特許第6268955号(P6268955)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6268955
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】シート供給装置及びシート供給方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 20/32 20060101AFI20180122BHJP
   B65H 23/192 20060101ALI20180122BHJP
   B65H 23/16 20060101ALI20180122BHJP
【FI】
   B65H20/32 A
   B65H20/32 Z
   B65H23/192
   B65H23/16
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-234520(P2013-234520)
(22)【出願日】2013年11月13日
(65)【公開番号】特開2014-114165(P2014-114165A)
(43)【公開日】2014年6月26日
【審査請求日】2016年7月21日
(31)【優先権主張番号】特願2012-250142(P2012-250142)
(32)【優先日】2012年11月14日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】天山 和幸
(72)【発明者】
【氏名】谷田 剛夫
【審査官】 笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−035988(JP,A)
【文献】 特開平09−194088(JP,A)
【文献】 特公昭49−030793(JP,B1)
【文献】 特開2005−219845(JP,A)
【文献】 実開昭55−078644(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 20/00 〜 20/40
B65H 23/00 〜 27/00
B65H 35/04 〜 35/08
B65B 17/00
B65B 23/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス板とシートとが交互に積層された積層体を形成するために用いられるシート供給装置であって、
帯状シート材をロール状に巻回して形成された原反ロールから前記帯状シート材を巻き出す巻出手段と、
前記帯状シート材の一部の自重によって前記帯状シート材の前記一部を垂下させることにより前記帯状シート材の垂下部を形成するバッファ手段と、
前記帯状シート材の搬送方向先端部を幅方向に切断して前記シートを形成する切断手段と
前記バッファ手段と前記切断手段との間に設けられ、前記帯状シート材の前記搬送方向に沿って前記帯状シート材にテンションを付与するテンション付与手段
を備え、
前記帯状シート材は、伸縮性を有する材料から形成され、
前記テンション付与手段は、
前記帯状シート材に付与するテンションの大きさを制御可能であり、
前記バッファ手段の下流に設けられた第1駆動ローラと、
前記第1駆動ローラの下流に設けられた第2駆動ローラと
を含み、
前記第1駆動ローラによる単位時間あたりの前記帯状シート材の搬送量と前記第2駆動ローラによる単位時間あたりの前記帯状シート材の搬送量との差、または前記第1駆動ローラの回転速度と前記第2駆動ローラの回転速度との差により前記帯状シート材にテンションを付与する、シート供給装置。
【請求項2】
間欠運転を行う、請求項1に記載のシート供給装置。
【請求項3】
前記テンション付与手段が前記帯状シート材にテンションを付与する前に、前記帯状シート材のうち搬送方向の長さが短い部分を搬送方向に伸ばす矯正手段をさらに備える、請求項1または請求項に記載のシート供給装置。
【請求項4】
前記矯正手段は、上下に移動自在に支持されるとともに、自重によって前記垂下部の底部を押圧する矯正ローラである、請求項に記載のシート供給装置。
【請求項5】
前記第1駆動ローラと前記第2駆動ローラとの間に設けられたパスラインローラを更に備え、
前記帯状シート材は、前記パスラインローラに鋭角に巻き付けられる、請求項1から請求項4のいずれかに記載のシート供給装置。
【請求項6】
前記パスラインローラと前記第2駆動ローラとの間に設けられた第1案内ローラ及び第2案内ローラを更に備え、
前記帯状シート材は、前記第1案内ローラと前記第2案内ローラとの間でS字状に巻き付けられる、請求項5に記載のシート供給装置。
【請求項7】
ガラス板とシートとが交互に積層された積層体を形成するために用いられるシート供給方法であって、
帯状シート材をロール状に巻回して形成された原反ロールから前記帯状シート材を巻き出す巻出工程と、
前記帯状シート材の一部の自重によって前記帯状シート材の前記一部を垂下させることにより前記帯状シート材の垂下部を形成するバッファ工程と、
前記帯状シート材の前記搬送方向に沿って前記帯状シート材にテンションを付与するテンション付与工程と、
前記帯状シート材の搬送方向先端部を幅方向に切断して前記シートを形成する切断工程と
を包含
前記帯状シート材は、伸縮性を有する材料から形成され、
前記テンション付与工程は、前記バッファ工程実行位置と前記切断工程実行位置との間で実され
前記テンション付与工程において、
前記帯状シート材に与えるテンションの大きさを制御可能であり、
前記バッファ工程実行位置の下流に設けられた第1駆動ローラによる単位時間あたりの前記帯状シート材の搬送量と前記第1駆動ローラの下流に設けられた第2駆動ローラによる単位時間あたりの前記帯状シート材の搬送量との差、または前記第1駆動ローラの回転速度と前記第2駆動ローラの回転速度との差により前記帯状シート材にテンションを付与する、シート供給方法。
【請求項8】
間欠運転する工程を包含する、請求項に記載のシート供給方法。
【請求項9】
前記テンション付与工程において前記帯状シート材にテンションを付与する前に、前記帯状シート材のうち搬送方向の長さが短い部分を搬送方向に伸ばす矯正工程をさらに包含する、請求項7または請求項に記載のシート供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシート供給装置及びシート供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(以下、FPDという)や太陽電池のガラス基板等のガラス板は、保管や輸送に際して、ガラス板の主面同士の接触によってガラス板の主面が損傷しないように配慮する必要がある。
【0003】
そこで、例えば、ガラス板と、合成樹脂等から成る緩衝用のシートとをパレット上に交互に積層して積層体を形成し、この積層体を梱包して搬送する。このような積層体を形成する作業を自動的に行うために、例えば下記特許文献1に開示されたシート供給装置が用いられている。
【0004】
図6は、従来のシート供給装置101の概略構成を示す模式図である。シート供給装置101は、長尺の帯状シート材102をロール状に巻回して形成された原反ロール103から帯状シート材102を巻き出す巻出ローラ104と、巻出ローラ104により巻き出された帯状シート材102を溜めておくバッファ部105と、バッファ部105に溜められた帯状シート材102を切断位置C.Pに向けて搬送するパスラインローラ106及び駆動ローラ107と、切断位置C.Pにおいて帯状シート材102の搬送方向先端部を幅方向に切断して枚葉状のシートSを形成する切断刃108とを備えている。そして、シート供給装置101は、シートSを把持機構109及び把持機構110によって把持してパレット(図示せず)上のガラス板の主面上に積層する。
【0005】
シート供給装置101は、帯状シート材102を切断する際に停止させるので、間欠運転となる。そのため、帯状シート材102の原反ロール103からの巻き出し開始時と巻き出し停止時とにおいて、原反ロール103の慣性力によって帯状シート材102に作用するテンションが変動する。このテンションの変動が大きくなると、特に帯状シート材102が伸縮性を有する材料(例えば、発泡ポリエチレンやプラスチックフィルム)から形成されている場合には、切断後のシート121の長さや形状が安定しなくなる。
【0006】
そこで、帯状シート材102に作用するテンションの変動を抑制するために、巻出ローラ104とパスラインローラ106との間にバッファ部105を設けている。バッファ部105はダンサーローラ105a(バッファローラあるいはルーパーとも呼ばれる)を備え、ダンサーローラ105aは、帯状シート材102の搬送経路の上方に配置されるとともに上下方向に移動自在に案内されており、帯状シート材102を下方に押圧して帯状シート材102の一部を略U字状に垂下させて垂下部102aを形成する。
【0007】
バッファ部105の下流側での単位時間あたりの帯状シート材102の搬送量が、巻出ローラ104による単位時間あたりの帯状シート材102の巻き出し量よりも大きくなると、ダンサーローラ105aが上昇して垂下部102aの上下方向の長さが短くなる。一方、バッファ部105の下流側での単位時間あたりの帯状シート材102の搬送量が、巻出ローラ104による単位時間あたりの帯状シート材102の巻き出し量よりも小さくなると、ダンサーローラ105aが下降して垂下部102aの上下方向の長さが長くなる。バッファ部105の上下移動によって、帯状シート材102に緩みが生じるのを防いで帯状シート材102に作用するテンションの変動を抑制している。
【0008】
また、帯状シート材102を安定して搬送するために、ある程度の大きさのテンションを帯状シート材102に作用させる必要があるので、ダンサーローラ105aとウエイトまたはカウンターウエイト(図示せず)とによって帯状シート材102に対して帯状シート材102の搬送方向に沿ったテンションを与えるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2012−35988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、シート供給装置101では、間欠運転のサイクルが短くなると、ダンサーローラ105aの上下移動の加減速が急になるため、ダンサーローラ105aの慣性力によって垂下部102aに作用するテンションの変動が大きくなるのが避けられない。
【0011】
垂下部102aに作用するテンションの変動が大きくなると、切断位置C.Pにおける帯状シート材102に作用するテンションも変動するので、特に、帯状シート材102が伸縮性を有する材料から形成されている場合に、切断後のシートSが伸縮してシートSの長さや形状が不均一になるという問題があった。
【0012】
また、連続運転のシート供給装置においても、間欠運転のシート供給装置に比べてダンサーローラの移動量は小さいが、ダンサーローラの移動による慣性力がバッファ部の帯状シート材の垂下部に作用するので、垂下部に作用するテンションが変動する。
【0013】
また、原反ロールを作製する際には、帯状シート材の長さ方向にテンションを付与しながら帯状シート材をロール状に巻回するため、原反ロールを形成する帯状シート材にはテンションが残留している。この残留テンションは原反ロールを作製する際の条件に依存しており、ロールの直径により変動するだけでなくロール毎にも変動し、帯状シート材に作用するテンションを変動させる要因となる。
【0014】
したがって、連続運転のシート供給装置においても、切断後のシートの長さや形状が不均一になるという問題が生じる虞がある。
【0015】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、帯状シート材に作用するテンションの変動を抑制することができるシート供給装置及びシート供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明によるシート供給装置は、帯状シート材をロール状に巻回して形成された原反ロールから前記帯状シート材を巻き出す巻出手段と、前記帯状シート材の一部の自重によって前記帯状シート材の前記一部を垂下させることにより前記帯状シート材の垂下部を形成するバッファ手段と、前記帯状シート材の搬送方向先端部を幅方向に切断する切断手段とを備えるシート供給装置であって、前記バッファ手段と前記切断手段との間に、前記帯状シート材の前記搬送方向に沿って前記帯状シート材にテンションを付与するテンション付与手段を設けたことを特徴とする。
【0017】
本発明のシート供給装置によれば、バッファ手段よりも上流で帯状シート材に付与されたテンションがバッファ手段によってキャンセルされる。また、ダンサーローラの慣性力によるテンションが帯状シート材に作用しない。垂下部が上下したり、ふらついたり、あるいは波打ったりしても、その慣性力は小さいため、バッファ手段の下流での帯状シート材のテンション制御に殆ど影響しない。したがって、帯状シート材を切断する位置において、帯状シート材に作用するテンションを所望の大きさにすることができるとともに、帯状シート材に作用するテンションの変動を抑制できるので、切断後のシートの長さ及び形状が安定する。
【0018】
なお、前記テンション付与手段が、前記帯状シート材に付与するテンションの大きさを制御可能である場合には、帯状シート材に作用するテンションを容易に所望の大きさに調整できるので、好ましい。
【0019】
また、前記テンション付与手段を、前記バッファ手段の下流に設けられた第1駆動ローラと、前記第1駆動ローラの下流に設けられた第2駆動ローラとを含み、前記第1駆動ローラによる単位時間あたりの前記帯状シート材の搬送量と前記第2駆動ローラによる単位時間あたりの前記帯状シート材の搬送量との差、または前記第1駆動ローラの回転速度と前記第2駆動ローラの回転速度との差により前記帯状シート材にテンションを付与するように構成すると、帯状シート材に作用するテンションを無段階に調整できるとともに精度よく調整できるようになるので、好ましい。
【0020】
なお、本発明のシート供給装置は、発泡ポリエチレンやプラスチックフィルム等の伸縮性を有する材料から形成された帯状シート材を切断するシート供給装置に適用した場合に特に有効である。
【0021】
また、本発明のシート供給装置は、間欠運転を行うシート供給装置に適用した場合に特に有効である。
【0022】
また、前記テンション付与手段が前記帯状シート材にテンションを付与する前に、前記帯状シート材のうち搬送方向の長さが短い部分を搬送方向に伸ばす矯正手段をさらに備えるようにすると、帯状シート材に折れ曲がりやシワが生じるのを防止することができる。
【0023】
なお、前記矯正手段を、上下に移動自在に支持されるとともに、自重によって前記垂下部の底部を押圧する矯正ローラにより構成すると、簡素な構成で製造コストが安価である。
【0024】
また、本発明のシート供給方法は、帯状シート材をロール状に巻回して形成された原反ロールから前記帯状シート材を巻き出す巻出工程と、前記帯状シート材の一部の自重によって前記帯状シート材の前記一部を垂下させることにより前記帯状シート材の垂下部を形成するバッファ工程と、前記帯状シート材の搬送方向先端部を幅方向に切断する切断工程とを包含するシート供給方法であって、前記バッファ工程実行位置と前記切断工程実行位置との間で、前記帯状シート材の前記搬送方向に沿って前記帯状シート材にテンションを付与するテンション付与工程を実行することを特徴とするものである。
【0025】
本発明のシート供給方法によれば、バッファ工程よりも前の工程において帯状シート材に付与されたテンションがバッファ工程においてキャンセルされる。また、ダンサーローラの慣性力によるテンションが帯状シート材に作用しない。垂下部が上下したり、ふらついたり、あるいは波打ったりしても、その慣性力は小さいため、バッファ工程の後の工程での帯状シート材のテンション制御にほとんど影響しない。したがって、切断工程において、帯状シート材に作用するテンションを所望の大きさにすることができるとともに、帯状シート材に作用するテンションの変動を抑制できるので、切断後のシートの長さ及び形状が安定する。
【0026】
なお、前記テンション付与工程において、前記帯状シート材に与えるテンションの大きさを制御可能である場合には、帯状シート材に作用するテンションを容易に所望の大きさに調整できるので、好ましい。
【0027】
また、前記テンション付与工程において、前記バッファ工程実行位置の下流に設けられた第1駆動ローラによる単位時間あたりの前記帯状シート材の搬送量と前記第1駆動ローラの下流に設けられた第2駆動ローラによる単位時間あたりの前記帯状シート材の搬送量との差、または前記第1駆動ローラの回転速度と前記第2駆動ローラの回転速度との差により前記帯状シート材にテンションを付与する場合には、帯状シート材に付与するテンションを無段階に調整できるとともに精度よく調整できるようになるので、好ましい。
【0028】
なお、本発明のシート供給方法は、間欠運転する工程を含むシート供給方法に適用した場合に特に有効である。
【0029】
前記テンション付与工程において前記帯状シート材にテンションを付与する前に、前記帯状シート材のうち搬送方向の長さが短い部分を搬送方向に伸ばす矯正工程をさらに包含するようにすると、帯状シート材に折れ曲がりやシワが生じるのを防止することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、帯状シート材に作用するテンションの変動を抑制することができるので、切断後のシートの長さと形状が安定する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の第1の実施形態の構成を概略的に示す模式図である。
図2図1のシート供給装置で形成したシートとガラス板とをパレット上に積層した状態を示す斜視図である。
図3】本発明の第2の実施形態の構成を概略的に示す模式図である。
図4】本発明の第3の実施形態の構成を概略的に示す模式図である。
図5】本発明の第3の実施形態の作用効果の説明図である。
図6】従来のシート供給装置の構成を概略的に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明によるシート供給装置の実施形態を説明する。図1は本発明の第1の実施形態であるシート供給装置の構成を概略的に示す模式図、図2図1のシート供給装置で形成したシートとガラス板とをパレット上に積層した状態を示す斜視図である。
【0033】
図1に示すように、本実施形態のシート供給装置1は、長尺の帯状シート材2をロール状に巻回して形成された原反ロール3から帯状シート材2を巻き出して切断位置C.Pに向けて搬送し、切断位置C.Pにおいて帯状シート材2の搬送方向先端部を幅方向に切断して枚葉状のシートSを形成するものである。
【0034】
帯状シート材2の材質は特に限定されないが、本実施形態では、発泡ポリエチレンにより形成されたミラマット(登録商標)が使用される。帯状シート材2の大きさも特に限定されないが、一例として、シートSが緩衝するガラス板の大きさが、縦1950mm、横3200mm、厚さ0.3mm〜0.7mmである場合には、帯状シート材2は、幅3300mm程度、厚さ0.3mm〜0.5mm程度のものが使用され、長さ2000mm程度に切断される。
【0035】
原反ロール3の下流には、巻出手段としての巻出ローラ4が設けられている。巻出ローラ4は、駆動ローラ4aと、駆動ローラ4aの下流に配置された案内ローラ4bと、案内ローラ4bの下流に配置された案内ローラ4cと、駆動ローラ4aの外周面に対向するディスクローラ4dとを備えている。駆動ローラ4a、案内ローラ4b及び案内ローラ4cはモータ(図示せず)により回転駆動される。駆動ローラ4aはディスクローラ4dとの間に帯状シート材2を挟み込んで帯状シート材2を原反ロール3から巻き出す。案内ローラ4b及び案内ローラ4cは駆動ローラ4a及びディスクローラ4dが巻き出した帯状シート材2を下流に搬送する。
【0036】
巻出ローラ4の下流にはバッファ手段としてのバッファ部5が設けられている。バッファ部5は、帯状シート材2の一部を帯状シート材2の一部の自重によって略U字状に垂下させて垂下部2aを形成する。垂下部2aは、巻出ローラ4による帯状シート材2の単位時間あたりの巻き出し量と、第1テンションローラ6による帯状シート材2の単位時間あたりの搬送量との差が生じた場合に上下方向の長さが変化する。
【0037】
なお、バッファ部5における帯状シート材2の貯留量(垂下部2aの上下方向の長さ)は光電センサ等のセンサで検知されており、貯留量が所定値を超えると、シート供給装置1の制御装置(図示せず)が巻出ローラ4による帯状シート材2の巻き出しを停止させる。また、貯留量が所定値以下になると、制御装置が巻出ローラ4による帯状シート材2の巻き出しを再開させる。帯状シート材2の巻き出しを制御することにより、バッファ部5に常にシートSの1枚分程度の帯状シート材2が貯留されるようにしている。
【0038】
バッファ部5の下流には第1テンションローラ6及び第2テンションローラ7が設けられている。第1テンションローラ6は、第1駆動ローラとしての駆動ローラ6aと、駆動ローラ6aの外周面に対向するディスクローラ6bとを備えている。駆動ローラ6aはモータ(図示せず)により回転駆動され、ディスクローラ6bとの間に帯状シート材2を挟み込んで帯状シート材2を第2テンションローラ7に向けて搬送する。
【0039】
第2テンションローラ7は、案内ローラ7aと、案内ローラ7aの下流に配置された第2駆動ローラとしての駆動ローラ7bと、駆動ローラ7bの外周面に対向するディスクローラ7cとを備えている。案内ローラ7a及び駆動ローラ7bはモータ(図示せず)により回転駆動される。案内ローラ7aは第1テンションローラ6から搬送されてきた帯状シート材2を駆動ローラ7bに向けて搬送する。駆動ローラ7bはディスクローラ7cとの間に帯状シート材2を挟み込んで帯状シート材2を切断位置C.Pに向けて搬送する。
【0040】
帯状シート材2は、駆動ローラ4aと案内ローラ4bと案内ローラ4cとの間、及び案内ローラ7aと駆動ローラ7bとの間にS字状に巻き付けられている。帯状シート材2をローラにS字状に巻き付けて搬送する所謂摩擦搬送において、帯状シート材2を巻き付けるローラの本数を多くするか、帯状シート材2のローラへの巻き付け角度を大きくするか、あるいはローラの直径を大きくすることで、帯状シート材2の搬送に必要な摩擦力を得ることができる。
【0041】
帯状シート材2がローラに対して滑るとシートSの切断長さに影響するので、帯状シート材2の滑りが許されない第2テンションローラ7は2本のローラで構成されてもよいし、3本のローラで構成されてもよい。本実施形態では、第2テンションローラ7は2本のローラで構成されている。
【0042】
各ローラの外周面は、帯状シート材2の搬送に必要な摩擦力を生じせしめるように形成される。具体的には、各ローラの外周面は鏡面状で滑らかであることが望ましい。各ローラの外周面が凹凸面やゴム面であると、帯状シート材2に破損やしわが生じる虞がある。
【0043】
ディスクローラ4d、ディスクローラ6b及びディスクローラ7cは、帯状シート材2の慣性、帯状シート材2が引き起こす風、各ディスクローラの設置箇所の風等により、帯状シート材2が駆動ローラ4a、駆動ローラ6a及び駆動ローラ7bから浮き上がらないように、対向する駆動ローラに帯状シート材2を軽く圧接する。
【0044】
ディスクローラ4d、ディスクローラ6b及びディスクローラ7cが、帯状シート材2を対向する駆動ローラに圧接する力は数100gf程度であり、この圧接力は、各ディスクローラの自重やバネ等によって達成される。図示しないが、各ディスクローラは、軸方向に数百mmの間隔をおいて、複数個設けてある。
【0045】
第2テンションローラ7の下流に位置する切断位置C.Pには、切断手段としての切断刃8が設けられている。切断刃8は、帯状シート材2の搬送方向先端部を幅方向に切断して、帯状シート材2から所定長さの矩形枚葉状のシートSを形成する。
【0046】
図2は、シート供給装置1で形成したシートSとガラス板Gとをパレット20上に積層した状態を示す。図2に示すように、シートSの両側縁部の上端が把持機構9の把持部9aによって把持され、シートSの両側縁部の下端が把持機構10の把持部10aによって把持されて、切断位置C.Pの下流に設置されたパレット20上に搬送され、パレット20上に支持されたガラス板Gの主面上に積層される。
【0047】
パレット20は、基台21と、基台21の上面に複数個のブロック22を介して傾斜状態で設置されたL字形の載置部23と、載置部23の底壁23aの上面と背壁23bの上端部とにより傾斜状態で支持された支持板24とを備えている。
【0048】
ガラス板GとシートSは、載置部23上の底壁23a上に略垂直に載置され、支持板24の一方の面に交互に積層されて積層体GSを形成する。この積層体GSは、梱包された後、保管位置へ搬送される。
【0049】
次に、本実施例のシート供給装置1の作用及び効果を説明する。
【0050】
(巻出工程)
図1において、シート供給装置1が起動されると、巻出ローラ4の駆動ローラ4aが回転して、ディスクローラ4dとの間に挟み込んだ帯状シート材2を矢印方向に引っ張って帯状シート材2を原反ロール3から巻き出す。巻き出された帯状シート材2は、案内ローラ4b及び案内ローラ4cに案内されてバッファ部5に送り込まれる。
【0051】
(バッファ工程)
バッファ部5において、帯状シート材2の一部が帯状シート材2の一部の自重によって略U字状に垂下して垂下部2aを形成する。その際、バッファ部5よりも上流で帯状シート材2に付与されたテンションがキャンセルされる。
【0052】
すなわち、バッファ部5よりも上流側では、巻出ローラ4が帯状シート材2を原反ロール3から巻き出す際のテンションが帯状シート材2に作用する。また、原反ロール3内の帯状シート材2には、帯状シート材2をロール状に巻回する際のテンションが残留している。この残留テンションは原反ロールを作製する際の条件に依存しており、ロールの直径により変動するだけでなくロール毎にも変動し、原反ロール3の径が小さくなるほど大きくなる。
【0053】
帯状シート材2がバッファ部5に送り込まれると、帯状シート材2の一部が帯状シート材2の一部の自重によって垂下する際に、帯状シート材2を巻き出す際のテンションや残留テンションがキャンセルされる。
【0054】
また、バッファ部5はダンサーローラを有していないため、垂下部2aにダンサーローラの上下移動の加減速による慣性力が作用することがない。垂下部2aは軽量であるため、上下したり、ふらついたり、あるいは波打ったりしても、その慣性力が小さいので、垂下部2aに作用するテンションは殆ど変動しない。
【0055】
(テンション付与工程)
帯状シート材2のバッファ部5よりも下流側の部分は、第1テンションローラ6及び第2テンションローラ7によってテンションを与えられながら切断位置C.Pに向けて搬送される。第1テンションローラ6による単位時間あたりの帯状シート材2の搬送量Xと、第2テンションローラ7による単位時間あたりの帯状シート材2の搬送量Yは、Y>Xとなるように設定されている。本実施形態では、X=0.995Yに設定されているが、YとXとの関係は、それに限定されるものではない。なお、X=0.990Y〜0.995Yであることが好ましい。
【0056】
シート供給装置1では、バッファ部5よりも上流で帯状シート材2に付与されたテンションがキャンセルされるとともに、ダンサーローラの慣性力によるテンションが帯状シート材2に作用しない。また、シート供給装置1では、搬送量Xと搬送量Yとの差によってバッファ部5の下流側の帯状シート材2にテンションを与えるようにしているので、従来のように、バッファ部5の下流側の帯状シート材2がダンサーローラや原反ロール3の慣性力の影響を受けることがなく、切断位置C.Pでの帯状シート材2に作用するテンションの変動が殆ど無い。したがって、シート供給装置1の間欠運転のサイクルを短くしても、シートSの長さやシートSの切断形状を安定させることができる。
【0057】
また、帯状シート材2に作用するテンションを、駆動ローラ6a及び駆動ローラ7bを回転駆動するモータの制御の分解能の精度で調整できるため、帯状シート材2に作用するテンションをほぼ無段階に精度良く調整できる。
【0058】
(切断工程)
切断位置C.Pにおいて、帯状シート材2の幅方向先端部が切断刃8によって幅方向に切断されて枚葉状のシートSが形成される。シートSは、把持機構9及び把持機構10によって把持されてパレット20(図2参照)上に搬送され、ガラス板G上に積層される。
【0059】
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。図3は、本発明の第2の実施形態であるシート供給装置11の構成を概略的に示す模式図である。なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と対応する部分には同一の符号を使用し、重複する説明は省略するものとする。
【0060】
本実施形態では、第1テンションローラ6と第2テンションローラ7との間の距離が、第1の実施形態の第1テンションローラ6と第2テンションローラ7との間の距離よりも長くなっており、第2テンションローラ7の位置が第1の実施形態の第2テンションローラ7の位置と異なるため、第1テンションローラ6と第2のテンションローラ7との間にパスラインローラ12を設けている。帯状シート材2は、パスラインローラ12に鋭角状に巻き付けられている。
【0061】
また、本実施形態では、第2テンションローラ7が、駆動ローラ7bの上流側に案内ローラ7a及び案内ローラ7dを備えており、帯状シート材2が駆動ローラ7bに巻き付く手前で帯状シート材2が案内ローラ7aと案内ローラ7dとの間にS字状に巻き付けられている。
【0062】
なお、パスラインローラ12を駆動ローラとする場合は、パスラインローラ12が、パスラインローラ12の位置に応じた帯状シート材2の搬送量となるようにパスラインローラ12を駆動する。
【0063】
例えば、駆動ローラ6aからパスラインローラ12までの距離をL1、パスラインローラ12から駆動ローラ7bまでの距離をL2、駆動ローラ6aによる帯状シート材2の搬送量をT1、駆動ローラ7bによる帯状シート材2の搬送量をT2とし、L1:L2=1:2、T2>T1の場合には、パスラインローラ12を(T2−T1)×1/3+T1の帯状シート材2の搬送量となるように駆動する。
【0064】
パスラインローラ12を従動ローラとする場合には、慣性力の影響を小さくするために、パスラインローラ12の外径と肉厚を必要最小限にして慣性力を極力小さくすることが望ましい。例えば、帯状シート材2が、ディスプレイ用のガラス基板を緩衝するような幅3300mm程度の発泡ポリエチレンシートであれば、帯状シート材2に3kgf程度のテンションを作用させる必要があるので、パスラインローラ12を外径60mm〜102mm、肉厚1mm〜2mm程度のパイプで形成することが好ましい。パイプのサイズは「たわみ」と「回転・静止させるのに必要な力=慣性力=テンション変動」とのバランスで決まり、両者は相反する関係(たわみが大きくなると慣性力が小さくなり、たわみが小さくなると慣性力が大きくなる)にある。パイプの外径が60mmより小さくなると、たわみが大きくなったり、外部からの衝撃に弱くなる等の支障が生じる虞があるので、そのような支障のない範囲で最も外径・肉厚の小さいパイプを選び、慣性力の影響を小さくする。外径60mm、肉厚2mmのアルミニウム製パイプでは、速度1200mm/s、加速度1m/s2の条件において、その慣性力により帯状シート材2に0.6kgfのテンション変動をもたらす。このテンション変動は帯状シート材2に作用させる3kgf程度のテンションに対して十分に小さいので無視できる。同じ条件で使用する従来のシート供給装置では8kgf程度のテンション変動があったので、テンション変動が劇的に減少している。
【0065】
本実施形態のその他の構成及び作用効果については第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0066】
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。図4は本発明の第3の実施形態であるシート供給装置13の構成を概略的に示す模式図である。なお、第3の実施形態において、第1の実施形態と対応する部分には同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。
【0067】
本実施形態のシート供給装置13は矯正ローラ14を備える。矯正ローラ14の役割は、搬送方向の長さが不均一な帯状シート材2の搬送方向の長さのムラを抑制することにある。搬送方向の長さが不均一な帯状シート材2とは、例えば、両側縁部に近い部分ほど搬送方向の長さが長い帯状シート材2や、搬送方向の長さが幅方向の位置によってランダムに異なる帯状シート材2である。帯状シート材2の搬送方向の長さが不均一な場合には、帯状シート材2を自重のみによってバッファすると、帯状シート材2のうち搬送方向の長さが短い部分は駆動ローラ6aに密着するが、搬送方向の長さが長い部分は駆動ローラ6aに十分に密着せず、折れ曲がりやシワが生じることがある。
【0068】
そこで、本実施形態では、以下に述べる矯正工程を実行する。矯正工程では、テンション付与工程において帯状シート材2にテンションを付与する前に、帯状シート材2のうち搬送方向の長さが短い部分を搬送方向に伸ばす。すなわち、矯正ローラ14は、駆動ローラ6a及び駆動ローラ7bが帯状シート材2にテンションを付与する前に、帯状シート材2のうち搬送方向の長さが短い部分を押圧して搬送方向に伸ばす。矯正ローラ14は上下に移動自在に支持され、矯正ローラ14の自重によって垂下部2aの底部2aaを押圧する。すなわち、矯正ローラ14は、支持部材(図示せず)によって鉛直方向に移動自在に支持されており、矯正ローラ14に作用する重力によって底部2aaを幅方向全長に亘って押圧する。矯正ローラ14の重量は、矯正ローラ14と駆動ローラ6aとの間で帯状シート材2にテンションを殆んど付与しない大きさに設定されている。矯正ローラ14は本発明の矯正手段として機能する。
【0069】
次に、図5を参照して、第3の実施形態の作用効果を説明する。図5(a)は矯正前のバッファ部の第1例を示す斜視図であり、図5(b)は図5(a)のA−A線断面図である。図5(c)は矯正前のバッファ部の第2例を示す斜視図であり、図5(d)は図5(c)のB−B線断面図である。図5(e)は第3の実施形態のバッファ部を示す斜視図であり、図5(f)は図5(e)のC−C線断面図である。なお、上述の第1例と第2例とにおいて、第3の実施形態と対応する部分には、第3の実施形態と同じ符号を付してある。
【0070】
図5(a)に示すように、第1例は、第3の実施形態の矯正ローラ14を備えていない。また、帯状シート材2のうち、両側縁部に近い部分ほど搬送方向の長さが長くなっており、帯状シート材2の底部2aaが円弧状になる。この場合、図5(b)に示すように、帯状シート材2のうち搬送方向の長さが長い部分に折れ曲がりやシワが生じるため、当該部分が駆動ローラ6aに密着しない。
【0071】
図5(c)に示すように、第2例は、第3の実施形態の矯正ローラ14を備えていない。また、帯状シート材2の搬送方向の長さが帯状シート材2の幅方向位置によってランダムに異なっており、帯状シート材2の底部2aaが波状になる。この場合、図5(d)に示すように、帯状シート材2のうち搬送向の長さが長い部分に折れ曲がりやシワが生じるため、当該部分が駆動ローラ6aに密着しない。
【0072】
図5(e)に示すように、第3の実施形態は、矯正ローラ14を備えている。帯状シート材2の搬送方向の長さが不均一であっても、帯状シート材2のうち幅方向の長さの短い部分が矯正ローラ14によって押圧されて搬送方向に伸ばされる。したがって、帯状シート材2に折れ曲がりやシワが生じるのを防止し、切断後の把持機構9及び把持機構10による把持ミス(折れ曲がりやシワにより帯状シート材2の幅が狭くなることによって生じる把持ミス)を防止することができる。なお、矯正ローラ14は軽量であるため低慣性を有し、帯状シート材2のテンションへの影響は殆ど無い。また、矯正ローラ14は、自重によって帯状シート材2を押圧するように構成されており、駆動源を必要としない簡素な構成であるため、製造コストが安価である。なお、矯正ローラ14は、アルミ等の軽量金属や樹脂、カーボンファイバー等で構成される。また、矯正ローラ14は、軽量な棒状部材でも良い。矯正ローラ14は、帯状シート材2のテンションへの影響を少なくするため、1kg/m以下とすることが好ましい。
【0073】
本実施形態のその他の構成及び作用効果については第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0074】
なお、本発明は第1〜第3の実施形態に限定されるものではなく、これらの実施形態に対して種々の改変を施すことができる。
【0075】
例えば、上記実施形態では、駆動ローラ6aの単位時間あたりの帯状シート材2の搬送量と、駆動ローラ7bの単位時間あたりの帯状シート材2の搬送量との差によって帯状シート材2にテンションを付与しているが、これに代えて、駆動ローラ6aの回転速度と駆動ローラ7bの回転速度との差によって帯状シート材2にテンションを付与するようにしてもよい。
【0076】
また、上記実施形態では、パレット20上にガラス板GとシートSとを略垂直にして積層するようにしているが、これに代えて、パレット20上にガラス板GとシートSとを略水平にして積層するようにしてもよい。
【0077】
また、本発明は、帯状シート材が、上記実施形態で示した発泡ポリエチレンやプラスチックフィルムのような、伸縮性を有する材料から形成されている場合に特に有効であるが、伸びにくい材料(例えば、紙)から形成された帯状シート材を切断するシート供給装置にも本発明を適用することができる。
【0078】
また、上記実施形態では、巻出ローラ4及び第2テンションローラ7は、帯状シート材2をローラにS字状に巻き付けて帯状シート材2とローラとの間に生じる摩擦力により帯状シート材2を搬送する方式(摩擦搬送)を採用しているが、これに代えて、帯状シート材2を2本のローラで挟み込んで搬送する方式(ピンチ搬送)を採用することもできる。なお、ピンチ搬送の場合、帯状シート材2が滑る虞は少ないが、帯状シート材2のつぶれによりシワが発生する虞があるので、ローラの表面に螺旋溝を設ける等のシワ取り対策を行うことが好ましい。
【0079】
また、本発明は連続運転のシート供給装置にも適用することができる。
【0080】
また、上記実施形態では、シート供給装置13が矯正手段を備え、この矯正手段が、上下に移動自在に支持されるとともに、自重によって垂下部2aの底部2aaを押圧する矯正ローラ14によって構成されたが、矯正手段が、当該矯正ローラ14以外の機構(例えば、帯状シート材2を押圧する部材をアクチュエータによって駆動する機構)によって構成されることもある。
【0081】
その他にも、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に種々の改変を施すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明によるシート供給装置及びシート供給方法は、フラットパネルディスプレイ等の映像表示装置や太陽電池のガラス基板の主面を緩衝するシートの切断後の長さや形状を安定させることができるので、ガラス基板の製造工程に好適に用いることができる。
【符号の説明】
【0083】
1 シート供給装置
2 帯状シート材
2a 垂下部
2aa 底部
3 原反ロール
4 巻出ローラ(巻出手段)
5 バッファ部
6 第1テンションローラ
7 第2テンションローラ
6a 駆動ローラ(第1駆動ローラ)
7b 駆動ローラ(第2駆動ローラ)
8 切断刃(切断手段)
9 把持機構
10 把持機構
11 シート供給装置
12 パスラインローラ
13 シート供給装置
14 矯正ローラ(矯正手段)
S シート
20 パレット
図1
図2
図3
図4
図5
図6