【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年3月7日〜平成26年5月29日、株式会社タニタが、別紙に示す各社に、熊谷昌彦が発明したロック構造、および、電子機器(EW506残留塩素チェッカー)を出荷。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述したロック機構の爪部および凹部は、互いに蓋部のスライド方向に垂直な係止面を有することが理想である。例えば、スライド方向に垂直な係止面同士で係止されている場合、蓋部が離脱方向に引っ張られたとしても、爪部の係止面には、蓋部の離脱方向への力のみが作用する。また、垂直な係止面同士であるため、押しボタンを押下した際にも爪部をスライド方向に垂直な方向に円滑に変位させて爪部を凹部内から容易に退避させることができる。
【0006】
しかしながら、上述したロック機構の爪部は、金型等により成形される。そのため、一般に、係止面には抜き勾配があり垂直とならない。この抜き勾配が設定されることで、係止面は、スライド方向に対して垂直よりも僅かに大きな角度となる。この場合、例えば、蓋部を離脱方向に引っ張ると、爪部に離脱方向と垂直な方向の力が作用してしまう。そのため、蓋部を強く引っ張ったときに、爪部が弾性変位により凹部の外まで変位して係止状態が解除されてしまう可能性がある。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、意図しない部品の脱落を抑制することができるロック構造、および、電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために以下の構成を採用する。
この発明に係るロック構造は、第一部材と、前記第一部材の外面に対向する内面を有し、前記外面および前記内面が延びる方向にスライドさせて前記第一部材に取り付け可能な第二部材と、前記第一部材に取り付けられ、前記第二部材のスライド方向に交差する交差方向に突出し前記第二部材に係止可能な爪部を有するロック部と、を備え、前記ロック部は、前記係止を解除する方向への前記爪部の弾性変位を許容しつつ前記爪部を支持する支持部と、前記係止を解除する方向へ前記爪部を弾性変位させる力を入力可能な操作部と、を備え、前記第一部材は、前記ロック部による係止解除を許容する解除許容位置と、前記解除許容位置よりも前記スライド方向で前記第二部材の離脱側に位置し前記ロック部による係止解除を規制する解除規制位置との間で前記支持部をスライド可能に収容する収容部を備え、前記収容部は、前記支持部が解除規制位置とされた場合に前記爪部に突き当たり前記爪部の係止解除側への弾性変位を規制する規制部を備えるロック構造。
このように構成することで、ロック部によって第一部材に第二部材が係止された状態で、第二部材が離脱方向に強い力で引っ張られたとしても、支持部が係止規制位置にスライドして、爪部が係止解除側に変位しようとしても、規制部によってその変位が規制される。そのため、例えば、爪部に抜き勾配等が形成されている場合であっても、第二部材が第一部材から離脱することを抑制できる。一方で、第二部材が離脱方向に引っ張られていない場合には、ロック部の支持部を解除許容位置として、操作部により容易に爪部による係止状態を解除することができる。その結果、意図しない第二部材の脱落を抑制することができる。
【0008】
さらに、この発明に係るロック構造は、上記ロック構造において、前記規制部が、前記第二部材を装着する方向、且つ、前記爪部から離間する方向に傾斜する傾斜面を備えていてもよい。
このように構成することで、操作部を操作して爪部が傾斜面に突き当たると、爪部が傾斜面に沿って移動する。これにより、支持部を解除許容位置に移動させることができる。その結果、第二部材を離脱させたいときに、操作部を操作するだけで爪部による係止を解除可能な状態にして、第二部材を第一部材から離脱させることができる。
【0009】
さらに、この発明に係るロック構造は、上記ロック構造において、前記第一部材が、前記ロック部が前記第一部材から離間することを規制するカバー部材を備えていてもよい。
このように構成することで、第二部材が第一部材から離脱している際に、ロック部が第一部材から離脱することを抑制できる。
【0010】
さらに、この発明に係るロック構造は、上記ロック構造において、前記ロック部が、前記爪部と前記操作部と前記支持部とを一体に備えていてもよい。
このように構成することで、部品点数を低減して組立工数を低減し、組立作業者の負担軽減を図ることができる。
【0011】
この発明に係る電子機器は、上記ロック構造を備える電子機器であって、前記第一部材が、本体部であり、前記第二部材が、前記本体部に着脱可能に取り付けられる蓋部である。
このように構成することで、意図せず本体部から蓋部が脱落することを抑制できる。
【発明の効果】
【0012】
この発明に係るロック構造、および、電子機器によれば、意図しない部品の脱落を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の一実施形態に係るロック構造、および、電子機器について図面に基づき説明する。
図1は、この発明の実施形態における電子機器の電池ケース部の分解斜視図である。
図2は、この発明の実施形態における電子機器の操作部およびその周辺の平面図である。
図1、
図2に示すように、電子機器1は、本体部(第一部材)2と、ロック部材(ロック部)3と、ケース部(カバー部材)4と、蓋部(第二部材)5とを備えている。この実施形態における電子機器1は、水に含まれる残留塩素の濃度や、呼気中のアルコール濃度等を測定する測定装置である。ここで、
図1において電子機器1の前後方向をそれぞれ「F」(前方)、「R」(後方)として示している。
【0015】
本体部2は、その後部に電池ケース部6を備えている。電池ケース部6は、本体部2の電源として使用される乾電池10を収容する。電池ケース部6は、電池支持部7と、周壁部8と、を備えている。
電池支持部7は、乾電池10を支持する。電池支持部7には、乾電池10の外径に対応した丸溝8aが形成されている。乾電池10は、この丸溝8aに沿って配置される。つまり、この実施形態における電池ケース部6には、円柱状の乾電池10が、その軸線を前後方向に向けた姿勢で収容される。
【0016】
周壁部8は、電池支持部7の前部を外側から覆う筒状に形成されている。この周壁部8は、その断面輪郭が複数の異なる円弧から形成されている。周壁部8の内部には、乾電池10のプラス極又はマイナス極と接触する電極(図示せず)が配置されている。周壁部8は、その外周面8bに収容部9を備えている。
収容部9は、ロック部材3を収容する凹状に形成されている。より具体的には、収容部9は、底面部11と、2つの縦面部12と、2つの側面部13(
図1中、一方のみを示す)と、規制部14と、を備えている。
【0017】
底面部11は、矩形状の平面に形成されている。この底面部11は、ロック部材3の底面部11側の外形よりも前後方向に広い矩形状に形成されている。2つの縦面部12は、それぞれ底面部11の前端縁、および、後端縁からそれぞれ垂直に立ち上がっている。また、2つの側面部13は、それぞれ底面部11の側縁からそれぞれ垂直に立ち上がっている。これら側面部13は、ロック部材3の左右側縁の厚さ寸法と同等以下の高さ寸法を有している。このように収容部9が構成されることで、ロック部材3の支持部17が、収容部9内で前後方向にスライド自在となっている。
【0018】
規制部14は、ロック部材3の爪部18が底面部11側に変位することを規制する。規制部14は、縦面部12の幅方向中央に、間隔をあけて2つ形成されている。これら規制部14は、後側の縦面部12と底面部11との隅部を渡る三角形柱状に形成されている。これら規制部14は、それぞれ、前方に向かって底面部11側に傾斜する傾斜面15(
図3参照)を有している。
【0019】
この実施形態における周壁部8には、収容部9の前後にそれぞれOリング16a,16bが装着されている。前方のOリング16aは、周壁部8とケース部4との間を全周に渡ってシールする。一方で後方のOリング16bは、周壁部8と蓋部5との間を全周に渡ってシールする。
【0020】
図3は、この発明の実施形態におけるロック部材およびその周辺の
図2のA−A線に沿う断面斜視図であり、蓋部が本体部に装着されロック部材により係止された状態を示している。
図3においては、図示都合上、Oリング16bの図示を省略している(
図4、
図5も同様)。
ロック部材3は、本体部2に対して装着された蓋部5を係止する。ロック部材3は、収容部9に収容されることで本体部2に取り付けられる。
図1、
図3に示すように、ロック部材3は、支持部17と、爪部18と、操作部19とを一体に備えている。ロック部材3は、十分な弾性を有する樹脂材から形成されている。この実施形態におけるロック部材3を構成する支持部17と、爪部18と、操作部19とは、一体に形成されている。
【0021】
支持部17は、爪部18を弾性変位可能に支持する。支持部17は、2つの脚部21と、渡り部22と、板バネ部23と、を備えている。
2つの脚部21は、収容部9に収容された状態で、収容部9の2つの側面部13に沿って配置される。これら2つの脚部21は、底面部11に支持される。
【0022】
渡り部22は、脚部21の前方側の端部同士を渡るように形成されている。この渡り部22は、収容部9の底面部11には接しないように形成されている。言い換えれば、底面部11側を向く渡り部22の下面は、ロック部材3が収容部9に収容された状態で、底面部11から浮いた状態となる。
【0023】
板バネ部23は、渡り部22から後方に向けて延びている。板バネ部23と、2つの脚部21との間には、スリット24が形成されている。この板バネ部23は、上述した渡り部22と同様に、収容部9に収容された状態で底面部11から浮いている。つまり、板バネ部23は、渡り部22によって片持ち状態で支持されている。これにより、板バネ部23の後方側の端部は、底面部11側への弾性変位が可能となっている。この板バネ部23の後方側の端部に爪部18が形成されている。
【0024】
ここで、ロック部材3が収容部9に収容された状態で、2つの脚部21と、渡り部22と、板バネ部23とは、底面部11と反対側の各外面が、周壁部8の外周面8bと連続する曲面に形成されている。
【0025】
爪部18は、板バネ部23の後方側の端部から底面部11とは反対側に突出して形成されている。言い換えれば爪部18は、蓋部5のスライド方向に交差する交差方向に突出している。また、この実施形態における爪部18の先端は、板バネ部23の曲面に沿うように、弧状に形成されている。爪部18が弧状に形成されることで、曲面である蓋部5の内周面5b(後述する)に形成された係止穴31の係止面32に対して、爪部18を均一に突き当てることが可能となっている。
【0026】
図3に示すように、爪部18は、係止面26と、案内面27とを備えている。
係止面26は、成型時の抜き勾配の分だけ、前後方向に垂直な垂直面よりも僅かに後方側に傾斜した傾斜面とされている。この係止面26は、後述する蓋部5の係止面32に対して突き当たることで、蓋部5の離脱方向への変位を規制する。
【0027】
案内面27は、ロック部材3の後端部3a側から係止面26の先端部26a側に向かって傾斜する傾斜面とされている。案内面27は、蓋部5を本体部2に装着する際に、蓋部5の前端により前方側に押圧されることで、底面部11側の力を爪部18に作用させる。これにより、爪部18は、底面部11側に円滑に変位する。
【0028】
図1に示すように、爪部18は、その後端に凹部18aを備えている。この凹部18aは、規制部14と協働して、後述する
図4の状態の際には爪部18の変位を規制し、後述する
図5の状態の際にはロック部材3が係止解除される位置まで移動するように形成されている。また、渡り部22の前端は、脚部21の前端よりも僅かに後方に配されている。これにより、ロック部材3の前端にも凹部3bが形成される。この凹部3bが形成されていることで、ロック部材3の前後方向の寸法を脚部21の前端側で容易に調整することが可能となっている。
【0029】
操作部19は、いわゆる押しボタンであって、爪部18と同一方向に突出している。言い換えれば、操作部19は、板バネ部23の延びる方向に垂直な方向に突出している。この操作部19は、板バネ部23と一体に形成されている。この操作部19を押圧操作することで、板バネ部23を底面部11側に弾性変形させて上述した爪部18を強制的に底面部11側に退避させることができる。
【0030】
ケース部4は、本体部2を後方から挿入可能な略筒状に形成されている。
図1、
図3に示すように、ケース部4の内周面4aは、ケース部4に本体部2が挿入された状態で、本体部2の周壁部8の外周面8bと僅かな隙間を空けて配される。このケース部4には、本体部2が、その周壁部8の前後方向の中間部まで挿入される。また、ケース部4には、上述した操作部19を外部に露出させるための孔部29が形成されている。この孔部29は、後方が開口する凹状に形成されるとともに、ケース部4を厚さ方向で貫通している。
【0031】
つまり、ケース部4に対して、ロック部材3を取り付けた本体部2を挿入することで、ロック部材3の脚部21の前部と、渡り部22とがケース部4により外側から覆われる。これと同時に、操作部19は、後方から孔部29内に挿入される。操作部19は、後方側から孔部29に挿入されるため、ケース部4によって本体部2からロック部材3が剥離方向に変位することが規制され、且つ、ロック部材3の収容部9内での前後方向へのスライドが許容された状態となる。
【0032】
蓋部5は、電池ケース部6を外側から覆う。この蓋部5は、有底筒状(言い換えれば、キャップ状)に形成されている。この蓋部5の外周面5aは、本体部2に装着された状態で、上述したケース部4の外周面4bと面一となるように形成されている。つまり、蓋部5が着脱される構造は、いわゆるインローとなっている。
【0033】
図3に示すように、蓋部5は、その内周面5bに係止穴31を備えている。係止穴31は、上述した爪部18に対向する位置に形成されている。この係止穴31には、上述した爪部18が出没可能とされる。爪部18が係止穴31に没入されることで、蓋部5は、本体部2に対して離脱方向へ変位することが規制された係止状態となる。係止穴31は、蓋部5の装着方向と交差する方向、より具体的には、前後方向に対して略垂直に延びる係止面32を備えている。この係止面32が、爪部18の係止面32と突き当たることで、爪部18に対する蓋部5の前後方向への相対変位が規制される。ここで、上述した蓋部5は、筒状に形成されているため、ロック部材3の板バネ部23と比較して、その厚さ方向への弾性変形が生じ難くなっている。
【0034】
この実施形態の蓋部5は、開口端5c側の内周に、前方外周側に向かって傾斜する傾斜面33が形成されている。この傾斜面33により、本体部2に蓋部5を取り付ける際に、爪部18が開口端5cに引っ掛からないようになっている。これにより、蓋部5を本体部2に対して円滑に取り付けることができる。
【0035】
ここで、
図1に示すように、上述した収容部9の周方向両側には、前後方向に延びるリブ25が形成されている。このリブ25によって、蓋部5と本体部2とのガタつきが低減され、爪部18による安定した係止を行うことができる。
【0036】
この実施形態におけるロック構造および電子機器は、上述した構成を備えている。次に、上述したロック構造の動作について、特に蓋部を離脱方向へ引っ張った場合、および、ロックを解除する場合について図面を参照しながら説明する。
図4は、この発明の実施形態におけるロック部材およびその周辺の
図2のA−A線に沿う断面斜視図であり、
図3の状態から蓋部が後方に引っ張られ、爪部の後端部が収容部の縦面部12に突き当たった状態を示している。
図5は、この発明の実施形態におけるロック部材およびその周辺の
図2のA−A線に沿う断面斜視図であり、操作部を押下した状態を示している。
【0037】
まず、蓋部5が本体部2に装着され、ロック部材3により係止された状態すなわち、
図3の状態において、蓋部5が離脱方向に引っ張られたとする。すると、蓋部5の係止面32がロック部材3の係止面26を離脱方向に押圧する。これにより、ロック部材3の支持部17が、収容部9内を離脱方向にスライドして移動する。この移動により、支持部17は、ロック部材3による係止解除を規制する解除規制位置に配される。
【0038】
図4に示すように、解除規制位置において、ロック部材3の後端部3aは、後方側の縦面部12に突き当たる。この際、ロック部材3の爪部18の底面部11側には、規制部14が配置される。支持部17がこのような解除規制位置にある間は、爪部18の底面部11側に規制部14があるため、この規制部14が邪魔をして、係止面26の抜き勾配による爪部18の弾性変位が規制される。さらに、ロック部材3の後端部3aが、後方側の縦面部12に突き当たる状態になることによっても、爪部18の底面部11側への変位が阻害される。したがって、爪部18の係止面26と孔部29の係止面32とによる係止状態が維持される。
【0039】
一方で、
図3に示す状態、すなわちロック部材3の後端部3aと後方側の端面部12との間に十分な隙間がある状態で操作部19が押下されると、爪部18が配される板バネ部23の後方側の端部(凹部18a)が規制部14の傾斜面15に突き当たる。すると、操作部19を押下する押圧力によって、板バネ部23に傾斜面15に沿って前方側に移動する力が作用する。そのため、蓋部5と、ロック部材3の支持部17とは、共に前方にスライド移動する。このスライド移動により、ロック部材3は、ロック部材3による係止解除を許容する解除許容位置まで移動する。
【0040】
この解除許容位置においては、爪部18の底面部11側には、爪部18を係止穴31から退避させるのに十分な空間が存在する。そのため、爪部18は、係止穴31から退避して、係止面26が係止面32よりも底面部11側に配された状態となる。これにより、ロック部材3の係止状態が解除されて、蓋部5を本体部2から離脱させることが可能となる。
【0041】
したがって、上述した実施形態によれば、ロック部材3によって本体部2に蓋部5が係止された状態で、蓋部5が離脱方向に強い力で引っ張られたとしても、ロック部材3の支持部17が係止規制位置までスライドして、爪部18が係止解除側に変位しようとしても、規制部14によってその変位が規制される。そのため、爪部18に抜き勾配が形成されている場合であっても、蓋部5が本体部2から離脱することを抑制できる。一方で、蓋部5が離脱方向に引っ張られていない場合には、ロック部材3の支持部17を解除許容位置として、操作部19により容易に爪部18による係止状態を解除することができる。その結果、意図しない蓋部5の脱落を抑制することができる。
【0042】
また、
図3に示す状態で操作部19を操作することで、爪部18が形成された板バネ部23の端部を傾斜面15に突き当てて、支持部17を傾斜面15に沿って移動させることができる。これにより、支持部17を解除許容位置に移動させることができる。その結果、蓋部5を離脱させたいときに、操作部19を操作するだけで爪部18による係止を解除可能な状態にして、蓋部5を本体部2から離脱させることができる。
【0043】
さらに、ケース部4によってロック部材3が本体部2から離間することを規制できるため、蓋部5が本体部2から離脱しているときにも、ロック部材3が本体部2から離脱することを抑制できる。
また、支持部17と爪部18と操作部19とを一体に形成しているため、部品点数を低減して組立工数を低減することできる。その結果、組立作業者の負担軽減を図ることが可能となる。
【0044】
なお、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
【0045】
例えば、上述した実施形態のロック部材3においては、操作部19が支持部17の板バネ部23と一体に形成される一例を説明した。しかし、操作部19は、支持部17と別体としてもよい。この場合、この発明におけるロック部は、一体に形成された支持部17および爪部18と、これとは別体で形成された操作部19とを含み構成される。
【0046】
また、上述した実施形態においては、電子機器1として水に含まれる残留塩素の濃度や、呼気中のアルコール濃度等を測定する測定装置を例示したが、この発明のロック構造を適用可能な電子機器は、これら測定装置に限られない。また、ロック部材3を電子機器1の電池ケース部6に適用する場合について説明したが、電池ケース部6に限られるものではない。
【0047】
さらに、上述した実施形態においては、蓋部5の外周面5aと、ケース部4の外周面4bが面一となる場合を例示したが、面一でなくても良い。
また、ケース部4、本体部2、蓋部5の各外周面を曲面に形成する場合について説明したが、平面であっても良い。また、底面部11を平面に形成する場合について説明したが、支持部17が前後方向にスライド可能であれば、平面に限られない。例えば、脚部21を案内する溝等を形成してもよい。
【0048】
さらに、上述した実施形態においては、収容部9に規制部14を2つ設ける場合について説明したが、規制部14の個数は2つに限られない。規制部14の個数は、爪部18の変位を規制でき、且つ、爪部18への入力によって支持部17を規制解除位置へ導くことができる個数であればよい。
【0049】
また、上述した実施形態においては、本体部2に対して蓋部5を装着してロックするロック構造を一例に説明した。しかし、この発明の第一部材は本体部2に限られず、また、この発明の第二部材は蓋部5に限られない。例えば、第一部材と、この第一部材の外面に対向する内面を有し、これら外面および内面が延びる方向にスライドさせて第一部材に取り付け可能な第二部材とを備える構造であればこの発明のロック構造を適用可能である。