(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記第1のガス類導入用開口が、上記ガス類をほぼ束状の状態でもって上記ガス類導入空間に導入することができるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のガス類供給用マスク装置。
上記第1のガス類導入用開口から上記ガス類導入空間に導入される上記ガス類の導入方向を第1の導入方向とするとともに、上記第2のガス類導入用開口から上記ガス類導入空間に導入される上記ガス類の導入方向を第2の導入方向としたときに、上記第1の導入方向に対して上記第2の導入方向が成す角度が、40°〜62°の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載のガス類供給用マスク装置。
上記マスク本体が水平面上に表向きに載置されているマスク載置状態において、上記第1のガス類導入用開口が向いている方向と上記水平面とが成す第1の角度が、上記マスク本体を真横から見て、30°〜60°の範囲であり、
上記マスク載置状態において、上記第1のガス類導入用開口が向いている方向と上記マスク本体を真上から見て上記マスク本体を左右に二等分する二等分中心線との成す第2の角度が、上記マスク本体を真上から見て、0°〜15°の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載のガス類供給用マスク装置。
平均的な体型および平均的な頭部形状を有するマスク装着者が上記マスク本体を正しく装着して真正面を向いているマスク正装着状態において、上記第1のガス類導入用開口が向いている方向と上記真正面を向いている仮想の垂直面とが成す第3の角度が、上記マスク本体を真横から見て、30°〜60°の範囲であり、
上記マスク正装着状態において、上記第1のガス類導入用開口が向いている方向と上記マスク本体を真正面から見て上記マスク本体を左右に二等分する二等分中心線との成す第4の角度が、上記マスク本体を真正面から見て、0°〜15°の範囲であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1つに記載のガス類供給用マスク装置。
上記マスク本体の外側からガス類通過用開口ならびに上記第1および第2のガス類導入用開口をそれぞれ通して上記マスク本体の内側にガス類を送り込むためのガス類供給用の筒状部を備え、
上記ガス類供給用筒状部が、上記ガス類をほぼ上方に移送する第1の筒状部と、この第1の筒状部の上方側に連なっている第2の筒状部とを備え、
上記第2の筒状部が、上記第1の筒状部から送り込まれる上記ガス類の流れの方向を上記第1のガス類導入用開口が向いている方向に偏向させてから、上記ガス類を上記第1および第2のガス類導入用開口にそれぞれ送り込むように構成されていることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか1つに記載のガス類供給用マスク装置。
上記第1および第2のガス類導入用開口をそれぞれ有する第1のコネクタと、上記マスク本体の外側に延在するように、この第1のコネクタに連結されている第2のコネクタとを備え、
上記第2のコネクタが、ほぼ下方に延在している下側の筒状部と、この下側筒状部から斜め上方に向って弯曲した状態で延在するように、上記下側筒状部と一体的に構成されている上側の筒状部とを備え、
上記上側筒状部が、上記第1のコネクタに対して回動可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか1つに記載のガス類供給用マスク装置。
上記第1のコネクタが、上記第1のガス類導入用開口が向いている方向にほぼ沿って延在するガス類供給用筒状部と、このガス類供給用筒状部の上端側から突出するように、この上端側に配設されているほぼ逆錐台形状のガス類整流部と、このほぼ逆錐台形状のガス類整流部と上記ガス類供給用筒状部との間にほぼリング状に形成されているガス類吹き出し口とを備えていることを特徴とする請求項8に記載のガス類供給用マスク装置。
左右一対の通気用開孔が、上記マスク本体が上記マスク装着者の頭部に装着されたときに、上記マスク本体のうちの、上記マスク装着者の左右両側の鼻孔の付近にそれぞれ対応する位置に配設され、
上記通気用開口のそれぞれの開口面積が、630〜1,260mm2の範囲であることを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか1つに記載のガス類供給用マスク装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
つぎに、本発明の一実施例における酸素マスク装置を、「1、酸素マスク本体の説明」、「2、第1〜第4のコネクタおよびガス類供給用チューブの説明」および「3、マスク本体へのガス類の吹き出し状態の説明」に項分けして、
図1〜
図9を参照しつつ説明する。
【0018】
1、酸素マスク本体の説明
【0019】
ガス類供給用マスク装置としての酸素マスク装置1は、
図2、
図5などに示すように、患者などのマスク装着者2の顔面3のほぼ中央の部分(具体的には、鼻部4および口部5ならびにこれらの周辺部)を覆うことができるマスク本体6を備えている。なお、マスク本体6は、軟質塩化ビニールなどのほぼ透明な(換言すれば、透光性の)軟質合成樹脂などから、左右ほぼ対称的な形状を有するように、一体成形されていてよい。そして、マスク本体6の外周部分11のうちの少なくとも左右両側部11a、11bは、そのほぼ全体にわたってほぼ平らな面に(換言すれば、マスク本体6を
図5に示すように水平面84に上向きに載置したときに、ほぼ水平な面になるように)構成されている。なお、外周部分11のうちの上側部11cは、マスク装着者2の鼻部4の形状にほぼ対応するように、外側に向って多少突出している弯曲形状であってよい。そして、外周部分11のうちの下側部11dは、マスク装着者2の顎部12のほぼ上方付近に対応するように、左右両側部11a、11bとほぼ連続しているほぼ平らな面であってもよいが、マスク装着者2の顎部12のほぼ下方付近に対応するように、前方に向って多少突出している弯曲形状であってもよい。
【0020】
マスク本体6の外周部分11の左右一対の側端部11a、11bのうちのほぼ上方方向における中間部分には、
図3などに示すように、これら左右一対の側端部11a、11bから左右両外側に向かってそれぞれほぼ等脚台形状などのほぼ台形状などに突出している左右両側の突出部13a、13bが形成されている。そして、これら左右両側の突出部13a、13bには、柔軟性および弾性を有する長手状取付け部材としての偏平形状のゴム紐14の左右両端部がそれぞれ挿通されて取付けられる左右一対の挿通孔15がそれぞれ配設されている。また、同様の挿通孔16が左右一対の側端部11a〜11bのほぼ上下方向に沿って例えば3個ずつ順次配設されている。さらに、ゴム紐14と同様に構成されていてよい第2のゴム紐17の両端部が、ゴム紐14に代えてまたはゴム紐14に加えて、上記3個ずつの挿通孔16のうちのいずれか1個に挿通されて取付けられていてもよい。そして、左右一対の側壁部11a、11bのそれぞれには、上下一対の挿通用スリット21が配設されている。また、これら上下一対の挿通用スリット21のうちの上側の挿通用スリットは、ほぼ左右方向において挿通孔15(換言すれば、突出部13a、13b)にそれぞれ隣接している。なお、これらの挿通用スリット21のうちの左右一対の挿通用スリットには、柔軟性および弾性を有する長手状取付け部材としての伸縮包帯の両端部が、偏平形状のゴム紐14に代えて、それぞれ挿通されて取付けられることができる。なお、ゴム紐14、17および伸縮包帯のそれぞれは、マスク装着者2の左側の頬部、後頭部および右側の頬部をそれぞれ通るように、マスク装着者2の頭部に掛け渡される。
【0021】
マスク本体6のうちの左右両側の多少上方の部分には、
図2、
図5などに示すように、マスク本体6の内側と外側との間の通気を行うための左右一対の通気用開孔22a、22bがそれぞれ配設されている。なお、これら左右一対の通気用開孔22a、22bのそれぞれは、マスク本体6がマスク装着者2に装着されている状態においては、マスク装着者2の左右両側の鼻孔およびこれら左右両側の鼻孔のほぼ周囲にそれぞれ対応する位置に配置される。そして、右側の通気用開孔22bは、左側の通気用開孔22aと左右ほぼ対称的な形状を有していてよい。また、マスク本体6のうちのほぼ中心の箇所から多少下方の部分には、第1および第2のコネクタ23、24をそれぞれ取付けるためのコネクタ取付け部25が配設されている。また、コネクタ取付け部25には、ほぼ円柱形状などのほぼ柱形状であってよい開孔26が形成されている。また、コネクタ取付け部25は、マスク本体6の水平方向および垂直方向のそれぞれに対して傾斜した状態でもって、マスク本体6に配設されている。そして、コネクタ取付け部25の上記傾斜方向は、下方から上方に向かって外側に突出する方向であってよい。
【0022】
それぞれほぼ三角形状であってよい左右一対の通気用開孔22a、22bのそれぞれは、
図2、
図5などに示すように、3箇所の角部がそれぞれ丸められたほぼ二等辺三角形状であってよい。そして、左右一対の通気用開孔22a、22bのそれぞれは、マスク本体6がマスク装着者2に装着されている状態においては、側方から見て、鼻部4の上方方向におけるほぼ中間の高さから口部5のやや下方の位置まで延在していてよい。なお、左右一対のほぼ二等辺三角形状などのほぼ三角形状などの通気用開孔22a、22bのそれぞれの底辺31の側は、
図5に示すように、左側部11aおよび右側部11bにそれぞれ比較的隣接しかつこれらの左側部11aおよび11bのそれぞれに対してほぼ平行に延在している。そして、左右一対のほぼ二等辺三角形状などのほぼ三角形状などの通気用開孔22a、22bのそれぞれは、マスク本体6をほぼ上下方向に延在している底辺31のほぼ両端からマスク本体6の左右方向における中心に向って途中まで延在してから互いに繋がっている上側および下側の稜線32、33をそれぞれ備えている。なお、図示の実施例においては、左右両側の通気用開孔22a、22bのそれぞれの底辺31に近似した直線的な長さL1は、ほぼ55mmである。また、左右両側の通気用開孔22a、22bのそれぞれのほぼ二等辺三角形などのほぼ三角形としての高さL2は、ほぼ35mmである。そして、上記長さL1に対する上記高さL2の比は、ほぼ0.65である。また、左右両側の通気用開孔22a、22bのそれぞれの開口面積S1は、ほぼ950mm
2である。さらに、上記長さL1、上記高さL2および上記開口面積S1のそれぞれの数値は、実用性の観点から見て一般的に、つぎの(a)項〜(d)項に記載の範囲であるのが好ましい:
(a)上記長さL1:42〜70mmの範囲(さらに好ましくは、46〜66mmの範囲、最も好ましくは、48〜64mmの範囲)、
(b)上記長さL2:28〜44mmの範囲(さらに好ましくは、29〜42mmの範囲、最も好ましくは、30〜40mmの範囲)、
(c)上記比L2/L1:0.52〜0.82の範囲(さらに好ましくは、0.54〜0.78の範囲、最も好ましくは、0.56〜0.76の範囲)、および
(d)上記開口面積S1:630〜1,260mm
2の範囲(さらに好ましくは、760〜1,180mm
2の範囲、最も好ましくは、790〜1,140mm
2の範囲)。
【0023】
コネクタ取付け部25は、
図1、
図5などに示すように、開孔26の外周部分を構成するように、開孔26に向って突出しているほぼリング状の突壁部34と、この突壁部34の外周付近から外側に向って突出しているほぼ円筒形状などのほぼ筒状であってよい突壁部35とを備えている。また、コネクタ取付け部25(換言すれば、リング状突壁部34および筒状突壁部35)は、マスク本体6の水平方向および垂直方向のそれぞれに対して傾斜した状態でもって、マスク本体6に配設されている。そして、コネクタ取付け部25の上記傾斜方向は、下方から上方に向かって外側に突出する方向であってよい。さらに、コネクタ取付け部25のほぼ下方側には、このコネクタ取付け部25に隣接するように、ガス濃度測定用チューブ(図示せず)などを連結することができる第2のコネクタ取付け部36が配設されている。また、この第2のコネクタ取付け部36は、ほぼ円形などであってよい開孔37を備えている。さらに、第2のコネクタ取付け部36(換言すれば、開孔37)は、垂直方向に対して多少傾斜している。そして、第2のコネクタ取付け部36の上記傾斜方向は、下方から上方に向かって外側に多少突出する方向であってよい。なお、上記ガス濃度測定用チューブは、マスク本体6の内部における炭酸ガスなどのガスの濃度を測定するのに用いられることができる。
【0024】
2、第1〜第4のコネクタおよびガス類供給用チューブの説明
【0025】
酸素マスク装置1は、
図1、
図5などに示すように、第1のコネクタ23、第2のコネクタ24、第3のコネクタ41、ガス類供給用チューブ42および第4のコネクタ(図示せず)をそれぞれ備えている。なお、上記第1〜第4のコネクタのそれぞれは、硬質塩化ビニールなどのほぼ透明な(換言すれば、透光性の)硬質合成樹脂などから、一体成形されていてよい。また、ガス類供給用チューブ42は、軟質塩化ビニールなどのほぼ透明な(換言すれば、透光性の)軟質合成樹脂などから、一体成形されていてよい。そして、第1のコネクタ23は、
図6〜
図8などに示すように、この第1のコネクタ23の軸心方向C1にほぼ沿って延在するほぼ円筒形状などのほぼ筒形状であってよい第2の筒状部としてのガス類供給用の筒状部43と、この筒状部43の上端に一体的に配設されていてよい上端面部44と、この上端面部44付近から軸心方向C1に沿ってほぼ上方に向ってほぼ一体的に突出しているほぼ逆円錐台形状(換言すれば、軸心方向C1においてほぼ倒立状態のほぼ円錐台形状)、ほぼ逆多角錐台形状(換言すれば、軸心方向C1においてほぼ倒立状態のほぼ多角錐台形状)などのほぼ逆錐台形状(換言すれば、軸心方向C1においてほぼ倒立状態のほぼ錐台形状)などのガス類整流部45とを備えている。また、上端面部44のほぼ中央部分には、ほぼ円形状、ほぼ多角形状などであってよいガス類通過用の開口46が配設されている。さらに、上端面部44の外周囲には、軸心方向C1に対してほぼ直交する方向に突設されかつほぼリング状であってよい外向きフランジ部51が配設されている。そして、筒状部43のうちの外向きフランジ部51よりも軸心方向C1における外側寄り(換言すれば、下方寄り)の外周囲には、軸心方向C1に対してほぼ直交する方向に突設されかつほぼ円環形状などのほぼリング形状であってよい第2の外向きフランジ部52が、配設されている。なお、第2の外向きフランジ部52は、外向きフランジ部51の内径とほぼ同一の内径を有していてよく、また、外向きフランジ部51の外径よりも十分小さい外径を有していてよい。
【0026】
筒状部43には、
図6〜
図8に示すように、ほぼ円周方向などのほぼ周方向に沿って好ましくはほぼ等間隔(換言すれば、ほぼ90°間隔)でもって、4本などの係合用の腕部53がそれぞれ形成されている。このために、筒状部43には、4本などの係合用腕部53の両側において、下端から軸心方向に向って途中まで延在しているスリット(換言すれば、切込み)54がそれぞれ配設されている。そして、これらの係合用腕部53の下端部の外側面には、係合用突起部(換言すれば、係合用爪部)55がそれぞれ突設されている。なお、これらの係合用腕部53のそれぞれにおいては、筒状部43のうちの係合用腕部53以外の部分に較べて、係合用突起部55だけが軸心方向C1における下方側に突出していてよい。そして、第1のコネクタ23をマスク本体6に取付ける際には、第1のコネクタ23の筒状部43がマスク本体6の内側から開孔26に挿通される。なお、この挿通によって、第2の外向きフランジ部52がマスク本体6などの弾性変形によりこのマスク本体6のリング状突壁部34を乗り越える。このために、マスク本体6のリング状突壁部34が、第1のコネクタ23の外向きフランジ51と第2の外向きフランジ52との間に挟み込まれるので、第1のコネクタ23は、マスク本体6に取付けられる。さらに、第1のコネクタ23には、補強用リブ56が、筒状部43の内周面と上端面部44の軸心方向C1における外側面(換言すれば、下方側)とに跨がるように一体成形されて、配設されている。なお、補強用リブ56は、図示の実施例においては、ほぼ等間隔でもって、4個形成されている。
【0027】
逆錐台形状などのガス類整流部45は、
図6〜
図8などに示すように、このガス類整流部45の軸心方向C1における上側面61がほぼ全体にわたって開放されているほぼ中空の形状に構成されている。そして、ガス類整流部45の軸心方向C1における下端側には、ほぼ円環形状、ほぼ多角形の環形状などのほぼリング形状であってよい内向きフランジ部62が、このガス類整流部45に一体的に形成されていてよい。したがって、ガス類整流部45の下端部には、ほぼ円形状、ほぼ多角形状などの下端開口64が第1のガス類導入用開口として形成されている。また、ガス類整流部45は、このガス類整流部45の外側面と上端面部44の上側面とにそれぞれ一体的に連設されている複数本(例えば、4本)の支柱部63によって、上端面部44の上側面に配設されている。なお、支柱部63は、ほぼ等間隔(換言すれば、ほぼ90°間隔)でもって、配設されていてよい。
【0028】
図6〜
図8などに示す第1のコネクタ23のほぼ円筒形状などの筒状部43は、図示の実施例においては、内径L3がほぼ15mmであり、軸心方向C1の長さL4がほぼ9mmであり、軸心方向C1とほぼ直交する方向における内側面積がほぼ176mm
2である。また、第1のコネクタ23のガス類通過用開口46は、図示の実施例においては、直径L5がほぼ10mmであり、開口46の大きさを示す開口面積がほぼ78mm
2である。そして、上端面部44とガス類整流部45との間に形成されている(換言すれば、上端面部44とガス類整流部45との間で最も狭い隙間である)ほぼリング形状のガス類噴き出し口65の間隔(換言すれば、開口幅)L6は、図示の実施例においては、ほぼ0.7mmである。また、第2のガス類導入用開口としてのガス類噴き出し口65と直交する方向C2がガス類整流部45の軸心方向C1と成す角度θ1は、ほぼ50°である。そして、開口64の直径L7は、図示の実施例においては、ほぼ6mmである。また、ガス類整流部45の上側面61の内周直径L8は、図示の実施例においては、ほぼ12mmである。そして、ガス類整流部45の下側面66の直径L9は、ほぼ7.8mmである。さらに、軸心方向C1に対するガス類整流部45の内周面71および外周面72のそれぞれの傾斜角度は、ほぼ30°である。
【0029】
第1のコネクタ23に関する上記内径L3などの上記各部の数値は、実用性の観点から見て一般的に、つぎの(a)項〜(k)項に記載の範囲であるのが好ましい:
(a)ほぼ円筒形状などの筒状部43の内径(換言すれば、内周面の平面的に見た最大長さ)L3:10〜20mmの範囲(さらに好ましくは、11.5〜18.5mmの範囲、最も好ましくは、12.5〜17.5mmの範囲)、
(b)ほぼ円筒形状などのほぼ筒形状の筒状部43の軸心方向C1の長さL4:6〜12mmの範囲(さらに好ましくは、6.5〜11.5mmの範囲、最も好ましくは、7.2〜10.8mmの範囲)、
(c)ほぼ円筒形状などのほぼ筒形状の筒状部43の軸心方向C1とはほぼ直交する方向における内側面積:118〜236mm
2の範囲(さらに好ましくは、140〜220mm
2の範囲、最も好ましくは、146〜210mm
2の範囲)、
(d)ガス類通過用開口46の直径(換言すれば、内周面の平面的に見た最大長さ)L5:8〜12.5mmの範囲(さらに好ましくは、8.3〜12mmの範囲、最も好ましくは、8.6〜11.6mmの範囲)、
(e)ガス類導入用開口46の開口面積:52〜104mm
2の範囲(さらに好ましくは、62.4〜97.5mm
2の範囲、最も好ましくは、65〜93.6mm
2の範囲)、
(f)ほぼリング形状のガス類噴き出し口65の間隔L6:0.56〜0.88mmの範囲(さらに好ましくは、0.58〜0.84mmの範囲、最も好ましくは、0.6〜0.82mm
2の範囲)、
(g)ガス類噴き出し口65が軸心方向C1と成す角度θ1:40°〜62°の範囲(さらに好ましくは、42°〜60°の範囲、最も好ましくは、44°〜58°の範囲)、
(h)ガス類整流部45の下端開口64の直径(換言すれば、内周面の平面的に見た最大長さ)L7:4.8〜7.6mmの範囲(さらに好ましくは、5〜7.2mmの範囲、最も好ましくは、5.2〜7mmの範囲)、
(i)ガス類整流部45の上側面61の内周直径(換言すれば、上側面61の内周を平面的に見た最大長さ)L8:9.6〜15mmの範囲(さらに好ましくは、10〜14.4mmの範囲、最も好ましくは、10.4〜14mmの範囲)、
(j)ガス類整流部45の下側面66の内周直径(換言すれば、下側面66の内周を平面的に見た最大長さ)L9:6.2〜9.8mmの範囲(さらに好ましくは、6.5〜9.4mmの範囲、最も好ましくは、6.7〜9.1mmの範囲)、および
(k)軸心方向C1に対するガス類整流部45の内周面71および外周面72のそれぞれの傾斜角度:24°〜37.5°の範囲(さらに好ましくは、25°〜36°の範囲、最も好ましくは、26°〜35°の範囲)。
【0030】
第2のコネクタ24の下端側の部分は、
図1、
図5などに示すように、第3のコネクタ41が取付けられるほぼ円筒形状などのほぼ筒形状の下側筒状部73を第1の筒状部として構成している。なお、この下側筒状部73は、
図1に示す状態においては、ほぼ上下方向に延在している。そして、第2のコネクタ24の上端側の部分は、軸心方向C1にほぼ沿って延在するようになるように、この第2のコネクタ24の下端側の部分から上方に向かって斜め方向に屈曲している。また、第2のコネクタ24の上端付近である第2の筒状部としてのほぼ円筒状などのほぼ筒状の上側筒状部74は、第1のコネクタ23のガス類供給用筒状部43とマスク本体6の筒状突壁部35との間に挿入されている。そして、この挿入によって、第2のコネクタ24のリング状の上壁部75がマスク本体6の筒状突壁部35の下端に当接する。また、第1のコネクタ23の係合用腕部53の係合用突起部55が、抜け止めのために、リング状上壁部75の下側面に係合する。この結果、第2のコネクタ24は、第1のコネクタ23に対して比較的回動し易い状態でもって、第1のコネクタ23に取付けられることができる。さらに、第3のコネクタ41は、
図1、
図2などに示すように、円筒形状などの大径でかつ有底の筒状部76と、この筒状部76の下端部に一体成形などにより連結されている円筒形状などの小径の筒状部77とをそれぞれ備えている。なお、筒状部76の底部のほぼ中心位置には、筒状部77と連通するための貫通孔81が形成されている。そして、小径の筒状部77内には、ガス類供給用チューブ42の一端部が挿入されて連結されている。また、ガス類供給用チューブ42の上端開口は、第1の筒状部としての大径の筒状部76に貫通孔81を介して連通している。さらに、ガス類供給用チューブ42の他端部には、前記第4のコネクタ(図示せず)が連結されている。そして、この第4のコネクタは、酸素ボンベなどのガスボンベ(図示せず)や、病室などに配設されたガス類供給用ノズル(図示せず)に、必要に応じて接続されることができる。
【0031】
3、マスク本体へのガス類の吹き出し状態の説明
【0032】
酸素マスク装置1が
図1などに示すようにマスク装着者2の顔面3に装着されているときには、第1のコネクタ23のガス類整流部45からマスク本体6内の空間(換言すれば、顔面3とマスク本体6との間に存在するガス類導入空間)82に送り込まれるガス流83の方向(換言すれば、ガス類整流部45の上側面61が向いている方向)は、送り込みの少なくとも最初には、軸心方向C1とほぼ一致している。そして、酸素マスク装置1(換言すれば、マスク本体6)が
図5に示すように水平面84上に表向きに載置されているとき(以下、「
図5に示すマスク載置状態」という。)においては、上記軸心方向C1は、平面的に見て、マスク本体6(換言すれば、酸素マスク装置1)のほぼ上下方向に延在している。したがって、上記軸心方向C1は、平面的に見て、
図5に示すマスク本体6(換言すれば、酸素マスク装置1)を真上から見て左右に二等分している仮想の二等分中心線(換言すれば、マスク本体6の上下方向に延在する中心線)とほぼ一致している。このために、両者の成す角度は、平面的に見て、ほぼ0°である。また、
図5に示すマスク載置状態においては、上記軸心方向C1は、マスク本体6(換言すれば、酸素マスク装置1)の前面部の多少下方から後面部の多少上方に向って斜め方向に直線的に延在している。そして、上記軸心方向C1と水平面84との成す角度θ2は、マスク本体6を真横から見て(換言すれば、
図5に示すマスク載置状態において)、ほぼ45°である。さらに、
図1には、平均的な体形および平均的な頭部形状をそれぞれ有する人間(換言すれば、マスク装着者2)が酸素マスク装置1(換言すれば、マスク本体6)を正しく装着して正面を向いたマスク装着状態(以下、「
図1に示すマスク正装着状態」という。)が示されている。なお、この
図1に示すマスク正装着状態は、
図5に示すように酸素マスク装置1を水平面84上に表向きに載置した状態に較べて、酸素マスク装置1をほぼ90°立ち上がらせた点のみが実質的に相違している。したがって、
図5における水平面84は、
図1においては、仮想の垂直面(換言すれば、仮想の鉛直面)85に置き換えられている。また、
図5における角度θ2は、
図1においては、角度θ3に置き換えられている。なお、2つの角度θ2およびθ3のそれぞれは、本発明の目的を達成するためには、実用性の観点から見て一般的に、30°〜60°の範囲であるのが好ましく、35°〜55°の範囲であるのがさらに好ましく、40°〜50°の範囲であるのが最も好ましい。そして、上記軸心方向C1がマスク本体6(換言すれば、酸素マスク装置1)を正面から見てこのマスク本体6を左右に二等分している仮想の二等分中心線(換言すれば、マスク本体6の頭部側から顎部側まで延在する二等分中心線)と成す角度θ4(図示せず)は、本発明の目的を達成するためには、実用性の観点から見て一般的に、0°〜15°の範囲であるのが好ましく、0°〜10°の範囲であるのがさらに好ましく、0°〜5°の範囲であるのが最も好ましい。
【0033】
マスク装着者2が
図1に示すように酸素マスク装置1を装着しているマスク装着状態において、前記第4のコネクタに酸素ガスなどのガス類が供給されると、このガス類は、この第4のコネクタからガス供給用チューブ42および第3のコネクタ41をそれぞれ介して第2のコネクタ24に送り込まれる。そして、第2のコネクタ24に送り込まれた上記ガス類は、第2のコネクタ24から第1のコネクタ23のガス類供給用筒状部43に送り込まれる。また、第1のコネクタ23のガス類供給用筒状部43に送り込まれたガス類の一半部分(以下、「上記第1のガス類」という。)は、ガス類通過用開口46および下端開口64をそれぞれ介してガス類整流部45内に送り込まれ、さらに、このガス類整流部45を介して上側面61からマスク本体6の内側に送り込まれる。そして、上記ガス類の他半部分(以下、「上記第2のガス類」という。)は、ガス類通過用開口46およびガス類噴き出し口65をそれぞれ介してマスク本体6の内側に送り込まれる。
【0034】
上述のようにマスク本体6の内側に送り込まれる上記第1のガス類のガス流83は、
図1に示すように、ガス類整流部45からマスク本体6の内側に軸心方向C1にほぼ沿った方向でもって送り出される。また、上記第2のガス類のガス流86は、ガス類通過用開口46からマスク本体6の内側に直交方向C2にほぼ沿った方向でもって送り出される。そして、上記第1のガス類のガス流83は、マスク装着者2が息を吸うときに、
図1に示すように、このマスク装着者2の鼻孔のほぼ下端に向うように偏向する。したがって、マスク装着者2は、上記第1のガス類のガス流83を鼻部4から効果的に吸引することができる。これに対し、上記第2のガス類のガス流86は、ガス類整流部45の外周面72の存在と、ガス類噴き出し口65の噴き出し方向(換言すれば、直交方向C2)との影響を受けるために、マスク装着者2が息を吸うときなどには少なくとも、上記第1のガス類のガス流83と極端に多く合流することはない。そして、上記第2のガス類のガス流86は、上記第1のガス類のガス流83の外周囲を多少距離を置いてほぼリング状に取り囲むようにして、第1のコネクタ23から離間しながら流動し始める。また、上記第1のガス類のガス流83および上記第2のガス類のガス流86のそれぞれが上述のように流動する場合には、マスク装着者2が息を吸い込むときなどに、マスク装着者2は、上記第1のガス類と上記第2のガス類との両方をこのマスク装着者2の鼻孔から効果的に吸引することができる。そして、マスク装着者2が息を吸い込んでいないときなどには、上記第2のガス類のガス流86が上記第1のガス類のガス流82の外周囲をほぼリング状に取り囲んでいる。このために、上記第1のガス類が、左右一対の通気用開孔22a、22bなどから、マスク本体6の外部に漏出するのを効果的に防止することができる。
【0035】
図9には、本発明の一参考例における酸素マスク装置(以下、「上記参考例のマスク装置」という。)91が示されている。上記参考例のマスク装置91は、
図1などに示す本発明の一実施例における酸素マスク装置(以下、「上記実施例のマスク装置」という。)1の構成と較べて、第1のコネクタ23のみの構成が相違している。具体的には、上記参考例のマスク装置91においては、上記実施例のマスク装置1の第1のコネクタ23がそれぞれ備えているガス類整流部45とこのガス類整流部45を上端面部44に結合している4本の支柱部63とが、いずれも省略されている。そして、上記参考例のマスク装置91においては、第2のコネクタ24から第1のコネクタ23のガス類供給用筒状部43に送り込まれたガス類のほぼ全部は、ガス類通過用開口46を介してマスク本体6の内側に送り込まれる。したがって、上述のようにマスク本体6の内側に送り込まれたガス類のガス流83は、
図9に示すように、ガス類通過用開口46からマスク本体6の内側に軸心方向C1にほぼ沿った方向でもって送り出される。そして、上記ガス類のガス流83は、マスク装着者2が息を吸うときに、
図9に示すように、マスク装着者2の鼻孔のほぼ下端に向うように多少偏向する。このために、マスク装着者2は、上記ガス類のガス流83を鼻部4から吸引することができる。しかし、
図9に示す上記参考例の場合には、
図1に示す実施例の場合のように上記ガス類のガス流83をほぼリング状に取り囲む上記第2のガス類のガス流86は存在していない。このために、上記ガス類がそれぞれ比較的大きな左右一対の通気用開孔22a、22bなどを通って酸素マスク装置1の外部に漏出してしまう。したがって、マスク装着者2の鼻孔付近に供給される上記ガス類には、空気などが多量に混入されるので、空気などが多量に混入されて酸素濃度などが低下した上記ガス類がマスク装着者2の鼻孔から吸引されてしまう。したがって、マスク装着者2による上記ガス類の吸引効果が低下するとともに、上記ガス類が酸素マスク装置1の外部に無駄に消散してしまう。
【0036】
ガス類供給用チューブ42が、
図2に示すように、正面から見て左右のいずれにも位置ずれしていない状態においては、第2のコネクタ24は、
図1、
図2などに示すように、第1のコネクタ23の軸心方向C1における下端に対してほぼ真下に位置している。しかし、ガス類供給用チューブ42が何らかの理由でもって
図2に示す状態から
図3に示すようにマスク本体6の右側に往動したときには、第2のコネクタ24が第1のコネクタ23(換言すれば、マスク本体6)に対して
図2における右回りに往回動する。したがって、ガス類供給用チューブ42は、このような場合でも、捩れたり折れ曲ったりすることが特になくて、ほぼ正常なガス類供給状態を保持する。そして、ガス類供給用チューブ42が
図3に示す状態から
図2に示す状態に復動するときには、第2のコネクタ24が第1のコネクタ23(換言すれば、マスク本体6)に対して
図3における左回りに復回動する。したがって、ガス類供給用チューブ42は、このような場合でも、捩れたり折り曲がったりすることが特になくて、ほぼ正常なガス類供給状態を保持する。さらに、ガス類供給用チューブ42が何らかの理由でもって
図2に示す状態から
図4に示すようにマスク本体6の左側に往動したときにも、第2のコネクタ24が第1のコネクタ23(換言すれば、マスク本体6)に対して
図2における左回りに往回動する。したがって、ガス類供給用チューブ42は、このような場合でも、捩れたり折れ曲ったりすることが特になくて、ほぼ正常なガス類供給状態を保持する。そして、ガス類供給用チューブ42が
図4に示す状態から
図2に示す状態に復動したときには、第2のコネクタ24が第1のコネクタ23(換言すれば、マスク本体6)に対して
図3における右回りに復回動する。したがって、ガス類供給用チューブ42は、このような場合でも、不必要に捩れたり折れ曲ったりすることが特になくて、ほぼ正常なガス類供給状態を保持する。
【0037】
以上、本発明の一実施例について詳細に説明したが、本発明は、この実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている発明の趣旨に基づいて各種の変更および修正を施されることが可能である。
【0038】
例えば、上述の実施例においては、第1のコネクタ23を第2のコネクタ24とは別体に構成した。しかし、第1のコネクタ23を第2のコネクタ24と一体に構成することも可能である。
【0039】
また、上述の実施例においては、第3のコネクタ41を第2のコネクタ24とは別体に構成した。しかし、第3のコネクタ41を第2のコネクタ24と一体に構成することも可能である。
【0040】
また、上述の実施例においては、左右一対の通気用開孔22a、22bのそれぞれを互いにほぼ左右対称的な形状を有するほぼ三角形状に構成した。しかし、左右一対の通気用開孔22a、22bのそれぞれは、必ずしもほぼ三角形状である必要はなく、ほぼ半円形状、長円形状、ほぼ楕円形状、ほぼ多角形状(ほぼ三角形状を除く。)などの別の形状であってもよい。
【0041】
さらに、上述の実施例においては、ガス類整流部45の下端開口64をほぼ円形状に構成した。しかし、下端開口64は、必ずしもほぼ円形状に構成される必要はなくて、ほぼ六角形状、ほぼ八角形状などの多角形状であってもよく、また、楕円形状、ほぼ長円形状、ほぼリング形状などであってもよい。