【実施例】
【0024】
先ず、実施例の構成について説明する。
【0025】
図1は、実施例の床材間の境界部構造の概略構成を平面視で示している。
【0026】
先ず、この実施例の床見切材2は、2つの壁5,5のコーナー部に敷き詰められた床材としての畳体3,・・・と床材としてのフローリング4との間に設けて境界部を形成している。
【0027】
より具体的には、この床見切材2は、
図2に示したように、畳体3,・・・とフローリング4との間の床下地材6に固定される受け材21と、この受け材21の上面を覆うように取り付けられるカバー材22とから成る。
【0028】
ここで、受け材21は、金属(アルミニウム)製であり、畳体3側の側面21aが畳体3の側面に圧接されるように設けられた状態で、畳体3,3間の目地との交差部に形成される隙間から見える高さを有している。
【0029】
また、受け材21は、フローリング4側の側面21bとフローリング4の側面との間に若干の隙間が形成されており、施工誤差が吸収できるようになっている。
【0030】
さらに、受け材21は、上側にカバー材22の後述する嵌合突起223を嵌合する嵌合溝211を有している。
【0031】
また、受け材21の嵌合溝211の底面には、受け材21の下面まで貫通した締結部材挿通孔213,・・・が受け材21の長手方向に沿って設けられている。
【0032】
そして、嵌合溝211の上側から締結部材としてのビス7,・・・を挿入し、これらビス7,・・・を床下地材6まで締結することで、受け材21は、畳体3,・・・とフローリング4との間に固定される。
【0033】
さらに、カバー材22は、樹脂製であり、長手方向に延びる本体部22Aを中心として、先端部が畳体3,・・・の側面に当接される畳体側庇状部221と、先端部がフローリング4の上面を覆うフローリング側庇状部222を有している。
【0034】
また、カバー材22は、本体部22Aの下側に、上述したように、受け材21の嵌合溝211に嵌合する嵌合突起223を有している。
【0035】
なお、嵌合突起223の外側面には凹部と凸部が設けられており、上述した嵌合溝211の内側面にも凹部と凸部が設けられており、嵌合状態で、両者の凹部と凸部とは噛み合わされる。
【0036】
また、嵌合突起223は、下側と側方端部とが開口した中空部223aを有している。
【0037】
次に、この実施例のコーナー用床見切材1は、
図1に示したように、畳体3,・・・とフローリング4との間に設けて境界部を形成する床見切材2,2のコーナー部に用いられている。
【0038】
より具体的には、このコーナー用床見切材1は、
図3〜
図7に示したように、脚部11を有するコーナー用床見切材本体1Aから成る樹脂製の一体成形品である。
【0039】
ここで、脚部11の側面には、嵌合突部13,13が設けられており、これら嵌合突部13,13は、断面略十字形状であり、
図3に示したように、床見切材2のカバー材22の嵌合突起223に形成された中空部223aを嵌合部としてそれぞれ嵌め込まれている。
【0040】
また、コーナー用床見切材本体1Aの上側には、
図4〜
図6に示したように、床見切材2の端部のカバー材22の上面を覆う覆部12,12が形成されている。
【0041】
さらに、脚部11は、
図7に示したように、断面略コ字形状に形成されている。
【0042】
次に、実施例の床材間の境界部構造の施工方法について簡単に説明する。
【0043】
先ず、
図1及び
図2に示したように、床見切材2,2を取り付ける。
【0044】
そして、
図8に示したように、床見切材2,2のカバー材22,22のコーナー部側の端部のみを持ち上げる。
【0045】
なお、床見切材2,2の受け材21,21が樹脂等の比較的柔らかい材質である場合は、床見切材2,2のコーナー部側の端部全体を持ち上げてもよい。
【0046】
この状態で、
図9に示したように、嵌合部としての床見切材2のカバー材22の嵌合突起223に形成された中空部223aに、嵌合突部13,13を嵌め込み、コーナー用床見切材1を仮止めする。
【0047】
そして、コーナー用床見切材1を、
図10に示したように、床下地材6上の設置する位置に移すと、実施例の床材間の境界部構造が完成する。
【0048】
次に、実施例の作用効果について説明する。
【0049】
このような実施例のコーナー用床見切材1は、床材としての畳体3,・・・と床材としてのフローリング4との間に設けて境界部を形成する床見切材2,2のコーナー部に用いられるコーナー用床見切材であって、コーナー用床見切材本体1Aの側方へ突出し、床見切材2の端部に設けられ、側方へ開口した嵌合部としてのカバー材22の嵌合突起223に形成された中空部223aに嵌め込まれる嵌合突部13,13が形成された構成とされている。
【0050】
上記した構成なので、コーナー用床見切材1は、嵌合突部13,13で床見切材2,2の端部の嵌合部としてのカバー材22の嵌合突起223に形成された中空部223aに固定されるため、上方に抜け出るのを防止することができる。
【0051】
ここで、嵌合突部13は、略直交する二辺に設けられた床見切材2,2に対応するコーナー用床見切材本体1Aの側面にそれぞれ形成されている。
【0052】
このため、コーナー用床見切材1は、2箇所で固定されるので、より確実に上方に抜け出るのを防止することができる。
【0053】
また、嵌合突部13,13は、コーナー用床見切材本体1Aの脚部11の側面に設けられている。
【0054】
このため、全体的に簡易な形状で強度の高いものとすることができる。
【0055】
さらに、コーナー用床見切材本体1Aの脚部11は、断面略コ字形状に形成されている。
【0056】
このため、使用する材料が少なくて済み、より安価に実施することができる。
【0057】
また、コーナー用床見切材本体1Aには、床見切材2,2のカバー材22の端部上面を覆う覆部12,12が形成されている。
【0058】
このため、製造誤差や施工誤差等により生じてしまうコーナー用床見切材1と床見切材2,2との間の隙間を覆い隠すことができる。
【0059】
このような実施例の床材間の境界部構造は、上記した実施例のコーナー用床見切材1を用いた構成とされている。
【0060】
上記した構成なので、上記した実施例のコーナー用床見切材1の作用効果を奏する床材間の境界部構造とすることができる。
【0061】
ここで、床見切材2は、畳体3,・・・とフローリング4との間の床下地材6に固定される受け材21と、受け材21の上面を覆うように取り付けられるカバー材22とから成り、受け材21は、上側にカバー材22を嵌合して取り付ける嵌合溝211を有するとともに、カバー材22は、下側に受け材21の嵌合溝211に嵌合する嵌合突起223を有し、コーナー用床見切材1の嵌合突部13を嵌め込むための嵌合部は、カバー材22の嵌合突起223の側方端部が開口した中空部223aにより形成されている。
【0062】
このため、床見切材2,2の端部にコーナー用床見切材1を仮止めした状態で床下地材6上の設置する位置に移すだけの作業で完成するので、施工性が良い。
【0063】
以上、図面を参照して、本発明を実施するための形態を実施例に基づいて詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0064】
例えば、上記した実施例では、受け材21のフローリング4側の側面21bとフローリング4の側面との間に隙間を設けて実施したが、これに限定されず、隙間が無いようにして実施してもよい。
【0065】
また、上記した実施例では、コーナー用床見切材1を樹脂製の一体成形品として実施したが、これに限定されず、金属などの他の材料で実施してもよいし、部分毎を別個に製造して組み立てた複合部材として実施してもよい。
【0066】
さらに、上記した実施例では、床見切材2として、受け材21とカバー材22とから成るものを用いて実施したが、これに限定されず、一体物を用いて実施してもよい。
【0067】
また、上記した実施例では、床見切材2が境界部を形成する床材を、畳体3,・・・とフローリング4とにしたが、これに限定されず、いずれか一方をカーペットとしたり、同じ種類の床材同士間としたりして実施してもよい。
【0068】
さらに、上記した実施例では、嵌合突部13を、略直交する二辺に設けられた床見切材2,2に対応するコーナー用床見切材本体1Aの側面にそれぞれ形成して実施したが、これに限定されず、嵌合突部13を、三辺や四辺に設けられた床見切材2に対応するコーナー用床見切材本体1Aの側面にそれぞれ形成して実施してもよいし、直交しないようにして実施してもよい。