特許第6269430号(P6269430)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6269430
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】青果物の供給装置及び青果物の供給方法
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/04 20060101AFI20180122BHJP
   B07C 5/16 20060101ALI20180122BHJP
【FI】
   B07C5/04
   B07C5/16
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-208457(P2014-208457)
(22)【出願日】2014年10月10日
(65)【公開番号】特開2016-77924(P2016-77924A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2016年11月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】特許業務法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 浩二
【審査官】 八板 直人
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−012408(JP,U)
【文献】 特開昭63−272444(JP,A)
【文献】 特開平06−166427(JP,A)
【文献】 実開平05−003941(JP,U)
【文献】 特開平10−320521(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0107953(US,A1)
【文献】 特開平04−004492(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 1/00−99/00
B65G 43/00−43/10
G06M 7/00−15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器から青果物を排出する青果物排出手段と、前記青果物排出手段によって容器から排出された青果物を、青果物を選別する選果機に搬送する青果物搬送手段と、を具備する青果物の供給装置であって、
前記青果物排出手段の上流側に設けられ、前記選果機に供給する青果物の数量を算定する数量算定手段を備え、
前記数量算定手段は、
前記容器に収納されている青果物の重量を測定する重量測定手段と、
前記容器に収納されている青果物を撮影する撮影手段と、
を備え、
前記撮影手段によって撮影された青果物の画像データから青果物の大きさを算定し、
算定した青果物の大きさと、前記重量測定手段によって測定された青果物の重量と、を用いて前記選果機に供給する青果物の数量を算定し、
前記青果物排出手段は、前記数量算定手段により算定された青果物の数量に応じて、前記容器内の青果物の排出動作が制御されること
を特徴とする青果物の供給装置。
【請求項2】
容器から青果物を排出する青果物排出手段と、前記青果物排出手段によって容器から排出された青果物を、青果物を選別する選果機に搬送する青果物搬送手段と、を具備する青果物の供給装置であって、
前記青果物排出手段の上流側に設けられ、前記選果機に供給する青果物の数量を算定する数量算定手段を備え、
前記数量算定手段は、
前記容器に収納されている青果物の重量を測定する重量測定手段と、
前記容器に収納されている青果物の積載高さを測定する積載高さ測定手段と、
を備え、
前記重量測定手段によって測定された青果物の重量と、前記積載高さ測定手段によって測定された青果物の積載高さと、を用いて前記選果機に供給する青果物の数量を算定し、
前記青果物排出手段は、前記数量算定手段により算定された青果物の数量に応じて、前記容器内の青果物の排出動作が制御されること
を特徴とする青果物の供給装置。
【請求項3】
容器から青果物を排出する青果物排出手段と、前記青果物排出手段によって容器から排出された青果物を、青果物を選別する選果機に搬送する青果物搬送手段と、を具備する青果物の供給装置であって、
前記青果物排出手段の上流側に設けられ、前記選果機に供給する青果物の数量を算定する数量算定手段を備え、
前記数量算定手段は、
前記容器に収納されている青果物の積載高さを測定する積載高さ測定手段と、
前記容器に収納されている青果物を撮影する撮影手段と、
を備え、
前記撮影手段によって撮影された青果物の画像データから青果物の大きさを算定し、
算定した青果物の大きさと、前記積載高さ測定手段によって測定された青果物の積載高さと、を用いて前記選果機に供給する青果物の数量を算定し、
前記青果物排出手段は、前記数量算定手段により算定された青果物の数量に応じて、前記容器内の青果物の排出動作が制御されること
を特徴とする青果物の供給装置。
【請求項4】
前記数量算定手段は、
前記容器に収納されている青果物の積載高さを測定する積載高さ測定手段を備え、
前記積載高さ測定手段によって測定された青果物の積載高さを用いて前記選果機に供給する青果物の数量を算定すること
を特徴とする請求項1に記載の青果物の供給装置。
【請求項5】
前記数量算定手段は、
前記容器に収納されている青果物を撮影する撮影手段を備え、
前記撮影手段によって撮影された青果物の画像データから算定した青果物の大きさを用いて前記選果機に供給する青果物の数量を算定すること
を特徴とする請求項2に記載の青果物の供給装置。
【請求項6】
前記数量算定手段は、
前記容器に収納されている青果物のランクを用いて前記選果機に供給する青果物の数量を算定すること
を特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の青果物の供給装置。
【請求項7】
前記数量算定手段は、
前記容器に収納されている青果物の品種を用いて前記選果機に供給する青果物の数量を算定すること
を特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の青果物の供給装置。
【請求項8】
前記青果物排出手段は、前記数量算定手段が算定した青果物の数量に応じて、前記容器から青果物を排出する速度が制御されること
を特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の青果物の供給装置。
【請求項9】
前記青果物排出手段は、前記数量算定手段が算定した青果物の数量に応じて、前記容器を受け入れるタイミングが制御されること
を特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の青果物の供給装置。
【請求項10】
前記青果物排出手段は、
容器を反転させることにより、前記容器から青果物を排出するように構成され、
前記数量算定手段が算定した青果物の数量に応じて、前記容器を反転させる速度が制御されること
を特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の青果物の供給装置。
【請求項11】
容器に収納されている青果物を、青果物を搬送する搬送手段に排出し、青果物を選別する選果機に対して前記搬送手段に排出した青果物を供給する青果物の供給方法であって、
容器に収納されている青果物の重量を測定し、
前記容器に収納されている青果物を撮影し、
撮影された青果物の画像データから青果物の大きさを算定し、
算定した青果物の大きさと、測定した青果物の重量と、から選果機に供給する青果物の数量を算定し、
算定した青果物の数量に応じて、前記容器内の青果物の排出動作を制御すること
を特徴とする青果物の供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選果機に青果物を供給する供給装置及び青果物の供給方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の選果機への青果物の供給装置は、ダンパー(青果物排出手段)等によってコンテナ(容器)等を反転することにより、コンテナに収納される青果物をコンテナから排出し、排出した青果物をコンベヤ(搬送手段)等を介して選果機に供給する。
例えば、特許文献1には、コンテナに収納したキューリ、ナス等の野菜をコンベヤ上に反転、排出し、当該コンベヤ上の野菜の山を崩しながら1個ずつ整列して選果機に供給するものが開示されている。
【0003】
一方で、選果機においては、供給された青果物が、選果機のソーターにおいて1つ1つ整列搬送され、個別に選別される。そのため、ソーターへ供給される青果物の間隔が空き過ぎると、その間は青果物が供給されずに処理されない状態となり、選果機自体の能力を充分に発揮させることができない。そこで、選果機には、一定量の青果物が一定の間隔で供給されることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−104420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の青果物の供給装置においては、コンテナに収納される青果物の数量及び大きさに関わらず、ダンパーによって一定のタクトでコンテナから青果物が排出され、コンベヤを介して選果機に供給される。そのため、コンテナに収納されている青果物自体が少ない場合、或いはコンテナには充分に青果物が収納されているが果径の大きい青果物が多いために青果物全体の数量が少ない場合には、選果機に供給される青果物の数量が少なく、一定量の青果物を一定の間隔で選果機に供給することができないという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、予め選果機に供給する青果物の数量を算定し、その算定した青果物の数量に応じて青果物排出手段における青果物の排出動作を制御する青果物の供給装置及び青果物の供給方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上であり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、本発明のうち請求項1に記載の青果物の供給装置は、容器から青果物を排出する青果物排出手段と、前記青果物排出手段によって容器から排出された青果物を、青果物を選別する選果機に搬送する青果物搬送手段と、を具備する青果物の供給装置であって、前記青果物排出手段の上流側に設けられ、前記選果機に供給する青果物の数量を算定する数量算定手段を備え、前記数量算定手段は、前記容器に収納されている青果物の重量を測定する重量測定手段と、前記容器に収納されている青果物を撮影する撮影手段と、を備え、前記撮影手段によって撮影された青果物の画像データから青果物の大きさを算定し、算定した青果物の大きさと、前記重量測定手段によって測定された青果物の重量と、を用いて前記選果機に供給する青果物の数量を算定し、前記青果物排出手段は、前記数量算定手段により算定された青果物の数量に応じて、前記容器内の青果物の排出動作が制御されるものである。
上記構成では、重量測定手段の測定結果と、撮影手段の画像データと、を用いて選果機に供給する青果物の数量を算定し、選果機に供給する青果物の数量に応じて、青果物排出手段による容器内の青果物の排出動作が制御される。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、容器から青果物を排出する青果物排出手段と、前記青果物排出手段によって容器から排出された青果物を、青果物を選別する選果機に搬送する青果物搬送手段と、を具備する青果物の供給装置であって、前記青果物排出手段の上流側に設けられ、前記選果機に供給する青果物の数量を算定する数量算定手段を備え、前記数量算定手段は、前記容器に収納されている青果物の重量を測定する重量測定手段と、前記容器に収納されている青果物の積載高さを測定する積載高さ測定手段と、を備え、前記重量測定手段によって測定された青果物の重量と、前記積載高さ測定手段によって測定された青果物の積載高さと、を用いて前記選果機に供給する青果物の数量を算定し、前記青果物排出手段は、前記数量算定手段により算定された青果物の数量に応じて、前記容器内の青果物の排出動作が制御されるものである。
上記構成では、重量測定手段の測定結果と、積載高さ測定手段の測定結果と、を用いて選果機に供給する青果物の数量を算定し、選果機に供給する青果物の数量に応じて、青果物排出手段による容器内の青果物の排出動作が制御される。
【0011】
さらに、請求項3に記載の発明は、容器から青果物を排出する青果物排出手段と、前記青果物排出手段によって容器から排出された青果物を、青果物を選別する選果機に搬送する青果物搬送手段と、を具備する青果物の供給装置であって、前記青果物排出手段の上流側に設けられ、前記選果機に供給する青果物の数量を算定する数量算定手段を備え、前記数量算定手段は、前記容器に収納されている青果物の積載高さを測定する積載高さ測定手段と、前記容器に収納されている青果物を撮影する撮影手段と、を備え、前記撮影手段によって撮影された青果物の画像データから青果物の大きさを算定し、算定した青果物の大きさと、前記積載高さ測定手段によって測定された青果物の積載高さと、を用いて前記選果機に供給する青果物の数量を算定し、前記青果物排出手段は、前記数量算定手段により算定された青果物の数量に応じて、前記容器内の青果物の排出動作が制御されるものである。
上記構成では、積載高さ測定手段の測定結果と、撮影手段の画像データと、を用いて選果機に供給する青果物の数量を算定し、選果機に供給する青果物の数量に応じて、青果物排出手段による容器内の青果物の排出動作が制御される。
【0012】
さらにまた、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の青果物の供給装置において、前記数量算定手段は、前記容器に収納されている青果物の積載高さを測定する積載高さ測定手段を備え、前記積載高さ測定手段によって測定された青果物の積載高さを用いて前記選果機に供給する青果物の数量を算定するものである。
上記構成では、容器内の青果物の積載高さを用いて選果機に供給する青果物の数量を算定し、青果物排出手段による容器内の青果物の排出動作が制御される。
【0013】
さらにまた、請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の青果物の供給装置において、前記数量算定手段は、前記容器に収納されている青果物を撮影する撮影手段を備え、前記撮影手段によって撮影された青果物の画像データから算定した青果物の大きさを用いて前記選果機に供給する青果物の数量を算定するものである。
上記構成では、青果物の画像データから算定した青果物の大きさを用いて選果機に供給する青果物の数量を算定し、青果物排出手段による容器内の青果物の排出動作が制御される。
【0014】
さらにまた、請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の青果物の供給装置において、前記数量算定手段は、前記容器に収納されている青果物のランクを用いて前記選果機に供給する青果物の数量を算定するものである。
上記構成では、容器内の青果物のランクを用いて選果機に供給する青果物の数量を算定し、青果物排出手段による容器内の青果物の排出動作が制御される。
【0015】
さらにまた、請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の青果物の供給装置において、前記数量算定手段は、前記容器に収納されている青果物の品種を用いて前記選果機に供給する青果物の数量を算定するものである。
上記構成では、容器内の青果物の品種を用いて選果機に供給する青果物の数量を算定し、青果物排出手段による容器内の青果物の排出動作が制御される。
【0016】
さらにまた、請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の青果物の供給装置において、前記青果物排出手段は、前記数量算定手段が算定した青果物の数量に応じて、前記容器から青果物を排出する速度が制御されるものである。
上記構成では、青果物排出手段は、数量算定手段が算定した青果物の数量に応じて、容器から青果物を排出する速度が制御されることで、容器から排出される青果物の数量が制御される。
【0017】
さらにまた、請求項9に記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の青果物の供給装置において、前記青果物排出手段は、前記数量算定手段が算定した青果物の数量に応じて、前記容器を受け入れるタイミングが制御されるものである。
上記構成では、青果物排出手段は、数量算定手段が算定した青果物の数量に応じて、容器を受け入れるタイミングが制御されることで、容器から排出される青果物の数量が制御される。
【0018】
さらにまた、請求項10に記載の発明は、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の青果物の供給装置において、前記青果物排出手段は、容器を反転させることにより、前記容器から青果物を排出するように構成され、前記数量算定手段が算定した青果物の数量に応じて、前記容器を反転させる速度が制御されるものである。
上記構成では、青果物排出手段は、数量算定手段が算定した青果物の数量に応じて、容器の反転速度が制御されることで、容器から排出される青果物の数量が制御される。
【0019】
さらにまた、請求項11に記載の青果物の供給方法は、容器に収納されている青果物を、青果物を搬送する搬送手段に排出し、青果物を選別する選果機に対して前記搬送手段に排出した青果物を供給する青果物の供給方法であって、容器に収納されている青果物の重量を測定し、前記容器に収納されている青果物を撮影し、撮影された青果物の画像データから青果物の大きさを算定し、算定した青果物の大きさと、測定した青果物の重量と、から選果機に供給する青果物の数量を算定し、算定した青果物の数量に応じて、前記容器内の青果物の排出動作を制御するものである。
上記構成では、青果物の重量と、画像データと、から選果機に供給する青果物の数量を算定し、青果物排出手段による容器内の青果物の排出動作が制御される。
【発明の効果】
【0020】
本発明の青果物の供給装置及び青果物の供給方法によれば、青果物排出手段が容器を受け入れる際の容器内の青果物の数量の多少、或いは青果物の大きさの大小に関わらず、一定量の青果物を一定の間隔で選果機に供給することができる。そのため、選果機自体の処理能力が向上し、選果機の条数を少なくしても充分に青果物を選別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る青果物の供給装置の斜視図である。
図2】本発明に係る青果物の供給装置の別実施例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[供給装置10]
まず、本発明に係る青果物の供給装置10について説明する。
図1に示すように、供給装置10は、ダンパー20(「青果物排出手段」の一例)と、青果物用ローラコンベヤ30(「青果物搬送手段」の一例)と、コンテナ用ローラコンベヤ40と、を備える。
供給装置10においては、コンテナ用ローラコンベヤ40によりコンテナ41(「容器」の一例)が搬送される。ここで、コンテナ41は、その側壁が格子状に形成され、その側壁が光透過可能に構成されている。そして、コンテナ用ローラコンベヤ40により搬送されるコンテナ41は、ダンパー20により受け入れられる。ダンパー20は、受け入れたコンテナ41を反転させ、コンテナ41内に収納される青果物Sを青果物用ローラコンベヤ30に排出する。青果物用ローラコンベヤ30は、ダンパー20によって排出された青果物Sを整列装置55を介して選果機50まで搬送する。
【0023】
[ダンパー20]
ダンパー20は、コンテナ41を搬送する搬送面が円弧状に形成されるコンテナ搬送体21と、コンテナ搬送体21に対向して形成されてコンテナ41を保持するコンテナ保持体22と、から形成される。
ダンパー20は、コンテナ用ローラコンベヤ40から受け入れたコンテナ41を、コンテナ搬送体21を適宜駆動させながら対向するコンテナ保持体22との間でコンテナ41を挟み込むようにして反転搬送し、反転したコンテナ41を上方に徐々に持ち上げながらコンテナ41内の青果物Sを青果物用ローラコンベヤ30に排出する。すなわち、ダンパー20は、コンテナ41を反転させることでコンテナ41内の青果物Sの排出動作を行う。
【0024】
[青果物用ローラコンベヤ30]
図1に示すように、青果物用ローラコンベヤ30は、青果物Sを搬送可能な従来のローラコンベヤであり、ダンパー20と、整列装置55と、の間に設けられる。青果物用ローラコンベヤ30は、ダンパー20によりコンテナ41から排出された青果物Sを整列装置55を介して選果機50に搬送する。なお、本発明は、青果物用ローラコンベヤ30のようなローラコンベヤに限定されるものではなく、青果物Sを適切に搬送可能なものであれば、例えば、ベルトコンベヤを用いても構わない。
【0025】
[コンテナ用ローラコンベヤ40]
図1に示すように、コンテナ用ローラコンベヤ40は、コンテナ41を搬送可能な従来のローラコンベヤであり、ダンパー20の上流側に設けられる。コンテナ用ローラコンベヤ40は、青果物Sを収納したコンテナ41をダンパー20に搬送する。なお、本発明は、コンテナ用ローラコンベヤ40のようなローラコンベヤに限定されるものではなく、コンテナ41を適切に搬送可能なものであれば、例えば、ベルトコンベヤを用いても構わない。
【0026】
[コンテナスケール61]
また、コンテナ用ローラコンベヤ40には、コンテナスケール61(「重量測定装置」の一例)が設けられている。コンテナスケール61は、コンテナ41に収容されている青果物Sの重量を測定する。コンテナスケール61は、PC等の制御装置60に接続され、測定結果を制御装置60に送信する。
【0027】
[カメラ62]
さらに、コンテナ用ローラコンベヤ40の近傍には、カメラ62(「撮影手段」の一例)が設けられている。カメラ62は、コンテナ用ローラコンベヤ40により搬送されるコンテナ41内の青果物Sを撮影する。具体的には、カメラ62は、コンテナ41の上方からコンテナ41に積載される青果物Sの静止画を撮影する。カメラ62は、制御装置60に接続され、青果物の画像データを送信する。
なお、図1においては、ダンパー20の上流側に、コンテナスケール61、カメラ62、の順で配置されているが、この配置に限定されるものではなく、カメラ62、コンテナスケール61の順で配置しても構わない。
【0028】
[青果物Sの数量の算定]
また、供給装置10においては、選果機50に供給される青果物Sの数量を算定した上で、青果物Sを選果機50に供給する。具体的には、コンテナ41に収容される青果物Sの数量を算定した後、ダンパー20にコンテナ41を搬送して青果物Sを整列装置55を介して選果機50に供給する。通常、コンテナ41に収容される青果物Sがそのまま選果機50に供給されるため、選果機50に青果物Sを供給する前に、予めコンテナ41に収容される青果物Sの数量を算定することにより、選果機50に供給される青果物Sの数量を算定する。そして、算定した青果物Sの数量が選果機50での処理に適した数量であるかを判断し、判断結果に基づいて、後述するダンパー20における青果物Sの排出動作を制御する。
【0029】
供給装置10においては、コンテナ41に収容される青果物Sの数量を、コンテナスケール61が測定した青果物Sの重量と、カメラ62が撮影した青果物Sの画像データと、から算定する。具体的は、制御装置60(「数量算定手段」の一例)が、カメラ62が撮影した青果物Sの画像データを解析してコンテナ41に収納される青果物Sの平均果径(「青果物の大きさ」の一例)を算定する。そして、制御装置60は、算定した青果物Sの平均果径と、コンテナスケール61が測定したコンテナ41内の青果物Sの重量データと、からコンテナ41内の青果物Sの数量を算定する。
供給装置10においては、形状及び容量が同一のコンテナ41が用いられる。また、コンテナ41には大きさ(果径)が略一定の青果物Sが収納される。そのため、カメラ62が撮影した青果物Sの画像データからコンテナ41に占める青果物Sの割合(面積)を求めることで青果物Sの平均果径は算定できる。また、算定した青果物Sの平均果径から青果物S1個当たりの重量がわかるため、コンテナ41内の青果物Sの重量を当該青果物S1個当たりの重量で除することによりコンテナ41内の青果物Sの数量が算定できる。
【0030】
このように、供給装置10においては、コンテナスケール61が測定した青果物Sの重量と、カメラ62が撮影した青果物Sの画像データと、からコンテナ41に収容される青果物Sの数量を算定することから、実際に青果物Sに接触して検数することなく、効率良くコンテナ41に収容される青果物Sの数量(選果機50に供給する青果物Sの数量)を算定することができる。
【0031】
[ダンパー20における青果物Sの排出動作の制御]
次に、ダンパー20における青果物Sの排出動作の制御について説明する。
【0032】
選果機50に供給される青果物Sは、整列装置55において1つ1つ整列搬送された後個別に選別される。そのため、選果機50自体の能力を充分に発揮させるためには、選果機50での処理に適した数量の青果物Sが一定の間隔で選果機50(整列装置55)に供給されることが望ましい。
一方、供給装置10は、ダンパー20において排出される青果物Sの排出数量により、選果機50へ供給する青果物Sの数量が決定される。すなわち、ダンパー20における青果物Sの排出動作を制御することで、選果機50へ供給する青果物Sの数量を制御することができる。
そこで、供給装置10においては、選果機50に供給する青果物Sの数量に応じて、ダンパー20における青果物Sの排出動作が制御される。すなわち、供給装置10においては、コンテナ用ローラコンベヤ40によって搬送されるコンテナ41に収納される青果物Sの数量に応じて、ダンパー20における青果物Sの排出動作が制御される。
【0033】
ここで、ダンパー20は、以下に挙げる2つの方法により、青果物Sの排出動作が制御される。
まず、第1の方法としては、ダンパー20がコンテナ用ローラコンベヤ40からコンテナ41を受け入れるタイミングを制御する方法である。
従来のダンパーは、コンテナ41に収納される青果物Sの数量の多少、及び青果物Sの大きさの大小に関わらず、コンテナ用ローラコンベヤ40からコンテナ41を一定のタイミングで受け入れ、コンテナ41を反転することにより青果物Sを青果物用ローラコンベヤ30に排出する。そのため、一定のタイミングでコンテナ41を受け入れて排出動作を行うと、青果物Sの数量が多いコンテナ41を連続して受け入れる場合には、青果物Sが重なった状態で選果機50に供給されるため、選果機50に供給する前に青果物Sを整列させる必要があり作業効率が悪くなる。また、収納されている青果物S自体の数量が少ないコンテナ41(充分に青果物Sが収納されているが果径の大きい青果物Sが多いために青果物S全体の数量が少ないコンテナ41も含む)を連続して受け入れる場合には、青果物用ローラコンベヤ30に排出される青果物Sの数量が少なくなり、1つ1つの青果物Sが間隔を空けた状態で選果機50に供給される。
【0034】
そこで、ダンパー20は、コンテナ41に収納される青果物Sの数量に応じて、コンテナ用ローラコンベヤ40からコンテナ41を受け入れるタイミングが制御される。
具体的には、制御装置60は、コンテナスケール61が測定した青果物Sの重量と、カメラ62が撮影した青果物Sの画像データと、からコンテナ41に収納されている青果物Sの数量を算定する。そして、算定した青果物Sの数量が、所定の数量(選果機50での処理に適した青果物Sの数量)より多いと判断した場合、制御装置60は、ダンパー20においてコンテナ41を受け入れるタイミングを遅くし、タンパー20内に搬送されるコンテナ41の間隔を空けて、青果物Sがタンパー20から青果物用ローラコンベヤ30に排出される頻度を減らす。これにより、選果機50に供給される青果物Sの数量が減少するとともに、供給される青果物Sの間隔が広がる。
逆に、算定した青果物Sの数量が、所定の数量より少ないと判断した場合、制御装置60は、ダンパー20においてコンテナ41を受け入れるタイミングを速くし、タンパー20内に搬送されるコンテナ41の間隔を狭くして、青果物Sがタンパー20から青果物用ローラコンベヤ30に排出される頻度を増やす。これにより、選果機50に供給される青果物Sの数量が増加するとともに、供給される青果物Sの間隔が狭くなる。
このように、ダンパー20においてコンテナ41を受け入れるタイミングを制御して選果機50に供給される青果物Sの数量及び間隔を調整することで、選果機50での処理に適した数量の青果物Sを一定の間隔で選果機50に供給することができる。
【0035】
また、第2の方法としては、ダンパー20がコンテナ41を反転させる速度を制御する方法である。
従来のダンパーは、コンテナ41に収納される青果物Sの数量の多少、及び青果物Sの大きさの大小に関わらず、一定の速度でコンテナ41を反転させることにより青果物Sを青果物用ローラコンベヤ30に排出する。そのため、青果物Sの数量が多いコンテナ41を連続して受け入れる場合には、青果物Sが重なった状態で選果機50に供給されるため、選果機50に供給する前に青果物Sを整列させる必要があり作業効率が悪くなる。また、青果物Sの数量が少ないコンテナ41(充分に青果物Sが収納されているが果径の大きい青果物Sが多いために青果物S全体の数量が少ないコンテナ41も含む)を連続して受け入れる場合には、1つ1つの青果物Sが間隔を空けた状態で選果機50に供給される。
【0036】
そこで、ダンパー20は、コンテナ41に収納される青果物Sの数量に応じて、コンテナ41を反転させる速度が制御される。
具体的には、コンテナスケール61が測定した青果物Sの重量と、カメラ62が撮影した青果物Sの画像データと、から算定した青果物Sの数量が、所定の数量より多いと判断した場合、制御装置60は、ダンパー20によってコンテナ41を反転させる速度を遅くし、コンテナ41内の青果物Sを徐々に青果物用ローラコンベヤ30に排出する。すなわち、ダンパー20におけるコンテナ搬送体21の搬送速度を遅くする。これにより、選果機50に供給される青果物Sの数量が減少するとともに、供給される青果物Sの間隔が広がる。
逆に、算定した青果物Sの数量が、所定の数量より少ないと判断した場合、制御装置60は、ダンパー20によってコンテナ41を反転させる速度を速くし、コンテナ41内の青果物Sを速く青果物用ローラコンベヤ30に排出する。すなわち、ダンパー20におけるコンテナ搬送体21の搬送速度を速くする。これにより、選果機50に供給される青果物Sの数量が増加するとともに、供給される青果物Sの間隔が狭くなる。
このように、ダンパー20によってコンテナ41を反転させる速度を制御して選果機50に供給される青果物Sの数量及び間隔を調整することで、選果機50での処理に適した数量の青果物Sを一定の間隔で選果機50に供給することができる。
【0037】
このように、ダンパー20は、コンテナ41に収納される青果物Sの数量に応じて、コンテナ用ローラコンベヤ40からコンテナ41を受け入れるタイミング、及びコンテナ41を反転させる速度が制御される。なお、上記第1及び第2の両方の方法を組み合わせてダンパー20における青果物Sの排出動作を制御することにより、選果機50に供給する青果物Sの数量及び間隔を制御しても構わない。
【0038】
[青果物Sの数量の算定の別実施例]
次に、青果物Sの数量の算定の別実施例について説明する。
上述のように、供給装置10においては、カメラ62が撮影した青果物Sの画像データと、コンテナスケール61が測定したコンテナ41内の青果物Sの重量データと、からコンテナ41内の青果物Sの数量を算定するが、以下の別実施例によりコンテナ41内の青果物Sの数量を算定しても構わない。
【0039】
図2に示すように、別実施例の供給装置100においては、コンテナ用ローラコンベヤ40には、供給装置10におけるカメラ62の代りに、積載高さ測定装置63(「積載高さ測定手段」の一例)が設けられる。積載高さ測定装置63は、コンテナ41の側面を上下動する距離センサ65(光電センサ)により構成され、コンテナ41に収納される青果物Sの積載高さH(コンテナ41の底面から青果物Sが積まれている部分までの高さ)を測定する。積載高さ測定装置63は、制御装置60に接続され、測定結果を制御装置60に送信する。
なお、図2においては、ダンパー20の上流側に、コンテナスケール61、積載高さ測定装置63の順で配置されているが、この配置に限定されるものではなく、積載高さ測定装置63、コンテナスケール61の順で配置しても構わない。
また、積載高さ測定装置63は、距離センサ65により構成されているが、これに限定されるものではなく、コンテナ41の底面から青果物Sが積まれている部分までの高さが測定可能なものであれば、X線を用いて測定する構成であっても構わない。
【0040】
別実施例の供給装置100においては、コンテナ41に収容される青果物Sの数量を、コンテナスケール61が測定した青果物Sの重量と、積載高さ測定装置63が測定した青果物Sの積載高さHと、から算定する。
具体的は、制御装置60は、積載高さ測定装置63が測定したコンテナ41内の青果物Sの積載高さHのデータと、コンテナスケール61が測定したコンテナ41内の青果物Sの重量データと、からコンテナ41内の青果物Sの数量を算定する。上述のように、供給装置10においては、形状及び容量が同一のコンテナ41が用いられる。また、コンテナ41には大きさ(果径)が略一定の青果物Sが収納される。そのため、積載高さ測定装置63が測定したコンテナ41内の青果物Sの積載高さHのデータからコンテナ41に収納される青果物S全体の体積が算定できる。また、算定した青果物S全体の体積と、コンテナ41内の青果物Sの重量と、からコンテナ41内の青果物S全体の密度を算定できる。そして、コンテナ41内の青果物S全体の密度を予め算定した青果物S1個当たりの密度で除することによりコンテナ41内の青果物Sの数量が算定できる。
【0041】
また、青果物Sの数量の算定のさらなる別実施例としては、コンテナ用ローラコンベヤ40において、供給装置10におけるコンテナスケール61の代りに、積載高さ測定装置63を設け、制御装置60が、積載高さ測定装置63によって測定される青果物Sの積載高さHと、カメラ62が撮影した青果物Sの画像データから算定される青果物Sの平均果径(青果物Sの大きさ)と、からコンテナ41内の青果物Sの数量を算定するものがある。
上述のように、供給装置においては、形状及び容量が同一のコンテナ41が用いられる。また、コンテナ41には大きさ(果径)が略一定の青果物Sが収納される。そのため、積載高さ測定装置63が測定したコンテナ41内の青果物Sの積載高さHのデータからコンテナ41に収納される青果物S全体の体積が算定できる。また、算定した青果物Sの平均果径から青果物S1個当たりの体積を算定できる。従って、コンテナ41に収納される青果物S全体の体積を青果物S1個当たりの体積で除することによりコンテナ41内の青果物Sの数量が算定できる。
【0042】
さらに、選果機50に供給される青果物Sの数量は、通常、ダンパー20に搬送されるコンテナ41に収容される青果物Sの数量と同一である。しかしながら、コンテナ41に収納される青果物Sの中には、商品とし出荷不能な青果物Sが混在する場合がある。このような場合には、ダンパー20によってコンテナ41から青果物Sを排出した後、青果物用ローラコンベヤ30において出荷不能な青果物Sを取り除くため、コンテナ41に収容される青果物Sの数量と、選果機50に供給される青果物Sの数量と、が一致しない。
このように、青果物用ローラコンベヤ30において出荷不能な青果物Sを取り除く場合には、ダンパー20にコンテナ41を搬出する前に、コンテナ41に収納された状態での青果物Sのランクを予め判定する。ここで、青果物Sのランクとは、青果物Sの形状、外観(大きさ、太さ、曲がり、色等)等の判定要素から判定される商品としての青果物Sの性状を示すものであり、予め定められた区分に分類されるものである。そして、ダンパー20に搬送されるコンテナ41には、略同一のランクの青果物Sが収納され、ランクの高い青果物Sが収納されているコンテナ41ほど、出荷不能として取り除かれる割合が少ない。このため、コンテナ41に収納される青果物Sのランクを検出することで、青果物用ローラコンベヤ30において取り除かれる出荷不能な青果物Sの割合が予測できる。すなわち、コンテナ41に収納されている青果物Sの中から、実際に選果機50に供給される青果物Sの数量を予測することができる。
青果物Sのランクは、ランク判別手段によって判別される。ランク判別手段は、例えば、青果物Sのランクを記憶したICタグと、そのICタグの情報を読み取るタグリーダと、から構成される。そして、コンテナ41に青果物Sのランクを記憶したICタグを取り付け、そのICタグをタグリーダで読み取ることでコンテナ41内の青果物Sのランクを判別する。なお、青果物Sのランクの判別は、作業者がタッチパネル等の入力手段により入力した青果物Sのランクを制御手段60において判別することで行うことも可能である。
このように、選果機50に供給される青果物Sの数量を算定する要素としてコンテナ41に収納される青果物Sのランクを用いることもできる。
【0043】
さらに、本発明の供給装置においては、コンテナ41内の青果物Sの積載高さHのみから、選果機50に供給される青果物Sの数量を算定することもできる。上述のように、コンテナ41内の青果物Sの積載高さHは、積載高さ測定装置63より測定が可能である。そして、上述のように、青果物Sの収納には、形状及び容量が同一のコンテナ41が用いられる。また、コンテナ41には大きさ(果径)が略一定の青果物Sが収納される。そのため、積載高さ測定装置63が測定したコンテナ41内の青果物Sの積載高さHのデータからコンテナ41に収納される青果物S全体の体積が算定できる。そして、コンテナ41内の青果物S全体の体積を予め算定した青果物S1個当たりの体積で除することによりコンテナ41内の青果物Sの数量が算定できる。このように、選果機50に供給される青果物Sの数量を算定する要素としてコンテナ41内の青果物Sの積載高さHのみを用いることもできる。
【0044】
さらに、本発明の供給装置においては、コンテナ41に収納されている青果物Sの品種から選果機50に供給される青果物Sの数量を算定することもできる。ダンパー20に搬送されるコンテナ41には、同一の品種の青果物Sが収納される。また、品種が同一の場合には、コンテナ41に収納される青果物Sの大きさ(果径)は略一定(ある一定の範囲内)である。さらに、上述のように、青果物Sの収納には、形状及び容量が同一のコンテナ41が用いられる。そのため、コンテナ41に常に一定量の青果物Sが収納されている場合には、青果物Sの品種を検出することにより、コンテナ41内の青果物Sの数量が算定できる。
青果物Sの品種は、品種判別手段によって判別される。品種判別手段は、例えば、青果物Sの品種を記憶したICタグと、そのICタグの情報を読み取るタグリーダと、から構成される。そして、コンテナ41に青果物Sの品種を記憶したICタグを取り付け、そのICタグをタグリーダで読み取ることでコンテナ41内の青果物Sのランクを判別する。なお、青果物Sの品種の判別は、作業者がタッチパネル等の入力手段により入力した青果物Sの品種を制御手段60において判別することで行うことも可能である。
このように、選果機50に供給される青果物Sの数量を算定する要素としてコンテナ41内の青果物Sのランクを用いることもできる。
【0045】
さらに、本発明の供給装置においては、カメラ62が撮影した青果物Sの画像データのみから、選果機50に供給される青果物Sの数量を算定することもできる。上述のように、制御装置60が、カメラ62が撮影した青果物Sの画像データを解析してコンテナ41に収納される青果物Sの平均果径(青果物の大きさ)を算定する。さらに、青果物Sの平均果径から青果物S1個当たりの体積を算定する。ここで、供給装置10においては、形状及び容量が同一のコンテナ41が用いられ、コンテナ41には大きさ(果径)が略一定の青果物Sが収納されることから、コンテナ41の容積を求めることによりコンテナ41に収納される青果物S全体が占める割合(体積)が求められる。そのため、コンテナ41に収納される青果物S全体が占める割合(体積)を青果物Sの平均果径から算定される青果物S1個当たりの体積で除することによりコンテナ41内の青果物Sの数量が算定できる。
このように、選果機50に供給される青果物Sの数量を算定する要素としてカメラ62が撮影した青果物Sの画像データから算定した青果物Sの平均果径(青果物の大きさ)を用いることもできる。
【0046】
以上のように、上記実施例に係る青果物の供給装置10においては、ダンパー20が受け入れる際のコンテナ41内の青果物Sの数量の多少、或いは青果物Sの果径の大小に関わらず、一定量の青果物Sを一定の間隔で選果機50に供給することができる。そのため、選果機50自体の処理能力が向上し、選果機50の条数を少なくしても充分に青果物Sを選別することができる。
【0047】
また、上記実施例に係る青果物の供給装置10においては、実際に青果物Sを検数することなく選果機50に供給する青果物Sの数量を算定することができる。そのため、効率良く青果物Sの数量を算定してダンパー20によるコンテナ41内の青果物Sの排出動作を制御することができる。また、青果物Sに直接接触することなく青果物Sの検数ができる。
【0048】
なお、本実施の形態においては、選果機50に供給する青果物Sの数量(コンテナ41に収納される青果物Sの数量)を算定する方法として、青果物Sの画像データ(青果物Sの大きさ)と、青果物の重量と、から算定する場合、青果物Sの画像データと、コンテナ41に収納されている青果物Sの積載高さHと、から算定する場合、青果物Sのランクから算定する場合、青果物Sの積載高さHから算定する場合、青果物Sの品種から算定する場合、が挙げられているが、これらの場合に限定されるものではなく、例えば、青果物Sの画像データ(青果物Sの大きさ)と、青果物Sのランクと、の組み合わせのように、上記の条件をそれぞれ組み合わせて選果機50に供給する青果物Sの数量を算定しても構わない。
【0049】
また、本実施の形態においては、1台のカメラ62によって青果物Sを撮影しているが、これに限定されるものではなく、複数台のカメラ62によって撮影しても構わない。また、カメラ62は青果物Sの静止画を撮影しているが、動画を撮影するものであっても構わない。さらに、カメラ62は、コンテナ41の側方においてX線撮影を行うものであっても構わない。
【0050】
さらに、本実施の形態においては、タンパー20を回転式のダンパー(コンテナ41を搬送方向に反転させながら青果物Sを排出する方式のダンパー)としているが、これに限定されるものではなく、コンテナ41から青果物Sを排出可能なものであれば、スクリュー式のダンパー(コンテナ41を搬送方向に対して直交する方向に反転させながら青果物Sを排出する方式のダンパー)、或いはコンテナ41を搬送させずに直接コンテナ41を反転させて青果物Sを排出する方式のダンパーであっても構わない。
【0051】
さらにまた、本実施の形態においては、コンテナ41の側壁を格子状に形成しているが、これに限定されるものではなく、その側壁が光透過可能に構成されていれば、例えば、スリット状或いは網状に形成しても構わない。また、コンテナ41に収納される青果物Sの積載高さHをX線により測定する場合には、コンテナ41の側壁を光透過ができない樹脂の側壁で形成しても構わない(格子状等の側壁で形成しなくても構わない)。
【符号の説明】
【0052】
10 供給装置
20 ダンパー(青果物排出手段)
30 青果物用ローラコンベヤ(青果物搬送手段)
41 コンテナ(容器)
50 選果機
60 制御装置(数量算定手段)
S 青果物

図1
図2