(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態に係る物品回収装置Aの一例を、図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1は本発明の実施形態に係る物品回収装置Aの一例を示す図である。詳細には、
図1(a)は物品回収装置Aの正面図、
図1(b)は物品回収装置Aの側面図である。
図2は物品回収装置Aの搬送部や撮像部などを有するユニットuの一例を示す図であり、詳細には、
図2(a)は上面図、
図2(b)は正面図を示す。
図3は本発明の実施形態に係る物品回収装置Aのユニットuの着脱動作の一例を示す図である。
図4は本発明の実施形態に係る物品回収装置Aの搬送部の動作の一例を示す側面図である。
【0016】
本発明の実施形態に係る物品回収装置Aは、物品aを搬送する搬送部3と、搬送部3により搬送される物品aを撮像する撮像部4と、を備えるユニットuを有する。また、物品回収装置Aは、搬送部3に撮像部4が組付けられ、搬送部3は、物品回収装置Aの内部より引き出し自在な構造となっている。撮像部4は、搬送部3に直接組付けた構造であってもよい。また、ユニットuは、搬送部3と撮像部4を連結する連結部材5を備えていてもよい。この搬送部3と撮像部4との相対位置関係は、保たれた状態となっている。
また、このユニットuは、物品回収装置Aの本体部としての筐体1内に着脱自在に設けられている。具体的には、搬送部3が物品回収装置Aの本体部としての筐体1の基台1kに着脱自在に設けられている。
【0017】
また、物品回収装置Aは、このユニットuを物品回収装置Aの本体部としての筐体1の内部より引き出し自在とする案内部材7を有する。
物品回収装置Aは、このユニットuを、物品回収装置Aの本体部である筐体1の内部より引き出した状態、または、取り出した状態で、搬送部3と撮像部4の相対位置など(上下左右の位置や角度)などを調整した後、物品回収装置Aの本体部である筐体1の内部の所定位置に設置することで、簡単にメンテナンスを行うことができるように構成されている。また、物品回収装置Aは各構成要素を統合的に制御する制御部(不図示)を有する。
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る物品回収装置Aの各構成要素について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0019】
図1(a)、
図1(b)に示したように、物品回収装置Aは、物品回収装置Aの本体部である筐体1(ケース)を有する。筐体1は、前面側の中央部などに、物品aが投入される投入口2を備える。この物品aとしては、飲料水などが収容されていた空容器(ペットボトル、瓶など)、電球、などを挙げることができる。
【0020】
筐体1の前面には開閉扉、本実施形態では、上部開閉扉1a、下部開閉扉1bが形成されている。上部開閉扉1aの中央部には投入口2が形成されている。この投入口2には、物品が1個ずつ投入される毎にシャッタが開閉するように構成されていてもよい。具体的には、容器の投入がない場合、シャッタが自動的に閉じるように構成されていてもよい。
【0021】
また、上部開閉扉1aには表示部46が設けられており、表示部46は、物品aの回収に関する表示、例えば、回収指示エラー内容などを表示する。この表示部46にはタッチパネル(操作入力部)が設けられており、操作者の指示を入力可能に構成されている。操作入力部や表示部46は、セットアップ時やメンテナンス時に用いられる。
また、上部開閉扉1aにはプリンタ10が設けられており、プリンタ10は、例えば、回収された物品aに対応したクーポン券(割引券)、当り券、チケット、回収履歴、などを発行する。
【0022】
本実施形態では、例えば、鍵穴に鍵を挿し込み解錠することにより、上部開閉扉1aを開状態とした場合、ユニットuを物品回収装置Aの前面側1Fに着脱自在となるように構成されている。
筐体1の下部には、物品aを収容する回収容器9が装置外部に着脱自在に配置されている。詳細には、鍵穴に鍵を挿し込み解錠することにより、下部開閉扉1bを開状態とした場合、回収容器9を前面側1Fに着脱自在に設けられている。
上部開閉扉1aまたは下部開閉扉1bが開状態の場合、安全装置により、搬送部3による搬送動作などの装置の動作が停止するように構成されている。
【0023】
尚、物品回収装置Aは、前面側の上部開閉扉1aや下部開閉扉1bなどに、リセットボタン、人感センサ、回収履歴リセットボタン、メンテナンスボタン、上部告知灯、などを有する(不図示)。
リセットボタンは、例えば、タッチパネル付き表示部の近傍などに設けられている。上部開閉扉1aや下部開閉扉1bを開閉後、施錠した後、このリセットボタンを押圧することにより、制御部は、所定のリセット処理を行い、物品aの回収処理のための準備処理を行う。
【0024】
人感センサは、例えば、投入口2近傍に設けられ、投入口2付近の人を感知するセンサである。制御部は、投入口2付近に人を感知した場合、投入口2に設けられたシャッタを開状態として、物品aを回収可能な状態とする。一定時間利用がない場合、制御部は、シャッタを自動的に閉状態とする。
【0025】
回収履歴リセットボタンは、下部開閉扉1bを開状態としたときに、筐体内に設けられている。回収容器9に設けた回収袋などが交換された後、この回収履歴リセットボタンが操作された場合、制御部は、回収容器9に関する回収履歴をリセットする処理を行う。
【0026】
メンテナンスボタンは、本体のメンテナンスを行うときに操作される。
上部告知灯は、物品の回収箱が満杯時、エラー発生時、プリンターロール紙交換時などに、緑色など所定の入り点灯して、それらを報知する。
【0027】
上述したように、ユニットuは、搬送部3と、搬送部3により搬送される物品aを撮像する撮像部4と、搬送部3と撮像部4とを連結する連結部材5と、を有する。
【0028】
<搬送部3>
搬送部3は、投入口2より投入された物品aを物品回収装置本体部(筐体1)内に搬送する。
搬送部3は、例えば、無端状ベルト3aを、所定距離離れて配置された駆動プーリ3bと従動プーリ3cとに亘って巻回して構成されるベルトコンベヤを有する。駆動プーリ3bは、モータ3mの回転がベルトなどの動力伝達手段3eにより駆動回転されるように構成されている。駆動プーリ3b、従動プーリ3cは、搬送部3の本体部3hに回転自在に軸支されている。
搬送面を構成する無端状ベルト3aの表面は、ウレタン樹脂、塩化ビニル、などで構成されている。
【0029】
この搬送部3の下部には、案内部材7が設けられている。搬送部3は、筐体1内に架設した基台1kに設けられたロードセル13上の案内部材7に載置されている。なお、本実施形態において、物品回収装置Aは、ロードセル13を備え、このロードセル13の上に案内部材7を載置して組付け、搬送部3を物品回収装置本体部(筐体1)の内部より引き出し自在とした構造を有しているが、これに限らず、ロードセル13を設けることなく基台1kに案内部材7を組付け、搬送部3を物品回収装置本体部(筐体1)の内部より引き出し自在としてもよい。
【0030】
搬送部3の搬送方向の始点位置付近には、物品aの投入を検知するセンサ16aが設けられ、搬送方向の終点位置付近には、物品aが終点まで搬送されたか否かを検知するセンサ16bが設けられている。
搬送部3により搬送方向に搬送された物品aは、終点位置で下方に落下して、回収容器9に収容される。
【0031】
<撮像部4>
撮像部4は、搬送部3で搬送される物品aを撮像する。撮像部4としては、カメラなどを挙げることができる。
撮像された画像は制御部(不図示)に出力され、制御部が、その画像に基づいて物品aの種類などを判別する。制御部は、物品aの種類に基づいて、プリンタ10により規定のチケットを発行する、表示部46により所望の画像を表示する、などの所定の処理を行う。
【0032】
本実施形態では
図2(a)、
図2(b)に示したように、撮像部4と、照明部6とが搬送部3の搬送路を介して配置されている。照明部6は、LEDなどの発光部を有し、物品aに光を照射する。撮像部4は、照明部6からの光により照らされた物品aを撮像する。
例えば、撮像部4に赤外線フィルタを設け、照明部6に赤外線を物品aに照射する赤外線照射装置を設けた場合、撮像部4が赤外線フィルタを介して撮像した物品aの画像を取得するように構成されていてもよい。
【0033】
<連結部材5>
連結部材5は、搬送部3と撮像部4とを連結する。
本実施形態では、連結部材5は、搬送部3による物品の搬送方向に対して直交する方向に、一方の端部が組み付けられ、他方の端部には、撮像部4の取付位置や角度を調整自在に設けられている。
連結部材5は、詳細には、水平部材51と、保持部材52と、補強部材53と、などを有する。
【0034】
水平部材51は、
図2に示したように、一方の端部が起立片部3tに固定され、他端部付近に保持部材52を介して撮像部4が配置されている。この起立片部3tには撮像用の透光部が設けられている。
【0035】
保持部材52は、水平部材51の端部付近に設けられており、撮像部4を保持する。保持部材52は、調整手段として、撮像部4の撮像角度を調整する角度調整部52aと、撮像部4を搬送部3に対する相対的な位置を調整可能な位置調整部52bと、などを有する。
【0036】
補強部材53は、保持部材52が設けられた水平部材51の端部付近と、搬送部3の側面部との間に斜めに設けられており、水平部材51の機械的強度を補強する。
【0037】
案内部材7は、例えば、断面U字形状の案内部材72と、案内部材72上を前後方向に摺動自在とする摺動面71aを有する摺動部71を有する。この案内部材7は、搬送部3、撮像部4、連結部材5をそれぞれの相対位置関係を保った状態で、物品回収装置本体部(筐体1)の内部より引き出し自在とするように構成されている。
【0038】
上述したように、本発明の実施形態に係る物品回収装置Aは、搬送部3と、撮像部4と、連結部材5とを備えるユニットuを有する。
図3に示したように、ユニットuの搬送部3は、物品回収装置本体部(筐体1)に着脱自在に設けられており、且つ、撮像部4および連結部材5が、物品回収装置本体部(筐体1)に連結されていない構造となっている。
また、ユニットuは、物品回収装置本体部(筐体1)に対して、装置の前面側1Fに引き出した状態で保持可能に構成されていてもよいし、さらにユニットuを物品回収装置本体部(筐体1)から引き出して、取り外し可能な構造であってもよい。
【0039】
図5は本発明の実施形態に係る物品回収装置Aの撮像部4により撮像した物品aの一例を示す図である。
物品回収装置Aの撮像部4は、例えば、
図5に示したように、物品aを撮像する。制御部は、物品aの画像に基づいて物品aの種類を判別する。制御部は、本実施形態では、制御部は、画像中の物品aの輪郭と、記憶部に予め記憶している物品の種類に対応した形状とを、パターンマッチングすることにより、物品aの種類を判別する。
【0040】
詳細には、制御部は、例えば、
図5に示したように、撮像エリア40aのうち、物品aの特徴部分を示すエリア40bを絞り込み、そのエリア40bから、物品aの種類を特定する部分40cを抽出した後、上記パターンマッチングを行うことにより、物品aの種類を特定する。
【0041】
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る物品回収装置Aは、物品aを投入する投入口2と、投入口2より投入された物品aを装置内に搬送する搬送部3と、搬送部3で搬送される物品を撮像する撮像部4と、を有する。また、物品回収装置Aは、搬送部3に撮像部4が組付けられ、搬送部3は、物品回収装置Aの内部より引き出し自在な構造となっている。撮像部4は、搬送部3に直接組付けた構造であってもよい。また、本実施形態では、物品回収装置Aは、搬送部3と撮像部4とを連結する連結部材5を有している。この搬送部3は、物品回収装置本体部(筐体1)に着脱自在に設けられており、且つ、撮像部4および連結部材5が、物品回収装置本体部(筐体1)に連結されていない構造となっている。また、搬送部3、撮像部4、連結部材5をそれぞれの相対位置関係を保った状態で、物品回収装置本体部(筐体1)の内部より引き出し自在とする案内部材7を有する。
【0042】
このため、搬送部3と撮像部4とが連結部材5で連結された状態で、引き出すことができるので、搬送部3と撮像部4との相対位置関係を保った状態で、一体的に引き出したり、取り外したりすることが可能である。物品回収装置Aの筐体1内からユニットuを引き出した状態、または、取り外した状態で、ユニットuに設けられた撮像部4の修理や調整を行った後、そのユニットuを筐体1内に設置することで、高精度に容易に行うことが可能な物品回収装置Aを提供することができる。
物品回収装置A内の修理対象のユニットuを、予め調整済みのユニットuと交換することで、短時間に撮像部4や搬送部3の修理を行うことが可能である。
【0043】
また、本発明の実施形態に係る物品回収装置Aは、連結部材5は、物品aを搬送する搬送部3の搬送方向と直交する向きに一方端部がその搬送部3に組付けられ、他方端部に撮像部4の取付位置または取付角度を調整自在に設けられている。
このため、撮像部4の取り付け位置や向き(角度)を容易に調整可能な物品回収装置Aを提供することができる。
【0044】
また、本発明の実施形態に係る物品回収装置Aは、連結部材5の他方端部に取り付けられた物品aを撮像する撮像部4が、撮像部4の取り付け位置である、上下方向、左右方向、または、前後方向を調整自在とすることで、撮像する方向及び角度を調整自在とする調整手段(角度調整部52a、位置調整部52bなど)を介して組付けられている。
このため、撮像部4の取り付け位置や角度を容易に調整可能な物品回収装置Aを提供することができる。また、撮像部4を高精度に容易に調整可能であるので、投入された物品aを高精度に識別することが可能な物品回収装置Aを提供することができる。
【0045】
また、本発明の実施形態に係る物品回収装置Aにより取り扱われる物品aとしては、缶、ペットボトル、瓶等の容器、または、電球などが挙げられる。このため、このような様々な物品aを回収することができ、装置自体を容易にメンテナンス可能な物品回収装置Aを提供することができる。
【0046】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【0047】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載される。
[付記1]
物品を回収する物品回収装置であって、
前記物品を投入する投入口と、
前記投入口より投入された物品を装置内に搬送する搬送部と、
前記搬送部で搬送される物品を撮像する撮像部と、を備え、
前記搬送部に前記撮像部が組付けられ、前記搬送部は、当該物品回収装置の内部より引き出し自在な構造となっていることを特徴とする
物品回収装置。
[付記2]
前記撮像部と前記搬送部とを連結する連結部材と、
前記搬送部を物品回収装置の内部より引き出し自在とする案内部材と、を備え、
前記連結部材は、前記搬送部と前記撮像部との相対位置関係を保つ状態で連結し、前記案内部材により、前記搬送部と前記撮像部とを当該物品回収装置の内部より引き出し自在とすることを特徴とする
付記1に記載の物品回収装置。
[付記3]
前記連結部材の一方端部は、前記搬送部の物品を搬送する搬送方向と直交する向きで組付け、他方端部は、前記撮像部の取付位置または取付角度を調整自在とする向きで前記撮像部に組付けられていることを特徴とする付記2に記載の物品回収装置。
[付記4]
前記連結部材の他方端部に取り付けられた前記物品を撮像する前記撮像部は、前記撮像部の取り付け位置である、上下方向、左右方向、または、前後方向を調整自在とすることで、撮像する方向及び角度を調整自在とする調整手段を介して組付けられていることを特徴とする付記1から付記3のいずれかに記載の物品回収装置。
[付記5]
撮像部は、物品回収装置本体部(筐体)に連結されていない構造となっていることを特徴とする付記1から付記4のいずれかに記載の物品回収装置。
[付記6]
前記物品は、缶、ペットボトル、瓶等の容器、または、電球であることを特徴とする付記1乃至付記5の何れかに記載の物品回収装置。