特許第6269898号(P6269898)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6269898
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】灰処理水路のメンテナンスシステム
(51)【国際特許分類】
   F23J 1/02 20060101AFI20180122BHJP
   B09B 5/00 20060101ALI20180122BHJP
【FI】
   F23J1/02 AZAB
   B09B5/00 N
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-521260(P2017-521260)
(86)(22)【出願日】2016年11月14日
(86)【国際出願番号】JP2016083697
【審査請求日】2017年4月19日
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(72)【発明者】
【氏名】菅野 弘和
(72)【発明者】
【氏名】村上 俊之
【審査官】 藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭57−033717(JP,A)
【文献】 特開平9−273708(JP,A)
【文献】 実開昭59−32834(JP,U)
【文献】 特開2009−030880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23J 1/00
F23J 1/02
F23J 3/02
B01D 21/00
B09B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
灰処理用水貯水部の第1の水をクリンカホッパに送水し、前記第1の水と共にクリンカをクリンカホッパから送出し、前記クリンカから分離された水を前記灰処理用水貯水部へと戻す、灰処理水路を備え、
前記灰処理用水貯水部には、前記クリンカから分離された前記水と、脱硫設備に設けられたシックナーのアンダーフロー水から固形物が分離された水とが流入し、
前記灰処理水路は、前記クリンカホッパのシールトラフに送られる水路を有し、
前記灰処理水路には、前記第1の水と、前記第1の水とは異なる第2の水とを、所定時間ごとに自動的に切り替えて通水可能であり、
前記灰処理水路を流れる前記第1の水及び前記第2の水は、前記シールトラフに送られる前記水路を通って前記シールトラフに流入され、前記シールトラフより越流して、前記クリンカホッパの内部を流れる、
灰処理水路のメンテナンスシステム。
【請求項2】
前記第2の水は、前記第1の水と比べて、カルシウム濃度及び硫酸イオン濃度が低い、
請求項1に記載の灰処理水路のメンテナンスシステム。
【請求項3】
前記第2の水が流れる前記灰処理水路とは異なる第2水路と、前記灰処理水路とは、連結水路で連結され、
前記連結水路には第1弁が設けられ、
前記第2水路の前記第1弁より下流には、第2弁が設けられている
請求項1または2に記載の灰処理水路のメンテナンスシステム。
【請求項4】
前記第1弁が閉じて前記第2弁が開き、前記灰処理水路を前記第1の水が流れる第1の通水状態と、
前記第1弁が開いて前記第2弁が閉じ、前記灰処理水路を前記第2の水が流れる第2の通水状態と、を切り替える制御部を備える
請求項に記載の灰処理水路のメンテナンスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、灰処理水路のメンテナンスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
石炭式火力発電所における石炭燃焼に伴い、多量の灰(クリンカ等)が発生する。クリンカは、ボイラの下部に設けられたクリンカホッパに堆積される。クリンカホッパに堆積されたクリンカは、灰処理用水貯水部から送られる水によって水切り場に運ばれ、水切り場において水と分離される(例えば特許文献1参照)。
近年、灰処理用水貯水部からクリンカホッパへ水を送る水路、及びクリンカホッパから水切り場へと続く水路を含む灰処理水路が、針状結晶によって閉塞するトラブルが不定期的に発生している。
これらの灰処理水路が針状結晶によって閉塞すると、ボイラの停止を余儀なくされる恐れがある。針状結晶トラブルの発生パターン(不定期の原因)は特定されていないが、発生した場合、日々の補修対応に苦慮し、発生した際には多額の修繕費が費やされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−30880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
灰処理用水貯水部には、脱硫装置の冷却塔のシックナーにおけるアンダーフロー水と、クリンカホッパから流れて水切り場においてクリンカを除去した後の上澄み水と、が流入する。発明者らによる鋭意検討の結果、この針状結晶は二水石膏であり、硫酸イオン濃度の高い、脱硫装置の冷却塔のシックナーにおけるアンダーフロー水と、カルシウム濃度の高い、クリンカ除去後の上澄み水とが、灰処理用水貯水部にて混合され、一定以上の濃度になると針状結晶が生成することが判明した。
冷却塔排水シックナーにおけるアンダーフロー水を、排水と汚泥に分離処理し、針状結晶によるトラブルの未然防止を図る方法も考えられる。しかし、この方法は、設備設置や設置後の維持費等に多額の費用を要するという問題が発生する。
【0005】
本発明は、針状結晶の析出を防止可能な、灰処理水路のメンテナンスシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の灰処理水路のメンテナンスシステムは、灰処理用水貯水部の第1の水をクリンカホッパに送水し、前記第1の水と共にクリンカをクリンカホッパから送出し、前記クリンカから分離された水を前記灰処理用水貯水部へと戻す、灰処理水路を備え、前記灰処理水路には、前記第1の水と、前記第1の水とは異なる第2の水とを切り替えて通水可能である。
【0007】
前記灰処理用水貯水部には、前記クリンカから分離された前記水と、脱硫設備に設けられたシックナーのアンダーフロー水から固形物が分離された水とが流入することが好ましい。
【0008】
前記灰処理水路を流れる水は、前記クリンカホッパのシールトラフに流入され、前記シールトラフより越流して、前記クリンカホッパの内部を流れることが好ましい。
【0009】
前記第2の水は、工業用水であり前記第1の水と比べて、カルシウム濃度及び硫酸イオン濃度が低いことが好ましい。
【0010】
前記第2の水が流れる前記灰処理水路とは異なる第2水路と、前記灰処理水路とは、連結水路で連結され、前記連結水路には第1弁が設けられ、前記第2水路の前記第1弁より下流には、第2弁が設けられていることが好ましい。
【0011】
前記第1弁が閉じて前記第2弁が開き、前記灰処理水路を前記第1の水が流れる第1の通水状態と、前記第1弁が開いて前記第2弁が閉じ、前記灰処理水路を前記第2の水が流れる第2の通水状態と、を切り替える制御部を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、針状結晶の析出を防止可能な、灰処理水路のメンテナンスシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】石炭式火力発電所におけるクリンカ処理設備、シンダー処理設備及び、脱硫設備を示す概略図である。
図2】石炭式火力発電所の灰処理設備の系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、石炭式火力発電所100におけるクリンカ処理設備1、シンダー処理設備2及び、脱硫設備3を示す概略図である。
【0015】
まず、脱硫設備3について説明する。脱硫設備3は、脱硫冷却塔31と、冷却塔シックナー32と、冷却塔ピット33と、脱硫冷却塔排水槽34と、を備える。
脱硫設備3は、ボイラ4において発生された排ガスが導入され、排ガスから硫黄酸化物(SO)を除去するとともに、排ガスを冷却する装置である。
冷却塔シックナー32は、沈降濃縮槽である。冷却塔シックナー32のオーバフロー水32Aは、脱硫冷却塔排水槽34へ送られ、アンダーフロー水32Bは、後述の水切り場5へ送られる。また、脱硫冷却塔排水槽34の水は、脱硫冷却塔31へ戻される。
【0016】
石炭式火力発電所100のボイラ4において発生する灰(アッシュ)は、ボイラ4の底に溜まるクリンカ(クリンカアッシュ)と、燃焼経路に溜まるシンダーアッシュとを含む。図2は、これらの灰の処理設備の系統図であり、灰処理設備は、クリンカ処理設備1と、シンダー処理設備2とを含む。
【0017】
シンダー処理設備2は、シンダー21と、灰処理用水貯水部6Aからシンダー21方向へ延びる第1水路7と、第1水路7に設けられ、灰処理用水貯水部6Aの水を第1水路7に送り出す第1ポンプ71と、第1ポンプ71で送られた水の圧送する第2ポンプ72とを備える。
第2ポンプ72の下流側において、第1水路7は二方向に分かれ、一方の水路である第2水路7Aはシンダー21へと続く水路であり、他方の第3水路7Bはクリンカホッパ11へと続く水路である。
第2ポンプ72により圧送されて第2水路7Aを通った水によって、シンダー21内に含まれるシンダーアッシュは、スラリー状になってシンダー21より送り出される。シンダー処理設備2は、さらに、そのスラリー状のシンダーアッシュを水切り場5に送る第4水路8と、第4水路8の端部に設けられた水切り場5とを備える。
【0018】
水切り場5は、図示しない水槽を備え、その水槽内に流入されたスラリー状のシンダーアッシュは、水槽内において沈殿する。上澄み水は、オーバフローとして越流し、灰処理用水貯水部6Aへ送られる。沈殿したシンダーアッシュは、適宜排出されて図示しない灰処理場に輸送される。
【0019】
クリンカ処理設備1は、ボイラ4の炉底に設けられ、落下したクリンカを貯留するために設けられたクリンカホッパ11を備える。また、クリンカ処理設備1は、クリンカホッパ11と灰処理用水貯水部6Aとを連結する第1水路7と、第1水路7設けられ、灰処理用水貯水部6Aの水を第1水路7に送り出す第1ポンプ71と、第1ポンプ71で送られた水を圧送する第2ポンプ72とを備える。これらの第1水路7と、第1ポンプ71と、第2ポンプ72とは、シンダー処理設備2と共用である。
第2ポンプ72より下流側において、二方向に分かれた一方の第3水路7Bは、第2ポンプ72により圧送された水をジェット噴射するジェッチング弁12へと続く。クリンカホッパ11の下部にはクリンカクラッシャ13が設けられている。
【0020】
クリンカクラッシャ13は、クリンカホッパ11の下部に落下したクリンカを粉砕する。クリンカ処理設備1において、第2ポンプ72により圧送された水は、ジェッチング弁12によってジェット噴射される。クリンカクラッシャ13において粉砕されたクリンカは、クリンカJPP18によってジェット噴射された水と混合されてスラリー状になり、第5水路14に送り出される。第5水路14の端部には水切り場5が設けられている。この水切り場5はシンダー処理設備2と共用である。
【0021】
水切り場5において、シンダーアッシュと同様に、クリンカは水槽内において沈殿する。上澄み水は、オーバフローとして越流して灰処理用水貯水部6Aへ流出する。沈殿したクリンカは、適宜排出されて図示しない灰処理場に輸送される。
【0022】
図2に示すようにクリンカホッパ11の上部の縁部の外周には、水が溜まるシールトラフ15が設けられている。シールトラフ15は、ボイラ4とクリンカホッパ11とを接合し、外気と内部とを遮断するための火炉封水が流入する。
第1ポンプ71を経て第1水路7を流れる水は、第2ポンプ72の前で分岐され第6水路7Cを通って火炉封水としてクリンカホッパ11のシールトラフ15に送られる。
【0023】
ここで、クリンカホッパ11内部の水温は、ボイラ4からの輻射熱および落下したクリンカによって上昇する。シールトラフ15に流入した水は、クリンカホッパ11内部へ越流し、クリンカホッパ11の内面に付着したクリンカを洗い流すとともに、クリンカホッパ11内を冷却する。クリンカホッパ11を冷却した水は、クリンカホッパ11の壁面に設けられたオーバフロー口16からクリンカホッパ11の外へ排出される。クリンカホッパ11より排出された水は、第7水路17を通って、水切り場5の水槽内に送られ。上澄み水は、オーバフローとして越流して灰処理用水貯水部6Aへ流出する。
【0024】
また、石炭式火力発電所100において、灰処理用水貯水部6Aの水が循環するこれらの第1水路7〜第7水路17とは別に、工水が流れる工水路9が配置されている。工水路9は、上流側から、灰処理用水貯水部6Aと隣接して設けられた工水貯水部6Bまで延びている。
【0025】
実施形態において、第1水路7と工水路9との間に連結水路91が設けられている。連結水路91には第1バルブ92が取り付けられている。また工水路9における連結水路91が設けられている部分よりも下流側には、第2バルブ93が取り付けられている。
【0026】
本実施形態において、クリンカ処理設備1は、工水路9における、工水貯水部6Bに続く第2バルブ93を開き、工水路9と第1水路7との間の連結水路91に設けられた第1バルブ92が閉じた灰処理用水通水状態と、第2バルブ93が閉じ、第1バルブ92が開いた工水通水状態と、を取ることができる。なお、この際、第1ポンプ71及び第2ポンプ72近傍に設けられたバルブは開いた状態である。
この、灰処理用水通水状態と工水通水状態との切換は、所定時間ごとに手動で切り換えても良く、また、図示しない制御部において、自動で切り換えてもよい。
【0027】
灰処理用水通水状態において、灰処理用水貯水部6Aの水は、第1ポンプ71によって第1水路7に送られる。第1水路7に送られた水の一部は、第6水路7Cを通ってシールトラフ15へと流れる。
【0028】
第1水路7を流れる水のうちの、シールトラフ15へ流れる水以外の水は、第2ポンプ72によって、圧送され、その一部は、シンダー21へ送られる。圧送された水は、シンダー21においてシンダーアッシュをスラリー状にして送り出す。スラリー状のシンダーアッシュは水切り場5に第4水路8を通って送られる。スラリー状のシンダーアッシュは、第4水路8の端部に設けられた水切り場5の水槽内において沈殿する。上澄み水は、越流して灰処理用水貯水部6Aへ流出する。沈殿したシンダーアッシュは、適宜排出されて図示しない灰処理場に輸送される。
【0029】
圧送された水のうち、シンダー21へ流された水以外の水は、ジェッチング弁12においてジェット噴射された水の勢いにより、クリンカをクリンカクラッシャ13へ導き、クリンカクラッシャ13において粉砕されたクリンカは、クリンカJPP18によってジェット噴射された水と混合されてスラリー状になり第5水路14に送り出す。スラリー状のクリンカは、第5水路14の端部に設けられた水切り場5に送られる。水切り場5の水槽内に流入されたスラリー状のクリンカは、水槽内において沈殿する。上澄み水は、越流して灰処理用水貯水部6Aへ流出する。沈殿したクリンカは、適宜排出されて図示しない灰処理場に輸送される。
【0030】
一方、第1水路7の第6水路7Cに流れた水は、火炉封水としてシールトラフ15に流れる。シールトラフ15に流入した水は、クリンカホッパ11の内部へ越流し、クリンカホッパ11の内部のクリンカを落下させるとともにクリンカホッパ11の内部を冷却する。
その後、水は、クリンカホッパ11の壁面に設けられたオーバフロー口16からクリンカホッパ11外へ排出される。排出された水は、水切り場5の水槽に流入されて、越流した水は灰処理用水貯水部6Aへ流れ出る。
なお、このような灰処理用水の通水は、一日に3,4回、1回2,3時間程度行われる。
【0031】
ここで、上述のように、冷却塔シックナー32のアンダーフローも、灰処理用水貯水部6Aへ流れ出る。したがって灰処理用水貯水部6Aの水は硫酸イオン濃度が高い。一方、水切り場5において、クリンカやシンダーアッシュと分離された上澄みの水も灰処理用水貯水部6Aへ流れる。これらの水は、クリンカやシンダーアッシュと混合されていたため、カルシウム濃度が高い。このため灰処理用水貯水部6Aの水は、硫酸イオン濃度及びカルシウム濃度が高い。
【0032】
このような、硫酸イオン濃度及びカルシウム濃度が高い灰処理用水貯水部6Aの水が、第1水路7、第6水路7Cを流れると、水路中に針状結晶(二水石膏,硫酸カルシウム二水和物)が生成される場合がある。
針状結晶が発生すると、シールトラフ15に供給される水量が減少し、越流量が不均一になる。そうすると、越流によるクリンカホッパ11の冷却効果のバラツキが発生、収縮熱膨張のアンバランスによるキャスター破損が懸念される。
また、針状結晶の生成が更に進行すると,シールトラフ15への火炉封水の供給が困難になるともに、冷却することが困難となる。
【0033】
そこで、本実施形態においては、上述の灰処理用水によるクリンカホッパ11及びシンダー21への通水が行われていない時間帯に、工水路9における、工水貯水部6Bに続く第2バルブ93を閉じ、工水路9と第1水路7との間の連結水路91に設けられた第1バルブ92を開ける。なお、この際、第1ポンプ71近傍に設けられたバルブは閉じる。
そうすると、工水は、第1水路7を通り、火炉封水としてシールトラフ15に流れる。
シールトラフ15に流入した水は、クリンカホッパ11の内部へ越流し、クリンカホッパ11内のクリンカを流しながらクリンカホッパ11の内部を冷却する。その後、水は、クリンカホッパ11の壁面に設けられたオーバフロー口16からクリンカホッパ11外へ排出される。
排出された水は、水切り場5の水槽に流入されて、オーバフローして灰処理用水貯水部6Aへ流れる。
【0034】
実施形態によると、以下の効果を有する。
工水は、冷却塔シックナー32のアンダーフロー水を含まず、またクリンカやシンダーアッシュと分離された上澄みの水も含まない。ゆえに、灰処理用水貯水部の水と比べて硫酸イオン濃度及びカルシウム濃度が低い。このような硫酸イオン濃度及びカルシウム濃度が低い水が、第1水路7を流れシールトラフ15を流れる水路に流されることにより、シールトラフ15を流れる水路である第1水路7、第6水路7C及び第7水路17が洗浄される。
この洗浄によって、シールトラフ15を流れる水路における針状結晶の可能性が低減される。
したがって、針状結晶の発生による、シールトラフ15に供給される水量の減少し、越流量の不均一等が発生しない。
クリンカホッパ11の冷却効果のバラツキが発生、収縮熱膨張のアンバランスによるキャスター破損の可能性が低減する。
また、シールトラフ15以外の水路7A・7Bへも工水が流れ、配管内が洗浄され針状結晶の付着抑制または除去効果が期待できる。
【符号の説明】
【0035】
1 クリンカ処理設備
2 シンダー処理設備
3 脱硫設備
4 ボイラ
5 水切り場
6A 灰処理用水貯水部
6B 工水貯水部
7 第1水路
7A 第2水路
7B 第3水路
7C 第6水路
8 第4水路
9 工水路
11 クリンカホッパ
14 第5水路
15 シールトラフ
17 第7水路
21 シンダー
32 冷却塔シックナー
32B アンダーフロー水
71 第1ポンプ
72 第2ポンプ
91 連結水路
92 第1バルブ
93 第2バルブ
100 石炭式火力発電所
【要約】
針状結晶の析出を防止可能な、灰処理水路のメンテナンスシステムを提供する。
本発明の灰処理水路のメンテナンスシステムは、灰処理用水貯水部の第1の水をクリンカホッパ11に送水し、前記第1の水と共にクリンカをクリンカホッパ11から送出し、前記クリンカから分離された水を前記灰処理用水貯水部へと戻す、灰処理水路を備え、前記灰処理水路には、前記第1の水と、前記第1の水とは異なる第2の水とを切り替えて通水可能である。
図1
図2