特許第6269957号(P6269957)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6269957
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】通信機能付き電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/723 20060101AFI20180122BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20180122BHJP
【FI】
   H04M1/723
   H04W88/06
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-193603(P2014-193603)
(22)【出願日】2014年9月24日
(65)【公開番号】特開2016-66856(P2016-66856A)
(43)【公開日】2016年4月28日
【審査請求日】2017年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプス電気株式会社
(72)【発明者】
【氏名】大井 南己夫
【審査官】 寺谷 大亮
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−532954(JP,A)
【文献】 特開2011−049700(JP,A)
【文献】 特開2014−127819(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/723
H04W 88/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の送受信手段と、前記第1の送受信手段の通信制御を行う第1の通信制御手段と、前記第1の通信制御手段と接続された第1不揮発性メモリと、を備え第1の通信方式で無線通信を行う第1通信部と、
第2の送受信手段と、前記第2の送受信手段の通信制御を行う第2の通信制御手段と、を備え第2の通信方式で無線通信を行う第2通信部と、
前記第1通信部と前記第2通信部とを制御する主制御部と、該主制御部に接続された主不揮発性メモリと、
前記第1通信部と前記主制御部を接続するとともに前記第2通信部と前記主制御部を接続する接続手段と、を備えた通信機能付き電子機器において、
前記第1不揮発性メモリには、前記第1の通信制御手段を動作させるための第1情報と、前記第2の通信制御手段を動作させるための第2情報が記憶されており、
前記主制御部は、前記第1の通信制御手段を介して前記第1不揮発性メモリから前記第2情報を取得して前記主不揮発性メモリに記憶させるとともに、
前記第2通信部の制御を行う場合には、前記主不揮発性メモリから前記第2情報を読み出して前記第2通信部へ送信することを特徴とする通信機能付き電子機器。
【請求項2】
前記主制御部は、前記主不揮発性メモリから前記第2情報を取得できない場合に前記第1の通信制御手段を介して前記第1不揮発性メモリから前記第2情報を取得して前記主不揮発性メモリに記憶させることを特徴とする請求項1に記載の通信機能付き電子機器。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信を行う通信機能付き電子機器に関し、特に、異なる複数の通信方式による無線通信を行う通信機能付き電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ISM(Industry Science Medical)バンドと呼ばれる周波数帯を用いて電子機器間を無線で接続するための通信装置が盛んに開発されている。この種の通信装置で用いられる無線通信方式としては、WLANあるいはWiFi等と称されるIEEE802.11b/g/nや、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))などが知られている。
【0003】
近年、これらの異なる複数の通信方式による無線通信を行うことができる通信装置を搭載したフォトプリンタやカーナビゲーション、スマートフォン等の通信機能付き電子機器が広く普及している。
【0004】
特許文献1に記載の通信機能付き電子機器(端末)900では、図4に示すように、WLANとの通信をサポートするWLANモジュール910、およびブルートゥース装置との通信をサポートするブルートゥースモジュール920を備えている。
【0005】
WLANモジュール910はメモリ914を有しており、メモリ914には、WLANモジュール910のためのデータやプログラムコードが格納されている。また、ブルートゥースモジュール920はメモリ924を有しており、メモリ924にはブルートゥースモジュール920のためのデータが格納されている。
【0006】
このように、WLANモジュール910およびブルートゥースモジュール920のそれぞれに専用メモリを設けて通信機能付き電子機器900を構成する技術が開示されている。このような構成では、WLANモジュールとブルートゥースモジュールそれぞれにメモリを設ける必要があるので小型化に適さず、またコストアップになってしまう。
【0007】
このような問題を回避するため、例えばWLANモジュールにのみメモリを設け、ブルートゥースモジュールのためのデータもWLANモジュールに設けたメモリに記憶させておくことが考えられる。
【0008】
この場合、ブルートゥースモジュールを動作させる際には、一旦WLANモジュールを動作させ、ブルートゥースモジュールのためのデータ読み出してからブルートゥースモジュールを動作させることとなる。
【0009】
このように、一方の通信モジュール(通信部)にメモリを設けることで、通信機能付き電子機器の大型化やコストの上昇を回避することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特表2010‐532954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述した通信機能付き電子機器では、動作のために必要なデータを記憶するメモリを備えていない通信部を動作させるためには、メモリを備えた通信部を起動させる必要がある。このためメモリを備えていない通信部を使用して通信を行う場合には通信を開始するまでに時間が掛ってしまう。また、メモリを有する通信部の動作に不具合が生じた場合には、メモリを備えていない通信部も動作させられなくなり信頼性が低くなってしまうという課題があった。
【0012】
本発明は、上述した課題を解決するもので、それぞれの通信部ごとに不揮発性メモリを設けることなくコストダウンを図るとともに、通信開始までの時間を短縮することができ、信頼性の高い通信機能付き電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この課題を解決するために、本発明の通信機能付き電子機器は、第1の送受信手段と、前記第1の送受信手段の通信制御を行う第1の通信制御手段と、前記第1の通信制御手段と接続された第1不揮発性メモリと、を備え第1の通信方式で無線通信を行う第1通信部と、第2の送受信手段と、前記第2の送受信手段の通信制御を行う第2の通信制御手段と、を備え第2の通信方式で無線通信を行う第2通信部と、前記第1通信部と前記第2通信部とを制御する主制御部と、該主制御部に接続された主不揮発性メモリと、前記第1通信部と前記主制御部を接続するとともに前記第2通信部と前記主制御部を接続する接続手段と、を備え、前記第1不揮発性メモリには、前記第1の通信制御手段を動作させるための第1情報と、前記第2の通信制御手段を動作させるための第2情報が記憶されており、前記主制御部は、前記第1の通信制御手段を介して前記第1不揮発性メモリから前記第2情報を取得して前記主不揮発性メモリに記憶させるとともに、前記第2通信部の制御を行う場合には、前記主不揮発性メモリから前記第2情報を読み出して前記第2通信部へ送信することを特徴とする。
【0014】
これによれば、主制御部は第1の通信制御手段を介して第1不揮発性メモリから第2情報を取得して主不揮発性メモリに記憶する。このため、その後に第1通信部に不具合が生じても、第2の通信制御手段は、主不揮発性メモリに記憶した第2情報に基づいて第2通信部の制御することができるので、信頼性の高い通信機能付き電子機器を提供することができる。第1不揮発性メモリには、第1の通信制御手段を動作させるための第1情報が記憶されているので、第1の通信制御手段は、第1不揮発性メモリに記憶されている第1情報に基づいて第1の送受信手段の制御を行うことができる。また、第2の通信制御手段は、主不揮発性メモリに記憶した第2情報に基づいて第2の送受信手段の制御を行うことができる。第2通信部で通信を行う場合に、主制御部を介して第1の通信手段から第2情報を取得する必要がないので、通信の開始までの時間を短縮することができる。従って、それぞれの通信部ごとに不揮発性メモリを設けることなくコストダウンを図るとともに、通信の開始までの時間を短縮することができ、信頼性の高い通信機能付き電子機器を提供することができる。
【0015】
また、本発明の通信機能付き電子機器は、前記主制御部は、前記主不揮発性メモリから前記第2情報を取得できない場合に前記第1の通信制御手段を介して前記第1不揮発性メモリから前記第2情報を取得して前記主不揮発性メモリに記憶させることを特徴とする。
【0016】
これによれば、主制御部が、主不揮発性メモリから第2情報を取得できない場合、例えば、第2情報が記憶されていない場合や、データ破損があった場合に、第1の通信制御手段を介して第1不揮発性メモリから第2情報を取得して主不揮発性メモリに記憶させるので、特別な操作を行うことなく自動的に第2情報を主不揮発性メモリに記憶させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、それぞれの通信部ごとに不揮発性メモリを設けることなくコストダウンを図るとともに、通信開始までの時間を短縮することができ、信頼性の高い通信機能付き電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る通信機能付き電子機器の構成を示すブロック図である。
図2】第1の不揮発性メモリ及び主不揮発性メモリの記憶領域および記憶情報を説明する模式図である。
図3】通信機能付き電子機器の動作を示すフローチャートである。
図4】従来技術の端末(通信機能付き電子機器)の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態]
以下に第1実施形態における通信機能付き電子機器100について説明する。
【0020】
まず始めに本実施形態における通信機能付き電子機器100の構成について図1および図2を用いて説明する。図1は通信機能付き電子機器100の構成を示すブロック図である。図2は第1不揮発性メモリ13および主不揮発性メモリ40の記憶領域および記憶情報を説明する模式図である。図2(a)は第1不揮発性メモリ13の記憶領域および記憶情報を説明する模式図であり、図2(b)は主不揮発性メモリ40の記憶領域および記憶情報を説明する模式図である。
【0021】
通信機能付き電子機器100は図1に示すように、第1通信部10と、第2通信部20と、主制御部30と、主不揮発性メモリ40と、接続手段50と、を備えている。
【0022】
第1通信部10は図1に示すように、第1の送受信手段11と、第1の通信制御手段12と、第1不揮発性メモリ13と、を備えており、第1の通信方式で無線通信を行うことができる。第1通信部10に備えられた第1の通信制御手段12は、第1の送受信手段11と第1不揮発性メモリ13とに接続されるとともに、接続手段50を介して主制御部30と接続されている。なお、本実施形態では第1の通信方式はWLANであるものとする。
【0023】
第2通信部20は図1に示すように、第2の送受信手段21と、第2の通信制御手段22と、を備えており、第2の通信方式で無線通信を行うことができる。第2通信部20に備えられた第2の通信制御手段22は、第2の送受信手段21に接続されるとともに、接続手段50を介して主制御部30と接続されている。なお、本実施形態では第2の通信方式はブルートゥースであるものとする。
【0024】
第1の送受信手段11は、第1の通信制御手段12によって制御され、第1の通信方式で無線通信を行うため無線信号の送受信を行う。
【0025】
第1不揮発性メモリ13はEEPROMやフラッシュメモリ等が用いられており、図2(a)に示すように、第1情報領域13aと第2情報領域13bとが設けられている。第1情報領域13aには、第1の通信制御手段12を動作させるための第1情報D1が、また第2情報領域13bには第2の通信制御手段22を動作させるための第2情報D2が予め記憶されている。
【0026】
第1情報D1には、第1通信部10が第1の通信制御方式で通信を行うために必要なアドレス情報(MACアドレス)や、第1の通信制御手段12が第1の送受信手段11を制御して送信出力を既定の値に設定するための設定値の情報等が含まれている。また、第2情報D2には、第2通信部20が第2の通信制御方式で通信を行うために必要なアドレス情報(BDアドレス)や、第2の通信制御手段22が第2の送受信手段21を制御して送信出力を既定の値に設定するための設定値の情報等が含まれている。
【0027】
第2の送受信手段21は、第2の通信制御手段22によって制御され、第2の通信方式で無線通信を行うため無線信号の送受信を行う。
【0028】
なお、第1通信部10と第2通信部20とは一体的に形成されて、第1の通信方式と第2の通信方式とで無線通信を行う複合モジュールとして構成されても良く、それぞれの通信方式で無線通信を行う個別のモジュールとして構成されても良い。
【0029】
主制御部30は図1に示すように、接続手段50を介して第1通信部10と第2通信部20に接続されている。また、主制御部30には主不揮発性メモリ40が接続されており、主不揮発性メモリ40に予め書き込まれた制御プログラムに基づいて第1通信部10と第2通信部20とを制御する。
【0030】
主不揮発性メモリ40は、EEPROMやフラッシュメモリ等が用いられ、図2(b)に示すように、主制御部30が動作するための制御プログラムが記憶されているプログラム領域40aと、第2通信部20に備えられた第2の通信制御手段22を動作させるための第2情報D2を記憶するための第2情報記憶領域40bが予め設定されている。なお初期状態では第2情報記憶領域40bには何も情報が記憶されていない状態とする。
【0031】
接続手段50は、第1通信部10および第2通信部20と、主制御部30とを接続するもので、第1通信部10および第2通信部20と、主制御部30が実装される不図示の基板とにコネクタとして設けられても良い。また、第1通信部10および第2通信部20と、主制御部30とを接続する接続端子とはんだ付けパターンとを兼ねた配線パターンによって構成されても良い。
【0032】
次に、通信機能付き電子機器100の動作について、図3を用いて説明する。図3は通信機能付き電子機器100の動作を示すフローチャートである。図3のフローチャートで示された処理手順は制御プログラムとして主不揮発性メモリ40のプログラム領域40aに書き込まれており、第2通信部20を制御して第2の通信方式で通信が開始される場合に主制御部30によって実行される。
【0033】
第1通信部10を制御して第1の通信方式で通信を開始する場合、主制御部30は第1の通信制御手段12を制御して第1不揮発性メモリ13から第1情報D1を取得し、第1の送受信手段11の通信制御を行うことで、第1通信部10が第1の通信方式で無線通信を行う。
【0034】
第2通信部20を制御して第2の通信方式で通信を開始する場合、図3に示す手順S1で主制御部30は、主不揮発性メモリ40の第2情報記憶領域40bのデータを読み出し、手順S2へ移行する。
【0035】
手順S2で主制御部30は、読み出したデータから、主不揮発性メモリ40の第2情報記憶領域40bに第2情報D2が記憶されているか否かを判断し、第2情報D2が記憶されていると判断した場合には手順S3へ移行する。また、第2情報D2が記憶されていないと判断した場合には手順S6へ移行する。初期状態では第2情報記憶領域40bには何も情報が記憶されていない状態のため、最初に図3に示すフローチャートの処理手順が実行された場合には、手順S6に移行することとなる。
【0036】
手順S6で主制御部30は、第1の通信制御手段12を制御し第1通信部10を起動して手順S7へ移行する。
【0037】
手順S7で主制御部30は、第1の通信制御手段12を介して第1不揮発性メモリ13から第2情報D2を読み出し、手順S8へ移行する。
【0038】
手順S8では、第1不揮発性メモリ13から読み出しエラー等がなく第2情報D2が正しく取得できたか否かを判断し、正しく読み出すことができたと判断した場合には手順S9へ移行し、正しく読み出せなかった場合には手順S10へ移行する。
【0039】
手順S10では、第1の通信制御手段12または第1不揮発性メモリ13が正しく動作していないことを示す報知手段(画像,音声等)による使用者への報知等のエラー処理を実行して制御動作を終了する。このように、第1通信部10の第1不揮発性メモリ13から第2情報D2が読み出せない場合に使用者への報知等のエラー処理を行うことで、第1の通信制御手段12または第1不揮発性メモリ13が正しく動作していないことを使用者に知らせることができる。
【0040】
手順S9では、手順S8で第2情報D2が第1不揮発性メモリ13から読み出しエラー等がなく正しく読み出せたと判断されたので、主制御部30は取得した第2情報D2を主不揮発性メモリ40に記憶させ、手順S3へ移行する。
【0041】
手順S3に移行してくるのは、手順S2で主不揮発性メモリ40の第2情報記憶領域40bに第2情報D2が記憶されていると判断された場合と、手順S9で第1不揮発性メモリ13から取得した第2情報D2を主不揮発性メモリ40に記憶させた場合である。手順S3で主制御部30は、第2の通信制御手段22を制御し第2通信部20を起動して手順S4へ移行する。
【0042】
手順S4で主制御部30は、第2の通信制御手段22に対し第2情報D2を送信し、手順S5へ移行する。
【0043】
手順S5では、手順S4で送られた第2情報D2に基づいて第2の通信制御手段22が第2の送受信手段21を制御することができるので、主制御部30は第2通信部20を制御して第2の通信方式での通信を開始して処理動作を終了する。
【0044】
第2情報記憶領域40bに何も情報が記憶されていない初期状態から動作を開始した場合には、手順S1、手順S2、手順S6、手順S7、手順S8、手順S9、手順S3、手順S4、手順S5の順で処理動作が行われる。
【0045】
一旦、主不揮発性メモリ40に第2情報D2が記憶されると、手順S1、手順S2、手順S3、手順S4、手順S5の順で処理動作が行われることになる。従って、第2通信部20の制御を行う場合には、主制御部30は主不揮発性メモリ40から第2情報D2を読み出して第2通信部20の第2の通信制御手段22へ送信する。主制御部30を介して第1通信部10から第2情報D2を取得する必要がなく、手順S6から手順S8までの手順を行わないため、第2通信部20で通信を行う場合の通信の開始までの時間を短縮することができる。
【0046】
第2の通信制御手段22は、主制御部30の制御に基づいて主不揮発性メモリ40のから第2情報D2を取得し、第2の送受信手段21の通信制御を行うことで、第2通信部20が第2の通信方式で無線通信を行う。
【0047】
以下、本実施形態としたことによる効果について説明する。
【0048】
本実施形態の通信機能付き電子機器100では、第1の送受信手段11と、第1の通信制御手段12と、第1不揮発性メモリ13と、を備え第1の通信方式で無線通信を行う第1通信部10と、第2の送受信手段21と、第2の通信制御手段22と、を備え第2の通信方式で無線通信を行う第2通信部20と、主制御部30と、主不揮発性メモリ40と、接続手段50と、を備え、第1不揮発性メモリ13には、第1の通信制御手段12を動作させるための第1情報D1と、第2の通信制御手段22を動作させるための第2情報D2が記憶されており、主制御部30は、第1の通信制御手段12を介して第1不揮発性メモリ13から第2情報D2を取得して主不揮発性メモリ40に記憶させるとともに、第2通信部20の制御を行う場合には、主不揮発性メモリ40から第2情報D2を読み出して第2通信部20へ送信するように構成した。
【0049】
これにより、主制御部30は第1の通信制御手段12を介して第1不揮発性メモリ13から第2情報D2を取得して主不揮発性メモリ40に記憶する。このため、その後に第1通信部10に不具合が生じても、第2の通信制御手段22は、主不揮発性メモリ40に記憶した第2情報D2に基づいて第2通信部20の制御することができるので、信頼性の高い通信機能付き電子機器を提供することができる。第1不揮発性メモリ13には、第1の通信制御手段12を動作させるための第1情報D1が記憶されているので、第1の通信制御手段12は、第1不揮発性メモリ13に記憶されている第1情報D1に基づいて第1の送受信手段11の制御を行うことができる。また、第2の通信制御手段22は、主不揮発性メモリ40に記憶した第2情報D2に基づいて第2の送受信手段21の制御を行うことができる。第2通信部20で通信を行う場合に、主制御部30を介して第1通信部10から第2情報D2を取得する必要がないので、通信の開始までの時間を短縮することができる。従って、それぞれの通信部ごとに不揮発性メモリを設けることなくコストダウンを図るとともに、通信の開始までの時間を短縮することができ、信頼性の高い通信機能付き電子機器を提供することができる。
【0050】
また、本実施形態の通信機能付き電子機器100では、主制御部30は、主不揮発性メモリ40に第2情報D2が記憶されていない場合に第1の通信制御手段12を介して第1不揮発性メモリ13から第2情報D2を取得して主不揮発性メモリ40に記憶させるように構成した。
【0051】
これにより、主制御部30が、主不揮発性メモリ40に第2情報D2が記憶されていない場合に第1の通信制御手段12を介して第1不揮発性メモリ13から第2情報D2を取得して主不揮発性メモリ40に記憶させるので、特別な操作を行うことなく自動的に第2情報D2を主不揮発性メモリ40に記憶させることができる。
【0052】
以上のように、本発明の実施形態に係る通信機能付き電子機器100を具体的に説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能である。例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
【0053】
(1)本実施形態において、第1の通信方式はWLANであり、第2の通信方式はブルートゥースである例を示して説明を行ったが、第1の通信方式がブルートゥースで、第2の通信方式がWLANであっても良い。また、第1の通信方式または第2の通信方式にWLANとブルートゥース以外の通信方式を用いるように変形して実施しても良い。
【0054】
(2)本実施形態において、第2情報D2が第1不揮発性メモリ13から正しく読み出せなかった場合にはすぐにエラー処理手をする例を示して説明を行ったが、正しく読み出せなかった場合に複数回の読み出しを行う、リトライ処理をするように変形しても良い。
【0055】
(3)本実施形態において、主不揮発性メモリ40の第2情報記憶領域40bに第2情報D2が記憶されているか否かを判断し、第2情報D2が記憶されていないと判断した場合に第1不揮発性メモリ13から第2情報D2を読み出すようにしたが、これに限らず、主不揮発性メモリ40においてデータ破損、故障、読み出しエラーがあった場合に第1不揮発性メモリ13から第2情報D2を読み出すようにしてもよい。
【符号の説明】
【0056】
10 第1通信部
11 第1の送受信手段
12 第1の通信制御手段
13 第1不揮発性メモリ
13a 第1情報領域
13b 第2情報領域
20 第2通信部
21 第2の送受信手段
22 第2の通信制御手段
30 主制御部
40 主不揮発性メモリ
40a プログラム領域
40b 第2情報記憶領域
50 接続手段
100 電子機器
D1 第1情報
D2 第2情報


図1
図2
図3
図4