(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
温水装置の構成要素として用いられる燃焼装置の一例として、特許文献1に記載のものがある。
同文献に記載の燃焼装置は、1つのバーナケース内に複数のバーナを並べて収容し、かつバーナケース内には、その下部からファンを利用して燃焼用空気を供給させるようにしている。複数のバーナの下側には、整流板が設けられており、ファンから吐出された燃焼用空気は、整流板によるガイド作用により各バーナ内に導入されて燃料ガスと混合され、この混合ガスが燃焼する。一方、複数のバーナは、燃料ガス供給のオン・オフ切り替えを個別に行なうことが可能な複数の部分燃焼可能領域に区分されており、これら複数の部分燃焼可能領域のいずれか1つを単独で燃焼駆動させ、あるいは複数の部分燃焼可能領域を組み合わせて燃焼駆動させることによって、燃焼火力を複数段階で変更できるように構成されている。
【0003】
前記したような燃焼装置を、たとえばレストラン用などの大型の給湯装置の構成要素として用いる場合には、バーナの数を多くすることに加え、バーナケース内への燃焼用空気供給量も多くする必要がある。このような場合、ファンとして、ただ単純に大型のものを用いたのでは、そのコストがかなり高価となる。また、ファンが大きく嵩張るために、温水装置全体の大型化を招く不利もある。
【0004】
このような不利を回避する手段としては、たとえば2つのファンを用いることが考えられる(たとえば、特許文献2を参照)。このような手段によれば、各ファンとして、小型のものを用いることができるために、大型のファンを1つ用いる場合と比較して、トータルのコストを低減し、また装置全体の小型化を図ることも可能となる。
【0005】
しかしながら、2つのファンをただ単に用いただけでは、バーナの燃焼駆動状態、とくにバーナに部分燃焼を生じさせて燃焼火力を変更するときに、部分燃焼に適した燃焼用空気の供給が行なわれず、不具合を生じる場合がある。具体例を挙げると、バーナに部分燃焼駆動を行なわせている際に、非燃焼部分への燃焼用空気の供給量が過多であると、この燃焼用空気が燃焼装置の上側に設置されている熱交換器を冷却することとなり、熱交換器の熱交換効率が低下する虞を招く。これとは反対に、非燃焼部分への燃焼用空気の供給量が過少であると、燃焼空間内の炉圧により燃焼ガスが非燃焼部分のバーナ内に逆流する虞がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであり、燃焼用空気の供給手段として2つのファンを利用し、かつ複数のバーナに部分燃焼を行なわせて燃焼火力の変更を行なうような場合に、その燃焼駆動状態を適切な状態にすることが可能な燃焼装置、
およびこれを備えた温水装置を提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0009】
本発明の第1の側面により提供される燃焼装置は、1つのバーナケース内に収容されて略水平方向に並べられ
、かつ燃料供給のオン・オフを個別に切り替え可能な複数の部分燃焼可能領域に区分されている複数のバーナと、前記バーナケース内にその下部側から燃焼用空気を供給するための第1および第2のファンと、これら第1および第2のファンから燃焼用空気の供給を受ける空気供給室を前記複数のバーナの下側に区画形成し、かつ前記空気供給室に供給された燃焼用空気が前記バーナケース内をそのまま上昇することを抑制しつつ前記複数のバーナ内に導入されるように前記燃焼用空気をガイドする整流板と、を備えて
いる、燃焼装置であって、前記空気供給室を、前記複数のバーナの配列方向において第1および第2の空気供給室に仕切る仕切り部材を、さらに備えており、前記第1のファンから吐出される燃焼用空気は、前記第1の空気供給室を経由してその上方の第1領域のバーナに供給され、かつ前記第2のファンから吐出される燃焼用空気は、前記第2の空気供給室を経由してその上方の第2領域のバーナに供給されるように構成されており、
前記第1領域のバーナの部分燃焼可能領域の区分数は、前記第2領域のバーナの部分燃焼可能領域の区分数よりも多くされ、かつ前記第1領域のバーナのうち、バーナ数が最少の部分燃焼可能領域は、前記第2領域のバーナのいずれの部分燃焼可能領域よりもバーナ数が少なくされており、前記複数のバーナに部分燃焼を生じさせて燃焼火力を変更するときには、前記第1領域のバーナが前記第2領域のバーナよりも優先的に利用され、
前記第2領域のバーナは、前記第1領域のバーナの複数の部分燃焼可能領域の全てが燃焼駆動状態にある場合に限り燃焼駆動され、そうでない場合には燃焼駆動されないように構成されている。
【0010】
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、バーナの部分燃焼駆動が行なわれる領域を増大させていくことによってバーナ火力を徐々に強めていく場合や、これとは反対にバーナ火力を徐々に弱めていく場合に、第1領域はバーナの燃焼駆動領域として維持される。第2領域は、要求される燃焼火力が大きく、第1領域のバーナを燃焼駆動させるだけでは燃焼火力が足りない場合にのみバーナの燃焼駆動領域とされ、これ以外のときには、第2領域はバーナの非燃焼領域として維持される。一方、第1領域に対しては、第1のファンから燃焼用空気供給が可能であり、第2領域に対しては、第2のファンから燃焼用空気供給が可能である。したがって、バーナ駆動時においては、常時燃焼状態にある第1領域に対しては、その燃焼状態に適合した燃焼用空気供給が可能であり、第2領域に対しては、この第2領域が燃焼状態であるか否に応じて、やはりそのような状態に適合した燃焼用空気供給を適切に行なうことができる。これは、第1および第2のファンの制御の容易化に寄与する他、バーナの燃焼駆動状態を安定させる上でも好ましい。
さらに、本発明によれば、第1領域のバーナを燃焼駆動させている際に、非燃焼部分である第2領域への燃焼用空気の供給量を抑えることができ、第2領域に供給された多くの燃焼用空気が燃焼装置の上側に設置されている熱交換器を冷却するといった不具合を抑制することが可能となる。また、非燃焼部分である第2領域への燃焼用空気の供給量が過少になることを解消し、燃焼空間内の炉圧によって燃焼ガスが第2領域のバーナ内に逆流するといった不具合も防止することが可能となる。さらに、バーナの燃焼駆動開始時(点火時)に、第1領域および第2領域への燃焼用空気供給量に差を付けて火炎のバランスを崩すことにより、振動燃焼を防止するといったことも可能となる。
【0012】
さらに、前記構成によれば、第1領域のバーナを部分燃焼駆動させるだけであっても、燃焼火力をきめ細かく多段階で切り替えていくことができ、実用性に優れたものとなる。
【0013】
本発明において、好ましくは、前記仕切り部材は、前記空気供給室を前記第1および第2の空気供給室に仕切る位置が、前記複数のバーナにおける部分燃焼可能領域どうしの境界部分の直下となるように設けられている。
【0014】
このような構成によれば、バーナの部分燃焼可能領域として、第1領域および第2領域の双方に跨がったものは存在しないこととなる。その結果、バーナを部分燃焼駆動させる場合に、この燃焼領域が第1領域および第2領域の双方に跨がった状態となることを抑制し、第1領域および第2領域のそれぞれに対して適切な燃焼用空気供給を的確に行なう上で、より好ましいものとなる。
【0015】
本発明において、好ましくは、前記仕切り部材は、前記第1領域のバーナと前記第2領域のバーナとの間を仕切るように前記整流板よりも高い位置まで延設されており、かつこの仕切り部材の上端は、前記複数のバーナの上面部の炎孔部よりも低い高さに設定されている。
【0016】
このような構成によれば、第1領域のバーナと第2領域のバーナとの間が仕切り部材によって一部仕切られるために、第1領域および第2領域の一方に供給された燃焼用空気が他方に進行し難くなり、燃焼動作を安定させる上で好ましい。一方、仕切り部材の上端がバーナの上面部の炎孔部よりも低い高さとされていれば、仕切り部材が火炎に晒されないようにし、仕切り部材の熱損傷を防止することができる。
【0017】
本発明の第2の側面により提供される温水装置は、燃焼装置と、この燃焼装置によって発生された燃焼ガスから熱回収を行なって湯水加熱を行なうための伝熱管を有する熱交換器と、を備えている、温水装置であって、前記燃焼装置として、本発明の第1の側面により提供される燃焼装置が用いられていることを特徴としている。
【0018】
このような構成によれば、本発明の第1の側面により提供される燃焼装置について述べたのと同様な効果が得られる。
【0019】
本発明において、好ましくは、前記熱交換器の伝熱管への入水口は、前記第1領域のバーナ寄りの位置に設けられている。
【0020】
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
まず、第1領域は、バーナの燃焼駆動時には、常時燃焼状態にあることは既述したとおりであり、比較的低温の湯水が供給される伝熱管の入水口がこの第1領域のバーナ寄りに設けられていると、伝熱管のうち、第1領域の上方寄りの部分において、燃焼ガス中の水蒸気が凝縮し、凝縮水が発生することとなる。本発明においては、凝縮水を第1領域の上方の限定的な場所においてのみ発生させて、第2領域の上方などを含めた広い範囲で発生しないようにすることができる。その結果、凝縮水の発生に起因する熱交換器の腐食や、熱交換効率の低下を回避することが可能である。
【0021】
本発明において、好ましくは、前記第1領域のバーナのうち、バーナ数が最少とされた部分燃焼可能領域は、前記第1領域のバーナ配列のうち、前記入水口寄りの最端部に設けられている。
【0022】
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
バーナ数が最少とされた部分燃焼可能領域は、燃焼火力を順次切り替えていく場合に、常時またはこれに近いかたちで燃焼駆動が継続される部分である。このような部分が、第
1領域のバーナ配列のうち、入水口寄りの最端部に設けられていれば、凝縮水が発生する場所をより限定的なものとすることが可能となる。その結果、凝縮水に起因する熱交換器の腐食や、熱交換効率の低下を防止する上で、より好ましいものとなる。
【0023】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0026】
図1に示す温水装置WHは、瞬間式ガス給湯装置であり、燃焼装置C1と、熱交換器1とを備えている。
【0027】
燃焼装置C1は、複数のバーナ(燃焼管)2、これらを収容するバーナケース3、バーナケース3内に燃焼用空気を供給するための第1および第2のファン4a,4b、整流板5、仕切り部材6、ならびに燃料ガス噴出用のヘッダ7(
図2を参照)を具備している。
【0028】
複数のバーナ2は、ガスバーナであり、バーナケース3の左右横幅方向に所定の配列ピッチで並べられている。各バーナ2としては、従来と同様なものを用いることが可能であり、その詳細は省略するが、全体が比較的偏平状であって、長手方向一端の下部には燃料ガス導入口20を有し、かつ上面部には平面視細長矩形状の炎孔部21を有している。燃料ガス導入口20は、バーナケース3の前壁部からその外側を臨むように設けられており、この燃料ガス導入口20には、第1および第2のファン4a,4bのいずれかから吐出された燃焼用空気の一部(1次空気)が供給される。燃料ガス噴出用のヘッダ7は、燃料ガス導入口20に燃料ガスを噴出可能である。バーナ2内には、1次空気および燃料ガスが混合して供給され、これが炎孔部21において燃焼する。
【0029】
複数のバーナ2は、部分燃焼可能領域a〜eに区分されている。これらの部分燃焼可能領域a〜eは、これらに対する燃料ガス噴出用のヘッダ7からの燃料ガス供給が個別にオン・オフ切り替え可能とされており、部分燃焼可能領域a〜eのそれぞれを独自に燃焼駆動させることが可能である。本実施形態においては、部分燃焼可能領域a〜eのそれぞれのバーナ2の数は、6、3、2、8、3とされている。
【0030】
第1および第2のファン4a,4bは、バーナケース3の下部に取り付けられており、バーナケース3の下部の開口部30を介して燃焼用空気をバーナケース3内へ上向きに供給可能である。第1および第2のファン4a,4b、ならびにこれらの駆動用モータMa
,Mbは、構造およびサイズが実質的に同一のものとされている。
【0031】
整流板5は、複数のバーナ2の下側に配されており、第1および第2のファン4a,4bから吐出された燃焼用空気がそのまま上昇することを抑制しつつ、その大部分を前記した1次空気として各バーナ2の燃料ガス導入口20に導く。また、整流板5には、複数の通気孔50が設けられており、この通気孔50を通過した燃焼用空気の一部は、各バーナ2の燃焼駆動用の2次空気として利用される。
【0032】
仕切り部材6は、整流板5とバーナケース3の底板部31との間に形成されている空気供給室32を、バーナケース3の横幅方向において第1および第2の空気供給室32a,32bに仕切るためのものであり、たとえばメッキ鋼板やステンレス鋼板などの金属板である。第1および第2のファン4a,4bは、第1および第2の空気供給室32a,32bにそれぞれ個別に燃焼用空気を送り込むように設けられている。仕切り部材6は、空気供給室32よりもさらに上側に延設されており、バーナ2どうしの隙間内の位置にも進入している。この仕切り部材6の上端高さは、バーナ2の炎孔部21よりも若干低い高さである。このことにより、仕切り部材6がバーナ2の火炎に晒されることが防止され、熱損傷を生じ難くすることができる。これは、仕切り部材6として、耐熱性の低い、低コストの金属材料が選定できる利点をもたらせる。また、本実施形態とは異なり、仕切り部材6を炎孔部21よりも高い高さまで延設した場合には、仕切り部材6を冷却するための2次空気を仕切り部材6に沿って多く流す必要が生じ、熱効率への悪影響が懸念される。これに対し、本実施形態によれば、そのようなことも解消される。
【0033】
仕切り部材6は、複数のバーナ2の部分燃焼可能領域c,dの相互間を仕切る位置に設けられている。このことにより、第1の空気供給室32aの上方の第1領域A1に位置するバーナ2の数と、第2の空気供給室32bの上方の第2領域A2に位置するバーナ2の数とは、ともに11であって同数に揃えられている。
【0034】
ただし、第1領域A1のバーナ2は、3つの部分燃焼可能領域a〜cに区分されており、2つの部分燃焼可能領域d,eに区分されている第2領域A2のバーナ2よりも、部分燃焼可能領域の区分数が多くされている。また、第1領域A1の部分燃焼可能領域a〜cのうち、バーナ数が最少(本実施形態では2つ)の部分燃焼可能領域cは、第2領域A2の部分燃焼可能領域d,eのそれぞれよりもバーナ数がさらに少なくされている。このような構成は、第2領域A2のバーナ2を燃焼駆動させることなく、第1領域A1のバーナ2を燃焼駆動させるだけであっても、燃焼火力をきめ細かく多段階で切り替えていく上で好ましいものとなる。
【0035】
第1および第2のファン4a,4bの駆動や、燃料ガス噴出用のヘッダ7からの燃料ガスの噴出のオン・オフ切り替え、バーナ2への点火動作、バーナ2の燃焼火力の変更などは、図示されていないコントローラによって制御されるように構成されている。この制御の具体的な内容については、後述する。
【0036】
熱交換器1は、燃焼装置C1によって発生させた燃焼ガスから熱回収を行なって湯水加熱を行なうものであり、バーナケース3の上側に載設された缶体10と、この缶体10内に収容された多数のフィン11付きの伝熱管12とを備えている。伝熱管12には、加熱対象の湯水を流入させるための入水口13と、伝熱管12内を通過して加熱された湯水を外部に流出させるための出湯口14が設けられている。入水口13は、バーナケース3の左右横幅方向のうち、第1領域A1が位置する側(
図1の左側)に設けられている。図示説明は省略するが、湯水加熱用の熱交換器として、熱交換器1とは別に、潜熱回収用の熱交換器をさらに設けた構成とすることも可能である。
【0037】
次に、前記した温水装置WHの作用について説明する。
【0038】
まず、第1領域A1のバーナ2には、第1のファン4aから燃焼用空気が供給され、第2領域A2のバーナ2には、第2のファン4bから燃焼用空気が供給される。このため、たとえば
図1に示すように、第1領域A1のバーナ2のみが燃焼駆動し、かつ第2領域A2のバーナ2が非燃焼駆動状態であるような場合には、第1領域A1のバーナ2には第1のファン4aから燃焼駆動に適合した量の燃焼用空気供給を行なわせつつ、第2領域A2のバーナ2には、過剰な燃焼用空気供給が行なわれないようにすることができる。第2領域A2のバーナ2への燃焼用空気供給量が多いと、第2領域A2を通過した多くの燃焼用空気が熱交換器1を冷し、温水装置WHの熱交換効率が悪くなるが、このような不具合を回避することが可能である。一方、第2領域A2のバーナ2への燃焼用空気供給を完全に停止させてしまうと、燃焼空間内の炉圧により燃焼ガスが非燃焼部分である第2領域A2のバーナ2内に逆流する虞があるが、本実施形態によれば、第2のファン4bを低速で回転させることによって、そのような虞も適切に防止することが可能である。
【0039】
仕切り部材6は、複数のバーナ2における部分燃焼可能領域c,dの境界部分に対応した位置に設けられており、バーナ2の部分燃焼可能領域a〜eとしては、第1領域A1と第2領域A2との双方に跨がって存在するものはない。
図3に、第1領域A1と第2領域A2との双方に跨がった部分燃焼可能領域yが設けられた例を示す。このような部分燃焼可能領域yは、それ単独で、燃焼駆動させると、第1領域A1に未燃焼領域があるにも拘わらず、第2領域A2に燃焼駆動領域が発生することとなる。これは、本発明が意図する燃焼火力変更方式に合致しない。部分燃焼可能領域yは、本発明が意図する燃焼火力変更方式を採用する場合には、融通性に劣ることとなるが、本実施形態の部分燃焼可能領域a〜eは、前記した部分燃焼可能領域yのようなものではなく、部分燃焼を的確に行なう上で好都合である。なお、本発明においては、前記した部分燃焼可能領域yを設けた場合であっても、本発明が意図する燃焼火力変更方式を実現することが可能である(燃焼火力を高めていく場合に、部分燃焼可能領域yを第1領域A1の中で最も最後に燃焼させればよい)。
【0040】
本実施形態においては、第1領域A1および第2領域A2のバーナ数が同一に揃えられている。このため、第1および第2のファン4a,4b、ならびにその駆動用モータMa,Mbとして、構造およびサイズが同一のものを好適に用いることができる。これらの機器の共通化を図れば、これらの低コスト化が図られ、さらには駆動用モータMa,Mbの制御方式なども共通となるために、ファン制御の容易化も図ることができる。
【0041】
次に、燃焼装置C1において行なわれる動作処理の具体例を説明する。
【0042】
〔点火動作〕
バーナ2への点火時には、
図4に示すような燃焼振動防止動作が実行される。
すなわち、バーナ2の点火がなされる場合には、第1および第2のファン4a,4bが駆動されるが、その際の両者のファン回転数を相違させ、第1および第2のファン4a,4bからの燃焼用空気の吐出量を不均一とする(S1:YES,S2)。点火プラグ(不図示)を利用した点火動作が完了すると、その後は第1および第2のファン4a,4bを、バーナ2の燃焼駆動に適合した所定の回転速度に制御する(S3,S4:YES,S5)。
【0043】
前記した動作によれば、バーナ2への点火時に発生する火炎のバランスを、燃焼用空気の吐出量の不均一さによって積極的に崩すことができる。このことにより、燃焼駆動初期に生じ易い燃焼振動を適切に抑制することが可能となる。
【0044】
〔火移り〕
図1に示すように、第1領域A1のバーナ2が燃焼駆動し、かつ第2領域A2のバーナ2が非燃焼駆動状態にある場合に、第2領域A2のバーナ2に火移りを生じさせる場合には、
図5に示すような制御が行なわれる。
まず、
図1に示した状態は、
図5のステップS10のYES、S11の状態にあり、第1のファン4aは、バーナ2の燃焼駆動に対応した回転速度とされ、第2のファン4bはそれよりも低速回転である。この第2のファン4bが低速回転であるのは、前述したとおり、第1領域A1から第2領域A2に多くの燃焼用空気が回り込むことを防止するためである。
【0045】
このような状態において、第2領域A2のバーナ2への火移りを生じさせるには、第1のファン4aの回転速度、および第1領域A1のバーナ2への燃料ガスの供給圧を変更することなく、第2のファン4bの回転速度を、若干速める(S12:YES,S13)。第2のファン4bの回転速度は、第1のファン4aの回転速度を超えない範囲である。前記ファン速度の変更に伴い、第2領域A2のバーナ2に燃料ガス供給を開始する(S14)。このような動作により火移りが完了すると、その後は第2のファン4bの回転速度をさらに速め、第2領域A2のバーナ2の燃焼駆動に対応させる(S15:YES,S16)。火移り完了後における第1領域A1に対する第1のファン4aの空気吐出量については、少なくするなど、要求される燃焼能力に応じて変化させてもよい。
【0046】
このような制御によれば、火移り動作を迅速に行なうことができる。従来一般の燃焼装置においては、火移りを行なわせる際に、燃焼駆動しているバーナへの燃料ガスの供給圧を一時的に下げる動作が行なわれているが、このような手段によれば、バーナを元の燃焼状態に復帰させるのにある程度の時間を要する。これに対し、本実施形態によれば、第1領域A1のバーナ2の燃焼駆動状態に大きな変化を与えず、定常の燃焼状態への復帰が迅速に行なわれることとなる。これは、温水装置WHからの出湯温度を安定させる上で大きな利点となる。
【0047】
〔燃焼火力の変更〕
複数のバーナ2の燃焼火力の変更は、たとえば
図6に示すような態様でなされる。同図において、クロスハッチングが付された部分が、燃焼領域であり、クロスハッチングが付されていない部分は、非燃焼領域である(後述の
図7(b)、
図8(b)も同様)。
図6に示すように、燃焼装置C1においては、部分燃焼可能領域a〜eを組み合わせて燃焼領域とすることにより、燃料火力1〜6の6段階の燃焼火力変更が可能とされている。この燃焼火力変更時においては、第1領域A1のバーナ2が優先的に利用され、第1領域A1のバーナ2の全てが燃焼駆動状態にない場合には、第2領域A2のバーナは燃焼駆動されず、第2領域A2のバーナ2が燃焼駆動されるのは、燃焼火力5,6の場合のように、第1領域A1のバーナ2の全てが燃焼駆動状態にある場合に限られている。
【0048】
このような構成によれば、第1領域A1のバーナ2を燃焼駆動状態とし、かつ第2領域A2のバーナ2を非燃焼駆動状態とすることが極力維持され、バーナ2の駆動燃焼状態を安定させることができる。また、非燃焼領域に対して無駄に多くの燃焼用空気が供給されるといったことも極力回避することが可能である。
図7は、本発明との対比例である。
図7の燃焼装置C10においては、燃焼火力4を設定し、部分燃焼可能領域b〜dを燃焼領域とした場合に、この燃焼領域が第1領域A1と第2領域A2との双方に跨がってしまい、燃焼領域の両側に非燃焼領域が発生する。これでは、非燃焼領域に供給される燃焼用空気の無駄が多くなり、熱交換器1が冷却され易い。これに対し、本実施形態によれば、そのような虞はない。
【0049】
さらに、本実施形態においては、前記したように、複数のバーナ2の部分燃焼時には第
1領域A1のバーナ2が優先的に利用されること、および熱交換器1の入水口13が第1領域A1寄りに位置する結果、熱交換器1において凝縮水が発生する領域を狭くすることができる効果も得られる。より具体的には、熱交換器1の入水口13には、比較的低温の湯水が供給され、燃焼ガスがこの湯水によって冷やされると、燃焼ガス中の水蒸気が凝縮し、強酸性の凝縮水が熱交換器1の表面に発生する。この凝縮水は、熱交換器1の腐食原因となるとともに、熱交換器1の熱交換効率を低下させる。この凝縮水が発生する箇所は、熱交換器1に入水した湯水が、バーナ2によって発生された燃焼ガスに最初に出会う部分およびその近辺(
図1の符号n1部分)に発生する。
【0050】
本実施形態によれば、前記したような凝縮水が発生する箇所は、第1領域A1の上方に限定される。したがって、熱交換器1の広範囲において凝縮水が発生することを適切に回避し、凝縮水の発生に起因する熱交換器1の腐食や熱交換効率の低下を抑制することができる。
【0051】
図8は、本発明の他の実施形態を示している。同図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付している。
【0052】
図8に示す燃焼装置C2においては、バーナ2の総数は、先の実施形態の燃焼用空気C1と同一であるが、部分燃焼可能領域a〜eのそれぞれを構成するバーナ2の数が、前記実施形態とは相違している。また、仕切り部材6は、第1領域A1と第2領域A2とのそれぞれのバーナ2の数を同数とするようには設けられておらず、第1領域A1の方が第2領域A2よりもバーナ2の数が少なくなるように設けられている。また、バーナ数が2つあって、第1領域A1のうち、バーナ数が最も少ない部分燃焼可能領域aは、バーナ列のうち、入水口13寄りの端部に設けられている。
【0053】
バーナ2の燃焼火力を複数段階で切り替える場合には、同図(b)に示すような態様とされている。本実施形態では、やはり複数のバーナ2の部分燃焼時においては、第1領域A1のバーナ2が優先的に利用され、第2領域A2のバーナ2が燃焼駆動されるのは、燃焼火力5,6の場合であって、第1領域A1のバーナ2の全てが燃焼駆動状態にある場合に限られている。したがって、
図7を参照して述べたような不利をなくすことが可能である。また、本実施形態によれば、バーナ数が最も少ない部分燃焼可能領域aが入水口13寄りの端部に設けられ活用されている結果、部分燃焼可能領域a,bの上方位置において熱交換器1に凝縮水が発生することとなる。したがって、凝縮水が発生する範囲を先の実施形態の燃焼装置Cの場合よりも狭めることができる利点が得られる。
【0054】
図8に示す実施形態では、第1および第2のファン4a,4b、ならびにその駆動用モータMa,Mbとして、同一の構造およびサイズのものが用いられている。ただし、このような構成に代えて、第1のファン4aおよびモータMaを、第2のファン4bおよびモータMbよりも小サイズ(または低定格能力)としてもよいことは勿論である。
【0055】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る燃焼装置、および温水装置の各部の具体的な構成は、本発明の意図する範囲内において種々に設計変更自在である。
【0056】
本発明でいう仕切り部材は、空気供給室を第1および第2の空気供給室に仕切る部材であればよく、整流板よりも上方に突出しない状態に設けることもできる。仕切り部材が設けられる位置は、部分燃焼可能領域どうしの境界部分(境界部分が複数ある場合、そのうちのいずれか1つの境界部分でよい)に対応する位置とすることが好ましいが、これに限定されない。第1領域のバーナ数と第2領域のバーナ数との差がかなり大きくなるように設けられていてもよい。第1および第2のファン、およびその駆動用モータの具体的な種
類なども限定されない。ファンは、少なくとも2つ設けられていればよく、3以上のファンが設けられている場合であっても、2つのファン(第1および第2のファン)に関連する構成が本発明の意図する構成に該当するのであれば、本発明の技術的範囲に包摂される。
【0057】
本発明に係る燃焼装置は、給湯装置などの温水装置の構成要素以外の用途(たとえば、暖房用や焼却用の燃焼装置など)に用いることも可能である。また、本発明に係る燃焼装置は、レストラン用などの業務用の大型のものとして構成するのに適するが、その具体的なサイズなどは限定されず、比較的小型の燃焼装置として構成することも可能である。本発明に係る温水装置における熱交換器の具体的な構成もとくに限定されない。湯水加熱が可能であれば、種々のタイプの熱交換器を用いることができる。