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特許6270069複数の減衰遅延を使用した干渉をキャンセルするためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6270069
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】複数の減衰遅延を使用した干渉をキャンセルするためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/015 20060101AFI20180122BHJP
   H04B 1/52 20150101ALI20180122BHJP
   H04B 1/56 20060101ALI20180122BHJP
   H04B 1/10 20060101ALI20180122BHJP
【FI】
   H04B7/015
   H04B1/52
   H04B1/56
   H04B1/10 A
【請求項の数】26
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-516262(P2015-516262)
(86)(22)【出願日】2013年6月7日
(65)【公表番号】特表2015-524212(P2015-524212A)
(43)【公表日】2015年8月20日
(86)【国際出願番号】US2013044830
(87)【国際公開番号】WO2013185106
(87)【国際公開日】20131212
【審査請求日】2016年5月6日
(31)【優先権主張番号】61/657,567
(32)【優先日】2012年6月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592116475
【氏名又は名称】ザ・ボード・オブ・トラスティーズ・オブ・ザ・リーランド・スタンフォード・ジュニア・ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ホン、スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】メールマン、ジェフ
(72)【発明者】
【氏名】ブハラディア、ディニッシュ
(72)【発明者】
【氏名】カッティ、サチン
【審査官】 後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−196994(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/106515(WO,A1)
【文献】 特開2004−056315(JP,A)
【文献】 米国特許第05691978(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/015
H04B 1/10
H04B 1/52
H04B 1/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号を受信または送信する少なくとも1つのアンテナと、
送信信号の第1サンプルを受信するキャンセル回路と
を備え、
前記キャンセル回路は、
制御ブロックと、
それぞれが遅延エレメントと前記制御ブロックに応答して減衰レベルを変化させる関連する可変減衰器とを有し、それぞれのパスが前記送信信号の前記第1サンプルを受信し、前記送信信号の前記第1サンプルの遅延重み付けバージョンを生成するN個のパスと
前記送信信号の前記第1サンプルのN個の前記遅延重み付けバージョンを結合して、自己干渉信号の第1部分を表す信号を構築する結合器と、
前記受信された信号から前記構築された信号を減算する減算器と
を有し、
Nは、2と等しいまたは2より大きい整数であり、
前記N個のパスのうち第1パスに配置された遅延エレメントは、前記減算器での前記送信信号の第2サンプルの到達時間より短い遅延を生成し、
前記N個のパスのうち前記第1パスに関連する第2パスに配置される遅延エレメントは、前記減算器での前記送信信号の前記第2サンプルの前記到達時間より長い遅延を生成する、無線通信デバイス。
【請求項2】
前記N個のパスは、複数の遅延パスからなるM個の関連する対を形成する2M個のパスを含み、
複数の遅延パスからなるそれぞれの関連する対の複数の前記遅延エレメントによって生成された複数の前記遅延は、前記送信信号の前記第2サンプルが前記減算器に到達する範囲内の窓を形成する、請求項に記載の無線通信デバイス。
【請求項3】
Nは、2Mに等しい、請求項に記載の無線通信デバイス。
【請求項4】
前記制御ブロックは、M個の前記窓の複数の境界に中心がある2M個のシンク関数と前記自己干渉信号の推定値の複数の交点の複数の値に従って複数の前記可変減衰器の複数の前記減衰レベルを決定する、請求項または請求項に記載の無線通信デバイス。
【請求項5】
前記2M個のシンク関数の少なくとも1つのサブセットのピーク値は、前記自己干渉信号の前記推定値の振幅に実質的に等しく設定される、請求項に記載の無線通信デバイス。
【請求項6】
前記キャンセル回路は、前記送信信号に応答してサンプルされた前記送信信号を生成するすスプリッターをさらに有する、請求項1から請求項のいずれか1つに記載の無線通信デバイス。
【請求項7】
前記減算器は、バランである、請求項に記載の無線通信デバイス。
【請求項8】
前記アンテナに結合された第1ポート、前記無線通信デバイスの送信線に結合された第2ポート、および前記無線通信デバイスの受信線に結合された第3ポートを有するアイソレータをさらに備える、請求項に記載の無線通信デバイス。
【請求項9】
前記アイソレータは、サーキュレータである、請求項に記載の無線通信デバイス。
【請求項10】
前記減算器の出力信号をダウンコンバートする周波数ダウンコンバータと、
前記ダウンコンバートされた信号の選択されていない複数の部分を除去するフィルタと、
前記フィルタの出力信号をデジタル信号に変換するアナログデジタルコンバータと
をさらに備える、請求項1から請求項のいずれか1つに記載の無線通信デバイス。
【請求項11】
前記アナログデジタルコンバータの前記出力信号から前記自己干渉信号の第2部分を除去する処理エンジンをさらに備える、請求項10に記載の無線通信デバイス。
【請求項12】
前記処理エンジンは、複数のプログラマブルフィルタを含む、請求項11に記載の無線通信デバイス。
【請求項13】
送信信号をアップコンバートする周波数アップコンバータと、
前記アップコンバートされた信号の選択されていない複数の部分を除去するフィルタと、
前記フィルタの出力信号をアナログ信号に変換するデジタルアナログコンバータと
をさらに備える、請求項10から請求項12のいずれか1つに記載の無線通信デバイス。
【請求項14】
自己干渉信号をキャンセルまたは低減させるための方法であって、
受信機で送信信号の第1サンプルを受信する段階と、
前記送信信号の前記第1サンプルのN個の遅延バージョンを生成する段階と、
前記N個の遅延信号を減衰して、N個の減衰遅延信号を生成する段階と、
前記N個の減衰遅延信号を結合して、自己干渉信号の第1部分を表す結合信号を生成する段階と、
前記受信された信号から前記結合信号を減算する段階と
を備え
前記方法は、
前記送信信号の前記第1サンプルの前記N個の遅延バージョンのうちの第1遅延バージョンを形成する第1遅延を、前記送信信号の第2サンプルの到達時間より小さい値に設定する段階と、
前記送信信号の前記第1サンプルの前記N個の遅延バージョンのうちの第2遅延バージョンを形成する第2遅延を、前記送信信号の前記第2サンプルの前記到達時間より大きい値に設定する段階と
をさらに備える、方法。
【請求項15】
M個の時間窓を形成する段階と、
前記送信信号の前記第2サンプルの前記到達時間が前記M個の時間窓のそれぞれの中に収まるように前記N個の遅延を選択する段階と
をさらに備える、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
Nは、2Mに等しい、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記M個の時間窓の複数の境界に中心がある2M個のシンク関数と前記自己干渉信号の推定値との複数の交点の複数の値に従って前記N個の遅延信号を減衰させる段階をさらに備える、請求項15または請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記自己干渉信号の前記推定値の振幅に実質的に等しい前記2M個のシンク関数の少なくとも1つのサブセットのピーク値を設定する段階をさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
スプリッターから前記送信信号の前記第1サンプルを受信する段階をさらに備える、請求項14から請求項18のいずれか1つに記載の方法。
【請求項20】
前記受信された信号から前記結合信号をバランを介して減算する段階をさらに備える、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
複数の信号を受信する前記受信機によって用いられるアンテナにアイソレータの第1ポートを結合する段階と、
前記受信機に前記アイソレータの第2ポートを結合する段階と、
前記受信機で自己干渉を生じさせる送信機に、前記アイソレータの第3ポートを結合する段階と
をさらに備える、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記アイソレータは、サーキュレータである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記結合信号と前記受信された信号との間の差をダウンコンバートして、ダウンコンバートされた信号を生成する段階と、
前記ダウンコンバートされた信号の選択されていない複数の部分を除去する段階と、
除去された前記信号をデジタル信号に変換する段階と
をさらに備える、請求項14から請求項22のいずれか1つに記載の方法。
【請求項24】
変換された前記デジタル信号から前記自己干渉信号の第2部分を除去する段階をさらに備える、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
複数のプログラマブルフィルタを用いて変換された前記デジタル信号から前記自己干渉信号の第2部分を除去する段階をさらに備える、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
送信信号をアップコンバートする段階と、
前記アップコンバートされた信号の選択されていない複数の部分を除去する段階と、
前記除去された信号をアナログ信号に変換する段階と
をさらに備える、請求項23から請求項25のいずれか1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「複数のタップフィードフォワードキャンセル」という発明の名称で、2012年6月8日に出願された米国仮特許出願61/657,567、および「全二重信号整形のためのシステムおよび方法」という発明の名称で、2013年2月7日に出願された一部継続の米国特許出願13/762,043を優先権主張し、「アルゴリズムおよびRF回路による任意のスペクトルフラグメントを介した全二重通信の実現」という発明の名称で、2012年2月8日に出願された米国仮特許出願61/596,628を優先権主張し、これらの全体の内容が全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、無線通信システムに関し、より具体的には、全二重通信システムでの自己干渉のキャンセルまたは低減に関する。
【背景技術】
【0003】
半二重モードで動作する無線通信システムは、同一の周波数を用いて、データを送信または受信のどちらかが可能である。全二重モードで動作する場合、無線通信システムは、データを同時に送信および受信できるが、データの同時の送信および受信は、異なる周波数で生じうる。例えば、全二重方式の携帯電話は、複数の信号の送信に第1周波数、受信に第2周波数を使用する。従来の無線システムにおいて同時送受信に同一周波数を使用することで、受信機で著しい量の自己干渉をもたらし、それにより、無線システムが所望の信号を受信することに無力な状態になる。全二重無線通信システムで自己干渉信号を低減することには、課題が残されている。
【発明の概要】
【0004】
本発明の一実施形態において、無線通信デバイスは、一部分において、信号を受信または送信する少なくとも1つのアンテナと、自己干渉信号をキャンセルまたは低減するよう適合されたキャンセル回路とを含む。キャンセル回路は、一部分において、制御ブロック、N個の遅延減衰パス、結合器、および減算器を含む。それぞれのパスは、遅延エレメントと、制御ブロックに応答して減衰レベルを変化させる関連する可変減衰器とを含む。それぞれのパスは、送信信号のサンプルを受信し、サンプル信号の遅延重み付けバージョンを生成する。結合器は、サンプル信号のN個の遅延重み付けバージョンを結合して、自己干渉信号の第1部分を表す信号を構築する適合される。減算器は、構築された信号を受信された信号から減算するよう適合されている。Nは、2と等しいか、または2より大きい整数である。
【0005】
1つの実施形態において、複数の遅延エレメントの少なくとも1つで生成される遅延は、減算器で受信される送信信号のサンプルの到達時間より短い。また、複数の遅延エレメントの少なくとも別の1つによって生成された遅延は、減算器での送信信号のサンプルの到達時間より長い。1つの実施形態において、N個のパスは、複数の遅延パスからなるM個の関連する対を形成する2M個のパスを含む。
複数の遅延パスからなるそれぞれ関連する対の複数の遅延エレメントによって生成される複数の遅延は、送信信号の第2サンプルが減算器に到達する時間の範囲内の時間窓を形成する。
【0006】
1つの実施形態において、Nは、2Mに等しく、したがって、偶数である。別の実施形態において、Nは、奇数であり、したがって、2M個のパスは、N個のパスのサブセットを形成する。1つの実施形態において、コントローラは、M個の窓の境界に中心がある2M個のシンク関数と自己干渉信号の推定値との複数の交点の複数の値に従って、可変減衰器の減衰レベルを決定する。1つの実施形態において、2M個のシンク関数の少なくとも1つのサブセットのピーク値は、自己干渉信号の推定値の振幅に実質的に等しくなるように選択される。
【0007】
1つの実施形態において、キャンセル回路は、一部分において、複数の遅延パスに対する送信信号のサンプルを生成するよう適合されたスプリッターをさらに含む。1つの実施形態において、減算器は、バランである。1つの実施形態において、無線通信デバイスは、アンテナに結合された第1ポート、無線通信デバイスの送信線に結合された第2ポート、および無線通信デバイスの受信線に結合された第3ポートを有するアイソレータをさらに含む。1つの実施形態において、アイソレータは、サーキュレータである。
【0008】
1つの実施形態において、無線通信デバイスは、一部分において、減算器の出力信号をダウンコンバートするよう構成された周波数ダウンコンバータと、ダウンコンバートされた信号の選択されていない複数の部分を除去するよう適合されたフィルタと、フィルタの出力信号をデジタル信号に変換するよう適合されたアナログデジタルコンバータとをさらに含む。1つの実施形態において、無線通信デバイスは、一部分において、アナログデジタルコンバータの出力信号から自己干渉信号の第2部分を除去するよう構成された処理エンジンをさらに含む。処理エンジンは、複数のプログラマブルフィルタを任意に含む。1つの実施形態において、無線通信デバイスは、一部分において、送信信号をアップコンバートするよう構成された周波数アップコンバータと、アップコンバートされた信号の選択されていない複数の部分を除去するよう適合されたフィルタと、フィルタの出力信号をアナログ信号に変換するよう適合されたデジタルアナログコンバータとをさらに含む。
【0009】
本発明の1つの実施形態において、自己干渉信号をキャンセルまたは低減させるための方法は、一部分において、受信機で送信信号の第1サンプルを受信する段階と、送信信号の第1サンプルのN個の遅延バージョンを生成する段階と、N個の遅延信号を減衰して、N個の減衰遅延信号を生成する段階と、N個の減衰遅延信号を結合して、自己干渉信号の第1部分を表す結合信号を生成する段階と、受信された信号から結合信号を減算する段階とを含む。
【0010】
1つの実施形態において、送信信号の第1サンプルのN個の遅延バージョンのうちの第1遅延バージョンに関連する遅延は、送信信号の第2サンプルの到達時間より小さい値に設定される。また、送信信号の第1サンプルのN個の遅延バージョンのうちの第2遅延バージョンに関連する遅延は、送信信号の第2サンプルの到達時間より小さい値に設定される。
【0011】
1つの実施形態において、キャンセルのための方法は、一部分において、N個の遅延パスからM個の時間窓を形成する段階と、送信信号の第2サンプルの到達時間がM個の時間窓のそれぞれの中に収まるように複数の遅延を選択する段階とさらに含む。1つの実施形態において、Nは、2Mに等しく、したがって偶数である。別の実施形態において、Nは、奇数であり、したがって、2M個のパスは、N個のパスのサブセットを形成する。1つの実施形態において、コントローラは、M個の窓の複数の境界に中心がある2M個のシンク関数と自己干渉信号の推定値の複数の交点の複数の値に従って複数の減衰レベルが決定されることを特定する。1つの実施形態において、自己干渉信号の推定値の振幅に実質的に等しくなるように、2M個のシンク関数の少なくとも1つのサブセットのピーク値が選択される。1つの実施形態において、送信信号の第1サンプルは、スプリッターを介して受信される。1つの実施形態において、結合信号は、バランを介して、受信された信号から減算される。
【0012】
1つの実施形態において、キャンセルのための方法は、一部分において、複数の信号を受信する受信機によって用いられるアンテナにアイソレータの第1ポートを結合する段階と、受信機にアイソレータの第2ポートを結合する段階と、受信機で自己干渉を生じさせる送信機に、アイソレータの第3ポートを結合する段階とをさらに含む。1つの実施形態において、アイソレータは、サーキュレータである。
【0013】
1つの実施形態において、キャンセルのための方法は、一部分において、結合信号と受信された信号との間の差をダウンコンバートして、ダウンコンバートされた信号を生成する段階と、ダウンコンバートされた信号の選択されていない複数の部分を除去する段階と、除去された信号をデジタル信号に変換する段階とをさらに含む。1つの実施形態において、キャンセルのための方法は、一部分において、変換されたデジタル信号から自己干渉信号の第2部分を除去することをさらに含む。
【0014】
1つの実施形態において、キャンセルのための方法は、一部分において、複数のプログラマブルフィルタを使用して変換されたデジタル信号から自己干渉信号の第2部分を除去する段階をさらに含む。1つの実施形態において、キャンセルのための方法は、一部分において、送信信号をアップコンバートする段階と、アップコンバートされた信号の選択されていない複数の部分を除去する段階と、除去された信号をアナログ信号に変換する段階とをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の1つの実施形態における全二重無線通信システムの簡略化したブロック図である。
【0016】
図2】本発明の別の実施形態において全二重無線通信システムの簡略化したブロック図である。
【0017】
図3】本発明の1つの実施形態における図1および図2の全二重無線通信システムで配置される減衰遅延回路の簡略したブロック図である。
【0018】
図4】本発明の1つの実施形態における図3の減衰遅延回路の関連するパスの異なる対の複数の遅延によってそれぞれ規定される第1窓および第2窓を示す図である。
【0019】
図5】本発明の1つの実施形態における図4の第1窓の複数の境界に中心がある一対のシンク関数と自己干渉信号との間の交点を示す図である。
【0020】
図6】本発明の1つの実施形態における図5に示す第1窓を規定する複数のパスにおいて移動する信号の対に適用される複数の減衰のレベルを示す図である。
【0021】
図7】本発明の1つの実施形態における図4の第2窓の境界に中心がある一対のシンク関数と自己干渉信号との間の交点を示す図である。
【0022】
図8】本発明の1つの実施形態における図5に示す第1窓および第2窓を規定する複数のパスで移動する2つの対の信号に適用される複数の減衰レベルを示す図である。
【0023】
図9】本発明の1つの実施形態における遅延/減衰パスの数とキャンセルの量との間の関係を示す例示的なプロットを示す図である。
【0024】
図10】本発明の1つの実施形態における自己干渉信号をキャンセルまたは低減するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明の1つの実施形態における全二重無線通信デバイス100の簡略化したブロック図である。無線通信デバイス100は、携帯電話、基地局、アクセスポイントなどでよく、ダウンリンクを介してデータ/信号を送信し、アップリンクを介してデータ/信号を受信するよう構成される。 無線通信デバイス(本明細書では、代替的に、デバイスとして参照される)100は、一部分において、送信パス150に配置された、デジタルアナログコンバータ(DAC)124、フィルタ120、周波数アップコンバータ116、および送信アンテナ106を含むように示されている。デバイス100は、一部分において、受信パス140に配置された、受信アンテナ110、周波数ダウンコンバータ118、フィルタ122、アナログデジタルコンバータ(ADC)126を含むようにさらに示されている。デバイス100は、また、処理エンジン104、および自己キャンセル回路102を含むように示されている。処理エンジン104は、さらに以下に説明するように、様々な動作を制御/処理するよう構成される。自己キャンセル回路102は、パワースプリッター108、減衰遅延回路112、およびバラン114を含むように、順に示されている。デバイス100は、WiFi(商標)、Bluetooth(登録商標)、GSM(登録商標)エッジ無線アクセスネットワーク(GERAN)、ユニバーサル地上波無線アクセスネットワーク(UTRAN)、次世代ユニバーサル地上波無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)、ロングタームエボリューション(LTE)等のような1または複数の通信規格に準拠して対応および動作してよい。
【0026】
図のように、受信された無線周波数(RF)信号は、周波数ダウンコンバータ118で、ベースバンド信号に変換され、ベースバンド信号は、フィルタ122で除去され、ADC126でデジタル信号に変換される。処理エンジン104は、ADC126から受信する信号に関してベースバンド信号処理およびフィルタリング動作を実行し、同一または他の複数の通信レイヤに関連する複数のデバイスにその出力信号を配送する。同様に、処理エンジン104によって供給される送信信号は、スプリッター108によりアンテナ106に供給される前に、DAC124によりアナログ信号に変換され、フィルタ120によりフィルタリングされ、周波数アップコンバータ116によりRF信号にアップコンバートされる。
【0027】
パワースプリッター108は、送信信号を分割して、高出力ポートを介して送信アンテナ106に送信信号の第1部分を供給し、低出力ポートを介して減衰遅延回路120に送信信号の第2部分を供給するよう適合される。パワースプリッター108は、例えば、パワースプリッター108が受信する−8dBcの信号パワーで、減衰遅延回路120に供給するよう適合された受動的なコンポーネントでよい。減衰遅延回路120は、減衰遅延回路120が受信する送信信号の多数の重み付け遅延サンプル(バージョン)を生成するよう適合され、これらの信号を結合してアンテナ110によって受信される自己干渉信号を表す信号をバラン114に供給する。バラン114は、バラン114が減衰遅延回路120から受信する信号を、アンテナ110からバラン114が受信する信号から減算し、結果として得られる信号を周波数ダウンコンバータ118に供給するよう適合される。その結果、バラン114により周波数アップコンバータ118に供給される信号の自己干渉成分は、キャンセルされ、または実質的に低減される。1つの実施形態において、自己キャンセル回路102は、例えば20−25dBの自己干渉信号をキャンセルできる。自己キャンセル回路102は、ADC126のダイナミックレンジを調整し、ADC126が飽和しないことを確保するために、自己キャンセルの量を調整するようさらに適合される。
【0028】
処理エンジン104は、他の複数の機能と共同で、複数の信号ストリームを再サンプリングするよう構成される。処理エンジン104で受信されるデジタルベースバンドストリーム136は、処理エンジン104に配置されたアップサンプラ―により(例えば、40Mサンプル/秒から200Mサンプル/秒に)アップサンプルされてよい。処理エンジン104は、アップサンプルされたストリームをローパスフィルタして、アップサンプルされたストリームの望ましくないエイリアスを除去するようさらに構成される。処理エンジン104は、一部分において、多数のフィルタ130、中間周波数(IF)コンバータ132、およびアプリケーションプログラミングインタフェース(API)134を含むようにさらに示されている。複数のフィルタ130は、プログラマブルでよく、1または複数の有限インパルス応答(FIR)、1または複数の無限インパルス応答(IIR)などを含んでよい。1つの実施形態において、処理エンジン104に配置される1または複数のプログラマブルデジタルフィルタは、自己キャンセル回路102の出力に存在している可能性がある残りの自己干渉信号を除去する。中間周波数コンバータ132は、必要な場合、入ってくるデジタルベースバンド136をデジタル中間周波数(IF)に変換するよう構成される。
【0029】
API134は、プログラムされ、1または複数のフィルタ130に相互接続され、所望の結果を得られるようにIFコンバータ132をプログラムし、アップ/ダウンサンプラおよびアップ/ダウンコンバータを構成するよう適合される。API134は、フィルタ130およびIFコンバータ132に配置された様々なコンポーネントを横断する信号ストリームのフローを調整し、入ってくる信号ストリーム136を収集し、それらを追加し、結果として得られるストリームをDAC124に送信するようさらに適合される。処理エンジン104が受信パスから受信する信号に対して、API134は、上述の信号処理/制御動作を逆に実行する。
【0030】
図2は、本発明の別の実施形態における全二重無線通信デバイス(本明細書では、代替的にデバイスとして参照される)200の簡略したブロック図である。デバイス200は、デバイス200が、信号の送信および受信の両方のために単一のアンテナ115を有することを除いて、デバイス100と同様である。デバイス200は、複数のポート間のアイソレーションを提供するサーキュレータ105を含む。サーキュレータ105は、アンテナ115への送信信号およびアンテナ115からの受信信号を同時に供給するよう構成される。送信信号は、送信信号パワーの比較的大きな部分(例えば、85%)を送信アンテナ115に供給し、送信信号の比較的小さい部分を減衰遅延回路102に供給するパワースプリッター108を介して通過される。例示的な実施形態において、サーキュレータ105は、送信パスおよび受信パスの間におおよそ15dBのアイソレーションを提供し、それにより、受信ポートの自己干渉をおおよそ15dB低減させる。
【0031】
図3は、図1および図2に示すように、送信フロントエンドブロック250および受信フロントエンドブロック260と通信する、例示的な減衰遅延回路120の簡略化したブロック図である。アンテナ255は、アイソレータ285を介して受信フロントエンド260および送信フロントエンド250の両方に結合される。上述のように、送信信号Txの一部は、リークし、自己干渉信号の形態で受信信号RXに存在する。減衰遅延回路120は、自己干渉信号を表す信号RX_RCを生成するよう適合される。自己干渉信号RX_RCは、減算器114により受信信号RXから減算され、その出力信号は、図1および図2を参照して上述したように、さらなる処理をするために、RFフロントエンドブロック260に供給される。
【0032】
図のように、減衰遅延回路120は、スプリッター108を介して送信信号TXのサンプルTX_SMPを受信する。減衰遅延回路120は、多数のパス290、290...290N−1、290を含むように示されている。ここで、Nは、2より大きいまたは2と等しい整数である。それぞれのパスは、遅延エレメント270および可変減衰器275を含むように示されている。ここで、iは、1からNまで変動するインデックスである。遅延エレメント290は、固定された、または可変の遅延を生成してよい。それぞれの可変減衰器270の減衰レベルは、コントローラ280によって実装される予め定められたアルゴリズムに従って変更されてよい。それぞれの遅延エレメント270は、信号TX_SMPの遅延バージョンである信号Aを生成するよう適合される。それぞれの可変減衰器275は、減衰(重み付け)信号Bを生成するために、コントローラ280により可変減衰器275に適用される制御信号Cに従って、可変減衰器275が受信する信号Aの振幅を減衰するよう適合される。したがって、複数の信号Bは、異なる遅延重み付けバージョンの信号TX_SMPである。結合器295は、複数の信号Bを結合して、送信信号の自己干渉成分を表す信号RX_RCを生成する。1つの実施形態において、結合器295は、複数の信号Bを加算して信号RX_RCを生成する加算器である。他の実施形態において、結合器295は複数の信号Bに関して他のアルゴリズム、またはロジック機能を実行して、信号RX_RCを生成してよい。
【0033】
上述の通り、減衰遅延回路120は、複数のパス(代替的に、複数のタップとして本明細書で参照される)290上に存在する複数の信号値から自己干渉信号を再構築するよう作動している。複数のタップ上に存在する自己干渉信号および複数の時間遅延重み付け信号Bの両方が、同一の送信信号のサンプルなので、自己干渉信号の再構築は、帯域制限補間と同様である。さらに、タップの有限数は、再利用可能であるのみなので、窓補間は、自己干渉信号を表す信号RX_RCを再構築するのに用いられてよい。したがって、本発明の1つの実施形態において、自己干渉信号を表す信号は、同一のサンプリングされた送信信号TX_SMPの遅延重み付けバージョンである複数の信号Bから生成される。
【0034】
1つの例示的な実施形態において、自己干渉信号を表す信号を生成するために、関連するパス(タップ)290のそれぞれの対で生成される遅延は、減算器114で自己干渉信号の到達時間が、これら2つの遅延の間の差の範囲内に収まるように(本明細書では、遅延窓とも参照される)選択される。したがって、関連する複数のタップ290からなるそれぞれの対における第1タップによって生成される遅延は、減算器114での自己干渉信号の到達時間(本明細書では、Tself_intとして参照される)より小さく、関連する複数のタップ290からなるそれぞれの対における第2タップによって生成される遅延は、Tself_intより大きい。1つの実施形態において、中央の2つのタップ、すなわち、タップ290,290は、例えば、遅延エレメント270によって生成された遅延TLがTself_intより小さく、かつ遅延エレメント270によって生成された遅延THがTself_intより大きくなるように、関連する複数のタップからなる第1対を形成する。したがって、TLおよびTHは、Tself_intに最も近いような遅延になるように選択される。中央のタップに最も近い次の2つのタップ、すなわち、タップ290,290は、例えば、遅延エレメント270によって生成される遅延TLがTself_intより小さく、かつ遅延エレメント270によって生成された遅延THがTself_intより大きくなるように、関連する複数のタップからなる第2対を形成する。TLは、TLより短く、THはTHより長い。したがって、TLおよびTHは、Tself_intに2番目に最も近いような遅延になるように選択される。関連する複数のタップからなる残りの複数の対の遅延は、同様に選択される。したがって、本明細書では、説明しない。他の実施形態において、関連するタップは、異なるように設けられ、選択されてもよいことは理解される。例えば、別の実施形態において、タップ290および290は、関連するタップとして選択され、遅延窓を形成するのに用いられてよい。
【0035】
以下の説明では、上述したように、中央のタップ290,290が、関連する複数のタップからなる第1対を形成し、次の2つのタップ290,290が関連する複数のタップからなる第2対を形成し、次の2つのタップ290,290が関連する複数のタップからなる第3対を形成し、....および最後の2つのタップ290N−1,290が関連する複数のタップからなる最後のタップを形成することとして、参照される。さらに、以下において、関連する複数のタップからなる、すなわち、関連する複数のタップ290/290および関連する複数のタップ290/290からなる2つの対のみに関連する遅延補間について説明する。しかしながら、同様な動作が、減衰遅延回路120に配置されたタップの番号に関係なく全ての他のタップについて実行できることは理解される。
【0036】
図4に示すように、TLは、信号Bが生成される(遅延交差減衰器275iが、遅延交差遅延エレメント270iに無視できるほどに関連していると想定される)間の時間を表し、THは、信号Bが生成される間の時間を表し、TLは、信号Bが生成される時間を表し、THは、信号Bが生成される間の時間を表す。このように、時間遅延THおよびTLは、(遅延エレメント270および270を使用して、)Tself_intがTH−TLの差によって規定される窓Wの中に収まるように選択される。同様に、時間遅延THおよびTLは、Tself_intがTH−TLの差によって規定される窓Wの中に収まるように選択される。したがって、上述および図4に示すように、窓を規定する関連する複数のタップからなるそれぞれのタップについて、複数の遅延パスの1つによって生成される遅延量は、Tself_intより長く、かつ複数の遅延パスの他の1つによって生成される遅延量は、Tself_intより短い。例えば、窓Wに関して、THがTself_intより大きく、TLは、Tself_intより小さい。上述の説明は、パス290,290,290および290に関してなされているものであるが、すべてのタップ遅延が、Tself_intが関連するパスからなる任意の対によって規定される窓のいずれの範囲にも収まるように選択されることは理解される。減衰遅延パス120が、奇数のパス(すなわち、Nが奇数である)を含む場合、遅延パスの(N−1)が、上述の通り、関連する対を形成するのに用いられる。最後の残りの遅延パス(N番目のパス)に関連する遅延Tは、Tself_intがTからの時間内に収まるように選択される。
【0037】
それぞれの減衰器275についての減衰レベルを決定するために、本発明の1つの例示的な実施形態によれば、シンク関数が用いられる。しかしながら、任意の他の補間スキームも用いられてよいことは理解される。これを達成するために、それぞれの窓について、シンク関数のペアの交点(窓境界の1つに中心があるそれぞれ、および自己干渉信号の推定値のピーク値に実質的に等しいピーク値を有するそれぞれ)および干渉信号の推定値が、Self_intとして示されるように、決定される。例えば、図5に示すように、TLに中心があるシンク関数502が、矢印510で、自己干渉信号Self_intの推定値を交差するものとして示され、THに中心があるシンク関数504が、矢印520で、信号Self_intを交差するものとして示されている。矢印510および520の高さは、減衰器275および275のそれぞれに適用される減衰レベルを規定する。図6は、減衰器275および275のそれぞれに対して決定され適用されるような減衰レベル510および520を示す。
【0038】
自己干渉信号の振幅および遅延は、予め知られているものではないので、上述の通り、自己干渉信号の遅延および振幅の両方の推定値(信号Self_int)が、補間のために制御ブロック280によって最初に用いられる。さらに以下で説明するように、初期の複数の推定値は、減衰器275の減衰レベルを決定するために用いられ、これにより、信号RX_RCを生成するために実質的に結合される複数の信号Bを続いて生成する。その結果、受信機での自己干渉の量は、1または複数の条件が満たされるかどうかを決定するために、測定される。そのような条件の1つは、自己干渉の量が最小閾値レベルを下回っているかどうかを決定することでよい。それらの条件を満たさない場合、反復最適化アルゴリズムが、制御ブロック280によって実行され、自己干渉信号の遅延または振幅のどちらか、または遅延および振幅の両方に対して、新しい推定値に達する。新しい推定値は、さらに以下に説明するように、減衰器に対する新しい減衰レベルを生成するために続いて用いられ、順に、修正された自己干渉信号と同様に修正された複数の信号Biの生成をもたらす。受信機でキャンセルまたは低減される自己干渉信号のレベルの測定、そのような測定に基づく自己干渉信号の新しい推定値への到達、予め規定された条件までの継続に応じた減衰器の減衰レベルの変更の処理が、満たされる。
【0039】
図7は、自己干渉信号とともに、窓境界TLおよびTHに位置付けられる複数のシンク関数の交点を示す。図に示すように、TLに中心があるシンク関数506は、矢印530で自己干渉信号に交差するものとして示され、THに中心があるシンク関数508は、矢印540で自己干渉信号に交差するものとして示されている。矢印530および540の高さは、減衰器275および275のそれぞれに適用される減衰レベルを規定する。図8は、減衰器275,275,275,275のそれぞれに対して決定され適用されるような減衰レベル510,520,530,540を示す。図7および図8に示すように、減衰器275,275に適用される複数の減衰レベルは、複数の正の値を有する(正の極性を有する)のに対して、減衰器275,275に適用される複数の減衰レベルは、複数の負の値を有し、したがって、負の極性を有する。残りの複数のタップの複数の減衰レベルは、同様に決定されることは理解される。さらに、サンプリングされた信号を再構築するためのサンプリング理論のアプリケーションに関する詳細は、Ronald E Crochiere、および Lawrence R Rabinerによる「マルチレートデジタル信号処理」(プレンティス−ホール処理シリーズ、1983)で提供され、これらの内容は、全体において参照により本明細書に組み込まれる。
【0040】
結合器295は、信号B、B...Bを結合することに適合され、これにより、自己干渉信号を表す信号RX_RCを生成する。自己干渉信号の遅延は変化し、窓内の位置は、移動するので、自己干渉信号と複数のシンク関数との複数の交点は変化する。これにより、複数の減衰レベルの変化をもたらし、同様に、自己干渉信号を表す再構築された信号も変化して、自己干渉信号を追従する。
【0041】
タップの数が増えるほど、自己干渉の量は大きくなる。図9は、タップの数に応じた自己干渉キャンセルの量の例示的なプロット900である。図に示すように、2つのタップおよび10のタップのそれぞれに対する自己干渉キャンセルの量が、おおよそ−30dBおよび−75dBであるとして示されている。言い換えれば、タップの数が増加することによって、より広い帯域幅の自己干渉キャンセルに至る。
【0042】
図10は、本発明の1つの実施形態における、通信デバイスの受信機での自己干渉信号のキャンセルまたは低減のためのフローチャート1000を示す。これを達成するために、送信信号が、サンプリングされる(1010)。その後、サンプリングされた送信信号の多数の遅延バージョンが生成される(1020)。サンプリングされた送信信号の遅延バージョンは、減衰され(1030)、多数の重み付け遅延信号を生成する。その後、多数の重み付け遅延信号は、結合され(1040)、自己干渉信号を表す信号を再構築する。続いて、再構築された信号は、受信信号から実質的に減算され、受信機で自己干渉信号をキャンセルまたは低減する。
【0043】
本発明の上記の実施形態は、例示であり、限定されない。本発明の実施形態は、通信デバイスで用いられる送信機および受信機により限定されない。本発明の実施形態は、自己干渉信号の再構築に用いられるタップの数によって限定されず、信号送信/受信の周波数によって限定されない。本発明の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、および/またはこれらの組み合わせによって実装されてよい。1または複数の実施形態は、1または複数のプロセッサにより実行される非一時的コンピュータ可読ストレージ媒体に格納された複数の命令を含んでよい。他に加えて、減法または修正は、本開示を考慮して明らかであり、添付の特許請求の範囲内に収まるよう意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10