特許第6269265号(P6269265)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ JFEエンジニアリング株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6269265-炉内層高測定装置及び方法 図000002
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6269265
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】炉内層高測定装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   F23G 5/50 20060101AFI20180122BHJP
   G01F 23/00 20060101ALI20180122BHJP
   F27D 21/00 20060101ALI20180122BHJP
   F27B 1/28 20060101ALI20180122BHJP
【FI】
   F23G5/50 Q
   G01F23/00 EZAB
   F27D21/00 A
   F27B1/28
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-74869(P2014-74869)
(22)【出願日】2014年3月31日
(65)【公開番号】特開2015-197239(P2015-197239A)
(43)【公開日】2015年11月9日
【審査請求日】2016年9月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004123
【氏名又は名称】JFEエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084180
【弁理士】
【氏名又は名称】藤岡 徹
(72)【発明者】
【氏名】多々見 俊宏
(72)【発明者】
【氏名】久松 善智
【審査官】 渡邉 聡
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭52−087268(JP,U)
【文献】 特開平11−132844(JP,A)
【文献】 特開平02−306130(JP,A)
【文献】 特開2003−172509(JP,A)
【文献】 特開2005−233809(JP,A)
【文献】 実開昭55−073220(JP,U)
【文献】 特開平08−189628(JP,A)
【文献】 特開2005−226877(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23G 5/50
F27B 1/28
F27D 21/00
G01F 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃棄物ガス化溶融炉の炉体上壁を貫通して形成された測定孔へガイド管が進入配置されており、該ガイド管で上下移動可能に案内される測定用の重錘が吊体で吊下されていて該重錘がガイド管の下端開口を通過して炉内の堆積層に到達するまでの吊体の移動距離にもとづいて堆積層高を測定する炉内堆積層高を測定する装置において、
ガイド管は、不活性ガスをパージガスとしてガイド管内に受けて下端開口から吐出するようになっており、
ガイド管の外周面の周囲に環状隙間を下方に開放して形成するノズル管が測定孔の内面に取り付けられ、
ノズル管は、該ノズル管の炉外への突出部分に、外部から不活性ガスが補助パージガスとして上記環状隙間へ導入される補助パージガス注入口が設けられているとともに、該ノズル管を冷却する冷却ジャケットが設けられており、
ガイド管は、該ガイド管の上端で該ガイド管に連通する導管が接続されていて、該導管には吊体へ冷却水を散水する散水ノズルが取り付けられているとともに、散水ノズルの位置の下方に、導管の内周面から半径内方に延び、中央位置に吊体の通過を許容する通孔が形成された水切り環板が設けられている、
ことを特徴とする炉内層高測定装置。
【請求項2】
水切り環板は、連通の内径縁から垂下する短筒状の水切り部材を有していることとする請求項に記載の炉内層高測定装置。
【請求項3】
廃棄物ガス化溶融炉の炉体上壁を貫通して形成された測定孔へガイド管が進入配置されており、該ガイド管で上下移動可能に案内される測定用の重錘が吊体で吊下されていて該重錘がガイド管の下端開口を通過して炉内の堆積層に到達するまでの吊体の移動距離にもとづいて堆積層高を測定する方法であって、
不活性ガスをパージガスとしてガイド管内に注入して下端開口から吐出し、
ガイド管の外周面の周囲に環状隙間を下方に開放して形成し、外部から不活性ガスを補助パージガスとして上記環状隙間へ導入し該環状隙間の下端から吐出することとする炉内層高測定方法において、
ガイド管の上端で該ガイド管に連通接続された導管内で吊体へ冷却水を散水ノズルから散水し、散水ノズルの位置の下方に、導管の内周面から半径内方に延び、中央位置に吊体の通過を許容する通孔が形成された水切り環板を設けることで、散水された水の降水を上記通孔のみで許容することを特徴とする炉内層高測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炉内層高さ測定装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
廃棄物ガス化溶融炉は、炉本体内にコークス等の副材料と廃棄物の堆積層を形成するとともに、その堆積層内に主羽口及び副羽口を経て酸素富化空気または空気を供給して、廃棄物をガス化および燃焼させ、残渣を溶融する。
【0003】
上記炉本体での堆積層の高さ(「層高」という)が高すぎると、炉内の圧損が増加して送風が困難になり、また、炉内で廃棄物が棚吊り等を起こして炉の操業が不安定になる。層高が低すぎると廃棄物が炉内に投入されてから熱交換され乾留、ガス化、溶融するのに十分な滞留時間が取れずに、適正に処理が行われない。
【0004】
そこで、廃棄物ガス化溶融炉の操業の際、上記堆積層の層高が所定の高さ範囲となるように、廃棄物の投入量等の操業条件を調整している。
【0005】
したがって、廃棄物ガス化溶融炉の操業中、適宜時期に、層高を測定する必要がある。例えば、特許文献1では、層高は、チェーン等の吊体で吊下した重錘を炉内へ降下させ、重錘が堆積層の上面に到達するまでの吊体の移動量にもとづき測定されている。
【0006】
上記重錘は、通常、炉本体の上壁を貫通して炉本体に設けられたガイド管内で吊下されて、炉内の堆積層の上面まで降下する。炉内には廃棄物の熱分解により生じた腐食性を有する高温のガスが充満しており、このガスが上昇して上記ガイド管へ進入して、ガイド管は高温になるとともに腐食性ガスと接触して、いわゆる高温腐食が生ずる。そこで、従来、上記ガイド管内に外部から不活性ガスである窒素を注入することで、ガイド管を冷却するとともに上記腐食性ガスとの接触を防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−172509
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したガイド管は、管内へ注入される窒素ガスにより内面から冷却されるとともに該内面での腐食性のガスとの接触は回避されるものの、ガイド管が炉本体の上壁に形成された貫通孔に装着されていて、ガイド管の外周面が貫通孔の内径面と直接に接触しているために、問題が残っている。
【0009】
すなわち、ガイド管の外周面が上記炉本体の上壁に形成された貫通孔の内径面と接触しているので、外周面で炉本体の上壁からの伝熱により加熱されて、ガイド管が高温になり、また、ガイド管の外周面が上記貫通孔の内径面と接触しているとはいえ、炉本体の上壁はレンガ等の耐火物であり、ガイド管の外周面と貫通孔の内径面との間には、若干なりとの隙間が、少なくとも部分的に生ずる。したがって、炉内からのガスが上記隙間へ侵入し、ガイド管は外周面から高温になるとともに腐食性ガスと接触して、高温腐食が生じ損傷し交換が必要となる。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑み、炉内層高測定用の重錘をガイドするガイド管の外周面をも炉本体からの伝熱に対して保護する炉内層高測定装置及び方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明にかかる炉内層高測定装置及び方法では、廃棄物ガス化溶融炉の炉体上壁を貫通して形成された測定孔へガイド管が進入配置されており、該ガイド管で上下移動可能に案内される測定用の重錘が吊体で吊下されていて該重錘がガイド管の下端開口を通過して炉内の堆積層に到達するまでの吊体の移動距離にもとづいて堆積層高を測定する炉内堆積層高を測定する。
【0012】
このような装置及び方法において、本発明は、次のような構成を有することを特徴とする。
【0013】
<炉内層高測定装置>
本発明では、装置発明において、ガイド管は、不活性ガスをパージガスとしてガイド管内に受けて下端開口から吐出するようになっており、ガイド管の外周面の周囲に環状隙間を下方に開放して形成するノズル管が測定孔の内面に取り付けられ、ノズル管は、該ノズル管の炉外への突出部分に、外部から不活性ガスが補助パージガスとして上記環状隙間へ導入される補助パージガス注入口が設けられているとともに、該ノズル管を冷却する冷却ジャケットが設けられており、ガイド管は、該ガイド管の上端で該ガイド管に連通する導管が接続されていて、該導管には吊体へ冷却水を散水する散水ノズルが取り付けられているとともに、散水ノズルの位置の下方に、導管の内周面から半径内方に延び、中央位置に吊体の通過を許容する通孔が形成された水切り環板が設けられていることを特徴としている。
【0014】
<炉内層高測定方法>
本発明では、方法発明において、不活性ガスをパージガスとしてガイド管内に注入して下端開口から吐出し、ガイド管の外周面の周囲に環状隙間を下方に開放して形成し、外部から不活性ガスを補助パージガスとして上記環状隙間へ導入し該環状隙間の下端から吐出する、こととする炉内層高測定方法において、ガイド管の上端で該ガイド管に連通接続された導管内で吊体へ冷却水を散水ノズルから散水し、散水ノズルの位置の下方に、導管の内周面から半径内方に延び、中央位置に吊体の通過を許容する通孔が形成された水切り環板を設けることで、散水された水の降水を上記通孔のみで許容することを特徴としている。
【0015】
このように構成される装置そして方法についての本発明によると、ガイド管は、従来通りその内径内にパージガスとしての不活性ガスにより内径面から冷却され、そして内径面で腐食性のガスとの接触が防止されると共に、外径面では環状隙間に注入される補助パージガスとしての不活性ガスによって冷却そして腐食性ガスとの接触が防止される。このように、ガイド管は、内外面で保護されるので、腐食の進行が遅くなり、腐食損傷による新たたなガイド管との交換までの延命化が図れる。
【0016】
かかる本発明において、ノズル管は、該ノズル管を冷却する冷却ジャケットが設けられているので、ノズル管が冷却ジャケットにより冷却されることで、ノズル管が炉本体上壁の貫通孔との間の隙間に侵入するガスと接触しても、ノズル管は高温とならないので高温腐食は生じない。
【0017】
次に、本発明において、ガイド管は、該ガイド管の上端で該ガイド管に連通する導管が接続されていて、該導管には吊体へ冷却水を散水する散水ノズルが取り付けられているとともに、散水ノズルの位置の下方に、導管の内周面から半径内方に延び、中央位置に吊体の通過を許容する通孔が形成された水切り環板が設けられているので、吊体を冷却するように該吊体に散水された水は、上記導管内で落下しても、水切り環板で一旦受け止められ、その中央位置に形成された通孔からガイド管の中心を通って炉内へ落下するので、ガイド管の内周面に接触することはなく、ガイド管を腐食することはない。このように水切り環板の設置によっても、ガイド管は腐食から保護される。
【0019】
本発明において、水切り環板は、連通の内径縁から垂下する短筒状の水切り部材を有していることが好ましい。こうすることにより、水が通孔の内径縁から水切り環板の下面をつたわって半径外方に移動することが阻止され、上記通孔の内径縁位置で短筒状の水切り部材により下方に誘導されてその上記内径縁位置から滴下する。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、以上のように、炉内の堆積層高を測定するための重錘が昇降する際に、該重錘をガイドするガイド管の内側へパージガスを注入すると共に、ガイド管の外周に環状隙間を形成するようにノズル管を配し、この環状隙間へ補助パージガスを注入するようにしたので、ガイド管は内周面のみならず外周面でも、冷却そして炉内からの腐食性ガスとの接触防止がなされ、効果的に保護されることとなり、その延命化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態装置の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面にもとづき、本発明の一実施形態について説明する。
【0023】
図1は、廃棄物ガス化溶融炉の炉内に形成された廃棄物等の堆積層の層高を測定するための本実施形態の縦断面である。
【0024】
図1において、本実施形態としての炉内層高測定装置10はガス化溶融炉の炉体の上壁20に取り付けられている。上記炉体の上壁20は、炉内に面する耐火物壁21と該耐火物壁21に対して炉外側となる上面に取り付けられた金属性の炉体ケーシング22とを有している。
【0025】
上記上壁20には、上下に貫通し炉内外を連通する測定孔23が形成されている。
【0026】
炉内層高測定装置10は、ガイド管11とノズル管12とで二重管構造をなすガイド管部Iと、該ガイド管部Iから上方に延びる導管16を備えた導入部IIとを有している。ガイド管部Iと導入部IIとは、ガイド管11の上端フランジ11A、ノズル管12の上端フランジ12Aそして導管16の下端フランジ16Aの三つのフランジをボルト等で連結することで、内部が上下に連通して延び直状内部空間を形成している。
【0027】
ガイド管部Iでは、上記ガイド管11は、炉外に位置する上端フランジ11Aから下方に直管状部11Bが延びており、ノズル管12は上端フランジ12Aから直管状部12Bが延びている。ノズル管12の直管状部12Bはガイド管11の直管状部11Bに対して環状隙間13を形成するように同心をなしてガイド管11の直管状部11Bの外側に位置している。ガイド管11の直管状部11Bは炉体の上壁20の下面近くまで延びており、ノズル管12の直管状部12Bはガイド管11の直管状部11Bよりも若干短い。しかし、両直管状部11B,12Bの長さ関係は、特に限定されなく、どちらが長くとも、同じでも良い。上記ノズル管12の直管状部12Bには、周方向の複数位置に管壁を貫通する補助パージガス注入孔14が穿設されている。
【0028】
上記ノズル管12は、炉外で炉体の上壁20の上面より突出する部分に、二段のリング管15が一体に取り付けられている。リング管15は、上段が補助パージガス用リング管15Aそして下段がリング状の冷却ジャケット15Bを形成していて、いずれも、ノズル管12の直管状部12Bに接面もしくは管壁を共有して一体化されている。上記補助パージガス用リング管15Aは外部から補助パージガスとしての不活性ガス、例えば窒素ガスを受けて上記補助パージガス注入孔14から該補助パージガスを上記環状隙間13へ注入するようになっている。また、冷却ジャケット15Bは外部から冷却用水が供給されノズル管12の直管状部12Bの周囲を周回して冷却した後に外部へ排出されるようになっている。
【0029】
導入部IIの導管16は、既述したように、その下端フランジ16Aが、上記ガイド管11の上端フランジ11Aそしてノズル管12の上端フランジ12Aと一緒にボルト等で連結されることで、ガイド管部Iから上方に連続する直状内部空間を形成するように延びている。
【0030】
導管16は、その下端近傍位置に、パージガス注入管17が接続されている。
【0031】
導管16内には、重錘34が上下動するチェーン等の吊体31により吊下支持されており、導管16の内径面に、水切り環板33が設けられている。
【0032】
チェーン等の牽体は、駆動手段(図示せず)によりスプロケット等の巻回体(図示せず)へ巻回あるいは該巻回体から送り出されることにより、吊下長さが増減され、その結果、重錘が堆積層の上面位置までの間を上下移動する。
【0033】
水切り環板33は、中央に通孔33Aが形成されており、その内周縁には短筒状の水切り部材33Bが垂下している。
【0034】
上記水切り環板33の上方には、周方向の複数位置で、水を半径内方に散水する散水ノズル36が上記導管16に取り付けられていて、所定時に散水するようになっている。
【0035】
次に、このように構成される実施形態装置についてその作動を説明する。
【0036】
廃棄物のガス化は、炉内での堆積層高を測定して所定範囲内に収めることで良好に保たれる。堆積層高は、炉内層高測定装置10の重錘34を吊下する吊体31のチェーン等を繰り出すことで該重錘34を降下させ、重錘34が堆積層上面に到達するまでのチェーンの繰り出し移動量にもとづき測定される。この炉内層高測定装置10の作動については、後に詳述する。
【0037】
重錘34により炉内層高が測定されると、重錘34は引き上げられてガイド管11そして導管16内を上昇し、停止する。
【0038】
一方、導管16にはパージガス注入管17からパージガスとしての不活性ガス、例えば窒素が注入され、パージガスはガイド管11内から炉内へ流入する。さらに、ガイド管11の外周面との間に環状隙間13を形成するノズル管12の外周面に設けられたリング管15の上段における補助パージガス用リング管15Aから補助パージガス注入孔14を経て補助パージガスとしての不活性ガス、例えば、窒素が注入され、この補助パージガスは上記環状隙間13を降下し、炉体の上壁20に形成された測定孔23の下部開口側で上記ガイド管11内を降下するパージガスと合流して炉内へ流入する。補助パージガスはガイド管11内に注入されるパージガスとは、同一のガスであることが好ましく、窒素とすることが経済的にも実用的である。
【0039】
リング管15の下段をなす冷却ジャケット15B内に冷却用の水が流れており、この冷却用の水でノズル管12は冷却されている。したがって、該ノズル管12が炉体の上壁20の耐火物壁21から熱を受けても高温とならず、ノズル管12の外周面と耐火物壁21に形成された測定孔23の内周面との間に隙間があってここに腐食性の炉内からのガスが侵入しても、ノズル管12は冷却されていて高温となっていないので高温腐食が生じない。
【0040】
一方、ガイド管11は、周囲に、環状隙間13が形成されているので上記炉体の耐火物壁21から熱を受けることがなく高温となることがなく、また、上述のように該ガイド管11の内周面がパージガス注入管17からのパージガスと、外周面が補助パージガス注入口14からの補助パージガスと接触しているので、炉内からの腐食性ガスとの接触もなく、かくして、熱そして腐食性ガスの両者に対して保護され、長期使用にあっても劣化せず延命化が図られる。また、従来はガイド管を交換するときには周囲の耐火物から取り外す作業を要していたが、本実施形態では、ガイド管11は、ノズル管12の内側に位置しているので、交換する際には炉外から容易に取り外すことができる。
【0041】
次に、適宜時期に、炉内の堆積層高さの測定のために炉内層高測定装置10の重錘34は、チェーンの繰り出しによって、導管16内を下方へ移動し、ガイド管11内へ移行して降下して炉内へ進入し、堆積層の上面に到達した時点でチェーンの移動量にもとづき炉内層高が測定される。堆積層上面への到達は、チェーンの張力が急に減少することで知ることができる。
【0042】
重錘34が炉内へ進入している状態では、導管16内には吊体31のチェーンが位置している。この状態で、散水ノズル36からチェーンに対して水が散水される。この散水は、チェーンが上下移動中に行われる。したがって、チェーンはほぼその全長にわたり散水を受けてチェーンの表面が水で覆われ、炉内に入って熱を受けても高温状態にある時間を短縮し、また腐食性ガスとの接触時間を短縮し、さらにはダストの付着を防止、あるいは付着してしまったダストを洗い落す。散水された水は、水切り環板33により導管16の内周面に付着して流下しガイド管11に至るということはなく、水切り環板33の中央の通孔33Aへ集められてから水切り部材33Bを経て滴下する。滴下した水は、吊体31を伝って滴下しさらに重錘34の周面を伝って滴下する。このように、散水ノズル36から散水された水は、ガイド管11を濡らすことなく、ガイド管11は水の付着による腐食等の劣化が防止される。
【0043】
炉内層高測定終了後は、重錘34は上方へ引き上げられる。
【符号の説明】
【0044】
10 炉内層高測定装置
11 ガイド管
12 ノズル管
13 環状隙間
14 補助パージガス注入口
15B 冷却ジャケット
20 上壁
23 測定孔
31 吊体
33 水切り環板
33A 通孔
34 重錘
36 散水ノズル
図1