(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
複数のリチウムイオン電池のセルを直列接続して1つのセル群とし、複数のセル群を直列接続して使用する場合、セル群同士を直列接続した位置におけるセル群と保護ICとの間の断線検出ができないという問題があった。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みなされたものであり、セル群同士を直列接続した位置におけるセル群と保護ICとの間の断線を検出できる保護IC
及び保護回路及び電池電圧監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施態様による保護ICは、二次電池のセルが複数直列接続され
て使用される二次電池集合体の
前記セルに接続され、前記
セルの電池電圧を監視する保護ICであって、
前記セルと並列に接続され前記セルの両端電圧を分圧する分圧抵抗と、前記分圧抵抗で分圧された電圧を基準電圧と比較して前記セルの過充電を検出するコンパレータとを有する過充電検出部(12)と、
前記セルと前記保護IC間の断線を検出する断線検出部(13)とを有し、
前記断線検出部は、
前記二次電池集合体の最高電位側セルと最低電位側セルを除く中間セル(CL2,CL3)の高電位側端子に接続される第1端子(V3)と、前記中間セルの低電位側端子に接続される第2端子(V2)と、ゲートが前記第1端子に接続され、ドレインが第1抵抗(R32)を介して前記二次電池集合体の最高電位側セルの高電位側端子に接続される第1電源端子(VDD)に接続され、ソースが前記中間セルの第2端子に接続された第1のトランジスタ(M3,M4)を有し、
前記第1のトランジスタのソースから前記中間セルに流れるソース電流値による前記第1抵抗の電圧降下に基づいて前記第2端子と前記中間セルとの間の断線を検出する。
【0010】
本発明の他の実施態様による保護ICは、二次電池のセルが複数直列接続されて使用される二次電池集合体の前記セルに接続され、前記セルの電池電圧を監視する保護ICであって、
前記セルと並列に接続され前記セルの両端電圧を分圧する分圧抵抗と、前記分圧抵抗で分圧された電圧を基準電圧と比較して前記セルの過充電を検出するコンパレータとを有する過充電検出部(12)と、
前記セルと前記保護IC間の断線を検出する断線検出部
(13)と、
保護ICの端子を保護する端子保護部(
11)を有し、
前記端子保護部は、
前記セルの高電位側端子に接続される端子(V1〜V4)から前記二次電池集合体の最高電位側セルの高電位側端子に接続される第1電源端子(VDD)と前記二次電池集合体の最低電位側セルの低電位側端子に接続される第2電源端子(VSS)それぞれに逆向きに接続されたダイオード(D1〜D8)を有し、
前記断線検出部は、
前記二次電池集合体の最高電位側セル(CL1)と最低電位側セル(CL4)を除く中間セル(CL2,CL3)の高電位側端子に接続される第1端子(V3,V2)と、前記中間セルの低電位側端子に接続される第2端子(V2,V1)と、ゲートが前記第1端子に接続され、ドレインが第1抵抗(R32,R33)を介して前記第1電源端子(VDD)に接続され、ソースが前記第2端子に接続された第1のトランジスタ(M3,M4)を有し、前記第1のトランジスタのソースから前記中間セルに流れるソース電流値による前記第1抵抗の電圧降下に基づいて前記第2端子と前記中間セルとの間の断線を検出し、
前記最高電位側セル(CL1)の高電位側端子に接続される第3端子(V4)と、前記最高電位側セル(CL1)の低電位側端子に接続される第4端子(V3)と、ゲートが前記第3端子(V4)に接続され、ドレインが第2抵抗(R31)を介して前記第1電源端子(VDD)に接続され、ソースが前記第4端子(V3)に接続された第2のトランジスタ(M2
)を有し、前記第3端子(V4)と前記第4端子(V3)は、前記最高電位側セル(CL1)との間の接続が断線した場合に、前記
第1電源端子と前記第2電源端子とを、前記第2抵抗及び前記第2のトランジスタを介して接続する第
1経路と前記端子保護部の導通した前記ダイオードにより電位が決定され、決定された前記第3端子(V4)と前記第4端子(V3)の間の電位差に基づいて前記第2のトランジスタ(M2)により、前記第3端子(V4)と前記二次電池集合体の最高電位側セルの高電位側端子との間の断線を検出し、
前記最低電位側セル(CL4)の高電位側端子に接続される第5端子(V1)と、ゲートが前記第5端子(V1)に接続され、ドレインが第3抵抗(R
34)を介して前記第1電源端子(VDD)に接続され、ソースが前記第2電源端子(VSS)に接続された第3のトランジスタ(M5)
とを有し、前記第2電源端子(VSS)は、前記最低電位側セル(CL4)との間の接続が断線した場合に、前記
第1電源端子と前記第2電源端子とを、前記第3抵抗及び前記第3のトランジスタを介して接続する第
2経路と前記端子保護部の導通した前記ダイオードにより電位が決定され、決定された前記第5端子と前記第2電源端子(VSS)の間の電位差に基づいて前記第3のトランジスタ(M5)により前記第2電源端子(VSS)と前記二次電池集合体の最低電位側セルの低電位側端子との間の断線を検出する。
【0011】
好ましくは、前記過充電検出部と前記断線検出部とをセル毎に有し、
各断線検出部における前記第1抵抗乃至第3抵抗の電圧降下を監視して閾値電圧以下となった時にオフする各セルに対応する複数の第4のトランジスタを有し、前記複数の第4のトランジスタを縦積み接続し、前記セル毎の断線検出部でいずれかのセルとの接続の断線を検出した場合に、論理和としてアラーム信号を出力する論理和回路を有
し、
前記複数の第4のトランジスタそれぞれのゲートは、前記第1のトランジスタ乃至前記第3のトランジスタそれぞれのドレインに接続され、前記複数の第4のトランジスタのうち最高電位側のトランジスタのソースは前記第1電源端子に接続され、前記複数の第4のトランジスタのうち最低電位側のトランジスタのドレインは前記第2電源端子に接続され、互いに隣接する前記複数の第4のトランジスタにおいて、一方の第4のトランジスタのソースが、他方の第4のトランジスタのドレインに接続されている。
【0012】
好ましくは、前記第
1経路
、第
2経路
、並びに前記第1電源端子と前記第2電源端子とを、前記第1抵抗及び前記第1のトランジスタを介して接続する第3経路のそれぞれにおいて、前記第1電源端子と前記第2電源端子との接続及び遮断を制御する第1のスイッチ(S1〜S7)と、
前記複数の第4のトランジスタと直列に接続され、前記複数の第4のトランジスタを介した前記第1電源端子と前記第2電源端子の接続及び遮断を制御する第2のスイッチ(S10)と、
前記複数の第4のトランジスタと並列に接続された第3のスイッチ(S11)とを有し、
テストモードを指示するモード信号によって、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチがオンし、前記第3のスイッチがオフする。
【0013】
本発明の一実施態様による電池電圧監視方法は、二次電池のセルが複数直列接続され
て使用される二次電池集合体の
前記セルに接続され
た保護ICを用いて前記
セルの電池電圧を監視する電池電圧監視方法であって、
前記セルと並列に接続された分圧抵抗でセルの両端電圧を分圧してコンパレータに供給し、前記分圧抵抗で分圧された電圧を基準電圧と比較して前記セルの過充電を検出し、
前記セルと前記保護IC間の断線を検出し、
前記断線の検出は、
前記二次電池集合体の最高電位側セルと最低電位側セルを除く中間セル(CL2,CL3)の高電位側端子に接続される第1端子(V3)と、前記中間セルの低電位側端子に接続される第2端子(V2)と、ゲートが前記第1端子に接続され、ドレインが第1抵抗(R32)を介して前記二次電池集合体の最高電位側セルの高電位側端子に接続される第1電源端子(VDD)に接続され、ソースが前記第2端子に接続された第1のトランジスタ(M3,M4)を用い、前記第1のトランジスタのソースから前記中間セルに流れるソース電流値による前記第1抵抗の電圧降下に基づいて前記第2端子と前記中間セルとの間の断線を検出する。
【0017】
なお、上記括弧内の参照符号は、理解を容易にするために付したものであり、一例にすぎず、図示の態様に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、セル群同士を直列接続した位置におけるセル群と保護ICとの間の断線を検出することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
【0021】
<回路構成>
図1は本発明の保護ICの一実施形態の回路構成図を示す。
図1において、二次電池であるリチウムイオン電池のセルCL1〜CL4は直列接続されて第1セル群を構成し、また、リチウムイオン電池のセルCL21〜CL24は直列接続されて第2セル群を構成しており、CL4とセルCL21は直列接続されて二次電池集合体を構成している。
【0022】
セルCL1の正極はヒューズF1及び抵抗R1を介して保護IC10の端子VDDに接続され、セルCL4の負極はセルCL21の正極と接続されると共に、ヒューズF21の一端に接続されている。ヒューズF21の他端は保護IC10の端子VSSに接続されると共に、抵抗R41を介して保護IC20の端子VDDに接続されている。
【0023】
ヒューズF1と抵抗R1の接続点と保護IC10の端子VSSの間には静電保護用のツェナーダイオードZ1が接続され、ヒューズF1と抵抗R1の接続点は抵抗R2を介して保護IC10の端子V4に接続されている。セルCL1,CL2の接続点は抵抗R3,R4を介して保護IC10の端子V3に接続され、セルCL2,CL3の接続点は抵抗R5,R6を介して保護IC10の端子V2に接続され、セルCL3,CL4の接続点は抵抗R7,R8を介して保護IC10の端子V1に接続されている。抵抗R1,R2の接続点と抵抗R3,R4の接続点の間には静電保護用のツェナーダイオードZ2が接続され、抵抗R3,R4の接続点と抵抗R5,R6の接続点の間には静電保護用のツェナーダイオードZ3が接続され、抵抗R5,R6の接続点と抵抗R7,R8の接続点の間には静電保護用のツェナーダイオードZ4が接続され、抵抗R7,R8の接続点と保護IC10の端子VSSの間の間には静電保護用のツェナーダイオードZ5が接続されている。
【0024】
保護IC10の端子VDD,VSSは正負の電源端子であり、保護IC10の端子V4,V3,V2,V1は電圧検出用端子である。保護IC10の端子VDDはキャパシタC1,C2を介して保護IC10の端子VSSに接続され、抵抗R1とキャパシタC1,C2はノイズ除去用のフィルタを構成している。保護IC10の端子V4はキャパシタC3,C4を介して保護IC10の端子VSSに接続され、抵抗R2とキャパシタC3,C4はノイズ除去用のフィルタを構成している。保護IC10の端子V3はキャパシタC5,C6を介して保護IC10の端子VSSに接続され、抵抗R3,R4とキャパシタC5,C6はノイズ除去用のフィルタを構成している。保護IC10の端子V2はキャパシタC7,C8を介して保護IC10の端子VSSに接続され、抵抗R5,R6とキャパシタC7,C8はノイズ除去用のフィルタを構成している。保護IC10の端子V1はキャパシタC9,C10を介して保護IC10の端子VSSに接続され、抵抗R7,R8とキャパシタC9,C10はノイズ除去用のフィルタを構成している。
【0025】
セルCL21の正極はヒューズF21及び抵抗R41を介して保護IC20の端子VDDに接続され、セルCL24の負極は
保護IC20の端子VSSに接続されている。ヒューズF21と抵抗R41の接続点と保護IC20の端子VSSの間には保護用のツェナーダイオードZ21が接続され、ヒューズF21と抵抗R41の接続点は抵抗R42を介して保護IC20の端子V4に接続されている。セルCL21,CL22の接続点は抵抗R43,R44を介して保護IC20の端子V3に接続され、セルCL22,CL23の接続点は抵抗R45,R46を介して保護IC20の端子V2に接続され、セルCL23,CL24の接続点は抵抗R47,R48を介して保護IC20の端子V1に接続されている。抵抗R41,R42の接続点と抵抗R43,R44の接続点の間には静電保護用のツェナーダイオードZ22が接続され、抵抗R43,R44の接続点と抵抗R45,R46の接続点の間には静電保護用のツェナーダイオードZ23が接続され、抵抗R45,R46の接続点と抵抗R47,R48の接続点の間には静電保護用のツェナーダイオードZ24が接続され、抵抗R47,R48の接続点と保護IC20の端子VSSの間の間には静電保護用のツェナーダイオードZ25が接続されている。
【0026】
保護IC20の端子VDD,VSSは正負の電源端子であり、保護IC20の端子V4,V3,V2,V1は電圧検出用端子である。保護IC20の端子VDDはキャパシタC21,C22を介して保護IC20の端子VSSに接続され、抵抗R41とキャパシタC21,C22はノイズ除去用のフィルタを構成している。保護IC20の端子V4はキャパシタC23,C24を介して保護IC20の端子VSSに接続され、抵抗R42とキャパシタC23,C24はノイズ除去用のフィルタを構成している。保護IC20の端子V3はキャパシタC25,C26を介して保護IC20の端子VSSに接続され、抵抗R43,R44とキャパシタC25,C26はノイズ除去用のフィルタを構成している。保護IC20の端子V2はキャパシタC27,C28を介して保護IC20の端子VSSに接続され、抵抗R45,R46とキャパシタC27,C28はノイズ除去用のフィルタを構成している。保護IC20の端子V1はキャパシタC29,C30を介して保護IC20の端子VSSに接続され、抵抗R47,R48とキャパシタC29,C30はノイズ除去用のフィルタを構成している。
【0027】
<端子保護部の構成>
保護IC10,20はセル群を構成する複数のセルそれぞれの電池電圧を監視する半導体集積回路である。保護IC10は端子保護部11、過充電検出部12、断線検出部13を有している。保護IC20は端子保護部21、過充電検出部22、断線検出部23を有している。保護IC10と保護IC20は同一構成であるので、保護IC20内の電子部品には保護IC10と同一符号を付し、その説明を省略する。
【0028】
端子保護部11において、nチャネルMOSトランジスタM1はソースとゲートを端子VSSに接続され、ドレインを端子VDDに接続されている。ダイオードD1は端子V4,VDD間を順方向に接続し、ダイオードD2は端子VSS,V4間を順方向に接続している。ダイオードD3は端子V3,VDD間を順方向に接続し、ダイオードD4は端子VSS,V3間を順方向に接続している。ダイオードD5は端子V2,VDD間を順方向に接続し、ダイオードD6は端子VSS,V2間を順方向に接続している。ダイオードD7は端子V1,VDD間を順方向に接続し、ダイオードD8は端子VSS,V1間を順方向に接続している。端子V4,V3,V2,V1,VSSそれぞれは抵抗R11,R14,R17,R20,R22を介して過充電検出部12及び断線検出部13それぞれに接続されている。
【0029】
ここで、例えば端子VDDに瞬間的に高い電圧のノイズが入来した場合、MOSトランジスタM1がブレークダウンすることによって端子VDDの保護が行われる。また、端子V4に瞬間的に高い電圧のノイズが入来した場合、このノイズはダイオードD1を通しMOSトランジスタM1に印加され、MOSトランジスタM1のブレークダウンで端子V4の保護が行われる。
【0030】
<過充電検出部の構成>
過充電検出部12において、端子V4,V3に接続された抵抗R11,R14の他端は抵抗R12,R13で接続され、抵抗R12,R13の接続点はコンパレータCM1の非反転入力端子に接続されている。また、抵抗R11,R14の他端は定電流源
CC01及びツェナーダイオードZ6で接続され、定電流源
CC01とツェナーダイオードZ6の接続点はコンパレータCM1の反転入力端子に接続されている。コンパレータCM1は端子V3,V4間電圧を抵抗R12,R13で分圧した分圧電圧を、ツェナーダイオードZ6で発生した基準電圧と比較して、分圧電圧が基準電圧より高い場合にハイレベルの検出信号を生成してオア回路
ORJに供給する。
【0031】
端子V3,V2に接続された抵抗R14,R17の他端は抵抗R15,R16で接続され、抵抗R15,R16の接続点はコンパレータCM2の非反転入力端子に接続されている。また、抵抗R14,R17の他端は定電流源
CC02及びツェナーダイオードZ7で接続され、定電流源
CC02とツェナーダイオードZ7の接続点はコンパレータCM2の反転入力端子に接続されている。コンパレータCM2は端子V2,V3間電圧を抵抗R15,R16で分圧した分圧電圧を、ツェナーダイオードZ7で発生した基準電圧と比較して、分圧電圧が基準電圧より高い場合にハイレベルの検出信号を生成してオア回路
ORJに供給する。
【0032】
端子V2,V1に接続された抵抗R17,R20の他端は抵抗R18,R19で接続され、抵抗R18,R19の接続点はコンパレータCM3の非反転入力端子に接続されている。また、抵抗R17,R20の他端は定電流源
CC03及びツェナーダイオードZ8で接続され、定電流源
CC03とツェナーダイオードZ8の接続点はコンパレータCM3の反転入力端子に接続されている。コンパレータCM3は端子V1,V2間電圧を抵抗R18,R19で分圧した分圧電圧を、ツェナーダイオードZ8で発生した基準電圧と比較して、分圧電圧が基準電圧より高い場合にハイレベルの検出信号を生成してオア回路
ORJに供給する。
【0033】
端子V1,VSSに接続された抵抗R20,R23の他端は抵抗R21,R22で接続され、抵抗R21,R22の接続点はコンパレータCM4の非反転入力端子に接続されている。また、抵抗R20,R23の他端は定電流源
CC04及びツェナーダイオードZ9で接続され、定電流源
CC04とツェナーダイオードZ9の接続点はコンパレータCM4の反転入力端子に接続されている。コンパレータCM4は端子VSS,V1間電圧を抵抗R21,R22で分圧した分圧電圧を、ツェナーダイオードZ9で発生した基準電圧と比較して、分圧電圧が基準電圧より高い場合にハイレベルの検出信号を生成してオア回路
ORJに供給する。
【0034】
オア回路
ORJはコンパレータCM1〜CM4のいずれかからハイレベルの信号を供給されると、ハイレベルの過充電アラーム信号を生成して端子14から図示しない制御ロジックに供給する。なお、制御ロジックではハイレベルの過充電アラーム信号を供給されると、充電を禁止する。
【0035】
<断線検出部の構成>
断線検出部13において、nチャネルMOSトランジスタM2のゲートは抵抗R11を介して端子V4に接続されており、MOSトランジスタM2のドレインはスイッチS1及び抵抗R31を介して端子VDDに接続され、ソースはスイッチS2を介して定電流源
CC05の一端に接続されている。定電流源
CC05の他端は抵抗R23を介して端子VSSに接続されている。
【0036】
nチャネルMOSトランジスタM3のゲートは抵抗R14を介して端子V3に接続されており、MOSトランジスタM3のドレインはスイッチS3及び抵抗R32を介して端子VDDに接続され、ソースはスイッチS4を介して定電流源
CC06の一端に接続されている。定電流源
CC06の他端は抵抗R23を介して端子VSSに接続されている。
【0037】
nチャネルMOSトランジスタM4のゲートは抵抗R17を介して端子V2に接続されており、MOSトランジスタM4のドレインはスイッチS5及び抵抗R33を介して端子VDDに接続され、ソースはスイッチS6を介して定電流源
CC07の一端に接続されている。定電流源
CC07の他端は抵抗R23を介して端子VSSに接続されている。
【0038】
nチャネルMOSトランジスタM5のゲートは抵抗R20を介して端子V1に接続されており、MOSトランジスタM5のドレインはスイッチS7及び抵抗R34を介して端子VDDに接続され、MOSトランジスタM5のソースは抵抗R23を介して端子VSSに接続されている。
【0039】
また、MOSトランジスタM2〜M5それぞれのドレインは縦積みされたpチャネルMOSトランジスタM6,M7,M8,M9それぞれのゲートに接続され、MOSトランジスタM6,M7,M8,M9のうち最上段のMOSトランジスタM6のソースは端子VDDに接続され、最下段のMOSトランジスタM9のドレインはスイッチS18を介して定電流源
CC08の一端に接続されている。定電流源
CC08の他端は抵抗R23を介して端子VSSに接続されている。最上段のMOSトランジスタM6のソースと最下段のMOSトランジスタM9のドレインにスイッチS11の両端が接続されている。ここで、縦積みされたpチャネルMOSトランジスタとは、一方のMOSトランジスタのソースを他方のMOSトランジスタのドレインに接続した構成である。
【0040】
また、MOSトランジスタM9のソースはシュミットトリガ回路CM5の入力に接続されている。シュミットトリガ回路CM5はMOSトランジスタM6〜M9のいずれかがオフするとハイレベルの断線検出アラーム信号を生成して端子15から図示しない制御ロジックに供給する。なお、制御ロジックではハイレベルの断線検出アラーム信号を供給されると、充電を禁止する。
【0041】
なお、端子16には図示しない制御ロジックからハイレベルでテストモードを指示するモード信号が供給され、スイッチS1〜
S7,S10,S11に供給される。モード信号は例えば電源投入時に数10msecだけハイレベルとなってテストモードを指示し、この間に断線検出を行って断線検出アラーム信号を生成し、図示しない制御ロジックに供給する。このように、一時的に断線検出を行うため、断線検出のための消費電力を削減することができる。
【0042】
スイッチS1〜
S7,S10はハイレベルのモード信号でオンし、スイッチS11はハイレベルのモード信号でオフする。モード信号がローレベルの通常モード時にはスイッチS11がオンしてシュミットトリガ回路CM5の入力がハイレベルとなるためにシュミットトリガ回路CM5の出力はローレベルとなる。
【0043】
テストモード時にはスイッチS1〜
S7,S10がオンするため、断線がなければ、
図2に示すように電流が流れる。保護IC10では、ヒューズF1,抵抗R1から端子VDDを経て抵抗R31〜R34に電流I1が流れ、この電流I1が電流I2,I3,I4に分流する。電流I2は抵抗R31,スイッチS1,MOSトランジスタM2,抵抗R14,端子V3,抵抗R4,R3の経路で流れる。電流I3は抵抗R32,スイッチS3,MOSトランジスタM3,抵抗R17,端子V2,抵抗R6,R5の経路で流れる。電流I4は抵抗R33,スイッチS5,MOSトランジスタM4,抵抗R20,端子V1,抵抗R8,R7の経路で流れる。電流I5は抵抗R34,スイッチS7,MOSトランジスタM5,抵抗R23,端子VSSの経路で流れる。
【0044】
また、保護IC20では、ヒューズF21,抵抗R41から端子VDDを経て抵抗R31〜R34に電流I11が流れ、この電流I11が電流I12,I13,I14に分流する。電流I12は抵抗R31,スイッチS1,MOSトランジスタM2,抵抗R14,端子V3,抵抗R4,R3の経路で流れる。電流I13は抵抗R32,スイッチS3,MOSトランジスタM3,抵抗R17,端子V2,抵抗R6,R5の経路で流れる。電流I14は抵抗R33,スイッチS5,MOSトランジスタM4,抵抗R20,端子V1,抵抗R8,R7の経路で流れる。電流I15は抵抗R34,スイッチS7,MOSトランジスタM5,抵抗R23,端子VSSの経路で流れる。
【0045】
<断線検出なし>
ここで、セルCL1〜CL4の第1セル群と保護IC10との接続で断線を検出しようとする部位は、セルCL1〜CL4と、ヒューズF1,抵抗R3,R5,R7の接続点であるA点,B点,C点,D点である。また、セルCL21〜CL24の第2セル群と保護IC20との接続で断線を検出しようとする部位は、セルCL21〜CL24と、ヒューズF21,抵抗R43,R45,R47,端子VSSの接続点であるE点,F点,G点,H点,I点である。
【0046】
A点〜I点の全てに断線がない場合には、MOSトランジスタ保護IC10のMOSトランジスタM2〜M5はオンとなり、MOSトランジスタM6〜M9はオンとなるため、端子15からローレベルが出力される。
【0047】
<断線検出A>
A点で断線が発生した場合、保護IC10の端子V3からツェナーダイオードZ2又はダイオード
D3を通して端子VDD及び端子V4に電流が流れ込む。この場合、端子V4,V3間のnチャネルMOSトランジスタM2のゲート電圧よりソース電圧が高くなるので、MOSトランジスタM2がオフする。このため、MOSトランジスタM2のドレイン電圧が高くなり、MOSトランジスタM6のゲート・ソース間電圧Vgsが小さくなりMOSトランジスタM6はオフする。これによって、端子15からハイレベルの断線検出アラーム信号が出力される。
【0048】
<断線検出B〜D,F〜H>
B点で断線が発生した場合、保護IC10の端子V3から電流I2が流れ出なくなるためにMOSトランジスタM2のドレイン電流が定電流源
CC05の流す電流だけとなって極めて小さくなりMOSトランジスタM2のゲート・ソース間電圧Vgsが小さくなる。このため、MOSトランジスタM2のドレイン電圧が高くなり抵抗R31での電圧降下が小さくなり、MOSトランジスタM6のゲート・ソース間電圧Vgsが小さくなりMOSトランジスタM6はオフする。これによって、保護IC10の端子15からハイレベルの断線検出アラーム信号が出力されることになる。
【0049】
C点で断線が発生した場合、保護IC10の端子V2から電流I3が流れ出なくなるためにMOSトランジスタM3のドレイン電流が定電流源
CC05の流す電流だけとなって極めて小さくなりMOSトランジスタM3のゲート・ソース間電圧Vgsが小さくなる。このため、MOSトランジスタM3のドレイン電圧が高くなり抵抗R32での電圧降下が小さくなり、MOSトランジスタM7のゲート・ソース間電圧Vgsが小さくなりMOSトランジスタM7はオフする。これによって、保護IC10の端子15からハイレベルの断線検出アラーム信号が出力されることになる。
【0050】
D点で断線が発生した場合、保護IC10の端子V1から電流I4が流れ出なくなるためにMOSトランジスタM4のドレイン電流が定電流源
CC05の流す電流だけとなって極めて小さくなりMOSトランジスタM4のゲート・ソース間電圧Vgsが小さくなる。このため、MOSトランジスタM4のドレイン電圧が高くなり抵抗R33での電圧降下が小さくなり、MOSトランジスタM8のゲート・ソース間電圧Vgsが小さくなりMOSトランジスタM8はオフする。これによって、保護IC10の端子15からハイレベルの断線検出アラーム信号が出力されることになる。
【0051】
F点で断線が発生した場合、保護IC20の端子V3から電流I12が流れ出なくなるためにMOSトランジスタM2のドレイン電流が定電流源
CC05の流す電流だけとなって極めて小さくなりMOSトランジスタM2のゲート・ソース間電圧Vgsが小さくなる。このため、MOSトランジスタM2のドレイン電圧が高くなり抵抗R31での電圧降下が小さくなり、MOSトランジスタM6のゲート・ソース間電圧Vgsが小さくなりMOSトランジスタM6はオフする。これによって、保護IC20の端子15からハイレベルの断線検出アラーム信号が出力されることになる。
【0052】
G点で断線が発生した場合、保護IC20の端子V2から電流I13が流れ出なくなるためにMOSトランジスタM3のドレイン電流が定電流源
CC05の流す電流だけとなって極めて小さくなりMOSトランジスタM3のゲート・ソース間電圧Vgsが小さくなる。このため、MOSトランジスタM3のドレイン電圧が高くなり抵抗R32での電圧降下が小さくなり、MOSトランジスタM7のゲート・ソース間電圧Vgsが小さくなりMOSトランジスタM7はオフする。これによって、保護IC20の端子15からハイレベルの断線検出アラーム信号が出力されることになる。
【0053】
H点で断線が発生した場合、保護IC20の端子V1から電流I14が流れ出なくなるためにMOSトランジスタM4のドレイン電流が定電流源
CC05の流す電流だけとなって極めて小さくなりMOSトランジスタM4のゲート・ソース間電圧Vgsが小さくなる。このため、MOSトランジスタM4のドレイン電圧が高くなり抵抗R33での電圧降下が小さくなり、MOSトランジスタM8のゲート・ソース間電圧Vgsが小さくなりMOSトランジスタM8はオフする。これによって、保護IC20の端子15からハイレベルの断線検出アラーム信号が出力されることになる。
【0054】
<断線検出E>
E点で断線が発生した場合、保護IC20の端子VDDに流れ込む電流I11は保護IC10の端子VSSから供給される電流I5だけとなる。この電流I5に対して保護IC20の端子VDDに流れ込む電流I11は十分に大きいため、端子V3の電圧に対して端子VDDの電圧つまり端子V4の電圧は低くなり、MOSトランジスタM2のゲート・ソース間電圧Vgsが小さくなりMOSトランジスタM2はオフする。このため、MOSトランジスタM2のドレイン電圧が高くなり、MOSトランジスタM6のゲート・ソース間電圧Vgsが小さくなりMOSトランジスタM6はオフする。これによって、端子15からハイレベルの断線検出アラーム信号が出力される。
【0055】
このようにして、セル群同士を直列接続した位置であるE点におけるセル群と保護ICとの間の断線を検出できる。
【0056】
<断線検出I>
I点で断線が発生した場合、保護IC20の電流I15はツェナーダイオードZ25又はダイオードD8を通してH点に流れ込む。このため、保護IC20の端子V1の電圧は端子VSSの電圧よりダイオード1個の順方向電圧降下分だけ
低くなるので、MOSトランジスタM5がオフする。このため、MOSトランジスタM5のドレイン電圧が高くなり、MOSトランジスタM9のゲート・ソース間電圧Vgsが小さくなりMOSトランジスタM9はオフする。これによって、端子15からハイレベルの断線検出アラーム信号が出力される。
【0057】
<セルショート検出>
例えばセルCL2の両端間がショートするセルショートが発生した場合、V3端子とV2端子間の電圧が0Vとなる。この場合はMOSトランジスタM3がオフする。このため、MOSトランジスタM3のドレイン電圧が高くなり、MOSトランジスタM7のゲート・ソース間電圧Vgsが小さくなりMOSトランジスタM7はオフする。これによって、端子15からハイレベルの断線検出アラーム信号が出力され、セルショートの検出を行うことができる。
【0058】
なお、本実施形態では、第1セル群と第2セル群を直列接続しているが、3つ以上のセル群を直列接続する構成であっても、各セル群のA点からI点までの断線検出を行うことができ、上記実施形態に限定されるものではない。