(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記DMI剤が、トリフルミゾール、ジフェノコナゾールおよびテブコナゾールからなる群から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の農園芸用殺菌剤組成物。
前記薬剤Iと前記薬剤IIの重量比(薬剤I:薬剤II)が、1:10,000,000から10,000,000:1であることを特徴とする請求項1または2に記載の農園芸用殺菌剤組成物。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の農園芸用殺菌剤組成物は、特定構造の含窒素ヘテロ環化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種(以下、化合物Aと表記することがある。)と、特定の農薬活性化合物の群から選ばれる少なくとも一種(以下、化合物Bと表記することがある。)とを含有する。本発明の農園芸用殺菌剤組成物は、化合物Aのみの使用または化合物Bのみの使用で得られる植物病害防除効果からは予測できない顕著な相乗的植物病害防除効果を奏する。
【0019】
(化合物A)
化合物Aは、前記式(1)で示される含窒素へテロ環化合物、前記式(2)で示される含窒素ヘテロ環化合物およびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種である。
【0020】
式(1)または式(2)中のXはそれぞれ独立してハロゲノ基またはC1〜6アルキル基を表す。nはXの個数を示し、0〜6のいずれかの整数である。
Xにおける、C1〜6アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。C1〜6アルキル基は、一部または全部の水素原子が、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の基で置換されていてもよい。該置換基としては、ハロゲノ基、水酸基などが挙げられる。
Xにおける、ハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基が挙げられる。
【0021】
式(1)または式(2)中のX’はハロゲノ基を表す。X’におけるハロゲノ基は、Xにおけるそれと同じ意味である。
【0022】
式(1)中のR
1、R
2およびR
3はそれぞれ独立してC1〜6アルキル基または水酸基を表す。R
1、R
2およびR
3におけるC1〜6アルキル基は、Xにおけるそれと同じ意味である。
【0023】
式(2)中のR
4、R
5、R
6およびR
7はそれぞれ独立して水素原子、C1〜6アルキル基または水酸基を表す。R
4、R
5、R
6およびR
7におけるC1〜6アルキル基は、Xにおけるそれと同じ意味である。
【0024】
式(1)または式(2)で表される含窒素ヘテロ環化合物の塩としては、農園芸学上許容される塩であれば、特に制限されない。例えば、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸の塩;酢酸塩、乳酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩等の有機酸の塩;等が挙げられる。
【0025】
本発明に用いる式(1)で表される含窒素ヘテロ環化合物は、公知物質であり、WO2011/081174号パンフレットに記載された化合物等が具体例として挙げられる。また、式(1)で表される含窒素ヘテロ環化合物及びその塩は、公知の手法によって製造することができる。具体的な製造方法としては、WO2011/081174号パンフレットに記載された方法などが挙げられる。
【0026】
本発明に用いる式(2)で表される含窒素ヘテロ環化合物は、公知物質であり、WO2010/018686号パンフレットに記載された化合物等が具体例として挙げられる。また、式(2)で表される含窒素ヘテロ環化合物及びその塩は、公知の手法によって製造することができる。具体的な製造方法としては、WO2010/018686号パンフレットに記載された方法などが挙げられる。
【0027】
(化合物B)
化合物Bは、
SBI剤、ベンゾイミダゾール系剤、酸アミド系殺菌剤、ジカルボキシイミド系殺菌剤、フェニルピロール系殺菌剤、有機(チオ)ホスフェート系剤、グアニジン系殺菌剤、ミトコンドリア電子伝達系複合体II阻害剤、ミトコンドリア電子伝達系複合体III阻害剤、アニリノピリミジン系剤、ネオニコチノイド系剤、SH阻害剤、シフルフェナミド、シモキサニル、プロキナジッド、メトラフェノン、キノキシフェン、ジクロメジン、イソプロチオラン、ブピリメート、ヘキシチアゾクス、テブフェノジド、チオジカルブ、スピノサド、エトフェンプロックス、フィプロニル、エチプロール、ピメトロジン、ブプロフェジン、クロルフェナピル、式(10)で示される化合物、式(11)で示される化合物、及びそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物である。
【0028】
【化10】
{式(10)中、WはC1〜6アルキル基、C1〜6アルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、C6〜10アリール基、又はC1〜6アルキルスルホニル基を表す。YはC1〜6アルキル基を表す。mはWの個数を示し、0〜5のいずれかの整数である。Zは水素原子、アミノ基、又は式:−NHC(=O)−Q(式中、Qは水素原子、C1〜8アルキル基、C1〜6ハロアルキル基、C3〜6シクロアルキル基、C1〜8アルコキシ基、C3〜6シクロアルキルオキシ基、C7〜20アラルキルオキシ基、C1〜4アルキルチオC1〜8アルキル基、C1〜4アルコキシC1〜2アルキル基、C1〜4アシルアミノC1〜6アルキル基、C1〜4アシルアミノC1〜6アルコキシ基、C1〜8アルキルアミノ基、C2〜6アルケニル基、アラルキル基若しくはフェニル基を表す。)で示される基を表す。Rはハロゲン原子を表す。nはRの個数を示し、0〜3のいずれかの整数である。}
【0029】
【化11】
{式(11)中、YはO又はNR
1(式中、R
1は水素原子またはメチル基を表す。)で示される基を表す。ZはCR
2R
3又はNR
2(式中、R
2およびR
3は独立して水素原子またはメチル基を表す。)で示される基を表す。Rは水酸基、ハロゲン原子、C1〜4アルキル基、C1〜4ハロアルキル基、C1〜4アルコキシ基、又はC1〜4ハロアルコキシ基を表す。mはRの個数を示し、0〜3のいずれかの整数である。R’およびR’’は独立して水素原子、水酸基、ハロゲン原子、C1〜4アルキル基、C1〜4ハロアルキル基、C1〜4アルコキシ基、又はC1〜4ハロアルコキシ基を表す。R’’’は水酸基、ハロゲン原子、C1〜4アルキル基、C1〜4ハロアルキル基、C1〜4アルコキシ基、又はC1〜4ハロアルコキシ基を表す。nはR’’’の個数を示し、0〜4のいずれかの整数である。また=YおよびR’が一緒になって=N−O−で示される基を表してもよく、R’およびR’’が一緒になってC2〜3アルキレン基を表してもよい。}
式(11)で示される化合物は、式(12)で示される化合物であることが好ましい。
【0030】
【化12】
{式(12)中、Y、Z、R’、R’’、R’’’およびnは式(11)に記載されたY、Z、R’、R’’、R’’’およびnと同じ意味を表す。}
なお、化合物Bには、その光学活性化合物も含まれる。例えば、メタラキシルに対するメタラキシルMのごとくである。化合物Bは、公知物質を包含し、これらは公知の製造方法によって又は業者からの購入によって入手することができる。
【0031】
本発明にいうSBI剤(ステロール生合成阻害剤)とは、エルゴステロール生合成を阻害する化合物群をいう。好ましいSBI剤の例として、トリフルミゾール、ジフェノコナゾール、テブコナゾール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、フェンブコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホル、ヘキサコナゾール、プロピコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリフルミゾール、ビテルタノール、イミベンコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、エポキシコナゾール、フルキンコナゾール、プロクロラズ、メトコナゾール、イプコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、フェナリモル、ペフラゾエート、ピリフェノックス、トリホリン、ジクロブトラゾール、フルオトリマゾール、イマザリル、イマザリル・サルフェート、シメコナゾール、トリチコナゾール、エタコナゾール、ヌアリモル、アザコナゾール、フルコナゾール、オキスポコナゾール、ブチオベート、プロチオコナゾール、ナフチフェン、ユニコナゾールP、ビニコナゾール、ボリコナゾール、フェンプロピモルフ、フェンプロピジン、トリデモルフ、ドデモルフ、アルジモルフ、フェンプロピジン、ピペラリン、スピロキサミン、フェンヘキサミド、ピリブチカルブおよびテルビナフィン等を例示することができる。
SBI剤に包含される代表的な化合物群としては、シトクロムP450の一種である14αデメチラーゼ(CYP51)に結合しステロールC14位の脱メチル化を阻害するDMI剤(デメチラーゼ阻害剤)がある。好ましいDMI剤の例として、トリフルミゾール、ジフェノコナゾール、テブコナゾール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、フェンブコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホル、ヘキサコナゾール、プロピコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリフルミゾール、ビテルタノール、イミベンコナゾール、ジニコナゾール、ジニコナゾール−M、エポキシコナゾール、フルキンコナゾール、プロクロラズ、メトコナゾール、イプコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、フェナリモル、ペフラゾエート、ピリフェノックス、トリホリン、ジクロブトラゾール、フルオトリマゾール、イマザリル、イマザリル・サルフェート、シメコナゾール、トリチコナゾール、エタコナゾール、ヌアリモル、アザコナゾール、フルコナゾール、オキスポコナゾール、ブチオベート、プロチオコナゾール、ナフチフェン、ユニコナゾールP、ビニコナゾールおよびボリコナゾール等を例示することができる。
これらのうちで特に好ましい化合物として、トリフルミゾール、ジフェノコナゾールおよびテブコナゾールを例示することができる。
【0032】
本発明にいうベンゾイミダゾール系剤とは、ベンゾイミダゾール骨格を有し、微小管を構成するチューブリンに結合して核分裂を阻害する化合物群、およびそれらの前駆体でありベンゾイミダゾール骨格を有する形に変化して同じ阻害効果を発揮する化合物群をいう。好ましいベンゾイミダゾール系剤として、ベノミル、カルベンダジム、フベリダゾール、クロルフェナゾールおよびチアベンダゾール等、および前駆体としてチオファネートおよびチオファネートメチル等を例示することができる。
このうちで特に好ましい化合物として、チオファネートメチルを例示することができる。
【0033】
本発明にいう酸アミド系殺菌剤とは、カルボン酸アミド構造を特徴とし殺菌効果を有する化合物群である。好ましい酸アミド系殺菌剤の例として、フルオピラム、フルトラニル、カルボキシン、オキシカルボキシン、チフルザミド、ボスカリド、ペンチオピラド、メプロニル、フラメトピル、イソフェタミド、ペンフルフェン、メタラキシル、ベンチアバリカルブ−イソプロピル、フルオピコリド、ゾキサミド、ペンシクロン、チアジニル、ザリラミド、ジメトモルフ、フルモルフ、イプロバリカルブ、マンジプロパミド、バリフェナレート等を例示することができる。
酸アミド系殺菌剤に包含される代表的な化合物群としては、アニライド系殺菌剤と呼ばれる化合物群がある。これは一般に式(13)の構造を有することを特徴とする。
【0034】
【化13】
{式(13)中、Cy
1およびCy
2は独立して、無置換の若しくは置換基を有するフェニル基、または無置換の若しくは置換基を有する5〜6員複素環基を表し、Rは単結合、メチレン基若しくはエチレン基を表す。}
【0035】
また、本発明にいうミトコンドリア電子伝達系複合体II阻害剤とは、ミトコンドリアの電子伝達系複合体II(コハク酸脱水素酵素複合体)に結合し呼吸を阻害する性質を有する化合物群である。
ミトコンドリア電子伝達系複合体II阻害剤に包含される代表的化合物群としては、上記のアニライド系殺菌剤がある。
好ましいアニライド系殺菌剤の例として、フルオピラム、フルトラニル、カルボキシン、オキシカルボキシン、チフルザミド、ボスカリド、ペンチオピラド、メプロニル、フラメトピル、イソフェタミド、ペンフルフェン、ベノダニル、フェンフラン、ビキサフェン、イソピラザム、フルキサピロキサドおよびセダキサン等を例示することができる。
酸アミド系殺菌剤若しくはミトコンドリア電子伝達系複合体II阻害剤として例示した化合物群のうちで特に好ましい化合物として、フルオピラム、フルトラニル、カルボキシン、チフルザミド、ボスカリド、メタラキシル、ベンチアバリカルブ−イソプロピル、フルオピコリドおよびゾキサミドを例示することができる。
【0036】
本発明にいうジカルボキシイミド系殺菌剤とは、ジカルボキシイミド構造からなる5員環を有する化合物群であり、菌類において浸透圧制御に係る情報伝達系タンパク質OS−1を標的としている。好ましいジカルボキシイミド系殺菌剤の例として、イプロジオン、プロシミドン、ビンクロゾリン、クロゾリネートおよびフルオルイミド等を例示することができる。
このうちで特に好ましい化合物として、イプロジオンを例示することができる。
【0037】
本発明にいうフェニルピロール系殺菌剤とは、3−フェニルピロール構造を有する化合物群であり、菌類において浸透圧制御に係る情報伝達系タンパク質OS−2を標的としている。好ましいフェニルピロール系殺菌剤の例として、フルジオキソニルおよびフェンピクロニル等を例示することができる。
このうちで特に好ましい化合物として、フルジオキソニルを例示することができる。
【0038】
本発明にいう有機(チオ)ホスフェート系剤とは、リン酸エステル構造またはチオリン酸エステル構造を有する化合物群であり、有機(チオ)ホスフェート系殺菌剤と有機(チオ)ホスフェート系殺虫剤が含まれる。有機(チオ)ホスフェート系殺菌剤としては、EDDP、IBP、トルクロホスメチル、ホセチルおよびピラゾホス等を例示することができる。有機(チオ)ホスフェート系殺虫剤としては、DDVP、カズサホス、マラソン、ジメトエート、バミドチオン、ホサロン、ピラクロホス、アジンホスメチル、アジンホスエチル、ピラゾホス、フルピラゾホス、クロルピリホス、クロルピリホスメチル、クロルピリホスエチル、ダイアジノン、メチダチオン、クロルチオホス、フェニトロチオン、フェンチオン、パラチオン、パラチオンメチル、アセフェート、アザメチホス、ブロモホスエチル、ブロムフェンビンホス、BRP、クロルフェンビンホス、カルボフェノチオン、クロルエトキシホス、クロルメホス、クマホス、シアノフェンホス、シアノホス、CYAP、ジクロルボス、ジクロトホス、ジスルホトン、ジメトン−S−メチル、ジメチルビンホス、ジメトン−S−メチルスルホン、ジアリホス、ダイアジノン、ジクロフェンチオン、ジオキサベンゾホス、ジスルホトン、エチオン、エトプロホス、エトリムホス、EPN、フェナミホス、フェンスルホチオン、ホノホス、ホルモチオン、ホスメチラン、ヘプテノホス、イサゾホス、ヨードフェンホス、イソフェンホス、イソキサチオン、イプロベンホス、マラチオン、メビンホス、メタミドホス、モノクロトホス、メカルバム、メタクリホス、ナレッド、オメトエート、オキシジメトン・メチル、パラオクソン、フェントエート、ホスメット、ホスファミドン、ホレート、ホキシム、ピリミホスメチル、ピリミホス・エチル、プロフェノホス、プロチオホス、ホスチアゼート、ホスホカルブ、プロパホス、プロペタムホス、プロトエート、ピリダフェンチオン、キナルホス、サリチオン、スルプロホス、スルホテップ、テトラクロルビンホス、テルブホス、トリアゾホス、トリクロルホン、テブピリムホス、テメホス、チオメトン等を例示することができる。
このうちで好ましい化合物は、式(14)で示される化合物である。
【0039】
【化14】
{式(14)中、R
1およびR
2はメチル基またはエチル基を表す。Arはフェニル基または6員複素芳香環基を表す。R
3はハロゲン原子またはメチル基を表す。nはR
3の個数を示し、0〜5のいずれかの整数である。}
【0040】
有機(チオ)ホスフェート系剤のうちさらに好ましい化合物として、ホセチル、トルクロホスメチルおよびクロルピリホスを例示することができる。
【0041】
本発明にいうグアニジン系殺菌剤とは、グアニジン部分構造を有する化合物群をいう。好ましいグアニジン系殺菌剤としては、イミノクタジン酢酸塩、イミノクタジンアルベシル酸塩、ドジンおよびグアザチン等を例示することができる。
【0042】
本発明にいうミトコンドリア電子伝達系複合体III阻害剤とは、ミトコンドリア電子伝達系の複合体III(bc1複合体)に結合して呼吸を阻害する性質を有する化合物群をいい、殺菌剤、殺ダニ剤等の用途に使用される。これらは複合体IIIにおける結合部位により、Qo部位阻害剤(QoI剤)、Qi部位阻害剤(QiI剤)、およびその他の化合物に分けられる。
QoI剤の代表的な化合物群としてはストロビルリン系剤が挙げられ、その他にファモキサドン、ピリベンカルブ等が挙げられる。QiI剤としてはシアゾファミド、アミスルブロム、フェンアミドン、フルメシクロックス等が挙げられ、シアゾファミドが特に好ましい。その他の化合物としてはアメトクトラジン、テブフロキン等が挙げられ、アメトクトラジンが特に好ましい。
【0043】
ストロビルリン系剤とは、3−メトキシアクリル酸エステル(メトキシアクリレート系)、N−メトキシカルバミン酸エステル(メトキシカルバメート系)、メトキシイミノ酢酸エステル(メトキシイミノアセテート系)、2−メトキシイミノアセトアミド(メトキシイミノアセトアミド系)等の部分構造を有し、呼吸鎖複合体IIIのQo部位に結合し呼吸を阻害する化合物群をいう。ストロビルリン系剤としては、メトキシアクリレート系のアゾキシストロビン、ピコキシストロビン、ピラオキシストロビン、エネストロブリン、フェノキシストロビン;メトキシカルバメート系のピラクロストロビン、ピラメトストロビン、トリクロピリカルブ;メトキシイミノアセテート系のクレソキシムメチル、トリフロキシストロビン、;メトキシイミノアセトアミド系のオリサストロビン、メトミノストロビン、メトミノフェン、ジモキシストロビン;その他にフルオキサストロビン等を例示することができる。
ストロビルリン系剤として好ましい化合物は、式(15)で表される化合物である。
【0044】
【化15】
{式(15)中、AはCHまたはNを表す。BはOまたはNHを表す。Ar−R−はAr−O−、Ar−CH
2−、Ar−CH
2O−、Ar−OCH
2−、Ar−C(CH
3)=NOCH
2−のいずれかで示される基を表し、Arは無置換若しくは置換基を有するフェニル基または無置換若しくは置換基を有する6員複素芳香環基を表す。}
【0045】
ストロビルリン系剤のうちさらに好ましい化合物として、トリフロキシストロビン、クレソキシムメチル、アゾキシストロビンおよびオリサストロビンを例示することができる。
【0046】
本発明にいうアニリノピリミジン系剤とは、2−フェニルアミノピリミジン骨格を有し、メチオニン生合成阻害および細胞壁分解酵素の分泌阻害作用を有するとされている殺菌剤である。好ましいアニリノピリミジン系剤の例として、アンドプリム、シプロジニル、メパニピリムおよびピリメタニルなどを例示することができる。このうちで特にシプロジニルが好ましい。
【0047】
本発明にいうネオニコチノイド系剤とは、ニコチン性アセチルコリン受容体の遮断剤として機能する殺虫剤である。ネオニコチノイド系剤としては、アセタミプリド、イミダクロプリド、チアメトキサム、クロチアニジン、ジノテフラン、ニテンピラムおよびチアクロプリドなどを例示することができる。ネオニコチノイド系剤として好ましい化合物は、式(16)で表される化合物である。
【0048】
【化16】
{式(16)中、AはNまたはCHを表す。Bはメチル基または−NR
21R
22(R
21は水素原子またはメチル基を表す。R
22はメチル基、またはR
3と一緒になって5〜6員環を形成する。)で示される基を表す。R
1はシアノ基またはニトロ基を表す。R
2は無置換または置換基を有する5〜6員複素環基を表す。R
3は水素原子、メチル基、エチル基、またはR
22と一緒になって5〜6員環を形成する。}
【0049】
このうちで特に好ましい化合物として、アセタミプリド、イミダクロプリド、チアメトキサム、クロチアニジンおよびジノテフランを例示することができる。
【0050】
本発明にいうSH阻害剤とは、SH基を有する呼吸系の酵素を主に阻害し、胞子発芽阻害活性を有し治療活性がないことを特徴とする保護殺菌剤をいう。好ましいSH阻害剤の例として、無機銅、有機銅、ジネブ、マンネブ、マンゼブ、ジラム、ポリカーバメート、チラム、クロロタロニル、フルアジナム、キャプタン、キャプタフォル、フォルペット、臭化メチル、ダゾメット、ピリジニトリル、アニラジン、ジクロフルアニド、ジクロン、フルオロイミドおよびジチアノン等を例示することができる。
このうちで特に好ましい化合物として、マンゼブ、チラム、クロロタロニル、フルアジナム、キャプタンおよびフォルペットを例示することができる。
【0051】
前記式(10)で示される化合物は特に限定されないが、式(17)で示される化合物であることが特に好ましい。
【0053】
前記式(12)で示される化合物は特に限定されないが、式(18)または式(19)で示される化合物であることが特に好ましい。
【0056】
なお、以上の記載における「無置換の」および「置換基を有する」の意味は、以下の通りである。
「無置換の」の用語は、母核となる基のみであることを意味する。「置換基を有する」との記載がなく母核となる基の名称のみで記載しているときは、別段の断りがない限り「無置換の」意味である。
一方、「置換基を有する」の用語は、母核となる基のいずれかの水素原子が、母核と同種または異種の構造の基で置換されていることを意味する。従って、「置換基」は、母核となる基に結合した他の基である。置換基は1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。2つ以上の置換基は同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
「C1−6」などの用語は、母核となる基の炭素原子数が1〜6個などであることを表している。この炭素原子数には、置換基の中に在る炭素原子の数を含まない。例えば、置換基としてエトキシ基を有するブチル基は、C2アルコキシC4アルキル基に分類する。
【0057】
「置換基」は化学的に許容され、本発明の効果を有する限りにおいて特に制限されない。
「置換基」となり得る基としては、 フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基などのC1−6アルキル基; シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのC3−6シクロアルキル基; ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基などのC2−6アルケニル基; 2−シクロプロペニル基、2−シクロペンテニル基、3−シクロヘキセニル基などのC3−6シクロアルケニル基; エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−メチル−3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、2−メチル−3−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、1,1−ジメチル−2−ブチニル基などのC2−6アルキニル基;
【0058】
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1−6アルコキシ基; ビニルオキシ基、アリルオキシ基、プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基などのC2−6アルケニルオキシ基; エチニルオキシ基、プロパルギルオキシ基などのC2−6アルキニルオキシ基; フェニル基、ナフチル基などのC6−10アリール基; フェノキシ基、1−ナフトキシ基などのC6−10アリールオキシ基; ベンジル基、フェネチル基などのC7−11アラルキル基; ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのC7−11アラルキルオキシ基; ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、シクロヘキシルカルボニル基などのC1−7アシル基; ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基などのC1−7アシルオキシ基; メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基などのC1−6アルコキシカルボニル基; カルボキシル基;
【0059】
水酸基; オキソ基; クロロメチル基、クロロエチル基、トリフルオロメチル基、1,2−ジクロロ−n−プロピル基、1−フルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基などのC1−6ハロアルキル基; 2−クロロ−1−プロペニル基、2−フルオロ−1−ブテニル基などのC2−6ハロアルケニル基; 4,4−ジクロロ−1−ブチニル基、4−フルオロ−1−ペンチニル基、5−ブロモ−2−ペンチニル基などのC2−6ハロアルキニル基; 2−クロロ−n−プロポキシ基、2,3−ジクロロブトキシ基などのC1−6ハロアルコキシ基; 2−クロロプロペニルオキシ基、3−ブロモブテニルオキシ基などのC2−6ハロアルケニルオキシ基; 4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基などのC6−10ハロアリール基; 4−フルオロフェニルオキシ基、4−クロロ−1−ナフトキシ基などのC6−10ハロアリールオキシ基; クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基、4−クロロベンゾイル基などのC1−7ハロアシル基;
【0060】
シアノ基; イソシアノ基; ニトロ基; イソシアナト基; シアナト基; アジド基; アミノ基; メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのC1−6アルキルアミノ基; アニリノ基、ナフチルアミノ基などのC6−10アリールアミノ基; ベンジルアミノ基、フェニルエチルアミノ基などのC7−11アラルキルアミノ基; ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、ブチリルアミノ基、i−プロピルカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などのC1−7アシルアミノ基; メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロポキシカルボニルアミノ基、i−プロポキシカルボニルアミノ基などのC1−6アルコキシカルボニルアミノ基; カルバモイル基; ジメチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、N−フェニル−N−メチルカルバモイル基などの置換カルバモイル基; イミノメチル基、(1−イミノ)エチル基、(1−イミノ)−n−プロピル基などのイミノC1−6アルキル基; ヒドロキシイミノメチル基、(1−ヒドロキシイミノ)エチル基、(1−ヒドロキシイミノ)プロピル基などのヒドロキシイミノC1−6アルキル基;メトキシイミノメチル基、(1−メトキシイミノ)エチル基などのC1−6アルコキシイミノC1−6アルキル基;
【0061】
メルカプト基; イソチオシアナト基; チオシアナト基; メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、i−ブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基などのC1−6アルキルチオ基; ビニルチオ基、アリルチオ基などのC2−6アルケニルチオ基; エチニルチオ基、プロパルギルチオ基などのC2−6アルキニルチオ基; フェニルチオ基、ナフチルチオ基などのC6−10アリールチオ基; チアゾリルチオ基、ピリジルチオ基などのヘテロアリールチオ基; ベンジルチオ基、フェネチルチオ基などのC7−11アラルキルチオ基; (メチルチオ)カルボニル基、(エチルチオ)カルボニル基、(n−プロピルチオ)カルボニル基、(i−プロピルチオ)カルボニル基、(n−ブチルチオ)カルボニル基、(i−ブチルチオ)カルボニル基、(s−ブチルチオ)カルボニル基、(t−ブチルチオ)カルボニル基などの(C1−6アルキルチオ)カルボニル基;
【0062】
メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、t−ブチルスルフィニル基などのC1−6アルキルスルフィニル基; アリルスルフィニル基などのC2−6アルケニルスルフィニル基; プロパルギルスルフィニル基などのC2−6アルキニルスルフィニル基; フェニルスルフィニル基などのC6−10アリールスルフィニル基; チアゾリルスルフィニル基、ピリジルスルフィニル基などのヘテロアリールスルフィニル基; ベンジルスルフィニル基、フェネチルスルフィニル基などのC7−11アラルキルスルフィニル基; メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、t−ブチルスルホニル基などのC1−6アルキルスルホニル基; アリルスルホニル基などのC2−6アルケニルスルホニル基; プロパルギルスルホニル基などのC2−6アルキニルスルホニル基; フェニルスルホニル基などのC6−10アリールスルホニル基; チアゾリルスルホニル基、ピリジルスルホニル基などのヘテロアリールスルホニル基; ベンジルスルホニル基、フェネチルスルホニル基などのC7−11アラルキルスルホニル基;
【0063】
ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、テトラゾリル基などの5員ヘテロアリール基; ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダニジル基、トリアジニル基などの6員ヘテロアリール基; アジリジニル基、エポキシ基、ピロリジニル基、テトラヒドロフラニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基などの飽和ヘテロ環基; トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などのトリC1−6アルキルシリル基; トリフェニルシリル基;などが挙げられる。
【0064】
また、これらの「置換基」はそれの中にさらに別の「置換基」を有するものであってもよい。例えば、置換基としてのブチル基に、別の置換基としてエトキシ基を有するもの、すなわち、エトキシブチル基のようなものであってもよい。
【0065】
本発明の農園芸用殺菌剤組成物において、化合物Aと化合物Bとの重量比は、(化合物A):(化合物B)で、通常、1:10,000,000〜10,000,000:1、好ましくは1:1,000,000〜1,000,000:1、より好ましくは1:100,000〜100,000:1、特に好ましくは1:10,000〜10,000:1である。
【0066】
本発明の農園芸用殺菌剤組成物は、前記の化合物Aおよび化合物B以外に、公知の、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤、植物成長調整剤等を混合して使用することにより、省力化などの効果をもたらすことができる場合がある。
【0067】
本発明の殺菌剤組成物の製造方法としては、例えば、(a)化合物Aと、化合物Bとを、それぞれ別々に製剤化し、これら製剤を混合することを含む方法、(b)化合物Aを製剤化し、該製剤に化合物Bを混合することを含む方法、(c)化合物Bを製剤化し、該製剤に化合物Aを混合することを含む方法、(d)化合物Aと化合物Bとを混合し、必要に応じて該混合物を製剤化することを含む方法などがある。
【0068】
本発明の殺菌剤組成物には、本発明の効果に影響を与えない範囲において、肥料、固体担体、増粘剤、界面活性剤、展着剤、添加剤、溶剤などが含まれていてもよい。
【0069】
肥料としては、堆肥、油粕、魚粉、牛糞、鶏糞等あるいはこれらを加工してなる有機資材;硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、硝酸石灰、尿素等の窒素肥料;過リン酸石灰、リン酸第一アンモニウム、熔成リン肥等のリン酸肥料;塩化カリウム、硫酸カリウム、硝酸カリウム等のカリ肥料;苦土石灰等の苦土肥料;消石灰等の石灰肥料;ケイ酸カリウム等のケイ酸肥料;ホウ酸塩等のホウ素肥料;各種無機肥料を含有してなる化成肥料;等が挙げられる。
固体担体としては、大豆粒、小麦粉などの植物性粉末;二酸化ケイ素、珪藻土、燐灰石、石こう、タルク、ベントナイト、パイロフィライト、クレー、目土などの鉱物性微粉末等が挙げられる。
【0070】
添加剤としては、安息香酸ソーダ、尿素、芒硝などの有機および無機化合物など;ナタネ油、大豆油、ヒマワリ油、ヒマシ油、マツ(pine)油、綿実油、並びにこれらの油の誘導体や、これらの油濃縮物などが挙げられる。
溶剤としては、ケロシン、キシレン;ソルベントナフサなどの石油留分;シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アルコール、アセトン、メチルイソブチルケトン、鉱物油、植物油、水などが挙げられる。
【0071】
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンが付加したアルキルエーテル、ポリオキシエチレンが付加した高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したソルビタン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したトリスチリルフェニルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体などを挙げることができる。
【0072】
本発明の農園芸用殺菌剤組成物には、本発明の効果を低下させない限りにおいて、さらに他の殺菌剤や殺虫・殺ダニ剤、共力剤の1種または2種以上を混合することもできる。
混合して使用できる他の殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、植物生長調節剤の代表例を以下に示す。
【0073】
殺菌剤:
フェニルアミド系:ベナラキシル、ベナラキシル−M、クロジラコン、フララキシル、オキサジキシル、オフラセ;
ヒドロキシ−(2−アミノ) ピリミジン系:ジメチリモル、エチリモル;
N−フェニルカーバメート系:ジエトフェンカルブ;
AH殺菌剤 (芳香族炭化水素)系:ビフェニル、クロロネブ、ジクロラン、キントゼン、テクナゼン;
MBI−R系:フサライド、ピロキロン、トリシクラゾール;
MBI−D系:カルプロパミド、ジクロシメット、フェノキサニル;
エノピランウロン系:ブラストサイジン、ミルディオマイシン;
へキソピラノシル系:カスガマイシン、カスガマイシン塩酸塩;
グルコピラノシル系:ストレプトマイシン、バリダマイシン、バリダマイシンA;
カーバメート系:ヨードカルブ、プロパモカルブ、プロチオカルブ、ポリカーバメート;
脱共役剤:ビナパクリル、ジノカップ、フェリムゾン、メプチルジノカップ;
有機スズ化合物:酢酸トリフェニルスズ、塩化トリフェニルスズ、水酸化トリフェニルスズ;
リン酸エステル:亜リン酸;
フタルアミド酸系:テクロフタラム;
ベンゾトリアジン系:トリアゾキシド;
ベンゼンスルフォナミド系:フルスルファミド;
テトラサイクリン:オキシテトラサイクリン;
チオカーバメート系:メタスルホカルブ;
抵抗性誘導剤:アシベンゾラルSメチル、プロベナゾール、チアジニル、イソチアニル;
その他の化合物:エトリジアゾール、ポリオキシン、ポリオクソリム、オキソリニック酸、ヒドロキシイソキサゾール、オクチリノン、シルチオファム、ジフルメトリム、エタボキサム、メトラフェノン、ファーバム、メチラム、プロピネブ、ジネブ、ジラム、ジチアノン、クロロピクリン、ダゾメット、キノメチオネート、シプロフラム、アグロバクテリウム、フルオルイミド;イソフェタミド、トルプロカルブ、フェンピラザミン、ピリオフェノン、テブフロキン;プロパミジン、エジフェンホス;ベンチアゾール、ベトキサジン、カプサイシン、カルボン、クフラネブ、シプロスルファミド、デバカルブ、ジクロロフェン、ジフェンゾクワット、ジフェンゾクワット・メチルスルホネート、ジフェニルアミン、フルメトベル、フルオロイミド、フルチアニル、イルママイシン、メチルイソチオシアネート(MITC)、ミルデオマイシン、ナタマイシン、ニトロタールイソプロピル、オキサモカルブ、オキシフェンチイン、プロパモカルブ・ホセチレート、プロパモシン・ナトリウム、ピリモルフ、ピロールニトリン、トルニファニド、トリクラミド;
【0074】
殺虫・殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤、駆虫剤:
カルバメート系:アラニカルブ、アルジカルブ、ベンダイオカルブ、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、フェノキシカルブ、フェノチオカルブ、メチオカルブ、メソミル、オキサミル、ピリミカーブ、プロポキスル、チオジカルブ、トリアザメート、エチオフェンカルブ、フェノブカルブ、MIPC、MPMC、MTMC、フラチオカルブ、XMC、アルドキシカルブ、アリキシカルブ、アミノカルブ、ブフェンカルブ、ブタカルブ、ブトカルボキシム、ブトキシカルボキシム、クロエトカルブ、ジメチラン、ホルメタネート、イソプロカルブ、メタム・ナトリウム、メトルカルブ、プロメカルブ、チオファノックス、トリメタカルブ、キシリルカルブ;
ピレトロイド系:アレトリン、ビフェントリン、シフルトリン、ベータ・シフルトリン、シハロトリン、ラムダ・シハロトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、アルファ・シペルメトリン、ベータ・シペルメトリン、ゼタ・シペルメトリン、デルタメトリン、エスフェンバレレート、フェンプロパトリン、フェンバレレート、イミプロトリン、ペルメトリン、プラレトリン、ピレトリン、ピレトリンI、ピレトリンII、レスメトリン、シラフルオフェン、フルバリネート、テフルトリン、テトラメトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン、プロフルトリン、ジメフルトリン、アクリナトリン、シクロプロトリン、ハルフェンプロックス、フルシトリネート、ビオアレスリン、ビオエタノメトリン、ビオペルメトリン、ビオレスメトリン、トランスペルメトリン、エンペントリン、フェンフルトリン、フェンピリトリン、フルブロシトリネート、フルフェンプロックス、フルメトリン、メトフルトリン、フェノトリン、プロトリフェンブト、ピレスメトリン、テラレトリン;
成長調節物質:
(a)キチン合成阻害剤:クロルフルアズロン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン、ビストリフルロン、ノビフルムロン、エトキサゾール、クロフェンテジン、フルアズロン、ペンフルロン;
(b)エクジソンアンタゴニスト:ハロフェノジド、メトキシフェノジド、クロマフェノジド、アザジラクチン;
(c)幼若ホルモン様物質: ピリプロキシフェン、メトプレン、ジオフェノラン、エポフェノナン、ハイドロプレン、キノプレン、トリプレン;
(d)脂質生合成阻害剤:スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、フロニカミド;
ニコチン受容体アゴニスト/アンタゴニスト化合物:ニコチン、ベンスルタップ、カルタップ、フルピラジフロン;
GABAアンタゴニスト化合物:
(a)アセトプロール、バニリプロール、ピラフルプロール、ピリプロール;
(b)有機塩素系:カンフェクロル、クロルデン、エンドスルファン、HCH、γ−HCH、ヘプタクロル、メトキシクロル;
大環状ラクトン殺虫剤:アバメクチン、エマメクチン安息香酸塩、ミルベメクチン、レピメクチン、イベルメクチン、セラメクチン、ドラメクチン、エピノメクチン、モキシデクチン、ミルベマイシン、ミルベマイシンオキシム;
METI I化合物:フェナザキン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド、フルフェネリム、ヒドラメチルノン、フェンピロキシメート、ピリミジフェン、ジコホル;
METI IIおよびIII化合物:アセキノシル、フルアクリピリム、ロテノン;
脱共役剤化合物:ビナパクリル、ジノブトン、ジノカップ、DNOC;
酸化的リン酸化阻害剤化合物:シヘキサチン、ジアフェンチウロン、フェンブタチン・オキシド、プロパルギット、アゾシクロチン;
脱皮かく乱化合物:シロマジン;
混合機能オキシダーゼ阻害剤化合物:ピペロニルブトキシド;
ナトリウムチャネル遮断剤化合物:インドキサカルブ、メタフルミゾン;
微生物農薬:BT剤、昆虫病原ウイルス剤、昆虫病原糸状菌剤、線虫病原糸状菌剤;バチルス属種、白きょう病菌、黒きょう病菌、ペキロマイセス属種、チューリンギエンシン、バーティシリウム属種;
ラトロフィリン受容体作用薬:デプシペプチド、環状デプシペプチド、24員環状デプシペプチド、エモデプシド;
オクトパミン性作用薬:アミトラズ;
リアノジン受容体作用薬:フルベンジアミド、クロラントラニリプロール、シアントラリニプロール
マグネシウム刺激性ATPアーゼの阻害薬:チオシクラム、チオスルタップ、ネライストキシン;
ダニ成長阻害薬:クロフェンテジン、エトキサゾール;
その他の化合物:ベンクロチアズ、ビフェナゼート、ピリダリル、硫黄、シエノピラフェン、シフルメトフェン、アミドフルメット、テトラジホン、クロルジメホルム、1,3−ジクロロプロペン、DCIP、フェニソブロモレート、ベンゾメート、メタアルデヒド、スピネトラム、ピリフルキナゾン、ベンゾキシメート、ブロモプロピレート、キノメチオネート、クロルベンジレート、クロルピクリン、クロチアゾベン、ジシクラニル、フェノキサクリム、フェントリファニル、フルベンジミン、フルフェンジン、ゴシップルア、ジャポニルア、メトキサジアゾン、石油、オレイン酸カリウム、スルフルラミド、テトラスル、トリアラセン;アフィドピロペン(afidopyropen)、ピフルブミド(pyflubumide)、フロメトキン、フルフィプロル(flufiprole)、フルエンスルフォン、メペルフルスリン、テトラメチルフルスリン、スルホキサフロール、イミシアホス、トラロピリル、ジフロビダジン、ジメフルスリン、メチルネオデカンアミド;
駆虫剤:
(a)ベンズイミダゾール系:フェンベンダゾール、アルベンダゾール、トリクラベンダゾール、オキシベンダゾール;
(b)サリチルアニリド系:クロサンテル、オキシクロザニド;
(c)置換フェノール系:ニトロキシニル;
(d)ピリミジン系:ピランテル;
(e)イミダゾチアゾール系:レバミソール;
(f)テトラヒドロピリミジン:プラジカンテル;
(g)その他の駆虫薬:シクロジエン、リアニア、クロルスロン、メトロニダゾール、デミジトラズ;
【0075】
植物生長調節剤:
アブシジン酸、インドール酪酸、ウニコナゾール、エチクロゼート、エテホン、クロキシホナック、クロルメコート、クロレラ抽出液、過酸化カルシウム、シアナミド、ジクロルプロップ、ジベレリン、ダミノジッド、デシルアルコール、トリネキサパックエチル、メピコートクロリド、パクロブトラゾール、パラフィンワックス、ピペロニルブトキシド、ピラフルフェンエチル、フルルプリミドール、プロヒドロジャスモン、プロヘキサジオンカルシウム塩、ベンジルアミノプリン、ペンディメタリン、ホルクロルフェニュロン、マレイン酸ヒドラジドカリウム、1−ナフチルアセトアミド、4−CPA、MCPB、コリン、硫酸オキシキノリン、エチクロゼート、ブトルアリン、1−メチルシクロプロペン、アビグリシン塩酸塩。
【0076】
化合物A、化合物Bまたはそれら混合物の製剤化によって得られる剤形は、特に制限されず、通常の農園芸用農薬のとり得る形態、例えば、粉剤、水和剤、水溶剤、乳剤、フロアブル剤、顆粒剤、粒剤等の形態を採用することができる。
【0077】
製剤化された本発明の殺菌剤組成物における有効成分濃度(化合物Aと化合物Bの合計濃度)は、特に限定されず、前述した製剤の形態により種々の濃度を採りうる。例えば、水和剤に於いては、通常5〜90重量%、好ましくは10〜85重量%;乳剤に於いては、通常3〜70重量%、好ましくは5〜60重量%;粒剤に於いては、通常0.01〜50重量%、好ましくは0.05〜40重量%とすることができる。
【0078】
製剤化された本発明の殺菌剤組成物は、そのまま、若しくは水で所定の濃度に希釈して、溶解液、懸濁液あるいは乳濁液として、植物に散布したり、土壌に潅注、混和または散布したりすることによって使用される。本発明の殺菌剤組成物を圃場に適用するに当たっては、通常、1ヘクタール当たり有効成分(化合物Aと化合物Bとの合計量で)0.1g以上の適当量が施用される。
【0079】
本発明の殺菌剤組成物の処理の対象となる有用な植物としては、穀物類、野菜類、根菜類、イモ類、樹木類、牧草類、芝類などが挙げられる。ここにおいては、これら植物類の各部位を対象として処理することもできる。植物類の各部位としては、葉、茎、柄、花、蕾、果実、種子、スプラウト、根、塊茎、塊根、苗条、挿し木などが挙げられる。また、これら植物類の改良品種・変種、栽培品種、さらには突然変異体、ハイブリッド体、遺伝子組み換え体(GMO)を対象として処理することもできる。
以下に有用な植物類の一例を挙げる。
(1)アオイ科(Malvaceae)の植物、例えば、オクラ(Abelmoschus esculentus)、ワタ(Gossypium hirsutum);
(2)アオギリ科(Sterculiaceae)の植物、例えば、カカオ(Theobroma cacao);
(3)アカザ科(Chenopodiaceae)の植物、例えば、テンサイ(Beta vulgaris)、フダンソウ(スイスチャード)(Beta vulgaris var. cicla L.)、ホウレンソウ(Spinacia oleracea);
(4)アカネ科(Rubiaceae)の植物、例えば、コーヒー(Coffea spp);
(5)アサ科(Cannabaceae)の植物、例えば、ホップ(Humulus lupulus)
(6)アブラナ科(Cruciferae)の植物、例えば、コマツナ(Brassica cempestris)、セイヨウカラシナ(Brassica juncea)、タカナ(Brassica juncea var. integrifolia)、セイヨウアブラナ(Brassica napus)、カリフラワー(Brassica oleracea var. botrytis)、キャベツ(Brassica oleracea var. capitata)、ブロッコリー(Brassica oleracea var. italica)、ハクサイ(Brassica rapa)、チンゲンサイ(Brassica rapa var. chinensis)、カブ(Brassica rapa var. glabra)、ノザワナ(Brassica rapa var. hakabura)、ミズナ(Brassica rapa var. lancinifolia)、ナズナ(Capsella bursa−pastoris)、クレソン(Nasturtium spp.)、ダイコン(Raphanus sativus )、ワサビ(Wasabia japonica);
(7)アマ科(Linaceae)の植物、例えば、アマ(Linaceae usitatissimum);
(8)イネ科(Gramineae)の植物、例えば、エンバク(Avena sativa)、ハトムギ(Coix lacryma−jobi var. ma−yuen)、オーチャードグラス(Dactylis glomerata)、オオムギ(Hordeum vulgare)、イネ(Oryza sativa)、チモシー(TPhleum pratense)、サトウキビ(Saccharum officinarum)、ライムギ(Secale cereale)、アワ(Setaria italica)、パンコムギ(Triticum aestivum)、トウモロコシ(Zea meys)、シバ(Zoysia spp.);
(9)ウリ科(Cucurbitaceae)の植物、例えば、トウガン(Benincasa hispida)、スイカ(Citrulus lanatus)、西洋カボチャ(Cucurbita maxima)、東洋カボチャ(Cucurbita moschata)、ペポカボチャ(ズッキーニ)(Cucurbita pepo)、ヒョウタン(Lagenaria siceraria)、ヘチマ(Luffa cylindrica);
(10)ウルシ科(Anacardiaceae)の植物、例えば、カシューナットノキ(Anacardium)、マンゴー(Mangifera);
(11)カキノキ科(Ebenaceae)の植物、例えば、カキノキ(Diospyros kaki);
(12)カバノキ科(Betulaceae)の植物、例えば、セイヨウハシバミ(Corylus avellana);
(13)キク科(Compositae)の植物、例えば、ヨモギ(Artemisia indica var. maximowiczii)、ゴボウ(Arctium lappa L.)、チコリー(Cichorium intybus)、アーティチョーク(Cynara scolymus)、シュンギク(Glebionis coronaria)、ヒマワリ(Helianthus annuus)、レタス(Lactuca sativa);
(14)クサスギカズラ科(Asparagaceae)の植物、例えば、アスパラガス(Asparagus officinalis L.);
(15)クワ科(Moraceae)の植物、例えば、イチジク(Ficus carica L.);
(16)クルミ科(Juglandaceae)の植物、例えば、クルミ(Juglans spp.);
(17)ゴマ科(Pedaliaceae)の植物、例えば、ゴマ(Sesamum indicum);
(18)コショウ科(Piperaceae)の植物、例えば、コショウ(Piper nigrum);
(19)サトイモ科(Araceae)の植物、例えば、コンニャク(Amorphophallus rivieri var. konjac)、サトイモ(Colocasia esculenta);
(20)シソ科(Lamiaceae)の植物、例えば、ハッカ(ミント)(Mentha spp.)、バジリコ(Ocimum basilicum)、シソ(Perilla frutescens var. crispa)、セージ(Salvia officinalis);
(21)ショウガ科(Zingiberaceae)の植物、例えば、ウコン(Curcuma longa)、ジンジャー(Hedychium spp.)、ミョウガ(Zingiber mioga);
(22)セリ科(Umbelliferae)の植物、例えば、セロリ(Apium graveolens L.)、ニンジン(Daucus carota var. sativa)、セリ(Oenanthe javanica)、ゼンマイ(Osmunda japonica Thunb)、パセリ(Petroselium crispum);
(23)スグリ科(Grossulariaceae)の植物、例えば、セイヨウスグリ(グーズベリー)(Ribes uva−crispa);
(24)タデ科(Polygonaceae)の植物、例えば、ソバ(Fagopyrum esculentum);
(25)ツツジ科(Ericaceae)の植物、例えば、ブルーベリー(Vaccinium spp);
(26)ツバキ科(Theaceae)の植物、例えば、チャノキ(Camellia sinensis);
(27)ナス科(Solanaceae)の植物、例えば、トウガラシ(Capsicum annuum)、ピーマン(Capsicum annuum var. grossum)、トマト(Lycopersicon esculentum)、タバコ(Nicotiana tabacum)、ナス(Solanum melongena)、ジャガイモ(Solanum tuberosum);
(28)パイナップル科(Bromeliaceae)の植物、例えば、パイナップル(Ananas comosus);
(29)バショウ科(Musaceae)の植物、例えば、バナナ(Musa spp.);
(30)ハス科(Nelumbonaceae)の植物、例えば、ハス(Nelumbo nucifera)
(31)パパイア科(Caricaceae)の植物、例えば、パパイア(Carica papaya)
(32)バラ科(Rosaceae)の植物、例えば、カリン(Chaenomeles sinensis)、ビワ(Eriobotrya japonica Lindl.)、イチゴ(Fragaria spp.)、リンゴ(Malus pumila)、アンズ(Prunus armeniaca)、セイヨウミザクラ(Prunus avium)、スミミザクラ(Prunus cerasus)、アーモンド(Prunus dulcis)、ウメ(Prunus mume)、モモ(Prunus persica)、スモモ(Prunus salicina)、ナシ(Pyrus pyrifolia var. culta)、セイヨウナシ(Pyrus communis)、ブラックベリー(Rubus spp.);
(33)ヒルガオ科(Convolvulaceae)の植物、例えば、サツマイモ(Ipomoea batatas Lam. var. edulis Makino);
(34)ブドウ科(Vitaceae)の植物、例えば、ブドウ(Vitis spp.);
(35)ブナ科(Fagaceae)の植物、例えば、クリ(Castanea crenata Sieb. Et Zucc.);
(36)マタタビ科(Actinidiaceae)の植物、例えば、キウイ(Actinidia deliciosa);
(37)マメ科(Leguminosae)の植物、例えば、ラッカセイ(Arachis hypogaea)、ダイズ(Glycine max subsp. max)、ツルマメ(Glycine max subsp. soja)、ヒラマメ(Lens culinaris)、アルファルファ(Medicago sativa)、エンドウマメ(Pisum sativum L.)、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)、ヤハズエンドウ(Vicia angustifolia)、ソラマメ(Vicia faba)、アズキ(Vigna angularis);
(38)ミカン科(Rutaceae)の植物、例えば、ユズ(Citrus junos)、コミカン(紀州ミカン)(Citrus kinokuni)、レモン(Citrus limon)、オレンジ(Citrus sinensis)、ウンシュウミカン(Citrus unshiu)、グレープフルーツ(Citrus X paradisi)、キンカン(Fortunella japonica)、サンショウ(Zanthoxylum piperitum);
(39)モクセイ科(Oleaceae)の植物、例えば、ジャスミン(Jasminum spp.)、オリーブ(Olea europaea);
(40)ヤマノイモ科(Dioscoreaceae)の植物、例えば、ヤマノイモ(Dioscorea japonica Thunb.)、ナガイモ(Dioscorea batatas);
(41)ユリ科(Liliaceae)の植物、例えば、タマネギ(Allium cepa)、ネギ(Allium fistulosum)、ニンニク(Allium sativum)、チャイブ(Allium schoenoprasum)、ニラ(Allium tuberosum)、チューリップ(Tulipa gesneriana);
【0080】
本発明の殺菌剤組成物は、広範囲の種類の糸状菌、例えば、藻菌類(Oomycetes)、子のう(嚢)菌類(Ascomycetes),不完全菌類(Deuteromycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)に属する菌に対し優れた殺菌力を有する。
【0081】
本発明の殺菌剤組成物は、花卉、芝、牧草を含む農園芸作物の栽培に際し発生する種々の病害の防除に、種子処理、茎葉散布、土壌施用または水面施用などにより使用することができる。
【0082】
例えば、
テンサイ:褐斑病(Cercospora beticola)、黒根病(Aphanomyces cochlloides)、根腐病(Thanatephorus cucumeris)、葉腐病(Thanatephorus cucumeris);
ラッカセイ:褐斑病(Mycosphaerella arachidis)、黒渋病(Mycosphaerella berkeleyi);
キュウリ:うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)、べと病(Pseudoperonospora cubensis)、つる枯病(Mycosphaerella melonis)、つる割病(Fusarium oxysporum)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、炭そ病(Colletotrichum orbiculare)、黒星病(Cladosporium cucumerinum)、褐斑病(Corynespora cassicola)、苗立枯病(Pythium debaryanam、Rhizoctonia solani Kuhn)、斑点細菌病(Pseudomonas syringae pv.Lecrymans);
トマト:灰色かび病(Botrytis cinerea)、葉かび病(Cladosporium fulvum)、疫病(Phytophthora infestans);
ナス:灰色かび病(Botrytis cinerea)、黒枯病(Corynespora melongenae)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、すすかび病(Mycovellosiella nattrassii);
イチゴ:灰色かび病(Botrytis cinerea)、うどんこ病(Sohaerotheca humuli)、炭そ病(Colletotrichum acutatum、Colletotrichum fragariae)、疫病(Phytophthora cactorum);
タマネギ:灰色腐敗病(Botrytis allii)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、白斑葉枯病(Botrytis squamosa)、べと病(Peronospora destructor);
キャベツ:根こぶ病(Plasmodiophora brassicae)、軟腐病(Erwinia carotovora)、べと病(Peronospora parasitica);
インゲン:菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、灰色かび病(Botrytis cinerea);
りんご:うどんこ病(Podosphaera leucotricha)、黒星病(Venturia inaequalis)、モニリア病(Monilinia mali)、黒点病(Mycosphaerella pomi)、腐らん病(Valsa mali)、斑点落葉病(Alternaria mali)、赤星病(Gymnosporangium yamadae)、輪紋病(Botryosphaeria berengeriana)、炭そ病(Glomerella cingulata、Colletotrichum acutatum)、褐斑病(Diplocarpon mali)、すす点病(Zygophiala jamaicensis)、すす斑病(Gloeodes pomigena);
カキ:うどんこ病(Phyllactinia kakicola)、炭そ病(Gloeosporium kaki)、角斑落葉病(Cercospora kaki);
【0083】
モモ:灰星病(Monilinia fructicola)、黒星病(Cladosporium carpophilum)、ホモプシス腐敗病(Phomopsis sp.);
オウトウ:灰星病(Monilinia fructicola);
ブドウ:灰色かび病(Botrytis cinerea)、うどんこ病(Uncinula necator)、晩腐病(Glomerella cingulata、Colletotrichum acutatum)、べと病(Plasmopara viticola)、黒とう病(Elsinoe ampelina)、褐斑病(Pseudocercospora vitis)、黒腐病(Guignardia bidwellii);
ナシ:黒星病(Venturia nashicola)、赤星病(Gymnosporangium asiaticum)、黒斑病(Alternaria kikuchiana)、輪紋病(Botryosphaeria berengeriana)、うどんこ病(Phyllactinia mali);
チャ:輪斑病(Pestalotia theae)、炭そ病(Colletotrichum theae−sinensis);
カンキツ:そうか病(Elsinoe fawcetti)、青かび病(Penicillium italicum)、緑かび病(Penicillium digitatum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、黒点病(Diaporthe citri)、かいよう病(Xanthomonas campestris pv.Citri);
コムギ:うどんこ病(Erysiphe graminis f.sp.tritici)、赤かび病(Gibberella zeae)、赤さび病(Puccinia recondita)、褐色雪腐病(Pythium iwayamai)、紅色雪腐病(Monographella nivalis)、眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、葉枯病(Septoria tritici)、ふ枯病(Leptosphaeria nodorum)、雪腐小粒菌核病(Typhula incarnata)、雪腐大粒菌核病(Myriosclerotinia borealis)、立枯病(Gaeumanomyces graminis);
【0084】
オオムギ:斑葉病(Pyrenophora graminea)、雲形病(Rhynchosporium secalis)、裸黒穂病(Ustilago tritici、U.nuda);
イネ:いもち病(Pyricularia oryzae)、紋枯病(Rhizoctonia solani)、馬鹿苗病(Gibberella fujikuroi)、ごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、苗立枯病(Pythium graminicolum)、白葉枯病(Xanthomonas oryzae)、苗立枯細菌病(Burkholderia plantarii)、褐条病(Acidovorax avenae)、もみ枯細菌病(Burkholderia glumae);
タバコ:菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum);
チューリップ:灰色かび病(Botrytis cinerea);
ベントグラス:雪腐大粒菌核病(Sclerotinia borealis)、赤焼病(Pythium aphanidermatum);
オーチャードグラス:うどんこ病(Erysiphe graminis);
ダイズ:紫斑病(Cercospora kikuchii)、べと病(Peronospora Manshurica)、茎疫病(Phytophthora sojae);
ジャガイモ・トマト:疫病(Phytophthora infestans);
などの防除に使用することができる。
【0085】
また、本発明の殺菌剤組成物は、耐性菌に対しても優れた殺菌効果を有する。さらに、ごく低薬量の施用で効果を示すため、新たな耐性菌の出現を予防する効果がある。
【0086】
本発明の殺菌剤組成物の適用がより好ましい病害としては、リンゴの黒星病、キュウリの灰色かび病、コムギのうどんこ病、トマトの疫病、コムギの赤さび病、水稲のいもち病、キュウリのつる割病などが挙げられる。
【実施例】
【0087】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。但し、本発明は実施例に何ら限
定されるものではない。
【0088】
実施例1および比較例1
表1〜5に示す濃度にて、薬剤Iおよび薬剤IIを別々にジメチルスルホキシドに溶解させた。得られた溶液を混合して、殺菌剤組成物を調製した。
なお、以下の各表中、薬剤Iを表す記号Aは式(A)で表される含窒素ヘテロ環化合物を、薬剤Iを表す記号Bは式(B)で表される含窒素ヘテロ環化合物を、薬剤Iを表す記号Cは式(C)で表される含窒素ヘテロ環化合物をそれぞれ示す。また、表中、薬剤IIを表す数字は下記の[1]〜[61]の化合物を示す。なお、表中の「−」はその薬剤を使用しなかったことを示す。
【0089】
【化20】
【0090】
【化21】
【0091】
【化22】
【0092】
[1] シフルフェナミド
[2] トリフルミゾール
[3] チオファネートメチル
[4] イミノクタジン酢酸塩
[5] イミノクタジンアルベシル酸塩
[6] メタラキシル
[7] シモキサニル
[8] ベンチアバリカルブ−イソプロピル
[9] ファモキサドン
[10]アメトクトラジン
[11]フルオピコリド
[12]ゾキサミド
[13]ホセチル
[14]シアゾファミド
[15]プロキナジッド
[16]メトラフェノン
[17]キノキシフェン
[18]フルトラニル
[19]ジクロメジン
[20]フルジオキソニル
[21]ジフェノコナゾール
[22]テブコナゾール
[23]カルボキシン
[24]チラム
[25]クロロタロニル
[26]トリフロキシストロビン
[27]アゾキシストロビン
[28]クレソキシムメチル
[29]ピリベンカルブ
[30]フルオピラム
[31]フルアジナム
[32]マンゼブ
[33]キャプタン
[34]シプロジニル
[35]トルクロホスメチル
[36]イプロジオン
[37]フォルペット
[38]式(20)で表される化合物
[39]式(21)で示される化合物
【0093】
【化23】
【0094】
【化24】
【0095】
[40]オリサストロビン
[41]イソプロチオラン
[42]アセタミプリド
[43]ヘキシチアゾクス
[44]テブフェノジド
[45]イミダクロプリド
[46]チアメトキサム
[47]クロチアニジン
[48]クロルピリホス
[49]チオジカルブ
[50]スピノサド
[51]ジノテフラン
[52]エトフェンプロックス
[53]フィプロニル
[54]エチプロール
[55]ピメトロジン
[56]チフルザミド
[57]ブプロフェジン
[58]ボスカリド
[59]クロルフェナピル
[60]ブピリメート
[61]式(22)で示される化合物
【0096】
【化25】
【0097】
(殺菌試験)
ジャガイモブドウ糖培地に、灰色かび病菌(Botrytis cinerea)の分生胞子を添加して分散させた。これに殺菌剤組成物を添加し混ぜ合わせた。これを96穴マイクロプレートに分注し、暗所、20℃で3日間培養した。その後、マイクロプレートリーダーで波長405nmにおける濁度を測定した。無処理(殺菌剤組成物を添加しない)の場合における濁度の測定値との比較で、灰色かび病菌の生育阻害率(%)を算出した。試験は2連で行った。また、コルビーの式に基づいて生育阻害率の期待値を算出した。それらの結果を表1〜5に示す。
なお、コルビーの式は、 E=M+N−MN/100 である。ここで、Eは生育阻害率の期待値(%)、Mは薬剤I単独使用時の測定から算出された生育阻害率(%)、Nは薬剤II単独使用時の測定から算出された生育阻害率(%)を表す。なお、表中、薬剤単独使用時の期待値は、測定から算出された値と同じなので示していない。
【0098】
【表1】
【0099】
【表2】
【0100】
【表3】
【0101】
【表4】
【0102】
【表5】
【0103】
実施例2および比較例2
表6〜8に示す濃度にて、薬剤Iおよび薬剤IIを別々にジメチルスルホキシドに溶解させた。得られた溶液を混合して、殺菌剤組成物を調製した。
【0104】
実施例1および比較例1と同じ手法で殺菌試験を行った。それらの結果を表6〜8に示す。なお、表中、薬剤単独使用時の期待値は、測定から算出された値と同じなので示していない。
【0105】
【表6】
【0106】
【表7】
【0107】
【表8】
【0108】
これらの結果から、本発明に係る殺菌剤組成物を用いた場合に測定された生育阻害率の値は、上記コルビーの式に従って算出された生育阻害率の期待値を超えており、いずれも相乗的殺菌効果を示すことがわかる。
【0109】
(キュウリ灰色かび病防除試験)
素焼きポットで栽培したキュウリ幼苗(品種「相模半白」、子葉期)に、薬剤Iおよび薬剤IIを有機溶媒および界面活性剤に溶解して調製した混合乳剤を水で所定濃度に希釈し散布した。なお、表中、薬剤Iを表す記号Aは式(A)で表される含窒素ヘテロ環化合物を、薬剤Iを表す記号Bは式(B)で表される含窒素ヘテロ環化合物を、薬剤Iを表す記号Cは式(C)で表される含窒素ヘテロ環化合物をそれぞれ示す。また、表中、薬剤IIを表す数字は、前記の同番号で記載した各化合物を示す。なお、表中の「−」はその薬剤を使用しなかったことを示す。
室温で自然乾燥した後、キュウリ灰色かび病菌(Botrytis cinerea)の分生胞子懸濁液を滴下接種し、暗所、20℃、高湿度の室内に3日間、4日間または5日間保持した。葉上の病斑出現状態を無処理と比較調査し、防除効果を求めた。試験は2連で行った。また、コルビーの式に基づいて防除効果の期待値を算出した。
同時に比較例として、薬剤Iのみを用いた場合および薬剤IIのみを用いた場合についても上記同様の方法で試験した。
それらの結果を表9〜14に示す。
なお、コルビーの式は、 E=M+N−MN/100 である。ここで、Eは防除効果の期待値(%)、Mは薬剤I単独使用時の測定から算出された防除効果(%)、Nは薬剤II単独使用時の測定から算出された防除効果(%)を表す。なお、表中、薬剤単独使用時の期待値は、測定から算出された値と同じなので示していない。
【0110】
【表9】
【0111】
【表10】
【0112】
【表11】
【0113】
【表12】
【0114】
【表13】
【0115】
【表14】
【0116】
(キュウリうどんこ病防除試験)
素焼きポットで栽培したキュウリ幼苗(品種「相模半白」、子葉期)に、薬剤Iおよび薬剤IIを有機溶媒および界面活性剤に溶解して調製した混合乳剤を水で所定濃度に希釈し散布した。なお、表中、薬剤Iを表す記号Aは式(A)で表される含窒素ヘテロ環化合物を、薬剤Iを表す記号Bは式(B)で表される含窒素ヘテロ環化合物を、薬剤Iを表す記号Cは式(C)で表される含窒素ヘテロ環化合物をそれぞれ示す。また、表中、薬剤IIを表す数字は、前記の同番号で記載した各化合物を示す。なお、表中の「−」はその薬剤を使用しなかったことを示す。
室温で自然乾燥した後、キュウリうどんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea)の分生胞子を払い落とし接種し、温室内に7日間保持した。葉上の病斑出現状態を無処理と比較調査し、防除効果を求めた。試験は2連で行った。また、コルビーの式に基づいて防除効果の期待値を算出した。
同時に比較例として、薬剤Iのみを用いた場合および薬剤IIのみを用いた場合についても上記同様の方法で試験した。
それらの結果を表15に示す。
なお、コルビーの式は、 E=M+N−MN/100 である。ここで、Eは防除効果の期待値(%)、Mは薬剤I単独使用時の測定から算出された防除効果(%)、Nは薬剤II単独使用時の測定から算出された防除効果(%)を表す。なお、表中、薬剤単独使用時の期待値は、測定から算出された値と同じなので示していない。
【0117】
【表15】
【0118】
これらの結果から、本発明に係る殺菌剤組成物を用いた場合に測定された防除効果の値は、上記コルビーの式に従って算出された防除効果の期待値を超えており、いずれも相乗的殺菌効果を示すことがわかる。