(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
<熱可塑性樹脂>
本発明のメルトブロー不織布を形成する極細繊維の原料となる熱可塑性樹脂は、種々公知の熱可塑性樹脂を用い得る。
【0015】
かかる熱可塑性樹脂としては、具体的には、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンおよび1−オクテン等のα−オレフィンの単独若しくは共重合体である高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(所謂LLDPE)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン(プロピレン単独重合体)、ポリプロピレンランダム共重合体、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・1−ブテンランダム共重合体、プロピレン・1−ブテンランダム共重合体等のポリオレフィン、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66、ポリメタキシレンアジパミド等)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリスチレン、アイオノマーあるいはこれらの混合物等を例示することができる。これらのうちでは、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(所謂LLDPE)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリプロピレンランダム共重合体等のプロピレン系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等が好ましい。
【0016】
<プロピレン系重合体>
前記熱可塑性樹脂の中でも、プロピレン系重合体が得られるメルトブロー不織布の耐薬品性が優れるので好ましい。
【0017】
かかるプロピレン系重合体としては、融点(Tm)が155℃以上、好ましくは157〜165℃の範囲にあるプロピレンの単独重合体若しくはプロピレンと極少量のエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン等の炭素数2以上、好ましくは2〜8の1種または2種以上のα−オレフィンとの共重合体であり、プロピレン単独重合体が好ましい。
【0018】
プロピレン系重合体は、溶融紡糸し得る限り、メルトフローレート(MFR:ASTM D 1238、230℃、荷重2160g)は特に限定はされないが、通常1〜1000g/10分、好ましくは5〜500g/10分、さらに好ましくは10〜100g/10分の範囲にある。
【0019】
<メルトブロー不織布の製造方法>
本発明のメルトブロー不織布の製造方法は、メルトブロー用ダイに圧送された溶融された熱可塑性樹脂(溶融樹脂)を、多数の小孔が並べられたノズルから紡出するとともに、小孔の列を挟むように設けたスリットから噴出される高温高速空気によって牽引細化させてなる繊維を移動する捕集板上に堆積してなるメルトブロー不織布の製造方法において、前記高温高速空気が噴出される前記スリットの出口部の両側面から30℃以下、好ましくは5〜25℃、より好ましくは5〜20℃の冷却流体を供給し、紡出された熱可塑性樹脂繊維を冷却することを特徴とするメルトブロー不織布の製造方法である。
【0020】
前記冷却流体としては水および空気が挙げられるが、水を使用した場合には不織布に水分が残存しカビが発生する虞があること、また水由来の微少金属分が繊維に付着するために半導体産業に使用される精密フィルター用不織布、あるいはセパレーター用不織布としては好ましくない虞がある。
【0021】
このため、前記冷却流体としては冷却空気が好ましい。
本発明のメルトブロー不織布の製造方法によれば、紡出された熱可塑性樹脂繊維が、高温高速空気で牽引細化される際に、冷却流体との合流で空気流の温度が所定の温度以下に冷却されることにより、繊維間の融着を防止することができ、それにより、繊維同士の融着によって発生する太繊維〔融着個数〕を少なくすることができる。
【0022】
<メルトブロー不織布の製造装置>
本発明のメルトブロー不織布の製造装置は、メルトブロー用ダイに圧送された溶融樹脂を、多数の小孔が並べられたノズルから紡出するとともに、小孔の列を挟むように設けたスリットから噴出される高温高速空気によって牽引細化させてなる繊維を移動する捕集板上に堆積してなるメルトブロー不織布の製造装置において、前記メルトブロー用ダイの先端部に、紡出された熱可塑性樹脂繊維を冷却するための冷却流体、好ましくは冷却空気を導入するためのアタッチメントを着脱自在に取付けてなることを特徴とするメルトブロー不織布の製造装置である。
【0023】
ここで、前記アタッチメントは、前記メルトブロー用ダイの先端部に隙間無く取り付けられていることが好ましい。
なお、この隙間無くとは、外部の空気が取り込まれる空気通路が形成されないとの意味である。
【0024】
このような構成によれば、ノズル面に沿って冷却風が付与され、高温高速空気によって牽引細化させてなる繊維を冷却するための冷却流体、好ましくは冷却空気を取り入れることによっても渦流の発生が生じることはなく、混ざり合った高温高圧空気と冷却流体とを整然と下方に導くことが可能になる。これにより、繊維同士の絡み合いあるいは融着を防止しながら樹脂繊維を下方に案内することができる。
【0025】
<メルトブロー不織布の製造方法および製造装置>
以下、上記プロピレン系重合体によるメルトブロー不織布の製造方法および製造装置について、更に、図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1および
図2は従来から使用されている従来のメルトブロー不織布の製造装置を示した概略図である。
このメルトブロー不織布の製造装置2は、メルトブロー用ダイ4の下方に、メッシュコンベア6からなる捕集板が配置され、このメッシュコンベア6の下方に、減圧手段により内部を吸引することのできるサクションボックス8が配置されている。
【0027】
さらに、サクションボックス8の側方には、メッシュコンベア6を移動(回転)させるためのローラ9が配置され、さらにその下流側上方には、メルトブロー不織布を巻き取るための巻き取りローラ(図示せず)が配置されている。
【0028】
図2に示したように、上記メルトブロー用ダイ4の下面側には、断面形状が二等辺三角形状のダイノーズ12が配置され、このダイノーズ12の中央部に、複数の小孔14が列状に配列されたノズル16が配置されている。そして、樹脂通路18内に供給されてきた溶融樹脂は、ノズル16の各小孔14から下方に向かって押し出される。なお、
図2では、押し出されてくる一本の繊維10のみを示している。一方、ノズル16の小孔14の列を両側から挟むようにスリット31、31が形成され、これらのスリット31,31により空気通路20a、20bが構成されている。そして、空気通路20a、20bから送られてくる高温高圧空気が、溶融樹脂の押し出し時に、斜め下方に向かって噴出される。
【0029】
ノズル16に形成された小孔14の径は、通常、0.05mm〜0.4mmが好ましい。小孔14の径が0.05mmより小さいと、加工精度から形状が不ぞろいになり、繊維径のCV%が大きくなるので好ましくない。また、ポリマーの劣化などにより長期間運転時に孔が詰まり易いという問題が生じるので好ましくない。他方、0.4mmより大きいと極細繊維を得ることが困難になるので好ましくない。
【0030】
溶融樹脂の単孔吐出量は、通常、0.05g/分〜3.0g/分、好ましくは0.1g/分〜2.0g/分である。吐出量が0.05g/分より小さくなると生産性が低くなるだけでなく、フライと呼ばれる繊維の糸切れが発生しやすくなり、連続操業運転時に孔詰まりが生じやすい。他方、3.0g/分より大きくなると、充分な細化が行われない虞がある。
【0031】
また、衛生材料用に用いる場合は、製品の性質上、低コスト化が求められるため、比較的高吐量での生産を行うことが要求され、その場合は、単孔吐出量は、通常、0.2g/分以上、好ましくは0.3g/分以上である。吐出量が0.2g/分より小さくなると生産性が低くなる虞がある。
【0032】
小孔14の孔間の距離(
図5に示すように、隣接する小孔間の外周との距離である。)は、求められる繊維径にもよるが、通常、0.01〜6.0mm、好ましくは、0.15〜4.0mmの範囲にある。孔間の距離が上記範囲より小さくなると複数本の繊維が融着あるいは絡み合って生じる束状繊維が多く発生する虞がある。これは、隣の繊維との接触の確率が増大し、繊維が融着あるいは絡まって束状繊維が発生しやすくなるためと考えられる。一方、孔間の距離が上記範囲を超えると複数本の繊維の融着あるいは束状繊維の発生はなくなるが、得られる繊維同士の交絡がきわめて低下し、メルトブロー不織布の寸法安定性が低下し、不織布の強力低下や毛羽立ちの問題が生じる虞がある。
【0033】
また、細繊維、例えば0.1〜0.8μmの繊維径を有するメルトブロー不織布を得るためには、通常、1.0mm〜6.0mm、好ましくは1.5mm〜4.0mm、さらに好ましくは2.0mm〜3.0mmの範囲にある。
【0034】
また、衛生材料用に用いる場合は、製品の性質上、低コスト化が求められるため、比較的高吐量での生産を行うことが要求され、その場合は、製品の性質上、低コスト化が求められるために比較的高吐量での生産が求められるので、繊維の量を比較的多くすることが望まれる。このため小孔14の孔間の距離は、通常、0.1mm〜2.0mm、好ましくは0.15mm〜1.8mm、さらに好ましくは0.21mm〜1.6mmの範囲にある。
【0035】
スリット31から噴出される高温高圧空気の空気流は、通常、200Nm
3/時/m〜1000Nm
3/時/mの範囲にある。空気流が200Nm
3/時/m未満の場合は、紡出糸の細化が不十分となる虞があり、一方、1000Nm
3/時/mを超えると、牽引エアー速度が超音速流となり、流れの非定常が高くなる虞がある。
【0036】
従来のメルトブロー不織布の製造装置2は、概略上記のように構成されている。そして、このようなメルトブロー不織布の製造装置2では、高温高圧空気とともにノズル16から紡出された溶融樹脂を、高温高速空気によって牽引細化させてなる繊維10は、メッシュコンベア6上で自己融着により結合され、その後、下流側の図示しない不織布の巻き取りローラにより順次巻き取られる。
【0037】
本実施例によるメルトブロー不織布の製造装置は、上記のような汎用の構成に加えて新たに、
図3に示したように、冷却空気を導入するためのアタッチメント32がメルトブロー用ダイ30に着脱自在に具備される。
【0038】
すなわち、本発明の製造装置では、空気通路20a、20bから、高温高圧空気、例えば、280℃以上の高温高圧空気が供給されることの他に、アタッチメント32を介して水平方向から、30℃以下の冷却流体、好ましくは冷却空気が加えられる。これにより、本発明では、細繊維であり、かつ、繊維100本中の融着個数が15個以下、好ましくは12個以下、さらに好ましくは10個以下と、繊維が融着することにより発生する太繊維が少ないメルトブロー不織布を製造することを可能にしている。
【0039】
ここで、アタッチメント32は、メルトブロー用ダイ30に対して別体で、かつメルトブロー用ダイ30に対して着脱自在に設置されることが好ましい。
また、メルトブロー用ダイ30は、例えばヒーターにより、通常、280℃付近まで高温にされているので、温度差の大きい冷却空気を供給するためのアタッチメント32は、メルトブロー用ダイ30との間で熱伝播が生じないように設置する必要がある。そのため、例えば、ダイ30の下面に断熱材を介在させることが好ましい。あるいは、メルトブロー用ダイ30とアタッチメント32との間に若干隙間をあけて取り付けても良い。
【0040】
しかしながら、このようにメルトブロー用ダイ30とアタッチメント32との間に若干隙間を設ける場合には、両者の外部端面間に遮蔽板などを差し渡し、これにより、ダイ30とアタッチメント32との間を気密状態に閉塞する必要がある。
【0041】
このような態様でメルトブロー用ダイ30にアタッチメント32が着脱自在に設置されれば、アタッチメント32から供給されてくる冷却空気は、後述するように空気通路20a、20bから供給されてくる高温高圧空気に直ちに混ざりあうのではなく、
図4に示したように、高温高圧空気の流れに沿って一時的に独立した状態で下方に案内され得る。
【0042】
このように、メルトブロー用ダイ30とアタッチメント32との間が隙間無く接続されていれば、すなわち、外部の空気が取り込まれる空気通路が形成されないように接続されていれば、該アタッチメント32の上部に渦流が発生することがない。これにより、
図3に示した矢印A方向の高温高圧空気の流れが乱されることはない。したがって、所望とする繊維径に紡糸、延伸される。
【0043】
さらに、本発明では、水平方向から矢印B方向の冷却空気が加えられると、
図4に示したように、前述したように高温高圧空気と冷却空気が直ちに混ざり合うのではなく、衝突する位置から若干下がった位置で混ざり合う。したがって、繊維10が上記のように高温高圧空気で所定の径に牽引細化されるとともに、急冷されることになる。
よって、本発明によれば、冷却空気が高温空気に混ざり合った以後は、急冷されることにより、繊維間同士での熱融着を可及的に防止することができる。
【0044】
<メルトブロー不織布>
本発明のメルトブロー不織布の製造方法および製造装置を用い、原料となる前記熱可塑性樹脂の内、ポリオレフィンを用いることにより、以下の特徴を有するメルトブロー不織布を製造することができる。
【0045】
すなわち、ポリオレフィン繊維からなり、
(i)平均繊維径が2.0μm以下
(ii)繊維径分布CV値が60%以下、好ましくは50%以下の範囲、
(iii)繊維100本当たりの融着個数が15個以下、好ましくは12個以下、さらに好ましくは10個以下、
であるメルトブロー不織布、である。
【0046】
本発明のメルトブロー不織布の製造方法および製造装置を用い、原料となる前記熱可塑性樹脂の内、プロピレン系重合体を用いることにより、以下の特徴を有するメルトブロー不織布を製造することができる。
【0047】
すなわち、プロピレン系重合体繊維からなり、
(i)平均繊維径が2.0μm以下の範囲、
(ii)繊維径分布CV値が60%以下、好ましくは50%以下の範囲、
(iii)繊維100本当たりの融着個数が15個以下、好ましくは12個以下、さらに好ましくは10個以下、
(iv)α晶分率が0.9未満、
であるメルトブロー不織布。
【0048】
上記(i)、(ii)及び(iii)を満たさない場合、もしくは(i)、(ii)及び(iv)を満たさない場合、牽引細化させてなる繊維の冷却が充分に効いておらず複数本の繊維が融着あるいは絡み合って生じる束状繊維が多く発生する。このため、不織布内に大きな空隙が発生しフィルタ性能や耐水性能などの機能が低下する虞がある。
【0049】
本発明のメルトブロー不織布としては、前記プロピレン系重合体繊維からなり、上記(i)、(ii)、(iii)及び(iv)を同時に満たすことがもっとも好ましい。
(i)平均繊維径
平均繊維径は通常2.0μm以下の範囲にあり、衛生材料用途には2μm以下、好ましくは1.8μm以下が適している。また、フィルタ用途には0.8μm以下、好ましくは、0.3〜0.6μmの範囲が適している。
【0050】
メルトブローで得られるプロピレン系重合体繊維中のα晶分率は、0.9未満、好ましくは0.7未満、さらに好ましくは0.6未満である。0.9を超えると牽引細化させてなる繊維の冷却が充分に効いておらず複数本の繊維が融着あるいは絡み合って生じる束状繊維が多く発生する。このため、不織布内に大きな空隙が発生しフィルタ性能や耐水性能などの機能が低下する虞がある。また、本発明のプロピレン系重合体繊維からなるメルトブロー不織布は、α晶分率が上記範囲内にあることに加えて、結晶化度が40%未満にあることが最も好ましい。
【0051】
プロピレン系重合体繊維におけるα晶分率、即ち結晶性につき以下詳述する。X線による結晶性と配向特性の評価については古くから多くの公知文献に紹介されており、現在では高分子の構造解析として確立された評価方法である。例えば、高分子学会編,「高分子実験学講座 第2巻」,共立出版(1958)。仁田勇監修,「X線結晶学,上」,丸善(1959)。角戸,河合,斎藤編「高分子の構造と物性」,呉祐吉、久保輝一郎,工化,39,929(1939)等に記載されている。本発明における結晶性の評価はこれら公知文献の評価方法に準じ、具体的には結晶性については広角X線回折プロファイルのX線の全散乱強度曲線を結晶領域の散乱寄与と非晶領域の散乱寄与とに分離して、それぞれの面積の全面積に対する比を結晶性指標値として評価した。例えば、プロピレン系重合体(ポリプロピレン)では2θ:14°、17°、18°、21°、22°付近に結晶性の回折ピークを有することが知られ、また例えば、ポリエチレンでは2θ:21°、24°、30°付近に結晶性の回折ピークを有することが知られ、また例えば、ポリ乳酸では2θ:16°および18°付近に結晶性の回折ピークを有することが知られ、また例えば、ポリエチレンテレフタレートでは2θ:17°、18°および26°付近に結晶性の回折ピークを有することが知られ、また例えば、ポリトリメチレンテレフタレートでは2θ:9°、15°、17°、19°、23°、25°、28°付近、29°付近に結晶性の回折ピークを有することが知られ、また例えば、ポリブチレンテレフタレートでは2θ:9°、16°、17°、20°、23°、25°、29°付近に結晶性の回折ピークを有することが知られており、これらの結晶性の回折ピークが寄与する領域を結晶領域として、非晶領域との分離を行うことより評価する。
【0052】
プロピレン系重合体についてはα晶とスメチカ晶の2種の結晶体が混在する場合があり、それぞれの特徴的なピーク強度の関係からα晶とスメチカ晶を行うことよりα晶分率を評価する。本発明の不織布は、前述したように30℃以下、好ましくは5〜25℃、の冷却流体、好ましくは冷却空気を供給し、紡出された溶融樹脂を冷却することによりα晶分率を前記範囲とすることが出来る。
【0053】
本発明のメルトブロー不織布は、種々用途に応じて、他の層を積層してもよい。
具体的には、例えば、編布、織布、不織布、フィルム等を挙げることができる。本発明のメルトブロー不織布と他の層を積層する(貼り合せる)場合は、熱エンボス加工、超音波融着等の熱融着法、ニードルパンチ、ウォータージェット等の機械的交絡法、ホットメルト接着剤、ウレタン系接着剤等の接着剤による方法、押出しラミネート等をはじめ、種々公知の方法を採り得る。
【0054】
本発明のメルトブロー不織布と積層される不織布としては、スパンボンド不織布、湿式不織布、乾式不織布、乾式パルプ不織布、フラッシュ紡糸不織布、開繊不織布等、種々公知の不織布を挙げることができる。
【0055】
<フィルタ>
本発明のフィルタは、前記メルトブロー不織布からなる層を含むフィルタであって、目付90g/cm
2における0.5mm径の微粒子の捕集効率が99%以上である。
【0056】
本発明のフィルタは、前記メルトブロー不織布の単層であっても、二層以上の積層体であってもよい。また、本発明のフィルタは、用途によっては、例えば、乾式不織布、多孔膜などの他のフィルタ材と積層して用いてもよい。
【0057】
<不織布積層体>
本発明の不織布積層体は、前記メルトブロー不織布の少なくとも片面にスパンボンド不織布が積層されている不織布積層体であって、メルトブロー不織布層の目付(g/m
2)と積層体全体の目付(g/m
2)の比〔メルトブロー不織布層の目付/積層体全体の目付〕が0.050以下、好ましくは0.040以下である。
目付比が0.050を超える不織布積層体は、メルトブロー不織布の目付が高いために柔軟性および通気性に劣る虞がある。
【0058】
<セパレータ>
本発明の電池用セパレータは、前記メルトブロー不織布からなる層を含むセパレータであって、平均繊維径が、0.1〜2.0μm、好ましくは、0.2〜1.5μm、より好ましくは0.3〜1.0μmであるのが望ましく、また、目付量が3 〜 30g/m
2、好ましくは4 〜 25g/m
2 、より好ましくは5 〜 15g/m
2であるのが望ましい。平均繊維径がこのような範囲にある場合には、微細な細孔を有する不織布が製造でき、かつ、メルトブローン法による紡糸および不織布の製造が円滑に生産性よく行えるため好ましい。目付量がこの範囲にあれば、電池として使用した場合にショートせず、内部抵抗が小さいので好ましい。
【0059】
本発明のリチウムイオン電池用セパレータは、このようなメルトブローン不織布を押圧成形してなるものも含む。本発明のリチウムイオン電池用セパレータを製造するために用いられる押圧成形の手段は、特に限定されるものではなく、メルトブローン不織布の厚さ方向に圧力を加えることのできる押圧成形手段をいずれも用いることができるが、押圧時にメルトブローン不織布の少なくとも一方の面と接触する部位が、弾性を有し摩擦係数が高い材質で構成された押圧成形手段が好ましく用いられる。このような押圧成形手段の弾性を有する接触部位の弾性率は、好ましくは20〜600 kg/cm
2 、更に好ましくは20〜300kg/cm
2 である。弾性を有し摩擦係数が高い材質としては、紙、コットン、木、ゴム、プラスチック発泡体などが挙げられ、このうちゴムとしては、ウレタンゴム、スチレン− ブタジエンゴム、オレフィン系エラストマー、熱可塑性エラストマー、シリコンゴムなどが挙げられる。
【0060】
押圧成形の方法としては、具体的には、例えば、ゴム製などの弾性を有する押圧面と、ステンレスなどの金属製の押圧面とを有するプレス機を用いて、メルトブローン不織布をプレスする方法、ゴム製などの弾性を有するロールと金属製などの硬質のロール、あるいは一対の弾性ロールを有するカレンダーロールによりメルトブローン不織布をカレンダー成形する方法、メルトブローン不織布をゴムシートなどで挟み、これをプレスまたはロール成形する方法などが挙げられる。
【0061】
メルトブローン不織布の一方の面と接触する押圧部が弾性を有し摩擦係数が高い材質で構成され、他方が硬質の材質で構成される場合には、弾性を有する材質からなる押圧部の熱伝導率が低く、硬質の材質からなる押圧部の熱伝導率が高いのが好ましい。このような硬質の材質としては、ステンレスなどの金属が挙げられる。特に、本発明の電池用セパレータを製造する際に行う押圧成形を、弾性を有する材質からなるロールと、硬質の材質からなるロールとを有するカレンダーロールを用いて行うと、工程が簡便であり、長反の電池用セパレータが容易に得られるため工業的に有利である。またロールからの剥離性を向上させるため、硬質ロールの表面にテフロン(登録商標)加工を行うと好ましい。
【0062】
押圧成形は、加熱を伴うのが好ましく、メルトブロー不織布を構成する繊維同士が、少なくとも一部融着し、所望の孔径を有する不織布シートが得られる温度条件および圧力条件を選択して行うことができる。押圧成形時の加圧・温度条件は、ロールなどの押圧手段の表面材料に応じて、当業者の知見により適宜選定すればよく、たとえば、メルトブローン不織布の少なくとも一方の面と接触する押圧部が、80〜230℃、好ましくは150〜200℃程度となる条件を選択することができる。また、たとえば、メルトブローン不織布の一方の面と接触する押圧部が金属で、他方の面と接触する押圧部がゴムで形成されている押圧手段を用いる場合には、金属製押圧部の温度を120〜200℃程度、ゴム製押圧部の温度を90〜170℃程度の温度条件とすることができる。ロールで押圧する場合は、ロールの表面温度がこの範囲にあればよい。
【0063】
押圧成形時の温度および圧力が高すぎる場合には、繊維が互いに過度に融着して、目が詰まった状態になるため好ましくなく、得られた電池用セパレータは、内部抵抗が極端に増大することとなって使用できない場合がある。また、温度および圧力が低すぎる場合には、十分に微細な孔径が形成されず、伸長抵抗が低く強度に劣るものとなるため好ましくない。
【0064】
前記の押圧成形の前後で平均繊維径及び目付量はほぼ同一である。本発明のリチウムイオン電池用セパレータは空隙率が30%以上 、好ましくは40%以上であり、厚さは特に限定されるものではないが、通常10〜60μm 、好ましくは15 〜45 μm程度であるのが望ましい。電池用セパレータは、空隙率がこの範囲にあれば、内部抵抗が小さく、電極物質が通過してショートする虞がないので好ましい。また厚みがこの範囲にあれば、小型の電池用セパレータ用途にも好適に用いることができる。
【実施例】
【0065】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例及び比較例における物性値等は、以下の方法により測定した。
(1)平均繊維径(μm)、融着個数[本/100本]:
電子顕微鏡(日立製作所製S−3500N)を用いて、画面内に観察されるメルトブロー不織布の繊維本数が10本から20本の範囲となる倍率に調整したうえで表面写真を撮影する。直径の10倍以上の長さを有する場合を繊維とし、画面内の全ての繊維の幅(直径)を測定した。これを合計100本となるように繰り返して、得られた直径測定結果の平均を平均繊維径とした。なお、測定数の合計が100本を越える場合は下記式より平均繊維径を算出した。
平均繊維径=直径測定結果の平均×100/測定合計本数
【0066】
また、この測定結果の標準偏差(Dd)の平均繊維径(Da)に対する割合(Dd/Da)を繊維径CV値とした。
さらに上記100本のなかで、その繊維径が平均繊維径の2倍を超える場合に糸同士が融着していると判定し、その個数を融着個数とした。
なお、測定数の合計が100本を越える場合は下記式より融着個数を算出した。
融着個数=融着個数合計×100/測定合計本数
【0067】
(2)目付90g/m
2で測定した最大孔径(μm)、最小孔径(μm)及び平均孔径(μm):
目付90g/m
2のメルトブロー不織布を調整し、JIS Z8703(試験場所の標準状態)に規定する温度20±2℃、湿度65±2%の恒温室内で、水処理用濾過材となる不織布積層体から採取した試験片をフッ素系不活性液体(3M社製 商品名:フロリナート)に浸漬し、Porous materials,Inc社製のキャピラリー・フロー・ポロメーター(Capillary Flow Porometer)「モデル:CFP-1200AE」を用いて目付90g/m
2で測定した最大孔径(μm)、最小孔径(μm)及び平均孔径(μm)を測定した(表中、「最大孔径」、「最小孔径」及び「平均孔径」と示す)。
【0068】
(3)阻止率(%)及び流量(l/min):
目付90g/m
2のメルトブロー不織布を調整し、球状粒子径1.00μmのポリスチレンラテックス粒子を60容量%のイソプロピルアルコール(IPA)水溶液に0.01重量%の濃度で分散した試験液を用い、ろ過装置(ADVANTEC製TSU−90B)で0.3MPaの圧力のもとメルトブロー不織布(液体用フィルタ)を通過した濾液中の濃度:C
1と原液の濃度:C
0を測定し、次式で阻止率を求めた。
試験液および濾液の濃度は分光光度計(島津製UV3100)を使用し、波長500nmの吸光度を測定し、予め測定した検量線から求めた。
阻止率=〔(C
0−C
1)/C
0〕×100(%)
【0069】
また、上記方法で、各々、球状粒子径3.00μm及び球状粒子径0.47μmのポリスチレンラテックス粒子を用い、阻止率を求めた。
流量(l/min)は、上記ろ過装置を用い0.3MPaの圧力のもと500ccの60容量%IPA水溶液がメルトブロー不織布(液体用フィルタ)を通過したときの時間を測定し求めた。
【0070】
(4)耐水圧(mm Aqua):
JIS L1092A法に準拠して、JIS Z8703(試験場所の標準状態)に規定する温度20±2℃、湿度65±2%の恒温室内で水処理用濾過材となる不織布積層体から採取した15×15cmの試験片10枚を採取し耐水圧試験機を用いて、水が漏れるときの圧力を測定しその平均値を求めた。
【0071】
(5)プロピレン系重合体繊維のα晶分率:
広角X線回折装置(リガク社製 RINT2500、付属装置:回転試料台、X線源:CuKα、出力:50kV 300mA、検出器:シンチレーションカウンター)を用いて、不織布を試料ホルダーに充填し、広角X線回折透過法により回折プロファイルを回転しながら測定した。
【0072】
測定より得られる回折プロファイル結果よりα晶分率についてはプロピレン系重合体の(110)面を示す2θ=14°付近のピーク強度をα晶のピーク強度、2θ=15°付近のピーク強度をスメチカ晶のピーク強度とし、次式より求めた。なお、2θ=15°付近のピークが確認されなかった場合はα晶だけで構成されていると判断し、α晶分率を1.0とした。
[α晶分率]=[α晶ピークの強度]/ [α晶ピークの強度+スメチカ晶のピーク強度]
【0073】
(6)柔軟性の評価:
評価者10人により手触りの評価を行った。以下の基準で評価結果を示す。
◎:手触りが良いと感じた人が、10人のうち10人の場合
○:手触りが良いと感じた人が、10人のうち9〜7人の場合
△:手触りが良いと感じた人が、10人のうち6〜3人の場合
×:手触りが良いと感じた人が、10人のうち2人以下の場合
【0074】
実施例1
<スパンボンド不織布の製造>
スパンボンド不織布製造装置(捕集面上の機械の流れ方向に垂直な方向の長さ:500mm)を用いて、プロピレン単独重合体(PP−1、MFR:60g/10分、融点:157℃)を240℃で溶融し、目付:7g/m
2、繊維径:14μmのスパンボンド不織布を用意した。
【0075】
<不織布積層体の製造>
上記方法で得たスパンボンド不織布に片面に、プロピレン単独重合体(PP−2、MFR:850g/10分、融点:159℃)をメルトブロー不織布製造装置のダイに供給し、設定温度:280℃のダイから、メルトブロー用ノズル(0.32mmφ、各ノズルの小孔の孔間の距離:0.20mm)を用いて、ノズル単孔あたりの吐出量:0.52g/分でノズルの両側から吹き出す高温高速空気(280℃、600m
3/hr)と伴に吐出し、その後に冷却空気(温度:15℃、風量:6000m
3/hr)にて冷却と分散を行い、DCD(紡糸口金の表面からコレクターまでの距離):120mmでメルトブロー不織布の目付が0.7g/m
2となるように上記スパンボンド不織布の上に吹き付けて、スパンボンド不織布とメルトブロー不織布の積層体を得た。次いで、上記と同一条件で製造されるスパンボンド不織布をメルトブロー不織布上に積層して、総目付:14.7g/m
2(スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布=7.0/0.7/7.0g/m
2)の不織布積層体を得た。
得られた不織布積層体の物性を上記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0076】
実施例2
実施例1で製造したメルトブロー不織布に替えて、スパンボンド不織布に積層するメルトブロー不織布として、メルトブロー用ノズル(0.32mmφ、各ノズルの小孔の孔間の距離:1.59mm)を用い、ノズル単孔あたりの吐出量を1.27g/分で製造した目付が0.5g/m
2のメルトブロー不織布を用いる以外は、実施例1と同様に行い、総目付:14.5g/m
2(スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布=7.0/0.5/7.0g/m
2)の不織布積層体を得た。
得られた不織布積層体の物性を上記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0077】
実施例3
プロピレン単独重合体(MFR:1500g/10分)をメルトブロー不織布製造装置のダイに供給し、設定温度:280℃のダイから、メルトブロー用ノズル(0.2mmφ、各ノズルの小孔の孔間の距離:2.62mm)を用いて、ノズル単孔あたりの吐出量:0.08g/分でノズルの両側から吹き出す高温高速空気(280℃、600m
3/hr)と伴に吐出し、その後に冷却空気(温度:15℃、風量:6000m
3/hr)にて冷却と分散を行い、DCD(紡糸口金の表面からコレクターまでの距離):120mmでコレクターの上に吹き付けて、目付:15g/m
2のメルトブロー不織布を得た。
次いで、得られたメルトブロー不織布を6枚重ねて目付90g/m
2の液体用フィルタとした。結果を表2に示す。
【0078】
実施例4
実施例1で製造したメルトブロー不織布に替えて、スパンボンド不織布に積層するメルトブロー不織布として、メルトブロー用ノズル(0.32mmφ、各ノズルの小孔の孔間の距離1.02mm)を用い、ノズル単孔あたりの吐出量を1.26g/分で製造した目付が0.7g/m
2のメルトブロー不織布を用いること、スパンボンド不織布として、実施例1で製造したスパンボンド不織布の目付を6.15g/m
2とすること、高温高速空気の量を1400m
3/hrとすること、DCDを150mmとすること以外は、実施例1と同様に行い、総目付:13.0g/m
2(スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布=6.15/0.7/6.15g/m
2)の不織布積層体を得た。
得られた不織布積層体の物性を上記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0079】
実施例5
スパンボンド不織布に積層するメルトブロー不織布として、メルトブロー用ノズル(0.32mmφ、各ノズルの小孔の孔間の距離0.33mm)を用い、ノズル単孔あたりの吐出量を0.63g/分で製造した目付が0.7g/m
2のメルトブロー不織布を用いること、高温高速空気の量を1500m
3/hrとすること以外は、実施例4と同様に行い、総目付:13.0g/m
2(スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布=6.15/0.7/6.15g/m
2)の不織布積層体を得た。
得られた不織布積層体の物性を上記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0080】
実施例6
スパンボンド不織布に積層するメルトブロー不織布として、メルトブロー用ノズル(0.32mmφ、各ノズルの小孔の孔間の距離0.20mm)を用い、ノズル単孔あたりの吐出量を0.51g/分で製造した目付が0.7g/m
2のメルトブロー不織布を用いること、高温高速空気の量を700m
3/hrとすること以外は、実施例4と同様に行い、総目付:13.0g/m
2(スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布=6.15/0.7/6.15g/m
2)の不織布積層体を得た。
得られた不織布積層体の物性を上記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0081】
実施例7
スパンボンド不織布に積層するメルトブロー不織布として、メルトブロー用ノズル(0.4mmφ、各ノズルの小孔の孔間の距離0.25mm)を用い、ノズル単孔あたりの吐出量を0.51g/分で製造した目付が0.7g/m
2のメルトブロー不織布を用いること、高温高速空気の量を1200m
3/hrとすること以外は、実施例4と同様に行い、総目付:13.0g/m
2(スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布=6.15/0.7/6.15g/m
2)の不織布積層体を得た。
得られた不織布積層体の物性を上記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0082】
比較例1
実施例1において、メルトブロー不織布を製造する際に、冷却空気を使用せずに、目付が1.0g/m
2のメルトブロー不織布を用いる以外は、実施例1と同様に行い、総目付:15.0g/m
2(スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布=7.0/1.0/7.0g/m
2)の不織布積層体を得た。
得られた不織布積層体の物性を上記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0083】
比較例2
実施例1において、メルトブロー不織布を製造する際に、冷却空気を使用しなかった以外は実施例3と同様の方法にて、目付:15g/m
2のメルトブロー不織布を得た。
次いで、得られたメルトブロー不織布を6枚重ねて目付90g/m
2の液体用フィルタとした。結果を表2に示す。
【0084】
比較例3
比較例2において、メルトブロー用ノズル(0.2mmφ、各ノズルの小孔の孔間の距離0.68mm)を用いる以外は、比較例2と同様の方法で行い、目付:15g/m
2のメルトブロー不織布を得た。
次いで、得られたメルトブロー不織布を6枚重ねて目付90g/m
2の液体用フィルタとした。結果を表2に示す。
【0085】
比較例4
比較例2において、メルトブロー用ノズル(0.2mmφ、各ノズルの小孔の孔間の距離2.62mm)を用いる以外は、比較例2と同様の方法で行い、目付:15g/m
2のメルトブロー不織布を得た。
次いで、得られたメルトブロー不織布を6枚重ねて目付90g/m
2の液体用フィルタとした。結果を表2に示す。
【0086】
比較例5
目付が0.7g/m
2のメルトブロー不織布を用いる以外は、比較例1と同様に行い、総目付:14.7g/m
2(スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布=7.0/0.7/7.0g/m
2)の不織布積層体を得た。
得られた不織布積層体の物性を上記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0087】
比較例6
メルトブロー不織布を製造する際に、冷却空気に替えて、温度:50℃、風量:6000m
3/hrの空気を使用すること、DCDを150mmとすること以外は、実施例1と同様に行い、総目付:14.7g/m
2(スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布=7.0/0.7/7.0g/m
2)の不織布積層体を得た。
得られた不織布積層体の物性を上記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0088】
比較例7
メルトブロー不織布を製造する際に、冷却空気を使用しないこと、高温高速空気の量を1000m
3/hrとすること以外は、実施例5と同様に行い、総目付:13.0g/m
2(スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布=6.15/0.7/6.15g/m
2)の不織布積層体を得た。
得られた不織布積層体の物性を上記記載の方法で測定した。結果を表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】