特許第6270211号(P6270211)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6270211仕掛在庫量算出装置、仕掛在庫量算出方法、及び、仕掛在庫量算出プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6270211
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】仕掛在庫量算出装置、仕掛在庫量算出方法、及び、仕掛在庫量算出プログラム
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20180122BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20180122BHJP
【FI】
   G05B19/418 Z
   G06Q50/04
【請求項の数】6
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-100250(P2014-100250)
(22)【出願日】2014年5月14日
(65)【公開番号】特開2015-219552(P2015-219552A)
(43)【公開日】2015年12月7日
【審査請求日】2016年9月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100111453
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻井 智
(72)【発明者】
【氏名】藤平 雅信
(72)【発明者】
【氏名】梅田 豊裕
(72)【発明者】
【氏名】池田 英生
【審査官】 影山 直洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−295924(JP,A)
【文献】 特開2013−254261(JP,A)
【文献】 特開平08−174388(JP,A)
【文献】 特開平11−296208(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
G06Q 50/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数工程によって生産する製品であって、対象となる複数の製品それぞれについて、前記複数工程のうちの或る工程である前工程と、当該前工程の次の工程である後工程とのそれぞれにおける処理の開始時刻及び終了時刻を含む実績情報を記憶する記憶手段と、
前記実績情報から、前記前工程と前記後工程との間で不可避的に発生する時間を求め、求めた時間に基づいて、前記前工程と前記後工程との間で不可避的な時間が発生したとしても、後工程での生産を保証するための仕掛在庫量である、前記前工程と前記後工程との工程間のパイプライン在庫量を算出するパイプライン在庫算出手段と、
前記実績情報から、前記複数の製品それぞれについて、前記前工程における実施順序及び前記後工程における実施順序を求め、求めた実施順序に基づいて、前記前工程における実施順序と後工程における実施順序とが異なったとしても、後工程での生産を保証するための仕掛在庫量である、前記前工程と前記後工程との工程間の順序入替吸収仕掛在庫量を算出する順序入替吸収仕掛算出手段と、
前記実績情報から、前記前工程と前記後工程それぞれについての所定の単位時間毎の生産量を求め、求めた生産量の変化に基づいて、後工程での生産量の変化が、前工程での生産量の変化と異なったとしても、後工程での生産を保証するための仕掛在庫量である、前記前工程と前記後工程との工程間の生産変動吸収仕掛在庫量を算出する生産変動吸収仕掛算出手段と、
前記パイプライン在庫量と、前記順序入替吸収仕掛在庫量と、前記生産変動吸収仕掛在庫量とに基づいて、前記前工程と前記後工程との工程間の適正在庫量を算出する適正在庫算出手段と
を備え
前記順序入替吸収仕掛算出手段は、
前記複数の製品それぞれの、前記後工程における実施順序の順番から前記前工程における実施順序の順番を減算した値である順序入替差の、処理対象となる一定期間内における度数分布を算出し、
前記度数分布における度数が所定の閾値を超えた前記順序入替差のうちの最小値の絶対値を、前記順序入替吸収仕掛在庫量として算出する
とを特徴とする仕掛在庫量算出装置。
【請求項2】
前記パイプライン在庫算出手段は、前記実績情報に基づいて、前記前工程における1製品の処理時間と、前記前工程における処理の終了時刻から後工程における処理の開始時刻までの経過時間と、前記後工程における所定期間あたりの生産量を算出し、前記処理時間と前記経過時間と前記所定期間あたりの生産量とに基づいて、前記パイプライン在庫量を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の仕掛在庫量算出装置。
【請求項3】
前記生産変動吸収仕掛算出手段は、前記前工程と前記後工程それぞれについての前記単位時間毎の生産量を算出し、次に、前記単位時間毎に前工程及び後工程それぞれにおける前記生産量の累積量を算出し、そして、前記単位時間を横軸とし、前記単位時間毎に前記前工程の累積量から前記後工程の累積量を引いた差分を縦軸とするグラフを作成し、当該グラフの振幅に相当する生産量を、前記生産変動吸収仕掛在庫量として算出する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の仕掛在庫量算出装置。
【請求項4】
前記適正在庫算出手段は、前記パイプライン在庫量と、前記順序入替吸収仕掛在庫量と、前記生産変動吸収仕掛在庫量とを加算した値を、前記適正在庫量として算出する
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の仕掛在庫量算出装置。
【請求項5】
複数工程によって生産する製品であって、対象となる複数の製品それぞれについて、前記複数工程のうちの或る工程である前工程と、当該前工程の次の工程である後工程とのそれぞれにおける処理の開始時刻及び終了時刻を含む実績情報を記憶する記憶手段を備え、前記前工程と前記後工程との工程間の適正在庫量を算出する仕掛在庫量算出装置で用いられる在庫仕掛量算出方法であって、
前記実績情報から、前記前工程と前記後工程との間で不可避的に発生する時間を求め、求めた時間に基づいて、前記前工程と前記後工程との間で不可避的な時間が発生したとしても、後工程での生産を保証するための仕掛在庫量である、前記前工程と前記後工程との工程間のパイプライン在庫量を算出するパイプライン在庫算出ステップと、
前記実績情報から、前記複数の製品それぞれについて、前記前工程における実施順序及び前記後工程における実施順序を求め、求めた実施順序に基づいて、前記前工程における実施順序と後工程における実施順序とが異なったとしても、後工程での生産を保証するための仕掛在庫量である、前記前工程と前記後工程との工程間の順序入替吸収仕掛在庫量を算出する順序入替吸収仕掛算出ステップと、
前記実績情報から、前記前工程と前記後工程それぞれについての所定の単位時間毎の生産量を求め、求めた生産量の変化に基づいて、後工程での生産量の変化が、前工程での生産量の変化と異なったとしても、後工程での生産を保証するための仕掛在庫量である、前記前工程と前記後工程との工程間の生産変動吸収仕掛在庫量を算出する生産変動吸収仕掛算出ステップと、
前記パイプライン在庫量と、前記順序入替吸収仕掛在庫量と、前記生産変動吸収仕掛在庫量とに基づいて、前記前工程と前記後工程との工程間の適正在庫量を算出する適正在庫算出ステップと
を備え
前記順序入替吸収仕掛算出ステップは、
前記複数の製品それぞれの、前記後工程における実施順序の順番から前記前工程における実施順序の順番を減算した値である順序入替差の、処理対象となる一定期間内における度数分布を算出し、
前記度数分布における度数が所定の閾値を超えた前記順序入替差のうちの最小値の絶対値を、前記順序入替吸収仕掛在庫量として算出する
とを特徴とする仕掛在庫量算出方法。
【請求項6】
複数工程によって生産する製品であって、対象となる複数の製品それぞれについて、前記複数工程のうちの或る工程である前工程と、当該前工程の次の工程である後工程とのそれぞれにおける処理の開始時刻及び終了時刻を含む実績情報を記憶する記憶手段を備え、前記前工程と前記後工程との工程間の適正在庫量を算出する仕掛在庫量算出装置で用いられる在庫仕掛量算出プログラムであって、
前記実績情報から、前記前工程と前記後工程との間で不可避的に発生する時間を求め、求めた時間に基づいて、前記前工程と前記後工程との間で不可避的な時間が発生したとしても、後工程での生産を保証するための仕掛在庫量である、前記前工程と前記後工程との工程間のパイプライン在庫量を算出するパイプライン在庫算出部と、
前記実績情報から、前記複数の製品それぞれについて、前記前工程における実施順序及び前記後工程における実施順序を求め、求めた実施順序に基づいて、前記前工程における実施順序と後工程における実施順序とが異なったとしても、後工程での生産を保証するための仕掛在庫量である、前記前工程と前記後工程との工程間の順序入替吸収仕掛在庫量を算出する順序入替吸収仕掛算出部と、
前記実績情報から、前記前工程と前記後工程それぞれについての所定の単位時間毎の生産量を求め、求めた生産量の変化に基づいて、後工程での生産量の変化が、前工程での生産量の変化と異なったとしても、後工程での生産を保証するための仕掛在庫量である、前記前工程と前記後工程との工程間の生産変動吸収仕掛在庫量を算出する生産変動吸収仕掛算出部と、
前記パイプライン在庫量と、前記順序入替吸収仕掛在庫量と、前記生産変動吸収仕掛在庫量とに基づいて、前記前工程と前記後工程との工程間の適正在庫量を算出する適正在庫算出部として、
コンピュータを機能させ
前記順序入替吸収仕掛算出部は、
前記複数の製品それぞれの、前記後工程における実施順序の順番から前記前工程における実施順序の順番を減算した値である順序入替差の、処理対象となる一定期間内における度数分布を算出し、
前記度数分布における度数が所定の閾値を超えた前記順序入替差のうちの最小値の絶対値を、前記順序入替吸収仕掛在庫量として算出する
とを特徴とする仕掛在庫量算出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数工程を経て製造される製品の生産管理技術に関し、特に、仕掛在庫量を算出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、生産管理において、仕掛在庫の量は重要な問題である。素材系などの工場では、通常、圧延、焼鈍、洗浄、脱脂、スリットなどの複数の製造工程を経て製品が製造される。これらの各製造工程の工程間には、工程の相互作用を緩めるために、仕掛在庫が置かれる。仕掛在庫があることで、例えば、上流工程において、設備故障、欠品、作業遅れ等などにより上流工程が停止した場合であっても、その影響が下流工程に波及して、ライン全体がストップする事態を避けることができる。また、異なる製造条件のワーク(製品)が混在して流れる多品種混在工場では、仕掛在庫があることによって、工程ごとに生産順序を変えることができる。つまり、工程間に仕掛在庫が在ることで、製造条件変更に伴い発生する段取時間を極力減らし、各工程での最適順序での生産を実現することができる。このように工程間の仕掛在庫は、上工程での生産変動に対応する役割や、各工程での最適順序生産の実現を可能にするといった役割を有する場合がある。したがって、複数工程を有する生産ラインにおいて、工程間で必要とされる仕掛在庫を定量的に把握することは、生産体制検討をおいて重要な問題となる。
【0003】
特に、多品種混在で多工程生産を行う生産ラインでは、製造工程が複雑な場合が多いために、必要となる仕掛在庫量を見積もることが難しい。そこで、従来の生産ラインでは、「次工程の生産量の1日分程度」という具合に各工程で熟練者の勘と経験に頼った定性的な仕掛管理がなされている場合が多い。熟練者の勘と経験による仕掛管理においては、ライン全体のストップ防止などの観点から、仕掛在庫量は余分に見積もられる傾向があり、製造リードタイム長期化や資本効率低下の要因となる場合があった。
【0004】
そこで、工程間の適正仕掛在庫量を定量的に算出する方法が提案されている。例えば、過去の生産実績から、生産量と仕掛量の関係を求め、要求される生産量に対する適正な仕掛量を求める方法がある(特許文献1)。また、サプライチェーンにおける1企業が保有すべき在庫量を題材に、在庫を役割毎に算出する方法がある(非特許文献1)。この非特許文献1の方法では、在庫は、付加価値を生み出す付加価値在庫と、付加価値を生まない過剰在庫とに区別され、さらに付加価値在庫は、安全在庫、ロットサイズ在庫、パイプライン在庫という機能別の3タイプに分けられ、これら3タイプの在庫量が合計されて適正な在庫量とされる。サプライチェーンにおける安全在庫は、該当企業に対するサプライヤーのパフォーマンスが完全には信頼できないことにより要求される在庫であり、ロットサイズ在庫は、規模の経済性を満足する仕入れ量を達成するために要求される在庫であり、パイプライン在庫は、帳簿上では企業に計上されているものの、物理的にはまだ存在しない在庫である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許2793442号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】エドワード・H・フレーゼル,「在庫削減はもうやめなさい!」,ISBN978-4-478-09032-9,ダイヤモンド・フリードマン社,2013年9月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1の方法は、工程毎に過去の実績の仕掛り数と処理数の間での相関を取ることで、仕掛り数を定量的に管理するので、実績の仕掛り数が余分な仕掛り在庫を含んだものである場合には、算出された仕掛在庫数が適正でない可能性がある。また、非特許文献1のサプライチェーンにおける在庫管理の方法を、工場内の上流工程から下流工程までの生産ラインをサプライチェーンとみなして適用することを考えた場合、サプライチェーンでは、同一製品が流れるが、一品一様の受注生産で行われる工場では、個々に異なっているワークが流れる点が異なる。つまり、このような工場での仕掛在庫を管理する場合には、個々に異なるワークが、工程内でのどの順序で処置されていくかを考慮しなければならず、また、前工程と後工程でのパフォーマンスに差があるケースや、何らかの要因により生産変動が発生するようなケースについて、それを保証するための在庫量が考慮されなければならない。
【0008】
そこで、本発明は、複数工程によって生産される製品の生産工程における、工程間の適正仕掛在庫量を算出することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る仕掛在庫量算出装置は、複数工程によって生産する製品であって、対象となる複数の製品それぞれについて、前記複数工程のうちの或る工程である前工程と、当該前工程の次の工程である後工程とのそれぞれにおける処理の開始時刻及び終了時刻を含む実績情報を記憶する記憶手段と、前記実績情報から、前記前工程と前記後工程との間で不可避的に発生する時間を求め、求めた時間に基づいて、前記前工程と前記後工程との間で不可避的な時間が発生したとしても、後工程での生産を保証するための仕掛在庫量である、前記前工程と前記後工程との工程間のパイプライン在庫量を算出するパイプライン在庫算出手段と、前記実績情報から、前記複数の製品それぞれについて、前記前工程における実施順序及び前記後工程における実施順序を求め、求めた実施順序に基づいて、前記前工程における実施順序と後工程における実施順序とが異なったとしても、後工程での生産を保証するための仕掛在庫量である、前記前工程と前記後工程との工程間の順序入替吸収仕掛在庫量を算出する順序入替吸収仕掛算出手段と、前記実績情報から、前記前工程と前記後工程それぞれについての所定の単位時間毎の生産量を求め、求めた生産量の変化に基づいて、後工程での生産量の変化が、前工程での生産量の変化と異なったとしても、後工程での生産を保証するための仕掛在庫量である、前記前工程と前記後工程との工程間の生産変動吸収仕掛在庫量を算出する生産変動吸収仕掛算出手段と、前記パイプライン在庫量と、前記順序入替吸収在庫量と、前記生産変動吸収在庫量とに基づいて、前記前工程と前記後工程との工程間の適正在庫量を算出する適正在庫算出手段とを備え、前記順序入替吸収仕掛算出手段は、前記複数の製品それぞれの、前記後工程における実施順序の順番から前記前工程における実施順序の順番を減算した値である順序入替差の、処理対象となる一定期間内における度数分布を算出し、前記度数分布における度数が所定の閾値を超えた前記順序入替差のうちの最小値の絶対値を、前記順序入替吸収仕掛在庫量として算出することを特徴とする。
【0010】
そして、本発明の他の一態様に係る仕掛在庫量算出方法は、複数工程によって生産する製品であって、対象となる複数の製品それぞれについて、前記複数工程のうちの或る工程である前工程と、当該前工程の次の工程である後工程とのそれぞれにおける処理の開始時刻及び終了時刻を含む実績情報を記憶する記憶手段を備え、前記前工程と前記後工程との工程間の適正在庫量を算出する仕掛在庫量算出装置で用いられる在庫仕掛量算出方法であって、前記実績情報から、前記前工程と前記後工程との間で不可避的に発生する時間を求め、求めた時間に基づいて、前記前工程と前記後工程との間で不可避的な時間が発生したとしても、後工程での生産を保証するための仕掛在庫量である、前記前工程と前記後工程との工程間のパイプライン在庫量を算出するパイプライン在庫算出ステップと、前記実績情報から、前記複数の製品それぞれについて、前記前工程における実施順序及び前記後工程における実施順序を求め、求めた実施順序に基づいて、前記前工程における実施順序と
後工程における実施順序とが異なったとしても、後工程での生産を保証するための仕掛在庫量である、前記前工程と前記後工程との工程間の順序入替吸収仕掛在庫量を算出する順序入替吸収仕掛算出ステップと、前記実績情報から、前記前工程と前記後工程それぞれについての所定の単位時間毎の生産量を求め、求めた生産量の変化に基づいて、後工程での生産量の変化が、前工程での生産量の変化と異なったとしても、後工程での生産を保証するための仕掛在庫量である、前記前工程と前記後工程との工程間の生産変動吸収仕掛在庫量を算出する生産変動吸収仕掛算出ステップと、前記パイプライン在庫量と、前記順序入替吸収在庫量と、前記生産変動吸収在庫量とに基づいて、前記前工程と前記後工程との工程間の適正在庫量を算出する適正在庫算出ステップとを備え、前記順序入替吸収仕掛算出ステップは、前記複数の製品それぞれの、前記後工程における実施順序の順番から前記前工程における実施順序の順番を減算した値である順序入替差の、処理対象となる一定期間内における度数分布を算出し、前記度数分布における度数が所定の閾値を超えた前記順序入替差のうちの最小値の絶対値を、前記順序入替吸収仕掛在庫量として算出することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の他の一態様に係る仕掛在庫量算出プログラムは、複数工程によって生産する製品であって、対象となる複数の製品それぞれについて、前記複数工程のうちの或る工程である前工程と、当該前工程の次の工程である後工程とのそれぞれにおける処理の開始時刻及び終了時刻を含む実績情報を記憶する記憶手段を備え、前記前工程と前記後工程との工程間の適正在庫量を算出する仕掛在庫量算出装置で用いられる在庫仕掛量算出プログラムであって、前記実績情報から、前記前工程と前記後工程との間で不可避的に発生する時間を求め、求めた時間に基づいて、前記前工程と前記後工程との間で不可避的な時間が発生したとしても、後工程での生産を保証するための仕掛在庫量である、前記前工程と前記後工程との工程間のパイプライン在庫量を算出するパイプライン在庫算出部と、前記実績情報から、前記複数の製品それぞれについて、前記前工程における実施順序及び前記後工程における実施順序を求め、求めた実施順序に基づいて、前記前工程における実施順序と後工程における実施順序とが異なったとしても、後工程での生産を保証するための仕掛在庫量である、前記前工程と前記後工程との工程間の順序入替吸収仕掛在庫量を算出する順序入替吸収仕掛算出部と、前記実績情報から、前記前工程と前記後工程それぞれについての所定の単位時間毎の生産量を求め、求めた生産量の変化に基づいて、後工程での生産量の変化が、前工程での生産量の変化と異なったとしても、後工程での生産を保証するための仕掛在庫量である、前記前工程と前記後工程との工程間の生産変動吸収仕掛在庫量を算出する生産変動吸収仕掛算出部と、前記パイプライン在庫量と、前記順序入替吸収在庫量と、前記生産変動吸収在庫量とに基づいて、前記前工程と前記後工程との工程間の適正在庫量を算出する適正在庫算出部として、コンピュータを機能させ、前記順序入替吸収仕掛算出部は、前記複数の製品それぞれの、前記後工程における実施順序の順番から前記前工程における実施順序の順番を減算した値である順序入替差の、処理対象となる一定期間内における度数分布を算出し、前記度数分布における度数が所定の閾値を超えた前記順序入替差のうちの最小値の絶対値を、前記順序入替吸収仕掛在庫量として算出することを特徴とする。
【0012】
このような構成の仕掛在庫量算出装置、仕掛在庫量算出方法、及び、仕掛在庫量算出プログラムは、前工程と後工程との工程間に必要な仕掛在庫量を、仕掛在庫の役割から算出することができる。具体的には、最短で工程を進める場合であっても、前工程での作業時間や前工程からの搬送時間など不可避的な時間が発生しても、後工程での生産を保証するための在庫である「パイプライン仕掛」、前工程での処理が終了し、後工程に到着したワークが、その到着順通りではなく順序が入れ替えられて処理されるケースについて、その到着順と処理順序とに差が生じても、後工程での生産を保証するための在庫である「順序入替吸収仕掛」、後工程での生産速度(生産量)の変化が、前工程での生産量の変化と異なる場合であっても、後工程での生産を保証するための在庫である「生産変動吸収仕掛」の3つの機能の仕掛在庫量を算出し、これらの在庫量から工程間の適正在庫量を算出する。従って、多品種混在かつ多工程で行う工場において、工程間の適正な仕掛在庫量を算出することが可能となる。また、前工程と後工程で処理する製品の順番(実施順序)の差から、在庫量を算出するので、後工程への到着順と後工程での処理順序とが異なったとしても、後工程での生産を保証できるような、工程間の順序入替吸収仕掛在庫量を算出することが可能となる。
【0013】
また、上述の仕掛在庫量算出装置において、前記パイプライン在庫算出手段は、前記実績情報に基づいて、前記前工程における1製品の処理時間と、前記前工程における処理の終了時刻から後工程における処理の開始時刻までの経過時間と、前記後工程における所定期間あたりの生産量を算出し、前記処理時間と前記経過時間と前記所定期間あたりの生産量とに基づいて、前記パイプライン在庫量を算出することが好ましい。
【0014】
この構成によれば、前工程で処理を開始してから後工程で処理を開始するまでの時間と、後工程における所定期間あたりの生産量から在庫量を算出するので、後工程での生産を保証できるような、工程間のパイプライン在庫量を算出することが可能となる。
【0017】
また、上述の仕掛在庫量算出装置において、前記生産変動吸収仕掛算出手段は、前記前工程と前記後工程それぞれについての前記単位時間毎の生産量を算出し、次に、前記単位時間毎に前工程及び後工程それぞれにおける前記生産量の累積量を算出し、そして、前記単位時間を横軸とし、前記単位時間毎に前記前工程の累積量から前記後工程の累積量を引いた差分を縦軸とするグラフを作成し、当該グラフの振幅に相当する生産量を、前記生産変動吸収仕掛在庫量として算出することが好ましい。
【0018】
この構成によれば、前後工程それぞれにおける単位時間毎の生産量の変化に基づいて、在庫量を算出するので、前工程と後工程での生産量の変化が異なったとしても、後工程での生産を保証できるような、工程間の生産変動吸収仕掛在庫量を算出することが可能となる。
【0019】
また、上述の仕掛在庫量算出装置において、前記適正在庫算出手段は、前記パイプライン在庫量と、前記順序入替吸収仕掛在庫量と、前記生産変動吸収仕掛在庫量とを加算した値を、前記適正在庫量として算出することが好ましい。
【0020】
この構成によれば、工程間における適正な仕掛在庫量を算出することが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明にかかる仕掛在庫量算出装置は、複数工程によって生産される製品の生産工程における、工程間の適正仕掛在庫量を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態における仕掛在庫量算出システムの全体構成を説明するための図である。
図2図1に示す仕掛在庫量算出システムの仕掛在庫量算出装置の機能ブロック図である。
図3】製造実績テーブルの構成及び内容の例を示す図である。
図4図2に示す仕掛在庫量算出装置の工程間適正仕掛算出処理のフローチャートである。
図5図2に示す仕掛在庫量算出装置のパイプライン仕掛算出処理のフローチャートである。
図6図2に示す仕掛在庫量算出装置の順序入替吸収仕掛算出処理のフローチャートである。
図7】の差分一覧テーブルの構成及び内容の例を示す図である。
図8図2に示す仕掛在庫量算出装置の生産変動吸収仕掛算出処理のフローチャートである。
図9】累積差分一覧テーブルの構成及び内容の例を示す図である。
図10】スループット累積のグラフの例を示す図である。
図11】累積スループットの差分のグラフの例を示す図である。
図12】パイプライン仕掛を説明するための図である。
図13】順序入替吸収仕掛を説明するための図である。
図14】生産変動吸収仕掛を説明するための図である。
図15】順序入替差の度数分布の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<実施形態>
<概要>
実施形態の仕掛在庫量算出装置は、仕掛在庫をその役割に分類し、それぞれに分類ごとに在庫量を算出することよって仕掛在庫管理を行う。但し、仕掛在庫量算出装置の分類方法は、非特許文献1に示すような「安全在庫」、「ロットサイズ在庫」、「パイプライン在庫」ではなく、「生産変動吸収在庫」、「順序入替吸収在庫」、「パイプライン在庫」という3つの観点から分類し、これらの分類により仕掛在庫を定量的に評価し、多品種混在かつ多工程で行う工場において、工程間における適正な仕掛在庫量を算出する。
【0024】
「生産変動吸収在庫」とは、前工程での生産速度(生産量)の変化が、後工程での生産速度の変化と異なったとしても、後工程での生産を保証するための在庫である。生産速度の変化とは、例えば、所定数まとめて処理する、つまり、ロット単位に処理する工程と、1つずつ製品を処理する工程では、一定の長期間においては処理する製品数は同じであっても、短い時間単位では、処理する製品数が異なることを表す。例えば、前工程では、1ロットが10個であり、10日で1ロットを処理する場合、1日目から9日目までは、処理数がゼロであるが、10日目には処理数は10個となる。一方、後工程では、1日1個処理する場合、1日経過するごとに、処理数が1ずつ増えていくことになる。このような前工程と後工程では、単位時間毎の生産量の変化が異なることになる。「順序入替吸収在庫」とは、前工程での処理が終了して後工程に到着したワークが、その到着順通りではなく順序が入れ替えられて処理されるケースについて、その到着順と処理順序との差を保証する、つまり、実施順序が入れ替わったとしても、後工程での生産を保証するための在庫である。「パイプライン在庫」とは、最短で工程での処理を進める場合に、前工程での作業時間や前工程からの搬送時間など不可避的な時間が発生しても、後工程での生産を保証するための在庫である。つまり、不可避的な時間が発生している時間帯においても、後工程での生産を保証するための在庫である。
【0025】
以下、本発明にかかる実施の一形態を図面に基づいて説明する。
【0026】
<全体構成>
図1は、仕掛在庫量算出装置1000を備える仕掛在庫量管理システム10の全体構成を説明するための図である。
【0027】
仕掛在庫量管理システム10は、仕掛在庫量算出装置1000、作業端末装置2000A、作業端末装置2000B、作業端末装置2000C、ネットワーク11、無線基地局120A、及び、無線基地局120Bを備える。
【0028】
作業端末装置2000は、工程の作業場所に1対1に対応して設置されている。作業端末装置2000Aは、工程1の作業場所に設けられ、作業端末装置2000Bは、工程22の作業場所に、作業端末装置2000Cは、工程3の作業場所に設けられている。尚、図1には、作業端末装置2000A、B、Cの2つの作業端末装置が記載されているが、より多く設けられていてもよく、無線基地局120A、Bの2つの無線基地局が記載されているが、より多く備えられていてもよい。以下、作業端末装置2000A、B、Cを総称して、作業端末装置2000という。また、無線基地局120A、Bを総称して、無線基地局120という。
【0029】
作業端末装置2000は、ネットワーク11及び無線基地局120を介して、仕掛在庫量算出装置1000と接続される。ネットワーク11は、作業場所間を結ぶネットワークであり、例えば、Ethernet(登録商標)規格に準拠した有線LAN(Local Area Network)であり、無線基地局120は、WiFi(登録商標)規格に準拠した無線LAN基地局である。
【0030】
図1の工程1、工程2、及び、工程3は、複数工程により製造される製品の、各工程を行う作業場所を示す。図1では、工程1、工程2、工程3の順で作業が行われ、工程1の後工程は、工程2であり、工程2の後工程は、工程3であるものとする。すなわち、この製品の生産工程では、工程1の作業場所で処理された作業対象物は、次に、工程2の作業場所に運ばれて、処理される。尚、図1では、工程1〜3が記載されているが、より多くの工程があってもよい。
【0031】
工程における作業者は、作業対象の製品への作業(処理)が終了すると、その製品の現物番号、作業の開始日時(時刻)、作業の終了日時(時刻)などを、作業実績として作業端末装置2000に入力する。各作業端末装置2000に入力された各工程での作業実績は、仕掛在庫量算出装置1000に集約される。仕掛在庫量算出装置1000は、各工程の作業端末装置2000から集められた作業実績データを基に、工程間の適正仕掛在庫量を算出する。
【0032】
<作業端末装置2000の構成及び動作>
作業端末装置2000の構成及び動作を説明する。
【0033】
作業端末装置2000は、例えば、マイクロプロセッサおよびその周辺回路等を備えて構成されたパソコン等であり、ネットワーク11、及び、無線基地局120を介して、仕掛在庫量算出装置1000と通信する機能を有する通信部、作業者が作業実績(製造実績)を入力するためのキーボード、タッチパネル等の入力部、作業指示内容を示した作業指示画面や、入力部から入力された作業実績を出力するLCD(Liquid Crystal Display)ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示装置である表示部等を備える。
【0034】
各工程の作業者によって、作業端末装置2000の入力部が操作されて製造実績が入力されると、作業端末装置2000は、入力された製造実績を、通信部を介して仕掛在庫量算出装置1000に送信する。送信された製造実績データは、仕掛在庫量算出装置1000の製造実績DB100に記憶される。
【0035】
<仕掛在庫量算出装置1000の構成及び動作>
次に、仕掛在庫量算出装置1000の構成及び動作を説明する。図2は、仕掛在庫量算出装置1000の機能ブロック図である。
【0036】
仕掛在庫量算出装置1000は、製造実績データから工程間で持つべき仕掛在庫量を計算するにあたり、3種類の役割から算出される仕掛在庫量を必要量とみなして、工程間の必要な(適正な)在庫量を算出する。それを超えた仕掛在庫量を余分在庫とみなす。仕掛在庫量算出装置1000は、製造実績DB(Data Base)100、制御部110、表示部120、製造履歴生成部130、設備スループット算出部140、処理時間算出部150、設備間リードタイム算出部160、パイプライン仕掛算出部170、処理順序算出部180、順序入替度算出部190、順序入替吸収仕掛算出部200、前後設備スループット変動算出部210、及び、生産変動吸収仕掛算出部220を備える。
【0037】
制御部110は、表示部120等の他の機能部を制御し、工程間必要仕掛算出処理を行う。
【0038】
表示部120は、製造実績DB100に記憶されているデータや、入力部(不図示)から入力されたコマンド等を出力する機器であり、例えば、LCDディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置である。入力部は、ユーザが適正在庫量を算出させるためのコマンド等を仕掛在庫量算出装置1000に入力する機器、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等である。
【0039】
製造実績DB100は、各工程の作業端末装置2000から収集された製造実績データを、個々のワークを区別するための現物番号と対応付けて記憶する。作業端末装置2000から受信した製造実績データは、通信部(不図示)で受信され、制御部110によって製造実績DB100に記憶される。
【0040】
図3に、製造実績DB100に記憶されている製造実績テーブル101の構成及び内容例を示す。製造実績テーブル101は、「設備」項目、「現物番号」項目、「開始時刻」項目、「終了時刻」項目、「処理時間」項目を備え、工程で処理したワークごとに1レコードが作成される。
【0041】
「設備」項目は、工程で用いられる設備を特定するための設備識別子を示す。例えば、「M01」は、工程1で用いられる設備の設備識別子であり、「M02」は、工程2で用いられる設備の設備識別子であるものとする。実施形態では、設備と工程とは、1対1に対応するものとする。
【0042】
「現物番号」項目は、「設備」項目で示される設備識別子の設備で処理が行われたワークを特定するためのワーク識別子を示す。
【0043】
「開始時刻」項目は、「現物番号」項目が示すワーク識別子のワークが、「設備」項目で示される設備識別子の設備で、処理が開始された日時を示す。
【0044】
「終了時刻」項目は、「現物番号」項目が示すワーク識別子のワークに対する、「設備」項目で示される設備識別子の設備による処理が、終了した日時を示す。
【0045】
「処理時間」項目は、「現物番号」項目が示すワーク識別子のワークに対する、「設備」項目で示される設備識別子の設備が、処理に要した時間を示す。
【0046】
製造履歴生成部130〜生産変動吸収仕掛算出部220の各機能部については、以下の各仕掛を算出する方法を説明する際に、各機能の説明を行う。
【0047】
<工程間必要仕掛NI>
仕掛在庫量算出装置1000は、パイプライン仕掛算出部170、順序入替吸収仕掛算出部200、及び、生産変動吸収仕掛算出部220それぞれに、パイプライン仕掛在庫量PI、順序入替吸収仕掛在庫量RI、及び、生産変動吸収仕掛在庫量VIの算出を依頼し、算出された各仕掛在庫量から、工程間の適正な仕掛在庫量である工程間必要仕掛NIを算出する。図4に、仕掛在庫量算出装置1000が行う、工程間の適正仕掛算出処理のフローチャートを示す。
【0048】
ユーザが、仕掛在庫量算出装置1000に工程間の適正仕掛算出処理を行わせる前に、仕掛在庫量算出装置1000の製造実績DB100には、製造実績テーブル101(図3参照)が記憶されているものとする。製造実績は、工程1、工程2等の作業者によって、作業端末装置2000に入力され、仕掛在庫量算出装置1000に送信される。送信された製造実績は、制御部110によって、製造実績テーブル101として記憶される。
【0049】
まず、ユーザは、仕掛在庫量算出装置1000の入力部(不図示)を操作して、工程間の適正仕掛算出処理の開始を指示するコマンドを入力する。入力部を介して、工程間の適正仕掛の算出開始コマンドが入力されたことを検知した制御部110は、まず、パイプライン仕掛算出部170にパイプライン仕掛在庫量PIを算出させ(ステップS100)、次に、順序入替吸収仕掛算出部200に順序入替吸収仕掛在庫量RIを算出させ(ステップS110)、次に、生産変動吸収仕掛算出部220に生産変動吸収仕掛在庫量VIを算出させる(ステップS120)。尚、パイプライン仕掛算出部170がパイプライン仕掛在庫量PIを算出する方法は、<パイプライン仕掛在庫量PI>の項で、順序入替吸収仕掛算出部200が順序入替吸収仕掛在庫量RIを算出する方法は、<順序入替吸収仕掛在庫量RI>の項で、生産変動吸収仕掛算出部220が生産変動吸収仕掛在庫量VIを算出する方法は、<生産変動吸収仕掛在庫量VI>の項でそれぞれ説明する。
【0050】
パイプライン仕掛在庫量PI、順序入替吸収仕掛在庫量RI、及び、生産変動吸収仕掛在庫量VIを取得した制御部110は、以下の式(4)を用いて、工程間必要仕掛NIを算出する(ステップS130)。
NI=VI+RI+PI ・・・(4)
尚、実際に存在している仕掛在庫Iが工程間必要仕掛NIよりも多い場合には、余分仕掛EIは、以下の式(5)を用いて、表されることになる。
I=NI+EI ・・・(5)
工程間必要仕掛NIを求めた制御部110は、求めた工程間必要仕掛NIを表示部120に表示させる。
【0051】
<パイプライン仕掛在庫量PI>
パイプライン仕掛算出部170は、前工程における処理時間や、前工程からのリードタイム時間などの不可避的な時間が発生しても、後工程での生産を保証するための仕掛量であるパイプライン仕掛在庫量PIを算出する。
【0052】
パイプライン仕掛算出部170は、製造履歴生成部130、設備スループット算出部140、処理時間算出部150、及び、設備間リードタイム算出部160が、それぞれ算出する値を用いて、パイプライン仕掛在庫量PIを算出する。
【0053】
製造履歴生成部130は、製造実績DB100に記憶されている製造実績テーブル101に基づいて、ワーク毎に、処理された設備(工程)の一覧である製造履歴を作成する。例えば、「現物番号」が「X0001」のワークは、「設備」の設備識別子「M01」の工程1の設備によって、2014年2月1日7時00分から8時00分に処理され、設備識別子「M02」の工程2の設備によって、2014年2月1日11時30分から12時15分に処理された等の製造履歴を、ワークごとに作成する。
【0054】
設備スループット算出部140は、製造実績DB100に記憶されている製造実績テーブル101に基づいて、工程毎に、所定期間(例えば、1日)あたりの平均的な生産量である設備スループットTHを算出する。設備スループット算出部140が算出する設備スループットTHは、工程間必要仕掛NIを算出するための対象期間において、所定期間に処理したワークの個数の平均値である。
【0055】
処理時間算出部150は、製造実績DB100に記憶されている製造実績テーブル101に基づいて、工程毎に、1ワークの平均的な処理時間であるワーク処理時間ATを算出する。
【0056】
設備間リードタイム算出部160は、製造履歴生成部130が作成した製造履歴に基づいて、前後工程間のリードタイム、すなわち、前工程の設備におけるワークの処理終了時刻から、後工程の設備における前記ワークの処理開始時刻までの経過時間を求め、前後工程の組合せ毎に工程間の経過時間を集計し、平均的な経過時間である経過時間LTを算出する。
【0057】
ここで、図5を用いて、パイプライン仕掛在庫量PIの算出方法について説明する。図5は、パイプライン仕掛算出処理のフローチャートを示す。
【0058】
制御部110から依頼を受けたパイプライン仕掛算出部170は、まず、処理時間算出部150に、各工程の平均的なワーク処理時間ATを算出させ、次に、設備スループット算出部140に、所定期間あたりの生産量である設備スループットTHを算出させる(ステップS200)。
【0059】
次に、パイプライン仕掛算出部170は、製造履歴生成部130に、製造履歴を作成させ、設備間リードタイム算出部160に工程間の経過時間LTを算出させる(ステップS210)。
【0060】
次に、パイプライン仕掛算出部170は、パイプライン仕掛在庫量PIを算出する(ステップS220)。パイプライン仕掛算出部170は、以下の式(1)を用いて、パイプライン仕掛在庫量PIを算出する。
【0061】
後工程を工程i(2以上の整数)とする。前工程i−1でのワーク処理時間をAT_(i−1)とし、前工程と後工程との工程間の経過時間LTをLT_(i−1,i)とし、後工程の設備スループットTHをTH_iとすると、前工程i−1と後工程iとの工程間のパイプライン仕掛在庫量PI_iは、以下の式(1)を用いて求めることができる。
PI_i={AT_(i−1)+LT_(i−1,i)}×TH_i ・・・・(1)
【0062】
図12に、パイプライン仕掛在庫量PIの算出例を示す。例えば、工程2(設備2)と工程3(設備3)の工程間のパイプライン仕掛在庫量PI_3は、
PI_3={AT_(2)+LT_(2,3)}×TH_3
となる。
【0063】
<順序入替吸収仕掛在庫量RI>
順序入替吸収仕掛算出部200は、順序入替度算出部190が求めた順序入替度と、1駆動装置40が求めた設備スループットTHとから、前工程からの到着順(前工程における処理順序)と後工程における処理順序との差を保証する仕掛量である順序入替吸収仕掛在庫量RIを算出する。
【0064】
図13に、前工程と後工程において、処理順序が変わる例を示す。図13は、前工程と後工程におけるワークの処理、及び、工程間の仕掛在庫を示す。矩形は、ワークを示し、矩形の上部又は下部の数字は、処理の順番を示す。矢印は、ワークの紐付けを示しており、紐付けがなされていないワークは、処理が保留となっていることを示す。順序入替吸収仕掛算出部200は、図13に示すような処理の入替が発生した場合であっても、後工程での生産を保証できるような仕掛量である順序入替吸収仕掛在庫量RIを求める。
【0065】
順序入替吸収仕掛算出部200は、処理順序算出部180、及び、順序入替度算出部190が、それぞれ算出する値を用いて、順序入替吸収仕掛在庫量RIを算出する。
【0066】
処理順序算出部180は、製造実績DB100に記憶されている製造実績テーブル101に基づいて、工程毎に、ワークの処理開始時刻あるいは処理終了時刻によってソートし、各工程における各ワークの処理順序を求める。
【0067】
順序入替度算出部190は、製造履歴生成部130が作成したワーク毎の製造履歴に基づいて、前後の工程の組合せ(各工程間)において、前工程における処理順序POと後工程における処理順序COの差分DOを求める。そして、処理対象となる一定期間内における差分の度数分布を作成し、差分DOの最小値を求めた上でその絶対値を求める。図14に、差分DOの度数分布の例を示す。図14の度数分布は、横軸が、差分DOを示し、縦軸が、発生頻度を示す。図14では、差分の最小値は、「−36」である。
【0068】
ここで、図6を用いて、順序入替吸収仕掛在庫量RIの算出方法について説明する。図6は、順序入替吸収仕掛算出処理のフローチャートを示す。
【0069】
制御部110から依頼を受けた順序入替吸収仕掛算出部200は、処理順序算出部180に、各工程におけるワークの処理順序を求めさせる(ステップS300)。
【0070】
次に、順序入替吸収仕掛算出部200は、順序入替度算出部190に、前後の設備(工程)の組合せにおいて、前工程における処理順序POと後工程における処理順序COの差分DOを求めさせる(ステップS310)。
【0071】
図7に、順序入替度算出部190が作成した差分一覧テーブル102の構成及び内容の例を示す。この差分一覧テーブル102は、順序入替度算出部190が作業メモリ上に作成し、順序入替吸収仕掛算出部200が参照する。
【0072】
差分一覧テーブル102は、「現物番号」項目、「前設備処理順序」項目、「現設備処理順序」項目、「順序差」項目を備え、ワークごとに1レコードが作成される。また、差分一覧テーブル102は、工程間毎に作成される。
【0073】
「現物番号」項目は、ワークを特定するためのワーク識別子を示す。
【0074】
「前設備処理順序」項目は、「現物番号」項目が示すワーク識別子のワークが、前工程の設備において処理された順番を示す。
【0075】
「現設備処理順序」項目は、「現物番号」項目が示すワーク識別子のワークが、後工程の設備において処理された順番を示す。
【0076】
「順序差」項目は、処理順序差分を示す。具体的には、「現設備処理順序」項目が示す順番から、「前設備処理順序」項目が示す順番を引いた値を示す。この値が、前工程における処理順序POと後工程における処理順序COの差分DOである。順序入替度算出部190は、以下の式(2)を用いて、差分DOを算出する。前工程での処理順序を処理順序POとし、後工程での処理順序を処理順序COとする。
DO=CO−PO ・・・(2)
【0077】
前工程での処理順序より後工程での処理順序が早い場合、すなわち他のワークが先に後工程の作業場所に到着しているにもかかわらず、該当ワークを先に処理した場合は、差分DOは負値となる。逆に、前工程での処理順序より後工程での処理順序が遅い場合、すなわち該当ワークが先に後工程の作業場所に到着しているにもかかわらず、他のワークが追い越して先に処理された場合は、差分DOは正値となる。
【0078】
次に、順序入替吸収仕掛算出部200は、順序入替吸収仕掛在庫量RIを算出する(ステップS320)。順序入替吸収仕掛算出部200は、ワーク毎に算出した差分DOから、最小値(負値)となる値を抽出し、その絶対値を算出する。この絶対値は、最も処理順序で追い抜きが大きかったワークが追い抜いたワーク数を示しているとともに、工程間には、その追い越しの段階でその数値で示される個数のワークが仕掛として存在していたことを意味する。したがって、順序入替吸収仕掛算出部200は、この絶対値を算出し、順序入替吸収仕掛在庫量RIとする。
【0079】
尚、実施形態では、順序入替吸収仕掛算出部200は、ワーク毎に算出した差分DOから、最小値(負値)となる値を抽出し、その絶対値を順序入替吸収仕掛在庫量RIとしているが、納期の都合などで他のワークより優先処理される特急材の影響を除去するために、度数分布(図15参照)における出現頻度を考慮して、例えば、所定の閾値(度数20以上など)を超えたときの差分DOの絶対値を、順序入替吸収仕掛在庫量RIとしてもよい。
【0080】
<生産変動吸収仕掛在庫量VI>
生産変動吸収仕掛算出部220は、前後設備スループット変動算出部210が作成した前後工程それぞれのスループット変動から変動幅を求め、前後工程での生産速度変化について後工程での生産を保証するための仕掛量である生産変動吸収仕掛在庫量VIを算出する。生産変動吸収仕掛在庫量VIは、前後工程での生産速度変化(生産性の変動)に対して、後工程を遊ばせず生産を保証するために保有するバッファとしての機能を有する。生産速度変化が生じる要因は、品種(製品の種類)や工程における処理内容による生産性の違いや、バッチやロットサイズの違い、設備の休止・停止などの要因が挙げられる。
【0081】
図14に、前工程と後工程において、生産速度が変化する例を示す。図14は、前工程と後工程におけるワークの処理、及び、工程間の仕掛在庫を示す。矩形は、ワークを示す。矢印は、ワークの紐付けを示している。前工程(前設備)では、10個のワークがまとめて処理され、工程間仕掛として10個のワークがまとめて出力される。後工程(後設備)では、2個のワークがまとめて処理される。生産変動吸収仕掛算出部220は、図14に示すような、前後の工程において生産速度が変わる場合であっても、後工程での生産を保証できるような仕掛量である生産変動吸収仕掛在庫量VIを求める。
【0082】
生産変動吸収仕掛算出部220は、前後設備スループット変動算出部210が算出する値を用いて、生産変動吸収仕掛在庫量VIを算出する。
【0083】
前後設備スループット変動算出部210は、工程毎に累積処理量(累積スループット)を算出し、製造履歴生成部130が作成したワーク毎の製造履歴に基づいて、前後工程の組合せ毎に、累積スループットの差分DTHが時間経過とともにどのように変化するかを算出する。
【0084】
ここで、図8を用いて、生産変動吸収仕掛在庫量VIの算出方法について説明する。図8は、生産変動吸収仕掛算出処理のフローチャートを示す。
【0085】
制御部110から依頼を受けた生産変動吸収仕掛算出部220は、まず、前後設備スループット変動算出部210に、工程における、単位時間(例えば、8時間=1シフト)毎の設備スループットTHを算出させ(ステップS400)、累積スループットの差分DTHを算出させる(ステップS410)。尚、単位時間は、設備スループット算出部140が設備スループットTHを算出する際に用いた所定期間と同じ時間であってもよい。
【0086】
図9に、前後設備スループット変動算出部210が作成した累積差分一覧テーブル103の構成及び内容の例を示す。この累積差分一覧テーブル103は、前後設備スループット変動算出部210が作業メモリ上に作成し、生産変動吸収仕掛算出部220が参照する。
【0087】
累積差分一覧テーブル103は、「時間」項目、「M01スループット」項目、「M01スループット累積」項目、「M02スループット」項目、「M02スループット累積」項目、「累積スループットの差分」項目を備え、単位時間毎に1レコードが作成される。また、累積差分一覧テーブル103は、工程間毎に作成される。
【0088】
「時間」項目は、単位時間の番号を示し、例えば、単位時間を1時間とする場合には、「時間」項目が「0」は、開始時を示し、「1」は、1時間目を示し、「2」は、2時間目を示す。
【0089】
「M01スループット」項目は、設備識別子がM01の設備における設備スループットTH、つまり、前工程における設備スループットTHを示す。
【0090】
「M01スループット累積」項目は、「M01スループット」項目が示す設備スループットTHを累積した値を示す。
【0091】
「M02スループット」項目は、設備識別子がM02の設備における設備スループットTH、つまり、後工程における設備スループットTHを示す。
【0092】
「M02スループット累積」項目は、「M02スループット」項目が示す設備スループットTHを累積した値を示す。
【0093】
「累積スループットの差分」項目は、累積スループットの差分DTHであり、「M01スループット累積」項目に設定された値と、「M02スループット累積」項目に設定された値との差分を示す。具体的には、前後設備スループット変動算出部210は、以下の式(3)を用いて、単位時間毎の累積スループットの差分DTHを算出する。
【0094】
単位時間における、設備M01のスループットを工程1の設備スループットTH_1とし、設備M02のスループットを工程2の設備スループットTH_2とし、工程1と工程2の工程間の累積スループットの差分を累積スループットの差分DTH(1,2)とする。
DTH_(1,2)=ΣTH_1 − ΣTH_2 ・・・(3)
【0095】
次に、生産変動吸収仕掛算出部220は、生産変動吸収仕掛在庫量VIを算出する(ステップS420)。
【0096】
図10は、前工程の設備スループットTHの累積値と、後工程の設備スループットTHの累積値との推移を示すグラフである。図10のグラフは、横軸に単位時間を示し、縦軸に、単位時間毎の設備スループットTHの累積値を示す。「M01スループット累積」のグラフは、累積差分一覧テーブル103(図9参照)の「M01スループット累積」項目に設定されている累積値をグラフ化したものであり、前工程の設備スループットTHの累積値の推移を示す。また、「M02スループット累積」のグラフは、累積差分一覧テーブル103の「M02スループット累積」項目に設定されている累積値をグラフ化したものであり、後工程の設備スループットTHの累積値の推移を示す。
【0097】
また、図11は、累積スループットの差分DTHの推移を示すグラフである。図11のグラフは、横軸に単位時間を示し、縦軸に、累積スループットの差分DTHを示す。この「累積スループットの差分」のグラフは、累積差分一覧テーブル103(図9参照)の「累積スループットの差分」項目に設定されている差分値をグラフ化したものであり、前後工程の累積スループットの差分DTHの推移を示す。
【0098】
図10のグラフから、前工程と後工程でロットサイズに差があり、前工程にあたる設備M01では、ある程度まとまった量を生産し、後工程にあたる設備M02では、少量ずつ生産していることがわかる。そして、前工程と後工程の生産ロットの違いから生じる両設備の累積スループットの変化が、図11における累積スループットの差分のグラフに表れている。そして、図11のグラフは、設備M01と設備M02、つまり、前工程と後工程との工程間にある仕掛量の変動を示している。
【0099】
生産変動吸収仕掛在庫量VIは、前後工程での生産速度変化を吸収し、後工程を遊ばせず生産を保証するために保有する仕掛であることから、累積スループット差分の振幅分を保有すれば良いといえる。生産初期の時間を除けば、図11のグラフでは、累積スループットの差分の振幅は、
10−2=8
である。
【0100】
従って、生産変動吸収仕掛算出部220は、図11に示すような累積スループットの差分の振幅を求め、生産変動吸収仕掛在庫量VIとする。
【0101】
尚、実施形態では、生産変動吸収仕掛算出部220は、グラフの振幅に相当する生産量を生産変動吸収仕掛在庫量VIとしているが、振幅が時間経過とともに変化することもあることから、振幅値の度数分布分析を行い、振幅値の最頻値に応じた生産量を生産変動吸収仕掛在庫量VIとしてもよい。
【0102】
上述のように、製造実績から、仕掛在庫が有する3種類の役割から、それぞれの役割を果たすために必要な仕掛在庫量を算出し、それらの総量を求めることで、工程間で持つべき仕掛在庫量を決定することが可能となる。
【0103】
これまで熟練者の経験から決定され、担当者が変わる度にばらついていた設備間の仕掛在庫量について、上述のように、仕掛在庫量算出装置1000では、属人性を排除したデータ解析による仕掛在庫量の決定がなされることになる。つまり、定量的な仕掛在庫量の算出が可能となり、現実の作業現場において発生している余分仕掛を対象とし仕掛り削減活動が可能となり、キャッシュフロー創出に寄与することとなる。
【0104】
本発明を表現するために、上述において図面を参照しながら実施形態を通して本発明を適切且つ十分に説明したが、当業者であれば上述の実施形態を変更および/または改良することは容易に為し得ることであると認識すべきである。したがって、当業者が実施する変更形態または改良形態が、請求の範囲に記載された請求項の権利範囲を離脱するレベルのものでない限り、当該変更形態または当該改良形態は、当該請求項の権利範囲に包括されると解釈される。
【符号の説明】
【0105】
10 仕掛在庫量管理システム
100 製造実績DB
110 制御部
120 表示部
130 製造履歴生成部
140 設備スループット算出部
150 処理時間算出部
160 設備間リードタイム算出部
170 パイプライン仕掛算出部
180 処理順序算出部
190 順序入替度算出部
200 順序入替吸収仕掛算出部
210 前後設備スループット変動算出部
220 生産変動吸収仕掛算出部
1000 仕掛在庫量算出装置
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