(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記リードフレームが、複数のリードを備え、前記センサが、前記複数のリードの少なくとも1つに結合された少なくとも1つのコンデンサをさらに備える、請求項9に記載の磁場センサ。
前記硬質の強磁性材料が、フェライト、SmCo合金、NdFeB合金、硬質の磁気粒子を備えた熱可塑性ポリマー、または硬質の磁気粒子を備えた熱硬化性ポリマーの少なくとも一つを含む、請求項17に記載の磁場センサ。
前記硬質の強磁性材料が、フェライト、SmCo合金、NdFeB合金、硬質の磁気粒子を備えた熱可塑性ポリマー、または硬質の磁気粒子を備えた熱硬化性ポリマーの少なくとも一つを含む、請求項26に記載の磁場センサ。
第1の表面と、第2の対向する表面と、端部を有する第1のリード部分、および前記第1のリード部分の前記端部から離間され、その近位にある端部を有する第2のリード部分を含む少なくとも1つのリードとを有するリードフレームと、
磁場感知素子が中に配設された第1の表面と、前記リードフレームの前記第1の表面に取り付けられた第2の対向する表面とを有する半導体ダイと、
前記ダイおよび前記リードフレームの少なくとも一部分を封入する非導電性モールド材料と、
前記非導電性モールド材料の一部分に固定された強磁性モールド材料であって、前記強磁性モールド材料は、前記非導電性モールド材料から前記強磁性モールド材料の外側周囲表面まで延びる表面を有する中央開口を含み、前記中央開口の前記表面は中間の位置において屈曲部を含み、前記表面は、前記非導電性モールド材料から前記屈曲部までは第1の傾斜を有し、前記屈曲部から前記強磁性モールド材料の前記外側周囲表面までは前記第1の傾斜とは異なる第2の傾斜を有する、強磁性モールド材料と、
前記第1のリード部分の前記端部と前記第2のリード部分の前記端部との間に結合された受動構成要素とを備える、磁場センサ。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[0070]
図1の断面図およびさらに
図1Aおよび1Bの断面図も参照すれば、磁場センサ10は、磁場感知素子またはトランスデューサ22が中に形成された第1の活性表面14aと、リードフレーム18の第1の表面18a上のダイ取り付け領域16に取り付けられた第2の対向する表面14bとを有する半導体ダイ14と、ダイおよびリードフレームの少なくとも一部分を封入する非導電性モールド材料20と、非誘導性モールド材料に固定された強磁性モールド材料30とを含む。強磁性モールド材料30は、強磁性材料を含み、リードフレーム18の近位の第1の端部30aから、リードフレームから遠位の第2の端部30bまでテーパにされる。活性ダイ表面14aは、ダイ取り付け領域16に取り付けられたダイ表面14bの反対側にあり、したがってこの構成は、「ダイアップ」配置と称され得る。
【0029】
[0071]このおよび他の実施形態における磁場感知素子22は、それだけに限定されないが、ホール効果素子、磁気抵抗素子、または磁気トランジスタになることができる。知られているように、ホール効果素子にはさまざまなタイプが存在し、たとえば、平面ホール素子、垂直ホール素子、および円形垂直ホール素子が存在する。これもまた知られているように、磁気抵抗素子にはさまざまなタイプが存在し、たとえば、アンチモン化インジウム(InSb)などの半導体磁気抵抗素子、巨大磁気抵抗(GMR)素子、異方性磁気抵抗素子(AMR)、トンネル磁気抵抗(TMR)素子、および磁気トンネル接合(MTJ)が存在する。感知素子22は、単一の素子を含むことができ、または代替的には、たとえばハーフブリッジまたはフル(ホイートストン)ブリッジなどのさまざまな構成で配置
された2つまたはそれ以上の素子を含むことができる。感知素子22は、シリコン(Si)またはゲルマニウム(Ge)などのタイプIV半導体材料、またはガリウムヒ素(GaAs)もしくはたとえばアンチモン化インジウム(InSb)などのインジウム化合物のようなタイプIII−V半導体材料から作製されたデバイスでよい。一部の実施形態では、2つまたは複数の基板、つまり磁場感知素子用に1つ、および関連する処理回路用にSi基板などの別のものを使用することが望ましくなり得る。例示的な複数の基板配置は、本出願の譲受人に譲渡された、「Arrangements for an Integrated Sensor(集積センサの配置)」という名称の米国特許第7,768,083号に説明される。
【0030】
[0072]半導体ダイ14の活性表面14aが、磁場素子の特定のタイプ(たとえばホールプレート)の場合と同様に磁場感知素子が「中に」配設された、または形成された表面として本明細書において説明されているが、素子は、活性半導体表面(たとえば磁気抵抗素子)の「上方」または「その上」に配設されてよいことが当業者によって理解されるであろう。しかし、説明を簡単にするために、本明細書において説明される実施形態は、任意の適切なタイプの磁場感知素子を利用することができるが、そのような素子は、活性半導体表面「内」に形成または配設されるものとして本明細書では全般的に説明される。
【0031】
[0073]使用時、本明細書において説明される他のセンサ実施形態のような磁場センサ10は、可動式の透磁性強磁性物体または図示されるギア12などの目標物の近位に配設されてよく、それにより、磁場トランスデューサ22は、物体12に隣接し、それによって物体の移動によって変更される磁場にさらされる。磁場トランスデューサ22は、磁場に比例する磁場信号を生成する。
【0032】
[0074]
図1の磁場センサ10は、トランスデューサ22が、強磁性モールド材料30よりも目標物に近くなるように目標物12に対して配向されるが、特定の用途では、強磁性モールド材料がトランスデューサより目標物に近くなるようにセンサ10を180°回転させることが望ましくなり得ることが理解されよう。また、センサ10は、トランスデューサの主要表面が目標物に直交するように90°回転されてよく、それによってトランスデューサが、たとえば磁気抵抗素子の場合に望ましくなり得るような、異なるタイプの磁気感受性センサを達成する。
【0033】
[0075]強磁性物体12は、硬質の強磁性、またな単なる硬質の磁気材料(すなわちセグメント化されたリング磁石などの永久磁石)、軟質の強磁性材料、またはさらに電磁石からなることができ、本明細書において説明される実施形態は、任意のそのような物体の配置と併用されてよい。
【0034】
[0076]物体12が軟質の強磁性材料からなる実施形態では、強磁性モールド材料30は、バイアス磁石を形成するために硬質の強磁性材料からなり、その一方で物体12が硬質の強磁性材料からなる実施形態では、強磁性モールド材料30は、集中器を形成するために軟質の強磁性材料でよく、またはバイアス場が望まれる場合(たとえば硬質の磁気材料または永久磁石によって付勢される磁気抵抗素子の場合)、硬質の磁気材料でよい。強磁性モールド材料30がバイアス磁石を形成するために硬質の強磁性材料を含み、トランスデューサ22が図示されるように強磁性モールド材料30より目標物に近くなるようにセンサ10が目標物に対して配向される実施形態では、バイアス磁石は、バックバイアス磁石と称され得る。
【0035】
[0077]磁場センサ10は、通常、ダイ14の活性表面14a内に形成された、トランスデューサ22によって提供された磁場信号を処理するための追加の回路を含む。リードフレーム18は、回路を電源またはマイクロコントローラなどのシステム構成要素(図示せ
ず)に結合するためのリード24a〜24cを含む。リード24a〜24cと半導体ダイ14の間の電気接続には、それぞれ図示されるようにワイヤボンド26a〜26cが設けられ得る。センサ10は、3つのリード24a〜24cを含むように示されるが、さまざまな数のリードが可能であることが当業者によって理解されるであろう。リードフレームのリードをセンサ構成要素に電気的に結合するための他の技術は、はんだバンプ(solder bump)もしくはボール(
図6)またはピラーバンプを含む。
【0036】
[0078]集積回路センサ10は、2個から6個のピンの単一インラインパッケージ(SIP)の形態、または適宜何らかの他の数のピンの形態で提供され得る。リードフレーム18の第1の表面18a上のダイ取り付け領域16は、通常、半導体ダイ14を受け入れるための導電性リードフレームの専用領域である。ダイ取り付け領域16は、時に、ダイ取り付けパドルまたはダイ取り付けパッドと称され、一部の実施形態では、ダイ取り付けパッドは、たとえば銀めっきされたまたはNiPdAuの領域でよい。代替的には、2012年1月16日に出願され、本出願の譲受人に譲渡された、「Methods and Apparatus for a Magnetic Sensor having a
Non−conductive Die Paddle(非導電性ダイパドルを有する磁気センサのための方法および装置)」という名称の共願の米国特許出願第13/350,970号に説明されるように、特に、渦電流が起こり得る用途では、非導電性材料を用いてダイ装着領域を形成することが望ましくなることがある。ダイ14をダイ取り付け領域16に固定するための従来の技術は、エポキシ樹脂または接着テープなどの接着剤の使用を含む。ダイ取り付け領域が、連続領域であってもなくてもよいことが当業者に理解されるであろう。たとえば、
図17の実施形態では、ダイ装着領域は、複数のリードに及ぶ。
【0037】
[0079]非導電性モールド材料20は、ダイ14およびリードフレーム18の封入された部分を電気的に絶縁し機械的に保護するために非導電性材料からなる。非導電性モールド材料20に適した材料は、熱硬化性および熱可塑性のモールド化合物ならびに他の市販されているICモールド化合物を含む。非導電性モールド材料20は、強磁性粒子の形態などの強磁性材料を、そのような材料が非導電性である限り含むことができることが理解されよう。
【0038】
[0080]非導電性モールド材料20は、第1の成形ステップ(
図8)などにおいて、リードフレーム/ダイ副組立体に施与されて、ダイ14およびリードフレーム18の一部分を封入する。非導電性モールド材料20は、第1の表面20aおよび第2の対向する表面20bを有する。非導電性モールド材料の形状および寸法は、個々のICパッケージに適合するように選択される。
【0039】
上記で指摘されたような一部の実施形態では、強磁性モールド材料30は、バイアス磁石を形成するために硬質または永久磁気材料からなる。当業者に明らかであるように、さまざまな材料が、作動温度範囲および最終パッケージサイズに応じて強磁性モールド材料30を提供するのに適する。一部の実施形態では、強磁性モールド材料が、その残留磁気より大きい飽和保磁力(coercivity)を有することが望ましくなり得る。
【0040】
[0081]強磁性モールド材料の例示的な硬質の磁気材料は、それだけに限定されないが、硬質磁性フェライト、SmCo合金、NdFeB合金材料、またはArnold Magnetic Technologies Corp.のPlastiform(登録商標)材料、または硬質磁気粒子を備えた他のプラスチック化合物、たとえばポリフェニレンサルファイド材料(PPS)、またはSmCo、NdFeBもしくは硬質の強磁性フェライト磁気粒子を含むナイロン材料などの熱硬化性ポリマー、またはSumitomo Bakelite Co.,LtdのSUMIKON(登録商標)EMEなどの熱硬化性ポ
リマー、または硬質の磁気粒子を含む熱硬化性モールド材料の類似のタイプを含む。一部の実施形態では、成形中に硬質の強磁性粒子を位置合わせして、磁場の存在下で成形することによってより等方性または指向性の永久磁気材料を形成することが望ましくなることができるが、一方で他の実施形態では、十分な磁石は、位置合わせステップ無しで、等方性材料に関する成形中に結果として生じることができる。NdFeBまたはSmCo合金は、他の要素を含んで温度パフォーマンス、磁気の飽和保磁力、または磁気設計に有用な他の磁気特性を向上させることができることが理解されよう。
【0041】
[0082]他の実施形態では、強磁性モールド材料30は、集中器を形成するために軟質の強磁性材料からなる。当業者に明らかになるように、さまざまな材料が、軟質の強磁性材料の形態の強磁性モールド材料30を提供するのに適している。一部の実施形態では、軟質の強磁性モールド材料が比較的低い飽和保磁力および高い透過性を有することが望ましくなり得る。適切な軟質の強磁性材料は、それだけに限定されないが、パーマロイ、NiCo合金、NiFe合金、鋼、ニッケル、および軟質の磁気フェライトを含む。
【0042】
[0083]強磁性モールド材料30は、第2の成形ステップ(
図8)などにおいて非導電性モールド材料20に固定される。強磁性モールド材料は、図示されるように、非導電性モールド材料の第2の表面20bと、第1と第2の表面20a、20bの間の非導電性モールド材料の側部の一部分とも接触する。成形プロセスは、強磁性モールド材料30が非導電性モールド材料20にそれによって固定されるプロセスとして
図8および8Aにおいて説明されるが、強磁性モールド材料は、(追加的にまたは代替的に)熱硬化性接着剤(たとえば2部分エポキシ樹脂)などの接着剤を用いて非導電性モールド材料20に固定され得ることが理解されよう。
【0043】
[0084]一部の実施形態では、強磁性モールド材料30と接触する非導電性モールド材料20の一部分および/または非導電性モールド材料と接触する強磁性モールド材料の部分は、2つの材料間の接着を向上させ、材料間の横方向の滑りまたはせん断を防止または低減するために固定機構を有する。1つの例として、リードフレーム18は、図示されるように、非導電性モールド材料を超えて延び、強磁性モールド材料によって封入される延長部18cを有する。そのようなリードフレーム延長部は、追加的に、強磁性モールド材料とリードフレーム自体の接着を強化する。そのような実施形態では、リードフレーム部分を固定機構として利用し、それにより、強磁性モールド材料がそのようなリードフレーム部分に接触するそのような実施形態では、強磁性モールド材料は、非導電性でなければならず、またはリードが電気的に短絡してデバイスが意図されるように作動しない結果となることを防止するのに十分な低さの導電性を有さなければならないことが理解されよう。固定機構の代替の形態は、他の実施形態において示される。
【0044】
[0085]
図1Bに示されるように、リード24a〜24cの一部分は、非導電性モールド材料20によって封入される。非導電性モールド材料は、(強磁性モールド材料は導電性になり得るため)強磁性モールド材料30をリードから分離するために、パッケージの縁を出るリードを取り囲む。
【0045】
[0086]
図1Cの代替的な断面図によれば、リード24a〜24cに隣接する非導電性モールド材料20の部分は、図示されるように、リードの輪郭を辿るようにリードの周りで「切り取られて」よい。この配置は、磁気パフォーマンスの理由のために一部の用途では望ましくなることができ、それによってトランスデューサ22の近位の強磁性モールド材料の硬質の強磁性材料の量を増大させる。これもまた
図1Cに示されるのは、リードフレームタブ18c’の形態の代替の固定機構である。タブ18c’は、平坦でよく、図示するようにアイ(eye)を有することができる。この配置では、強磁性モールド材料30は、タブのアイを通ってタブの周りを流れて強磁性モールド材料とリードフレームおよび
非導電性モールド材料の接着を向上させる。
【0046】
[0087]それだけに限定されないが、圧縮成形、射出成形、およびトランスファー成形などの成形、ならびにポッティングなどのさまざまなタイプのプロセスが、モールド材料を形成するために使用され得ることが当業者によって理解されるであろう。さらに、モールド材料を形成するためのさまざまな技術の組み合わせが可能である。
【0047】
[0088]強磁性モールド材料30を画定するために使用されるモールド空洞は、マンドレルを含むことができ、それにより、強磁性モールド材料は、ここでは非導電性モールド材料の第2の表面20bから強磁性モールド材料の第2の端部30bまで延びる中央開口40を有するリング形状構造を形成する。モールド材料30は、従来のO字形状のリング構造またはD字形状の構造を形成することができる。代替的には、強磁性モールド材料30は、「C字」または「U字」形状の構造として説明され得るような、部分的のみのリング様構造を形成することもできる。より全般的には、強磁性モールド材料30は、中央領域がその外側領域と一体的に形成されないように不連続の中央領域を含む。そのような中央領域は、
図1の開口40の場合などの開放領域でよく、またはたとえば、
図2の実施形態などのように強磁性材料を含むことができる。
【0048】
[0089]強磁性モールド材料30は、
図1の側面図から明らかになるように、その第1の端部30a(またはその第1の端部に近い場所)からその第2の端部30bまでテーパにされる。特に、強磁性モールド材料は、その外側円周表面32aに向かう第1のテーパ部と、その内側中央開口表面32bに向かう第2のテーパ部とを有する。テーパ部の目的は、センサ10を成形空洞から取り外すことを容易にするためである。表面32a、32bのテーパ部の角度は、互いに同じでも類似してもよく、通常、表面32a、32bのテーパ部の角度は、約15から20度未満である。一部の実施形態では、テーパ部の角度は、約2〜7度である。
【0049】
[0090]
図1Bおよび1Cの図に見られ得るように、パッケージングされた磁場センサ10は、たとえば組立てを容易にするために切頂縁42を有することができ、それによってリードを曲げることを容易にし、センサ10を、使用において、センサ10を保持する回路基板またはハウジングなどの他の構造に対して機械的に位置付けるのを助ける。この場合、強磁性モールド材料30は、より正確には、Dリング構造または磁石として説明され得る。
【0050】
[0091]さらに
図2も参照すれば、
図1と同じ要素が同じ参照記号を用いて標識される代替の磁場センサ50は、半導体ダイ14、磁場感知素子22、リードフレーム18、非導電性モールド材料20、および強磁性モールド材料30を含む。センサ50は、第3のモールド材料54が強磁性モールド材料30の中央領域内に付加されることにおいてセンサ10(
図1)とは異なる。
【0051】
[0092]第3のモールド材料54は、第3の成形ステップ(
図8)または他の適切な製作技術によって強磁性モールド材料30に固定されるように成形され得る。第3のモールド材料54は、硬質の強磁性材料、軟質の強磁性材料、または非強磁性モールド化合物からなることができる。
【0052】
[0093]1つの実施形態では、強磁性モールド材料30は硬質の強磁性材料からなり、第3のモールド材料54は軟質の強磁性材料からなり、2つの極が非導電性モールド材料の第2の表面20bに隣接するように磁化された集中器を提供する。上記で参照された米国特許第5,781,005号に説明されるように、磁場トランスデューサ22に対して両極が近くに存在することは、強磁性目標物が存在しないときに磁束線を短絡させる役割を
果たし、それによって空隙に関係なく磁束密度マップのベースラインを下降させ、目標物の存在と目標物の不在状態を見分ける能力を高める。
【0053】
[0094]センサ50は、第1の強磁性材料と第3のモールド材料の間に、ここでは形態またはリッジ18cの代替の固定機構を含む。固定機構の他の例は、接着材料の使用および/または干渉をもたらすように設計されたさまざまな他の特徴および/またはモールド材料間のインターロック機構を含む。
【0054】
[0095]さらに
図2Aも参照すれば、
図2と同じ要素が同じ参照記号を用いて標識される代替の磁場センサ56は、半導体ダイ14、磁場感知素子22、リードフレーム18、非導電性モールド材料20、強磁性モールド材料30、および強磁性モールド材料の中央領域内の第3のモールド材料54を含む。センサ56は、ここでは、センサが、リードフレーム18がダイ14の上方に配置されたリードオンチップ構成で配置される点において
図2のセンサ50とは異なる。接着剤58が、リードフレーム18をダイの活性表面14aに固定するために使用され得る。ここではリード24aおよび24bは、それぞれのワイヤボンド26a、26bによってダイ14に電気的に結合される。
【0055】
[0096]
図3を参照すれば、別の代替の磁場センサ60は、磁場感知素子64が中に配設された第1の活性表面62aと、リードフレーム70の第1の表面70a上のダイ取り付け領域66に取り付けられた第2の対向する表面62bとを有する半導体ダイ62と、ダイおよびリードフレームの少なくとも一部分を封入する非導電性モールド材料74と、非導電性モールド材料の一部分に固定された強磁性モールド材料80とを含む。
図1のかかり(barb)18c、
図1Cのタブ18C’、
図2のリッジ18c”などの固定機構または他の適切な機構が、非導電性モールド材料と強磁性モールド材料の間の接着を強化するために設けられ得る。
【0056】
[0097]強磁性モールド材料80は、リードフレーム70の近位の第1の端部80aから、リードフレームから遠位の第2の端部80bまでテーパにされる。活性ダイ表面62aは、ダイ取り付け領域66に取り付けられたダイ表面62bの反対側にあり、したがって、この構成は、「ダイアップ」配置と称され得る。
【0057】
[0098]強磁性モールド材料80は、その外側円周表面82aおよびその内面82bの両方に沿って、その第1の端部80aからその第2の端部80bまでテーパにされる。ここでも、表面82aのテーパ部の角度は、約15〜20度未満でよい。内面82bのテーパ部の角度は、外面82aのテーパ部の角度と同じでも類似してもよい。
【0058】
[0099]非導電性モールド材料74は、図示されるように、リードフレーム70の第2の表面70bから外方に延びる突起部76を有する。突起部76は、(強磁性モールド材料の第2の端部80bに隣接する)センサ60の底部表面内に隙間が存在することを防止するが、これは、隙間の存在により、(以下で説明する)オーバーモールディングがより難しくなるためである。突起部は、強磁性モールド材料の第2の端部80bまですべてまたはその途中の一部だけ延びることができる(
図3Aも参照)ことが当業者によって理解されるであろう。
【0059】
[00100]強磁性モールド材料80は、ここでは内側円周表面80aによって画定され、
結果としてリングまたはO字形状の磁石80をもたらす中央開口の形態の不連続な中央領域を有する。しかし、ここでも、強磁性モールド材料80の不連続中央領域は、例としてD字形状、C字形状、またはU字形状の構造を形成するように他の形状をとってもよいことが理解されよう。
【0060】
[00101]強磁性モールド材料80は、バイアス磁石を形成するために硬質の強磁性材料
からなることができる。代替的には、強磁性モールド材料80は、軟質の強磁性材料からなり、それによって集中器を形成することができることが理解されよう。
【0061】
[00102]センサ60は、任意選択で、デバイスを保護し電気的に絶縁するためにオーバ
ーモールドの形態の第3のモールド材料90を含むことができる。第3のモールド材料90は、第3の成形ステップ(
図8および8A)中に、または代替的には任意の適切な製作方法によって施与され得る。オーバーモールド90は、その目的が電気的絶縁をもたらすためであるため任意選択と考えられ、強磁性モールド材料80が十分に電気的に絶縁性である(たとえば特定の用途において約1メガオーム以上をもたらす)実施形態では、オーバーモールド90は、無くされてよい。オーバーモールド90は、
図1〜2のセンサ10、50および他の実施形態に対して設けられ得ることが理解されよう。
【0062】
[00103]オーバーモールド材料90を提供するのに適した材料は、それだけに限定され
ないが、PPS、ナイロン、Sumitomo Bakelite Co.,Ltd.のSUMIKON(登録商標)EME、またはHenkel AG & Co.KGaAのHysol(登録商標)モールド化合物などの標準的なダイ封止モールド化合物を含む。
【0063】
[00104]さらに
図3Aも参照すれば、別の磁場センサ84が、同じ参照記号を有する同
じ特徴を有して示される。明らかであるように、
図3Aのセンサ84は、突起部86が、強磁性モールド材料80の第2の端部80bの手前で終端する点のみ
図3のセンサ60とは異なる。したがって、
図3Aの実施形態では、突起部の遠位端部86aは、図示されるように強磁性モールド材料80によって覆われる。
【0064】
[0105]さらに
図4および4Aも参照すれば、代替のIC SIPパッケージで提供される磁場センサ100は、非導電性モールド材料および強磁性モールド材料104、108それぞれを含み、さらに、少なくとも1つ、ここでは2つの、抵抗装置、インダクタ、またはコンデンサなどの集積受動構成要素を含み、ここでは、コンデンサ102a、102bが、リードフレーム110に取り付けられている。センサ100は、半導体ダイ116が固定されたダイ取り付け領域112を有するリードフレーム110を含む。磁場感知素子122は、ダイ116の活性表面116a内に配設される。ここでも活性ダイ表面116aは、リードフレーム110のダイ取り付け領域112に固定されたダイ表面116bの反対側にある。したがって、この配置は、「ダイアップ」配置と称され得る。
図4Aの強磁性モールド材料108と
図1〜3のものとの厚さを比較することから明らかになるように、さまざまな厚さが、個々の実施形態に応じて可能である。一例として、強磁性モールド材料が、集中器をもたらすために軟質の強磁性材料を含む一部の実施形態では、強磁性モールド材料は、永久磁石をもたらすために硬質の強磁性材料を含む場合より幾分薄くなることが望ましくなり得る。同様に、さまざまなパッケージ形状も可能である。
【0065】
[0106]リードフレームの複数のリード120a〜120hは、ダイによって支持された回路に、ここではワイヤボンド118a〜118d(リード120e〜120hそれぞれに関して示されるように)によって電気的に結合される。コンデンサ102a、102bは、EMC、ESDを低減するため、またはセンサ100に関する他の電気的問題に対処するために有用になり得る。たとえば、コンデンサ102a、102bでは、センサへの電力は、ワイヤの破損または損傷の場合、出力状態を保持することによってパワーオンリセット(power on rest)状態を防止するためにより長く保持され得る。また、他の数のコンデンサを有することも可能であり、たとえば、1つのコンデンサが、電力と接地、または出力部と接地ピンの間に設けられてよい。
【0066】
[0107]リードフレーム110は、ダイ116がその上に配置されるリードフレームの表
面110aの下方にコンデンサ102a、102bが配置され得る、切り欠き、窪み、凹部領域114(
図4A)を有することができる。コンデンサが、リードフレーム表面110aの下方に配置される状態では、センサの「活性領域深さ」およびパッケージ全体の厚さは、有利には、リードフレーム表面110a上に装着されたコンデンサを有するパッケージと比較して低減される。活性領域深さは、磁場トランスデューサ122から非導電性モールド材料の「上部」表面104aまでの距離を指す。集積コンデンサを含むセンサ100の追加の態様が、本出願の譲受人に譲渡された、「Methods and Apparatus for Passive Attachment of Components for Integrated Circuits(集積回路用の構成要素の受動取り付けのための方法および装置)」という名称の米国特許出願公開第2008−0013298−A1号において説明される。
【0067】
[0108]非導電性モールド材料104および強磁性モールド材料108は、
図1〜3に関連して上記で論じられた非導電性モールド材料および強磁性モールド材料と同じでも類似してもよい。非導電性モールド材料104は、半導体ダイ116、リードフレーム110の少なくとも一部分、およびコンデンサ102a、102bを封入する。強磁性モールド材料108は、非導電性モールド材料104の一部分に固定され、固定機構が、非導電性モールド材料と強磁性モールド材料の間に設けられて接着を強化することができる。
【0068】
[0109]強磁性モールド材料108は、強磁性材料からなる。ここでも、強磁性モールド材料108を含む強磁性材料は、上記で説明されたタイプの軟質の強磁性材料でよく、この場合、強磁性モールド材料は、集中器を形成する。代替的には、強磁性モールド材料108を含む強磁性材料は、上記で説明されたタイプの硬質の強磁性材料でよく、この場合、強磁性モールド材料は、たとえばバイアス磁石を形成する。
【0069】
[0110]さらに
図5および5Aも参照すれば、別の代替のICパッケージを有する磁場センサ130は、非導電性モールド材料および強磁性モールド材料134、138それぞれを含み、さらに、少なくとも1つ、ここでは3つの集積受動構成要素、ここではコンデンサ132a、132b、および132cを含む。センサ130は、半導体ダイ146を受け入れるための第1の表面140a上のダイ取り付け領域148と、第2の対向する表面140bとを有するリードフレーム140を含む。磁気感知素子136は、ダイ146の活性表面146a内に配設される。ここでも、ダイ146の活性表面146aは、ダイ取り付け領域に固定されたダイ表面146bの反対側にある。したがって、この配置は、「ダイアップ」配置と称され得る。
【0070】
[0111]ここでは、表面装着リードの形態のリードフレームの複数のリード142a〜142fは、ダイによって支持された回路に、ここではワイヤボンド144a〜144d(リード142c〜142fそれぞれに関して示されるように)によって電気的に結合される。コンデンサ132a〜132cは、コンデンサ132bに関して
図5Aの断面図において示されるように、ダイ取り付け領域148が位置する表面146aの反対側のリードフレームの第2の表面140b上でリードフレーム140に取り付けられる。コンデンサが、リードフレーム140の下方にこの形で配置される状態において、活性領域深さおよびパッケージの全体厚さは、有利には、リードフレームの「上部」表面140a上に装着されたコンデンサを有するパッケージと比較して低減される。集積コンデンサを含むセンサ130の追加の態様が、本出願の譲受人に譲渡された、「Methods and Apparatus for Passive Attachment of Components for Integrated Circuits(集積回路用の構成要素の受動取り付けのための方法および装置)」という名称の米国特許出願公開第2008−0013298−A1号において説明される。
【0071】
[0112]非導電性モールド材料134および強磁性モールド材料138は、
図1〜3に関連して上記で論じられた非導電性モールド材料および強磁性モールド材料と同じでも類似してもよい。非導電性モールド材料134は、半導体ダイ146、リードフレーム140の少なくとも一部分、およびコンデンサ132a〜132cを封入する。強磁性モールド材料138は、非導電性モールド材料134の一部分に固定され、固定機構が、非導電性モールド材料と強磁性モールド材料の間に設けられて接着を強化することができる。
【0072】
[0113]強磁性モールド材料138は、強磁性材料からなる。ここでも、強磁性モールド材料138を含む強磁性材料は、上記で説明されたタイプの軟質の強磁性材料でよく、この場合、強磁性モールド材料は、集中器または磁束ガイドを形成する。代替的には、強磁性モールド材料138を含む強磁性材料は、上記で説明されたタイプの硬質の強磁性材料でよく、この場合、強磁性モールド材料は、バイアス磁石を形成する。
【0073】
[0114]さらに
図5Bも参照すれば、非導電性モールド材料および強磁性モールド材料134、138の形状が、リードフレームの表面140bおよびコンデンサ132bの輪郭を辿るように合わされたセンサ130の代替の断面図が、示される。より具体的には、非導電性モールド材料134は、磁場センサダイ146、リードフレーム140の一部分、およびコンデンサ132bを封入し、図示されるリードフレームの表面140bの近傍に低減された厚さを有する。この配置では、強磁性モールド材料138は、
図5Aの断面図におけるものより半導体ダイ146により近くなる。強磁性モールド材料138と磁場感知素子136の間の近接近性により、強磁性モールド材料によって提供された集中器および/またはバイアス磁石の効果性が高められる。
【0074】
[0115]
図6を参照すれば、電流センサを実現し得るような磁場センサ150は、非導電性モールド材料および強磁性モールド材料174、178それぞれを含み、少なくとも1つの集積構成要素、ここではコンデンサ172を含む。センサ150は、第1の表面156aおよび第2の対向する表面156bを有するリードフレーム156を含む。リードフレーム156は、複数のリード152a〜152hおよび電流導体部分154を含む。ここでは、コンデンサ172は、リードフレームの(
図6の図に関して)「底部」の表面156b上のリードフレーム156に固定される。
【0075】
[0116]センサ150はまた、第1の表面166aおよび第2の対向する表面166bを有する半導体ダイ166も含む。ダイ166は、第1の表面166a内に配設された磁場感知素子158を有する。ダイ166は、磁場感知素子158が電流導体部分154と近接近状態になるようにリードフレーム156上に配設される。ダイ166は、ダイが集積回路パッケージ内に装着される従来の配向に関連して逆さまであり(すなわち第1の表面166aが下方向に向けられる)、「フリップチップ」構成として称され得る配向を有する。
【0076】
[0117]第1の表面166a上のはんだボール160a〜160cが、図示されるようにリード152e〜152hに直接的に結合される。絶縁体164が、ダイ166をリードフレーム156から分離する。絶縁体164は、さまざまな方法で設けられ得る。たとえば、1つの実施形態では、絶縁体164の第1の部分は、ダイ166の第1の表面166a上に直接的に堆積されたBCB樹脂材料の層を含む。絶縁体164の第2の部分は、リードフレーム156上に堆積された、アンダーフィル材料の層、またはそれだけに限定されないが、Kapton(登録商標)テープなどのポリマーテープを含むテープ材料を含むことができる。
【0077】
[0118]このスモールアウトライン(small outline)集積回路(SOIC)パッケージ配置では、ホール効果素子158が、電流導体部分154に近接近して、導
体部分154に対して所定の位置に配設され、それにより、電流導体部分154を電流が通り抜けることによって生成された磁場は、磁場感知素子158の最大反応軸とほぼ位置合わせされた方向にある。センサ150の追加の態様が、本出願の譲受人に譲渡された、「Current Sensor(電流センサ)」という名称の米国特許出願公開第2008/0297138号に説明される。
【0078】
[0119]3つのはんだボール160a〜160cが示されているが、ダイ166を安定化させるためのダミーのはんだボールを含む任意の数のはんだボールが、設けられ得る。また、はんだボール160a〜160cが示されているが、それだけに限定されないが、金バンプ、共晶または高鉛はんだバンプ、無鉛はんだバンプ、金スタッドバンプ、ポリマー導電性バンプ、異方導電性ペースト、または導電フィルムを含む他の接続方法もまた、使用され得る。
【0079】
[0120]非導電性モールド材料174および強磁性モールド材料178は、
図1〜3に関連して上記で論じられた非導電性モールド材料および強磁性モールド材料と同じでも類似してもよい。したがって、非導電性モールド材料174は、磁場センサダイ166、リードフレーム152の少なくとも一部分、およびコンデンサ172を封入する。強磁性モールド材料178は、非導電性モールド材料174の一部分に固定され、固定機構が、非導電性モールド材料と強磁性モールド材料の間に設けられて、接着を強化することができる。
【0080】
[0121]強磁性モールド材料178は、強磁性材料からなる。ここでも、強磁性モールド材料178を含む強磁性材料は、上記で説明されたタイプの軟質の強磁性材料でよく、この場合、強磁性モールド材料は、集中器または磁束シールドを形成する。作動においては、磁束集中器178は、電流導体部分154を通過する電流によって生成された磁束を集中させる傾向があり、それによって電流センサ150に、別の形で可能であるものよりも高い感受性を持たせる。磁束集中器178はまた、特定の構成では小さい磁場を磁気センサ素子から外方に誘導し、したがって、センサを外部からかけられた漂流電界から遮蔽する傾向もある。代替的には、強磁性モールド材料178を含む強磁性材料は、上記で説明されたタイプの硬質の強磁性材料でよく、この場合、強磁性モールド材料はバイアス磁石を形成する。
【0081】
[0122]
図7を参照すれば、別の代替の磁場センサ180は、複数の磁場感知素子184a〜184bが中に配設された第1の表面182aと、リードフレーム188の第1の表面188a上のダイ取り付け領域186に取り付けられた第2の対向する表面182bとを有する半導体ダイ182と、ダイおよびリードフレームの少なくとも一部分を封入する非導電性モールド材料190と、非導電性モールド材料の一部分に固定された強磁性モールド材料194とを含む。明確であるように、磁場感知素子184a〜184bは、ここでは、第1のダイ表面182a「上」に磁気抵抗素子のやり方で配設されるように示される。しかし、上記で指摘されたように、本明細書において説明されたこのおよび他の実施形態は、任意の磁場感知デバイスタイプを利用することができることが理解されよう。
【0082】
[0123]非導電性モールド材料190および強磁性モールド材料194は、
図1〜3に関連して上記で論じられた非導電性モールド材料および強磁性モールド材料と同じでも類似してもよい。強磁性モールド材料194は、強磁性材料からなる。ここでも、強磁性モールド材料194を含む強磁性材料は、上記で説明されたタイプの軟質の強磁性材料でよく、この場合、強磁性モールド材料は、集中器を形成する。代替的には、強磁性モールド材料194を含む強磁性材料は、上記で説明されたタイプの硬質の強磁性材料でよく、この場合、強磁性モールド材料は、バイアス磁石を形成する。
【0083】
[0124]強磁性モールド材料194は、図示されるように、非導電性モールド材料の上部表面190aの部分を含む、非導電性モールド材料190のいくつかの表面と接触する。強磁性モールド材料194が磁場感知素子184a、184bに隣接するこうした配置では、磁場感知素子がGMR素子である実施形態において特に望ましいものになり得るような、強磁性モールド材料が非導電性モールド材料の上部表面190aの上方を延びない実施形態(たとえば
図1〜3)より低い磁場が、達成され得る。さらに、強磁性モールド材料を上部表面190aの上方に設けることで、固定機構の形態として作動することもでき、それによって非導電性材料と強磁性モールド材料の間の接着を向上させる。
【0084】
[0125]
図8を参照すれば、フロー図は、
図1〜7のセンサを製作するための例示的なプロセスを示す。ステップ200では、リードフレーム(たとえば
図1のリードフレーム18)が、形成される。さまざまな材料およびプロセスが、リードフレームを形成するために使用され得る。一例として、リードフレームは、銅または銅合金などの型打ちされたまたはエッチングされた金属でよい。
【0085】
[0126]ステップ204では、半導体ダイ(たとえば
図1のダイ14)が、リードフレームに取り付けられる。たとえば、ダイは、はんだ付けによってまたはエポキシ樹脂(導電性または非導電性のエポキシ樹脂が、必要に応じて使用されてよい)もしくは接着テープを用いるなどの従来の技術によってダイ取り付け領域(たとえば
図1のダイ取り付け領域16)に取り付けられてよい。代替的には、フリップチップ配置の場合、ダイは、たとえばはんだボールを用いてリードフレームに取り付けられてよい。
【0086】
[0127]任意選択のステップ206では、集積構成要素(たとえば
図4のコンデンサ102a〜102b)がリードフレーム上に設けられる。コンデンサは、はんだプロセスまたは導電性エポキシ樹脂プロセスによってリードフレーム上に取り付けられ得る。さらに、ステップ206はステップ204と組み合わせられてよく、それにより、単一のはんだリフローまたはエポキシ樹脂硬化熱サイクルが、ダイをダイ取り付け領域に固定し、またコンデンサをリードフレームに固定するために使用され得る。
【0087】
[0128]別の任意選択のステップ208では、それだけに限定されないが磁場感知素子を含むダイによって支持された回路が、ワイヤボンディングなどによってリードフレームのリードに電気的に結合される。ステップ208は任意選択であるが、その理由は、
図6のフリップチップ構成などの特定の構成では、ステップ204においてダイをリードフレームに取り付けることは、はんだバンプの使用を用いるなどによって回路をリードに結合することを含むためである。
【0088】
[0129]非導電性モールド材料は、ダイ/リードフレームの副組立体が、非導電性モールド材料が中に導入されるモールド空洞内に置かれるステップ212および216において、射出成形、圧縮成形、トランスファー成形またはポッティングによって形成される。
【0089】
[0130]ステップ218では、このとき非導電性モールド材料を含む副組立体は、(任意選択で非導電性モールド材料の組成に応じて硬化の適切な時間間隔をあけて)第1のモールド空洞から取り外され、第2のモールド空洞内に置かれる。ステップ222では、強磁性モールド材料が第2のモールド空洞内に導入されて、バイアス磁石または集中器を形成する。
【0090】
[0131]上記で指摘されたように、一部の実施形態では、強磁性モールド材料は、熱硬化性接着剤(たとえば2部分エポキシ樹脂)などの接着剤を用いて非導電性モールド材料に固定され得る。1つのそのような例によれば、ステップ222の前(たとえばステップ218と222の間)、エポキシ樹脂は、非導電性モールド材料20(
図1)の底部表面2
0bおよび下側の側部に施与され、エポキシ樹脂は、ステップ222における強磁性モールド材料の成形中にかけられた熱の結果硬化する。
【0091】
[0132]センサが、第3のモールド材料(たとえば、
図2の第3のモールド材料54または
図3のオーバーモールド材料90)を含む場合、その後ステップ226において(任意選択では、第3またはオーバーモールド材料に応じて硬化の適切な時間間隔をあけて)、非導電性モールド材料および強磁性モールド材料を含む副組立体が、第2のモールド空洞から取り外され、第3のモールド空洞内に置かれ、ステップ228において、第3のモールド材料またはオーバーモールド材料が、第3のモールド空洞内に導入される。追加のモールド材料の使用が可能であることが当業者によって理解されるであろう。ステップ230では、副組立体は、最終のモールド空洞(すなわち第3のモールドが使用されない実施形態では第2のモールド空洞またはそのようなものが使用される実施形態では第3のモールド空洞)から取り外される。
【0092】
[0133]さらに
図8Aも参照すれば、フロー図は、
図1〜7のセンサを製作するための代替のプロセスを示す。ステップ232では、リードフレームが形成される。ステップ234では、リードフレームはモールド空洞内に置かれる。ステップ236では、強磁性モールド材料(たとえば
図1のモールド材料30)が、モールド空洞内に導入されて磁石または集中器を形成する。
【0093】
[0134]ステップ238では、リードフレームおよび強磁性モールド材料を含む副組立体は、モールド空洞から取り外され、半導体ダイは、はんだ付けによってまたはエポキシ樹脂もしくは接着テープを用いるなどによってリードフレームのダイ取り付け領域に取り付けられる。任意選択のステップ240では、
図4のコンデンサ102a〜102bなどの集積構成要素が、リードフレームに取り付けられる。ここでも、ステップ238および240は組み合わされてよく、それにより、単一のはんだリフローまたはエポキシ樹脂硬化が、ダイをダイ取り付け領域に固定し、またコンデンサをリードフレームに固定するために使用され得る。
【0094】
[0135]別の任意選択のステップ242では、含むダイによって支持された回路が、ワイヤボンディングなどによってリードフレームのリードに電気的に結合される。ステップ242は任意選択であるが、その理由は、
図6のフリップチップ構成などの特定の構成では、ステップ238においてダイをリードフレームに取り付けることは、はんだバンプの使用を用いるなどによって回路をリードに結合することを含むためである。
【0095】
[0136](
図1のモールド材料20などの)非導電性モールド材料は、ダイ/リードフレームの副組立体が、非導電性モールド材料が中に導入されるモールド空洞内に置かれるステップ244において、射出成形、圧縮成形、トランスファー成形またはポッティングなどによって形成される。
【0096】
[0137]センサが、第3のモールド材料(たとえば、
図2の第3のモールド材料54または
図3のオーバーモールド材料90)を含む実施形態では、その後ステップ246において(任意選択では、第3またはオーバーモールド材料に応じて硬化の適切な時間間隔をあけて)、非導電性モールド材料および強磁性モールド材料を含む副組立体が、第2のモールド空洞から取り外され、第3のモールド空洞内に置かれ、ステップ248では、第3のモールド材料またはオーバーモールド材料が、第3のモールド空洞内に導入される。ステップ249では、副組立体は、最終のモールド空洞(すなわち任意選択のステップ246、248のどちらが実施されるかに応じて第2または第3のモールド空洞)から取り外される。
【0097】
[0138]
図8および8Aに関連して説明された製作プロセスのモールドステップは、同じまたは異なるモールドプロセスによって達成され得る。たとえば、成形ステップ216、222、および230のすべては、トランスファー成形などの同じ成形プロセスによって達成されてよい。代替的には、1つまたは複数のそのようなステップは、トランスファー成形によるものでよく、他のそのようなステップは、射出成形によるものでよい。したがって、さまざまなモールドステップは、同じまたは異なる成形プロセスによるものでよく、したがってたとえば同じまたは異なる速度および/または圧力でよいこともまた当業者によって理解されるであろう。通常、モールドの設置および硬化時間は、モールドプロセス(たとえば成形圧力、速度、および温度を考慮して)、モールド材料およびモールド外形に基づいて選択され得る。
【0098】
[0139]一部の用途では、トランスファー成形は、(たとえば射出成形と比べて)圧力が比較的低く、モールド空洞が薄いという要件のために望ましい。圧力が低いという結果、トランスファー成形は、全般的には、結果としてセンサに対する応力を小さくすることができ、より薄いモールド空洞を使用できることにより、1モールドショットあたりの処理能力が増大し、それによって製作コストが低減され得る。
【0099】
[0140]さらに
図9も参照すれば、別の態様によれば、バイアス磁石または集中器は、半導体ウエハ250の第1の表面250aの上方に形成された強磁性材料の層254によってもたらされ得る。さまざまな従来のウエハレベルのパッケージング技術、たとえば鋳込み、成形、またはコーティングなどが、層254を提供するために使用されてよい。
図10〜13の磁場センサの実施形態は、ウエハ250から形成される。層254がバイアス磁石をもたらす実施形態では、層は、硬質フェライト、NdFeB合金、SmCo合金、NdFeB合金、硬質の磁気粒子を備えた熱可塑性ポリマー、または硬質の磁気粒子を備えた熱硬化性ポリマーなどの硬質の磁気材料粒子を含む材料からなる。層254が集中器をもたらす実施形態では、層は、NiFe、Ni、Ni合金、鋼、またはフェライトなどの軟質の強磁性材料からなる。
【0100】
[0141]強磁性層254の厚さは、個々の用途、およびそれだけに限定されないが、磁場感知素子の感受性および空隙を含む個々のセンサ特徴に合わせられ得る。層254の例示的な厚さは、約100から500ミクロンである。
【0101】
[0142]さらに
図10も参照すれば、磁場センサ260は、ダイ264の第1の表面264a内に配設された磁場感知素子262と、ダイ264の第2の対向する表面264bの上方に形成された強磁性材料層266とを含む。ダイ264および層266は、ウエハ250(
図9)を個々のICデバイスダイに四角く切ることによってもたらされ得る。リードフレーム268は、リード268a、268bと、ダイの第2の表面264bが取り付けられたダイ取り付け領域(
図10ではみることはできない)とを含む。リードフレーム268(
図10では明確にするために図示されない)部分は、他のリードフレーム実施形態のやり方でダイを支持するために延びることができる。ダイの第1の表面264aによって支持された感知素子262および他の回路は、図示されるようなワイヤボンドなどのさまざまな技術によってリードに結合され得る。ダイ/リードフレーム副組立体は、図示されるようにオーバーモールド材料270を用いてオーバーモールドされてパッケージングされた磁場センサデバイス260をもたらすことができる。
【0102】
[0143]さらに
図11も参照すれば、
図9のウエハ250を個々のICデバイスダイに分離することによって形成され得るような別の代替の磁場センサ300が、示される。センサ300は、ダイ308の第1の表面308a内に配設された磁場感知素子304と、ダイ308の第2の対向する表面308bの上方に形成された強磁性材料層310とを含む。はんだボール312が、磁場感知素子304および関連する回路をリードフレーム(図
示せず)に、
図6に示される配置に類似するフリップチップ配置などで結合するために、ダイの第1の表面308aの上方に設けられる。したがって、リードフレームは、
図6のリードフレームと同じでも類似してもよい。
【0103】
[0144]さらに
図12も参照すれば、これもまた
図9の半導体ウエハ250を個々のダイに分離することによって形成され得る別の代替の磁場センサ320は、ダイ328の第1の表面328a内に配設された磁場感知素子324と、ダイ308の第2の対向する表面328bの上方に形成された強磁性材料層330とを含む。
【0104】
[0145]はんだボール334は、磁場感知素子324および関連する回路を、上記で説明されたリードフレームの任意のものなどのリードフレーム、印刷回路板(PCB)またはたとえばマルチチップ・モジュール(MCM)の形態をとることができるような、ダイもしくは構成要素を有する他の基板に結合するために形成される。はんだボール334は、ここでは強磁性層330の上方に形成されてよいが、層330の領域は、図示されるように、レーザ切断などによって開かれてはんだボールがダイ328と接触することを可能にする。シリコン貫通電極(TSV)338が、ダイ328を貫通して形成されて、磁場感知素子324および関連する回路を、図示されるように、リードフレームとさらに結合させるためにはんだボール334に結合する。TSVは、強磁性材料330をウエハに施与する前に形成されて、強磁性材料をウエハ製作プロセスから分離し、TSV工具の潜在的な二次汚染を低減することができる。
【0105】
[0146]
図9の半導体ウエハ250を個々のダイに四角く切ることによって形成され得る別の磁場センサの実施形態340が、強磁性材料の層346がその上に形成される第1の表面344aと、第2の対向する表面344bとを有する半導体ダイ344を含むように
図13に示される。(基板またはエピ層内のホールセンサとして示される)磁場感知素子348および関連する回路(図示せず)は、ダイの第1の表面344a内に配設される。TSV350が、ダイ344を貫通して形成されて、磁場感知素子348を、図示されるように、上記で説明されたリードフレームの任意のものと同じでも類似してもよいリードフレームにさらに結合させるためにはんだボール352に結合する。任意選択の層354が、ダイを層346内の粒子から保護するためにダイ表面344aと層346の間に設けられ得る。そのような実施形態では、層354は、それだけに限定されないが、ウエハレベルに堆積されたポリイミドもしくはBCB層、またはテープ層または他の絶縁体を含むことができる。
【0106】
[0147]さらに
図14も参照すれば、
図10〜13のセンサ260、300、320、340を製作するための例示的なプロセスが示される。ステップ370では、1つまたは複数の磁場感知素子および関連する回路が、ウエハの第1の活性表面内に形成される。ダイの第1の表面内に形成された磁場センサおよび他の回路が、リードフレームまたはダイの第2の対向する表面から他の構造に結合される実施形態では、TSVが、ウエハを貫通して形成され、はんだボール(たとえば
図12のはんだボール334)が、ステップ370においてウエハの上方に形成され、またはこれに施与される。
【0107】
[0148]ステップ374では、
図11の層310などの強磁性材料の層が、鋳込み、成形またはコーティングなどによるさまざまなウエハレベルのパッケージング技術の任意のものによって半導体ウエハの表面上に形成される。
【0108】
[0149]リードフレームは、任意選択のステップ378において形成され得る。さまざまな材料およびプロセスが、リードフレームを形成するために使用され得る。例として、リードフレームは、銅、銅合金、または一部の場合はKovar(商標)などの軟質の磁気材料などの型打ちされたまたはエッチングされた金属でよい。
【0109】
[0150]任意選択のステップ386では、ダイならびに磁場感知素子および関連する回路が、リードフレームに取り付けられる。ダイ/リードフレーム副組立体は、任意選択のステップ390においてモールド空洞内に置かれ、オーバーモールド材料が、モールド空洞内に導入されて任意選択のステップ394においてダイおよびリードフレームの一部分を封入する。ステップ378〜394は任意選択と考えられるが、これは、たとえば
図13に関連して上記で述べられたように、一部の実施形態では、ダイは、リードフレームを用いることなく、PCB、MCM、または他の構造体に取り付けられ得るためである。
【0110】
[0151]別の磁場センサ実施形態400が、磁場感知素子404が中に形成された第1の活性表面402aと、第2の対向する表面402bとを有する半導体ダイ402を含むように
図15に示される。リード406a〜406cを有するリードフレーム406には、ダイ402の表面402bが、エポキシ樹脂または接着テープなどの接着剤を用いるなどによって取り付けられるダイ取り付け領域406dが設けられる。
【0111】
[0152]バイアス磁石410には、不連続の中央領域410aが設けられる。上記で説明された実施形態のように、バイアス磁石410は、リング形状構造の形態をとることができ、この場合、不連続の中央領域は、開口であり、または代替的には、D字形状構造、C字形状構造、またはU字形状構造などの部分的のみまたは代替のリング形状構造の形態を形成することができる。
【0112】
[0153]磁石410は、中央領域410aから横方向に延びる1つまたは複数のチャネル410bを含む。ダイ/リードフレーム/磁石副組立体は、オーバーモールド材料412でオーバーモールドされてダイ、磁石、およびリードフレームの一部分を封入する。ここでは、磁石チャネル410bは、これ以後説明されるようにオーバーモールドステップを容易にする目的で設けられる。
【0113】
[0154]バイアス磁石410は、さまざまな実施形態において強磁性モールド材料の場合に上記で説明されたように、射出成形またはトランスファー成形などの成形プロセスによって形成され得る。この場合、磁石410は、(たとえば、
図8Aに関連して上記で説明されたやり方で)リードフレーム406に成形され得る。代替的には、磁石410は、別個に成形された構造でよく、または焼結された磁石でよく、エポキシ樹脂または接着テープを用いてリードフレームに取り付けられてよい。
【0114】
[0155]さらに
図16も参照すれば、
図15の磁場センサ400を製作するための例示的なプロセスが、示される。リードフレーム406は、任意の従来の方法によってステップ420において形成される。ステップ424では、1つまたは複数の磁場感知素子および関連する処理回路が、半導体ダイ402の第1の表面402a内に形成される。ステップ428では、不連続の中央領域410aおよび1つまたは複数の横方向に延びるチャネル410bを有するバイアス磁石410が、形成される。磁石410が成形プロセスによって形成される実施形態では、モールド空洞には、1つまたは複数のチャネルを強磁性モールド材料内に形成する構造が設けられ得る。磁石410は、ステップ432において、エポキシ樹脂または接着テープを用いるなどによってリードフレームに取り付けられる。磁石410がリードフレームに成形される実施形態では、ステップ428および432は組み合わせられ得る。
【0115】
[0156]ステップ436では、ダイ/リードフレーム副組立体は、ステップ440においてオーバーモールド材料412(
図15)でオーバーモールドするためにモールド空洞内に置かれる。ステップ444では、デバイス400は、1つまたは複数のチャネル410bを通して真空化される。たとえば、空気が、チャネル(複数可)410bに結合された
真空システム(図示せず)を用いて中央領域410aから除去されてよい。1つまたは複数のチャネルを使用して不連続の中央領域の真空化を可能にすることは、上記で説明された実施形態に適用されてよいこともまた理解されよう。たとえば、
図8のステップ222では、第2のモールド空洞は、第2の成形材料が、1つまたは複数のチャネルを有するよう形成されるようにサイズ設定され配置された1つまたは複数の構造を有することができる。
【0116】
[0157]さらに
図17も参照すれば、代替の磁場センサ450は、半導体ダイ452、磁場感知素子462、リードフレーム454、非導電性モールド材料456および強磁性モールド材料458を含む。センサは、ここでは図示されないが他の実施形態において上記で説明された、パッケージのサイズを458を超えて増大させることができる、第3のオーバーモールド材料を含むことができる。非導電性モールド材料456および強磁性モールド材料458は、他の実施形態に関連して上記で説明されたような材料と同じでも類似してもよい。センサ450は、図示されるように、対応するリード内で終端するリードフレーム部分454a、454b、および454cに取り付けられた、ここではコンデンサ464a、464bの形態の集積受動構成要素をさらに含む。ここでも、非導電性モールド材料456は、ダイ452、リードフレーム454の少なくとも一部分、およびコンデンサ464a、464bを封入する。
【0117】
[0158]ここでは、ダイ452は、リードフレーム454の上部に取り付けられる。接着剤が、ダイをリードフレーム454、より具体的にはリードフレーム部分454a、454b、および454cに固定するために使用され得る。したがって、この実施形態では、リードフレーム454のダイ取り付け領域は、複数のリード454a〜454cにわたって延びるため、ダイをリードフレームに取り付ける接着剤は、非導電性エポキシ樹脂またはKapton(登録商標)テープなどのダイ取り付けテープなどの、非導電性材料からなることができる。ここでは、リード454a〜454cは、ワイヤボンド480によってダイ452に電気的に結合される。センサ450は、
図8および8Aに示されるものなどの上記で説明された例示的なプロセスによって製作され得る。
【0118】
[0159]センサ450は、2つの固定機構を含む。第1の固定機構は、非導電性モールド材料456とリードフレーム454の接着を強化する役割を果たすリードフレーム内のスロット484の形態で設けられる。非導電性モールド材料を超えて延びるリードフレームの張り出し部分486の形態の第2の固定機構は、非導電性モールド材料456と強磁性モールド材料458およびリードフレームの接着を強化する役割を果たす。
図1に関して上記で指摘されたように、リードフレームの張り出し部分486が強磁性モールド材料内に延びるため、強磁性モールド材料は、非導電性でなければならず、またはリードが電気的に短絡してデバイスが意図されるように作動しない結果となることを防止するのに十分な低さの導電性を有さなければならないことが理解されよう。
【0119】
[0160]
図1と同じ要素が同じ参照記号を用いて標識される
図18を参照すれば、
図1のセンサ10に類似する形態の代替の磁場センサ500は、磁場感知素子またはトランスデューサ22が中に形成された第1の活性表面14aと、リードフレーム18の第1の表面18a上のダイ取り付け領域16に取り付けられた第2の対向する表面14bとを有する半導体ダイ14と、ダイおよびリードフレームの少なくとも一部分を封入する非導電性モールド材料20と、非導電性モールド材料に固定された強磁性モールド材料30とを含む。
【0120】
[0161]
図1のセンサ10のように、センサ500の強磁性モールド材料30は、非導電性モールド材料20の第2の表面20bから強磁性モールド材料30の第2の端部30bまで延びる中央開口40を有する。これもまたセンサ10と同じやり方で、センサ500
の強磁性モールド材料30は、その第1の端部30a(またはその第1の端部に近い場所)からその第2の端部30bにかけてテーパにされる。特に、強磁性モールド材料は、その外側周囲表面32aに向かう第1のテーパ部と、その内側中央開口表面32bに向かう第2のテーパ部とを有する。
【0121】
[0162]センサ500は、内側中央開口表面32b’のテーパが、単一の傾斜ではなく複数の傾斜を有するという点でセンサ10(
図1)とは異なる。表面32b’は、図示されるように第1の傾斜した部分504と、第2の傾斜した部分508とを有することができる。表面32aおよび32b’のテーパ部に関して、それぞれのテーパ部の個々の角度、およびそれぞれのテーパ部が単一の傾斜を有するか複数の傾斜した部分を有するかは、同じでも異なってもよく、個々のセンサ/製作に適合するように選択され得ることが理解されよう。表面32b’は、2つの傾斜した部分を有するように
図18に示されるが、3つ以上の傾斜が可能であることが理解されよう。
【0122】
[0163]
図1と同じ要素が同じ参照記号を用いて標識される
図19を参照すれば、
図1のセンサ10に類似する形態の代替の磁場センサ510は、磁場感知素子またはトランスデューサ22が中に形成された第1の活性表面14aと、リードフレーム18の第1の表面18a上のダイ取り付け領域16に取り付けられた第2の対向する表面14bとを有する半導体ダイ14と、ダイおよびリードフレームの少なくとも一部分を封入する非導電性モールド材料20と、非導電性モールド材料に固定された強磁性モールド材料30とを含む。
【0123】
[0164]
図1のセンサ10のように、センサ500の強磁性モールド材料30は、非導電性モールド材料20の第2の表面20bから強磁性モールド材料30の第2の端部30bまで延びる、ここでは512で標識された不連続の中央領域を有する。
【0124】
[0165]センサ510は、別個に形成された素子514が、強磁性モールド材料30の中央領域512内に配設されそこに固定される点において、センサ10(
図1)とは異なる。この配置は、
図1に示される開放領域の中央開口40と対照的であり、モールド材料30の中央領域が第3のモールド材料54を含む
図2の配置とも対照的である。
【0125】
[0166]より具体的には、別個に形成された素子514は、センサ510の他の素子と共に成形ステップによって形成されない。素子514は、機械加工されたまたは焼結された素子でよく、またはこれは、例として別個に成形された部分でよい。
【0126】
[0167]素子514は、さまざまな技術によってモールド材料30の領域512に固定され得る。たとえば、素子514は、接着剤を用いてまたは圧入配置を用いて成形材料30の表面32bに固定され得る。別の例として、別個に形成された素子514は、たとえばモールド材料30が中に射出されるモールド空洞内に置かれてよく、この場合、素子は、素子から延びるかかりなどの干渉特徴を用いてモールド材料30に固定され得る。さらに別の例として、材料30は、強磁性材料で充填され得るポッティング材料を用いてポッティングされ得る。図示される素子514は、モールド材料30の領域512のテーパ部と相補的なテーパ部を有するが、一部の実施形態では、素子514およびまたは領域512が、テーパでなくてよい、または異なるもしくは複数の傾斜でテーパにされてよいことが当業者によって理解されるであろう。
【0127】
[0168]素子514は、硬質の強磁性材料、軟質の強磁性材料、または非強磁性の非導電性材料からなることができる。1つの例として、別個に形成された素子514は、軟質のフェライトなどの軟質の強磁性材料で充填されたポッティング化合物からなることができる。別の例として、別個に形成された素子514は、領域512内に嵌合するようにサイ
ズ設定され成形された、焼結された鋼ロッドでよい。組立て時、素子514は、領域512内に配置され、接着剤を用いてモールド材料30の表面32bに固定され得る。代替的には、モールド材料30が、鋼ロッド素子514の周りに成形されてよい。
【0128】
[0169]
図4と同じ要素が同じ参照記号を用いて標識される
図20を参照すれば、
図4のセンサ100に類似する形態の代替の磁場センサ520は、非導電性モールド材料および強磁性モールド材料104、108それぞれを含み、さらに、少なくとも1つ、ここでは2つの、抵抗器、インダクタまたはコンデンサなどの集積受動構成要素を含み、ここではコンデンサ102a、102bが、リードフレーム524に取り付けられる。リードフレーム524は、半導体ダイ116が固定されるダイ取り付け領域を有する。磁場感知素子122は、ダイ116の活性表面内に配設される。
【0129】
[0170]センサ520は、リードフレーム524が、1つまたは複数のスロット、ここでは3つのスロット524a、524b、および524cを含む点において、
図4のセンサ100とは異なる。当技術分野でよく知られているように、変化するACまたは遷移磁場(たとえば通電導体を取り囲む磁場)の存在下で、渦電流が、導電性リードフレーム524内に誘発され得る。スロットの存在は、渦電流の位置および渦電流の影響を移動させてより小さい磁場誤差を生じさせることができ、それにより、ホール効果素子は、別の形で遭遇するよりも小さい、渦電流からの磁場に遭遇し、その結果、測定された場における誤差を少なくする。さらに、渦電流に関連する磁場が、均一でない、またはホール効果素子の周りで対称的でない場合、ホール効果素子は、望ましくないオフセット電圧を生成することがある。
【0130】
[0171]リードフレームのスロット524a、524bおよび524cは、閉鎖ループのサイズ(たとえば直径または通路長さ)および渦電流がリードフレーム524内で進行する、感知素子に対するループの位置を低減する傾向がある。渦電流が中で進行する閉鎖ループのサイズが低減された結果、渦電流を誘発した変化する磁場上のより小さい局所的な影響に対してより小さい渦電流が生じることが理解されよう。したがって、ホール効果122の素子を有するセンサの測定された磁場は、スロット524a〜524cにより、渦電流によってあまり影響を与えられない。
【0131】
[0172]ホール効果素子122の周りを回転する渦電流の代わりに、スロット524a〜524cは、ホール効果素子の各側に渦電流を生じさせる。渦電流の結果生じる磁場は付加的であるが、スロット無しの単一の渦電流と比べて、全体的な大きさの磁場強度は、感知素子の渦電流の距離が増大することにより小さくなる。3つのスロット524a〜eが示されているが、ホール効果素子122に対する渦電流の影響は、感知素子122の下方にスロット524cを有するだけで低減される。
【0132】
[0173]任意の数のスロットが、特定の用途の必要性を満たすために広くさまざまな構成において形成され得ることが理解される。
図20の例示的な実施形態では、第1、第2、および第3のスロット、524a、524b、および524cが、ダイ内の中央に位置するホール効果素子122に関連してリードフレーム524内に形成される。スロットは、渦電流の流れを低減し、センサの全体的なパフォーマンスを高める。
【0133】
[0174]スロットという用語は、リードフレームの導電性の中断を全般的に包含するものと広く解釈されなければならないことが理解される。たとえば、スロットは、いくつかの比較的大きい穴ならびに比較的高密度のより小さい穴を含むことができる。加えて、スロットという用語は、任意の特定の外形を指すことは意図されない。たとえば、スロットは、テーパ、楕円などの多種多様な規則性および不規則性の形状を含む。さらに、スロットの方向は変更することができることが理解される。また、センサのタイプに基づいてスロ
ットを配置することが望ましくなり得ることが明らかになろう。
【0134】
[0175]スロット付きリードフレーム524は、それだけに限定されないが、たとえば銅、銅合金、アルミニウム、銅、チタン、タングステン、クロム、Kovar(商標)および/またはニッケルまたは金属の合金を含む適切な導電性材料の金属層から形成され得る。スロット付きリードフレーム524の追加の詳細は、たとえば、その出願が本発明の譲受人に譲渡され、参照によって全体的に本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2012−0086090A1号に見出され得る。
【0135】
[0176]センサ520は、さらに、リードフレームの少なくとも1つのリードが、直列または「インライン」に結合された受動構成要素を有する点において
図4のセンサ100とは異なる。この目的を達成するために、連続的なまたは結合されたリードもしくはリード部分120aおよび120eによって別の形で形成されたリードは、分割または分断され、その部分は、1つまたは複数の受動構成要素106によって結合される。より具体的には、リード部分120aおよび120eの各々は、他方のリードの端部から離間されその近位にある端部を有する。受動構成要素106は、リード部分120aおよびリード部分120eの両方に結合され、それによってリードと直列に電気接続される。この配置は、有利には、受動構成要素を1つまたは複数のリードに直列結合することを可能にすることができる。
【0136】
[0177]受動構成要素106は、例として抵抗器、コンデンサ、またはインダクタなどのさまざまな形態をとることができ、その構成要素は、EMCパフォーマンスを向上させるためなどのさまざまな目的のために設けられる。一実施形態では、素子106は抵抗器である。また、1つだけのリードがインライン受動構成要素106を有するように示されるが、受動構成要素の同じまたは異なるタイプが、2つ以上のリードを用いて同様にインラインに結合され得ることが理解されよう。また、リード部分120aおよび120eによって形成されるものなどの単一のリードは、2つ以上の分断部と、それぞれの分断部にわたって結合された2つ以上の受動構成要素とを有することができ、それによって2つ以上の受動構成要素がそれぞれのリードと直列に結合される配置を形成する。
【0137】
[0178]
図1と同じ要素が同じ参照記号を用いて標識される
図21を参照すれば、
図1のセンサ10に類似する形態の代替の磁場センサ540は、磁場感知素子またはトランスデューサ22が中に形成された第1の活性表面14aと、リードフレーム18の第1の表面上のダイ取り付け領域に取り付けられた第2の対向する表面14bとを有する半導体ダイ14と、ダイおよびリードフレームの少なくとも一部分を封入する非導電性の、通常は非強磁性モールド材料20と、非導電性モールド材料に固定された強磁性モールド材料30とを含む。
【0138】
[0179]さらに
図21Aのセンサ540の上面図も参照すれば、リードフレーム18は、複数のリード24a、24b、および24cを有する。3つのリード24a〜24cが示されるが、2個から8個の間のリードなどのさまざまな数のリードが可能であることが理解されよう。
【0139】
[0180]本発明の態様によれば、センサ540は、抑制デバイス544を含む。抑制デバイス544は、センサ540の電磁両立性(EMC)を高め、静電放電(ESD)を低減するために設けられる。この目的を達成するために、抑制デバイス544は、強磁性材料を含む。
【0140】
[0181]抑制デバイス544は、さまざまな外形で(すなわちサイズおよび形状)、センサのさまざまな場所に設けられてよく、成形を含むさまざまな技術によって製作されてよ
い。最も全般的には、抑制デバイス544は、センサ540と一体的である。
【0141】
[0182]成形された強磁性抑制デバイス544は、非導電性モールド材料20から離間されたそれぞれのリード上の場所において1つまたは複数のリードの一部分を封入するように配置される。リードの長さに沿った抑制デバイス544の特定の場所は、容易に変更することができ、たとえば、リードが組立てのために曲げられるかどうかに応じることができる。
【0142】
[0183]抑制デバイス544は、強磁性モールド材料30と同じまたはこれに類似してよい強磁性モールド材料を含む。抑制デバイス544をリード上に置くため、デバイス544を含むモールド材料は、望ましくない電気信号がリード間を通過することを防止するのに十分な抵抗性のものでなければならない。成形された強磁性抑制デバイス544は、硬質のまたは永久磁石材料からなることができる。一部の実施形態では、成形中に硬質の強磁性粒子を位置合わせして、磁場の存在下で成形することによってより等方性のまたは指向性の磁気材料を形成することが望ましくなることができ、一方で他の実施形態では、十分な強磁性の材料は、位置合わせステップ無しで、等方性材料に関する形成中に結果として生じることができる。NdFeBまたはSmCo合金は、温度パフォーマンス、磁気飽和保持力または磁気設計に有用な他の磁気特性を向上させるために他の要素を含むことができることが理解されよう。
【0143】
[0184]他の実施形態では、抑制デバイス544は、軟質の強磁性材料からなる。一部の実施形態では、成形された軟質の強磁性素子544が比較的低い飽和保持力および高い透過性を有することが望ましくなり得る。適切な軟質の強磁性材料は、それだけに限定されないが、パーマロイ、NiCo合金、NiFe合金、鋼、ニッケル、および軟質の強磁性フェライトを含む。硬質の強磁性材料に関して上記で説明されたように、より異方性の強磁性材料の磁場の存在下で軟質の強磁性抑制デバイス544を形成することも望ましくなり得る。別の実施形態では、形成中にかけられた磁場を用いることなく、等方性の軟質の強磁性抑制体を形成することが望ましくなり得る。
【0144】
[0185]成形された抑制デバイス544は、強磁性モールド材料30と同じときにかつ同じ製作技術を用いて、たとえば
図8のステップ222または
図8Aのステップ236において形成されてよく、この場合、そのようなプロセスステップは、追加的に、成形された強磁性抑制デバイスを、少なくとも1つのリードの一部分を封入するように形成する役割を果たす。代替的には、成形された抑制デバイス544は、強磁性モールド材料30とは異なるときにおよび/または異なる製作技術を用いて形成されてよい。
【0145】
[0186]抑制デバイス544は、リード24aから第1の方向に(たとえばリードの上方に)高さ「a」で延び、リード24aから第2の方向に(たとえばリードの下方に)高さ「b」で延びる。ここでは、高さaおよびbは、ほぼ同じであるように示されるが、これはこの場合である必要がないことが理解されよう。したがって、抑制デバイス544の全体高さは、a+bにさらにリードの厚さを加えたものである。抑制デバイスのこの全体高さは、(高さc+dにさらにリードの厚さを加えたものによって与えられる)非導電性モールド材料20の全体高さ未満になることができ(しかしそうである必要はなく)、それにより、抑制デバイスは、モールド材料20単独でまたはモールド材料30と組み合わされて画定された主要パッケージ本体を超えて延びることはない。
【0146】
[0187]さらに
図21Aの上面図も参照すれば、抑制デバイス544は、複数の個々の成形された強磁性デバイス544a、544b、544cを備え、その各々は、それぞれのリード24a、24b、および24cの一部分を封入し、各々は、隣接するデバイスおよび/またはリード間の公称間隔を確実にするように選択された幅「e」を有する。代替的
には、また
図21Bの代替の上面図に示されるように、抑制デバイス544は、2つ以上のリード、ここではすべての3つのリード24a、24b、および24cの一部分を封入するように形成された共通の成形されたデバイスの形態で設けられてよい。抑制デバイス544が、2つ以上のリードの一部分を封入する実施形態では、デバイス544を含むモールド材料は、軟質または硬質の強磁性材料の非導電性または高抵抗性のフェライトのタイプ、または他の高抵抗性の強磁性材料であることが当業者によって理解されるであろう。さらに、単一のそれぞれのリードの一部分を封入する個々の成形された強磁性デバイスおよび2つ以上のリードの一部分を封入する共通の成形された強磁性デバイスの組み合わせもまた、可能であることが理解されよう。
【0147】
[0188]さらに
図1と同じ要素が同じ参照記号を用いて標識される
図22も参照すれば、
図1のセンサ10に類似する形態の代替の磁場センサ550は、磁場感知素子またはトランスデューサ22が中に形成された第1の活性表面14aと、リードフレーム18の第1の表面上のダイ取り付け領域に取り付けられた第2の対向する表面14bとを有する半導体ダイ14と、ダイおよびリードフレームの少なくとも一部分を封入する非導電性モールド材料20と、非導電性モールド材料に固定された強磁性モールド材料30とを含む。リードフレーム18は、(例示的なリード24によって
図22に表される)複数のリードを有し、センサ540は、代替の成形された強磁性抑制デバイス554を含む。
【0148】
[0189]抑制デバイス554は、第1のモールド素子558および第2のモールド素子560を備える。第1のモールド素子558は、少なくとも1つのリードの一部分を封入し、第2のモールド素子560は、第1のモールド素子の少なくとも一部分を封入する。
【0149】
[0190]第1のモールド素子558は、非導電性モールド材料20と同じでも類似してもよく、したがって、熱硬化性および熱可塑性のモールド化合物、ならびに他の市販されているICモールド化合物を含むことができる。第1のモールド素子558は、強磁性粒子の形態などの強磁性材料を、その材料が非導電性である限り含むことができるが理解されよう。抑制デバイス554の第2のモールド素子560は、上記で論じられたような強磁性モールド材料30と同じでも類似してもよく、または軟質の強磁性材料からなることもできる。そして第3のモールド素子が設けられてもよい。
【0150】
[0191]第1および第2のモールド素子558、560は、非導電性モールド材料および強磁性モールド材料20、30それぞれと、および互いに対して、同じまたは異なる技術によって、同じまたは異なるときに製作されてよい。1つの実施形態では、第1のモールド素子558は、非導電性モールド材料20と同じときに(たとえば
図8のステップ216または
図8Aのステップ244において)トランスファー成形によって形成され、第2のモールド素子560は、強磁性モールド材料30と同じときに(たとえば
図8のステップ222または
図8Aのステップ236において)射出成形によって形成される。第1の非導電性モールド素子558を用いる利益は、第2の強磁性モールド素子560がリードと接触することから生じ得る電気パフォーマンスのいかなる劣化または変更も解消し、および/または強磁性モールド素子560が形成される製作技術による(たとえば射出成形による)リード上の応力を低減することを含むことができる。
【0151】
[0192]第2のモールド素子560は、リード24から離間されてこれに接触しないように示されるが、特定の実施形態では、第2のモールド素子がリードと接触することを可能にすることが望ましくなり得ることが当業者によって理解されるであろう。実際、第2のモールド素子560が十分に非導電性でなく、それによってリードの電気的パフォーマンスを不必要に変えない場合、第2の成形された素子は、第1のモールド素子558を封入し、したがってリードと接触することができる。
【0152】
[0193]抑制デバイス554は、リード24から第1の方向に(たとえば上方に)、高さ「f+a」(第1および第2のモールド素子それぞれの高さ)で延び、リード24から第2の方向に(たとえば下方に)高さ「g+b」(第1および第2のモールド素子それぞれの高さ)で延びる。ここでは、高さaおよびbは、互いにほぼ同じであるように示され、高さfおよびgは、互いにほぼ同じであるように示されるが、これはこの場合である必要がないことが理解されよう。換言すれば、第1および/または第2のモールド素子は、リードから一方方向に別方向よりも大きく延びることができる。また、図示される実施形態では、第1のモールド素子558の厚さは、第2のモールド素子の厚さとほぼ同じであるように示されるが、これはこの場合である必要はない。
【0153】
[0194]抑制デバイス554の全体高さ(すなわちa+b+f+gにさらにリードの厚さを加えたもの)は、モールド材料30の高さと組み合わせたモールド材料20の高さによって画定された主要パッケージ本体の全体高さ未満になることができる(しかしそうであることは要求されない)。
【0154】
[0195]
図23を参照し、さらに本発明の別の態様によれば、磁場センサ570には、受動構成要素576を封入する成形された強磁性抑制デバイス572が設けられる。センサ570は、同じ要素が同じ参照記号を用いて標識される
図1のセンサ10に類似する形態のものであり、磁場感知素子またはトランスデューサ22が中に形成された第1の活性表面14aと、リードフレーム18の第1の表面上のダイ取り付け領域に取り付けられた第2の対向する表面14bとを有する半導体ダイ14と、ダイおよびリードフレームの少なくとも一部分を封入する非導電性モールド材料20と、非導電性モールド材料に固定された強磁性モールド材料30とを含む。
【0155】
[0196]知られているように、また上記で参照された米国特許出願公開第2012−0086090−A1号で説明されるように、コンデンサ、抵抗器、インダクタなどの1つまたは複数の受動構成要素を、フィルタリングおよび/または他の機能のために集積回路リードフレーム上に組み込むことが時に望ましい。表面装着コンデンサなどの受動構成要素576は、上記で参照された米国特許出願公開第2012−0086090−A1号において説明された技術によって製作され得る。
【0156】
[0197]抑制デバイス572は、強磁性モールド材料30と同じまたは類似し、強磁性モールド材料30と同じときまたは異なるときに、および/または同じまたは異なる製作技術によって形成され得る強磁性モールド材料を含むことができる。1つの実施形態では、成形された強磁性抑制デバイス572は、強磁性モールド材料30が形成されるのと同じときに射出成形プロセスによって形成される。デバイス572を含むモールド材料は、望ましくない電気信号がリード間を通過することを防止するのに十分な抵抗性のものでなければならない。
【0157】
[0198]別の実施形態では、素子572は、非導電性モールド材料20と同じ材料で同じときに作製され得る。成形の圧力は、射出成形に比べてトランスファー成形の方が比較的低く、したがって抑制デバイス572と同じときに非導電性モールド材料20を成形する間の成形プロセスのより低い圧力は、受動構成要素576をリードフレーム24に取り付ける確実性に関して望ましくなり得る。
【0158】
[0199]成形されたデバイス572は、図示されるように受動構成要素576を封入するようにサイズ設定され成形される。抑制デバイス572は、リード24aから第1の方向に(たとえば上方に)高さ「a」で延び、リード24aから第2の方向に(たとえば下方に)高さ「b」で延びる。ここでは、高さaおよびbは、幾分異なるように示され、高さaは、受動構成要素576を封入する高さbより大きいが、高さaおよびbは、高さaが
受動構成要素を封入するのに十分である限りほぼ同じでもよいことが理解されよう。抑制デバイス572a+bにさらにリードの厚さを加えた全体の高さは、(高さc+dにさらにリードの厚さを加えたものによって与えられる)非導電性モールド材料20の全体高さ未満になることができ(しかしそうであることは要求されず)、それにより、抑制デバイス572は、モールド材料20単独でまたはモールド材料30と組み合わされて画定された主要パッケージ本体を超えて延びることはない。受動素子576は、リードフレームのダイ14と同じ側に示されるが、別の実施形態では、コンデンサは、リードフレームの反対側にあることができる。そのような実施形態では、距離aは、リードフレームからの
図23に示される距離bより小さくてよい。
【0159】
[0200]さらに
図23Aのセンサ570の上面図も参照すれば、例示的な実施形態では、リード24a、24b、および24cは、図示されるように1つまたは複数の受動構成要素576、578をそれぞれのリードの対間に、はんだ付けまたは導電性接着剤または導電性エポキシ樹脂などによって結合することを容易にする延長された領域28を有する。代替的には、また
図23Bの代替的な上面図に示されるように、リードの延長された領域28は省かれてよく、受動構成要素が、図示されるように、リードのそれぞれの対にわたって直接的に結合されてよい。
図23Bの配置の結果、受動構成要素576および578は、
図23Aの実施形態と同様に互いからずらされないため、より小さい成形された強磁性抑制デバイス572をもたらすことができる。より具体的には、
図23Bの配置では、受動構成要素576および578は、リード24a、24bおよび24b、24cのそれぞれの対にわたって、互いに平行に配置され、それによって成形された素子572の幅「W」が
図23Aに示される成形された素子572の同じ寸法より小さくなることを可能にする。抑制デバイス572はここでは受動デバイス576および578を封入するが、代替的には、デバイスは、複数の成形されたデバイスを含むことができ、その各々が、1つまたは複数のそれぞれの受動構成要素(複数可)およびリード部分(複数可)を封入することが当業者によって理解されるであろう。
【0160】
[0201]さらに、
図1と同じ要素が同じ参照記号を用いて標識される
図24も参照すれば、
図1のセンサ10に類似する形態の代替の磁場センサ590は、磁場感知素子またはトランスデューサ22が中に形成された第1の活性表面14aと、リードフレーム18の第1の表面上のダイ取り付け領域に取り付けられた第2の対向する表面14bとを有する半導体ダイ14と、ダイおよびリードフレームの少なくとも一部分を封入する非導電性モールド材料20と、非導電性モールド材料に固定された強磁性モールド材料30とを含む。リードフレーム18は、(例示的なリード24aによって
図24に表される)複数のリードを含み、センサ590は、代替の成形された強磁性抑制デバイス594を含む。
【0161】
[0202]抑制デバイス594は、ここではコンデンサ576によって表される1つまたは複数の受動構成要素、ならびに1つまたは複数のモールド素子、ここでは第1のモールド素子596および第2のモールド素子598を封入する。第1のモールド素子596は、少なくとも1つの受動構成要素576および受動構成要素が結合されるリードの一部分を封入し、第2のモールド素子598は、第1のモールド素子の少なくとも一部分を封入する。
【0162】
[0203]
図22のモールド素子558のような第1のモールド素子596は、非導電性モールド材料20と同じでも類似してもよい非導電性材料を含むことができ、したがって、熱硬化性および熱可塑性のモールド化合物ならびに他の市販されているICモールド化合物を含むことができる。第1のモールド素子596が、強磁性粒子の形態などの強磁性材料を、その材料が十分に非導電性である限り含むことができることが理解されよう。
図22のモールド素子560のような抑制デバイス594の第2のモールド素子598は、上記で論じられたように強磁性モールド材料30と同じでも類似してもよい。
【0163】
[0204]別の実施形態では、素子598は、第3の成形プロセス中に形成されて、要素30が硬質の強磁性材料から作製され、本体20が、強磁性または強磁性でない非導電性材料から作製されるときに598に軟質の強磁性材料を使用することを可能にすることができる。
【0164】
[0205]第1および第2のモールド素子596、598は、非導電性モールド材料および強磁性モールド材料20、30それぞれと、および互いに対して、同じまたは異なる技術によって、同じまたは異なるときに製作されてよい。1つの実施形態では、第1のモールド素子596は、非導電性モールド材料20と同じときに(たとえば
図8のステップ216または
図8Aのステップ244において)トランスファー成形によって形成され、第2のモールド素子598は、強磁性モールド材料30と同じときに(たとえば
図8のステップ222または
図8Aのステップ236において)射出成形によって形成される。第1の非導電性モールド素子596を用いる利益は、第2の強磁性モールド素子598がリードと接触することから生じ得る電気パフォーマンスのいかなる劣化または変更も解消し、および/または強磁性モールド素子598が形成される製作技術による(たとえば射出成形による)リード上の応力を低減することを含むことができる。
【0165】
[0206]第3のモールドが素子598を形成するために使用される場合では、第3のモールド材料は、軟質の強磁性モールド材料のものでよく、素子30の射出モールドとは異なる時間に形成されてよい。この第3のモールドステップは、非導電性モールド材料20の成形後であるが強磁性モールド材料30の成形前に起こることもあるため、順序の中で3番目である必要はない。多くの場合、第3のモールド材料は、軟質の強磁性材料であるが、他の実施形態では、この第3のモールド材料は、硬質の強磁性材料でもよい。
【0166】
[0207]第2のモールド素子598は、リード24から離間されこれと接触しないように示されるが、特定の実施形態では、第2のモールド素子がリードと接触することを可能にすることが望ましくなり得ることが当業者によって理解されるであろう。実際、第2のモールド素子598が十分に非導電性であり、それによってリードの電気的パフォーマンスを不必要に変えない場合、第2の成形された素子は、第1のモールド素子596を封入し、したがってリードと接触することができる。
【0167】
[0208]抑制デバイス594は、リード24aから第1の方向に(たとえば上方に)高さ「f+a」(第1および第2のモールド素子それぞれの高さ)で延び、リード24から第2の方向に(たとえば下方に)高さ「g+b」(第1および第2のモールド素子それぞれの高さ)で延びる。ここでは、高さaおよびbは、互いにほぼ同じであるように示され、高さfおよびgは、互いにほぼ同じであるように示されるが、これはこの場合である必要はないことが理解されよう。高さaは、受動構成要素576を封入するように選択される。また、図示される実施形態では、第1のモールド素子596の厚さは、第2のモールド素子の厚さとほぼ同じであるように示されるが、これは、この場合である必要はない。
【0168】
[0209]抑制デバイス594、a+b+f+gにさらにリードの厚さを加えた全体高さは、モールド材料30の高さと組み合わせてモールド材料20の高さによって画定された主要パッケージ本体の全体高さ未満になることができる(しかしそうであることは要求されない)。
【0169】
[0210]
図1と同じ要素が同じ参照記号を用いて標識される
図25を参照すれば、
図1のセンサ10に類似する形態の代替の磁場センサ600は、磁場感知素子またはトランスデューサ22が中に形成された第1の活性表面14aと、リードフレーム18の第1の表面上のダイ取り付け領域に取り付けられた第2の対向する表面14bとを有する半導体ダイ
14と、ダイおよびリードフレームの少なくとも一部分を封入する非導電性モールド材料20と、非導電性モールド材料に固定された強磁性モールド材料30とを含む。リードフレーム18は、(例示的なリード24によって
図25に表される)複数のリードを有し、センサ600は、代替の抑制デバイス604を含む。
【0170】
[0211]抑制デバイス604は、製造中、非導電性モールド材料20の製作前に、リード24の上方または周りに挿入される強磁性ビーズの形態で設けられ、それにより、ビーズは、図示されるように非導電性モールド材料によって封入される。
【0171】
[0212]ビーズ604は、リード24の上方に嵌合するようにサイズ設定された中央開口を有する。ビーズは変形可能でよく、リードに対して僅かな圧縮嵌合をもたらすように選択された中央開口寸法を有する。この配置では、製造中、ビーズは、リード24上で滑らされ、リードの長さに沿ってダイ14近くの場所まで摺動または押し出され得る。圧縮嵌合の結果、リードは、ダイ近くの場所の適所に留まり、その結果、非導電性モールド材料20をリードフレームの一部分、ダイ、およびビーズの上方に成形することを容易にする。
【0172】
[0213]ビーズは、例として球形または管状形状でよく、その中央開口に対して対称的でよく、それによってほぼ円形の断面を有し、または代替的には、ビーズは、その中央開口に対してずらされてよく、楕円または矩形の断面などの代替の断面を有することができる。
【0173】
[0214]抑制デバイス604の全体直径は、センサのタイプおよび用途ならびにビーズを含む強磁性材料に応じて所望のEMCおよびEMIパフォーマンスをもたらすように選択される。強磁性ビーズに適した材料は、それだけに限定されないが、軟質のフェライト材料を含む。
【0174】
[0215]
図1と同じ要素が同じ参照記号で標識される
図26を参照すれば、
図1のセンサ10に類似する形態の代替の磁場センサ620は、磁場感知素子またはトランスデューサ22が中に形成された第1の活性表面14aと、リードフレーム18の第1の表面上のダイ取り付け領域に取り付けられた第2の対向する表面14bとを有する半導体ダイ14と、ダイおよびリードフレームの少なくとも一部分を封入する非導電性モールド材料20と、非導電性モールド材料に固定された強磁性モールド材料30とを含む。さらに
図26Aのセンサ620の上面図も参照すれば、リードフレームは、複数のリード24a、24b、および24cを有し、センサ620は、代替の抑制デバイス624を含む。
【0175】
[0216]抑制デバイス624は、コンデンサ576などの1つまたは複数の受動構成要素を封入し、1つまたは複数の強磁性ビーズ628およびモールド素子630を備える。受動構成要素576は、
図23の受動構成要素576と同じでも類似してもよい。強磁性ビーズ628は、
図25のビーズ604と同じでも類似してもよい。
【0176】
[0217]モールド素子630は、たとえば非導電性モールド材料20と同じでも類似してもよい。しかし、ここでは、モールド素子630は、図示されるように受動構成要素576およびビーズ628を封入するようにサイズ設計され成形される。モールド素子630の高さおよび幅に影響を与える考慮事項は、上記で論じられた考慮事項と同じまたは類似することができる。
【0177】
[0218]モールド素子630は、非導電性モールド材料20と同じまたは異なる技術によって、同じまたは異なるときに製作されてよい。代替策として、モールド素子630は、強磁性モールド材料30と同じでも類似してもよく、または上記で説明されたように、た
とえば軟質の強磁性材料を含む第3のモールド材料のものでよい。
【0178】
[0219]さらに
図26Aの上面図も参照すれば、受動構成要素576がそれにわたって結合されるリード24bおよび24cは、はんだ付けによってまたは導電性接着剤もしくは導電性エポキシ樹脂を用いるなどによって構成要素576を適所に固定することを容易にする延長された領域28を有する。延長された領域28はまた、たとえば受動構成要素を有さないが強磁性ビーズ628aを有するリード24aの一方側または両側においてリードに付加されて、強磁性ビーズをリードまたは複数のリード上の所定位置に配置することを可能にすることができる。受動構成要素576の取り付けに使用されるリード24bおよび24c上の延長された領域28はまた、ビーズ628b、628cをそれぞれのリードの長さに沿って置くことを助けるために使用され得る。センサ620は、ここでは3つの強磁性ビーズ628a、628b、および628cを有するように示され、各々は、図示されるように、それぞれのリード24a、24b、および24cに関連付けられ、その周りに固定される。しかし、これより多いまたは少ないビーズおよび受動構成要素が、特定のセンサタイプ/用途に適合させるために望ましくなり得ることが当業者によって理解されるであろう。また、ビーズ628a〜628cの1つまたは複数が、主要センサ本体20内に封入されるように(延長部28が存在しない、またはビーズをダイの近くに配置することを妨げない前提で)ダイ14の近くなどのそれぞれのリードに沿った異なる場所に(たとえば
図25の配置に類似して)配置され得ることもまた理解されよう。さらに、2つ以上のビーズが、同じリードに固定され得る。一実施形態では、接着材料は、モールド素子630の成形ステップの前にビーズをリードに固定するために使用され得る。
【0179】
[0220]
図1と同じ要素が同じ参照記号を用いて標識される
図27を参照すれば、
図1のセンサ10に類似する形態の代替の磁場センサ640は、磁場感知素子またはトランスデューサ22が中に形成された第1の活性表面14aと、リードフレーム18の第1の表面18a上のダイ取り付け領域16に取り付けられた第2の対向する表面14bとを有する半導体ダイ14と、ダイおよびリードフレームの少なくとも一部分を封入する非導電性モールド材料20と、非導電性モールド材料に固定されたモールド材料30とを、ここではかかり18cの形態の固定機構と共に含む。
【0180】
[0221]本発明の態様によれば、センサ640は、導電性コイル644を含む。コイルは、さまざまな理由のために、たとえば米国特許出願第2010/00211347号に説明されるように診断または自己試験機能のための磁場を生成するために、米国特許第8,030,918号において説明されるような校正のために、米国特許第8,063,634号に説明されるようにGMR磁場感知素子をリセットするために磁場センサにおいて使用され、これら特許文献の各々は、本出願の譲受人に譲渡され、参照によって全体的に本明細書に組み込まれる。多くの場合、そのような導電性コイルは、半導体ダイ自体上に形成される。
【0181】
[0222]一方で例示的なコイル644は、バックバイアス磁石として機能するように磁場感知素子22に対して配置され、それによって近位目標物との移動を検出するために使用され得る磁場をもたらす。この目的を達成するために、コイル644は、非導電性モールド材料20の第2の表面20bに隣接して配置され、それにより、トランスデューサ22は、図示されるようにコイル644より目標物12により近くなる。ここでも、コイル644がトランスデューサよりも目標物に近くなるようにセンサ640を180°回転させ、または、トランスデューサの主要面が目標物に対して直交するようにセンサを90°回転させ、それによって、トランスデューサが、たとえば平面ホール素子とは異なる感知素子感受性の軸を有する磁気抵抗素子であるときに望ましくなり得るような、磁気感受性センサの異なるタイプを達成することが特定の用途において望ましくなり得ることが理解されよう。また、コイル644を、その中央軸が、特定のセンサ構成および感知素子の組み
合わせのダイ14の表面に対して平行であるように回転させることも一実施形態において望ましくなり得る。
【0182】
[0223]さまざまな技術および材料が、コイル644を形成するために使用され得る。たとえば、コイルは、コイル巻線間に絶縁体をもたらすために、さまざまなサイズの銅ワイヤから、さまざまな自動プロセスを用いて形成され得る。コイル材料の選択、ワイヤゲージの選択、巻き数、および他の設計の選択は、所望の強度の磁場を生成するように個々の用途に適合させるように容易に変更され得る。コイル644は、各巻きが、個々の用途およびパッケージング配置に適合するために所望に応じて、円、矩形の形状または楕円などの他の形状になるように形成されてよい。
【0183】
[0224]コイル644は、さまざまな手段によって非導電性モールド材料20の第2の表面20bに固定され得る。1つの例として、エポキシ樹脂などの接着剤が、コイルを適所に固定するために使用されてよい。適所に固定された後、モールド材料30は、上記で説明されたやり方で、たとえば射出成形などによって形成されてよい。より具体的には、たとえば
図8の例示的なプロセスによると、ステップ218は、ダイおよびリードフレームを備える副組立体がモールド空洞から取り外された後、副組立体がモールド材料30の形成のために第2のモールド空洞に移動される前に、コイル644がモールド材料表面20bに取り付けられるように改変され得る。この配置では、モールド材料30は、図示されるようにコイルの中心内に流れることができる。
【0184】
[0225]作動においては、バイアス電流がコイル644にかけられ、コイルはバイアス磁場を発生させる。トランスデューサ22は、目標物12の移動によって引き起こされた磁場内の摂動(perturbation)に反応する。モールド材料30は、硬質の強磁性材料、軟質の強磁性材料、またはさらには非導電性材料の形態でも提供され得ることが当業者によって理解されるであろう。たとえば、材料30が軟質の強磁性材料である実施形態では、コイル644によって生成された磁場は、所望に応じて軟質の強磁性モールド材料30によって集束または別の形で集中され得る。代替的には、材料30が硬質の強磁性材料である実施形態では、コイル644によってもたらされた磁場は、硬質の強磁性材料30によってもたらされた磁場を変調させるために使用され、それによってコイル単独の場合(すなわち硬質の強磁性モールド材料30が存在しない場合)と比較して、磁場強度の同じピーク値をもたらすために別の形で必要とされるピーク電流を低減することができる。別の実施形態では、
図19の素子514などの別個に形成された素子が、中央開口40内に配設され得る。
【0185】
[0226]一部の実施形態では、バックバイアスの機能がコイルによってもたらされるため、モールド材料30は、(
図29に示されるように)全体的に無くされてよく、この場合、コイル644が第2の表面20bに取り付けられた非導電性モールド材料20が、結果としてセンサICをもたらすようにパッケージングされ得る。そのような配置は、米国特許第6,265,865号または米国特許第5,581,179号に説明されるタイプのパッケージとして提供され得、これら特許文献の各々は、本出願の譲受人に譲渡され、参照によって全体的に本明細書に組み込まれる。
【0186】
[0227]さらに、
図3Aと同じ要素が同じ参照記号を用いて標識される
図28も参照すれば、
図3Aのセンサ60に類似する形態の代替の磁場センサ650は、磁場感知素子64が中に配設される第1の活性表面62aと、リードフレーム70の第1の表面70a上のダイ取り付け領域66に取り付けられた第2の対向する表面62bとを有する半導体ダイ62と、ダイおよびリードフレームの少なくとも一部分を封入する非導電性モールド材料74と、非導電性モールド材料の一部分に固定されたモールド材料80とを含む。
【0187】
[0228]非導電性モールド材料74は、図示されるようにリードフレーム70の第2の表面70bから外方に延びる突起部86を有する。上記で説明されたように、突起部86は、(強磁性モールド材料の第2の端部80bに隣接する)センサ650の底部表面内に隙間が存在することを防止するが、その理由は、隙間の存在は、オーバーモールディングをより難しくし得るためである。突起部は、モールド材料の第2の端部80bまですべてまたは途中の一部分のみ延びることができることが当業者によって理解されるであろう。
【0188】
[0229]センサ650は、
図27のコイル644と同じでも類似してもよいコイル654を含む。ここでは、コイル654は、非導電性モールド材料74の突起部86に対して同軸に配置されるが、同軸配置は必要とされないことが理解されよう。突起部86に向かうテーパ部は、無くされてよく、または特定の用途に適するように変更されてよいことが理解されよう。ここでも、コイル654は、接着剤によってモールド材料74に固定され得る。しかし、代替的には、コイル654は、突起部86に対して締まりばめをもたらすようにサイズ設定され形成されてよく、それにより、接着剤は必要でなく、コイル654は、モールド材料74、リードフレーム70、およびダイ62を含む副組立体が、モールド材料80の形成のためにモールド空洞内に置かれたとき(たとえば、副組立体が第1のモールド空洞から取り外された後、かつこれが第2のモールド空洞内に置かれる前にコイルが突起部86の上方に置かれる
図8の改変されたステップ218において)、締まりばめによってモールド材料74に対して適所に十分保持され得る。
【0189】
[0230]センサ650は、モールド材料80内を部分的にだけ延びてモールド材料の第2の端部80bの手前で終端する、
図3Aに示されるタイプの突起部76を有するように示されるが、非導電性モールド材料の突起部に対して同軸に配設され得る(これはそうであることは要求されないが)コイルを含む類似のセンサには、モールド材料80の第2の端部80bまで延びる
図3に示されるタイプの突起部が設けられ得ることが理解されよう。
【0190】
[0231]作動においては、バイアス電流がコイル654にかけられ、コイルはバイアス磁場を発生させる。トランスデューサ64は、目標物の移動によって引き起こされた磁場内の摂動に反応する。モールド材料80は、硬質の強磁性材料、軟質の強磁性材料、またはさらには非導電性材料の形態でも提供され得ることが当業者によって理解されるであろう。たとえば、材料80が軟質の強磁性材料である実施形態では、コイル654によって生成された磁場は、所望に応じて軟質の強磁性モールド材料80によって集束されまたは別の形で集中され得る。代替的には、材料80が硬質の強磁性材料である実施形態では、コイルによってもたらされた磁場は、硬質の強磁性材料80によってもたらされた磁場を変調させるために使用され、それによってコイルのみ(すなわち硬質の強磁性モールド材料80が存在しない場合)と同じ磁場強度をもたらすために別の形で必要とされるピーク電流を低減することができる。
【0191】
[0232]ここでも、バックバイアスの機能がコイルによってもたらされるため、モールド材料80は、(
図29に示されるように)全体的に無くされてよく、この場合、コイル654がその表面に取り付けられた非導電性モールド材料74が、結果としてセンサICをもたらすようにパッケージングされ得る。そのような配置は、上記で参照された米国特許の1つに説明されたタイプのパッケージとして提供され得る。
【0192】
[0233]モールド材料80を含む用途では、そのようなモールド材料は、
図3Aの実施形態と同じように、リードフレーム70の近位の第1の端部80aから、リードフレーム(またはその何らかの部分)から遠位の第2の端部80bまでテーパにされてよく、センサ650は、任意選択で、デバイスを保護し電気的に絶縁するためにオーバーモールドの形態の第3のモールド材料90を含むことができる。
【0193】
[0234]
図3Aと同じ要素が同じ参照記号を用いて標識される
図29を参照すれば、
図3Aのセンサ60に類似する形態の代替の磁場センサ660は、磁場感知素子64が中に配設された第1の活性表面62aと、リードフレーム70の第1の表面70a上のダイ取り付け領域66に取り付けられた第2の対向する表面62bとを有する半導体ダイ62と、ダイおよびリードフレームの少なくとも一部分を封入する非導電性モールド材料74とを含む。
【0194】
[0235]センサ660は、
図27のコイル644と同じまたは類似することができるコイル664を含む。コイル644は、非導電性モールド材料74に固定され、より具体的には
図29の実施形態ではこれによって封入される。コイル664のワイヤは、図示されるようにマンドレルまたはボビン656の周りに巻き付けられ得る。1つの例示的な実施形態では、マンドレル656は、軟質の強磁性材料またはプラスチックからなることができ、最終的なデバイスの一部のままになることができる。他の実施形態では、マンドレル656は、たとえば
図27および28の場合、コイル巻き付け中に使用されるが、最終パッケージの一部にはされない。マンドレル656およびコイル664は、接着剤または他の固定機構を用いて、ダイ62の反対側にあるリードフレーム70の表面70bに固定されてよく、それにより、この副組立体がステップ212において(
図8)モールド空洞内に置かれ、非導電性モールド材料74がステップ216において(
図8)形成されるとき、コイルは、リードフレームに固定される。
【0195】
[0236]作動においては、バイアス電流がコイル664にかけられ、コイルはバイアス磁場を発生させ、トランスデューサ64は、近位の目標物の移動によって引き起こされた磁場内の摂動に反応する。(
図3Aのモールド材料80のような)強磁性モールド材料は、
図29のセンサ660においては無くされるが、強磁性モールド材料は、コイルによって生成された磁場を集中させるために(軟質の強磁性モールド材料の場合)、またはコイルが生成した磁場による変調のための磁場をもたらすために(硬質の強磁性モールド材料の場合)、任意の前述の実施形態に関連して説明されたように設けられてよいことが当業者によって理解されるであろう。
【0196】
[0237]本発明の好ましい実施形態が説明されてきたが、これらの概念を組み込む他の実施形態が使用されてよいことがここで当業者に明らかになるであろう。
【0197】
[0238]たとえば、それだけに限定されないがモールド材料の厚さを含むパッケージタイプ、形状、および寸法は、電気的および磁気的の両方の要求事項ならびに任意のパッケージング考慮事項に関して個々の用途に適合させるように容易に変更され得ることが当業者によって理解されるであろう。
【0198】
[0239]さまざまな実施形態に関連して本明細書において示され説明されたさまざまな特徴は、選択的に組み合わせられ得ることもまた理解されよう。数多くの例のほんのいくつかのものとして、
図1に示されるかかり、
図15のバイアス磁石に設けられたチャネル、
図23〜24のリードに取り付けられた受動構成要素、および
図27〜29のコイルが、他の実施形態において使用されてよい。
【0199】
[0240]したがって、本発明は、説明された実施形態に限定されてはならず、そうではなく、付属の特許請求の範囲の趣旨および範囲のみによって限定されなければならないものと考えられる。本明細書において引用されたすべての公報および参照文献は、明示的に参照によって全体的に本明細書に組み込まれる。