特許第6271512号(P6271512)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6271512
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】組織密度感知を備える外科用器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/00 20060101AFI20180122BHJP
   A61B 17/32 20060101ALI20180122BHJP
【FI】
   A61B18/00
   A61B17/32 510
【請求項の数】12
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-507087(P2015-507087)
(86)(22)【出願日】2013年4月15日
(65)【公表番号】特表2015-515344(P2015-515344A)
(43)【公表日】2015年5月28日
(86)【国際出願番号】US2013036587
(87)【国際公開番号】WO2013158545
(87)【国際公開日】20131024
【審査請求日】2016年3月22日
(31)【優先権主張番号】13/449,837
(32)【優先日】2012年4月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595057890
【氏名又は名称】エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ダナハー・ウィリアム・ディー
(72)【発明者】
【氏名】プライス・ダニエル・ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】キンボール・コリー・ジー
(72)【発明者】
【氏名】ケリー・ウィリアム・ディー
(72)【発明者】
【氏名】リー・ソラ
(72)【発明者】
【氏名】ジー・ジェイコブ・エス
(72)【発明者】
【氏名】バートケ・ブライアン・ディー
(72)【発明者】
【氏名】ウェリング・アリッサ・エル
【審査官】 宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−195985(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0039419(US,A1)
【文献】 特開2011−087937(JP,A)
【文献】 特表2007−523673(JP,A)
【文献】 特開2011−189128(JP,A)
【文献】 特開2011−031048(JP,A)
【文献】 特開2007−203059(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/044600(WO,A2)
【文献】 国際公開第2011/156310(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/069775(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/00 − 18/28
A61B 17/00 − 17/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
(a)外科的処置で使用されるために構成されたエンドエフェクタであり、手術部位にエネルギーを送達するよう構成され、少なくとも1つのセンサを備え、前記少なくとも1つのセンサが、前記手術部位に関する少なくとも1つの物理的特性を測定するよう構成されている、エンドエフェクタと、
(b)前記エンドエフェクタと通信している本体アセンブリと、
(c)前記本体アセンブリと通信している電源であり、前記エンドエフェクタに電力を送達するよう操作可能である、電源と、
(d)前記少なくとも1つのセンサと通信している制御モジュールであり、組織密度における変化を示すセンサからのデータに基づいて、前記エンドエフェクタへの電力の送達を変更するよう操作可能である、制御モジュールと、を含み、
前記少なくとも1つのセンサが、音響センサとして作動するマイクロフォンを備え、
前記エンドエフェクタが、超音波ブレードを備え、前記マイクロフォンが、活性化状態の前記超音波ブレードの独特のモードカップリングに関連する超音波振動、聴覚性振動、又は超低周波振動を感知するよう構成されており
前記装置が、音響動力伝達系路を更に備え、前記エンドエフェクタが、前記音響動力伝達系路と通信している超音波ブレードを備え、前記センサが、前記音響動力伝達系路に関連する共振周波数を感知するよう操作可能であり、前記制御モジュールが、前記センサによって検出された前記共振周波数におけるシフトを検出するよう操作可能である、装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのセンサが、インピーダンスセンサを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記インピーダンスセンサが、組織に関連する電気インピーダンスを感知するよう構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記エンドエフェクタが、前記エンドエフェクタによって係合された前記組織の密度に基づいて、異なる音響信号を発生するよう操作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記制御モジュールと通信している可聴フィードバックデバイスを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記制御モジュールと通信している触覚フィードバックデバイスを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのセンサが、加速度計を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記制御モジュールが、前記少なくとも1つのセンサによって検出された変化をユーザに通知するよう構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのセンサが、種々の物理的属性を監視するよう構成された複数のセンサを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記制御モジュールが、少なくとも1つの所定の閾値パラメータを有するようプログラム可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記制御モジュールが、インピーダンス及び力の同時監視を実行するよう構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記制御モジュールが、組織密度における増加を示す前記センサからのデータに応じて、前記エンドエフェクタに対する電力を増加させるよう構成されている、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
一部の状況では、内視鏡外科用器具は、より小さい切開が、手術後の回復時間及び合併症を低減し得るために、従来の開腹外科装置よりも好ましい場合がある。したがって、いくつかの内視鏡外科用器具は、トロカールのカニューレを介して所望の手術部位に遠位エンドエフェクタを配置するのに適していることがある。これらの遠位エンドエフェクタは、多くの方法で組織に係合して診断又は治療効果を達成し得る(例えば、エンドカッター、把持具、カッター、ステープラー、クリップ適用器具、アクセス装置、薬物/遺伝子治療送達装置、及び超音波、RF、レーザなどを使用するエネルギー送達装置)。内視鏡外科用器具は、エンドエフェクタとハンドル部分との間に、臨床医によって操作されるシャフトを有することがある。そのようなシャフトは、所望の深さへの挿入とシャフトの縦軸のまわりの回転を可能にし、それにより患者内のエンドエフェクタの位置決めが容易になる。
【0002】
内視鏡外科用器具の例としては、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年4月13日公開の、米国特許公開第2006/0079874号、表題「Tissue Pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年8月16日公開の、同第2007/0191713号、表題「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月6日公開の、同第2007/0282333号、表題「Ultrasonic Waveguide and Blade」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年8月21日公開の、同第2008/0200940号、表題「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年1月20日公開の、同第2011/0015660号、表題「Rotating Transducer Mount for Ultrasonic Surgical Instruments」、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年12月31日発行の、米国特許第6,500,176号、表題「Electrosurgical Systems and Techniques for Sealing Tissue」、及びその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年4月14日公開の、米国特許公開第2011/0087218号、表題「Surgical Instrument Comprising First and Second Drive Systems Actuatable by a Common Trigger Mechanism」で開示されるものが挙げられる。更には、そのような外科用ツールは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2009年6月4日公開の、米国特許公開第2009/0143797号、表題「Cordless Hand−held Ultrasonic Cautery Cutting Device」で開示されるものなどの、コードレストランスデューサを含み得る。更に、手術器具は、2004年8月31日発行の「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題する米国特許第6,783,524号に開示されたようなロボット支援手術環境で使用されるか又は使用するように適応されてもよく、この開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
種々の外科器具が作製及び使用されているが、本発明者(ら)に先だって本明細書において説明されるような発明を作製又は使用した者はいないものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本明細書の末尾には発明を具体的に示し、明確にその権利を請求する特許請求の範囲が付属しているが、本発明は下記の特定の実施形態の説明を添付図面と併せ読むことでより深い理解が得られるものと考えられる。図中、同様の参照符合は同様の要素を示す。
図1】例示の外科用器具のブロック図を示す。
図2】例示の超音波外科用器具の透視図を示す。
図3】例示の外科用器具のブロック概略図を示す。
図4図3の外科用器具を使用する例示の方法の流れ図を示す。
図5図3の外科用器具を使用する代替の例示的な方法の流れ図を示す。
図6図3の外科用器具を使用する更に別の代替の例示的な方法の流れ図を示す。
図7図3の外科用器具を使用する更に別の代替の例示的な方法の流れ図を示す。
図8図3の外科用器具を使用する更に別の代替の例示的な方法の流れ図を示す。
図9図3の外科用器具を使用する更に別の代替の例示的な方法の流れ図を示し、並びに
図10図3の外科用器具を使用する更に別の代替の例示的な方法の流れ図を示す。
【0005】
各図面は、いかなる意味においても限定的なものではなく、図に必ずしも示されていないものを含め、本発明の異なる実施形態を様々な他の方法で実施し得ることも考えられる。本明細書に組み込まれその一部をなす添付の図面は、本発明の幾つかの態様を示すものであり、説明文とともに本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明は図に示される正確な構成に限定されない点が理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために用いられるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点が以下の説明から当業者には明らかとなろう。以下の説明は、実例として、本発明を実施するために企図される最良の形態の1つである。明らかなように、本発明は、本発明から逸脱することなく、他の様々な明白な態様が可能である。例えば、種々の態様がある。したがって、図面及び説明文は、例示的な性質のものであって限定的なものと見なすべきではない。
【0007】
更に、本明細書で述べる教示、表現、実施形態、例などのいずれの1つ又は2つ以上も、本明細書で述べる他の教示、表現、実施形態、例などのいずれの1つ又は2つ以上とも組み合わせることができることを理解されたい。したがって、下記に述べる教示、表現、実施形態、例などは、互いに独立であると考えられるべきでない。本明細書の教示を組み合わせることができる種々の適切な方法は、本明細書の教示を考慮して当業者には容易に明らかになるであろう。こうした修正及び変形は特許請求の範囲内に含まれるものとする。
【0008】
I.例示的な外科用器具の概要
図1は、概略的なブロック形態における、代表的な医療用装置及び/又は外科用器具(10)の構成要素を示す。図示されるように、医療用デバイス(10)は、制御モジュール(12)、電源(14)、エンドエフェクタ(16)を備える。単に例示的な電源(14)には、NiMH電池、Liイオン電池(例えば、プリズムセル式リチウムイオン電池、等)、Ni−カドミ電池、又は本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであると思われる任意の他のタイプの電源を含んでもよい。制御モジュール(12)は、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、メモリ、プリント回路基板(PCB)、記憶装置(例えば、ソリッドステートドライブ若しくはハードディスク)、ファームウェア、ソフトウェア、又は本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであると思われる他の適切な任意の他の好適な制御モジュール部品を含んでもよい。制御モジュール(12)及び電源(14)は、回路基板等において、ケーブル及び/又はプリントパターン等の電気的接続(22)によって連結されて、電力を電源(14)から制御モジュール(12)へ運搬する。代替的に、電源(14)は、制御モジュール(12)に選択的に連結されてもよい。このことによって、電源(14)を医療用デバイス(10)から切り離し、かつ取り外すことが可能となり、そのことによって、再滅菌及び再使用を行うため電源(14)を容易に再充電又は再利用することが更に可能となる。加えて又は代替的に、制御モジュール(12)は、整備、試験、交換、又は本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであると思われる任意の備他の目的のために取り外されることが可能である。制御モジュール(12)はまた、以下に更に説明されるように、電源(14)の使用を通してパルスエネルギーをもたらすよう操作可能であり得る。
【0009】
エンドエフェクタ(16)は、もう1つの電気的接続(22)によって、制御モジュール(12)に連結される。エンドエフェクタ(16)は、医療用デバイス(10)の望ましい機能を果たすように構成される。単に例として、そのような機能には、組織を焼灼すること、組織を切除すること、組織を切断すること、超音波によって振動させること、組織をステープルで閉じること、又は医療用デバイス(10)のための望ましい任意の他の仕事が包含される。したがって、エンドエフェクタ(16)は、能動的機構、例えば、超音波ブレード、一対の掴み具、鋭いナイフ、ステープル駆動アセンブリ、単極無線周波電極、一対の双極性無線周波電極、加熱素子、及び/又は他の様々な構成要素を包含することができる。エンドエフェクタ(16)は更に、整備、試験、交換、又は本明細書における教示を考慮して当業者には明らかであると思われる他のあらゆる目的のために、医療用デバイス(10)から取り外すことができる。幾つかのバージョンにおいて、エンドエフェクタ(16)は、医療用デバイス(10)を、様々な種類のエンドエフェクタ(例えば、米国仮出願シリアル番号第61/410,603号等に教示されるようなもの)と一緒に用いることができるようなモジュール式である。エンドエフェクタ(16)の様々な他の構成は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであると思われるような医療用デバイス(10)の目的に応じて様々な異なる機能を得るために提供され得る。同様に、電源(14)から電力を受け取ることのできる、医療用デバイス(10)の他のタイプの構成要素は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであると思われる。
【0010】
本実施例の医療用デバイス(10)は、トリガー(18)及びセンサ(20)を含むが、そのような構成要素は任意的であるに過ぎないものと解釈されるべきである。トリガー(18)は、電気的接続(22)によって、制御モジュール(12)及び電源(14)に連結される。トリガー(18)は、処置が実施されるとき、医療用デバイス(10)を起動させるため、電源(14)からの電力をエンドエフェクタ(16)へ(かつ/又は、医療用デバイス(10)のいくつかの他の構成要素へ)選択的に提供するように構成することができる。センサ(20)は、また、電気的接続(22)によって、制御モジュール(12)に連結され、処置の間、様々な情報を制御モジュール(12)に提供するように構成することができる。単に例として、このような構成は、エンドエフェクタ(16)において温度を感知すること、又はエンドエフェクタ(16)の振動速度を決定することを含み得る。センサ(20)からのデータは、制御モジュール(12)によって処理されて、電力をエンドエフェクタ(16)へ(例えば、フィードバックループで)送達することができる。本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであると思われるが、医療用デバイス(10)の目的に応じて、センサ(20)の他の様々な構成を提供することができる。当然ながら、本明細書に記載の他の構成要素と同様、医療用デバイス(10)は、1つ又は2つ以上のセンサ(20)を備えることができ、又はセンサ(20)は、所望により単に除外することができる。センサ(20)に関する更なる詳細及びそのバリエーションは、以下に説明される。
【0011】
II.例示的な超音波外科用器具
図2は、外科用システム(11)を示し、これは、上記記載の器具(10)の代表的な超音波変型(50)を含む。器具(50)の超音波構成要素が非作動状態のときは、組織は、組織を切断することなく、所望通りに容易に把持及び操作できる。超音波構成要素が作動しているときは、器具(50)は、超音波エネルギーと連結するために組織をエンドエフェクタ(80)で把持させ、上昇された圧力の印加が効率的に組織を切断及び凝固して、組織凝固を行うことを可能にする。所望により、超音波ブレード(82)の適切な操作によって、エンドエフェクタ(80)のクランプ機構を使用せずに超音波エネルギーを組織に印加することができる。
【0012】
単に例として、外科用システム(11)は、以下のいずれかからの任意の好適な教示又は教示の組み合わせに従って、構成され及び/又は操作可能であり得る:2010年6月15日に発行され、「Post−Sterilization of Surgical Instruments」と題する米国特許第7,738,971号(その開示内容は、参照によって本明細書に組み入れられる);第2006/0079874号(その開示内容は参照によって、本明細書に組み入れられる)、発明の名称「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」、2007年8月16日公開の米国特許出願公開第2007/0191713号(その開示内容は参照によって、本明細書に組み入れられる)、発明の名称「Ultrasonic Waveguide and Blade」、2007年12月6日公開の米国特許出願公開第2007/0282333号(その明細書の開示内容は、参照により本明細書に組み入れられる)、発明の名称「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」、2008年8月21日公開の米国特許出願公開第2008/0200940号(その明細書の開示内容は、参照により本明細書に組み入れられる)、発明の名称「Cordless Hand−held Ultrasonic Cautery Cutting Device」、2009年6月4日公開の米国特許出願公開第2009/0143797号(その明細書の開示内容は、参照により本明細書に組み入れられる)、発明の名称「Motorized Surgical Cutting and Fastening Instrument Having Handle Based Power Source」、2009年8月20日公開の米国特許出願公開その開示が、本明細書において、参照することにより組み込まれる、2009年8月20日公開の米国公開第2009/0209990号、発明の名称「Motorized Surgical Cutting and Fastening Instrument Having Handle Based Power Source」;その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2010年3月18日公開の「Ultrasonic Device for Fingertip Control」と題する米国特許出願公開第2010/0069940号、及び下側部分(64)の単に例示的な変形物の1つが、2011年1月20日に公開され「Rotating Transducer Mount for Ultrasonic Surgical Instruments」と題する米国特許公報第2011/0015660号の図1に示され、この特許の開示は参照により本明細書に組み込まれる。同様に、医療デバイスが可搬電源を含むように適応されることがある様々な方法は、2010年11月5日に出願された「Energy−Based Surgical Instruments」と題する米国仮特許出願第61/410,603号で開示されており、この出願は参照により本明細書に組み込まれる。
【0013】
代表的な超音波外科用システム(11)は、超音波外科用器具(50)、ジェネレータ(21)、及びジェネレータ(21)を外科用器具(50)に結合するように操作可能なケーブル(30)を含む。好適なジェネレータ(21)は、Cincinnati,OhioのEthicon Endo−Surgery,Inc.により販売されるGEN 300である。単に例として、ジェネレータ(21)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」と題された2011年4月14日公開の米国特許公開第2011/0087212号の教示に従って構成することができる。外科器具(50)は超音波外科器具を参照して記載されるが、以下に記載する技術は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明かとなるであろうように、エンドカッター、把持具、カッター、ステープラー、クリップ適用器具、アクセスデバイス、薬物/遺伝子治療送達デバイス、及び超音波、無線周波数、レーザ等を使用するエネルギー送達デバイス、及び/又はこれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない多様な外科器具と共に使用できることに留意するべきである。更には、本実施例は、ケーブル接続式の外科用器具(50)を参照して説明されるが、外科用器具(50)は、米国特許公開第2009/0143797号で開示されるものなどの、コードレス操作に関して適合させることができる点を理解するべきである。2009/0143797号の教示のうちの少なくとも幾つかにより構成されてもよい。更に、外科用装置(50)は、米国特許第6,783,524号に開示されたようなロボット支援手術環境で使用されるか使用するように適合されてもよい。
【0014】
本実施例の外科用器具(50)は、組立形ハンドルアセンブリ(60)、細長形の伝達アセンブリ(70)、及びトランスデューサ(100)を含む。伝達アセンブリ(70)は、伝達アセンブリ(70)の近位端で組立形ハンドルアセンブリ(60)に結合され、組立形ハンドルアセンブリ(60)から遠位方向に延出する。本実施例では、伝達アセンブリ(70)は、内視鏡用途用の細い長尺状の管状アセンブリとして構成されているが、伝達アセンブリ(70)は、代替的に、米国特許公開第2007/0282333号及び同第2008/0200940号に開示されているものなどの短いアセンブリであってもよい。本実施例の伝達アセンブリ(70)は、外鞘(72)、内側管状作動部材(図示せず)、導波路(図示せず)、及び伝達アセンブリ(70)の遠位端にあるエンドエフェクタ(80)を有する。本実施例において、エンドエフェクタ(80)は、導波路に連結されたブレード(82)と、送信用アセンブリ(70)の近位端で旋回するように操作可能なクランプ・アーム(84)と、任意に、クランプ・アーム(84)に連結し得る1つ又は2つ以上のクランプ受(86)とを備える。クランプアーム(84)及び関連する機構は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1999年11月9日発行の、米国特許第5,980,510号、表題「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Arm Pivot Mount」の少なくとも一部の教示に従って構築し、操作可能とすることができる点もまた、理解するべきである。エンドエフェクタ(80)の一部の変型は、クランプ・アーム(84)を欠如してもよいことも理解するべきである。例えば、エンドエフェクタ(80)は、ブレード(82)を含むだけでもよい。導波路は、超音波エネルギーをトランスデューサ(100)からブレード(82)へ送信するように構成されているが、可撓性であるか、半可撓性であるか、又は剛性であってもよい。単に例示的な1つの超音波トランスデューサ(100)は、Cincinnati,OhioのEthicon Endo−Surgery,Inc.により販売されているModel No.HP054である。導波路は、また、当該技術分野において周知のように、導波路を経由してブレード(82)へ送信される機械的振動を増幅するように構成されてもよい。導波路は、導波路に沿った縦振動のゲインを制御する機能と、導波路を本装置の共振周波数に合わせる機能とを更に有することができる。
【0015】
本実施例では、音響アセンブリが組織によって取り込まれないとき、音響アセンブリを好ましい共振周波数fに合わせるため、ブレード(82)の遠位端は波腹の近辺に配置される。トランスデューサ(100)にエネルギーが与えられるとき、ブレード(82)の遠位端は、例えば、55.5kHzの既定の振動周波数fで、最大振幅が、例えば、約10〜500μmの範囲、好ましくは約20〜約200μmの範囲で、長手方向に移動するように構成されている。本実施例のトランスデューサ(100)が駆動するとき、これらの機械的振動は、導波路を通ってエンドエフェクタ(80)へ送信される。本実施例において、ブレード(82)は、導波路に連結されているが、超音波振動数で振動する。したがって、ブレード(82)とクランプ・アーム(84)との間に組織が固定されたとき、ブレード(82)の超音波振動が、組織の切断と、隣接した組織細胞内のタンパク質の変性とを同時に行い、それにより比較的小さい熱拡散で凝固効果が提供される。また、組織も焼灼するために、ブレード(82)とクランプ・アーム(84)を介して電流が提供されてもよい。送信用アセンブリ(70)及びトランスデューサ(100)の幾つかの構成を記述してきたが、送信用アセンブリ(70)及びトランスデューサ(100)の更に他の適切な構成は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであると思われる。
【0016】
本実施例の組立形ハンドルアセンブリ(60)は、接合ハウジング部分(62)及び下方部分(64)を含む。結合ハウジング部分(62)は、結合ハウジング部分(62)の近位端にトランスデューサ(100)を収容し、結合ハウジング部分(62)の遠位端に伝達アセンブリ(70)の近位端を収容するように構成される。開口は、様々な伝達アセンブリ(70)を挿入するため、結合ハウジング部分(62)の遠位端に提供される。本実施例において、回転ノブ66は、送信用アセンブリ(70)及び/又はトランスデューサ(100)を回転させるように示されるが、回転ノブ66は任意的であるに過ぎないものと解釈されるべきである。マルチピース・ハンドルアセンブリ(60)の下位部(64)は、トリガー(68)を具備し、かつ、使用者によって片手で掴れるように構成されている。下部(64)のための単に例示的な1つの代替的構成は、米国特許公開第2011/0015660号の図1に示されている。トグルボタン(図示せず)は、下部(64)の遠位表面に位置してもよく、ジェネレータ(21)を用いて、様々な操作レベルでトランスデューサ(100)を作動させるように操作可能である。例えば、第1のトグルボタンは、最大エネルギーレベルで、トランスデューサ(100)を作動させることができ、その一方で、第2のトグルボタンは、最小の、非ゼロのエネルギーレベルで、トランスデューサ(100)を作動させることができる。当然ながら、トグルボタンは、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるような、最大及び/又は最小のエネルギーレベル以外のエネルギーレベルに関して、構成することができる。更に、トグルボタンは、組立形ハンドルアセンブリ(60)上、トランスデューサ(100)上の任意の別の場所に、及び/又は外科用器具(50)から離れた場所のどこに配置されてもよく、また任意数のトグルボタンが、提供されてもよい。組立形ハンドルアセンブリ(60)は、2つの別個の部分(62、64)を参照して説明されているが、組立形ハンドルアセンブリ(60)は、双方の部分(62、64)が組み合わされた、一体型アセンブリとすることができる点を、理解するべきである。組立形ハンドルアセンブリ(60)は、あるいは、別個のトリガー部分(ユーザの手又は足によって動作可能)、及び別個の接合ハウジング部分(62)などの、複数の個別構成要素へと分割することもできる。トリガー部分は、トランスデューサ(100)を駆動するよう操作可能であり、また、連動するハウジング部分(62)から遠く離れていてもよい。本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかなように、組立型ハンドルアセンブリ(60)は、耐久性プラスチック(ポリカーボネートや液晶ポリマーなど)、セラミック及び/若しくは金属、又は任意の他の適切な材料から構築されてもよい。組立型ハンドルアセンブリ(60)に関する更なる他の構成は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明かとなるであろう。例えば、器具(50)は、ロボットシステムの一部として操作されてもよい。組立形ハンドルアセンブリ(60)に関する他の構成もまた、本明細書の教示を考慮することで、当業者には明らかとなるであろう。
【0017】
システム(11)がとることのできる更に他の適切な形態は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであると思われる。
【0018】
III.音響感知を備える例示的な外科用器具
外科用器具(50)が使用されるとき、外科用器具(50)は、異なる密度の組織に遭遇する可能性があることを理解されたい。例えば、外科用器具(50)は、筋肉、骨、脂肪、瘢痕組織、又は任意のその他の型の組織の間を移行する場合に、異なる密度に遭遇する可能性がある。組織中での外科用装置(50)の使用の際に、外科用器具(50)がいつ組織密度における変化に遭遇するのかを知ることが望ましい場合がある。場合によっては、異なる組織密度に遭遇していることを知っていることが十分である場合もある。異なる型の組織の性質を知ることが望ましい場合もある。更には、いくつかの状況では、一旦異なる組織密度に到達すると、外科用器具(50)に自動的にその挙動を変化させることが望ましい場合があることが理解されよう。これに加えて又はこの代わりに、ユーザが、外科用器具(50)の彼/彼女の操作を手動で変化するよう決定することができる状況で、外科用器具(50)が異なる種類の組織に近づいているか又はこれと接触していることをいくつかの方法でユーザに通知することも可能である。
【0019】
図3は、エンドエフェクタ(204)と通信しているハンドピース(202)を有する例示的な外科用器具(200)の概略図を示している。外科用器具(200)は、上記記載の外科用器具(10、50)の変型である。エンドエフェクタ(204)は、ハンドピース(202)と選択的に通信しているが、一部の変型では、ハンドピース(202)と一体的に形成されてもよいことを理解されたい。本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかなように、他の適切な構成が使用されてもよい。エンドエフェクタ(204)は、少なくとも1つのマイクロフォン(210)、少なくとも1つのセンサ(212)、及び少なくとも1つの加速度計(208)を含む種々の構成要素を備える。当然ながら、エンドエフェクタ(204)は、限定されないが、超音波ブレード、クランプアーム、電気外科的機構、ステープル適用アセンブリ等を含める種々の他の構成要素を含んでもよい。エンドエフェクタ(204)が超音波ブレードを含む変型では、エンドエフェクタは、クランピング部材を欠如してもよい。例えば、エンドエフェクタ(204)は、米国特許公開第2008/0200940号(その明細書の開示内容は、参照により本明細書に組み入れられる)の教示の少なくともいくつかに従って構成されることが可能である。ブレードのみを含むエンドエフェクタ(204)が取り得る様々な他の好適な形態は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。超音波ブレード及びクランピング部材を含むエンドエフェクタ(204)の変型では、エンドエフェクタ(204)は、米国特許公開第2007/0191713号、同第2007/0282333号、及び/又は同第2006/0079874号(これらの開示内容は、参照により本明細書に組み入れられる)の教示の少なくともいくつかに従って構成されてもよい。エンドエフェクタ(204)が取り得る、更に他の好適な形態は、本明細書における教示を考慮すれば当業者にとって明白となる。
【0020】
本実施例のエンドエフェクタ(204)は、マイクロフォン(210)、センサ(212)、及び加速度計(208)を備えるが、エンドエフェクタ(204)は、マイクロフォン(210)、センサ(212)、及び加速度計(208)のそれぞれを必ずしも収容する必要はない。更に、図3は、マイクロフォン(210)、センサ(212)、及び加速度計(208)が、エンドエフェクタ(204)から分離しているものとして描写しているが、マイクロフォン(210)、センサ(212)、及び加速度計(208)のいずれか又は全ては、エンドエフェクタ(204)に組み込まれてもよく、あるいは、エンドフェクタ(204)と一体化して構成されてもよいことを理解されたい。マイクロフォン(210)及び/又は加速度計(208)は、ヘッドピース(202)内に配置され得る。例えば、マイクロフォン(210)が、ハンドピース(202)内の高調波導波路の近位端で音響信号を監視するよう操作可能であるように、マイクロフォン(210)は配置され得る。同様に、加速度計(208)は、外科用器具(200)が組織を通って移動するにつれて、ハンドピース(202)の動作を監視するために、ハンドピース(202)内に配置されてもよい。本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかなように、他の適切な変型が使用されてもよい。
【0021】
マイクロフォン(210)は、通常、音響センサとして作動するよう操作可能である。マイクロフォン(210)は、超音波周波数、聴覚性周波数、及び/又は超低周波数にて音響信号を検出するよう操作可能であり得ることを理解するべきである。演算モジュール(214)と通信している、以下に更に説明されるマイクロフォン(210)は、マイクロフォン(210)の周りで発生し得るいかなるものの音試料も検出しかつ記録するよう操作可能である。例えば、外科用器具(200)が使用されるとき、外科用器具(200)の部品が、外科用器具(200)と接触する組織の性質及び/又は密度に関する情報を示し得る様々な音響信号又は衝撃を発生し得ることが理解されよう。これら音響信号又は衝撃は、種々の音響信号又は衝撃が発生する間にマイクロフォン(210)によって受信され得、及び/又は別のマイクロフォンによって受信され得る。一例としては、外科用器具(200)がエンドエフェクタ(204)を異なる密度の組織を通して誘導する場合であり得、外科用器具(200)は、組織によって生じられた信号強度の様々な減衰レベル又は測定された損失に基づいて、種々の異なる音響信号を発生することが可能である。マイクロフォン(210)は、エンドエフェクタ(204)と通信しているブレード又は導波路において、音響信号を監視するよう配置されることができる。超音波ブレードが遭遇する組織の型/密度は、ブレードを含む音響アセンブリに伴う音響信号特性を変化することがある。かかる変化は、超音波周波数、可聴の周波数、及び/又は超低周波数にて発生する可能性がある。したがって、組織密度及び/又は組織の種類に関する推測が、監視された音響信号に基づいて引き出されることができ、これによって、外科用器具(200)によって影響を受ける組織の種類についての情報をユーザに提供することが可能である。
【0022】
上述したように、マイクロフォン(210)は、種々の特定の周波数(例えば、超音波周波数、可聴の周波数、及び/又は超低周波数等)で音を監視するよう操作可能であり得る。例えば、マイクロフォン(210)は、特定の周波数にて発生する信号に焦点を合わせるために、種々のフィルタ、増幅器等と通信して使用されることで、外科用器具(200)に関する有用な情報を提供し得ない一部の音響信号を回避することができる。高速フーリエ変換(FFT)又は他の類似の演算技術をマイクロフォン信号に適用して、トランスデューサ/ブレード共振構造から放出される1つ又は2つ以上の周波数を相互操作することができる。これら周波数における変化は、モード方式カップリングに対するプロキシとして、したがって不必要な振動状態又はモードを検出する手段として使用することができる。一旦検出されると、これは、ユーザに警告するための、駆動信号特性を変化することによる共振系の挙動を変化するための、又はこれらの両方の、フィードバックの手段として使用することができる。1つ又は2つ以上のマイクロフォン(210)が組織密度及び/又組織密度における変化を検出するよう使用することができる更にその他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮すれば、当業者には明白であろう。
【0023】
本明細書の教示を考慮すれば、当業者には明らかであるように、センサ(212)は、とりわけ、インピーダンスセンサ、温度センサ、力センサ、及び/又は任意のその他の好適な型のセンサを含んでもよい。センサ(212)がインピーダンスセンサを含む変型では、センサ(212)は、エンドエフェクタ(204)と接触している組織のインピーダンスを感知するよう使用することができる。エンドエフェクタ(204)が遭遇する組織のインピーダンスは、かかる組織の密度に基づいて変動し得る。例えば、比較的密な組織(例えば、瘢痕組織)は、密度が低い組織(例えば、脂肪組織)によって呈されるインピーダンスと比較して、比較的高いインピーダンスを呈し得る。したがって、センサ(212)を、組織密度における変化をインピーダンスの関数として検出するように使用することが可能である。かかるインピーダンスは、電気インピーダンス及び/又は音響インピーダンスを含み得ることを理解するべきである。例えば、比較的密な組織は、比較的高い電気インピーダンスと比較的高い音響インピーダンスの双方を呈し得る。インピーダンスは、異なる方法で測定されてもよいことを理解するべきである。単に例として、電圧及び電流の振幅に比例する2つの電圧を生成し(例えば、二乗平均平方根、ピークトゥピーク、又は単純平均)、次いでこれら電圧を分割して、電気インピーダンスに比例するアナログ電圧出力を提供することによって、アナログ電子回路を平均電気インピーダンスを測定するために使用してもよい。別の単に例示的な例としては、電気インピーダンスが読み取られ、デジタル的かつ瞬時に計算されてもよい。特に、システムは、実際の瞬間的な電圧及び実際の瞬間的な電流を読取ることが可能であり、次いでこれら値を分割して瞬間的なインピーダンスを計算することができる。電気インピーダンスセンサがセンサ(212)として実装され得る種々の好適な方法は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであろう。同様に、音響インピーダンスセンサがセンサ(212)として実装され得る種々の好適な方法も、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかであろう。
【0024】
別の単に例示的な例として、異なる組織密度は、エンドエフェクタ(204)に対する異なる熱応答を提示する場合がある。結果的に、センサ(212)が温度センサを含む変型では、センサ(212)は、組織密度における変化を温度の関数として検出するために使用されてもよい。センサ(212)が力センサ(例えば、ひずみゲージ等)を備える変型では、センサ(212)は、組織密度における変化をエンドエフェクタ(204)が組織に当接するときに、エンドエフェクタ(204)が遭遇する力/ひずみの関数として検出するために使用されてもよい。組織密度及び/又は組織密度における変化を検出するために使用され得るセンサ(212)の更に好適な種類は、本明細書の教示を考慮すれば、当業者には明らかであろう。
【0025】
加速度計(208)は、エンドエフェクタ(204)の動作を検出するよう操作可能である。加速度計(208)から集められた情報は、エンドエフェクタ(204)が移動する際の力を決定するために使用され得る。理論速度、相対的速度、平均速度、変化率、又はエンドエフェクタ(204)の移動に伴う任意のその他の好適な測定基準が決定され得ることも理解されたい。エンドエフェクタ(204)が、比較的密な組織に遭遇するとき、比較的密な組織は、エンドエフェクタ(204)を、その移動の経路に沿って減速させ、加速度計(208)は、この減速を検出することができる場合がある。同様に、エンドエフェクタ(204)は、その行程経路に沿って密な組織から密度が低い組織までエンドエフェクタが移行するにつれて加速を経験し、これと同時に加速度計(208)はこの加速を検出することができる。演算モジュール(214)はまた、外科医の手の動きにおける変化に基づく加速/減速に対比して組織密度における変化に基づく加速/減速の間を識別することが可能であり得る。例えば、演算モジュール(214)は、外科医の手の動きにおける変更に基づく加速/減速に対比して組織密度における変更に基づく加速/減速の間を区別するために、加速度計(208)から得たデータをいくつかの他の種類のセンサ(例えば、ハンドルアセンブリ(202)内のひずみゲージ等)から得たデータと比較することが可能であり得る。1つ又は2つ以上の加速度計(208)が、組織密度及び/又は組織密度における変化を検出するために使用され得る更に他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮すれば、当業者には明らかであろう。
【0026】
電源(206)もまた、ハンドルアセンブリ(202)と通信していて、電力をエンドエフェクタ(204)に送達するよう操作可能である。例示した変型は、ハンドルアセンブリ(204)から分離する電源(206)を示しているが、電源(206)は、ハンドルアセンブリ(204)と一体化されてもよい。
【0027】
結果的に、外科用器具(200)は、演算モジュール(214)を備え、演算モジュールは、エンドエフェクタ(204)、電源(206)、加速度計(208)、マイクロフォン(210)、及びセンサ(212)と通信している。本明細書の教示を考慮すれば、当業者には明らかであるように、演算モジュール(214)は、任意の好適な構成要素を含み得、構成要素としては、プロセッサ、メモリ、又は任意のその他の好適な演算関連構成要素を挙げることができる。演算モジュール(214)は、外科用器具(200)の構成要素のいずれかの動作に関するプログラム又はアルゴリズムを実行又は起動するよう操作可能である。例えば、演算モジュール(214)は、エンドエフェクタ(204)の動作、又はマイクロフォン(210)、センサ(212)及び加速度計(208)の動作を制御するよう操作可能であり得る。更には、演算モジュール(214)は、ハンドルアセンブリ(204)を経て電源(206)と通信することができることで、演算モジュール(214)は、演算モジュール(214)の任意の好適なルーチン及び/又はプログラムを実行するために電源(206)を制御又は利用するよう操作可能である。したがって、演算モジュール(214)は、制御ロジックを実行するよう操作可能である。
【0028】
演算モジュール(214)は、ハンドルアセンブリ(202)内に配置されているものとして描写されているが、演算モジュール(214)は、任意の好適な位置に置かれてもよいことを理解されたい。例えば、演算モジュール(214)は、エンドエフェクタ(204)内、電源(206)内に配置されてもよく、及び/又はハンドルアセンブリ(202)と電源(206)との間に位置するモジュール内に収容されてもよい。更に他の例示の変型では、演算モジュール(214)は、単一の演算モジュール(214)に限定される必要はないことを理解されたい。演算モジュール(214)は、複数の演算モジュール(214)が使用されるように構成されてもよく、複数の演算モジュール(214)は、単一の位置に配置されても、若しくは外科用器具(200)内の各位置に分散されてもよく、又は更には遠隔配置されてもよい。
【0029】
以前に述べたように、エンドエフェクタ(204)は、マイクロフォン(210)、センサ(212)、及び加速度計(208)を備える。外科的処置におけるエンドエフェクタ(204)の使用は、エンドエフェクタ(204)を介して手術部位に超音波振動を提供することを伴う場合があることを更に理解されたい。手術部位に超音波振動を送達させることは、エンドエフェクタ(204)によって発生されるトーン又はピッチを結果として生じることも更に理解されたい。例えば、振動が超音波ブレード(例えば、上記記載のブレード(82)など)によってエンドエフェクタ(204)から送達される場合、エンドエフェクタ(204)のブレードが異なる種類の組織密度を通って走行するときに、振動が、異なる密度の組織を通して異なる速度で走行するために、エンドエフェクタ(204)からの振動は、音響的に区別される音を発生する。結果として、異なる組織を通る振動によって発生した音が異なるのみならず、振動が異なる密度の組織に送達される場合、マイクロフォン(210)が音の差を検出するよう操作可能であることも理解されたい。これらの音の差は、ブレード(82)それ自体及びブレード(82)及び/又は導波路と音響通信した構成要素によって拾い上げられることが可能である。エンドエフェクタ(204)が異なる周波数の振動を送達させることができ、マイクロフォン(210)が、異なる周波数の音響信号を監視することができることも更に理解されたい。例えば、異なる周波数の音響信号を監視することによって、異なるデータを確認することが可能である。場合によっては、組織密度における特定の変化は、特定の周波数においてより明白であり又は検出可能であり得る。
【0030】
IV.外科用器具を使用する例示の方法
図4は、外科用器具(200)を使用する1つの例示的な方法を示している。ブロック(400)は、ユーザが外科用器具(200)をオンにすることを伴う。いくつかの変型において、外科用器具(200)は、初期状態で「オン」状態であり得るため、オンにすることを必ずしも必要としない場合もある。
【0031】
ブロック(410)は、音響監視を開始することを含む。一部の変型では、外科用器具(200)は、外科用器具(200)の音響動力伝達径路(例えば、超音波トランスデューサ、警音器、導波路、及び超音波ブレード)に伴う音響信号を連続的に監視することが可能である。音響監視は、演算モジュール(214)と通信しているマイクロフォン(210)を使用して行うことができることを理解されたい。マイクロフォン(210)は、外科用器具(200)の音響動力伝達径路に伴う音響信号を連続的に検出する。演算モジュール(214)は、マイクロフォン(210)によって拾い上げられた音響信号を表すデータを連続的に受信する。この音響監視は、演算モジュール(214)が音響信号を受信すると同時に、演算モジュール(214)を使用して行われ得ることを理解されたい。ブロック(420)は、ユーザが手術部位で外科用器具(200)を使用し、エンドエフェクタ(204)で組織を処理することを伴う。使用中に、ブロック(430)は、音響信号を連続的に監視し、音響信号が特定の所定の閾値を超えているかどうかを判定し、この判定は、演算モジュール(214)を介して連続的に更新かつ計算され得る。
【0032】
本開示は、用語「閾値」をしばしば用いるが、閾値は、最小値又は下限を包含し得ることが企図される。換言すれば、本明細書で使用するとき、例えば「閾値を超えている」又は「閾値を超える」等の句は、特定の設定において、値が所定の最小値又は下限を下回る状態を包含するとも読取ることができる。したがって、音響信号が特定の所定の閾値を超えるかどうかを判断するために監視するブロック(430)に関しては、これが音響信号が所定の最小値又は下限を下回っているかどうかを監視することを包含する場合があるということを理解するべきである。音響信号における特定の変化(例えば、閾値を超えること)が、組織密度における変更を示す場合があり、これが、組織の種類における変化を示すことができることも理解されたい。したがって、ブロック(440)で一旦ユーザに変化が通知されると、次いでユーザは、外科用器具(200)の使用を中止するか、外科用器具(200)を使用し続けるか、又は外科用器具(200)の使用を修正するかのいずれかを行うことが可能である。
【0033】
ブロック(430)が実行され得る種々の方法を含む、図4に示した方法が実行され得る多くの方法がある。例えば、エンドエフェクタ(204)の種々のセンサ(210、212、208)を伴う演算モジュール(214)のいくつかの変型は、2つの監視モード:横監視モード及び組織密度監視モードを有するよう操作可能である。横監視モードでは、演算モジュール(214)は、これらの横モード及び関連する周波数を特定するために、高速フーリエ変換を音響試料で実行するよう操作可能である。エンドエフェクタ(204)に負荷がかけられていない場合、外科用器具(200)が組織に使用される前に、演算モジュール(214)は、複数の試料の基線モード間隔及びそれらに伴う周波数を確立するよう更に操作可能である。外科的処置における外科用器具(200)の使用の際に、一旦負荷がエンドエフェクタ(204)にかけられると、演算モジュール(214)は、特定された横モードを基線に対して比較するよう操作可能である。最終的に、外科的処置における外科用器具(200)の使用の際に、感知された横モード信号が特定の閾値を超えるか、又は下限を下回る場合には、演算モジュール(214)は、外科用器具(200)に付随するいかなるトランスデューサの運転も停止させるか、ないしは別の方法でエンドエフェクタ(204)を、少なくとも一定時間に少なくとも部分的に運転不能にさせるように、操作可能であり得る。
【0034】
組織密度監視モードでは、音響試料の振幅を異なる周波数で特定するために、演算モジュール(214)は、音響試料で高速フーリエ変換を実行するよう操作可能でもある。演算モジュール(214)はまた、エンドエフェクタ(204)に負荷がかけられていない場合、外科用器具(200)が組織で使用される前に、複数の試料の基線振幅及びそれらに伴う周波数を確立するように更に操作可能である。外科的処置において外科用器具(200)を使用する間に、一旦負荷がエンドエフェクタ(204)にかけられると、演算モジュール(214)は、各周波数で感知された振幅を事前に確立された基線に対して比較するよう操作可能である。最終的に、測定された周波数の振幅が下降して所定の範囲を下回る場合には、演算モジュール(214)は、潜在的に密な組織がエンドエフェクタ(204)に遭遇するように運ぶよう操作可能であり得る。例えば、演算モジュール(214)は、密な組織に遭遇したことをユーザに視覚的に及び/又は可聴的に警告するインジケータと通信してもよい。一旦振幅が基線範囲に戻れば、このとき、演算モジュール(214)は、インジケータと通信して、ユーザに警告することを中止するか、又はユーザに異なる視覚的及び/又は可聴式の警告を発することができる。警告に加えて又は代えて、演算モジュール(214)は、組織密度における変化に応答して、エンドエフェクタ(204)の動作特性に影響を与えてもよい。当然のことながら、演算モジュール(214)についての他の好適な使用及び能力は、本明細書の教示を考慮すれば、当業者には明らかであろう。
【0035】
図5は、外科用器具(200)を使用する別の例示的な方法を示している。一部の状況では、外科用器具(200)は、腹壁形成術、脂肪組織の本体輪郭化、及び/又は瘢痕組織又は他の密な組織に遭遇する可能性があるいくつかのその他の処置の適用で使用されてもよいことを理解されたい。外科用器具(200)の性能における変化にユーザが気付くことなく、瘢痕組織が切断され得るように、より多くの電流が外科用器具(200)での使用に望ましい場合があることを理解されたい。結果的に、ブロック(500)は外科用器具(200)がオンにされていることを示している。その後、ブロック(510)は、組織インピーダンス及び/又は力の監視を開始することを伴う。インピーダンス監視は、例えば、図3のセンサ(212)を使用して実現され得、このセンサは、エンドエフェクタ(204)が遭遇する組織のインピーダンスを感知するよう構成されたインピーダンスセンサを備えてもよい。更に、エンドエフェクタ(204)に対して組織によって示された物理的抵抗の量を感知するために、演算モジュール(214)と共に加速度計(208)を使用して力が測定されてもよい。図示した変型は、組織インピーダンス及び/又は力が監視されていることを示しているが、マイクロフォン(210)が、外科用器具(200)の音響信号を監視するために、これに加えて又はこれに代えて使用されてもよいことが理解されるであろう。次いで、ブロック(520)は、ユーザが外科的処置において外科用器具(200)を使用していることを示している。処置中に、ブロック(530)は、感知されたインピーダンス及び力を監視し、インピーダンス又は力が任意の特定の閾値を超えるかどうか(又は任意の特定の下限を下回るかどうか)を決定する。いずれかが起こる場合には、ブロック(540)は、外科用器具(200)に、電源(206)の使用を通して電流を増加させるよう仕向け、これによって、エンドエフェクタ(204)をより大きな電力で駆動させる。
【0036】
電流は、マイクロフォン(210)によって監視された音響信号における変化に応答して増加させることができることも理解されたい。例えば、非常に減衰された音響信号は、密な組織を示す場合があり、それに対し外科用器具(200)は、電流を増加させて応答する。フィードバックループがブロック(550)で作成され、ここでは、ブロック(550)は、ブロック(540)で電流を増加させた後に、インピーダンス及び/又は力が低下して所定の閾値を下回っているかを判定するために監視する。したがって、強靭な瘢痕組織にエンドエフェクタ(204)が遭遇する場合には、外科医に円滑な切断経験を提供するために、電流は連続的に増加されるであろう。インピーダンスレベル、力レベル、及び/又は音響信号が、戻って下降し所定の閾値を下回る場合には、今度はブロック(560)は、以前にブロック(520)で使用されたレベルまで戻って電流を低減させる。
【0037】
選択される閾値は、限定されないが、使用されるトランスデューサとエンドエフェクタ(204)の型との組み合わせ、ユーザの使用習慣及び熟練度、実行される外科的処置の種類、並びに患者ごとの組織における差異を含めるいくつかの因子に依存する場合がある。初期閾値は、任意の単独の因子又は因子の組み合わせに基づいて確立することができる。場合によっては、エンドエフェクタの種類は、支配的な因子であり、これが閾値の初期設定で使用されてもよい。その後、この初期閾値設定が、他の因子に基づいて調整されてもよい。例えば、外科医は、名前によって及び/又は彼らの器具の使用プロファイルに特有のコードを入力することによって、彼自身/彼女自身を特定してもよい。このシステムは、閾値がある初期設定で始動し、外科医がシステムを使用するにつれて調整される学習システムであり得ることも理解するべきである。いくつかのこのような例では、外科医は、比較的容易な組織(例えば、閾値未満のデータ値を提供する組織)で始動し、その後、処置が進むにつれて、より強靭な組織に移ってもよい。器具(200)のこの初期使用は、処置の初期段階で閾値に効果的に基線をもたらし、次いで所定の最大及び最小範囲限界に従って閾値を上方/下方に調整させるよう使用され得る。閾値が確立され得る他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかとなろう。
【0038】
外科用器具(200)が、骨から組織を取り除くために使用される用途などのシナリオでは、軟組織を取り除くプロセスにおいて、不注意に骨を切断することを回避することが望ましい場合があることを理解されたい。結果的に、図5で示すように、組織密度における変化に応答して電流を増加させるよりはむしろ、代わりに電流を減少させる場合がある。この目的のために、図6のブロック(600)は、オンにされた状態の外科用器具(200)を示している。ブロック(610)は、インピーダンス及び力の監視を開始することを示している。例えば、加速度計(208)は、組織を通過するエンドエフェクタ(204)の移動の減速又は停止を検出するために使用され得る。センサ(212)はまた、エンドエフェクタ(204)が遭遇する組織のインピーダンスを監視するために使用されるインピーダンスセンサを備えてもよい。これに加えて、又はこの代わりに、ブロック(610)は、外科用器具(200)の音響信号を監視し、外科用器具(200)に供給された電流を減少させるべきであるかどうかを判定するために使用することが可能である。ブロック(620)では、ユーザは外科用器具(200)を使用する。ブロック(630)は、インピーダンス及び/又は力測定値を点検しかつ連続的に監視し、任意の所定の閾値を超えるか(又は任意の特定の下限を下回るか)のいずれかであるかどうかを判定することを示している。加えて、又はこの代わりに、ブロック(630)はまた、音響信号を監視してもよい。閾値が超えられる場合には、これは外科用器具(200)が骨組織に遭遇している状態を示すことができる。したがって、ブロック(640)では、電源(206)によって外科用器具(200)に供給される電流は低減され、これによって、エンドエフェクタ(204)において電力を低減又は停止させる。ブロック(650)でフィードバックループが形成され、ここでは、ブロック(650)が連続的に監視し、インピーダンス、力、及び/又は音響測定値が戻って所定の閾値を下回っているかどうかを判定する。所定の閾値を下回っていなければ、骨組織がなお近傍にあり得、したがって、エンドエフェクタ(204)を駆動させるために要する電流はより少なくて済む。インピーダンス、力、及び/又は音響測定値が戻って閾値量を下回っていることが一旦判定されると、ブロック(660)は、外科用器具(200)に、電流を増加させて以前ブロック(620)で使用されたレベルに戻すよう仕向ける。
【0039】
場合によっては、感知された組織の状況に合わせて外科用器具(200)を調整させるよりはむしろ、ユーザが外科用器具(200)の使用を調整することができるように、外科用器具(200)に単にユーザに通知させることが望ましい場合があることを理解されたい。例えば、図7は、外科用装置がオンにされているブロック(700)を示している。その後、ブロック(710)は、組織インピーダンスの監視が開始することを示している。組織インピーダンスの監視は、例えば、図3で示したセンサ(212)を通して実現され得る。これに加えて、又はこの代わりに、マイクロフォン(210)を介して検出される音響信号及び/又は加速度計(208)を通して検出される移動が、同様に監視されてもよい。その後、ユーザは、ブロック(720)に示すように切断を開始することができる。ブロック(730)は、センサ(212)によって検出される組織インピーダンス、力、及び/又は音響信号を連続的に監視する。インピーダンス、エンドエフェクタ(204)の移動、及び/又は音響信号における急激な変化が発生する場合には、ブロック(740)がユーザに警告する。本明細書の教示を考慮すれば、当業者に明らかなように、かかる警告は、聴覚的警告、視覚的警告、又は任意のその他の好適な警告を備えてよい。警告(聴覚的、視覚的等)は、ハンドピース(202)又は更に電源(206)と一体化されてもよく、これによって、ユーザは、ハンドピース(202)で発生する警告に気づくことによって警告され得る。これに加えて、又はこの代わりに、警告デバイスは、電源(206)から目立つ場所にあってもよく、又はユーザが視覚的に感知可能な任意のその他の好適な場所にあってもよく、若しくは警告デバイスが聴覚的警告を含む場合、ユーザの聞こえる範囲内にあってもよい。ブロック(750)では、次いでユーザは、外科用器具(200)の動作又は位置決めを変更することができ、その後、ブロック(760)に示すように、組織の切断を続けることができる。例えば、ユーザは、より効果的に密な組織を横切するために、往復運動する「弓のこ動作」でエンドエフェクタ(204)を移動させてもよい。ユーザがエンドエフェクタ(204)を密な組織に通して移動させるとき、一旦組織の密度が低くなると、密な組織を通りすぎたことを示す警告がユーザに提供され得る。その結果として、ユーザは、エンドエフェクタ(204)を移動させるための動作の使用を、往復運動する「糸のこ動作」の前に戻ることができる。あるいは、本明細書の教示を考慮すれば、当業者に明らかであるように、ユーザは、エンドエフェクタ(204)の彼又は彼女の動作を任意の好適な動作に変更してもよい。
【0040】
いくつかの変型では、外科用器具(200)は、電流が管理される様式でより可撓性である必要があり得ることを理解されたい。電流を専ら増加させるあるいは減少させることの代わりに、電流の増加又は電流の減少が、エンドエフェクタ(204)が係合する組織の密度又は組織の密度における変化に基づいて必要であるかどうかを外科用器具(200)が知的に判断することができる様式で、外科用装置(200)を使用することが望ましい場合がある。例えば、図8、ブロック(800)は、外科用装置(200)をオンにすることを必然的に伴う。ブロック(810)は、エネルギーパルス及び外科用器具(200)の使用を開始する。超音波外科用器具(50)の場合、外科用器具(50)は、超音波振動をブレード(82)を介して手術部位に送達することができる。かかる振動は、電力を外科用器具(50)のトランスデューサに対してパルスすることによって発生することが可能である。いくつかの変型では、活性化パルスが、10ミリ秒毎に1つのパルスから100ミリ秒毎に1つのパルスまでの範囲の周波数で、トランスデューサ(100)に送達される。当然のことながら、本明細書の教示を考慮して、当業者に明らかとなるように、任意のその他の好適なパルス周波数が使用されてもよい。これら活性化パルスは、トランスデューサ(100)内の圧電(peizeoelectric)素子が、電力を機械的な周期振動/振動力に変換することを可能にし、音響導波路に沿って超音波ブレード(82)に通信する超音波振動をもたらす。超音波振動を発生するために、トランスデューサ(100)に送達された電気活性化パルス間で、外科用器具(50)は、センサ(212)に電圧を供給し、隣接する組織のインピーダンスを検出する。ブロック(830)に示すように、高いインピーダンスが検出される場合には、手術部位で比較的密な組織を切断する上で外科用器具(200)を補助するために、ブロック(860)で示すように、電流を次の電力送達パルスで増加させてもよい。ブロック(840)で示すように、低いインピーダンスが検出される場合には、ブロック(850)で示すように、次の電力送達パルスで外科用器具(200)に送達される電流が維持され、又は下げられてもよい。維持される電流レベルは、約250mAであってもよく、又は本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかになるような任意の他の好適な電流レベルであってもよいことを理解されたい。
【0041】
場合によっては、外科的処置を行う組織が脂肪組織内か又は筋肉組織内に配置されているかを判定することが望ましい場合がある。外科用器具(200)の音響動力伝達径路(例えば、超音波トランスデューサ、警音器、導波路、及び超音波ブレード)は、エンドエフェクタ(204)が脂肪組織などの組織に接触しているか、筋肉などの比較的密な組織(より大きな音響負荷をエンドエフェクタ(204)に掛ける)に接触しているかに基づいて、異なる共振周波数を呈し得る。例えば、脂肪組織などの低い負荷は、エンドエフェクタ(204)が脂肪組織に当接する場合、音響動力伝達径路の共振周波数における比較的小さな変更をもたらし得る。筋肉又は軟骨などのより密な組織は、より高い機械的/音響的な負荷をエンドエフェクタ(204)に対して与える場合があり、音響動力伝達径路の共振周波数において比較的大きなシフトを結果として生じる。これらの効果は、エンドエフェクタ(204)がシヤーの代わりにブレードとして使用される場合、更により顕著であり得る。エンドエフェクタ(204)がブレードとして使用される場合、ユーザは、選択された組織型及びブレードが付けられたエンドエフェクタ(204)によって組織に対して印加される圧力の量に基づいて、有効負荷を判定することができる。印加される力又は圧力が高くなればなるほど、音響負荷は高くなり、共振周波数におけるシフトも大きくなる。エンドエフェクタ(204)がシヤーとして(例えば、クランプアーム(84)等のようなクランピング機構による作用を通して)使用される場合、圧力プロファイルのクランピング機構と超音波ブレードとの間の組織の量/種類に対する依存はより小さい可能性がある。このことは、ユーザが、どの組織を横切するかにいっそう集中し、様々な種類の組織に対する力の印加のニュアンスに対する集中をより少なくすることを可能にし得る。いくつかのかかる変型では、エンドエフェクタ(204)において力センサ(212)が超音波ブレードとクランピング部材との間の圧力の測定値を提供する状態で、ユーザが、超音波ブレードのエッジを組織内へと挿入することによって、より迅速な処理時間をもたらすことができる。
【0042】
共振周波数における処理変更の例を図9に示す。ブロック(900)は、外科用器具(200)をオン状態にすることを示している。ブロック(910)は、共振周波数Fを決定し、続いて、ブロック(920)で見るように、初期周波数をF_startに設定することを示している。これが、後に検出される共振周波数との比較のために、基線共振周波数を確立する。かかる基線共振周波数(F_start)は、エンドエフェクタ(204)を組織に対して適用する前に、エンドエフェクタ(204)の超音波ブレードを起動させ、センサ(212)を用いてエンドエフェクタ(204)における力を感知することによって得ることができる。ブロック(930)に示すように、次いで、ユーザは、組織を切断することができる。ブロック(940)で見ることができるように、組織が切断されるとき、センサ(212)は、共振周波数(F)を監視し続ける。Fが更新されるとき、F_startに関するFの変化率が監視され、共振周波数におけるシフトを拾い上げる。Fの低速の変化率が観測される場合には、外科用器具(200)が筋肉組織内にあることが推測され得る。ユーザが筋肉組織の存在を知りたい場合があり、このため、ブロック(990)がユーザフィードバックを提供し、本明細書の教示を考慮して当業者に明らかになるように、ユーザフィードバックは、可聴トーン、振動、又は任意のその他の好適なフィードバック手段の形態であり得る。その後、ブロック(995)に示すように、感知された組織密度の増加に応答して、外科用器具(200)に送達される電流が、手動で又は自動的に増加され、比較的密な組織を横切するために、より多くのエネルギーでエンドエフェクタ(204)を駆動させる。ブロック(960)で示すように、Fの変化率が速い場合には、外科用器具(200)が脂肪組織内にあることが推測され得る。結果的に、ブロック(980)で示すように、電流が手動で又は自動的に減少され、比較的軟質の組織を横切するために、より少ないエネルギーでエンドエフェクタ(204)を駆動させることができる。
【0043】
場合によっては、外科用器具(200)を、力変化、電力/インピーダンス変化、共振周波数変化、及び/又は動作変化を含めるいくつかの異なる特性を同時に監視し、切断される組織の密度が変化しているかどうかを判定するよう操作可能にさせることが望ましいことがあることを更に理解されたい。図10は、このようなシステムを示し、ユーザが外科用器具(200)をオン状態にするブロック(1000)から開始する。次いでユーザは、ブロック(1010)に示すように、外科用器具(200)を使用して、組織を切断する。外科用器具(200)使用されているとき、ブロック(1020)で示すように、力、インピーダンス、及び音響信号レベル並びに曲線が同時に監視されている。その後、ブロック(1030)で示すように、力におけるいかなる増加も検出され得る。更に、ブロック(1040)で見るように、電力における増加が検出され得、ブロック(1050)で見るように、動作におけるいかなる減少も同様に検出され得る。結果的に、ブロック(1060)に示すように、それに応じて電流及び/又は電力が調整(増加又は減少)され得る。例えば、ブロック(1060)及び/又はブロック(1070)は、ブロック(1030、1040、1050)のいずれかで発生して検出された値及び/又は傾向の種々の組み合わせに基づく別個の値及び/又は傾向を基準としてもよい。インピーダンス値/傾向と音響信号との特定の組み合わせは、特定の組織密度特性を示し得ることを理解されたい。同様に、特定の加速度値及び音響信号の組み合わせは、別の組織密度特性を示し得る。インピーダンス、音響信号、及び/又は加速度の読取りの種々の組み合わせが、組織密度の特性を示すために使用することができ、この組織密度の特性が、演算モジュール(214)にプログラムされ、ないしは別の方法で組み込まれ得ることを理解するであろう。次いで、結果的に、演算モジュール(214)は、エンドエフェクタ(204)が組織の横切を続けることを可能にするために、対応する命令及び/又は指令を提供するよう操作可能であり得る。
【0044】
外科用器具(200)もまた、ブロック(1030、1040、1050)における監視に基づいて組織型を特異的に特定するよう、並びにそれに応じてユーザに警告を発するよう操作可能であり得る。例えば、ユーザは、音響、インピーダンス、及び/又は力信号の特定の組み合わせに基づいて、エンドエフェクタ(204)が骨に係合していることを知ることができる。信号の他の組み合わせが、係合されている組織が脂肪組織、瘢痕組織等であることを示すために使用されてもよい。その後、ユーザにいずれかの組織密度の変化を知らせるために、ブロック(1070)に示すような可聴フィードバックをユーザに提供することができる。本明細書の教示を考慮して当業者には明らかになるように、視覚的フィードバック、触覚的フィードバック、及び/又はエンドエフェクタ(204)制御変更などのその他のフィードバック機構が、可聴フィードバックに加えて又はこの代わりに使用されてもよいことも理解されたい。更に、当業者であれば明らかであるように、説明された方法は、単に例示であって、他の好適な方法が使用されてもよいことを理解されたい。
【0045】
外科用器具(200)がトロカール又は他のアクセスポートを介して使用されるいくつかの場合には(例えば、最小侵襲性手術において)、外科用器具(200)のシャフトは、患者の体内のトロカールの入口点の周りで旋回様式で移動されてもよい。故に、患者内のトロカールの入口点は運動の実質上の中心の役割を果たすことを理解するべきである。ハンドルアセンブリ(202)において測定される動作は、相対的支点(患者の身体内の器具(200)の長さ/患者の身体外の器具(200)の長さ)に比例し得る。エンドエフェクタ(204)で測定される動作、力、加速度等は、組織効果に直接関連し得る。ハンドルアセンブリ(202)内に位置するセンサは、エンドエフェクタ(204)と組織の境界面で何が起こっているのかを正確に表すために、旋回軸−支点の関係を反映するよう構成される必要があり得る。患者の体内のトロカール又は他のアクセスポートを介しての器具(200)の使用を説明するためのこの方法及び他の好適な方法は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかになろう。
【0046】
V.その他
上記の例は、超音波器具形態の外科用器具(10)に関するが、本明細書の教示が、開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年12月31日に発行された「Electrosurgical Systems and Techniques for Sealing Tissue」と題する米国特許第6,500,176号、開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年9月26日に発行された「Electrosurgical Instrument and Method of Use」と題する米国特許第7,112,201号、開示が参照により本明細書に組み込まれる、2006年10月24日に発行された「Electrosurgical Working End for Controlled Energy Delivery」と題する米国特許第7,125,409号、開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年1月30日に発行された「Electrosurgical Probe and Method of Use」と題する米国特許第7,169,146号、開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年3月6日に発行された「Electrosurgical Jaw Structure for Controlled Energy Delivery」と題する米国特許第7,186,253号、開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年3月13日に発行された「Electrosurgical Instrument」と題する米国特許第7,189,233号、開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月18日に発行された「Polymer Compositions Exhibiting a PTC Property and Methods of Fabrication」と題する米国特許第7,309,849号、開示が参照により本明細書に組み込まれる、2007年12月25日に発行された「Electrosurgical Instrument and Method of Use」と題する米国特許第7,311,709号、開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年4月8日に発行された「Electrosurgical Instrument and Method of Use」と題する米国特許第7,354,440号、開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年6月3日に発行された「Electrosurgical Instrument」と題する米国特許第7,381,209号、開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年4月14日に発行された「Surgical Instrument Comprising First and Second Drive Systems Actuatable by a Common Trigger Mechanism」と題する米国特許公開第2011/0087218号、及びその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年6月2日出願の「Motor Driven Electrosurgical Device with Mechanical and Electrical Feedback」と題する米国特許出願第13/151,181号に教示されているものが挙げられるが、これらに限定されない、様々な種類の電気外科器具に容易に適用が可能であることを理解すべきである。
【0047】
更に、本明細書の教示は、種々の型の電動切断及びステープリング器具に容易に適用することが可能であり、種々の型の電動切断及びステープリング器具としては、限定されないが、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2008年8月26発行済みの「Motor−Driven Surgical Cutting and Fastening Instrument with Loading Force Feedback」と題する米国特許第7,416,101号、2009年8月20に発行された「Motorized Cutting and Fastening Instrument Having Control Circuit for Optimizing Battery Usage」と題する米国特許公開第2009/0209979号、並びにその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2011年6月2日出願の「Motor Driven Electrosurgical Device with Mechanical and Electrical Feedback」と題する米国特許出願第13/151,181号に教示されているものが挙げられる。本願の教示が適用される様々な他の種類の装置が当業者には明らかとなるであろう。
【0048】
本明細書に参照により援用するものとするすべての特許、刊行物、又は他の開示物は、その全体又は一部において、援用文献が既存の定義、見解、又は本開示に記載される他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲で本明細書に援用するものである点は認識されるべきである。このように、また必要な範囲で、本明細書に明確に記載される開示は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する内容に優先するものとする。本明細書に参照により援用するものとされているが既存の定義、見解、又は本明細書に記載された他の開示内容と矛盾するすべての内容、又はそれらの部分は、援用された内容と既存の開示内容との間にあくまで矛盾が生じない範囲でのみ援用するものとする。
【0049】
本発明の形態は、従来の内視鏡的手術及び開腹手術の機器、並びにロボット支援手術に用途を有する。例示的なロボット支援手術システムは、2004年8月31日に公開された「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題する米国特許第6,783,524号に開示されており、この開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0050】
本明細書で開示した装置の変型は、1回の使用後に処分するように設計されることもでき、又はそれらの形態は、複数回使用するように設計することもできる。諸変型は、いずれの場合も、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整することができる。このような再調整には、装置の分解、それに続く特定の部品の洗浄及び交換、並びにその後の再組み立ての各工程の任意の組み合わせが含まれる。特に、装置の変型は分解されてもよく、また、装置の任意の個数の特定の部分又は部品が、任意の組み合わせで選択的に交換されるか、あるいは取り外されてもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、装置の変型は、再調整用の施設で、又は外科的処置の直前に外科チームによってのいずれかで、その後の使用のために再組み立てされてよい。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を使用できる点は理解されるであろう。このような技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は、全て、本出願の範囲内にある。
【0051】
単に例として、本明細書で述べた各変型は手術に先立って処理することができる。最初に、新品又は使用済みの器具を入手し、必要に応じて洗浄することができる。次いで器具を滅菌することができる。1つの滅菌法では、プラスチック又はTYVEKバッグなどの閉鎖かつ密封された容器に器具を入れる。次いで、容器及び器具を、γ線、X線、又は高エネルギー電子のような容器を貫通する放射線場に置くことができる。放射線は、器具の表面上及び容器内部の細菌を死滅させることができる。次いで、滅菌した器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、医療施設で開けられるまで器具を滅菌状態に保つことができる。装置はまた、これらに限定されるものではないが、ベータ線若しくはガンマ線、エチレンオキシド、又は水蒸気を含む、当該技術分野では周知の任意の他の技術を使用して滅菌することもできる。
【0052】
本発明において様々な変型について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる改作が、当業者による適切な修正により、本発明の範囲から逸脱することなく達成され得る。そのような可能な改変の幾つかについて述べたが、その他の改変も当業者には明らかであろう。例えば、上記に論じた実施例、変型、幾何学的形状、材料、寸法、比率、工程などは、例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲において考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示、説明した構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0053】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
(a)外科的処置で使用されるために構成されたエンドエフェクタであり、手術部位にエネルギーを送達するよう構成され、少なくとも1つのセンサを備え、前記少なくとも1つのセンサが、前記手術部位に関する少なくとも1つの物理的特性を測定するよう構成されている、エンドエフェクタと、
(b)前記エンドエフェクタと通信している本体アセンブリと、
(c)前記本体アセンブリと通信している電源であり、前記エンドエフェクタに電力を送達するよう操作可能である、電源と、
(d)前記少なくとも1つのセンサと通信している制御モジュールであり、組織密度における変化を示すセンサからのデータに基づいて、前記エンドエフェクタへの電力の送達を変更するよう操作可能である、制御モジュールと、を含む装置。
(2) 前記少なくとも1つのセンサが、音の送信、受信、又は測定の1つ又は2つ以上を実行することができるマイクロフォンを備える、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記エンドエフェクタが、超音波ブレードを備え、前記マイクロフォンが、活性化状態の前記超音波ブレードの独特のモードカップリングに関連する超音波振動、聴覚性振動、又は超低周波振動を感知するよう構成されている、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記少なくとも1つのセンサが、インピーダンスセンサを備える、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記インピーダンスセンサが、組織に関連する電気インピーダンスを感知するよう構成されている、実施態様4に記載の装置。
【0054】
(6) 前記エンドエフェクタが、前記エンドエフェクタによって係合された組織の前記密度に基づいて、異なる音響信号を発生するよう操作可能である、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記制御モジュールと通信している可聴フィードバックデバイスを更に備える、実施態様1に記載の装置。
(8) 前記制御モジュールと通信している触覚フィードバックデバイスを更に備える、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記少なくとも1つのセンサが、加速度計を備える、実施態様1に記載の装置。
(10) 前記制御モジュールが、前記少なくとも1つのセンサによって検出された変化を前記ユーザに通知するよう構成されている、実施態様1に記載の装置。
【0055】
(11) 前記少なくとも1つのセンサが、種々の物理的属性を監視するよう構成された複数のセンサを備える、実施態様1に記載の装置。
(12) 前記制御モジュールが、少なくとも1つの所定の閾値パラメータを有するようプログラム可能である、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記制御モジュールが、インピーダンス及び力の同時監視を実行するよう構成されている、実施態様1に記載の装置。
(14) 前記制御モジュールが、組織密度における増加を示す前記センサからのデータに応じて、前記エンドエフェクタに対する電力を増加させるよう構成されている、実施態様1に記載の装置。
(15) 音響動力伝達系路を更に備え、前記エンドエフェクタが、前記音響動力伝達系路と通信している超音波ブレードを備え、前記センサが、前記音響動力伝達系路に関連する共振周波数を感知するよう操作可能であり、前記制御モジュールが、前記センサによって検出された前記共振周波数におけるシフトを検出するよう操作可能である、実施態様1に記載の装置。
【0056】
(16) エンドエフェクタ、少なくとも1つのセンサ、及び演算モジュールを有する外科用デバイスを使用して、組織密度における変化を検出する方法であって、
(a)前記外科用デバイスをオン状態にすることと、
(b)前記外科用デバイスが配置されている手術部位の少なくとも1つの物理的特性を監視することと、
(c)前記監視された物理的特性が、閾値を超えるかどうかを判定することと、
(d)前記閾値を超える前記監視された物理的特性に応じて、電力又は外科的技術の一方又は双方を調整することと、を含む方法。
(17) 前記少なくとも1つの物理的特性を監視する動作が、音響信号を監視することを含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記監視された物理的特性が閾値を超える場合、前記ユーザに通知することを更に含む、実施態様16に記載の方法。
(19) 前記調整する動作が、前記監視された物理的特性が閾値を超える場合、前記エンドエフェクタに対する電流出力を変更することを含む、実施態様16に記載の方法。
(20) 演算モジュール、エンドエフェクタ、及び電源を備える外科用器具を使用して、組織密度における変化を検出する方法であって、
(a)前記外科用器具によって検出可能な物理的特性の初期値を決定することと、
(b)前記外科用器具を使用することと、
(c)前記外科用器具で前記物理的特性の変化率を監視することと、
(d)前記変化率が所定の値を超えて外れているかどうかを判定することと、を含む方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10