特許第6271277号(P6271277)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6271277自動販売機の表示装置及びこれを備えた自動販売機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6271277
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】自動販売機の表示装置及びこれを備えた自動販売機
(51)【国際特許分類】
   G07F 9/02 20060101AFI20180122BHJP
【FI】
   G07F9/02 B
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-23093(P2014-23093)
(22)【出願日】2014年2月10日
(65)【公開番号】特開2015-149041(P2015-149041A)
(43)【公開日】2015年8月20日
【審査請求日】2017年2月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001845
【氏名又は名称】サンデンホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078330
【弁理士】
【氏名又は名称】笹島 富二雄
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(72)【発明者】
【氏名】近藤 博
(72)【発明者】
【氏名】久戸瀬 弘
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 裕典
【審査官】 須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−236964(JP,A)
【文献】 特開2012−033098(JP,A)
【文献】 特開2011−022900(JP,A)
【文献】 特開2007−206745(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0052198(US,A1)
【文献】 特開2002−083368(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが商品に関する商品情報を表示する複数の電子ペーパー表示部と、
前記複数の電子ペーパー表示部の表示動作を制御する制御部と、
を含み、
前記制御部は、前記商品情報を変更する場合、前記複数の電子ペーパー表示部に前記商品情報を消去させ、その後、選択された電子ペーパー表示部に変更後の商品情報を表示させる一方、選択されなかった電子ペーパー表示部に変更前の商品情報を再表示させる、
自動販売機の表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記商品情報の変更処理の開始信号が入力されると、前記複数の電子ペーパー表示部に前記商品情報を消去させ、その後、電子ペーパー表示部の選択信号が入力されると、当該選択信号によって選択された電子ペーパー表示部に変更後の商品情報を表示させ、さらにその後、前記商品情報の変更処理の終了信号が入力されると、前記選択信号によって選択されなかった電子ペーパー表示部に変更前の商品情報を再表示させる、請求項1に記載の自動販売機の表示装置。
【請求項3】
前記商品情報の消去は、前記電子ペーパー表示部における残像を抑制するためのリフレッシュ処理を含む、請求項1又は2に記載の自動販売機の表示装置。
【請求項4】
前記変更後の商品情報は、前記複数の電子ペーパー表示部が前記商品情報を消去した後に設定されたものである、請求項1〜3のいずれか一つに記載の自動販売機の表示装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記選択された電子ペーパー表示部に前記変更後の商品情報を順次表示させる、請求項1〜4のいずれか一つに記載の自動販売機の表示装置。
【請求項6】
前記自動販売機は、それぞれが前記複数の電子ペーパー表示部のいずれかに対応する複数の商品選択ボタンを有し、
前記商品選択ボタンの操作されることによって当該商品選択ボタンに対応する電子ペーパー表示部が選択される、
請求項1〜5のいずれか一つに記載の自動販売機の表示装置。
【請求項7】
前記自動販売機は、前面が開口した本体キャビネットと、当該本体キャビネットの開口を開閉する外扉と、を有し、
前記制御部は、前記外扉が閉じられると、前記複数の電子ペーパー表示部に残像を抑制するためのリフレッシュ処理を実施させた後に当該リフレッシュ処理の実施前の情報を再表示させる、請求項1〜6のいずれか一つに記載の自動販売機の表示装置。
【請求項8】
それぞれが商品に関する複数項目の商品情報を表示する複数の電子ペーパー表示部と、
前記複数の電子ペーパー表示部の表示動作を制御する制御部と、
を含み、
前記制御部は、前記複数項目のうちの一部の項目の商品情報を変更する場合、前記複数の電子ペーパー制御部に前記複数項目の商品情報を消去させると共に前記一部の項目以外の項目の商品情報を再表示させ、その後、選択された電子ペーパー表示部に前記一部の項目の変更後の商品情報を表示させる一方、選択されなかった電子ペーパー表示部に前記一部の項目の変更前の商品情報を再表示させる、
自動販売機の表示装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一つに記載の自動販売機の表示装置を備えた自動販売機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機及びその表示装置に関し、詳しくは、商品に関する商品情報を表示する自動販売機の表示装置及びこれを備えた自動販売機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、商品に関する商品情報を表示する商品情報表示部を備えた自動販売機が記載されている。特許文献1に記載の自動販売機において、商品情報表示部は、発光ダイオード(LED)や液晶表示部材(LCD)からなり、商品の販売価格、商品の冷温状態などを表示可能に構成されている。このような商品情報表示部は、商品の販売価格や商品の冷温状態などが変更された場合であっても表示内容を容易に変更できるため、非常に便利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−186959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、自動販売機においてもさらなる省電力化が求められている。そこで、出願人は、表示中は常に電力を消費してしまうLEDやLCDで商品情報表示部を構成するのではなく、表示内容を容易に変更できると共に電力を消費することなく表示内容を維持できる電子ペーパーで商品情報表示部を構成することを検討している。
【0005】
しかし、電子ペーパーの表示内容を変更するためには、変更前の内容を消去してから変更後の内容を表示しなければならず、LEDやLCDのように変更後の内容が直ちに表示されない。このため、変更後の内容が表示されるまでにディレイが発生し、例えば、表示内容の変更が正しく行われたか否かの確認に一定の時間がかかる。このような状況は、特に複数の商品情報表示部についての表示内容を変更する場合に、その作業性が低下するおそれがあるため好ましくない。
【0006】
そこで、本発明は、電子ペーパーの利点を生かしつつ、表示内容を変更する際の作業性の低下を抑制することのできる自動販売機の表示装置及びこれを備えた自動販売機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面によると、自動販売機の表示装置は、それぞれが商品に関する商品情報を表示する複数の電子ペーパー表示部と、前記複数の電子ペーパー表示部の表示動作を制御する制御部と、を含み、前記制御部は、前記商品情報を変更する場合、前記複数の電子ペーパー表示部に前記商品情報を消去させ、その後、選択された電子ペーパー表示部に変更後の商品情報を表示させる一方、選択されなかった電子ペーパー表示部に変更前の商品情報を再表示させる。
【0008】
本発明の他の側面によると、自動販売機の表示装置は、それぞれが商品に関する複数項目の商品情報を表示する複数の電子ペーパー表示部と、前記複数の電子ペーパー表示部の表示動作を制御する制御部と、を含み、前記制御部は、前記複数項目のうちの一部の項目の商品情報を変更する場合、前記複数の電子ペーパー制御部に前記複数項目の商品情報を消去させると共に前記一部の項目以外の項目の商品情報を再表示させ、その後、選択された電子ペーパー表示部に前記一部の項目の変更後の商品情報を表示させる一方、選択されなかった電子ペーパー表示部に前記一部の項目の変更前の商品情報を再表示させる。
【発明の効果】
【0009】
前記自動販売機の表示装置によると、電子ペーパー表示部に変更後の商品情報を表示させるときには、すでに変更前の商品情報が消去されているので、変更後の商品情報が表示されるまでのディレイを低減することできる。これにより、電子ペーパーの利点を生かしつつ、表示内容を変更する際の作業性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明が適用された自動販売機の一実施形態の正面概略図である。
図2】前記自動販売機におけるサンプルステージ及びその近傍を示す拡大斜視図である。
図3図1のA部拡大図であり、前記自動販売機における情報表示部及び商品選択ボタン13を示す図である。
図4】前記自動販売機における情報表示部、商品選択ボタン、リモコン、及び制御装置の制御系の構成を示すブロック図である。
図5】前記自動販売機における情報表示部及びその表示内容、並びに商品選択ボタンを模式的に示す図である。
図6】前記自動販売機における情報表示部及びその表示内容、並びに商品選択ボタンを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明が適用された自動販売機の一実施形態の正面概略図である。
本実施形態による自動販売機1は、缶入り飲料やペットボトル入り飲料などの容器入り飲料を商品として販売するものであり、本体キャビネット2と、本体キャビネット2の前面を開閉自在に閉塞する外扉3と、を有する。
【0012】
本体キャビネット2内には、それぞれが同種類の商品を収納する複数の商品収納コラム(図示省略)が配設されている。各商品収納コラムは、自動販売機1内において独立した断熱空間に区画された複数の庫室内に配置されており、自動販売機1に設けられた冷却/加温機(図示省略)によって各庫室ごとに商品の冷却又は加温を行えるように構成されている。また、各商品収納コラムには、収納商品を一つずつ搬出するための商品搬出機(図示省略)が設けられている。
【0013】
外扉3の前面には、金銭投入口4(紙幣投入口4a,硬貨投入口4b)、デジタル表示器5、金銭返却レバー6、商品取出口7、及び硬貨返却口8が設けられている。また、外扉3(自動販売機1)の上部には、前記複数の商品収納コラムに収納された各商品に対応する商品サンプルSを展示するサンプル展示室10が設けられている。サンプル展示室10は、外扉3の前面上部の開口部に取り付けられた透明な前面パネル31の内側に形成されている。
【0014】
サンプル展示室10内には、左右方向に延びるサンプルステージ11が上下方向に複数段(ここでは三段)に配置されている。各サンプルステージ11上には、複数の商品サンプルSが載置されており、各サンプルステージ11の前面には、商品に関する商品情報を表示する、商品サンプルSと同数の情報表示部12が取り付けられている。
【0015】
図2は、サンプルステージ11及びその近傍を示す拡大斜視図である。
本実施形態において、各サンプルステージ11の上面には、その延伸方向(すなわち、自動販売機1の左右方向)に沿って12個の商品サンプルSが並んで載置され、各サンプルステージ11の前面には、前記延伸方向に沿って12個の情報表示部12が取り付けられている。すなわち、本実施形態において、商品サンプルS及び情報表示部12は、それぞれ36個ずつ設けられ、商品サンプルSと情報表示部12とは一対一で対応している。但し、商品サンプルS及び情報表示部12の個数は任意に設定可能である。
【0016】
図1に戻って、透明な前面パネル31の前面には、複数の商品選択ボタン13が配設されている。具体的には、透明な前面パネル31の前面には、それぞれが各情報表示部12の下側に位置するように36個の商品選択ボタン13が配設されている。つまり、各商品選択ボタン13は、いずれかの情報表示部12に対応して設けられている。各商品選択ボタン13は、押下操作されると、その旨の信号(以下「押下操作信号」という)を発生するように構成されている。
【0017】
図3は、図1のA部拡大図であり、情報表示部12及び商品選択ボタン13を示している。本実施形態において、情報表示部12は、電気的に表示内容を変更できると共に表示中に電力を消費しない(ほとんど消費しない)電子ペーパーで構成されている。情報表示部12は、商品に関する複数項目の商品情報を表示可能であり、ここでは、前記複数項目の商品情報として対応商品の販売価格及び対応商品の冷温状態を表示するように構成されている。
【0018】
情報表示部12は、例えばツイストボール方式の電子ペーパーで略矩形状に形成されており、中央の価格表示領域121と、価格表示領域121を囲むように設けられた冷温表示領域122と、を有している。価格表示領域121と冷温表示領域122とは区分されており、冷温表示領域122はさらに上側半分122aと下側半分122bとに区分されている。そして、情報表示部12は、図示省略の電極に所定の電圧が印加されることによってツイストボールが回転し、これにより、各領域に所定の文字等を表示するようになっている。具体的には、本実施形態において、情報表示部12は、価格表示領域121に黒文字(白色背景)で対応商品の販売価格(ここでは120円を表す120)を表示する。また、対応商品が加温商品である場合、情報表示部12は、冷温表示領域122の上側半分122aに、「あたたか〜い」などの対応商品が加温されている旨を白抜き文字(赤色背景)で表示する(図3(a)参照)。さらに、対応商品が冷却商品である場合、情報表示部12は、冷温表示領域122の下側半分122bに、「つめた〜い」などの対応商品が冷却されている旨を白抜き文字(青色背景)で表示する(図3(b)参照)。
【0019】
再び図1に戻って、自動販売機1の内部には、破線で示すように、貨幣処理機21、リモコン22、制御装置23などが設けられている。
貨幣処理機21は、金銭投入口4に投入された金銭の計数処理などを実施する。リモコン22は、自動販売機1における各種設定や変更などを行うためにオペレータによって操作される。制御装置23は、前記冷却/加熱器、前記商品搬出機、情報表示部12、商品選択ボタン13、リモコン22などと信号線を介して接続されており、自動販売機1における各種の動作を統括的に制御する。
【0020】
また、制御装置23は、主にリモコン22を介したオペレータの設定/変更操作などに応じて各情報表示部12の表示動作を制御する。例えば、オペレータがリモコン22を用いて各商品の販売価格や冷温状態を入力すると、制御装置23は、オペレータの入力に応じた制御信号を各情報表示部12に出力する。すると、各情報表示部12は、入力した制御信号に基づいて、価格表示領域121に対応商品の販売価格を表示し、冷温表示領域122に対応商品の冷温状態を表示する(図3参照)。
【0021】
次に、本実施形態における情報表示部12の表示内容の変更について図4図6を参照して説明する。図4は、各情報表示部12、各商品選択ボタン13、リモコン22、及び制御装置23の制御系の構成を示すブロック図であり、図5及び図6は、各情報表示部12及びその表示内容、並びに各商品選択ボタン13を模式的に示す図である。なお、以下の説明においては、説明の便宜上、各情報表示部12を12−1〜12−36とし、各商品選択ボタン13を13−1〜13−36とする場合がある。
【0022】
本実施形態において、情報表示部12の表示内容の変更は、通常、外扉3が開かれた状態で、オペレータがリモコン22及び商品選択ボタン13を操作することによって行われる。ここでは、情報表示部12−1〜12−36のうち、情報表示部12−1及び情報状表示部12−2における販売価格の表示を変更する場合(販売価格を120円から150円に変更する場合)について説明する。
【0023】
図5(a)は、販売価格を変更する前の状態を示している。この状態においては、全商品の販売価格が120円に設定されており、各情報表示部12−1〜12−36は、その価格表示領域121に「120」を表示している。また、ここでは全商品が冷却商品であるものとし、各情報表示部12−1〜12−36は、その冷温表示領域122の下側半分122bに「つめた〜い」を表示している。なお、冷温表示領域122の上側半分122aは無表示(白色)である。
【0024】
オペレータがリモコン22を操作して「価格設定/変更」処理を選択すると、リモコン22から「価格設定/変更」処理の開始信号が制御装置23に出力される。制御装置23は「価格設定/変更」処理の開始信号を入力すると、例えばリフレッシュ処理信号を全ての情報表示部12−1〜12−36に出力して全ての情報表示部12−1〜12−36にリフレッシュ処理を実施させる。このリフレッシュ処理は、例えば画面の黒白反転を行うことによって残像を抑制するものであり、これにより、全ての情報表示部12−1〜12−36の表示内容が消去され、図5(b)に示すように、全ての情報表示部12−1〜12−36が無表示の状態となる(白色)となる。
【0025】
また、制御装置23は、全ての情報表示部12−1〜12−36にリフレッシュ処理信号を出力した後、例えば、冷温状態の再表示信号を全ての情報表示部12−1〜12−36に出力して全ての情報表示部12−1〜12−36に変更対象項目ではない冷温状態を再表示させる。すなわち、全ての情報表示部12−1〜12−36において、冷温表示領域122における表示内容を前記リフレッシュ処理前の状態に戻す。これにより、図5(c)に示すように、各情報表示部12−1〜12−36において、価格表示領域121は無表示の状態のままであるが、冷温表示領域122の下側半分122bには「つめた〜い」が再表示される。
【0026】
次いで、オペレータがリモコン22を操作して変更後の販売価格(150円)を入力すると、入力された変更後の販売価格情報が制御装置23に出力される。但し、この段階においては、制御装置23は、各情報表示部12−1〜12−36に対する制御を特に行わない。すなわち、各情報表示部12−1〜12−36の表示内容は、図5(c)に示す状態のままである。
【0027】
次いで、オペレータが情報表示部12−1に対応する(すなわち、直下にある)商品選択ボタン13−1を押下操作すると、商品選択ボタン13−1の発生した押下操作信号が制御装置23に入力される。すると、制御装置23は、例えば販売価格の表示信号を情報表示部12−1に出力して情報表示部12−1に前記変更後の販売価格を表示させる。これにより、図6(a)に示すように、情報表示部12−1の価格表示領域121には「150」が表示される。
【0028】
次いで、オペレータが情報表示部12−2に対応する商品選択ボタン13−2を押下操作すると、商品選択ボタン13−2の発生した押下操作信号が制御装置23に入力される。すると、制御装置23は、前記販売価格の表示信号を情報表示部12−2に出力して情報表示部12−2に前記変更後の販売価格を表示させる。これにより、図6(b)に示すように、情報表示部12−1の価格表示領域121と同様、情報表示部12−2の価格表示領域121には「150」が表示される。
【0029】
つまり、オペレータが商品選択ボタン13を押下操作する度に、押下操作された商品選択ボタン13に対応する情報表示部12が選択され、選択された情報表示部12の価格表示領域121に「150」が順次表示されることになる。
【0030】
次いで、オペレータがリモコン22の終了キーを押下操作し又はオペレータがリモコン22を操作して「価格設定/変更」処理以外の処理を選択すると、リモコン22から「価格設定/変更」処理の終了信号が制御装置23に出力される。制御装置23は「価格設定/変更」処理の終了信号を入力すると、例えば販売価格の再表示信号を、オペレータの商品選択ボタン13の押下操作によって選択されなかった情報表示部12−3〜12−36に出力して情報表示部12−3〜12−36に変更前の販売価格を再表示させる。これにより、図6(c)に示すように、情報表示部12−3〜12−36の価格表示領域121に「120」が表示されて、販売価格の表示の変更処理が終了する。
【0031】
そして、販売価格に表示の変更処理の終了後、オペレータが外扉3を閉じると、例えば外扉3の開閉を検知するセンサなど(図示省略)から閉検知信号が制御装置23に入力される。すると、制御装置23は、前記リフレッシュ処理信号を全ての情報表示部12−1〜12−36に出力して全ての情報表示部12−1〜12−36に前記リフレッシュ処理を実施させる。また、制御装置23は、前記リフレッシュ処理信号の出力後、販売価格の再表示信号及び冷温状態の再表示信号を全ての情報表示部12−1〜12−36に出力して全ての情報表示部12−1〜12−36に直前の(すなわち、前記リフレッシュ処理の実施前の)販売価格及び冷温状態を再表示させる。
【0032】
本実施形態において、各情報表示部12が本発明の「電子ペーパー表示部」に相当し、制御装置23が本発明の「制御部」に相当する。また、前記「価格設定/変更」処理の開始信号が本発明の「変更処理の開始信号」に相当し、各商品選択ボタン13の発生する押下操作信号が本発明の「選択信号」に相当し、前記「価格設定/変更」処理の終了信号が本発明の「変更処理の終了信号」に相当する。
【0033】
上述の実施形態において、複数の情報表示部12の情報表示動作を制御する制御装置23は、各情報表示部12の表示する商品情報(ここでは販売価格)について、少なくとも一つの情報表示部12の前記商品情報を変更する場合、複数の情報表示部12の全てに前記商品情報を消去させ、その後、選択された情報表示部12に変更後の商品情報を表示させる一方、選択されなかった情報表示部12に変更前の商品情報を再表示させる。
このような構成によると、全ての情報表示部12の商品情報が事前に消去されるので、商品情報が変更される情報表示部12、すなわち、前記選択された情報表示部12は、変更前の商品情報を消去することなく、単に変更後の商品情報を表示するだけで済む。このため、情報表示部12を電子ペーパーで構成した場合であっても、例えばオペレータによる操作等から変更後の商品情報が表示されるまでのディレイが低減され、オペレータは商品情報の変更が正しく行われたか否かを速やかに確認することができる。これにより、電子ペーパーの利点を生かしつつ、情報表示部12の表示する商品情報を変更する際の作業性の低下を抑制することができる。
【0034】
また、制御装置23は、前記商品情報の変更処理(前記「価格設定/変更」処理)の開始信号が入力されると、複数の情報表示部12の全てに前記商品情報を消去させる。制御装置23は、その後、情報表示部12の選択信号(選択ボタン13の押下操作信号)が入力されると、当該選択信号によって選択された情報表示部12に変更後の商品情報を表示させ、さらにその後、前記商品情報の変更処理の終了信号が入力されると、前記選択信号によって選択されなかった情報表示部12に変更前の商品情報を再表示させる。
このような構成によると、複数の情報表示部12の全ての前記商品情報が消去されている状態で、前記選択された情報表示部12に変更後の商品情報が表示されるので、例えばオペレータは、変更後の商品情報を容易に視認することができる。これにより、情報表示部12の表示する商品情報を変更する際の作業性の低下をさらに抑制することができる。
【0035】
ここで、前記商品情報の消去は、例えば画面を黒白判定して残像を抑制するためのリフレッシュ処理によって行われているので(図5(b)参照)、各情報表示部12におけるコントラストの低下等が抑制されて前記商品情報の十分な視認性を確保できる。
【0036】
また、変更後の商品情報は、複数の情報表示部12の全ての前記商品情報が消去された後に設定されており、制御装置23は、前記選択された情報表示部12に変更後の商品情報を順次表示させるようにしている(図6(a),(b)参照)。これにより、例えばオペレータは、商品情報の変更が正しく行われたか否かを容易に確認することができる。
【0037】
さらに、制御装置23は、外扉3が閉じられると、複数の情報表示部12の全てに前記リフレッシュ処理を実施させ、その後、当該リフレッシュ処理の実施前の商品情報を再表示させる。これにより、自動販売機1に商品を搬入するときや各種設定の変更を行うときなどにも前記リフレッシュ処理が実施されるので、各情報表示部12におけるコントラストの低下等がさらに抑制されて前記商品情報の十分な視認性を確保できる。
【0038】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に制限されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて更なる変形や変更が可能であることはもちろんである。以下にそのうちのいくつかを例示する。
【0039】
例えば、上述の実施形態では、制御装置23が各情報表示部12の表示動作を制御しているが、制御装置23とは別に各情報表示部12の情報表示動作を制御する表示制御部を設けてもよい。この場合、前記表示制御部と各情報表示部12とを信号線で接続すると共に、前記表示制御部と制御装置23とを信号線で接続する。そして、前記表示制御部が制御装置23からの制御信号に基づいて上述の制御装置23と同様の制御(処理)を実施するように構成すればよい。なお、このように構成した場合には、制御装置23及び前記表示制御部が、本発明の「制御部」に相当する機能を有するように構成することができる。例えば、制御装置23が前記商品情報を含む制御信号を前記表示制御部に出力し、前記表示制御部が各情報表示部12の表示/消去を制御するように構成することができる。ここで、前記表示制御部がメモリ等を有して前記商品情報を記憶できる構成の場合には、外扉3が閉じられたときに、制御装置23は単に前記リフレッシュ処理の実施のための信号を前記表示制御部に出力すればよく、前記表示制御部は、前記リフレッシュ処理を実施すると共に自身のメモリ情報に基づいて、前記リフレッシュ処理の実施前の商品情報を再表示することができる。
【0040】
また、3個、4個又は6個の情報表示部12を一体化して表示ユニットとしてもよい。この場合、上述の表示内容の変更処理を表示ユニット毎に実施するように構成することもできる。
【0041】
さらに、複数の情報表示部12に対する前記リフレッシュ処理は、上述の情報表示部12の表示内容の変更処理とは無関係に実施するようにするのが好ましい。自動販売機1には、継続的又は断続的に振動が発生し、また、外部から衝撃等が加わる場合もある。このような振動や衝撃は、電子ペーパーで構成される情報表示部12のコントラスト等を低下させる可能性があり、その結果、情報表示部12に表示された前記商品情報の視認性が低下するおそれがあるからである。
【0042】
そこで、外扉3が開かれたとき、外扉3が閉じられたとき、及び/又は利用者の少ない時間帯(例えば深夜)などに、制御装置23が複数の情報表示部12の全部又は一部に前記リフレッシュ処理を実施させ、その後、当該リフレッシュ処理の実施前の商品情報を再表示させるように自動販売機1を構成してもよい。また、自動販売機1の前面に人感センサなどを配置し、制御装置23は、利用者の少ない時間帯を判断したり、商品の販売数が所定数以上となり且つ利用者がいないときを判断したりして、複数の情報表示部12の全部又は一部に前記リフレッシュ処理を実施させ、その後、当該リフレッシュ処理の実施前の商品情報を再表示させるようしてもよい。なお、この場合、自動販売機の表示装置は、例えば、それぞれが商品に関する商品情報を表示する複数の電子ペーパー表示部と、前記複数の電子ペーパー表示部の表示動作を制御する制御部とを含み、前記制御部が、前記自動販売機の本体キャビネットの開口を開閉する外扉の開閉に応じて、前記複数の電子ペーパー表示部に、残像を抑制するためのリフレッシュ処理を実施させるように構成することができる。
【符号の説明】
【0043】
1…自動販売機、2…本体キャビネット、3…外扉、10…サンプル展示室、11…サンプルステージ、12…情報表示部(電子ペーパー表示部)、13…商品選択ボタン、22…リモコン、23…制御装置(制御部)、121…価格表示領域、122…冷温表示領域、S…商品サンプル
図1
図2
図3
図4
図5
図6