機器を、クライアント端末から直接接続されているかのようにデータ制御する仮想ネットワークドライバと、
前記仮想ネットワークドライバに基づいて前記中継装置との間でデータを相互に通信できるか否かを判断するドライバ接続判断手段と、
表示画面をキャプチャし、キャプチャした画面データのURL情報をキャプチャ画面URL情報として生成するキャプチャ手段と、
前記ドライバ接続判断手段が前記中継装置との間でデータを相互に通信できると判断した場合、当該キャプチャ画面URL情報を前記中継装置に送信するアドレス通知手段として機能させ、
前記ドライバ接続判断手段が前記中継装置との間でデータを相互に通信できないと判断した場合、キャプチャ画面URL情報にアクセスしてきた情報表示端末に対して前記中継装置の所定アドレスを、前記ドライバ接続判断手段にリダイレクト通知させる
プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、無線または有線通信ネットワークを介して表示画面データを記憶する端末と複数の情報端末装置とが当該データの共有を行うことを可能にする中継装置を提供し、さらには共有データを記憶する端末と中継装置との間でデータのやり取りが行われなければ、データ共有のためのアクセスを禁止する処理により、ユーザの利便性向上を図るとともに、共有データを記憶する端末への外部アクセスに対するセキュリティの向上を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明の第1の形態は、少なくとも1つのクライアント端末から、当該クライアント端末とネットワーク接続された中継装置を介して画像データを表示装置に表示させるシステムにおける中継装置であって、ネットワークを介して、中継装置にローカルに接続された周辺機器を、クライアント端末から直接接続されているかのようにデータ制御する仮想ネットワークドライバと、仮想ネットワークドライバに基づいて任意の1つのクライアント端末と前記中継装置との間でデータを相互に通信できるか否かを判断するドライバ接続判断部と、アドレス情報記憶部であって、ドライバ接続判断部が所定のクライアント端末とデータを相互に通信できると判断した場合に、クライアント端末から受信した所定のキャプチャ画面のアドレス情報を記憶するアドレス情報記憶部と、リダイレクト部であって、ドライバ接続判断部が所定のクライアント端末とデータを相互に通信できると判断した場合に、任意の情報表示端末からアクセスがあると、情報表示端末に対して、所定のキャプチャ画面のアドレス情報にアクセスするように、アドレス情報記憶部に記憶されている所定のキャプチャ画面のアドレス情報をリダイレクト通知するリダイレクト部と、を備える中継装置である。
【0010】
さらに好ましくは、認証キー生成部をさらに備え、ドライバ接続判断部が所定のクライアント端末とデータを相互に通信できると判断した場合に、アドレス情報記憶部は、クライアント端末から所定のキャプチャ画面のアドレス情報に加えて暗号鍵を受信して記憶し、認証キー生成部は、前記暗号鍵をもとに認証キーを生成するものであって、リダイレクト部が情報表示端末に対してリダイレクト通知する所定のキャプチャ画面のアドレス情報は、認証キーを付加したセキュリティ性の高いキャプチャ画面URL情報である。
【0011】
本願発明の第2の形態は、少なくとも1つのクライアント端末から、当該クライアント端末とネットワーク接続された中継装置を介して画像データを表示装置に表示させるシステムであって、
(1)中継装置は、
(1−A)ネットワークを介して、中継装置にローカルに接続された周辺機器を、クライアント端末から直接接続されているかのようにデータ制御する第1の仮想ネットワークドライバと、
(1−B)仮想ネットワークドライバに基づいて任意の1つのクライアント端末と中継装置との間でデータを相互に通信できるか否かを判断する第1のドライバ接続判断部と、
(1−C)アドレス情報記憶部であって、第1のドライバ接続判断部が所定のクライアント端末とデータを相互に通信できると判断した場合に、クライアント端末から受信した所定のキャプチャ画面のアドレス情報を記憶するアドレス情報記憶部と、
(1−D)リダイレクト部であって、前記第1のドライバ接続判断部が所定のクライアント端末とデータを相互に通信できると判断した場合に、任意の情報表示端末からアクセスがあると、情報表示端末に対して、所定のキャプチャ画面のアドレス情報にアクセスするように、アドレス情報記憶部に記憶されている所定のキャプチャ画面のアドレス情報をリダイレクト通知するリダイレクト部とを備え、
(2)クライアント端末は、
(2−A)ネットワークを介して中継装置にローカルに接続して中継装置の周辺機器を、クライアント端末から直接接続されているかのようにデータ制御する第2の仮想ネットワークドライバと、
(2−B)第2の仮想ネットワークドライバに基づいて中継装置との間でデータを相互に通信できるか否かを判断する第2のドライバ接続判断部と、
(2−C)表示画面をキャプチャし、キャプチャした画面データのURL情報をキャプチャ画面アドレス情報として生成するキャプチャ部と、
(2−D)第2のドライバ接続判断部が中継装置との間でデータを相互に通信できると判断した場合、当該キャプチャ画面アドレス情報を中継装置に送信するアドレス通知部とを備え、
第2のドライバ接続判断部は、中継装置との間でデータを相互に通信できないと判断した場合、キャプチャ画面URLにアクセスしてきた情報表示端末に対して中継装置の所定アドレスをリダイレクト通知するシステムである。
【0012】
さらに好ましくは、認証キー生成部をさらに備え、第1のドライバ接続判断部が所定のクライアント端末とデータを相互に通信できると判断した場合に、アドレス情報記憶部は、前記クライアント端末から、所定のキャプチャ画面のアドレス情報に加えて前記キャプチャ部が生成した暗号鍵を受信して記憶し、認証キー生成部は、暗号鍵をもとに認証キーを生成するものであって、リダイレクト部が情報表示端末に対してリダイレクト通知する所定のキャプチャ画面のアドレス情報は、認証キーを付加したセキュリティ性の高いキャプチャ画面URL情報であり、クライアント端末は、認証部をさらに備え、キャプチャ部は、キャプチャ画面アドレス情報に加えて暗号鍵をさらに生成し、アドレス通知部は、第2のドライバ接続判断部が中継装置との間でデータを相互に通信できると判断した場合、キャプチャ画面アドレス情報に加えて暗号鍵を中継装置に送信するものであって、情報表示端末からキャプチャ画面URLにアクセスがあった場合、認証部は、情報表示端末が示すキャプチャ画面URL情報が、キャプチャ部で生成した暗号鍵を基に生成されたものであるか否か照合する。
【0013】
本願発明の第3の形態は、少なくとも1つのクライアント端末から、当該クライアント端末とネットワーク接続された中継装置を介して画像データを表示装置に表示させるシステムにおけるクライアント端末のプログラムであって、クライアント端末を、ネットワークを介して、中継装置にローカルに接続された周辺機器を、クライアント端末から直接接続されているかのようにデータ制御する仮想ネットワークドライバと、第2の仮想ネットワークドライバ手段に基づいて中継装置との間でデータを相互に通信できるか否かを判断するドライバ接続判断手段と、表示画面をキャプチャし、キャプチャした画面データのURL情報をキャプチャ画面アドレス情報として生成するキャプチャ手段と、ドライバ接続判断手段が中継装置との間でデータを相互に通信できると判断した場合、当該キャプチャ画面アドレス情報を中継装置に送信するアドレス通知手段として機能させ、ドライバ接続判断手段が中継装置との間でデータを相互に通信できないと判断した場合、キャプチャ画面URLにアクセスしてきた情報表示端末に対して中継装置の所定アドレスを、ドライバ接続判断手段にリダイレクト通知させるプログラムである。
【0014】
さらに好ましくは、クライアント端末をさらに認証手段として機能させ、キャプチャ手段は、暗号鍵をさらに生成し、アドレス通知手段は、キャプチャ画面アドレス情報に加えて暗号鍵を中継装置に送信するものであって、情報表示端末からキャプチャ画面URLにアクセスがあった場合、情報表示端末が示すキャプチャ画面URL情報がキャプチャ部で生成した暗号鍵を基に生成されたものであるか否かを認証手段に照合させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の中継装置により、大規模の会場の視聴者は、自ら手にするタブレット端末などの情報表示端末から中継装置の特定URLにアクセスするだけで、講演者が投影するコンテンツを送信しているクライアントPCのキャプチャ画面を視聴者が閲覧できるようになる。また、現実的には、情報表示端末はコンテンツの送信元のクライアントPCにリダイレクトされ、情報表示端末のユーザはこれにアクセスし閲覧するが、このアクセスはあくまでも一時的なものであり、送信元が変われば、これに応じてアクセス先も変わり、過去にアクセスしていたPCとのアクセスはできなくなるため、表示データを送信する端末へのアクセスに対するキュリティの向上を図ることができる。さらに本発明により、情報表示端末のユーザはコンテンツの閲覧だけでなく、これに変更を加えることも一定の条件で可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0019】
以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。
【0020】
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態にかかる表示画像中継システム構成を示す。
【0021】
図1には、アクセスポイント機能を備えた中継装置100を介して、ブラウザと表示機能を備えた情報表示端末102がクライアントPC101とデータのやりとりを行うシステムを示している。ここで、中継装置100は、後述する様に仮想ネットワークドライバを備えており、クライアントPC101からネットワークを経由して受信するデータを自身に接続された機器に受け渡す装置として機能している。本実施形態における中継装置100は、プレゼンテーション用の画像データをクライアントPCから受け取り、内部的にUSB接続された画像表示モジュールで再生し、外部の大画面表示装置104に表示する。クライアントPC101は、プレゼンテーション用の画像データを中継装置に送信するとともに、そのデータを、定期的にまたは外部装置からのリクエストに従い、装置内のプログラムでキャプチャ処理し、ウェブページを記述する形式で記憶装置内に記憶する機能を備えた端末である。クライアントPC101は据置型のデスクトップPCであっても、ノートPC、タブレット、スマートフォンなどのモバイル性を有する装置であってもよい。情報表示端末102は、視聴者のPC、タブレット、スマートフォンなどであり、大画面表示装置に表示される画面を視聴者の身近で閲覧するために用いられる。
【0022】
なお、この表示画像中継システムの構成機器のひとつである情報表示端末は、
図1では1台のみとして図示しているが、本発明の解決しようとする課題で記述したように、共有データを記憶する端末と複数の情報端末装置とがデータ共有を行うことを鑑みれば、2台以上であってもよい。また、このため、中継装置100はアクセスポイント機能を備え、情報表示端末102は中継装置100およびクライアントPC101との間で無線による通信が可能であることが好ましい。
【0023】
図2は、本発明の実施の形態にかかる中継装置100、クライアントPC101および103(後述する)、ならびに情報表示端末102のハードウェア構成図である。これらの装置は同じハードウェア構成を備えている。
【0024】
図2に示すCPU(Central Processing Unit)200、ROM(Read Only Memory)201、RAM(Random Access Memory)202、記憶装置203、通信I/F部204、各構成部品間を接続している内部バス205などを備えている。
【0025】
CPU200は、ROM201に格納された制御プログラムを実行するプロセッサである。
【0026】
ROM201は、制御プログラム等を保持する読み出し専用記憶領域である。
【0027】
RAM202は、CPU200が制御プログラムを実行するときに使用するワークエリアとして用いられる記憶領域である。
【0028】
記憶装置203は、制御プログラム、制御情報、装置情報、または認証情報などを保持する記憶領域である。
【0029】
通信I/F部204は、少なくとも無線通信を行う無線通信インタフェースを備えている。例えば、IEEE802.11a、b、g、n、ac規格等に適合する無線LANの通信インタフェースである。また、IEEE802.3規格などに適合する有線LANの通信インタフェースを備えていてもよい。
【0030】
内部バス205は、CPU200,ROM201、RAM202、記憶装置203、通信I/F部204を電気的に接続している内部バスである。
【0031】
(中継装置)
つぎに、
図3に示す本実施の形態に係る中継装置100の機能ブロック図について説明する。
【0032】
図3に示す中継装置100は、仮想ネットワークドライバ310、ドライバ接続判断部311、通信制御部312、検出部313、アドレス情報記憶部314、リダイレクト部315、認証キー生成部316などを備えている。
以下に各機能について記載する。
【0033】
本明細書において記載する仮想ネットワークドライバ310とは、USB over IP技術を実現するのに必要不可欠なものであって、ネットワークを介して無線または有線で接続している装置(例えばクライアントPC101)と中継装置100にローカルに接続する周辺機器(例えばUSB機器)との間で送受信されるIP(Internet Protocol)パケットをカプセル化・デカプセル化することで、周辺機器がクライアントPC101に直接接続されているかのように動作することを可能にするものを意味する。この場合、ネットワークを挟んで通信する相手側機器(例えばクライアントPC101)にも同様の仮想ネットワークドライバが備えられている必要がある。
【0034】
ドライバ接続判断部311は、仮想ネットワークドライバ310と無線または有線通信の接続が確立しているクライアント装置が備える仮想ネットワークドライバとの間でデータのやり取りが行えるか否かを判断する。中継装置100といずれかのクライアントとデータのやり取りが行える場合、リダイレクト部に通知する(これ以降、中継装置100はクライアントPC101とデータのやり取りが行えると仮定して説明を進める)。また、ドライバ接続判断部311は、クライアントPC101からネットワークおよび後述する通信制御部312を経由して、クライアントPC101が保持するキャプチャ画面URL情報および認証キー生成の基になる暗号鍵(例えば数字、アルファベットで構成される)を受信し、アドレス情報記憶部314へ保持するように通知する。クライアントPC101が保持しているキャプチャ画面URL情報、暗号鍵についての詳細は後述する。
【0035】
一方、ドライバ接続判断部311は、クライアントPC101とのデータのやり取りが行えない(仮想ネットワークドライバ間のデータのやり取りが行えない)場合、特定URLに「未接続」である旨の情報を格納するようにリダイレクト部315へ通知する。なお、本明細書において特定URLとは、
図12にその一例を示すように、本実施の形態にかかる表示画像中継システムにおいて、ユーザが情報表示端末102でクライアントPC101のキャプチャ画面情報を共有したい場合に、初めにアクセスする中継装置100のURLを言う。
【0036】
ここで、キャプチャ画面URL情報は、表示画面をキャプチャしたデータを保持しているクライアントPC101のアドレスを示すURLの情報(
図13にその一例を示す)である。
【0037】
通信制御部312は、IEEE802.11規格に準拠した所定のプロセスを経て、クライアントPC101と中継装置100との間で無線通信を行う。また、通信制御部312は有線ケーブルでクライアントPC101と中継装置100とが接続している場合、IEEE802.3規格に準拠した所定のプロセスを経て、有線通信を行う。
【0038】
検出部313は、クライアントPC101と情報表示端末102とが無線または有線通信で接続された否かを検出する。
【0039】
アドレス情報記憶部314は、クライアントPC101の保持しているキャプチャ画面URL情報および認証キー生成の基になる暗号鍵を保持する。
【0040】
リダイレクト部315は、ドライバ接続判断部311でデータのやり取りが行えると判断された場合に、情報表示端末102から特定URLへアクセスがあると、アドレス情報記憶部314に保持しているキャプチャ画面URL情報と中継装置100のMACアドレスに加えて認証キー生成部316で生成した認証キー情報を付加し、セキュリティ性の高いキャプチャ画面URL情報を生成して、通信制御部312を介してネットワーク経由で情報表示端末102にリダイレクト通知する。このリダイレクト通知は、一般にウェブブラウザを利用するユーザが指定するURLのウェブページにアクセスした場合、そのウェブページが移転などされていると、ユーザへ指定したURLが変更されたことを通知することやユーザを特定のアドレスに誘導するリダイレクト機能と同じ機能であり、本実施の形態のリダイレクト部は、クライアントPC101の生成したセキュリティ性の高いキャプチャ画面URLに情報表示端末102がアクセスするように誘導する。このリダイレクト部の機能により、情報表示端末102のユーザは、中継装置100に接続されたクライアントPC(すなわち中継装置100に画像を送信しているクライアントPC)に、自動的にセキュリティ性の高いアクセスを行いキャプチャ画像の閲覧が可能となる。
【0041】
その一方、ドライバ接続判断部311でデータのやり取りが行えないと判断された場合に、情報表示端末102からの特定URLへのアクセスがあると、ドライバ接続判断部311から通知された「未接続」の旨の情報を、通信制御部312を介してネットワーク経由で情報表示端末102にリダイレクト通知する。
【0042】
認証キー生成部316は、クライアントPC101から受信しアドレス情報記憶部314が保持している暗号鍵を基に認証キーの生成を行う。なお、生成された認証キーの一例は
図14に示している認証キーである。
【0043】
(クライアントPC)
つぎに、
図4に示す、本実施の形態にかかるクライアントPC101の機能ブロック図について説明する。
【0044】
図4に示すクライアントPC101は、接続ユーティリティ410、仮想ネットワークドライバ411、ドライバ接続判断部412、通信制御部413、検出部414、アドレス情報記憶部415、キャプチャ部416、アドレス通知部417、認証部418などを備えている。
【0045】
接続ユーティリティ410は、中継装置100とネットワークを介して無線または有線で接続している場合に、クライアントPC101と中継装置100との間でデータのやり取りを行うための各種設定、通信状況などを管理、監視する機能を備えたソフトウェアである。また、クライアントユーザがクライアントPC101から中継装置100とのデータのやり取りを行えるようにすることおよび行えないようにすること(データ通信の可否制御)もできる。
【0046】
仮想ネットワークドライバ411は、ネットワークを介して無線または有線で接続された中継装置100の仮想ネットワークドライバ310との間で、その中継装置100にローカルにUSB接続された周辺機器(本実施例では、内部的にUSB接続された画像表示モジュールを経由して大画面表示装置が中継装置に接続されている)に向けたデータ信号を送受信するため、IPパケットをカプセル化・デカプセル化する。これにより、周辺機器はクライアントPC101に直接接続されているかのように動作する。
【0047】
ドライバ接続判断部412は、仮想ネットワークドライバ411と中継装置100の仮想ネットワークドライバ310との間でデータのやり取りが行えるか否かを判断する。中継装置100とデータのやり取りが行える場合、アドレス通知部(後述)417は、通信制御部413およびネットワークを経由してアドレス情報記憶部415に記憶されたキャプチャ画面URL情報および認証キー生成の基になる暗号鍵を中継装置100に通知する。
【0048】
一方、クライアントPC101が中継装置100とデータのやり取りが行えない(仮想ネットワークドライバ間のデータのやり取りが行えない)場合、後述するアドレス通知部417は、アクセスしてきた情報表示端末102に対して、通信制御部312およびネットワークを経由して中継装置100の特定URLへアクセスするようにリダイレクト通知する。
【0049】
通信制御部413は、IEEE802.11規格に準拠した所定のプロセスを経て、クライアントPC101と中継装置100との間で無線通信を行う。また、通信制御部413は有線ケーブルでクライアントPC101と中継装置100とが接続している場合、IEEE802.3規格に準拠した所定のプロセスを経て、有線通信を行う。
【0050】
検出部414は、中継装置100および情報表示端末102と無線または有線通信で接続された否かを検出する。
【0051】
アドレス情報記憶部415は、クライアントPC101が後述するキャプチャ部416で保持しているキャプチャ画面URL情報(
図13にその一例を示す)および認証キー生成の基になる暗号鍵を保持する。
【0052】
キャプチャ部416は、クライアントPC101内部で動作しているHTTP(HyperText Transfer Protocol)デーモンによってクライアントPC101の表示部に表示されている画面をキャプチャし、ウェブブラウザで閲覧できる形式にデータ作成し、
図13にその一例を示すようなURL情報を生成する。画像のキャプチャは、定期的に、あるいは情報表示端末102から当該URLへアクセスされるタイミングで行われる。
【0053】
また、キャプチャ部416では、認証キー生成の基になる暗号鍵も生成する。ここで暗号鍵は、中継装置100で生成する認証キーの基になる情報であり、後述する認証部418で行われる認証プロセスで復号、照合で利用され、ドライバ接続判断部412でデータのやり取りができなくなるとアドレス情報記憶部415へ暗号鍵の消去を通知する。また、暗号鍵はドライバ接続判断部412でデータのやり取りができない状態からできる状態に状況が変わる度に新たな暗号鍵を生成する。
【0054】
アドレス通知部417は、アドレス情報記憶部415に保持しているキャプチャ画面URL情報と認証キー生成の基になる暗号鍵を中継装置100に送信する。
【0055】
認証部418は、情報表示端末102からセキュリティ性の高いキャプチャ画面URLにアクセスがあった場合、そのキャプチャ画面URL情報が自身から中継装置100を経由して当該情報表示端末102に通知した暗号鍵を基に生成されたものであるか否かをアドレス情報記憶部415に保持している暗号鍵を利用して復号し、照合する。ここで、照合が一致する場合、キャプチャ画面を閲覧可能な状態にし、照合が不一致の場合はキャプチャ画面を閲覧不許可とし、情報表示端末102に適切な表示がされるように表示内容(例えば、認証できない旨の内容)を変更し、通知する。また、情報表示端末102から繰り返しキャプチャ画面URLへアクセスがある(情報表示端末102からキャプチャ画面の更新の指示を行う)場合も、その都度、暗号鍵を利用して復号し、照合する。
【0056】
つぎに、
図5に示す本実施の形態にかかる情報表示端末102の機能ブロック図について説明する。
【0057】
(情報表示端末)
図5に情報表示端末102の機能ブロック図を示す。情報表示端末102は、アプリケーション510、通信制御部511、検出部512、アドレス情報記憶部513などを備えている。
以下に各機能について記載する。
【0058】
アプリケーション510は、HTTPプロトコルに則って、ユーザに対しURL(取得したい情報が存在するアドレス)にアクセスすることで、画像データのリンク先アドレスやテキストなどが埋め込まれたHTML(Hyper Text Markup Language)言語で記載された文章構造を解析・整理して、ユーザに表示する手段であり、例えば市販されているウェブブラウザである。
【0059】
通信制御部511は、IEEE802.11規格に準拠した所定のプロセスを経て、クライアントPC101と中継装置100との間で無線通信を行う。また、通信制御部413は有線ケーブルでクライアントPC101と中継装置100とが接続している場合、IEEE802.3規格に準拠した所定のプロセスを経て、有線通信を行う。
【0060】
検出部512は、中継装置100および情報表示端末102と無線で接続された否かを検出する。
【0061】
アドレス情報記憶部513は、
図14にその一例を示すセキュリティ性の高いキャプチャ画面URL情報などを保持する。
【0062】
つぎに、本発明の実施の形態にかかる無線通信(若しくは有線通信)のシステム全体の動作について、
図9を基に
図6、7、8を参照しつつ、概略を説明する。
【0063】
状況(A)情報表示端末がキャプチャ画面を表示するWEBページにアクセスすることについて説明する。
【0064】
状況(A)では、情報表示端末102のユーザは、中継装置101に接続されたプレゼンテーション用の画像を自らの情報表示端末102にも表示させたい場合に、情報表示端末102を操作してステップS900〜S903の一連のステップにより中継装置100へのアクセスを試みる。ステップS900では、中継装置100とクライアントPC101とが無線または有線通信で接続しているか否かの判断を行い、同時にステップS901で、情報表示端末102が中継装置100と無線接続しているか否かの判断を行う。
【0065】
ステップS901で情報表示端末102が中継装置100との通信が可能である場合に、情報表示端末102はステップS903において中継装置100の特定URLにアクセス(
図6−P2参照)する。
【0066】
次にステップS902では、クライアントPC101の仮想ネットワークドライバ411と中継装置100の仮想ネットワークドライバ310の間でデータのやり取りが可能であるか否か判断を行う。この際、データのやり取りが可能である場合は、クライアントPC101から中継装置100にクライアントPC101の保持しているキャプチャ画面URL情報および認証キー生成の基になる暗号鍵の送信が行われる。(
図6−P1参照)
【0067】
ステップ902で中継装置100とクライアントPCとの仮想ネットワークドライバ同士でデータのやりとりが可能である場合、中継装置100は、リダイレクト機能(ステップS904)により、そのクライアントPC101のセキュリティ性の高いキャプチャ画面URL情報を、情報表示端末102にリダイレクト通知する(ステップS905および
図6−P3参照)。
【0068】
ステップS906において、情報表示端末102はステップS905のリダイレクト通知を受けて、クライアントPC101のセキュリティ性の高いキャプチャ画面URLへアクセスされ、クライアントPC101の認証部418で照合が一致すれば、情報表示端末102の備えるウェブブラウザでキャプチャされたプレゼンテーション画像が閲覧可能となり、情報表示端末102の画面に表示される。また、照合が不一致の場合は閲覧不可能となり、情報表示端末102の画面に「未承認」等の適切な表示がされる。
【0069】
状況(B)中継装置とクライアントPC間のデータ通信が不可能となった場合について説明する。
【0070】
状況(B)では、情報表示端末102がクライアントPC101のセキュリティ性の高いキャプチャ画面URLへアクセス(情報表示端末102の画面上でキャプチャ画面更新作業を行う)をしているときに、クライアントPC101の仮想ネットワークドライバ411と中継装置100の仮想ネットワークドライバ311の間でデータのやり取りが不可能となった場合(
図7−P4参照)を説明する。例えばプレゼンターが変わり、中継装置を経由した大画面表示装置への画面送信元が他のクライアントPCに移動した場合を想定すればよい。この場合、ステップ907において、情報表示端末102からクライアントPC101のセキュリティ性の高いキャプチャ画面URLへアクセス(情報表示端末102の画面上でキャプチャ画面更新作業を行う)があると(ステップS908および
図7−P5参照)、クライアントPC101は、もはやキャプチャURLへのアクセスを許可せず、情報表示端末102へ中継装置100の特定URLをリダイレクト通知する(ステップS909、S910)。
【0071】
ステップS911では、情報表示端末102はステップS910で通知を受けた中継装置100の特定URLにアクセスを行う。
【0072】
ステップS912では、ステップS907でクライアントPC101と中継装置100の間でデータのやり取りが不可能であるため、他にデータのやり取りが可能なクライアントPCが見出されるまでは、特定URLでは「未接続」などの表示を行って、情報表示端末102にその旨を通知する(
図7−P7参照)。
【0073】
状況(C)新たなデータソースへの接続がある場合について、説明する。
【0074】
状況(C)では、ステップS914で、中継装置100は、仮想ネットワークドライバ310の間でデータのやり取りが可能である他のクライアントPCを探す。(ここでは、次の接続先としてクライアントPC103が見出されたとする。)(
図8−P8参照)。
【0075】
ステップS913では、そのクライアントPC103と情報表示端末102が無線通信可能か否かの判断を行う。
【0076】
ステップS915では、ステップS914でデータのやり取りが可能なクライアントPCが見出された場合に、情報表示端末102から中継装置100の特定URLにアクセスがある(
図8−P9参照)と、中継装置100のリダイレクト機能(ステップS916および
図8−P10参照)により情報表示端末102に新しいクライアントPC103のセキュリティ性の高いキャプチャ画面URL情報をリダイレクト通知する(ステップS917)。
【0077】
ステップS918では、情報表示端末102がステップS917のリダイレクト通知を受けて、クライアントPC103のセキュリティ性の高いキャプチャ画面URLへアクセスし、クライアントPC103の認証部418で照合が一致すれば、情報表示端末102の備えるウェブブラウザで閲覧可能となり、情報表示端末102の画面に表示される。また、照合が不一致の場合は閲覧不可能となり、情報表示端末102の画面に「未承認」等の適切な表示がされる。
【0078】
つぎに、本発明の実施の形態にかかる表示画像中継システムのクライアントPC101および103、中継装置100について、
図10および11をもとに動作フローを詳細に説明する。
【0079】
図10に示すクライアントPC101および103の動作フローを説明する。
以下、クライアントPC101で説明を行うが、表示画像中継システムにおいて、新たに次の接続先として見出されるクライアントPC103も同様の動作フローを行うので、詳細な説明は省略する。
【0080】
ステップS100では、通信制御部413を介して、無線または有線通信で中継装置100と通信ができるか否かを判断する。通信ができる場合はステップS101へ遷移する(ステップS100のYesの場合)。なおこの場合、中継装置100がアクセスポイント機能を備えていれば、予め中継装置100と接続している他の装置(クライアントPC101を含む)も無線通信の接続も確立される。また、中継装置100との通信ができなければステップS100を繰り返す(ステップS100のNoの場合)。
【0081】
ステップS101では、仮想ネットワークドライバ411と中継装置100の仮想ネットワークドライバ310との間でデータのやり取りが可能であるか否かを判断する。ここで、データとは接続ユーティリティ410で扱う情報のことであり、具体的には大画面へ表示される情報である。データのやり取りが可能な場合は、ステップS102に遷移する(ステップS101のYesの場合)。また、データのやり取りが可能でなければ、ステップ106に遷移する。(ステップS101のNoの場合)。
【0082】
ステップS102では、アドレス情報記憶部415に保持しているキャプチャ画面URL情報および暗号鍵を、通信制御部413を介して、ネットワーク経由で中継装置100へ通知する。
【0083】
ステップS103では、情報表示端末102からのセキュリティ性の高いキャプチャ画面URLにアクセスがあるか否かの判断を行う。アクセスがあれば、ステップS104に遷移する(ステップS103のYesの場合)。アクセスがなければ、ステップS103を繰り返す(ステップS103のNoの場合)。
【0084】
ステップS104では、認証部418で認証キーの照合が行われ、認証が一致すれば、ステップS105へ遷移する(ステップS104のYesの場合)。また、認証キーの照合が一致しない場合は、「未認証」の旨の表示を行う(ステップS104のNoの場合およびステップS107)とともに、ステップS103を繰り返す(ステップS103のNoの場合と同じ)。
【0085】
ステップS105では、表示画面をキャプチャし、そのキャプチャ画面をURLに表示し、照合が成功した情報表示端末102からのアクセスを許可する。キャプチャは、自ら定期的に、あるいは情報表示端末102からの求めに基づいて行う。その後は、仮想ネットワークドライバ411と中継装置100の仮想ネットワークドライバ310との間でデータのやり取りが可能であるか否かの監視を続けるとともに、情報表示端末102からクライアントPC101のセキュリティ性の高いキャプチャ画面URLにアクセスがあれば、認証部418で認証キーの照合を行う一連のステップを行う。
【0086】
ステップS106では、中継装置100の特定URLへアクセスするように情報表示端末102へリダイレクト通知する。
【0087】
続いて、
図11に示す中継装置100の動作フローを説明する。
【0088】
ステップS200では、通信制御部312を介して、無線または有線通信でクライアントPC101と通信ができるか否かを判断する。通信ができる場合はステップS201へ遷移する(ステップS200のYesの場合)。通信ができなければステップS200を繰り返す(ステップS200のNoの場合)。
【0089】
ステップS201では、通信制御部312を介して、無線または有線通信で情報表示端末102と通信ができるか否かを判断する。通信ができる場合はステップS202へ遷移する(ステップS201のYesの場合)。通信ができなければステップS201を繰り返す(ステップS201のNoの場合)。
【0090】
ステップS202では、仮想ネットワークドライバ310と任意のクライアントPC(本図ではクライアントPC101とする)の仮想ネットワークドライバ411との間でデータのやり取りが可能であるか否かを判断する。ここで、データとはクライアントPC101の接続ユーティリティ410で扱う情報のことであり、具体的には大画面へ表示される情報である。仮想ネットワークドライバ間でデータのやり取りが可能であれば、ステップS203に遷移する(ステップS202のYesの場合)。また、いずれのクライアントとも仮想ネットワークドライバによるデータのやり取りが可能でなければ、ステップS206に遷移する。ステップS206では、情報表示端末102から特定URLへアクセスがあるか否かを判断し、特定URLへアクセスがある場合は、特定URLが表示する情報を「未接続」の旨の情報とし(ステップS207)、ステップS202へ戻り、特定URLへアクセスがない場合は、ステップS206へ戻る。(ステップS202のNoの場合)。
【0091】
ステップS203では、クライアントPC101がアドレス情報記憶部415に保持しているキャプチャ画面URL情報と暗号鍵を、通信制御部312およびネットワークを経由して受信する。このキャプチャ画面URL情報と暗号鍵をもとに認証キー生成部316で認証キーの生成を行い、リダイレクト部315で、セキュリティ性の高いキャプチャ画面URLを生成する。
【0092】
ステップS204では、情報表示端末102から特定URLへアクセスがあるか否かを判断する。アクセスがある場合はステップS205へ遷移する(ステップS204のYesの場合)。アクセスがない場合はステップS204を繰り返す(ステップS204のNoの場合)。
【0093】
ステップS205では、ステップS203で生成したセキュリティ性の高いキャプチャ画面URLを表示させ、情報表示端末102のブラウザを、仮想ネットワークドライバ間でデータのやり取りが可能であるクライアントPC101へ誘導する(リダイレクト通知する)。その後は仮想ネットワークドライバ間でデータのやり取りが可能か否かについて監視を続ける。
【0094】
(第2の実施形態)
図15に、本発明の第2の実施形態にかかるシステムを図示する。本実施形態のシステムは、クライアントPC111が仮想ネットワークドライバを利用して中継装置100経由で大画面表示装置に表示を行っており、さらに情報表示端末112が中継装置100からのリダイレクトによりクライアントPC111のWeb画面を閲覧する点までは上述した実施形態と同じである。
【0095】
本実施形態では、このシステムにおいて、情報表示端末112が大画面表示装置に表示された画像に変更(上書き)を行う。そのためには、大画面表示装置に投影された画像を持つクライアントPC111の画像に変更(上書き)を行うことを可能にするものである。
【0096】
これにより例えば会議中に議論をしながら、ある発言者が自らの情報表示端末に書き込んだデータをクライアントPC上に表示させ、さらに中継装置を経由して大画面表示装置に投影して参加者全員で共有するということが可能になる。
【0097】
図16は、本実施形態におけるクライアントPC111の機能ブロック図である。
図16は、クライアントPC101の機能ブロック(
図4)に描画許可判断部419および描画情報受信部420を付加したものである。また、
図17は、本実施形態における情報表示端末112の機能ブロック図である。
図17は、情報表示端末102の機能ブロック(
図5)に描画情報送信部514を付加したものである。
【0098】
図18は、情報表示端末112を操作し、クライアントPC111に描画処理を行うフローを示す。
図18で示すフローでは、クライアントPC111の画面を情報表示端末に112より閲覧するだけでなく、情報表示端末112の操作で画面に描いたデータをクライアントPC111でも描画表示させるというものである。
【0099】
図18において、中継装置100の特定URLにアクセス(S903)してクライアントPC111のキャプチャ画面を共有するステップまでは前述のとおりである。次に、情報表示端末112はクライアントPC111に書き込み許可要求(K1)を行う(S920)。クライアントPC111の描画許可判断部419は、要求してきた情報表示端末を特定し、許可/不許可を判断しその端末に通知を行う(S921)。クライアントPC111が書き込み許可を要求した情報表示端末112に書き込み許可通知(K2)を行った場合、クライアントPC111はデータ受信モードに遷移し情報表示端末112からの描画データの受信を待つ。その後、情報表示端末112のユーザは自身の情報表示端末のWebブラウザ上(接続されているクライアントPC111の画面が表示されている)に上書き描画を行う。情報表示端末112の描画情報送信部514はクライアントPC111のWebに向けて描画要求および描画のため必要なデータを送信(K3)する。クライアントPC111は情報表示端末112からの描画要求(あるいは描画した要素を消去する要求)(K3)と描画に必要なデータを描画情報受信部420で受信し、クライアントPC111が備える描画エンジン(グラフィックドライバ)にデータを渡して、デスクトップに描画を行う。
図18において明らかなように、K1〜K4の送受信は、中継装置100が有するアクセスポイント機能を経由してもよいし、クライアントPC111と情報表示端末112とのあいだで直接やりとりをしてもよい。上述した描画は、クライアントPCと情報表示端末の双方に専用のアプリケーションを備えることで実現できるし、HTMLとウェブブラウザ用のプラグイン、JavaScript(登録商標)、またはウェブブラウザ内で非同期通信とインタフェースの構築などを行う技術であるAjaxなどとの組み合わせでも実現できる。
【0100】
このようなさまざまな方法の中でも、ウェブブラウザが対応していれば実現できるHTML5およびWebSocketを利用することで、より容易に実現できる。この場合、情報通信端末112に備わったHTML5対応のウェブブラウザは、上述したプラグインを必要とせず、ウェブブラウザ単体で、簡単な描画をウェブブラウザ上に描くことができる。
【0101】
また、WebSocket技術を利用して、ユーザが情報通信端末のウェブブラウザ上に入力装置によって、描画したデータをクライアントPC111へリアルタイムで送信する。そして、クライアント111が受信した描画データに加工して、情報通信端末112に描画結果を送信することができる。
【0102】
このことから、情報通信端末112が接続を確立するリクエストを中継装置100を介し、または直接、クライアントPC111へHTTPプロトコルで送信する。中継装置100またはクライアントPC111が接続元のプロトコルを確認して、接続許可の応答を情報通信端末112に送信し、コネクションを確立する。このことで、中継装置100またはクライアントPC111と情報通信端末112との間の通信は、常にコネクションを維持することができ、効率的な双方向通信を行うことで、HTTPプロトコル上で双方向のメッセージをリアルタイムにやりとりすることができるのである。
【0103】
このように、会議中に議論をしながら、ある発言者が自らの情報表示端末に書き込んだデータをクライアントPC上に表示させ、さらに中継装置を経由して大画面表示装置に投影して参加者全員で共有することを実現する。
【0104】
(その他の実施形態)
上述した実施形態では、情報表示端末は1台として説明したが、複数台存在しても構わない。中継装置100が無線アクセスポイント機能を備えていれば、複数台の情報表示端末102が中継装置100との無線接続を確立した時点で、中継装置100とネットワーク接続したクライアントPC(タブレットでもよい)との接続はほぼ自動的に確立される。ここで、無線アクセスポイント機能は中継装置100内にあってもよいし、無線アクセスポイント機能が装置外にあり、中継装置100とデータ通信できる状態であってもよい。
【0105】
また、キャプチャ画面を提供していたクライアントPCが変更になり、これまで情報表示端末102が接続していたクライアントPCで中継装置とのデータやり取りが不可能となったとき、本実施形態ではそのクライアントPCはアクセスしてきた情報表示端末に中継装置100の特定URLへリダイレクトを行い、中継装置100が「未接続」との表示を行うと説明したが、クライアントPC自身が「未接続」との表示を行ったうえで、中継装置100へリダイレクトしてもよい。
【0106】
さらに、情報表示端末102が、クライアントPC101、103のセキュリティ性の高いキャプチャ画面URLへのアクセスのための照合に失敗した場合、クライアントPCが「未認証」との表示をすると説明したが、この場合クライアントPC101、103が、アクセスしてきた情報表示端末102を中継装置100の特定URLへリダイレクトさせ、中継装置が「未認証」との表示を行ってもよい。
【0107】
(まとめ)
上記で述べたように、共有したいデータを記憶した端末と複数の情報表示端末との間で無線または有線で接続して、中継装置を介して共有したいデータを複数の情報表示端末に備えたアプリケーション(ウェブブラウザ)を利用して閲覧するものであり、共有したいデータを記憶した端末と中継装置との間で、接続ユーティリティが制御する仮想ネットワークドライバ間で相互に情報通信が行えるか否かを基にして、複数の情報表示端末での閲覧が可能になるか否かを制御できる。このことにより、情報表示端末を利用するユーザは、共有したいデータ(共有したい画面のキャプチャデータ)をウェブブラウザのアプリケーションが情報表示端末に備わっていれば容易にデータを共有できる。
【0108】
さらに、クライアントPCのユーザが、接続ユーティリティから仮想ネットワークドライブ間の通信を接続・切断することにより、情報表示端末からキャプチャ画面URLへのアクセスの可否をユーザ自ら制御でき、本発明のシステムにおけるセキュリティ向上を図ることができる。
【0109】
また、本発明では、リダイレクト機能を利用して、情報表示端末のユーザ(視聴者)は中継装置がどのクライアントPCとデータのやりとりをしているか(中継装置がどのクライアントPCからの画像データを受信しているか)を意識せずに、その時点での表示データ元であるクライアントPC内のキャプチャされたデータにアクセスできる。