特許第6271128号(P6271128)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6271128
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】空調システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 3/00 20060101AFI20180122BHJP
   F24F 5/00 20060101ALI20180122BHJP
   F24F 7/06 20060101ALI20180122BHJP
【FI】
   F24F3/00 Z
   F24F5/00 K
   F24F7/06 B
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-4111(P2013-4111)
(22)【出願日】2013年1月11日
(65)【公開番号】特開2014-134371(P2014-134371A)
(43)【公開日】2014年7月24日
【審査請求日】2015年11月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 久人
(72)【発明者】
【氏名】豊原 範之
(72)【発明者】
【氏名】安田 孝
(72)【発明者】
【氏名】新田 隆雄
(72)【発明者】
【氏名】庄司 研
【審査官】 関口 知寿
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−078057(JP,A)
【文献】 特開2010−223487(JP,A)
【文献】 特開2010−038510(JP,A)
【文献】 特開平11−094343(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 3/00
F24F 5/00
F24F 7/06
G06F 1/20
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下階の2つの空間を空調する空調システムであって、
前記上下階のそれぞれには、冷却対象となる冷却対象物が収容され、
前記上階の天井裏に設けられた排気チャンバと、前記下階から前記上階の床を貫通して前記排気チャンバに至る排気シャフトと、少なくとも前記下階に冷却空気を送る給気装置と、を備え、
前記下階および上階の冷却対象物は、前記排気シャフトに排熱し、
前記上下階のうち少なくとも一方は、通気口が形成された間仕切壁で仕切られており、
当該間仕切壁で仕切られた2つの室の一方には、サーバが収容され、他方には、キュービクルが収容され、
前記給気装置は、前記下階の壁に設けられて当該下階のサーバが収容された室に冷却空気を吹き出す壁吹出ユニット、あるいは、前記上階の天井に設けられて当該上階に冷却空気を吹き出す天井吹出ユニットおよび前記上階の床に設けられて前記上階と前記下階のサーバが収容された室とを連通する床通気口を備えることを特徴とする空調システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調システムに関する。詳しくは、上下に配置された2つの室を一体として空調する空調システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、上下に配置された2つの室を一体として空調する空調システムが知られている。
例えば、上階の室にサーバを収容し、下階の室に無停電電源を収容する空調システム(特許文献1参照)が提案されている。
この特許文献1に記載の空調システムでは、上階の床面(下階の天井面)に全面亘って通気口を設けておき、下階の室に冷却空気を供給する。この冷却空気は、下階の無停電電源を冷却した後、通気口を通って上階の室に流れ込み、上階のサーバを冷却する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−78056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、以上の空調システムでは、下階に供給された冷却空気が下階の排気と混合してある程度暖められてしまう。そのため、この暖められた冷却空気が上階に流れ込むこととなり、冷却効果が低下する、という問題があった。
【0005】
本発明は、上下階の2つの空間を一体的に空調する場合に、冷却効果が低下するのを防止できる空調システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の空調システム(例えば、後述の空調システム1、1A、1B)は、上下階の2つの空間(例えば、後述の室20、30)を空調する空調システムであって、前記上下階のそれぞれには、冷却対象となる冷却対象物(例えば、後述のサーバ2、キュービクル3)が収容され、前記上階の天井裏に設けられた排気チャンバ(例えば、後述の排気チャンバ11)と、前記下階から前記上階の床を貫通して前記排気チャンバに至る排気シャフト(例えば、後述の排気シャフト12、12B)と、少なくとも前記下階に冷却空気を送る給気装置(例えば、後述の壁吹出ユニット13)と、を備え、前記下階の冷却対象物は、前記排気シャフトに排熱し、前記給気装置は、前記下階の壁に設けられて当該下階に冷却空気を吹き出す壁吹出ユニット(例えば、後述の壁吹出ユニット13)、あるいは、前記上階の天井に設けられて当該上階に冷却空気を吹き出す天井吹出ユニット(例えば、後述の天井吹出ユニット17)および前記上階の床に設けられて前記上階と前記下階とを連通する床通気口(例えば、後述の床通気口18)と、を備えることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、少なくとも下階の冷却対象物から排出された暖かい空気は、排気シャフトを通って排気チャンバに集約される。その後、この排気チャンバ内の空気の少なくとも一部は、壁吹出ユニットあるいは天井吹出ユニットにより室内に吹き出されて、冷却対象物を冷却する。このようにして、上下階の2つの空間を一体に空調する。
ここで、下階の冷却対象物は排気シャフトに排熱するので、下階において冷却空気が排気と混合するのを防いで、冷却効果が低下するのを防止できる。
また、壁や天井に空調機である吹出ユニットを設けたので、室内に空調機を設置した場合に比べて、各階の室内のスペースを有効活用できる。
【0008】
また、排気チャンバ内の空気を吹出ユニットにより室内に吹き出す際、この排気チャンバ内の空気を、混合チャンバにて外気と混合したり、冷却コイルを通したりすることで冷却してもよい。
【0009】
請求項に記載の空調システムは、前記上階の冷却対象物は、前記排気シャフトに排熱することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、上階の冷却対象物も排気シャフトに排熱するので、上階においても、冷却空気が排気と混合することはなく、冷却効果が低下するのをより確実に防止できる。
【0011】
請求項に記載の空調システムは、前記上下階のうち少なくとも一方には、移動可能な間仕切壁(例えば、後述の間仕切壁40)が設けられることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、サーバ室や電気室を上下階の任意の位置に自由に配置できるので、サーバ室と電気室との面積比を最適に設定できる。例えば、電気室の面積を最小にし、サーバ室の面積を最大に設定できる。
【0013】
本発明の空調システム(例えば、後述の空調システム1C)は、上下階の2つの空間(例えば、後述の室20、30)を空調する空調システムであって、前記上下階のそれぞれには、冷却対象となる冷却対象物(例えば、後述のサーバ2、キュービクル3)が収容され、前記上階の天井裏に設けられた排気チャンバ(例えば、後述の排気チャンバ11)と、前記下階から前記上階の床を貫通して前記上階に至る給気シャフト(例えば、後述の給気シャフト50)と、少なくとも前記下階に冷却空気を送る給気装置(例えば、後述の壁吹出ユニット13)と、を備え、当該給気装置は、前記下階の壁に設けられて当該下階に冷却空気を吹き出す壁吹出ユニット(例えば、後述の壁吹出ユニット13)を備えることが好ましい
【0014】
この発明によれば、下階に吹き出した冷却空気は、給気シャフトを通って上階に供給される。このようにして、上下階の2つの空間を一体に空調する。
よって、上階において冷却空気が排気と混合するのを防いで、冷却効果が低下するのを防止できる。
また、壁に空調機である吹出ユニットを設けたので、室内に空調機を設置した場合に比べて、各階の室内のスペースを有効活用できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、上階や下階において冷却空気が排気と混合するのを防いで、冷却効果が低下するのを防止できる。また、壁や天井に空調機である吹出ユニットを設けたので、室内に空調機を設置した場合に比べて、各階の室内のスペースを有効活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1実施形態に係る空調システムの断面図である。
図2】本発明の第2実施形態に係る空調システムの断面図である。
図3】本発明の第3実施形態に係る空調システムの断面図である。
図4】本発明の参考例に係る空調システムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る空調システム1の断面図である。
【0018】
空調システム1は、上階にサーバ室を有し、下階にサーバ室または電気室を有する上下二層のデータセンターを空調するものである。
具体的には、空調システム1は、上下階に配置された2つの室20、30を空調する。ここで、下階には、室20が設けられ、上階でかつ室20の直上には、室30が設けられている。
この空調システム1は、室20、30の壁の内部に設けられた混合チャンバ10と、上階の室30の天井裏に設けられた排気チャンバ11と、下階の室20から上方に延びて排気チャンバ11に至る2本の排気シャフト12と、各室20、30の壁面に設けられて各室20、30に冷却空気を送る給気装置としての壁吹出ユニット13と、を備える。
【0019】
各室20、30は、移動可能な間仕切壁40で2つに仕切られている。この間仕切壁40で仕切られた一方の空間(図1中左側の空間)は、冷却対象となる冷却対象物としてのサーバ2が収容されたサーバ室21、31である。
一方、間仕切壁40で仕切られた他方の空間(図1中右側の空間)は、冷却対象となる冷却対象物としてのキュービクル3が収容された電気室22、32である。
【0020】
この間仕切壁40は、上下階で同じ位置に配置されており、サーバ室21とサーバ室31、および、電気室22と電気室32とは、床面積が同一となっている。
また、間仕切壁40には、壁通気口41が設けられており、この壁通気口41により、サーバ室21、31と電気室22、32とが連通している。
【0021】
各排気シャフト12は、下階のサーバ室21の床面から上方に延びて、上階のサーバ室31の床を貫通し、排気チャンバ11に到達している。サーバ室21、31では、サーバ2は、それぞれ、排気シャフト12に沿って設けられて、この排気シャフト12に排熱する。
また、サーバ室21、31には、この排気シャフト12に沿って、ケーブルラック4が設けられている。
【0022】
排気チャンバ11は、外部に開放されるとともに、混合チャンバ10に接続されており、この排気チャンバ11と混合チャンバ10との接続部分には、冷却コイル14が設けられている。また、電気室32の天井面には、排気チャンバ11に連通する天井通気口15が設けられている。
これにより、排気チャンバ11は、排気シャフト12および電気室32内の空気を集約し、この集約した空気の一部を、冷却コイル14で冷却して混合チャンバ10に供給するとともに、残りの空気を外部に排出する。
【0023】
混合チャンバ10は、外部に開放されており、外部の冷たい空気を取り込むとともに、この外部から取り込んだ空気と、排気チャンバ11から冷却コイル14を通して供給された空気と、を混合することで空調する。
【0024】
壁吹出ユニット13には、ファンが設けられているが、冷却コイルは設けられておらず、混合チャンバ10内の空気をサーバ室21、31内に吹き出して供給する。また、この壁吹出ユニット13は、サーバ室21、31の壁面のみに設けられており、電気室22、32の壁面には設けられていない。
【0025】
この空調システム1では、空気の流れは以下のようになる。
すなわち、サーバ室21、31のサーバ2から排出された暖かい空気は、排気シャフト12を通って、排気チャンバ11に流入する。また、上階の電気室32のキュービクル3から排出された暖かい空気も、天井通気口15を通って、排気チャンバ11に流入する。
この排気チャンバ11内の空気の一部は、混合チャンバ10に供給され、残りの空気は、排気チャンバ11から外部に排出される。
【0026】
排気チャンバ11から混合チャンバ10に供給された空気は、混合チャンバ10にて外部の冷たい空気と混合して空調され、その後、壁吹出ユニット13によりサーバ室21、31内に吹き出されて、サーバ2を冷却するとともに、一部の空気は、間仕切壁40の壁通気口41を通って電気室22、32に流れ込んで、キュービクル3を冷却する。
【0027】
このように、上下二層のサーバ室21、31、電気室22、32に対して、上下階を一体に空調する。このとき、外気冷房に対応して、空調熱源の代わりに外気と室内還気とを混合することで、吹出し空気の温度や湿度を調整する。
また、排気チャンバ11から混合チャンバ10に供給される空気を、必要に応じて冷却コイル14で冷却することで、吹出し空気の温度をさらに低くする。
【0028】
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)上下階のサーバ室21、31のサーバ2は排気シャフト12に排熱するので、下階において、冷却空気が排気と混合するのを防いで、冷却効果が低下するのを防止できる。
また、壁に空調機である壁吹出ユニット13を設けたので、室内に空調機を設置した場合に比べて、各階の室内のスペースを有効活用できる。
【0029】
(2)サーバ室21、31、電気室22、32を上下階の任意の位置に自由に配置できるので、サーバ室と電気室との面積比を最適に設定できる。例えば、電気室の面積を最小にし、サーバ室の面積を最大に設定できる。
【0030】
(3)ファンおよびコイルを1台の空調機に設けるのではなく、壁吹出ユニット13と冷却コイル14とにファンとコイルとを分離した。よって、ファンおよびコイルを建物内部に分散配置して、建物全体を空調機として機能させることができるので、必要な個所に必要な冷却空気を送って、空調の制御性を高めることができる。
【0031】
(4)サーバ室21、31や電気室22、32の発熱量の変化に応じて、空調機器を適宜増設して、空調能力を増大させることができる。
【0032】
(5)電気室とメンテナンスエリアとを一体化できるので、スペースを有効利用できる。
【0033】
〔第2実施形態〕
図2は、本発明の第2実施形態に係る空調システム1Aの斜視図である。
本実施形態では、間仕切壁40の配置、壁吹出ユニット13の配置、および、排気シャフト12Bが設けられている点が、第1実施形態と異なる。
【0034】
具体的には、室30では、間仕切壁が設けられておらず、この室30には、サーバ2のみが収容されて、室30の全体がサーバ室33となっている。
また、室20では、間仕切壁40に通気口が設けられておらず、さらにこの間仕切壁40は、第1実施形態に比べて、図2中左側に寄っている。室20のうち間仕切壁40で仕切られた図2中左側の空間は、冷却対象物としてのキュービクル3が収容された電気室23である。一方、間仕切壁40で仕切られた図2中右側の空間は、冷却対象物としてのサーバ2が収容されたサーバ室24である。
【0035】
また、排気シャフトとしては、1本の排気シャフト12のほか、2本の排気シャフト12Bが設けられている。このうち排気シャフト12は、第1実施形態と同様に、下階のサーバ室24の床面から上方に延びて、上階のサーバ室33の床を貫通し、排気チャンバ11に到達している。
【0036】
一方、排気シャフト12Bは、下階の電気室23の天井面から上方に延びて排気チャンバ11に到達している。つまり、排気シャフト12Bの下端は、サーバ室33の床面に設けられた床通気口16であり、電気室23に連通している。
上述の電気室23のキュービクル3およびケーブルラック4は、排気シャフト12Bの床通気口16の直下に設けられている。
【0037】
また、壁吹出ユニット13は、サーバ室24、33の壁面だけではなく、電気室23の壁面にも設けられている。
【0038】
この空調システム1Aでは、空気の流れは以下のようになる。
すなわち、サーバ室24、33のサーバ2から排出された暖かい空気は、排気シャフト12、12Bを通って、排気チャンバ11に流入する。また、電気室23のキュービクル3から排出された暖かい空気も、排気シャフト12Bを通って、排気チャンバ11に流入する。
その後、この排気チャンバ11内の空気の一部は、冷却コイル14で冷却されて混合チャンバ10に供給され、残りの空気は、排気チャンバ11から外部に排出される。
【0039】
排気チャンバ11から混合チャンバ10に供給された空気は、混合チャンバ10にて外部の冷たい空気と混合して空調され、その後、壁吹出ユニット13によりサーバ室24、33や電気室23に吹き出されて、サーバ2やキュービクル3を冷却する。
【0040】
本実施形態によれば、上述の(1)〜(5)と同様の効果がある。
【0041】
〔第3実施形態〕
図3は、本発明の第3実施形態に係る空調システム1Bの斜視図である。
本実施形態では、壁吹出ユニット13ではなく、給気装置としての天井吹出ユニット17が設けられている点が、第1実施形態と異なる。
具体的には、サーバ室31の天井面には、冷却空気を下方に向かってサーバ室31に吹き出す天井吹出ユニット17が設けられている。
また、サーバ室31の床で天井吹出ユニット17の直下には、サーバ室31とサーバ室21とを連通する給気装置としての床通気口18が設けられている。
【0042】
この空調システム1Bでは、空気の流れは以下のようになる。
すなわち、サーバ室21、31のサーバ2から排出された暖かい空気は、排気シャフト12を通って、排気チャンバ11に流入する。また、上階の電気室32のキュービクル3から排出された暖かい空気も、天井通気口15を通って、排気チャンバ11に流入する。
この排気チャンバ11内の空気の一部は、混合チャンバ10に供給され、残りの空気は、排気チャンバ11から外部に排出される。
【0043】
排気チャンバ11から混合チャンバ10に供給された空気は、混合チャンバ10にて外部の冷たい空気と混合して空調され、その後、天井吹出ユニット17によりサーバ室31内に吹き出されて、サーバ室31のサーバ2を冷却するとともに、床通気口18を通って下階のサーバ室21に流入し、サーバ室31のサーバ2を冷却する。また、サーバ室21、31の一部の空気は、間仕切壁40の壁通気口41を通って電気室22、32に流れ込んで、キュービクル3を冷却する。
【0044】
本実施形態によれば、上述の(1)〜(5)と同様の効果がある。
【0045】
参考例
図4は、本発明の参考例に係る空調システム1Cの斜視図である。
参考例では、間仕切壁40の配置、壁吹出ユニット13の配置、および、給気シャフト50設けられている点が、第1実施形態と異なる。
【0046】
具体的には、室20、30では、間仕切壁が設けられておらず、室20にはキュービクル3が収容されて、室20全体が電気室25となっている。また、室30にはサーバ2が収容されて、室30全体がサーバ室34となっている。
【0047】
給気シャフト50は、下階の電気室25の天井面から上方に延びてサーバ室34の天井面に到達している。つまり、この給気シャフト50の下端は、サーバ室33の床面に設けられた床通気口51であり、電気室25に連通している。
【0048】
参考例では、サーバ室34の給気シャフト50以外の空間が、排気シャフト12Cとなっている。サーバ室34の天井面には、排気チャンバ11に連通する天井通気口15が設けられており、これにより、排気シャフト12Cは、サーバ室34の床面から上方に延びて排気チャンバ11に到達していることになる。
【0049】
また、図4中左側の給気シャフト50の床通気口51の直下には、ファンを有する床下ファンユニット19が設置されている。この床下ファンユニット19により、電気室25内の空気は排気シャフト12に強制的に送られる。
【0050】
また、サーバ2は、給気シャフト50に沿って設けられており、この給気シャフト50から冷却空気を取り込んで、排気シャフト12Cに排熱する。
また、給気装置としての壁吹出ユニット13は、サーバ室34の壁面には設けられておらず、電気室25の壁面のみに設けられている。
【0051】
この空調システム1Cでは、空気の流れは以下のようになる。
すなわち、サーバ室34のサーバ2から室内に排出された暖かい空気は、排気シャフト12Cを通って、排気チャンバ11に流入する。
その後、この排気チャンバ11内の空気の一部は、冷却コイル14で冷却されて混合チャンバ10に供給され、残りの空気は、排気チャンバ11から外部に排出される。
【0052】
排気チャンバ11から混合チャンバ10に供給された空気は、混合チャンバ10にて外部の冷たい空気と混合して空調され、その後、壁吹出ユニット13により電気室25に吹き出されて、キュービクル3を冷却するとともに、床通気口51を通って給気シャフト50に流れ込んで、上階のサーバ室34のサーバ2を冷却する。
【0053】
参考例によれば、上述の(1)〜(5)と同様の効果がある。
【0054】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0055】
1、1A、1B、1C…空調システム
2…サーバ
3…キュービクル
4…ケーブルラック
10…混合チャンバ
11…排気チャンバ
12、12B、12C…排気シャフト
13…壁吹出ユニット(給気装置)
14…冷却コイル
15…天井通気口
16…床通気口
17…天井吹出ユニット(給気装置)
18…床通気口(給気装置)
19…床下ファンユニット
20…下階の室
21…サーバ室
22…電気室
23…電気室
24…サーバ室
25…電気室
30…上階の室
31…サーバ室
32…電気室
33…サーバ室
34…サーバ室
40…間仕切壁
41…壁通気口
50…給気シャフト
51…床通気口
図1
図2
図3
図4