特許第6268476号(P6268476)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6268476
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】レンズ体及び車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/00 20180101AFI20180122BHJP
   F21S 43/00 20180101ALI20180122BHJP
   F21S 45/00 20180101ALI20180122BHJP
   F21V 5/00 20180101ALI20180122BHJP
   F21V 5/08 20060101ALI20180122BHJP
   F21V 13/02 20060101ALI20180122BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20180122BHJP
   F21W 104/00 20180101ALN20180122BHJP
   F21W 105/00 20180101ALN20180122BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20180122BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20180122BHJP
【FI】
   F21S8/10 171
   F21S8/12 150
   F21S8/12 140
   F21V5/00 320
   F21V5/08
   F21V13/02 400
   F21W101:10
   F21Y115:10
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2014-52103(P2014-52103)
(22)【出願日】2014年3月14日
(65)【公開番号】特開2015-176745(P2015-176745A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2017年2月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】西村 将太
(72)【発明者】
【氏名】松野 貴一
(72)【発明者】
【氏名】九里 佳祐
【審査官】 杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−241349(JP,A)
【文献】 特開2005−228502(JP,A)
【文献】 特開2006−164980(JP,A)
【文献】 特開2010−170836(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/10
F21S 8/12
F21V 5/00
F21V 5/08
F21V 13/02
F21W 101/10
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に延びる第1基準軸に沿って延びた形状のレンズ体において、
前記レンズ体は、入射面、反射面、シェード及び出射面を含み、
前記入射面、前記反射面、前記シェード及び前記出射面は、前記第1基準軸に沿ってこの順に配置されており、
前記入射面は、前記レンズ体の後端部に形成され、当該入射面近傍に配置される光源からの光が屈折して前記レンズ体内部に入射する面で、前記レンズ体内部に入射した前記光源からの光が、少なくとも鉛直方向に関し、前記光源の中心と前記シェード近傍の点とを通過し、前記第1基準軸に対して前方斜め下方に向かって傾斜した第2基準軸寄りに集光するように構成されており、
前記反射面は、前記入射面の下端縁から前方に向かって延びており、
前記シェードは、前記反射面の先端部に形成されており、
前記出射面は、前記レンズ体内部に入射した前記光源からの光のうち前記出射面に向かって進行する直射光及び前記反射面で内面反射された後、前記出射面に向かって進行する反射光が出射する面で、前記シェード近傍に焦点が設定されたレンズ部として構成されているレンズ体。
【請求項2】
前記反射面は、前記入射面の下端縁から前記第1基準軸に対して前方斜め下方に向かって傾斜した反射面である請求項1に記載のレンズ体。
【請求項3】
水平方向に延びる第1基準軸に沿って延びた形状のレンズ体と、光源と、を備えた車両用灯具において、
前記レンズ体は、入射面、反射面、シェード及び出射面を含み、
前記光源は、前記入射面近傍に配置されており、
前記入射面、前記反射面、前記シェード及び前記出射面は、前記第1基準軸に沿ってこの順に配置されており、
前記入射面は、前記レンズ体の後端部に形成され、当該入射面近傍に配置される光源からの光が屈折して前記レンズ体内部に入射する面で、前記レンズ体内部に入射した前記光源からの光が、少なくとも鉛直方向に関し、前記光源の中心と前記シェード近傍の点とを通過し、前記第1基準軸に対して前方斜め下方に向かって傾斜した第2基準軸寄りに集光するように構成されており、
前記反射面は、前記入射面の下端縁から前方に向かって延びており、
前記シェードは、前記反射面の先端部に形成されており、
前記出射面は、前記レンズ体内部に入射した前記光源からの光のうち前記出射面に向かって進行する直射光及び前記反射面で内面反射された後、前記出射面に向かって進行する反射光が出射する面で、前記シェード近傍に焦点が設定されたレンズ部として構成されている車両用灯具。
【請求項4】
前記反射面は、前記入射面の下端縁から前記第1基準軸に対して前方斜め下方に向かって傾斜した反射面である請求項3に記載の車両用灯具。
【請求項5】
前記光源は、当該光源の光軸が前記第2基準軸に一致した姿勢で前記入射面近傍に配置されている請求項3又は4に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ体及び車両用灯具に係り、特に、光源と組み合わせて用いられるレンズ体及びこれを用いた車両用灯具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源とレンズ体とを組み合わせた構造の車両用灯具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図16は、特許文献1に記載の車両用灯具200の縦断面図である。
【0004】
図16に示すように、特許文献1に記載の車両用灯具200は、半導体発光素子を有する光源210、レンズ体220を備えており、レンズ体220表面には、発光面を上向きにした姿勢の光源210を上方から覆う半球形状の入射面221、入射面221からレンズ体220内部に入射する光源210からの光の進行方向に配置された第1反射面222(金属蒸着による反射面)、第1反射面222の下端縁から前方に向かって延びる第2反射面223(金属蒸着による反射面)、凸レンズ面224等が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−228502号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記構成の車両用灯具200においては、レンズ体220内部に入射した光源210からの光を制御するために金属蒸着による反射面222、223を用いているため、コストアップを招くという問題がある。
【0007】
また、上記構成の車両用灯具200においては、光源210が半球形状の入射面221で上方から覆われており、光源210で発生した熱を上方に逃がすことができないため、当該熱に起因して、レンズ体220が融解したり、光源210出力が大幅に低下するという問題がある。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、第1に、コストアップの要因となる金属蒸着による反射面を省略したレンズ体及びこれを用いた車両用灯具を提供することを目的とする。第2に、光源で発生した熱に起因して、レンズ体が融解したり、光源出力が低下するのを抑制することができるレンズ体及びこれを用いた車両用灯具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、水平方向に延びる第1基準軸に沿って延びた形状のレンズ体において、前記レンズ体は、入射面、反射面、シェード及び出射面を含み、前記入射面、前記反射面、前記シェード及び前記出射面は、前記第1基準軸に沿ってこの順に配置されており、前記入射面は、前記レンズ体の後端部に形成され、当該入射面近傍に配置される光源からの光が屈折して前記レンズ体内部に入射する面で、前記レンズ体内部に入射した前記光源からの光が、少なくとも鉛直方向に関し、前記光源の中心と前記シェード近傍の点とを通過し、前記第1基準軸に対して前方斜め下方に向かって傾斜した第2基準軸寄りに集光するように構成されており、前記反射面は、前記入射面の下端縁から前方に向かって延びており、前記シェードは、前記反射面の先端部に形成されており、前記出射面は、前記レンズ体内部に入射した前記光源からの光のうち前記出射面に向かって進行する直射光及び前記反射面で内面反射された後、前記出射面に向かって進行する反射光が出射する面で、前記シェード近傍に焦点が設定されたレンズ部として構成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、第1に、コストアップの要因となる金属蒸着による反射面を省略したレンズ体を提供することができる。第2に、光源で発生した熱に起因して、レンズ体が融解したり、光源出力が低下するのを抑制することができるレンズ体を提供することができる。
【0011】
コストアップの要因となる金属蒸着による反射面を省略することができるのは、光源からの光が、金属蒸着による反射面ではなく、入射面での屈折及び反射面での内面反射により制御されることによるものである。
【0012】
光源で発生した熱に起因して、レンズ体が融解したり、光源出力が低下するのを抑制することができるのは、入射面がレンズ体の後端部に形成されており、かつ、光源がレンズ体の外部(すなわち、レンズ体の入射面から離間した位置)に配置されることによるものである。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記反射面は、前記入射面の下端縁から前記第1基準軸に対して前方斜め下方に向かって傾斜した反射面であることを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、反射面を入射面の下端縁から前方に向かって水平方向に延びた反射面とする場合(すなわち、反射面を水平方向に配置する場合)と比べ、迷光の減少・高効率化を達成することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、水平方向に延びる第1基準軸に沿って延びた形状のレンズ体と、光源と、を備えた車両用灯具において、前記レンズ体は、入射面、反射面、シェード及び出射面を含み、前記光源は、前記入射面近傍に配置されており、前記入射面、前記反射面、前記シェード及び前記出射面は、前記第1基準軸に沿ってこの順に配置されており、前記入射面は、前記レンズ体の後端部に形成され、当該入射面近傍に配置される光源からの光が屈折して前記レンズ体内部に入射する面で、前記レンズ体内部に入射した前記光源からの光が、少なくとも鉛直方向に関し、前記光源の中心と前記シェード近傍の点とを通過し、前記第1基準軸に対して前方斜め下方に向かって傾斜した第2基準軸寄りに集光するように構成されており、前記反射面は、前記入射面の下端縁から前方に向かって延びており、前記シェードは、前記反射面の先端部に形成されており、前記出射面は、前記レンズ体内部に入射した前記光源からの光のうち前記出射面に向かって進行する直射光及び前記反射面で内面反射された後、前記出射面に向かって進行する反射光が出射する面で、前記シェード近傍に焦点が設定されたレンズ部として構成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、第1に、コストアップの要因となる金属蒸着による反射面を省略したレンズ体を用いた車両用灯具を提供することができる。第2に、光源で発生した熱に起因して、レンズ体が融解したり、光源出力が低下するのを抑制することができるレンズ体を用いた車両用灯具を提供することができる。
【0017】
コストアップの要因となる金属蒸着による反射面を省略することができるのは、光源からの光が、金属蒸着による反射面ではなく、入射面での屈折及び反射面での内面反射により制御されることによるものである。
【0018】
光源で発生した熱に起因して、レンズ体が融解したり、光源出力が低下するのを抑制することができるのは、入射面がレンズ体の後端部に形成されており、かつ、光源がレンズ体の外部(すなわち、レンズ体の入射面から離間した位置)に配置されることによるものである。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記反射面は、前記入射面の下端縁から前記第1基準軸に対して前方斜め下方に向かって傾斜した反射面であることを特徴とする。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、反射面を入射面の下端縁から前方に向かって水平方向に延びた反射面とする場合(すなわち、反射面を水平方向に配置する場合)と比べ、迷光の減少・高効率化を達成することができる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の発明において、前記光源は、当該光源の光軸が前記第2基準軸に一致した姿勢で前記入射面近傍に配置されていることを特徴とする。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、中心光度が相対的に高い遠方視認性に優れたロービーム用配光パターンを形成することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、第1に、コストアップの要因となる金属蒸着による反射面を省略したレンズ体及びこれを用いた車両用灯具を提供することが可能となる。第2に、光源で発生した熱に起因して、レンズ体が融解したり、光源出力が低下するのを抑制することができるレンズ体及びこれを用いた車両用灯具を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施形態である車両用灯具10の縦断面図である。
図2】(a)前方から見たレンズ体12の斜視図、(b)後方から見たレンズ体12の斜視図である。
図3】(a)レンズ体12の上面図、(b)下面図、(c)側面図である。
図4】(a)光源14(正確には、基準点F)からの光が入射面12aに入射する様子を表す図、(b)レンズ体12内部に入射した光源14からの光(直射光RayA)が集光する様子を表す図である。
図5】入射面12aの一例(横断面図)である。
図6】入射面12aの他の一例(横断面図)である。
図7】(a)(b)入射面12aと光源14との間の距離について説明するための図である。
図8】シェード12cの役割を説明するための図である。
図9】(a)光源14位置から見たシェード12cの概略図、(b)図2(a)に示した反射面12b(シェード12cを含む)を拡大した拡大斜視図、(c)図2(a)に示した反射面12b(シェード12cを含む)の上面図である。
図10】(a)〜(c)シェード12cの変形例(側面図)である。
図11】(a)本実施形態の車両用灯具10により、車両前面に正対した仮想鉛直スクリーン(車両前面から約25m前方に配置されている)上に形成されるロービーム用配光パターンP1の例、(b)ロービーム用配光パターンP2の例、(c)ロービーム用配光パターンP3の例である。
図12】各断面Cs1〜Cs4における光源14からの光による光源像ICs1〜ICs4を説明するための図である。
図13】(a)反射面12bを水平方向に配置した場合、反射面12bで内面反射された反射光RayB´が出射面12dに入射しない方向に進行する様子を描いた図、(b)反射面12bを第1基準軸AX1に対して傾けて配置した場合、反射面12bで内面反射された反射光RayBが出射面12dに入射する方向に進行する様子を描いた図である。
図14】(a)反射面12bを水平方向に配置した場合、反射面12bを上方に延ばすことで、出射面12dに入射しない方向に進行する反射光RayB´を取り込むことができる様子を描いた図、(b)反射面12bを第1基準軸AX1に対して傾けて配置した場合、反射面12bを上方に延ばすことなく、より多くの光(反射面12bで内面反射された反射光RayB)を取り込むことができる様子を描いた図である。
図15】(a)第2基準軸AX2を水平方向に配置し、レンズ体12内部に入射した光源14からの光を、少なくとも鉛直方向に関し、シェード12cに向かって第2基準軸AX2寄りに集光させた場合、レンズ体12内部に入射した光源14からの光の多くがシェード12cで遮光される様子を描いた図、(b)第2基準軸AX2を第1基準軸AX1に対して傾けて配置し、レンズ体12内部に入射した光源14からの光を、少なくとも鉛直方向に関し、シェード12cに向かって第2基準軸AX2寄りに集光させた場合、出射面12dが取り込む光(反射面12bで内面反射された反射光RayB)が増加する様子を描いた図である。
図16】特許文献1に記載の車両用灯具200の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の第1実施形態である車両用灯具について、図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1は、本発明の第1実施形態である車両用灯具10の縦断面図である。
【0027】
図1に示すように、本実施形態の車両用灯具10は、レンズ体12、レンズ体12の入射面12a近傍に配置された光源14等を備え、車両前面に正対した仮想鉛直スクリーン(車両前面から約25m前方に配置されている)上に、図11(a)等に示す上端縁にカットオフラインCL1〜CL3を含むロービーム用配光パターンP1等を形成する車両用前照灯として構成されている。
【0028】
図2(a)は前方から見たレンズ体12の斜視図、図2(b)は後方から見たレンズ体12の斜視図、図3(a)はレンズ体12の上面図、図3(b)は下面図、図3(c)は側面図である。
【0029】
図1に示すように、レンズ体12は、水平方向に延びる第1基準軸AX1に沿って延びた形状のレンズ体で、入射面12a、反射面12b、シェード12c、出射面12d及び入射面12a近傍に配置された光学設計上の基準点Fを含んでいる。入射面12a、反射面12b、シェード12c及び出射面12dは、第1基準軸AX1に沿ってこの順に配置されている。レンズ体12の材質は、ポリカーボネイトであってもよいし、それ以外のアクリル等の透明樹脂であってもよいし、ガラスであってもよい。
【0030】
図1中の先端に矢印が付いた点線は、レンズ体12内部に入射した光源14(正確には、基準点F)からの光の光路を表している。
【0031】
レンズ体12の主な機能は、第1に、光源14からの光をレンズ体12内部に取り込むこと、第2に、レンズ体12内部に取り込まれた光のうち出射面12dに向かって進行する直射光RayA及び反射面12bで内面反射された反射光RayBにより、出射面12d(レンズ部)の焦点F12d近傍に形成される光度分布(光源像)を反転投影して、上端縁にカットオフラインを含むロービーム用配光パターンを形成することである。
【0032】
図4(a)は光源14(正確には、基準点F)からの光が入射面12aに入射する様子を表す図、図4(b)はレンズ体12内部に入射した光源14からの光(直射光RayA)が集光する様子を表す図である。
【0033】
入射面12aは、レンズ体12の後端部に形成され、当該入射面12a近傍に配置される光源14(正確には、光学設計上の基準点F)からの光(図4(a)参照)が屈折してレンズ体12内部に入射する面(例えば、光源14に向かって凸の自由曲面)で、レンズ体12内部に入射した光源14からの光(直射光RayA)が、少なくとも鉛直方向に関し、シェード12cに向かって第2基準軸AX2寄りに集光するように(図4(b)参照)、その面形状が構成されている。第2基準軸AX2は、光源14の中心(正確には、基準点F)とシェード12c近傍の点とを通過し、第1基準軸AX1に対して前方斜め下方に向かって傾斜している(図1参照)。
【0034】
光源14は、例えば、金属製の基板(図示せず)、当該基板の表面に実装された白色LED光源(又は白色LD光源)等の半導体発光素子(図示せず)を備えている。半導体発光素子の個数は、1以上であればよい。なお、光源14は、白色LED光源(又は白色LD光源)等の半導体発光素子以外の光源であってもよい。光源14は、その発光面(図示せず)を前方斜め下方に向けた姿勢、すなわち、当該光源14の光軸AX14が第2基準軸AX2に一致した姿勢でレンズ体12の入射面12a近傍(基準点F近傍)に配置されている。なお、光源14は、当該光源14の光軸AX14が第2基準軸AX2に一致していない姿勢(例えば、光源14の光軸AX14が水平方向に配置された姿勢)でレンズ体12の入射面12a近傍(基準点F近傍)に配置されていてもよい。
【0035】
光源14が半導体発光素子(例えば白色LED光源)である場合、当該光源14(発光面)から放出される光の指向特性はランバーシアンで、I(θ)=I×cosθで表すことができる。これは、光源14が放出する光の広がりを表している。但し、I(θ)は光源14の光軸AX14から角度θ傾いた方向の光度を表し、Iは光軸AX14上の光度を表している。光源14では、光軸AX14上(θ=0)の光度が最大となる。
【0036】
図5は入射面12aの一例(横断面図)、図6は入射面12aの他の一例(横断面図)である。
【0037】
図5に示すように、入射面12aは、水平方向に関し、レンズ体12内部に入射した光源14からの光(直射光RayA)が、シェード12cに向かって第1基準軸AX1寄りに集光するように、その面形状が構成されている。なお、入射面12aは、図6に示すように、水平方向に関し、レンズ体12内部に入射した光源14からの光(直射光RayA)が、基準軸AX1に対して平行な光となるように、その面形状が構成されていてもよい。
【0038】
ロービーム用配光パターンの水平方向の拡散の程度は、入射面12aの面形状(例えば、入射面12aの水平方向の曲率)を調整することで自在に調整することができる。
【0039】
図7(a)及び図7(b)は、入射面12aと光源14との間の距離について説明するための図である。
【0040】
入射面12aと光源14との間の距離を短くすることで(図7(b)参照)、入射面12aと光源14との間の距離を長くした場合(図7(a)参照)と比べ、光源像が小さくなる。その結果、出射面12d(レンズ部)の焦点F12d近傍に形成される光度分布(及びロービーム用配光パターン)の最大光度をより高くすることができる。
【0041】
また、入射面12aと光源14との間の距離を短くすることで(図7(b)参照)、入射面12aと光源14との間の距離を長くした場合(図7(a)参照)と比べ、レンズ体12内部に取り込まれる光源14からの光が増加する(β>α)。その結果、高効率なレンズ体となる。
【0042】
反射面12bは、入射面12aの下端縁から前方に向かって水平方向に延びた平面形状の反射面である。反射面12bは、レンズ体12内部に入射した光源14からの光のうち当該反射面12bに入射した光を全反射する反射面で、金属蒸着は用いていない。レンズ体12内部に入射した光源14からの光のうち反射面12bに入射した光は、当該反射面12bで内面反射されて出射面12dに向かい、出射面12dで屈折して路面方向に向かう。すなわち、反射面12bで内面反射された反射光RayBがカットオフラインを境に折り返されてカットオフライン以下の配光パターンに重畳される形となる。これにより、ロービーム用配光パターンの上端縁にカットオフラインが形成される。
【0043】
なお、反射面12bは、入射面12aの下端縁から第1基準軸AX1に対して前方斜め下方に向かって傾斜した平面形状の反射面であってもよい(図14(b)参照)。このように反射面12bを第1基準軸AX1に対して傾けて配置することの利点については後述する。
【0044】
反射面12bの先端部には、左右方向に延びるシェード12cが形成されている。
【0045】
図8は、シェード12cの役割を説明するための図である。
【0046】
図8に示すように、シェード12cの主な役割は、レンズ体12内部に入射した光源14からの光の一部を遮光し、出射面12d(レンズ部)の焦点F12d近傍に、下端縁にシェード12cによって規定されるカットオフラインに対応する辺を含む光度分布(光源像)を形成することである。
【0047】
図9(a)は光源14位置から見たシェード12cの概略図、図9(b)は図2(a)に示した反射面12b(シェード12cを含む)を拡大した拡大斜視図、図9(c)は図2(a)に示した反射面12b(シェード12cを含む)の上面図である。
【0048】
図2(a)、図9(a)〜図9(c)に示すように、シェード12cは、左水平カットオフラインに対応する辺e1、右水平カットオフラインに対応する辺e2、及び、左水平カットオフラインと右水平カットオフラインとを接続する斜めカットオフラインに対応する辺e3を含んでいる。
【0049】
反射面12bは、入射面12aの下端縁と左水平カットオフラインに対応する辺e1との間の第1反射領域12b1、入射面12aの下端縁と右水平カットオフラインに対応する辺e2との間の第2反射領域12b2、及び、第1反射領域12b1と第2反射領域12b2との間の第3反射領域12b3を含んでいる。
【0050】
第1反射領域12b1は、入射面12aの下端縁から左水平カットオフラインに対応する辺e1に近づくに従って徐々に上方に湾曲しており、一方、第2反射領域12b2は、入射面12aの下端縁から前方に向かって水平方向に延びている。
【0051】
その結果、左水平カットオフラインに対応する辺e1は、鉛直方向に関し、右水平カットオフラインに対応する辺e2より一段高い位置に配置されている(右側通行の場合)。もちろん、左水平カットオフラインに対応する辺e1は、鉛直方向に関し、右水平カットオフラインに対応する辺e2より一段低い位置に配置されていてもよい(左側通行の場合)。
【0052】
なお、シェード12cは、反射面12bの先端部に、左水平カットオフラインに対応する溝部、右水平カットオフラインに対応する溝部、及び、左水平カットオフラインと右水平カットオフラインとを接続する斜めカットオフラインに対応する溝部を含む溝部を形成することで形成することもできる。
【0053】
図10(a)〜図10(c)には、シェード12cの変形例(側面図)が示されている。シェード12cは、側面視において、反射面12bの先端部から上方に向かって延びていてもよいし(図10(a)参照)、前方斜め上方に向かって延びていてもよいし(図10(b)参照)、前方斜め上方に向かって湾曲して延びていてもよい(図10(c)参照)。シェード12cは、これらに限らず、レンズ体12内部に入射する光源14からの光の一部を、出射面12dに向かって進行しないように遮光する形状であれば如何なる形状であってもよい。なお、遮光された光は、他の配光や導光に用いてもよい。
【0054】
出射面12dは、図1に示すように、レンズ体12内部に入射した光源14からの光のうち出射面12dに向かって進行する直射光RayA及び反射面12bで内面反射された後、出射面12dに向かって進行する反射光RayBが出射する面(例えば、前方に向かって凸の凸面)で、シェード12c近傍(例えば、シェード12cの左右方向の中心近傍)に焦点F12dが設定されたレンズ部として構成されている。出射面12dは、当該出射面12dに向かって進行する直射光RayA及び反射光RayBにより、出射面12d(レンズ部)の焦点F12d近傍に形成される光度分布(光源像)を反転投影して、上端縁にカットオフラインを含むロービーム用配光パターンを形成する。
【0055】
なお、シェード12cと出射面12dとの間の距離(焦点距離)を長くすることで、シェード12cと出射面12dとの間の距離(焦点距離)を短くした場合と比べ、光源像が小さくなる。その結果、出射面12d(レンズ部)の焦点F12d近傍に形成される光度分布(及びロービーム用配光パターン)の最大光度をより高くすることができる。
【0056】
また、出射面12dと光源14(又はシェード12c)との間の距離を短くすることで、出射面12dと光源14(又はシェード12c)との間の距離を長くした場合と比べ、出射面12dに取り込まれる直射光RayA及び反射光Bが増加する。その結果、効率が増加する。
【0057】
なお、ロービーム用配光パターンの水平方向・鉛直方向の拡散の程度は、出射面12dの面形状を調整することで自在に調整することができる。
【0058】
反射面12bの先端縁と出射面12dの下端縁とを接続する面は、反射面12bの先端縁から前方斜め下方に向けて延びた傾斜面とされている。なお、反射面12bの先端縁と出射面12dの下端縁とを接続する面は、これに限らず、出射面12dに向かって進行する直射光RayA及び反射光RayBを遮らない面であれば如何なる面であってもよい。同様に、入射面12aの上端縁と出射面12dの上端縁とを接続する面は、入射面12aの上端縁と出射面12dの上端縁との間で水平方向に延びた平面形状の面とされている。なお、入射面12aの上端縁と出射面12dの上端縁とを接続する面は、これに限らず、出射面12dに向かって進行する直射光RayA及び反射光RayBを遮らない面であれば如何なる面であってもよい。
【0059】
上記構成のレンズ体12においては、入射面12aからレンズ体12内部に入射した光は、図1に示すように、鉛直方向に関し、シェード12cに向かって第2基準軸AX2寄りに集光する(例えば、シェード12cの中心に集光する)。そして、入射面12aの面形状が図5に示すように構成されている場合、入射面12aからレンズ体内部に入射した光は、図5に示すように、水平方向に関し、シェード12cに向かって第1基準軸AX1寄りに集光する(例えば、シェード12cの中心に集光する)。
【0060】
以上のように鉛直方向及び水平方向に関し集光する直射光RayA及び反射面12bで内面反射された反射光RayBは、出射面12dに向かって進行し、出射面12dから出射する。その際、出射面12dに向かって進行する直射光RayA及び反射光RayBにより、出射面12d(レンズ部)の焦点F12d近傍に、下端縁にシェード12cによって規定されるカットオフラインに対応する辺を含む光度分布(光源像)が形成される。そして、出射面12dは、この光度分布を反転投影して、仮想鉛直スクリーン上に、図11(a)に示す上端縁にカットオフラインを含むロービーム用配光パターンP1を形成する。
【0061】
このロービーム用配光パターンP1は、中心光度が相対的に高く、遠方視認性に優れたものとなる。これは、光源14が、当該光源14の光軸AX14が第2基準軸AX2に一致した姿勢でレンズ体12の入射面12a近傍(基準点F近傍)に配置されていること、そして、相対強度(光度)が高い光軸AX14上の光(直射光)が、シェード12cに向かって第2基準軸AX2寄りに集光する(例えば、シェード12cの中心に集光する)ことによるものである。
【0062】
なお、入射面12a及び/又は出射面12dの面形状(例えば、曲率)を調整することで、図11(b)に示すように、水平方向に拡散したロービーム用配光パターンP2を形成することもできる。
【0063】
また、第1基準軸AX1に対する第2基準軸AX2の傾き(図1に示す角度θ参照)を大きくすることで、ロービーム用配光パターンP1、P2の下端縁を下方に延ばすことができる。
【0064】
一方、入射面12aの面形状が図6に示すように構成されている場合、入射面12aからレンズ体12内部に入射した光は、図6に示すように、水平方向に関し、第1基準軸AX1に対して平行な光となる。
【0065】
以上のように鉛直方向に関し集光し、水平方向に関し平行となった直射光RayA及び反射面12bで内面反射された反射光RayBは、出射面12dに向かって進行し、出射面12dから出射する。その際、出射面12dに向かって進行する直射光RayA及び反射光RayBにより、出射面12d(レンズ部)の焦点F12d近傍に、下端縁にシェード12cによって規定されるカットオフラインCL1〜CL3に対応する辺を含む光度分布(光源像)が形成される。そして、出射面12dは、この光度分布を反転投影して、仮想鉛直スクリーン上に、図11(c)に示す上端縁にカットオフラインCL1〜CL3を含むロービーム用配光パターンP3を形成する。図11(c)に示すロービーム用配光パターンP3は、水平方向に関し集光されない分、図11(a)に示すロービーム用配光パターンP1より水平方向に関し拡散されたものとなる。
【0066】
次に、レンズ体12内部に入射した光源14からの光による光源像とロービーム用配光パターンとの関係について説明する。
【0067】
図12は、各断面Cs1〜Cs3における光源14からの光による光源像を説明するための図である。
【0068】
図12に示すように、断面Cs1、Cs2における光源像ICs1、ICs2の外形形状は、光源の外形形状と同様(光源14の外形形状と相似型で光源像として大きい)のものとなる。
【0069】
一方、反射面12bやシェード12cを通過した後の断面Cs3における光源像ICs3の外形形状は、下端縁にシェード12cによって規定されるカットオフラインCL1〜CL3に対応する辺e1、e2、e3を含むものとなる。この光源像ICs3は、出射面12d(レンズ部)の作用により反転して、上端縁にシェード12cによって規定されるカットオフラインCL1〜CL3に対応する辺e1、e2、e3を含むものとなる。
【0070】
図11(a)〜図11(c)に示すロービーム用配光パターンP1〜P3は、この上端縁にシェード12cによって規定されるカットオフラインCL1〜CL3に対応する辺e1、e2、e3を含む光源像に基づいて形成されるため、上端縁に明瞭なカットオフラインCL1、CL2、CL3を含むものとなる。
【0071】
次に、反射面12bを第1基準軸AX1に対して傾けて配置することの利点について、反射面12bを水平方向に配置する場合と対比して説明する。
【0072】
第1の利点は、反射面12bを水平方向に配置する場合と比べ、迷光の減少・高効率化を達成することができる点である。
【0073】
すなわち、図13(a)に示すように、反射面12bを水平方向に配置した場合、反射面12bで内面反射された反射光RayB´は、出射面12dに入射しない方向に進行する迷光RayB´となる。その結果、効率が低下する。
【0074】
これに対して、図13(b)に示すように、反射面12bを第1基準軸AX1に対して傾けて配置した場合、反射面12bで内面反射され、出射面12dに向かって進行する反射光RayBが増加し、出射面12dが取り込む光(反射面12bで内面反射された反射光)が増加する。その結果、反射面12bを水平方向に配置する場合と比べ、迷光の減少・高効率化を達成することができる。
【0075】
本出願の発明者らが行ったシミュレーションでは、反射面12bを第1基準軸AX1に対して5°傾けて配置した場合、効率が33.8%増加し、10°傾けて配置した場合、効率が60%増加した。
【0076】
第2の利点は、反射面12bを水平方向に配置する場合と比べ、レンズ体12の小型化を達成することができる点である。
【0077】
すなわち、図13(a)に示すように、反射面12bを水平方向に配置した場合、反射面12bで内面反射された反射光RayB´は、出射面12dに入射しない方向に進行する迷光RayB´となる。出射面12dは、これを図14(a)に示すように上方に延ばすことで迷光RayB´を取り込むことができるが、上方に延ばす分、出射面12dが大型化する。
【0078】
これに対して、図14(b)に示すように、反射面12bを第1基準軸AX1に対して傾けて配置した場合、出射面12dは、これを上方に延ばすことなくより多くの光(反射面12bで内面反射された反射光RayB)を取り込むことができる。その結果、反射面12bを水平方向に配置する場合と比べ、出射面12d(ひいてはレンズ体12)の小型化を達成することができる。
【0079】
本出願の発明者らが行ったシミュレーションでは、反射面12bを第1基準軸AX1に対して5°傾けて配置した場合、図14(b)に示す高さA(出射面12dから出射する光の鉛直方向の高さ)が、図14(a)に示す場合と比べ8%減少し、10°傾けて配置した場合、図14(b)に示す高さAが、図14(a)に示す場合と比べ18.1%減少した。
【0080】
次に、第2基準軸AX2を第1基準軸AX1に対して傾けて配置し、レンズ体12内部に入射した光源14からの光を、少なくとも鉛直方向に関し、シェード12cに向かって第2基準軸AX2寄りに集光させることの利点について、第2基準軸AX2を水平方向に配置し、レンズ体12内部に入射した光源14からの光を、少なくとも鉛直方向に関し、シェード12cに向かって第2基準軸AX2寄りに集光させる場合と対比して説明する。
【0081】
この利点は、第2基準軸AX2を水平方向に配置し、レンズ体12内部に入射した光源14からの光を、少なくとも鉛直方向に関し、シェード12cに向かって第2基準軸AX2寄りに集光させる場合と比べ、迷光の減少・高効率化を達成することができる点である。
【0082】
すなわち、図15(a)に示すように、第2基準軸AX2を水平方向に配置し、レンズ体12内部に入射した光源14からの光を、少なくとも鉛直方向に関し、シェード12cに向かって第2基準軸AX2寄りに集光させた場合、レンズ体12内部に入射した光源14からの光の多くがシェード12cで遮光される。その結果、効率が大幅に低下する。また、図15(a)において、反射面12bに相当する反射面を追加したとしてもと、当該反射面で内面反射された反射光が、出射面12dに入射しない方向に進行する迷光となる。
【0083】
これに対して、図15(b)に示すように、第2基準軸AX2を第1基準軸AX1に対して傾けて配置し、レンズ体12内部に入射した光源14からの光を、少なくとも鉛直方向に関し、シェード12cに向かって第2基準軸AX2寄りに集光させた場合、出射面12dが取り込む光(反射面12bで内面反射された反射光RayB)が増加する。その結果、第2基準軸AX2を水平方向に配置し、レンズ体12内部に入射した光源14からの光を、少なくとも鉛直方向に関し、シェード12cに向かって第2基準軸AX2寄りに集光させる場合と比べ、迷光の減少・高効率化を達成することができる。
【0084】
以上説明したように、本実施形態によれば、第1に、コストアップの要因となる金属蒸着による反射面を省略したレンズ体12及びこれを用いた車両用灯具10を提供することができる。第2に、光源14で発生した熱に起因して、レンズ体12が融解したり、光源14出力が低下するのを抑制することができるレンズ体12及びこれを用いた車両用灯具10を提供することができる。
【0085】
コストアップの要因となる金属蒸着による反射面を省略することができるのは、光源14からの光が、金属蒸着による反射面ではなく、入射面12aでの屈折及び反射面12bでの内面反射により制御されることによるものである。
【0086】
光源14で発生した熱に起因して、レンズ体12が融解したり、光源14出力が低下するのを抑制することができるのは、入射面12aがレンズ体12の後端部に形成されており、かつ、光源14がレンズ体12の外部(すなわち、レンズ体12の入射面12aから離間した位置)に配置されることによるものである。
【0087】
上記実施形態及び各変形例で示した各数値は全て例示であり、これと異なる適宜の数値を用いることができる。
【0088】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【符号の説明】
【0089】
10…車両用灯具、12…レンズ体、12a…入射面、12b…反射面、12c…シェード、12c…シェード、12d…出射面、14…光源、AX14…光軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
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