特許第6271510号(P6271510)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6271510
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】二糖合成脂質化合物およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C07H 13/08 20060101AFI20180122BHJP
   A61K 31/7024 20060101ALI20180122BHJP
   A61K 39/00 20060101ALI20180122BHJP
   A61K 39/39 20060101ALI20180122BHJP
   A61K 9/127 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20180122BHJP
【FI】
   C07H13/08CSP
   A61K31/7024
   A61K39/00 Z
   A61K39/39
   A61K9/127
   A61P37/04
【請求項の数】10
【全頁数】61
(21)【出願番号】特願2015-505953(P2015-505953)
(86)(22)【出願日】2013年4月12日
(65)【公表番号】特表2015-512946(P2015-512946A)
(43)【公表日】2015年4月30日
(86)【国際出願番号】US2013036425
(87)【国際公開番号】WO2013155448
(87)【国際公開日】20131017
【審査請求日】2016年3月10日
(31)【優先権主張番号】61/623,393
(32)【優先日】2012年4月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/842,424
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514259727
【氏名又は名称】アバンティ・ポーラ・リピッド・インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】513022966
【氏名又は名称】エーシー イミューン エス.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ショウ,ウォルター・エイ
(72)【発明者】
【氏名】バージェス,スティーブン・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】リー,シェンロン
(72)【発明者】
【氏名】ヒックマン,デイビッド・ティー
(72)【発明者】
【氏名】ロペス−デベル,マリア・ピラール
【審査官】 伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−510190(JP,A)
【文献】 特表平09−505071(JP,A)
【文献】 特表2002−520373(JP,A)
【文献】 国際公開第01/036433(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0022032(US,A1)
【文献】 Organic & Biomolecular Chemistry,2008年,Vol.6, No.18,p.3371-3381
【文献】 Journal of Endotoxin Research,2005年,Vol.11, No.1,p.57-61
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07H
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造を有する合成二糖脂質化合物:
【化1】
又はその医薬として許容可能な塩であって、
該合成二糖脂質化合物が、重量ベースで測定して少なくとも95%純粋である合成二糖脂質化合物又はその医薬として許容可能な塩。
【請求項2】
重量ベースで測定して少なくとも99%純粋である請求項1に記載の合成二糖脂質化合物。
【請求項3】
a.医薬として許容可能な担体;
b.任意の抗原;および
c.次式で表される合成二糖脂質化合物:
【化2】
又はその医薬として許容可能な塩を含む、
該合成二糖脂質化合物が、重量ベースで測定して少なくとも95%純粋である合成二糖脂質化合物である、医薬組成物。
【請求項4】
合成二糖脂質化合物が、重量ベースで測定して少なくとも99%純粋である、請求項3に記載の医薬組成物。
【請求項5】
組成物が抗原を含む、請求項3又は4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
組成物が、さらに第二アジュバントを含む請求項3−5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
第二アジュバントが、一リン酸化ヘキサアシル二糖である請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
組成物が、ワクチン組成物である、請求項3−7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
組成物が、被験体において免疫応答を刺激するか増強する、請求項3−8のいずれか一項に記載に医薬組成物。
【請求項10】
医薬として許容可能な担体がリポソームである請求項3−9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の開示は、一般的に、免疫応答を増強するかまたは刺激するのに用いるための化合物に関する。さらに具体的には、本発明の開示は、式(I)〜(XXV)の構造を有する合成二糖脂質A類似体またはその医薬として許容可能な塩に関する。免疫応答を誘導し、刺激するためのこのような化合物の使用、このような化合物を含有する医薬組成物、ならびにこのような化合物を含むワクチン組成物も開示される。
【背景技術】
【0002】
種々のグラム陰性桿菌の外膜構成成分である内毒素は、種々の生物学的活性、例えば免疫機能の増強を有する、ということが知られている。内毒素の主要活性部分は、リピドAと呼ばれる二糖部分に存在する。種々のリピドA誘導体が研究されており、天然脂質Aと同様の活性を有することが報告されている。しかしながら、多数のこのような化合物が天然供給源から精製され、これが、これらの化合物の粘稠性および純度に伴う問題をもたらし得る。多くの研究が、純粋な、または本質的に純粋な形態のこのような化合物を提供することに集中してきた。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1A】in vitroでのマウス脾臓細胞の増殖に及ぼす本発明の開示の合成二糖脂質化合物の作用を示す。
図1B】in vitroマウスB細胞の増殖に及ぼす本発明の開示の合成二糖脂質化合物の作用を示す。
図2A】in vitroでのマウス脾臓細胞の生存度に及ぼす本発明の開示の合成二糖脂質化合物の作用を示す。
図2B】in vitroでのマウスB細胞の生存度に及ぼす本発明の開示の合成二糖脂質化合物の作用を示す。
図3A】in vitroでのマウス脾臓細胞からのIgM分泌に及ぼす本発明の開示の合成二糖脂質化合物の作用を示す。
図3B】in vitroでのマウスB細胞からのIgM分泌に及ぼす本発明の開示の合成二糖脂質化合物の作用を示す。
図4A】in vitroでのマウス脾臓細胞からのIgG分泌に及ぼす本発明の開示の合成二糖脂質化合物の作用を示す。
図4B】in vitroでのマウスB細胞からのIgG分泌に及ぼす本発明の開示の合成二糖脂質化合物の作用を示す。
図5】in vitroでのネズミ単球/マクロファージ細胞からのIL−12産生に及ぼす本発明の開示の合成二糖脂質化合物の作用を示す。
図6】in vivoでの抗原特異的免疫応答の刺激に及ぼすワクチン製剤中の本発明の開示の合成二糖脂質化合物の作用を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
詳細な説明
定義
本明細書中で用いる場合、「防止」、「防止する」、「防止すること」、「抑止」、「抑止する」および「抑止すること」という用語は、本明細書中で用いる場合、疾患または症状の症候、態様または特質の開始前に始められ、従ってこのような症候、態様または特質を防止するかまたは低減する働き(例えば、化合物または医薬組成物を投与すること)の経過を指す。このような防止および抑止することは、絶対的に有用であるという必要はない。
【0005】
本明細書中で用いる場合、「処置」、「処置する」および「処置すること」という用語は、本明細書中で用いる場合、疾患または症状の症候、態様または特質の開始後に始められ、従ってこのような症候、態様または特質を排除するかまたは低減する働き(例えば、化合物または医薬組成物を投与すること)の経過を指す。このような処置することは、絶対的に有用であるという必要はない。
【0006】
本明細書中で用いる場合、「処置を必要とする」という用語は、本明細書中で用いる場合、患者が、処置を必要とするかまたは処置から有益性を得られる、という介護者によりなされる判断を指す。本発明の開示の方法または化合物により処置可能である疾患または症状の結果として、この判断は、介護者の専門技術の範囲内であるが、しかし患者が病気であるかまたは病気になるであろうという認識を包含する種々の因子に基づいてなされる。
【0007】
本明細書中で用いる場合、「防止を必要とする」という用語は、本明細書中で用いる場合、患者が、防止を必要とするかまたは防止から有益性を得られる、という介護者によりなされる判断を指す。本発明の開示の方法または化合物により処置可能である疾患または症状の結果として、この判断は、介護者の専門技術の範囲内であるが、しかし患者が病気であるかまたは病気になり得るという認識を包含する種々の因子に基づいてなされる。
【0008】
本明細書中で用いる場合、「個体」、「被験体」または「患者」という用語は、本明細書中で用いる場合、任意の動物、例えば哺乳動物、例えばマウス、ラット、その他の齧歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマまたは霊長類およびヒトを指す。当該用語は、雄または雌またはその両方を特定し得るし、あるいは雄または雌を除外し得る。
【0009】
本明細書中で用いる場合、「治療的有効量」という用語は、本明細書中で用いる場合、疾患または症状の任意の症候、態様または特質に及ぼす任意の検出可能な正の作用を有し得る、医薬組成物単独での、または医薬組成物の一部としての化合物の量を指す。このような作用は、有益であることが絶対的である必要はない。
【0010】
本明細書中で用いる場合、「アルキル」という用語は、単独で用いられても、置換または連結基の一部として用いられる場合でも、1〜20個の炭素原子を含む直鎖炭化水素基を包含する。従って、当該語句は、直鎖アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル等を包含する。当該語句は、直鎖アルキル基の分枝鎖異性体、例えば一例として:−CH(CH、−CH(CH)(CHCH)、−CH(CHCH、−C(CH)、−C(CHCH、−CHCH(CH、−CHCH(CH)(CHCH)、−CHCH(CHCH、−CHC(CH、−CHC(CHCH、−CH(CH)CH(CH)(CHCH)、−CHCHCH(CH、−CHCHCH(CH)(CHCH)−、−CHCHCH(CHCH、−CHCHC(CH、−CHCHC(CHCH、−CH(CH)CHCH(CH、−CH(CH)CH(CH)CH(CH)CH(CH、−CH(CHCH)CH(CH)CH(CH)(CHCH)等も包含するが、これらに限定されない。当該語句は、環式アルキル基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル、ならびに上記のような直鎖および分枝鎖アルキル基で置換されるこのような環も包含する。当該語句は、多環式アルキル基、例えばアダマンチル、ノルボルニルおよびビシクロ[2.2.2]オクチル、ならびに上記のような直鎖および分枝鎖アルキル基で置換される環も包含するが、これらに限定されない。
【0011】
本明細書中で用いる場合、「アルキレン」という用語は、単独でも、置換基の一部であっても、アルキル基から水素原子を除去することにより得られる任意の基を包含する;アルキレン基は、他の基とともに2つの結合を形成する。
【0012】
本明細書中で用いる場合、「アルケニル」という用語は、単独でも、置換基の一部としても、任意の2つの隣接炭素原子間に少なくとも1つの二重結合を有するアルキル基を包含する。
【0013】
本明細書中で用いる場合、「非置換アルキル」および「非置換アルケニル」という用語は、異種原子を含有しないアルキルおよびアルケニル基を指す。
【0014】
「置換アルキル」および「置換アルケニル」という語句は、炭素または水素との1つまたは複数の結合が、非水素または非炭素原子、例えばハロゲン化物におけるハロゲン原子、例えばF、Cl、BrおよびI;ならびにカルボニル、カルボキシル、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基およびエステル基のような基における酸素原子;チオール基、アルキルおよびアリールスルフィド基、スルホン基、スルホニル基およびスルホキシド基のような基におけるイオウ原子;アミン、アミド、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アリールアミン、アルキルアリールアミン、ジアリールアミン、N−オキシド、イミド、エナミン、イミン、オキシム、ヒドラゾンおよびニトリルのような基における窒素原子;トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基およびトリアリールシリル基のような基におけるケイ素原子;ならびに種々の他の基におけるその他の異種原子(これらに限定されない)との結合により取り替えられる上記のようなアルキルおよびアルケニル基を指す。その他のアルキル基としては、置換アルキル基がヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ基またはヘテロシクリルオキシ基を含有するよう、炭素または水素原子との1つまたは複数の結合が酸素原子との結合に取り替えられるものが挙げられる。さらに他のアルキル基としては、アミン、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アリールアミン、(アルキル)(アリール)アミン、ジアリールアミン、ヘテロシクリルアミン、(アルキル)(ヘテロシクリル)−アミン、(アリール)(ヘテロシクリル)アミンまたはジヘテロシクリルアミン基を有するアルキル基が挙げられる。
【0015】
二糖合成脂質化合物
本発明の開示は、以下の一般構造式I〜XXVの合成二糖脂質化合物を提供する。一実施形態では、合成二糖脂質化合物は、本明細書中に開示される位置に3〜5個のアシル基を含有する。別の実施形態では、開示される合成二糖脂質化合物は、3−0−ジアシル二糖化合物である。さらなる一実施形態では、3−0−ジアシル二糖化合物は、本明細書中に開示される位置に3〜5個のアシル基を含有する。前述の特定の一実施形態では、化合物はモノホスホリルである。このような化合物は、免疫応答を誘導し、刺激するための免疫刺激剤として有用であり、免疫原性組成物、例えばワクチン(これに限定されない)中のアジュバントとして有用である。
【0016】
本発明の開示の化合物は、化学的に合成され、従って、本質的に純粋な形態で提供される。「本質的に純粋な」とは、合成二糖脂質化合物は、(重量ベースで測定して)合成二糖脂質化合物に関して少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%純粋である、ということが意図される。特定の一態様では、合成二糖脂質化合物は、少なくとも95%純粋である(重量ベースで測定)。別の態様では、合成二糖脂質化合物は、少なくとも96%純粋である(重量ベースで測定)。別の態様では、合成二糖脂質化合物は、少なくとも97%純粋である(重量ベースで測定)。別の態様では、合成二糖脂質化合物は、少なくとも98%純粋である(重量ベースで測定)。別の態様では、合成二糖脂質化合物は、少なくとも99%純粋である(重量ベースで測定)。
【0017】
この純度レベルにより、天然精製リピドA化合物が適さない種々の薬理学的用途において、本発明の開示の合成二糖脂質化合物を使用できるようになる。例えば、天然精製リピドA化合物は、それらが精製される細菌細胞からの種々の量のタンパク質、核酸、他の脂質およびその他の生成物と同時精製される。さらに、このような不純物のレベルは、精製ごとに変わる。さらに、天然精製リピドA化合物は、多くの場合、種々の形態で存在する。例えば、二糖骨格上に存在するアシル鎖の数は、特定位置での所定のアシル鎖の長さと同様に、所定の製剤中で変わり得る。従って、本発明の開示の化合物は、天然供給源から精製される化合物、例えば細菌細胞からのタンパク質、核酸、他の脂質およびその他の生成物(これらに限定されない)中に見出される夾雑物を本質的に含まない。さらに、本発明の開示の化合物は、化学合成中に生成される夾雑物を本質的に含まない。このようなものとして、本発明の開示の化合物は、当該技術分野で既知の化合物を上回る利点を提供する。
【0018】
本明細書中で用いる場合、「本質的に含まない」という用語は、本発明の開示の化合物が、合成二糖脂質化合物に関して確定した場合(重量ベースで測定)、1%未満、2%未満、3%未満、4%未満、5%未満、10%未満、15%未満または20%未満のこのような夾雑物を含有する、ことを意味する。関連夾雑物としては、異なる数および/または長さのアシル鎖を有する関連化合物、天然供給源からの対応する化合物の単離中に遭遇するそれらの夾雑物、ならびに化学合成の結果として遭遇する夾雑物が挙げられるが、これらに限定されない。一態様において、合成二糖脂質化合物は、合成二糖脂質化合物に関して確定した場合(重量ベースで測定)、1%未満のこのような夾雑物を含有する。一態様において、合成二糖脂質化合物は、合成二糖脂質化合物に関して確定した場合(重量ベースで測定)、2%未満のこのような夾雑物を含有する。一態様において、合成二糖脂質化合物は、合成二糖脂質化合物に関して確定した場合(重量ベースで測定)、3%未満のこのような夾雑物を含有する。一態様において、合成二糖脂質化合物は、合成二糖脂質化合物に関して確定した場合(重量ベースで測定)、4%未満のこのような夾雑物を含有する。一態様において、合成二糖脂質化合物は、合成二糖脂質化合物に関して確定した場合(重量ベースで測定)、5%未満のこのような夾雑物を含有する。
【0019】
前述の懸念は、製剤ごとに可変するという天然精製リピドA化合物の特性をもたらす。さらに、このような天然リピドA化合物に対する個々の被験体反応は、同様に変わり得る。本質的に純粋形態での本発明の開示の化合物の提供は、前述の懸念を低減し、天然リピドA組成物が適していない用途における本発明の開示の化合物の使用を可能にする。
【0020】
種々の一リン酸化ヘキサアシル二糖化合物も、当業界は承知している。例えば、このような化合物はPHAD(またはPHAD(商標))の商品名で提供され、Avanti Polar Lipids(Alabaster,Alabama)から入手可能である。しかしながら、これらの化合物は、3位置にアシル基を有する。
【0021】
3−O−デアシル一リン酸化二糖化合物、例えばペンタアシル化合物(これに限定されない)が、当該技術分野で既知である。しかしながら、このような3−O−デアシル一リン酸化二糖化合物は天然供給源から精製され、化学的に処理されて、3位に存在するアシル鎖を除去してきた。その結果、従来技術の3−O−デアシル一リン酸化二糖化合物の組成物における変異性が問題とされる。さらに、前述の化学的修飾手法も、付加的変異性を誘導する。
【0022】
従って、従来技術は、本質的に純粋形態の、および/または夾雑物を本質的に含まない合成二糖脂質化合物を提供していない。本発明の開示は、3〜5個のアシル鎖を含有する合成二糖脂質化合物を提供する。一実施形態では、合成二糖脂質化合物は、3−O−デアシル二糖化合物である。前述の一実施形態では、合成二糖脂質化合物は、3〜5個のアシル鎖を含有する。一実施形態では、3〜5個のアシル鎖は、それぞれ非還元および還元糖の2’、3’および2位に配置される。別の実施形態では、3〜5個のアシル鎖は、それぞれ非還元および還元糖の2’、3’、2および3位に配置される。さらに別の実施形態では、3〜5個のアシル鎖は、それぞれ非還元および還元糖の3’、2および3位に配置される。
【0023】
2’、3’、2および3位を有する代表的二糖化合物を以下に示す。
【化1】
【0024】
明確にするために記すと、アシル鎖は、2’位、3’位または2位の各々に存在する必要はないが、但し、合成二糖脂質化合物は列挙した位置(2’、3’および2)に合計3〜5個のアシル鎖を有する。さらに、列挙位置は1つより多いアシル鎖を含有し得るが、一方、別の列挙位置はアシル鎖と関連付けることはできず、但し、合成二糖脂質化合物は列挙位置(2’、3’および2)に合計3〜5個のアシル鎖を有する。
【0025】
例えば、本発明の開示の例示的合成二糖脂質化合物は、3’位に2個のアシル鎖、2位に2個のアシル鎖、および2’位に1個のアシル鎖を含有し得る(合計5個のアシル鎖)。さらに、本発明の開示の例示的合成二糖脂質化合物は、3’位に2個のアシル鎖、2位に1個のアシル鎖、および2’位に1個のアシル鎖を含有し得る(合計4個のアシル鎖)。さらに、本発明の開示の例示的合成二糖脂質化合物は、3’位にアシル鎖はなく、2’位に2個のアシル鎖、3位に1個のアシル鎖および3位に1個のアシル鎖を含有し得る(合計4個のアシル鎖)。さらに、本発明の開示の例示的合成二糖脂質化合物は、3’位に1個のアシル鎖、2位に2個のアシル鎖、および2’位に1個のアシル鎖を含有し得る(合計4個のアシル鎖)。さらに、本発明の開示の例示的合成二糖脂質化合物は、3’位にアシル鎖はなく、2位に2個のアシル鎖、および2’位に1個のアシル鎖を含有し得る(合計3個のアシル鎖)。
【0026】
本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、3〜5個のアシル鎖を含有する。一実施形態では、アシル鎖の長さは、6個から19個までの炭素長で変わり得る。明確にするために記すと、3つの合成二糖脂質化合物中に存在する3〜5個のアシル鎖の長さは、各々、同一であり得るし、あるいは異なることもある。特定の一実施形態では、3〜5個のアシル鎖の長さは同じである。3〜5個のアシル鎖は、飽和であり、二重結合を含有し得ないか、あるいは3〜5個のアシル鎖は不飽和であり得る。このようなアシル鎖が不飽和である場合、各不飽和アシル鎖は1〜3個の二重結合を含有し得る。一実施形態では、3〜5個のアシル鎖は、すべて飽和である。別の実施形態では、3〜5個のアシル鎖のうちの少なくとも1つは不飽和であり、二重結合を1つ含有し、アシル鎖の残りは飽和である。
【0027】
一実施形態では、このような合成二糖脂質化合物は、式I:
【化2】
(式中、X、X、X、XおよびXは、各々独立して、存在しないか、C〜Cアルキル、−O−、−NH−または−CH−から選択され;
、Y、Y、YおよびYは、各々独立して、H、C〜Cアルキル、−CH−または−C(=O)−から選択されるが、但し、Y、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも3つはH以外の基であり、さらに、Y、Y、Y、YおよびYがHである場合には、Y、Y、Y、YおよびYに直接または間接的に連結される基は存在せず;
D、E、GおよびFは、各々独立して、C〜Cアルキル、−OH、−SH、−OC(=O)(CH−CH、OC(=O)(CHC(=O)OH、OC(=O)CH(NH)(CHC(=O)OHまたは−OC(=O)CHCH(OH)(CHCHから選択され;
JおよびBは、各々独立して、OH、OR、H、−OP(=O)(OH)−、OP(=O)(OR−、−OS(=O)(OH)−、−OS(=O)(OR−、−OS(OH)−、−OS(OR−、−C(=O)OH−、−C(=O)OR−または酸性基から選択され;
、AおよびAは、各々独立して、C〜C18置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
およびAは、各々独立して、C〜C19置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、置換または非置換C〜Cアルキルであり;
は、各出現に関して独立して、H、アルキル、置換アルキルまたはN−結合型アミノ酸残基であり;
mおよびnは、各々独立して、0〜5の整数である)
で示される一般構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0028】
この実施形態の第一の態様において、X、XおよびXのうちの少なくとも1つは−O−であり、X、XおよびXのうちの少なくとも2つは−O−であり、あるいはX、XおよびXのうちの3つすべてが−O−である。
【0029】
この実施形態の第二態様では、XおよびXのうちの少なくとも1つは−NH−であり、あるいはXおよびXの両方が−NH−である。
【0030】
この実施形態の第三態様では、X、XおよびXは−O−であり、XおよびXは−NH−である。
【0031】
この実施形態の第四態様では、X〜Xは、第一〜第三態様で定義されたものと同じであり、Y、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは−C(=O)−であり、Y、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも2つは−C(=O)−であり、Y、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも3つは−C(=O)−であり、Y、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも4つは−C(=O)−であり、あるいはY、Y、Y、YおよびYのすべてが−C(=O)−である。
【0032】
この実施形態の第五態様では、X、XおよびXは−O−であり、XおよびXは−NH−であり、Y、Y、Y、YおよびYはすべて−C(=O)−である。
【0033】
この実施形態の第六態様では、X〜Xは、第一〜第五態様で定義されたものと同じであり、Y〜Yは、第四および第五態様で定義されたものと同じであり、Jは−OP(=O)(OH)−であり、Bは−OHである。
【0034】
この実施形態の第一〜第六態様のいずれかにおいて、D、E、FおよびGは各々OHである。
【0035】
この実施形態の第一〜第六態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C13非置換アルキルであり、AおよびAは、各々独立して、C11〜C15非置換アルキルである。
【0036】
この実施形態の第一〜第六態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々、C11非置換アルキルであり、AおよびAは、各々、C13非置換アルキルである。
【0037】
この実施形態の第一〜第六態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々、C11非置換アルキルであり、AはC11非置換アルキルであり、AはC13非置換アルキルである。
【0038】
別の実施形態では、このような合成二糖脂質化合物は、式II:
【化3】
(式中、Y、Y、Y、YおよびYは、各々独立して、−CH−または−C(=O)−から選択されるが、但し、Y、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも3つはH以外の基であり、さらに、Y、Y、Y、YおよびYがHである場合には、Y、Y、Y、YまたはYに直接または間接的に連結される基は存在せず;
D、E、GおよびFは、各々独立して、−OH、−SH、−OC(=O)(CH−CH、OC(=O)(CHC(=O)OHまたは−OC(=O)CH(NH)(CHC(=O)OHから選択され;
JおよびBは、各々独立して、OH、OR、H、−OP(=O)(OH)−、OP(=O)(OR−、−OS(=O)(OH)−、−OS(=O)(OR−、−OS(OH)−、−OS(OR−、−C(=O)OH−、−C(=O)OR−または酸性基から選択され;
、AおよびAは、各々独立して、C〜C18置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
およびAは、各々独立して、C〜C19置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、置換または非置換C〜Cアルキルであり;
は、各出現に関して独立して、H、アルキル、置換アルキルまたはN−結合型アミノ酸残基であり;
mおよびnは、各々独立して、0〜5の整数である)
で示される一般構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0039】
この実施形態の第一の態様において、Y、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは−C(=O)−であり、Y、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも2つは−C(=O)−であり、Y、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも3つは−C(=O)−であり、Y、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも4つは−C(=O)−であり、あるいはY、Y、Y、YおよびYのすべてが−C(=O)−である。
【0040】
この実施形態の第二態様では、Y、Y、Y、YおよびYは第一態様で定義されたものと同じであり、Jは−OP(=O)(OH)−であり、Bは−OHである。
【0041】
この実施形態の第一〜第二態様のいずれかにおいて、D、E、FおよびGは各々OHである。
【0042】
この実施形態の第一〜第二態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C13非置換アルキルであり、AおよびAは、各々独立して、C11〜C15非置換アルキルである。
【0043】
この実施形態の第一〜第二態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々、C11非置換アルキルであり、AおよびAは、各々、C13非置換アルキルである。
【0044】
この実施形態の第一〜第二態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々、C1非置換アルキルであり、AはC11非置換アルキルであり、AはC13非置換アルキルである。
【0045】
さらに別の実施形態では、合成二糖脂質化合物は、式III:
【化4】
(式中、D、E、GおよびFは、各々独立して、−OH、−SH、−OC(=O)(CH−CH、OC(=O)(CHC(=O)OHまたは-OC(=O)CH(NH)(CHC(=O)OHから選択され;
JおよびBは、各々独立して、OH、OR、H、−OP(=O)(OH)−、OP(=O)(OR−、−OS(=O)(OH)−、−OS(=O)(OR−、−OS(OH)−、−OS(OR−、−C(=O)OH−、−C(=O)OR−または酸性基から選択され;
、AおよびAは、各々独立して、C〜C18置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
およびAは、各々独立して、C〜C19置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、置換または非置換C〜Cアルキルであり;
は、各出現に関して独立して、H、アルキル、置換アルキルまたはN−結合型アミノ酸残基であり;
mおよびnは、各々独立して、0〜5の整数である)
で示される一般構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0046】
この実施形態の第一の態様において、−OP(=O)(OH)−およびBは−OHである。
【0047】
この実施形態の第二態様では、D、E、FおよびGは各々OHである。
【0048】
この実施形態の第三態様では、−OP(=O)(OH)−およびBは−OHであり、D、E、FおよびGは、各々、OHである。
【0049】
この実施形態の第一〜第三態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C13非置換アルキルであり、AおよびAは、各々独立して、C11〜C15非置換アルキルである。
【0050】
この実施形態の第一〜第三態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々、C11非置換アルキルであり、AおよびAは、各々、C13非置換アルキルである。
【0051】
この実施形態の第一〜第三態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々、C1非置換アルキルであり、AはC11非置換アルキルであり、AはC13非置換アルキルである。
【0052】
さらに別の実施形態では、このような合成二糖脂質化合物は、式IV:
【化5】
(式中、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C18置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
およびAは、各々独立して、C〜C19置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択される)
で示される一般構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0053】
この実施形態の第一の態様において、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C13非置換アルキルであり、AおよびAは、各々独立して、C11〜C15非置換アルキルである。
【0054】
この実施形態の第二態様では、A、AおよびAは、各々、C11非置換アルキルであり、AおよびAは、各々、C13非置換アルキルである。
【0055】
この実施形態の第三態様では、A、AおよびAは、各々、C1非置換アルキルであり、AはC11非置換アルキルであり、AはC13非置換アルキルである。
【0056】
さらに別の実施形態では、このような合成二糖脂質化合物は、式V:
【化6】
で示される構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0057】
一実施形態では、このような合成二糖脂質化合物は、式VI:
【化7】
(式中、X、XおよびXは、各々独立して、C〜Cアルキル、−O−、−NH−または−CH−から選択され;
、YおよびYは、各々独立して、−CH−または−C(=O)−から選択され;
D、E、GおよびFは、各々独立して、C〜Cアルキル、−OH、−SH、−OC(=O)(CH−CH、OC(=O)(CHC(=O)OHまたは−OC(=O)CH(NH)(CHC(=O)OHから選択され;
JおよびBは、各々独立して、OH、OR、H、−OP(=O)(OH)−、OP(=O)(OR−、−OS(=O)(OH)−、−OS(=O)(OR−、−OS(OH)−、−OS(OR−、−C(=O)OH−、−C(=O)OR−または酸性基から選択され;
およびAは、各々独立して、C〜C18置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、C〜C19置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、置換または非置換C〜Cアルキルであり;
は、各出現に関して独立して、H、アルキル、置換アルキルまたはN−結合型アミノ酸残基であり;
mおよびnは、各々独立して、0〜5の整数である)
で示される一般構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0058】
前記構造VIは、構造Iで示されるものに由来し、この場合、基XはOであり、YはHおよびYと結合される基である(X、Y、AおよびAは存在しない)。
【0059】
この実施形態の第一の態様において、XおよびXの少なくとも1つは−NH−であり、またはXおよびXの両方が−NH−である。
【0060】
この実施形態の第二態様では、Xは−O−である。
【0061】
この実施形態の第三態様では、Xは−O−であり、XおよびXは−NH−である。
【0062】
この実施形態の第四の別の態様では、X、XおよびXは、第一〜第三態様で定義されたものと同じであり、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは−C(=O)−であり、Y、YおよびYのうちの少なくとも2つは−C(=O)−であり、あるいはY、YおよびYのすべてが−C(=O)−である。
【0063】
この実施形態の第五態様では、Xは−O−であり、XおよびXは−NH−であり、Y、YおよびYはすべて−C(=O)−である。
【0064】
この実施形態の第六態様では、X、XおよびXは、第一〜第五態様で定義されたものと同じであり、Y、YおよびYは、第四および第五態様で定義されたものと同じであり、Jは−OP(=O)(OH)−であり、Bは−OHである。
【0065】
この実施形態の第一〜第六態様のいずれかにおいて、D、E、FおよびGは各々OHである。
【0066】
この実施形態の第一〜第六態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C13非置換アルキルであり、AおよびAは、各々独立して、C11〜C15非置換アルキルである。
【0067】
この実施形態の第一〜第六態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々、C11非置換アルキルであり、AおよびAは、各々、C13非置換アルキルである。
【0068】
この実施形態の第一〜第六態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々、C11非置換アルキルであり、AはC11非置換アルキルであり、AはC13非置換アルキルである。
【0069】
別の実施形態では、このような合成二糖脂質化合物は、式VII:
【化8】
(式中、Y、YおよびYは、各々独立して、−CH−または−C(=O)−から選択され;
D、E、GおよびFは、各々独立して、C〜Cアルキル、−OH、−SH、−OC(=O)(CH−CH、OC(=O)(CHC(=O)OHまたは−OC(=O)CH(NH)(CHC(=O)OHから選択され;
JおよびBは、各々独立して、OH、OR、H、−OP(=O)(OH)−、OP(=O)(OR−、−OS(=O)(OH)−、−OS(=O)(OR−、−OS(OH)−、−OS(OR−、−C(=O)OH−、−C(=O)OR−または酸性基から選択され;
およびAは、各々独立して、C〜C18置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、C〜C19置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、置換または非置換C〜Cアルキルであり;
は、各出現に関して独立して、H、アルキル、置換アルキルまたはN−結合型アミノ酸残基であり;
mおよびnは、各々独立して、0〜5の整数である)
で示される一般構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0070】
この実施形態の第一の態様において、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは−C(=O)−であり、Y、YおよびYのうちの少なくとも2つは−C(=O)−であり、あるいはY、YおよびYのすべてが−C(=O)−である。
【0071】
この実施形態の第二態様では、Y、YおよびYは第一態様で定義されたものと同じであり、Jは−OP(=O)(OH)−であり、Bは−OHである。
【0072】
この実施形態の第一〜第二態様のいずれかにおいて、D、E、FおよびGは各々OHである。
【0073】
この実施形態の第一〜第二態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C13非置換アルキルであり、AおよびAは、各々独立して、C11〜C15非置換アルキルである。
【0074】
この実施形態の第一〜第二態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々、C11非置換アルキルであり、AおよびAは、各々、C13非置換アルキルである。
【0075】
この実施形態の第一〜第二態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々、C1非置換アルキルであり、AはC11非置換アルキルであり、AはC13非置換アルキルである。
【0076】
さらに別の実施形態では、合成二糖脂質化合物は、式VIII:
【化9】
(式中、D、E、GおよびFは、各々独立して、C〜Cアルキル、−OH、−SH、−OC(=O)(CH−CH、OC(=O)(CHC(=O)OHまたは−OC(=O)CH(NH)(CHC(=O)OHから選択され;
JおよびBは、各々独立して、OH、OR、H、−OP(=O)(OH)−、OP(=O)(OR−、−OS(=O)(OH)−、−OS(=O)(OR−、−OS(OH)−、−OS(OR−、−C(=O)OH−、−C(=O)OR−または酸性基から選択され;
およびAは、各々独立して、C〜C18置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、C〜C19置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、置換または非置換C〜Cアルキルであり;
は、各出現に関して独立して、H、アルキル、置換アルキルまたはN−結合型アミノ酸残基であり;
mおよびnは、各々独立して、0〜5の整数である)
で示される一般構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0077】
この実施形態の第一の態様において、Jは−OP(=O)(OH)−であり、Bは−OHである。
【0078】
この実施形態の第二態様では、D、E、FおよびGは各々OHである。
【0079】
この実施形態の第三態様では、Jは−OP(=O)(OH)−であり、Bは−OHであり、D、E、FおよびGは、各々、OHである。
【0080】
この実施形態の第一〜第三態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C13非置換アルキルであり、AおよびAは、各々独立して、C11〜C15非置換アルキルである。
【0081】
この実施形態の第一〜第三態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々、C11非置換アルキルであり、AおよびAは、各々、C13非置換アルキルである。
【0082】
この実施形態の第一〜第三態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々、C1非置換アルキルであり、AはC11非置換アルキルであり、AはC13非置換アルキルである。
【0083】
さらに別の実施形態では、このような合成二糖脂質化合物は、式IX:
【化10】
(式中、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C18置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
およびAは、各々独立して、C〜C19置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択される)
で示される一般構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0084】
この実施形態の第一の態様において、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C13非置換アルキルであり、AおよびAは、各々独立して、C11〜C15非置換アルキルである。
【0085】
この実施形態の第二態様では、A、AおよびAは、各々、C11非置換アルキルであり、AおよびAは、各々、C13非置換アルキルである。
【0086】
この実施形態の第三態様では、A、AおよびAは、各々、C11非置換アルキルであり、AはC11非置換アルキルであり、AはC13非置換アルキルである。
【0087】
さらに別の実施形態では、このような合成二糖脂質化合物は、式X:
【化11】
で示される構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0088】
一実施形態では、このような合成二糖脂質化合物は、式XI:
【化12】
(式中、X、X、X、XおよびXは、各々独立して、C〜Cアルキル、−O−、−NH−または−CH−から選択され;
、Y、YおよびYは、各々独立して、−CH−または−C(=O)−から選択され;
は、HまたはC〜Cアルキルであり;
D、E、GおよびFは、各々独立して、C〜Cアルキル、−OH、−SH、−OC(=O)(CH−CH、OC(=O)(CHC(=O)OHまたは−OC(=O)CH(NH)(CHC(=O)OHから選択され;
JおよびBは、各々独立して、OH、OR、H、−OP(=O)(OH)−、OP(=O)(OR−、−OS(=O)(OH)−、−OS(=O)(OR−、−OS(OH)−、−OS(OR−、−C(=O)OH−、−C(=O)OR−または酸性基から選択され;
、AおよびAは、各々独立して、C〜C18置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、C〜C19置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、置換または非置換C〜Cアルキルであり;
は、各出現に関して独立して、H、アルキル、置換アルキルまたはN−結合型アミノ酸残基であり;
mおよびnは、各々独立して、0〜5の整数である)
で示される一般構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0089】
前述の構造XIは、構造Iで示されるものに由来し、この場合、基XはOであり、YはHおよびYと結合される基である(Aは存在しない)。
【0090】
この実施形態の第一の態様において、X、XおよびXのうちの少なくとも1つは−O−であり、X、XおよびXのうちの少なくとも2つは−O−であり、あるいはX、XおよびXのうちの3つすべてが−O−である。
【0091】
この実施形態の第二態様では、XおよびXのうちの少なくとも1つは−NH−であり、あるいはXおよびXの両方が−NH−である。
【0092】
この実施形態の第三態様では、X、XおよびXは−O−であり、XおよびXは−NH−である。
【0093】
この実施形態の第四の別の態様では、X〜Xは、第一〜第三態様で定義されたものと同じであり、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは−C(=O)−であり、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも2つは−C(=O)−であり、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも3つは−C(=O)−であり、あるいはY、Y、YおよびYのすべてが−C(=O)であり、YはHである。
【0094】
この実施形態の第五態様では、X、XおよびXは−O−であり、XおよびXは−NH−であり、Y、Y、YおよびYはすべて−C(=O)−であり、YはHである。
【0095】
この実施形態の第六態様では、X〜Xは、第一〜第五態様で定義されたものと同じであり、Y〜Yは、第四および第五態様で定義されたものと同じであり、Jは−OP(=O)(OH)−であり、Bは−OHである。
【0096】
この実施形態の第一〜第六態様のいずれかにおいて、D、E、FおよびGは各々OHである。
【0097】
この実施形態の第一〜第六態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C13非置換アルキルであり、AはC11〜C15非置換アルキルである。
【0098】
この実施形態の第一〜第六態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々、C11非置換アルキルであり、AはC13非置換アルキルである。
【0099】
別の実施形態では、このような合成二糖脂質化合物は、式XII:
【化13】
(式中、Y、Y、YおよびYは、各々独立して、−CH−または−C(=O)−から選択され;
はHまたはC〜Cアルキルであり;
D、E、GおよびFは、各々独立して、C〜Cアルキル、−OH、−SH、−OC(=O)(CH−CH、OC(=O)(CHC(=O)OHまたは−OC(=O)CH(NH)(CHC(=O)OHから選択され;
JおよびBは、各々独立して、OH、OR、H、−OP(=O)(OH)−、OP(=O)(OR−、−OS(=O)(OH)−、−OS(=O)(OR−、−OS(OH)−、−OS(OR−、−C(=O)OH−、−C(=O)OR−または酸性基から選択され;
、AおよびAは、各々独立して、C〜C18置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、C〜C19置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、置換または非置換C〜Cアルキルであり;
は、各出現に関して独立して、H、アルキル、置換アルキルまたはN−結合型アミノ酸残基であり;
mおよびnは、各々独立して、0〜5の整数である)
で示される一般構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0100】
この実施形態の第一の態様において、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは−C(=O)−であり、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも2つは−C(=O)−であり、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも3つは−C(=O)であり、あるいはY、Y、YおよびYのすべてが−C(=O)−であり、YはHである。
【0101】
この実施形態の第二態様では、Y〜Yは第一態様で定義されたものと同じであり、Jは−OP(=O)(OH)−であり、Bは−OHである。
【0102】
この実施形態の第一〜第二態様のいずれかにおいて、D、E、FおよびGは各々OHである。
【0103】
この実施形態の第一〜第二態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C13非置換アルキルであり、Aは、C11〜C15非置換アルキルである。
【0104】
この実施形態の第一〜第二態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々、C11非置換アルキルであり、AはC13非置換アルキルである。
【0105】
さらに別の実施形態では、合成二糖脂質化合物は、式XIII:
【化14】
(式中、D、E、GおよびFは、各々独立して、C〜Cアルキル、−OH、−SH、−OC(=O)(CH−CH、OC(=O)(CHC(=O)OHまたは−OC(=O)CH(NH)(CHC(=O)OHから選択され;
JおよびBは、各々独立して、OH、OR、H、−OP(=O)(OH)−、OP(=O)(OR−、−OS(=O)(OH)−、−OS(=O)(OR−、−OS(OH)−、−OS(OR−、−C(=O)OH−、−C(=O)OR−または酸性基から選択され;
、AおよびAは、各々独立して、C〜C18置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、C〜C19置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、置換または非置換C〜Cアルキルであり;
は、各出現に関して独立して、H、アルキル、置換アルキルまたはN−結合型アミノ酸残基であり;
mおよびnは、各々独立して、0〜5の整数である)
で示される一般構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0106】
この実施形態の第一の態様において、Jは−OP(=O)(OH)−であり、Bは−OHである。
【0107】
この実施形態の第二態様では、D、E、FおよびGは各々OHである。
【0108】
この実施形態の第三態様では、Jは−OP(=O)(OH)−であり、Bは−OHであり、D、E、FおよびGは、各々、OHである。
【0109】
この実施形態の第一〜第三態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C13非置換アルキルであり、AはC11〜C15非置換アルキルである。
【0110】
この実施形態の第一〜第三態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々、C11非置換アルキルであり、AはC13非置換アルキルである。
【0111】
さらに別の実施形態では、このような合成二糖脂質化合物は、式XIV:
【化15】
(式中、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C18置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、C〜C19置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択される)
で示される一般構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0112】
この実施形態の第一の態様において、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C13非置換アルキルであり、Aは、C11〜C15非置換アルキルである。
【0113】
この実施形態の第二態様では、A、AおよびAは、各々、C11非置換アルキルであり、AはC13非置換アルキルである。
【0114】
さらに別の実施形態では、このような合成二糖脂質化合物は、式XV:
【化16】
で示される構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0115】
一実施形態では、このような合成二糖脂質化合物は、式XVI:
【化17】
(式中、X、X、X、XおよびXは、各々独立して、C〜Cアルキル、−O−、−NH−または−CH−から選択され;
、Y、YおよびYは、各々独立して、−CH−または−C(=O)−から選択され;
は、HまたはC〜Cアルキルであり;
D、E、GおよびFは、各々独立して、C〜Cアルキル、−OH、−SH、−OC(=O)(CH−CH、OC(=O)(CHC(=O)OHまたは−OC(=O)CH(NH)(CHC(=O)OHから選択され;
JおよびBは、各々独立して、OH、OR、H、−OP(=O)(OH)−、OP(=O)(OR−、−OS(=O)(OH)−、−OS(=O)(OR−、−OS(OH)−、−OS(OR−、−C(=O)OH−、−C(=O)OR−または酸性基から選択され;
、AおよびAは、各々独立して、C〜C18置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、C〜C19置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、置換または非置換C〜Cアルキルであり;
は、各出現に関して独立して、H、アルキル、置換アルキルまたはN−結合型アミノ酸残基であり;
mおよびnは、各々独立して、0〜5の整数である)
で示される一般構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0116】
前記構造XVIは、構造Iで示されるものに由来し、この場合、基XはOであり、YはHおよびYと結合される基である(Aは存在しない)。
【0117】
この実施形態の第一の態様において、X、XおよびXのうちの少なくとも1つは−O−であり、X、XおよびXのうちの少なくとも2つは−O−であり、あるいはX、XおよびXのうちの3つすべてが−O−である。
【0118】
この実施形態の第二態様では、XおよびXのうちの少なくとも1つは−NH−であり、あるいはXおよびXの両方が−NH−である。
【0119】
この実施形態の第三態様では、X、XおよびXは−O−であり、XおよびXは−NH−である。
【0120】
この実施形態の第四の別の態様では、X〜Xは、第一〜第三態様で定義されたものと同じであり、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは−C(=O)−であり、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも2つは−C(=O)−であり、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも3つは−C(=O)−であり、あるいはY、Y、YおよびYのすべてが−C(=O)であり、YはHである。
【0121】
この実施形態の第五態様では、X、XおよびXは−O−であり、XおよびXは−NH−であり、Y、Y、YおよびYはすべて−C(=O)−であり、YはHである。
【0122】
この実施形態の第六態様では、X〜Xは、第一〜第五態様で定義されたものと同じであり、Y〜Yは、第四および第五態様で定義されたものと同じであり、Jは−OP(=O)(OH)−であり、Bは−OHである。
【0123】
この実施形態の第一〜第六態様のいずれかにおいて、D、E、FおよびGは各々OHである。
【0124】
この実施形態の第一〜第六態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C13非置換アルキルであり、AはC11〜C15非置換アルキルである。
【0125】
この実施形態の第一〜第六態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々、C11非置換アルキルであり、AはC13非置換アルキルである。
【0126】
別の実施形態では、このような合成二糖脂質化合物は、式XVII:
【化18】
(式中、Y、Y、YおよびYは、各々独立して、−CH−または−C(=O)−から選択され;
はHまたはC〜Cアルキルであり;
D、E、GおよびFは、各々独立して、C〜Cアルキル、−OH、−SH、−OC(=O)(CH−CH、OC(=O)(CHC(=O)OHまたは−OC(=O)CH(NH)(CHC(=O)OHから選択され;
JおよびBは、各々独立して、OH、OR、H、−OP(=O)(OH)−、OP(=O)(OR−、−OS(=O)(OH)−、−OS(=O)(OR−、−OS(OH)−、−OS(OR−、−C(=O)OH−、−C(=O)OR−または酸性基から選択され;
、AおよびAは、各々独立して、C〜C18置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、C〜C19置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、置換または非置換C〜Cアルキルであり;
は、各出現に関して独立して、H、アルキル、置換アルキルまたはN−結合型アミノ酸残基であり;
mおよびnは、各々独立して、0〜5の整数である)
で示される一般構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0127】
この実施形態の第一の態様において、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは−C(=O)−であり、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも2つは−C(=O)−であり、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも3つは−C(=O)であり、あるいはY、Y、YおよびYのすべてが−C(=O)−であり、YはHである。
【0128】
この実施形態の第二態様では、Y〜Yは第一態様で定義されたものと同じであり、Jは−OP(=O)(OH)−であり、Bは−OHである。
【0129】
この実施形態の第一〜第二態様のいずれかにおいて、D、E、FおよびGは各々OHである。
【0130】
この実施形態の第一〜第二態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C13非置換アルキルであり、Aは、C11〜C15非置換アルキルである。
【0131】
この実施形態の第一〜第二態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々、C11非置換アルキルであり、AはC13非置換アルキルである。
【0132】
さらに別の実施形態では、合成二糖脂質化合物は、式XVIII:
【化19】
(式中、D、E、GおよびFは、各々独立して、C〜Cアルキル、−OH、−SH、−OC(=O)(CH−CH、OC(=O)(CHC(=O)OHまたは−OC(=O)CH(NH)(CHC(=O)OHから選択され;
JおよびBは、各々独立して、OH、OR、H、−OP(=O)(OH)−、OP(=O)(OR−、−OS(=O)(OH)−、−OS(=O)(OR−、−OS(OH)−、−OS(OR−、−C(=O)OH−、−C(=O)OR−または酸性基から選択され;
、AおよびAは、各々独立して、C〜C18置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、C〜C19置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、置換または非置換C〜Cアルキルであり;
は、各出現に関して独立して、H、アルキル、置換アルキルまたはN−結合型アミノ酸残基であり;
mおよびnは、各々独立して、0〜5の整数である)
で示される一般構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0133】
この実施形態の第一の態様において、Jは−OP(=O)(OH)−であり、Bは−OHである。
【0134】
この実施形態の第二態様では、D、E、FおよびGは各々OHである。
【0135】
この実施形態の第三態様では、Jは−OP(=O)(OH)−であり、Bは−OHであり、D、E、FおよびGは、各々、OHである。
【0136】
この実施形態の第一〜第三態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C13非置換アルキルであり、AはC11〜C15非置換アルキルである。
【0137】
この実施形態の第一〜第三態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々、C11非置換アルキルであり、AはC13非置換アルキルである。
【0138】
さらに別の実施形態では、このような合成二糖脂質化合物は、式XIX:
【化20】
(式中、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C18置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、C〜C19置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択される)
で示される一般構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0139】
この実施形態の第一の態様において、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C13非置換アルキルであり、Aは、C11〜C15非置換アルキルである。
【0140】
この実施形態の第二態様では、A、AおよびAは、各々、C11非置換アルキルであり、AはC13非置換アルキルである。
【0141】
さらに別の実施形態では、このような合成二糖脂質化合物は、式XX:
【化21】
で示される構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0142】
一実施形態では、このような合成二糖脂質化合物は、式XXI:
【化22】
(式中、X、X、XおよびXは、各々独立して、C〜Cアルキル、−O−、−NH−または−CH−から選択され;
、Y、YおよびYは、各々独立して、−CH−または−C(=O)−から選択され;
D、G、FおよびKは、各々独立して、C〜Cアルキル、−OH、−SH、−OC(=O)(CH−CH、OC(=O)(CHC(=O)OHまたは−OC(=O)CH(NH)(CHC(=O)OHから選択され;
JおよびBは、各々独立して、OH、OR、H、−OP(=O)(OH)−、OP(=O)(OR−、−OS(=O)(OH)−、−OS(=O)(OR−、−OS(OH)−、−OS(OR−、−C(=O)OH−、−C(=O)OR−または酸性基から選択され;
、AおよびAは、各々独立して、C〜C18置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、C〜C19置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、置換または非置換C〜Cアルキルであり;
は、各出現に関して独立して、H、アルキル、置換アルキルまたはN−結合型アミノ酸残基であり;
mおよびnは、各々独立して、0〜5の整数である)
で示される一般構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0143】
前記構造XXIは、構造Iで示されるものに由来し、この場合、基XはOであり、YはHであり、Yと結合される基は存在せず、Eは−OC(=O)CHCH(OH)(CHCHである。
【0144】
この実施形態の第一の態様において、XおよびXのうちの少なくとも1つは−O−であり、XおよびXの両方が−O−である。
【0145】
この実施形態の第二態様では、XおよびXのうちの少なくとも1つは−NH−であり、あるいはXおよびXの両方が−NH−である。
【0146】
この実施形態の第三態様では、XおよびXは−O−であり、XおよびXは−NH−である。
【0147】
この実施形態の第四の別の態様では、X、X、XおよびXは、第一〜第三態様で定義されたものと同じであり、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは−C(=O)−であり、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも2つは−C(=O)−であり、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも3つは−C(=O)−であり、あるいはY、Y、YおよびYのすべてが−C(=O)である。
【0148】
この実施形態の第五態様では、XおよびXは−O−であり、XおよびXは−NH−であり、Y、Y、YおよびYはすべて−C(=O)−である。
【0149】
この実施形態の第六態様では、X、X、XおよびXは、第一〜第五態様で定義されたものと同じであり、Y、Y、YおよびYは、第四および第五態様で定義されたものと同じであり、Jは−OP(=O)(OH)−であり、Bは−OHである。
【0150】
この実施形態の第一〜第六態様のいずれかにおいて、D、G、FおよびKは各々OHである。
【0151】
この実施形態の第一〜第六態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C13非置換アルキルであり、AはC11〜C15非置換アルキルである。
【0152】
この実施形態の第一〜第六態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々、C11非置換アルキルであり、AはC13非置換アルキルである。
【0153】
別の実施形態では、このような合成二糖脂質化合物は、式XXII:
【化23】
(式中、Y、Y、YおよびYは、各々独立して、−CH−または−C(=O)−から選択され;
D、G、FおよびKは、各々独立して、C〜Cアルキル、−OH、−SH、−OC(=O)(CH−CH、OC(=O)(CHC(=O)OHまたは−OC(=O)CH(NH)(CHC(=O)OHから選択され;
JおよびBは、各々独立して、OH、OR、H、−OP(=O)(OH)−、OP(=O)(OR−、−OS(=O)(OH)−、−OS(=O)(OR−、−OS(OH)−、−OS(OR−、−C(=O)OH−、−C(=O)OR−または酸性基から選択され;
、AおよびAは、各々独立して、C〜C18置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、C〜C19置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、置換または非置換C〜Cアルキルであり;
は、各出現に関して独立して、H、アルキル、置換アルキルまたはN−結合型アミノ酸残基であり;
mおよびnは、各々独立して、0〜5の整数である)
で示される一般構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0154】
この実施形態の第一の態様において、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも1つは−C(=O)−であり、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも2つは−C(=O)−であり、Y、Y、YおよびYのうちの少なくとも3つは−C(=O)−であり、あるいはY、Y、YおよびYのすべてが−C(=O)である。
【0155】
この実施形態の第二態様では、Y、Y、YおよびYは第一態様で定義されたものと同じであり、Jは−OP(=O)(OH)−であり、Bは−OHである。
【0156】
この実施形態の第一〜第二態様のいずれかにおいて、D、G、FおよびKは各々OHである。
【0157】
この実施形態の第一〜第二態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C13非置換アルキルであり、Aは、C11〜C15非置換アルキルである。
【0158】
この実施形態の第一〜第二態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々、C11非置換アルキルであり、AはC13非置換アルキルである。
【0159】
さらに別の実施形態では、このような合成二糖脂質化合物は、式XXIII:
【化24】
(式中、D、G、FおよびKは、各々独立して、C〜Cアルキル、−OH、−SH、−OC(=O)(CH−CH、OC(=O)(CHC(=O)OHまたは−OC(=O)CH(NH)(CHC(=O)OHから選択され;
JおよびBは、各々独立して、OH、OR、H、−OP(=O)(OH)−、OP(=O)(OR−、−OS(=O)(OH)−、−OS(=O)(OR−、−OS(OH)−、−OS(OR−、−C(=O)OH−、−C(=O)OR−または酸性基から選択され;
、AおよびAは、各々独立して、C〜C18置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、C〜C19置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、置換または非置換C〜Cアルキルであり;
は、各出現に関して独立して、H、アルキル、置換アルキルまたはN−結合型アミノ酸残基であり;
mおよびnは、各々独立して、0〜5の整数である)
で示される一般構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0160】
この実施形態の第一の態様において、Jは−OP(=O)(OH)−であり、Bは−OHである。
【0161】
この実施形態の第二態様では、D、G、FおよびKは各々OHである。
【0162】
この実施形態の第三態様では、Jは−OP(=O)(OH)−であり、Bは−OHであり、D、G、FおよびKは、各々、OHである。
【0163】
この実施形態の第一〜第三態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C13非置換アルキルであり、AはC11〜C15非置換アルキルである。
【0164】
この実施形態の第一〜第三態様のいずれかにおいて、A、AおよびAは、各々、C11非置換アルキルであり、AはC13非置換アルキルである。
【0165】
さらに別の実施形態では、このような合成二糖脂質化合物は、式XXIV:
【化25】
(式中、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C18置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、C〜C19置換または非置換アルキルまたはアルケニルから選択され;
は、置換または非置換C〜Cアルキルである)
で示される一般構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0166】
この実施形態の第一の態様において、A、AおよびAは、各々独立して、C〜C13非置換アルキルであり、Aは、C11〜C15非置換アルキルである。
【0167】
この実施形態の第二態様では、A、AおよびAは、各々、C11非置換アルキルであり、AはC13非置換アルキルである。
【0168】
さらに別の実施形態では、このような合成二糖脂質化合物は、式XXIV:
【化26】
で示される一般構造を有するか、あるいはその医薬として許容可能な塩またはプロドラッグである。
【0169】
本発明の開示の化合物の使用方法
本発明の開示は、二糖合成脂質化合物は本質的に純粋な形態で調製され得ることを示す。従って、本発明の開示の本質的に純粋な合成二糖脂質化合物の提供は、当該技術分野で既知の化合物の欠点を有さない、被験体における免疫応答を刺激する方法を可能にする。
【0170】
一実施形態では、本発明の開示は、被験体における免疫応答を刺激するかまたは引き出すための方法を提供する。このような方法は、かなりの量の本発明の開示の合成二糖脂質化合物またはその薬理学的に許容可能な塩を被験体に投与するステップを包含する。一態様において、合成二糖脂質化合物またはその薬理学的に許容可能な塩は、単独で投与される。別の態様では、合成二糖脂質化合物またはその薬理学的に許容可能な塩は、第二アジュバントまたは付加的アジュバントとともに投与される。別の態様では、合成二糖脂質化合物またはその薬理学的に許容可能な塩は、抗原とともに投与される。別の態様では、合成二糖脂質化合物またはその薬理学的に許容可能な塩は、抗原および第二アジュバントまたは付加的アジュバントとともに投与される。一実施形態では、このような投与は、被験体における免疫応答を増強する。抗原が含まれる場合、このような投与は、送達される抗原に少なくとも一部は特異的である、被験体における免疫応答を増強する。
【0171】
一実施形態では、本発明の開示は、被験体における免疫応答を増強するための方法を提供する。このような方法は、かなりの量の本発明の開示の合成二糖脂質化合物またはその薬理学的に許容可能な塩を被験体に投与するステップを包含する。一態様において、合成二糖脂質化合物またはその薬理学的に許容可能な塩は、単独で投与される。別の態様では、合成二糖脂質化合物またはその薬理学的に許容可能な塩は、第二アジュバントまたは付加的アジュバントとともに投与される。別の態様では、合成二糖脂質化合物またはその薬理学的に許容可能な塩は、抗原とともに投与される。別の態様では、合成二糖脂質化合物またはその薬理学的に許容可能な塩は、抗原および第二アジュバントまたは付加的アジュバントとともに投与される。一実施形態では、このような投与は、被験体における免疫応答を増強する。抗原が含まれる場合、このような投与は、送達される抗原に少なくとも一部は特異的である、被験体における免疫応答を増強する。
【0172】
一実施形態では、本発明の開示は、被験体における免疫グロブリン産生を刺激するための方法を提供する。一実施形態では、免疫グロブリンはIgGである。別の実施形態では、免疫グロブリンはIgMである。このような方法は、かなりの量の本発明の開示の合成二糖脂質化合物またはその薬理学的に許容可能な塩を被験体に投与するステップを包含する。一態様において、合成二糖脂質化合物またはその薬理学的に許容可能な塩は、単独で投与される。別の態様では、合成二糖脂質化合物またはその薬理学的に許容可能な塩は、第二アジュバントまたは付加的アジュバントとともに投与される。別の態様では、合成二糖脂質化合物またはその薬理学的に許容可能な塩は、抗原とともに投与される。別の態様では、合成二糖脂質化合物またはその薬理学的に許容可能な塩は、抗原および第二アジュバントまたは付加的アジュバントとともに投与される。一実施形態では、このような投与は、被験体における免疫応答を刺激するかまたは増強する。抗原が含まれる場合、産生される免疫グロブリンは、送達される抗原に特異的であり得る。
【0173】
Toll様受容体(TLR)、例えばTLR4は、パターン認識受容体(PRR)である。TLRは、免疫応答の開始において周知の役割を果たす。少なくとも10個の機能性TLRが、ヒトにおいて同定されている。各TLRは、ウイルス、細菌、マイコバクテリウム、真菌および寄生生物由来の異なる病原体関連分子パターンを検出する。グラム陰性細菌は、典型的には、LPS結合タンパク質(LBP)と複合してTLR4、CD14および関連タンパク質(MD−2)の受容体複合体と結合する細胞壁構成物質リポ多糖(LPS)を介して感知される。TLR4媒介性シグナル伝達カスケードは、次に、種々の前炎症性サイトカイン、例えばインターロイキン(IL)−6、腫瘍壊死因子(TNF)−αおよびIL−12の産生に向けて遺伝子発現を調整する。さらに、これらのシグナル伝達事象は、単球の共刺激性機能を増強する。
【0174】
一実施形態では、本発明の開示は、TLR4を刺激するおよび/またはTLR4応答を刺激するための方法を提供する。TLR4応答を刺激することは、TLR4シグナル伝達を刺激することを含む。このような方法は、かなりの量の本発明の開示の合成二糖脂質化合物またはその薬理学的に許容可能な塩を被験体に投与するステップを包含する。一態様において、合成二糖脂質化合物またはその薬理学的に許容可能な塩は、単独で投与される。別の態様では、合成二糖脂質化合物またはその薬理学的に許容可能な塩は、第二アジュバントまたは付加的アジュバントとともに投与される。別の態様では、合成二糖脂質化合物またはその薬理学的に許容可能な塩は、抗原とともに投与される。別の態様では、合成二糖脂質化合物またはその薬理学的に許容可能な塩は、抗原および第二アジュバントまたは付加的アジュバントとともに投与される。一実施形態では、このような投与は、被験体における免疫応答を刺激するかまたは増強する。抗原が含まれる場合、このような投与は、送達される抗原に、少なくとも一部は、特異的である、被験体における免疫応答を刺激するかまたは増強する。
【0175】
これらの実施形態の一態様において、本発明の開示は、本発明の開示の合成二糖脂質化合物を単独で(すなわち、抗原またはその他の免疫応答修飾物質を伴わない)用いる単独療法を提供する。このような態様では、合成二糖脂質化合物は、被験体における疾患または症状を処置するか、および/または防止する目的のために、被験体における非特異的免疫応答を刺激する。
【0176】
これらの実施形態の一態様において、本発明の開示は、本発明の開示の合成二糖脂質化合物を第二アジュバントと組み合わせて(しかし抗原の付加を伴わない)用いる療法を提供する。このような態様では、合成二糖脂質化合物および第二アジュバントは、被験体における疾患または症状を処置するか、および/または防止する目的のために、被験体における非特異的免疫応答を刺激する。
【0177】
これらの実施形態の一態様では、本発明の開示は、本発明の開示の合成二糖脂質化合物を、抗原および任意の第二アジュバントおよび本明細書中に記載されるような他の構成成分と組み合わせて含む医薬組成物、例えばワクチンを提供する。このような態様では、医薬組成物は、被験体における疾患または症状を処置するか、および/または防止する目的のために、被験体における特異的免疫応答を刺激する。
【0178】
これらの実施形態の一態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(I)の化合物である。これらの実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(II)の化合物である。これらの実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(III)の化合物である。これらの実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(IV)の化合物である。これらの実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(V)の化合物である。これらの実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(VI)の化合物である。これらの実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(VII)の化合物である。これらの実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(VII)の化合物である。これらの実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(IX)の化合物である。これらの実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(X)の化合物である。これらの実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(XI)の化合物である。これらの実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(XII)の化合物である。これらの実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(XII)の化合物である。これらの実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(XIV)の化合物である。これらの実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(XV)の化合物である。これらの実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(XVI)の化合物である。所望に応じて2つ以上の合成二糖脂質化合物を、列挙する方法で使用することができる。これらの実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(XVII)の化合物である。これらの実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(XVIII)の化合物である。これらの実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(XIX)の化合物である。これらの実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(XX)の化合物である。これらの実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(XXI)の化合物である。これらの実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(XXII)の化合物である。これらの実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(XXIII)の化合物である。これらの実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(XXIV)の化合物である。これらの実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(XXV)の化合物である。
【0179】
これらの実施形態の一態様において、合成二糖脂質化合物は、一般式(V)、(X)、(XV)、(XX)または(XXV)の化合物である。これらの実施形態の一態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(V)の化合物である。これらの実施形態の一態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(X)の化合物である。これらの実施形態の一態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(XV)の化合物である。これらの実施形態の一態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(XX)の化合物である。これらの実施形態の一態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式(XXV)の化合物である。
【0180】
これらの実施形態の一態様において、第二アジュバントは、本発明の開示の合成二糖脂質化合物ではない、免疫刺激作用を有する任意の化合物である。本明細書中で用いる場合、免疫刺激性のという用語および類似の用語は、化合物または組成物が、一般的方法で、または抗原に応答して、被験体の免疫応答を増強する作用物質を提供することを意味する。
【0181】
これらの実施形態の一態様において、第二アジュバントは、モノホスホリルリピドA(一リン酸化ヘキサアシル二糖およびPHAD(商標)としても既知である)(Avanti Polar Lipids,Alabaster AL;カタログ番号699800)である。これらの実施形態の別の態様では、第二アジュバントはTLRアゴニストである。
【0182】
これらの実施形態の一態様では、合成二糖脂質化合物は、単独で、または本明細書中に記載されるような医薬組成物の一部として投与され得る。一般式(I)〜(XXV)の単一化合物が投与され得る;一般式(I)〜(XXV)の多数の化合物が投与され得る。
【0183】
これらの実施形態の一態様において、被験体は、このような処置を必要としていると確定される。これらの実施形態のさらなる態様では、合成二糖脂質化合物は、治療的有効量で投与される。さらに、上記の方法の一態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式V、XまたはXVの化合物である。上記の方法の一態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式Vの化合物である。上記の方法の一態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式Xの化合物である。上記の方法の一態様では、合成二糖脂質化合物は、一般式XVの化合物である。
【0184】
本明細書中に開示される方法において、被験体は哺乳動物であり得る。ある実施形態では、被験体はヒトである。
【0185】
化合物および医薬組成物は、種々の投薬量範囲で投与され得る。前述の実施形態の一態様では、合成二糖脂質化合物の投薬量は、約0.0001μg/kg〜約5mg/kgである。前記実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物の投薬量は、約0.01μg/kg〜約2mg/kgである。前記実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物の投薬量は、約0.1μg/kg〜約1mg/kgである。前記実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物の投薬量は、約0.1μg/kg〜約0.1mg/kgである。前記実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物の投薬量は、約1μg/kg〜約50μg/kgである。前記実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物の投薬量は、約1μg/kg〜約25μg/kgである。前記実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物の投薬量は、約1μg/kg〜約15μg/kgである。前記実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物の投薬量は、約0.001μg/kg〜約15μg/kgである。前記実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物の投薬量は、約0.01μg/kg〜約15μg/kgである。前記実施形態の別の態様では、合成二糖脂質化合物の投薬量は、約0.1μg/kg〜約15μg/kgである。
【0186】
本明細書中に記載される方法において、処置される被験体は、1つまたは複数の付加的活性作用物質でさらに処置され得る。これらの付加的活性作用物質は、本発明の開示の合成二糖脂質化合物と一緒に、またはそれとは別個に、投与され得る。投与の回数および頻度は、被験体の応答によって決まる、ということは、当業者には明らかである。
【0187】
抗原
抗原は、本明細書中に記載されるある実施形態で用いるためには、免疫応答を生じる任意の分子または分子複合体であり得る。一実施形態では、分子または分子複合体は、弱い、または不完全な免疫応答を生じる。一実施形態では、抗原は、免疫応答が所望される標的エピトープ、分子(例えば、ポリペプチドまたは核酸などの生体分子)、分子複合体(例えば生体分子を含有する分子複合体)、亜細胞分画、免疫応答の惹起が所望される細胞または組織(またはどちらかの分画)である。ポリペプチドが抗原である場合、ポリペプチドは、天然または組換え体であり得る。一実施形態では、本発明のワクチン製剤は、ヒトまたは哺乳動物病原体に対する免疫応答を引き出し得る抗原または抗原性組成物を含有する;このような実施形態では、抗原はこのような病原体に由来するか、あるいはこのような病原体と交差反応する抗原であり得る。
【0188】
医薬組成物
本発明の開示は、種々の医薬組成物を提供する。一実施形態では、本発明の開示の医薬組成物は、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物および医薬として許容可能な担体、賦形剤または希釈剤を含み、それらからなり、または本質的にそれらからなる。本発明の開示の医薬組成物は、付加的作用物質、例えば第二アジュバントおよび抗原(これらに限定されない)をさらに含み得る。
【0189】
一実施形態では、本発明の開示の医薬組成物は、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物および医薬として許容可能な担体、賦形剤または希釈剤を含み、それらからなり、または本質的にそれらからなる。
【0190】
一実施形態では、本発明の開示の医薬組成物は、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物、医薬として許容可能な担体、賦形剤または希釈剤、および抗原を含み、それらからなり、または本質的にそれらからなる。
【0191】
別の実施形態では、本発明の開示の医薬組成物は、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物および医薬として許容可能な担体、賦形剤または希釈剤、第二アジュバントを含み、それらからなり、または本質的にそれらからなる。
【0192】
さらに別の実施形態では、本発明の開示の医薬組成物は、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物、医薬として許容可能な担体、賦形剤または希釈剤、抗原および第二アジュバントを含み、それらからなり、または本質的にそれらからなる。
【0193】
前述の実施形態の一態様において、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(I)の化合物である。前記実施形態の別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(II)の化合物である。前記実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(III)の化合物である。前記実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(IV)の化合物である。前記実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(V)の化合物である。前記実施形態の一態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(VI)の化合物である。前記実施形態の別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(VII)の化合物である。前記実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(VIII)の化合物である。前記実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(IX)の化合物である。前記実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(X)の化合物である。前記実施形態の一態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(XI)の化合物である。前記実施形態の別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(XII)の化合物である。前記実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(XIII)の化合物である。前記実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(XIV)の化合物である。前記実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(XV)の化合物である。前記実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(XVI)の化合物である。前記実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(XVII)の化合物である。前記実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(XVIII)の化合物である。前記実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(XIX)の化合物である。前記実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(XX)の化合物である。前記実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(XXI)の化合物である。前記実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(XXII)の化合物である。前記実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(XXIII)の化合物である。前記実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(XXIV)の化合物である。前記実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(XXV)の化合物である。
【0194】
前述の実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(V)、(X)、(XV)、(XX)または(XXV)の化合物である。前記実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(V)の化合物である。前記実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(X)の化合物である。前記実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(XV)の化合物である。前記実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(XX)の化合物である。前記実施形態のさらに別の態様では、少なくとも1つの本発明の開示の合成二糖脂質化合物は、一般式(XXV)の化合物である。
【0195】
前述の実施形態の一態様において、医薬組成物はワクチン組成物である。上記のように、このようなワクチン組成物は、本発明の開示の合成二糖脂質化合物および医薬として許容可能な担体、賦形剤または希釈剤のみを含有し得る。このようなものとして、免疫刺激作用は、合成二糖脂質化合物により提供される。さらに、上記のように、このようなワクチン組成物は、本発明の開示の合成二糖脂質化合物、医薬として許容可能な担体、賦形剤または希釈剤および抗原のみを含有し得る。このようなものとして、免疫刺激作用は、合成二糖脂質化合物および/または抗原により提供される。さらに、上記のように、このようなワクチン組成物は、本発明の開示の合成二糖脂質化合物、医薬として許容可能な担体、賦形剤または希釈剤、抗原および第二アジュバントのみを含有し得る。このようなものとして、免疫刺激作用は、合成二糖脂質化合物、抗原および/または第二アジュバントにより提供される。
【0196】
前述の実施形態の一態様において、第二アジュバントは、当該技術分野で既知の任意のアジュバントである。第二アジュバントは、被験体に投与された場合、アジュバント活性を示す(すなわち、Powell and Newman,“Vaccine design−The Subunit and Adjuvant Aproach”,1995,Plenum Press,New Yorkに記載されているように、免疫応答の効力および/または長さを変更し、増大し、または減少させる)単数または複数の化合物である。第二アジュバントとしては、サポニンおよびサポニン模倣物(例えばQS21、QS17、QS7および模倣物(これらに限定されない))、ミョウバン、植物アルカロイド(例えばトマチン(これに限定されない))、洗剤(例えば、サポニン、エスシン、ジギトニンポリソルベート80、スパン85およびステアリルチロシン(これらに限定されない))、ブロックコポリマーまたは生分解性ポリマー(例えば、プルロニック、L121、CRL1005、ポリ(乳酸−コ−グリコール酸)、ポリ(乳酸)、ポリ(D,L−ラクチド−コ−グリコリド)およびポリイノシン酸:ポリシチジル酸(これらに限定されない))、1つまたは複数のサイトカイン(例えば、GM−CSF、IL−2、IL−7、IL−12、TNF−α、IFN−γ(これらに限定されない))、およびイミダゾキノリン免疫応答修飾物質(例えば、レシキモド(R848)、イミキモドおよびガルジキモド(これらに限定されない))が挙げられるが、これらに限定されない。1つより多い第二アジュバントが用いられ得る。
【0197】
前述の実施形態の一態様において、医薬組成物の付加的構成成分は、免疫応答を誘導する化合物(合成二糖脂質化合物、抗原および第二アジュバントは除く)を含まない。
【0198】
開示される医薬組成物は、1つまたは複数の本発明開示の化合物を、単独で、または付加的活性作用物質と組み合わせて、医薬として許容可能な担体、賦形剤または希釈剤と組み合わせて含み得る。このような担体、賦形剤または希釈剤の例、ならびに処方方法は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy(20〜”Ed.,Lippincott,Williams & Wilkins,Daniel Limmer,editor)に見出され得る。このような医薬組成物は、本明細書中に記載される処置および防止の方法に用いるための医薬品の製造に用いられ得る。本開示の化合物は、遊離形態および医薬として許容可能な塩の形態の両方で有用である。
【0199】
本明細書中に記載される医薬として許容可能な担体、賦形剤または希釈剤は、当業者に周知である。担体、賦形剤または希釈剤の選択は、一部は特定の化合物により、ならびに組成物を投与するために用いられる特定の方法により決定される。従って、本発明の医薬組成物の広範な種々の好適な製剤が存在する。以下の方法および説明は、単なる例であって、いかなる点でも本発明を限定するものではない。好適な担体、賦形剤または希釈剤としては、溶媒、例えば水、アルコールおよびプロピレングリコール、固体吸着剤および希釈剤、界面活性剤、沈澱防止剤、錠剤成形結合剤、滑剤、風味剤および着色剤が挙げられる。医薬として許容可能な担体としては、ポリマーおよびポリマーマトリックスが挙げられ得る。典型的には、前者は、組成物中の活性作用物質に対して化学的に不活性であり、使用条件下で有害副作用または毒性を有さない。本発明の開示の化合物および当該開示に記載されるようなこのような化合物を含有する医薬組成物は、個々の治療薬として、または付加的治療薬と組み合わせて、調合薬と一緒に用いるために利用可能な任意の慣用的方法により投与され得る。
【0200】
一実施形態では、本発明の開示の化合物は、単独であれ、医薬組成物の一部としてであれ、治療的有効量で投与される。治療的有効量および投与される投薬量は、もちろん、既知の因子、例えば特定の作用物質の薬力学的特性およびその様式ならびに投与経路、レシピエントの年齢、健康状態および体重;疾患状態または症状の重症度および段階;併用処置の種類;処置の頻度;ならびに所望の効果によって変わる。
【0201】
投与される化合物の総量も、投与の経路、時機および頻度、ならびに化合物の投与に伴い得る任意の副作用の存在、性質および程度、所望の生理学的作用により決定される。種々の症状または疾患状態、特に慢性の症状または疾患状態は、多数回投与を含めた長期処置を要し得る、と当業者は理解する。
【0202】
医薬組成物は、組成物を患者に投与され得るようにする任意の形態であり得る。例えば、組成物は、固体、液体または気体(エアロゾル)の形態であり得る。典型的投与経路としては、経口、局所、非経口、舌下および鼻内(例えば、スプレーとして)が挙げられるが、これらに限定されない。非経口的という用語は、本明細書中で用いる場合、イオン泳動的、受動的経皮および皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内、空洞内、くも膜下腔内、耳道内注射または注入技法を包含する。医薬組成物は、そこに含有される本発明の開示の化合物を、投与時に生物学的に利用可能にさせるよう処方される。
【0203】
一実施形態では、医薬組成物は、0.1μm、0.2μmまたは0.3μm未満の安定懸濁液(例えば、これに限定されないが、水性懸濁液)であり、リン脂質、脂肪酸、界面活性剤、洗剤、サポニン、フッ素化脂質等からなる群から選択される少なくとも1つの構成成分をさらに含む。非経口投与のために適した製剤としては、水性および非水性、等張滅菌注射溶液(酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、ならびに製剤を患者の血液と等張にさせる溶質を含み得る)、ならびに水性および非水性滅菌懸濁液(沈澱防止剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤および防腐剤を含み得る)が挙げられる。化合物は、医薬として許容可能な担体中の生理学的に許容可能な希釈剤中で、例えば滅菌液体または液体の混合物(例えば水、生理食塩水、水性デキストロースおよび関連糖溶液)、アルコール(例えばエタノール、イソプロパノールまたはヘキサデシルアルコール)、グリコール(例えばプロピレングリコール)またはポリエチレングリコール(例えばポリ(エチレングリコール)400)、グリセロールケタール(例えば2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール)、エーテル、油、脂肪酸、脂肪酸エステルまたはグリセリド、あるいはアセチル化脂肪酸グリセリド(石鹸または洗剤のような医薬として許容可能な界面活性剤の付加を伴うかまたは伴わない)、沈澱防止剤(例えばペクチン、カルボマー、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはカルボキシメチルセルロース)、あるいは乳化剤およびその他の薬学的アジュバント中で投与され得る。
【0204】
非経口製剤中に用いられ得る油としては、石油、動物油、植物油または合成油が挙げられる。油の具体例としては、落花生油、ダイズ油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、ワセリンおよび鉱油が挙げられる。非経口製剤中に用いるための好適な脂肪酸としては、オレイン酸、ステアリン酸およびイソステアリン酸が挙げられる。オレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルは、好適な脂肪酸エステルの例である。非経口製剤中に用いるための好適な石鹸としては、脂肪アルカリ金属、アンモニウムおよびトリエタノールアミン塩が挙げられ、好適な洗剤としては、(a)陽イオン性洗剤、例えば、ハロゲン化ジメチルジアルキルアンモニウムおよびハロゲン化アルキルピリジニウム、(b)陰イオン性洗剤、例えばアルキル、アリールおよびオレフィンスルホン酸塩、アルキル、オレフィン、エーテルおよびモノグリセリド硫酸塩およびスルホコハク酸塩、(c)非イオン性洗剤、例えば脂肪アミンオキシド、脂肪酸アルカノールアミドおよびポリオキシエチレンポリプロピレンコポリマー、(d)両性洗剤、例えばアルキルベータアミノプロピオン酸塩および2−アルキルイミダゾリン第四級アンモニウム塩、ならびに(e)その混合物が挙げられる。
【0205】
非経口製剤は、典型的には、約0.5重量%〜約50重量%の化合物を溶液中に含有する。好適な防腐剤および緩衝剤が、このような製剤中に用いられ得る。注射部位での刺激を最小限にするかまたは排除するために、このような組成物は、約12〜約17の親水性−親油性平衡(HLB)を有する1つまたは複数の非イオン性界面活性剤を含有し得る。このような製剤中の界面活性剤の量は、約5重量%〜約15重量%の範囲である。好適な界面活性剤としては、ポリエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えばソルビタンモノオレエート)、ならびにプロピレンオキシドとプロピレングリコールの縮合により形成される疎水性基剤を有するエチレンオキシドの高分子量付加物が挙げられる。
【0206】
一実施形態では、医薬組成物は、鼻または肺吸入による送達のためにエアロゾル化され得る方法で処方される。これらのエアロゾル製剤は、加圧許容可能噴射剤、例えばジクロロジフルオロメタン、プロパンおよび窒素中に入れられ得る。このようなエアロゾル製剤は、定量噴霧吸入器により投与され得る。それらは、例えばネブライザーまたはアトマイザー中で、非加圧調製物のための調合剤としても処方され得る。
【0207】
本発明の開示の化合物は、単独で、またはその他の好適な構成成分と組み合わせて、鼻または肺噴霧として水溶液中で投与され、当業者に既知の種々の方法により噴霧形態で調剤され得る。鼻噴霧として液体を調剤するためのシステムは、米国特許第4,511,069号に開示されている。製剤は、多数回用量投与容器中で、例えば米国特許第4,511,069号に開示された密閉調剤システム中で提供され得る。付加的エアロゾル送達形態としては、例えば、圧縮エアジェットネブライザー、超音波ネブライザーおよび圧電ネブライザーが挙げられ、これらは、薬学的溶媒(例えば水、エタノールまたはその混合物)中に溶解されるかまたは懸濁された活性作用物質を送達する。本発明の鼻用溶液および肺用溶液は、典型的には、任意に界面活性剤(例えば、ポリソルベート−80などの非イオン性界面活性剤)および1つまたは複数の緩衝剤とともに処方される、送達されるべき単数または複数の薬剤を含む。本発明のいくつかの実施形態では、鼻用噴霧溶液は、噴射剤をさらに含む。鼻用噴霧溶液のpHは、任意に、約pH3.0〜6.0、好ましくは4.5±0.5である。これらの組成物内で用いるための好適な緩衝剤は、上記と同様であるか、あるいは当該技術分野において既知である。その他の構成成分は、化学的安定性を増強するかまたは保持するために付加され得るが、例としては、防腐剤、界面活性剤、分散剤または気体が挙げられる。好適な防腐剤としては、フェノール、メチルパラベン、パラベン、m−クレゾール、チオメルサール、クロロブタノール、ベンジルアルコニウムクロリド等が挙げられるが、これらに限定されない。好適な界面活性剤としては、オレイン酸、ソルビタントリオレエート、ポリソルベート、レシチン、ホスファチジルコリン、ならびに種々の長鎖ジグリセリドおよびリン脂質が挙げられるが、これらに限定されない。好適な分散剤としては、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられるが、これに限定されない。好適な気体としては、窒素、ヘリウム、クロロフルオロカーボン(CFC)、ヒドロフルオロカーボン(HFC)、二酸化炭素、空気等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0208】
代替的実施形態内では、鼻用製剤および肺用製剤は、鼻内送達のために好適な粒子サイズを有する、あるいは好適な粒子サイズ範囲内で、乾燥形態で、通常は凍結乾燥形態で活性作用物質を含む乾燥粉末製剤として投与される。鼻または肺通路内の沈着のために適切な最小粒子サイズは、多くの場合、約0.5μm空気力学的質量中位径(MMEAD)、一般に約1μm MMEAD、さらに典型的には約2μm MMEADである。鼻通路内沈着に適した最大粒子サイズは、多くの場合、約10μm MMEAD、一般に約8μm MMEAD、さらに典型的には約4μm MMEADである。これらのサイズ範囲内の鼻内および肺吸込み可能粉末は、種々の慣用的技法、例えばジェットミル法、噴霧乾燥法、溶媒沈澱法、超臨界流体凝縮法等により製造され得る。好適なMMEADを有するこれらの乾燥粉末は、慣用的乾燥粉末吸入器(DPI)を介して患者に投与され得るが、これは、粉末をエアロゾル化量に分散するために、肺または鼻吸入時の患者の呼吸作用に依存する。代替的には、乾燥粉末は、粉末をエアロゾル化量に分散するために外部電源を用いるエアアシスト装置、例えばピストンポンプを介して投与され得る。
【0209】
鼻または肺送達のための組成物を処方するために、活性作用物質は、種々の医薬として許容可能な添加物、ならびに活性作用物質の分散のための基剤または担体と組み合わせられ得る。所望の添加物としては、例えば、pH制御剤、例えばアルギニン、水酸化ナトリウム、グリシン、塩酸、クエン酸等が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、局所麻酔薬(例えば、ベンジルアルコール)、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトール)、吸着阻害剤(例えば、トゥイーンSO)、溶解増強剤(例えば、シクロデキストリンおよびその誘導体)、安定化剤(例えば、血清アルブミン)ならびに還元剤(例えば、グルタチオン)が含まれ得る。鼻または肺送達のための組成物が液体である場合、製剤の張度は、単一体として利用される0.9%(w/v)生理学的食塩溶液の張度に関して測定した場合、典型的には、投与部位での鼻粘膜において実質的不可逆的組織損害が誘導されない値に調整される。一般的には、溶液の張度は、約1/3〜3、さらに典型的には1/2〜2、最も多くは3/4〜1.7の値に調整される。
【0210】
一実施形態では、本開示の医薬組成物は、乳濁液である。単相または多相乳濁液系は当該技術分野で既知であり、用いられ得る。水中油型乳濁液アジュバントおよび油中水型乳濁液が用いられ得る。一実施形態では、本開示の医薬組成物は、水中油型の乳濁液であって、この場合、合成二糖脂質化合物が油相中に組み入れられる。油は、任意の植物油、魚油、動物油または合成油であり、これは、被験体に対して毒性でなく、代謝により転換され得る。ナッツ(落花生油)、種子および穀粒が、植物油の一般な供給源である。スクアレンは不飽和油であって、これは、サメ肝油中に大量に、オリーブ油、コムギ胚芽油、米糠油および酵母中に少量、見出される。一実施形態では、水中油型乳濁液は、水中スクアレン型乳濁液である。このような乳濁液は、付加的構成成分(例えば第二アジュバント)、その他の化合物(例えば酸化防止剤)および乳濁液を安定化するためのその他の脂質化合物を含有し得る。安定な水中油型乳濁液内に見出される油滴のサイズは、好ましくは1μm未満であり、例えば25〜500nmの範囲である。水中油型乳濁液の製造方法は、周知である。
【0211】
本発明の開示の化合物および組成物は、単位用量で、または多数回用量密閉容器(例えばアンプルおよびバイアル)中で提供され、使用直前に、滅菌液体賦形剤(例えば、注射用水)の添加のみを必要とする。ある組成物は、所望により、冷凍乾燥(凍結乾燥)条件で保存され得る。必要に応じて調合される注射溶液および懸濁液は、滅菌粉末、顆粒および錠剤から調製され得る。注射用組成物のための有効な医薬として許容可能な担体に関する要件は、当業者に周知である。Pharmaceutical and Pharmacy Practice,J.B.Lippincott Co.,Philadelphia,Pa.,Banker and Chalmers,Eds.,238−250(1982)およびASHP Handbook on Injectable Drugs,Toissel,4th ed.,622〜630(1986)参照。
【0212】
一実施形態では、医薬組成物は、リポソームの形態で、またはその他の緩徐放出機序である。好適な緩徐放出機序は、米国特許第5,888,519号(この記載内容は、参照により本明細書中に組み込まれる)に記載されており、種々の型のポリマー、マイクロカプセルおよび微小球を含む。
【0213】
リポソーム製剤の作製のための好ましい方法は、Bangham(Bangham et.al.,1965)により記載されている。この調製は、有機溶媒中にリン脂質を溶解することを包含し、これは次に、蒸発乾燥されて、試験管の内側に薄い脂質皮膜を残す。次いで、乾燥脂質皮膜は適量の水性相中で水和され、混合物が脂質の相転移温度より高い温度に加熱されて、「膨潤」される。多層小胞(MLV)からなるその結果生じたリポソームは、試験管を振盪することにより分散される。小胞二重層膜を構成する脂質は、疎水性炭化水素「尾部」が二重層の中心に向かって配向され、一方、親水性「頭部」はそれぞれ内側および外側水性相に向かって配向するよう組織化される。この調製は、音波処理(Papahadjopoulos et.al.,1967)または押出し(米国特許第5,008,050号(Cullis等))(これらの記載内容は各々、参照により本明細書中に組み込まれる)といったような方法により、単層小胞(UV)を産生するための基礎を提供する。
【0214】
リポソームは、普通は、内部水性間隙を取り囲み得る脂質膜からなり、その膜は、種々の型の脂質からなる、と理解されている。分かり易くするために、リポソームという用語は、閉鎖膜の存在を必要とするよう意図されるべきでなく、むしろ当該用語は、脂質が、粒状構造を形成するよう自己会合することを要すると理解されるべきである。単独で、または他の脂質と組み合わせて用いられてリポソームを構築する脂質の中に、リン脂質、糖脂質、糖リン脂質、ジグリセリド、トリグリセリド、ステロール、ステロイド、テルペノイド、遊離脂肪酸および類脂質性ビタミンが包含される。
【0215】
リポソームからの物質の放出は、拡散により最も一般に起こるが、しかし多数の他の放出機序も当てはまり得る。さらに、リポソームは、薬剤放出レザバーとしてよりむしろ、担体として単独で作用し得る。結果は、リポソームからの化合物の緩徐放出である。これらの機序は、Langer,R.,New methods of drug delivery. Science 249:1527−1533(1990)によりさらに詳細に記載されている。特定の一実施形態では、本発明の開示の医薬組成物中に用いるためのリポソームは、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)およびコレステロール(Chol)の混合物を含む。特定の一実施形態では、DMPC/DMPG/Cholは、9/1/7のモル比で存在する。別の特定の実施形態では、DMPC/DMPG/Cholは、1.8/0.2/1.5のモル比で存在する。本発明の開示の化合物は、当該技術分野で既知であるような(例えば、PCT公開番号WO2007/068411およびWO2005/081872参照(これらの記載内容は参照により本明細書中に組み込まれる))、本明細書中に記載されるようなリポソーム中に組み入れられ得る。
【実施例】
【0216】
実施例1−合成二糖脂質化合物の純度
本発明の開示の合成二糖脂質化合物を合成し、特性を明らかにした。合成された化合物は、一般構造式V(時として、MPLA−Bと呼ばれる)、X(時として、MPLA−Dと呼ばれる)およびXV(時として、MPLA−Cと呼ばれる)の化合物を包含する。
【0217】
MPLA−Bの純度
MPLA−Bは、以下に示される構造(ならびに一般構造式V)を有する。この化合物の分子量は、1537.11(C8215820P)である。
【化27】
【0218】
この化合物において、アシル鎖は2、2’および3’位に存在し、2つのアシル鎖が2’および3’位に存在する。各アシル鎖は、炭素数14の鎖長を有し、各アシル鎖は飽和される。
【0219】
TLC、リンNMR、プロトンNMRおよび質量分光分析により、化合物を分析した。結果を、以下の表1Aに示す。表から分かるように、純度は99%を上回り、上記の構造と一致する構造を有する、と化合物は確定された。
【表1】
【0220】
MPLA−Dの純度
MPLA−Dは、以下に示される構造(ならびに一般構造式X)を有する。この化合物の分子量は、1100.40(C5410617P)である。
【化28】
【0221】
この化合物において、アシル鎖は2および2’位置に存在し、2つのアシル鎖が2’位置に存在し、1つのアシル鎖が2位置に存在する。各アシル鎖は、炭素数14の鎖長を有し、各アシル鎖は飽和される。
【0222】
TLC、リンNMR、プロトンNMRおよび質量分光分析により、化合物を分析した。結果を、以下の表1Bに示す。表から分かるように、純度は99%を上回り、上記の構造と一致する構造を有する、と化合物は確定された。
【表2】
【0223】
MPLA−Cの純度
MPLA−Cは、以下に示される構造(ならびに一般構造式XV)を有する。この化合物の分子量は、1326.76(C6813219P)である。
【化29】
【0224】
この化合物において、アシル鎖は2、2’および3’位に存在し、2つのアシル鎖が2’位に存在し、1つのアシル鎖が3’および2位に存在する。各アシル鎖は、炭素数14の鎖長を有し、各アシル鎖は飽和される。
【0225】
TLC、リンNMR、プロトンNMRおよび質量分光分析により、化合物を分析した。結果を、以下の表1Cに示す。表から分かるように、純度は99%を上回り、上記の構造と一致する構造を有する、と化合物は確定された。
【表3】
【0226】
実施例2−合成二糖脂質化合物はヒトおよびマウスTLR−4受容体を刺激する
この実施例では、本発明の開示の合成二糖脂質化合物の能力を、ヒトおよびマウスToll様受容体4(TLR−4)を活性化するそれらの能力に関して試験した。TLR−4は、ほとんどのグラム陰性細菌に見出されるリポ多糖(LPS)を検出し、従って、生得的免疫系の活性化において重要である。TLR−4は、CD284とも呼ばれている。TLR−4は、2つの他の細胞表面タンパク質LY96(またはMD2)およびCD14と会合することによりLPSの存在をシグナル伝達し、TLR−4:LY96:CD14複合体がLPSを結合する場合、細胞内NFκBシグナル伝達経路は活性化される。TLR4遺伝子における突然変異は、LPS応答性における差と関連付けられてきた。結果は、本発明の開示の合成二糖脂質化合物が、ヒトおよびマウスTLR−4受容体の両方を刺激するのに有効であった、ということを示している。
【0227】
ヒトまたはネズミTLR−4受容体を機能的に過剰発現するよう工学処理されたHEK−293細胞株を、以下の実験に利用した。これらの細胞は、NFκB誘導性プロモーターの制御下でレポーター遺伝子(分泌アルカリ性ホスファターゼ)も含有する。TLR−4活性化結果は、指定HEK−293細胞株の18時間刺激後の光学密度(OD)値として示される。
【0228】
組換えHEK−293細胞株に関して二重反復実験で、試料および対照を試験する。検定のための陰性対照は、受容体遺伝子だけでトランスフェクトされた親HEK−293細胞株であった。陰性対照細胞を、NFκB活性の誘導物質であるTNF−αで刺激した。検定のための陽性対照は、受容体構築物とともにヒトTLR−4(hTLR−4)またはマウスTLR−4(mTLR−4)でトランスフェクトされ、100ng/ml〜0.01ng/mlのLPS0111(大腸菌0111:B4株から得られる)または100ng/ml〜0.01ng/mlのLPSK12(大腸菌K12株から得られる)で活性化されたHEK−293細胞であった。
【0229】
この検定に用いられる合成二糖脂質化合物は、構造V(本明細書中ではMPLA−Bと呼ばれる)の化合物であった。比較として、PHAD(商標)(Avanti Polar Lipids,Alabaster,AL)ヘキサ−アシル二糖脂質化合物を用いる結果も提示する。PHAD(商標)は、免疫刺激特性を有することが示されている。単独で試験される場合は、10μg/ml(PHAD(商標)に関しては5.7μM、MPLA−Bに関しては6.5μMに対応する)〜0.01μg/mlの濃度で、組み合わせて試験される場合は、5μg/ml〜0.005μg/mlの濃度で、試験化合物を用いた。
【0230】
結果を表2〜10に提示する。表2および3は、hTLR−4細胞に関する陰性対照結果を示すが、これは、単独でのまたは組み合わせた試験化合物のいずれもが、ネズミ親細胞株(mTLR)を刺激しなかったことを示す。
【表4】
【0231】
【表5】
表4および5は、試験化合物が、単独でも、組み合わせても、hTLR−4受容体を刺激した、ことを示す。
【表6】
【表7】
【0232】
表6および7は、mTLR−4細胞に関する陰性対照結果を示すが、これは、試験化合物がいずれも、単独でも、組み合わせても、ネズミ親細胞株(mTLR)を刺激しなかった、ことを示す。
【表8】
【表9】
【0233】
表8および9は、試験化合物が、単独でも、組み合わせても、mTLR−4受容体を刺激した、を示す。
【表10】
【表11】
【0234】
個々の実験においてこの検定に用いられる別の合成二糖脂質化合物は、構造X(本明細書中ではMPLA−Dと呼ばれる)の化合物であった。比較として、PHAD(商標)(Avanti Polar Lipids,Alabaster,AL)として既知のヘキサ−アシル二糖脂質化合物を用いる結果も提示する。PHAD(商標)は、免疫刺激特性を有することが示されている。以下の濃度:5.7μM/570nM/171nM/57nM/17nM/5.7nM/ウェルで試験化合物を用いて、mTLR4発現細胞株を二重反復実験で刺激した。
【0235】
結果を表10に提示する。表10は、MPLA−DがmTLR4発現細胞株を570nMまで活性化する、ということを示す。
【表12】
【0236】
表11は、陰性対照結果を示すが、これは、試験化合物(PHAD(商標)およびMPLA−D)のいずれもがネズミ親細胞株(mTLR)を刺激しなかったことを示す。
【表13】
【0237】
個々の実験においてこの検定に用いられる別の合成二糖脂質化合物は、構造XV(本明細書中ではMPLA−Cと呼ばれる)の化合物であった。比較として、PHAD(商標)(Avanti Polar Lipids,Alabaster,AL)として既知のヘキサ−アシル二糖脂質化合物を用いる結果も提示する。PHAD(商標)は、免疫刺激特性を有することが示されている。以下の濃度:5.7μM/570nM/171nM/57nM/17nM/5.7nM/ウェルで試験化合物を用いて、hTLR4およびmTLR4発現細胞株を二重反復実験で刺激した。
【0238】
結果を表12〜15に提示する。表12は、MPLA−CがhTLR4発現細胞株を活性化することを示す。
【表14】
【0239】
表13は、陰性対照結果を示すが、これは、試験化合物(PHAD(商標)およびMPLA−C)のいずれもがヒト親細胞株(hTLR)を刺激しなかったことを示す。
【表15】
【0240】
表14は、MPLA−CがmTLR4発現細胞株を活性化することを示す。
【表16】
【0241】
表15は、陰性対照結果を示すが、これは、試験化合物(PHAD(商標)およびMPLA−C)のいずれもがネズミ親細胞株(mTLR)を刺激しなかったことを示す。
【表17】
【0242】
結果は、本発明の開示の合成二糖化合物が、ヒトおよびネズミTLR−4の両方を活性化するのに有効である、ということを示す。
【0243】
実施例3−合成二糖脂質化合物はマウス脾臓細胞およびB細胞増殖、ならびにin vitroでの生存率増大を刺激する
この実施例では、本発明の開示の合成二糖脂質化合物の能力を、in vitroでのマウス脾臓細胞およびB細胞の増殖を刺激し、生存度を増大するそれらの能力に関して試験した。この検定に用いられる合成二糖脂質化合物は、構造V(本明細書中ではMPLA−Bと呼ばれる)の化合物であった。比較として、PHAD(商標)(Avanti Polar Lipids,Alabaster,AL)として既知のヘキサ−アシル二糖脂質化合物を用いる結果も提示する。PHAD(商標)は、免疫刺激特性を有することが示されている。
【0244】
PHAD(商標)およびMPLA−Bを粉末形態で提供し、5mg/mlでDMSO中に溶解し、次いで、滅菌発熱性物質除去蒸留水で希釈して、ストック溶液濃度を500μg/mlとした。これらのストック溶液をRPMI完全培地中にさらに希釈して、300μg/ml、100μg/mlおよび30μg/mlで検量線用溶液を作製し、これを次に、好適な細胞培養ウェル中に1:100で希釈して、最終試験濃度を3、1および0.3μ/mlとした;PHAD(商標)およびMPLA−Bの組合せに関しては、300μg/ml検量線用溶液をともに好適な細胞培養ウェル中に1:200で希釈し得、最終試験濃度を各々1.5μg/mlとした。溶媒対照として、10%DMSO(滅菌発熱性物質除去蒸留水)をRPMI完全培地中に希釈して、6%DMSOの濃度を達成し、これを次に、好適な細胞培養ウェル中に1:100で希釈して、最終濃度を0.06%DMSOとした。
【0245】
6匹のC57BL/6マウスから脾臓を収集し、各脾臓を機械的に解離させて、70μm細胞濾過器で単細胞懸濁液とした。次に、脾臓細胞の各単細胞懸濁液を完全培地(RPMI+10%熱不活性化FBS、2mMのL−グルタミン、100Uのペニシリン/mL、100μgのストレプトマイシン/mLおよび50μMの2−メルカプトエタノール)中で希釈して、核形成生存可能細胞(すなわち、赤血球以外の全細胞)の手動計数を実施した。3匹のマウスからの脾臓細胞を、下記のようなB細胞の単離のために用いた。
【0246】
EasySep(商標)マウスB細胞濃化キット(STEMCELL Technologies、カタログ番号19754A、ロット番号11K41946)をメーカーの使用説明書に従って用いて、3匹のマウスの脾臓細胞からB細胞を単離した。細胞分離後の純度を確定するために、細胞をCD45(造血マーカー;BD Bioscience,カタログ番号553080、ロット番号49362)およびCD19(B細胞マーカー;eBioscience、カタログ番号1209382、ロット番号E01113−1620)に対する抗体で染色し、CD45+/CD19+のパーセンテージに関してフローサイトメトリー(Accuri(登録商標)C6フローサイトメーター)により分析した。
【0247】
増殖の分析のために、脾臓細胞およびB細胞を、PHAD(商標)およびMPLA−B(単独でも、組み合わせても)または溶媒対照の存在下で、5%CO2中で37℃で培養した。48時間後、M5 SpectraMaxプレート読取機(Molecular Devices,Sunnyvale,CA)を利用して、メーカーの使用説明書に従って、細胞増殖ELISA、BrdU(Roche Diagnostics、カタログ番号 11 647 229 001、ロット番号 13073200)を用いて、細胞増殖の検出および定量を測定した。BrdUとともにインキュベーション後、細胞プレートを遠心分離して細胞をペレット化して(プレート1)、上清を新鮮なプレート(プレート2)に移して、これも遠心分離して、あらゆる残存浮遊細胞をペレット化した。次に、プレート2からの上清を新鮮なプレートに移して、−20℃で凍結した。次いで、細胞プレート1および2を増殖検定に用いて、各ウェルの吸光度(OD)により示されるように、増殖の量を確定した。非特異的結合に関する各試料のOD値を、対照ウェルのOD値を差し引くことにより調整した。次に、プレート1および2からのOD値を一緒に加えて、各試料に関する総増殖指数を求めた。調整したOD値が0.05未満である試料に関しては、図2Aおよび2Bにおいて0.05に設定した。
【0248】
生存度の分析のために、PHAD(商標)およびMPLA−B(単独でも、組み合わせても)または溶媒対照の存在下で、5%CO2中で37℃で、脾臓細胞およびB細胞を培養した。72時間インキュベーション後、細胞プレートを遠心分離して細胞をペレット化して、上清を新鮮なプレートに移して、遠心分離して、あらゆる残存浮遊細胞をペレット化した。次に、上清を新鮮なプレートに移して、その後のIgM/IgG評価(下記参照)のために−20℃で凍結し、一方、2つのプレートからの細胞ペレットを併合して、メーカーの使用説明書に従ってCell−Titer Glo(Promega、カタログ番号 G7571/2/3、ロット番号 9218)を用いて生存度を査定した。
【0249】
細胞増殖および生存度検定のために、平底96ウェル組織培養処理プレート(Corning(登録商標)Costar(登録商標)3595)中に細胞を植え付けた。脾臓細胞を、増殖分析(2ウェル/条件)のために1×10細胞/ウェルの密度で、生存度分析(1ウェル/条件)のために1×10細胞/ウェルの密度でプレート化した;B細胞を、両分析(2ウェル/条件)のために1×10細胞/ウェルでプレート化した。各ウェルは、250μLの最終容積を含有した。培養形態学における、または培地における変化(例えば、培地の黄変)に関して、毎日、細胞培養をモニタリングした。
【0250】
図1Aおよび1Bに示したように、インキュベーションの48時間後、PHAD(商標)およびMPLA−B(単独でも、組み合わせても)は、in vitroでのマウス脾臓細胞およびB細胞の増殖を刺激した。脾臓細胞およびB細胞を、PHAD(商標)およびMPLA−B(単独でも、組み合わせても)または対照としての溶媒とともにインキュベートして、細胞増殖の誘導を調べた。48時間インキュベーション後、増殖中細胞へのBrdU組み入れの測定に基づく比色免疫測定法を用いて、細胞増殖の量を測定した。図1Aおよび1Bは、BrdUの組み入れを基づく各試験条件に関する脾臓細胞およびB細胞の増殖を示す。PHAD(商標)およびMPLA−Bはともに、脾臓細胞(図1A)において、およびB細胞(図1B)において、用量依存的に増殖を誘導し、B細胞培養においてわずかに高い増殖レベルが観察された。PHAD(商標)およびMPLA−Bの組合せ(各々1.5μg/ml;合計3μg/ml)は、PHAD(商標)(3μg/ml)およびMPLA−B(3μg/ml)と同様のレベルの増殖を誘導した。
【0251】
図2Aおよび2Bに示したように、インキュベーションの72時間後、PHAD(商標)およびMPLA−B(単独でも、組み合わせても)は、マウス脾臓細胞またはB細胞の生存度に有害な影響を及ぼさなかった。実際、PHAD(商標)およびMPLA−B(単独でも、組み合わせても)は、試験された脾臓細胞およびB細胞の生存度を増大した。脾臓細胞およびB細胞を、PHAD(商標)およびMPLA−B(単独でも、組み合わせても)、または対照としての溶媒とともにインキュベートした。72時間インキュベーション後、上清をIgM/IgG決定(下記参照)のために採取し、残存細胞の生存度をCell−Titer Gloを用いて確定した。図2Aおよび2Bは、各試験条件に関して、それぞれ脾臓細胞およびB細胞の生存度を示す。PHAD(商標)およびMPLA−B単独で処理された脾臓細胞は、溶媒対照と比較した場合、同様の増大レベルの生存度を示した;PHAD(商標)およびMPLA−Bの組合せ(各々1.5μg/ml;合計3μg/ml)で処理された細胞は、PHAD(商標)(3μg/ml)およびMPLA−B(3μg/ml)と同様の生存度レベルを誘導した(図2A)。これに比して、PHAD(商標)およびMPLA−B単独で処理されたB細胞培養は、溶媒対照と比較した場合、生存度の用量依存的増大を示した;PHAD(商標)およびMPLA−Bの組合せ(各々1.5μg/ml;合計3μg/ml)で処理された培養は、PHAD(商標)(3μg/ml)およびMPLA−B(3μg/ml)と同様の生存度レベルを実証した(図2B)。
【0252】
実施例4−合成二糖脂質化合物はin vitroでのマウス脾臓細胞およびB細胞からのIgMおよびIgG分泌を刺激する
この実施例では、本発明の開示の合成二糖脂質化合物の能力を、in vitroでのマウス脾臓細胞およびB細胞からのIgMおよびIgG分泌を刺激するそれらの能力に関して試験した。この検定に用いられる合成二糖脂質化合物は、構造V(本明細書中ではMPLA−Bと呼ばれる)の化合物であった。比較として、PHAD(商標)(Avanti Polar Lipids,Alabaster,AL)として既知のヘキサ−アシル二糖脂質化合物を用いる結果も提示する。PHAD(商標)は、免疫刺激特性を有することが示されている。
【0253】
脾臓細胞およびB細胞培養のための材料および条件は、実施例3と同様である。脾臓細胞を1×10細胞/ウェルの密度でプレート化し(1ウェル/条件)、B細胞を1×10細胞/ウェルでプレート化した(2ウェル/条件)。
【0254】
IgMおよびIgG分泌の査定のために、PHAD(商標)およびMPLA−B(単独でも、組み合わせても)または溶媒対照の存在下で、5%CO2中で37℃で、脾臓細胞およびB細胞を培養した。72時間インキュベーション後、細胞プレートを遠心分離して細胞をペレット化して、上清を新鮮なプレートに移して、再び遠心分離して、あらゆる残存浮遊細胞をペレット化した。次に、上清を新鮮なプレートに移して、−20℃で凍結した。IgM(マウスIgM ELISA Quantitation Set,Bethyl Laboratories、カタログ番号 E90−101、ロット番号 E90−101−25)およびIgG(マウスIgG ELISA Quantitation Set,Bethyl Laboratories、カタログ番号E90−131、ロット番号E90−131−29)に関するELISAを、メーカーの使用説明書に従って実施した。すべての上清試料を、ELISA前に、1:2、1:10および1:50に希釈した。免疫グロブリン濃度の決定のために、標準曲線の最高濃度の平均ODの90〜10%の範囲にあるOD値を有する試料のみを許容可能であるとみなして、免疫グロブリン濃度の決定のために用いたが、一方、10%という値は、検定の定量限界(LOQ)とみなされた。各試験条件に関しては、すべての許容可能なデータ点を平均して、可能な場合、標準偏差を確定した。濃度値が決定され得ない場合、濃度値は、検定で用いられる最低希釈を掛けたLOQに対応する濃度値未満として報告される。グラフにおける算定および提示のために、LOQに最低希釈を掛けた値を用いた。
【0255】
脾臓細胞およびB細胞を、PHAD(商標)およびMPLA−B(単独でも、組み合わせても)または溶媒対照とともに72時間インキュベートして、IgMの分泌に及ぼす作用を調べた。72時間のインキュベーション後、IgM決定のために上清を採取した。IgMレベル(ELISAにより定量)を、それぞれ脾臓細胞およびB細胞に関して図3Aおよび3Bに示す。概して、PHAD(商標)およびMPLA−Bはともに、脾臓細胞(図3A)において、およびB細胞(図3B)において、用量依存的に、IgM産生を誘導し、脾臓細胞培養において全体的に高いIgMレベルが観察された。PHAD(商標)およびMPLA−Bの組合せ(各々1.5μg/ml;合計3μg/ml)は、PHAD(商標)(3μg/ml)およびMPLA−B(3μg/ml)と同様のレベルのIgMを誘導した。
【0256】
脾臓細胞およびB細胞を、PHAD(商標)およびMPLA−B(単独でも、組み合わせても)または溶媒対照とともに72時間インキュベートして、IgGの分泌に及ぼす作用を調べた。72時間のインキュベーション後、IgG決定のために上清を採取した。IgGレベル(ELISAにより定量)を、それぞれ脾臓細胞およびB細胞に関して図4Aおよび4Bに示す。脾臓細胞では、PHAD(商標)およびMPLA−Bはマウス2および3において全濃度で、一般的に同様のIgGレベルを誘導し、PHAD(商標)およびMPLA−Bの組合せは最高IgGレベルを示したが、一方、IgGは、マウス1において用量依存的に誘導された(図4A)。B細胞では、IgGは、一般的に、3匹のマウスすべてにおいて、PHAD(商標)およびMPLA−Bの最高濃度(3μg/ml)でのみ、検出可能レベルで観察された(図4B)。
【0257】
実施例5−合成二糖脂質化合物はin vitroでのIL−12産生を刺激する
この実施例では、本発明の開示の合成二糖脂質化合物の能力を、in vitroでのJ774A細胞(雌BALB/cマウスにおける腫瘍由来のネズミ単球/マクロファージ細胞)からのインターロイキン(IL)−12産生を刺激するそれらの能力に関して試験した。IL−12は、微生物感染中のその産生が生得性応答を調節し、後天性免疫応答の型および持続期間を決定するので、重要な免疫調整物質である。IL−12は、ナチュラルキラー細胞、T細胞、樹状細胞およびマクロファージによるインターフェロン−γ(IFN−γ)産生を誘導する。IL−12は、無傷CD4T細胞のTヘルパー1(Th1)細胞への分化を促し、これは順次、IFN−γを産生し、細胞媒介性免疫を手助けする。従って、IL−12は、先天性および適応免疫を調整するのに中心的役割を果たし、その産生は化合物の免疫刺激特性に関するマーカーである。
【0258】
この検定に用いられる合成二糖脂質化合物は、構造V(本明細書中では、MPLA−Bと呼ばれる)の化合物であった。比較として、PHAD(商標)(Avanti Polar Lipids,Alabaster,AL)として既知のヘキサ−アシル二糖脂質化合物を用いる結果も提示する。PHAD(商標)は、免疫刺激特性を有することが示されている。
【0259】
J774A細胞を10細胞/ウェルの密度で24ウェルプレート上に載せて、標準細胞培養条件下で、10%FBSを有するDMEM中で48時間増殖させた。DMEM+0.5%FBSを含有する培地中で18時間、細胞を血清欠乏させた。PHAD(商標)およびMPLA−B(DMSO中に溶解)を連続希釈して、血清欠乏細胞に付加し(1mL培地に対して10μL)、さらに24時間インキュベートした。対照ウェルは、DMSOビヒクル単独を受容した。次に、細胞培地を採取し、16,900×gで10分間、遠心分離した。上清を新鮮な試験管に移して、分析まで−80℃で凍結した。マウスIL−12 p40非対立遺伝子特異的Quantikine ELISA(R&D System,Minneapolis,MN;カタログ番号MP400)で、マウスIL−12(p40)を確定した。
【0260】
結果を図5に提示する。図から分かるように、MPLA−BおよびPHAD(商標)はともに、同様の濃度でJ774A細胞からのIL−12産生を刺激した。最大刺激は、1〜10μg/ml範囲で観察された。
【0261】
実施例6−合成二糖脂質化合物はin vivoでの免疫応答を刺激する
本実施例では、本発明の開示の合成二糖脂質化合物の能力を、マウスモデルにおけるin vivoでの免疫応答を刺激するそれらの能力に関して試験した。本発明の開示の一例示的合成二糖化合物(一般構造Vを有することが示され、MPLA−Bまたは同類体Bとも呼ばれる化合物)、PHAD(商標)(Avanti Polar Lipids,Alabaster,AL)として既知のヘキサ−アシル二糖脂質化合物、または前述の組合せの0.2ml皮下注射を合計3回(0日目、14日目および28日目)、雌C57BL/6マウスに施した。PHAD(商標)は、免疫刺激特性を有することが示されている。有標抗原(Pal1−15)を、有標リポソームワクチン製剤(AC Immune,Lausanne,Switzerland)と組み合わせて、ワクチン製剤に、およびアミロイドベータ(Aβ)特異的抗体応答のために用いた。ワクチン製剤は、PCT公開番号WO2007/068411(表題:Therapeutic Vaccine)(この記載内容は参照により本明細書中に組み込まれる)に記載されている。7、21および35日目に、血液試料を採取して、総Aβ特異的抗体応答をELISAにより確定した。3つの異なるワクチン希釈液を試験した。ワクチン投与プロトコールの詳細を、表10に示す。示した希釈液は、リン酸塩緩衝生理食塩水中で作製した。
【表18】
【0262】
図6に示したように、ワクチン製剤はすべて、参照バッチと同様の高い抗Aβ IgG抗体応答を誘導した(y軸は、抗体の濃度(ng/ml)を示す)。任意の時点でPHAD(商標)またはMPLA−Bを用いて調製された2つのワクチン間で、抗Aβ IgGのレベルに差は認められなかった(二元配置ANOVA、Bonferroni事後試験:P>0.05)。希釈ワクチンも試験した(表10参照)。抗Aβ IgGのレベルは高いままで、非希釈ワクチンと同様であった。しかしながら、35日目に追加免疫効果が観察され、非希釈ワクチンと比較して、10倍および100倍希釈液を有するワクチンに関して35日目に抗体力価が有意に増大した(二元配置ANOVA、Bonferroni事後試験:PHAD(商標)を含有する希釈ワクチンに関してはP<0.05;MPLA−Bを含有する希釈ワクチンに関してはP<0.001)。等用量では(0.1μg、1μgまたは10μgのPHAD(商標)またはMPLA−B/注射)、PHAD(商標)およびMPLA−B間に有意差は見出されず、これは、PHAD(商標)またはMPLA−Bで調製されたこれらの抗Aβワクチンの等価の免疫原性を実証する。PHAD(商標)およびMPLA−Bの組合せも有効であった。結果は、5または10匹のマウスの群において得られた平均±標準偏差として表されている。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6