特許第6271485号(P6271485)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6271485
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】円形針アプライヤー
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/04 20060101AFI20180122BHJP
【FI】
   A61B17/04
【請求項の数】9
【全頁数】40
(21)【出願番号】特願2015-178415(P2015-178415)
(22)【出願日】2015年9月10日
(62)【分割の表示】特願2015-547967(P2015-547967)の分割
【原出願日】2013年12月13日
(65)【公開番号】特開2016-13462(P2016-13462A)
(43)【公開日】2016年1月28日
【審査請求日】2016年12月8日
(31)【優先権主張番号】61/736,678
(32)【優先日】2012年12月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/736,682
(32)【優先日】2012年12月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/736,690
(32)【優先日】2012年12月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/736,696
(32)【優先日】2012年12月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/832,595
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/832,660
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/832,709
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/832,786
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/832,816
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/832,867
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/832,897
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/832,986
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/833,042
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/833,121
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595057890
【氏名又は名称】エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】マーティン・デビッド・ティー
(72)【発明者】
【氏名】ウッダード・ジェームズ・エイ・ジュニア
(72)【発明者】
【氏名】ホワイト・ウィリアム・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ハーバースティッチ・ウェルズ・ディー
(72)【発明者】
【氏名】ゼイナー・マーク・エス
(72)【発明者】
【氏名】ブリックナー・アーロン・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】プレンジャー・ダニエル・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】チチョッキ・フランク・アール
(72)【発明者】
【氏名】ネリング・トーマス
(72)【発明者】
【氏名】モルガン・ジェローム・アール
(72)【発明者】
【氏名】レイハン・メフメット
【審査官】 沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2003/0233104(US,A1)
【文献】 特表2009−507578(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0022063(US,A1)
【文献】 特開2007−275582(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/044998(WO,A2)
【文献】 特開2009−078152(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用縫合装置であって、
長手方向軸を有するシャフトと、
ラックおよびピニオンを含む、前記シャフトに取り付けられた回転ドライブであって、前記ピニオンは前記シャフトの前記長手方向軸とは整列されていない回転軸を有する、回転ドライブと、
前記シャフトに取り外し可能に取り付けられるように構成されている、使い捨ての外科用針カートリッジであって、
円弧状針トラックと、
該針トラック内に配置される、円弧針と、
該針に接続される、ある長さの縫合糸と、
該針に係合し、かつ該針トラック内で該針を動かすよう操作可能である、往復運動針ドライバーと、
回転軸を中心に回転する回転入力部と、
該回転入力部に接続された近位端と、該針ドライバーに接続された遠位端と、を含む、リンクと、
を含む、使い捨ての外科用針カートリッジと、
を含み、
第1角度方向の該回転入力部の回転は、該第1角度方向とは反対の第2角度方向に該針ドライバーを並進させ
前記使い捨ての外科用針カートリッジが前記シャフトに取り付けられたとき、前記ピニオンの前記回転軸が前記回転入力部の前記回転軸と整列するように、前記回転ドライブの前記ピニオンおよび前記回転入力部が互いに連結されるように構成されている、外科用縫合装置。
【請求項2】
前記リンクが更に、前記近位端と前記遠位端との間に挟まれた長手方向スロットを含み、該長手方向スロットがピンを受容し、該ピンを中心に、該リンクが長手方向の並進と旋回の両方を行う、請求項1に記載の外科用縫合装置。
【請求項3】
前記遠位端が、前記針ドライバーに旋回可能に接続される、請求項1に記載の外科用縫合装置。
【請求項4】
前記針ドライバーと前記リンク遠位端との間の接続部が、第1半径を有する円弧状経路で並進する、請求項1に記載の外科用縫合装置。
【請求項5】
前記リンクの前記近位端が、前記回転入力部の前記回転軸から第2半径で前記回転入力部に接続され、前記第1半径が該第2半径より大きい、請求項4に記載の外科用縫合装置。
【請求項6】
前記回転入力部、前記リンク、及び前記針ドライバーが不定点を有さない、請求項1に記載の外科用縫合装置。
【請求項7】
前記回転入力部が、前記リンクの前記近位端に接続されているピンを受容する径方向スロットを含む、請求項1に記載の外科用縫合装置。
【請求項8】
前記シャフト近位端に接続される作動装置をさらに含み、
前記回転ドライブは前記作動装置に操作可能に接続されており、
前記回転ドライブの前記ピニオンと前記回転入力部は、捻れ力インタフェースによって接続されている、請求項1に記載の外科用縫合装置。
【請求項9】
前記回転入力部が往復回転運動を有する、請求項1に記載の外科用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、特許仮出願第61/736678号(2012年12月13日出願)(代理人整理番号第END7216USPSP号)、同第61/736682号(2012年12月13日出願)(代理人整理番号第END7217USPSP号)、同第61/736690号(2012年12月13日出願)(代理人整理番号第END7218USPSP号)、及び同第61/736696号(2012年12月13日出願)(代理人整理番号第END7219USPSP号)の優先権を主張し、これらの内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は、一般的には、外科用装置及び外科手術に関し、より詳細には、外科的縫合に関する。
【0003】
縫合はしばしば、広範な種類の外科手術に使用される。手作業縫合は、典型的に、外科医が細いプライヤーを使用して縫合針を掴んで支え、この針で組織を穿刺し、針を手放し、この針を再び掴んで引っ張ることにより、針及びこれに付属する縫合糸を、縫合する組織に通す。そのような針は典型的に湾曲しており、針の後端に縫合糸が取り付けられている。この縫合プロセスをスピードアップし、微小な縫合、あるいは内視鏡、腹腔鏡、又は関節鏡手術中の縫合を促進するために、様々な種類の自動縫合装置が試みられている。自動化縫合装置は一般的に知られているが、これまでに、本発明による外科用縫合装置を作成又は使用した例はない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態において、外科用縫合装置は、近位端、遠位端、及び近位端と遠位端との間に長手方向軸を有する細長シャフトを有する。作動装置は、細長シャフトの近位端に接続されている。円形針アプライヤーは、細長シャフトの遠位端に接続されている。細長シャフトは、円形針アプライヤーの近位側で関節運動し、円形針アプライヤーは、長手方向軸を中心に回転する。
【0005】
この作動装置は、手動ハンドルを含み得る。このハンドルは、円形針アプライヤーを選択的に作動させる第1入力部を含み得る。この外科用装置は、シャフトを選択的に関節運動させる第2入力部を更に含み得る。この外科用装置は、長手方向軸を中心に円形針アプライヤーを選択的に回転させる第3入力部を更に含み得る。細長シャフトは、接合部を中心に関節運動し得る。円形針アプライヤーはベアリングを中心に回転し得る。
【0006】
別の一実施形態において、外科用縫合装置は、近位端、遠位端、及び近位端と遠位端との間に長手方向軸を有する細長シャフトを有する。作動装置は、細長シャフトの近位端に接続されている。円形針アプライヤーは、細長シャフトの遠位端にある。円形針アプライヤーは、円弧針と、この円弧針を円形経路内で回転させるための作動装置に操作可能に接続された針ドライバーと、を有する。接合部は、細長シャフトの近位端と遠位端との間に配置される。この接合部は、作動装置に操作可能に接続されて、シャフトを選択的に関節運動させる。ベアリングは、シャフト上で、接合部の遠位側に配置される。ベアリングは、作動装置に操作可能に接続されて、長手方向軸を中心に円形針アプライヤーを選択的に回転させる。
【0007】
別の一実施形態において、外科用縫合装置は、近位端、遠位端、及び近位端と遠位端との間に長手方向軸を有する細長シャフトを含む。作動装置は、細長シャフトの近位端に接続されている。円形針アプライヤーは、細長シャフトの遠位端に接続されている。ある手段により、細長シャフトを関節運動させ、またある手段により、長手方向軸を中心に円形針アプライヤーを回転させる。外科用縫合装置は、円形針アプライヤーを作動させるための手段を更に含み得る。
【0008】
別の一実施形態において、外科用縫合システムは、再使用可能シャフト及び作動装置を含む。使い捨てカートリッジは、外科用針と、この外科用針に接続された、ある長さの縫合糸と、針に係合し、かつカートリッジに対して針を動かすよう操作可能な針ドライバーと、を含む。使い捨てカートリッジは、針ドライバーに操作可能に接続された伝動装置を更に含み得る。再使用可能シャフト及び作動装置は、オートクレーブ処理可能であり得る。再使用可能シャフト及び作動装置は、少なくとも50回の手術に再使用可能である。再使用可能シャフト及び作動装置は、少なくとも150回の手術に再使用可能である。再使用可能シャフト及び作動装置は、少なくとも200回の手術に再使用可能である。
【0009】
別の一実施形態において、外科用縫合システムは、近位端及び遠位端を有する再使用可能シャフトを含み、この遠位端は受容器及び回転ドライブを有する。再使用可能作動装置は、シャフトの近位端に接続されている。使い捨てカートリッジは、受容器に着脱可能なように適合されている。カートリッジは、円弧状トラックと、先端及び後端を有してトラック内に配置されている円弧針と、後端に接続されている、ある長さの縫合糸と、針に係合し、かつ円弧状円形トラック内で針を動かすよう操作可能な往復運動針ドライバーと、回転ドライブに連結するよう適合された回転入力部を有する、針ドライバーに操作可能に接続された伝動装置と、を含む。再使用可能シャフト及び作動装置は、オートクレーブ処理可能であり得る。
【0010】
別の一実施形態において、使い捨て外科用針カートリッジは、外科用縫合装置に着脱可能なように適合される。使い捨てカートリッジは、円弧状針トラックと、先端及び後端を有してトラック内に配置されている円弧針と、この針に接続されている、ある長さの縫合糸と、針に係合し、かつ針トラック内で針を動かすよう操作可能な往復運動針ドライバーと、針ドライバーに操作可能に接続された伝動装置と、外科用縫合装置の回転ドライブに伝動装置を連結するよう適合された捻れ力インタフェースと、を含む。往復運動針ドライバー及び伝動装置は、カートリッジ内に完全に入れられている。外科用縫合装置は再使用可能であり得る。外科用縫合装置は、近位端、遠位端、及びカートリッジとインタフェースで接続するよう適合された受容器を備えた細長シャフトを含み得る。使い捨て外科用針カートリッジは更に、外科用縫合装置を含み得る。
【0011】
別の一実施形態において、外科用縫合システムは、近位端、遠位端、近位端と遠位端との間の長手方向軸、及び遠位端における回転ドライブを備えた受容器を有するシャフトを含む。カートリッジは、受容器に選択的に着脱可能である。カートリッジは、外科用針と、この外科用針に接続された、ある長さの縫合糸と、針に係合し、かつカートリッジに対して針を動かすよう操作可能な針ドライバーと、針ドライバーに操作可能に接続された伝動装置と、回転ドライブを伝動装置に回転で連結する捻れ力インタフェースと、を有する。
【0012】
回転ドライブは、シャフトの長手方向軸に対して交差する軸を中心に、捻れ力インタフェースを介して伝動装置にトルクを送達し得る。回転ドライブは、シャフトの長手方向軸に対して直交する軸を中心に、捻れ力インタフェースを介してトルクを送達し得る。回転ドライブはラックアンドピニオンを含み得る。受容器は、シャフトの長手方向軸から軸方向にずれた、遠位側に延出するアームを含み得る。アームは、内側に面したデッキを含み得る。回転ドライブは、アーム内に少なくとも部分的に配置され得る。
【0013】
外科用縫合システムは、シャフトの長手方向軸から軸方向にずれた、第2の遠位側に延出するアームを更に含み得、このアームは、カートリッジを受容するような寸法にされ、かつそのように適合された間隔を画定する。外科用縫合システムは更に、カートリッジを受容器に対してロック及びロック解除するよう操作可能なラッチを含み得る。カートリッジは、受容器に対してカートリッジを長手方向にスライドさせることによって受容器から着脱可能である。
【0014】
別の一実施形態において、外科用縫合システムは、近位端、遠位端、及び近位端と遠位端との間に長手方向軸を有するシャフトを含む。受容器はシャフトの遠位端にある。受容器は、間隔を画定する、一対の遠位側に延出するアームを有する。カートリッジは、この間隔内でカートリッジを長手方向にスライドさせることによって、受容器に選択的に着脱可能である。カートリッジは、外科用針と、この針に接続された、ある長さの縫合糸と、針に係合し、かつカートリッジに対して針を動かすよう操作可能な針ドライバーと、を有する。ラッチは、受容器内のカートリッジを選択的にロック及びロック解除する。
【0015】
外科用縫合システムは、少なくとも一方のアームに部分的に配置された回転ドライブを更に含み得る。外科用縫合システムは、操作可能に針ドライバーに接続された、カートリッジ内の伝動装置と、この伝動装置に回転ドライブを回転で連結する捻れ力インタフェースと、を更に含み得る。
【0016】
別の一実施形態において、外科用縫合システムは、近位端、遠位端、近位端と遠位端との間の長手方向軸、及び遠位端における回転ドライブを備えた受容器を有するシャフトを含む。カートリッジは、受容器に選択的に着脱可能である。カートリッジは、外科用針と、この針に接続された、ある長さの縫合糸と、針に係合し、かつカートリッジに対して針を動かすよう操作可能な針ドライバーと、針ドライバーに操作可能に接続された伝動装置と、を有する。ある手段により、回転ドライブを伝動装置に回転で連結する。外科用縫合システムは、カートリッジを受容器に着脱するための手段を更に含み得る。外科用縫合システムは、カートリッジを受容器にロック及びロック解除するための手段を更に含み得る。
【0017】
別の一実施形態において、外科用縫合装置は円弧状針トラックを含む。円弧針は針トラック内に配置され、針は、先端、後端、内側面、及び外側面を有する。ある長さの縫合糸が針に接続される。円弧状キャリアトラックは、針トラックから間隔を空けて配置される。往復運動針ドライバーは、キャリアトラック内に配置されたキャリアと、針トラック内に配置されたドライバーと、を有し、針に係合し、かつ針トラック内で針を動かすよう操作可能である。伝動装置は、キャリアトラック内でキャリアを往復運動させるよう操作可能である。
【0018】
外科用縫合装置は、キャリアトラックを針トラックから分離する壁を更に含み得る。外科用縫合装置は、壁を貫通するスロット開口部を更に含み、このスロットはキャリアトラックと針トラックとの間を連絡する。針ドライバーは、スロット開口部を貫通して、針トラック内へと延在し得る。スロット開口部は、円弧状針トラックの内側エッジに近接し得る。スロット開口部は、円弧状針トラックの外側エッジに近接し得る。円弧状針トラック及び円弧状キャリアトラックは同軸であり得る。針トラック及びキャリアトラックは、共有軸に沿って互いにずれていてよい。針トラック及びキャリアトラックは同半径であり得る。針は、ドライバーが係合するような寸法にされ、かつそのように適合された段を更に含み得る。段は、針の内側面にあり得る。段は、針の外側面にあり得る。
【0019】
別の一実施形態において、外科用縫合装置は円弧状針トラックを含む。円弧針は、針トラック内に配置される。針は、先端、後端、内側面、及び外側面を有する。ある長さの縫合糸が針に接続される。円弧状キャリアトラックは、円弧状針トラックとの共有軸に沿ってずれている。壁は、円弧状針トラックを円弧状キャリアトラックから分離している。壁は、円弧状キャリアトラックと円弧状針トラックとの間を連絡するスロット開口部を有する。往復運動針ドライバーは、円弧状キャリアトラック内に配置されたキャリアと、円弧状針トラック内に配置されたドライバーと、を有し、針に係合し、かつ針トラック内で針を動かすよう操作可能である。伝動装置は、キャリアトラック内でキャリアを往復運動させるよう操作可能である。
【0020】
別の一実施形態において、外科用縫合装置は、円弧状針トラックと、針トラック内に配置された円弧針と、針に接続される、ある長さの縫合糸と、を含む。往復運動針ドライバーは、針に係合し、かつ針トラック内で針を動かすよう操作可能である。回転入力部は、軸を中心に回転する。リンクは、回転入力部に接続された近位端と、針ドライバーに接続された遠位端と、を有する。第1角度方向の回転入力部の回転は、第1角度方向とは反対の第2角度方向に針ドライバーを並進させる。
【0021】
リンクは更に、近位端と遠位端の間に挟まれた長手方向スロットを含み得、この長手方向スロットはピンを受容し、このピンを中心にリンクは、長手方向の並進と旋回の両方を行うことができる。遠位端は、針ドライバーに旋回可能に接続され得る。針ドライバーとリンク遠位端との間の接続部は、第1半径を有する円弧状経路で並進され得る。リンクの近位端は、捻れドライブ軸から第2半径で回転入力部に接続され、第1半径は第2半径より大きくてよい。回転入力部、リンク、及び針ドライバーは、不定点を有しなくてよい。回転入力部は、リンクの近位端に接続されたピンを受容する径方向スロットを含み得る。外科用縫合装置は、近位端及び遠位端を有する細長シャフト、シャフト近位端に接続された作動装置、作動装置に操作可能に接続された回転ドライブ、並びに回転ドライバーを回転入力部に回転で連結する捻れ力インタフェースを更に含み得る。回転ドライブはラックアンドピニオンを含み得る。回転入力部は、往復回転運動を有し得る。針ドライバーは、円弧状トラック内で少なくとも180度往復運動し得る。針ドライバーは、針トラックにより少なくとも部分的に画定された円形経路内で、針を回転させ得る。回転入力部及び針は、平行な面内で回転し得る。
【0022】
別の一実施形態において、外科用縫合装置は、先端、後端、及び先端と後端との間の円弧状ボディを有する針を含む。ある長さの縫合糸が針に接続される。針ドライバーは、針に係合し、かつ第1回転方向に円形経路内で針を回転させるよう適合される。爪は、針の後端に係合するよう適合され、これによって、第1回転方向とは逆の第2回転方向に針が回転するのを妨げる。
【0023】
針は、ある平面内で回転してよく、爪はこの面に交差する角度で弾性的に偏向し得る。爪は、その平面に対して実質的に垂直に、弾性的に偏向し得る。針は、ある平面内で回転してよく、爪は実質的にこの平面内で弾性的に偏向し得る。爪は、針の外側に配置され得る。爪は、針の内側に配置され得る。爪は、爪が旋回する中心となる第1端と、針の後端に係合するエッジを有する第2端と、を有し得る。外科用縫合装置は更に、針の後端に係合するよう適合され、これにより、第1回転方向とは逆の第2回転方向に針が回転するのを妨げる、第2爪を更に含む。爪は、円形経路に沿って互いに正反対にあり得る。後端は、縫合糸を受容する筒を含み得、この筒は縫合糸の周りを囲む後端面を含み、爪は、この後端面に係合するよう適合され、これによって、第1回転方向とは逆の第2回転方向に針が回転するのを妨げる。爪は、針経路に対して垂直な経路に沿って並進することができ、爪は更に、針経路内で爪を付勢するスプリングを含み得る。爪は更に、爪を針経路の外に偏向させ、針が爪を通り越すようにするため、針により係合されるよう適合された斜面を含み得る。爪は、円形針経路により画定される平面に交差する経路に沿って並進し得る。
【0024】
別の一実施形態において、外科用縫合装置は、先端、後端、先端と後端との間の円弧状ボディ、及び、ボディ上の正反対の位置に配置された2つの段を有する針を含む。ある長さの縫合糸が針に接続される。針ドライバーは、駆動位置と戻り位置との間で少なくとも180度往復運動する。針ドライバーは、針の段に係合するよう適合され、第1回転方向に円形経路内で針を回転させる。爪は、針ドライバーの駆動位置に近接して配置される。爪は、針の段に係合するよう適合され、第1回転方向とは逆の第2回転方向に針が回転するのを妨げる。
【0025】
外科用装置は更に、針経路内で爪を付勢するスプリングを含み得る。爪は更に、針及び針ドライバーが係合して爪を針経路の外に偏向させ、針及び針ドライバーが爪を通り越すようにするよう適合された、斜面を含み得る。爪は、円形針経路により画定される平面内で偏向し得る。爪は、爪が旋回する中心となる第1端と、針の段に係合するエッジを有する第2端と、第2端を針経路内へと付勢するスプリングと、を有し得る。駆動位置では、針ドライバーは、爪と針との間に挟まれ得る。外科用装置は更に、針ドライバーの戻り位置に近接して配置される第2爪を含み得、この第2爪は、針の段に係合するよう適合されて、第1回転方向とは逆の第2回転方向に針が回転するのを妨げる。
【0026】
別の一実施形態において、外科用縫合装置は、先端、後端、先端と後端との間の円弧状ボディ、及びボディ上の正反対の位置に配置された2つの段を有する針を含む。ある長さの縫合糸が針に接続される。針ドライバーは、駆動位置と戻り位置との間で少なくとも180度往復運動する。針ドライバーは、針の段に係合するよう適合され、第1回転方向に円形経路内で針を回転させる。爪は、針ドライバーの戻り位置に近接して配置される。爪は、針の段に係合するよう適合され、第1回転方向とは逆の第2回転方向に針が回転するのを妨げる。
【0027】
外科用装置は、針経路内で爪を付勢するスプリングを更に含み得る。爪は更に、針及び針ドライバーが係合して爪を針経路の外に偏向させ、針及び針ドライバーが爪を通り越すようにするよう適合された、近位側斜面を含み得る。爪は更に、針ドライバーが係合して爪を針経路の外に偏向させ、針ドライバーが爪を通り越すようにするよう適合された、遠位側斜面を含み得る。遠位側斜面は、針経路の下に配置され得る。爪は、円形針経路により画定される平面内で偏向し得る。
【0028】
別の一実施形態において、外科用縫合装置は、先端、後端、先端と後端との間の円弧状ボディ、及びボディ上の正反対の位置に配置された2つの段を有する針を含む。ある長さの縫合糸が針に接続される。針ドライバーは、駆動位置と戻り位置との間で少なくとも180度往復運動する。針ドライバーは、針の段に係合するよう適合され、第1回転方向に円形経路内で針を回転させる。ある手段により、針の段に係合し、これによって、第1回転方向とは逆の第2回転方向に針が回転するのを妨げる。この手段は爪を含み得る。この手段はリーフスプリングを含み得る。
【0029】
別の一実施形態において、円形針アプライヤーに使用するための外科用針は、先端、後端、及び先端と後端との間の円弧状ボディを含む。このボディは内側面及び外側面を有する。ボディには、円形針アプライヤーが係合するよう適合された複数の段がある。この段は、材料を除去することなく、ボディを塑性変形させることによって形成される。ある長さの縫合糸が後端に接続される。
【0030】
段は内側面にあり得る。段は外側面にあり得る。段は、プレス操作により形成され得る。段は、圧延操作により形成され得る。複数の段は、2つの、正反対にある段を含み得る。ボディは、少なくとも180度の角度範囲を有し得る。円弧状ボディは、原点を中心とした、実質的に一定の公称半径を含み得る。
【0031】
別の一実施形態において、円形針アプライヤーに使用するための外科用針は、先細部を有する先端、筒を有する後端、及び先細と筒との間に延在する円弧状ボディを含む。ボディは、内側面、外側面、及び円形針アプライヤーが係合するよう適合された複数の段を有する。ボディは、先細部と筒との間に実質的に一定の断面積を有する。ある長さの縫合糸が筒に接続される。
【0032】
段は内側面にあり得る。複数の段は、内側面上の、2つの、正反対にある段からなっていてよい。段は外側面にあり得る。複数の段は、外側面上の、2つの、正反対にある段からなっていてよい。段は、ボディから材料を除去せずに形成され得る。段は、プレス操作により形成され得る。段は、圧延操作により形成され得る。複数の段は、2つの、正反対にある段を含み得る。ボディは、少なくとも180度の角度範囲を有し得る。
【0033】
別の一実施形態において、円形針アプライヤーに使用するための外科用針は、遠位側先端、近位側後端、及び先端と後端との間の円弧状ボディを含む。このボディは内側面及び外側面を有する。ボディの第1段は、円形針アプライヤーが係合するよう適合される。第1段は、先端から遠位側に配置される。長手方向平面部は、第1段から近位側に延在する。この平面部は、ボディの概ねD字形の断面形状を画定する。ボディの第2段は、円形針アプライヤーが係合するよう適合される。第2段は、第1段から約180度の位置に配置される。ある長さの縫合糸が、後端に接続される。
【0034】
針は、先端から後端までの角度範囲が約210度〜約270度であり得る。第1段及び第2段は、内側面に配置され得る。第1段及び第2段は、外側面に配置され得る。円弧状ボディは、原点を中心とした、実質的に一定の公称半径を含み得る。公称半径は、約0.432センチメートル〜約0.533センチメートル(約0.170インチ〜約0.210インチ)であり得る。平面部は、約20度〜約40度、第1段から近位側に延在し得る。平面部は、約100度〜約150度、第1段から近位側に延在し得る。ボディは更に、平面部の近位端に斜面部分を含み得、これによって、ボディの断面形状は、概ねD字形から概ね円形に移行する。ボディは更に、第2段から近位側に延在する第2長手方向平面部を含み得、この第2平面部は、ボディにおいて、概ねD字形の断面形状を画定する。第2平面部は、約8度〜約30度、第2段から近位側に延在し得る。ボディは更に、第2平面部の近位端に斜面部分を含み得、これによって、ボディの断面形状は、概ねD字形から概ね円形に移行する。先端は先細部を含み得、後端は筒を含み得、ボディはこの先細部と筒との間で実質的に一定の断面積を有し得る。
【0035】
別の一実施形態において、外科用針のパッケージは、外科用針を有するカートリッジと、針に係合し、かつカートリッジに対して針を動かすよう操作可能な針ドライバーと、を含む。パッケージは、ボビンと、針に接続され、かつボビンに巻き付けられた、ある長さの縫合糸と、を有する。パッケージは、カートリッジ、ボビン、及び縫合糸を囲む外側シェルを更に含み得る。外側シェルは、カートリッジとボビンの上に折りかぶせられるシート材料を含み得る。パッケージは、カートリッジを弾性的に保持するプラットフォームを更に含み得る。ボビンは回転スプールであり得る。カートリッジは、概ねU字形の遠位端を画定する一対のアームを含み得、パッケージは、このアームの間に挟まれたブロックを有し得る。パッケージは、カートリッジ、ボビン、及び縫合糸を囲む、ハウジング及び上面シートを更に含み得る。
【0036】
別の一実施形態において、外科用針のパッケージは、ハウジングと、ハウジング内に解放自在に保持されたカートリッジと、を含む。カートリッジは、外科用針と、針に係合し、かつカートリッジに対して針を動かすよう操作可能な針ドライバーと、を有する。ボビンはハウジング内にある。ある長さの縫合糸が、針に接続され、ボビンに巻き付けられる。カートリッジ、ボビン、及び縫合糸は、ハウジング内に収容され得る。カートリッジは、概ねU字形の遠位端を画定する一対のアームを含み得、パッケージは、ハウジングに取り付けられかつこのアームの間に延在するブロックを更に有し得る。ハウジングは、隙間を画定してよく、カートリッジはこの隙間内に少なくとも部分的に配置され得る。
【0037】
別の一実施形態において、外科用針のパッケージは、隙間を有するハウジングを含む。カートリッジは、解放自在にハウジング内に保持され、隙間内に延在する。カートリッジは、外科用針と、針に係合し、かつカートリッジに対して針を動かすよう操作可能な針ドライバーと、概ねU字形の遠位端を画定する一対のアームと、を有する。ブロックはハウジングに取り付けられ、アームの間に延在する。回転スプールはハウジング内にある。ある長さの縫合糸が、針に接続され、スプールに巻き付けられる。カートリッジ、ボビン、及び縫合糸は、ハウジング内に収容される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本明細書は、本発明を詳細に指摘し、かつ明確に主張する「特許請求の範囲」をもって結論となすものであるが、以下の説明文を、本発明のいくつかの非限定的な例を示した添付の図面と併せ読むことで、本発明のより深い理解がなされると考えられる。特に断らないかぎり、各図面は必ずしも正しい縮尺ではなく、むしろ発明の原理を説明することを目的として描かれたものである。
図1】外科用縫合装置の斜視図を示す。
図2】外科用縫合装置のための作動装置の側面図を示す。
図3A】直線形態にあるシャフトの斜視図を示す。
図3B】関節運動形態にあるシャフトの斜視図を示す。
図3C】関節運動及び回転形態にあるシャフトの斜視図を示す。
図4】シャフトベアリングの分解図を示す。
図5】シャフト内の連結を示す部分切り欠き図を示す。
図6】カートリッジ受容器の斜視図を示す。
図7】回転ドライブの斜視図を示す。
図8】受容器から外したカートリッジの斜視図を示す。
図9】受容器から外したカートリッジの斜視図を示す。
図10A】ストロークの一端にある針を駆動するための伝動装置の斜視図を示す。
図10B】ストロークの中間にある針を駆動するための伝動装置の斜視図を示す。
図10C】ストロークの他方の端にある針を駆動するための伝動装置の斜視図を示す。
図11】キャリアトラック内にある針ドライバーの斜視図を示す。
図12】針ドライバーの斜視図を示す。
図13】キャリアトラック内にある針ドライバーと、針トラック内にある針の、断面図を示す。
図14A】円弧針の平面図を示す。
図14B】円弧針の斜視図を示す。
図15A】円弧針の平面図を示す。
図15B】円弧針の斜視図を示す。
図16A】針が収納位置にあり、針ドライバーが戻り位置にある、針アプライヤーの平面図を示す。
図16B】針が延在位置にあり、針ドライバーが駆動位置にある、針アプライヤーの平面図を示す。
図16C】針が延在位置にあり、針ドライバーが戻り位置にある、針アプライヤーの平面図を示す。
図16D】針が収納位置にあり、針ドライバーが駆動位置にある、針アプライヤーの平面図を示す。
図17】カートリッジ受容器の斜視図を示す。
図18】回転ドライブの斜視図を示す。
図19】ラッチの斜視図を示す。
図20】受容器から外したカートリッジの斜視図を示す。
図21】受容器から外したカートリッジの斜視図を示す。
図22A】ストロークの一端にある針を駆動するための伝動装置の斜視図を示す。
図22B】ストロークの中間にある針を駆動するための伝動装置の斜視図を示す。
図22C】ストロークの他方の端にある針を駆動するための伝動装置の斜視図を示す。
図23A】針ドライバーの斜視図を示す。
図23B】針ドライバーの斜視図を示す。
図24】キャリアトラック内にある針ドライバーと、針トラック内にある針の、断面図を示す。
図25A】円弧針の平面図を示す。
図25B】円弧針の斜視図を示す。
図26A】円弧針の平面図を示す。
図26B】円弧針の斜視図を示す。
図27A】針が収納位置にあり、針ドライバーが戻り位置にある、針アプライヤーの平面図を示す。
図27B】針が延在位置にあり、針ドライバーが駆動位置にある、針アプライヤーの平面図を示す。
図27C】針が延在位置にあり、針ドライバーが戻り位置にある、針アプライヤーの平面図を示す。
図27D】針が収納位置にあり、針ドライバーが駆動位置にある、針アプライヤーの平面図を示す。
図28】針が収納位置にあり、針ドライバーが駆動位置にある、針アプライヤーの平面図を示す。
図29A】針が収納位置にあり、針ドライバーが戻り位置にある、針アプライヤーの平面図を示す。
図29B】針が延在位置にあり、針ドライバーが駆動位置にある、針アプライヤーの平面図を示す。
図29C】爪機構の斜視図を示す。
図29D】針が延在位置にあり、針ドライバーが戻り位置にある、針アプライヤーの平面図を示す。
図30A】針が延在位置にあり、針ドライバーが駆動位置にある、針アプライヤーの平面図を示す。
図30B】爪機構の斜視図を示す。
図31A】針が収納位置にあり、針ドライバーが戻り位置にある、針アプライヤーの平面図を示す。
図31B】爪機構の斜視図を示す。
図31C】爪機構の断面図を示す。
図32】受容器から外したカートリッジの斜視図を示す。
図33】受容器から外したカートリッジの斜視図を示す。
図34】カートリッジパッケージの分解図を示す。
図35】縫合装置シャフトに取り付けられているカートリッジの斜視図を示す。
図36】カートリッジパッケージの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、外科用縫合装置の一実施形態を示す。細長シャフト(20)は、近位端(21)、遠位端(22)、及びこれらの間に延在する長手方向軸を有する。作動装置(10)は、シャフト(20)の近位端(21)に接続される。本実施形態において、作動装置(10)は手動ピストル形の握り柄であるが、それ以外にも、使用可能な手動作動装置としてはまた、ハサミ握り柄、シリンジ握り柄、内視鏡回転ノブ、及びこれらに類するものを含む様々なものが挙げられる。作動装置(10)はまた、DAVINCIパックのようなロボットインターフェイス、ギア又はプーリを具備するハウジング、サーボ機構などの形態を取り得る。
【0040】
円形針アプライヤー(30)は、シャフト(20)の遠位端(22)に接続される。円形針アプライヤー(30)は、円弧針を円形経路で回転させ、これにより外科医が選択的に縫合糸を適用できる。円形針アプライヤー(30)は、シャフト(20)及び作動装置(10)と一体化させて、単回の外科処置用の一体型使い捨て器具とすることができる。円形針アプライヤー(30)は更に、シャフト(20)及び作動装置(10)と一体化させて、再使用可能器具とすることができる。所望により、円形針アプライヤー(30)は使い捨てカートリッジ内に実装することができ、シャフト(20)と作動装置(10)も使い捨てにすることができる。別のバリエーションにおいて、円形針アプライヤー(30)は使い捨てカートリッジ内に実装することができ、シャフト(20)と作動装置(10)は再使用可能にすることができる。再使用可能な構成部品がある実施形態は、複数回の外科処置のために、洗浄され、滅菌され、及び再使用されることが意図される。再使用可能器具の望ましい使用サイクルは、少なくとも手術50回、より好ましくは少なくとも手術150回、最も好ましくは少なくとも手術200回である。再使用可能な構成部品は、少なくとも摂氏135度のオートクレーブ滅菌温度に耐えられる材料を用いて構築することができるが、ただし、低温材料を、当該技術分野で周知の低温滅菌技法で使用することもできる。
【0041】
図2は、手動作動装置(10)の一実施形態を示す。第1入力部(12)は、ここでは開位置と閉位置との間で枢軸旋回するトリガとして示されており、円形針アプライヤー(30)を選択的に作動させるのに使用することができる。トリガは、開位置にトリガを戻すようスプリング付勢することができる。第2入力部(14)は、ここでは回転ノブとして示されており、シャフト(20)を選択的に関節運動させるのに使用することができる。第3入力部(16)は、ここは回転ノブとして示されており、シャフト(20)を中心に円形針アプライヤー(30)を選択的に回転させるのに使用することができる。第4入力部(18)は、ここではスイッチとして示されており、円形針アプライヤー(30)をシャフト(20)に選択的に取り付けたり取り外したりするのに使用することができる。当然ながら、入力部(12、14、16、及び18)の数、タイプ、構成、及び操作は異なっていてよい。
【0042】
図3A〜Bは、第2入力部(14)の作動に応答して関節運動するシャフト(20)を示す。この実施形態において、シャフト(20)は、関節運動を促進する関節接合部(23)を有する。シャフト(20)は、接合部(23)の遠位側に配置されるベアリング(24)を含む。図3B〜Cは、シャフト(20)が関節運動しているときであっても、第3入力部(16)の作動に応答してベアリング(24)で回転する円形針アプライヤー(30)を示す。
【0043】
図4〜5は、好適な関節接合部(23)及び回転ベアリング(24)の一例を示す。ベアリング(24)には、円形針アプライヤー(30)に固定された円周フランジ(24A)が含まれる。フランジ(24A)は、ベアリングサポート(24B、24C)の間に捕捉され、これによってフランジ(24A)は回転できるが、軸方向の動きは妨げられる。可撓性の同軸トーションチューブ(28)が接合部(23)を通り越している。トーションチューブ(28)は、外側シース及び内側ケーブルを有する。トーションチューブ(28)の外側シースはフランジ(24A)に固定され、第3入力部(16)に操作可能に接続されている。第3入力部(16)の作動によりこのシースが回転し、これによって、円形針アプライヤー(30)が回転する。同軸トーションチューブ(28)の内側ケーブルは、円周フランジ(24A)を通り越し、第1入力部(12)に操作可能に接続されており、これにより軸方向の押し引き負荷を提供して、円形針アプライヤー(30)を作動させる。側面ストラット(25)は、シャフト(20)内で接合部(23)をサポートする。ピン(29)はロッド(27)をナックル(26)に、接合部(23)の軸からずれた位置で接続する。ロッド(27)は、第2入力部(14)に操作可能に接続されて、ストラット(25)に対してロッド(27)を押し引きし、これによってシャフト(20)が接合部(23)を中心に関節運動する。
【0044】
図6は、シャフト(20)の遠位端(22)に配置された受容器(40)の一例を示す。受容器(40)は、円形針アプライヤー(30)を含む使い捨てカートリッジを受容しかつ保持するような寸法にされ、かつそのように適合されている。カートリッジは、外科用針と、この外科用針に接続された、ある長さの縫合糸と、針に係合し、かつカートリッジに対して針を動かすよう操作可能な針ドライバーと、針ドライバーに操作可能に接続された伝動装置と、を含み得る。軸方向にずれたアーム(41)は、シャフト(20)から遠位側に延出している。アーム(41)は、デッキ(49)の下及びいずれかの側面に配置された一対の長手方向スロット(44)を備えた内側向きデッキ(49)を有する。スプリング負荷ラッチ(43)は、受容器(40)に対してカートリッジを選択的にロック及びロック解除するよう適合されている。所望により、ラッチ(43)は第4入力部(18)に操作可能に接続され得る。
【0045】
図7は、ラック(45)及びピニオン(47)を有する回転ドライブが、部分的にアーム(41)内及びデッキ(49)の下に配置されている様子を示す。同軸トーションチューブ(28)の内側ケーブルは、ラック(45)の近位端(46)に接続され、これによって、第1入力部(12)のトリガを閉じると、ラック(45)が近位側に引っ張られ、第1入力部(12)のトリガを開くと(これはスプリングの戻り力による場合がある)、ラック(45)が遠位側に押される。よって、第1入力部(12)を作動させることによって、ピニオン(47)を回転方向に往復させる。キー(48)は、この往復回転運動をカートリッジ内の伝動装置に伝達する。
【0046】
図8〜9は、受容器(40)に取り付けるよう適合された使い捨てカートリッジ(50)の一例を示す。カートリッジ(50)は、受容器(40)上に近位方向にスライドすることができ、これによって、ラッチ(43)が凹部(53)に係合するまで、2つのデッキ(49、59)が平行かつ互いに向き合う。カートリッジ(50)は、下側ハウジング(51)、上側ハウジング(52)、及び針カバー(90)により入れられている。下側ハウジング(51)は、スロット(44)とインタフェースで接続して係合するような寸法にされた一対の長手方向スロット(54)を有する。スロット(58)は、カートリッジ(50)が受容器(40)上にスライドする際に、キー(48)を受容するような寸法にされる。カートリッジ(50)が受容器(40)上に完全に収まっているとき、ピニオン(47)は回転入力部(67)に対して軸方向に揃っており、これが、カートリッジ(50)内の伝動装置の一部を形成し、更に、キー(48)はスロット(68)内に配置され、これによって、ピニオン(47)と回転入力部(67)とを回転運動接続する捻れ力インタフェースを提供する。
【0047】
よって、シャフト(20)内の回転ドライブが、シャフト(20)の長手方向軸に対して垂直な軸を中心に、カートリッジ(50)内の伝動装置に、作動トルクを伝達する。この作動トルクは更に、シャフト(20)の長手方向軸に、又はシャフト(20)の長手方向軸に対して別の横断角の軸に、平行な軸、又は揃った軸に沿って伝達することができる。更に、キー(48)及びスロット(68)の実施形態以外の、例えば、十字、正方形、スプライン、及び同様物など、当該技術分野で周知の他の捻れ力インタフェースも使用することができる。
【0048】
図10A〜Cは、円形経路内で針を駆動させるための、カートリッジ(50)内の伝動装置の一例を示す。針ドライバー(70)は円弧状キャリアトラック(55)内で往復運動し、円弧針に操作可能に係合してこれを回転させる。リンク(60)は、回転入力部(67)を針ドライバー(70)に接続する。ピン(71)は、リンク(60)の遠位端を針ドライバー(70)に旋回可能に接続する。回転入力部(67)にはスロット(68)があり、これがキー(48)と係合して、回転ドライブからの往復回転運動を受け取る。回転入力部(67)は、径方向スロット(66)を備えた、径方向に延在するアーム(65)を有する。ピン(64)は、スロット(66)内に配置されて、リンク(60)の近位端を回転入力部(67)に接続している。スロット(66)は、アーム(65)に対してピン(64)を回転方向に拘束し、同時に、ある程度の相対的な径方向運動に対応する。リンク(60)は、固定ピン(62)を受容する長手方向スロット(61)を有し、このピンを中心にして、リンク(60)が長手方向に並進しかつ旋回する。ピン(71、62)は同一平面上であるが、ピン(66)はずれた面内にある。リンク(60)には、このずれに対応するための曲がり部分(63)が含まれる。スロット(68)を備えた回転入力部(67)の面を含む捻れ力インタフェースの他に、この実施形態において、伝動装置全体がカートリッジ(50)内に完全に入れられている。
【0049】
図10Aは、キャリアトラック(55)内でストロークの一端に配置された針ドライバー(70)を示す。図10Bに示すように、回転入力部(67)の反時計方向回転が、キャリアトラック(55)に沿って針ドライバー(70)を時計方向に並進させる。ピン(71)の回転半径は、ピン(64)の回転半径よりも大きい。図10Cに示すように、回転入力部(67)が引き続き反時計方向に回転すると、キャリアトラック(55)のストロークの他方の端に達するまで、針ドライバー(70)を引き続き時計方向に並進させる。回転入力部(67)、リンク(60)、及び針ドライバー(70)には不定点がないため、回転入力部(67)の回転によって、拘束なしにストローク全体にわたって反対の回転方向に針ドライバー(70)を並進させる。
【0050】
この順序は、回転入力部(67)を時計方向に回転させることによって逆転し、これによって、キャリアトラック(55)内で針ドライバー(70)を反時計方向に並進させる。よって、第1入力部(12)の作動は、キャリアトラック(55)に沿って針ドライバー(70)を前後に往復させる。
【0051】
図11〜13は、針ドライバー(70)及びその動作の一例を示す。上側ハウジング(52)には、円弧状針トラック(56)及び円弧状キャリアトラック(55)がある。この実施形態において、針トラック(56)及びキャリアトラック(55)はそれぞれ、共通軸からの公称曲率半径を有する。よって、針トラック(56)とキャリアトラック(55)は同軸である。またこの実施形態において、トラック(55、56)は少なくとも部分的に、径方向に互いに重なり合っており、これらも同半径である。トラック(55、56)は、トラック(55、56)を隔てる壁によって共有軸から互いにずれている。スロット(57)は壁を通って開口しており、キャリアトラック(55)と針トラック(56)との間の連絡を提供している。この実施形態において、スロット(57)は針トラック(56)の外側縁に近接して開口している。
【0052】
針ドライバー(70)は、キャリアトラック(55)にスライド可能にフィットするような寸法のキャリア(75)を有する。この実施形態において、キャリア(75)は、キャリアトラック(55)に一致する湾曲したボディを有する。ピン(71)は、キャリア(75)から延在して、リンク(60)に係合している。針ドライバー(70)はスロット(57)を通って延在し、針トラック(56)に入り込む。キャリア(75)は、スロット(57)内にフィットするような寸法のフランジ(77)を有する。ドライバー(76)は、キャリア(75)に取り付けられ、針トラック内に配置され、針(80)に係合し、かつ針トラック(56)内で針を動かすよう操作可能である。ドライバー(76)は、L字形の金属製ブレードであり、キャリア(75)を形成する2つの部品の間に挟まれた1本の脚部(76C)を備えている。ドライバー(76)は、カンチレバーリーフスプリングがフランジ(77)から外側に逸れる際に偏向することができ、また、針(80)の外側面に係合するよう弾性的に付勢され得る。この実施形態において、ドライバー(76)は、駆動面(76A)及び戻り面(76B)を有する。駆動面(76A)は、駆動ストローク中に針(80)上の段に係合するよう動作する辺縁を有する。そのように係合しているとき、針(80)は、ドライバー(70)と一緒に針トラック(56)内でスライドする。戻り面(76B)には斜面があり、戻りストロークで針(80)の上にドライバー(76)がスライドするのを促進する。
【0053】
下側ハウジング(51)は、リンク(60)を拘束してピン(71)に係合させ、更に、キャリアトラック(55)内にキャリア(75)を拘束する。針カバー(90)は、針(80)を針トラック(56)内に拘束する。針カバー(90)は更に、針トラック(56)の長さに沿ってウィンドウ(91)を画定する。ウィンドウ(91)は、縫合糸を受容するような寸法にされる。針(80)が針トラック(56)内で回転する際、縫合糸はウィンドウ(91)を通って延在することができる。ただし、ウィンドウ(91)は、針(80)よりも小さい寸法であり、これによって、針(80)を針トラック(56)内に拘束する。
【0054】
図14A〜Bは、鋭い先細先端(83)を備えた遠位先端(81)を有する針(80)の一実施形態を示す。先端(81)には、円錐形、ブレード形、鈍端、切断先端、先細切断先端、及び同様物を含む、様々な形状を採用することができる。近位後端(82)は、ある長さの縫合糸(89)を固定的に受容する管状筒(84)を有する。後面(88)は、縫合糸(89)の周りを囲む。様々なタイプの縫合糸(89)を採用することができ、これには、ポリグラクチン(例えば、VICRYL)、ポリグレカプロン(例えば、MONOCRYL)、ポリジオキサノン(例えば、PDS)、外科用ガット、ポリエステル(例えば、ETHIBOND)、絹(例えば、PERMA−HAND)、ポリプロピレン(例えば、PROLENE)、その他の吸収性又は非吸収性材料、及び同様物を含む様々な材料の、編み込み、単繊維、及びかかり付き縫合糸が挙げられる。
【0055】
先端(81)と後端(82)との間の角度範囲は、約210度〜約270度の間であり得る。円弧状ボディ(85)は、先細先端(83)と筒(84)との間に延在する。ボディ(85)は、実質的に一定の曲率半径の円弧状であり得る。公称曲率半径は、約0.432センチメートル〜約0.533センチメートル(約0.170インチ〜約0.210インチ)、好ましくは約0.457センチメートル〜約0.521センチメートル(約0.180インチ〜約0.205インチ)、更により好ましくは約0.483センチメートル〜約0.508センチメートル(約0.190インチ〜約0.200インチ)であり得るが、他の寸法も可能である。
【0056】
遠位側段(86A)は、ボディ(85)の外側面に配置される。遠位側段(86A)は、先端(81)から約20度〜約30度に配置され得る。近位側段(87A)は、ボディ(85)の外側面に配置される。近位側段(87A)は、遠位側段(86A)から約180度にある。よって、段(86A、87A)は、針(80)の正反対の位置にある。段(86A、87A)は、針ドライバー(70)のドライバー(76)が係合するよう適合される。段(86A、87A)の高さは、好ましくは約0.008センチメートル〜約0.025センチメートル(約0.003インチ〜約0.010インチ)であるが、他の寸法も可能である。平面部(86B、87B)は、段(86A、87A)から遠位側に延在し、ボディ(85)内で概ねD字形断面形状を画定する。遠位側平面部(86B)は、遠位側段(86A)から約20度〜約40度の角度範囲を有する。近位側平面部(87B)は、遠位側段(87A)から約8度〜約30度の角度範囲を有する。平面部(86B、87B)は、針ドライバー(70)の戻りストローク中、針(80)とドライバー(76)との間の寸法干渉低減を促進し得る。斜面(86C、87C)は、平面部(86B、87B)の近位端側に近接して配置され、これによって、ボディ(85)の断面形状が、概ねD字形から概ね円形へと移行する。斜面(86C、87C)は、針ドライバー(70)の戻りストローク中、ドライバー(76)が針(80)にひっかかる可能性を低減する。
【0057】
段、平面部、及び斜面の形状(86A、87A、86B、87B、86C、87C)は、ボディ(85)を塑性変形させることにより作成することができる。例えば、真っ直ぐなワイヤ材料に対してダイを使用してプレス又は圧延操作することにより、ボディ(85)にこれらの形状を形成することができる。次に、真っ直ぐな材料を曲げて、円弧形状にすることができる。ボディ(85)の断面形状は長さに沿って変化するが、先細(83)と筒(84)との間の断面は実質的に一定である。これは、刻み付きの針設計(刻みを形成するために、切断又は研磨操作などによって材料が除去されるため針が弱くなる)に比べて、有利となる。更に、ボディ(85)の形状を可塑的に形成するのは、信頼性と再現性がより高くなり、より迅速な生産が可能になる。
【0058】
図15A〜Bは、図14A〜Bと実質的に同じ針(80)の別の一実施形態を示すが、ただしここでは、遠位側平面部(86B)が、遠位側段(86A)から約100度〜約150度の角度範囲を有する。
【0059】
図16A〜Dは、円形経路で円弧状針(80)を回転させる円形針アプライヤー(30)の一実施形態を示す。これらの図では装置の操作を分かりやすく示すため、縫合糸は非表示にされている。一対のアーム(94、95)が、円形針アプライヤー(30)の概ねU字形の遠位端を画定している。針トラック(56)は、アーム(94)に出口ポート(92)、及びアーム(95)に入口ポート(93)を有する。リーフスプリング(96、97)により、針(80)が反時計方向に回転することができるが、針(80)が時計方向に回るのは妨げられる。リーフスプリング(97)は、針トラック(56)内に延在し、針(80)の外側面に係合する際に弾性的に外側に偏向し、これによって反時計方向の動きが可能になる。リーフスプリング(96)は、針トラック(56)内に延在し、針(80)の内側面に係合する際に弾性的に内側に偏向し、これによって反時計方向の動きが可能になる。けれども、針(180)が一方のリーフスプリング(96、97)を通り越すと、経路側に偏向して後面(88)に干渉して係合し、これによって針(80)が時計方向に回転するのが妨げられる。
【0060】
図16Aは、初期位置にある装置を示す。針(80)は収納位置にあり、針トラック(56)内に完全に収容されている。針ドライバー(70)は、戻り位置と駆動位置との間で往復ストロークを行う。この図では、ドライバー(76)はアーム(95)の戻り位置にある。ドライバー(76)は、近位側段(87A)に近接している。リーフスプリング(96)が弾性的に針(80)に係合し、このときリーフスプリング(97)は後面(88)に近接して、針(80)が時計方向に回転するのを妨げる。
【0061】
第1入力部(12)が押されてトリガを閉じると、針ドライバー(70)が駆動ストロークを介して作動され、図16Bに示すように、少なくとも約180度反時計方向に回転して、駆動位置になる。駆動ストローク中、ドライバー(76)が近位側段(87A)に係合して、一緒になって針(80)を約180度回転させ、延在位置にする。針(80)は、出口ポート(92)と入口ポート(93)との間のアーム(94、95)の間にまたがる。アーム(94、95)の間に挟まれた組織は、針(80)の先端(81)によって穿刺される。
【0062】
第1入力部(12)が解放されて、スプリング戻りによりトリガが開くと、針ドライバー(70)が戻りストロークにわたって往復運動し、図16Cに示すように、約180度時計方向に回転して、戻り位置に戻る。戻りストローク中、ドライバー(76)が針(80)の上にスライドし、リーフスプリング(96)が後面(88)に係合して、針(80)が時計方向に回転するのを妨げる。ドライバー(76)は、遠位側段(86A)に近接している。
【0063】
第1入力部(12)が再び押されてトリガを閉じると、針ドライバー(70)が駆動ストロークを介して作動され、図16Dに示すように、約180度反時計方向に回転して、駆動位置になる。駆動ストローク中、ドライバー(76)が遠位側段(86A)に係合して、一緒になって針(80)を約180度回転させ、収納位置に戻す。縫合糸は針(80)の後に続き、穿刺された組織に通される。
【0064】
第1入力部(12)が再び解放されて、スプリング戻りによりトリガが開くと、針ドライバー(70)が戻りストロークにわたって往復運動し、図16Aに示すように、約180度時計方向に回転して、戻り位置に戻る。戻りストローク中、ドライバー(76)が針(80)の上にスライドし、リーフスプリング(97)が後面(88)に係合して、針(80)が時計方向に回転するのを妨げる。よって、針(80)は不完全な円形経路で駆動される。望ましい縫合タスクを達成するために、外科医はこの手順を必要に応じて繰り返すことができる。
【0065】
図17〜21は、シャフト(20)の遠位端(22)に配置された受容器(140)の別の一実施形態を示す。受容器は、軸方向にずれた下側アーム(141)と、軸方向にずれた上側アーム(142)と、を有し、このそれぞれが長手方向スロット(144)を有する。スプリング負荷ラッチ(143)は、受容器(140)に対してカートリッジ(150)を選択的にロック及びロック解除するよう適合されている。ラック(145)及びピニオン(147)の回転ドライブは、下側アーム(141)内に配置されている。同軸トーションチューブ(28)の内側ケーブルは、ラック(145)の近位端(146)に接続されている。ラック(145)は、下側アーム(141)の軸方向ずれに対応するよう曲げられている。キー(148)はスロット(168)に係合し、ピニオン(147)の往復回転運動を、カートリッジ(150)の回転入力部(168)に伝達する。
【0066】
使い捨てカートリッジ(150)は、受容器(140)に取り付けられるよう適合される。カートリッジ(150)は、ラッチ(143)が段(152)に係合するまで、受容器(140)のアーム(141、142)の間で近位方向にスライドされ得る。段(154)は下側アーム(141)の長手方向スロット(144)に係合し、段(152)は上側アーム(142)の長手方向スロット(144)に係合する。カートリッジ(150)が受容器(140)上にスライドすると同時に、スロット(158)は、キー(148)を受容するような寸法にされる。カートリッジ(50)が受容器(140)に完全に収まっているとき、ピニオン(147)は回転入力部(167)に軸方向に揃い、かつキー(148)はスロット(168)内に配置されており、これによって、回転ドライブが回転入力部(167)に回転で連結される。
【0067】
図22A〜Cは、円形経路内で針を駆動させるための、カートリッジ(150)内の伝動装置の一例を示す。針ドライバー(170)は円弧状キャリアトラック(155)内で往復運動する。直線リンク(160)は回転入力部(167)を針ドライバー(170)に接続する。ピン(171)は、リンク(160)の遠位端を針ドライバー(170)に旋回可能に接続する。回転入力部(167)は径方向スロット(166)である。ピン(164)は、リンク(160)の下で非表示であり、スロット(166)内に配置され、リンク(160)の近位端を回転入力部(167)に接続する。スロット(166)は、ピン(164)を回転方向に拘束し、同時に、ある程度の相対的な径方向運動に対応する。リンク(160)は、固定ピン(162)を受容する長手方向スロット(161)を有し、このピンを中心にして、リンク(160)が長手方向に並進しかつ旋回する。針ドライバー(170)及び回転入力部(167)は同一平面上である。歯(165)はカートリッジのストッパーに係合して、回転入力部(167)の回転方向ストロークを制限する。
【0068】
図22Aは、キャリアトラック(155)内でストロークの一端に配置された針ドライバー(170)を示す。図22Bに示すように、回転入力部(167)の時計方向回転が、キャリアトラック(155)に沿って針ドライバー(170)を反時計方向に並進させる。図22Cに示すように、回転入力部(167)が引き続き時計方向に回転すると、キャリアトラック(155)のストロークの他方の端に達するまで、針ドライバー(170)を引き続き反時計方向に並進させる。回転入力部(167)、リンク(160)、及び針ドライバー(170)には不定点がないため、回転入力部(167)の回転によって、拘束なしにストローク全体にわたって反対の回転方向に針ドライバー(170)を並進させる。この順序は、回転入力部(167)を反時計方向に回転させることによって逆転し、これによって、キャリアトラック(55)内で針ドライバー(170)を時計方向に並進させる。
【0069】
図23Aは、針ドライバー(170)の一実施形態を示す。キャリア(175)は、キャリアトラック(155)内にスライド可能にフィットする寸法にされる。キャリア(175)は、円弧形状の一体型構成部品であり得る。ピン(171)はキャリア(175)から延在している。ドライバー(176)はキャリア(175)からスロット(157)を通り、針トラック(156)内へと延在している。ドライバー(176)はL字形金属製ブレードであり、ピン(171)の上にフィットする穴を有する1本の脚部(176C)を有し、キャリア(175)に接して収容される。ドライバー(176)は、駆動面(176A)及び戻り面(176B)を有する。この実施形態において、駆動面(176A)及び戻り面(176B)は概ね同一平面上かつ対称的である。図23Bは、駆動面(176A)が針(180)に向かって屈曲したときの別の一実施形態を示す。
【0070】
図24に示すように、針トラック(156)及びキャリアトラック(155)は同軸かつ同半径である。トラック(155、156)は、トラック(155、156)を隔てる壁によって共有軸に沿って互いにずれている。スロット(157)は壁を通って開口しており、キャリアトラック(155)と針トラック(156)との間の連絡を提供している。この実施形態において、スロット(157)は針トラック(156)の内側縁に近接して開口している。針(180)は針トラック(156)内にスライド可能にフィットし、キャリア(175)はキャリアトラック(155)内にスライド可能にフィットしている。ドライバー(176)は、スロット(157)を通って延在し、針トラック(156)に入り込む。ドライバー(176)は、針(180)の内側面に弾性的に係合するカンチレバーリーフスプリングとして配列される。針(180)が針トラック(156)内で回転する際、縫合糸はウィンドウ(191)を通って延出することができる。
【0071】
図25A〜Bは、鋭い先細先端(183)を備えた遠位先端(181)を有する(180)の一実施形態を示す。近位後端(182)は、ある長さの縫合糸(189)を固定的に受容する管状筒(184)を有する。後面(188)は、縫合糸(189)の周りを囲む。円弧状ボディ(185)は、先細先端(183)と筒(184)との間に延在する。遠位側段(186A)は、ボディ(185)の内側面に配置される。遠位側段(186A)は、先端(181)から約20度〜約30度に配置され得る。近位側段(187A)は、遠位端段(186A)から約180度のボディ(185)の内側面に配置される。段(186A、187A)は、針ドライバー(170)のドライバー(176)が係合するよう適合される。平面部(186B、187B)は、段(186A、187A)から遠位側に延在し、ボディ(185)内で概ねD字形断面形状を画定する。遠位側平面部(186B)は、遠位側段(186A)から約20度〜約40度の角度範囲を有する。近位側平面部(187B)は、遠位側段(187A)から約8度〜約20度の角度範囲を有する。斜面(186C、187C)は、平面部(186B、187B)の近位端側に近接して配置され、これによって、ボディ(185)の断面形状が、概ねD字形から概ね円形へと移行する。段(186A、187A)、平面部(186B、187B)、及び斜面(186C、187C)は、ボディ(185)を塑性変形させることにより作成することができる。上述の利点に加え、遠位側段(186A)を可塑的に形成するプロセスによって、先細先端(183)を内側に部分的に曲げることができ、これにより、真っ直ぐな材料を円弧形状に曲げたときに、望ましい曲率半径に沿って先端(181)を配置するのが容易になる。
【0072】
図26A〜Bは、図25A〜Bと実質的に同じ針(180)の別の一実施形態を示すが、ただしここでは、遠位側平面部(186B)が、遠位側段(186A)から約120度〜約150度の角度範囲を有する。
【0073】
図27A〜Dは、円形経路で円弧状針(180)を回転させる円形針アプライヤー(30)の一実施形態を示す。これらの図では装置の操作を分かりやすく示すため、縫合糸は非表示にされている。一対のアーム(194、195)が、円形針アプライヤー(30)の概ねU字形の遠位端を画定している。針トラック(156)は、アーム(194)に出口ポート(192)、アーム(195)に入口ポート(193)を有する。リーフスプリング(196、197)により、針(180)が反時計方向に回転することができるが、針(180)が時計方向に回るのは妨げられる。リーフスプリング(197)は、針トラック(156)内に延在し、針(180)の外側面に係合する際に弾性的に外側に偏向する。リーフスプリング(196)は、針トラック(156)内に延在し、針(180)の外側面に係合する際に弾性的に外側に偏向する。リーフスプリング(196、197)は、互いに約180度の間隔で配置される。
【0074】
図27Aは、初期位置にある装置を示す。針(180)は収納位置にあり、針トラック(156)内に完全に収容されている。針ドライバー(170)は、アーム(195)内の戻り位置にある。ドライバー(176)は、近位側段(187A)に近接している。リーフスプリング(197)は後面(188)に近接しており、針(180)が時計方向に回転するのを妨げる。
【0075】
針ドライバー(170)が駆動ストロークを通して作動されるとき、図27Bに示すように、反時計方向に約180度回転して、駆動位置になる。駆動ストローク中、ドライバー(176)が近位側段(187A)に係合して、一緒になって針(180)を約180度回転させ、延在位置にする。針(180)は、出口ポート(192)と入口ポート(193)との間のアーム(194、195)の間にまたがる。アーム(194、195)の間に挟まれた組織は、針(180)の先端(181)によって穿刺される。
【0076】
針ドライバー(170)が戻りストロークにわたって往復運動すると、図27Cに示すように、約180度時計方向に回転して、戻り位置に戻る。戻りストローク中、ドライバー(176)が針(180)の上にスライドし、リーフスプリング(196)が後面(188)に係合して、針(180)が時計方向に回転するのを妨げる。
【0077】
針ドライバー(170)が駆動ストロークを通して作動されるとき、図27Dに示すように、反時計方向に約180度回転して、駆動位置になる。駆動ストローク中、ドライバー(176)が遠位側段(186A)に係合して、一緒になって針(180)を約180度回転させ、収納位置に戻す。縫合糸は針(180)の後に続き、穿刺された組織に通される。
【0078】
針ドライバー(170)が戻りストロークにわたって往復運動すると、図27Aに示すように、約180度時計方向に回転して、戻り位置に戻る。戻りストローク中、ドライバー(176)が針(180)の上にスライドし、リーフスプリング(197)が後面(188)に係合して、針(80)が時計方向に回転するのを妨げる。よって、針(180)は完全な円形サイクルで駆動される。
【0079】
図28は、爪(206、207)を使用したバリエーションを示し、これにより、針(180)は反時計方向に回転できるが、針(180)が時計方向に回転するのは妨げられる。各爪(206、207)は、丸い端と、エッジを備えた尖端と、を有する、概ね「涙滴」形である。爪(206、207)は針(180)と同一平面内で、丸い端を中心に枢軸旋回し、これにより、尖端が回転して針トラック(156)内に出入りすることができる。スプリング(206B、207B)は、尖端を内側方向に付勢して、針トラック(156)に向ける。この尖端は針トラック(156)内に延在し、針(180)の外側面に係合する際に断線的に外側に偏向し、これによって反時計方向の動きが可能になる。けれども、針(180)が一方の爪(206、207)を通り越すと、尖端が経路側に向かって内側に偏向して後面(188)に干渉して係合し、これによって時計方向に針(180)が回転するのを妨げる。
【0080】
図29A〜Dは、円形針アプライヤー(30)の別の一実施形態を示す。爪(216、217)により、針(180)が針トラック(156)内で反時計方向に回転することができるが、針(180)が時計方向に回るのは妨げられる。この実施形態において、爪(216、217)は、針ドライバー(170)と同じ針(180)の機能に対して係合及び作用する。図には2つの爪(216、217)が示されているが、これらの機能は冗長であり、この装置は爪(216、217)のうち1つのみが存在している状態で操作可能であることが理解されよう。
【0081】
爪(216)は、概ね、ドライバー(176)の駆動位置に揃っている。爪(216)は、針(180)の経路に対して横断方向に、かつ針(180)の面で並進する。スプリング(216B)は、爪(216)を外方向に付勢して針トラック(156)に向ける。針(180)が反時計方向に回転すると、針(180)又はドライバー(176)が斜面(216A)に係合して爪(216)を内側に偏向させ、これにより反時計方向の動きが可能になる。爪(217)は、概ね、ドライバー(176)の戻り位置に揃っている。爪(217)は、針(180)の面内で径方向に並進することができる。スプリング(217B)は、爪(217)を外方向に付勢して針トラック(156)に向ける。針(180)が反時計方向に回転すると、針(180)又はドライバー(176)が斜面(217A)に係合して爪(217)を内側に偏向させ、これにより反時計方向の動きが可能になる。
【0082】
図29Aは、初期位置にある装置を示す。針(180)は収納位置にあり、針ドライバー(170)は戻り位置にある。爪(216)は遠位側段(186A)に近接し、爪(217)は近位側段(187A)に近接し、両方とも時計方向に回転するのを妨げる。
【0083】
針ドライバー(170)が駆動ストロークを通して作動されるとき、図29Bに示すように、反時計方向に約180度回転して、駆動位置になる。駆動ストローク中、ドライバー(176)が近位側斜面(217A)に係合して爪(217)を内側へ偏位させ、次に近位側段(187A)に係合し、その次に、針(180)と一緒に約180度回転させて、延在位置にする。延在位置において、爪(217)は遠位側段(186A)に近接し、これにより針(180)が時計方向に回転するのを妨げる。ドライバー(176)が駆動位置に近づくと、ドライバー(176)が斜面(216A)に係合し、爪(216)を内側へ偏位させる。駆動位置において、ドライバー(176)は爪(216)と針(180)との間に挟まれたままになる。
【0084】
針ドライバー(170)が戻りストロークにわたって往復運動すると、図29Dに示すように、約180度時計方向に回転して、戻り位置に戻る。ドライバー(176)が通り過ぎると、爪(216)が近位側段(187A)に近接して偏向し、針(180)が時計方向に回転するのを妨げる。図29Cに示すように、爪(217)は、針の段(186A、187A)の下に配置された遠位側斜面(217C)を有する。例えば、遠位側斜面(217C)はスロット(157)内に配置することができ、一方、近位側斜面(217A)は針トラック(156)内に配置される。戻りストローク中、ドライバー(176)は近位側斜面(216C)に係合し、爪(216)を内側へ偏位させる。ドライバー(176)が通り過ぎると、爪(217)が遠位側段(186A)に近接して偏向し、針(180)が時計方向に回転するのを妨げる。
【0085】
次にこの手順を繰り返して、針(180)を約180度動かして収納位置にすることができる。
【0086】
図30A〜Bは、針ドライバー(170)と同じ針(180)の機能に対して係合及び作用する、爪(226、227)のバリエーションを示す。図には2つの爪(226、227)が示されているが、これらの機能は重複しており、この装置は爪(226、227)のうち1つのみが存在している状態で操作可能であることが理解されよう。
【0087】
爪(226)は、概ね、ドライバー(176)の駆動位置に揃っている。爪(226)は、概ね「涙滴」形であり、爪(206、207)と同様に機能する。トーションスプリング(226B)は、尖端を外側方向に付勢して、針トラック(156)に向ける。ドライバー(176)が駆動位置に近づくと、ドライバー(176)が爪(226)の尖端に係合し、これを内側へ偏位させる。駆動位置において、ドライバー(176)は爪(226)と針(180)との間に挟まれたままになる。針ドライバー(170)が戻りストロークにわたって往復運動すると、ドライバー(176)が通り越し、爪(226)が近位側段(187A)に近接して偏向し、針(180)が時計方向に回転するのを妨げる。爪(226)は、リーフスプリング(96、97)と同様の構成のリーフスプリングで置換することができ、これが針ドライバー(170)と同じ、針(180)の機能に対して係合及び作用し得る。
【0088】
爪(227)は、外側方向に付勢されて針トラック(156)に向けられ、ドライバー(176)と針(180)との間の係合配列において、爪(217)と同様に機能する。近位側斜面(227A)は針トラック(156)内に配置され、これによって針(180)とドライバー(176)が反時計方向に回転する際に通り越すことができる。遠位側斜面(227C)はスロット(157)内に配置され、これによって、戻りストローク中、ドライバー(176)が近位側斜面(216C)に係合し、爪(216)を内側に偏位させる。
【0089】
図31A〜Cは、針(180)を反時計方向に回転させることができるが、針(180)が時計方向に回転するのを妨げる、爪(236、237)の別の一実施形態を示す。爪(236)は、概ね楕円形であり、一方の端がエッジに対して斜めである。爪(236)は、針(180)と同一平面内で、丸い端を中心に枢軸旋回し、これにより、エッジが回転して針トラック(156)内に出入りすることができる。トーションスプリングは、エッジを内側に付勢して針トラック(156)へと向ける。爪(236)は、係合針(180)及び後面(188)の配列において、爪(206)と同様に機能する。
【0090】
爪(237)は、入口ポート(193)に近接するアーム(195)内に位置する。爪(237)は、針トラック(156)の下に配置され、針(180)の面に対して、ある横断角で、及び所望により垂直に、並進する。スプリング(237B)は爪(237)を上向きに、針トラック(156)内へと付勢する。針(180)が反時計方向に回転すると、針(180)が斜面(237A)に係合して爪(237)を下側に偏向させ、これにより反時計方向の動きが可能になる。けれども、針(180)が爪(237)を通り越すと、経路側に偏向して後面(188)に干渉して係合し、これによって時計方向に針(180)が回転するのを妨げる。
【0091】
図32は、カートリッジ(250)及び受容器(240)の別の一実施形態を示す。カートリッジ(250)は、前述の任意のカートリッジと同様であってよく、外科用針と、この外科用針に接続された、ある長さの縫合糸と、針に係合し、かつカートリッジに対して針を動かすよう操作可能な針ドライバーと、針ドライバーに操作可能に接続された伝動装置と、を含み得る。受容器(240)は、軸方向にずれた下側アーム(141)と、軸方向にずれた上側アーム(142)と、を有する。下側アーム(242)は、上側アーム(241)より更に遠位側に延在する。下側アーム(242)は長手方向の稜(244)を有し、これが、カートリッジ(250)上の対応する溝(図示せず)に係合する。回転ドライブ機構は、下側アーム(242)内に位置する。一対のかかり付き留め金(253)が、カートリッジ(250)から延在している。カートリッジ(250)は、アーム(241、242)間のカートリッジ(250)を、留め金(253)が穴(243)に収まるまで長手方向にスライドさせ、カートリッジ(250)を受容器(240)内にロックさせることによって、受容器(240)に取り付けられる。カートリッジ(250)は、グリップ(254)を握ることによってロック解除して取り外すことができる。グリップを握ると、留め金(253)が内側に偏向して穴(243)から外れ、この時点でカートリッジ(250)を引っ張って受容器(240)から外すことができる。
【0092】
図33は、カートリッジ(350)及び受容器(340)の別の一実施形態を示す。カートリッジ(350)は、前述の任意のカートリッジと同様であってよく、外科用針と、この外科用針に接続された、ある長さの縫合糸と、針に係合し、かつカートリッジに対して針を動かすよう操作可能な針ドライバーと、針ドライバーに操作可能に接続された伝動装置と、を含み得る。受容器(340)は長手方向デッキを有し、これを通してキー(348)が回転ドライブの往復回転運動をカートリッジ(350)の伝動装置に伝達する。間隔を空けて配置された一対のフランジ(341)は、デッキ(349)の遠位端に近接している。各フランジ(341)にはピンホール(342)がある。カートリッジ(350)は、ピン(353)をピンホール(342)に嵌め込むことにより、受容器(340)に取り付けられる。次にカートリッジ(350)をピン(353)を中心に回転させ、デッキ(349)に係合させる。移動止め機構(343)が、カートリッジ(350)の対応する陥凹に係合して、カートリッジ(350)を受容器(340)内にロックする。カートリッジ(350)は、この手順を逆に行うことによってロック解除し取り外すことができる。
【0093】
図34は、カートリッジ(450)のためのパッケージ(400)の一実施形態を示す。カートリッジ(450)は、前述の任意のカートリッジと同様であってよく、外科用針と、この外科用針に接続された、ある長さの縫合糸(489)と、針に係合し、かつカートリッジに対して針を動かすよう操作可能な針ドライバーと、針ドライバーに操作可能に接続された伝動装置と、を含み得る。パッケージ(400)は、ハウジング(402)及び上面シート(401)を含む外側シェルを有する。カートリッジ(450)内の針は収納位置にある。カートリッジ(450)はアーム(405)により解放自在に保持されている。ブロック(406)は、カートリッジ(450)のU字形遠位端内に配置され、カートリッジ(450)から針が出るのを防ぐ。カートリッジ(450)は隙間(404)内に延在する。縫合糸(489)はカートリッジ(450)から延在し、ボビン(408)の周りに巻き付けられており、図では軸(407)を中心に回転可能な動的スプールとして示されている。あるいはボビン(408)は、例えば、ペグ又はトラックなどの静的ボビンの形態をとることができ、この周囲に縫合糸(489)を巻き付けることができる。
【0094】
図35に示すように、パッケージ(400)は、カートリッジ(400)を縫合装置(420)に組み込むのを促進する。パッケージ(400)は、カートリッジ(400)を縫合装置のシャフト(420)に対して取り扱い、揃え、組み込む際に、人間工学的に使いやすい形態を提供し、同時に、針をユーザーから安全に分離する。いったん組み立てられて取り付けられた後は、シャフト(420)を引くことによってカートリッジ(400)がパッケージ(400)から引っ張られ、縫合糸(489)がボビン(408)から引き出されて、使用できる状態になる。
【0095】
図36は、カートリッジ(550)のためのパッケージ(500)の別の一実施形態を示す。カートリッジ(550)は、前述の任意のカートリッジと同様であってよく、外科用針と、この外科用針に接続された、ある長さの縫合糸(589)と、針に係合し、かつカートリッジに対して針を動かすよう操作可能な針ドライバーと、針ドライバーに操作可能に接続された伝動装置と、を含み得る。カートリッジ(550)は、カートリッジ(550)のU字形遠位端内に挿入されたブロック(506)と共に、アーム(505)の間でプラットフォーム(503)上に解放自在に保持される。縫合糸(589)はカートリッジ(550)から延在し、ボビン(508)に巻き付けられている。パッケージ(500)は、プラスチック又は紙シートの形態の外側シェル(501)を有する。小さなフラップ(502)がボビン(508)とカートリッジ(550)の上に折りかぶさり、大きなフラップ(503)がこの小さなフラップ(502)の上に折りかぶさることによって、カートリッジ(550)、ボビン(508)、及び縫合糸(589)を囲む。
【0096】
以上、本発明の様々な実施形態及び実施例を図示及び説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく当業者による適切な改変がなされることにより、本明細書に述べられる方法及び装置の更なる適合を実現することができる。そうした可能な変更形態のいくつかについて述べたが、その他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、具体的な材料、寸法、及び図面の縮尺は、非限定的な例として理解されるべきである。したがって本発明の範囲は、以下の「特許請求の範囲」の観点から考慮されるべきであり、本明細書及び図面に図示し説明した構造、材料、又は機能の詳細に限定されるべきではない点は理解される。
【0097】
〔実施の態様〕
(1) 外科用縫合装置であって、
近位端と、遠位端と、該近位端と該遠位端との間の長手方向軸と、を含む細長シャフトと、
該細長シャフトの該近位端に接続されている作動装置と、
該細長シャフトの該遠位端に接続されている円形針アプライヤーと、
を含み、該細長シャフトは、該円形針アプライヤーの近位側で関節運動し(articulates)、該円形針アプライヤーは、該長手方向軸を中心に回転する、外科用縫合装置。
(2) 前記作動装置が手動ハンドルを含む、実施態様1に記載の外科用装置。
(3) 前記ハンドルが、前記円形針アプライヤーを選択的に作動させる第1入力部を含む、実施態様2に記載の外科用装置。
(4) 前記シャフトを選択的に関節運動させる第2入力部を更に含む、実施態様3に記載の外科用装置。
(5) 前記長手方向軸を中心に前記円形針アプライヤーを選択的に回転させる第3入力部を更に含む、実施態様4に記載の外科用装置。
【0098】
(6) 前記細長シャフトが接合部を中心に関節運動する、実施態様1に記載の外科用装置。
(7) 前記円形針アプライヤーがベアリングを中心に回転する、実施態様1に記載の外科用装置。
(8) 外科用縫合装置であって、
近位端と、遠位端と、該近位端と該遠位端との間の長手方向軸と、を含む細長シャフトと、
該細長シャフトの該近位端に接続されている作動装置と、
該細長シャフトの該遠位端にある円形針アプライヤーであって、円弧針と、該作動装置に操作可能に接続されて該円弧針を円形経路内で回転させる針ドライバーと、を含む、円形針アプライヤーと、
該細長シャフトの該近位端と該遠位端との間に配置される接合部であって、該シャフトを選択的に関節運動させるよう該作動装置に操作可能に接続されている、接合部と、
該接合部より遠位側に配置されている該シャフト上のベアリングであって、該長手方向軸を中心に該円形針アプライヤーを選択的に回転させるよう該作動装置に操作可能に接続されている、ベアリングと、
を含む、外科用縫合装置。
(9) 外科用縫合装置であって、
近位端と、遠位端と、該近位端と該遠位端との間の長手方向軸と、を含む細長シャフトと、
該細長シャフトの該近位端に接続されている作動装置と、
該細長シャフトの該遠位端に接続されている円形針アプライヤーと、
該細長シャフトを関節運動させる手段と、
該長手方向軸を中心に該円形針アプライヤーを回転させる手段と、
を含む、外科用縫合装置。
(10) 前記円形針アプライヤーを作動させる手段を更に含む、実施態様9に記載の外科用縫合装置。
【0099】
(11) 外科用縫合システムであって、
再使用可能シャフト及び作動装置と、
使い捨てカートリッジと、を含み、該使い捨てカートリッジが、
外科用針と、
該外科用針に接続された、ある長さの縫合糸と、
該針に係合し、かつ該カートリッジに対して該針を動かすよう操作可能な針ドライバーと、
を含む、システム。
(12) 前記使い捨てカートリッジが更に、前記針ドライバーに操作可能に接続された伝動装置を含む、実施態様11に記載の外科用縫合システム。
(13) 前記再使用可能シャフト及び前記作動装置がオートクレーブ処理可能である、実施態様11に記載の外科用縫合システム。
(14) 前記再使用可能シャフト及び前記作動装置が少なくとも50回の手術に再使用可能である、実施態様11に記載の外科用縫合システム。
(15) 前記再使用可能シャフト及び前記作動装置が少なくとも150回の手術に再使用可能である、実施態様14に記載の外科用縫合システム。
【0100】
(16) 前記再使用可能シャフト及び前記作動装置が少なくとも200回の手術に再使用可能である、実施態様14に記載の外科用縫合システム。
(17) 外科用縫合システムであって、
近位端及び遠位端を含む再使用可能シャフトであって、該遠位端が受容器及び回転ドライブを含む、再使用可能シャフトと、
該シャフトの該近位端に接続されている再使用可能作動装置と、
該受容器に着脱可能なように適合されている使い捨てカートリッジと、を含み、該カートリッジが、
円弧状トラックと、
該トラック内に配置され、先端及び後端を含む、円弧針と、
該後端に接続される、ある長さの縫合糸と、
該針に係合し、かつ該円弧状円形トラック内で該針を動かすよう操作可能な往復運動針ドライバーと、
該針ドライバーに操作可能に接続された伝動装置であって、該伝動装置が、該回転ドライブに連結するよう適合された回転入力部を含む、伝動装置と、
を含む、外科用縫合システム。
(18) 前記再使用可能シャフト及び前記作動装置がオートクレーブ処理可能である、実施態様17に記載の外科用縫合システム。
(19) 外科用縫合装置に着脱可能なように適合された使い捨て外科用針カートリッジであって、該使い捨てカートリッジが、
円弧状針トラックと、
該針トラック内に配置され、先端及び後端を含む、円弧針と、
該針に接続された、ある長さの縫合糸と、
該針に係合し、かつ該針トラック内で該針を動かすよう操作可能な往復運動針ドライバーと、
該針ドライバーに操作可能に接続された伝動装置と、
該伝動装置を、該外科用縫合装置内の回転ドライブに連結するよう適合された、捻れ力インタフェースと、
を含み、該往復運動針ドライバー及び該伝動装置は、該カートリッジ内に完全に入れられている、使い捨て外科用針カートリッジ。
(20) 前記外科用縫合装置が再使用可能である、実施態様19に記載の使い捨て外科用針カートリッジ。
【0101】
(21) 前記外科用縫合装置が、近位端、遠位端、及び前記カートリッジとインタフェースで接続するよう適合された受容器を備えた細長シャフトを含む、実施態様19に記載の使い捨て外科用針カートリッジ。
(22) 外科用縫合装置を更に含む、実施態様19に記載の使い捨て外科用針カートリッジ。
(23) 外科用縫合システムであって、
近位端、遠位端、該近位端と該遠位端との間の長手方向軸、及び該遠位端における回転ドライブを備えた受容器を含む、シャフトと、
該受容器に選択的に着脱可能なカートリッジであって、該カートリッジが、外科用針、該針に接続された、ある長さの縫合糸、該針に係合し、かつ該カートリッジに対して該針を動かすよう操作可能な針ドライバー、該針ドライバーに操作可能に接続された伝動装置、及び該回転ドライブを該伝動装置に回転で連結する捻れ力インタフェースを含む、カートリッジと、
を含む、外科用縫合システム。
(24) 前記回転ドライブが、前記シャフトの前記長手方向軸に対して交差する軸を中心に、前記捻れ力インタフェースを介して前記伝動装置にトルクを伝達する、実施態様23に記載の外科用縫合システム。
(25) 前記回転ドライブが、前記シャフトの前記長手方向軸に対して垂直な軸を中心に、前記捻れ力インタフェースを介してトルクを伝達する、実施態様24に記載の外科用縫合システム。
【0102】
(26) 前記回転ドライブがラックアンドピニオンを含む、実施態様24に記載の外科用縫合システム。
(27) 前記受容器が、前記シャフトの前記長手方向軸から軸方向にずれた、遠位側に延出するアームを含む、実施態様23に記載の外科用縫合システム。
(28) 前記アームが、内側に面するデッキを含む、実施態様27に記載の外科用縫合システム。
(29) 前記回転ドライブが、少なくとも部分的に前記アーム内に配置される、実施態様27に記載の外科用縫合システム。
(30) 前記シャフトの前記長手方向軸から軸方向にずれた、第2の遠位側に延出するアームを更に含み、該アームが、前記カートリッジを受容するような寸法にされ、かつそのように適合された間隔を画定する、実施態様27に記載の外科用縫合システム。
【0103】
(31) 前記カートリッジを前記受容器に対してロック及びロック解除するよう操作可能なラッチを更に含む、実施態様23に記載の外科用縫合システム。
(32) 前記受容器に対して前記カートリッジを長手方向にスライドさせることにより、該カートリッジが該受容器に着脱可能である、実施態様23に記載の外科用縫合システム。
(33) 外科用縫合システムであって、
近位端と、遠位端と、該近位端と該遠位端との間の長手方向軸と、を含むシャフトと、
該シャフトの該遠位端にあり、間隔を画定する一対の遠位側に延出するアームを含む、受容器と、
カートリッジであって、該間隔内で該カートリッジを長手方向にスライドさせることにより該受容器に選択的に着脱可能であり、該カートリッジが、外科用針と、該針に接続された、ある長さの縫合糸と、該針に係合し、かつ該カートリッジに対して該針を動かすよう操作可能な針ドライバーと、を含む、カートリッジと、
該受容器内の該カートリッジを選択的にロック及びロック解除するラッチと、
を含む、外科用縫合システム。
(34) 前記アームの一方に少なくとも部分的に配置された回転ドライブを更に含む、実施態様33に記載の外科用縫合システム。
(35) 前記針ドライバーに操作可能に接続された、前記カートリッジ内の伝動装置と、該伝動装置に前記回転ドライブを回転で連結する捻れ力インタフェースと、を更に含む、実施態様34に記載の外科用縫合システム。
【0104】
(36) 外科用縫合システムであって、
近位端、遠位端、該近位端と該遠位端との間の長手方向軸、及び該遠位端における回転ドライブを備えた受容器を含む、シャフトと、
該受容器に選択的に着脱可能であるカートリッジであって、該カートリッジが、外科用針と、該針に接続された、ある長さの縫合糸と、該針に係合し、かつ該カートリッジに対して該針を動かすよう操作可能な針ドライバーと、該針ドライバーに操作可能に接続された伝動装置と、を含む、カートリッジと、
該回転ドライブを該伝動装置に回転で連結する手段と、
を含む、外科用縫合システム。
(37) 前記カートリッジを前記受容器に着脱するための手段を更に含む、実施態様36に記載の外科用縫合システム。
(38) 前記カートリッジを前記受容器にロック及びロック解除するための手段を更に含む、実施態様36に記載の外科用縫合システム。
(39) 外科用縫合装置であって、
円弧状針トラックと、
該針トラック内に配置され、先端、後端、内側面、及び外側面を含む、円弧針と、
該針に接続された、ある長さの縫合糸と、
該針トラックから間隔を空けて配置される、円弧状キャリアトラックと、
該キャリアトラック内に配置されたキャリアと、該針トラック内に配置されたドライバーと、を含み、該針に係合し、かつ該針トラック内で該針を動かすよう操作可能である、往復運動針ドライバーと、
該キャリアトラック内で該キャリアを往復運動させるよう操作可能である、伝動装置と、
を含む、外科用縫合装置。
(40) 前記針トラックから前記キャリアトラックを分離する壁を更に含む、実施態様39に記載の外科用縫合装置。
【0105】
(41) 前記壁を貫通するスロット開口部を更に含み、該スロットが前記キャリアトラックと前記針トラックとの間を連絡する、実施態様40に記載の外科用縫合装置。
(42) 前記針ドライバーが、前記スロット開口部を貫通して前記針トラック内に延在する、実施態様41に記載の外科用縫合装置。
(43) 前記スロット開口部が前記円弧状針トラックの内側エッジに近接する、実施態様41に記載の外科用縫合装置。
(44) 前記スロット開口部が前記円弧状針トラックの外側エッジに近接する、実施態様41に記載の外科用縫合装置。
(45) 前記円弧状針トラックと前記円弧状キャリアトラックが同軸である、実施態様39に記載の外科用縫合装置。
【0106】
(46) 前記針トラックと前記キャリアトラックが、共有軸に沿って互いにずれている、実施態様45に記載の外科用縫合装置。
(47) 前記針トラックと前記キャリアトラックが同半径である(co-radial)、実施態様46に記載の外科用縫合装置。
(48) 前記針が、前記ドライバーが係合するような寸法にされ、かつそのように適合されている段を更に含む、実施態様39に記載の外科用縫合装置。
(49) 前記段が、前記針の前記内側面にある、実施態様48に記載の外科用縫合装置。
(50) 前記段が、前記針の前記外側面にある、実施態様48に記載の外科用縫合装置。
【0107】
(51) 外科用縫合装置であって、
円弧状針トラックと、
該針トラック内に配置され、先端、後端、内側面、及び外側面を含む、円弧針と、
該針に接続された、ある長さの縫合糸と、
該円弧状針トラックとの共有軸に沿ってずれている、円弧状キャリアトラックと、
該円弧状針トラックを該円弧状キャリアトラックから分離している壁であって、該壁が該円弧状キャリアトラックと該円弧状針トラックとの間を連絡しているスロット開口部を含む、壁と、
該円弧状キャリアトラック内に配置されたキャリアと、該円弧状針トラック内に配置されたドライバーと、を含み、該針に係合し、かつ該針トラック内で該針を動かすよう操作可能である、往復運動針ドライバーと、
該キャリアトラック内で該キャリアを往復運動させるよう操作可能である、伝動装置と、
を含む、外科用縫合装置。
(52) 外科用縫合装置であって、
円弧状針トラックと、
該針トラック内に配置される、円弧針と、
該針に接続される、ある長さの縫合糸と、
該針に係合し、かつ該針トラック内で該針を動かすよう操作可能である、往復運動針ドライバーと、
軸を中心に回転する回転入力部と、
該回転入力部に接続された近位端と、該針ドライバーに接続された遠位端と、を含む、リンクと、
を含み、第1角度方向の該回転入力部の回転は、該第1角度方向とは反対の第2角度方向に該針ドライバーを並進させる、外科用縫合装置。
(53) 前記リンクが更に、前記近位端と前記遠位端との間に挟まれた長手方向スロットを含み、該長手方向スロットがピンを受容し、該ピンを中心に、該リンクが長手方向の並進と旋回の両方を行う、実施態様52に記載の外科用縫合装置。
(54) 前記遠位端が、前記針ドライバーに旋回可能に接続される、実施態様52に記載の外科用縫合装置。
(55) 前記針ドライバーと前記リンク遠位端との間の接続部が、第1半径を有する円弧状経路で並進する、実施態様52に記載の外科用縫合装置。
【0108】
(56) 前記リンクの前記近位端が、前記捻れドライブ軸から第2半径で前記回転入力部に接続され、前記第1半径が該第2半径より大きい、実施態様55に記載の外科用縫合装置。
(57) 前記回転入力部、前記リンク、及び前記針ドライバーが不定点を有さない、実施態様52に記載の外科用縫合装置。
(58) 前記回転入力部が、前記リンクの前記近位端に接続されているピンを受容する径方向スロットを含む、実施態様52に記載の外科用縫合装置。
(59) 近位端及び遠位端を含む細長シャフトと、
該シャフト近位端に接続される作動装置と、
該作動装置に操作可能に接続される回転ドライブと、
該回転ドライバーを該回転入力部に回転で連結する捻れ力インタフェースと、
を更に含む、実施態様52に記載の外科用縫合装置。
(60) 前記回転ドライブがラックアンドピニオンを含む、実施態様59に記載の外科用縫合装置。
【0109】
(61) 前記回転入力部が往復回転運動を有する、実施態様52に記載の外科用装置。
(62) 前記針ドライバーが、円弧状トラック内で少なくとも180度往復運動する、実施態様52に記載の外科用装置。
(63) 前記針ドライバーが、前記針トラックにより少なくとも部分的に画定される円形経路内で前記針を回転させる、実施態様52に記載の外科用装置。
(64) 前記回転入力部及び前記針が、平行な平面内で回転する、実施態様63に記載の外科用装置。
(65) 外科用縫合装置であって、
先端、後端、及び該先端と該後端との間の円弧状ボディを含む、針と、
該針に接続された、ある長さの縫合糸と、
該針に係合し、かつ第1回転方向に円形経路内で該針を回転させるよう適合される、針ドライバーと、
該針の該後端に係合するよう適合され、これによって、該第1回転方向とは逆の第2回転方向に該針が回転するのを妨げる、爪と、
を含む、外科用縫合装置。
【0110】
(66) 前記針がある平面内で回転し、前記爪が、該平面に交差する角度で弾性的に偏向する、実施態様65に記載の外科用縫合装置。
(67) 前記爪が、前記平面に対して実質的に垂直に、弾性的に偏向する、実施態様66に記載の外科用縫合装置。
(68) 前記針がある平面内で回転し、前記爪が、実質的に該平面内で弾性的に偏向する、実施態様65に記載の外科用縫合装置。
(69) 前記爪が、前記針の外側に配置される、実施態様68に記載の外科用縫合装置。
(70) 前記爪が、前記針の内側に配置される、実施態様68に記載の外科用縫合装置。
【0111】
(71) 前記爪が、該爪が旋回する中心となる第1端と、前記針の前記後端に係合するエッジを有する第2端と、を有する、実施態様68に記載の外科用装置。
(72) 前記針の前記後端に係合するよう適合され、これにより、前記第1回転方向とは逆の第2回転方向に該針が回転するのを妨げる、第2爪を更に含む、実施態様65に記載の外科用縫合装置。
(73) 前記爪が、前記円形経路に沿って互いに正反対にある、実施態様72に記載の外科用縫合装置。
(74) 前記後端が、前記縫合糸を受容する筒を含み、該筒が、該縫合糸の周りを囲む後端面を含み、該爪が、該後端面に係合するよう適合され、これによって、前記第1回転方向とは逆の第2回転方向に前記針が回転するのを妨げる、実施態様65に記載の外科用縫合装置。
(75) 前記爪が、前記針経路に対して垂直な経路に沿って並進し、該爪が更に、該針経路内で該爪を付勢するスプリングを含む、実施態様65に記載の外科用装置。
【0112】
(76) 前記爪が更に、該爪を前記針経路の外に偏向させ、前記針が該爪を通り越すようにするため、該針により係合されるよう適合された斜面を含む、実施態様75に記載の外科用装置。
(77) 前記爪が、前記円形針経路により画定される平面に交差する経路に沿って並進運動する、実施態様76に記載の外科用装置。
(78) 外科用縫合装置であって、
先端、後端、該先端と該後端との間の円弧状ボディ、及び該ボディ上の正反対の位置に配置された2つの段を有する針と、
該針に接続された、ある長さの縫合糸と、
駆動位置と戻り位置との間で少なくとも180度往復運動する針ドライバーであって、該針ドライバーが該針の段に係合するよう適合されて、これにより第1回転方向に円形経路内で該針を回転させる、針ドライバーと、
該針ドライバーの該駆動位置に近接して配置された爪であって、該爪は、該針の段に係合するよう適合されて、該第1回転方向とは逆の第2回転方向に該針が回転するのを妨げる、爪と、
を含む、外科用縫合装置。
(79) 前記針経路内で前記爪を付勢するスプリングを更に含む、実施態様78に記載の外科用装置。
(80) 前記爪が更に、該爪を前記針経路の外に偏向させ、前記針及び前記針ドライバーが該爪を通り越すようにするため、該針及び該針ドライバーにより係合されるよう適合された斜面を含む、実施態様79に記載の外科用装置。
【0113】
(81) 前記爪が、前記円形針経路により画定される平面内で偏向する、実施態様80に記載の外科用装置。
(82) 前記爪が、該爪が旋回する中心となる第1端と、前記針の段に係合するエッジを有する第2端と、該第2端を該針経路内へと付勢するスプリングと、を有する、実施態様78に記載の外科用装置。
(83) 前記駆動位置では、前記針ドライバーが、前記爪と前記針との間に挟まれている、実施態様78に記載の外科用装置。
(84) 前記針ドライバーの前記戻り位置に近接して配置される第2爪を更に含み、該第2爪は、前記針の段に係合するよう適合されて、前記第1回転方向とは逆の第2回転方向に前記針が回転するのを妨げる、実施態様78に記載の外科用装置。
(85) 外科用縫合装置であって、
先端、後端、該先端と該後端との間の円弧状ボディ、及び該ボディ上の正反対の位置に配置された2つの段を有する針と、
該針に接続された、ある長さの縫合糸と、
駆動位置と戻り位置との間で少なくとも180度往復運動する針ドライバーであって、該針ドライバーが該針の段に係合するよう適合されて、これにより第1回転方向に円形経路内で該針を回転させる、針ドライバーと、
該針ドライバーの該戻り位置に近接して配置された爪であって、該爪は、該針の段に係合するよう適合されて、該第1回転方向とは逆の第2回転方向に該針が回転するのを妨げる、爪と、
を含む、外科用縫合装置。
【0114】
(86) 前記針経路内で前記爪を付勢するスプリングを更に含む、実施態様85に記載の外科用装置。
(87) 前記爪が更に、該爪を前記針経路の外に偏向させ、前記針及び前記針ドライバーが該爪を通り越すようにするため、該針及び前記針ドライバーにより係合されるよう適合された近位側斜面を含む、実施態様86に記載の外科用装置。
(88) 前記爪が更に、該爪を前記針経路の外に偏向させ、前記針ドライバーが該爪を通り越すようにするため、該針ドライバーにより係合されるよう適合された遠位側斜面を含む、実施態様87に記載の外科用装置。
(89) 前記遠位側斜面が、前記針経路の下に配置される、実施態様88に記載の外科用装置。
(90) 前記爪が、前記円形針経路により画定される平面内で偏向する、実施態様86に記載の外科用装置。
【0115】
(91) 外科用縫合装置であって、
先端、後端、該先端と該後端との間の円弧状ボディ、及び該ボディ上の正反対の位置に配置された2つの段を有する針と、
該針に接続された、ある長さの縫合糸と、
駆動位置と戻り位置との間で少なくとも180度往復運動する針ドライバーであって、該針ドライバーが該針の段に係合するよう適合されて、これにより第1回転方向に円形経路内で該針を回転させる、針ドライバーと、
該針の段に係合し、これによって、前記第1回転方向とは逆の第2回転方向に該針が回転するのを妨げるための、係合手段と、
を含む、外科用縫合装置。
(92) 前記係合手段が爪を含む、実施態様91に記載の外科用縫合装置。
(93) 前記係合手段がリーフスプリングを含む、実施態様91に記載の外科用縫合装置。
(94) 円形針アプライヤーに使用するための外科用針であって、
先端と、
後端と、
該先端と該後端との間の円弧状ボディであって、該ボディが内側面及び外側面を含む、円弧状ボディと、
円形針アプライヤーが係合するよう適合された、該ボディ上の複数の段であって、該段が、材料を除去せずに該ボディを塑性変形することによって形成された、複数の段と、
該後端に接続される、ある長さの縫合糸と、
を含む、外科用針。
(95) 前記段が前記内側面にある、実施態様94に記載の外科用針。
【0116】
(96) 前記段が前記外側面にある、実施態様94に記載の外科用針。
(97) 前記段が、プレス操作により形成される、実施態様94に記載の外科用針。
(98) 前記段が、圧延操作により形成される、実施態様94に記載の外科用針。
(99) 前記複数の段が、2つの、正反対にある段を含む、実施態様94に記載の外科用針。
(100) 前記ボディが、少なくとも180度の角度範囲を有する、実施態様94に記載の外科用針。
【0117】
(101) 前記円弧状ボディが、原点を中心とした、実質的に一定の公称半径を含む、実施態様94に記載の外科用針。
(102) 円形針アプライヤーに使用するための外科用針であって、
先細部を含む先端と、
筒を含む後端と、
該先細部と該筒との間に延在する円弧状ボディであって、該ボディが、内側面、外側面、及び円形針アプライヤーが係合するよう適合された複数の段を含み、該ボディは、該先細部と該筒との間に、実質的に一定の断面積を有する、円弧状ボディと、
該筒に接続された、ある長さの縫合糸と、
を含む、外科用針。
(103) 前記複数の段が、前記内側面の、2つの、正反対にある段からなる、実施態様102に記載の外科用針。
(104) 前記複数の段が、前記外側面の、2つの、正反対にある段からなる、実施態様102に記載の外科用針。
(105) 前記段が前記内側面にある、実施態様102に記載の外科用針。
【0118】
(106) 前記段が前記外側面にある、実施態様102に記載の外科用針。
(107) 前記段が、前記ボディから材料を除去せずに形成される、実施態様102に記載の外科用針。
(108) 前記段が、プレス操作により形成される、実施態様107に記載の外科用針。
(109) 前記段が、圧延操作により形成される、実施態様107に記載の外科用針。
(110) 前記複数の段が、2つの、正反対にある段を含む、実施態様102に記載の外科用針。
【0119】
(111) 前記ボディが、少なくとも180度の角度範囲を有する、実施態様102に記載の外科用針。
(112) 円形針アプライヤーに使用するための外科用針であって、
遠位側先端と、
近位側後端と、
該先端と該後端との間の円弧状ボディであって、該ボディが内側面及び外側面を含む、円弧状ボディと、
円形針アプライヤーが係合するよう適合された、該ボディ上の第1段であって、該第1段は、該先端から遠位側に配置されている、第1段と、
該第1段から近位側に延在する長手方向平面部であって、該平面部が、該ボディの概ねD字形の断面形状を画定する、長手方向平面部と、
円形針アプライヤーが係合するよう適合された、該ボディ上の第2段であって、該第2段は、該第1段から約180度の位置に配置される、第2段と、
該後端に接続される、ある長さの縫合糸と、
を含む、外科用針。
(113) 針の、前記先端から前記後端までの角度範囲が約210度〜約270度である、実施態様112に記載の外科用針。
(114) 前記第1段及び第2段が、前記内側面に配置される、実施態様112に記載の外科用針。
(115) 前記第1段及び第2段が、前記外側面に配置される、実施態様112に記載の外科用針。
【0120】
(116) 前記円弧状ボディが、原点を中心とした、実質的に一定の公称半径を含む、実施態様112に記載の外科用針。
(117) 前記公称半径が、約0.432センチメートル〜約0.533センチメートル(約0.170インチ〜約0.210インチ)である、実施態様112に記載の外科用針。
(118) 前記平面部が、約20度〜約40度、前記第1段から近位側に延在する、実施態様112に記載の外科用針。
(119) 前記平面部が、約100度〜約150度、前記第1段から近位側に延在する、実施態様112に記載の外科用針。
(120) 前記ボディが更に、前記平面部の前記近位端に斜面部分を含み、これによって、該ボディの断面形状が、概ねD字形から概ね円形に移行する、実施態様112に記載の外科用針。
【0121】
(121) 前記ボディが更に、前記第2段から近位側に延在する第2長手方向平面部を含み、該第2平面部が、該ボディにおいて、概ねD字形の断面形状を画定する、実施態様112に記載の外科用針。
(122) 前記第2平面部が、約8度〜約30度、前記第2段から近位側に延在する、実施態様121に記載の外科用針。
(123) 前記ボディが更に、前記第2平面部の前記近位端に斜面部分を含み、これによって、該ボディの断面形状が、概ねD字形から概ね円形に移行する、実施態様121に記載の外科用針。
(124) 前記先端は先細部を含み、前記後端は筒を含み、前記ボディは該先細部と該筒との間で実質的に一定の断面積を有する、実施態様112に記載の外科用針。
(125) 外科用針のパッケージであって、
カートリッジであって、外科用針と、該針に係合し、かつ該カートリッジに対して該針を動かすよう操作可能な針ドライバーと、を含む、カートリッジと、
ボビンと、
該針に接続され、該ボビンに巻き付けられる、ある長さの縫合糸と、
を含む、外科用針のパッケージ。
【0122】
(126) 前記カートリッジ、前記ボビン、及び前記縫合糸を囲む外側シェルを更に含む、実施態様125に記載のパッケージ。
(127) 前記外側シェルが、前記カートリッジと前記ボビンの上に折りかぶせられるシート材料を含む、実施態様126に記載のパッケージ。
(128) 前記カートリッジを弾性的に保持するプラットフォームを更に含む、実施態様127に記載のパッケージ。
(129) 前記ボビンが回転スプールである、実施態様125に記載のパッケージ。
(130) 前記カートリッジが、概ねU字形の遠位端を画定する一対のアームを含み、該アームの間に挟まれたブロックを更に含む、実施態様125に記載のパッケージ。
【0123】
(131) 前記カートリッジ、前記ボビン、及び前記縫合糸を囲む、ハウジング及び上面シートを更に含む、実施態様125に記載のパッケージ。
(132) 外科用針のパッケージであって、
ハウジングと、
該ハウジング内に解放自在に保持されたカートリッジであって、該カートリッジが、外科用針と、該針に係合し、かつ前記カートリッジに対して該針を動かすよう操作可能な針ドライバーと、を含む、カートリッジと、
該ハウジング内のボビンと、
該針に接続され、該ボビンに巻き付けられる、ある長さの縫合糸と、
を含む、外科用針のパッケージ。
(133) 前記カートリッジ、前記ボビン、及び前記縫合糸が、前記ハウジング内に収容される、実施態様132に記載のパッケージ。
(134) 前記カートリッジが、概ねU字形の遠位端を画定する一対のアームを含み、前記ハウジングに取り付けられかつ該アームの間に延在するブロックを更に含む、実施態様132に記載のパッケージ。
(135) 前記ハウジングが隙間を画定し、前記カートリッジが該隙間内に少なくとも部分的に配置される、実施態様132に記載のパッケージ。
【0124】
(136) 外科用針のパッケージであって、
隙間を有するハウジングと、
解放自在に該ハウジング内に保持され、該隙間内に延在するカートリッジであって、該カートリッジが、外科用針と、該針に係合し、かつ該カートリッジに対して該針を動かすよう操作可能な針ドライバーと、概ねU字形の遠位端を画定する一対のアームと、を含む、カートリッジと、
該ハウジングに取り付けられ、該アームの間に延在する、ブロックと、
該ハウジング内にある回転スプールと、
該針に接続され、該スプールに巻き付けられる、ある長さの縫合糸と、
を含み、該カートリッジ、該ボビン、及び該縫合糸が、該ハウジング内に収容される、外科用針のパッケージ。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図16C
図16D
図17
図18
図19
図20
図21
図22A
図22B
図22C
図23A
図23B
図24
図25A
図25B
図26A
図26B
図27A
図27B
図27C
図27D
図28
図29A
図29B
図29C
図29D
図30A
図30B
図31A
図31B
図31C
図32
図33
図34
図35
図36