特許第6269989号(P6269989)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6269989
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】試香方法、試香体及び香料体
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/00 20060101AFI20180122BHJP
   A45D 34/02 20060101ALI20180122BHJP
   B65D 85/00 20060101ALI20180122BHJP
【FI】
   A61K8/00
   A45D34/02 510Z
   B65D85/00 A
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-85045(P2016-85045)
(22)【出願日】2016年4月21日
(65)【公開番号】特開2017-111111(P2017-111111A)
(43)【公開日】2017年6月22日
【審査請求日】2016年6月16日
(31)【優先権主張番号】特願2015-243677(P2015-243677)
(32)【優先日】2015年12月15日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515348356
【氏名又は名称】株式会社グリーンブレス
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【弁理士】
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】太 田 め ぐ み
(72)【発明者】
【氏名】太 田 奈 月
【審査官】 小出 直也
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0048449(US,A1)
【文献】 特開2001−353211(JP,A)
【文献】 特開2015−192789(JP,A)
【文献】 実開昭55−126843(JP,U)
【文献】 特開2009−297098(JP,A)
【文献】 実開平03−049396(JP,U)
【文献】 特開2005−098621(JP,A)
【文献】 特開2001−219977(JP,A)
【文献】 特開2004−024505(JP,A)
【文献】 実公平02−040991(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00−8/99
A61Q13/00
A61L 9/12
A45D34/02
B65D85/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
香料を吸収した吸収部材を備えたN個(N≧3)のシート状の香供給体を相対回動可
能に連結し、
前記N個の香供給体から少なくとも2個選択して、選択した前記香供給体を扇いで選
択した2個の前記吸収部材から生じる香料をブレンドし、その香りを嗅ぐものであり、
前記N個の香供給体の前記吸収部材の香料は、前記N個毎異なるものであり、
前記N個の香供給体は、開口部を有したN個の表面体と、このN個の表面体にそれぞ
れ取り付けられた合成樹脂製のN個の合成樹脂体と、このN個の合成樹脂体のそれぞれに
前記開口部を介して貼着されたN個の前記吸収部材とを備えている
ことを特徴とする試香方法。
【請求項2】
香料を吸収した吸収部材を備えたN個(N≧3)のシート状の香供給体を相対回動可
能に連結し、
前記N個(N≧3)のシート状の香供給体の前記吸収部材には、それぞれ前記吸収部
材を回動自在に覆う覆い体がN個(N≧3)あり、
前記N個の香供給体から少なくとも2個選択して、選択した前記香供給体の前記覆い
体を回動して前記吸収部材が外気に臨むようにし、選択した前記香供給体を扇いで選択し
た2個の前記吸収部材から生じる香料をブレンドし、その香りを嗅ぐものであり、
前記N個の香供給体の前記吸収部材の香料は、前記N個毎異なるものであり、
前記N個の香供給体は、開口部を有したN個の表面体と、このN個の表面体にそれぞ
れ取り付けられた合成樹脂製のN個の合成樹脂体と、このN個の合成樹脂体のそれぞれに
前記開口部を介して貼着されたN個の前記吸収部材とを備えている
ことを特徴とする試香方法。
【請求項3】
香料を吸収した吸収部材を備えたN個(N≧3)のシート状の香供給体から少なくと
も2個選択して、選択した前記香供給体を扇いで選択した2個の前記吸収部材から生じる
香料をブレンドし、その香りを嗅ぐものであり、
前記N個の香供給体の前記吸収部材の香料は、前記N個毎異なるものであり、
前記N個の香供給体は、開口部を有したN個の表面体と、このN個の表面体にそれぞ
れ取り付けられた合成樹脂製のN個の合成樹脂体と、このN個の合成樹脂体のそれぞれに
前記開口部を介して貼着されたN個の前記吸収部材とを備えている

ことを特徴とする試香方法。
【請求項4】
香料を吸収した吸収部材を備えたN個(N≧3)のシート状の香供給体と、このN個
(N≧3)のシート状の香供給体の前記吸収部材には、それぞれ前記吸収部材を回動自在
に覆う覆い体がN個(N≧3)あり、
前記N個の香供給体から少なくとも2個選択して、選択した前記香供給体の前記覆い
体を回動して前記吸収部材が外気に臨むようにし、選択した前記香供給体を扇いで選択し
た2個の前記吸収部材から生じる香料をブレンドし、その香りを嗅ぐものであり、
前記N個の香供給体の前記吸収部材の香料は、前記N個毎異なるものであり、
前記N個の香供給体は、開口部を有したN個の表面体と、このN個の表面体にそれぞ
れ取り付けられた合成樹脂製のN個の合成樹脂体と、このN個の合成樹脂体のそれぞれに
前記開口部を介して貼着されたN個の前記吸収部材とを備えている
ことを特徴とする試香方法。
【請求項5】
香料を吸収した吸収部材を備えたN個(N≧3)のシート状の香供給体と、
このN個のシート状の香供給体を相対回動可能に連結し、
前記N個(N≧3)のシート状の香供給体のそれぞれの前記吸収部材には、前記吸収
部材を回動自在に覆う覆い体がそれぞれの前記香供給体に設けられ、
前記N個の香供給体は、開口部を有したN個の表面体と、このN個の表面体にそれぞ
れ取り付けられた合成樹脂製のN個の合成樹脂体と、このN個の合成樹脂体のそれぞれに
前記開口部を介して貼着されたN個の前記吸収部材とを備えている
ことを特徴とする試香体。
【請求項6】
覆い体が香供給体に回動自在に取り付けられ、
前記覆い体の前記吸収部材の覆いは、前記覆い体による前記吸収部材の全閉から前記
覆い体による前記吸収部材の全開に至る多段階に亘っている
ことを特徴とする請求項5記載の試香体。
【請求項7】
香料を吸収した吸収部材を備えたシート状の香供給体と、
このシート状の香供給体に回動自在に取り付けられ、前記吸収部材を開閉自在に覆う
覆い体とを備え、
前記香供給体は、開口部を有した表面体と、この表面体にそれぞれ取り付けられた合
成樹脂製の合成樹脂体と、この合成樹脂体に前記開口部を介して貼着された前記吸収部材
とを備えている
ことを特徴とする香料体。
【請求項8】
香料を吸収した吸収部材を備えたシート状の香供給体であって、
前記香料を吸収した吸収部材は、前記シート状の香供給体の表側に第1の香料を吸収
した第1の吸収部材と、前記シート状の香供給体の裏側に第2の香料を吸収した第2の吸
収部材とを有し、
前記シート状の香供給体の表側に回動自在に取り付けられ、前記第1の吸収部材を開
閉自在に覆う第1の覆い体と、前記シート状の香供給体の裏側に回動自在に取り付けられ
、前記第2の吸収部材を開閉自在に覆う第2の覆い体とを備え、
前記第1の覆い体を開、前記第2の覆い体を閉にすれば、前記第1の吸収部材から第
1の香料が放散され、また、前記第2の覆い体を開、前記第1の覆い体を閉にすれば、前
記第2の吸収部材から第2の香料が放散される
ことを特徴とする香料体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試香方法、試香体及び香料体に係り、特に、使用勝手を向上させることができる試香方法、試香体及び香料体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、複数の香料を組み合わせて、イメージする香料を得たい場合、香料をそれぞれムエット(試香紙)につけ、香料のついていない部分に香料名を書し、複数のムエット(試香紙)を同時に嗅いでみて、イメージに合った香りの組み合わせを探すようにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記にあっては、イメージによるため、実際にブレンドしてみると、イメージに合った香りの組み合わせが容易に得られず、使用勝手が良好でないという問題点があった。
【0004】
本発明は、上記要望を考慮してなされた試香方法、試香体及び香料体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の試香方法は、香料を吸収した吸収部材を備えたN個(N≧3)のシート状の香供給体を相対回動可能に連結し、前記N個の香供給体から少なくとも2個選択して、選択した前記香供給体を扇いで選択した2個の前記吸収部材から生じる香料をブレンドし、その香りを嗅ぐものであり、前記N個の香供給体の前記吸収部材の香料は、前記N個毎異なるものであり、前記N個の香供給体は、開口部を有したN個の表面体と、このN個の表面体にそれぞれ取り付けられた合成樹脂製のN個の合成樹脂体と、このN個の合成樹脂体のそれぞれに前記開口部を介して貼着されたN個の前記吸収部材とを備えているものである。
【0006】
また、請求項2記載の試香方法は、香料を吸収した吸収部材を備えたN個(N≧3)のシート状の香供給体を相対回動可能に連結し、前記N個(N≧3)のシート状の香供給体の前記吸収部材には、それぞれ前記吸収部材を回動自在に覆う覆い体がN個(N≧3)あり、前記N個の香供給体から少なくとも2個選択して、選択した前記香供給体の前記覆い体を回動して前記吸収部材が外気に臨むようにし、選択した前記香供給体を扇いで選択した2個の前記吸収部材から生じる香料をブレンドし、その香りを嗅ぐものであり、前記N個の香供給体の前記吸収部材の香料は、前記N個毎異なるものであり、前記N個の香供給体は、開口部を有したN個の表面体と、このN個の表面体にそれぞれ取り付けられた合成樹脂製のN個の合成樹脂体と、このN個の合成樹脂体のそれぞれに前記開口部を介して貼着されたN個の前記吸収部材とを備えているものである。
【0007】
また、請求項3記載の試香方法は、香料を吸収した吸収部材を備えたN個(N≧3)のシート状の香供給体から少なくとも2個選択して、選択した前記香供給体を扇いで選択した2個の前記吸収部材から生じる香料をブレンドし、その香りを嗅ぐものであり、前記N個の香供給体の前記吸収部材の香料は、前記N個毎異なるものであり、
前記N個の香供給体は、開口部を有したN個の表面体と、このN個の表面体にそれぞれ取り付けられた合成樹脂製のN個の合成樹脂体と、このN個の合成樹脂体のそれぞれに前記開口部を介して貼着されたN個の前記吸収部材とを備えているものである。
【0008】
また、請求項4記載の試香方法は、香料を吸収した吸収部材を備えたN個(N≧3)のシート状の香供給体と、このN個(N≧3)のシート状の香供給体の前記吸収部材には、それぞれ前記吸収部材を回動自在に覆う覆い体がN個(N≧3)あり、前記N個の香供給体から少なくとも2個選択して、選択した前記香供給体の前記覆い体を回動して前記吸収部材が外気に臨むようにし、選択した前記香供給体を扇いで選択した2個の前記吸収部材から生じる香料をブレンドし、その香りを嗅ぐものであり、前記N個の香供給体の前記吸収部材の香料は、前記N個毎異なるものであり、前記N個の香供給体は、開口部を有したN個の表面体と、このN個の表面体にそれぞれ取り付けられた合成樹脂製のN個の合成樹脂体と、このN個の合成樹脂体のそれぞれに前記開口部を介して貼着されたN個の前記吸収部材とを備えているものである。
【0009】
また、請求項5記載の試香体は、香料を吸収した吸収部材を備えたN個(N≧3)のシート状の香供給体と、このN個のシート状の香供給体を相対回動可能に連結し、前記N個(N≧3)のシート状の香供給体のそれぞれの前記吸収部材には、前記吸収部材を回動自在に覆う覆い体がそれぞれの前記香供給体に設けられ、前記N個の香供給体は、開口部を有したN個の表面体と、このN個の表面体にそれぞれ取り付けられた合成樹脂製のN個の合成樹脂体と、このN個の合成樹脂体のそれぞれに前記開口部を介して貼着されたN個の前記吸収部材とを備えているものである。
【0010】
また、請求項6記載の試香体は、請求項5記載の試香体において、 覆い体が香供給体に回動自在に取り付けられ、前記覆い体の前記吸収部材の覆いは、前記覆い体による前記吸収部材の全閉から前記覆い体による前記吸収部材の全開に至る多段階に亘っているものである。
【0013】
また、請求項記載の香料体は、香料を吸収した吸収部材を備えたシート状の香供給体と、このシート状の香供給体に回動自在に取り付けられ、前記吸収部材を開閉自在に覆う覆い体とを備え、前記香供給体は、開口部を有した表面体と、この表面体にそれぞれ取り付けられた合成樹脂製の合成樹脂体と、この合成樹脂体に前記開口部を介して貼着された前記吸収部材とを備えているものである。
【0015】
また、請求項記載の香料体は、香料を吸収した吸収部材を備えたシート状の香供給
体であって、前記香料を吸収した吸収部材は、前記シート状の香供給体の表側に第1の香
料を吸収した第1の吸収部材と、前記シート状の香供給体の裏側に第2の香料を吸収した
第2の吸収部材とを有し、前記シート状の香供給体の表側に回動自在に取り付けられ、前
記第1の吸収部材を開閉自在に覆う第1の覆い体と、前記シート状の香供給体の裏側に回
動自在に取り付けられ、前記第2の吸収部材を開閉自在に覆う第2の覆い体とを備え、前
記第1の覆い体を開、前記第2の覆い体を閉にすれば、前記第1の吸収部材から第1の香
料が放散され、また、前記第2の覆い体を開、前記第1の覆い体を閉にすれば、前記第2
の吸収部材から第2の香料が放散されるものである。
【発明の効果】
【0017】
また、請求項1記載の試香方法によれば、香料を吸収した吸収部材を備えたN個(N≧3)のシート状の香供給体をハトメ等の連結手段で相対回動可能に連結し、前記N個の香供給体から少なくとも2個選択して、選択した前記香供給体で扇いで選択した2個の前記吸収部材から生じる香料をブレンドし、その香りを嗅ぐものであり、前記N個の香供給体の前記吸収部材の香料は、前記N個毎異なるものであるため、ブレンドする香りを少なくとも2個選択して味合うことができ、従来の試香方法に比べ、簡易且つ迅速にブレンドの試香の向上を図って使用勝手を向上させることができ、しかも、N個(N≧3)のシート状の香供給体をハトメ等の連結手段で相対回動可能に連結しているため、シート状の香供給体の紛失を防止すると共に、N個(N≧3)のシート状の香供給体からの選択も容易である。
【0018】
また、請求項2記載の試香方法によれば、香料を吸収した吸収部材を備えたN個(N≧3)のシート状の香供給体をハトメ等の連結手段で相対回動可能に連結し、前記N個(N≧3)のシート状の香供給体の前記吸収部材には、それぞれ前記吸収部材を回動自在に覆う覆い体がN個(N≧3)あり、前記N個の香供給体から少なくとも2個選択して、選択した前記香供給体の前記覆い体を回動して前記吸収部材が外気に臨むようにし、選択した前記香供給体を扇いで選択した2個の前記吸収部材から生じる香料をブレンドし、その香りを嗅ぐものであり、前記N個の香供給体の前記吸収部材の香料は、前記N個毎異なるものであるため、ブレンドする香りを少なくとも2個選択して味合うことができ、従来の試香方法に比べ、簡易且つ迅速にブレンドの試香の向上を図って使用勝手を向上させることができ、しかも、N個(N≧3)のシート状の香供給体をハトメ等の連結手段で相対回動可能に連結しているため、シート状の香供給体の紛失を防止すると共に、N個(N≧3)のシート状の香供給体からの選択も容易である。
【0019】
また、請求項3記載の試香方法によれば、香料を吸収した吸収部材を備えたN個(N≧3)のシート状の香供給体から少なくとも2個選択して、選択した前記香供給体を扇いで選択した2個の前記吸収部材から生じる香料をブレンドし、その香りを嗅ぐものであり、前記N個の香供給体の前記吸収部材の香料は、前記N個毎異なるものであるため、ブレンドする香りを少なくとも2個選択して味合うことができ、従来の試香方法に比べ、簡易且つ迅速にブレンドの試香の向上を図って使用勝手を向上させることができる。
【0020】
また、請求項4記載の試香方法によれば、香料を吸収した吸収部材を備えたN個(N≧3)のシート状の香供給体と、このN個(N≧3)のシート状の香供給体の前記吸収部材には、それぞれ前記吸収部材を回動自在に覆う覆い体がN個(N≧3)あり、前記N個の香供給体から少なくとも2個選択して、選択した前記香供給体の前記覆い体を回動して前記吸収部材が外気に臨むようにし、選択した前記香供給体を扇いで選択した2個の前記吸収部材から生じる香料をブレンドし、その香りを嗅ぐものであり、前記N個の香供給体の前記吸収部材の香料は、前記N個毎異なるものであるため、ブレンドする香りを少なくとも2個選択して味合うことができ、従来の試香方法に比べ、簡易且つ迅速にブレンドの試香の向上を図って使用勝手を向上させることができる。
【0025】
また、請求項記載の試香体によれば、例えば、N個のシート状の香供給体のそれぞれの吸収部材に異なる香料を吸収させ、N個の香供給体から2個又は3個選択し、選択した2個又は3個の香供給体で扇いで選択した2個又は3個の吸収部材から生じる香料をブレンドさせ、その香りを味合うことができ、従来の試香方法に比べ、簡易且つ迅速にブレンドの試香の向上を図って使用勝手を向上させることができ、しかも、N個(N≧3)のシート状の香供給体をハトメ等の連結手段で相対回動可能に連結しているため、シート状の香供給体の紛失を防止すると共に、N個(N≧3)のシート状の香供給体からの選択も容易であり、更に、不使用時、N個(N≧3)の香供給体のそれぞれの吸収部材をそれぞれの覆い体により覆うことができるため、香料の外気への無駄な放散を防いで、つまり、香料がより蒸発しにくく、香りの持ちを良くして、香料の有効活用を図ることができる。
【0026】
また、請求項記載の試香体によれば、上述した請求項記載の発明の効果に加え、覆い体を回動して、覆い体の吸収部材の覆う割合を可変とすることができるため、香料のブレンドに加え、その割合の微調整を簡易且つ迅速に行うことができる。
【0027】
また、請求項載の香料体によれば、使用時、例えば、香料体を胸ポケットに入れ、好みの香料が滴下された吸収部材が外気に臨むように覆い体を開にすれば、吸収部材から香料が放散され、また、不使用時、吸収部材を外気から遮断するように覆い体を閉にすれば、香料の無駄な放散を防いで、つまり、香料がより蒸発しにくく、香りの持ちを良くして、香料の有効活用を図って使用勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本発明の一実施例の試香体を広げた状態を示す概略的斜視図である。
図2図2は、図1の試香体の使用状態を示す概略的斜視図である。
図3図3は、図1の試香体の不使用時の状態を示す概略的断面図である。
図4図4は、図1の試香体と異なる他の実施例の試香体を示すもので、(a)は、吸収部材が全開した状態の概略正面図であり、(b)は、吸収部材が覆い体により1/2閉じた状態の概略正面図であり、(c)は、吸収部材が全閉した状態の概略的正面図である。
図5図5は、図4の試香体の不使用時の状態を示す概略的断面図である。
図6図6は、図1の試香体と異なる他の実施例の香料体の概略的正面図である。
図7図7(a)は、図6の香料体と異なる他の実施例の香料体の概略的正面図であり、図7(b)は、図7(a)の概略的背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の一実施例の試香方法、試香体及び香料体を図面(図1乃至図3)を参照して説明する。
図1に示すSは試香体で、試香体Sは、香料を吸収した吸収部材を備えたN個(N≧3)のシート状の香供給体と、このN個(N≧3)のシート状の香供給体をハトメ等の連結手段で相対回動可能に連結したもので、前記N個の香供給体から少なくとも2個選択して、選択した前記香供給体で扇いで選択した2個の前記吸収部材から生じる香料をブレンドし、その香りを嗅ぐものであり、前記N個の香供給体の前記吸収部材の香料は、前記N個毎異なるものである。
なお、上記「香料」は、植物や一部の動物から抽出された天然香料、化学的に合成された合成香料を含む意である。
【0031】
すなわち、本実施例の試香体Sの香供給体は、例えば、図1に示すように、5個の香供給体で、5個の香供給体は、第1の香供給体1、第2の香供給体2、第3の香供給体3、第4の香供給体4、第5の香供給体5であり、第1の香供給体1、第2の香供給体2、第3の香供給体3、第4の香供給体4、第5の香供給体5をハトメ等の連結手段6で相対回動可能に連結されている。
【0032】
第1の香供給体1は、図3に示すように、外気に臨むように第1の香料(例えば、ラベンダ)を吸収した第1の吸収部材11(例えば、フェルト)を備えている。
第1の香供給体1は、第1の開口部K1を有した第1の表面体12と、この第1の表面体12が取り付けられた合成樹脂製の第1の合成樹脂体(例えば、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等)13とを有し、第1の吸収部材11は、第1の開口部K1を介して第1の合成樹脂体13に貼着されている。
【0033】
また、第2の香供給体2は、第1の香供給体1と同様に、外気に臨むように第2の香料(例えば、ユーカリ)を吸収した第2の吸収部材21(例えば、フェルト)を備えている。
第2の香供給体2は、第2の開口部K2を有した第2の表面体22と、この第2の表面体22が取り付けられた合成樹脂製の第2の合成樹脂体23とを有し、第2の吸収部材21は、第2の開口部K2を介して第2の合成樹脂体(例えば、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等)23に貼着されている。
【0034】
また、第3の香供給体3は、第2の香供給体2と同様に、外気に臨むように第3の香料(例えば、レモン)を吸収した第3の吸収部材31(例えば、フェルト)を備えている。
第3の香供給体3は、第3の開口部K3を有した第3の表面体32と、この第3の表面体32が取り付けられた合成樹脂製の第3の合成樹脂体33とを有し、第3の吸収部材31は、第3の開口部K3を介して第3の合成樹脂体(例えば、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等)33に貼着されている。
【0035】
また、第4の香供給体4は、第3の香供給体3と同様に、外気に臨むように第4の香料(例えば、イランイラン)を吸収した第4の吸収部材41(例えば、フェルト)を備えている。
第4の香供給体4は、第4の開口部K4を有した第4の表面体42と、この第4の表面体42が取り付けられた合成樹脂製の第4の合成樹脂体43とを有し、第4の吸収部材41は、第4の開口部K4を介して第4の合成樹脂体(例えば、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等)43に貼着されている。
【0036】
また、第5の香供給体5は、第4の香供給体4と同様に、外気に臨むように第5の香料(例えば、クラリセージ)を吸収した第5の吸収部材51(例えば、フェルト)を備えている。
第5の香供給体5は、第5の開口部K5を有した第5の表面体52と、この第5の表面体52が取り付けられた合成樹脂製の第5の合成樹脂体53とを有し、第5の吸収部材51は、第5の開口部K5を介して第5の合成樹脂体(例えば、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等)53に貼着されている。
【0037】
従って、上述した試香体(試香方法)Sによれば、第1の香供給体1と第2の香供給体2と第3の香供給体3と第4の香供給体4と第5の香供給体5とをハトメ等の連結手段6で相対回転可能に連結し、第1の香供給体1、第2の香供給体2、第3の香供給体3、第4の香供給体4、第5の香供給体5から、2個(例えば、図2に示すように、第1の香供給体1のラベンダと第2の香供給体2のユーカリとのブレンド)又は3個(例えば、ラベンダとユーカリとレモン)又は4個(例えば、ラベンダとユーカリとレモンとイランイラン)又は5個(例えば、ラベンダとユーカリとレモンとイランイランとクラリセージ)を適宜選択してうちわのように揺らし、前記2個又は前記3個又は前記4個又は前記5個から生じる香料をブレンドするため、ブレンドする香りを第1の香供給体1、第2の香供給体2、第3の香供給体3、第4の香供給体4、第5の香供給体5から、2個又は3個又は4個又5個を簡易且つ選択に選択して、つまり、ブレンドする香りを少なくとも2個選択して味合うことができ、従来の試香方法に比べ、簡易且つ迅速にブレンドの試香の向上を図って使用勝手を向上させることができる。
なお、試香体Sの場合、N個(N≧3)のシート状の香供給体は、香料を吸収する吸収部材であり、少なくとも、使用時にまでに香料が吸収部材に滴下され、香料が吸収されていれば良い。
そして、不使用時、図3に示すように、第5の吸収部材51に対向する部位に第4の合成樹脂体43を、第4の吸収部材41に対向する部位に第3の合成樹脂体33を、第3の吸収部材31に対向する部位に第2の合成樹脂体23を、それぞれ覆うことにより、香料の外気への発散を防ぐことができる。
なお、図3においては、第1の吸収部材11は、開放されているが、望ましくは、第1の吸収部材11に対向する部位を図示しない非通気性の部材で覆うことにより、香料の外気への発散を防ぐようにするのが良い。また、試香体Sにあっては、N個(N≧3)のシート状の香供給体(1、2、3、4、5)にあっては、使用するときに香料を滴下するため、吸収部材(11、21、31、41、51)は、香料は吸収されていないものである。
N個(N≧3)のシート状の香供給体(本実施例では、1、2、3、4、5)をハトメ等の連結手段6で相対回動可能に連結しているため、シート状の香供給体(本実施例では、1、2、3、4、5)の紛失を防止すると共に、N個(N≧3)のシート状の香供給体(本実施例では、1、2、3、4、5)からの選択も容易である。
なお、本実施例においては、連結手段6を用いたが、本願発明にあっては、これに限らず、連結手段6を用いず、N個(N≧3)のシート状の香供給体をばらばらとしても良い。
【0038】
また、上述したシート状の第1の香供給体1、第2の香供給体2、第3の香供給体3、第4の香供給体4、第5の香供給体5を香料の香りのイメージに合ったグリーン、イエロー、ブルー等の色を付して、香りのイメージ化に寄与させ、ブレンドの選択がし易くするようにしても良く、また、第1の香供給体1、第2の香供給体2、第3の香供給体3、第4の香供給体4、第5の香供給体5に香料名、香料の情報等を付しても良い。
【0039】
次に、図4及び図5を参照して、次の実施例を説明する。
本実施例の試香体Sは、上述したN個(N≧3)のシート状の香供給体(1、2、3、4、5)の吸収部材(11、21、31、41、51)には、それぞれ吸収部材(11、21、31、41、51)を回動自在に覆う覆い体(14、24、34、44、54)がN個(N≧3)としたもので、N個の香供給体(1、2、3、4、5)から少なくとも2個選択して、選択した前記香供給体の前記覆い体を回動して前記吸収部材が外気に臨むようにし、選択した前記香供給体を扇いで選択した2個の前記吸収部材から生じる香料をブレンドし、その香りを嗅ぐものであり、前記N個の香供給体の前記吸収部材の香料は、前記N個毎異なるものである。そして、N個(N≧3)のシート状の香供給体(1、2、3、4、5)から選択した香供給体(1、2、3、4、5)を選択した場合、選択した覆い体(14、24、34、44、54)は、吸収部材(11、21、31、41、51)が外気に臨むように、全開とする[図4(a)参照]。
【0040】
すなわち、図5に示す14は第1の覆い体で、第1の覆い体14は、第1の香供給体1に回動自在に取り付けられ、第1の吸収部材11を覆う量の調整を図ることができる。
また、第2の覆い体2は、第1の覆い体14と同様に、第2の香供給体2に回動自在に取り付けられ、第2の吸収部材21を覆う量の調整を図ることができる。
また、第3の覆い体3は、第2の覆い体24と同様に、第3の香供給体3に回動自在に取り付けられ、第3の吸収部材31を覆う量の調整を図ることができる。
また、第4の覆い体4は、第3の覆い体34と同様に、第4の香供給体4に回動自在に取り付けられ、第4の吸収部材41を覆う量の調整を図ることができる。
また、第5の覆い体5は、第5の吸収部材51と同様に、第5の香供給体5に回動自在に取り付けられ、第5の吸収部材51を覆う量の調整を図ることができる。
不使用時、第1の覆い体14で第1の吸収部材11、第2の覆い体24で第2の吸収部材21、第3の覆い体34で第3の吸収部材31、第4の覆い体44で第4の吸収部材41、第5の覆い体54で第5の吸収部材51を、それぞれ覆って、香料の外気への発散を防ぐことができる。
【0041】
従って、上述した試香体(試香方法)Sによれば、第1の香供給体1と第2の香供給体2と第3の香供給体3と第4の香供給体4と第5の香供給体5とをハトメ等の連結手段6で相対回転可能に連結し、第1の香供給体1、第2の香供給体2、第3の香供給体3、第4の香供給体4、第5の香供給体5から、2個(例えば、ラベンダとユーカリ)又は3個(例えば、ラベンダとユーカリとレモン)又は4個(例えば、ラベンダとユーカリとレモンとイランイラン)又は5個(例えば、ラベンダとユーカリとレモンとイランイランとクラリセージ)を適宜選択してうちわのように揺らし、前記2個又は前記3個又は前記4個又は前記5個から生じる香料をブレンドするため、ブレンドする香りを第1の香供給体1、第2の香供給体2、第3の香供給体3、第4の香供給体4、第5の香供給体5から、2個又は3個又は4個又5個を簡易且つ選択に選択して、つまり、ブレンドする香りを少なくとも2個選択して味合うことができ、従来の試香方法に比べ、簡易且つ迅速にブレンドの試香の向上を図って使用勝手を向上させることができる。
【0042】
また、不使用時、図5に示すように、N個(N≧3)の香供給体(1、2、3、4、5)のそれぞれの吸収部材(11、21、31、41、51)をそれぞれの覆い体(14、24、34、44、54)により覆う[図4(c)参照]ようにすれば、香料の外気への無駄な放散を防いで、つまり、香料がより蒸発しにくく、香りの持ちを良くして、香料の有効活用を図ることができる。
【0043】
また、覆い体(14、24、34、44、54)の吸収部材(11、21、31、41、51)の覆いは、覆い体(14、24、34、44、54)による吸収部材(11、21、31、41、51)の全閉から覆い体(14、24、34、44、54)による吸収部材(11、21、31、41、51)の全開に至る多段階に亘っている[図4(a)〜図4(c)参照]。
そのため、覆い体(14、24、34、44、54)を回動して、覆い体(14、24、34、44、54)の吸収部材(11、21、31、41、51)の覆う割合を可変とすることができるため、香料のブレンドに加え、その割合の微調整を簡易且つ迅速に行うことができる。
覆い体(14、24、34、44、54)は、ハトメ等の連結手段(61、62、63、64、65))で相対回動可能に香供給体(1、2、3、4、5)に連結されている。
図4及び図5の実施例においても、図1乃至図3の実施例と同様、N個(N≧3)のシート状の香供給体(本実施例では、1、2、3、4、5)をハトメ等の連結手段6で相対回動可能に連結しているため、シート状の香供給体(本実施例では、1、2、3、4、5)の紛失を防止すると共に、N個(N≧3)のシート状の香供給体(本実施例では、1、2、3、4、5)からの選択も容易である。
なお、図4及び図5の実施例においては、連結手段6を用いたが、本願発明にあっては、これに限らず、連結手段6を用いず、N個(N≧3)のシート状の香供給体をばらばらとしても良い。
【0044】
また、上記実施例にあっては、香料を吸収した吸収部材(11、21、31、41、51)を備えたシート状の香供給体(1、2、3、4、5)をN個(N≧3)としたが、本願発明にあっては、これに限らず、好みの香料を吸収部材11に吸収させた1個の香料体(例えば、図5の試香体Sから分離した第1の香料体1)を胸ポケットに入れて、携帯用として、使用しても良い。
即ち、香料体(例えば、図5の試香体Sから分離した第1の香料体1)Sは、図6に示すように、香料を吸収する吸収部材11を備えたシート状の香供給体1と、このシート状の香供給体1に、ハトメ等の連結手段61により回動自在に取り付けられ、吸収部材11を開閉自在に覆う覆い体14とを備えている。
この香料体(例えば、図5の試香体Sから分離した第1の香料体1)Sによれば、使用時、例えば、香料体Sを胸ポケット(図示せず)に入れ、好みの香料が滴下された吸収部材11が外気に臨むように覆い体14を開にすれば、吸収部材11から香料が放散され、また、不使用時、吸収部材11を外気から遮断するように覆い体14を閉にすれば、香料の無駄な放散を防いで、つまり、香料がより蒸発しにくく、香りの持ちを良くして、香料の有効活用を図って使用勝手を向上させることができる。
なお、覆い体14の吸収部材11の覆いは、上述の実施例と同様、覆い体14による吸収部材11の全閉から覆い体14による吸収部材11の全開に至る多段階に亘って、香りの調整を図ることができる。
【0045】
次に、図7を参照して、図6と異なる実施例を説明する。図7に示す1は、香料を吸収する吸収部材を備えたシート状の香供給体である。前記香料を吸収する吸収部材は、シート状の香供給体1の表側aに第1の香料を吸収する第1の吸収部材11[図7(a)参照]と、シート状の香供給体の裏側bに第2の香料を吸収する第2の吸収部材21[図7(b)参照]とを有し、シート状の香供給体1の表側aに第1の覆い体14が、ハトメ等の連結手段61により回動自在に取り付けられ、第1の覆い体14は、第1の吸収部材11を開閉自在に覆い、シート状の香供給体1の裏側bに第2の覆い体24が、ハトメ等の連結手段61により回動自在に取り付けられ、第2の覆い体24は、第2の吸収部材21を開閉自在に覆うようになっている。
上述した図7記載の香料体Sによれば、使用時、例えば、香料体Sを胸ポケットに入れ、午前に、好みの第1の香料が滴下された第1の吸収部材11が外気に臨むように第1の覆い体14を開にすれば、第1の吸収部材11から第1の香料が放散され、また、不使用時、第1の吸収部材11を外気から遮断するように第1の覆い体14を閉にすれば、第1の香料の無駄な放散を防いで、つまり、第1の香料がより蒸発しにくく、第1の香りの持ちを良くして、第1の香料の有効活用を図って使用勝手を向上させることができ、更に、午後に、第1の覆い体14を閉にして、好みの第2の香料が滴下された第2の吸収部材21が外気に臨むように第2の覆い体24を開にすれば、第2の吸収部材21から第2の香料が放散され、また、不使用時、第2の吸収部材21を外気から遮断するように第2の覆い体24を閉にすれば、第2の香料の無駄な放散を防いで、つまり、第2の香料がより蒸発しにくく、第2の香りの持ちを良くして、第2の香料の有効活用を図って使用勝手を向上させることができる。
【符号の説明】
【0046】
S 試香体(試香体)
1 第1の香供給体
2 第2の香供給体
3 第3の香供給体
4 第4の香供給体
5 第5の香供給体
11 第1の吸収部材
21 第2の吸収部材
31 第3の吸収部材
41 第4の吸収部材
51 第5の吸収部材
6 連結手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7