特許第6268656号(P6268656)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6268656
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】ヒト免疫不全ウイルス複製の阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 498/18 20060101AFI20180122BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20180122BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20180122BHJP
   C07D 498/22 20060101ALI20180122BHJP
   A61K 31/5383 20060101ALI20180122BHJP
【FI】
   C07D498/18CSP
   A61K31/519
   A61P31/18
   A61K45/00
   C07D498/22
   A61K31/5383
【請求項の数】15
【全頁数】54
(21)【出願番号】特願2016-500869(P2016-500869)
(86)(22)【出願日】2014年3月7日
(65)【公表番号】特表2016-512501(P2016-512501A)
(43)【公表日】2016年4月28日
(86)【国際出願番号】US2014021867
(87)【国際公開番号】WO2014159076
(87)【国際公開日】20141002
【審査請求日】2017年1月31日
(31)【優先権主張番号】61/781,315
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517435249
【氏名又は名称】ビーブ・ヘルスケア・ユーケイ・(ナンバー5)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ViiV Healthcare UK (No.5) Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【弁理士】
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100156155
【弁理士】
【氏名又は名称】水原 正弘
(72)【発明者】
【氏名】ビー・ナラシムフル・ナイドゥ
(72)【発明者】
【氏名】マノジ・ペイテル
(72)【発明者】
【氏名】スタンリー・ダンドレア
(72)【発明者】
【氏名】ジージェン・バーバラ・ジェン
【審査官】 三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/033735(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/025584(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/156756(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D498/00−498/22
C07D513/00−521/00
A61K 31/33− 33/44
A61P 1/00− 43/00
A61K 45/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】
〔式中、
は水素またはアルキルであり;
は水素またはアルキルであり;
は水素、アルキルまたはハロであり;
は−CONH−、−CONHCHCO−、−CONHCHC(OH)H−または−NH−であり;
は存在しないかまたはハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシおよびハロアルコキシから選択される0〜3個の置換基で置換されていてよいベンジルであり;
はOであるかまたはXが存在しないとき存在せず;
はアルキレンまたはアルケニレンであり;
はOであるかまたは存在せず;
はアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニルまたはホモモルホリニルであり、0〜3個のハロまたはアルキル置換基で置換されているか;
またはXはフェニルまたはオキサジニルであり、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシおよびハロアルコキシから選択される0〜3個の置換基で置換されている〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
が水素またはアルキルであり;Rが水素またはアルキルであり;Rが水素、アルキルまたはハロであり;Xが−CONH−または−NH−であり;Xが存在しないかまたはハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシおよびハロアルコキシから選択される0〜3個の置換基で置換されていてよいベンジルであり;XがOであるかまたはXが存在しないとき存在せず;Xがアルキレンまたはアルケニレンであり;XがOであるかまたは存在せず;Xがアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニルまたはホモモルホリニルであり、0〜3個のハロまたはアルキル置換基で置換されているか;またはXがフェニルまたはオキサジニルであり、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシおよびハロアルコキシから選択される0〜3個の置換基で置換されている;請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
がアルキルであり;Rがアルキルであり;Rが水素であり;Xが−CONH−または−NH−であり;Xが存在しないかまたはハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシおよびハロアルコキシから選択される0〜3個の置換基で置換されていてよいベンジルであり;XがOであるかまたはXが存在しないとき存在せず;Xがアルキレンまたはアルケニレンであり;XがOであるかまたは存在せず;Xがアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニルまたはホモモルホリニルであり、0〜3個のハロまたはアルキル置換基で置換されているか;またはXがフェニルまたはオキサジニルであり、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシおよびハロアルコキシから選択される0〜3個の置換基で置換されている;請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
がアルキルであり;Rがアルキルであり;Rが水素であり;Xが−CONH−または−NH−であり;Xが存在しないかまたは0〜1個のハロ置換基で置換されていてよいベンジルであり;XがOであるかまたはXが存在しないとき存在せず;Xがアルキレンまたはアルケニレンであり;XがOであるかまたは存在せず;Xが0〜1個のアルキル置換基で置換されているピペリジニルであり;またはXが0〜1個のハロ置換基で置換されているフェニルまたはオキサジニルである;請求項3に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
がアルキルであり、Rがアルキルであり、Rが水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
が−CONH−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
が−CONHCHCO−、−CONHCHC(OH)H−または−NH−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
がハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシおよびハロアルコキシから選択される0〜3個の置換基で置換されているベンジルであり;XがOであるかまたは存在しない、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
およびXが存在しない、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
がプロピレン、プロペニレン、ブチレン、ブテニレン、ペンチレン、ペンテニレン、ヘキシレン、ヘキセニレン、ヘプチレンまたはヘテニレンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
次のものからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物:
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(12Z)−18−フルオロ−3−メチル−24−オキソ−15−オキサ−2,23,26,27−テトラアザペンタシクロ[23.2.1.05,27.06,11.016,21]オクタコサ−1(28),2,4,6,8,10,12,16(21),17,19,25−ウンデカエン−4−イル]酢酸;
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(21E)−31−クロロ−16−フルオロ−4−メチル−10−オキソ−19,27−ジオキサ−5,7,8,11,24−ペンタアザヘキサシクロ[22.6.2.16,9.02,7.013,18.028,32]トリトリアコンタ−1(30),2,4,6(33),8,13(18),14,16,21,28,31−ウンデカエン−3−イル]酢酸;
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(20Z)−31−クロロ−16−フルオロ−4−メチル−10−オキソ−19,27−ジオキサ−5,7,8,11,24−ペンタアザヘキサシクロ[22.6.2.16,9.02,7.013,18.028,32]トリトリアコンタ−1(30),2,4,6(33),8,13(18),14,16,20,28,31−ウンデカエン−3−イル]酢酸;
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(21E)−31−クロロ−16−フルオロ−4−メチル−10−オキソ−19,27−ジオキサ−5,7,8,11,24−ペンタアザヘキサシクロ[22.6.2.16,9.02,7.013,18.028,32]トリトリアコンタ−1(30),2,4,6(33),8,13(18),14,16,21,28,31−ウンデカエン−3−イル]酢酸;
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(20Z)−31−クロロ−16−フルオロ−4−メチル−10−オキソ−19,27−ジオキサ−5,7,8,11,24−ペンタアザヘキサシクロ[22.6.2.16,9.02,7.013,18.028,32]トリトリアコンタ−1(30),2,4,6(33),8,13(18),14,16,20,28,31−ウンデカエン−3−イル]酢酸;
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−{31−クロロ−16−フルオロ−4−メチル−10−オキソ−19,27−ジオキサ−5,7,8,11,24−ペンタアザヘキサシクロ[22.6.2.16,9.02,7.013,18.028,32]トリトリアコンタ−1(30),2,4,6(33),8,13(18),14,16,28,31−デカエン−3−イル}酢酸;
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[31−クロロ−4−メチル−10−オキソ−27−オキサ−5,7,8,11,24−ペンタアザヘキサシクロ[22.6.2.16,9.02,7.013,18.028,32]トリトリアコンタ−1(30),2,4,6(33),8,13(18),14,16,21,28,31−ウンデカエン−3−イル]酢酸;
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−{31−クロロ−4−メチル−10−オキソ−27−オキサ−5,7,8,11,24−ペンタアザヘキサシクロ[22.6.2.16,9.02,7.013,18.028,32]トリトリアコンタ−1(30),2,4,6(33),8,13(18),14,16,28,31−デカエン−3−イル}酢酸;
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(21E)−16−フルオロ−4,25−ジメチル−10−オキソ−19,24−ジオキサ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[23.2.2.16,9.02,7.013,18]トリアコンタ−2,4,6(30),8,13,15,17,21−オクタエン−3−イル]酢酸;
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−{16−フルオロ−4,25−ジメチル−10−オキソ−19,24−ジオキサ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[23.2.2.16,9.02,7.013,18]トリアコンタ−2,4,6(30),8,13(18),14,16−ヘプタエン−3−イル}酢酸;
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(21E)−4−メチル−10−オキソ−19−オキサ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[22.2.2.16,9.02,7.013,18]ノナコサ−2,4,6(29),8,13(18),14,16,21−オクタエン−3−イル]酢酸;
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(21Z)−4−メチル−10−オキソ−19−オキサ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[22.2.2.16,9.02,7.013,18]ノナコサ−2,4,6(29),8,13(18),14,16,21−オクタエン−3−イル]酢酸;
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−{4−メチル−10−オキソ−19−オキサ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[22.2.2.16,9.02,7.013,18]ノナコサ−2,4,6(29),8,13(18),14,16−ヘプタエン−3−イル}酢酸;
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(21Z)−4−メチル−10−オキソ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[22.2.2.16,9.02,7.013,18]ノナコサ−2,4,6(29),8,13(18),14,16,21−オクタエン−3−イル]酢酸;
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(21E)−4−メチル−10−オキソ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[22.2.2.16,9.02,7.013,18]ノナコサ−2,4,6(29),8,13(18),14,16,21−オクタエン−3−イル]酢酸;
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(21E)−16−フルオロ−4−メチル−10−オキソ−19−オキサ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[22.2.2.16,9.02,7.013,18]ノナコサ−2,4,6(29),8,13(18),14,16,21−オクタエン−3−イル]酢酸;
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(21Z)−16−フルオロ−4−メチル−10−オキソ−19−オキサ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[22.2.2.16,9.02,7.013,18]ノナコサ−2,4,6(29),8,13(18),14,16,21−オクタエン−3−イル]酢酸;
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−{16−フルオロ−4−メチル−10−オキソ−19−オキサ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[22.2.2.16,9.02,7.013,18]ノナコサ−2,4,6(29),8,13(18),14,16−ヘプタエン−3−イル}酢酸;
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(15E)−4,19−ジメチル−18−オキサ−1,5,7,8,10−ペンタアザデトラシクロ[17.2.2.16,9.02,7]テトラコサ−2,4,6(24),8,15−ペンタエン−3−イル]酢酸;
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(20E)−4,24−ジメチル−18,23−ジオキサ−1,5,7,8,10−ペンタアザペンタシクロ[22.2.2.16,9.02,7.012,17]ノナコサ−2,4,6(29),8,12(17),13,15,20−オクタエン−3−イル]酢酸;
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−{13−ヒドロキシ−4,27−ジメチル−10−オキソ−21,26−ジオキサ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[25.2.2.16,9.02,7.015,20]ドトリアコンタ−2,4,6(32),8,15(20),16,18−ヘプタエン−3−イル}酢酸;
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−{13−ヒドロキシ−4,27−ジメチル−10−オキソ−21,26−ジオキサ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[25.2.2.16,9.02,7.015,20]ドトリアコンタ−2,4,6(32),8,15(20),16,18−ヘプタエン−3−イル}酢酸;および
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−{4,27−ジメチル−10,13−ジオキソ−21,26−ジオキサ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[25.2.2.16,9.02,7.015,20]ドトリアコンタ−2,4,6(32),8,15(20),16,18−ヘプタエン−3−イル}酢酸
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項12】
治療量の請求項1に記載の化合物および薬学的に許容される担体を含む、HIV感染の処置に有用な組成物。
【請求項13】
さらに治療有効量のヌクレオシドHIV逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシドHIV逆転写酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIV融合阻害剤、HIV付着阻害剤、CCR5阻害剤、CXCR4阻害剤、HIV出芽または成熟阻害剤およびHIVインテグラーゼ阻害剤からなる群から選択されるAIDSまたはHIV感染の処置に使用される少なくとも1種の他の薬剤および薬学的に許容される担体を含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
療有効量の請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を含む、HIV感染処置するための医薬組成物
【請求項15】
治療有効量のヌクレオシドHIV逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシドHIV逆転写酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIV融合阻害剤、HIV付着阻害剤、CCR5阻害剤、CXCR4阻害剤、HIV出芽または成熟阻害剤およびHIVインテグラーゼ阻害剤からなる群から選択されるAIDSまたはHIV感染の処置に使用される少なくとも1種の他の薬剤をさらに含む、請求項14に記載の医薬組成物
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年3月14日出願の米国特許仮出願番号61/781,315に基づく優先権を主張し、これは引用によりその全体を本明細書に包含させる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
本発明は、一般に、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の処置のための化合物、組成物および方法に関する。本発明は、HIVのための新規阻害剤、そのような化合物を含む医薬組成物およびHIV感染の処置におけるこれらの化合物の使用方法に関する。
【0003】
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、免疫系の破壊と生命を脅かす日和見感染症の制圧不能により特徴付けられる致死的疾患である後天性免疫不全症候群(AIDS)の病原因子とされている。最近の統計では、世界中で3330万もの多数の人々がこのウイルスに感染しているとされている(UNAIDS Report on the Global AIDS Epidemic 2010)。既感染者の数の多さに加えて、本ウイルスは拡散し続けている。1998年の推計では、単年度の新規感染者が600万に近づいている。同年のHIVおよびAIDSに関係する死者は約250万に達した。
【0004】
現在、この感染に対して使用できる多数の抗ウイルス剤がある。これらの薬物は、標的とするウイルスタンパク質または作用機序に基づき、複数群に分類できる。具体的に、サキナビル、インジナビル、リトナビル、ネルフィナビル、アタザナビル、ダルナビル、アンプレナビル、ホスアンプレナビル、ロピナビルおよびチプラナビルは、HIVにより発現されるアスパルチルプロテアーゼの競合的阻害剤である。ジドブジン、ジダノシン、スタブジン、ラミブジン、ザルシタビン、エムトリシタビン、テノフォビルおよびアバカビルは、ウイルスcDNA合成を停止させる基質模倣物として作用するヌクレオシ(チ)ド逆転写酵素阻害剤である。非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤であるネビラピン、デラビルジン、エファビレンツおよびエトラビリンは、非競合的(または不競合的)機構によりウイルスcDNA合成を阻害する。エンフュービルタイドおよびマラビロクは、宿主細胞へのウイルス進入を阻害する。HIVインテグラーゼ阻害剤であるラルテグラビル(MK-0518、Isentress(登録商標))は、処置経験患者に対する使用が承認されており、この阻害剤群は、種々のHIV阻害剤群との組み合わせレジメンにおいて極めて有効であることは明らかである。
【0005】
これらの薬剤は、単独使用でもウイルス複製の低減に有効である。しかしながら、ウイルスが、単剤療法で使用された全ての既知薬物に対して容易に耐性を獲得するため、効果は一時的である。他方、組み合わせ治療は、多くの患者でウイルスの低減および耐性の出現の抑制の両方に極めて有効であることが証明されている。米国において、組み合わせ治療は広く利用可能であり、HIVによる死者数は劇的に減少している(Palella, F. J.; Delany, K. M.; Moorman, A. C.; Loveless, M. O.; Furher, J.; Satten, G. A.; Aschman, D. J.; Holmberg, S. D. N. Engl. J. Med. 1998, 338, 853-860)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
不運なことに、全ての患者がこの治療に応答するのではなく、多くが失敗している。事実、初期の試験では、有効な組合せの少なくとも1個の薬物が約30〜50%の患者で最終的に失敗している。処置失敗のほとんどの症例で、ウイルス耐性出現が原因である。他方、ウイルス耐性は、ウイルスポリメラーゼに関係する相対的に高いウイルス変異率と組み合わさった感染経過におけるHIV−1複製速度およびHIV感染個体による処方薬の服用順守の欠如が原因である。明らかに、新規抗ウイルス剤、特に既承認薬物に既に耐性であるウイルスに対して活性を有するものに対する需要がある。他の重要な要素は、多くの既承認薬物よりも改善された安全性とより容易な投与レジメンを含む。
【0007】
HIV複製を阻害する化合物は開示されている。WO2007131350、WO2009062285、WO2009062288、WO2009062289、WO2009062308、WO2010130034、WO2010130842、WO2011015641、WO2011076765、WO2012003497、WO2012003498、WO2012033735、WO2012065963およびWO2012066442参照。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、技術的利点を提供し、例えば、化合物は新規であり、HIVの処置に有用である。さらに、本化合物は、例えば、その作用機序、結合、阻害有効性、標的選択性、溶解度、安全性プロファイルまたはバイオアベイラビリティの1個以上に関して、医薬使用上の利点をもたらす。
【0009】
発明の記載
本発明は、その薬学的に許容される塩を含む式Iの化合物、その医薬組成物およびHIVインテグラーゼの阻害およびHIV感染者またはAIDSの処置におけるそれらの使用を包含する。
【0010】
本発明の一つの面は、式I
【化1】
〔式中、
は水素またはアルキルであり;
は水素またはアルキルであり;
は水素、アルキルまたはハロであり;
は−CONH−、−CONHCHCO−、−CONHCHC(OH)H−または−NH−であり;;
は存在しないかまたはハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシおよびハロアルコキシから選択される0〜3個の置換基で置換されていてよいベンジルであり;
はOであるかまたはXが存在しないとき存在せず;
はアルキレンまたはアルケニレンであり;
はOであるかまたは存在せず;
はアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニルまたはホモモルホリニルであり、0〜3個のハロまたはアルキル置換基で置換されているか;
またはXはフェニルまたはオキサジニルであり、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシおよびハロアルコキシから選択される0〜3個の置換基で置換されている。〕
の化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0011】
本発明の他の面は、Rが水素またはアルキルであり;Rが水素またはアルキルであり;Rが水素、アルキルまたはハロであり;Xが−CONH−または−NH−であり;Xが存在しないかまたはハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシおよびハロアルコキシから選択される0〜3個の置換基で置換されていてよいベンジルであり;XがOであるかまたはXが存在しないとき存在せず;Xがアルキレンまたはアルケニレンであり;XがOであるかまたは存在せず;Xがアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニルまたはホモモルホリニルであり、0〜3個のハロまたはアルキル置換基で置換されているか;またはXがフェニルまたはオキサジニルであり、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシおよびハロアルコキシから選択される0〜3個の置換基で置換されている;式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0012】
本発明の他の面は、Rがアルキルであり;Rがアルキルであり;Rが水素であり;Xが−CONH−または−NH−であり;Xが存在しないかまたはハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシおよびハロアルコキシから選択される0〜3個の置換基で置換されていてよいベンジルであり;XがOであるかまたはXが存在しないとき存在せず;Xがアルキレンまたはアルケニレンであり;XがOであるかまたは存在せず;Xがアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニルまたはホモモルホリニルであり、0〜3個のハロまたはアルキル置換基で置換されているか;またはXがフェニルまたはオキサジニルであり、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシおよびハロアルコキシから選択される0〜3個の置換基で置換されている;式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0013】
本発明の他の面は、Rがアルキルであり;Rがアルキルであり;Rが水素であり;Xが−CONH−または−NH−であり;Xが存在しないかまたは0〜1個の置換基で置換されていてよいベンジルであり;XがOであるかまたはXが存在しないとき存在せず;Xがアルキレンまたはアルケニレンであり;XがOであるかまたは存在せず;Xが0〜1個のアルキル置換基で置換されているピペリジニルであり;またはXが0〜1個のハロ置換基で置換されているフェニルまたはオキサジニルである;式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0014】
本発明の他の面は、Rがアルキル、RがアルキルおよびRが水素である、式Iの化合物である。
【0015】
本発明の他の面は、Xが−CONH−である、式Iの化合物である。
本発明の他の面は、Xが−NH−である、式Iの化合物である。
【0016】
本発明の他の面は、Xがハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシおよびハロアルコキシから選択される0〜3個の置換基で置換されているベンジルであり;XがOまたは存在しない、式Iの化合物である。
【0017】
本発明の他の面は、XおよびXが存在しない、式Iの化合物である。
本発明の他の面は、Xがプロピレン、プロペニレン、ブチレン、ブテニレン、ペンチレンまたはペンテニレン、式Iの化合物である。
【0018】
、R、R、X、X、X、X、XおよびXを含む任意の可変基の各範囲は、他の場合の可変基の範囲如何と関わりなく使用できる。
【0019】
特に断らない限り、これらの用語は次の意味を有する。“アルキル”は、1〜6個の炭素からなる直鎖または分枝鎖アルキル基を含む。“アルケニル”は、2〜6個の炭素からなり、少なくとも1個の二重結合を有する直鎖または分枝鎖アルキル基を意味する。“アルキレン”は、1〜8個の炭素からなる直鎖または分枝鎖二価アルキル基を意味する。“アルケニレン”は、2〜8個の炭素からなり、少なくとも1個の二重結合を有する直鎖または分枝鎖二価アルケン基を意味する。“シクロアルキル”は、3〜7個の炭素からなる単環式環系を意味する。“ヒドロキシアルキル”、“アルコキシ”および置換アルキル部分を有する他の用語は、アルキル部分について1〜6個の炭素原子からなる直鎖または分枝鎖異性体を意味する。“ハロ”はフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを含む。“ハロ”は、ハロで、例えば、“ハロアルキル”および“ハロアルコキシ”、“ハロフェニル”および“ハロフェノキシ”で定義した置換基でモノハロ置換から過ハロ置換された全てのハロゲン化異性体を含む。“アリール”は、炭素環式およびヘテロ環式芳香族置換基を含む。複数環系(例えば二環式環系)上の種々の位置に結合することが化学式で示されている置換基は、結合することが示される環に結合することを意図する。確固に入れたおよび多数の確固に入れた用語は、当業者に結合関係を明示することを意図する。例えば、((R)アルキル)のような用語は、さらに置換基Rで置換されているアルキル置換基を意味する。
【0020】
本発明は、化合物の全ての薬学的に許容される塩形態を含む。薬学的に許容される塩は、カウンターイオンが、化合物の生理学的活性または毒性に顕著に寄与せず、薬理学的等価物として機能するようなものである。これらの塩は、市販の試薬を用いて、通常の有機化学技術により製造できる。いくつかのアニオン性塩形態は、酢酸塩、アシストラート、ベシル酸塩、臭化物、塩化物、クエン酸塩、フマル酸塩、グルクロン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヨウ化物、乳酸塩、マレイ酸塩、メシル酸塩、硝酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩およびキシナホ酸塩を含む。いくつかのカチオン性塩形態は、アンモニウム、アルミニウム、ベンザチン、ビスマス、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、リチウム、マグネシウム、メグルミン、4−フェニルシクロヘキシルアミン、ピペラジン、カリウム、ナトリウム、トロメタミンおよび亜鉛を含む。
【0021】
本発明の化合物のいくつかは、立体異性形態で存在する。本発明は、エナンチオマーおよびジアステレオマーを含む、化合物の全ての立体異性形態を含む。立体異性体の製造法および分割法は当分野で知られる。本発明は、化合物の全ての互変異性形態を含む。本発明は、アトロプ異性体および回転異性体を含む。
【0022】
本発明は、本化合物に存在する原子の全ての同位体を含むことを意図する。同位体は、同じ原子番号を有するが、質量数が異なる原子を含む。一般的例として、限定しないが、水素の同位体は重水素およびトリチウムを含む。炭素の同位体は13Cおよび14Cを含む。同位体標識した本発明の化合物は、一般に当業者に知られる慣用技術によりまたはここに記載するものに準じた方法により、他の点で用いた非標識反応材に変えて、適当な同位体標識した反応材を使用して製造できる。このような化合物は、例えば生物学的活性の測定における標準および反応材として、多様な潜在的用途を有し得る。安定な同位体の場合、このような化合は生物学的、薬理学的または薬物動態特性を好都合に修飾する可能性を有し得る。
【0023】
生物学的方法
HIV複製の阻害。NL4−3からのnef遺伝子の部分をウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子に置き換えた組み換えNL−Rlucウイルスを構築した。NL−RLucウイルスを、pNLRLucおよびpVSVenvの2個のプラスミドの同時トランスフェクションにより製造した。pNLRLucは、PvuII部位でpUC18にクローン化されたNL−Rluc DNAを含み、一方pVSVenvは、LTRプロモーターに結合したVSV Gタンパク質のための遺伝子を含む。トランスフェクションを、293T細胞中、1:3比のpNLRLuc対pVSVenvで、Invitrogen(Carlsbad, CA)からのLipofectAMINE PLUSキットを製造者の指示に従い使用して実施し、作製した偽型ウイルスをMT−2細胞で力価測定した。感受性分析のために、力価測定したウイルスを使用して、化合物存在下でMT−2細胞を感染させ、5日間のインキュベーション後、細胞を処理し、発現されたルシフェラーゼの量によりウイルス増殖を定量した。これは、ウイルス増殖の、その結果、試験化合物の抗ウイルス活性の定量のための単純かつ容易な方法を提供する。ルシフェラーゼを、Promega(Madison, WI)からのDual Luciferaseキットを使用して定量した。
【0024】
化合物に対するウイルスの感受性を、化合物の連続希釈の存在下でのインキュベーションにより決定した。50%有効濃度(EC50)を、半有効等式からの外挿形を使用して使用して計算し、これは、(Fa)=1/[1+(ED50/薬物濃度)](Johnson VA, Byington RT. Infectivity Assay. In Techniques in HIV Research. ed. Aldovini A, Walker BD. 71-76. New York: Stockton Press.1990)であった。化合物の抗ウイルス活性を10%FBS、15mg/ml ヒト血清アルブミン/10%FBSまたは40%ヒト血清/5%FBSの3血清条件下で評価し、少なくとも2回の実験をEC50値の計算に使用した。結果を表1に示す。
【表1】
【0025】
医薬組成物および使用方法
本発明の化合物はHIV複製を阻害する。従って、本発明の他の面は、治療有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される担体と共に投与することを含む、ヒト患者におけるHIV感染の処置方法である。
【0026】
本発明の他の面は、AIDSまたはHIV感染の処置用医薬の製造における、式Iの化合物の使用である。
【0027】
本発明の他の面は、治療有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、治療有効量のヌクレオシドHIV逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシドHIV逆転写酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIV融合阻害剤、HIV付着阻害剤、CCR5阻害剤、CXCR4阻害剤、HIV出芽または成熟阻害剤およびHIVインテグラーゼ阻害剤からなる群から選択されるAIDSまたはHIV感染の処置に使用される少なくとも1種の他の薬剤の投与を含む、ヒト患者におけるHIV感染の処置方法である。
【0028】
本発明の他の面は、該薬剤がヌクレオシドHIV逆転写酵素阻害剤である、方法である。
本発明の他の面は、ヌクレオシドHIV逆転写酵素阻害剤がアバカビル、ジダノシン、エムトリシタビン、ラミブジン、スタブジン、テノフォビル、ザルシタビンおよびジドブジンまたはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法である。
【0029】
本発明の他の面は、該薬剤が非ヌクレオシドHIV逆転写酵素阻害剤である、方法である。
【0030】
本発明の他の面は、非ヌクレオシドHIV逆転写酵素阻害剤がデラビルジン、エファビレンツおよびネビラピンまたはその薬学的に許容される塩から選択される、方法である。
本発明の他の面は、薬剤がHIVプロテアーゼ阻害剤である、方法である。
【0031】
本発明の他の面は、HIVプロテアーゼ阻害剤がアンプレナビル、アタザナビル、インジナビル、ロピナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビルおよびホスアンプレナビルまたはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法である。
【0032】
本発明の他の面は、薬剤がHIV融合阻害剤である、方法である。
本発明の他の面は、HIV融合阻害剤がエンフュービルタイドまたはT−1249またはその薬学的に許容される塩である、方法である。
【0033】
本発明の他の面は、該薬剤がHIV付着阻害剤である、方法である。
本発明の他の面は、該薬剤がCCR5阻害剤である、方法である。
【0034】
本発明の他の面は、CCR5阻害剤がSch−C、Sch−D、TAK−220、PRO−140およびUK−427,857またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、方法である。
【0035】
本発明の他の面は、薬剤がCXCR4阻害剤である、方法である。
本発明の他の面は、CXCR4阻害剤がAMD−3100またはその薬学的に許容される塩である、方法である。
【0036】
本発明の他の面は、該薬剤がHIV出芽または成熟阻害剤である、方法である。
本発明の他の面は、出芽または成熟阻害剤がPA−457またはその薬学的に許容される塩である、方法である。
本発明の他の面は、該薬剤がHIVインテグラーゼ阻害剤である、方法である。
【0037】
本発明の他の面は、治療有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩と、ヌクレオシドHIV逆転写酵素阻害剤、非ヌクレオシドHIV逆転写酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、HIV融合阻害剤、HIV付着阻害剤、CCR5阻害剤、CXCR4阻害剤、HIV出芽または成熟阻害剤およびHIVインテグラーゼ阻害剤からなる群から選択されるAIDSまたはHIV感染の処置に使用される少なくとも1種の他の薬剤および薬学的に許容される担体を含む、医薬組成物である。
【0038】
本発明の他の面は、該薬剤がヌクレオシドHIV逆転写酵素阻害剤である、組成物である。
本発明の他の面は、ヌクレオシドHIVトランスクリプターゼ阻害剤がアバカビル、ジダノシン、エムトリシタビン、ラミブジン、スタブジン、テノフォビル、ザルシタビンおよびジドブジンまたはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、組成物である。
【0039】
本発明の他の面は、該薬剤が非ヌクレオシドHIV逆転写酵素阻害剤である、組成物である。
【0040】
本発明の他の面は、非ヌクレオシドHIV逆転写酵素阻害剤がデラビルジン、エファビレンツおよびネビラピンまたはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、組成物である。
【0041】
本発明の他の面は、該薬剤がHIVプロテアーゼ阻害剤である、組成物である。
本発明の他の面は、HIVプロテアーゼ阻害剤がアンプレナビル、アタザナビル、インジナビル、ロピナビル、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビルおよびホスアンプレナビルまたはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、組成物である。
【0042】
本発明の他の面は、該薬剤がHIV融合阻害剤である、組成物である。
本発明の他の面は、HIV融合阻害剤がエンフュービルタイドまたはT−1249またはその薬学的に許容される塩である、組成物である。
【0043】
本発明の他の面は、該薬剤がHIV付着阻害剤である、組成物である。
本発明の他の面は、該薬剤がCCR5阻害剤である、組成物である。
【0044】
本発明の他の面は、CCR5阻害剤がSch−C、Sch−D、TAK−220、PRO−140およびUK−427,857またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、組成物である。
【0045】
本発明の他の面は、該薬剤がCXCR4阻害剤である、組成物である。
本発明の他の面は、CXCR4阻害剤がAMD−3100またはその薬学的に許容される塩である、組成物である。
【0046】
本発明の他の面は、該薬剤がHIV出芽または成熟阻害剤である、組成物である。
本発明の他の面は、出芽または成熟阻害剤がPA−457またはその薬学的に許容される塩である、組成物である。
本発明の他の面は、該薬剤がHIVインテグラーゼ阻害剤である、組成物である。
【0047】
式Iの化合物と、少なくとも1種の抗HIV剤の投与をいう“組み合わせ”、“共投与”、“併用”および類似の用語は、これらの成分が、AIDSおよびHIV感染の分野の実施者に理解される組み合わせ抗レトロウイルス剤療法または高活性抗レトロウイルス剤療法(HAART)の一部であることを意味する。
【0048】
“治療的有効”は、AIDSおよびHIV感染の分野の実施者に理解される、意味のある患者利益を提供するために必要な薬剤の量を意味する。一般に、処置の目標は、ウイルス負荷の減少、免疫機能の回復および保存、クオリティ・オブ・ライフ改善およびHIV関連罹病率および死亡率低下である。
【0049】
“患者”は、AIDSおよびHIV感染の分野の実施者により理解されるHIVウイルスに感染し、治療に適する人を意味する。
【0050】
“処置”、“治療”、“レジメン”、“HIV感染”、“ARC”、“AIDS”および関連用語は、AIDSおよびHIV感染の分野の実施者に理解されるとおり使用する。
【0051】
本発明の化合物は、一般に治療有効量の式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物として投与され、慣用の添加物を含み得る。治療有効量は、意味のある患者利益を提供するのに必要な量である。薬学的に許容される担体は、許容される安全性プロファイルを有する慣用的に知られる担体である。組成物は、カプセル剤、錠剤、ロゼンジ剤および散剤ならびに液体懸濁液剤、シロップ剤、エリキシル剤および溶液剤を含む、全ての一般的固体および液体形態を含む。組成物は、慣用的製剤技術を使用して製造し、慣用的添加物(例えば結合剤および湿潤剤)および媒体(例えば水およびアルコール類)を一般に組成物のために使用する。例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th edition, Mack Publishing Company, Easton, PA (1985)参照。
【0052】
固体組成物は通常投与単位で製剤され、投与量あたり約1〜1000mgの活性成分を提供する組成物が好ましい。投与量のいくつかの例は、1mg、10mg、100mg、250mg、500mgおよび1000mgである。一般に、他の抗レトロウイルス剤は、そのクラスで臨床的に使用される薬剤と類似の単位範囲で存在する。典型的に、これは0.25〜1000mg/単位である。
【0053】
液体組成物は、通常投与単位範囲である。一般に、液体組成物は1〜100mg/mLの単位投与量範囲である。投与量のいくつかの例は1mg/mL、10mg/mL、25mg/mL、50mg/mLおよび100mg/mLである。一般に、他の抗レトロウイルス剤は、そのクラスで臨床的に使用される薬剤と類似の単位範囲で存在する。典型的に、これは1〜100mg/mLである。
【0054】
本発明は、全ての慣用の投与方法を含み、経口および非経腸方法が好ましい。一般に、投与レジメンは、臨床的に使用される他の抗レトロウイルス剤に類似する。典型的に、1日投与量は、1日1〜100mg/kg体重である。一般に、経口で多くの化合物が必要であり、非経腸では少ない。しかしながら、具体的投与レジメは、合理的な医学的判断を使用して、医師により決定される。
【0055】
本発明は、化合物を組み合わせ治療で与える方法も包含する。すなわち、化合物を、AIDSおよびHIV感染の処置に有用な他の薬剤と一緒に、しかし、別々に、使用できる。これらの薬剤のいくつかは、HIV付着阻害剤、CCR5阻害剤、CXCR4阻害剤、HIV細胞融合阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIVヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、HIV非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、HIVプロテアーゼ阻害剤、出芽および成熟阻害剤、免疫調節剤および抗感染剤を含む。これらの組み合わせ方法において、式Iの化合物は、一般に1日1〜100mg/kg体重の1日量で、他の薬剤と共に投与する。他の薬剤は、一般に治療的に使用される量で投与する。しかしながら、具体的投与レジメは、合理的な医学的判断を使用して、医師により決定される。
【実施例】
【0056】
合成方法
本発明の化合物は、次のスキームおよび具体的態様の部分に示すものを含む、当分野で知られる種々の方法により製造できる。合成スキームにおいて示す構造番号付けおよび可変基番号付けは、特許請求の範囲または明細書の他の部分の構造または可変基番号付けと異なり、混乱してはならない。スキームにおける可変基は、本発明の化合物のいくつかをどのように製造するかを説明することのみを意図する。本発明は先の説明的例に限定されず、例はあらゆる点で制限的ではなく説明的と見なすべきであり、先の例ではなく添付する特許請求の範囲を参照すべきであり、請求の範囲と等価の意味および範囲に入る全ての変化は包含されると意図される。
【0057】
スキームおよび実施例で使用する略語は、一般に当分野での慣例に従う。本明細書および実施例で使用する化学的略語は次の通りである。“KHMDS”はカリウムビス(トリメチルシリル)アミドであり;“DMF”はN,N−ジメチルホルムアミドであり;“HATU”はO−(t−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートであり、“MeOH”はメタノールであり;“Ar”はアリールであり;“TFA”はリフルオロ酢酸であり、“DMSO”はジメチルスルホキシドであり;“h”は時間であり;“rt”は室温または保持時間(文脈により決定される)であり;“min”は分であり;“EtOAc”は酢酸エチルであり;“THF”はテトラヒドロフランであり;“EtO”はジエチルエーテルであり;“DMAP”は4−ジメチルアミノピリジンであり;“DCE”は1,2−ジクロロエタンであり;“ACN”はアセトニトリルであり;“DME”は1,2−ジメトキシエタンであり;“HOBt”は1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物であり;“DIEA”はジイソプロピルエチルアミンである。
【0058】
ここで使用する略語は、次のとおり定義する。“1×”は1回、“2×”は2回、“3×”は3回、“℃”は摂氏度、“eq”は当量、“g”はグラム、“mg”はミリグラム、“L”はリットル、“mL”はミリリットル、“μL”はマイクロリットル、“N”は規定、“M”はモル濃度、“mmol”はミリモル濃度、“atm”は雰囲気、“psi”は平方インチあたりのポンド、“濃”は濃縮、“sat”または“sat'd”は飽和、“MW”は分子量、“mp”は融点、“ee”はエナンチオマー過剰、“MS”または“Mass Spec”はマススペクトロメトリー、“ESI”はエレクトロスプレーイオン化質量分析、“HR”は高解像度、“HRMS”は高解像度マススペクトロメトリー、“LCMS”は液体クロマトグラフィーマススペクトロメトリー、“HPLC”は高速液体クロマトグラフィー、“RP HPLC”は逆相HPLC、“TLC”または“tlc”は薄層クロマトグラフィー、“NMR”は核磁気共鳴スペクトロスコピー、“H”はプロトン、“δ”はデルタ、“s”は一重項、“d”は二重項、“t”は三重項、“q”は四重項、“m”は多重項、“br”は幅広、“Hz”はヘルツおよび“α”、“β”、“R”、“S”、“E”および“Z”は、当業者に周知の立体化学記号である。
【0059】
ある化合物は、適当に置換されたヘテロ環I−1からスキームIに従い合成でき、化合物I−1およびI−2は市販されているかまたは当分野で知られる反応により合成される。中間体I−3は当分野で知られる方法によりまたは下の実施例に示すとおり化合物I−1および化合物I−2を使用して製造できる。中間体I−3は、当業者に知られる条件を使用して、中間体I−4を経て、中間体I−5に変換できる。中間体I−5は、デーヴィス酸化を含む、当分野で知られる反応により、中間体I−6に酸化できる。中間体I−6は、デス・マーチン酸化を含む、知られる条件により、中間体I−7に酸化できる。中間体I−7は、触媒的キラルリガンドの存在下、知られる条件を使用して、キラル中間体I−8に還元できる。中間体I−8は、酢酸3級ブチルおよび過塩素酸を含む、知られる条件により、中間体I−9に変換できる。続く、鈴木カップリングを含む、当分野で知られる条件を使用するアリール基の中間体I−9へのカップリングは、中間体10および11を提供できる。ボロナートまたはボロン酸カップリング剤は市販されているかまたは当分野で知られる反応により製造される(例えば、PCT出願WO20090662285参照)。中間体I−11は、閉環メタセシスを含む、当分野で知られる条件により、中間体I−12に変換できる。中間体I−12の加水分解により生成物I−13を得て、これを、当分野で知られる条件を使用して、I−14に変換できる。
【0060】
【化2】
【0061】
中間体I−6は、スキームIIに略記するとおり当分野で知られる方法により、最終化合物II−5およびII−6に変換できる。
【化3】
【0062】
中間体II−4は、スキームIIIに略記するとおり当分野で知られる方法により、最終化合物III−4およびIII−5に変換できる。
【化4】
【0063】
ここに記載する化合物は、適当な溶媒系を使用する順相カラムシリカゲルクロマトグラフィーカラムにより、当業者に知られる方法で精製した。この実験の章に記載する分取HPLC精製は、移動相A:9:1 HO/アセトニトリルと10mM NHOAcおよび移動相B:A:9:1 アセトニトリル/HOと:10mM NHOAcまたは移動相A:95:5 HO/MeOHと20mM NHOAcおよび移動相B:95:5 MeOH/HOと20mM NHOAcのいずれかを使用して、C18分取カラム(5μm)上の勾配溶出により行った。
【0064】
【化5】
エチル6−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−7−ヒドロキシ−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート:エチル5−アミノ−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(35.5g、229mmol、WO2008015271に従い製造)、ジエチル2−アセチルスクシネート(51.2mL、275mmol)およびTsOH・HO(0.218g、1.144mmol)のo−キシレン(500mL)懸濁液を、ディーン・スタークコンデンサーを使用して5時間還流した(注:懸濁液は透明均一溶液となり、約15分で黄色固体が溶液から析出し始める)。反応混合物を冷却し、ヘキサン(250mL)で希釈し、濾過し、ヘキサンで洗浄し、乾燥して、エチル6−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−7−ヒドロキシ−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(53g、75%収率)を明黄色固体として得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 12.61 (br. s., 1H), 6.49 (s, 1H), 4.34 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 4.09 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 3.57 (s, 2H), 2.34 (s, 3H), 1.33 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.19 (t, J = 7.0 Hz, 3H). LCMS (M+1) = 308.04
【0065】
【化6】
エチル7−クロロ−6−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート:エチル6−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−7−ヒドロキシ−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(25g、81mmol)およびN,N−ジメチルアニリン(20.6mL、163mmol)のPOCl(100mL)中の混合物を120℃で3時間加熱した。反応物をrtに冷却し、半分の体積まで減圧下濃縮した。大量の氷水に注加し、20分撹拌した。沈殿が形成され、濾過により取得した。この固体を酢酸エチル(1L)に溶解し、水で洗浄した。水層を酢酸エチルで逆抽出し、合わせた有機層を塩水(200mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下濃縮した。粗製物をEtOAc/ヘキサンで摩砕して、エチル7−クロロ−6−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(22g、67.5mmol、83%収率)を明黄色固体として得た。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.21 (s, 1H), 4.52 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 4.24 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 3.94 (s, 2H), 2.66 (s, 3H), 1.48 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.30 (t, J = 7.2 Hz, 3H). LCMS (M+1) = 326.2
【0066】
【化7】
エチル6−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−7−ヨード−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート:エチル7−クロロ−6−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(5g、15.35mmol)およびヨウ化ナトリウム(9.20g、61.4mmol)をアセトニトリル(80mL)に懸濁し、得られた混合物を80℃で2時間加熱した。この時点でLCMSは反応の完了と所望の生成物の出現を示した。Rtに冷却後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、水およびNa水溶液で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗製の生成物を酢酸エチル/ヘキサンで摩砕して、エチル6−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−7−ヨード−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(5.7g、13.66mmol、89%収率)を灰白色固体として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ: 7.32 (s, 1H), 4.51 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 4.25 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 4.02 (s, 2H), 2.68 (s, 3H), 1.48 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.31 (t, J = 7.2 Hz, 3H). LCMS (M+H) = 418.2
【0067】
【化8】
エチル6−(2−エトキシ−1−ヒドロキシ−2−オキソエチル)−7−ヨード−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート:撹拌中の0.9M KHMDS/THF(39.1mL、35.2mmol)のTHF(100mL)溶液に、−78℃で、エチル6−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−7−ヨード−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(11.3g、27.1mmol)のTHF(50mL)溶液を5分かけて添加した。30分後、3−フェニル−2−(フェニルスルホニル)−1,2−オキサジリジン(9.20g、35.2mmol)のTHF(50mL)溶液を赤色反応混合物に添加し、さらに30分、−78℃で撹拌した。得られた橙色反応混合物を飽和NHCl(50mL)で反応停止し、EtOAc(200mL)で希釈し、水(100mL)、塩水(100mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮して、固体を得た。この固体を少量の酢酸エチルで摩砕し、固体を濾過し、ヘキサンで洗浄し、高減圧下に乾燥して、エチル6−(2−エトキシ−1−ヒドロキシ−2−オキソエチル)−7−ヨード−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(7.3g、16.85mmol、62.2%収率)を明黄色固体として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ: 7.33 (s, 1H), 5.75 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 4.52 (qd, J = 7.1, 1.2 Hz, 2H), 4.37 - 4.30 (m, 2H), 3.57 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 2.63 (s, 3H), 1.48 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.27 (t, J = 7.0 Hz, 3H). LCMS (M+H) = 434.1
【0068】
【化9】
エチル6−(2−エトキシ−2−オキソアセチル)−7−ヨード−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート:エチル6−(2−エトキシ−1−ヒドロキシ−2−オキソエチル)−7−ヨード−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(3.7g、6.41mmol)のCHCl(80mL)中の混合物に、デス・マーチンペルヨージナン(2.72g、6.41mmol)を添加し、得られた混合物をrtで1時間撹拌した。酢酸エチル(500mL)で希釈し、飽和NaHCO溶液(100mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮し、残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(5〜70%EtOAc/ヘキサン)で精製して、所望のエチル6−(2−エトキシ−2−オキソアセチル)−7−ヨード−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(2.5g、5.80mmol、91%収率)を灰白色固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ: 7.36 (s, 1H), 4.50 (dq, J = 14.5, 7.1 Hz, 4H), 2.56 (s, 3H), 1.46 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.48 (t, J = 7.2 Hz, 3H). LCMS (M+H) = 431.87
【0069】
【化10】
(S)−エチル6−(2−エトキシ−1−ヒドロキシ−2−オキソエチル)−7−ヨード−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート:撹拌中のエチル6−(2−エトキシ−2−オキソアセチル)−7−ヨード−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(6.4g、14.84mmol)の無水トルエン(300mL)中の黄色溶液に、1.1M (R)−1−メチル−3,3−ジフェニルヘキサヒドロピロロ[1,2−c][1,3,2]オキサザボロール/トルエン(5.40mL、5.94mmol)を添加した。混合物を−35℃に冷却し、50%カテコボラン/トルエン(5.09mL、20.78mmol)溶液を10分かけて添加した。30分後、反応混合物を−15℃までゆっくり温め、さらに2時間撹拌し、EtOAc(600mL)および飽和NaCO(100mL)で希釈した。混合物を30分激しく撹拌し、有機層を飽和NaCO(2×100mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮し、残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(5〜100%EtOAc/ヘキサン)で精製して、所望の(S)−エチル6−(2−エトキシ−1−ヒドロキシ−2−オキソエチル)−7−ヨード−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(5.3g、12.23mmol、82%収率)を灰白色固体として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ: 7.33 (s, 1H), 5.75 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 4.52 (qd, J = 7.1, 1.1 Hz, 2H), 4.38 - 4.29 (m, 2H), 3.59 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 2.63 (s, 3H), 1.48 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.27 (t, J = 7.2 Hz, 3H). LCMS (M+H) = 434.2
【0070】
【化11】
(S)−エチル6−(1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−7−ヨード−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート:撹拌中の(S)−エチル6−(2−エトキシ−1−ヒドロキシ−2−オキソエチル)−7−ヨード−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(5.3g、12.23mmol)のCHCl(150mL)および酢酸t−ブチル(105mL)溶液に、過塩素酸(3.15mL、36.7mmol)をrtで添加し、反応フラスコを密閉した。3時間後、反応混合物をCHCl(100mL)で希釈し、飽和NaHCO(50mL)で注意深く反応停止させ、有機層を分離し、塩水(100mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮して、黄色液体を得た。これをシリカゲルカラム上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤として10〜50%EtOAc/Hex使用)で精製して、所望の(S)−エチル6−(1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−7−ヨード−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(4.5g、8.28mmol、67.7%収率)を粘性油状物として得た。700mgの出発物質も回収した。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ: 7.31 (s, 1H), 5.56 (s, 1H), 4.51 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 4.26 - 4.16 (m, 2H), 2.71 (s, 3H), 1.48 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 1.30 (s, 9H), 1.23 (t, J = 7.0 Hz, 3H). LCMS (M+H) = 490.0
【0071】
【化12】
エチル6−((S)−1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチル−7−(2−ビニルフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート:(S)−エチル6−(1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−7−ヨード−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(300mg、0.613mmol)、(2−ビニルフェニル)ボロン酸(109mg、0.736mmol)および2N NaCO(0.613mL、1.226mmol)のDMF(5mL)中の混合物を30分脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(49.6mg、0.043mmol)を添加し、脱気をさらに15分続けた。混合物を100℃で16時間加熱した。この時点でLCMSは反応の完了と所望の生成物の出現を示した。室温に冷却後、水(20mL)を添加し、混合物をエーテル(2×50mL)で抽出し、塩水(25mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗製物をシリカゲルクロマトグラフィー(5〜60%EtOAc/ヘキサン)で精製して、エチル6−((S)−1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチル−7−(2−ビニルフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(110mg、0.236mmol、38.5%収率)をアトロプ異性体の混合物として得た(約10%の副アトロプ異性体が存在した)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.84 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.62 - 7.56 (m, 1H), 7.49 - 7.43 (m, 1H), 7.32 (dd, J=7.7, 0.9 Hz, 1H), 7.13 - 7.08 (m, 1H), 6.26 (dd, J=17.4, 10.9 Hz, 1H), 5.74 (dd, J=17.3, 0.8 Hz, 1H), 5.14 - 5.07 (m, 1H), 4.88 (s, 1H), 4.42 - 4.35 (m, 2H), 4.12 (q, J=7.0 Hz, 2H), 2.79 (s, 3H), 1.41 - 1.35 (m, 3H), 1.23 - 1.17 (m, 3H), 1.09 (s, 9H). LCMS (M+H) = 466.35
【0072】
【化13】
6−((S)−1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチル−7−(2−ビニルフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸:エチル6−((S)−1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチル−7−(2−ビニルフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(101mg、0.217mmol)のTHF(3mL)溶液に、1N NaOH(0.217mL、0.217mmol)を添加し、混合物を室温で16時間撹拌した。水(3mL)を添加し、混合物を1N HClで酸性化し、エーテル(2×25mL)で抽出し、塩水(25mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮して、6−((S)−1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチル−7−(2−ビニルフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(80mg、0.183mmol、84%収率)を明黄色固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.86 (d, J=8.1 Hz, 1H), 7.65 - 7.59 (m, 1H), 7.52 - 7.45 (m, 1H), 7.31 - 7.29 (m, 1H), 7.22 (s, 1H), 6.24 (dd, J=17.4, 11.0 Hz, 1H), 5.82 - 5.73 (m, 1H), 5.17 - 5.10 (m, 1H), 4.92 (s, 1H), 4.18 - 4.09 (m, 2H), 2.82 (s, 3H), 1.22 - 1.18 (m, 3H), 1.11 (s, 9H). LCMS (M+H) = 438.4
【0073】
【化14】
(2S)−エチル2−(2−((2−(アリルオキシ)−4−フルオロベンジル)カルバモイル)−5−メチル−7−(2−ビニルフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート:6−((S)−1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチル−7−(2−ビニルフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(50mg、0.114mmol)および(2−(アリルオキシ)−4−フルオロフェニル)メタンアミン、HCl(49.8mg、0.229mmol)のDMF(1.5mL)中の混合物に、DIEA(0.100mL、0.571mmol)、HATU(87mg、0.229mmol)およびDMAP(2.79mg、0.023mmol)を添加し、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。この時点でLCMSは反応の完了を示した。水を添加し、混合物を酢酸エチル(2×25mL)で抽出し、塩水(25mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗製物をバイオタージ(10〜70%EtOAc/ヘキサン)で精製して、(2S)−エチル2−(2−((2−(アリルオキシ)−4−フルオロベンジル)カルバモイル)−5−メチル−7−(2−ビニルフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(37mg、0.062mmol、53.9%収率)を灰白色固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.84 (d, J=8.0 Hz, 1H), 7.59 (t, J=7.7 Hz, 1H), 7.50 - 7.45 (m, 1H), 7.37 - 7.31 (m, 1H), 7.27 - 7.22 (m, 1H), 6.61 - 6.51 (m, 2H), 6.25 (dd, J=17.3, 11.0 Hz, 1H), 5.86 (ddt, J=17.3, 10.5, 5.2 Hz, 1H), 5.78 - 5.69 (m, 1H), 5.37 - 5.31 (m, 1H), 5.27 - 5.19 (m, 1H), 5.15 - 5.10 (m, 1H), 4.87 (s, 1H), 4.53 (d, J=6.3 Hz, 2H), 4.43 (dt, J=5.3, 1.5 Hz, 2H), 4.15 - 4.08 (m, 2H), 2.79 (s, 3H), 1.19 (t, J=7.0 Hz, 3H), 1.10 (s, 9H). LCMS (M+H) = 601.6
【0074】
実施例1
【化15】
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(12Z)−18−フルオロ−3−メチル−24−オキソ−15−オキサ−2,23,26,27−テトラアザペンタシクロ[23.2.1.05,27.06,11.016,21]オクタコサ−1(28),2,4,6,8,10,12,16(21),17,19,25−ウンデカエン−4−イル]酢酸:(2S)−エチル2−(2−((2−(アリルオキシ)−4−フルオロベンジル)カルバモイル)−5−メチル−7−(2−ビニルフェニル)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(22mg、0.037mmol)およびホベイダ・グラブスII(3.11mg、3.66μmol)触媒のDCE(1mL)中の混合物を16時間加熱還流した。室温に冷却後、混合物を濾過し、分取HPLCで精製して、エステルをcisおよびtrans異性体の混合物として得た。エステルを1N NaOH(0.110mL、0.110mmol)のMeOH(1.0mL)溶液で、60℃で3時間処理した。混合物を分取HPLCで精製して、望むとおり同じMWの3化合物を得た。NMRでcisと同定された主化合物を単離した(1.1mg、5%)。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 8.10 (br. s., 1H), 7.64 (t, J=7.6 Hz, 1H), 7.56 - 7.48 (m, 1H), 7.36 (t, J=7.8 Hz, 2H), 7.19 (t, J=7.4 Hz, 1H), 7.10 (s, 1H), 6.78 (s, 1H), 6.68 - 6.61 (m, 1H), 6.48 (d, J=11.8 Hz, 1H), 5.94 - 5.81 (m, 1H), 5.18 (s, 1H), 5.09 (t, J=11.1 Hz, 1H), 4.89 (d, J=8.5 Hz, 1H), 4.56 (dd, J=14.6, 4.5 Hz, 1H), 4.42 (dd, J=14.5, 6.3 Hz, 1H), 2.86 (s, 3H), 1.22 (s, 9H). LCMS (M+H) = 545.5
【0075】
【化16】
4−アリル−5−クロロ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン:5−クロロ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン(2.0g、6.77mmol、参照WO2009/062285)のDMF(50mL)溶液に、NaH(812mg、20.30mmol)を添加し、得られた混合物を室温で10分撹拌した。3−ブロモプロプ−1−エン(1.717mL、20.30mmol)を添加し、得られた混合物を室温で24時間撹拌した。水を添加し、混合物を酢酸エチル(2×25mL)で抽出し、水(25mL)、塩水(25mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗製物を10〜50%EtOAc/ヘキサンを使用するバイオタージで精製して、4−アリル−5−クロロ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン(1.7g、5.07mmol、74.9%収率)を粘性油状物として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.31 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.81 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.16 - 5.99 (m, 1H), 5.38 - 5.28 (m, 1H), 5.25 (d, J=10.1 Hz, 1H), 4.16 (t, J=4.4 Hz, 2H), 3.59 (d, J=6.0 Hz, 2H), 3.11 (t, J=4.4 Hz, 2H), 1.38 (s, 12H). LCMS (M+H) = 336.4
【0076】
【化17】
エチル7−(4−アリル−5−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−6−((S)−1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート:(S)−エチル6−(1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−7−ヨード−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(150mg、0.307mmol)、4−アリル−5−クロロ−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン(113mg、0.337mmol)および2N NaCO(0.307mL、0.613mmol)のDMF(5mL)中の混合物を15分脱気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(24.80mg、0.021mmol)を添加し脱気をさらに5分続けた。混合物を100℃で16時間加熱した。この時点でLCMSは反応の完了と所望の生成物の出現を示した。室温に冷却後、水(50mL)を添加し、混合物をエーテル(2×200mL)で抽出し、塩水(100mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗製物を分取HPLCで精製して、2個のアトロプ異性体を得た。
【0077】
アトロプ異性体1、主、最初に溶出するエチル7−(4−アリル−5−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−6−((S)−1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(55mg、0.096mmol、31.4%収率)。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.10 (s, 1H), 7.03 - 6.91 (m, 2H), 6.09 - 5.96 (m, 1H), 5.35 (d, J=17.2 Hz, 1H), 5.25 (d, J=10.1 Hz, 1H), 5.02 (s, 1H), 4.46 - 4.34 (m, 2H), 4.26 (t, J=4.2 Hz, 2H), 4.19 - 4.03 (m, 2H), 3.73 (dd, J=15.4, 5.6 Hz, 1H), 3.60 (dd, J=15.3, 5.8 Hz, 1H), 3.26 - 3.10 (m, 2H), 2.87 (s, 3H), 1.39 (t, J=7.1 Hz, 3H), 1.20 (t, J=7.2 Hz, 3H), 1.16 (s, 9H). LCMS (M+H) = 571.5
【0078】
アトロプ異性体2、副、二番目に溶出するエチル7−(4−アリル−5−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−6−((S)−1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(25mg、0.044mmol、14.28%収率)。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.22 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7.11 (s, 1H), 6.99 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.10 - 5.96 (m, 1H), 5.34 (d, J=17.0 Hz, 1H), 5.26 (d, J=10.1 Hz, 1H), 5.13 (s, 1H), 4.49 - 4.33 (m, 2H), 4.31 - 4.20 (m, 4H), 3.77 (dd, J=15.1, 5.2 Hz, 1H), 3.53 (dd, J=15.1, 6.6 Hz, 1H), 3.29 - 3.21 (m, 1H), 3.20 - 3.10 (m, 1H), 2.74 (s, 3H), 1.39 (t, J=7.1 Hz, 3H), 1.30 (t, J=7.1 Hz, 3H), 1.06 (s, 9H). LCMS (M+H) = 571.5
【0079】
【化18】
7−(4−アリル−5−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−6−((S)−1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(主アトロプ異性体):エチル7−(4−アリル−5−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−6−((S)−1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(70mg、0.123mmol、主アトロプ異性体)のEtOH(2mL)溶液に、1N NaOH(0.123mL、0.123mmol)を添加し、得られた混合物を室温で4時間撹拌した。この時点でLCMSは反応の完了を示した。溶媒を減圧下除去し、混合物を水(3mL)で希釈し、1N HClで酸性化し、エーテル(25mL)で抽出し、塩水(10mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮して、7−(4−アリル−5−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−6−((S)−1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(50mg、0.092mmol、75%収率)を灰白色固体として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.21 (s, 1H), 7.01 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.91 (d, J=8.5 Hz, 1H), 6.08 - 5.90 (m, 1H), 5.40 - 5.34 (m, 1H), 5.27 (d, J=9.6 Hz, 1H), 5.02 (s, 1H), 4.31 - 4.23 (m, 2H), 4.19 - 4.06 (m, 2H), 3.72 - 3.60 (m, 2H), 3.23 - 3.17 (m, 2H), 2.88 (s, 3H), 1.21 - 1.18 (m, 3H), 1.17 (s, 9H). LCMS (M+H) = 543.5
【0080】
7−(4−アリル−5−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−6−((S)−1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(副アトロプ異性体):上記方法に準じて副アトロプ異性体を加水分解して、7−(4−アリル−5−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−6−((S)−1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(100mg、0.184mmol、84%収率)を灰白色固体として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.21 (s, 1H), 7.19 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7.05 - 6.97 (m, 1H), 6.09 - 5.92 (m, 1H), 5.41 - 5.31 (m, 1H), 5.31 - 5.24 (m, 1H), 5.08 (s, 1H), 4.34 - 4.18 (m, 4H), 3.67 - 3.53 (m, 2H), 3.27 - 3.12 (m, 2H), 2.76 (s, 3H), 1.31 (t, J=7.1 Hz, 3H), 1.07 (s, 9H). LCMS (M+H) = 543.5
【0081】
【化19】
(2S)−エチル2−(7−(4−アリル−5−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−2−((2−(アリルオキシ)−4−フルオロベンジル)カルバモイル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(主アトロプ異性体):7−(4−アリル−5−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−6−((S)−1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(50mg、0.092mmol)および(2−(アリルオキシ)−4−フルオロフェニル)メタンアミン、HCl(40.1mg、0.184mmol)のDMF(1.5mL)中の混合物に、DIEA(0.080mL、0.460mmol)、HATU(70.0mg、0.184mmol)およびDMAP(2.250mg、0.018mmol)を添加し、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。この時点でLCMSは反応の完了を示した。混合物を分取HPLCで精製して、(2S)−エチル2−(7−(4−アリル−5−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−2−((2−(アリルオキシ)−4−フルオロベンジル)カルバモイル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(37mg、0.052mmol、56.9%収率)を白色固体として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.35 (t, J=6.1 Hz, 1H), 7.28 - 7.24 (m, 1H), 7.16 (s, 1H), 7.02 - 6.97 (m, 1H), 6.92 (d, J=8.5 Hz, 1H), 6.64 - 6.52 (m, 2H), 6.07 - 5.85 (m, 2H), 5.40 - 5.31 (m, 2H), 5.27 (t, J=9.0 Hz, 2H), 4.97 (s, 1H), 4.57 (d, J=6.1 Hz, 2H), 4.48 (d, J=5.0 Hz, 2H), 4.26 (d, J=4.1 Hz, 2H), 4.20 - 4.07 (m, 2H), 3.68 - 3.54 (m, 2H), 3.24 - 3.13 (m, 2H), 2.85 (s, 3H), 1.23 - 1.18 (m, 3H), 1.15 (s, 9H). LCMS (M+H) = 706.6
【0082】
(2S)−エチル2−(7−(4−アリル−5−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−2−((2−(アリルオキシ)−4−フルオロベンジル)カルバモイル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(副アトロプ異性体):上記方法に準じて、副アトロプ異性体を得た。(2S)−エチル2−(7−(4−アリル−5−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−2−((2−(アリルオキシ)−4−フルオロベンジル)カルバモイル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(75mg、0.106mmol、57.7%収率)を白色固体として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.35 - 7.30 (m, 1H), 7.27 (dd, J=8.4, 6.8 Hz, 1H), 7.20 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7.18 - 7.15 (m, 1H), 7.03 - 6.98 (m, 1H), 6.64 - 6.53 (m, 2H), 6.06 - 5.86 (m, 2H), 5.39 - 5.22 (m, 4H), 5.05 - 5.01 (m, 1H), 4.66 - 4.53 (m, 2H), 4.52 - 4.44 (m, 2H), 4.31 - 4.13 (m, 4H), 3.51 (d, J=5.4 Hz, 2H), 3.20 - 3.14 (m, 2H), 2.73 (s, 3H), 1.34 - 1.27 (m, 3H), 1.05 (s, 9H). LCMS (M+H) = 706.5
【0083】
実施例2および3
【化20】
(2S)−エチル2−(7−(4−アリル−5−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−2−((2−(アリルオキシ)−4−フルオロベンジル)カルバモイル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(40mg、0.057mmol)およびホベイダ・グラブスII(4.81mg、5.66μmol)触媒のDCE(1mL)中の混合物を3時間加熱還流した。この時点でLCMSは反応の完了を示した。混合物を室温に冷却し、減圧下濃縮した。混合物を濾過し、分取HPLCで精製して、cisおよびtrans異性体を得た。
【0084】
HPLCで最初に溶出する:1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.31 (dd, J=8.3, 6.7 Hz, 1H), 7.17 (s, 1H), 6.98 - 6.95 (m, 1H), 6.87 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.62 (td, J=8.3, 2.4 Hz, 1H), 6.53 (dd, J=10.6, 2.4 Hz, 1H), 6.01 - 5.90 (m, 1H), 5.74 (dt, J=15.8, 5.2 Hz, 1H), 5.04 (s, 1H), 4.87 (dd, J=15.7, 7.3 Hz, 1H), 4.66 - 4.55 (m, 2H), 4.53 - 4.47 (m, 2H), 4.40 - 4.27 (m, 2H), 4.18 - 4.03 (m, 3H), 3.54 - 3.42 (m, 3H), 2.84 (s, 3H), 1.24 - 1.19 (m, 3H), 1.19 (s, 9H). LCMS (M+H) = 678.5
【0085】
HPLCで二番目に溶出する:1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.52 - 7.44 (m, 2H), 7.10 (s, 1H), 6.98 (d, J=8.5 Hz, 1H), 6.92 (d, J=8.5 Hz, 1H), 6.76 (td, J=8.3, 2.5 Hz, 1H), 6.69 (dd, J=9.9, 2.5 Hz, 1H), 6.32 (dd, J=6.3, 1.1 Hz, 1H), 5.18 (s, 1H), 4.91 (dt, J=9.3, 5.9 Hz, 1H), 4.65 (dd, J=14.0, 7.1 Hz, 1H), 4.43 - 4.29 (m, 4H), 4.17 - 4.01 (m, 2H), 3.47 - 3.30 (m, 2H), 3.15 (ddd, J=14.1, 11.2, 5.6 Hz, 1H), 2.85 (s, 3H), 2.60 - 2.41 (m, 2H), 1.22 (s, 9H), 1.17 - 1.12 (m, 3H). LCMS (M+H) = 678.6
【0086】
cisおよびtrans異性体の両者を1N NaOH(0.170mL、0.170mmol)のMeOH(1.000mL)溶液で50℃で3時間処理した。室温に冷却後、混合物を分取HPLCにより精製して、次の生成物を得た。
【0087】
実施例2:(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(21E)−31−クロロ−16−フルオロ−4−メチル−10−オキソ−19,27−ジオキサ−5,7,8,11,24−ペンタアザヘキサシクロ[22.6.2.16,9.02,7.013,18.028,32]トリトリアコンタ−1(30),2,4,6(33),8,13(18),14,16,21,28,31−ウンデカエン−3−イル]酢酸:HPLCで最初に溶出(6mg、9.23μmol、16.29%収率)を灰白色固体として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.58 (t, J=6.1 Hz, 1H), 7.31 (dd, J=8.4, 6.8 Hz, 1H), 7.20 (s, 1H), 6.92 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.79 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.62 (td, J=8.4, 2.4 Hz, 1H), 6.53 (dd, J=10.6, 2.4 Hz, 1H), 6.00 - 5.88 (m, 1H), 5.77 (dt, J=15.7, 5.1 Hz, 1H), 5.20 (s, 1H), 4.85 (dd, J=15.7, 7.3 Hz, 1H), 4.64 (dd, J=14.0, 7.2 Hz, 1H), 4.58 - 4.45 (m, 3H), 4.30 (d, J=11.7 Hz, 2H), 3.53 - 3.33 (m, 3H), 2.85 (s, 3H), 1.16 (s, 9H). LCMS (M+H) = 650.5
【0088】
実施例3:(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(20Z)−31−クロロ−16−フルオロ−4−メチル−10−オキソ−19,27−ジオキサ−5,7,8,11,24−ペンタアザヘキサシクロ[22.6.2.16,9.02,7.013,18.028,32]トリトリアコンタ−1(30),2,4,6(33),8,13(18),14,16,20,28,31−ウンデカエン−3−イル]酢酸:HPLCで二番目に溶出(5.5mg、8.04μmol、14.19%収率)を灰白色固体として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.52 (t, J=6.5 Hz, 1H), 7.47 (dd, J=8.4, 6.6 Hz, 1H), 7.13 (s, 1H), 6.92 (d, J=8.2 Hz, 1H), 6.83 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.76 (td, J=8.3, 2.5 Hz, 1H), 6.69 (dd, J=9.9, 2.4 Hz, 1H), 6.31 (d, J=6.1 Hz, 1H), 5.26 (s, 1H), 4.91 (dt, J=9.1, 6.0 Hz, 1H), 4.66 (dd, J=14.0, 7.0 Hz, 1H), 4.37 - 4.21 (m, 3H), 3.66 (d, J=9.8 Hz, 1H), 3.38 (d, J=13.7 Hz, 1H), 3.26 (d, J=9.1 Hz, 1H), 3.19 - 3.07 (m, 1H), 2.86 (s, 3H), 2.60 - 2.44 (m, 2H), 1.14 (s, 9H). LCMS (M+H) = 650.5。
【0089】
実施例4および5
【化21】
副アトロプ異性体の製造に類似の方法を使用した。
実施例4;
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(21E)−31−クロロ−16−フルオロ−4−メチル−10−オキソ−19,27−ジオキサ−5,7,8,11,24−ペンタアザヘキサシクロ[22.6.2.16,9.02,7.013,18.028,32]トリトリアコンタ−1(30),2,4,6(33),8,13(18),14,16,21,28,31−ウンデカエン−3−イル]酢酸:最初に溶出する酸生成物1(15mg、0.022mmol、22.11%収率)。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.55 - 7.51 (m, 1H), 7.38 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7.33 (dd, J=8.3, 6.7 Hz, 1H), 7.20 (s, 1H), 6.99 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.62 (td, J=8.4, 2.4 Hz, 1H), 6.54 (dd, J=10.6, 2.4 Hz, 1H), 6.04 - 5.95 (m, 1H), 5.92 - 5.85 (m, 1H), 5.15 (s, 1H), 4.97 (dd, J=15.9, 6.3 Hz, 1H), 4.68 (dd, J=14.0, 7.5 Hz, 1H), 4.60 (dd, J=12.8, 4.0 Hz, 1H), 4.52 - 4.45 (m, 2H), 4.41 - 4.29 (m, 2H), 3.58 - 3.52 (m, 1H), 3.52 (s, 3H), 3.51 - 3.43 (m, 2H), 2.72 (s, 3H), 1.10 (s, 9H). LCMS (M+H) = 650.4
【0090】
実施例5
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(20Z)−31−クロロ−16−フルオロ−4−メチル−10−オキソ−19,27−ジオキサ−5,7,8,11,24−ペンタアザヘキサシクロ[22.6.2.16,9.02,7.013,18.028,32]トリトリアコンタ−1(30),2,4,6(33),8,13(18),14,16,20,28,31−ウンデカエン−3−イル]酢酸:二番目に溶出する酸生成物2(7mg、10.23μmol、10.32%収率)。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.54 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7.49 (dd, J=8.0, 7.2 Hz, 1H), 7.19 - 7.15 (m, 1H), 7.14 (s, 1H), 7.03 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.65 (td, J=8.3, 2.4 Hz, 1H), 6.59 (dd, J=10.9, 2.4 Hz, 1H), 6.26 - 6.15 (m, 2H), 5.46 (s, 1H), 4.78 - 4.71 (m, 1H), 4.64 (dd, J=13.9, 6.8 Hz, 1H), 4.48 - 4.39 (m, 2H), 4.38 - 4.32 (m, 1H), 4.25 (td, J=10.7, 3.5 Hz, 1H), 4.13 (d, J=17.3 Hz, 1H), 3.91 (dd, J=17.3, 6.2 Hz, 1H), 3.37 - 3.23 (m, 2H), 2.71 (s, 3H), 1.12 (s, 9H). LCMS (M+H) = 650.4
【0091】
実施例6
【化22】
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−{31−クロロ−16−フルオロ−4−メチル−10−オキソ−19,27−ジオキサ−5,7,8,11,24−ペンタアザヘキサシクロ[22.6.2.16,9.02,7.013,18.028,32]トリトリアコンタ−1(30),2,4,6(33),8,13(18),14,16,28,31−デカエン−3−イル}酢酸:実施例2(10mg、0.015mmol)のMeOH(1mL)溶液に、10%Pd/C(1.637mg、1.538μmol)を添加し、混合物をバルーン水素雰囲気下、30分撹拌した。この時点でLCMSは開環形態と共に所望の生成物を示した。混合物を濾過し、分取HPLCで精製して、所望の生成物1を得た(5mg、7.28μmol、47.4%収率)。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.42 - 7.36 (m, 2H), 7.17 - 7.16 (m, 1H), 6.93 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.82 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.65 - 6.56 (m, 2H), 5.22 (s, 1H), 4.58 - 4.46 (m, 2H), 4.41 - 4.31 (m, 2H), 4.09 - 3.99 (m, 3H), 3.48 - 3.41 (m, 1H), 3.39 - 3.27 (m, 1H), 2.98 - 2.89 (m, 1H), 2.86 (s, 3H), 1.97 - 1.75 (m, 3H), 1.68 - 1.58 (m, 1H), 1.16 (s, 9H). LCMS (M+H) = 652.5
【0092】
【化23】
(2−(ブト−3−エン−1−イル)フェニル)メタンアミン:−50℃の2M LAH(6.36mL、12.72mmol)のTHF溶液に、2−(ブト−3−エン−1−イル)ベンゾニトリル(2g、12.72mmol)のTHF(15mL)溶液を15分かけて滴下した。混合物を3時間撹拌し、その後0℃に温め、1時間、0℃で撹拌した。氷浴で冷却し、水(3mL)、15%NaOH(2mL)および水(5mL)で反応停止させた。混合物を濾過し、酢酸エチルで抽出し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗製物をバイオタージで精製して、(2−(ブト−3−エン−1−イル)フェニル)メタンアミン(600mg、3.72mmol、29.2%収率)を無色油状物として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.39 - 7.33 (m, 1H), 7.27 - 7.17 (m, 3H), 5.91 (ddt, J=17.1, 10.3, 6.6 Hz, 1H), 5.09 (dq, J=17.1, 1.7 Hz, 1H), 5.05 - 4.98 (m, 1H), 3.92 (s, 2H), 2.83 - 2.75 (m, 2H), 2.43 - 2.33 (m, 2H). LCMS (M+H) = 162.1
【0093】
【化24】
(2S)−エチル2−(7−(4−アリル−5−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−2−((2−(ブト−3−エン−1−イル)ベンジル)カルバモイル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート:7−(4−アリル−5−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−6−((S)−1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(50mg、0.092mmol)および(2−(ブト−3−エン−1−イル)フェニル)メタンアミン(36.4mg、0.184mmol)のDMF(1.5mL)中の混合物に、DIEA(0.080mL、0.460mmol)、HATU(70.0mg、0.184mmol)およびDMAP(2.250mg、0.018mmol)を添加し、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。この時点でLCMSは反応の完了を示した。混合物を分取HPLCで精製して、(2S)−エチル2−(7−(4−アリル−5−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−2−((2−(ブト−3−エン−1−イル)ベンジル)カルバモイル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(44mg、0.064mmol、69.6%収率)を白色固体として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.30 (br. s., 1H), 7.26 - 7.22 (m, 1H), 7.22 - 7.15 (m, 3H), 7.12 - 7.06 (m, 1H), 6.97 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.90 (d, J=8.5 Hz, 1H), 6.05 - 5.94 (m, 1H), 5.81 (ddt, J=17.0, 10.2, 6.7 Hz, 1H), 5.36 - 5.30 (m, 1H), 5.26 (dd, J=10.2, 1.4 Hz, 1H), 4.99 (s, 1H), 4.98 - 4.96 (m, 1H), 4.95 - 4.89 (m, 1H), 4.70 - 4.58 (m, 2H), 4.29 - 4.18 (m, 2H), 4.17 - 4.01 (m, 2H), 3.62 - 3.45 (m, 2H), 3.16 (t, J=4.4 Hz, 2H), 2.86 (s, 3H), 2.75 (dd, J=8.8, 6.9 Hz, 2H), 2.31 (td, J=7.9, 6.7 Hz, 2H), 1.19 (t, J=7.1 Hz, 3H), 1.16 (s, 9H). LCMS (M+H) = 689.6
【0094】
実施例7
【化25】
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[31−クロロ−4−メチル−10−オキソ−27−オキサ−5,7,8,11,24−ペンタアザヘキサシクロ[22.6.2.16,9.02,7.013,18.028,32]トリトリアコンタ−1(30),2,4,6(33),8,13(18),14,16,21,28,31−ウンデカエン−3−イル]酢酸:(2S)−エチル2−(7−(4−アリル−5−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−6−イル)−2−((2−(ブト−3−エン−1−イル)ベンジル)カルバモイル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(44mg、0.064mmol)およびホベイダ・グラブスII(5.44mg、6.41μmol)触媒のDCE(2mL)中の混合物を3時間加熱還流した。この時点でLCMSは、反応の完了と、同じMWの2生成物の混合物を示した(恐らくcisおよびtarns)。混合物を室温に冷却し、減圧下濃縮した。混合物を濾過し、分取HPLCで精製して、2異性体を得た。
【0095】
異性体1(二重結合の幾何は未知)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.72 (dd, J=7.3, 1.5 Hz, 1H), 7.27 - 7.19 (m, 2H), 7.18 (s, 1H), 7.11 (dd, J=7.3, 1.5 Hz, 1H), 6.93 (d, J=2.8 Hz, 2H), 6.92 - 6.84 (m, 1H), 5.79 (dt, J=15.4, 5.9 Hz, 1H), 5.40 - 5.29 (m, 1H), 5.24 (s, 1H), 4.97 (dd, J=14.2, 8.2 Hz, 1H), 4.37 - 4.31 (m, 1H), 4.26 (dd, J=10.0, 3.3 Hz, 1H), 4.19 (dd, J=14.3, 5.3 Hz, 1H), 4.14 - 4.00 (m, 2H), 3.72 (ddd, J=14.1, 11.7, 5.4 Hz, 1H), 3.58 - 3.33 (m, 4H), 3.01 - 2.89 (m, 1H), 2.86 (s, 3H), 2.41 - 2.25 (m, 2H), 1.23 (s, 9H), 1.12 (t, J=7.0 Hz, 3H). LCMS (M+H) = 658.1。
異性体2(生成物は不純であり、NMRは複雑である。そのまま次加水分解工程に使用。)。LCMS (M+H) = 658.5
【0096】
異性体1を1N NaOH(0.192mL、0.192mmol)のMeOH(2.000mL)溶液で、50℃で3時間処理した。室温に冷却後、混合物を分取HPLCで精製して、実施例7(6mg、9.52μmol、14.85%収率)を白色固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.72 (d, J=7.3 Hz, 1H), 7.26 - 7.19 (m, 3H), 7.12 (d, J=7.0 Hz, 1H), 6.96 - 6.86 (m, 2H), 6.85 - 6.78 (m, 1H), 5.83 - 5.73 (m, 1H), 5.40 - 5.31 (m, 1H), 5.29 (s, 1H), 4.97 (dd, J=13.9, 7.9 Hz, 1H), 4.33 - 4.14 (m, 3H), 3.76 - 3.68 (m, 2H), 3.53 (dd, J=15.9, 6.4 Hz, 2H), 3.37 (d, J=11.0 Hz, 2H), 2.99 - 2.91 (m, 1H), 2.88 (s, 3H), 2.32-2.25 (m, 2H), 1.15 (s, 9H). LCMS (M+H) = 630.4
【0097】
実施例8
【化26】
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−{31−クロロ−4−メチル−10−オキソ−27−オキサ−5,7,8,11,24−ペンタアザヘキサシクロ[22.6.2.16,9.02,7.013,18.028,32]トリトリアコンタ−1(30),2,4,6(33),8,13(18),14,16,28,31−デカエン−3−イル}酢酸:実施例7(10mg、0.016mmol)のMeOH(1mL)溶液に、10%Pd/C(1.689mg、1.587μmol)を添加し、混合物をバルーン水素雰囲気下、1時間撹拌した。この時点でLCMSは開環形態と共に所望の生成物を示した。混合物を濾過し、分取HPLCで精製して、所望の生成物1を得た(2.3mg、3.46μmol、21.78%収率)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.68 - 7.62 (m, 1H), 7.25 - 7.19 (m, 2H), 7.16 (s, 1H), 7.14 (d, J=5.5 Hz, 1H), 7.02 (t, J=6.0 Hz, 1H), 6.90 (d, J=8.3 Hz, 1H), 6.82 (d, J=8.3 Hz, 1H), 5.25 (s, 1H), 4.92 (dd, J=14.2, 7.4 Hz, 1H), 4.29 - 4.17 (m, 3H), 3.36 - 3.27 (m, 1H), 3.25 - 3.00 (m, 3H), 2.86 (s, 3H), 2.80 - 2.62 (m, 2H), 1.79 - 1.53 (m, 5H), 1.40 - 1.25 (m, 1H), 1.13 (s, 9H). LCMS (M+H) = 632.5
【0098】
【化27】
エチル7−クロロ−6−(2−エトキシ−1−ヒドロキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート:撹拌中の0.9M KHMDS(40.9mL、36.8mmol)のTHF(100mL)溶液に、−78℃で、エチル7−クロロ−6−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(10g、30.7mmol)のTHF(50mL)溶液を20分かけて添加した。30分後、3−フェニル−2−(フェニルスルホニル)−1,2−オキサジリジン(10.43g、39.9mmol)のTHF(15mL)溶液を赤色反応混合物に添加し、撹拌をさらに30分、−78℃で続けた。得られた橙色反応混合物を飽和NHCl水溶液(50mL)で反応停止させ、EtOAc(200mL)で希釈し、水(100mL)、塩水(100mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下濃縮して、固体を得た。この固体を少量の酢酸エチルで摩砕し、固体を濾過し、ヘキサンで洗浄し、高減圧下に乾燥して、エチル7−クロロ−6−(2−エトキシ−1−ヒドロキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(5g、16.85mmol、43%収率、90%純度)を明黄色固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.21 (s, 1H), 5.76 (s, 1H), 4.58 - 4.49 (m, 2H), 4.33 (dtt, J=10.7, 7.1, 3.7 Hz, 2H), 2.71 - 2.64 (s, 3H), 1.48 (t, J=7.2 Hz, 3H), 1.29 - 1.24 (m, 3H). LCMS (M+1) = 342.16
【0099】
【化28】
エチル6−(2−エトキシ−2−オキソアセチル)−7−クロロ−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート:7−クロロ−6−(2−エトキシ−1−ヒドロキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(5.9g、13.81mmol)のCHCl(100mL)中の混合物に、デス・マーチン(5.86g、13.81mmol)を添加し、得られた混合物をrtで1時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(100mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(30mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(5〜70%EtOAc/ヘキサン)で精製して、所望のエチル7−クロロ−6−(2−エトキシ−2−オキソアセチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(3.5g、9.27mmol、67.1%収率)を灰白色固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.24 (s, 1H), 4.56 - 4.43 (m, 4H), 2.63 (s, 3H), 1.50 - 1.41 (m, 6H). LCMS (M+1) = 340.13
【0100】
【化29】
(S)−エチル7−クロロ−6−(2−エトキシ−1−ヒドロキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート:撹拌中のエチル6−(2−エトキシ−2−オキソアセチル)−7−クロロ−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(264mg、0.777mmol)の無水トルエン(5mL)の黄色溶液に、1.0M (R)−1−メチル−3,3−ジフェニルヘキサヒドロピロロ[1,2−c][1,3,2]オキサザボロール/トルエン(0.311mL、0.311mmol)を添加した。混合物を−35℃に冷却し、50%カテコボラン/トルエン(0.272mL、1.088mmol)溶液を10分かけて添加した。30分後、反応混合物を−15℃までゆっくり温め、さらに2時間撹拌し、EtOAc(30mL)および飽和NaCO水溶液(5mL)で希釈した。混合物を30分激しく撹拌し、有機層を飽和NaCO水溶液(2×5mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(5〜100%EtOAc/ヘキサン)で精製して、所望の(S)−エチル7−クロロ−6−(2−エトキシ−1−ヒドロキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(200mg、0.585mmol、75%収率)を灰白色固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.21 (s, 1H), 5.77 (d, J=2.7 Hz, 1H), 4.53 (d, J=7.1 Hz, 2H), 4.33 (dd, J=7.1, 5.5 Hz, 2H), 3.61 (br. s., 1H), 2.68 (s, 3H), 1.50 - 1.46 (t, J=7.09 Hz, 3H), 1.28 (t, J=7.09Hz, 3H). LCMS (M+1) = 342.13
【0101】
【化30】
(S)−エチル6−(1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−7−クロロ−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート:撹拌中の(S)−エチル7−クロロ−6−(2−エトキシ−1−ヒドロキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(200mg、0.585mmol)のCHCl(6mL)および酢酸t−ブチル(4mL)溶液に、rtで過塩素酸(0.151mL、1.756mmol)を添加した。反応フラスコを密閉した。3時間撹拌後、反応混合物をCHCl(50mL)で希釈し、飽和NaHCO水溶液(5mL)で注意深く反応停止させた。有機層を分離し、塩水(5mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、減圧下濃縮して、黄色液体を得た。この粗製の生成物をシリカゲルカラム上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤として10〜50%EtOAc/Hex使用)で精製して、所望の(S)−エチル6−(1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−7−クロロ−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(200mg、0.503mmol、86%収率)を粘性油状物として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.19 (s, 1H), 5.66 (s, 1H), 4.52 (q, J=7.2 Hz, 2H), 4.25 - 4.19 (m, 2H), 2.72 (s, 3H), 1.51 - 1.45 (m, 3H), 1.28 (s, 9H), 1.26 - 1.21 (m, 3H). LCMS (M+1) = 398.25
【0102】
【化31】
tert−ブチル4−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−1−カルボキシレート:N雰囲気下、3N臭化メチルマグネシウムのエーテル溶液(1.67mL、5.02mmol)を冷却(−25℃)したtert−ブチル4−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−1−カルボキシレート(4g、20.08mmol)のエーテル(20mL)に滴下した。反応混合物をrtに温め、2時間撹拌した。0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液の添加により反応停止させた。さらに20mLのエーテルを添加し、混合物を分液漏斗で分液した。有機層を取っておき、水層をさらに20mLのエーテルで抽出した。合わせたエーテル抽出物をMgSOで乾燥し、濾過し、蒸発して油状物を得て、これを、0〜50%EtOAc/ヘキサンで溶出するバイオタージで精製してtert−ブチル4−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−1−カルボキシレート(4.30g、18.0mmol、90%)を無色油状物として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 3.84 - 3.65 (m, 2H), 3.34 - 3.18 (m, 2H), 2.59 - 2.39 (m, 1H), 1.61 - 1.53 (m, 4H), 1.50 - 1.45 (m, 9H), 1.32 - 1.27 (m, 3H)
【0103】
【化32】
tert−ブチル4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−カルボキシレート:tert−ブチル4−ヒドロキシ−4−メチルピペリジン−1−カルボキシレート(4.30g、20.0mmol)のDMF(50mL)中の混合物に、0℃でNaH(60wt%)(1.60g、39.9mmol)を添加した。混合物をrtで2時間撹拌した。この時点で臭化アリル(8.64mL、100mmol)を5分かけてゆっくり添加した。反応混合物をrtで3時間撹拌した。0℃に冷却し、飽和塩化アンモニウム水溶液で反応停止させた。反応混合物をエーテルで抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、無色油状物を得て、これを0〜25%EtOAc/ヘキサンで溶出するバイオタージで精製して、3.1g(61%)のtert−ブチル4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−カルボキシレートを無色油状物として得た。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 6.02 - 5.90 (m, 1H), 5.32 (dd, J=17.2, 1.7 Hz, 1H), 5.16 (dd, J=10.4, 1.4 Hz, 1H), 3.94 - 3.88 (m, 2H), 3.73 (br. s., 2H), 3.19 (br. s., 2H), 1.78 (d, J=13.1 Hz, 2H), 1.53 - 1.42 (m, 11H), 1.21 (s, 3H)
【0104】
【化33】
4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン塩酸塩:tert−ブチル4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−カルボキシレート(3.10g、12.1mmol)および4N HCl/ジオキサン(15mL、60.0mmol)の混合物をrtで3時間撹拌した。減圧下で濃縮して、2.2g(95%)の4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン塩酸塩を明褐色固体として得た。1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ 6.02 - 5.92 (m, 1H), 5.33 (dd, J=17.2, 1.7 Hz, 1H), 5.15 (dd, J=10.6, 1.7 Hz, 1H), 3.96 (dt, J=5.1, 1.6 Hz, 2H), 3.23 - 3.18 (m, 4H), 2.06 (dd, J=15.3, 2.5 Hz, 2H), 1.77 - 1.69 (m, 2H), 1.31 - 1.28 (s, 3H)
【0105】
【化34】
(S)−エチル7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−6−(1−tert−ブトキシ−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート:(S)−エチル6−(1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−7−クロロ−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(1g、2.51mmol)、4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン塩酸塩(0.723g、3.77mmol)、ヒューニッヒ塩基(1.317mL、7.54mmol)のDMF(15mL)中の混合物を、rtで16時間撹拌した。濃縮し、バイオタージで精製して、(S)−エチル7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−6−(1−tert−ブトキシ−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(1g、69%)を白色固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.03 (s, 1H), 6.11 - 6.01 (m, 1H), 5.86 (br. s., 1H), 5.45 (d, J=17.8 Hz, 1H), 5.22 (dd, J=10.4, 1.6 Hz, 1H), 4.50 - 4.43 (m, 2H), 4.29 - 4.18 (m, 2H), 4.06 - 4.01 (m, 2H), 3.90-3.25 (br. s, 4H), 2.63 (s, 3H), 2.05 - 1.90 (m, 2H), 1.80 - 1.69 (m, 1H), 1.66 - 1.59 (m, 1H), 1.45 (t, J=7.1 Hz, 3H), 1.37 (s, 3H), 1.25 - 1.21 (m, 12H). LCMS (M+1) = 517.43
【0106】
【化35】
(S)−7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−6−(1−tert−ブトキシ−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸:(S)−エチル7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−6−(1−tert−ブトキシ−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート(1g、1.936mmol)、NaOH(1.936mL、1.936mmol)のEtOH(10mL)中の混合物を、rtで16時間撹拌した。濃縮し、1N HClの添加により、pH=4に調節した。EtOAcで抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、(S)−7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−6−(1−tert−ブトキシ−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(700mg、68%)を白色固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.20 - 7.13 (m, 1H), 6.17 - 6.00 (m, 1H), 5.99 - 5.82 (m, 1H), 5.76 - 5.58 (m, 1H), 5.46 (d, J=17.2 Hz, 2H), 5.31 - 5.19 (m, 2H), 4.50 -3.50 (m, 2 H), 4.34 - 4.12 (m, 2H), 4.08 - 3.99 (m, 2H), 2.66 (s, 3H), 2.07 - 1.93 (m, 3H), 1.80 - 1.65 (m, 1H), 1.37 (s, 2H), 1.31 - 1.18 (m, 12H) LCMS (M+1) = 489.19
【0107】
【化36】
(S)−エチル2−(2−(3−(アリルオキシ)−4−フルオロベンジルカルバモイル)−7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−tert−ブトキシアセテート:(S)−7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−6−(1−tert−ブトキシ−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(80mg、0.164mmol)、HATU(74.7mg、0.196mmol)、(2−(アリルオキシ)−4−フルオロフェニル)メタンアミン塩酸塩(53.5mg、0.246mmol)、ヒューニッヒ塩基(0.143mL、0.819mmol)のDCM(2mL)中の混合物を、rtで16時間撹拌した。濃縮し、50%EtOAc/ヘキサンで溶出するバイオタージで精製して、(S)−エチル2−(2−(3−(アリルオキシ)−4−フルオロベンジルカルバモイル)−7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−tert−ブトキシアセテート(83mg、70%)を白色固体として得た。LCMS (M+1) = 652.43
【0108】
【化37】
エチル(2S)−((11E)−16−フルオロ−3,8−ジメチル−21−オキソ−7,8,10,13,20,21−ヘキサヒドロ−6H,19H−5,8−エタノ−22,1−(メテノ)ピリミド[6,1−k][1,6,10,12,13,16]ベンゾジオキサテトラアザシクロノナデシン−4−イル)((2−メチル−2−プロパニル)オキシ)アセテート:(S)−エチル2−(2−(3−(アリルオキシ)−4−フルオロベンジルカルバモイル)−7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−tert−ブトキシアセテート(82mg、0.126mmol)、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(2−イソプロポキシベンジリデン)ルテニウム(VI)クロライド(7.88mg、0.013mmol)のClCHCHCl(30mL)中の混合物を、45℃で3時間加熱した。濃縮し、40%EtOac/ヘキサンで溶出するバイオタージで精製して、エチル(2S)−((11E)−16−フルオロ−3,8−ジメチル−21−オキソ−7,8,10,13,20,21−ヘキサヒドロ−6H,19H−5,8−エタノ−22,1−(メテノ)ピリミド[6,1−k][1,6,10,12,13,16]ベンゾジオキサテトラアザシクロノナデシン−4−イル)((2−メチル−2−プロパニル)オキシ)アセテート(80mg、100%)を灰白色固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.93 - 7.77 (m, 1H), 7.47 - 7.43 (m, 1H), 7.09 (s, 1H), 6.68 - 6.59 (m, 2H), 6.35 - 6.26 (m, 1H), 6.19 - 6.11 (m, 1H), 5.99 (s, 1H), 4.80 (dd, J=14.0, 7.7 Hz, 1H), 4.66 - 4.60 (m, 1H), 4.59 - 4.43 (m, 3H), 4.28 - 4.08 (m, 4H), 3.90 (td, J=12.1, 2.4 Hz, 1H), 3.20 - 3.13 (m, 1H), 2.79 (d, J=11.7 Hz, 1H), 2.69 - 2.63 (m, 3H), 2.11 - 2.03 (m, 1H), 1.95 (dd, J=13.7, 2.4 Hz, 1H), 1.82 (td, J=13.2, 4.7 Hz, 1H), 1.73 - 1.63 (m, 1H), 1.39 - 1.35 (s, 3H), 1.26 (s, 9H), 1.24 - 1.21 (m, 3H). LCMS (M+1) = 624.42.
【0109】
実施例9
【化38】
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(21E)−16−フルオロ−4,25−ジメチル−10−オキソ−19,24−ジオキサ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[23.2.2.16,9.02,7.013,18]トリアコンタ−2,4,6(30),8,13,15,17,21−オクタエン−3−イル]酢酸:エチル(2S)−((11E)−16−フルオロ−3,8−ジメチル−21−オキソ−7,8,10,13,20,21−ヘキサヒドロ−6H,19H−5,8−エタノ−22,1−(メテノ)ピリミド[6,1−k][1,6,10,12,13,16]ベンゾジオキサテトラアザシクロノナデシン−4−イル)((2−メチル−2−プロパニル)オキシ)アセテート(80mg、0.128mmol)、NaOH(0.641mL、0.641mmol)のEtOH(3mL)中の混合物を、60℃で4時間加熱した。濃縮し、1N HClを使用して、pH=3に調節した。EtOAcで抽出し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、58mg(72%)の所望の生成物を灰白色固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.94 - 7.83 (m, 1H), 7.45 - 7.40 (m, 1H), 7.12 (s, 1H), 6.69 - 6.60 (m, 2H), 6.30 (m, 1H), 6.19 - 6.09 (m, 1H), 5.98 (br. s., 1H), 4.82 (dd, J=14.1, 8.0 Hz, 1H), 4.67 - 4.61 (m, 1H), 4.60 - 4.52 (m, 2H), 4.46 (dd, J=14.1, 5.3 Hz, 1H), 4.16 - 4.05 (m, 2H), 3.91 (t, J=11.3 Hz, 1H), 3.39 (d, J=10.9 Hz, 1H), 2.82 (d, J=11.5 Hz, 1H), 2.64 (s, 3H), 2.12 - 2.07 (m, 1H), 2.04 - 1.94 (m, 1H), 1.76 (td, J=13.2, 4.7 Hz, 1H), 1.66 (td, J=13.4, 4.3 Hz, 1H), 1.36 - 1.27 (m, 12H). LCMS (M+1) = 596.35
【0110】
実施例10
【化39】
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−{16−フルオロ−4,25−ジメチル−10−オキソ−19,24−ジオキサ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[23.2.2.16,9.02,7.013,18]トリアコンタ−2,4,6(30),8,13(18),14,16−ヘプタエン−3−イル}酢酸:(2S)−((11E)−16−フルオロ−3,8−ジメチル−21−オキソ−7,8,10,13,20,21−ヘキサヒドロ−6H,19H−5,8−エタノ−22,1−(メテノ)ピリミド[6,1−k][1,6,10,12,13,16]ベンゾジオキサテトラアザシクロノナデシン−4−イル)((2−メチル−2−プロパニル)オキシ)酢酸(45mg、0.076mmol)、Pd/C(8.04mg、7.55μmol)のMeOH(2mL)中の混合物を、Hバルーン下、6時間撹拌した。濾過し、分取HPLCで精製して、(2S)−(16−フルオロ−3,8−ジメチル−21−オキソ−7,8,10,11,12,13,20,21−オクタヒドロ−6H,19H−5,8−エタノ−22,1−(メテノ)ピリミド[6,1−k][1,6,10,12,13,16]ベンゾジオキサテトラアザシクロノナデシン−4−イル)((2−メチル−2−プロパニル)オキシ)酢酸(24mg、51%)を白色固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.87 (t, J=6.5 Hz, 1H), 7.44 - 7.38 (m, 1H), 7.12 (s, 1H), 6.68 - 6.59 (m, 2H), 5.97 (br. s., 1H), 4.76 - 4.65 (m, 1H), 4.64 - 4.56 (m, 1H), 4.46 (t, J=11.3 Hz, 1H), 4.13 - 4.03 (m, 2H), 3.92 - 3.82 (m, 1H), 3.57 - 3.48 (m, 2H), 3.37 (d, J=11.8 Hz, 1H), 2.81 (d, J=11.2 Hz, 1H), 2.64 (s, 3H), 2.25 - 2.01 (m, 6H), 1.98 - 1.86 (m, 3H), 1.75 (td, J=13.2, 4.8 Hz, 1H), 1.61 (td, J=13.4, 4.4 Hz, 1H), 1.30 (s, 9H). LCMS (M+1) = 598.34
【0111】
【化40】
4−アリルピペリジン塩酸塩:tert−ブチル4−アリルピペリジン−1−カルボキシレート(1g、4.44mmol)、4M HClのジオキサン溶液(5mL)の混合物を、rtで3時間撹拌した。濃縮して、4−アリルピペリジン塩酸塩(0.7g、98%)を白色固体として得た。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 5.99 - 5.66 (m, 1H), 5.14 - 5.08 (m, 1H), 5.08 - 5.04 (m, 1H), 3.39 (d, J=12.3 Hz, 2H), 2.98 (t, J=12.3 Hz, 2H), 2.10 (t, J=6.9 Hz, 2H), 1.96 (d, J=13.8 Hz, 2H), 1.77 - 1.65 (m, 1H), 1.48 - 1.34 (m, 2H)
【0112】
【化41】
(S)−エチル7−(4−アリルピペリジン−1−イル)−6−(1−tert−ブトキシ−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレート:(S)−エチル7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−6−(1−tert−ブトキシ−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボキシレートの製造法と同様の方法に従い製造した。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.02 (s, 1H), 6.13 - 5.69 (m, 2H), 5.18 - 4.99 (m, 2H), 4.47 (q, J=7.2 Hz, 2H), 4.35 - 4.02 (m, 3H), 3.70 - 2.90 (m, 3H), 2.64 (s, 3H), 2.14 (t, J=6.7 Hz, 2H), 1.99 - 1.80 (m, 2H), 1.75 (br. s., 1H), 1.51 - 1.41 (m, 3H), 1.41 - 1.13 (m, 14H). LCMS (M+1) = 487.37
【0113】
【化42】
(S)−7−(4−アリルピペリジン−1−イル)−6−(1−tert−ブトキシ−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸:(S)−7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−6−(1−tert−ブトキシ−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸の製造法と同様の方法に従い製造した。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.14 (s, 1H), 6.04 - 5.75 (m, 2H), 5.18 - 5.01 (m, 2H), 4.35 - 4.17 (m, 2H), 4.06 (br. s., 1H), 3.62 - 3.02 (m, 3H), 2.66 (s, 3H), 2.16 (t, J=6.8 Hz, 2H), 1.95 - 1.84 (m, 2H), 1.78 - 1.69 (m, 1H), 1), 1.40 - 1.21 (m, 14H). LCMS (M+1) = 459.34
【0114】
【化43】
(S)−エチル2−(2−(2−(アリルオキシ)ベンジルカルバモイル)−7−(4−アリルピペリジン−1−イル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−tert−ブトキシアセテート:(S)−エチル2−(2−(3−(アリルオキシ)−4−フルオロベンジルカルバモイル)−7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−tert−ブトキシアセテートの製造法に従い製造した。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.61 (br. s., 1H), 7.43 (dd, J=7.4, 1.6 Hz, 1H), 7.08 (s, 1H), 7.02 - 6.95 (m, 1H), 6.92 (d, J=8.2 Hz, 1H), 6.18 - 6.07 (m, 1H), 5.98 (br. s., 1H), 5.91 - 5.79 (m, 1H), 5.50 (dd, J=17.3, 1.5 Hz, 1H), 5.31 (dd, J=10.6, 1.4 Hz, 1H), 5.15 - 5.06 (m, 2H), 4.76 (d, J=6.3 Hz, 2H), 4.66 (dt, J=4.8, 1.6 Hz, 2H), 4.31 - 4.14 (m, 2H), 4.02 (br. s., 1H), 3.61 - 3.26 (m, 2H), 3.13 (br. s., 1H), 2.64 (s, 3H), 2.22 - 2.11 (m, 2H), 1.94 - 1.80 (m, 2H), 1.70 - 1.63 (m, 1H), 1.42 - 1.18 (m, 15H). LCMS (M+1) = 604.46
【0115】
【化44】
エチル(2S)−((10E)−3−メチル−20−オキソ−7,8,9,12,19,20−ヘキサヒドロ−6H,18H−5,8−エタノ−21,1−(メテノ)ピリミド[6,1−j][1,9,11,12,15]ベンズオキサテトラアザシクロオクタデシン−4−イル)((2−メチル−2−プロパニル)オキシ)アセテート:エチル(2S)−((11E)−16−フルオロ−3,8−ジメチル−21−オキソ−7,8,10,13,20,21−ヘキサヒドロ−6H,19H−5,8−エタノ−22,1−(メテノ)ピリミド[6,1−k][1,6,10,12,13,16]ベンゾジオキサテトラアザシクロノナデシン−4−イル)((2−メチル−2−プロパニル)オキシ)アセテートの製造法と同じ方法に従い、製造した。生成物はcis/trans異性体の混合物であった。LCMS (M+1) = 576.42
【0116】
実施例11
【化45】
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(21E)−4−メチル−10−オキソ−19−オキサ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[22.2.2.16,9.02,7.013,18]ノナコサ−2,4,6(29),8,13(18),14,16,21−オクタエン−3−イル]酢酸:(2S)−((11E)−16−フルオロ−3,8−ジメチル−21−オキソ−7,8,10,13,20,21−ヘキサヒドロ−6H,19H−5,8−エタノ−22,1−(メテノ)ピリミド[6,1−k][1,6,10,12,13,16]ベンゾジオキサテトラアザシクロノナデシン−4−イル)((2−メチル−2−プロパニル)オキシ)酢酸の製造法と同じ方法に従い、製造した。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.78 (dd, J=8.5, 3.9 Hz, 1H), 7.47 (d, J=7.3 Hz, 1H), 7.27 - 7.25 (m, 1H), 7.05 (s, 1H), 6.95 (t, J=7.4 Hz, 1H), 6.84 (d, J=8.2 Hz, 1H), 6.00 - 5.86 (m, 2H), 5.40 (s, 1H), 4.93 (dd, J=13.6, 9.4 Hz, 1H), 4.51 (d, J=8.7 Hz, 1H), 4.43 - 4.33 (m, 2H), 4.25 (d, J=11.2 Hz, 1H), 4.10 (d, J=13.2 Hz, 1H), 3.55 - 3.47 (m, 1H), 3.23 (t, J=11.8 Hz, 1H), 2.58 (s, 3H), 2.52 - 2.30 (m, 3H), 2.07 - 1.96 (m, 1H), 1.79 - 1.64 (m, 3H), 1.27 - 1.18 (s, 9H). LCMS (M+1) = 548.37
【0117】
実施例12
【化46】
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(21Z)−4−メチル−10−オキソ−19−オキサ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[22.2.2.16,9.02,7.013,18]ノナコサ−2,4,6(29),8,13(18),14,16,21−オクタエン−3−イル]酢酸:(2S)−((11E)−16−フルオロ−3,8−ジメチル−21−オキソ−7,8,10,13,20,21−ヘキサヒドロ−6H,19H−5,8−エタノ−22,1−(メテノ)ピリミド[6,1−k][1,6,10,12,13,16]ベンゾジオキサテトラアザシクロノナデシン−4−イル)((2−メチル−2−プロパニル)オキシ)酢酸の製造法と同じ方法に従い、製造した。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.85 (br. s., 1H), 7.43 (d, J=7.1 Hz, 1H), 7.36 - 7.31 (m, 1H), 7.09 (s, 1H), 7.03 - 6.94 (m, 2H), 6.12 - 5.97 (m, 1H), 5.89 - 5.78 (m, 1H), 5.40 (s, 1H), 4.80 (dd, J=13.3, 7.8 Hz, 1H), 4.69 (t, J=9.4 Hz, 1H), 4.60 (dd, J=13.6, 3.7 Hz, 1H), 4.55 - 4.48 (m, 1H), 4.25 (d, J=10.9 Hz, 1H), 4.11 (d, J=12.8 Hz, 1H), 3.51 (t, J=11.2 Hz, 1H), 3.12 (t, J=12.0 Hz, 1H), 2.67 - 2.57 (m, 3H), 2.55 (m, 1H), 2.39 - 2.23 (m, 2H), 2.01 (br. s., 1H), 1.81 (d, J=12.8 Hz, 1H), 1.70 (d, J=12.0 Hz, 1H), 1.60 (m, 1H), 1.21 (s, 9H). LCMS (M+1) = 548.36
【0118】
実施例13
【化47】
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−{4−メチル−10−オキソ−19−オキサ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[22.2.2.16,9.02,7.013,18]ノナコサ−2,4,6(29),8,13(18),14,16−ヘプタエン−3−イル}酢酸:(2S)−(16−フルオロ−3,8−ジメチル−21−オキソ−7,8,10,11,12,13,20,21−オクタヒドロ−6H,19H−5,8−エタノ−22,1−(メテノ)ピリミド[6,1−k][1,6,10,12,13,16]ベンゾジオキサテトラアザシクロノナデシン−4−イル)((2−メチル−2−プロパニル)オキシ)酢酸の製造法と同じ方法に従い、製造した。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.64 (t, J=6.4 Hz, 1H), 7.51 (d, J=7.3 Hz, 1H), 7.10 (s, 1H), 6.96 (t, J=7.4 Hz, 1H), 6.90 (d, J=8.2 Hz, 1H), 5.49 (d, J=5.2 Hz, 1H), 4.80 (dd, J=13.7, 7.4 Hz, 2H), 4.59 (dd, J=13.7, 6.0 Hz, 1H), 4.19 - 4.10 (m, 2H), 4.03 - 3.89 (m, 2H), 3.42 (t, J=11.0 Hz, 1H), 3.22 (t, J=11.7 Hz, 1H), 2.83 - 2.66 (m, 1H), 2.63 (s, 3H), 2.12 - 1.93 (m, 2H), 1.93 - 1.77 (m, 3H), 1.76 - 1.46 (m, 5H), 1.25 (s, 9H). LCMS (M+1) = 550.32
【0119】
【化48】
(S)−エチル2−(7−(4−アリルピペリジン−1−イル)−2−(2−(ブト−3−エニル)ベンジルカルバモイル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−tert−ブトキシアセテート:(S)−エチル2−(2−(3−(アリルオキシ)−4−フルオロベンジルカルバモイル)−7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−tert−ブトキシアセテートの製造法に従い製造した。LCMS (M+1) = 602.47
【0120】
【化49】
エチル(2S)−((10E)−3−メチル−20−オキソ−7,8,9,12,13,18,19,20−オクタヒドロ−6H−5,8−エタノ−21,1−(メテノ)ピリミド[1,6−f][2,5,6,8]ベンゾテトラアザシクロオクタデシン−4−イル)((2−メチル−2−プロパニル)オキシ)アセテート:エチル(2S)−((11E)−16−フルオロ−3,8−ジメチル−21−オキソ−7,8,10,13,20,21−ヘキサヒドロ−6H,19H−5,8−エタノ−22,1−(メテノ)ピリミド[6,1−k][1,6,10,12,13,16]ベンゾジオキサテトラアザシクロノナデシン−4−イル)((2−メチル−2−プロパニル)オキシ)アセテートの製造法と同じ方法に従い、製造した。生成物はcis/trans異性体の混合物である。LCMS (M+1) = 574.42
【0121】
実施例14
【化50】
(2S)−tert−ブトキシ((21Z)−4−メチル−10−オキソ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[22.2.2.16,9.02,7.013,18]ノナコサ−2,4,6(29),8,13,15,17,21−オクタエン−3−イル)酢酸:(2S)−((11E)−16−フルオロ−3,8−ジメチル−21−オキソ−7,8,10,13,20,21−ヘキサヒドロ−6H,19H−5,8−エタノ−22,1−(メテノ)ピリミド[6,1−k][1,6,10,12,13,16]ベンゾジオキサテトラアザシクロノナデシン−4−イル)((2−メチル−2−プロパニル)オキシ)酢酸の製造法と同じ方法に従い、製造した。LCMS (M+1)=546.22
【0122】
実施例15
【化51】
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(21Z)−4−メチル−10−オキソ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[22.2.2.16,9.02,7.013,18]ノナコサ−2,4,6(29),8,13(18),14,16,21−オクタエン−3−イル]酢酸:(2S)−((11E)−16−フルオロ−3,8−ジメチル−21−オキソ−7,8,10,13,20,21−ヘキサヒドロ−6H,19H−5,8−エタノ−22,1−(メテノ)ピリミド[6,1−k][1,6,10,12,13,16]ベンゾジオキサテトラアザシクロノナデシン−4−イル)((2−メチル−2−プロパニル)オキシ)酢酸の製造法と同じ方法に従い、製造した。LCMS (M+1) = 546.22
【0123】
【化52】
(S)−エチル2−(2−((2−(アリルオキシ)−4−フルオロベンジル)カルバモイル)−7−(4−アリルピペリジン−1−イル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート:(S)−エチル2−(2−(3−(アリルオキシ)−4−フルオロベンジルカルバモイル)−7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−tert−ブトキシアセテートの製造法に従い製造した。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.55 (br. s., 1H), 7.42 - 7.35 (m, 1H), 7.07 (s, 1H), 6.69 - 6.60 (m, 2H), 6.20 - 5.92 (m, 2H), 5.91 - 5.79 (m, 1H), 5.49 (dd, J=17.3, 1.3 Hz, 1H), 5.34 (dd, J=10.6, 1.4 Hz, 1H), 5.16 - 5.04 (m, 2H), 4.69 (d, J=6.3 Hz, 2H), 4.63 (dt, J=4.9, 1.6 Hz, 2H), 4.29 - 4.16 (m, 2H), 4.00 (d, J=6.6 Hz, 1H), 3.65 - 2.99 (m, 3H), 2.64 (s, 3H), 2.15 (t, J=6.9 Hz, 2H), 1.95 - 1.80 (m, 2H), 1.64 (d, J=10.7 Hz, 1H), 1.53 (d, J=19.2 Hz, 1H), 1.43 - 1.33 (m, 1H), 1.30 - 1.22 (m, 12H). LCMS (M+1) = 622.46
【0124】
【化53】
エチル(2S)−((10E)−15−フルオロ−3−メチル−20−オキソ−7,8,9,12,19,20−ヘキサヒドロ−6H,18H−5,8−エタノ−21,1−(メテノ)ピリミド[6,1−j][1,9,11,12,15]ベンズオキサテトラアザシクロオクタデシン−4−イル)((2−メチル−2−プロパニル)オキシ)アセテート:エチル(2S)−((11E)−16−フルオロ−3,8−ジメチル−21−オキソ−7,8,10,13,20,21−ヘキサヒドロ−6H,19H−5,8−エタノ−22,1−(メテノ)ピリミド[6,1−k][1,6,10,12,13,16]ベンゾジオキサテトラアザシクロノナデシン−4−イル)((2−メチル−2−プロパニル)オキシ)アセテートの製造法と同じ方法に従い、製造した。LCMS (M+1) = 594.44
【0125】
実施例16
【化54】
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(21E)−16−フルオロ−4−メチル−10−オキソ−19−オキサ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[22.2.2.16,9.02,7.013,18]ノナコサ−2,4,6(29),8,13(18),14,16,21−オクタエン−3−イル]酢酸:(2S)−((11E)−16−フルオロ−3,8−ジメチル−21−オキソ−7,8,10,13,20,21−ヘキサヒドロ−6H,19H−5,8−エタノ−22,1−(メテノ)ピリミド[6,1−k][1,6,10,12,13,16]ベンゾジオキサテトラアザシクロノナデシン−4−イル)((2−メチル−2−プロパニル)オキシ)酢酸の製造法と同じ方法に従い、製造した。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.86 - 7.69 (m, 1H), 7.41 - 7.34 (m, 1H), 7.08 (s, 1H), 6.81 - 6.61 (m, 2H), 6.13 - 5.96 (m, 1H), 5.91 - 5.78 (m, 1H), 5.39 (s, 1H), 4.80 - 4.46 (m, 4H), 4.25 (d, J=11.0 Hz, 1H), 4.18 - 4.07 (m, 1H), 3.61 - 3.45 (m, 2H), 3.25-3.00 (m, 1 H), 2.75 - 2.57 (m, 3H), 2.56 - 2.45 (m, 1H), 2.36 - 2.22 (m, 2H), 2.08 - 1.94 (m, 1H), 1.83 (d, J=14.8 Hz, 1H), 1.71 (d, J=11.8 Hz, 1H), 1.59 (d, J=10.5 Hz, 1H), 1.24 - 1.12 (s, 9H). LCMS (M+1) = 566.30
【0126】
実施例17
【化55】
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(21Z)−16−フルオロ−4−メチル−10−オキソ−19−オキサ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[22.2.2.16,9.02,7.013,18]ノナコサ−2,4,6(29),8,13(18),14,16,21−オクタエン−3−イル]酢酸:(2S)−((11E)−16−フルオロ−3,8−ジメチル−21−オキソ−7,8,10,13,20,21−ヘキサヒドロ−6H,19H−5,8−エタノ−22,1−(メテノ)ピリミド[6,1−k][1,6,10,12,13,16]ベンゾジオキサテトラアザシクロノナデシン−4−イル)((2−メチル−2−プロパニル)オキシ)酢酸の製造法と同じ方法に従い、製造した。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.92 - 7.66 (m, 1H), 7.41 (t, J=7.5 Hz, 1H), 7.06 (s, 1H), 6.70 - 6.52 (m, 2H), 6.02 - 5.85 (m, 2H), 5.38 (s, 1H), 4.88 (dd, J=13.2, 9.1 Hz, 1H), 4.48 (d, J=8.2 Hz, 1H), 4.39 - 4.23 (m, 3H), 4.13 (d, J=11.5 Hz, 1H), 3.58 - 3.50 (m, 1H), 3.25 (t, J=12.5 Hz, 1H), 2.61 (s, 3H), 2.40 (d, J=13.7 Hz, 3H), 2.10 - 1.98 (m, 1H), 1.85 - 1.64 (m, 3H), 1.27 - 1.12 (m, 10H). LCMS (M+1) = 566.38
【0127】
実施例18
【化56】
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−{16−フルオロ−4−メチル−10−オキソ−19−オキサ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[22.2.2.16,9.02,7.013,18]ノナコサ−2,4,6(29),8,13(18),14,16−ヘプタエン−3−イル}酢酸:(2S)−(16−フルオロ−3,8−ジメチル−21−オキソ−7,8,10,11,12,13,20,21−オクタヒドロ−6H,19H−5,8−エタノ−22,1−(メテノ)ピリミド[6,1−k][1,6,10,12,13,16]ベンゾジオキサテトラアザシクロノナデシン−4−イル)((2−メチル−2−プロパニル)オキシ)酢酸の製造法と同じ方法に従い、製造した。LCMS (M+1) = 568.22
【0128】
【化57】
(S)−エチル2−(7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−5−メチル−2−(((2−(トリメチルシリル)エトキシ)カルボニル)アミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート:(S)−7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−6−(1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(600mg、1.228mmol)、ジフェニルリン酸アジド(0.399mL、1.842mmol)、トリエチルアミン(0.257mL、1.842mmol)のトルエン(30mL)中の混合物を、16時間還流した。減圧下濃縮した。残渣を20%EtOAc/ヘキサンで溶出するバイオタージで精製して、500mg(61%)の(S)−エチル2−(7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−5−メチル−2−(((2−(トリメチルシリル)エトキシ)カルボニル)アミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテートを灰白色固体として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.22 - 7.12 (m, 1H), 6.76 (br. s., 1H), 6.17 - 5.98 (m, 1H), 5.98 - 5.79 (m, 1H), 5.60 - 5.41 (m, 1H), 5.24 (d, J=9.9 Hz, 1H), 4.40 - 4.30 (m, 2H), 4.28 - 4.14 (m, 2H), 4.02 (d, J=5.0 Hz, 2H), 4.00-3.00 (m, 1H), 3.52 (d, J=5.5 Hz, 1H), 2.60 (s, 3H), 2.05 - 1.88 (m, 2H), 1.69 (br. s., 1H), 1.63 (s, 1H), 1.41 - 1.32 (br. s., 3H), 1.31 - 1.19 (m, 14H), 1.16 - 1.08 (m, 2H), 0.10 (s, 9H). LCMS (M+1) = 604.39
【0129】
【化58】
(S)−エチル2−(7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−2−アミノ−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート:(S)−エチル2−(7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−5−メチル−2−(((2−(トリメチルシリル)エトキシ)カルボニル)アミノ)ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(670mg、1.110mmol)、TBAF(1.442mL、1.442mmol)のTHF(10mL)中の混合物を、rtで3時間撹拌した。濃縮し、EtOAcで希釈した。有機層を水で洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮して、460mg(90%)の(S)−エチル2−(7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−2−アミノ−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテートを白色泡状物として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 6.12 - 5.97 (m, 1H), 5.83 (br. s., 1H), 5.80 (s, 1 H), 5.46 (d, J=16.1 Hz, 1H), 5.22 (d, J=10.4 Hz, 1H), 4.35 - 4.11 (m, 3H), 4.02 (d, J=4.7 Hz, 3H), 3.49 - 3.35 (m, 2H), 2.58 (br. s., 3H), 2.03 - 1.88 (m, 3H), 1.50 (m, 1 H), 1.35 (br. s., 3H), 1.27 - 1.19 (m, 12H). LCMS (M+1) = 460.13
【0130】
【化59】
(S)−エチル2−(7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−2−(ヘキシ−5−エン−1−イルアミノ)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート:(S)−エチル2−(7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−2−アミノ−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(30mg、0.065mmol)、ヘキシ−5−エナール(6.41mg、0.065mmol)、酢酸(0.019mL、0.326mmol)、ナトリウムシアノボロハイドライド(20.51mg、0.326mmol)のMeOH(2mL)中の混合物を、rtで2時間撹拌した。LC−MS:まだ多量のSM。さらに1当量のヘキシ−5−エナール(6.41mg、0.065mmol)を添加し、rtでさらに1時間撹拌したが、なおいくぶんSMがあった。さらに1当量のヘキシ−5−エナール(6.41mg、0.065mmol)を添加した。LC−MS:反応は完了した。濃縮し、40%EtOAc/ヘキサンで溶出するバイオタージで精製して、20mg(57%)の(S)−エチル2−(7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−2−(ヘキシ−5−エン−1−イルアミノ)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテートを黄色固体として得た。LCMS (M+1) = 542.29
【0131】
【化60】
エチル(2S)−((8E)−12,17−ジメチル−3,4,5,6,7,10,13,14−オクタヒドロ−12H−12,15−エタノ−2,19−(メテノ)ピリミド[6,1−f][1,5,7,8,10]オキサテトラアザシクロヘプタデシン−16−イル)((2−メチル−2−プロパニル)オキシ)アセテート:(S)−エチル2−(7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−2−(ヘキシ−5−エン−1−イルアミノ)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(20mg、0.037mmol)、(1,3−ジメシチルイミダゾリジン−2−イリデン)(2−イソプロポキシベンジリデン)ルテニウム(VI)クロライド(2.313mg、3.69μmol)のDCE(10mL)中の混合物を、45℃で6時間加熱した。濃縮し、0〜40%EtOAc/ヘキサンで溶出するバイオタージで精製して、7mg(37%)のマクロ16を黄色固体として得た。LCMS (M+1) = 514.28
【0132】
実施例19
【化61】
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(15E)−4,19−ジメチル−18−オキサ−1,5,7,8,10−ペンタアザデトラシクロ[17.2.2.16,9.02,7]テトラコサ−2,4,6(24),8,15−ペンタエン−3−イル]酢酸:マクロ16(7mg、0.014mmol)、NaOH(0.1ml、0.100mmol)のEtOH(1mL)中の混合物を、60℃で3時間加熱した。rtに冷却し、分取HPLCで精製して、2mg(29%)のマクロ15を明黄色固体として得た。LCMS (M+1) = 486.21
【0133】
【化62】
(S)−エチル2−(7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−2−((2−(アリルオキシ)ベンジル)アミノ)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート:(S)−エチル2−(7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−2−(ヘキシ−5−エン−1−イルアミノ)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテートの製造法に従い製造した。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.41 (d, J=6.5 Hz, 1H), 7.23 (td, J=7.8, 1.5 Hz, 1H), 6.96 - 6.86 (m, 2H), 6.19 - 5.96 (m, 2H), 5.96 - 5.65 (m, 2H), 5.59 - 5.36 (m, 3H), 5.31 (dd, J=10.5, 1.5 Hz, 1H), 5.18 (d, J=10.0 Hz, 1H), 4.80 - 4.60 (m, 3H), 4.54 (d, J=4.0 Hz, 2H), 4.50-3.50 (m, 3 H), 4.29 - 4.09 (m, 2H), 4.01 (d, J=5.0 Hz, 2H), 2.54 (br. s., 3H), 2.04 - 1.85 (m, 2H), 1.68 (br. s., 1H), 1.70-1.60 (m, 1 H), 1.33 (s, 3H), 1.26 - 1.14 (m, 12H). LCMS (M+1) = 606.22
【0134】
【化63】
エチル(2S)−(3,8−ジメチル−7,8,10,13,19,20−ヘキサヒドロ−6H−5,8−エタノ−21,1−(メテノ)ピリミド[6,1−k][1,6,10,12,13,15]ベンゾジオキサテトラアザシクロオクタデシン−4−イル)((2−メチル−2−プロパニル)オキシ)アセテート:(S)−エチル2−(7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−2−(ヘキシ−5−エン−1−イルアミノ)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテートの製造法と同じ方法に従い、製造した。LCMS (M+1) = 578.37
【0135】
実施例20
【化64】
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−[(20E)−4,24−ジメチル−18,23−ジオキサ−1,5,7,8,10−ペンタアザペンタシクロ[22.2.2.16,9.02,7.012,17]ノナコサ−2,4,6(29),8,12(17),13,15,20−オクタエン−3−イル]酢酸:(2S)−((8E)−12,17−ジメチル−3,4,5,6,7,10,13,14−オクタヒドロ−12H−12,15−エタノ−2,19−(メテノ)ピリミド[6,1−f][1,5,7,8,10]オキサテトラアザシクロヘプタデシン−16−イル)((2−メチル−2−プロパニル)オキシ)酢酸の製造法に従い製造した。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.26 - 7.18 (m, 2H), 6.98 - 6.90 (m, 2H), 6.30 (br. s., 1H), 6.05 - 6.00 (m, 2H), 5.62 (s, 1H), 4.90 - 4.57 (m, 5H), 4.33 (t, J=11.0 Hz, 1H), 4.00 (br. s., 2H), 3.80 (t, J=11.5 Hz, 1H), 3.33 (d, J=8.8 Hz, 1H), 2.71 (s, 3H), 2.02 (d, J=13.8 Hz, 1H), 1.95 - 1.85 (m, 1H), 1.71 (td, J=12.9, 4.5 Hz, 1H), 1.57 - 1.46 (m, 1H), 1.29 (m, 12H). LCMS (M+1) = 550.25
【0136】
【化65】
2−(2−ヒドロキシエチル)フェノール:冷却した(0℃)2−(2−ヒドロキシフェニル)酢酸(10g、65.7mmol)のTHF(150mL)溶液に、EtN(10.08mL、72.3mmol)、続いてクロロギ酸エチル(6.31mL、65.7mmol)を滴下した。混合物を0℃で1時間撹拌し、固体を濾過し、濾液を冷却した(0℃)NaBH(3.73g、99mmol)の50%THF水溶液に添加した。混合物を0℃で1時間、次いで室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧下除去し、残渣を水(200mL)およびエーテル(500mL)で消化した。エーテル層を分離し、2M NaCO、水、1M クエン酸および水で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮して、2−(2−ヒドロキシエチル)フェノール(7g、50.7mmol、77%収率)を無色油状物として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.17 (td, J=7.7, 1.7 Hz, 1H), 7.09 (dd, J=7.5, 1.5 Hz, 1H), 6.92 (dd, J=8.0, 1.0 Hz, 1H), 6.88 (td, J=7.4, 1.3 Hz, 1H), 3.98 (dd, J=5.8, 5.0 Hz, 2H), 2.94 - 2.88 (m, 2H)
【0137】
【化66】
tert−ブチル(2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)フェノキシ)ジメチルシラン:2−(2−ヒドロキシエチル)フェノール(6g、43.4mmol)のDMF(150mL)溶液に、0℃でイミダゾール(8.87g、130mmol)、続いてTBDMS−Cl(19.64g、130mmol)を添加し、得られた混合物を室温で72時間撹拌した。水(50mL)を添加し、混合物をエーテル(2×200mL)で抽出した。エーテル層を塩水(50mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。残渣をバイオタージ(0−10%EtOAc/ヘキサン;300gカラム)で精製して、tert−ブチル(2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)フェノキシ)ジメチルシラン(10.4g、28.4mmol、65.3%収率)を無色油状物として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.19 (d, J=1.7 Hz, 1H), 6.89 (d, J=1.3 Hz, 1H), 6.80 (dd, J=8.0, 1.1 Hz, 1H), 3.81 (t, J=7.3 Hz, 2H), 2.87 (t, J=7.3 Hz, 2H), 1.06 (s, 9H), 0.90 (s, 9H), 0.28 (s, 6H), 0.02 (s, 6H)
【0138】
【化67】
2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)エタノール:tert−ブチル(2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)エチル)フェノキシ)ジメチルシラン(8.87g、24.19mmol)のエタノール(100mL)溶液に、PPTS(0.608g、2.419mmol)を添加し、混合物を50℃で1時間加熱した。溶媒を除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(5〜30%EtOAc/ヘキサン)で精製して、2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)エタノール(4.4g、17.43mmol、72.1%収率)を無色油状物として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.20 (dd, J=7.4, 1.6 Hz, 1H), 7.14 (td, J=7.7, 1.7 Hz, 1H), 6.97 - 6.90 (m, 1H), 6.84 (dd, J=8.1, 1.0 Hz, 1H), 3.86 (q, J=6.5 Hz, 2H), 2.91 (t, J=6.5 Hz, 2H), 1.62 (t, J=5.8 Hz, 1H), 1.05 (s, 9H), 0.28 (s, 6H)
【0139】
【化68】
2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)アセトアルデヒド:2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)エタノール(4.3g、17.03mmol)のCHCl(120mL)溶液に、0℃でデス・マーチンペルヨージナン(10.84g、25.6mmol)を添加し、混合物を0℃で1時間撹拌し、混合物を室温に温め、さらに1時間撹拌した。混合物をCHCl(100mL)で希釈し、飽和NaHCO(50mL)溶液で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(5〜30%EtOAc/ヘキサン)で精製して、2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)アセトアルデヒド(3.4g、13.58mmol、80%収率)を無色油状物として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 9.72 (t, J=2.2 Hz, 1H), 7.22 (td, J=7.8, 1.8 Hz, 1H), 7.17 (dd, J=7.5, 1.5 Hz, 1H), 7.01 - 6.94 (m, 1H), 6.90 (dd, J=8.1, 0.9 Hz, 1H), 3.66 (d, J=2.2 Hz, 2H), 1.04 (s, 9H), 0.29(s, 6H)
【0140】
【化69】
1−アミノ−3−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)プロパン−2−オール:TMS−CN(2.002mL、14.94mmol)を、乾燥丸底フラスコ中、2−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)アセトアルデヒド(3.4g、13.58mmol)およびZnI(0.217g、0.679mmol)の混合物に滴下し、混合物を室温で1時間撹拌した。粗製のシアノヒドリンエーテルをエーテル(5mL)に溶解し、2M LAH 2M/THF(7.47mL、14.94mmol)のエーテル(20mL)溶液に滴下し、室温で1時間撹拌した。水(1mL)、続いて15%NaOH(1mL)および水(2mL)を滴下した。混合物を15分撹拌した(顆粒状黄色沈殿が形成された)。濾過、乾燥(NaSO)、濃縮により、1−アミノ−3−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)プロパン−2−オール(2.2g、7.82mmol、57.6%収率)を黄色油状物として得て、これをさらに精製することなく次工程で使用した。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.19 (dd, J=7.4, 1.7 Hz, 1H), 7.13 (td, J=7.7, 1.7 Hz, 1H), 6.95 - 6.91 (m, 1H), 6.84 (dd, J=8.1, 1.0 Hz, 1H), 3.85 - 3.78 (m, 1H), 2.86 - 2.73 (m, 3H), 2.62 (dd, J=12.9, 7.7 Hz, 1H), 1.06 (s, 9H), 0.29 (s, 6H)
【0141】
【化70】
(2S)−エチル2−(7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−2−((3−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)−2−ヒドロキシプロピル)カルバモイル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテートおよび(2S)−エチル2−(7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−2−((2−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピル)カルバモイル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート:(S)−7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−6−(1−(tert−ブトキシ)−2−エトキシ−2−オキソエチル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−2−カルボン酸(2.2g、4.50mmol)のCHCl(30mL、触媒的DMF含有)溶液に、塩化オキサリル(2.477mL、4.95mmol)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。粗製の酸クロライドを、予め撹拌した1−アミノ−3−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)プロパン−2−オール・HCl(1.861g、5.85mmol)およびDIEA(3.93mL、22.51mmol)のCHCl(30.0mL)溶液に添加し、得られた溶液を室温で4時間撹拌した。水を添加し、混合物をジクロロメタンで抽出し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗製物をシリカゲルカラム上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離剤として5〜70%EtOAc/Hex)で精製して、(2S)−エチル2−(7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−2−((3−(2−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)フェニル)−2−ヒドロキシプロピル)カルバモイル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(1.7g、2.261mmol、50.2%収率)を白色固体(1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.53 - 7.47 (m, 1H), 7.21 (dt, J=7.4, 1.6 Hz, 1H), 7.18 - 7.12 (m, 1H), 7.08 (d, J=1.3 Hz, 1H), 6.95 (tt, J=7.4, 1.1 Hz, 1H), 6.87 - 6.83 (m, 1H), 5.95 (td, J=11.1, 5.2 Hz, 2H), 5.35 (dd, J=17.2, 1.9 Hz, 1H), 5.03 (br. s., 1H), 4.29 - 4.16 (m, 2H), 4.13 - 4.07 (m, 1H), 4.03 - 3.94 (m, 2H), 3.72 (br. s., 2H), 3.53 - 3.38 (m, 1H), 3.15 (br. s., 1H), 3.09 (br. s., 1H), 2.98 - 2.82 (m, 3H), 2.64 (s, 3H), 2.06 - 1.91 (m, 2H), 1.88 (br. s., 1H), 1.69 (d, J=11.5 Hz, 1H), 1.33 (s, 3H), 1.26 - 1.23 (m, 12H), 1.04 (s, 9H), 0.27 (s, 6H). LCMS (M+H) = 753.7)および脱保護フェノール(2S)−エチル2−(7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−2−((2−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピル)カルバモイル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(0.8g、1.254mmol、27.9%収率)を白色固体(1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 8.37 (br. s., 1H), 7.20 - 7.07 (m, 3H), 6.87 (qd, J=7.4, 6.3 Hz, 2H), 6.12 - 5.94 (m, 2H), 5.45 - 5.35 (m, 1H), 5.14 (d, J=10.4 Hz, 1H), 4.62 (br. s., 1H), 4.28 - 4.04 (m, 6H), 3.85 - 3.73 (m, 1H), 3.62 (ddd, J=14.3, 6.9, 3.4 Hz, 1H), 3.43 (d, J=6.9 Hz, 1H), 3.29 (br. s., 1H), 3.11 - 2.96 (m, 2H), 2.89 (dd, J=14.1, 6.1 Hz, 1H), 2.85 - 2.76 (m, 1H), 2.67 (s, 3H), 2.12 - 1.99 (m, 2H), 1.86 (br. s., 1H), 1.83 - 1.70 (m, 1H), 1.42 (s, 3H), 1.33 - 1.18 (m, 12H). LCMS (M+H) = 638.7)として得た。
【0142】
【化71】
(2S)−エチル2−(7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−2−((3−(2−(アリルオキシ)フェニル)−2−ヒドロキシプロピル)カルバモイル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート:(2S)−エチル2−(7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−2−((2−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピル)カルバモイル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(400mg、0.627mmol)のDMF(6mL)溶液に、KCO(87mg、0.627mmol)を添加し、混合物を70℃で10分加熱した。混合物を室温に冷却し、3−ブロモプロプ−1−エン(0.064mL、0.753mmol)を添加し、得られた混合物を室温で16時間撹拌した。水を添加し、混合物をエーテル(2×25mL)で抽出し、塩水(10mL)で洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。残渣をバイオタージ(0〜40%EtOAc/ヘキサン;40gカラム)で精製して、(2S)−エチル2−(7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−2−((3−(2−(アリルオキシ)フェニル)−2−ヒドロキシプロピル)カルバモイル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(310mg、0.457mmol、72.9%収率)を白色固体として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.55 - 7.50 (m, 1H), 7.26 - 7.19 (m, 2H), 7.08 (d, J=1.3 Hz, 1H), 6.95 (t, J=7.4 Hz, 1H), 6.90 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.12 - 6.03 (m, 1H), 6.01 - 5.79 (m, 2H), 5.47 - 5.40 (m, 1H), 5.39 - 5.33 (m, 1H), 5.28 (dd, J=10.6, 1.1 Hz, 1H), 5.04 (br. s., 1H), 4.59 (dt, J=5.1, 1.5 Hz, 2H), 4.31 - 4.10 (m, 4H), 3.98 (d, J=4.6 Hz, 2H), 3.76 (br. s., 2H), 3.45-3.39(m, 1H), 3.01 - 2.83 (m, 2H), 2.64 (s, 3H), 2.04 - 1.91 (m, 2H), 1.71 (br. s., 1H), 1.34 (s, 3H), 1.26 - 1.20 (m, 12H)。4ピペリジンプロトン不明。LCMS (M+H) = 678.7.
【0143】
実施例21および22
【化72】
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−{13−ヒドロキシ−4,27−ジメチル−10−オキソ−21,26−ジオキサ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[25.2.2.16,9.02,7.015,20]ドトリアコンタ−2,4,6(32),8,15(20),16,18−ヘプタエン−3−イル}酢酸:(2S)−エチル2−(7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−2−((3−(2−(アリルオキシ)フェニル)−2−ヒドロキシプロピル)カルバモイル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(20mg、0.030mmol)のDCE(5mL)溶液に、70℃で、第二世代ホベイダ・グラブス触媒(1.5mg)を添加し、混合物を70℃で2時間加熱した。この時点でLCMSは、出発物質の消費と主物質としての所望の生成物を示した(環化、ジアステレオマーの約1:1混合物)。混合物を冷却し、減圧下濃縮した。残渣をMeOH(2mL)で希釈し、10%Pd/C(3.14mg、0.003mmol)を添加した。混合物をバルーン水素雰囲気下、1時間撹拌した。この時点でLCMSは二重結合の還元を示した。混合物をセライトパッドで濾過し、パッドをメタノールで洗浄した。濾液を濃縮し、1N NaOH(0.148mL、0.148mmol)のMeOH(2mL)溶液で、70℃で2時間処理した。混合物を冷却し、分取HPLCで精製して、2個のジアステレオマーを得た。
【0144】
実施例21:(HPLCで最初に溶出、5mg、7.46μmol、25.3%収率)、1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.53 (t, J=5.8 Hz, 1H), 7.25 - 7.18 (m, 2H), 7.11 (s, 1H), 6.94 (t, J=7.5 Hz, 1H), 6.89 (d, J=8.0 Hz, 1H), 5.96 (br. s., 1H), 4.43 (t, J=11.8 Hz, 1H), 4.25 - 4.11 (m, 4H), 4.00 - 3.76 (m, 3H), 3.55 - 3.45 (m, 2H), 3.45 - 3.27 (m, 2H), 3.11 (dd, J=13.8, 6.2 Hz, 1H), 2.86 - 2.78 (m, 2H), 2.65 (s, 3H), 2.12 - 1.98 (m, 3H), 1.93 - 1.80 (m, 2H), 1.79 - 1.57 (m, 2H), 1.30 (s, 9H), 1.26 (s, 3H). LCMS (M+H) = 624.6
【0145】
実施例22:(HPLCで二番目に溶出、5mg、7.62μmol、25.8%収率):1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.62 (d, J=5.2 Hz, 1H), 7.27 - 7.19 (m, 2H), 7.11 (s, 1H), 6.97 (t, J=7.1 Hz, 1H), 6.91 (d, J=8.0 Hz, 1H), 5.94 (br. s., 1H), 4.48 (t, J=12.2 Hz, 1H), 4.21 - 4.08 (m, 3H), 4.03 - 3.93 (m, 1H), 3.80 (t, J=11.7 Hz, 1H), 3.56 - 3.41 (m, 4H), 3.21 (dd, J=14.1, 8.7 Hz, 1H), 2.98 (d, J=12.1 Hz, 1H), 2.82 - 2.77 (m, 1H), 2.62 (s, 3H), 2.11 - 2.03 (m, 2H), 2.00 - 1.94 (m, 2H), 1.92 - 1.83 (m, 2H), 1.74 (dd, J=12.8, 9.3 Hz, 1H), 1.67 - 1.56 (m, 1H), 1.33 - 1.26 (m, 12H). LCMS (M+H) = 624.6
【0146】
【化73】
エチル(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−{4,27−ジメチル−10,13−ジオキソ−21,26−ジオキサ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[25.2.2.16,9.02,7.015,20]ドトリアコンタ−2,4,6(32),8,15(20),16,18−ヘプタエン−3−イル}アセテート:(2S)−エチル2−(7−(4−(アリルオキシ)−4−メチルピペリジン−1−イル)−2−((3−(2−(アリルオキシ)フェニル)−2−ヒドロキシプロピル)カルバモイル)−5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(150mg、0.221mmol)のDCE(30mL)溶液に、70℃で、第二世代ホベイダ・グラブス触媒(11.09mg、0.018mmol)を添加し、混合物を70℃で2時間加熱した。この時点でLCMSの消費と主物質としての所望の生成物を示した(環化、ジアステレオマーの約1:1混合物)。混合物を冷却し、減圧下濃縮した。残渣をMeOH(5mL)で希釈し、10%Pd/C(23.55mg、0.022mmol)を添加した。混合物をバルーン水素雰囲気下、1時間撹拌した。この時点でLCMSは二重結合の還元を示した。混合物をセライトパッドで濾過し、パッドをメタノールで洗浄した。濾液を濃縮し、高減圧下に乾燥した。残渣をCHCl(5mL)で希釈し、粉砕4Åシーブ(300mg)およびNMO(38.9mg、0.332mmol)を添加した。混合物を10分撹拌後、TPAP(7.78mg、0.022mmol)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物をシリカゲルパッドで濾過し、濾液を濃縮し、バイオタージ(0〜30%EtOAc/ヘキサン;25gカラム)で精製して、エチル(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−{4,27−ジメチル−10,13−ジオキソ−21,26−ジオキサ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[25.2.2.16,9.02,7.015,20]ドトリアコンタ−2,4,6(32),8,15(20),16,18−ヘプタエン−3−イル}アセテート(62mg、0.095mmol、43.1%収率)を白色固体として得た。1H NMR (500MHz, CDCl3) δ 7.84 (t, J=5.0 Hz, 1H), 7.32 - 7.27 (m, 1H), 7.25 (d, J=7.4 Hz, 1H), 7.05 (s, 1H), 6.98 (t, J=7.1 Hz, 1H), 6.87 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.14 (s, 1H), 4.61 - 4.53 (m, 1H), 4.32 (dd, J=5.0, 3.9 Hz, 2H), 4.26 - 4.21 (m, 1H), 4.19 - 4.10 (m, 2H), 4.08 - 3.94 (m, 2H), 3.73 (d, J=5.0 Hz, 2H), 3.52 - 3.40 (m, 2H), 2.98 (d, J=11.0 Hz, 1H), 2.74 (d, J=11.2 Hz, 1H), 2.67 (s, 3H), 2.07 - 2.02 (m, 1H), 1.93 (dd, J=13.6, 2.2 Hz, 1H), 1.88 - 1.73 (m, 5H), 1.68 - 1.63 (m, 1H), 1.31 (s, 3H), 1.28 (s, 9H), 1.22 (t, J=7.1 Hz, 3H). LCMS (M+H) = 650.6
【0147】
実施例23
【化74】
(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−{4,27−ジメチル−10,13−ジオキソ−21,26−ジオキサ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[25.2.2.16,9.02,7.015,20]ドトリアコンタ−2,4,6(32),8,15(20),16,18−ヘプタエン−3−イル}酢酸:エチル(2S)−2−(tert−ブトキシ)−2−{4,27−ジメチル−10,13−ジオキソ−21,26−ジオキサ−1,5,7,8,11−ペンタアザペンタシクロ[25.2.2.16,9.02,7.015,20]ドトリアコンタ−2,4,6(32),8,15(20),16,18−ヘプタエン−3−イル}アセテート(6mg、9.23μmol)のMeOH(0.5mL)溶液に、1N NaOH(0.046mL、0.046mmol)を添加し、混合物を70℃で3時間加熱した。混合物を冷却し、分取HPLCで精製して、所望の生成物を得た(3.8mg、6.11μmol、66.2%収率)。1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 7.82 (t, J=5.3 Hz, 1H), 7.27 - 7.21 (m, 2H), 6.96 (d, J=8.5 Hz, 1H), 6.92 - 6.86 (m, 2H), 5.83 (s, 1H), 4.40 (t, J=11.6 Hz, 1H), 4.29 (t, J=5.6 Hz, 2H), 4.06 - 3.94 (m, 2H), 3.84 - 3.70 (m, 4H), 2.69 (d, J=11.3 Hz, 1H), 2.58 (s, 3H), 1.97 (d, J=13.4 Hz, 1H), 1.84 - 1.62 (m, 6H), 1.62 - 1.52 (m, 3H), 1.22 (s, 3H), 1.18 (s, 9H). LCMS (M+H) = 622.6
【0148】
当業者には、本願発明が前述の説明的実施例に限定されず、その本質的特性から逸脱することなく他の特定の形に具現化できることは明らかである。それゆえに、実施例は、あらゆる点で制限的ではなく説明的と見なすことが望まれ、先の実施例ではなく添付する特許請求の範囲を参照すべきであり、請求の範囲と等価の意味および範囲に入る全ての変化は包含されると意図される。