(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6270790
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】ビニール袋開口器具
(51)【国際特許分類】
B65B 69/00 20060101AFI20180122BHJP
【FI】
B65B69/00 B
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-188851(P2015-188851)
(22)【出願日】2015年9月7日
(65)【公開番号】特開2017-52557(P2017-52557A)
(43)【公開日】2017年3月16日
【審査請求日】2015年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】513034545
【氏名又は名称】樋口 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100164013
【弁理士】
【氏名又は名称】佐原 隆一
(72)【発明者】
【氏名】▲樋▼口 勝
【審査官】
佐藤 正宗
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第3106376(JP,U)
【文献】
特開2015−000728(JP,A)
【文献】
特開2000−190927(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3157900(JP,U)
【文献】
特開平03−275424(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3190063(JP,U)
【文献】
米国特許第06094895(US,A)
【文献】
特開2008−087851(JP,A)
【文献】
特開2014−144805(JP,A)
【文献】
特開2006−282273(JP,A)
【文献】
特開2006−076593(JP,A)
【文献】
特開2011−152922(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 69/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
滑りにくい外周表面を持つ二つの円柱物体(A、B)を有し、前記円柱物体(A)は本体(H)に対して固定され、前記円柱物体(B)はフレキシブルアーム(F)で前記本体(H)に対して接続され、
前記フレキシブルアーム(F)は、上方から下方に押されることにより、前記円柱物体(A、B)が近付く方向に変形可能であり、
前記円柱物体(A)は、前記円柱物体(A)の中心軸が前記フレキシブルアーム(F)の変形方向および前記フレキシブルアーム(F)の伸長方向のそれぞれに対して直交するように配置され、前記円柱物体(B)は、前記円柱物体(B)の中心軸が前記フレキシブルアーム(F)の変形方向および前記フレキシブルアーム(F)の伸長方向のそれぞれに対して直交するように配置され、かつ、前記円柱物体(A)および前記円柱物体(B)は相互に平行に配置されており、
前記フレキシブルアーム(F)が前記本体(H)に対して接続される部分をヒンジ部として、
下記の初期状態、中期状態、および後期状態を経過することにより、前記円柱物体(A、B)の外周が接触する接点(C)で挟んだビニール袋を、前記円柱物体(B)が前記円柱物体(A)の前記ヒンジ部側の外周に沿って移動することで開口する、ビニール袋開口器具。
前記初期状態では、開口したいビニール袋を、前記円柱物体(A)と前記円柱物体(B)の間に配置する。
前記中期状態では、前記円柱物体(B)および前記フレキシブルアーム(F)を上方から下方に向けて押すことにより、前記円柱物体(A)の外周と前記円柱物体(B)の外周が接触する接点(C)で前記ビニール袋が挟まれる。
前記後期状態では、前記円柱物体(B)および前記フレキシブルアーム(F)をさらに上方から下方に向けて押すことにより、前記円柱物体(B)は、前記円柱物体(A)の前記ヒンジ部側の外周に沿って接触しながら、上方から下方に向けて移動することで、前記ビニール袋が開口される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビニール袋を開口する為の治具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スーパー等で持ち帰り用のビニール袋を利用する際、ビニール袋の開口部を持ち指を擦り合わせるように挟んで開口するが、指が乾燥しているとビニール袋と指の間に抵抗が発生し辛く、濡れ雑巾や湿らせたスポンジ等で指を湿らせてからビニール袋を開口することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−144805
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ビニール袋を開口する為に指を濡れ雑巾や湿らせたスポンジ等で湿らせる行動は、複数人数が使用した場合の指の衛生面と、長時間放置された場合の異臭に問題がある。また、濡れ雑巾や湿らせたスポンジの放置は時間とともに乾燥が促進する為、適度に交換もしくは加湿メンテナンスをすることが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、滑りにくい外周表面を持つ二つの円柱物体があり、その二つの物体の外周同士の接点で挟んだビニール袋を一方の物体の外周に沿ってもう一方の物体が移動することによってビニール袋を開口することを特徴とする器具を用いて、指で直接ビニール袋を触ることなく、ビニール袋を開口できる袋開口器具を提案するものである。
【発明の効果】
【0006】
上述のように、本発明によって指で直接ビニール袋を擦り合わせることが無くなる為、指の乾燥状態によることなく、安定したビニールの開口効果が得られ、且つ、濡れ雑巾や湿らせたスポンジを触る必要が無い為、衛生的である。 また、濡れ雑巾を使用する場合に比べ、濡れ雑巾交換や湿らせたスポンジの保湿メンテナンスの必要が無くなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】 本発明ビニール袋開口器具の第一実施例を示す3D図。
【
図2】
図1を簡略化し、固定アームと本体が別体型の初期状態側面図。
【
図3】
図2を初期状態とした時、フレキシブルアーム移動した中期状態図。
【
図4】 ビニール袋を配置した
図3における円柱物体接点部の拡大図。
【
図5】
図3を中期状態とした時、フレキシブルアーム移動した後期状態図。
【
図6】 ビニール袋を配置した
図5における円柱物体接点部の拡大図。
【
図7】 円柱物体の複数材料による複合例及び多角形柱形状実施例図。
【
図8】
図1実施例から二つの円柱物体を回転配置した場合の実施例3D図。
【
図9】
図5から固定アームの長さを変更した場合の後継状態図。
【
図10】 フレキシブルアームと本体を一体化したハンディータイプ実施例図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
滑りにくい外周表面を持つ二つの円柱物体があり、一方の円柱物体は本体と固定し、もう一方の円柱物体はフレキシブルに可動できるようなアームで本体に接続する。
円柱物体は、一方が固定、もう一方が可動できることから、一方の円柱の外周に沿ってもう一方の円柱物体が移動するように設定する。 その二つの円柱物体の外周同士の接点に開口したいビニール袋を挟むように配置すれば、互いの円柱物体の外周表面が滑りにくい性質であることを利用して、一方の物体の外周に沿ってもう一方の物体が移動する時、ビニール袋の片側が引き離され、ビニール袋を開口することができる。
【実施例】
【0009】
以下、添付図面に従って第一実施例を説明する。
図1に示すように、1:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体Aと2:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体Bと3:固定アームと一体型の本体Hと4:フレキシブルアームFを有する器具において、簡略化した側面図を
図2へ示した。 15:本体Hと11:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体Aは、13:固定アームKによって接続され、15:本体Hと12:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体Bは、14:フレキシブルアームFによって接続されている。 初期状態として、開口したいビニール袋は、11:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体Aと12:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体Bの間に配置する。 16:指で押すことにより、14:フレキシブルアームFは変形して中期状態へと移行する。
【0010】
中期状態を
図3に示す。26:指によって24フレキシブルアームFは23:固定アームKに近付き、21:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体Aの外周と22:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体Bの外周が27:接点Cで接触する。この時、開口したいビニール袋は27:接点Cの位置で挟まれる。 ビニールを挟んだ状態の27:接点C付近の拡大図を
図4に示す。 36:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体Aが位置(30:x,33:y)にあり、37:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体Bが位置(31:x1,34:y1)にあり、38:ビニール袋a側と36:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体A、39ビニール袋b側と37:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体Bがそれぞれ接触している。
図3の26:指で押すことにより、24:フレキシブルアームFは変形して後期状態へと移行する。
【0011】
後期状態を
図5に示す。46:指によって44:フレキシブルアームFは更に43:固定アームKに近付き、42:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体Bは、41:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体Aの外周に沿って47:接点Cで接触しながら移動する。 この時、開口したいビニール袋は47:接点Cの位置で挟まれたままである。 ビニール袋を挟んだ状態の47:接点C付近の拡大図を
図6に示す。 56:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体Aが位置(50:x,53:y)で中期状態からほぼ移動していない位置にあり、57:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体Bの位置は中期状態(51:x1,54:y1)から後期状態では(52:x2,55:y2)へ移動した位置となり、58:ビニール袋a側と56:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体Aは中期状態とほぼ変わらないが、59:ビニール袋b側は57:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体Bが移動したことによって移動し、密着していた58:ビニール袋a側と59:ビニール袋b側は引き離され、ビニール袋は開口される。
【0012】
上記第一実施例の滑りにくい外周表面を持つ円柱物体は、
図7に示すような61:円柱物体の外周面に62:シリコンチューブを被せた構造をとっても同様の効果を得ることが可能であり、円柱形状の代わりに63:多角形柱状物体に64:シリコンチューブを被せた構造でも同様の効果を得ることが可能である。 また、多角形柱状物体は、65:特殊形柱状物体のような星形やそれ以外の形状のものでも同様の効果を得ることができる。
【0013】
上記第一実施例は、
図8に示すように、
図1との比較で説明すると71:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体Aと72:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体Bを平行の関係を保ったまま、74:フレキシブルアームFのアーム伸長方向から回転させる位置関係にあっても同様の効果を得ることができる。
【0014】
上記第一実施例は、
図5の43:固定アームKを、
図9に示すように83:固定アームの長さを調整し、81:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体Aの位置が82:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体Bを超えるように設定しても同様の効果を得ることができる。
【0015】
上記第一実施例は、
図10のように、93:フレキシブルアームと一体化した本体Hのような形状とし、91:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体Aと92:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体Bの両側から挟み込むようなハンディータイプとしても、同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0016】
1:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体A
2:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体B
3:固定アームと一体型の本体H
4:フレキシブルアームF
5:(欠番)
6:(欠番)
7:(欠番)
8:(欠番)
9:(欠番)
10:(欠番)
11:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体A
12:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体B
13:固定アームK
14:フレキシブルアームF
15:本体H
16:指
17:(欠番)
18:(欠番)
19:(欠番)
20:(欠番)
21:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体A
22:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体B
23:固定アームK
24:フレキシブルアームF
25:本体H
26:指
27:接点C
28:(欠番)
29:(欠番)
30:x
31:x1
32:x2
33:y
34:y1
35:y2
36:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体A
37:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体B
38:ビニール袋a側
39:ビニール袋b側
40:(欠番)
41:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体A
42:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体B
43:固定アームK
44:フレキシブルアームF
45:本体H
46:指
47:接点C
48:(欠番)
49:(欠番)
50:x
51:x1
52:x2
53:y
54:y1
55:y2
56:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体A
57:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体B
58:ビニール袋a側
59:ビニール袋b側
60:(欠番)
61:円柱物体
62:シリコンチューブ
63:多角形柱状物体
64:シリコンチューブ
65:特殊形柱状物体
66:シリコンチューブ
67:(欠番)
68:(欠番)
69:(欠番)
70:(欠番)
71:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体A
72:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体B
73:固定アームと一体型の本体H
74:フレキシブルアームF
75:(欠番)
76:(欠番)
77:(欠番)
78:(欠番)
79:(欠番)
80:(欠番)
81:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体A
82:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体B
83:固定アームK
84:フレキシブルアームF
85:本体H
86:指
87:接点C
88:(欠番)
89:(欠番)
90:(欠番)
91:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体A
92:滑りにくい外周表面を持つ円柱物体B
93:フレキシブルアームと一体化した本体H