(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2フィルタ部に対して、前記第1フィルタ部が配される側と反対側に配される本体を有し、該本体の表面から裏面まで前記排気ガスが通過するとともに、該通過過程で排気ガス中の粒子を捕捉する第2補助フィルタ部をさらに備え、
前記第2フィルタ部および前記第2補助フィルタ部の本体は、それぞれの裏面が水平方向に離隔して対向配置されるとともに、該対向方向において、該第2補助フィルタ部の本体の上端は下端よりも該第2フィルタ部の本体から離隔する方向に位置することを特徴とする請求項1に記載の排気装置。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0017】
(第1の実施形態:排気装置100)
図1は、第1の実施形態にかかる排気装置100を説明するための図であり、
図1(a)に排気装置100の正面図を示し、
図1(b)に排気装置100の左側面図を示す。なお、本実施形態に示す以下の図では、垂直に交わるX軸(水平方向)、Y軸(水平方向)、Z軸(鉛直方向)を図示の通り定義している。
【0018】
図1に示すように、加熱器102は、例えば、ガス燃焼調理機器(ガスコンロ)等の開放型燃焼器であり、ガスバーナを含んで構成される。本実施形態において、加熱器102は、壁104(加熱器102が設置される施設を構成する壁)に隣接して設置される。
【0019】
加熱器102がガスを燃焼させることで生じた燃焼排気ガスや、加熱器102によって被加熱物(調理物)が加熱されることで生じた水蒸気(湯気)や油、煙といった調理排気ガスは、100℃〜200℃程度の高温である。したがって、燃焼排気ガスおよび調理排気ガス(以下、「排気ガス」と称する)は、室温(例えば、25℃)と温度差があるため浮力を生じ、上昇流(
図1中、矢印で示す)となって鉛直上方(
図1中、Z方向)に上昇することとなる。
【0020】
排気装置100は、加熱器102によって生成された排気ガスを屋外に排気する機能を有する。
図1に示すように、排気装置100は、フード110と、排気部120と、フィルタユニット130とを含んで構成される。
【0021】
フード110は、加熱器102の上方に設けられ、上面112および側壁114(前側壁114a、右側壁114b、左側壁114c、後側壁114d)によって周囲が囲繞された囲繞空間110aを有する。
【0022】
排気部120は、フード110の上面112に設けられた排気口112aと屋外とを連通する排気ダクト122と、排気ダクト122内に設けられ、排気ガスを屋外に排気する換気ファン124とを含んで構成され、加熱器102によって生成された後、囲繞空間110aまで上昇した排気ガスをフード110の外部(屋外)に排気する。
【0023】
フィルタユニット130は、
図1に示すように、排気口112aを覆うように、囲繞空間110aに配される。したがって、囲繞空間110aまで上昇した排気ガスは、フィルタユニット130を通過して排気口112a、排気部120に導かれることとなる。
【0024】
図2、
図3、
図4は、第1の実施形態にかかるフィルタユニット130の具体的な構成を説明するための図であり、
図2(a)は、第1フィルタ部132、第2フィルタ部134、第1整流板136、第2整流板138を取り外したフィルタユニット130の斜視図を、
図2(b)は、第1フィルタ部132、第2フィルタ部134、第1整流板136、第2整流板138を取りつけたフィルタユニット130の斜視図を、
図3(a)は、
図2(b)のIIIa−IIIa線のYZ断面図を、
図3(b)は、フィルタユニット130の正面図を、
図4は、フィルタユニット130によって区画される領域を説明するための図を示す。なお、理解を容易にするために、
図2においてフード110を破線で示すとともに上面112を省略し、
図3(b)において前側壁114aを省略する。また、本実施形態に示す以下の図では、矢印F方向を手前側とし、矢印R方向を奥側として説明する。
【0025】
これらの図に示すように、フィルタユニット130は、第1フィルタ部132と、第2フィルタ部134と、第1整流板136と、第2整流板138と、支持枠140とを含んで構成される。
【0026】
第1フィルタ部132および第2フィルタ部134は、囲繞空間110aのうち排気部120(排気口112a)に向かう排気ガスの上昇経路上に配される本体を有し、本体の表面(排気ガスに曝される面)から裏面まで排気ガスが通過するとともに、通過過程で排気ガス中の粒子を捕捉する。第1整流板136および第2整流板138は、平面形状の本体を有する板である。
【0027】
第1フィルタ部132、第2フィルタ部134、第1整流板136、第2整流板138は、支持枠140によって、囲繞空間110aに配される。支持枠140は、鉛直断面(
図2、
図3、
図4中、YZ断面)がW字形状であり、支持枠140のうちX方向に延在する面には、奥側(後側壁114d側)から順に開口140a、140b、140c、140dが形成されている。支持枠140は、第1整流板136が開口140aを、第1フィルタ部132が開口140bを、第2フィルタ部134が開口140cを、第2整流板138が開口140dを封止するように、第1フィルタ部132、第2フィルタ部134、第1整流板136、第2整流板138を保持する。
【0028】
第1フィルタ部132、第2フィルタ部134の位置関係について具体的に説明すると、
図3(a)に示すように、第1フィルタ部132の本体および第2フィルタ部134の本体は、第1フィルタ部132の表面132aと、第2フィルタ部134の表面134aとが水平方向(
図3中、Y方向)に対向配置される。さらに、対向方向(
図3中、Y方向)において、第1フィルタ部132の本体の下端132dは上端132cよりも第2フィルタ部134の本体から離隔する方向に位置するとともに、第2フィルタ部134の本体の下端134dは上端134cよりも第1フィルタ部132の本体から離隔する方向に位置するように配される。
【0029】
さらに、本実施形態において、第1フィルタ部132および第2フィルタ部134の本体は、両者の表面(132a、134a)の水平方向の離隔距離が、上端132c、134cから下端132d、134dに向かうに従って大きくなるように、つまり、第1フィルタ部132および第2フィルタ部134の本体の鉛直断面が逆V字形状になるように配される。換言すれば、
図4(a)に示すように、第1フィルタ部132と第2フィルタ部134との間に形成されるフィルタ表面間領域FSの水平断面積が、鉛直下方に向かうに従って大きくなるように配される。
【0030】
また、
図3(a)に示すように、第1整流板136は、第1フィルタ部132より奥側、つまり、第1フィルタ部132に対して、第2フィルタ部134が配される側と反対側に配される。第1フィルタ部132の本体および第1整流板136の本体は、第1フィルタ部132の裏面132bと、第1整流板136の裏面136bとが水平方向(
図3中、Y方向)に離隔して対向配置される。さらに、対向方向(
図3中、Y方向)において、第1整流板136の本体の上端136cは下端136dよりも第1フィルタ部132の本体から離隔する方向に位置するように配される。
【0031】
本実施形態において、第1フィルタ部132および第1整流板136の本体は、両者の裏面132b、136bの水平方向の離隔距離が、上端132c、136cから下端132d、136dに向かうに従って小さくなるように、つまり、第1フィルタ部132および第1整流板136の本体の鉛直断面がV字形状になるように配される。換言すれば、
図4(a)に示すように、第1フィルタ部132と第1整流板136との間に形成される第1裏面間領域FAの水平断面積が、鉛直上方に向かうに従って大きくなるように配される。
【0032】
また、
図3(a)に示すように、第2整流板138は、第2フィルタ部134より手前側、つまり、第2フィルタ部134に対して、第1フィルタ部132が配される側と反対側に配される。第2フィルタ部134の本体および第2整流板138の本体は、第2フィルタ部134の裏面134bと、第2整流板138の裏面138bとが水平方向(
図3中、Y方向)に離隔して対向配置される。さらに、対向方向(
図3中、Y方向)において、第2整流板138の本体の上端138cは下端138dよりも第2フィルタ部134の本体から離隔する方向に位置するように配される。
【0033】
本実施形態において、第2フィルタ部134および第2整流板138の本体は、両者の裏面(134b、138b)の水平方向の離隔距離が、上端134c、138cから下端134d、138dに向かうに従って小さくなるように、つまり、第2フィルタ部134および第2整流板138の本体の鉛直断面がV字形状になるように配される。換言すれば、
図4(a)に示すように、第2フィルタ部134と第2整流板138との間に形成される第2裏面間領域FBの水平断面積が、鉛直上方に向かうに従って大きくなるように配される。
【0034】
また、支持枠140の下部には、油受142が設けられている。第1フィルタ部132、第2フィルタ部134が捕捉した粒子(オイル)は、自重で油受142に流下し、油受142は、流下した油を一時的に貯留する。
【0035】
なお、第1フィルタ部132と水平面(
図3中、XY平面)との為す角α、第2フィルタ部134と水平面との為す角βは、45°以上であるとよい。これにより、第1フィルタ部132、第2フィルタ部134によって捕捉された粒子が油受142外に流下してしまい、加熱器102を汚染する事態を回避することが可能となる。
【0036】
また、
図2、
図3、
図4に示すように、本実施形態において、フィルタユニット130は、フード110の側壁114と離隔するように囲繞空間110aに配される。具体的に説明すると、
図4(a)に示すように、フィルタユニット130のうち、最も奥側に配される第1整流板136は、後側壁114dと離隔して配され、第1整流板136と後側壁114dとの間には、第1整流領域RAが形成されることとなる。本実施形態において側壁114(後側壁114d)は、鉛直方向に延在しており、上述したように、第1整流板136の上端136cは下端136dよりも後側壁114d側に配されるため、第1整流領域RAの水平断面積は、鉛直上方に向かうに従って小さくなる。
【0037】
フィルタユニット130のうち、最も手前側に配される第2整流板138は、前側壁114aと離隔して配され、第2整流板138と前側壁114aとの間には、第2整流領域RBが形成されることとなる。また、上述したように、側壁114(前側壁114a)は、鉛直方向に延在しており、第2整流板138の上端138cは下端138dよりも前側壁114a側に配されるため、
図4(a)に示すように、第2整流領域RBの水平断面積は、第1整流領域RAと同様に、鉛直上方に向かうに従って小さくなる。
【0038】
また、フィルタユニット130の側面、すなわち、支持枠140における、第1フィルタ部132、第2フィルタ部134、第1整流板136、第2整流板138の面方向と直交する方向に配される封止壁部144a、144bは、フード110の側壁114と離隔するように配される。具体的に説明すると、
図4(b)に示すように、封止壁部144aは、左側壁114cと離隔して配され、封止壁部144aと左側壁114cとの間には、第1壁間領域WAが形成されることとなる。封止壁部144bは、右側壁114bと離隔して配され、封止壁部144bと右側壁114bとの間には、第2壁間領域WBが形成されることとなる。
【0039】
(排気ガスの流れ)
続いて、本実施形態にかかる排気装置100における排気ガスの流れを、比較例の排気装置と対比して説明する。
【0040】
図5は、排気ガスの流れを説明するための図であり、
図5(a)は、比較例の排気装置10における排気ガスの流れを説明するための図を、
図5(b)は、本実施形態にかかる排気装置100における排気ガスの流れを説明するための図を示す。
【0041】
図5(a)に示すように、比較例の排気装置10では、囲繞空間110aに、フィルタ部32、34を含んで構成されるフィルタユニット30が配される。フィルタ部32、34は、本実施形態の第1フィルタ部132および第2フィルタ部134と実質的に同じ構成であり、両者の表面の水平方向の離隔距離が、下端から上端に向かうに従って大きくなるように、つまり、鉛直断面(
図5中、YZ断面)がV字形状になるように配されている。
【0042】
加熱器102において生成された排気ガスは、フード110の中央(水平方向の中央)に集まることが分っており、フード110の側壁114側より中央の方が、流速が大きくなる。したがって、ここでは、囲繞空間110aまで上昇した排気ガスのうちの大部分を占める、囲繞空間110aの中央を上昇する排気ガスの流れについて説明する。
【0043】
図5(a)に示すように、囲繞空間110aまで上昇した排気ガス(矢印A)は、比較例の排気装置10において、フィルタ部32、34の下方に位置する油受44に衝突して、手前側と奥側に分かれて上昇する(矢印B)。そして、手前側または奥側に分かれた排気ガス(矢印B)は、コアンダ効果によってフィルタ部32、34に引き寄せられつつ上昇し、一部が、フィルタ部32、34を通過して排気口112aに導かれる(矢印C)。矢印Bに示す排気ガスのうち、排気部120の吸引能力が低くフィルタ部32、34を通過できなかった排気ガスや、フィルタ部32、34と衝突した排気ガスは、矢印Bにおける流速を維持したまま、側壁114(前側壁114a、後側壁114d)側に移動して、側壁114の下端から外部に流出してしまう(矢印D)。
【0044】
一方、
図5(b)に示すように、本実施形態にかかる排気装置100において、囲繞空間110aまで上昇した排気ガス(矢印A)は、フィルタ表面間領域FS(
図4参照)に導かれ、その大半が第1フィルタ部132、第2フィルタ部134を通過して排気口112aに導かれる(矢印E)。矢印Eに示す排気ガスのうち、排気部120の吸引能力が低く第1フィルタ部132を通過できなかった排気ガスや、第1フィルタ部132と衝突した排気ガスは、第1フィルタ部132と対向する位置に設けられた第2フィルタ部134を通過して排気口112aに導かれる(矢印F)。同様に、矢印Eに示す排気ガスのうち、排気部120の吸引能力が低く第2フィルタ部134を通過できなかった排気ガスや、第2フィルタ部134と衝突した排気ガスは、第2フィルタ部134と対向する位置に設けられた第1フィルタ部132を通過して排気口112aに導かれる(矢印F)。こうして、矢印Aで示す排気ガスの大部分は、排気口112aに導かれることとなる。
【0045】
なお、矢印Fに示す排気ガスのうち、第1フィルタ部132、第2フィルタ部134を通過できなかった少量の排気ガスは、油受142を迂回して、第1整流領域RA、第2整流領域RB、第1壁間領域WA、第2壁間領域WBで滞留することで減速され(矢印G)、下方に押し出される際にフィルタ表面間領域FSに移動し、第1フィルタ部132、第2フィルタ部134を通じて排気口112aに導かれることとなる(矢印H)。
【0046】
以上説明したように、排気装置10では、フィルタ部32、34の表面と対向する位置にフィルタ部が設けられていないため、フィルタ部32、34を通過できなかった排気ガスは、そのまま側壁114に導かれてフード110外に流出することとなる。
【0047】
しかし、排気装置100では、第1フィルタ部132を通過できなかった排気ガス(矢印F)は、第2フィルタ部134を通過することができ、第2フィルタ部134を通過できなかった排気ガス(矢印F)は、第1フィルタ部132を通過することができるため、排気装置10と比較して排気効率を向上させることが可能となる。
【0048】
また、本実施形態の排気装置100は、第1整流板136、第2整流板138を備えることにより、フィルタ表面間領域FSから流出した排気ガス(矢印G)を第1整流領域RA、第2整流領域RBに導いて滞留させ、排気ガス(矢印G)の速度を低下させることができる。したがって、排気部120によって、矢印Gで示す排気ガスを、再度フィルタ表面間領域FSへ引き込むことができ、排気口112aに導くことが可能となる。これにより、側壁114(前側壁114a、後側壁114d)の下端から外部に流出する排気ガスをさらに低減することができる。
【0049】
また、上述したように、支持枠140の封止壁部144a、144bが、フード110の左側壁114c、右側壁114bと離隔するように配されるため、フィルタ表面間領域FSから流出した排気ガス(矢印G)を、第1整流領域RA、第2整流領域RBのみならず、第1壁間領域WA、第2壁間領域WBに迂回させて滞留させることができ、排気ガス(矢印G)の速度をさらに低下させることが可能となる。
【0050】
以上説明したように、本実施形態にかかる排気装置100によれば、フィルタユニット130の形状を工夫するといった簡易な構成で、排気ガスの排気効率を向上させることが可能となる。
【0051】
(第2の実施形態)
図6、
図7は、第2の実施形態にかかる排気装置200を説明するための図であり、
図6は、排気装置200のフィルタユニット230の斜視図を、
図7(a)は、
図6のVIIa−VIIa線のYZ断面図を、
図7(b)は、フィルタユニット230によって区画される領域を説明するための図を示す。なお、理解を容易にするために、
図6において、フード110を破線で示すとともに排気部120、フード110の上面112を省略する。
【0052】
この排気装置200は、上記第1の実施形態の排気装置100におけるフィルタユニット130に代えて、フィルタユニット230を設けた点が異なる。また、フィルタユニット230は、上記のフィルタユニット130の第1整流板136に代えて第1補助フィルタ部236を備え、第2整流板138に代えて第2補助フィルタ部238を備える点のみが異なり、その他の構成は、実質的にすべて等しい。したがって、ここでは、第1補助フィルタ部236および第2補助フィルタ部238について説明し、その他の構成については説明を省略する。
【0053】
第1補助フィルタ部236および第2補助フィルタ部238は、第1フィルタ部132および第2フィルタ部134と同様に、囲繞空間110aのうち排気口112a(排気部120)に向かう排気ガスの上昇経路上に配される本体を有し、本体の表面から裏面まで排気ガスが通過するとともに、通過過程で排気ガス中の粒子を捕捉する。
【0054】
図7(a)に示すように、第1補助フィルタ部236は、第1フィルタ部132より奥側、つまり、第1フィルタ部132に対して、第2フィルタ部134が配される側と反対側に配される。第1フィルタ部132の本体および第1補助フィルタ部236の本体は、第1フィルタ部132の裏面132bと、第1補助フィルタ部236の裏面236bとが水平方向(
図7中、Y方向)に離隔して対向配置される。さらに、対向方向(
図7中、Y方向)において、第1補助フィルタ部236の本体の上端236cは下端236dよりも第1フィルタ部132の本体から離隔する方向に位置するように配される。
【0055】
本実施形態において、第1フィルタ部132および第1補助フィルタ部236の本体は、両者の裏面132b、236bの水平方向の離隔距離が、上端132c、236cから下端132d、236dに向かうに従って小さくなるように、つまり、第1フィルタ部132および第1補助フィルタ部236の本体の鉛直断面がV字形状になるように配される。換言すれば、
図7(b)に示すように、第1フィルタ部132と第1補助フィルタ部236との間に形成される第3裏面間領域FCの水平断面積が、鉛直上方に向かうに従って大きくなるように配される。
【0056】
また、
図7(a)に示すように、第2補助フィルタ部238は、第2フィルタ部134より手前側、つまり、第2フィルタ部134に対して、第1フィルタ部132が配される側と反対側に配される。第2フィルタ部134の本体および第2補助フィルタ部238の本体は、第2フィルタ部134の裏面134bと、第2補助フィルタ部238の裏面238bとが水平方向(
図7中、Y方向)に離隔して対向配置される。さらに、対向方向(
図7中、Y方向)において、第2補助フィルタ部238の本体の上端238cは下端238dよりも第2フィルタ部134の本体から離隔する方向に位置するように配される。
【0057】
本実施形態において、第2フィルタ部134および第2補助フィルタ部238の本体は、両者の裏面(134b、238b)の水平方向の離隔距離が、上端134c、238cから下端134d、238dに向かうに従って小さくなるように、つまり、第2フィルタ部134および第2補助フィルタ部238の本体の鉛直断面がV字形状になるように配される。換言すれば、
図7(b)に示すように、第2フィルタ部134と第2補助フィルタ部238との間に形成される第4裏面間領域FDの水平断面積が、鉛直上方に向かうに従って大きくなるように配される。
【0058】
また、
図7(a)に示すように、第1補助フィルタ部236と水平面(
図7中、XY平面)との為す角γ、第2補助フィルタ部238と水平面との為す角δは、45°以上であるとよい。これにより、第1補助フィルタ部236、第2補助フィルタ部238によって捕捉された粒子が油受142外に流下してしまい、加熱器102を汚染する事態を回避することが可能となる。
【0059】
また、
図6、
図7に示すように、本実施形態において、フィルタユニット230は、フード110の側壁114と離隔するように囲繞空間110aに配される。具体的に説明すると、
図7(b)に示すように、フィルタユニット230のうち、最も奥側に配される第1補助フィルタ部236は、後側壁114dと離隔して配され、第1補助フィルタ部236の表面236aと後側壁114dとの間には、第1滞留領域PAが形成されることとなる。本実施形態において側壁114(後側壁114d)は、鉛直方向に延在しており、上述したように、第1補助フィルタ部236の上端236cは下端236dよりも後側壁114d側に配されるため、第1滞留領域PAの水平断面積は、鉛直上方に向かうに従って小さくなる。
【0060】
フィルタユニット230のうち、最も手前側に配される第2補助フィルタ部238は、前側壁114aと離隔して配され、第2補助フィルタ部238の表面238aと前側壁114aとの間には、第2滞留領域PBが形成されることとなる。また、上述したように、側壁114(前側壁114a)は、鉛直方向に延在しており、第2補助フィルタ部238の上端238cは下端238dよりも前側壁114a側に配されるため、
図7(b)に示すように、第2滞留領域PBの水平断面積は、第1滞留領域PAと同様に、鉛直上方に向かうに従って小さくなる。
【0061】
(排気ガスの流れ)
続いて、本実施形態にかかる排気装置200における排気ガスの流れについて説明する。
図8は、第2の実施形態にかかる排気装置200における排気ガスの流れを説明するための図である。上記
図5における説明と同様に、ここでも、囲繞空間110aまで上昇した排気ガスのうちの大部分を占める、囲繞空間110aの中央を上昇する排気ガスの流れについて説明する。
【0062】
図8に示すように、本実施形態にかかる排気装置200において、第1フィルタ部132、第2フィルタ部134を通過できなかった少量の排気ガスは、油受142を迂回して、第1滞留領域PA、第2滞留領域PB、第1壁間領域WA、第2壁間領域WBで滞留することで減速される(矢印G)。本実施形態において、第1滞留領域PA、第2滞留領域PBは、第1補助フィルタ部236、第2補助フィルタ部238によって区画されているため、第1滞留領域PA、第2滞留領域PB、第1壁間領域WA、第2壁間領域WBに導かれた排気ガス(矢印G)の一部は、第1補助フィルタ部236、第2補助フィルタ部238を通過して排気口112aに導かれる。したがって、上記第1の実施形態にかかる排気装置100と比較して、さらに排気効率を向上させることができる。
【0063】
(変形例)
図9は、変形例にかかるフィルタユニット330、430を説明するための図である。第1の実施形態において、フィルタユニット130は、第1整流板136および第2整流板138を備える構成について説明した。しかし、例えば、
図9(a)に示すように、フィルタユニット330は、第1整流板136に代えて、第1補助フィルタ部236を備えるとしてもよい。同様に、第2整流板138に代えて、第2補助フィルタ部238を備えるとしてもよい。
【0064】
なお、
図1に戻って説明すると、加熱器102がグリルを含んで構成される場合、グリルにおいて生成された排気ガスを排出するグリル排気口は、人から遠い場所、例えば、壁104側に設けられることが多い。したがって、この場合は、後側壁114d側に第1補助フィルタ部236を備えたフィルタユニット330とすることで、グリル排気口から排出された排気ガスを効率よく排気することができる。
【0065】
また、上記実施形態では、支持枠140の鉛直断面(図中、YZ断面)がW字形状である構成について説明したが、支持枠は、少なくとも、第1フィルタ部132および第2フィルタ部134が逆V字形状となるように保持すればよい。例えば、
図9(b)に示すように、第1フィルタ部132、第2フィルタ部134と、第1整流板136を含んで構成されるフィルタユニット430を備えるとしてもよい。また、この場合、第1整流板136に代えて第1補助フィルタ部236を備えるとしてもよい。
【0066】
なお、加熱器102がグリルを含んで構成される場合は、後側壁114d側に第1補助フィルタ部236を備えたフィルタユニット430とすると、グリル排気口から排出された排気ガスを効率よく排気することができる。
【0067】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0068】
例えば、上記実施形態において、排気装置100は、第1フィルタ部132、第2フィルタ部134に加えて、第1整流板136、第2整流板138、第1補助フィルタ部236、第2補助フィルタ部238のいずれか1つまたは2つを備える構成について説明した。しかし、排気装置は、フード110および排気部120に加えて、少なくとも第1フィルタ部132および第2フィルタ部134を備えればよい。
【0069】
また、上記実施形態において、第1フィルタ部132、第2フィルタ部134、第1整流板136、第2整流板138、第1補助フィルタ部236、第2補助フィルタ部238が平面形状である構成について説明した。しかし、例えば、
図10(a)に示すように、第1フィルタ部132、第2フィルタ部134が湾曲していてもよい。同様に、第1整流板136、第2整流板138、第1補助フィルタ部236、第2補助フィルタ部238についても、湾曲していてもよい。
【0070】
また、上記実施形態において、第1フィルタ部132および第2フィルタ部134の本体は、両者の表面の水平方向の離隔距離が、上端から下端に向かうに従って大きくなるように配される構成について説明した。しかし、少なくとも、第1フィルタ部132および第2フィルタ部134の本体は、それぞれの表面が水平方向に対向配置されるとともに、対向方向において、第1フィルタ部132の本体の下端132dは上端132cよりも第2フィルタ部134の本体から離隔する方向に位置するとともに、第2フィルタ部134の本体の下端134dは上端134cよりも第1フィルタ部132の本体から離隔する方向に位置するように構成すればよい。例えば、
図10(b)に示すように、第1フィルタ部132と第2フィルタ部134の表面が湾曲しており、両者の表面の水平方向の離隔距離が、上端から下端に向かうに従って一度大きくなり、さらに下端に向かうに従って小さくなるように配されるとしてもよい。
【0071】
また、上記実施形態において、第1フィルタ部132および第2フィルタ部134の側面(封止壁部144a、144b)がフード110の側壁114と離隔するように配される構成について説明した。しかし、第1フィルタ部132および第2フィルタ部134の側面は、フード110の側壁114と接触していてもよい。この場合、封止壁部144a、封止壁部144bは、側壁114(右側壁114b、左側壁114c)で構成されるとしてもよい。
【0072】
また、上記実施形態において、フード110は、後側壁114dを含んで構成される場合を例に挙げて説明した。しかし、フード110を壁104に設置する場合、後側壁114dに代えて前側壁114aと対向する面に開口を形成しておき、当該開口を壁104によって封止することで、壁104を後側壁として機能させてもよい。