(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電素子及び集電体について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0030】
(実施の形態)
まず、蓄電素子10の構成について、説明する。
【0031】
図1は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10の外観を模式的に示す斜視図である。
図2は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10の容器100の本体111を分離して蓄電素子10が備える各構成要素を示す斜視図である。
図3は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。なお、
図3は、容器100の本体111を省略して図示している。
【0032】
蓄電素子10は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。特に、蓄電素子10は、EV、PHEVまたはHEVに適用される。なお、蓄電素子10は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。
【0033】
これらの図に示すように、蓄電素子10は、容器100と、正極端子200と、負極端子300とを備えている。また、容器100内方には、正極集電体120と、負極集電体130と、3つの電極体である第一電極体141、第二電極体142及び第三電極体143とが収容されている。
【0034】
また、蓄電素子10の容器100の内部には電解液(非水電解液)などの液体が封入されているが、当該液体の図示は省略する。なお、容器100に封入される電解液としては、蓄電素子10の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく様々なものを選択することができる。
【0035】
容器100は、矩形筒状で底を備える本体111と、本体111の開口を閉塞する板状部材である蓋体110とで構成されている。また、容器100は、第一電極体141、第二電極体142及び第三電極体143等を内部に収容後、蓋体110と本体111とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。なお、蓋体110及び本体111の材質は、特に限定されないが、例えばステンレス鋼など溶接可能な金属であるのが好ましい。
【0036】
第一電極体141、第二電極体142及び第三電極体143は、並列に配置される3つの発電要素であり、ともに、正極集電体120及び負極集電体130と電気的に接続される。なお、第一電極体141、第二電極体142及び第三電極体143は、同様の構成を有するため、以下では第一電極体141についての説明を中心に行い、第二電極体142及び第三電極体143についての説明は、省略または簡略化する。
【0037】
第一電極体141は、正極と負極とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる部材である。正極は、アルミニウムやアルミニウム合金などからなる長尺帯状の金属箔である正極基材箔上に正極活物質層が形成されたものである。また、負極は、銅や銅合金などからなる長尺帯状の金属箔である負極基材箔上に負極活物質層が形成されたものである。また、セパレータは、樹脂からなる微多孔性のシートである。
【0038】
ここで、正極活物質層に用いられる正極活物質、または負極活物質層に用いられる負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質または負極活物質であれば、適宜公知の材料を使用できる。
【0039】
そして、第一電極体141は、負極と正極との間にセパレータが挟み込まれるように層状に配置されたものが巻き回されて形成されている。なお、同図では、第一電極体141の形状としては長円形状を示したが、円形状または楕円形状でもよい。また、第一電極体141の形状は巻回型に限らず、平板状極板を積層した形状でもよい。
【0040】
以上のように、蓄電素子10は、複数の電極体(本実施の形態では3つの電極体)を有しているため、同一体積(容積)の容器100に単数の電極体を用いる場合に比べ、以下の点で好ましい。つまり、複数の電極体を用いることで、単数の電極体を用いる場合に比べ、容器100のコーナー部のデッドスペースが減り、電極体の占める割合が向上するため、蓄電素子10の容量アップにつながる。また、特に、高入出力(ハイレート)用の電極体では、金属箔上の活物質の量を減らす必要があり、電極体中での金属箔やセパレータの割合が高まる。このため、単数の電極体を用いた場合は電極の巻き数が多くなるため硬くて柔軟性が低く容器100に挿入しづらくなるが、複数の電極体を用いることで1つの電極体における巻き数を少なくし、柔軟性が高い電極体を実現することができる。
【0041】
正極端子200は、第一電極体141の正極、第二電極体142の正極、及び第三電極体143の正極に電気的に接続された電極端子であり、負極端子300は、第一電極体141の負極、第二電極体142の負極、及び第三電極体143の負極に電気的に接続された電極端子である。つまり、正極端子200及び負極端子300は、第一電極体141、第二電極体142及び第三電極体143に蓄えられている電気を蓄電素子10の外部空間に導出し、また、第一電極体141、第二電極体142及び第三電極体143に電気を蓄えるために蓄電素子10の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。
【0042】
また、正極端子200及び負極端子300は、第一電極体141、第二電極体142及び第三電極体143の上方に配置された蓋体110に取り付けられている。具体的には、正極端子200には、正極端子200と正極集電体120とを電気的に接続するリベットなどの接続部(図示せず)が設けられている。つまり、当該接続部が、正極集電体120の開口部120aに挿入されて、かしめられることにより、正極端子200と正極集電体120とが蓋体110に固定される。
【0043】
また同様に、負極端子300には、負極端子300と負極集電体130とを電気的に接続するリベットなどの接続部(図示せず)が設けられている。つまり、当該接続部が、負極集電体130の開口部130aに挿入されて、かしめられることにより、負極端子300と負極集電体130とが蓋体110に固定される。
【0044】
なお、正極端子200と蓋体110との間、正極集電体120と蓋体110との間、負極端子300と蓋体110との間、及び負極集電体130と蓋体110との間には、絶縁のためのパッキン等も配置されているが、同図では省略して図示している。
【0045】
正極集電体120は、第一電極体141、第二電極体142及び第三電極体143の正極と容器100の本体111の側壁との間に配置され、正極端子200と第一電極体141、第二電極体142及び第三電極体143の正極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、正極集電体120は、第一電極体141、第二電極体142及び第三電極体143の正極基材箔と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金で形成されている。
【0046】
負極集電体130は、第一電極体141、第二電極体142及び第三電極体143の負極と容器100の本体111の側壁との間に配置され、負極端子300と第一電極体141、第二電極体142及び第三電極体143の負極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、負極集電体130は、第一電極体141、第二電極体142及び第三電極体143の負極基材箔と同様、銅または銅合金で形成されている。
【0047】
次に、正極集電体120及び負極集電体130の構成について、詳細に説明する。なお、正極集電体120と負極集電体130とは、同様の構成を有するため、以下では正極集電体120についての説明を行い、負極集電体130についての説明は省略する。
【0048】
図4は、本発明の実施の形態に係る正極集電体120の構成を示す斜視図である。また、
図5は、本発明の実施の形態に係る正極集電体120の製造過程を説明するための図である。また、
図6は、本発明の実施の形態に係る正極集電体120が複数の電極体に接続されている構成を示す断面図である。具体的には、同図は、
図2に示した正極集電体120が、第一電極体141、第二電極体142及び第三電極体143に接合された状態を、XY平面に平行な平面で切断した場合の断面を示す断面図である。
【0049】
まず、
図4に示すように、正極集電体120は、第一端子側配置部121と、電極側配置部122とを備えている。
【0050】
第一端子側配置部121は、正極端子200側(Z軸方向プラス側)に配置される部位であり、上記のリベットなどの接続部によって、正極端子200と接続される、XY平面に平行な面を有する平板状の部位である。なお、同図では、第一端子側配置部121は、六角形の平板形状を有しているが、第一端子側配置部121の形状は限定されず、どのような形状であってもかまわない。
【0051】
第一端子側配置部121には、上述の開口部120aが形成され、また、第一端子側配置部121は、ヒューズ部121aを有している。
【0052】
開口部120aは、正極端子200と接続するためにリベットなどが挿入される円形状の貫通孔である。なお、開口部120aの形状は、円形状には限定されず、矩形状などであってもよく、また、開口部120aは、貫通孔でなくともよく、半円形状や矩形状に切り欠いた切り欠き部などであってもかまわない。
【0053】
ヒューズ部121aは、第一端子側配置部121と、電極側配置部122の後述する第二繋ぎ部122hとの境界部分に形成された、幅が狭く(断面積が小さく)なっている部位である。
【0054】
具体的には、ヒューズ部121aは、正極集電体120の中で断面積が最も小さく形成されており、蓄電素子10に過大な電流が流れた場合に溶融し、電気の流れを遮断するヒューズ機能を有する。
【0055】
また、電極側配置部122は、第一端子側配置部121に接続され、複数の電極体である第一電極体141、第二電極体142及び第三電極体143側に配置される部位である。具体的には、電極側配置部122は、第一電極体接続部122aと、第二電極体接続部122bと、第三電極体接続部122cと、第四電極体接続部122dと、第五電極体接続部122eと、第六電極体接続部122fと、第一繋ぎ部122gと、第二繋ぎ部122hと、第三繋ぎ部122iと、第四繋ぎ部122jと、第五繋ぎ部122kとを有している。
【0056】
第一電極体接続部122a及び第三電極体接続部122cは、第一端子側配置部121の端部に接続され、第一端子側配置部121よりも第一電極体141側(Z軸方向マイナス側)に配置された長尺状で平板状の部位である。具体的には、第一電極体接続部122a及び第三電極体接続部122cは、第二繋ぎ部122hから第一電極体141に向けて垂れ下がるように(Z軸方向に延びるように)配置されており、XZ平面に平行な面を対向して有している。
【0057】
第二繋ぎ部122hは、第一電極体接続部122aの第一端子側配置部121側(Z軸方向プラス側)の端部と、第三電極体接続部122cの第一端子側配置部121側の端部とを繋ぐ板状の部位である。つまり、第二繋ぎ部122hは、第一電極体接続部122aと第三電極体接続部122cとを加工する際に形成される、折れ曲がった部分であり、XY平面に平行な面を有する板状部材が2箇所で折れ曲がったような形状を有している。
【0058】
また、第二繋ぎ部122hは、第一端子側配置部121に接続されている。つまり、第二繋ぎ部122hは、第一端子側配置部121と第一電極体接続部122aと第三電極体接続部122cとを繋いでいる。
【0059】
具体的には、第一電極体接続部122aと第三電極体接続部122cとは、第二繋ぎ部122hを介して、第一電極体141に向けて、ねじられることなく折り曲げられて形成されている。
【0060】
つまり、
図5に示すように、折り曲げられる前の第一電極体接続部123a及び第三電極体接続部123cは、第一端子側配置部121と同一平面(XY平面)内に配置されている。そして、この第一電極体接続部123a及び第三電極体接続部123cが、第二繋ぎ部123hの部分で、Z軸マイナス方向に折り曲げられることで、第一端子側配置部121と垂直な方向(Z軸方向)に延びる第一電極体接続部122a及び第三電極体接続部122cが形成される。
【0061】
そして、第一電極体接続部122a及び第三電極体接続部122cは、第一電極体141に接続される。
【0062】
つまり、
図6に示すように、第一電極体141は、正極と負極とが、セパレータを介して、巻回軸(本実施の形態ではX軸方向に平行な仮想軸)の方向に互いにずらして巻回されている。そして、正極及び負極は、それぞれのずらされた方向の端縁部に、活物質層が形成されていない部分(活物質層非形成部)を有している。
【0063】
具体的には、第一電極体141は、巻回軸方向の一端(X軸プラス方向の端部)に、正極の活物質層非形成部が積層された第一正極積層部141aと第二正極積層部141bとを有している。そして、第一電極体接続部122aは、第一正極積層部141aと接合され、第三電極体接続部122cは、第二正極積層部141bと接合される。
【0064】
第二電極体接続部122b及び第四電極体接続部122dは、電極側配置部122の中央部分に配置され、第一端子側配置部121よりも第二電極体142側(Z軸方向マイナス側)に配置された長尺状で平板状の部位である。具体的には、第二電極体接続部122b及び第四電極体接続部122dは、第三繋ぎ部122iから第二電極体142に向けて垂れ下がるように(Z軸方向に延びるように)配置されており、XZ平面に平行な面を対向して有している。
【0065】
第三繋ぎ部122iは、第二電極体接続部122bの第一端子側配置部121側(Z軸方向プラス側)の端部と、第四電極体接続部122dの第一端子側配置部121側の端部とを繋ぐ板状の部位である。つまり、第三繋ぎ部122iは、第二電極体接続部122bと第四電極体接続部122dとを加工する際に形成される、折れ曲がった部分であり、XY平面に平行な面を有する板状部材が2箇所で折れ曲がったような形状を有している。
【0066】
具体的には、第二電極体接続部122bと第四電極体接続部122dとは、第三繋ぎ部122iを介して、第二電極体142に向けて、ねじられることなく折り曲げられて形成されている。
【0067】
つまり、
図5に示すように、折り曲げられる前の第二電極体接続部123b及び第四電極体接続部123dは、第一端子側配置部121と同一平面(XY平面)内に配置されている。そして、この第二電極体接続部123b及び第四電極体接続部123dが、第三繋ぎ部123iの部分で、Z軸マイナス方向に折り曲げられることで、第一端子側配置部121と垂直な方向(Z軸方向)に延びる第二電極体接続部122b及び第四電極体接続部122dが形成される。
【0068】
そして、第二電極体接続部122b及び第四電極体接続部122dは、複数の電極体のうちの第一電極体141とは異なる電極体である第二電極体142に接続される。
【0069】
つまり、
図6に示すように、第二電極体142は、正極と負極とが、セパレータを介して、巻回軸(本実施の形態ではX軸方向に平行な仮想軸)の方向に互いにずらして巻回されている。そして、正極及び負極は、それぞれのずらされた方向の端縁部に、活物質層が形成されていない部分(活物質層非形成部)を有している。
【0070】
具体的には、第二電極体142は、巻回軸方向の一端(X軸プラス方向の端部)に、正極の活物質層非形成部が積層された第三正極積層部142aと第四正極積層部142bとを有している。そして、第二電極体接続部122bは、第四正極積層部142bと接合され、第四電極体接続部122dは、第三正極積層部142aと接合される。
【0071】
第一繋ぎ部122gは、第一電極体接続部122aの第一端子側配置部121とは反対側(Z軸方向マイナス側)の端部と、第二電極体接続部122bの第一端子側配置部121とは反対側の端部とを繋ぐ板状の部位である。つまり、第一繋ぎ部122gは、第一電極体接続部122aと第二電極体接続部122bとを加工する際に形成される、折れ曲がった部分であり、XY平面に平行な面を有する板状部材が2箇所で折れ曲がったような形状を有している。
【0072】
具体的には、第一電極体接続部122aと第二電極体接続部122bとは、第一繋ぎ部122gを介して、第一端子側配置部121に向けて、ねじられることなく折り曲げられて形成されている。
【0073】
つまり、
図5に示すように、折り曲げられる前の第一電極体接続部123a及び第二電極体接続部123bは、第一端子側配置部121と同一平面(XY平面)内に配置されている。そして、この第一電極体接続部123a及び第二電極体接続部123bが、第一繋ぎ部123gの部分で、Z軸プラス方向に折り曲げられることで、第一端子側配置部121と垂直な方向(Z軸方向)に延びる第一電極体接続部122a及び第二電極体接続部122bが形成される。
【0074】
第五電極体接続部122e及び第六電極体接続部122fは、電極側配置部122の端部に配置され、第一端子側配置部121よりも第三電極体143側(Z軸方向マイナス側)に配置された長尺状で平板状の部位である。具体的には、第五電極体接続部122e及び第六電極体接続部122fは、第四繋ぎ部122jから第三電極体143に向けて垂れ下がるように(Z軸方向に延びるように)配置されており、XZ平面に平行な面を対向して有している。
【0075】
第四繋ぎ部122jは、第五電極体接続部122eの第一端子側配置部121側(Z軸方向プラス側)の端部と、第六電極体接続部122fの第一端子側配置部121側の端部とを繋ぐ板状の部位である。つまり、第四繋ぎ部122jは、第五電極体接続部122eと第六電極体接続部122fとを加工する際に形成される、折れ曲がった部分であり、XY平面に平行な面を有する板状部材が2箇所で折れ曲がったような形状を有している。
【0076】
具体的には、第五電極体接続部122eと第六電極体接続部122fとは、第四繋ぎ部122jを介して、第三電極体143に向けて、ねじられることなく折り曲げられて形成されている。
【0077】
つまり、
図5に示すように、折り曲げられる前の第五電極体接続部123e及び第六電極体接続部123fは、第一端子側配置部121と同一平面(XY平面)内に配置されている。そして、この第五電極体接続部123e及び第六電極体接続部123fが、第四繋ぎ部122jの部分で、Z軸マイナス方向に折り曲げられることで、第一端子側配置部121と垂直な方向(Z軸方向)に延びる第五電極体接続部122e及び第六電極体接続部122fが形成される。
【0078】
そして、第五電極体接続部122e及び第六電極体接続部122fは、複数の電極体のうちの第一電極体141及び第二電極体142とは異なる電極体である第三電極体143に接続される。
【0079】
つまり、
図6に示すように、第三電極体143は、正極と負極とが、セパレータを介して、巻回軸(本実施の形態ではX軸方向に平行な仮想軸)の方向に互いにずらして巻回されている。そして、正極及び負極は、それぞれのずらされた方向の端縁部に、活物質層が形成されていない部分(活物質層非形成部)を有している。
【0080】
具体的には、第三電極体143は、巻回軸方向の一端(X軸プラス方向の端部)に、正極の活物質層非形成部が積層された第五正極積層部143aと第六正極積層部143bとを有している。そして、第五電極体接続部122eは、第六正極積層部143bと接合され、第六電極体接続部122fは、第五正極積層部143aと接合される。
【0081】
第五繋ぎ部122kは、第四電極体接続部122dの第一端子側配置部121とは反対側(Z軸方向マイナス側)の端部と、第五電極体接続部122eの第一端子側配置部121とは反対側の端部とを繋ぐ板状の部位である。つまり、第五繋ぎ部122kは、第四電極体接続部122dと第五電極体接続部122eとを加工する際に形成される、折れ曲がった部分であり、XY平面に平行な面を有する板状部材が2箇所で折れ曲がったような形状を有している。
【0082】
具体的には、第四電極体接続部122dと第五電極体接続部122eとは、第五繋ぎ部122kを介して、第一端子側配置部121に向けて、ねじられることなく折り曲げられて形成されている。
【0083】
つまり、
図5に示すように、折り曲げられる前の第四電極体接続部123d及び第五電極体接続部123eは、第一端子側配置部121と同一平面(XY平面)内に配置されている。そして、この第四電極体接続部123d及び第五電極体接続部123eが、第五繋ぎ部123kの部分で、Z軸プラス方向に折り曲げられることで、第一端子側配置部121と垂直な方向(Z軸方向)に延びる第四電極体接続部122d及び第五電極体接続部122eが形成される。
【0084】
このように、正極集電体120は、Y軸方向に延びる一枚の長尺の板状の部位(電極側配置部123)がZ軸方向にねじられることなく折り曲げられて、6つの電極体接続部を有する電極側配置部122が形成される。つまり、電極側配置部122が有する6つの電極体接続部(第一電極体接続部122a、第二電極体接続部122b、第三電極体接続部122c、第四電極体接続部122d、第五電極体接続部122e及び第六電極体接続部122f)は、5つの繋ぎ部(第一繋ぎ部122g、第二繋ぎ部122h、第三繋ぎ部122i、第四繋ぎ部122j及び第五繋ぎ部122k)によって、連続して繋げられている。
【0085】
また、電極側配置部122は、6つの電極体接続部が同じ長さになるように(Z軸方向に同じ位置まで延びるように)、折り曲げられている。なお、6つの電極体接続部は、電極体との接続形態に応じて、異なる長さになるように折り曲げられてもよい。
【0086】
また、電極側配置部122は、3つの電極体に接続されるように、折り曲げられて6つの電極体接続部を形成しているが、2つの電極体に接続されるように、折り曲げられて4つの電極体接続部を形成してもよいし、4つ以上の電極体に接続されるように、折り曲げられて8つ以上の電極体接続部を形成することにしてもよい。
【0087】
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10によれば、正極集電体120において、第一電極体141に接続される第一電極体接続部122aと第二電極体142に接続される第二電極体接続部122bとが、第一端子側配置部121の反対側で繋げられている。つまり、正極集電体120において、複数の電極体に接続される第一電極体接続部122aと第二電極体接続部122bとを、一本の部材を折り曲げるなどの簡易な作業により形成することができる。負極集電体130についても同様である。このため、複数の電極体を有する構成において、加工が容易な集電体を備える蓄電素子10を実現することができる。
【0088】
また、正極集電体120において、第一電極体141に接続される第三電極体接続部122cと第一電極体接続部122aとが、第一端子側配置部121側で繋げられている。つまり、正極集電体120において、第三電極体接続部122cと第一電極体接続部122aと第二電極体接続部122bとが、一本に繋がっている。このため、第三電極体接続部122cと第一電極体接続部122aと第二電極体接続部122bとを、一本の部材を折り曲げるなどの簡易な作業により形成することができるため、加工が容易な集電体を備える蓄電素子10を実現することができる。負極集電体130についても同様である。
【0089】
また、正極集電体120において、第一電極体接続部122aと第三電極体接続部122cとは、第二繋ぎ部122hから垂れ下がるように配置されているため、一本の部材を折り曲げたような簡単な形状である。このため、一本の部材を折り曲げる簡易な作業により、第一電極体接続部122aと第三電極体接続部122cとを形成することができるため、容易に、正極集電体120を加工することができる。負極集電体130についても同様である。
【0090】
また、正極集電体120において、第二電極体142に接続される第二電極体接続部122bと第四電極体接続部122dとが、第一端子側配置部121側で繋げられている。つまり、正極集電体120において、第一電極体接続部122aと第二電極体接続部122bと第四電極体接続部122dとが、一本に繋がっている。このため、第一電極体接続部122aと第二電極体接続部122bと第四電極体接続部122dとを、一本の部材を折り曲げるなどの簡易な作業により形成することができるため、加工が容易な集電体を備える蓄電素子10を実現することができる。負極集電体130についても同様である。
【0091】
また、正極集電体120において、第二電極体接続部122bと第四電極体接続部122dとは、第三繋ぎ部122iから垂れ下がるように配置されているため、一本の部材を折り曲げたような簡単な形状である。このため、一本の部材を折り曲げる簡易な作業により、第二電極体接続部122bと第四電極体接続部122dとを形成することができるため、容易に、正極集電体120を加工することができる。負極集電体130についても同様である。
【0092】
また、正極集電体120において、第一電極体接続部122aと第二電極体接続部122bとは、ねじられることなく折り曲げられて形成されているため、ねじり部分と電極体との干渉を回避するような必要がない。負極集電体130についても同様である。つまり、ねじりによって集電体を製造した場合には、ねじり部分が電極体と干渉するのを避けるために、電極体を変形(フォーミング加工)する必要があるが、蓄電素子10においては、集電体はねじられることなく製造されているため、電極体をフォーミング加工する必要がない。このため、蓄電素子10において、電極体をフォーミング加工する必要がない集電体を、容易に加工することができる。
【0093】
また、正極集電体120は、第一端子側配置部121と電極側配置部122との接続部分に、ヒューズ部121aを有している。つまり、第一端子側配置部121と電極側配置部122との接続部分の幅を狭く(断面積を小さく)することで、当該接続部分をヒューズとして活用することができる。負極集電体130についても同様である。このため、蓄電素子10において、ヒューズ機能を有する集電体を、容易に加工することができる。
【0094】
なお、本発明は、このような蓄電素子10として実現することができるだけでなく、蓄電素子10が備える正極集電体120または負極集電体130としても実現することができる。
【0095】
(変形例1)
次に、上記実施の形態の変形例1について、説明する。なお、正極集電体と負極集電体とは、同様の構成を有するため、以下では正極集電体についての説明を行い、負極集電体についての説明は省略する。
【0096】
図7は、本発明の実施の形態の変形例1に係る正極集電体150の構成を示す斜視図である。
【0097】
同図に示すように、正極集電体150は、第一端子側配置部151と、電極側配置部152とを備えている。また、第一端子側配置部151は、ヒューズ部151aを有している。また、電極側配置部152は、第一電極体接続部152aと、第二電極体接続部152bと、第三電極体接続部152cと、第四電極体接続部152dと、第五電極体接続部152eと、第六電極体接続部152fと、第一繋ぎ部152gと、第二繋ぎ部152hと、第三繋ぎ部152iと、第四繋ぎ部152jと、第五繋ぎ部152kとを有している。
【0098】
ここで、上記実施の形態における正極集電体120では、第二繋ぎ部122hが第一端子側配置部121に接続されていたが、本変形例における正極集電体150では、第三繋ぎ部152iが第一端子側配置部151に接続されている。なお、第四繋ぎ部152jが第一端子側配置部151に接続される構成でもかまわない。
【0099】
なお、その他の構成については、上記実施の形態における正極集電体120が有する構成と同様であるため、説明は省略する。
【0100】
以上のように、本発明の実施の形態の変形例1に係る蓄電素子によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏し、加工が容易な集電体を備える蓄電素子を実現することができる。
【0101】
(変形例2)
次に、上記実施の形態の変形例2について、説明する。なお、正極集電体と負極集電体とは、同様の構成を有するため、以下では正極集電体についての説明を行い、負極集電体についての説明は省略する。
【0102】
図8は、本発明の実施の形態の変形例2に係る正極集電体160の構成を示す斜視図である。
【0103】
同図に示すように、正極集電体160は、第一端子側配置部161と、電極側配置部162とを備えている。また、電極側配置部162は、第一電極体接続部162aと、第二電極体接続部162bと、第三電極体接続部162cと、第四電極体接続部162dと、第五電極体接続部162eと、第六電極体接続部162fと、第一繋ぎ部162gと、第二繋ぎ部162hと、第三繋ぎ部162iと、第四繋ぎ部162jと、第五繋ぎ部162kとを有している。
【0104】
ここで、上記変形例1における正極集電体150では、第一端子側配置部151の第三繋ぎ部152iとの接続部分にヒューズ部151aが配置されていたが、本変形例における正極集電体160では、ヒューズ部は配置されていない。つまり、第三繋ぎ部162iの幅(Y軸方向の長さ)が長くなるように、電極側配置部162が折り曲げられて、第三繋ぎ部162iが形成されている。
【0105】
なお、本変形例において、上記実施の形態における正極集電体120が有する第二繋ぎ部122hのY軸方向の幅が長くなるように第二繋ぎ部122hを形成して、ヒューズ部を配置しない構成にしてもかまわない。
【0106】
また、本変形例において、第三繋ぎ部162iと、第二電極体接続部162b及び第四電極体接続部162dとの間の折り曲げ部には隙間があるように図示しているが、当該隙間がないように折り曲げることにしてもよい。当該隙間が狭い方が、それぞれの電極体接続部を上側に持ち上げることができるため、大きな電極体を配置することができ、より容量の大きな蓄電素子を実現することができる。
【0107】
その他の構成については、上記実施の形態または上記変形例1における正極集電体が有する構成と同様であるため、説明は省略する。
【0108】
以上のように、本発明の実施の形態の変形例2に係る蓄電素子によれば、上記実施の形態と同様に、加工が容易な集電体を備える蓄電素子を実現することができる。また、正極集電体160の電極端子側と電極体側との間で電流が流れる部分の面積を増やすことができるため、当該電流が流れる際の抵抗値を低下させ、集電効率を高めることができる。
【0109】
(変形例3)
次に、上記実施の形態の変形例3について、説明する。なお、正極集電体と負極集電体とは、同様の構成を有するため、以下では正極集電体についての説明を行い、負極集電体についての説明は省略する。
【0110】
図9は、本発明の実施の形態の変形例3に係る正極集電体170の構成を示す斜視図である。また、
図10は、本発明の実施の形態の変形例3に係る正極集電体170の製造過程を説明するための図である。また、
図11は、本発明の実施の形態の変形例3に係る正極集電体170が複数の電極体に接続されている構成を示す断面図である。具体的には、同図は、正極集電体170が、第一電極体141及び第二電極体142に接合された状態を、XY平面に平行な平面で切断した場合の断面を示す断面図である。
【0111】
まず、
図9に示すように、正極集電体170は、第一端子側配置部171と、第二端子側配置部172と、電極側配置部173とを備えている。
【0112】
第一端子側配置部171及び第二端子側配置部172は、正極端子200側(Z軸方向プラス側)に配置される部位であり、上記のリベットなどの接続部によって、正極端子200と接続される、XY平面に平行な面を有する平板状の部位である。
【0113】
ここで、第一端子側配置部171と第二端子側配置部172とは、異なる位置で電極側配置部173に接続されており、重ねられて配置されている。つまり、第一端子側配置部171及び第二端子側配置部172と電極側配置部173とが2箇所で接続されていることから、第一端子側配置部171及び第二端子側配置部172と電極側配置部173との接続部分は面積が大きくなるため、ヒューズ部を構成しない。
【0114】
なお、第一端子側配置部171及び第二端子側配置部172のその他の詳細な構成については、上記実施の形態における第一端子側配置部121の構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0115】
電極側配置部173は、第一端子側配置部171及び第二端子側配置部172に接続され、複数の電極体である第一電極体141及び第二電極体142側に配置される部位である。具体的には、電極側配置部173は、第一電極体接続部173aと、第二電極体接続部173bと、第三電極体接続部173cと、第四電極体接続部173dと、第一繋ぎ部173eと、第二繋ぎ部173fと、第三繋ぎ部173gとを有している。
【0116】
第一電極体接続部173a及び第三電極体接続部173cは、第一端子側配置部171のY軸方向プラス側の端部に接続され、第一端子側配置部171よりも第一電極体141側(Z軸方向マイナス側)に配置された長尺状で平板状の部位である。具体的には、第一電極体接続部173a及び第三電極体接続部173cは、第二繋ぎ部173fから第一電極体141に向けて垂れ下がるように(Z軸方向に延びるように)配置されており、XZ平面に平行な面を対向して有している。
【0117】
第二繋ぎ部173fは、第一電極体接続部173aの第一端子側配置部171側(Z軸方向プラス側)の端部と、第三電極体接続部173cの第一端子側配置部171側の端部とを繋ぐ板状の部位である。つまり、第二繋ぎ部173fは、第一電極体接続部173aと第三電極体接続部173cとを加工する際に形成される、折れ曲がった部分であり、XY平面に平行な面を有する板状部材が2箇所で折れ曲がったような形状を有している。
【0118】
また、第二繋ぎ部173fは、第一端子側配置部171に接続されている。つまり、第二繋ぎ部173fは、第一端子側配置部171と第一電極体接続部173aと第三電極体接続部173cとを繋いでいる。
【0119】
具体的には、第一電極体接続部173aと第三電極体接続部173cとは、第二繋ぎ部173fを介して、第一電極体141に向けて、ねじられることなく折り曲げられて形成されている。
【0120】
つまり、
図10に示すように、折り曲げられる前の第一電極体接続部174a及び第三電極体接続部174cは、第一端子側配置部171と同一平面(XY平面)内に配置されている。そして、この第一電極体接続部174a及び第三電極体接続部174cが、第二繋ぎ部174fの部分で、Z軸マイナス方向に折り曲げられることで、第一端子側配置部171と垂直な方向(Z軸方向)に延びる第一電極体接続部173a及び第三電極体接続部173cが形成される。
【0121】
そして、第一電極体接続部173a及び第三電極体接続部173cは、第一電極体141に接続される。
【0122】
つまり、
図11に示すように、第一電極体141は、巻回軸方向の一端(X軸プラス方向の端部)に、正極の活物質層非形成部が積層された第一正極積層部141aと第二正極積層部141bとを有している。そして、第一電極体接続部173aは、第一正極積層部141aと接合され、第三電極体接続部173cは、第二正極積層部141bと接合される。
【0123】
第二電極体接続部173b及び第四電極体接続部173dは、第二端子側配置部172のY軸方向マイナス側の端部に接続され、第二端子側配置部172よりも第二電極体142側(Z軸方向マイナス側)に配置された長尺状で平板状の部位である。具体的には、第二電極体接続部173b及び第四電極体接続部173dは、第三繋ぎ部173gから第二電極体142に向けて垂れ下がるように(Z軸方向に延びるように)配置されており、XZ平面に平行な面を対向して有している。
【0124】
第三繋ぎ部173gは、第二電極体接続部173bの第二端子側配置部172側(Z軸方向プラス側)の端部と、第四電極体接続部173dの第二端子側配置部172側の端部とを繋ぐ板状の部位である。つまり、第三繋ぎ部173gは、第二電極体接続部173bと第四電極体接続部173dとを加工する際に形成される、折れ曲がった部分であり、XY平面に平行な面を有する板状部材が2箇所で折れ曲がったような形状を有している。
【0125】
また、第三繋ぎ部173gは、第二端子側配置部172に接続されている。つまり、第三繋ぎ部173gは、第二端子側配置部172と第二電極体接続部173bと第四電極体接続部173dとを繋いでいる。
【0126】
具体的には、第二電極体接続部173bと第四電極体接続部173dとは、第三繋ぎ部173gを介して、第二電極体142に向けて、ねじられることなく折り曲げられて形成されている。
【0127】
つまり、
図10に示すように、折り曲げられる前の第二電極体接続部174b及び第四電極体接続部174dは、第二端子側配置部172と同一平面(XY平面)内に配置されている。そして、この第二電極体接続部174b及び第四電極体接続部174dが、第三繋ぎ部174gの部分で、Z軸マイナス方向に折り曲げられることで、第二端子側配置部172と垂直な方向(Z軸方向)に延びる第二電極体接続部173b及び第四電極体接続部173dが形成される。
【0128】
そして、第二電極体接続部173b及び第四電極体接続部173dは、複数の電極体のうちの第一電極体141とは異なる電極体である第二電極体142に接続される。
【0129】
つまり、
図11に示すように、第二電極体142は、巻回軸方向の一端(X軸プラス方向の端部)に、正極の活物質層非形成部が積層された第三正極積層部142aと第四正極積層部142bとを有している。そして、第二電極体接続部173bは、第四正極積層部142bと接合され、第四電極体接続部173dは、第三正極積層部142aと接合される。
【0130】
第一繋ぎ部173eは、第一電極体接続部173aの第一端子側配置部171(または第二端子側配置部172)とは反対側(Z軸方向マイナス側)の端部と、第二電極体接続部173bの第一端子側配置部171(または第二端子側配置部172)とは反対側の端部とを繋ぐ板状の部位である。つまり、第一繋ぎ部173eは、第一電極体接続部173aと第二電極体接続部173bとを加工する際に形成される、折れ曲がった部分であり、XY平面に平行な面を有する板状部材が2箇所で折れ曲がったような形状を有している。
【0131】
具体的には、第一電極体接続部173aと第二電極体接続部173bとは、第一繋ぎ部173eを介して、第一端子側配置部171及び第二端子側配置部172に向けて、ねじられることなく折り曲げられて形成されている。
【0132】
つまり、
図10に示すように、折り曲げられる前の第一電極体接続部174a及び第二電極体接続部174bは、第一端子側配置部171及び第二端子側配置部172と同一平面(XY平面)内に配置されている。そして、この第一電極体接続部174a及び第二電極体接続部174bが、第一繋ぎ部174eの部分で、Z軸プラス方向に折り曲げられることで、第一端子側配置部171及び第二端子側配置部172と垂直な方向(Z軸方向)に延びる第一電極体接続部173a及び第二電極体接続部173bが形成される。
【0133】
このように、正極集電体170は、Y軸方向に延びる一枚の長尺の板状の部位(電極側配置部174)がZ軸方向にねじられることなく折り曲げられて、4つの電極体接続部を有する電極側配置部173が形成される。つまり、電極側配置部173が有する4つの電極体接続部(第一電極体接続部173a、第二電極体接続部173b、第三電極体接続部173c及び第四電極体接続部173d)は、3つの繋ぎ部(第一繋ぎ部173e、第二繋ぎ部173f及び第三繋ぎ部173g)によって、連続して繋げられている。
【0134】
また、電極側配置部173は、4つの電極体接続部が同じ長さになるように(Z軸方向に同じ位置まで延びるように)、折り曲げられている。なお、4つの電極体接続部は、電極体との接続形態に応じて、異なる長さになるように折り曲げられてもよい。
【0135】
また、電極側配置部173は、2つの電極体に接続されるように、折り曲げられて4つの電極体接続部を形成しているが、3つ以上の電極体に接続されるように、折り曲げられて6つ以上の電極体接続部を形成することにしてもよい。
【0136】
そして、電極側配置部173に接続された第一端子側配置部171と第二端子側配置部172とが、重ねられて、溶接または機械的に接合される。つまり、第一端子側配置部171と第二端子側配置部172とは、レーザ溶接、抵抗溶接、電子ビーム溶接、または超音波溶接などの溶接による接合や、かしめなどによる機械的な接合によって、固定されている。
【0137】
以上のように、本発明の実施の形態の変形例3に係る蓄電素子によれば、正極集電体170において、第一端子側配置部171と第二端子側配置部172とが電極側配置部173に接続されているため、正極集電体170の電極端子側と電極体側との間で電流が流れる部分の面積を増やすことができる。このため、蓄電素子10において、当該電流が流れる際の抵抗値を低下させ、集電効率を高めることができる。負極集電体130についても同様である。
【0138】
また、正極集電体170において、第一端子側配置部171と第二端子側配置部172とは、重ねられて配置されているため、電極側配置部173からの集電効率を高めることができる。負極集電体130についても同様である。
【0139】
なお、第一端子側配置部171と第二端子側配置部172とは、重ねられるのみで、溶接や機械的な接合がなされていなくともかまわない。また、第一端子側配置部171と第二端子側配置部172とは、重ねられていない構成でもかまわない。
【0140】
また、上記変形例1〜3に係る蓄電素子によれば、上記実施の形態と同様に、正極集電体は、一枚の長尺の板状の部位がねじられることなく折り曲げられて、6つの電極体接続部を有する電極側配置部を形成することができている。また、負極集電体についても同様である。
【0141】
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る蓄電素子及び集電体について説明したが、本発明は、上記実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態及びその変形例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0142】
例えば、上記実施の形態及びその変形例では、全ての電極体接続部がねじられることなく折り曲げられて形成されていることとしたが、少なくとも1つの電極体接続部がねじられて形成されていてもかまわない。
【0143】
また、上記実施の形態及びその変形例では、電極側配置部は、それぞれの電極体に2つの電極体接続部が接続されるように、電極体接続部を備えていることとしたが、電極体に1つの電極体接続部しか接続されない構成でもよい。つまり、例えば、電極側配置部は、第三電極体接続部を備えておらず、第一電極体接続部のみが第一電極体に接続される構成でもかまわない。
【0144】
また、上記実施の形態及びその変形例では、集電体と電極端子とは接続部によるかしめによって接続されていることとしたが、接続部による接続方法はかしめには限定されず、どのような方法によって接続されていてもよい。
【0145】
また、上記実施の形態及びその変形例では、負極集電体は、上記の正極集電体と同様の構成を有していることとしたが、上記の構成を有するのは正極集電体のみであってもよい。または、負極集電体のみ上記の構成を有することにしてもかまわない。
【0146】
また、上記実施の形態及び上記変形例を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上記変形例3に、変形例2に係る変形を施したりしてもかまわない。