【0013】
(ロジウム、イリジウム、白金、ルテニウム、タンタル、レニウム、パラジウム、ランタン、セリウム、サマリウム、イッテルビウム、ルテチウム、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、コバルト、ニッケル、銅及び金からなる群より選ばれる少なくとも2種の金属化合物(A))
ロジウム、イリジウム、白金、ルテニウム、タンタル、レニウム、パラジウム、ランタン、セリウム、サマリウム、イッテルビウム、ルテチウム、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、コバルト、ニッケル、銅及び金からなる群より選ばれる少なくとも2種の金属化合物(A)としては、例えば、
三塩化ロジウム、六塩化ロジウム三アンモニウム、六塩化ロジウム三カリウム、六塩化ロジウム三ナトリウム、三硝酸ロジウム、ヘキサヒドロキシロジウム(III)酸三ナトリウム、ヘキサヒドロキシロジウム(III)酸三カリウム、ヘキサヒドロキシロジウム(IV)酸二ナトリウム、ヘキサヒドロキシロジウム(IV)酸二カリウムなどのロジウム化合物;
三塩化イリジウム、三臭化イリジウム、四塩化イリジウム、四臭化イリジウム、イリジウム酸アンモニウム塩、ヘキサアンミンイリジウム三塩化物、ペンタアンミンクロロイリジウム二塩化物、六塩化イリジウム三アンモニウム、六塩化イリジウム三カリウム、六塩化イリジウム三ナトリウム、四塩化イリジウム二アンモニウム、六塩化イリジウム二アンモニウム、六塩化イリジウム二カリウム、六塩化イリジウム酸、六塩化イリジウム二ナトリウム、ヘキサヒドロキシイリジウム(IV)酸二ナトリウム、ヘキサヒドロキシイリジウム(IV)酸二カリウムなどのイリジウム化合物;
二塩化白金、四塩化白金、六塩化白金酸、二臭化白金、四臭化白金、六臭化白金酸、二ヨウ化白金、四ヨウ化白金、二塩化白金二アンモニウム、六塩化白金二アンモニウム、六塩化白金二アンモニウム、四塩化白金二アンモニウム、六塩化白金二ナトリウム、四塩化白金二カリウム、六塩化白金二カリウム、二臭化白金二アンモニウム、四臭化白金二カリウム、六臭化白金二アンモニウム、六ヨウ化白金酸ナトリウム、六ヨウ化白金酸カリウム、酸化白金、ヘキサヒドロキソ白金酸水素、水酸化白金、ヘキサヒドロキシ白金酸ナトリウム、ヘキサヒドロキシ白金(IV)酸カリウムなどの白金化合物;
三塩化ルテニウム、三臭化ルテニウム、五塩化ルテニウム二アンモニウム、六塩化ルテニウム三アンモニウム、六塩化ルテニウム二カリウム、六塩化ルテニウム二ナトリウム、六臭化ルテニウム三カリウム、六臭化ルテニウム二カリウム、過ルテニウム酸カリウム、過ルテニウム酸(テトラプロピルアンモニウム)、過ルテニウム酸(テトラブチルアンモニウム)、テトラオキソルテニウム(VI)酸二カリウム、テトラオキソルテニウム(VI)酸二ナトリウム、テトラヒドロキシルテニウム(IV)化合物などのルテニウム化合物;
五塩化タンタル、五臭化タンタル、五ヨウ化タンタル、タンタルペンタエチラート、タンタル酸ナトリウム、タンタル酸カリウム等のタンタル化合物;
三塩化レニウム、五塩化レニウム、三ヨウ化レニウム、過レニウム酸アンモニウム、過レニウム酸カリウム、過レニウム酸ナトリウム、六塩化レニウム三カリウム、六塩化レニウム二カリウム、七酸化二レニウム等のレニウム化合物;
二塩化パラジウム、二臭化パラジウム、二ヨウ化パラジウム、二酢酸パラジウム、二硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、酸化パラジウム、ヘキサヒドロキシパラジウム(IV)酸二ナトリウム、ヘキサヒドロキシパラジウム(IV)酸二カリウム、水酸化パラジウム
等のパラジウム化合物;
三塩化ランタン、三臭化ランタン、三ヨウ化ランタン、三硝酸ランタン、リン酸ランタン、三硫酸二ランタン、三炭酸二ランタン、ギ酸ランタン等のランタン化合物;
塩化第一セリウム、臭化第一セリウム、三シュウ酸二セリウム、三硝酸セリウム、四水酸化セリウム、三炭酸二セリウム、硝酸第一セリウムアンモニウム、硝酸第二セリウムアンモニウム、リン酸セリウム、硫酸第一セリウム、硫酸第二セリウム等のセリウム化合物;
三塩化サマリウム、三酢酸サマリウム、三シュウ酸二サマリウム、三硝酸サマリウム、三炭酸二サマリウム、三ヨウ化サマリウム、硫酸サマリウム等のサマリウム化合物;
三塩化イッテルビウム、三臭化イッテルビウム、三硝酸イッテルビウム、三硫酸二イッテルビウム、三酢酸イッテルビウム、三シュウ酸二イッテルビウム、三ヨウ化イッテルビウム、リン酸イッテルビウム等のイッテルビウム化合物;
三塩化ルテチウム、三酢酸ルテチウム、三シュウ酸二ルテチウム、三硝酸ルテチウム、硫酸ルテチウム等のルテチウム化合物;
四塩化ジルコニウム、四臭化ジルコニウム、四ヨウ化ジルコニウム、四硝酸ジルコニウム、二硫酸ジルコニウム等のジルコニウム化合物;
四塩化ハフニウム、四臭化ハフニウム、四ヨウ化ハフニウム、四硝酸ハフニウム、二硫酸ハフニウム等のハフニウム化合物;
五塩化ニオブ、五臭化ニオブ、五ヨウ化ニオブ、五(シュウ酸水素)ニオブ、ニオブペンタエチラート、ニオブペンタ−n−ブチラート、三酸化ナトリウムニオブ等のニオブ化合物;
三塩化モリブデン、五塩化モリブデン、三臭化モリブデン、テトラコサオキソヘプタモリブデン(VI)酸アンモニウム、テトラオキソモリブデン(VI)酸カリウム、テトラオキソモリブデン(VI)酸ナトリウム等のモリブデン化合物;
四塩化タングステン、六塩化タングステン、五臭化タングステン、ケイタングステン酸、ケイタングステン酸カリウム、ケイタングステン酸ナトリウム、パラタングステン酸アンモニウム、タングステン酸カリウム等のタングステン化合物;
二塩化コバルト、二臭化コバルト、二ヨウ化コバルト、二フッ化コバルト、二硝酸コバルト、酸化コバルト、リン酸コバルト、二酢酸コバルト、トリヒドロキシコバルト(III)、ギ酸第一コバルト、クエン酸第一コバルト等のコバルト化合物;
二塩化ニッケル、二臭化ニッケル、二ヨウ化ニッケル、シュウ酸ニッケル、二硝酸ニッケル、二水酸化ニッケル等のニッケル化合物;
一塩化銅、二塩化銅、二塩化銅二アンモニウム、ギ酸第二銅、一臭化銅、二臭化銅、硝酸銅、リン酸銅、硫酸銅、酢酸銅、炭酸銅、シュウ酸銅等の銅化合物;
一塩化金、三塩化金、四塩化金酸、三臭化金、三ヨウ化金、水酸化金、四塩化金カリウム、四臭化金ナトリウム、四臭化金酸等の金化合物;
が挙げられ、好ましくは、
三塩化ロジウム、三硝酸ロジウム、三塩化イリジウム、四塩化イリジウム、イリジウム酸アンモニウム塩、六塩化イリジウム三ナトリウム、四塩化イリジウム二アンモニウム、六塩化イリジウム二アンモニウム、六塩化イリジウム二カリウム、六塩化イリジウム酸、六塩化イリジウム二ナトリウム、二塩化白金、四塩化白金、六塩化白金酸、ヘキサヒドロキソ白金酸水素、水酸化白金、ヘキサヒドロキシ白金酸ナトリウム、ヘキサヒドロキシ白金(IV)酸カリウム、三塩化ルテニウム、五塩化ルテニウム二アンモニウム、六塩化ルテニウム三アンモニウム、六塩化ルテニウム二カリウム、六塩化ルテニウム二ナトリウム、過ルテニウム酸カリウム、過ルテニウム酸(テトラプロピルアンモニウム)、過ルテニウム酸(テトラブチルアンモニウム)、テトラオキソルテニウム(VI)酸二カリウム、テトラオキソルテニウム(VI)酸二ナトリウム、五塩化タンタル、タンタル酸カリウム、三塩化レニウム、五塩化レニウム、過レニウム酸アンモニウム、過レニウム酸カリウム、過レニウム酸ナトリウム、七酸化二レニウム、二塩化パラジウム、二酢酸パラジウム、二硝酸パラジウム、水酸化パラジウム、三塩化ランタン、三硝酸ランタン、リン酸ランタン、三炭酸二ランタン、ギ酸ランタン、塩化第一セリウム、三硝酸セリウム、四水酸化セリウム、三炭酸二セリウム、リン酸セリウム、三塩化サマリウム、三酢酸サマリウム、三硝酸サマリウム、三塩化イッテルビウム、三硝酸イッテルビウム、三酢酸イッテルビウム、リン酸イッテルビウム、三塩化ルテチウム、三酢酸ルテチウム、三硝酸ルテチウム、四塩化ジルコニウム、四硝酸ジルコニウム、四塩化ハフニウム、四硝酸ハフニウム、五塩化ニオブ、三酸化ナトリウムニオブ、三塩化モリブデン、五塩化モリブデン、テトラコサオキソヘプタモリブデン(VI)酸アンモニウム、テトラオキソモリブデン(VI)酸カリウム、テトラオキソモリブデン(VI)酸ナトリウム、四塩化タングステン、六塩化タングステン、ケイタングステン酸、ケイタングステン酸カリウム、ケイタングステン酸ナトリウム、パラタングステン酸アンモニウム、タングステン酸カリウム、二塩化コバルト、二硝酸コバルト、リン酸コバルト、二酢酸コバルト、二塩化ニッケル、二硝酸ニッケル、二水酸化ニッケル、一塩化銅、二塩化銅、硝酸銅、リン酸銅、酢酸銅、一塩化金、三塩化金、四塩化金酸、水酸化金、四塩化金カリウムが挙げられ、更に好ましくは、
三塩化ロジウム、三硝酸ロジウム、三塩化イリジウム、四塩化イリジウム、塩化イリジウム酸、二塩化白金、四塩化白金、六塩化白金酸、水酸化白金、三塩化ルテニウム、過ルテニウム酸カリウム、過ルテニウム酸(テトラプロピルアンモニウム)、五塩化タンタル、タンタル酸カリウム、三塩化レニウム、五塩化レニウム、過レニウム酸アンモニウム、過レニウム酸カリウム、七酸化二レニウム、二塩化パラジウム、二酢酸パラジウム、二硝酸パラジウム、三塩化ランタン、三硝酸ランタン、塩化第一セリウム、三硝酸セリウム、三塩化サマリウム、三酢酸サマリウム、三硝酸サマリウム、三塩化イッテルビウム、三硝酸イッテルビウム、三酢酸イッテルビウム、三塩化ルテチウム、三酢酸ルテチウム、三硝酸ルテチウム、四塩化ジルコニウム、四硝酸ジルコニウム、四塩化ハフニウム、四硝酸ハフニウム、五塩化ニオブ、三酸化ナトリウムニオブ、三塩化モリブデン、五塩化モリブデン、テトラコサオキソヘプタモリブデン(VI)酸アンモニウム、テトラオキソモリブデン(VI)酸カリウム、テトラオキソモリブデン(VI)酸ナトリウム、四塩化タングステン、六塩化タングステン、ケイタングステン酸、ケイタングステン酸カリウム、ケイタングステン酸ナトリウム、パラタングステン酸アンモニウム、二塩化コバルト、二硝酸コバルト、二酢酸コバルト、二塩化ニッケル、二硝酸ニッケル、二水酸化ニッケル、一塩化銅、二塩化銅、硝酸銅、酢酸銅、一塩化金、三塩化金、四塩化金酸、四塩化金カリウム、が使用される。
【実施例】
【0043】
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。なお、本発明の触媒の略語は以下の構成からなる。
(金属化合物(A)の1つ目の金属)−(金属化合物(A)の2つ目の金属)−(周期表第5族〜7族の金属)/(担体)触媒
【0044】
【0045】
実施例1(触媒の製造)
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、三塩化ロジウム・3水和物13.3mg(ロジウムが0.050mmol)、四塩化白金16.9mg(白金が0.050mmol)、リン酸三カリウム24.8mg(0.12mmol)及び水3mlを加え、100℃で60分間加熱攪拌した。これを一旦室温まで冷却した溶液に、七酸化二レニウム18.2mg(レニウムが0.075mmol)と活性炭(AC、カルゴンカーボンジャパン製、MH4−8A)200mgを加え、室温で5分攪拌した。次いで、室温にて水素雰囲気にて8MPaまで加圧し、120℃で1時間加熱攪拌して混合物を還元処理した。得られた溶液を室温まで冷却し、遠心分離により水層を除き、残渣として活性炭にロジウムが2.1質量%、白金が4.3質量%、レニウムが6.1質量%担持された触媒(以下、「Rh−Pt−Re/AC触媒(1)」と称することもある)を得た。
【0046】
実施例2(触媒の製造)
三塩化ロジウム・3水和物13.3mg(ロジウムが0.050mmol)、四塩化白金16.9mg(白金が0.050mmol)、リン酸三カリウム24.8mg(0.12mmol)及び水3mlを混合し、均一水溶液を調製した。調製した水溶液を活性炭(AC:カルゴンカーボンジャパン製、商品名:MH4−8A)に加え、80℃で減圧濃縮し、溶媒を留去した。次いで、水2mlに七酸化二レニウム18.2mg(レニウムが0.075mmol)を溶解させた水溶液を加え、再び80℃で減圧濃縮し、溶媒を留去した。得られた残渣を更に60℃で8時間減圧乾燥して、活性炭にロジウムが2.2質量%、白金が4.1質量%、レニウムが5.5質量%担持された固体(以下、「Rh−Pt−Re/AC(2)」と称することもある)260mgを得た。
【0047】
実施例3(触媒の製造)
実施例2において、活性炭をシリカ(SiO
2;富士シリシア化学株式会社製、商品名:CARiACT G−6)に変えた以外は、実施例2と同様にしてシリカにロジウムが1.8質量%、白金が3.8質量%、レニウムが4.9質量%担持された固体(以下、「Rh−Pt−Re/SiO
2(1)」と称することもある)260mgを得た。
【0048】
実施例4(触媒の製造)
実施例1において、七酸化レニウムをナトリウムテトラオキソモリブデン(VI)酸ナトリウム(モリブデンが0.075mmol)に、活性炭の使用量を450mgに変えた以外は、実施例1と同様にして活性炭にロジウムが1.2質量%、白金が2.2質量%、モリブデンが1.6質量%担持された触媒(以下、「Rh−Pt−Mo/AC触媒(1)」と称することもある)を得た。
【0049】
実施例5(触媒の製造)
実施例2において、七酸化二レニウムをナトリウムテトラオキソモリブデン(VI)酸ナトリウム(モリブデンが0.075mmol)に変えた以外は、実施例2と同様にして活性炭にロジウムが1.9質量%、白金が3.8質量%、モリブデンが2.7質量%担持された固体(以下、「Rh−Pt−Mo/AC触媒(2)」と称することもある)を得た。
【0050】
実施例6(触媒の製造)
実施例1において、四塩化白金を二塩化パラジウム9.0mg(0.050mmol)に変更した以外は、実施例1と同様にして活性炭にロジウムが2.1質量%、パラジウムが2.1質量%、レニウムが6.1質量%担持された触媒(以下、「Rh−Pd−Re/AC触媒(1)」と称することもある)を得た。
【0051】
実施例7(触媒の製造)
実施例1において、四塩化白金を三塩化ルテニウム・n水和物(0.050mmol)に変更した以外は、実施例1と同様にして活性炭にルテニウムが2.0質量%、ロジウムが2.1質量%、レニウムが6.1質量%担持された触媒(以下、「Ru−Rh−Re/AC触媒(1)」と称することもある)を得た。
【0052】
実施例8(触媒の製造)
実施例1において、三塩化ロジウム・3水和物を三塩化イリジウム・n水和物(0.050mmol)に、活性炭の使用量を450mgに変えた以外は、実施例1と同様にして活性炭にイリジウムが2.2質量%、白金が2.2質量%、レニウムが3.1質量%担持された触媒(以下、「Ir−Pt−Re/AC触媒(1)」と称することもある)を得た。
【0053】
実施例9(触媒の製造)
実施例1において、三塩化ロジウム・3水和物を三塩化イリジウム・n水和物(0.050mmol)に、七酸化二レニウムをナトリウムテトラオキソモリブデン(VI)酸ナトリウム(0.075mmol)に、活性炭の使用量を450mgに変えた以外は、実施例1と同様にして活性炭にイリジウムが2.2質量%、白金が2.2質量%、モリブデンが1.5質量%担持された触媒(以下、「Ir−Pt−Mo/AC触媒(1)」と称することもある)を得た。
【0054】
実施例10(触媒の製造)
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、塩化ルテニウム・3水和物6.5mg(ルテニウムが0.025mmol)、三塩化ロジウム・3水和物6.6mg(ロジウムが0.025mmol)、リン酸三カリウム13.3mg(0.063mmol)及び水4mlを加え、100℃で60分間加熱攪拌した。これを一旦室温まで冷却した溶液に、七酸化二レニウム9.1mg(レニウムが0.038mmol)と活性炭(AC、カルゴンカーボンジャパン製、MH4−8A)96.1mgを加え、室温で5分攪拌した。次いで、室温にて水素雰囲気にて8MPaまで加圧し、120℃で1時間加熱攪拌して混合物を還元処理した。得られた溶液を室温まで冷却し、遠心分離により水層を除き、残渣として活性炭にロジウムが2.7質量%、ルテニウムが2.6質量%、レニウムが7.3質量%担持された触媒(以下、「Ru−Rh−Re/AC触媒(2)」と称することもある)を得た。
【0055】
実施例11(触媒の製造)
シリカ(富士シリシア化学株式会社製、商品名:CARiACT G−6)0.50gを、テトラオキソルテニウム(VI)酸二カリウム水溶液(株式会社フルヤ金属製、ルテニウム濃度4.3質量%)0.244g(ルテニウム換算で0.104mmol)に水0.2gを加えた水溶液中に含浸させ、110℃で7時間乾燥した。次に、得られた粉末を、六塩化イリジウム酸(和光純薬製、イリジウム濃度37.7質量%)53.0mg(イリジウム換算で0.104mmol)を水0.4gに溶解させた水溶液中に含浸させ、110℃で7時間乾燥した。さらに、得られた粉末を、テトラオキソレニウム(VII)酸アンモニウム27.9mg(レニウム換算で0.104mmol)を水0.4gに溶解させた溶液中に含浸させ、110℃で7時間乾燥させた。この粉末を250℃で4時間乾燥して、シリカにルテニウムが2.1質量%、イリジウムが4.0質量%、レニウムが3.9質量%担持された固体触媒(以下、「Ru−Ir−Re/SiO
2触媒(1)」と称することもある)588mgを得た。
【0056】
実施例12(触媒の製造)
実施例1において、七酸化レニウムをドデカカルボニル二レニウム(レニウムが0.075mmol)に変えた以外は、実施例1と同様にして活性炭にロジウムが2.2質量%、白金が4.1質量%、レニウムが5.5質量%担持された触媒(以下、「Rh−Pt−Re/AC触媒(3)」と称することもある)を得た。
【0057】
実施例13(触媒の製造)
実施例1において、三塩化ロジウム・3水和物を三塩化ルテニウム・n水和物(0.050mmol)に、四塩化白金を五塩化タンタル(0.050mmol)に変えた以外は、実施例1と同様にして活性炭にタンタルが3.9質量%、ルテニウムが2.2質量%、レニウムが6.1質量%担持された触媒(以下、「Ta−Ru−Re/AC触媒(1)」と称することもある)を得た。
【0058】
実施例14(触媒の製造)
実施例1において、三塩化ロジウム・3水和物を三塩化ルテニウム・n水和物(0.050mmol)に、四塩化白金を五塩化レニウム(0.050mmol)に変えた以外は、実施例1と同様にして活性炭にレニウムが4.0質量%、ルテニウムが2.2質量%、レニウムが6.1質量%担持された触媒(以下、「Re−Ru−Re/AC触媒(1)」と称することもある)を得た。
【0059】
実施例15(触媒の製造)
実施例1において、三塩化ロジウム・3水和物を三塩化ルテニウム・n水和物(0.050mmol)に、四塩化白金を四塩化金酸(0.050mmol)に変えた以外は、実施例1と同様にして活性炭にルテニウムが2.2質量%、金が4.3質量%、レニウムが6.1質量%担持された触媒(以下、「Ru−Au−Re/AC触媒(1)」と称することもある)を得た。
【0060】
実施例16(触媒の製造)
実施例1において、三塩化ロジウム・3水和物を三塩化ルテニウム・n水和物(0.050mmol)に、四塩化白金を二塩化パラジウム(0.050mmol)に変えた以外は、実施例1と同様にして活性炭にルテニウムが2.2質量%、パラジウムが2.2質量%、レニウムが6.1質量%担持された触媒(以下、「Ru−Pd−Re/AC触媒(1)」と称することもある)を得た。
【0061】
実施例17(触媒の製造)
実施例1において、三塩化ロジウム・3水和物を三塩化ルテニウム・n水和物(0.050mmol)に、四塩化白金を四塩化ジルコニウム(0.050mmol)に変えた以外は、実施例1と同様にして活性炭にジルコニウムが2.0質量%、ルテニウムが2.2質量%、レニウムが6.1質量%担持された触媒(以下、「Zr−Ru−Re/AC触媒(1)」と称することもある)を得た。
【0062】
実施例18(触媒の製造)
実施例1において、三塩化ロジウム・3水和物を三塩化ルテニウム・n水和物(0.050mmol)に、四塩化白金を四塩化ハフニウム(0.050mmol)に変えた以外は、実施例1と同様にして活性炭にハフニウムが3.9質量%、ルテニウムが2.2質量%、レニウムが6.1質量%担持された触媒(以下、「Hf−Ru−Re/AC触媒(1)」と称することもある)を得た。
【0063】
実施例19(触媒の製造)
実施例1において、担体を活性炭からグラフェン(STREM製)に変えた以外は、実施例1と同様にして活性炭にロジウムが2.1質量%、白金が4.3質量%、レニウムが6.1質量%担持された触媒(以下、「Rh−Pt−Re/グラフェン触媒(1)」と称することもある)を得た。
【0064】
実施例20(触媒の製造)
実施例1において、三塩化ロジウム・3水和物を三塩化ルテニウム・n水和物(0.050mmol)に、四塩化白金を二塩化パラジウム(0.050mmol)に担体を活性炭からグラフェン(STREM製)に変えた以外は、実施例1と同様にして活性炭にルテニウムが2.2質量%、パラジウムが2.2質量%、レニウムが6.1質量%担持された触媒(以下、「Ru−Pd−Re/グラフェン触媒(1)」と称することもある)を得た。
【0065】
実施例1A(コハク酸からの1,4−ブタンジオール合成)
【0066】
【化1】
【0067】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例1で得られた残渣(Rh−Pt−Re/AC触媒(1))、コハク酸0.600g(5.0mmol)、1.0mol/l水酸化ナトリウム水溶液0.10g(0.10mmol)を加え、コハク酸が15%になるように水でメスアップした。室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら120℃で12時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、コハク酸の転化率は100%であり(トリメチルシリルジアゾメタンでエステル化して確認)、1,4−ブタンジオールの収率は69.8%、同選択率は69.8%、1−ブタノールの収率は9.7%、同選択率は9.7%、γ−ブチロラクトンの収率は2.1%、同選択率は2.1%であった。
【0068】
実施例1B(アジピン酸からの1,6−ヘキサンジオールの合成)
【0069】
【化2】
【0070】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例1で得られた残渣(Rh−Pt−Re/AC触媒(1))、アジピン酸1.460g(10.0mmol)を加え、アジピン酸が15%になるように水でメスアップした。室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら120℃で30時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、アジピン酸の転化率は100%であり(トリメチルシリルジアゾメタンでエステル化して確認)、1,6−ヘキサンジオールの収率は93.6%、同選択率は93.6%、1−ヘキサノールの収率は2.5%、同選択率は2.5%であった。
【0071】
参考例1C(レブリン酸からの1,4−ペンタンジオールの合成)
【0072】
【化3】
【0073】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例1で得られた残渣(Rh−Pt−Re/AC触媒(1))、レブリン酸1.75g(15.0mmol)、1.0mol/l水酸化ナトリウム水溶液0.30g(0.30mmol)を加え、レブリン酸が15%になるように水でメスアップした。室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら120℃で15時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、レブリン酸の転化率は100%であり、1,4−ペンタンジオールの収率は63.6%、同選択率は63.6%、γ−バレロラクトンの収率は1.7%、同選択率は1.7%、2−メチルテトラヒドロフランの収率は4.0%、同選択率は4.0%、2−ペンタノールの収率は4.3%、同選択率は4.3%であった。
【0074】
参考例1D(ヘキサン酸からの1−ヘキサノールの合成)
【0075】
【化4】
【0076】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例1で得られた残渣(Rh−Pt−Re/AC触媒(1))、ヘキサン酸1.16g(10.0mmol)、1.0mol/l水酸化ナトリウム水溶液0.20g(0.20mmol)を加え、ヘキサン酸が15%になるようにジエチレングリコールジメチルエーテルでメスアップした。室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら180℃で9時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、ヘキサン酸の転化率は97.3%であり、1−ヘキサノールの収率は58.6%、同選択率は57.0%、ヘキサン酸ヘキシルの収率は2.3%、同選択率は2.2%であった。
【0077】
実施例2A(コハク酸からの1,4−ブタンジオールの合成)
【0078】
【化5】
【0079】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例2で得られた固体(Rh−Pt−Re/AC触媒(2))120mg、水2mlを加え、室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、120℃で1時間加熱攪拌して固体を還元処理した。得られた溶液を室温まで冷却し、遠心分離により水層を除いた。得られた残渣にコハク酸1.50g(12.7mmol)、1.0mol/l水酸化ナトリウム水溶液0.25g(0.25mmol)を加え、コハク酸が15%になるように水でメスアップした。水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら120℃で36時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、コハク酸の転化率は100%であり(トリメチルシリルジアゾメタンによるエステル化で確認)、1,4−ブタンジオールの収率は82.3%、同選択率は82.3%、1−ブタノールの収率は11.5%、同選択率は11.5%、γ−ブチロラクトンの収率は0.16%、同選択率は0.16%であった。
【0080】
実施例3A(コハク酸からの1,4−ブタンジオールの合成)
【0081】
【化6】
【0082】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例3で得られた固体(Rh−Pt−Re/SiO
2(1))120mg、水2mlを加え、室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、120℃で1時間加熱攪拌して固体を還元処理した。得られた溶液を室温まで冷却し、遠心分離により水層を除いた。得られた残渣にコハク酸0.35g(3.0mmol)、1.0mol/l水酸化ナトリウム水溶液0.10g(0.10mmol)を加え、コハク酸が15%になるように水でメスアップした。水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら120℃で18時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、コハク酸の転化率は100%であり(トリメチルシリルジアゾメタンでエステル化して確認)、1,4−ブタンジオールの収率は82.9%、同選択率は82.9%、1−ブタノールの収率は15.5%、同選択率は15.5%、γ−ブチロラクトンの収率は3.9%、同選択率は3.9%であった。
【0083】
参考例3B(3−ヒドロキシプロピオン酸からの1,3−プロパンジオールの合成)
【0084】
【化7】
【0085】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例3で得られた固体(Rh−Pt−Re/SiO
2(1))128mg、水2mlを加え、室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、120℃で1時間加熱攪拌して固体を還元処理した。得られた溶液を室温まで冷却し、遠心分離により水層を除いた。得られた残渣に3−ヒドロキシプロピオン酸の30%水溶液1.50g(5.0mmol)を加え、3−ヒドロキシプロピオン酸が10%になるように水でメスアップした。室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら120℃で4時間、更に140℃で14時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、3−ヒドロキシプロピオン酸の転化率は77.6%であり、1,3−プロパンジオールの収率は65.1%、同選択率は83.9%、1−プロパノールの収率は12.2%、同選択率は15.7%であった。
【0086】
実施例4A(コハク酸からの1,4−ブタンジオールの合成)
【0087】
【化8】
【0088】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例4で得られた残渣(Rh−Pt−Mo/AC触媒(1))、コハク酸0.600g(5.0mmol)、1.0mol/l NaOH水溶液0.10g(0.10mmol)を加え、コハク酸が15%になるように水でメスアップした。室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら120℃で18時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、コハク酸の転化率は100%であり(トリメチルシリルジアゾメタンでエステル化して確認)、1,4−ブタンジオールの収率は70.1%、同選択率は70.1%、1−ブタノールの収率は9.6%、同選択率は9.6%、γ−ブチロラクトンの収率は2.8%、同選択率は2.8%であった。
【0089】
実施例5A(コハク酸からの1,4−ブタンジオールの合成)
【0090】
【化9】
【0091】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例5で得られた固体(Rh−Pt−Mo/AC(2))120mg、水2mlを加え、室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、120℃で1時間加熱攪拌して固体を還元処理した。得られた溶液を室温まで冷却し、遠心分離により水層を除いた。得られた残渣にコハク酸0.35g(3.0mmol)、1.0mol/l水酸化ナトリウム水溶液0.10g(0.10mmol)を加え、コハク酸が15%になるように水でメスアップした。水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら120℃で18時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、コハク酸の転化率は100%であり(トリメチルシリルジアゾメタンによるエステル化で確認)、1,4−ブタンジオールの収率は74.9%、同選択率は74.9%、1−ブタノールの収率は4.0%、同選択率は4.0、γ−ブチロラクトンの収率は3.7%、同選択率は3.7%であった。
【0092】
実施例6A(コハク酸からの1,4−ブタンジオールの合成)
【0093】
【化10】
【0094】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例6で得られた残渣(Rh−Pd−Re/AC触媒(1))、コハク酸0.600g(5.0mmol)、1.0mol/l水酸化ナトリウム水溶液0.10g(0.10mmol)を加え、コハク酸が15%になるように水でメスアップした。室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら120℃で12時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、コハク酸の転化率は100%であり(トリメチルシリルジアゾメタンでエステル化して確認)、1,4−ブタンジオールの収率は61.7%、同選択率は61.7%、1−ブタノールの収率は13.0%、同選択率は13.0%、γ−ブチロラクトンの収率は2.3%、同選択率は2.3%であった。であった。
【0095】
実施例7A(コハク酸からの1,4−ブタンジオールの合成)
【0096】
【化11】
【0097】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例7で得られた残渣(Ru−Rh−Re/AC触媒(1))、コハク酸0.600g(5.0mmol)、1.0mol/l水酸化ナトリウム水溶液0.10g(0.10mmol)を加え、コハク酸が15%になるように水でメスアップした。室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら120℃で12時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、コハク酸の転化率は100%であり(トリメチルシリルジアゾメタンでエステル化して確認)、1,4−ブタンジオールの収率は61.0%、同選択率は61.0%、1−ブタノールの収率は9.3%、同選択率は9.3%、γ−ブチロラクトンの収率は2.1%、同選択率は2.1%であった。
【0098】
実施例8A(コハク酸からの1,4−ブタンジオールの合成)
【0099】
【化12】
【0100】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例8で得られた残渣(Ir−Pt−Re/AC触媒(1))、コハク酸1.20g(10mmol)、1.0mol/l水酸化ナトリウム水溶液0.20g(0.20mmol)を加え、コハク酸が15%になるように水でメスアップした。室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら100℃で60時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、コハク酸の転化率は100%であり(トリメチルシリルジアゾメタンでエステル化して確認)、1,4−ブタンジオールの収率は57.5%、同選択率は57.5%、1−ブタノールの収率は23.8%、同選択率は23.8%、γ−ブチロラクトンの収率は1.9%、同選択率は1.9%であった。
【0101】
実施例9A(コハク酸からの1,4−ブタンジオールの合成)
【0102】
【化13】
【0103】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例9で得られた残渣(Ir−Pt−Mo/AC触媒(1))、コハク酸1.20g(10mmol)、1.0mol/l水酸化水溶液0.20g(0.20mmol)を加え、コハク酸が15%になるように水でメスアップした。室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら100℃で60時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、コハク酸の転化率は100%であり(トリメチルシリルジアゾメタンでエステル化して確認)、1,4−ブタンジオールの収率は60.8%、同選択率は60.8%、1−ブタノールの収率は10.8%、同選択率は10.8%、γ−ブチロラクトンの収率は6.9%、同選択率は6.9%であった。
【0104】
参考例10A(3−ヒドロキシプロピオン酸からの1,3−プロパンジオールの合成)
【0105】
【化14】
【0106】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例10で得られた残渣(Ru−Rh−Re/AC触媒(2))、3−ヒドロキシプロピオン酸の30%水溶液1.50g(5.0mmol)を加え、3−ヒドロキシプロピオン酸が10%になるように水でメスアップした。室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら120℃で4時間、更に140℃で14時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、3−ヒドロキシプロピオン酸の転化率は88.0%であり、1,3−プロパンジオールの収率は76.3%、同選択率は86.7%、1−プロパノールの収率は8.8%、同選択率は10.0%であった。
【0107】
参考例10B(乳酸からの1,2−プロパンジオールの合成)
【0108】
【化15】
【0109】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例10と同様の方法で得られた残渣(Rh−Ru−Re/AC触媒(2))、乳酸の90.3%水溶液0.50g(5.0mmol)を加え、乳酸が10%になるように水でメスアップした。室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら100℃で22時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、乳酸の転化率は97.5%であり、1,2−プロパンジオールの収率は77.4%、同選択率は79.4%、1−プロパノールの収率は4.6%、同選択率は4.7%、2−プロパノールの収率は1.5%、同選択率は1.5%、であった。
【0110】
参考例11A(3−ヒドロキシプロピオン酸からの1,3−プロパンジオールの合成)
【0111】
【化16】
【0112】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例11で得られた残渣(Ru−Ir−Re/SiO
2触媒(1))60mg、3−ヒドロキシプロピオン酸の30%水溶液1.50g(5.0mmol)を加え、3−ヒドロキシプロピオン酸が10%になるように水でメスアップした。室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら100℃で4時間、更に140℃で11時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、3−ヒドロキシプロピオン酸の転化率は87.0%であり、1,3−プロパンジオールの収率は65.8%、同選択率は75.6%、1−プロパノールの収率は18.9%、同選択率は2.2%であった。
【0113】
参考例11B(乳酸からの1,2−プロパンジオールの合成)
【0114】
【化17】
【0115】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例11で得られた残渣(Ru−Ir−Re/SiO
2触媒(1))60mg、乳酸の90.3%水溶液0.50g(5.0mmol)を加え、乳酸が10%になるように水でメスアップした。室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら100℃で15時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、乳酸の転化率は95.2%であり、1,2−プロパンジオールの収率は85.3%、同選択率は89.6%、1−プロパノールの収率は5.1%、同選択率は5.3%、2−プロパノールの収率は2.0%、同選択率は2.1%、であった。
【0116】
参考例11C(プロピオン酸からの1−プロパノールの合成)
【0117】
【化18】
【0118】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例11で得られた残渣(Ru−Ir−Re/SiO
2触媒(1))60mg、プロピオン酸0.375g(5.0mmol)を加え、プロピオン酸が10%になるように水でメスアップした。室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら100℃で17時間攪拌しながら反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、プロピオン酸の転化率は98.9%であり、1−プロパノールの収率は93.2%、同選択率は94.2%であった。
【0119】
実施例12A(コハク酸からの1,4−ブタンジオールの合成)
【0120】
【化19】
【0121】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例12で得られた残渣(Rh−Pt−Re/AC触媒(3))、コハク酸0.60g(5.0mmol)、1.0mol/l水酸化ナトリウム水溶液0.10g(0.10mmol)を加え、コハク酸が15%になるように水でメスアップした。室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら120℃で36時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、コハク酸の転化率は100%であり(トリメチルシリルジアゾメタンでエステル化して確認)、1,4−ブタンジオールの収率は64.6%、同選択率は64.6%、1−ブタノールの収率は11.6%、同選択率は11.6%、γ−ブチロラクトンの収率は5.9%、同選択率は5.9%であった。
【0122】
実施例13A(コハク酸からの1,4−ブタンジオールの合成)
【0123】
【化20】
【0124】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例13で得られた残渣(Ta−Ru−Re/AC触媒(1))、コハク酸0.60g(5.0mmol)、1.0mol/l水酸化ナトリウム水溶液0.10g(0.10mmol)を加え、コハク酸が15%になるように水でメスアップした。室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら120℃で36時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、コハク酸の転化率は100%であり(トリメチルシリルジアゾメタンでエステル化して確認)、1,4−ブタンジオールの収率は87.2%、同選択率は87.2%、1−ブタノールの収率は7.8%、同選択率は7.8%、γ−ブチロラクトンの収率は4.7%、同選択率は4.7%であった。
【0125】
実施例14A(コハク酸からの1,4−ブタンジオールの合成)
【0126】
【化21】
【0127】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例13で得られた残渣(Re−Ru−Re/AC触媒(1))、コハク酸0.60g(5.0mmol)、1.0mol/l水酸化ナトリウム水溶液0.10g(0.10mmol)を加え、コハク酸が15%になるように水でメスアップした。室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら120℃で18時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、コハク酸の転化率は100%であり(トリメチルシリルジアゾメタンでエステル化して確認)、1,4−ブタンジオールの収率は80.9%、同選択率は80.9%、1−ブタノールの収率は4.9%、同選択率は4.9%、γ−ブチロラクトンの収率は2.2%、同選択率は2.2%であった。
【0128】
実施例15A(コハク酸からの1,4−ブタンジオールの合成)
【0129】
【化22】
【0130】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例14で得られた残渣(Ru−Au−Re/AC触媒(1))、コハク酸0.60g(5.0mmol)、1.0mol/l水酸化ナトリウム水溶液0.10g(0.10mmol)を加え、コハク酸が15%になるように水でメスアップした。室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら150℃で12時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、コハク酸の転化率は100%であり(トリメチルシリルジアゾメタンでエステル化して確認)、1,4−ブタンジオールの収率は68.1%、同選択率は68.1%、1−ブタノールの収率は6.4%、同選択率は6.4%、γ−ブチロラクトンの収率は3.0%、同選択率は3.0%であった。
【0131】
実施例16A(コハク酸からの1,4−ブタンジオールの合成)
【0132】
【化23】
【0133】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例15で得られた残渣(Ru−Pd−Re/AC触媒(1))、コハク酸0.60g(5.0mmol)、1.0mol/l水酸化ナトリウム水溶液0.10g(0.10mmol)を加え、コハク酸が15%になるように水でメスアップした。室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら120℃で18時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、コハク酸の転化率は100%であり(トリメチルシリルジアゾメタンでエステル化して確認)、1,4−ブタンジオールの収率は62.1%、同選択率は62.1%、1−ブタノールの収率は11.0%、同選択率は11.0%、γ−ブチロラクトンの収率は0.25%、同選択率は0.25%であった。
【0134】
実施例17A(コハク酸からの1,4−ブタンジオールの合成)
【0135】
【化24】
【0136】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例17で得られた残渣(Zr−Ru−Re/AC触媒(1))、コハク酸0.60g(5.0mmol)、1.0mol/l水酸化ナトリウム水溶液0.10g(0.10mmol)を加え、コハク酸が15%になるように水でメスアップした。室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら120℃で18時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、コハク酸の転化率は100%であり(トリメチルシリルジアゾメタンでエステル化して確認)、1,4−ブタンジオールの収率は90.4%、同選択率は90.4%、1−ブタノールの収率は9.1%、同選択率は9.1%であり、γ−ブチロラクトンは観測されなかった。
【0137】
実施例18A(コハク酸からの1,4−ブタンジオールの合成)
【0138】
【化25】
【0139】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例18で得られた残渣(Hf−Ru−Re/AC触媒(1))、コハク酸0.60g(5.0mmol)、1.0mol/l水酸化ナトリウム水溶液0.10g(0.10mmol)を加え、コハク酸が15%になるように水でメスアップした。室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら120℃で12時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、コハク酸の転化率は100%であり(トリメチルシリルジアゾメタンでエステル化して確認)、1,4−ブタンジオールの収率は70.1%、同選択率は70.1%、1−ブタノールの収率は8.5%、同選択率は8.5%、γ−ブチロラクトンの収率は5.0%、同選択率は5.0%であった。
実施例19A(コハク酸からの1,4−ブタンジオールの合成)
【0140】
【化26】
【0141】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例19で得られた残渣(Rh−Pt−Re/グラフェン触媒(1))、コハク酸0.60g(5.0mmol)、1.0mol/l水酸化ナトリウム水溶液0.10g(0.10mmol)を加え、コハク酸が15%になるように水でメスアップした。室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら120℃で6時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、コハク酸の転化率は100%であり(トリメチルシリルジアゾメタンでエステル化して確認)、1,4−ブタンジオールの収率は75.2%、同選択率は75.2%、1−ブタノールの収率は12.4%、同選択率は12.4%、γ−ブチロラクトンの収率は5.5%、同選択率は5.5%であった。
実施例20A(コハク酸からの1,4−ブタンジオールの合成)
【0142】
【化27】
【0143】
50mlのガラス製内筒管を備えたオートクレーブに、実施例20で得られた残渣(Ru−Pd−Re/グラフェン触媒(1))、コハク酸0.60g(5.0mmol)、1.0mol/l水酸化ナトリウム水溶液0.10g(0.10mmol)を加え、コハク酸が15%になるように水でメスアップした。室温にて水素ガスで8MPaまで加圧し、攪拌しながら120℃で15時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を室温まで冷却し、次いでメンブランフィルター(0.45μm)を備えた注射器で濾過した。
得られた濾液をガスクロマトグラフィーで分析したところ、コハク酸の転化率は100%であり(トリメチルシリルジアゾメタンでエステル化して確認)、1,4−ブタンジオールの収率は80.8%、同選択率は80.8%、1−ブタノールの収率は11.0%、同選択率は11.0%、γ−ブチロラクトンの収率は2.4%、同選択率は2.4%であった。
【0144】
以上の結果から、
(1)ロジウム、イリジウム、白金、ルテニウム、タンタル、レニウム、パラジウム、ランタン、セリウム、サマリウム、イッテルビウム、ルテチウム、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ、モリブデン、タングステン、コバルト、ニッケル、銅及び金からなる群より選ばれる少なくとも2種の金属化合物(A)
(2)周期表第5族、6族又は7族の金属を含む金属酸化物(B1)或いは金属カルボニル化合物(B2)
とを混合し、還元処理して得られる触媒(本発明の触媒)が、カルボン酸化合物と水素源の存在下にて接触することによって、高い反応速度で、高収率且つ高選択的に対応するアルコール化合物を与えることが分かった。