特許第6269862号(P6269862)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6269862-三環性スピロ化合物 図000129
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6269862
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】三環性スピロ化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 311/96 20060101AFI20180122BHJP
   A61K 31/353 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 25/06 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 29/02 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 9/14 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 13/02 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20180122BHJP
【FI】
   C07D311/96CSP
   A61K31/353
   A61P43/00 111
   A61P19/08
   A61P35/00
   A61P37/02
   A61P1/02
   A61P43/00 101
   A61P25/06
   A61P25/04
   A61P29/02
   A61P9/00
   A61P9/14
   A61P13/02
   A61P35/02
   A61P43/00 121
【請求項の数】2
【全頁数】104
(21)【出願番号】特願2016-568753(P2016-568753)
(86)(22)【出願日】2016年1月8日
(86)【国際出願番号】JP2016050446
(87)【国際公開番号】WO2016111347
(87)【国際公開日】20160714
【審査請求日】2017年11月10日
(31)【優先権主張番号】特願2015-2712(P2015-2712)
(32)【優先日】2015年1月9日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000185983
【氏名又は名称】小野薬品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅田 正樹
(72)【発明者】
【氏名】谷 耕輔
(72)【発明者】
【氏名】廣部 雅也
(72)【発明者】
【氏名】樋口 悟法
(72)【発明者】
【氏名】渕辺 和寛
(72)【発明者】
【氏名】及川 玲
(72)【発明者】
【氏名】小谷 透
(72)【発明者】
【氏名】高野 裕嗣
【審査官】 水島 英一郎
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2003/016254(WO,A1)
【文献】 国際公開第2002/016311(WO,A1)
【文献】 特表2002−526517(JP,A)
【文献】 特表2002−506851(JP,A)
【文献】 特表2004−517099(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 255/60
A61K 31/277
A61K 31/343
A61K 31/353
A61K 31/381
A61K 31/4025
A61K 31/4155
A61K 31/4192
A61K 31/422
A61K 31/4245
A61K 31/427
A61K 31/437
A61K 31/4433
A61K 31/4439
A61K 31/453
A61K 31/497
A61K 31/501
A61K 31/506
A61K 31/5377
A61K 31/5383
A61K 45/00
A61P 1/02
A61P 9/00
A61P 9/14
A61P 13/02
A61P 19/08
A61P 25/04
A61P 25/06
A61P 29/02
A61P 35/00
A61P 35/02
A61P 37/02
A61P 43/00
C07D 213/56
C07D 307/94
C07D 311/96
C07D 405/04
C07D 405/12
C07D 405/14
C07D 407/12
C07D 409/04
C07D 413/04
C07D 413/12
C07D 417/04
C07D 417/12
C07D 471/04
C07D 498/04
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(イソプロピルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、その塩、またはその溶媒和物。
【請求項2】
4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(イソプロピルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、EP受容体拮抗剤である三環性スピロ化合物またはその塩、およびそれらを有効成分として含有する医薬に関する。詳しくは、一般式(I)
【0002】
【化1】
【0003】
(式中、全ての記号は後記と同じ意味を表す。)で示される、三環性スピロ化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ(以下、本発明化合物という。)、およびそれらを有効成分として含有する医薬に関する。
【背景技術】
【0004】
プロスタグランジンE(PGE)は、アラキドン酸カスケード中の代謝産物として知られており、細胞保護作用、子宮収縮、疼痛閾値の低下、消化管の蠕動運動促進、覚醒作用、胃酸分泌抑制作用、血圧降下作用、利尿作用等を有していることが知られている。
【0005】
近年の研究の中で、PGE受容体には、それぞれ役割の異なったサブタイプが存在することがわかってきた。現時点で知られているサブタイプは、大別して4つあり、それぞれEP、EP、EP、EPと呼ばれている(非特許文献1)。
【0006】
これらのサブタイプのうち、EP受容体は、マクロファージからのMCP−1産生抑制、リンパ球からのTNF−α、IL−2、およびIFN−γ産生抑制、ならびにIL−10産生増強による抗炎症、血管拡張、血管新生、弾性線維の形成抑制、MMP−9発現制御に関与していると考えられている。さらに、EP受容体は、骨髄(ミエロイド)由来免疫抑制細胞(Myeloid Derived Suppressor Cells)、制御性T細胞およびナチュラルキラー細胞を介したがん免疫制御にも関与していると考えられている。
【0007】
これらのことより、EP受容体に強く結合し、拮抗作用を有する化合物は、EP受容体の活性化による疾患、例えば、骨疾患、がん、全身性肉芽腫、免疫疾患、アレルギー、アトピー、喘息、歯槽膿漏、歯肉炎、歯周病、アルツハイマー、川崎病、熱傷、多臓器不全、慢性頭痛、疼痛、血管炎、静脈不全、静脈瘤、動脈瘤、大動脈瘤、痔瘻、尿崩症、ストレス、子宮内膜症、子宮腺筋症、新生児動脈管開存症、胆石症等の疾患の予防および/または治療に有用であると考えられる(非特許文献2−7)。
【0008】
一方、特許文献1には、プロスタグランジンE受容体に関連する疾患、例えば疼痛、炎症、およびがんなどの治療に用いられる化合物として、下記一般式(A)が使用されることが記載されている。
【0009】
一般式(A)は、
【0010】
【化2】
【0011】
(式中、Ar1aは、場合によってはR1aまたはR3aで置換された、アリールまたはヘテロアリール基であり;
1aは、CN、NO、またはCON(R5aなどであり;
は、O、N、およびSから選択された0〜2個のヘテロ原子を含む3〜6員結合基を表し、前記結合基は場合によってCO、S(O)na、C=C、またはアセチレン基を含んでおり;
Ar2aは、場合によってはR3aで置換された、アリールまたはヘテロアリール基であり;
3aは、ハロゲン、またはCNなどであり;
は、Wの結合部位に対してAr2aのオルトに結合したリンカーであり;
は、COOHなどである。(基の定義を一部抜粋した。))である。
【0012】
また、特許文献2には、下記一般式(B)の化合物はPGE受容体、特にEPおよび/またはEPに対して結合し、拮抗作用を有するため、疼痛およびがんなどの疾患の予防および/または治療に有用であることが記載されている。
【0013】
一般式(B)は、
【0014】
【化3】
【0015】
(式中、R1bは−COOHなどを表し;
は、(i)単結合、(ii)C1〜6アルキレン、(iii)C2〜6アルケニレン、または(iv)C2〜6アルキニレンなどを表し;
環は、C3〜12の単環あるいは二環の炭素環、または3〜12員の単環あるいは二環の複素環を表し;
2bは、ニトロ、またはシアノなどを表し;
は、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、1〜3個のハロゲン原子によって置換されているC1〜6アルキル、シアノ、またはニトロなどを表し;
は、炭素原子、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる原子1または2員からなる連結鎖であり、その鎖中に二重結合または三重結合を含んでいてもよく、また連結鎖は1〜4個のR40bで置換されていてもよく;
40bは、オキソまたはハロゲンなどを表し;
3bは、(1)C1〜6アルキル、または(2)1〜5個のR42bで置換されているかあるいは無置換のC3〜15の単環、二環あるいは三環の炭素環、または3〜15員の単環、二環あるいは三環の複素環を表し;
42bは、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロゲン、シアノ、−NR46bCOR47b、またはCyc10を表す。(基の定義を一部抜粋した。))である。
【0016】
さらに、特許文献3には、プロスタグランジンE受容体に関連する疾患、例えば疼痛、炎症、およびがんなどの治療に用いられる化合物として、下記一般式(C)が使用されることが記載されている。
【0017】
一般式(C)は、
【0018】
【化4】
【0019】
(式中、HETは、O、S(O)nc、およびN(O)mcから選択される0〜3個のヘテロ原子を有する5〜12員の単環式または二環式の芳香環系を表し、mcは0または1であり、ncは0、1または2であり;
は、1原子または2原子部分であって、−W−または−C(O)−などからなる群から選択され、Wは、O、S(O)nc、またはNR17cであり;
は、O、S(O)nc、およびN(O)mcから選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜10員の単環式または二環式のアリールまたはヘテロアリール基を表し、
は、O、S(O)nc、NR17c、または結合などを表し;
は、−(C(R18cpc−Y−(C(R18cqc−であり;
pcおよびqcは独立に0〜3であり;
はOHなどであり;
1c、R2c、およびR3cは独立に、ハロゲン、−CO9c、または−CON(R6cなどを表す。(基の定義を一部抜粋した。))である。
【0020】
なお、いずれの先行技術文献においても、本発明化合物である三環性スピロ化合物について何ら記載も示唆もされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】国際公開第2000/020371号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2003/016254号パンフレット
【特許文献3】国際公開第1999/047497号パンフレット
【非特許文献】
【0022】
【非特許文献1】ジャーナル・オブ・リピッド・メディエーターズ・アンド・セル・シグナリング(Journal of Lipid Mediators and Cell Signalling)、第12巻、379−391ページ、1995年
【非特許文献2】ファーマコロジカル・レビュー(Pharmacological Reviews)、第65巻、1010−1052ページ、7月、2013年
【非特許文献3】第105回 米国癌研究会議(American Association for Cancer Research(AACR))、要旨番号:LB−265、プレゼンテーション標題:ONO−AE3−208 inhibits myeloid derived suppressor cells and glioma growth、プレゼンテーション日時:2014年4月8日
【非特許文献4】フェブス・レターズ(FEBS Letters)、第364巻、339−341ページ、1995年
【非特許文献5】キャンサー・サイエンス(Cancer Science)、第105巻、1142−1151ページ、2014年
【非特許文献6】キャンサー・リサーチ(Cancer Research)、第70巻、1606−1615ページ、2010年
【非特許文献7】キャンサー・リサーチ(Cancer Research)、第62巻、28−32ページ、2002年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明の課題は、EP受容体に対して強力な拮抗活性を有し、良好な薬物動態を示す化合物を創製し、EP受容体の活性化に起因する疾患の予防および/または治療薬として有用である化合物を見出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
本発明者らは、前記課題を解決するため、EP受容体に対して強力な拮抗活性を有し、良好な薬物動態を示す化合物を見出すべく鋭意研究した結果、後述の一般式(I)で示される化合物が、EP受容体を強力に拮抗することを見出し、本発明を完成した。
【0025】
すなわち、本発明は、
〔1〕 一般式(I)
【0026】
【化5】
【0027】
(式中、
はCOOR、テトラゾール、SOH、SONH、SONHR8−1、CONHSO8−1、SONHCOR8−1、またはヒドロキサム酸を表し、
は水素原子、C1−4アルキル、またはベンジルを表し、
8−1は、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、C3−10炭素環、または3−10員複素環を表わし、各々の該C3−10炭素環および3−10員複素環は、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、C1−4アルコキシ、−O(C1−4ハロアルキル)、C1−4アルキルチオ、−S(C1−4ハロアルキル)、ハロゲン、またはニトリル(「−CN」を示す;以下同じ)で置換されていてもよく、
は、C1−5アルキレン、C2−5アルケニレン、またはC2−5アルキニレンを表し、
は、ハロゲン、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、C2−4アルケニル、C2−4アルキニル、−O(C1−4ハロアルキル)、−S(C1−4ハロアルキル)、−C(O)(C1−4アルキル)、−SO(C1−4アルキル)、−CONH(C1−4アルキル)、−CON(C1−4アルキル)、−NHC(O)(C1−4アルキル)、−N(C1−4アルキル)C(O)(C1−4アルキル)、−NHSO(C1−4アルキル)、−N(C1−4アルキル)SO(C1−4アルキル)、−SONH(C1−4アルキル)、−SON(C1−4アルキル)、−NR1717、ニトロ、ニトリル、水酸基、アルデヒド、またはカルボキシルを表し、各々の該C1−4アルキルはハロゲンで置換されていてもよく、
該Rにおける(C1−4アルキル)とは、独立した2個のC1−4アルキルを表わし、それぞれのC1−4アルキルは同一でも異なっていてもよく、
はCRまたは窒素原子を表し、Rは水素原子またはRを表し、
はCRまたは窒素原子を表し、Rは、水素原子、R、または−L−Rを表し、Lは、メチレン、酸素原子、または酸化されていてもよい硫黄原子を表し、Rは、ハロゲン、C1−4アルキル、およびC1−4ハロアルキルからなる群より選択される置換基で置換されていてもよい4−10員複素環を表し、
は、−CHCH−、−CH=CH−、−CHO−、−OCH−、−CHS−、−SCH−、−CHS(O)−、−S(O)CH−、−CHSO−、−SOCH−、−CHNH−、−NHCH−、−NHCO−、−CONH−、−NHSO−、または−SONH−を表し、
はC1−4アルキルまたはハロゲンを表し、
は、ハロゲン、C1−4アルキル、またはC1−4ハロアルキルを表し、
は、メチレン、酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、またはNR10を表し、R10は、C1−4アルキル、−C(O)(C1−4アルキル)、−C(O)O(C1−4アルキル)、または−SO(C1−4アルキル)を表し、各々の該C1−4アルキルはハロゲンで置換されていてもよく、
ringはベンゼン環または5−6員単環式芳香族複素環を表し、
【0028】
【化6】
【0029】
は単結合または二重結合を表し、
は、(1)ハロゲン、(2)C1−4アルキル、(3)カルボキシル、(4)ニトリル、(5)−CONHR11、(6)−C(O)R12、(7)−OR14、(8)−S(O)15、(9)−CH16、(10)−NR1717、(11)−NHCOR11、(12)C4−10炭素環、または(13)4−10員複素環を表し、該C4−10炭素環または4−10員複素環は1〜3個のR18で置換されていてもよく、該R18が複数である場合、R18はそれぞれ独立して同一でも異なっていてもよく、
11は、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、フェニル、または4−6員複素環を表し、R11は1〜3個のR13で置換されていてもよく、該R13が複数である場合、R13はそれぞれ独立して同一でも異なっていてもよく、
13は、ハロゲン、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルコキシ、水酸基、−NR2021、ベンゼン、または4−6員複素環を表し、
20およびR21は、それぞれ独立して、水素原子またはC1−4アルキルを表し、
12は、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、ベンゼン、または4−6員複素環を表し、該C3−6シクロアルキル、ベンゼン、または4−6員複素環は、それぞれ独立して、ハロゲン、C1−4アルキル、またはC1−4アルコキシで置換されていてもよく、
14は、水素原子、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、ベンゼン、またはベンジルを表し、該C1−6アルキルは1〜3個のR19で置換されていてもよく、該R19が複数である場合、R19はそれぞれ独立して同一でも異なっていてもよく、
19は、C1−4アルコキシ、−CONH(C1−4アルキル)、−CON(C1−4アルキル)、またはC1−4アルキルおよびC1−4ハロアルキルからなる群より選択される置換基で置換されていてもよい5−6員単環式芳香族複素環を表し、
該R19における(C1−4アルキル)とは、独立した2個のC1−4アルキルを表わし、それぞれのC1−4アルキルは同一でも異なっていてもよく、
15は、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、ベンゼン、またはベンジルを表し、
16は水酸基またはC1−4アルコキシを表し、
17は、それぞれ独立して、水素原子、C1−6アルキル、またはC3−6シクロアルキルを表し、
18は、ハロゲン、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルコキシ、オキソ、ニトリル、水酸基、ヒドロキシメチル、1−メチル−1−ヒドロキシエチル、(C1−4アルキル)SO−、4−6員複素環、(C1−4アルキル)NH−、または(C1−4アルキル)N−を表し、
該R18における(C1−4アルキル)とは、独立した2個のC1−4アルキルを表わし、それぞれのC1−4アルキルは同一でも異なっていてもよく、
mは1〜4の整数を表し、nは0〜4の整数を表し、pは0〜2の整数を表し、qは0〜6の整数を表し、rは0〜6の整数を表し、sは0〜4の整数を表し、tは0〜2の整数を表し、
ただし、p、q、r、およびsがそれぞれ2以上の整数を表す場合、R、R、R、およびRは、それぞれ独立して、同一でも異なっていてもよい。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ。
〔2〕 一般式(I−1)
【0030】
【化7】
【0031】
(式中、naは0〜1の整数を表し、qaは0〜3の整数を表し、raは0〜4の整数を表し、X3aは、メチレンまたは酸素原子を表し、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される前記〔1〕記載の化合物。
〔3〕 少なくとも一つのRが−CONHR11である、前記〔1〕または〔2〕記載の化合物。
〔4〕 Lが−NHCO−または−CONH−である、前記〔1〕から〔3〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔5〕 一般式(I−2)
【0032】
【化8】
【0033】
(式中、R2aはハロゲンを表し、R6aは水素原子またはハロゲンを表し、その他の記号は前記〔1〕および〔2〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される前記〔1〕から〔4〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔6〕
(1) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(メチルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(2) 4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(シクロプロピルメチル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸、
(3) 4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(2−メトキシエチル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸、
(4) 4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(2−メチル−2−プロパニル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸、
(5) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−{[(2S)−1−メトキシ−2−プロパニル]カルバモイル}−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(6) 4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸、
(7) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(シクロプロピルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(8) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(イソプロピルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(9) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(シクロペンチルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(10) 4−{2−[({(2’R,4S)−6−[(2S)−2−ブタニルカルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]−4−シアノフェニル}ブタン酸、
(11) 4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(トランス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸、
(12) 4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(シス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸、
(13) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(2−ピリジニルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(14) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(3−ピリダジニルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(15) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(シクロブチルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(16) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−{[1−(2−メチル−2−プロパニル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルバモイル}−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(17) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(18) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(プロピルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(19) 4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(2−エトキシエチル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸、または
(20) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(エチルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(21) 4−[4−シアノ−2−({[(1R,2R)−6’−(メチルカルバモイル)−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−2−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(22) 4−{4−シアノ−2−[({(1R,2R)−6’−[(2−メトキシエチル)カルバモイル]−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−2−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸、
(23) 4−{4−シアノ−2−[({(1R,2R)−6’−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)カルバモイル]−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−2−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸、
(24) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−7−フルオロ−6−(メチルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(25) 4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−7−フルオロ−6−[(2−メトキシエチル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸、(26) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−7−フルオロ−6−(イソプロピルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(27) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−7−(メチルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(28) 4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−7−[(2−メトキシエチル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸、
(29) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−7−メトキシ−6−(メチルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(30) 4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−7−メトキシ−6−[(2−メトキシエチル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸、
(31) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,3S)−5−(メチルカルバモイル)スピロ[1−ベンゾフラン−3,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(32) 4−{4−シアノ−2−[({(2’R,3S)−5−[(2−メトキシエチル)カルバモイル]スピロ[1−ベンゾフラン−3,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸、
(33) 4−[4−シアノ−2−({[(1S,2R)−6’−[(2−メトキシエチル)カルバモイル]−3’,3’−ジメチル−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−2−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、または
(34) 4−[4−シアノ−2−({[(1S,2R)−3’,3’−ジメチル−6’−(メチルカルバモイル)−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−2−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸である前記〔1〕記載の化合物。
〔7〕 少なくとも一つのRが1〜3個のR18で置換されていてもよい、C4−10炭素環または4−10員複素環であって、該R18が複数である場合、R18はそれぞれ独立して同一でも異なっていてもよい前記〔1〕または〔2〕記載の化合物。
〔8〕 Lが−NHCO−または−CONH−である、前記〔7〕記載の化合物。
〔9〕 一般式(I−3)
【0034】
【化9】
【0035】
(式中、R5aは1〜3個のR18で置換されていてもよい、C4−10炭素環または4−10員複素環であって、該R18が複数である場合、R18はそれぞれ独立して同一でも異なっていてもよく、その他の記号は前記〔1〕、〔2〕、および〔5〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される前記〔1〕、〔2〕、〔7〕、および〔8〕のいずれか一項に記載の化合物。
〔10〕
(1) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(2) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(5−シクロプロピル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(3) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(4) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(3−ピリジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(5) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(1H−ピラゾール−1−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(6) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(1H−ピラゾール−5−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(7) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(4−ピリダジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(8) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(2−オキソ−1−ピロリジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(9) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(6−メトキシ−3−ピリジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(10) 4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[6−(1H−ピラゾール−1−イル)−3−ピリジニル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸、
(11) 4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[6−(ジメチルアミノ)−3−ピリジニル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸、
(12) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(6−メチル−3−ピリジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(13) 4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[6−(メチルアミノ)−3−ピリジニル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸、
(14) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(2−ピリジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(15) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(1,3−チアゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(16) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(1,3−オキサゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(17) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(18) 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(3−ピリダジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、
(19)4−[4−シアノ−2−({[(2’R,3S)−5−(3−ピリジニル)スピロ[1−ベンゾフラン−3,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸、または
(20)4−[4−シアノ−2−({[(1S,2R)−3’,3’−ジメチル−6’−(3−ピリジニル)−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−2−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸である前記〔1〕記載の化合物。
〔11〕 前記〔1〕記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグを有効成分として含有してなる医薬組成物。
〔12〕 EP受容体拮抗剤である前記〔11〕記載の組成物。
〔13〕 EP受容体の活性化に起因する疾患の予防および/または治療剤である前記〔11〕記載の組成物。
〔14〕 EP受容体の活性化に起因する疾患が、骨疾患、がん、全身性肉芽腫、免疫疾患、歯槽膿漏、歯肉炎、歯周病、川崎病、多臓器不全、慢性頭痛、疼痛、血管炎、静脈不全、静脈瘤、動脈瘤、大動脈瘤、痔瘻、尿崩症、新生児動脈管開存症、または胆石症である前記〔13〕記載の組成物。
〔15〕 がんが、乳がん、卵巣がん、大腸がん、肺がん、前立腺がん、頭頸部がん、リンパ腫、ぶどう膜悪性黒色腫、胸腺腫、中皮腫、食道がん、胃がん、十二指腸がん、肝細胞がん、胆管がん、胆のうがん、膵臓がん、腎細胞がん、腎盂・尿管がん、膀胱がん、陰茎がん、精巣がん、子宮がん、膣がん、外陰がん、皮膚がん、悪性骨腫瘍、軟部肉腫、軟骨肉腫、白血病、骨髄異形成症候群、または多発性骨髄腫である前記〔14〕記載の組成物。
〔16〕 前記〔1〕記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグと、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、植物性製剤、ホルモン剤、白金化合物、トポイソメラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤、抗CD20抗体、抗HER2抗体、抗EGFR抗体、抗VEGF抗体、プロテアソーム阻害剤、HDAC阻害剤、および免疫調整薬から選ばれる少なくとも1種以上と組み合わせてなる医薬。
〔17〕 前記〔1〕記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグと、HMG−CoA還元酵素阻害剤、降圧剤、およびテトラサイクリン系抗生物質から選ばれる少なくとも1種以上と組み合わせてなる医薬。
〔18〕 前記〔1〕記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグと、N型カルシウムチャネル阻害剤、一酸化窒素合成酵素(NOS)阻害剤、およびカンナビノイド−2受容体刺激剤から選ばれる少なくとも1種以上と組み合わせてなる医薬。
〔19〕 前記〔1〕記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグの有効量を、EP受容体の活性化に起因する疾患の予防および/または治療を必要とする患者に投与することを特徴とする、EP受容体の活性化に起因する疾患の予防および/または治療方法。
〔20〕 EP受容体の活性化に起因する疾患の予防および/または治療のための、前記〔1〕記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグ。
〔21〕 EP受容体の活性化に起因する疾患の予防および/または治療剤を製造するための前記〔1〕記載の一般式(I)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、またはその溶媒和物の使用に関する。
【発明の効果】
【0036】
本発明化合物は、EP受容体に対して強力な拮抗活性を有し、さらに良好な薬物動態を示すことから、EP受容体の活性化に起因する疾患の予防および/または治療薬となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】マウス大腸がん細胞株CT26の同種移植モデルにおける本発明化合物の抗腫瘍効果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0039】
本発明において、「C1−4アルキル」とは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、およびイソブチルである。
【0040】
本発明において、「C1−3アルキル」とは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、およびイソプロピルである。
【0041】
本発明において、「C1−5アルキレン」とは、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、およびペンチレンである。
【0042】
本発明において、「C2−5アルケニレン」とは、例えば、エテニレン、1−プロぺニレン、2−プロぺニレン、1−ブテニレン、2−ブテニレン、3−ブテニレン、1−ペンテニレン、2−ペンテニレン、3−ペンテニレン、および4−ペンテニレンなどである。
【0043】
本発明において、「C2−5アルキニレン」とは、例えば、エチニレン、1−プロピニレン、2−プロピニレン、1−ブチニレン、2−ブチニレン、3−ブチニレン、1−ペンチニレン、2−ペンチニレン、3−ペンチニレン、および4−ペンチニレンなどである。
【0044】
本発明において、「ハロゲン」とは、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素である。
【0045】
本発明において、「C1−4アルコキシ」とは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、1−メチルプロポキシ、tert−ブトキシ、イソブトキシなどである。
【0046】
本発明において、「C1−4アルキルチオ」とは、例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、1−メチルプロピルチオ、tert−ブチルチオ、イソブチルチオなどである。
【0047】
本発明において、「C2−4アルケニル」とは、例えば、エテニル、1−プロぺニル、2−プロぺニル、1−ブテニル、2−ブテニル、および3−ブテニルなどである。
【0048】
本発明において、「C2−4アルキニル」とは、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、および3−ブチニルなどである。
【0049】
本発明において、「C1−4ハロアルキル」とは、ハロゲンで置換されたC1−4アルキルを示し、例えば、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、1−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、1,2−ジフルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,2,2−トリフルオロエチル、1,1,2−トリフルオロエチル、1,2,2,2−テトラフルオロエチル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、1,2−ジブロモ−1,2,2−トリフルオロエチル、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエチル、3−フルオロプロピル、3−クロロプロピル、2−フルオロプロピル、2−クロロプロピル、1−フルオロプロピル、1−クロロプロピル、3,3−ジフルオロプロピル、2,3−ジフルオロプロピル、1,3−ジフルオロプロピル、1,2−ジフルオロプロピル、2,2−ジフルオロプロピル、1,1−ジフルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、2,3,3−トリフルオロプロピル、1,3,3−トリフルオロプロピル、1,2,2−トリフルオロプロピル、1,1,2−トリフルオロプロピル、1,1,3−トリフルオロプロピル、1,1,2,2−テトラフルオロプロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、4−フルオロブチル、4−クロロブチル、3−フルオロブチル、3−クロロブチル、2−フルオロブチル、2−クロロブチル、1−フルオロブチル、1−クロロブチル、3,3−ジフルオロブチル、2,3−ジフルオロブチル、1,3−ジフルオロブチル、1,2−ジフルオロブチル、2,2−ジフルオロブチル、1,1−ジフルオロブチル、3,3,3−トリフルオロブチル、2,3,3−トリフルオロブチル、1,3,3−トリフルオロブチル、1,2,2−トリフルオロブチル、1,1,2−トリフルオロブチル、1,1,3−トリフルオロブチル、1,1,2,2−テトラフルオロブチル、および2,2,3,3,3−ペンタフルオロブチルなどである。
【0050】
本発明において、「酸化されていてもよい硫黄」とは、硫黄(S)、スルホキシド(S(O))、およびスルホン(SO)を示す。
【0051】
本発明において、「4−10員複素環」とは、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む、4−10員の単環または二環式複素環を意味し、例えば、オキセタン、アゼチジン、ピロリジン、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピぺリジン、ピぺラジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、アゼピン、ジアゼピン、フラン、ピラン、オキセピン、チオフェン、チオピラン、チエピン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアジアゾール、チアジン、チアジアジン、チアゼピン、チアジアゼピン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノリジン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾジオキソ−ル、ベンゾオキサチオール、クロメン、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、パーヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、パーヒドロジアゼピン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、パーヒドロオキセピン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン、パーヒドロチエピン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、パーヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロトリアゾロピラジン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、インドリン、イソインドリン、ジヒドロベンゾフラン、パーヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、パーヒドロイソベンゾフラン、ジヒドロベンゾチオフェン、パーヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロイソベンゾチオフェン、パーヒドロイソベンゾチオフェン、ジヒドロインダゾール、パーヒドロインダゾール、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、パーヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、パーヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、テトラヒドロフタラジン、パーヒドロフタラジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、パーヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノキサリン、ジヒドロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、パーヒドロキナゾリン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリン、パーヒドロシンノリン、ベンゾオキサチアン、ジヒドロベンゾオキサジン、ジヒドロベンゾチアジン、ピラジノモルホリン、ジヒドロベンゾオキサゾール、パーヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、ジヒドロベンゾイミダゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール、ジオキソラン、ジオキサン、ジオキサインダン、ベンゾジオキサン、チオクロマン、ジヒドロベンゾジオキシン、ジヒドロベンゾオキサチイン、クロマン、ピラゾロピリミジン、イミダゾピリダジン、イミダゾピリジン、イミダゾピリミジン、ピロロピリジン、ピロロピリミジン、ピロロピリダジン、イミダゾピラジン、ピラゾロピリジン、ピラゾロピリミジン、トリアゾロピリジン、およびジヒドロピリドオキサジン環などである。
【0052】
本発明において、「3−10員複素環」とは、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む、3−10員の単環または二環式複素環を意味し、例えば、アジリジン、オキシラン、チイラン、および前記「4−10員複素環」で記載した複素環などである。
【0053】
本発明において、「5−10員芳香族複素環」とは、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、5−10員の単環または二環式芳香族複素環を意味し、例えば、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、フラン、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、チアジアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドール、イソインドール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、インダゾール、プリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、キノリン、イソキノリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、およびシンノリン環などである。
【0054】
本発明において、「5−6員単環式芳香族複素環」とは、例えば、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、フラン、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、およびチアジアゾール環などである。
【0055】
本発明において、「C4−10炭素環」とは、C4〜10の単環または二環式炭素環を意味し、例えば、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン、ベンゼン、ペンタレン、パーヒドロペンタレン、アズレン、パーヒドロアズレン、インデン、パーヒドロインデン、インダン、ナフタレン、ジヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン、およびパーヒドロナフタレン環などである。
【0056】
本発明において、「C3−10炭素環」とは、C3〜10の単環または二環式炭素環を意味し、例えば、シクロプロパン、および前記「C4−10炭素環」で記載した炭素環などである。
【0057】
本発明において、「C1−6アルキル」とは、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1−メチル−1−エチルプロピル、2−メチル−2−エチルプロピル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、および1,1−ジメチルペンチルなどである。
【0058】
本発明において、「C3−6シクロアルキル」とは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルである。
【0059】
本発明において、「4−6員複素環」とは、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を含む、4−6員の単環式複素環を意味し、例えば、オキセタン、アゼチジン、ピロリジン、ピぺリジン、ピラジン、ピラン、チオピラン、オキサジン、オキサジアジン、チアジン、チアジアジン、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、フラン、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、およびチアジアゾール環などである。
【0060】
本発明において、Rとして好ましくはCOORである。
【0061】
本発明において、Rとして好ましくは水素原子またはC1−4アルキルであり、より好ましくは水素原子である。
【0062】
本発明において、R8−1として好ましくは、C1−4アルキル、ベンゼンまたはピリジンであり、該ベンゼンおよびピリジンはC1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、C1−4アルコキシ、−O(C1−4ハロアルキル)、C1−4アルキルチオ、−S(C1−4ハロアルキル)、ハロゲン、またはニトリルで置換されていてもよい。
【0063】
本発明において、Lとして好ましくはC1−5アルキレンまたはC2−5アルケニレンであり、より好ましくはC1−5アルキレンであり、特に好ましくはプロピレンである。
【0064】
本発明において、Rとして好ましくはフッ素である。
【0065】
本発明において、Xとして好ましくはCRである。
【0066】
本発明において、Rとして好ましくは水素原子またはフッ素であり、より好ましくは水素原子である。
【0067】
本発明において、Xとして好ましくはCRである。
【0068】
本発明において、Rとして好ましくはフッ素、ニトリル、−CH、または−ORであり、より好ましくはニトリルである。
【0069】
本発明において、Rとして好ましくはメチルまたはトリフルオロメチルで置換されていてもよい4−10員複素環であり、該4−10員複素環として好ましくは5−10員芳香族複素環であり、より好ましくは5−10員含窒素芳香族複素環(例えば、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、ピロロピリジン、ピロロピリミジン、ピロロピリダジン、イミダゾピリダジン、イミダゾピリジン、イミダゾピリミジン、イミダゾピラジン、ピラゾロピリジン、ピラゾロピリミジンなど)である。
【0070】
本発明において、Lとして好ましくは−CH=CH−、−NHCO−、−CONH−、−NHSO−、または−SONH−であり、より好ましくは−NHCO−または−CONH−であり、特に好ましくは−NHCO−である。
【0071】
本発明において、Rとして好ましくはフッ素である。
【0072】
本発明において、Rとして好ましくはメチル、エチル、またはトリフルオロメチルであり、より好ましくはメチルである。
【0073】
本発明において、Xとして好ましくはメチレンまたは酸素原子であり、より好ましくは酸素原子である。
【0074】
本発明において、R10として好ましくはメチル、エチル、メチルカルボニル、エチルカルボニル、メチルスルホニル、エチルスルホニル、またはtert−ブトキシカルボニルである。
【0075】
本発明において、ringとして好ましくはベンゼン、チオフェン、またはピラゾール環であり、より好ましくはベンゼン環である。
【0076】
本発明において、Rとして好ましくは−CONHR11、フッ素、メトキシ、ベンゼン環、または4−10員複素環であり、該4−10員複素環として好ましくはアゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、オキサゾリジン、オキサジアゾール、トリアゾール、チオフェン、フラン、ピラゾール、チアゾール、オキサゾール、イミダゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラゾロピリミジン、ピロロピリミジン、ピラゾロピリジン、ピロロピリジン、またはジヒドロピリドオキサジン環である。
【0077】
本発明において、R11として好ましくはC1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、ピラン、ピロリジン、ピペリジン、ピラゾール、チアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピリダジン、またはピリミジン環であり、より好ましくはC1−6アルキルである。
【0078】
本発明において、R13として好ましくは、ハロゲン、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−4アルコキシ、水酸基、−NR2021、ベンゼン、オキセタン、ピリジン、ピラゾール、またはオキサゾール環であり、より好ましくはフッ素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、シクロペンチル、シクロブタン、オキセタン、水酸基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ジメチルアミノ、ベンゼン、ピリジン、ピラゾール、またはオキサゾール環である。
【0079】
本発明において、R20として好ましくは水素原子またはメチルである。
【0080】
本発明において、R21として好ましくは水素原子またはメチルである。
【0081】
本発明において、R12として好ましくはC1−3アルキル、C3−6シクロアルキル、ベンゼン、または4−6員複素環である。該4−6員複素環として好ましくはオキセタン、アゼチジン、ピロリジン、ピぺリジン、ピラジン、ピラン、チオピラン、オキサジン、オキサジアジン、チアジン、チアジアジン、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、フラン、チオフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、またはチアジアゾール環である。該4−6員複素環はC1−4アルコキシで置換されていてもよい。
【0082】
本発明において、R14として好ましくは水素原子、メチル、エチル、ベンゼン、またはベンジルである。
【0083】
本発明において、R19として好ましくはメトキシ、−CONHCH、−CON(CH、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、またはピリジン環である。
【0084】
本発明において、R15として好ましくはメチル、シクロプロピル、またはベンゼンである。
【0085】
本発明において、R16として好ましくは水酸基である。
【0086】
本発明において、R17として好ましくはメチル、エチル、シクロプロピル、またはベンゼンであり、より好ましくはメチルである。
【0087】
本発明において、R18として好ましくはフッ素、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソブチル、シクロプロピル、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、オキソ、ニトリル、水酸基、ヒドロキシメチル、1−メチル−1−ヒドロキシエチル、メチルスルホニル、ピリジン、ジメチルアミノである。
【0088】
本発明において、mとして好ましくは1〜2の整数であり、より好ましくは1である。
【0089】
本発明において、nとして好ましくは0〜1の整数であり、より好ましくは1である。
【0090】
本発明において、pとして好ましくは0である。
【0091】
本発明において、qとして好ましくは0である。
【0092】
本発明において、rとして好ましくは0〜4の整数であり、より好ましくは0〜2の整数である。
【0093】
本発明において、sとして好ましくは0〜2の整数であり、より好ましくは1または2である。
【0094】
本発明において、tとして好ましくは0〜2の整数である。
【0095】
本発明において、X3aとして好ましくは酸素原子である。
【0096】
本発明において、naとして好ましくは0〜1の整数である。
【0097】
本発明において、qaとして好ましくは0である。
【0098】
本発明において、raとして好ましくは0〜2の整数である。
【0099】
本発明において、一般式(I)として好ましくは、前記のring、R、R、R、R、R、R、R、R、R8-1、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R21、L、L、L、X、X、X、X3a、m、n、na、p、q、qa、r、ra、s、およびtの各々の好ましい定義の組み合わせである。
【0100】
本発明において、一般式(I)で示される化合物として好ましくは、一般式(I−a)
【0101】
【化10】
【0102】
(式中、すべての記号は前記〔1〕および〔2〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグであり、より好ましくは一般式(I−1)
【0103】
【化11】
【0104】
(式中、すべての記号は前記〔1〕および〔2〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
【0105】
本発明において、一般式(I)で示される化合物の別の態様として、より好ましくは、一般式(I−b)
【0106】
【化12】
【0107】
(式中、すべての記号は前記〔1〕および〔2〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグであり、さらに好ましくは一般式(I−c)
【0108】
【化13】
【0109】
(式中、すべての記号は前記〔1〕および〔2〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグであり、なお好ましくは一般式(I−d)
【0110】
【化14】
【0111】
(式中、すべての記号は前記〔1〕および〔2〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグであり、さらになお好ましくは一般式(I−e)
【0112】
【化15】
【0113】
(式中、すべての記号は前記〔1〕および〔2〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグであり、特に好ましくは一般式(I−2)
【0114】
【化16】
【0115】
(式中、すべての記号は前記〔1〕、〔2〕、および〔5〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグであり、最も好ましくは一般式(I−4)
【0116】
【化17】
【0117】
(式中、すべての記号は前記〔1〕、〔2〕、および〔5〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
【0118】
本発明において、一般式(I)で示される化合物のさらなる別の態様として、より好ましくは、一般式(I−f)
【0119】
【化18】
【0120】
(式中、すべての記号は前記〔1〕、〔2〕、および〔9〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグであり、さらに好ましくは一般式(I−g)
【0121】
【化19】
【0122】
(式中、すべての記号は前記〔1〕、〔2〕、および〔9〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグであり、なお好ましくは一般式(I−h)
【0123】
【化20】
【0124】
(式中、すべての記号は前記〔1〕、〔2〕、および〔9〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグであり、さらになお好ましくは一般式(I−i)
【0125】
【化21】
【0126】
(式中、すべての記号は前記〔1〕、〔2〕、および〔9〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグであり、特に好ましくは一般式(I−3)
【0127】
【化22】
【0128】
(式中、すべての記号は前記〔1〕、〔2〕、および〔9〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグであり、最も好ましくは一般式(I−5)
【0129】
【化23】
【0130】
(式中、すべての記号は前記〔1〕、〔2〕、および〔9〕記載の記号と同じ意味を表す。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
【0131】
本発明において、上記の一般式(I−a)、一般式(I−b)、一般式(I−c)、一般式(I−d)、一般式(I−e)、一般式(I−f)、一般式(I−g)、一般式(I−h)、一般式(I−i)、および一般式(I−1)の群から選択される一般式において、それぞれ独立して、好ましくは、Lがプロピレンであり、Lが−CH=CH−、−NHCO−、−CONH−、−NHSO−、または−SONH−である。より好ましくは、Lがプロピレンであり、Lが−NHCO−または−CONH−である。さらに好ましくは、Lがプロピレンであり、Lが−NHCO−である。
【0132】
本発明において、上記の一般式(I−2)、一般式(I−3)、一般式(I−4)、および一般式(I−5)の群から選択される一般式において、それぞれ独立して、好ましくは、Lがプロピレンである。
【0133】
本発明において、一般式(I)の別の態様として最も好ましくは、後記の実施例1の本発明化合物、実施例2−1〜実施例2−47の本発明化合物、実施例3の本発明化合物、実施例4−1〜実施例4−3の本発明化合物、実施例5〜6の本発明化合物、実施例7−1〜実施例7−28の本発明化合物、実施例8〜9の本発明化合物、実施例10−1〜実施例10−12の本発明化合物、実施例11の本発明化合物、実施例12−1〜実施例12−3の本発明化合物、実施例13〜17の本発明化合物、実施例18−1〜実施例18−3の本発明化合物、実施例19の本発明化合物、実施例20−1〜実施例20−5の本発明化合物、実施例21〜22の本発明化合物、実施例23−1〜実施例23−2の本発明化合物、実施例24〜27の本発明化合物、実施例28−1〜実施例28−2の本発明化合物、実施例29〜30の本発明化合物、実施例31−1〜実施例31−2の本発明化合物、実施例32の本発明化合物、実施例33−1〜実施例33−5の本発明化合物、実施例34〜36の本発明化合物、実施例37−1〜実施例37−2の本発明化合物、実施例38−1〜実施例38−2の本発明化合物、もしくは実施例39の本発明化合物、その塩、そのN−オキシド体、その溶媒和物、またはそれらのプロドラッグである。
【0134】
本発明においては、特に指示しない限り異性体はこれをすべて包含する。例えば、アルキル基、アルコキシ基およびアルキレン基などには直鎖のものおよび分枝鎖のものが含まれる。さらに、二重結合、環、縮合環における異性体(E、Z、シス、トランス体)、不斉炭素の存在などによる異性体(R、S体、α、β体、エナンチオマー、ジアステレオマー)、旋光性を有する光学活性体(D、L、d、l体)、クロマトグラフ分離による極性体(高極性体、低極性体)、平衡化合物、回転異性体、これらの任意の割合の混合物、ラセミ混合物は、すべて本発明に含まれる。また、本発明においては、互変異性による異性体をもすべて包含する。
【0135】
本発明においては、特に断わらない限り、当業者にとって明らかなように記号
【0136】
【化24】
【0137】
は紙面の向こう側(すなわちα−配置)に結合していることを表し、
【0138】
【化25】
【0139】
は紙面の手前側(すなわちβ−配置)に結合していることを表し、
【0140】
【化26】
【0141】
は、α−配置とβ−配置の任意の混合物であることを表す。
[塩]
一般式(I)で示される化合物は、公知の方法で塩に変換される。
【0142】
塩としては薬学的に許容される塩が好ましい。
【0143】
塩は、水溶性のものが好ましい。
【0144】
薬学的に許容される塩としては、例えば、酸付加塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、またはアミン塩などが挙げられる。
【0145】
酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩のような無機酸塩、または酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、またはグルコン酸塩のような有機酸塩が挙げられる。
【0146】
アルカリ金属塩としては、例えば、カリウムおよびナトリウムなどが挙げられる。
【0147】
アルカリ土類金属塩としては、例えば、カルシウムおよびマグネシウムなどが挙げられる。
【0148】
アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムなどが挙げられる。
【0149】
アミン塩としては、例えば、トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、リジン、アルギニン、およびN−メチル−D−グルカミンなどが挙げられる。
【0150】
また、本発明化合物は、任意の方法でN−オキシド体にすることができる。N−オキシド体とは、一般式(I)で示される化合物の窒素原子が、酸化されたものを表す。
【0151】
一般式(I)で示される化合物およびその塩は、溶媒和物に変換することもできる。
【0152】
溶媒和物は非毒性かつ水溶性であることが好ましい。適当な溶媒和物としては、例えば、水、またはアルコール系の溶媒(例えば、エタノールなど)のような溶媒和物が挙げられる。
[プロドラッグ]
一般式(I)で示される化合物のプロドラッグとは、生体内において酵素や胃酸などによる反応により一般式(I)で示される化合物に変換される化合物をいう。一般式(I)で示される化合物のプロドラッグとしては、例えば、一般式(I)で示される化合物がアミノ基を有する場合、該アミノ基がアシル化、アルキル化、リン酸化された化合物(例えば、一般式(I)で示される化合物のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、アセトキシメチル化、tert−ブチル化された化合物など);一般式(I)で示される化合物が水酸基を有する場合、該水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化された化合物(例えば、一般式(I)で示される化合物の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物など)が挙げられ;一般式(I)で示される化合物がカルボキシ基を有する場合、該カルボキシ基がエステル化、アミド化された化合物(例えば、一般式(I)で示される化合物のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、1−{(エトキシカルボニル)オキシ}エチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、1−{[(シクロヘキシルオキシ)カルボニル]オキシ}エチルエステル化、メチルアミド化された化合物など)などが挙げられる。これらの化合物はそれ自体公知の方法によって製造することができる。また、一般式(I)で示される化合物のプロドラッグは水和物および非水和物のいずれであってもよい。また、一般式(I)で示される化合物のプロドラッグは、廣川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻「分子設計」163〜198頁に記載されているような、生理的条件で一般式(I)で示される化合物に変化するものであってもよい。
【0153】
さらに、一般式(I)で示される化合物を構成する各原子は、その同位元素(例えば、H、H、13C、14C、15N、16N、17O、18O、18F、35S、36Cl、77Br、125Iなど)などで置換されていてもよい。
[本発明化合物の製造方法]
一般式(I)で示される本発明化合物は、公知の方法、例えば以下に示す方法、これらに準ずる方法または実施例に示す方法に従って製造することができる。なお、以下の各製造方法において、原料化合物は塩として用いてよい。このような塩としては、一般式(I)で示される本発明化合物の薬学的に許容される塩として記載されたものが用いられる。
【0154】
一般式(I)で示される本発明化合物において、Lが−NHCO−である一般式(IVa)で示される本発明化合物、またはLが−CONH−である一般式(IVb)で示される本発明化合物は、それぞれ下記の反応工程式(Ia)または反応工程式(Ib)に示す方法で製造することができる。
【0155】
【化27】
【0156】
(式中、すべての記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)
または
【0157】
【化28】
【0158】
(式中、すべての記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)
すなわち、一般式(IVa)で示される本発明化合物は、一般式(IIa)で示される化合物および一般式(IIIa)で示される化合物をアミド化反応に付すことで製造することができる。また、一般式(IVb)で示される本発明化合物は、一般式(IIb)で示される化合物および一般式(IIIb)で示される化合物をアミド化反応に付すことで製造することができる。
【0159】
アミド化反応は公知であり、例えば、
(1)酸ハライドを用いる方法、
(2)混合酸無水物を用いる方法、
(3)縮合剤を用いる方法などが挙げられる。
【0160】
これらの方法を具体的に説明すると、
(1)酸ハライドを用いる方法は、例えば、カルボン酸を有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど)中または無溶媒で、酸ハライド化剤(オキザリルクロライド、チオニルクロライドなど)と約−20℃〜還流温度で反応させ、得られた酸ハライドを塩基(ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下、アミンと有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど)中、約0〜40℃の温度で反応させることにより行なわれる。また、得られた酸ハライドを有機溶媒(ジオキサン、テトラヒドロフランなど)中、アルカリ水溶液(重曹水または水酸化ナトリウム溶液など)を用いて、アミンと約0〜40℃で反応させることにより行なうこともできる。
【0161】
(2)混合酸無水物を用いる方法は、例えば、カルボン酸を有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど)中または無溶媒で、塩基(ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジン、ジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下、酸ハライド(ピバロイルクロライド、トシルクロライド、メシルクロライドなど)、または酸誘導体(クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソブチルなど)と、約0〜40℃で反応させ、得られた混合酸無水物を有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど)中、アミンと約0〜40℃で反応させることにより行なわれる。
【0162】
(3)縮合剤を用いる方法は、例えば、カルボン酸とアミンを、有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど)中、または無溶媒で、塩基(ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジンなど)の存在下または非存在下、縮合剤(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−エチル−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド(EDC)、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)、2−クロロ−1−メチルピリジニウムヨウ素、1−プロピルホスホン酸環状無水物(1-propanephosphonic acid cyclic anhydride(T3P)など)を用い、1−ヒドロキシベンズトリアゾール(HOBt)を用いるか用いないで、約0℃〜還流で反応させることにより行なわれる。
【0163】
これら(1)、(2)および(3)の反応は、いずれも不活性ガス(アルゴン、窒素など)雰囲気下、無水条件で行なうことが望ましい。
【0164】
一般式(I)で示される本発明化合物において、Lが−NHSO−である一般式(IVc)で示される本発明化合物、またはLが−SONH−である一般式(IVd)で示される本発明化合物は、それぞれ下記の反応工程式(Ic)または反応工程式(Id)に示す方法で製造することができる。
【0165】
【化29】
【0166】
(式中、すべての記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)
または
【0167】
【化30】
【0168】
(式中、すべての記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)
すなわち、一般式(IVc)で示される本発明化合物は、一般式(IIc)で示される化合物および一般式(IIIc)で示される化合物をスルホンアミド化反応に付すことで製造することができる。また、一般式(IVd)で示される本発明化合物は、一般式(IId)で示される化合物および一般式(IIId)で示される化合物をスルホンアミド化反応に付すことで製造することができる。
【0169】
スルホンアミド化反応は公知であり、例えば、スルホン酸を有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル t−ブチル エーテルなど)中または無溶媒で、酸ハライド(オキザリルクロライド、チオニルクロライド、五塩化リン、三塩化リンなど)と−20℃〜還流温度で反応させ、得られたスルホニルハライドを塩基(ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、トリエチルアミン、ジメチルアニリン、ジメチルアミノピリジンなど)の存在下、有機溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなど)中、アミンと約0〜40℃で反応させることにより行なわれる。
【0170】
一般式(I)で示される本発明化合物において、Lが−NHCH−である一般式(IVe)で示される本発明化合物、またはLが−CHNH−である一般式(IVf)で示される本発明化合物は、それぞれ下記の反応工程式(Ie)または反応工程式(If)に示す方法で製造することができる。
【0171】
【化31】
【0172】
(式中、すべての記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)
または
【0173】
【化32】
【0174】
(式中、すべての記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)
すなわち、一般式(IVe)で示される本発明化合物は、一般式(IIe)で示される化合物および一般式(IIIe)で示される化合物を還元的アミノ化反応に付すことで製造することができる。また、一般式(IVf)で示される本発明化合物は、一般式(IIf)で示される化合物および一般式(IIIf)で示される化合物を還元的アミノ化反応に付すことで製造することができる。
【0175】
還元的アミノ化反応は公知であり、例えば、有機溶媒(ジクロロエタン、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、酢酸およびこれらの混合物など)中、還元剤(水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウムなど)の存在下、約0〜40℃の温度で行なわれる。
【0176】
一般式(I)で示される本発明化合物において、Lが−OCH−である一般式(IVg)で示される本発明化合物、またはLが−CHO−である一般式(IVh)で示される本発明化合物は、それぞれ下記の反応工程式(Ig)または反応工程式(Ih)に示す方法で製造することができる。
【0177】
【化33】
【0178】
(式中、Xgは、ハロゲン、トシラート、またはメシラートであり、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)
または
【0179】
【化34】
【0180】
(式中、Xhは、ハロゲン、トシラート、またはメシラートであり、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)
すなわち、一般式(IVg)で示される本発明化合物は、一般式(IIg)で示される化合物および一般式(IIIg)で示される化合物をエーテル化反応に付すことで製造することができる。また、一般式(IVh)で示される本発明化合物は、一般式(IIh)で示される化合物および一般式(IIIh)で示される化合物をエーテル化反応に付すことで製造することができる。
【0181】
このエーテル化反応は公知であり、例えば有機溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル t−ブチル エーテルなど)中、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなど)、アルカリ土類金属の水酸化物(水酸化バリウム、水酸化カルシウムなど)もしくは炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)またはその水溶液あるいはこれらの混合物の存在下、約0〜100℃で反応させることにより行なわれる。
【0182】
一般式(I)で示される本発明化合物において、Lが−SCH−である一般式(IVj)で示される本発明化合物、またはLが−CHS−である一般式(IVk)で示される本発明化合物は、それぞれ下記の反応工程式(Ij)または反応工程式(Ik)に示す方法で製造することができる。
【0183】
【化35】
【0184】
(式中、Xjは、ハロゲン、トシラート、またはメシラートであり、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)
または
【0185】
【化36】
【0186】
(式中、Xkは、ハロゲン、トシラート、またはメシラートであり、その他の記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)
すなわち、一般式(IVj)で示される本発明化合物は、一般式(IIj)で示される化合物および一般式(IIIj)で示される化合物をチオエーテル化反応に付すことで製造することができる。また、一般式(IVk)で示される本発明化合物は、一般式(IIk)で示される化合物および一般式(IIIk)で示される化合物をチオエーテル化反応に付すことで製造することができる。
【0187】
このチオエーテル化反応は公知であり、例えば有機溶媒(ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、クロロホルム、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、メチル t−ブチル エーテルなど)中、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなど)、アルカリ土類金属の水酸化物(水酸化バリウム、水酸化カルシウムなど)もしくは炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)またはその水溶液あるいはこれらの混合物の存在下、0〜100℃で反応させることにより行なわれる。
【0188】
一般式(I)で示される本発明化合物において、Lが−S(O)CH−または−SOCH−である本発明化合物は、上記の一般式(IVj)で示される本発明化合物の硫黄原子を適宜酸化反応に付すことで製造することができる。
【0189】
一般式(I)で示される本発明化合物において、Lが−CHS(O)−または−CHSO−である本発明化合物は、上記の一般式(IVk)で示される本発明化合物の硫黄原子を適宜酸化反応に付すことで製造することができる。
【0190】
この酸化反応(スルホキシド化反応:−SCH− → −S(O)CH−、または−CHS− → −CHS(O)−)は公知であり、例えば、有機溶媒(ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、ヘキサン、メタノール、t−ブチルアルコール、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、酢酸、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、水中またはこれらの混合溶媒中で、1〜1.2当量の酸化剤(過酸化水素、過ヨウ素酸ナトリウム、亜硝酸アシル、過ホウ酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、過酸(3−クロロ過安息香酸、過酢酸等)、オキソン(商品名、以下、オキソンと略記する;ポタシウムパーオキシモノスルフェート)、過マンガン酸カリウム、クロム酸、ジメチルジオキソランなど)の存在下、約−40〜0℃の温度で反応させることにより行なわれる。
【0191】
この酸化反応(スルホン化反応:−SCH− → −SOCH−、または−CHS− → −CHSO−)は公知であり、例えば、適当な有機溶媒(ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、ヘキサン、メタノール、t−ブチルアルコール、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、酢酸、N,N−ジメチルホルムアミドなど)中、水中またはこれらの混合溶媒中で、過剰の酸化剤(過酸化水素、過ヨウ素酸ナトリウム、亜硝酸アシル、過ホウ酸ナトリウム、次亜塩素酸ナトリウム、過酸(3−クロロ過安息香酸、過酢酸等)、オキソン(商品名;ポタシウムパーオキシモノスルフェート)、過マンガン酸カリウム、クロム酸、ジメチルジオキソランなど)の存在下、約20〜60℃の温度で反応させることにより行なわれる。
【0192】
一般式(I)で示される本発明化合物において、Lが−CH=CH−である一般式(IVm)で示される化合物は、下記の反応工程式(Im)に示す方法で製造することができる。
【0193】
【化37】
【0194】
(式中、すべての記号は前記〔1〕記載の記号と同じ意味を表す。)
すなわち、一般式(IVm)で示される本発明化合物は、一般式(IIIm)で示された化合物をビニル化反応に付すことで製造された一般式(Vm)で示された化合物および一般式(IIm)で示された化合物をHeck化反応に付すことで製造することができる。
【0195】
このビニル化反応は公知であり、例えば、一般式(IIIm)で示された化合物およびメチルトリフェニルホスホニウムブロミドを用いて、有機溶媒(例えば、アセトニトリル、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、トルエン、ベンゼン、またはこれらの有機溶媒を適宜混合した溶媒など)中、塩基(例えば、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、n−ブチルリチウム、tert−ブトキシカリウム、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エントリエチルアミン(DBU)など)存在下、約0℃〜120℃の温度で反応させることにより行なわれる。
【0196】
このHeck化反応は公知であり、例えば、有機溶媒(例えば、トルエン、ジエチルエーテル、ベンゼン、ジクロロベンゼン、ジメチルホルムアミド、またはこれらの有機溶媒を適宜混合した溶媒など)中、塩基(例えば、リン酸三カリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミンなど)および触媒(例えば、パラジウム触媒(例えば、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)など)、ニッケル触媒(例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(II)など)、コバルト触媒(例えば、塩化コバルトなど)、銅触媒(例えば、塩化銅など)亜鉛触媒(例えば、亜鉛など)、またはこれらの触媒を適宜混合した触媒など)存在下、さらにリン試薬(例えば、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(dppp)、PhP−(CH−PPhなど)存在下または非存在下、約0℃〜120℃の温度で反応させることにより行なわれる。
【0197】
一般式(I)で示される本発明化合物において、Lが−CHCH−である本発明化合物は、上記の一般式(IVm)で示される本発明化合物の「−CH=CH−」を適宜還元反応に付すことで製造することができる。
【0198】
この還元反応は公知であり、例えば、有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、メタノール、エタノール、ベンゼン、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、水、酢酸エチル、酢酸、またはこれらの有機溶媒を適宜混合した溶媒など)中、水素化触媒(パラジウム−炭素、パラジウム黒、パラジウム、水酸化パラジウム、二酸化白金、白金−炭素、ニッケル、ラネーニッケル、塩化ルテニウムなど)の存在下、酸(塩酸、硫酸、次亜塩素酸、ホウ酸、テトラフルオロホウ酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸など)の存在下または非存在下、常圧または加圧下の水素雰囲気下、ギ酸アンモニウム存在下またはヒドラジン存在下、約0〜200℃の温度で行なわれる。
【0199】
反応工程式(Ia)における一般式(IIIa)で示される化合物において、qが0であり、mが1である一般式(IIIaa)で示される化合物は、下記の反応工程式(Iaa)に示す方法で製造することができる。
【0200】
【化38】
【0201】
(式中、Raaは、C1−4アルキルであり、その他の記号は前記〔1〕および〔2〕記載の記号と同じ意味を表す。)
すなわち、一般式(IIIaa)で示される化合物は、一般式(Vaa)で示された化合物をビニル化反応に付すことで製造された一般式(VIaa)で示された化合物を環化反応、次いで加水分解反応に付すことで製造することができる。
【0202】
このビニル化反応は公知であり、例えば、一般式(Vaa)で示された化合物およびメチルトリフェニルホスホニウムブロミドを用いて、有機溶媒(例えば、アセトニトリル、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、トルエン、ベンゼン、またはこれらの有機溶媒を適宜混合した溶媒など)中、塩基(例えば、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、n−ブチルリチウム、tert−ブトキシカリウム、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エントリエチルアミン(DBU)など)存在下、約0℃〜120℃の温度で反応させることにより行なわれる。
【0203】
この環化反応は公知であり、例えば、一般式(VIaa)で示された化合物およびジアゾ化合物を用いて、有機溶媒(例えば、トルエン、ベンゼン、塩化メチレン、ジクロロエタン、メタノール、エタノール、ヘキサン、テトラヒドロフラン、水、またはこれらの有機溶媒を適宜混合した溶媒など)中、触媒(ルテニウム触媒(例えば、ジクロロ(シメン)ルテニウムダイマー([Ru(p−cymene)Cl)、RuCl(PPh、RuCl(Cp)(PPhなど)、ロジウム触媒(例えば、Rh(O−CO−hepty)、Rh(O−CO−tBu)、Rh(OAc)、Rh(O−Piv)、Rh((S)−PTTL)、Rh((S)−DOSP)、Rh(esp)、Rh((S)−NTTL)など)、銀触媒(例えば、テトラフルオロホウ酸銀(I)など)、銅触媒(例えば、CuOTf、Cu(OAc)、[Cu(MeCN)]PFなど)、スズ触媒(例えば、Sn(tpp)(OTf)など)、鉄触媒(例えば、[Fe(Cp)(CO)(thf)]BFなど)、コバルト触媒、2,6−ビス(4−イソプロピル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)ピリジン、2,6−ビス((S)−4−イソプロピル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)ピリジン、2,6−ビス((R)−4−イソプロピル−4,5−ジヒドロオキサゾール−2−イル)ピリジン)の存在下、約−78℃〜120℃の温度で反応させることにより行なわれる。なお、この環化反応において、公知の光学活性な不斉触媒を用いることで、光学活性な三環性スピロ化合物(一般式(VIIaa)で示される化合物の光学活性体)を製造することができる。
【0204】
この加水分解反応(カルボキシル基の脱保護反応)は公知であり、例えば、アルカリ加水分解などが挙げられる。アルカリ加水分解による脱保護反応は、例えば、有機溶媒(メタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)中、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなど)、アルカリ土類金属の水酸化物(水酸化バリウム、水酸化カルシウムなど)または炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)あるいはその水溶液もしくはこれらの混合物を用いて、0〜100℃の温度で行なわれる。
【0205】
反応工程式(Ib)における一般式(IIIb)で示される化合物、反応工程式(Id)における一般式(IIId)で示される化合物、または反応工程式(If)における一般式(IIIf)で示される化合物において、mが1の化合物は、上記の反応工程式(Iaa)における一般式(IIIaa)で示される化合物を公知の方法、例えば、「Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations 2nd Edition(Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999)」に記載された方法を用いて製造することができる。
【0206】
反応工程式(Ic)における一般式(IIIc)で示される化合物において、mが1の整数で示される化合物は、上記の反応工程式(Iaa)における一般式(IIIaa)で示される化合物を公知の方法、例えば、「Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations 2nd Edition(Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999)」に記載された方法を用いて製造することができる。
【0207】
反応工程式(Ie)における一般式(IIIe)で示される化合物または反応工程式(Im)における一般式(IIIm)で示される化合物において、mが1の化合物は、上記の反応工程式(Iaa)における一般式(IIIaa)で示される化合物を公知の方法、例えば、「Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations 2nd Edition(Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999)」に記載された方法を用いて、還元反応に付すことで製造することができる。
【0208】
反応工程式(Ig)における一般式(IIIg)で示される化合物または反応工程式(Ij)における一般式(IIIj)で示される化合物において、mが1の化合物は、上記の反応工程式(Iaa)における一般式(IIIaa)で示される化合物を公知の方法、例えば、「Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations 2nd Edition(Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999)」に記載された方法を用いて、カルボン酸を還元して1級アルコール誘導体とした後、該アルコール誘導体をハロゲン誘導体、トシラート誘導体、またはメシラート誘導体に変換することで製造することができる。
【0209】
反応工程式(Ih)における一般式(IIIh)で示される化合物において、mが1の化合物は、上記の反応工程式(Iaa)における一般式(IIIaa)で示される化合物を公知の方法、例えば、「Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations 2nd Edition(Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999)」または「テトラヘドロン・レター(Tetrahedron Letter)、第28巻、4489−4492ページ、1987年」に記載された方法を用いて製造することができる。
【0210】
反応工程式(Ik)における一般式(IIIk)で示される化合物において、mが1の化合物は、上記の反応工程式(Iaa)における一般式(IIIaa)で示される化合物を公知の方法、例えば、「Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations 2nd Edition(Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999)」または「テトラヘドロン・レター(Tetrahedron Letter)、第28巻、4489−4492ページ、1987年」に記載された方法を用いて、2級アルコール誘導体とした後、該アルコール誘導体をチオール誘導体に変換することで製造することができる。
【0211】
反応工程式中、出発原料として用いる一般式(IIIa)、一般式(IIIb)、一般式(IIIc)、一般式(IIId)、一般式(IIIe)、一般式(IIIf)、一般式(IIIg)、一般式(IIIh)、一般式(IIIj)、一般式(IIIk)、または一般式(IIIm)で示される化合物において、mが1であり、qが1〜3の整数である化合物、またはmが2〜4の整数であり、qが1〜6の整数である化合物は、公知であるか、あるいは公知の方法、例えば、「Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations 2nd Edition(Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999)」に記載された方法を用いることにより容易に製造することができる。
【0212】
反応工程式中、出発原料として用いる一般式(IIa)、(IIb)、(IIc)、(IId)、(IIe)、(IIf)、(IIg)、(IIh)、(IIj)、(IIk)、(IIm)、および(Vaa)で示される化合物は公知であるか、あるいは公知の方法、例えば、「Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations 2nd Edition(Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999)」に記載された方法を用いることにより容易に製造することができる。
【0213】
また、アミノ基、カルボキシル基、または水酸基を有する本発明化合物は、必要に応じて、これらの基に対して汎用される保護基、例えば、「Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations 2nd Edition(Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999)」に記載された保護基で保護された化合物を用いて、上記の反応工程式(Ia)もしくは(Ib)に記載されたアミド化反応、上記の反応工程式(Ic)もしくは(Id)に記載されたスルホンアミド化反応、上記の反応工程式(Ie)もしくは(If)に記載された還元的アミノ化反応、上記の反応工程式(Ig)もしくは(Ih)に記載されたエーテル化反応、上記の反応工程式(Ij)もしくは(Ik)に記載されたチオエーテル化反応、または上記の反応工程式(Im)に記載されたHeck反応までの反応を行った後または適切な反応工程の後、公知の脱保護反応、あるいは、例えば、「Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations 2nd Edition(Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999)」に記載された脱保護反応を行って製造することができる。
【0214】
一般式(I)で示される本発明化合物のうち、上記に示した以外の化合物については、本明細書中に記載された実施例、あるいは公知の方法、例えば、「Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations 2nd Edition (Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999)」に記載された方法を組み合わせて用いることで製造することができる。
【0215】
本発明化合物のうち、光学活性を有する化合物は、光学活性を有する出発原料または試薬を用いて製造するか、ラセミ体の製造中間体を光学分割し、次いで本発明化合物に導くか、あるいはラセミ体の本発明化合物を光学分割することで製造することもできる。
【0216】
この光学分割の方法は公知であり、例えば、他の光学活性な化合物と塩・錯体などを形成させ、再結晶を行った後、目的とする化合物を単離するか、あるいは直接キラルカラムなどを用いて分離する方法などが挙げられる。
【0217】
本明細書中の各反応において、加熱を伴う反応は、当業者にとって明らかなように、水浴、油浴、砂浴、またはマイクロウェーブを用いて行なうことができる。
【0218】
本明細書中の各反応において、適宜、高分子ポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリプロピレン、ポリエチレングリコールなど)に担持させた固相担持試薬を用いてもよい。
【0219】
本明細書中の各反応において、反応生成物は通常の精製手段、例えば、常圧下または減圧下における蒸留、シリカゲルまたはケイ酸マグネシウムを用いた高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、イオン交換樹脂、スカベンジャー樹脂あるいはカラムクロマトグラフィーまたは洗浄、再結晶などの方法により精製することができる。精製は各反応ごとに行なってもよいし、いくつかの反応終了後に行なってもよい。
[毒性]
本発明化合物の毒性は低いものであるため、医薬品として安全に使用することができる。
[医薬品への適用]
本発明の課題は、EP受容体に対して強力な拮抗活性を有し、良好な薬物動態を示す化合物を創製し、EP受容体の活性化に起因する疾患の予防および/または治療薬として有用である化合物を見出すことである。
【0220】
本発明化合物は、EP受容体に対して拮抗活性を示すため、EP受容体の活性化に起因する疾患、例えば、骨疾患、がん、全身性肉芽腫、免疫疾患、アレルギー性疾患、喘息、歯槽膿漏、歯肉炎、歯周病、アルツハイマー、川崎病、熱傷、多臓器不全、慢性頭痛、疼痛、血管炎、静脈不全、静脈瘤、動脈瘤、大動脈瘤、痔瘻、尿崩症、ストレス、子宮内膜症、子宮腺筋症、新生児動脈管開存症、胆石症などの予防および/または治療剤として有用である。
【0221】
より具体的には、骨疾患として、例えば、骨粗鬆症、関節リウマチ、変形性関節症、骨形成異常などが挙げられる。がんとして、例えば、乳がん、卵巣がん、大腸がん(例えば、結腸がんなど)、肺がん(例えば、非小細胞肺がんなど)、前立腺がん、頭頸部がん(例えば、口腔扁平上皮がん、頭頸部扁平上皮がん、咽頭がん、喉頭がん、舌がん、甲状腺がん、聴神経鞘腫など)、リンパ腫(例えば、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫など)、ぶどう膜悪性黒色腫、胸腺腫、中皮腫、食道がん、胃がん、十二指腸がん、肝細胞がん、胆管がん、胆のうがん、膵臓がん、腎細胞がん、腎盂・尿管がん、膀胱がん、陰茎がん、精巣がん、子宮がん、膣がん、外陰がん、皮膚がん(例えば、悪性黒色腫など)、悪性骨腫瘍、軟部肉腫、軟骨肉腫、白血病(例えば、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病など)、骨髄異形成症候群、または多発性骨髄腫などが挙げられる。免疫疾患として、例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、多発性硬化症、シェーグレン症候群、全身性エリトマトーデス、AIDSなどが挙げられる。アレルギー性疾患として、例えば、アレルギー性結膜炎、アレルギー性鼻炎、接触性皮膚炎、乾癬などが挙げられる。慢性頭痛として、例えば、片頭痛、緊張型頭痛またはそれらの混合型頭痛、または群発性頭痛などが挙げられる。
【0222】
本発明化合物は、
1)その化合物の予防および/または治療効果の補完および/または増強、
2)その化合物の動態・吸収改善、投与量の低減、および/または
3)その化合物の副作用の軽減のために他の薬剤と組み合わせて、併用剤として投与してもよい。
【0223】
本発明化合物と他の薬剤の併用剤は、1つの製剤中に両成分を配合した配合剤の形態で投与してもよく、また別々の製剤にして投与する形態をとってもよい。この別々の製剤にして投与する場合には、同時投与および時間差による投与が含まれる。また、時間差による投与は、本発明化合物を先に投与し、他の薬剤を後に投与してもよいし、他の薬剤を先に投与し、本発明化合物を後に投与してもよい。それぞれの投与方法は同じでも異なっていてもよい。
【0224】
上記併用剤により、予防および/または治療効果を奏する疾患は特に限定されず、本発明化合物の予防および/または治療効果を補完および/または増強する疾患であればよい。
【0225】
本発明化合物の大動脈瘤に対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬剤としては、例えば、HMG−CoA還元酵素阻害剤、降圧剤、およびテトラサイクリン系抗生物質などが挙げられる。
【0226】
HMG−CoA還元酵素阻害剤としては、例えば、プラバスタチン(ナトリウム)、シンバスタチン、フルバスタチン(ナトリウム)、セリバスタチン(ナトリウム)、イタバスタチン、アトルバスタチン(カルシウム水和物)、ロバスタチン、ピタバスタチン(カルシウム)などが挙げられる。
【0227】
降圧剤としては、例えば、カルシウム拮抗薬、アンギオテンシンII拮抗薬、アンギオテンシン変換酵素阻害薬、ホスホジエステラーゼ4阻害薬、利尿薬、プロスタグランジン類、アルドステロン拮抗薬、交感神経抑制薬などが挙げられる。
【0228】
カルシウム拮抗薬としては、例えば、ニフェジピン、塩酸ベニジピン、塩酸ジルチアゼム、塩酸ベラパミル、ニソルジピン、ニトレンジピン、塩酸ベプリジル、ベシル酸アムロジピン、塩酸ロメリジン、塩酸エホニジピンなどが挙げられる。
【0229】
アンギオテンシンII拮抗薬としては、例えば、ロサルタン(カリウム)、カンデサルタン(シレキセチル)、バルサルタン、イルベサルタン、オルメサルタン(メドキソミル)、テルミサルタンなどが挙げられる。
【0230】
アンギオテンシン変換酵素阻害薬としては、例えば、アラセプリル、塩酸イミダプリル、塩酸キナプリル、塩酸テモカプリル、塩酸デラプリル、塩酸ベナゼプリル、カプトプリル、トランドラプリル、ペリンドプリル、エルブミン、マレイン酸エナラプリル、リシノプリルなどが挙げられる。
【0231】
ホスホジエステラーゼ4阻害薬としては、例えば、シロミラスト、ロフルミラスト、アロフィリン、アチゾラム、シパムフィリン、ロリプラムなどが挙げられる。
【0232】
利尿薬としては、例えば、アセタゾラミド、アミノフィリン、イソソルビド、ジクロルフェナミド、スピロノラクトン、トリクロルメチアジド、フロセミド、マンニトール、メタゾラミド、メフルシドなどが挙げられる。
【0233】
アルドステロン拮抗薬としては、例えば、ドロスピレノン、メルチラポン、カンレノ酸カリウム、カンレノン、エプレレノンなどが挙げられる。
【0234】
テトラサイクリン系抗生物質としては、例えば、ドキシサイクリンなどが挙げられる。
【0235】
本発明化合物のがんに対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬剤としては、例えば、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、植物性製剤、ホルモン剤、白金化合物、トポイソメラーゼ阻害剤、キナーゼ阻害剤、抗CD20抗体、抗HER2抗体、抗EGFR抗体、抗VEGF抗体、プロテアソーム阻害剤、HDAC阻害剤、および免疫調整薬などが挙げられる。
【0236】
アルキル化剤としては、例えば、シクロホスファミド、イホスファミド、ダカルバジン、テモゾロミド、塩酸ニムスチン、ラニムスチン、ベンダムスチン、チオテパ、およびカルボコンなどが挙げられる。
【0237】
代謝拮抗剤としては、例えば、メトトレキサート、ペメトレキセド、フルオロウラシル、テガフール、テガフール・ウラシル、テガフール・ギメスタット・オタスタットカリウム、ドキシフルリジン、カペシタビン、シタラビン、塩酸ゲムシタビン、フルダラビン、ネララビン、カルモフール、および塩酸プロカルバジンなどが挙げられる。
【0238】
抗癌性抗生物質としては、例えば、マイトマイシンC、塩酸ドキソルビシン、塩酸アクラルビシン、塩酸ピラルビシン、エピルビシン、クロモマイシンA3、ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、およびテラルビシンなどが挙げられる。
【0239】
植物性製剤としては、例えば、塩酸イリノテカン、エトポシド、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンデシン、酒石酸ビノレルビン、ドセタキセル水和物、エリブリンメシル酸塩、およびパクリタキセルなどが挙げられる。
【0240】
ホルモン剤としては、例えば、リン酸エストラムスチンナトリウム、フルタミド、ビカルタミド、酢酸ゴセレリン、酢酸リュープロレリン、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェン、アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン、メピチオスタン、酢酸メドロキシプロゲステロン、エピチオスタノール、ホスフェストロール、塩酸ファドロゾール水和物、アビラテロン、フルベストラント、およびアミノグルテチミドなどが挙げられる。
【0241】
白金化合物としては、例えば、カルボプラチン、シスプラチン、ネダプラチン、およびオキサリプラチンなどが挙げられる。
【0242】
トポイソメラーゼ阻害剤の例としては、例えば、トポテカンおよびソブゾキサンなどが挙げられる。
【0243】
キナーゼ阻害剤としては、例えば、EGFR阻害剤であるエルロチニブ、ゲフィチニブ、アファチニブ、HER2阻害剤であるラパチニブ、BCR−ABL阻害剤であるイマチニブ、ALK阻害剤であるクリゾチニブ、マルチキナーゼ阻害剤であるレゴラフェニブ、およびダサチニブなどが挙げられる。
【0244】
抗CD20抗体としては、例えば、リツキシマブ、イブリツモマブ、イブリツモマブチウキセタン、およびオクレリズマブなどが挙げられる。
【0245】
抗HER2抗体としては、例えば、トラスツズマブ、トラスツズマブ・エムタンシン、およびペルツズマブなどが挙げられる。
【0246】
抗EGFR抗体としては、例えば、セツキシマブおよびパニツムマブなどが挙げられる。
【0247】
抗VEGF抗体としては、例えば、ベバシズマブなどが挙げられる。
【0248】
プロテアソーム阻害剤としては、例えば、ボルテゾミブなどが挙げられる。
【0249】
HDAC阻害剤としては、例えば、ボリノスタットなどが挙げられる。
【0250】
免疫調整薬としては、例えば、サリドマイド、レナリドミド、およびポマリドミドなどが挙げられる。
【0251】
本発明化合物の疼痛に対する予防および/または治療効果の補完および/または増強のための他の薬剤としては、例えば、N型カルシウムチャネル阻害剤、一酸化窒素合成酵素(NOS)阻害剤、およびカンナビノイド−2受容体刺激剤などが挙げられる。
【0252】
N型カルシウムチャネル阻害剤としては、例えば、シルニジピンなどが挙げられる。
【0253】
一酸化窒素合成酵素(NOS)阻害剤としては、例えば、D−アルギニンおよびN―モノメチル―L−アルギニンなどが挙げられる。
【0254】
本発明化合物と他の薬剤の質量比は特に限定されない。
【0255】
他の薬剤は、任意の2種以上を組み合わせて投与してもよい。
【0256】
また、本発明化合物の予防および/または治療効果を補完および/または増強する他の薬剤には、上記したメカニズムに基づいて、現在までに見出されているものだけでなく今後見出されるものも含まれる。
【0257】
本発明化合物を単剤として、あるいは本発明化合物と他の薬剤とを組み合わせた併用剤として、上記の疾患の予防および/または治療の目的に用いるには、有効成分である当該物質を、通常、各種の添加剤または溶媒などの薬学的に許容される担体とともに製剤化したうえで、全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与される。ここで、薬学的に許容される担体とは、一般的に医薬品の製剤に用いられる、有効成分以外の物質を意味する。薬学的に許容される担体は、その製剤の投与量において薬理作用を示さず、無害で、有効成分の治療効果を妨げないものが好ましい。また、薬学的に許容される担体は、有効成分および製剤の有用性を高める、製剤化を容易にする、品質の安定化を図る、または使用性を向上させるなどの目的で用いることもできる。具体的には、薬事日報社2000年刊「医薬品添加物事典」(日本医薬品添加剤協会編集)などに記載されているような物質を、適宜目的に応じて選択すればよい。
【0258】
投与に用いられる剤型としては、例えば、経口投与用製剤(例:錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、経口液剤、シロップ剤、経口ゼリー剤など)、口腔用製剤(例:口腔用錠剤、口腔用スプレー剤、口腔用半固形剤、含嗽剤など)、注射用製剤(例:注射剤など)、透析用製剤(例:透析用剤など)、吸入用製剤(例:吸入剤など)、眼科用製剤(例:点眼剤、眼軟膏剤など)、耳科用製剤(例:点耳剤など)、鼻科用製剤(例:点鼻剤など)、直腸用製剤(例:坐剤、直腸用半固形剤、腸注剤など)、腟用製剤(例:腟錠、腟用坐剤など)、および皮膚用製剤(例:外用固形剤、外用液剤、スプレー剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、貼付剤など)などが挙げられる。
【0259】
[経口投与用製剤]
経口投与用製剤には、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、経口液剤、シロップ剤、経口ゼリー剤などが含まれる。また、経口投与用製剤には、製剤からの有効成分の放出性を特に調節していない速崩性製剤と、固有の製剤設計および製法により放出性を目的にあわせて調節した、例えば、腸溶性製剤や徐放性製剤などの放出調節製剤がある。腸溶性製剤は、有効成分の胃内での分解を防ぐ、または有効成分の胃に対する刺激作用を低減させるなどの目的で、有効成分を胃内で放出せず、主として小腸内で放出するよう設計された製剤をいい、通常、酸不溶性の腸溶性基剤を用いて皮膜を施すことにより製造することができる。徐放性製剤は、投与回数の減少または副作用の低減を図るなどの目的で、製剤からの有効成分の放出速度、放出時間、放出部位を調節した製剤をいい、通常、適切な徐放化剤を用いることにより製造することができる。経口投与用製剤のうち、カプセル剤、顆粒剤、錠剤などでは、服用を容易にする、または有効成分の分解を防ぐなどの目的で、糖類または糖アルコール類、高分子化合物など適切なコーティング剤で剤皮を施すこともできる。
【0260】
(1)錠剤
錠剤は、経口的に投与される一定の形状を有する固形の製剤であり、素錠、フィルムコーティング錠、糖衣錠、多層錠、有核錠などの一般的に錠剤と称されるもののほか、口腔内速崩錠、チュアブル錠、発泡錠、分散錠、溶解錠などが含まれる。素錠を製造する際には、通常、下記の(a)、(b)、または(c)の手法:
(a)有効成分に賦形剤、結合剤、崩壊剤などの添加剤を加えて混和して均質とし、水または結合剤を含む溶液を用いて適切な方法で粒状とした後、滑沢剤などを加えて混和し、圧縮成形する;
(b)有効成分に賦形剤、結合剤、崩壊剤などの添加剤を加えて混和して均質としたものを、直接圧縮成形するか、または予め添加剤で製した顆粒に有効成分および滑沢剤などを加えて混和して均質とした後、圧縮成形する;
(c)有効成分に賦形剤、結合剤などの添加剤を加えて混和して均質とし、溶媒で湿潤させた練合物を一定の型に流し込んで成形した後、適切な方法で乾燥する;
が用いられる。フィルムコーティング錠は、通常、素錠に高分子化合物などの適切なコーティング剤で薄く剤皮を施すことにより製造することができる。糖衣錠は、通常、素錠に糖類または糖アルコールを含むコーティング剤で剤皮を施すことにより製造することができる。多層錠は、適切な方法により、組成の異なる粉粒体を層状に積み重ね、圧縮成形することにより製造することができる。有核錠は、内核錠を組成の異なる外層で覆うことにより製造することができる。また、錠剤は、公知の適切な手法を用いて腸溶錠または徐放錠とすることもできる。口腔内速崩錠、チュアブル錠、発泡錠、分散錠、および溶解錠は、添加剤の適切な選択により錠剤に独特の機能を付与したものであり、前記錠剤の製造手法に準じて製造することができる。なお、口腔内速崩錠とは、口腔内で速やかに溶解または崩壊させて服用できる錠剤を;チュアブル錠とは、咀嚼して服用する錠剤を;発泡錠とは、水中で急速に発泡しながら溶解または分散する錠剤を;分散錠とは、水に分散して服用する錠剤を;溶解錠とは、水に溶解して服用する錠剤をいう。発泡錠は、適切な酸性物質、炭酸塩、炭酸水素塩などを添加剤に用いることにより製造することができる。
【0261】
(2)カプセル剤
カプセル剤は、カプセルに充填またはカプセル基剤で被包成形した製剤であり、硬カプセル剤、軟カプセル剤などが含まれる。硬カプセル剤は、有効成分に賦形剤などの添加剤を加えて混和して均質としたもの、または適切な方法で粒状もしくは成形物としたものを、カプセルにそのまま、または軽く成形して充填することにより製造することができる。軟カプセル剤は、有効成分に添加剤を加えたものを、グリセリン、D−ソルビトールなどを加えて塑性を増したゼラチンなどの適切なカプセル基剤で、一定の形状に被包成形することにより製造することができる。カプセル剤は、公知の適切な手法を用いて腸溶性カプセル剤または徐放性カプセル剤とすることもでき、また、カプセル基剤に着色剤または保存剤などを加えることもできる。
【0262】
(3)顆粒剤
顆粒剤は、粒状に造粒した製剤であり、一般的に顆粒剤と称されるもののほか、発泡性顆粒剤なども含まれる。顆粒剤を製造する際には、通常、下記の(a)、(b)、または(c)の手法:
(a)粉末状の有効成分に賦形剤、結合剤、崩壊剤、またはその他の添加剤を加えて混和して均質にした後、適切な方法により粒状とする;
(b)予め粒状に製した有効成分に賦形剤などの添加剤を加えて混和し、均質とする;
(c)予め粒状に製した有効成分に賦形剤などの添加剤を加えて混和し、適切な方法により粒状とする;
が用いられる。顆粒剤には、必要に応じて剤皮を施すこともでき、また、公知の適切な手法を用いて腸溶性顆粒剤または徐放性顆粒剤とすることもできる。発泡顆粒剤は、適切な酸性物質、炭酸塩、炭酸水素塩などを添加剤に用いることにより製造することができる。なお、発泡顆粒剤とは、水中で急速に発泡しながら溶解または分散する顆粒剤をいう。顆粒剤は、粒子の大きさを調節することにより、細粒剤とすることもできる。
【0263】
(4)散剤
散剤は、粉末状の製剤であり、通常、有効成分に賦形剤またはその他の添加剤を加えて混和し、均質とすることにより製造することができる。
【0264】
(5)経口液剤
経口液剤は、液状または流動性のある粘稠なゲル状の製剤であり、一般的に経口液剤と称されるもののほか、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、リモナーデ剤などが含まれる。経口液剤は、通常、有効成分に添加剤および精製水を加え、混和して均質に溶解、または乳化もしくは懸濁し、必要に応じて濾過することにより製造することができる。エリキシル剤とは、甘味および芳香のあるエタノールを含む澄明な液状の経口液剤をいい、通常、固形の有効成分またはその浸出液に、エタノール、精製水、着香剤、および白糖、その他の糖類、または甘味剤を加えて溶かし、濾過またはその他の方法によって澄明な液とすることにより製造することができる。懸濁剤とは、有効成分を微細均質に懸濁した経口液剤をいい、通常、固形の有効成分に懸濁化剤またはその他の添加剤と精製水または油を加え、適切な方法で懸濁し、全体を均質とすることにより製造することができる。乳剤とは、有効成分を微細均質に乳化した経口液剤をいい、通常、液状の有効成分に乳化剤と精製水を加え、適切な方法で乳化し、全体を均質とすることにより製造することができる。なお、リモナーデ剤とは、甘味および酸味のある澄明な液状の経口液剤をいう。
【0265】
(6)シロップ剤
シロップ剤は、糖類または甘味剤を含む粘稠性のある液状または固形の製剤であり、シロップ用剤などが含まれる。シロップ剤は、通常、白糖、その他の糖類、もしくは甘味剤の溶液、または単シロップに有効成分を加えて溶解、混和、懸濁、または乳化し、必要に応じて混液を煮沸した後、熱時濾過することにより製造することができる。シロップ用剤とは、水を加えるとシロップ剤となる顆粒状または粉末状の製剤をいい、ドライシロップ剤とも称されることがある。シロップ用剤は、通常、糖類または甘味剤を添加剤として用いて、前記顆粒剤または散剤の製造手法に準じて製造することができる。
【0266】
(7)経口ゼリー剤
経口ゼリー剤は、流動性のない成形したゲル状の製剤であり、通常、有効成分に添加剤および高分子ゲル基剤を加えて混和し、適切な方法でゲル化させ一定の形状に成形することにより製造することができる。
【0267】
[口腔用製剤]
(1)口腔用錠剤
口腔用錠剤は、口腔内に適用する一定の形状の固形の製剤であり、トローチ剤、舌下錠、バッカル錠、付着錠、ガム剤などが含まれる。口腔用錠剤は、通常、前記錠剤の製造手法に準じて製造することができる。なお、トローチ剤とは、口腔内で徐々に溶解または崩壊させ、口腔、咽頭などの局所に適用する口腔用錠剤を;舌下錠とは、有効成分を舌下で速やかに溶解させ、口腔粘膜から吸収させる口腔用錠剤を;バッカル錠とは、有効成分を臼歯と頬の間で徐々に溶解させ、口腔粘膜から吸収させる口腔用錠剤を;付着錠とは、口腔粘膜に付着させて用いる口腔用錠剤を;ガム剤とは、咀嚼により有効成分を放出する口腔用錠剤をいう。
【0268】
(2)口腔用スプレー剤
口腔用スプレー剤は、有効成分を霧状、粉末状、泡沫状、またはペースト状などとして噴霧する製剤であり、通常、溶剤などに有効成分および添加剤を溶解または懸濁させ、必要に応じて濾過した後、液化ガスまたは圧縮ガスと共に容器に充填するか、あるいは、有効成分および添加剤を用いて溶液または懸濁液を調製し、容器に充填後、スプレー用ポンプを装着することにより製造することができる。
【0269】
(3)口腔用半固形剤
口腔用半固形剤は、口腔粘膜に適用する製剤であり、クリーム剤、ゲル剤、軟膏剤などが含まれる。口腔用半固形剤は、通常、有効成分を添加剤と共に精製水およびワセリンなどの油性成分で乳化するか、または高分子ゲルもしくは油脂を基剤として有効成分および添加剤と共に混和して均質とすることにより製造することができる。クリーム剤とは、水中油型または油中水型に乳化した半固形の製剤をいい、油中水型に乳化した親油性の製剤については油性クリーム剤とも呼ばれることがある。クリーム剤は、通常、ワセリン、高級アルコールなどをそのまま、または乳化剤などの添加剤を加えて油相とし、別に、精製水をそのまま、または乳化剤などの添加剤を加えて水相とし、そのいずれかの相に有効成分を加えて、それぞれ加温し、油相および水相をあわせて全体が均質になるまでかき混ぜて乳化することにより製造することができる。ゲル剤とは、ゲル状の製剤をいい、水性ゲル剤、油性ゲル剤などが含まれる。水性ゲル剤は、有効成分に高分子化合物、その他の添加剤および精製水を加えて溶解または懸濁させ、加温および冷却、またはゲル化剤を加えて架橋させることにより製造することができる。油性ゲル剤は、有効成分にグリコール類、高級アルコールなどの液状の油性基剤およびその他の添加剤を加えて混和することにより製造することができる。軟膏剤とは、有効成分を基剤に溶解または分散させた半固形の製剤をいい、油脂性軟膏剤、水溶性軟膏剤などが含まれる。油脂性軟膏剤は、通常、油脂類、ろう類、パラフィンなどの炭化水素類などの油脂性基剤を加温して融解し、有効成分を加え、混和して溶解または分散させ、全体が均質になるまで混ぜて練り合わせることにより製造することができる。水溶性軟膏剤は、通常、マクロゴールなどの水溶性基剤を加温して融解し、有効成分を加え、全体が均質になるまで混ぜて練り合わせることにより製造することができる。
【0270】
(4)含嗽剤
含嗽剤は、口腔、咽頭などの局所に適用する液状の製剤であり、用時溶解して用いる固形の製剤なども含まれる。含嗽剤は、通常、有効成分に溶剤および添加剤を加えて混和して均質に溶解し、必要に応じて濾過することにより製造することができる。用時溶解して用いる固形の製剤の場合は、通常、前記錠剤または顆粒剤などの製造手法に準じて製造することができる。
【0271】
[注射用製剤]
(1)注射剤
注射剤は、皮下、筋肉内、または血管などの体内組織や器官に直接投与する、溶液、懸濁液、もしくは乳濁液、または用時溶解もしくは用時懸濁して用いる固形の無菌製剤であり、一般的に注射剤と称されるもののほか、凍結乾燥注射剤、粉末注射剤、充填済みシリンジ剤、カートリッジ剤、輸液剤、埋め込み注射剤、および持続性注射剤などが含まれる。注射剤を製造する際には、通常、下記の(a)または(b)の手法:
(a)有効成分をそのまま、または有効成分に添加剤を加えたものを注射用水、他の水性溶剤、または非水性溶剤などに溶解、懸濁、もしくは乳化して均質としたものを注射剤用の容器に充填して密封し、滅菌する;
(b)有効成分をそのまま、または有効成分に添加剤を加えたものを注射用水、他の水性溶剤、または非水性溶剤などに溶解、懸濁、もしくは乳化して均質としたものを無菌濾過するか、無菌的に調製して均質としたものを注射剤用の容器に充填して密封する;
が用いられる。凍結乾燥注射剤は、通常、有効成分をそのまま、または有効成分および賦形剤などの添加剤を注射用水に溶解し、無菌濾過し、注射剤用の容器に充填した後に凍結乾燥するか、または専用容器で凍結乾燥した後に直接の容器に充填することにより製造することができる。粉末注射剤は、通常、無菌濾過により処理した後、晶析により得た粉末またはその粉末に滅菌処理した添加剤を加えて注射剤用の容器に充填することにより製造することができる。充填済みシリンジ剤は、通常、有効成分をそのまま、または有効成分および添加剤を用いて溶液、懸濁液、または乳濁液を調製して注射筒に充填することにより製造することができる。カートリッジ剤とは、薬液が充填されたカートリッジを専用の注射器に入れて用いる注射剤をいい、薬液が充填されたカートリッジは、通常、有効成分をそのまま、または有効成分および添加剤を用いて溶液、懸濁液、または乳濁液を調製してカートリッジに充填することにより製造することができる。輸液剤とは、静脈内に投与される通常100mL以上の注射剤をいう。埋め込み注射剤とは、長期にわたる有効成分の放出を目的として、皮下、筋肉内などに埋め込み用の器具を用いて、または手術により適用する固形またはゲル状の注射をいう。埋め込み注射剤は、通常、生分解性高分子化合物を用い、ペレット、マイクロスフェア、またはゲル状にすることにより製造することができる。持続性注射剤とは、長期にわたる有効成分の放出を目的として、筋肉内などに適用する注射剤をいい、通常、有効成分を植物油などに溶解もしくは懸濁するか、または生分解性高分子化合物を用いたマイクロスフェアの懸濁液とすることにより製造することができる。
【0272】
[透析用製剤]
(1)透析用剤
透析用剤は、腹膜透析または血液透析に用いる液状もしくは用時溶解する固形の製剤であり、腹膜透析用剤、血液透析用剤が含まれる。腹膜透析用剤とは、腹膜透析に用いる無菌の透析用剤をいい、通常、有効成分に添加剤を加え、溶剤に溶解して一定容量としたもの、または有効成分に添加剤を加えたものを容器に充填し、密封し、必要に応じて滅菌処理を施すことにより製造することができる。用時溶解する固形の製剤の場合は、通常、前記錠剤または顆粒剤などの製造手法に準じて製造することができる。血液透析用剤とは、血液透析に用いる透析用剤をいい、通常、有効成分に添加剤を加え、溶剤に溶解して一定容量としたもの、または有効成分に添加剤を加えたものを容器に充填することにより製造することができる。用時溶解する固形の製剤の場合は、通常、前記錠剤または顆粒剤などの製造手法に準じて製造することができる。
【0273】
[吸入用製剤]
(1)吸入剤
吸入剤は、有効成分をエアゾールとして吸入し、気管支または肺に適用する製剤であり、粉末吸入剤、吸入液剤、吸入エアゾール剤などが含まれる。粉末吸入剤とは、吸入量が一定となるように調製された、固体粒子のエアゾールとして吸入する製剤をいい、通常、有効成分を微細な粒子とし、必要に応じて乳糖などの添加剤と混和して均質とすることにより製造することができる。吸入液剤とは、ネブライザなどにより適用する液状の吸入剤をいい、通常、有効成分に溶剤および適切な等張化剤、pH調節剤などを加え、混和して均質に溶解または懸濁し、必要に応じて濾過することにより製造することができる。吸入エアゾール剤とは、容器に充填した噴射剤と共に、一定量の有効成分を噴霧する定量噴霧式吸入剤をいう。吸入エアゾール剤は、通常、有効成分に溶剤および適切な分散剤、安定化剤などを加えて、溶液または懸濁液とし、液状の噴射剤と共に耐圧性の容器に充填し、定量バルブを装着することにより製造することができる。
【0274】
[眼科用製剤]
(1)点眼剤
点眼剤は、結膜嚢などの眼組織に適用する、液状、または用時溶解もしくは用時懸濁して用いる固形の無菌製剤である。点眼剤は、通常、有効成分に添加剤を加え、溶剤などに溶解もしくは懸濁して一定容量としたもの、または有効成分に添加剤を加えたものを容器に充填することにより製造することができる。
【0275】
(2)眼軟膏剤
眼軟膏剤は、結膜嚢などの眼組織に適用する半固形の無菌製剤であり、通常、ワセリンなどの基剤と有効成分の溶液または微細な粉末を混和して均質とし、容器に充填することにより製造することができる。
【0276】
[耳科用製剤]
(1)点耳剤
点耳剤は、外耳または中耳に投与する、液状、半固形、または用時溶解もしくは用時懸濁して用いる固形の製剤である。点耳剤は、通常、有効成分に添加剤を加え、溶剤などに溶解もしくは懸濁して一定容量としたもの、または有効成分に添加剤を加えたものを容器に充填することにより製造することができる。
【0277】
[鼻科用製剤]
(1)点鼻剤
点鼻剤は、鼻腔または鼻粘膜に投与する製剤であり、点鼻粉末剤、点鼻液剤などが含まれる。点鼻粉末剤とは、鼻腔に投与する微粉状の点鼻剤をいい、通常、有効成分を適度に微細な粒子とし、必要に応じて添加剤と混和して均質とすることにより製造することができる。点鼻液剤とは、鼻腔に投与する液状、または用時溶解もしくは用時懸濁して用いる固形の点鼻剤をいい、通常、有効成分に溶剤および添加剤などを加え、溶解または懸濁し、必要に応じて濾過することにより製造することができる。点鼻液剤の添加剤としては、等張化剤、pH調節剤などを用いることができる。
【0278】
[直腸用製剤]
(1)坐剤
坐剤は、直腸内に適用する、体温によって溶融するか、または水に徐々に溶解もしくは分散することにより有効成分を放出する一定の形状の半固形の製剤である。坐剤は、通常、有効成分に分散剤、乳化剤などの添加剤を加えて混和して均一としたものを、加熱するなどして液状化させた基剤中に溶解または均一に分散させ、容器に一定量充填し、固化/成形することにより製造することができる。坐剤の基剤としては、通常、油脂性基剤または親水性基剤が用いられる。
【0279】
(2)直腸用半固形剤
直腸用半固形剤は、肛門周囲または肛門内に適用する製剤であり、直腸用クリーム剤、直腸用ゲル剤、直腸用軟膏剤などが含まれる。直腸用半固形剤は、通常、有効成分を添加剤と共に精製水およびワセリンなどの油性成分で乳化するか、または高分子ゲルもしくは油脂を基剤として有効成分および添加剤と共に混和して均質とすることにより製造することができる。直腸用クリーム剤は、通常、ワセリン、高級アルコールなどをそのまま、または乳化剤などの添加剤を加えて油相とし、別に、精製水をそのまま、または乳化剤などの添加剤を加えて水相とし、そのいずれかの相に有効成分を加えて、それぞれ加温し、油相および水相をあわせて全体が均質になるまでかき混ぜて乳化することにより製造することができる。直腸用ゲル剤とは、ゲル状の製剤をいい、水性ゲル剤、油性ゲル剤などが含まれる。水性ゲル剤は、有効成分に高分子化合物、その他の添加剤および精製水を加えて溶解または懸濁させ、加温および冷却、またはゲル化剤を加えて架橋させることにより製造することができる。油性ゲル剤は、有効成分にグリコール類、高級アルコールなどの液状の油性基剤およびその他の添加剤を加えて混和することにより製造することができる。直腸用軟膏剤とは、有効成分を基剤に溶解または分散させた半固形の製剤をいい、油脂性軟膏剤、水溶性軟膏剤などが含まれる。油脂性軟膏剤は、通常、油脂類、ろう類、パラフィンなどの炭化水素類などの油脂性基剤を加温して融解し、有効成分を加え、混和して溶解または分散させ、全体が均質になるまで混ぜて練り合わせることにより製造することができる。水溶性軟膏剤は、通常、マクロゴールなどの水溶性基剤を加温して融解し、有効成分を加え、全体が均質になるまで混ぜて練り合わせることにより製造することができる。
【0280】
(3)注腸剤
腸注剤は、肛門を通して適用する液状または粘稠なゲル状の製剤であり、通常、精製水または適切な水性溶剤を用い、有効成分を溶剤などに溶解または懸濁して一定容量とし、容器に充填することにより製造することができる。腸注剤の添加剤としては、分散剤、安定化剤、pH調節剤などを用いることができる。
【0281】
[腟用製剤]
(1)腟錠
腟錠は、腟に適用する、水に徐々に溶解または分散することにより有効成分を放出する一定の形状の固形の製剤であり、通常、前記錠剤の製造手法に準じて製造することができる。
【0282】
(2)腟用坐剤
腟用坐剤は、腟に適用する、体温によって溶融するか、または水に徐々に溶解もしくは分散することにより有効成分を放出する一定の形状の半固形の製剤であり、通常、前記直腸用坐剤などの製造手法に準じて製造することができる。
【0283】
[皮膚用製剤]
(1)外用固形剤
外用固形剤は、頭皮を含む皮膚または爪に、塗布または散布する固形の製剤であり、外用散剤などが含まれる。外用散剤とは、粉末状の外用固形剤をいい、通常、有効成分に賦形剤などの添加剤を加えて混和して均質とした後、粉末状とすることにより製造することができる。
【0284】
(2)外用液剤
外用液剤は、頭皮を含む皮膚または爪に塗布する液状の製剤であり、リニメント剤、ローション剤などが含まれる。外用液剤は、通常、有効成分に溶剤、添加剤などを加え、溶解、乳化、または懸濁し、必要に応じて濾過することにより製造することができる。リニメント剤とは、皮膚にすり込んで用いる液状または泥状の外用液剤をいう。ローション剤とは、有効成分を水性の液に溶解または乳化もしくは微細に分散させた外用液剤をいい、通常、有効成分、添加剤、および精製水を用いて、溶液、懸濁液、または乳濁液として全体を均質とすることにより製造することができる。
【0285】
(3)スプレー剤
スプレー剤は、有効成分を霧状、粉末状、泡沫状、またはペースト状などとして皮膚に噴霧する製剤であり、外用エアゾール剤、ポンプスプレー剤などが含まれる。スプレー剤は、通常、有効成分の溶液または懸濁液を調製し、必要に応じて濾過した後、容器に充填することにより製造することができる。外用エアゾール剤とは、容器に充填した液化ガスまたは圧縮ガスと共に有効成分を噴霧するスプレー剤をいう。外用エアゾール剤は、通常、有効成分の溶液または懸濁液を調製し、液状の噴射剤と共に耐圧性の容器に充填し、連続噴射バルブを装着することにより製造することができる。外用エアゾール剤には、必要に応じて、分散剤、安定化剤などの添加剤を加えることもできる。ポンプスプレー剤とは、ポンプにより容器内の有効成分を噴霧するスプレー剤をいう。ポンプスプレー剤は、通常、有効成分および添加剤を溶解または懸濁し、充填後の容器にポンプを装着して製造することができる。
【0286】
(4)軟膏剤
軟膏剤は、皮膚に塗布する、有効成分を基剤に溶解または分散させた半固形の製剤であり、油脂性軟膏剤、水溶性軟膏剤などが含まれる。油脂性軟膏剤は、通常、油脂類、ろう類、パラフィンなどの炭化水素類などの油脂性基剤を加温して融解し、有効成分を加え、混和して溶解または分散させ、全体が均質になるまで混ぜて練り合わせることにより製造することができる。水溶性軟膏剤は、通常、マクロゴールなどの水溶性基剤を加温して融解し、有効成分を加え、全体が均質になるまで混ぜて練り合わせることにより製造することができる。
【0287】
(5)クリーム剤
クリーム剤は、皮膚に塗布する、水中油型または油中水型に乳化した半固形の製剤であり、油中水型に乳化した親油性の製剤については油性クリーム剤とも呼ばれることもある。クリーム剤は、通常、ワセリン、高級アルコールなどをそのまま、または乳化剤などの添加剤を加えて油相とし、別に、精製水をそのまま、または乳化剤などの添加剤を加えて水相とし、そのいずれかの相に有効成分を加えて、それぞれ加温し、油相および水相をあわせて全体が均質になるまでかき混ぜて乳化することにより製造することができる。
【0288】
(6)ゲル剤
ゲル剤は、皮膚に塗布するゲル状の製剤であり、水性ゲル剤、油性ゲル剤などが含まれる。水性ゲル剤は、有効成分に高分子化合物、その他の添加剤および精製水を加えて溶解または懸濁させ、加温および冷却、またはゲル化剤を加えて架橋させることにより製造することができる。油性ゲル剤は、有効成分にグリコール類、高級アルコールなどの液状の油性基剤およびその他の添加剤を加えて混和することにより製造することができる。
【0289】
(7)貼付剤
貼付剤は、皮膚に貼付する製剤であり、テープ剤、バップ剤などが含まれる。貼付剤は、通常、高分子化合物またはこれらの混合物を基剤とし、有効成分を基剤と混和し均質として、支持体またはライナー(剥離体)に展延して成形することにより製造することができる。また、放出調節膜を用いて経皮吸収型製剤とすることもできる。貼付剤には、必要に応じて、粘着剤や吸収促進剤などの添加剤を用いることもできる。テープ剤とは、ほとんど水を含まない基剤を用いる貼付剤をいい、プラスター剤、硬膏剤などが含まれる。テープ剤は、通常、樹脂、プラスチック、ゴムなどの非水溶性の天然または合成高分子化合物を基剤とし、有効成分をそのまま、または有効成分に添加剤を加え、全体を均質とし、布に展延またはプラスチック製フィルムなどに展延もしくは封入して成形することにより製造することができる。また、有効成分と基剤またはその他の添加剤からなる混合物を放出調節膜、支持体およびライナー(剥離体)でできた放出体に封入して成形することにより製造することもできる。バップ剤とは、水を含む基剤を用いる貼付剤をいい、通常、有効成分を精製水、グリセリンなどの液状の物質と混和し、全体を均質にするか、水溶性高分子、吸水性高分子などの天然または合成高分子化合物を精製水と混ぜて練り合わせ、有効成分を加え、全体を均質にし、布などに展延して成形することにより製造することができる。
【0290】
他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての技術的、科学的用語、および略語は、本発明の分野に属する当業者によって普通に理解されるものと同様の意味を有する。
【0291】
また、本明細書において、明示的に引用される全ての特許文献および非特許文献もしくは参考文献の内容は、全て本明細書の一部としてここに引用し得る。
【実施例】
【0292】
以下、実施例によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0293】
クロマトグラフィーによる分離の箇所およびTLCに示されるカッコ内の溶媒は、使用した溶出溶媒または展開溶媒を示し、割合は体積比を表す。
【0294】
NMRの箇所に示されているカッコ内の溶媒は、測定に使用した溶媒を示している。
【0295】
本明細書中に用いた化合物名は、一般的にIUPACの規則に準じて命名を行なうコンピュータプログラム、ACD/Name(登録商標)を用いるか、Chemdraw Ultra(バージョン12.0、Cambridge Soft社製)を用いるか、またはIUPAC命名法に準じて命名したものである。
参考例1:4−メチレンクロマン
【0296】
【化39】
【0297】
窒素気流下、メチルトリフェニルホスホニウム ブロミド(435g)のテトラヒドロフラン(以下、THFと略す。)(1500mL)溶液にリチウムビストリメチルシリルアミドのTHF(1.3mol/L、931mL)溶液を氷冷下、滴下した後、室温で1時間撹拌した。4−クロマノン(150g)のTHF(180mL)溶液を−5℃で滴下した後、室温で1時間撹拌した。反応混合物に氷冷下、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(75.9g)を得た。
TLC:Rf 0.62(ヘキサン:酢酸エチル=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 2.59-2.75, 4.18-4.31, 4.89, 5.51, 6.79-6.94, 7.12-7.20, 7.56。
参考例2:エチル (2’R,4S)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−カルボキレート
【0298】
【化40】
【0299】
窒素気流下、参考例1で製造した化合物(75.9g)のジクロロメタン(2500mL)溶液にジクロロ(p−シメン)ルテニウム(II)ダイマー(15.8g)、(S,S)−2,6−ビス(4−イソプロピル−2−オキサゾリン−2−イル)ピリジン(15.6g)を加えた。ジアゾ酢酸エチル(13%ジクロロメタン含有、134g)のジクロロメタン(150mL)溶液を室温でゆっくりと滴下した後、1時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた後、ジクロロメタンで抽出し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(91.2g)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.26, 1.54-1.67, 2.07-2.22, 4.05-4.21, 4.27, 6.68, 6.78-6.89, 7.04-7.12。
参考例3:(2’R,4S)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−カルボン酸
【0300】
【化41】
【0301】
参考例2で製造した化合物(91.2g)のメタノール(400mL)及び1,2−ジメトキシエタン(400mL)溶液に、水酸化リチウム一水和物(29.6g)の水(160mL)溶液を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物に10%クエン酸水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をジクロロメタンで再結晶することにより、以下の物性値を有する標題化合物(55.2g)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.59-1.67, 1.68-1.76, 2.15, 2.21-2.29, 4.12-4.23, 4.25-4.36, 6.70, 6.80-6.92, 7.06-7.16;
HPLC保持時間:6.9分(CHIRALPAK IC 4.6mm×250mm ヘキサン:酢酸エチル:ギ酸=97:3:1)。
参考例4:メチル (2’R,4S)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−カルボキレート
【0302】
【化42】
【0303】
窒素気流下、参考例3で製造した化合物(40.0g)のN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略す。)(200mL)溶液に炭酸カリウム(28.5g)を加えた後、ヨードメタン(31.9g)を滴下し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を氷水に注ぎ、ヘキサン−酢酸エチル混合溶液で抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮することにより、以下の物性値を有する標題化合物(40.1g)を得た。
TLC:Rf 0.30(ヘキサン:酢酸エチル=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.57-1.69, 2.09-2.22, 3.71, 4.07-4.17, 4.27, 6.68, 6.78-6.90, 7.04-7.14。
参考例5:メチル (2’R,4S)−6−ヨード−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−カルボキレート
【0304】
【化43】
【0305】
窒素気流下、参考例4で製造した化合物(40.1g)のメタノール(320mL)溶液に氷冷下、1,3−ジヨード−5,5−ジメチルヒダントイン(35.6g)、濃硫酸3滴を加えた後、そのまま1.5時間、室温で2.5時間撹拌した。反応混合物をヘキサン−酢酸エチル混合溶液で希釈後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、水層をヘキサン−酢酸エチル混合溶液で抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮することにより、以下の物性値を有する標題化合物(63.8g)を得た。
TLC:Rf 0.33(ヘキサン:酢酸エチル=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.60, 2.06-2.19, 3.71, 4.09, 4.20-4.31, 6.59, 6.93, 7.36。
参考例6:(2’R,4S)−6−ヨード−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−カルボン酸
【0306】
【化44】
【0307】
参考例5で製造した化合物(15.0g)のメタノール(60mL)及び1,2−ジメトキシエタン(60mL)溶液に、水酸化ナトリウム水溶液(2mol/L、44mL)を加え、室温で1.5時間撹拌した。反応混合物に塩酸を加えた後、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮することにより、以下の物性値を有する標題化合物(14.4g)を得た。
TLC:Rf 0.42(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.57-1.74, 2.11, 2.16-2.25, 4.10-4.20, 4.23-4.33, 6.59, 6.94, 7.37。
参考例7:エチル 4−(4−ホルミル−2−ニトロフェニル)ブタノエート
【0308】
【化45】
【0309】
窒素気流下,亜鉛粉末(99.2g)のN,N−ジメチルアセトアミド(以下、DMAと略す。)(700mL)溶液にヨウ素(26.0g)を加え、10分間撹拌した。4−ブロモ酪酸エチル(200g)を滴下後、80℃で2時間撹拌することで亜鉛試薬を調製した。窒素気流下、3−ニトロ−4−ブロモベンズアルデヒド(100g)のTHF(500mL)溶液に2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル(7.14g)、酢酸パラジウム(1.96g)を加えた後、氷冷下で調製した亜鉛試薬(500mL)を滴下し、室温で30分間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液、水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(91.2g)を得た。
TLC:Rf 0.61(ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.27, 1.97-2.09, 2.42, 3.01, 4.15, 7.57, 8.04, 8.38, 10.03。
参考例8:エチル 4−(4−シアノ−2−ニトロフェニル)ブタノエート
【0310】
【化46】
【0311】
参考例7で製造した化合物(92.0g)のDMF(350mL)溶液にヒドロキシルアミン塩酸塩(26.0g)を加え、50℃で1時間撹拌した。塩化アセチル(30mL)を加え、90℃で2時間撹拌した。反応混合物に水を加えた後、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(81.0g)を得た。
TLC:Rf 0.65(ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.27, 1.92-2.10, 2.37-2.45, 2.91-3.06, 4.15, 7.55, 7.81, 8.21。
参考例9:エチル 4−(2−アミノ−4−シアノフェニル)ブタノエート
【0312】
【化47】
【0313】
参考例8で製造した化合物(17.0g)のエタノール(80mL)溶液に、パラジウム炭素(50%wet、8.0g)を加え、水素雰囲気下、室温で9時間撹拌した。反応混合物をセライト(商品名)でろ過後、ろ液を濃縮することにより、以下の物性値を有する標題化合物(12.0g)を得た。
TLC:Rf 0.56(ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.28, 1.79-1.95, 2.38-2.45, 2.50-2.60, 4.09-4.30, 6.89, 6.93-6.98, 7.04-7.10。
参考例10:エチル 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−ヨード−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタノエート
【0314】
【化48】
【0315】
参考例6で製造した化合物(14.4g)、および参考例9で製造した化合物(10.0g)のDMA(90mL)溶液に4−メチルモルホリン(24.0mL)、4−ジメチルアミノピリジン(5.33g)、プロピルホスホン酸無水物環状トリマー(以下、T3Pと略す。)(1.7mol/L、46.5mL)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物に酢酸エチル、水、塩酸水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をヘキサン−酢酸エチル混合溶液で洗浄することにより、以下の物性値を有する標題化合物(19.3g)を得た。
TLC:Rf 0.42(ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.20, 1.61, 1.66-1.79, 1.83, 2.18-2.28, 2.39-2.49, 2.60, 3.66, 3.90, 4.00-4.12, 4.26, 6.58, 7.05, 7.15-7.22, 7.26-7.31, 7.33, 8.72, 9.39。
参考例11:(2’R,4S)−2’−{[5−シアノ−2−(4−エトキシ−4−オキソブチル)フェニル]カルバモイル}−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−6−カルボン酸
【0316】
【化49】
【0317】
参考例10で製造した化合物(7.40g)のDMF(60mL)溶液に酢酸ナトリウム(3.35g)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン錯体(555mg)を加え、一酸化炭素雰囲気下、80℃で6時間撹拌した。反応混合物に炭酸カリウム水溶液を加え、しばらく撹拌した後、tert−ブチルメチルエーテル、水を加え、セライト(商品名)でろ過した。ろ液に塩酸水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(山善自動精製装置)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(6.14g)を得た。
TLC:Rf 0.48(ジクロロメタン:酢酸エチル:メタノール=8:4:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.08, 1.65-1.80, 1.83-1.92, 2.25-2.36, 2.37-2.49, 2.55-2.66, 2.71, 3.55, 3.79, 4.12-4.23, 4.37, 6.88, 7.15 - 7.22, 7.27-7.32, 7.61, 7.83, 8.73, 9.40。
参考例12:エチル 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(メチルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタノエート
【0318】
【化50】
【0319】
参考例6で製造した化合物の代わりに参考例11で製造した化合物(60.0mg)を用いて、参考例9で製造した化合物の代わりにメチルアミン塩酸塩(87.5mg)を用いて、参考例10と同様の操作を行って、以下の物性値を有する標題化合物(53.0mg)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.07, 1.64-1.79, 1.81-1.89, 2.20-2.35, 2.40, 2.60, 2.69, 2.98, 3.44-3.59, 3.68-3.83, 4.07-4.19, 4.27-4.38, 6.05, 6.82, 7.15-7.22, 7.27-7.32, 7.35-7.44, 8.72, 9.37。
実施例1:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(メチルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0320】
【化51】
【0321】
参考例12で製造した化合物(53mg)を用いて、メタノールの代わりにエタノールを用いて、参考例6と同様の操作を行うことにより、下記物性値を有する本発明化合物(45mg)を得た。
TLC:Rf 0.45(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.21-1.30, 1.55, 1.65-1.82, 2.06-2.26, 2.38-2.67, 2.67-2.76, 3.02, 3.57, 4.33, 4.49-4.58, 6.25, 6.81, 7.19, 7.23-7.30, 7.94, 8.87, 9.93。
実施例2
メチルアミン塩酸塩の代わりに、相当するアミン化合物を用いて、参考例12→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
実施例2−1:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(シクロプロピルメチル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
【0322】
【化52】
【0323】
TLC:Rf 0.45(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl): δ 0.23-0.31, 0.52-0.63, 0.96-1.14, 1.22-1.30, 1.55, 1.66-1.81, 2.06-2.24, 2.38-2.66, 2.66-2.76, 3.31, 3.57, 4.34, 4.49-4.59, 6.31, 6.83, 7.19, 7.24-7.29, 7.32, 7.95, 8.87, 9.93。
実施例2−2:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(2−メトキシエチル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
【0324】
【化53】
【0325】
TLC:Rf 0.51(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.26, 1.55, 1.67-1.84, 2.06-2.27, 2.39-2.67, 2.67-2.78, 3.39, 3.51-3.78, 4.33, 4.49-4.59, 6.62, 6.82, 7.19, 7.24-7.29, 7.32, 7.92, 8.86, 9.88。
実施例2−3:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(2−メチル−2−プロパニル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
【0326】
【化54】
【0327】
TLC:Rf 0.63(クロロホルム:メタノール=19:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.37, 1.57, 1.64-1.85, 2.04-2.25, 2.42-2.48, 2.60-2.71, 4.01-4.15, 4.24-4.38, 6.80, 7.34-7.45, 7.52-7.66, 7.88, 9.89, 12.11。
実施例2−4:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−{[(2S)−1−メトキシ−2−プロパニル]カルバモイル}−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0328】
【化55】
【0329】
TLC:Rf 0.62(酢酸エチル:メタノール=19:1);
H−NMR(CDOD):δ 1.22, 1.65-1.89, 2.12-2.26, 2.33, 2.62-2.77, 3.30-3.32, 3.37, 3.41, 3.47, 4.21-4.39, 6.82, 7.37-7.51, 7.58, 8.05。
実施例2−5:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
TLC:Rf 0.51(クロロホルム:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.61, 1.66-1.87, 2.08-2.25, 2.50, 2.59-2.73, 3.81, 4.06-4.19, 4.28-4.42, 6.90, 7.41, 7.49-7.61, 7.73, 7.88, 7.99, 9.91, 10.19, 12.10。
実施例2−6:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(3−メトキシ−1−アゼチジニル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
TLC:Rf 0.54(酢酸エチル:メタノール=19:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.56, 1.67-1.80, 2.04-2.26, 2.45, 2.58-2.72, 3.21, 3.74-3.91, 4.06-4.27, 4.30, 4.37-4.51, 6.83, 7.15, 7.34-7.44, 7.57, 7.88, 9.89, 12.11。
実施例2−7:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(1,3−オキサゾール−2−イルメチル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
TLC:Rf 0.64(クロロホルム:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.53-1.63, 1.65-1.83, 2.07-2.25, 2.48, 2.58-2.70, 4.03-4.16, 4.27-4.40, 4.47-4.64, 6.87, 7.15, 7.40, 7.48, 7.56, 7.67, 7.87, 8.04, 9.02, 9.90, 12.10。
実施例2−8:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(1,3−オキサゾール−2−イルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.40(クロロホルム:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.61, 1.66-1.80, 1.86, 2.11-2.25, 2.52, 2.61-2.72, 4.14, 4.38, 6.93, 7.19, 7.42, 7.54-7.65, 7.76, 7.88, 7.96, 9.92, 11.38, 12.10。
実施例2−9:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(1−メチル−1H−ピラゾール−3−イル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
【0330】
【化56】
【0331】
TLC:Rf 0.62(クロロホルム:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.59, 1.67-1.81, 1.92, 2.10-2.25, 2.54, 2.60-2.72, 3.77, 4.12, 4.35, 6.59, 6.89, 7.42, 7.55-7.62, 7.68, 7.77, 7.88, 9.92, 10.75, 12.10。
実施例2−10:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(シクロプロピルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0332】
【化57】
【0333】
TLC:Rf 0.65(酢酸エチル:メタノール=19:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 0.49-0.59, 0.65-0.75, 1.58, 1.66-1.82, 2.06-2.26, 2.47, 2.61-2.71, 2.81, 4.09, 4.34, 6.83, 7.36-7.45, 7.54-7.65, 7.88, 8.30, 9.89, 12.09。
実施例2−11:4−[2−({[(2’R,4S)−6−(ブチルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)−4−シアノフェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.79(酢酸エチル:メタノール=19:1);
H−NMR(CDCl):δ 0.93-1.00, 1.21-1.83, 2.06-2.25, 2.37-2.77, 3.41-3.50, 3.51-3.63, 4.33, 4.54, 6.18, 6.81, 7.15-7.31, 7.94, 8.87, 9.93。
実施例2−12:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(シクロヘキシルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.86(酢酸エチル:メタノール=19:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.10-1.87, 1.94-2.26, 2.38-2.79, 3.50-3.64, 3.85-4.04, 4.33, 4.54, 6.04, 6.81, 7.14-7.31, 7.93, 8.87, 9.93。
実施例2−13:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(イソプロピルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0334】
【化58】
【0335】
TLC:Rf 0.74(酢酸エチル:メタノール=19:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.27, 1.34-1.92, 2.01-2.30, 2.38-2.80, 3.50-3.61, 4.18-4.43, 4.54, 6.00, 6.81, 7.15-7.31, 7.94, 8.87, 9.93。
実施例2−14:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(シクロペンチルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0336】
【化59】
【0337】
TLC:Rf 0.83(酢酸エチル:メタノール=19:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.20-1.86, 2.00-2.26, 2.38-2.79, 3.50-3.64, 4.25-4.45, 4.46-4.61, 6.13, 6.81, 7.13-7.31, 7.94, 8.87, 9.93。
実施例2−15:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(イソブチルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.83(酢酸エチル:メタノール=19:1);
H−NMR(CDCl):δ 0.84-1.03, 1.21-2.01, 2.06-2.26, 2.37-2.79, 3.20-3.38, 3.51-3.62, 4.34, 4.49-4.59, 6.18-6.32, 6.82, 7.14-7.32, 7.94, 8.87, 9.93。
実施例2−16:4−{2−[({(2’R,4S)−6−[(2S)−2−ブタニルカルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]−4−シアノフェニル}ブタン酸
【0338】
【化60】
【0339】
TLC:Rf 0.84(酢酸エチル:メタノール=20:1);
H−NMR(CDCl):δ 0.95, 1.18-1.91, 2.05-2.25, 2.39-2.78, 3.50-3.64, 4.03-4.20, 4.33, 4.48-4.60, 5.97, 6.81, 7.13-7.32, 7.94, 8.87, 9.93。
実施例2−17:4−{2−[({(2’R,4S)−6−[(2R)−2−ブタニルカルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]−4−シアノフェニル}ブタン酸
TLC:Rf 0.84(酢酸エチル:メタノール=20:1);
H−NMR(CDCl):δ 0.98, 1.18-1.32, 1.49-1.86, 2.05-2.25, 2.39-2.81, 3.57, 4.11, 4.33, 4.54, 5.95, 6.81, 7.13-7.33, 7.93, 8.81, 8.86, 9.93。
実施例2−18:4−[2−({[(2’R,4S)−6−(ベンジルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)−4−シアノフェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.84(酢酸エチル:メタノール=20:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.20-1.86, 2.06-2.26, 2.40-2.79, 3.58, 4.34, 4.48-4.72, 6.47, 6.80, 7.15-7.42, 7.99, 8.87, 9.92。
実施例2−19:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(3R)−テトラヒドロ−3−フラニルカルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
TLC:Rf 0.56(酢酸エチル:メタノール=19:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.59, 1.67-1.83, 1.90, 2.07-2.26, 2.46, 2.61-2.71, 3.58, 3.72, 3.82-3.92, 4.10, 4.33, 4.48, 6.85, 7.38-7.48, 7.58, 7.67, 7.88, 8.39, 9.91, 12.11。
実施例2−20:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(トランス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
【0340】
【化61】
【0341】
TLC:Rf 0.57(酢酸エチル:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 0.77-1.85, 1.95-2.26, 2.38-2.77, 3.48-3.77, 3.83-4.04, 4.33, 4.54, 5.97, 6.81, 7.15-7.35, 7.92, 8.87, 9.92。
実施例2−21:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(シス−4−ヒドロキシシクロヘキシル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
【0342】
【化62】
【0343】
TLC:Rf 0.64(酢酸エチル:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.20-1.31, 1.51-1.86, 2.05-2.24, 2.38-2.79, 3.51-3.62, 3.94-4.09, 4.33, 4.54, 6.16, 6.82, 7.13-7.31, 7.92, 8.87, 9.92。
実施例2−22:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]カルバモイル}−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.17(酢酸エチル:メタノール=9:1、クロマトレックス ジオールTLCプレート(富士シリシア));
H−NMR(CDCl):δ 1.19-1.34, 1.59, 1.66-1.84, 2.09-3.16, 3.38, 3.62-3.81, 4.33, 4.52, 6.85, 7.15-7.31, 7.52-7.64, 7.87, 8.80, 9.55。
実施例2−23:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(2−ピリジニルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0344】
【化63】
【0345】
TLC:Rf 0.83(酢酸エチル:メタノール=19:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.58, 1.73, 1.88-1.99, 2.10-2.24, 2.60-2.70, 4.06-4.18, 4.30-4.40, 6.90, 7.14, 7.41, 7.57, 7.72, 7.77-7.90, 8.18, 8.38, 9.91, 10.78, 12.09。
実施例2−24:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(2−ピリジニルメチル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
TLC:Rf 0.62(酢酸エチル:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.58, 1.63-1.84, 2.01-2.24, 2.59-2.69, 4.04-4.16, 4.27-4.39, 4.55, 6.87, 7.22-7.33, 7.40, 7.55, 7.66-7.80, 7.87, 8.45-8.55, 9.01, 9.90, 12.09。
実施例2−25:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−{[(2R)−1−メトキシ−2−プロパニル]カルバモイル}−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.76(酢酸エチル:メタノール=19:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.12, 1.59, 1.67-1.83, 2.08-2.25, 2.47, 2.61-2.70, 3.23-3.31, 3.40, 4.09, 4.20, 4.33, 6.85, 7.39-7.46, 7.58, 7.65, 7.89, 8.09, 9.90, 12.11。
実施例2−26:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(3−オキセタニルメチル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
TLC:Rf 0.56(クロロホルム:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.59, 1.66-1.80, 2.09-2.25, 2.46, 2.61-2.71, 3.15, 3.52, 4.10, 4.28-4.39, 4.63, 6.85, 7.37-7.47, 7.57-7.64, 7.89, 8.50, 9.92, 12.10。
実施例2−27:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(3S)−テトラヒドロ−3−フラニルカルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
TLC:Rf 0.50(酢酸エチル:メタノール=19:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.51-1.63, 1.64-1.97, 2.04-2.28, 2.41-2.47, 2.60-2.70, 3.58, 3.64-3.77, 3.80-3.92, 4.02-4.16, 4.26-4.38, 4.38-4.53, 6.84, 7.36-7.48, 7.58, 7.67, 7.87, 8.37, 9.91, 12.10。
実施例2−28:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(シクロブチルメチル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
TLC:Rf 0.63(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.52-1.62, 1.62-1.88, 1.88-2.06, 2.06-2.24, 2.60-2.70, 3.23-3.30, 4.01-4.14, 4.26-4.37, 6.83, 7.36-7.45, 7.59, 7.88, 8.31, 9.91, 12.10。
実施例2−29:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(3−ピリダジニルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0346】
【化64】
【0347】
TLC:Rf 0.65(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.59, 1.72, 1.87-1.99, 2.05-2.24, 2.54-2.70, 4.05-4.23, 4.30-4.44, 6.93, 7.41, 7.57, 7.72, 7.76-7.93, 8.38, 9.00, 9.99, 11.45, 12.11。
実施例2−30:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(1−メチル−4−ピぺリジニル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
TLC:Rf 0.21(ジクロロメタン:メタノール:28%アンモニア水=4:1:0.1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.49-1.83, 1.90-2.06, 2.06-2.24, 2.65, 2.81, 3.73, 4.02-4.15, 4.26-4.37, 6.83, 7.37-7.46, 7.56, 7.63, 7.90, 8.14, 10.01。
実施例2−31:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(1H−ピラゾール−4−イルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.45(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(CDOD):δ 1.65-1.90, 2.24, 2.35, 2.60-2.80, 4.20-4.42, 6.89, 7.39-7.50, 7.59, 7.70, 7.89, 8.03。
実施例2−32:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(2,2−ジフルオロエチル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
TLC:Rf 0.76(酢酸エチル:メタノール=19:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.53-1.81, 2.06-2.25, 2.41-2.47, 2.58-2.71, 3.55-3.78, 4.04-4.17, 4.25-4.40, 5.84-6.36, 6.87, 7.41, 7.48, 7.55, 7.67, 7.87, 8.73, 9.91, 12.10。
実施例2−33:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−{[(3S)−1−メチル−3−ピロリジニル]カルバモイル}−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.33(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.50-1.59, 1.62-1.84, 2.06-2.23, 2.37, 2.64, 2.74-2.84, 4.14, 4.24-4.36, 4.45, 6.83, 7.35-7.48, 7.55, 7.63, 7.98, 8.45, 10.09。
実施例2−34:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(1,3−チアゾール−2−イルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.68(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.56-1.64, 1.65-1.81, 1.86-1.96, 2.10-2.24, 2.60-2.70, 4.07-4.19, 4.32-4.43, 6.94, 7.26, 7.41, 7.53-7.60, 7.79, 7.82-7.90, 9.92, 12.11, 12.53。
実施例2−35:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(3−ピリジニルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.53(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.58-1.65, 1.72, 1.83, 2.08-2.24, 2.61-2.70, 4.30-4.43, 6.94, 7.35-7.45, 7.57, 7.79, 7.88, 8.11-8.18, 8.30, 8.90, 9.93, 10.24, 12.09。
実施例2−36:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(2−ピリミジニルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.56(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.53-1.63, 1.63-1.80, 1.84-1.95, 2.07-2.24, 2.60-2.70, 4.06-4.19, 4.29-4.43, 6.90, 7.24, 7.41, 7.57, 7.64, 7.75, 7.86, 8.72, 9.91, 10.94, 12.08。
実施例2−37:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(1,2−オキサゾール−3−イルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.65(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.36-1.50, 1.62, 1.86-2.15, 2.53-2.68, 2.68-2.89, 4.19-4.37, 6.85, 6.91, 7.31-7.41, 7.41-7.49, 7.62, 7.79, 8.36, 8.75, 11.61, 12.62。
実施例2−38:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(シクロブチルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0348】
【化65】
【0349】
TLC:Rf 0.72(酢酸エチル);
H−NMR(CDOD):δ 1.62-1.90, 2.02-2.44, 2.59-2.80, 4.19-4.30, 4.33, 4.49, 6.82, 7.37-7.51, 7.58, 8.04。
実施例2−39:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−{[1−(2−メチル−2−プロパニル)−1H−ピラゾール−4−イル]カルバモイル}−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0350】
【化66】
【0351】
TLC:Rf 0.64(酢酸エチル);
H−NMR(CDOD):δ 1.59, 1.67-1.92, 2.16-2.29, 2.30-2.41, 2.62-2.78, 4.21-4.32, 4.33-4.46, 6.88, 7.37-7.51, 7.58, 7.65-7.74, 8.03, 8.11。
実施例2−40:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0352】
【化67】
【0353】
TLC:Rf 0.62(酢酸エチル:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.44-1.86, 2.02-2.24, 2.59-2.70, 3.35-3.44, 3.80-4.15, 4.25-4.37, 6.84, 7.37-7.46, 7.57, 7.64, 7.87, 8.13, 9.90, 12.09。
実施例2−41:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(1,2−オキサゾール−5−イルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.71(酢酸エチル:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.56-1.66, 1.73, 1.87, 2.06-2.25, 2.60-2.70, 4.06-4.19, 4.31-4.44, 6.39, 6.94, 7.41, 7.57, 7.67, 7.81, 7.87, 8.50, 9.92, 11.90, 12.09。
実施例2−42:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(4−ピリジニルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.53(ジクロロメタン:メタノール=4:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.57-1.66, 1.73, 1.83, 2.09-2.24, 2.60-2.70, 4.08-4.21, 4.31-4.42, 6.95, 7.41, 7.52-7.61, 7.74-7.91, 8.42-8.52, 9.91, 10.38, 12.09。
実施例2−43:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
TLC:Rf 0.58(クロロホルム:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.55-1.65, 1.66-1.90, 2.06-2.29, 2.50, 2.60-2.74, 3.66, 4.06-4.22, 4.30-4.46, 6.17, 6.93, 7.35-7.45, 7.52-7.61, 7.77, 7.88, 9.91, 10.15, 12.10。
実施例2−44:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(プロピルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0354】
【化68】
【0355】
TLC:Rf 0.75(酢酸エチル);
H−NMR(DMSO−d):δ 0.88, 1.45-1.63, 1.68-1.82, 2.07-2.25, 2.45, 2.61-2.72, 3.15-3.26, 4.10, 4.32, 6.85, 7.39-7.46, 7.57-7.63, 7.88, 8.32, 9.90, 12.11。
実施例2−45:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(2−エトキシエチル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
【0356】
【化69】
【0357】
TLC:Rf 0.51(酢酸エチル);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.11, 1.59, 1.67-1.83, 2.07-2.26, 2.47, 2.61-2.71, 3.35-3.52, 4.10, 4.33, 6.85, 7.38-7.48, 7.57-7.64, 7.88, 8.42, 9.90, 12.09。
実施例2−46:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(エチルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0358】
【化70】
【0359】
TLC:Rf 0.59(酢酸エチル);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.10, 1.58, 1.65-1.80, 2.07-2.24, 2.45, 2.58-2.69, 3.19-3.33, 4.09, 4.32, 6.84, 7.37-7.45, 7.57, 7.62, 7.88, 8.33, 9.89, 12.09。
実施例2−47:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(1−メトキシ−2−メチル−2−プロパニル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
TLC:Rf 0.72(ヘキサン:酢酸エチル=1:3);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.33, 1.57, 1.67-1.86, 2.08-2.25, 2.47, 2.62-2.71, 3.27, 3.53, 4.09, 4.32, 6.82, 7.35-7.45, 7.48, 7.57-7.62, 7.88, 9.89, 12.10。
参考例13:エチル 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタノエート
【0360】
【化71】
【0361】
参考例11で製造した化合物(50mg)およびアセチルヒドラジン(16mg)のジクロロメタン(0.5mL)溶液に、トリエチルアミン(60μL)とT3P(1.7mol/L酢酸エチル溶液、95μL)を室温で加えた。反応混合物を室温で1.5時間撹拌した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(山善自動精製装置)によって精製することにより得た化合物のTHF(5mL)溶液に、バージェス試薬(Burgess Reagent:メチル N−(トリエチルアンモニオスルホニル)カルバマート)(117mg)を室温で加えた。マイクロウェーブ反応装置(バイオタージ社製)を用いて100℃にて1時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(山善自動精製装置)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(22mg)を得た。
TLC:Rf 0.53(ヘキサン:酢酸エチル=1:3);
H−NMR(CDCl):δ 0.94, 1.65-1.83, 1.89, 2.26-2.34, 2.35-2.44, 2.56-2.63, 2.66-2.76, 3.12-3.28, 3.36-3.55, 3.58-3.74, 4.07-4.23, 4.30-4.41, 6.92, 7.18, 7.28, 7.54, 7.70, 8.72, 9.39。
実施例3:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0362】
【化72】
【0363】
参考例12で製造した化合物代わりに、参考例13で製造した化合物を用いて、実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.93(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.27, 1.54, 1.70-1.91, 2.17, 2.32, 2.45-2.90, 3.64, 4.35-4.48, 4.56-4.66, 6.92, 7.20, 7.28, 7.58, 8.15, 8.92, 9.91, 12.68。
実施例4
アセチルヒドラジンの代わりに、相当するヒドラジン化合物を用いて、参考例13→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
実施例4−1:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(5−シクロプロピル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0364】
【化73】
【0365】
TLC:Rf 0.64(酢酸エチル:メタノール=19:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.14-1.32, 1.78, 2.07-2.41, 2.43-2.91, 3.63, 4.33-4.49, 4.61, 6.86-6.96, 7.16-7.32, 7.54, 8.13, 8.92, 9.91。
実施例4−2:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[5−(2−メチル−2−プロパニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
TLC:Rf 0.83(酢酸エチル:メタノール=19:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.19-1.32, 1.44-1.52, 1.64-1.87, 2.10-2.40, 2.44-2.90, 3.64, 4.35-4.49, 4.56-4.67, 6.93, 7.16-7.35, 7.60, 8.15, 8.92, 9.92。
実施例4−3:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(5−エチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.53(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.32, 1.60, 1.66-1.82, 2.10-2.24, 2.60-2.70, 2.92, 4.09-4.21, 4.31-4.42, 6.99, 7.41, 7.46, 7.57, 7.71, 7.88, 9.91, 12.08。
参考例14:エチル 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタノエート
【0366】
【化74】
【0367】
参考例11で製造した化合物(80mg)およびアセトアミドオキシム(32mg)の酢酸エチル(0.5mL)溶液に、トリエチルアミン(0.144mL)とT3P(1.7mol/L酢酸エチル溶液、0.380mL)を室温で加えた。反応混合物を4日間加熱還流した後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(山善自動精製装置)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(49mg)を得た。
TLC:Rf 0.55(ヘキサン:酢酸エチル=1:1);
H−NMR(CDCl):δ 0.92, 1.64-1.83, 1.86-1.95, 2.22-2.35, 2.36-2.44, 2.45, 2.54-2.65, 2.72, 3.39-3.54, 3.59-3.73, 4.10-4.23, 4.32-4.44, 6.94, 7.20, 7.28, 7.59, 7.84, 8.74, 9.39。
実施例5:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0368】
【化75】
【0369】
参考例12で製造した化合物の代わりに、参考例14で製造した化合物を用いて、実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.74(酢酸エチル:メタノール=20:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.55-1.64, 1.67-1.83, 2.11-2.29, 2.39, 2.51-2.60, 2.61-2.73, 4.11-4.25, 4.31-4.44, 7.02, 7.41, 7.52-7.62, 7.83, 7.88, 9.90, 12.10。
参考例15:エチル 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(4−フルオロフェニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタノエート
【0370】
【化76】
【0371】
参考例10で製造した化合物(70mg)の1,2−ジメトキシエタン(0.4mL)溶液に、室温にて炭酸セシウム(84mg)、4−フルオロフェニルボロン酸(36mg)、および精製水(0.4mL)を加えてアルゴン置換した。[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン錯体(5mg)を加え、85℃にて一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチルにて希釈後、水を加え酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(山善自動精製装置)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(54mg)を得た。
TLC:Rf 0.48(ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
H−NMR(CDCl):δ 0.83, 1.64-1.79, 1.82-1.93, 2.29, 2.33-2.43, 2.48-2.74, 3.30, 3.49, 4.06-4.19, 4.26-4.38, 6.84-6.91, 6.97, 7.04-7.15, 7.15-7.22, 7.22-7.32, 7.39-7.51, 8.73, 9.30。
実施例6:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(4−フルオロフェニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0372】
【化77】
【0373】
参考例12で製造した化合物の代わりに、参考例15で製造した化合物を用いて、実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.58(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.50-1.60, 1.72, 1.87, 2.06-2.24, 2.60-2.69, 4.03-4.15, 4.24-4.35, 6.87, 7.11, 7.19-7.29, 7.32-7.44, 7.56, 7.61-7.70, 7.87, 9.88, 12.09。
実施例7
4−フルオロフェニルボロン酸の代わりに、相当するボロン酸化合物または複素環を用いて、参考例15→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
実施例7−1:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−フェニル−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.53(ジクロロメタン:メタノール=9:1)
H−NMR(CDCl):δ 1.58-1.81, 2.14-2.27, 2.36-2.46, 2.49-2.71, 2.78, 4.22-4.37, 6.92, 7.15, 7.16-7.22, 7.26-7.51, 7.52-7.61, 8.69, 8.95。
実施例7−2:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(4−ピリジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.36(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.52-1.63, 1.64-1.79, 1.87-1.99, 2.08-2.30, 2.43-2.73, 3.99-4.20, 4.25-4.41, 6.93, 7.31, 7.40, 7.56, 7.66-7.71, 7.87, 8.51-8.62, 9.88, 11.90-12.18。
実施例7−3:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(3−ピリジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0374】
【化78】
【0375】
TLC:Rf 0.36(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.56, 1.65-1.77, 1.88-2.00, 2.06-2.30, 2.34-2.75, 4.03-4.19, 4.25-4.39, 6.92, 7.22, 7.37-7.51, 7.57, 7.87, 7.99-8.09, 8.48-8.53, 8.87, 9.87。
実施例7−4:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(1H−ピラゾール−1−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0376】
【化79】
【0377】
TLC:Rf 0.45(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.23-1.34, 1.62, 1.66-1.83, 2.05-2.23, 2.40-2.59, 2.61-2.82, 3.37-3.47, 4.22-4.35, 4.44-4.52, 6.49, 6.88, 7.11, 7.20, 7.28, 7.41, 7.71, 8.86, 9.95。
実施例7−5:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(1H−ピラゾール−5−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0378】
【化80】
【0379】
TLC:Rf 0.35(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.51-1.62, 1.63-1.86, 2.04-2.33, 2.34-2.75, 3.98-4.14, 4.23-4.35, 6.65, 6.82, 7.29, 7.40, 7.48-7.60, 7.63, 7.87, 9.91, 12.47。
実施例7−6:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(4−ピリダジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0380】
【化81】
【0381】
TLC:Rf 0.40(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.53-1.62, 1.63-1.80, 1.95-2.06, 2.09-2.33, 2.34-2.78, 4.01-4.22, 4.28-4.42, 6.97, 7.42, 7.47, 7.57, 7.71, 7.87, 7.94-8.04, 9.20, 9.60, 9.87, 12.1。
実施例7−7:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.25(酢酸エチル:メタノール=19:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.44-1.88, 2.22-2.33, 2.48, 2.58-2.76, 3.70, 4.16-4.36, 6.81-6.95, 7.11-7.34, 7.39, 7.56, 8.73, 9.16。
実施例7−8:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(5−ピリミジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.44(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.57, 1.65-1.79, 1.92-2.03, 2.06-2.35, 2.36-2.77, 4.01-4.17, 4.27-4.40, 6.94, 7.33, 7.40, 7.50-7.61, 7.87, 9.12, 9.86, 12.08。
実施例7−9:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(2−チエニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.44(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.51-1.61, 1.65-1.78, 1.79-1.88, 2.05-2.31, 2.40-2.76, 3.98-4.14, 4.23-4.36, 6.83, 7.04-7.16, 7.30-7.49, 7.57, 7.86, 9.90, 12.08。
実施例7−10:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(2−オキソ−1−ピロリジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0382】
【化82】
【0383】
TLC:Rf 0.47(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.50-1.59, 1.60-1.80, 1.93-2.12, 2.19, 2.31-2.51, 2.54-2.78, 3.78, 3.93-4.09, 4.19-4.31, 6.78, 7.09, 7.29, 7.40, 7.56, 7.85, 9.91, 12.08。
実施例7−11:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(1,3−チアゾール−5−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.53(酢酸エチル:メタノール=20:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.20-1.30, 1.58, 1.73-1.90, 2.26-2.37, 2.52, 2.64-2.82, 4.19-4.41, 6.81-6.97, 7.13-7.35, 7.77, 8.60, 8.69, 9.25。
実施例7−12:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.40(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.59-1.70, 1.76-1.84, 2.31, 2.43-2.53, 2.60-2.80, 4.15-4.44, 6.72, 6.89, 6.97, 7.09-7.36, 7.68, 7.89, 8.43, 8.70, 9.15。
実施例7−13:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(6−メトキシ−3−ピリジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0384】
【化83】
【0385】
TLC:Rf 0.56(酢酸エチル);
H−NMR(CDOD):δ 1.65-1.93, 2.14-2.29, 2.33, 2.58, 2.67-2.78, 3.92, 4.21, 4.32, 6.80-6.91, 7.06, 7.30, 7.42, 7.48, 7.84-7.95, 8.31。
実施例7−14:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[6−(1H−ピラゾール−1−イル)−3−ピリジニル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
【0386】
【化84】
【0387】
TLC:Rf 0.60(クロロホルム:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.57, 1.63-1.79, 1.89-2.01, 2.08-2.25, 2.50-2.56, 2.60-2.72, 4.03-4.18, 4.27-4.40, 6.59, 6.93, 7.27, 7.40, 7.47-7.60, 7.80-7.91, 7.96, 8.27, 8.63, 8.76, 9.88, 12.10。
実施例7−15:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[6−(ジメチルアミノ)−3−ピリジニル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
【0388】
【化85】
【0389】
TLC:Rf 0.58(クロロホルム:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.51-1.62, 1.63-1.80, 1.84-1.95, 2.06-2.25, 2.51-2.57, 2.60-2.75, 3.18, 4.02-4.17, 4.23-4.39, 6.88, 7.01-7.21, 7.35-7.47, 7.55, 7.87, 8.10-8.29, 9.92, 12.10。
実施例7−16:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(6−メチル−3−ピリジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0390】
【化86】
【0391】
TLC:Rf 0.63(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.46-1.56, 1.56-1.79, 2.03, 2.16, 2.66, 4.15, 4.22-4.33, 6.86, 7.20, 7.27, 7.33-7.44, 7.44-7.52, 8.08-8.21, 8.70, 11.11。
実施例7−17:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(6−フルオロ−3−ピリジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.59(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.52-1.60, 1.65-1.79, 1.93, 2.07-2.23, 2.60-2.70, 4.03-4.15, 4.27-4.37, 6.90, 7.19-7.27, 7.40, 7.45, 7.56, 7.87, 8.25, 8.51, 9.87, 12.09。
実施例7−18:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[6−(メチルスルホニル)−3−ピリジニル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
TLC:Rf 0.57(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.58, 1.72, 1.92-2.01, 2.09-2.24, 2.60-2.70, 4.06-4.17, 4.30-4.40, 6.96, 7.33-7.45, 7.58, 7.88, 8.06, 8.41, 9.09, 9.90, 12.10。
実施例7−19:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.55(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.51-1.61, 1.65-1.80, 1.91, 2.09-2.24, 2.60-2.70, 4.09, 4.25-4.36, 6.47, 6.89, 7.18, 7.38-7.45, 7.45-7.50, 7.56, 7.88, 8.17, 8.47, 9.94, 11.65, 12.06。
実施例7−20:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(4−メチル−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−7−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.65(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.48-1.58, 1.65-1.79, 1.88, 2.06-2.14, 2.19, 2.59-2.70, 3.03, 3.40-3.47, 3.99-4.11, 4.19-4.33, 6.81, 7.03, 7.23, 7.29, 7.40, 7.56, 7.86, 7.95, 9.87, 12.08。
実施例7−21:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[6−(メチルアミノ)−3−ピリジニル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
【0392】
【化87】
【0393】
TLC:Rf 0.53(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.52-1.61, 1.72, 1.84-1.94, 2.06-2.23, 2.60-2.70, 2.94, 4.02-4.13, 4.25-4.36, 6.88, 6.99, 7.14, 7.34-7.43, 7.56, 7.86, 8.09-8.21, 9.91, 12.13, 13.60。
実施例7−22:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[3−(2−ヒドロキシ−2−プロパニル)フェニル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
TLC:Rf 0.56(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.46, 1.54-1.62, 1.72, 1.79-1.88, 2.07-2.24, 2.60-2.70, 4.02-4.15, 4.25-4.36, 5.05, 6.88, 7.09, 7.29-7.46, 7.57, 7.66, 7.87, 9.90, 12.09。
実施例7−23:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(2−オキソ−1−アゼチジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.47(ジクロロメタン:メタノール=20:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.54-1.79, 2.02-2.11, 2.19, 2.39-2.68, 3.01-3.05, 3.55-3.61, 3.95-4.03, 4.20-4.29, 6.77-6.81, 7.16, 7.41, 7.56, 7.85, 9.90, 12.10。
実施例7−24:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.47(ジクロロメタン:メタノール=20:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.54-1.79, 2.05-2.24, 2.39-2.68, 3.96-4.06, 4.23-4.31, 4.36-4.45, 6.81, 7.01, 7.27, 7.41, 7.56, 7.86, 9.92, 12.10。
実施例7−25:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[(4R)−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1−ピロリジニル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
TLC:Rf 0.40(ジクロロメタン:メタノール=20:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.53-1.80, 2.06-2.13, 2.19, 2.37-2.81, 3.47-3.55, 4.00-4.08, 4.20-4.39, 5.29-5.37, 6.78, 7.14, 7.25, 7.40, 7.55, 7.87, 9.91, 12.10。
実施例7−26:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[4−(メチルスルホニル)フェニル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
TLC:Rf 0.49(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.58, 1.72, 1.92, 2.08-2.24, 2.60-2.70, 3.23, 4.05-4.17, 4.27-4.39, 6.93, 7.25, 7.41, 7.50, 7.57, 7.84-7.99, 9.88, 12.09。
実施例7−27:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(4−シアノフェニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.58(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.56, 1.72, 1.93, 2.08-2.24, 2.59-2.69, 4.04-4.16, 4.27-4.38, 6.92, 7.25, 7.40, 7.51, 7.56, 7.87, 9.86, 12.08。
実施例7−28:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.59(クロロホルム:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.51-1.61, 1.64-1.88, 2.08-2.28, 2.39-2.46, 2.58-2.71, 3.82, 4.05-4.17, 4.27-4.39, 6.32, 6.90, 7.00, 7.25, 7.37-7.45, 7.55, 7.86, 9.89, 12.10。
参考例16:エチル 4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタノエート
【0394】
【化88】
【0395】
4−フルオロフェニルボロン酸の代わりに、1−(2−テトラヒドロピラニル)−1H−ピラゾール−4−ボロン酸 ピナコールエステルを用いて、参考例15と同様の操作を行って、以下の物性値を有する標題化合物を得た。
TLC:Rf 0.62(ヘキサン:酢酸エチル=1:2);
H−NMR(CDCl):δ 0.86, 1.64-1.79, 1.82-1.90, 2.02-2.16, 2.21-2.29, 2.34-2.43, 2.52-2.72, 3.28-3.42, 3.45-3.60, 3.65-3.80, 4.03-4.16, 4.25-4.40, 5.35-5.45, 6.81, 6.90, 7.13-7.23, 7.28, 7.71, 7.76, 8.74, 9.36。
実施例8:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(1H−ピラゾール−4−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0396】
【化89】
【0397】
参考例16で製造した化合物(30mg)の1,4−ジオキサン(1mL)溶液に、塩酸−1,4−ジオキサン(4mol/L、0.1mL)溶液を室温で加えた。反応混合物を60℃で3時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮した後、実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.40(酢酸エチル:メタノール=20:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.55, 1.64-1.79, 1.81-1.92, 2.04-2.27, 2.35-2.47, 2.52-2.74, 4.02, 4.27, 6.76, 7.09, 7.32, 7.40, 7.56, 7.85, 7.99, 9.89。
参考例17:エチル 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタノエート
【0398】
【化90】
【0399】
アルゴン置換下、参考例10で製造した化合物(4.00g)のジメチルスルホキシド(40mL)溶液に、酢酸カリウム(1.44g)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.43g)、および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン錯体(300mg)を加え、90℃で4時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルにて希釈後、水を加え酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(山善自動精製装置)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(3.54g)を得た。
TLC:Rf 0.37(ヘキサン:酢酸エチル=2:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.01, 1.20-1.29, 1.31, 1.63-1.77, 1.84, 2.18-2.27, 2.33-2.42, 2.53-2.60, 3.20-3.34, 3.45-3.60, 4.00-4.10, 4.25-4.37, 6.78, 7.18, 7.28, 7.52, 8.68, 9.37。
実施例9:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(2−ピリジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0400】
【化91】
【0401】
アルゴン置換下、参考例17で製造した化合物(100mg)の1,2−ジメトキシエタン(0.3mL)溶液、水(0.3mL)溶液に、2−ブロモピリジン(36μL)、炭酸セシウム(120mg)、および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン錯体(7.5mg)を加え、95℃で17時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(山善自動精製装置)によって精製することにより得たエチル 4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(2−ピリジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタノエートを用いて、実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.44(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.54-1.66, 1.68-1.88, 2.07-2.29, 2.54-2.76, 4.04-4.17, 4.26-4.38, 6.89, 7.23-7.33, 7.40, 7.52-7.64, 7.77-7.99, 8.61, 9.90, 12.10。
実施例10
2−ブロモピリジンの代わりに、相当するハロゲン含有複素環を用いて、実施例9と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
実施例10−1:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(2−ピリミジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.45(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.54-1.83, 2.07-2.28, 2.35-2.77, 4.05-4.22, 4.26-4.42, 6.93, 7.29-7.45, 7.56, 7.88, 7.94, 8.15, 8.84, 9.93, 12.10。
実施例10−2:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(1,3−チアゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0402】
【化92】
【0403】
TLC:Rf 0.81(酢酸エチル:メタノール=20:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.19-1.32, 1.34-1.85, 2.10-2.25, 2.40-2.79, 3.61, 4.35, 4.48-4.62, 6.88, 7.15-7.30, 7.35, 7.38-7.47, 7.68-7.77, 7.85, 8.88, 10.00。
実施例10−3:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(1,3−オキサゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0404】
【化93】
【0405】
TLC:Rf 0.81(酢酸エチル:メタノール=20:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.18-1.29, 1.53, 1.68-1.86, 2.09-2.33, 2.43-2.87, 3.60, 4.39, 4.52-4.64, 6.90, 7.15, 7.17, 7.28, 7.67, 7.72, 8.05, 8.92, 9.95。
実施例10−4:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0406】
【化94】
【0407】
TLC:Rf 0.58(酢酸エチル:メタノール=20:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.21-1.32, 1.56, 1.69-1.86, 2.14-2.31, 2.44-2.88, 3.64, 4.15-4.20, 4.34, 4.53, 6.86, 7.13-7.31, 7.63, 7.68, 7.79, 8.92, 10.01。
実施例10−5:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(3−ピリダジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0408】
【化95】
【0409】
TLC:Rf 0.40(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.17-1.31, 1.61, 1.66-1.90, 2.11-2.32, 2.36-2.82, 3.48-3.71, 4.35, 4.54, 6.98, 7.21, 7.28, 7.36, 7.66, 7.83, 7.80-7.83, 8.87, 9.15, 10.07。
実施例10−6:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(2−ピラジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.40(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.25, 1.61, 1.68-1.88, 2.08-2.29, 2.40-2.87, 3.49, 4.25-4.41, 4.52, 6.97, 7.21, 7.29, 7.46, 7.61, 8.45, 8.62, 8.85, 8.97, 9.93。
実施例10−7:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[5−(メチルスルホニル)−2−ピリジニル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
TLC:Rf 0.48(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.61, 1.73, 1.80-1.92, 2.07-2.28, 2.38-2.75, 3.34, 4.06-4.20, 4.26-4.44, 6.96, 7.41, 7.57, 7.71, 7.88, 7.97, 8.18-8.36, 9.06, 9.91, 12.08。
実施例10−8:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−6−[5−(ヒドロキシメチル)−2−ピリジニル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
TLC:Rf 0.42(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.51-1.62, 1.63-1.87, 2.07-2.30, 2.53-2.75, 4.03-4.19, 4.25-4.39, 4.54, 5.29, 6.88, 7.40, 7.52-7.64, 7.70-7.94, 8.53, 9.92, 12.07。
実施例10−9:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(5−フルオロ−2−ピリジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.64(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.53-1.64, 1.65-1.88, 2.06-2.32, 2.40-2.80, 4.00-4.19, 4.24-4.40, 6.89, 7.40, 7.51-7.65, 7.71-7.84, 7.88, 8.00-8.05, 8.60, 9.92, 12.08。
実施例10−10:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(6−メトキシ−2−ピリジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.50(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.53-1.64, 1.66-1.79, 1.79-1.91, 2.03-2.30, 2.40-2.79, 3.94, 4.02-4.16, 4.26-4.40, 6.70, 6.89, 7.40, 7.48-7.62, 7.73, 7.80-7.89, 9.89, 12.07。
実施例10−11:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(5−メトキシ−2−ピリジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.70(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.16-1.30, 1.57, 1.70-1.83, 2.04-2.27, 2.52, 2.59-2.73, 2.74-2.92, 3.54, 3.92, 4.30, 4.48, 6.89, 7.19, 7.24-7.31, 7.38, 7.49, 7.52, 8.18, 8.83, 10.06。
実施例10−12:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(5−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.69(酢酸エチル:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.19-1.31, 1.56, 1.70-1.88, 2.12-2.32, 2.42-2.84, 3.54, 4.37, 4.56, 6.92, 7.16-7.31, 7.71-7.82, 8.91, 9.84。
実施例11:4−(4−シアノ−2−{[(2’R,4S)−2,3−ジヒドロスピロ[1−ベンゾピラン−4,1’−シクロプロパン]−2’−カルボニル]アミノ}フェニル)ブタン酸
参考例9で製造した化合物と参考例3で製造した化合物を用いて、参考例10→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.62(クロロホルム:メタノール=9:1);
H−NMR(CDOD):δ 1.66, 1.77-1.91, 2.08-2.28, 2.34, 2.48, 2.71, 4.16, 4.28, 6.74, 6.82-6.91, 7.06, 7.42, 7.48, 7.91。
参考例18:(2’R,4S)−2’−{[2−(4−エトキシ−4−オキソブチル)−5−フルオロフェニル]カルバモイル}−2,3−ジヒドロスピロ[1−ベンゾピラン−4,1’−シクロプロパン]−6−カルボン酸
3−ニトロ−4−ブロモベンズアルデヒドの代わりに5−フルオロ−2−ヨードニトロベンゼンを用いて、参考例7→参考例9→参考例10→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する標題化合物を得た。
H−NMR(DMSO−d):δ 1.12, 1.52-1.77, 2.12, 2.26, 2.51-2.62, 3.87-4.02, 4.12, 4.34, 6.86, 6.92, 7.20, 7.41, 7.47, 7.68, 9.68, 12.68。
実施例12
参考例11で製造した化合物の代わりに参考例18で製造した化合物を用いて、メチルアミン塩酸塩または相当するアミン化合物を用いて、参考例12→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
実施例12−1:4−[4−フルオロ−2−({[(2’R,4S)−6−(メチルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.69(酢酸エチル:メタノール=19:1);
H−NMR(CDOD):δ 1.62-1.87, 2.12-2.28, 2.32, 2.56-2.78, 2.90, 4.23, 4.34, 6.76-6.89, 7.20, 7.38-7.51, 7.54。
実施例12−2:4−{4−フルオロ−2−[({(2’R,4S)−6−[(2−メトキシエチル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
TLC:Rf 0.67(酢酸エチル:メタノール=19:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.51-1.79, 2.06-2.22, 2.41-2.61, 3.25, 3.36-3.46, 4.07, 4.31, 6.83, 6.95, 7.19, 7.33, 7.43, 7.63, 8.42, 9.74, 12.06。
実施例12−3:4−{4−フルオロ−2−[({(2’R,4S)−6−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
TLC:Rf 0.64(酢酸エチル:メタノール=9:1);
H−NMR(CDOD):δ 1.66-1.86, 2.12-2.37, 2.57-2.70, 3.88, 4.25, 4.37, 6.81-6.92, 7.21, 7.45, 7.58, 7.63, 7.68, 8.00。
参考例19:エチル 4−(2−{[(1R,2R)−6’−(ベンジルオキシ)−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−2−カルボニル]アミノ}−4−シアノフェニル)ブタノエート
4−クロマノンの代わりに6−(ベンジルオキシ)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オンを用いて、参考例1→参考例2→参考例3→参考例10と同様の操作を行って、以下の物性値を有する標題化合物を得た。
【0410】
【化96】
【0411】
H−NMR(CDCl):δ 1.25, 1.38-1.45, 1.68-1.81, 1.82-1.87, 2.32-2.46, 2.57-2.67, 2.86-3.08, 3.82-3.92, 3.97-4.07, 5.00, 6.46, 6.77, 7.12, 7.17, 7.25-7.31, 7.32-7.43, 8.78, 9.15。
実施例13:4−[2−({[(1R,2R)−6’−(ベンジルオキシ)−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−2−イル]カルボニル}アミノ)−4−シアノフェニル]ブタン酸
参考例12で製造した化合物の代わりに参考例19で製造した化合物を用いて、実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.53(ジクロロメタン:メタノール=10:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.36-1.43, 1.66-1.77, 1.79-1.85, 2.31, 2.42-2.73, 2.84-3.09, 5.05, 6.49, 6.81, 7.13-7.21, 7.24-7.30, 7.32-7.47, 8.72, 8.92。
実施例14:4−[4−シアノ−2−({[(1R,2R)−6’−ヒドロキシ−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−2−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
実施例13で製造した化合物(40mg)の酢酸エチル(3mL)及び1,4−ジオキサン(1mL)溶液に10%パラジウム/炭素(12mg)を加え、水素で置換し、室温で9時間撹拌した。反応混合物をセライト濾過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、以下の物性値を有する本発明化合物(32mg)を得た。
TLC:Rf 0.40(ジクロロメタン:メタノール=10:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.36-1.43, 1.65-1.85, 2.32, 2.47-2.55, 2.58-2.76, 2.83-3.08, 6.37, 6.62, 7.06, 7.22, 7.25-7.37, 8.74, 8.92。
参考例20
:エチル 4−(4−シアノ−2−{[(1R,2R)−6’−ヒドロキシ−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−2−カルボニル]アミノ}フェニル)ブタノエート
実施例13で製造した化合物に代わりに参考例19で製造した化合物を用いて、実施例14と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.24, 1.38-1.43, 1.70-1.87, 2.31-2.49, 2.58-2.67, 2.85-3.07, 3.89-4.01, 4.04-4.16, 4.49, 6.31, 6.58, 7.04, 7.17, 7.26-7.31, 8.78, 9.18。
参考例21:エチル 4−[4−シアノ−2−({(1R,2R)−6’−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)メトキシ]−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−2−カルボニル}アミノ)フェニル]ブタノエート
窒素気流下、参考例20で製造した化合物(30mg)及び(1−メチルピラゾール−4−イル)メタノール(9.6mg)のトルエン(0.2mL)溶液にシアノメチレントリブチルホスホラン(0.06mL)を滴下し、100℃で一晩撹拌した。反応混合物を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(7mg)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.26, 1.39-1.42, 1.68-1.85, 2.28-2.51, 2.55-2.65, 2.83-3.05, 3.87-4.01, 4.04-4.18, 4.89, 6.40, 6.72-6.79, 7.06-7.38, 7.41, 7.51, 8.77, 9.13。
実施例15:4−{4−シアノ−2−[({(1R,2R)−6’−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)メトキシ]−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−2−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
参考例12で製造した化合物に代わりに参考例21で製造した化合物を用いて、実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.26(ジクロロメタン:メタノール=20:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.45-1.57, 1.66-1.79, 2.13-2.25, 2.26-2.75, 2.84-2.92, 3.81, 4.90, 6.51, 6.77, 7.09, 7.39, 7.47, 7.55, 7.77, 7.96。
参考例22:エチル 4−[4−シアノ−2−({(1R,2R)−6’−[2−(メチルアミノ)−2−オキソエトキシ]−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−2−カルボニル}アミノ)フェニル]ブタノエート
参考例20で製造した化合物(50mg)のDMF(0.5mL)溶液に、炭酸カリウム(33mg)とテトラブチルアンモニウムヨージド(4.4mg)、続いて2−クロロ−N−メチルアセトアミド(25.7mg)を室温で加えた。反応混合物を50℃で一晩撹拌した。反応混合物を酢酸エチルにて希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液と水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水、20%食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(山善自動精製装置)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(51mg)を得た。
TLC:Rf 0.26(ヘキサン:酢酸エチル=4:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.19, 1.39-1.44, 1.68-1.84, 1.86-1.89, 2.27-2.70, 2.84-3.08, 3.79-3.93, 3.95-4.06, 4.07, 4.44, 6.38, 6.55, 6.70, 7.13-7.20, 7.26-7.30, 8.75, 9.07。
実施例16:4−{4−シアノ−2−[({(1R,2R)−6’−[2−(メチルアミノ)−2−オキソエトキシ]−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−2−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
参考例12で製造した化合物に代わりに参考例22で製造した化合物を用いて、実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.59(酢酸エチル:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.44-1.51, 1.56, 2.07-2.34, 2.66, 2.87, 6.54, 6.76, 7.12, 7.41, 7.56, 7.92, 8.01, 9.75, 12.12。
実施例17:4−{4−シアノ−2−[({(1R,2R)−6’−[2−(ジメチルアミノ)−2−オキソエトキシ]−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−2−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸

2−クロロ−N−メチルアセトアミドの代わりに2−クロロ−N,N−ジメチルアセトアミドを用いて、参考例22→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.54(酢酸エチル:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.47-1.58, 1.71, 2.08-2.32, 2.33-2.70, 2.82-2.91, 3.00, 4.74, 6.49, 6.70, 7.10, 7.41, 7.57, 7.91, 9.79, 12.16。
参考例23:エチル 4−[4−シアノ−2−({(1R,2R)−6’−[(トリフルオロメタンスルホニル)オキシ]−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−2−カルボニル}アミノ)フェニル]ブタノエート
【0412】
【化97】
【0413】
窒素雰囲気下、参考例20で製造した化合物(100mg)のジクロロメタン(2mL)溶液に、トリエチルアミン(0.1mL)及び1,1,1−トリフルオロ−N−フェニル−N−(トリフルオロメチルスルホニル)メタンスルホンアミド(128mg)を加え、室温で3時間撹拌した。さらに反応液に1,1,1−トリフルオロ−N−フェニル−N−(トリフルオロメチルスルホニル)メタンスルホンアミド(128mg)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液ををシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(130mg)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.22-1.29, 1.39-1.44, 1.70-1.83, 1.86-1.91, 2.34-2.51, 2.60-2.67, 2.95-3.14, 3.90-4.02, 4.05-4.16, 6.67, 7.03, 7.19, 7.21-7.31, 8.78, 9.19。
参考例24:(1R,2R)−2−{[5−シアノ−2−(4−エトキシ−4−オキソブチル)フェニル]カルバモイル}−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−6’−カルボン酸
【0414】
【化98】
【0415】
参考例23で製造した化合物(120mg)をDMSO(3mL)に溶解し、減圧下超音波により脱気した。反応液に1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(dppp)(18mg)、酢酸パラジウム(II)(10mg)、塩化リチウム(92mg)、ギ酸ナトリウム(148mg)、ジイソプロピルエチルアミン(0.34mL)及び無水酢酸(0.19mL)を加え、一酸化炭素で置換し90℃で4時間撹拌した。反応混合物に0.1Nの塩酸水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出し、得られた有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(40mg)を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.18, 1.44-1.51, 1.64-1.79, 1.85-1.90, 2.35-2.48, 2.57-2.78, 2.99-3.17, 3.84-3.91, 4.03-4.11, 7.18, 7.24-7.36, 7.52, 7.89, 8.81, 9.29。
実施例18
参考例11で製造した化合物の代わりに参考例24で製造した化合物を用いて、メチルアミン塩酸塩または相当するアミン化合物を用いて、参考例12→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
実施例18−1:4−[4−シアノ−2−({[(1R,2R)−6’−(メチルカルバモイル)−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−2−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0416】
【化99】
【0417】
TLC:Rf 0.29(ジクロロメタン:メタノール=20:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.26-1.31, 1.66-1.78, 1.82-1.87, 2.23-2.30, 2.34-2.48, 2.52-2.71, 2.91-3.03, 3.04, 3.13-3.27, 6.21-6.29, 7.17, 7.19-7.35, 7.70, 8.82, 9.56。
実施例18−2:4−{4−シアノ−2−[({(1R,2R)−6’−[(2−メトキシエチル)カルバモイル]−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−2−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
【0418】
【化100】
【0419】
TLC:Rf 0.50(ジクロロメタン:メタノール=20:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.25-1.31, 1.65-1.77, 1.81-1.86, 2.23-2.30, 2.35-2.47, 2.51-2.71, 2.91-3.03, 3.13-3.27, 3.41, 3.54-3.78, 6.62-6.67, 7.17, 7.19-7.30, 7.34, 7.66, 8.82, 9.51。
実施例18−3:4−{4−シアノ−2−[({(1R,2R)−6’−[(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)カルバモイル]−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−2−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
【0420】
【化101】
【0421】
TLC:Rf 0.28(ジクロロメタン:メタノール=20:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.26-1.34, 1.68-1.78, 1.81-1.88, 2.25-2.31, 2.43-2.72, 2.95-3.06, 3.17-3.23, 3.92, 7.16-7.33, 7.42, 7.52, 7.75, 7.86, 7.99, 8.83, 9.54。
実施例19:4−[4−シアノ−2−({[(1R,2R)−6’−(3−ピリジニル)−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−2−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
参考例23で製造した化合物を用いて、4−フルオロフェニルボロン酸の代わりにピリジン−3−ボロン酸を用いて、参考例15→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.30(ジクロロメタン:メタノール=20:1);
H−NMR(CDOD):δ 1.58-1.66, 1.75-1.90, 2.25-2.45, 2.47-2.55, 2.68-2.79, 3.07-3.16, 7.15, 7.34-7.56, 7.98, 8.10, 8.52, 8.78。
参考例25:(2’R,4S)−2’−{[5−シアノ−2−(4−エトキシ−4−オキソブチル)フェニル]カルバモイル}−7−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[1−ベンゾピラン−4,1’−シクロプロパン]−6−カルボン酸
【0422】
【化102】
【0423】
4−クロマノンの代わりに7−フルオロクロマン−4−オンを用いて、参考例1→参考例2→参考例3→参考例4→参考例5→参考例6→参考例10→参考例11と同様の操作を行って、以下の物性値を有する標題化合物を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.13, 1.66-1.78, 1.84-1.90, 2.25-2.35, 2.42-2.47, 2.58-2.67, 3.60-3.73, 3.78-3.90, 4.10-4.22, 4.35-4.44, 6.60, 7.19, 7.26-7.33, 7.50, 8.71, 9.37。
実施例20
参考例11で製造した化合物の代わりに参考例25で製造した化合物を用い、メチルアミン塩酸塩または相当するアミン化合物を用いて、参考例12→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
実施例20−1:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−7−フルオロ−6−(メチルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0424】
【化103】
【0425】
TLC:Rf 0.74(ジクロロメタン:メタノール=10:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.18-1.29, 1.50-1.62, 1.70-1.80, 2.05-2.15, 2.20-2.27, 2.44-2.76, 3.03, 3.54-3.60, 4.31-4.40, 4.54-4.59, 6.57, 6.82-6.95, 7.20, 7.24-7.33, 8.06, 8.88, 9.94。
実施例20−2:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−7−フルオロ−6−[(2−メトキシエチル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
【0426】
【化104】
【0427】
TLC:Rf 0.49(ジクロロメタン:メタノール=10:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.19-1.26, 1.58-1.64, 1.68-1.84, 2.05-2.29, 2.45-2.77, 3.39, 3.53-3.64, 3.65-3.72, 4.31-4.43, 4.54-4.62, 6.57, 7.17-7.34, 8.05, 8.88, 9.93。
実施例20−3:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(エチルカルバモイル)−7−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.62(ヘキサン:酢酸エチル=1:3);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.09, 1.55, 1.65-1.78, 2.02-2.28, 2.47, 2.60-2.71, 3.17-3.33, 4.12, 4.33, 6.73, 7.19, 7.41, 7.56, 7.88, 8.07, 9.89, 12.11。
実施例20−4:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−7−フルオロ−6−(プロピルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.56(ヘキサン:酢酸エチル=1:2);
H−NMR(DMSO−d):δ 0.87, 1.42-1.58, 1.62-1.78, 2.04-2.23, 2.42, 2.60-2.69, 3.11-3.23, 4.12, 4.31, 6.73, 7.18, 7.41, 7.56, 7.88, 8.06, 9.90, 12.11。
実施例20−5:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−7−フルオロ−6−(イソプロピルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0428】
【化105】
【0429】
TLC:Rf 0.68(ヘキサン:酢酸エチル=1:3);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.13, 1.53, 1.63-1.79, 2.02-2.24, 2.46, 2.61-2.69, 3.96-4.18, 4.33, 6.72, 7.14, 7.41, 7.56, 7.80-7.92, 9.89, 12.11。
実施例21:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−フルオロ−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニルl}アミノ)フェニル]ブタン酸
4−クロマノンの代わりに6−フルオロ−4−クロマノンを用いて、参考例1→参考例2→参考例3→参考例10→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.38(ジクロロメタン:メタノール=10:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.46-1.80, 2.18-2.24, 2.48-2.75, 4.09-4.32, 6.55, 6.75-6.87, 7.21, 7.25-7.34, 8.66, 9.00。
参考例26:エチル 4−(2−{[(2’R,4S)−6−ベンゾイル−2,3−ジヒドロスピロ[1−ベンゾピラン−4,1’−シクロプロパン]−2’−カルボニル]アミノ}−4−シアノフェニル)ブタノエート
参考例10で製造した化合物(30mg)のアニソール(1mL)溶液にフェニルボロン酸(10mg)、炭酸カリウム(22mg)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン錯体(9mg)を加え、一酸化炭素雰囲気下、80℃で3時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(山善自動精製装置)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(18mg)を得た。
TLC:Rf 0.38(ヘキサン:酢酸エチル=1:1);
H−NMR(CDCl):δ 0.99, 1.61-1.80, 1.87, 2.27-2.36, 2.37-2.44, 2.61, 2.71, 3.43-3.56, 3.66, 3.81, 4.11-4.23, 4.32-4.42, 6.86, 7.19, 7.27, 7.42-7.62, 7.73, 8.73, 9.38。
実施例22:4−[2−({[(2’R,4S)−6−ベンゾイル−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)−4−シアノフェニル]ブタン酸
参考例12で製造した化合物の代わりに参考例26で製造した化合物を用いて、実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.42(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.53-1.64, 1.64-1.78, 2.10-2.30, 2.41-2.75, 3.20-3.49, 4.10-4.23, 4.33-4.45, 6.94, 7.36-7.45, 7.46-7.59, 7.60-7.73, 7.87, 9.89, 12.09。
実施例23
フェニルボロン酸の代わりに、相当するボロン酸を用いて、参考例26→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
実施例23−1:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(シクロプロピルカルボニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.41(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.02-1.38, 1.67-1.83, 2.06-2.38, 2.45-2.78, 4.33-4.45, 4.53-4.67, 6.89, 7.19, 7.25-7.30, 7.87, 7.98, 8.88, 9.85。
実施例23−2:4−[2−({[(2’R,4S)−6−アセチル−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)−4−シアノフェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.40(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.20-1.31, 1.70-1.85, 2.05-2.20, 2.23-2.33, 2.44-2.83, 4.33-4.45, 4.53-4.65, 6.85, 7.20, 7.28, 7.70, 8.06, 8.89, 9.83。
参考例27:エチル 4−(4−シアノ−2−{[(2’R,4S)−6−(メタンスルホニル)−2,3−ジヒドロスピロ[1−ベンゾピラン−4,1’−シクロプロパン]−2’−カルボニル]アミノ}フェニル)ブタノエート
アルゴン雰囲気下、L−プロリン(7mg)のDMSO(2mL)溶液に水酸化ナトリウム(2.3mg)を加え、室温で30分攪拌した。得られた反応混合物に参考例10で製造した化合物(40mg)、ヨウ化銅(11mg)、メタンスルフィン酸ナトリウム(37mg)を加え、マイクロウェーブ反応装置(バイオタージ社製)を用いて100℃にて1時間撹拌した。反応混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(山善自動精製装置)によって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(33mg)を得た。
TLC:Rf 0.58(ヘキサン:酢酸エチル=1:3);
H−NMR(CDCl):δ 1.13, 1.66-1.80, 1.91, 2.20-2.45, 2.53-2.64, 2.67, 3.01, 3.45-3.60, 3.73-3.86, 4.11-4.20, 4.40, 6.96, 7.20, 7.30, 7.40, 7.63, 8.71, 9.44。
実施例24:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(メチルスルホニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
参考例12で製造した化合物の代わりに参考例27で製造した化合物を用いて、実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.42(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.53-1.64, 1.72, 1.80-1.87, 2.08-2.29, 2.35-2.74, 3.18, 4.05-4.20, 4.32-4.44, 7.02, 7.40, 7.42, 7.57, 7.64, 7.87, 9.95, 12.10。
実施例25:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(シクロプロピルスルホニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
メタンスルフィン酸ナトリウムの代わりにシクロプロパンスルフィン酸ナトリウムを用いて、参考例27→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.40(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.00-1.15, 1.20-1.43, 1.60-1.82, 2.09-2.35, 2.38-2.60, 2.63-2.75, 3.39, 4.35, 4.57, 6.95, 7.20, 7.29, 7.59, 7.71, 8.90, 9.64。
参考例28:(2’R,4S)−7−(ベンジルオキシ)−2,3−ジヒドロスピロ[1−ベンゾピラン−4,1’−シクロプロパン]−2’−カルボン酸
【0430】
【化106】
【0431】
4−クロマノンの代わりに7−(ベンジルオキシ)−2,3−ジヒドロ−4H−クロメン−4−オンを用いて、参考例1→参考例2→参考例3と同様の操作を行って、以下の物性値を有する標題化合物を得た。
TLC:Rf 0.21(ヘキサン:酢酸エチル=1:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.53-1.70, 2.07, 2.20, 4.20-4.09, 4.23-4.33, 5.01, 6.46, 6.52, 6.60, 7.27-7.44。
HPLC保持時間:12.2分(CHIRALPAK IC 4.6mm×250mm ヘキサン:酢酸エチル:ギ酸=97:3:1)。
参考例29:エチル 4−(2−{[(2’R,4S)−7−(ベンジルオキシ)−2,3−ジヒドロスピロ[1−ベンゾピラン−4,1’−シクロプロパン]−2’−カルボニル]アミノ}−4−シアノフェニル)ブタノエート
【0432】
【化107】
【0433】
参考例6で製造した化合物の代わりに参考例28で製造した化合物を用いて、参考例10と同様の操作を行って、以下の物性値を有する標題化合物を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.13, 1.54-1.61, 1.64-1.81, 2.22, 2.37-2.45, 2.51-2.66, 3.55-3.68, 3.72-3.86, 4.03, 4.16, 4.22-4.32, 4.99, 6.42-6.51, 6.73, 7.18, 7.28, 7.29-7.44, 8.72, 9.28。
実施例26:4−[2−({[(2’R,4S)−7−(ベンジルオキシ)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)−4−シアノフェニル]ブタン酸
【0434】
【化108】
【0435】
参考例12で製造した化合物の代わりに参考例29で製造した化合物を用いて、実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.42(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.58, 1.68-1.84, 2.10-2.20, 2.36, 2.46, 2.50-2.75, 4.03-4.16, 4.20-4.32, 5.02, 6.48, 6.54, 6.71, 7.20, 7.27-7.45, 8.54, 8.82。
参考例30:エチル 4−(4−シアノ−2−{[(2’R,4S)−7−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロスピロ[1−ベンゾピラン−4,1’−シクロプロパン]−2’−カルボニル]アミノ}フェニル)ブタノエート
【0436】
【化109】
【0437】
参考例29で製造した化合物(650mg)のエタノール(50mL)と酢酸エチル(10mL)の混合溶液に、ASCA−2(商品名,50%wet、300mg)を加え、水素雰囲気下、室温で8時間撹拌した。反応混合物をセライト(商品名)でろ過後、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(山善自動精製装置)によって精製した後、tert−ブチルメチルエーテル及びヘキサンで洗浄することにより、以下の物性値を有する標題化合物(368mg)を得た。
TLC:Rf 0.28(ヘキサン:酢酸エチル=1:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.16, 1.55-1.62, 1.66-1.80, 2.16-2.25, 2.38-2.47, 2.52-2.66, 3.60-3.73, 3.76-3.87, 4.04-4.15, 4.22-4.32, 4.63, 6.28-6.37, 6.69, 7.18, 7.28, 8.71, 9.28。
実施例27:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−7−(3−ピリジニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
参考例20で製造した化合物の代わりに参考例30で製造した化合物を用いて、4−フルオロフェニルボロン酸の代わりにピリジン−3−ボロン酸を用いて、参考例23→参考例15→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.39(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.55-1.63, 1.65-1.80, 2.09-2.18, 2.21, 2.40-2.47, 2.53-2.77, 4.04-4.16, 4.28-4.38, 7.05, 7.15, 7.25, 7.41, 7.43-7.50, 7.57, 7.88, 8.02-8.08, 8.55, 8.85, 9.90, 12.10。
実施例28
参考例20で製造した化合物の代わりに参考例30で製造した化合物を用いて、メチルアミン塩酸塩または2−メトキシエチルアミンを用いて、参考例23→参考例24→参考例12→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
実施例28−1:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−7−(メチルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0438】
【化110】
【0439】
TLC:Rf 0.40(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.56, 1.63-1.80, 2.02-2.15, 2.20, 2.42, 2.57-2.69, 2.74, 4.01-4.13, 4.23-4.37, 6.99, 7.24, 7.36, 7.40, 7.56, 7.86, 8.34, 9.89, 12.11。
実施例28−2:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−7−[(2−メトキシエチル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
【0440】
【化111】
【0441】
TLC:Rf 0.40(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.63-1.89, 2.00-2.13, 2.25-2.47, 2.48-2.73, 2.78-2.93, 3.24-3.39, 3.51, 3.55-3.65, 3.85-4.06, 6.68, 6.79, 7.06, 7.20, 7.29, 7.98, 8.78, 9.84。
実施例29:4−[2−({[(2’R,4S)−6−(ベンジルオキシ)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)−4−シアノフェニル]ブタン酸
4−クロマノンの代わりに6−(ベンジルオキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−4−オンを用いて、ヨードメタンの代わりにヨードエタンを用いて、参考例1→参考例2→参考例3→参考例4→参考例6→参考例10→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.47(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.46-1.55, 1.62-1.80, 2.12-2.18, 2.43-2.48, 2.51-2.76, 4.18-4.26, 4.95-5.07, 6.62, 6.75-6.80, 7.18, 7.28, 7.31-7.45, 8.68, 9.14。
参考例31:エチル 4−(4−シアノ−2−{[(2’R,4S)−6−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロスピロ[1−ベンゾピラン−4,1’−シクロプロパン]−2’−カルボニル]アミノ}フェニル)ブタノエート
4−クロマノンの代わりに6−(ベンジルオキシ)−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−4−オンを用いて、参考例1→参考例2→参考例3→参考例4→参考例6→参考例10→参考例30と同様の操作を行って、以下の物性値を有する標題化合物を得た。
TLC:Rf 0.66(ヘキサン:酢酸エチル=1:2);
H−NMR(CDCl):δ 1.16, 1.52-1.58, 1.66-1.83, 2.21, 2.41, 2.55-2.73, 3.65-3.78, 3.84-3.98, 4.02-4.13, 4.17-4.27, 4.54, 6.33, 6.55, 6.68, 7.19, 7.28, 8.74, 9.38。
実施例30:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
参考例12で製造した化合物の代わりに参考例31で製造した化合物を用いて、実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.38(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(CDOD):δ 1.55-1.70, 1.77-1.90, 2.11-2.20, 2.33, 2.40-2.48, 2.67-2.78, 4.04-4.15, 4.17-4.26, 6.28, 6.53, 6.64, 7.41, 7.48, 7.90。
実施例31
参考例20で製造した化合物の代わりに参考例31で製造した化合物を用いて、
(1−メチルピラゾール−4−イル)メタノールの代わりに2−オキサゾールメタノールまたはメタノールを用いて、参考例21→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
実施例31−1:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(1,3−オキサゾール−2−イルメトキシ)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.45(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(CDOD):δ 1.58-1.76, 1.77-1.90, 2.09-2.21, 2.33, 2.47, 2.72, 4.08-4.17, 4.18-4.29, 5.11, 6.53, 6.70, 6.77, 7.21, 7.42, 7.48, 7.92, 7.96。
実施例31−2:4−(4−シアノ−2−{[(2’R,4S)−6−メトキシ−2,3−ジヒドロスピロ[1−ベンゾピラン−4,1’−シクロプロパン]−2’−カルボニル]アミノ}フェニル)ブタン酸
TLC:Rf 0.35(酢酸エチル);
H−NMR(DMSO−d)δ 1.50-1.56, 1.65-1.80, 2.00-2.09, 2.20, 2.35-2.47, 2.55-2.60, 2.61-2.69, 2.70-2.75, 3.69, 3.92-4.04, 4.15-4.26, 6.43, 6.71, 7.40, 7.56, 7.85, 9.86, 12.11。
実施例32:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−7−(1,3−オキサゾール−2−イルメトキシ)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
参考例20で製造した化合物の代わりに参考例30で製造した化合物を用いて、
(1−メチルピラゾール−4−イル)メタノールの代わりに2−オキサゾールメタノールを用いて、参考例21→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.47(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.58-1.68, 1.68-1.80, 2.03-2.15, 2.18-2.46, 2.41-2.50, 2.50-2.63, 2.64-2.83, 4.00-4.13, 4.20-4.31, 5.05, 5.17, 6.33, 6.48, 6.63, 7.10, 7.20, 7.28, 7.73, 8.62, 8.91。
参考例32:エチル (2’R,4S)−7−メトキシ−2,3−ジヒドロスピロ[1−ベンゾピラン−4,1’−シクロプロパン]−2’−カルボキシラート
【0442】
【化112】
【0443】
参考例3で製造した化合物の代わりに参考例28で製造した化合物を用いて、ヨードメタンの代わりにヨードエタンを用いて参考例4と同様の操作を行った。得られた化合物(2.1g)の酢酸エチル(5mL)溶液に、水酸化パラジウム/炭素(10%wet、0.2g)を加え、水素雰囲気下、室温で30分撹拌した。反応混合物をセライト(商品名)でろ過後、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣(1.31g)のDMF(5mL)溶液に炭酸カリウム(1.46g)を加えた後、ヨードメタン(1.5g)を滴下し、室温で一晩撹拌した。反応混合物を氷水に注ぎ、ヘキサン−酢酸エチル混合溶液で抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮することにより、以下の物性値を有する標題化合物(1.38g)を得た。
TLC:Rf 0.69(ヘキサン:酢酸エチル=1:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.25, 1.55-1.60, 2.05, 2.13-2.20, 3.75, 4.05-4.20, 4.23-4.31, 6.38, 6.45, 6.59。
実施例33
参考例4で製造した化合物の代わりに参考例32で製造した化合物を用いて、メチルアミン塩酸塩または相当するアミン化合物を用いて、参考例5→参考例6→参考例10→参考例11→参考例12→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
実施例33−1:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−7−メトキシ−6−(メチルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0444】
【化113】
【0445】
TLC:Rf 0.39(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.42-1.60, 1.65-1.79, 2.00-2.29, 2.32-2.74, 2.77, 3.83, 4.05-4.17, 4.24-4.38, 6.54, 7.35-7.45, 7.55, 7.89, 7.98, 9.88, 12.12。
実施例33−2:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,4S)−7−メトキシ−6−[(2−メトキシエチル)カルバモイル]−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
【0446】
【化114】
【0447】
TLC:Rf 0.39(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.46-1.60, 1.64-1.81, 2.00-2.29, 2.36-2.76, 3.27, 3.38-3.48, 3.85, 4.06-4.18, 4.25-4.36, 6.56, 7.40, 7.41, 7.55, 7.89, 8.09, 9.87, 12.10。
実施例33−3:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(エチルカルバモイル)−7−メトキシ−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.54(ヘキサン:酢酸エチル=1:3);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.09, 1.47-1.58, 1.65-1.78, 2.04-2.23, 2.47, 2.60-2.69, 3.21-3.30, 3.84, 4.11, 4.30, 6.54, 7.35-7.44, 7.56, 7.89, 8.04, 9.88, 12.11。
実施例33−4:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−7−メトキシ−6−(プロピルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.70(ヘキサン:酢酸エチル=1:3);
H−NMR(DMSO−d):δ 0.87, 1.41-1.58, 1.63-1.76, 2.00-2.23, 2.43, 2.59-2.70, 3.13-3.28, 3.84, 4.11, 4.29, 6.55, 7.32-7.42, 7.56, 7.90, 8.02, 9.88, 12.11。
実施例33−5:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(イソプロピルカルバモイル)−7−メトキシ−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
TLC:Rf 0.68(ヘキサン:酢酸エチル=1:3);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.14, 1.46-1.58, 1.63-1.78, 2.01-2.22, 2.46, 2.58-2.69, 3.84, 3.97-4.16, 4.31, 6.55, 7.34-7.43, 7.56, 7.74, 7.89, 9.87, 12.09。
実施例34:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−7−メトキシ−6−(5−メチル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
参考例4で製造した化合物の代わりに参考例32で製造した化合物を用いて、参考例5→参考例6→参考例10→参考例11→参考例13→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.38(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.16-1.27, 1.50-1.58, 1.66-1.85, 2.09-2.30, 2.42-2.83, 3.46, 3.85, 4.35, 4.55, 6.48, 7.19, 7.27, 7.68, 8.88, 9.90。
実施例35:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(4−モルホリニル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
参考例10で製造した化合物(72mg)のDMF(1mL)溶液に炭酸セシウム(129mg)、[(2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2',4',6'−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル)[2−(2−アミノエチル)フェニル]パラジウム(II)クロリド(9mg)、モルホリン(34mg)を加え、マイクロウェーブ反応装置(バイオタージ社製)を用いて110℃にて1時間撹拌した。反応混合物に炭酸カリウム水溶液を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(山善自動精製装置)によって精製し、エチルエステル体(46mg)を得た。参考例12で製造した化合物の代わりに得られたエチルエステル体を用いて実施例1と同様の反応を行うことにより本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.36(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(DMSO−d):δ 1.45-1.55, 1.62-1.80, 2.00-2.10, 2.16-2.26, 2.32-2.77, 2.89-3.06, 3.65-3.78, 3.90-4.05, 4.13-4.26, 6.39, 6.67, 6.74, 7.40, 7.56, 7.84, 9.87, 12.08。
参考例33:エチル 4−(4−シアノ−2−{[(2’R,3S)−5−ヨード−2H−スピロ[1−ベンゾフラン−3,1’−シクロプロパン]−2’−カルボニル]アミノ}フェニル)ブタノエート
【0448】
【化115】
【0449】
4−クロマノンの代わりに3−クマラノンを用いて、ヨードメタンの代わりにヨードエタンを用いて、参考例1→参考例2→参考例3→参考例4→参考例5→参考例6→参考例10と同様の操作を行って、以下の物性値を有する標題化合物を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.32, 1.57, 1.66-1.82, 2.36-2.70, 2.79, 3.95-4.22, 4.70, 6.60, 7.02, 7.20, 7.24-7.32, 7.38, 8.74, 9.40。
実施例36:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,3S)−5−(3−ピリジニル)スピロ[1−ベンゾフラン−3,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0450】
【化116】
【0451】
参考例10で製造した化合物の代わりに参考例33で製造した化合物を用いて、4−フルオロフェニルボロン酸の代わりにピリジン−3−ボロン酸を用いて、参考例15→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.42(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.06, 1.62-1.92, 2.58, 2.78, 2.94, 4.85, 6.47, 6.87, 7.01-7.40, 8.41, 8.61, 8.79, 9.75。
実施例37
参考例10で製造した化合物に代わりに参考例33で製造した化合物を用いて、メチルアミン塩酸塩または2−メトキシエチルアミンを用いて、参考例11→参考例12→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
実施例37−1:4−[4−シアノ−2−({[(2’R,3S)−5−(メチルカルバモイル)スピロ[1−ベンゾフラン−3,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0452】
【化117】
【0453】
TLC:Rf 0.47(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.57, 1.61-1.86, 2.30-2.73, 3.02, 3.22, 4.59, 4.73, 6.18, 6.76, 7.18, 7.20-7.32, 7.59, 8.70, 9.51。
実施例37−2:4−{4−シアノ−2−[({(2’R,3S)−5−[(2−メトキシエチル)カルバモイル]スピロ[1−ベンゾフラン−3,1’−シクロプロパン]−2’−イル}カルボニル)アミノ]フェニル}ブタン酸
【0454】
【化118】
【0455】
TLC:Rf 0.57(ジクロロメタン:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.58, 1.60-1.85, 2.30-2.75, 3.19, 3.41, 3.50-3.73, 4.61, 4.74, 6.47-6.62, 6.77, 7.19, 7.21-7.40, 7.56, 8.72, 9.47。
参考例34:6−ヨード−3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−オン
【0456】
【化119】
【0457】
6−アミノ−3,3−ジメチル−インダン−1−オン(2.1g)の塩酸(5mol/L、15mL)水溶液に亜硝酸ナトリウムの水溶液(4.5mol/L、4mL)を氷冷下、滴下した後、30分撹拌した。原料の消失を確認した後、ヨウ化カリウムの水溶液(4mol/L、6mL)を氷冷下、滴下した後、アセトニトリル(20mL)を加えて、室温で1時間撹拌した。反応混合物に氷冷下、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することにより、以下の物性値を有する標題化合物(2.66g)を得た。
TLC:Rf 0.86(ヘキサン:酢酸エチル=1:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.38-1.44, 2.59, 7.25-7.30, 7.90, 8.03。
参考例35:エチル 4−(4−シアノ−2−{[(1S,2R)−6’−ヨード−3’,3’−ジメチル−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−2−カルボニル]アミノ}フェニル)ブタノエート
【0458】
【化120】
【0459】
4−クロマノンの代わりに参考例34で製造した化合物を用いて、参考例1→参考例2→参考例3→参考例10と同様の操作を行って、以下の物性値を有する標題化合物を得た。
H−NMR(CDCl):δ 1.14-1.35, 1.44, 1.64-1.79, 1.79-1.88, 2.17, 2.28-2.50, 2.50-2.71, 3.83, 4.05, 6.91, 7.11, 7.19, 7.22-7.31, 7.45-7.53, 8.79, 9.28。
実施例38
参考例10で製造した化合物の代わりに参考例35で製造した化合物を用いて、メチルアミン塩酸塩または2−メトキシエチルアミンを用いて、参考例11→参考例12→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
実施例38−1:4−[4−シアノ−2−({[(1S,2R)−6’−[(2−メトキシエチル)カルバモイル]−3’,3’−ジメチル−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−2−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0460】
【化121】
【0461】
TLC:Rf 0.64(酢酸エチル:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.28-1.40, 1.72, 1.86, 2.01-2.10, 2.14-2.23, 2.63, 3.16, 3.40, 3.53-3.81, 6.64, 7.17, 7.22-7.31, 7.33-7.44, 7.70, 8.82, 9.51。
実施例38−2:4−[4−シアノ−2−({[(1S,2R)−3’,3’−ジメチル−6’−(メチルカルバモイル)−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−2−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0462】
【化122】
【0463】
TLC:Rf 0.55(酢酸エチル:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 1.29-1.42, 1.63-1.80 1.83-1.90, 1.98-2.11, 2.11-2.24, 2.32-2.56, 2.57-2.69, 3.04, 3.19, 6.24, 7.11-7.19, 7.21-7.34, 7.72, 8.82, 9.57。
実施例39:4−[4−シアノ−2−({[(1S,2R)−3’,3’−ジメチル−6’−(3−ピリジニル)−2’,3’−ジヒドロスピロ[シクロプロパン−1,1’−インデン]−2−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸
【0464】
【化123】
【0465】
参考例10で製造した化合物の代わりに参考例35で製造した化合物を用いて、4−フルオロフェニルボロン酸の代わりにピリジン−3−ボロン酸を用いて、参考例15→実施例1と同様の操作を行って、以下の物性値を有する本発明化合物を得た。
TLC:Rf 0.62(酢酸エチル:メタノール=9:1);
H−NMR(CDCl):δ 0.59, 1.27-1.43, 1.55-1.69, 1.79, 2.18-2.38, 2.52-2.64, 2.64-2.91, 6.53, 7.16-7.35, 7.54, 8.39-8.50, 8.75-8.84, 9.35。
薬理実験例:
薬理実験例1:プロスタノイドレセプターサブタイプ発現細胞を用いたEP拮抗活性測定実験
ニシガキ(Nishigaki)らの方法(非特許文献4)に準じて、ラットEPレセプターサブタイプをそれぞれ発現したCHO細胞を調製し実験に供した。サブコンフルエントとなるまで培養した細胞を剥離し,1x10cells/mLとなるようにアッセイミディアム(assay medium)(MEM containing 1mmol/L IBMX,1%HSA)に懸濁した。細胞懸濁液(25μL)を終濃度10nmol/LのPGE単独、またはこれと試験化合物を共に含む溶液(25μL)を添加して反応を開始し、室温で30分間反応した後、cAMPアッセイキット(assay kit)(CISBIO社製)に記載されている方法に準じ、細胞内のcAMP量を定量した。
【0466】
なお、試験化合物のアンタゴニスト作用(IC50値)は、PGE単独でサブマキシマル(submaximal)なcAMP産生作用を示す濃度である10nMの反応に対する抑制率として算出し、IC50値を求めた。
【0467】
その結果、本発明化合物が、強力なEP受容体拮抗活性を有することが分かった。例えば、いくつかの本発明化合物のIC50値は、下記の表1に示したとおりであった。一方、特許文献2記載の実施例8−128のEP受容体拮抗活性は、非常に弱く2800nMであった。
【0468】
【表1】
【0469】
薬理実験例2:薬物動態試験(肝ミクロソーム安定性試験)
(1)被験物質溶液の調製
被験物質(本発明化合物および比較化合物)のDMSO溶液(10mmol/L;5μL)を50%アセトニトリル水溶液(195μL)で希釈して、250μmol/Lの被験物質溶液を調製した。
(2)標準サンプル(反応開始直後のサンプル)調製
ウォーターバスであらかじめ37℃に加温した反応用容器に、NADPH−Co−Factor(BD−Bioscience社)および1mg/mLヒト肝ミクロソームを含む0.1mol/Lリン酸緩衝液(pH7.4)245μLを添加して、5分間プレインキュベーションした。そこに先の被験物質溶液5μLを添加して、反応を開始した(最終濃度1μmol/L)。反応開始直後に反応溶液20μLを採取して、この溶液をアセトニトリル(内部標準物質カンデサルタン含有)180μLに添加して反応を停止した。この反応が停止した溶液(20μL;反応開始直後のサンプル溶液)を除蛋白用フィルタープレート上で50%アセトニトリル(180μL)と撹拌した後、吸引ろ過して、ろ液を標準サンプルとした。
(3)反応サンプル(反応60分後のサンプル)調製
先の反応溶液を37℃で60分間インキュベーションした後、この反応溶液20μLを採取して、アセトニトリル(内部標準物質カンデサルタン含有)180μLに添加して、反応を停止した。この反応が停止した溶液(20μL;60分間反応させたサンプル溶液)を除蛋白用フィルタープレート上で50%アセトニトリル(180μL)と撹拌した後、吸引ろ過して、ろ液を反応サンプルとした。
(4)評価方法
LC−MS/MSで得られたピーク面積を用いて、標準サンプルの被験物質量(X)および反応サンプルの被験物質量(Y)から、次式に従い、被験物質の残存率(%)を算出した。
【0470】
残存率(%)=(Y/X)×100
X:標準サンプルの被験物質量(Ratio=被験物質のピーク面積/内部標準物質のピーク面積)
Y:反応サンプルの被験物質量(Ratio=被験物質のピーク面積/内部標準物質のピーク面積)
(5)結果
本発明化合物は、ヒト肝ミクロソームに対する安定性が高いこと(残存率(%)の値が大きいこと)が分かった。例えば、いくつかの本発明化合物の残存率の値は、下記の表2に示したとおりであった。一方、特許文献2記載の実施例6−117の残存率は、35%であった。
【0471】
【表2】
【0472】
薬理実験例3:マウス大腸がん細胞株CT26の同種移植モデルにおける抗腫瘍効果
マウス大腸がん細胞株であるCT26の同種移植モデルにて、本発明化合物の抗腫瘍効果を評価した。CT26は、10vol%の非働化済ウシ胎児血清(Fetal Bovine Serum;FBS)、100units/mLのPenicillinおよび100μg/mLのStreptomycinを含むRPMI−1640培地でCOインキュベーター内にて培養した。移植当日、培養上清を取り除き、CT26をリン酸緩衝液(以下、PBSと略す。)で洗浄したのち、回収した。回収したCT26をハンクス緩衝液に懸濁し、移植用細胞とした。麻酔下で雌性Balb/Cマウス(日本チャールスリバー株式会社)の右側背部に、30万個の移植用細胞を皮下移植した。10mg/kgの本発明化合物を、移植当日に1回の経口投与を行い、移植日以降に1日2回の経口投与を行った。なお、対照群には蒸留水を本発明化合物投与群と同じ期間投与した。腫瘍体積(mm)は、電子ノギスを用いて、腫瘍の短径および長径を測定し、以下の数式1および数式2にて相対腫瘍体積を算出した。
【0473】
【数1】
【0474】
【数2】
【0475】
その結果、本発明化合物は腫瘍増殖の抑制作用を有していた。例えば、実施例2−2および実施例2−13の相対腫瘍体積は、図1に示すとおりであった。
[製剤例]
製剤例1
以下の各成分を常法により混合した後打錠して、一錠中に10mgの活性成分を含有する錠剤1万錠を得た。
・4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(メチルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸 ……100g
・カルボキシメチルセルロースカルシウム(崩壊剤) …… 20g
・ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤) …… 10g
・微結晶セルロース ……870g
製剤例2
以下の各成分を常法により混合した後、除塵フィルターでろ過し、5mlずつアンプルに充填し、オートクレーブで加熱滅菌して、1アンプル中20mgの活性成分を含有するアンプル1万本を得た。
・4−[4−シアノ−2−({[(2’R,4S)−6−(メチルカルバモイル)−2,3−ジヒドロスピロ[クロメン−4,1’−シクロプロパン]−2’−イル]カルボニル}アミノ)フェニル]ブタン酸 ……200g
・マンニトール …… 20g
・蒸留水 …… 50L
【産業上の利用可能性】
【0476】
本発明化合物は、EP受容体に対して拮抗活性を有し、EP受容体の活性化に起因する疾患の予防および/または治療に有効である。
図1