特許第6271569号(P6271569)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6271569
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】燃料電池コンポーネント
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/2465 20160101AFI20180122BHJP
   H01M 8/2404 20160101ALI20180122BHJP
   H01M 8/02 20160101ALI20180122BHJP
【FI】
   H01M8/2465
   H01M8/2404
   H01M8/02
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-540218(P2015-540218)
(86)(22)【出願日】2013年11月6日
(65)【公表番号】特表2015-533450(P2015-533450A)
(43)【公表日】2015年11月24日
(86)【国際出願番号】GB2013052906
(87)【国際公開番号】WO2014072705
(87)【国際公開日】20140515
【審査請求日】2016年10月17日
(31)【優先権主張番号】1220036.6
(32)【優先日】2012年11月7日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】504175659
【氏名又は名称】インテリジェント エナジー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】INTELLIGENT ENERGY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィルソン,アントニー・リチャード
【審査官】 渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−134248(JP,A)
【文献】 特開2009−187758(JP,A)
【文献】 特開2005−183182(JP,A)
【文献】 特開2003−331860(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/2465
H01M 8/02
H01M 8/2404
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池コンポーネントのストリップであって、
前記ストリップが平坦に配置されるときに同じ方向を向く第1の表面を各々備え、第1の方向に離間する複数の燃料電池コンポーネントと、
前記複数の燃料電池コンポーネントに接続された支持構造体であって、折り畳まれたときに前記複数の燃料電池コンポーネントの前記第1の表面が同じ方向に向くように前記支持構造体が折り畳み可能になるように、隣接する燃料電池コンポーネントの間に2つの横方向折り畳み領域を備える、支持構造体と、を備え、前記支持構造体が、前記複数の燃料電池コンポーネントに解放可能または切り離し可能に接続される、燃料電池コンポーネントのストリップ。
【請求項2】
前記燃料電池コンポーネントが実質的に平面である、請求項1に記載の燃料電池コンポーネントのストリップ。
【請求項3】
前記複数の燃料電池コンポーネントが、複数の燃料電池アセンブリと、複数の間隔コンポーネントまたはボイドと、を備え、1つの間隔コンポーネントまたはボイドが隣接する燃料電池アセンブリの間に設けられる、請求項1または請求項2のいずれかに記載の燃料電池コンポーネントのストリップ。
【請求項4】
前記複数の燃料電池コンポーネントが、複数の燃料電池アセンブリと、隣接する燃料電池アセンブリの間に2つの横方向折り畳み領域を備える前記支持構造体と、を備える、請求項3に記載の燃料電池コンポーネントのストリップ。
【請求項5】
前記複数の燃料電池コンポーネントが各々、前記第1の表面に対向する第2の表面を備え、前記ストリップが折り畳まれたときに、燃料電池コンポーネントの前記第1の表面が隣接する燃料電池コンポーネントの前記第2の表面に向い合うように、前記支持構造体が折り畳み可能である、請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池コンポーネントのストリップ。
【請求項6】
前記支持構造体が、前記複数の燃料電池コンポーネントの両側に接続される、請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池コンポーネントのストリップ。
【請求項7】
前記支持構造体が、前記複数の燃料電池コンポーネントの片側のみに接続される、請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池コンポーネントのストリップ。
【請求項8】
前記支持構造体が、それが接続される燃料電池コンポーネントへの電気接続を備える、請求項1〜7のいずれかに記載の燃料電池コンポーネントのストリップ。
【請求項9】
前記支持構造体が、インデックス構造体を備える、請求項1〜8のいずれかに記載の燃料電池コンポーネントのストリップ。
【請求項10】
前記複数の燃料電池コンポーネントが、第1のエンドプレートと、複数の燃料電池アセンブリと、第2のエンドプレートと、を、前記第1の方向に延在するこの順序で備える、請求項1〜9のいずれかに記載の燃料電池コンポーネントのストリップ。
【請求項11】
前記第1のエンドプレートの前記第1の表面が燃料電池スタックの外面であり、前記第2のエンドプレートの前記第1の表面が燃料電池スタックの内面である、請求項10に記載の燃料電池コンポーネントのストリップ。
【請求項12】
前記支持構造体が、前記第1のエンドプレートと前記複数の燃料電池アセンブリとの間に折り畳み領域を1つのみ備え、および/または
前記支持構造体が、前記第2のエンドプレートと前記複数の燃料電池アセンブリとの間に折り畳み領域を1つのみ備える、請求項10に記載の燃料電池コンポーネントのストリップ。
【請求項13】
燃料電池スタックを組み立てる方法であって、
複数の燃料電池コンポーネントを構築位置に位置付けて燃料電池スタックを形成するために、請求項1〜12のいずれかに記載の燃料電池コンポーネントのストリップを折り畳むことを含む、方法。
【請求項14】
前記構築位置の前記複数の燃料電池コンポーネントから支持構造体の少なくとも一部を除去することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記構築位置の前記複数の燃料電池コンポーネントから前記支持構造体の少なくとも一部を除去することが、前記複数の燃料電池コンポーネントに接続された電気接続を備える前記支持構造体の一部を残すことを含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池の分野に、特に燃料電池コンポーネントおよび燃料電池スタックの組み立て方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池のための、つまり、アノードまたはカソードプレートの形式における、電極またはセパレータプレートは、あらゆる汚染を避けるまたは除去するために、厳しい要件を満たす必要があり、典型的には、該プレートを燃料電池スタックへと組み立てることができるようにする前に、一連の異なる処理ステップを必要とする。様々な種類のコーティングおよび他の表面処理が必要とされ得る。燃料電池部品の大量生産が、多数のかかるプレートの迅速で連続した操作を必要とするということを考慮すると、正確で経済的かつ再現可能な、燃料電池の調製物およびアセンブリが必要とされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の第1の態様に従い、燃料電池コンポーネントのストリップであって、
第1の表面を備える、第1の方向に離間する複数の燃料電池コンポーネントと、
該複数の燃料電池コンポーネントに接続された支持構造体であって、折り畳まれたときに該複数の燃料電池コンポーネントの該第1の表面が同じ方向に向くように該支持構造体が折り畳み可能になるように、隣接する燃料電池コンポーネントの間に2つの横方向折り畳み領域を備える、支持構造体と、を備え、
該支持構造体が、該複数の燃料電池コンポーネントに解放可能または切り離し可能に接続される、燃料電池コンポーネントのストリップが提供される。
【0004】
該複数の燃料電池コンポーネントの各々は、共通の第1の表面を備えると考えられ得る。該複数の燃料電池コンポーネントの該第1の表面は、該ストリップの第1の表面上にあり得る。
【0005】
隣接する燃料電池コンポーネントの間の該支持構造体の該2つの横方向折り畳み領域は、該複数の隣接する燃料電池コンポーネントの該第1の表面が、折り畳まれたときに同じ方向に向くことを確実にし得る。
【0006】
折り畳まれたときに全ての電池が同じ方向に向くことを可能にする、支持構造体の提供により、燃料電池の製造方法の簡素化を提供する。スタック内の個々の燃料電池コンポーネントの別個の位置付けは、避けることができる。
【0007】
該燃料電池コンポーネントは、ガス拡散層または膜電極アセンブリのうちの1つ以上を備え得る。
【0008】
該支持はより安い犠牲材料を使用して生産でき、該燃料電池と同じ材料から製造する必要がないため、解放可能または切り離し可能な支持材料の提供は、より効率的な製造方法を可能にする。
【0009】
該燃料電池コンポーネントは実質的に平面であってよい。
該複数の燃料電池コンポーネントは、複数の燃料電池アセンブリおよび複数の間隔コンポーネントを含み得る。間隔コンポーネントは、隣接する燃料電池コンポーネントの間に設け得る。あるいは、該複数の燃料電池コンポーネントは、複数の燃料電池アセンブリおよび複数のボイドを備え得る。ボイドは、隣接する燃料電池コンポーネントの間に提供され得る。該間隔コンポーネント、ボイド、および燃料電池アセンブリは、該第1の方向に類似する長さであり得る。
【0010】
複数の燃料電池コンポーネントは、複数の燃料電池アセンブリを備え得る。該支持構造体は、隣接する燃料電池アセンブリの間に2つの横方向折り畳み領域を備え得る。
【0011】
該複数の燃料電池コンポーネントは各々、該第1の表面に対向する第2の表面を備え得る。該ストリップが折り畳まれたときに燃料電池コンポーネントの第1の表面が隣接する燃料電池コンポーネントの第2の表面に向い合うように、該支持構造体は、折り畳み可能であり得る。
【0012】
該支持構造体は、該複数の燃料電池コンポーネントの両側に接続し得る。あるいは、該支持構造体は、該複数の燃料電池コンポーネントの片側のみに接続し得る。
【0013】
該支持構造体は、接続する燃料電池コンポーネントへの電気接続を備え得る。該支持構造体は、インデックス構造体を備え得る。
【0014】
該複数の燃料電池コンポーネントは、第1のエンドプレートと、複数の燃料電池アセンブリと、第2のエンドプレートとを、第1の方向に延在するこの順序で備え得る。
【0015】
該第1のエンドプレートの該第1の表面は、燃料電池スタックの外面であり得る。該第2のエンドプレートの該第1の表面は、燃料電池スタックの内面であり得る。該第1のエンドプレートの該第2の表面は、燃料電池スタックの内面であり得る。該第2のエンドプレートの該第2の表面は、燃料電池スタックの外面であり得る。
【0016】
該支持構造体は、該第1のエンドプレートと該複数の燃料電池アセンブリとの間に折り畳み領域を1つのみ備え得る。該支持構造体は、該第2のエンドプレートと該複数の燃料電池アセンブリとの間に折り畳み領域を1つのみ備え得る。
【0017】
燃料電池コンポーネントのストリップを形成するように構成されたデバイスが提供され得る。
【0018】
本発明のさらなる態様に従い、燃料電池スタックを組み立てる方法であって、
複数の燃料電池コンポーネントを構築位置に位置付けて燃料電池スタックを形成するために、前述の請求項のいずれかに従う燃料電池コンポーネントのストリップを折り畳むことを含む、方法が提供される。
【0019】
該方法は、該構築位置における該複数の燃料電池コンポーネントから支持構造体の少なくとも一部を除去することをさらに含み得る。構築位置にて該複数の燃料電池コンポーネントから該支持構造体の少なくとも一部を除去することは、該複数の燃料電池コンポーネントに接続する電気接続を含む、支持構造体の一部を残すことを含み得る。
【0020】
別の燃料電池コンポーネントのストリップも開示される。燃料電池コンポーネントのストリップは、
第1の表面を備える、第1の方向に離間する複数の燃料電池コンポーネントと、
該複数の燃料電池コンポーネントに接続する支持構造体であって、折り畳まれたときに該複数の燃料電池コンポーネントの該第1の表面が同じ方向に向くように、該支持構造体が折り畳み可能になるように、隣接する燃料電池コンポーネントの間に2つの横方向折り畳み領域を備える、支持構造体と、を備える。
【0021】
別の燃料電池コンポーネントのストリップも開示される。燃料電池コンポーネントのストリップは、
第1の方向に離間する複数の燃料電池コンポーネントと、
該複数の燃料電池コンポーネントに接続されるインデックス構造体であって該第1の方向に該複数の燃料電池コンポーネントのうちの1つの位置を画定するように構成された、インデックス構造体と、を備え、
該インデックス構造体は該複数の燃料電池コンポーネントとは異なる材料を含む。
【0022】
該インデックス構造体は、燃料電池スタック内での構築点での燃料電池コンポーネントの位置付けを、より容易に、より再現可能に、またはより信頼可能に実行することを可能にすることができる。インデックス構造体の提供は、キャリア上に保持された燃料電池サブコンポーネントの、燃料電池プレートへの移送を、より容易に、より再現可能に、またはより信頼可能に実行することも可能にする。インデックス材料を燃料電池プレートと同じ典型的に高価な材料で製造する必要がないため、異なる材料のインデックス構造体の提供は、燃料電池スタックをより安価に生産することを可能にする。
【0023】
インデックス構造体は、複数の燃料電池コンポーネントに解放可能または切り離し可能に接続され得る。インデックス構造体の解放可能または切り離し可能な接続は、異なる材料のインデックス構造体を燃料電池プレートに提供することを補助することができる。
【0024】
複数の燃料電池コンポーネントは、複数の燃料電池アセンブリを備え得る。燃料電池アセンブリは燃料電池プレートを備え得る。複数の燃料電池コンポーネントは、第1のエンドプレートと、複数の燃料電池アセンブリと、第2のエンドプレートとを、第1の方向に延在するこの順序で備え得る。インデックス材料上にエンドプレートを提供することは、燃料電池スタックの組み立てプロセスをさらに容易にすることができる。
【0025】
インデックス構造体は、インデクサと係合して複数の燃料電池コンポーネントのうちの1つの位置を画定するために複数のくぼみまたは穴を備え得る。
【0026】
インデックス構造体は、少なくとも1回のスポット溶接によって、複数の燃料電池コンポーネントに接続され得る。
【0027】
インデックス構造体は、隣接する燃料電池コンポーネントの間に、横方向折り畳み領域を備え得る。
【0028】
インデックス構造体は、互いから絶縁された複数の導電性トラックを備え得る。
本発明のさらなる態様に従い、上記で定義の燃料電池コンポーネントの折り畳まれたストリップを備える、燃料電池スタックがある。
【0029】
燃料電池スタックを組み立てる方法であって、
前述の請求項のいずれかに記載の燃料電池コンポーネントの前記ストリップをインデックスして、燃料電池コンポーネントを構築位置に位置付けることを含む、方法も開示される。
【0030】
該方法は、構築位置における燃料電池コンポーネントからインデックス構造体を除去することをさらに含み得る。
【0031】
インデックス構造体は、隣接する燃料電池コンポーネントの間に、横方向折り畳み領域を備え得る。該方法は、横方向折り畳み領域でインデックス構造体を折り畳んで、複数の燃料電池コンポーネントを構築位置に位置付けることをさらに含み得る。
【0032】
燃料電池スタックを組み立てる方法であって、
部分的燃料電池コンポーネントの第1のストリップを、部分的燃料電池コンポーネントの第2のストリップの上に位置付けることと、
燃料電池スタックを組み立てるために、部分的燃料電池コンポーネントの第1および第2のストリップを一緒に扇式に折り畳むことと、を含む方法も開示される。
【0033】
スタック内の個々の燃料電池コンポーネントの別個の位置付けを避けることができるため、かかる方法は、燃料電池スタックを組み立てる簡素かつ便利な方法を提供する。
【0034】
部分的燃料電池コンポーネントの第1および第2のストリップを一緒に扇式に折り畳むことは、完全燃料電池を画定するために、該第1のストリップの第1の領域内にある部分的燃料電池コンポーネントを、該第2のストリップの対応する領域内にある部分的燃料電池コンポーネントに隣接して位置付けることを含み得る。このように、個々の燃料電池は、燃料電池スタック内で、信頼可能におよび一貫して構成することができる。
【0035】
該部分的燃料電池コンポーネントのストリップのうちの1つまたは両方は、支持構造体を備え得る。かかる支持構造体は、隣接する部分的燃料電池コンポーネントの間に、2つの横方向折り畳み領域を有し得る。間隔要素は、隣接する部分的燃料電池コンポーネントの間にある2つの横方向折り畳み領域の間に位置付けられ得る。該部分的燃料電池コンポーネントの第1および第2のストリップを一緒に扇式に折り畳むステップは、該第1のストリップおよび該第2のストリップの部分的燃料電池コンポーネントを、該間隔要素を介して互いに接触させることを含み得る。該第1のストリップ内の部分的燃料電池コンポーネントが、折り畳まれたときに両側で、該第2のストリップ内の部分的燃料電池コンポーネントに隣接できるため、および逆もまた同じであるため、かかる間隔要素の提供により、簡素化した組み立て方法を提供できる。
【0036】
燃料電池スタックであって、
部分的燃料電池コンポーネントの第1のストリップと、
部分的燃料電池コンポーネントの第2のストリップと、を備え、
該燃料電池スタックを画定するために、部分的燃料電池コンポーネントの第1および第2のストリップが、扇式折り畳み配向で一方が他方の上に位置付けられる、燃料電池スタックも開示される。
【0037】
完全燃料電池を画定するために、該第1のストリップの第1の領域内にある部分的燃料電池コンポーネントは、該第2のストリップの対応する領域内にある部分的燃料電池コンポーネントに隣接して位置付けられ得る。
【0038】
部分的燃料電池コンポーネントの該第1のストリップは、該部分的燃料電池コンポーネントに接続する支持構造体を備え得る。追加的にまたは代替的に、部分的燃料電池コンポーネントの該第2のストリップは、該部分的燃料電池コンポーネントに接続する支持構造体を備え得る。
【0039】
該支持構造体のうちの1つまたは両方は、隣接する部分的燃料電池コンポーネントの間に2つの横方向折り畳み領域を備え得る。隣接する部分的燃料電池コンポーネントの間にある、2つの横方向折り畳み領域の間に、間隔要素が位置付けられ得る。間隔要素は、該ストリップの厚さを介してコンポーネントが互いに接触することを可能にするように構成された、オープニングを有し得る。このように、該間隔要素が、該第1のストリップ内の部分的燃料電池コンポーネントが、折り畳まれたときに、両側で、該第2のストリップ内の部分的燃料電池コンポーネントに隣接することを確実にし得、および逆もまた同じであるため、該ストリップ上のコンポーネントの簡素化した配置を使用することができる。
【0040】
例えば、該第1のストリップ内の該部分的燃料コンポーネントの片側は、該第2のストリップに直接隣接することができ、該第1のストリップ内の該部分的燃料コンポーネントの反対側は、該間隔要素内の該オープニングを介して、該第2のストリップに露呈し得る。
【0041】
部分的燃料電池コンポーネントの該第1および/または第2のストリップは、該スタックの外部から、該燃料電池スタック内の該燃料電池のうちの1つ以上に電気接続を提供するための、1つまたは複数の導電性トラックを備え得る。該導電性トラックは、本明細書に開示の任意の支持構造体に関連付けられ得る。該導電性トラックまたはトラック(複数)は、該ストリップの該長さに沿った方向に延在し得る。該複数の導電性トラックは各々、一方の端に外部接続のためのノードを有し得、他方の端で燃料電池に接続し得る。異なる導電性トラックは、該燃料電池スタック内の異なる燃料電池に接続され得、関連ノードによって個々にアドレス可能であり得る。複数のノードは、該ストリップの同じ端に、任意に、外部コネクタフレーム上に位置付けられ得る。
【0042】
該第1のストリップおよび該第2のストリップの該部分的燃料電池コンポーネントは、一緒に、第1の電極;膜、第2の電極、カソードガス拡散層(集合的に4層膜電極アセンブリと称されることがある)、インデックス構造体(第1のインデックス構造体および第2のインデックス構造体を備え得る)、シム、ガスケット、アノードガス拡散層、およびバイポーラープレートのうちの1つ以上を備え得る。
【0043】
該第1のストリップの該部分的燃料電池コンポーネントは、第1の電極;膜、第2の電極、カソードガス拡散層(集合的に4層膜電極アセンブリと称されることがある)、第1のインデックス構造体、および第2のインデックス構造体のうちの1つ以上を備え得る。該第2のストリップの該部分的燃料電池コンポーネントは、シム、ガスケット、アノードガス拡散層、およびバイポーラープレートのうちの1つ以上を備え得る。
【0044】
該第2のストリップは、一方の端に集電板を、および他方の端に外部コネクタフレームを備え得る。該集電板に電気接続されるノードは、該外部コネクタフレーム上に提供され得る。該ノードは、該燃料電池スタックへの外部接続のためであり得る。
【図面の簡単な説明】
【0045】
本発明の実施形態は、添付の図を参照し、より良好に理解され得る。
図1a】燃料電池の製造のためのプロセスを示す。
図1b】燃料電池の製造のためのプロセスを示す。
図2】複数の燃料電池を備えるストリップの模式図を示す。
図3】折り畳まれたストリップの3つの側面模式図を示す。
図4a】ストリップおよびキャリアの模式図を示す。
図4b】ストリップおよびキャリアの模式図を示す。
図5a】ストリップおよびケースの模式図を示す。
図5b】ストリップおよびケースの模式図を示す。
図6】燃料電池生産ラインの一部の模式図を示す。
図7】燃料電池スタックを組み立てる方法を示す。
図8】燃料電池スタックを組み立てる別の方法を示す。
図9】燃料電池スタックを組み立てるさらなる方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1aおよび1bは、燃料電池を製造するプロセス100を模式的に示す。図1は、支持構造体の提供が、燃料電池スタックを、該ストリップが折り畳まれたときに、燃料電池がスタックを形成するように同じ方向に整列する燃料電池のストリップから構成することを、どのように可能にするかを説明するために使用される。
【0047】
図1は、多数の占有フレーム102、108、112、116、120、124に分解される。該占有フレーム102、108、112、116、120、124は、燃料電池の形成のための連続的動作を示す。該占有フレーム102、108、112、116、120、124は、空フレーム103、109、113、117、121によって、互いから分離される。該空フレームは、図2との関連でさらに詳細に説明する。
【0048】
各々の占有フレーム102、108、112、116、120、124では、該燃料電池は、該電池が、該電池の平面において、左側縁105および右側縁107を有するように示される。明確性のために、図1の様々な占有フレーム102、108、112、116、120、124における、同等特徴は、それらが初めて取り上げられるフレームにおいてのみ標識される。
【0049】
第1のフレーム102では、バイポーラープレート104が示される。該バイポーラープレート104は、押圧プレートであり得る。該バイポーラープレート104は、実質的に平面である。該バイポーラープレート104は、その角の各々に隣接する溶接点106を有する。2つの溶接点106は、バイポーラープレート104の左側縁105上に位置付けられ、2つの溶接点106は、該バイポーラープレート104の右側縁107上に位置付けられる。該溶接点106は、スポット溶接技術を使用して、インデックストラック等の別個の支持構造体に溶接されるように構成される。あるいは、該支持構造体は、「溶接点」にクリップで取り付けられるように構成され得る。したがって、「溶接点」という用語は、追加の構造体と切り離し可能または除去可能に結合するように構成された任意の部位を包含するように、広く解釈されるべきである。「溶接点」は、「接続点」とも称されることがある。
【0050】
第2のフレーム108では、該バイポーラープレート104は、第1の方向に、バイポーラープレート104の左側縁105の長さに沿って走る左側インデックス構造体110aに、および、バイポーラープレート104の右側縁107の長さに沿って走る右側インデックス構造体110bに、溶接されている。該第1の方向は、該バイポーラープレート104の側縁105、107、および該インデックス構造体110a、110bの軸方向と、概して平行である。
【0051】
該左および右側インデックス構造体110a、110bは、複数の燃料電池を一緒に結合させるために使用され得る支持構造体の実施例である。該支持容量に加え、該インデックス構造体は、該燃料電池およびそれらのコンポーネントの整列を可能にするという、追加の利益を提供し得る。該左側インデックス構造体110aは、バイポーラープレート104の左側縁105上の溶接点106にて、該バイポーラープレート104に、切り離し可能または解放可能に、接続される。該右側インデックス構造体110bは、バイポーラープレート104の右側縁107上の溶接点にて、該バイポーラープレート104に、切り離し可能または解放可能に、接続される。
【0052】
該インデックス構造体110a、110bは、第1の方向に、複数の燃料電池コンポーネントのうちの1つの位置を画定するように構成される。該インデックス構造体は、燃料電池コンポーネントの位置を、より容易に、より再現可能に、および/またはより信頼可能に追跡する器具の製造を可能にし、よってコンポーネントの間の正確な間隔を維持できる。このように、インデックス構造体の提供は、燃料電池スタック内の個々のプレートの位置付けに関連する困難のいくつかを軽減することにより、燃料電池プレートの改良した自動化した操作を可能にする。
【0053】
インデックス構造体110a、110bは、複数の燃料電池コンポーネントのうちの1つの位置を画定するために、インデクサ(図中に図示せず)と係合するための、複数のくぼみまたは穴を備える。該製造器具は、インデックス構造体110a、110bの位置、およびバイポーラープレート104等の燃料電池コンポーネントの相対位置を特定するために、電子カメラおよび画像認識ソフトウェアを備え得る。かかる配置は、燃料電池または燃料電池スタックを製造するための、より安価、より迅速、および/または、より正確な、プロセスを提供し得る。
【0054】
図1に示す実施例では、インデックス構造体110a、110bは、該支持構造体を参照し、燃料電池コンポーネントの位置の自動化認識を提供するために使用され得る。したがって、該インデックス材料は、燃料電池の構成を簡素化するために、または燃料電池を構成する自動化技術の性能を改良するために、使用され得る。改良した燃料電池スタックの形成におけるインデックス構造体の使用は、図2を参照して以下でさらに説明する。
【0055】
インデックス構造体110a、110bは、バイポーラープレート104とは異なる種類の材料から形成できる。例えば、インデックス構造体110a、110bは、軟鋼またはポリエチレンナフタレート(PEN)から形成されてよい。インデックス構造体110a、110bを、バイポーラープレート104とは異なる種類の材料で提供することで、バイポーラープレート104の製造において使用される材料の経費を低減させることができる。確かに、余分なインデックス構造体110a、110bの追加の経費は、材料の適切な選択により、有意ではなくなり得る。インデックス構造体110a、110bは、伝導性特徴などの、緊縮度のより低い条件を有し得るため、バイポーラープレート104よりも経費のかからない材料から製造され得る。
【0056】
あるいは、いくつかの適用では、製造の複雑性をさらに低減するために、左および右側インデックス構造体110a、110bが互いに同じである、または少なくとも互いに同じ材料から製造されることが便利であり得る。
【0057】
第3のフレーム112では、バイポーラープレート104の先端の周囲に液状射出成形(LIM)シール114を適用するために、オーバーモールドプロセスが使用される。オーバーモールドプロセスは、ポリマーシール材料の望ましくない押出を回避しながら、ポリマーを、モールドのダイを超えて延在する金属基板に適用することを可能にする。
【0058】
第4のフレーム116では、サブガスケット118を形成するために、ダイカットプロセスが使用され、サブガスケット118をバイポーラープレート104に適用するために、積層技術が使用される。
【0059】
第5のフレーム120では、アノードガス拡散層122が、バイポーラープレート104の表面上のサブガスケット118内に配置され、積層技術を使用して定位置に結合される。溶接、結合、または接着剤等の保持手段の使用は、適切であり得る結合方法の例である。
【0060】
最後の第6のフレーム124では、4層燃料電池膜積層126が、該アノードガス拡散層およびサブガスケットの上に適用され、結合される。4層電池膜126は、以下の層:第1の電極、膜、第2の電極、およびカソードガス拡散層、を含む。第6のフレーム124に示されるサブコンポーネントの配置は、燃料電池と称される。かかる燃料電池は、燃料電池スタックを提供するために、他の燃料電池の上部に位置付けられ得る。
【0061】
以下の説明から、図1の第6のフレーム124に示される燃料電池は、2つ以上の部分的燃料電池コンポーネントのストリップによって提供され得るということが理解され得る。
【0062】
図2は、図1bの最後のフレームにおいて示されるものに類似する、3つの燃料電池202a、202b、202cを備えるストリップ200を示す。ストリップ200の3つの図、見下ろし図201図1の図に類似)、拡張側面図203、および折り畳まれた側面図205、が示される。
【0063】
見下ろし図201から、燃料電池202a、202b、202cは、全て、左側支持構造体210aおよび右側インデックス構造体210bに、切り離し可能に溶接されるということが分かる。該左および右側インデックス構造体210a、210bは、図1に示されるプロセスによって適用されるものに類似する。該インデックス構造体210a、210bは、支持構造体の例である。インデックス材料を含まない支持構造体が提供され得るということが理解され得る。
【0064】
該ストリップ200は、一連の占有および空フレームを備える。該占有フレームは各々、燃料電池202a、202b、202cを備える。燃料電池202a、202b、202cは、燃料電池コンポーネントからなる。燃料電池202a、202b、202cは、第1の方向に離間する。インデックス構造体210a、210bは、第1の方向に延在し、複数の燃料電池202a、202b、202cを接続する。該複数の燃料電池202a、202b、202cは、燃料電池202a、202b、202cのストリップが平坦に配置されるときに同じ方向に向く、第1の表面を備える。
【0065】
空フレーム204a、204bは、燃料電池202a、202b、202cを備えないが、インデックス構造体が、燃料電池202a、202b、202c、および空フレーム204a、204bを形成するボイドの、両方に隣接して、第1の方向に延在するため、インデックス構造体210a、210bを備えると考えられ得る。占有フレーム内の、インデックス構造体210a、210bの長さは、空フレーム204a、204b内のインデックス構造体210a、210bの長さに類似する。
【0066】
拡張側面図203では、燃料電池202a、202b、202cの各々のアノード側、および燃料電池202a、202b、202cの各々のカソード側は、燃料電池202a、202b、202cの各々の第1の表面206および第2の表面208上に見られ得る。本燃料電池の配置は、アノードおよびカソードガス拡散層の両方が、バイポーラープレートの単一側上に設けられる、図1に示される実施例とは異なる。本明細書に記載のプロセスおよびコンポーネントのストリップは、各々の個々の燃料電池がどのように構成されるかに関係なく実施され得るということが理解され得る。
【0067】
折り畳み線212は、見下ろし図201および拡張側面図203に見られるように、ストリップ200上に付加される。折り畳み線212は、占有および空フレームの交差点に位置付けられる。折り畳み線212は、隣接する燃料電池202a、202b、202cおよび空フレーム204a、204bの間の横方向折り畳み領域を表す。該インデックス構造体210a、210bは、隣接する燃料電池202a、202b、202cの間に2つの横方向折り畳み領域を備える。支持構造体210a、210bが隣接する燃料電池コンポーネント202a、202b、202cの間に2つの横方向折り畳み領域を備えるということは、ストリップ200が折り畳まれたときに複数の燃料電池コンポーネントの第1の表面が同じ方向に向くように、該支持構造体が折り畳み可能であるということを意味する。
【0068】
折り畳まれた側面図205では、ストリップ200は、電池のスタックを形成するように扇式に折り畳まれる。折り畳まれた側面図205から、燃料電池202a、202b、202cの間の空フレーム204a、204bの提供によって、インデックス構造体が折り畳まれたときに、複数の燃料電池202a、202b、202cの第1の表面206が、同じ方向に向くということが分かる。同様に、インデックス構造体が折り畳まれたときに、燃料電池202a、202b、202cの第2の表面208も同じ方向に向く。したがって、電池のアノードおよびカソード側の配向が全てのプレートについて同じであり、全てのプレートが容易に整列され得るため、スタックを形成するために、簡素化した構成方法が用いられ得る。
【0069】
いくつかの実施例では、燃料電池202は、支持またはインデックス構造体210a、210bの1つのみに接続される。つまり、電池202の片側のみが、支持またはインデックス構造体に接続されることがある。いくつかの実施例では、2つのインデックス構造体210a、210bの間の各々のフレームが燃料電池202を有するストリップが提供される。つまり、最初は空フレームが無い。該燃料電池のストリップは、その後、各々のストリップが支持構造体210a、210bのうちの1つ、および1つおきの燃料電池202を備える、2つのストリップに分離され得る。このように、該2つのストリップの各々は、他方のストリップの一部である、燃料電池202によって空けられたスペースに、1つおきの空フレームを有する。
【0070】
図3は、折り畳まれたストリップ300の3つの側面図を示す。扇式に折り畳まれた側面図301は、図2の折り畳まれた側面図205に示されるものと同じ配置を示す。第2の図303は、燃料電池スタックを形成する、圧縮下の折り畳まれたストリップを示す。第3の図305は、タイバー306で固定された燃料電池スタックを示す。
【0071】
第2の図303では、第1のエンドプレートアセンブリ302および第2のエンドプレートアセンブリ304が提供される。第1のエンドプレートアセンブリ302は、上部燃料電池の第1の表面と接触する。第2のエンドプレートアセンブリ304は、下部燃料電池の第2の表面と接触する。第2の図303に示される特徴に加え、燃料電池とエンドプレート302、304との間を分離し、電気絶縁を提供するために、材料の絶縁フレームが、ストリップ300の各々の端に提供され得る。絶縁フレームは、支持構造体によって提供され得る。つまり、支持構造体は、最終燃料電池スタック内に保持され得、ストリップ300とエンドプレート302、304との間に断熱層を形成するために、燃料電池のストリップ300の各々の端にて延在する。あるいは、断熱フレームは、シート上の溶接点にて支持構造体に接続されたナイロンシートによって提供され得る。
【0072】
第2の図303では、燃料電池の間のシールおよびガスケットが正確に機能するように、スタックの燃料電池の平面に垂直な方向に外部圧縮が適用される。
【0073】
第3の図305では、タイバー306が、圧縮においてスタックを固定するために使用されている。したがって、該外部圧縮力は、もはや必要でなくなる。燃料電池スタックの生産の本段階にて、インデックス構造体は除去され得る。あるいは、インデックス構造体は、圧縮の前またはその間に除去され得る。本除去は、例えば、燃料電池をインデックス構造体に結合する溶接を、溶かすまたは切断することによって、達成され得る。バイポーラープレートおよびインデックスストリップを結合する溶接を切り離すために、レーザートリミングプロセスが用いられ得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、インデックス材料のうちのいくつかまたは全てが、最終生成物において保持され、燃料電池から切り離されないことがある。図4および5において提供される実施例から明らかであるように、保持されたインデックス材料は、電池に追加の特徴を提供するために使用され得る。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態では、燃料電池の少なくともいくつかのサブコンポーネントを運ぶために、キャリアが用いられ得る。キャリアの使用で、複数の構造体を備える燃料電池の製造を簡素化することができる。キャリアおよびインデックス構造体の組み合わせは、さらに、自動化システムによりコンポーネント配置の再現可能性を改良し、生産速度の増加を可能にすることができる。
【0075】
図4aおよび4bは、燃料電池サブコンポーネントのストリップ400a、400b、およびキャリア401a、401bを示す。キャリア401a、401bは、ストリップ401a、401bが扇式に折り畳まれて燃料電池スタックを形成する前に、ストリップ400a、400bの上に配置される。このように、該燃料電池スタックは、燃料電池サブコンポーネントの厚さを通過する方向に、ストリップ400a、400bの領域、および、キャリア401a、401bの領域を1つおきに備える。
【0076】
燃料電池サブコンポーネントのストリップ400a、400bは、部分的燃料電池コンポーネントの第1のストリップの一実施例である。キャリア401a、401bは、部分的燃料電池コンポーネントの第2のストリップの一実施例である。以下の説明から、ストリップ400a、400b、およびキャリア401a、401bは、一方の上に位置付けられ得、その後、燃料電池スタックを組み立てるために一緒に扇式に折り畳まれ得るということが理解され得る。
【0077】
ストリップ400a、400b、およびキャリア401a、401bの、2つの図が示される。図4aに示される図では、4層膜電極アセンブリ402a(図1のものに類似)がキャリア401aとは別個に示される。さらに、図4aでは、アノードガス拡散層404aが、ストリップ400aとは別個に示される。図4bでは、4層膜電極アセンブリ402bは、キャリア401b上に積層され、アノードガス拡散層(GDL)404bは、ストリップ400b上に積層される。これらの詳細の他に、キャリア401a、401b、およびストリップ400a、400bの構造体は、図4aおよび4bにおいて類似する。キャリア401bおよびストリップ400bの特徴は、図4bを参照して以下により詳細に記載する。
【0078】
ストリップ400bは、複数の部分的燃料電池406を備え、各々の部分的燃料電池は、複数のサブコンポーネントを備え、本実施例では、シムおよびガスケット、アノードガス拡散層、ならびにバイポーラープレートを含む。部分的燃料電池406の構成は、図1の第5のフレームに示される燃料電池に類似する。
【0079】
間隔要素408は、隣接する部分的燃料電池406の間に設けられる。間隔要素408は、隣接する部分的燃料電池406の間にある2つの横方向折り畳み領域の間に位置付けられる。つまり、部分的燃料電池406および間隔要素408は、ストリップの長さに沿って1つおきである。各々の間隔要素408は、コンポーネントがストリップの厚さを通して互いに接続することを可能にする、オープニングを有する。このように、間隔要素408が、ストリップ400b内の各々の部分的燃料電池コンポーネントが、キャリア401b内の燃料電池コンポーネントに隣接することを確実にし得、その逆もまた同じであるため、ストリップ上のコンポーネントの簡素化した配置が使用され得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、間隔要素408は、部分的燃料電池406の間に隙間またはボイドを画定する。つまり、間隔要素408は、燃料電池のコンポーネントを含まないことがある。通気型燃料電池スタックのためのものを含む、他の実施形態では、間隔要素408は、カソードシムを第2のカソードガスケット(任意で接着剤と共に提供される)と共に備え得、燃料電池スタックを画定するためにストリップ400bが折り畳まれたときに、シールを形成する。つまり、間隔要素408は、燃料電池のコンポーネントを備え得、よって部分的燃料電池コンポーネントであると考えられ得る。
【0081】
間隔要素408は、部分的燃料電池406に類似する寸法を有し、該プレート/シム、およびガスケット400a、400b、インデックス構造体、または任意の燃料電池サブコンポーネントと同じ材料のシートから形成されてよい。間隔要素408および部分的燃料電池406の少なくとも一部が、間隔要素408および部分的燃料電池406の両方の一部を画定するために、形式上輪郭がとられる、連続的積層材料から製造されてよい。
【0082】
部分的燃料電池406の各々は、燃料電池406および間隔要素408の交差点における折り畳み線に沿って、隣接する間隔要素408に接続する。したがって、隣接する燃料電池コンポーネントの間に、2つの折り畳み線が設けられる。いくつかの実施例では、間隔要素は、それら自体に燃料電池コンポーネントを備えることができる。かかる実施例では、間隔要素および部分的燃料電池は、共通コンポーネントを備えない。したがって、共通コンポーネントは、ストリップの隣接するフレーム内に提供されない。
【0083】
該折り畳み線は、折り畳み領域407を通過すると考えられ得る。本実施例では、折り畳み領域407は、燃料電池406と間隔要素408との間の材料の大部分を切り取ることによって設けられる。折り畳み領域407の位置は、ストリップ400a、400b、またはキャリア401a、401b上に提供され得、該ストリップ400、400bの長さに沿った第1の方向に垂直に延在するインデックス材料(図示せず)を使用して位置付けられ得る。2つの結合部分409が、隣接する燃料電池406と間隔要素408との間に設けられる。結合部分409は、シムの機能を果たすと考えられ得る。
【0084】
あるいは、該折り畳み領域は、燃料電池406および間隔要素408を接合する、弱化材料の領域を含み得る。「リビングヒンジ」と称されることがある、かかる接合は、プレートのスタックに扇式折り畳みを受けさせるのに十分な、繰り返される折り畳みおよび展開ステップに耐えられるように設計され得る。弱化材料の線は、一連のミシン目によって提供され得る。
【0085】
キャリア401bは、4層膜電極アセンブリ402bと、該4層膜電極アセンブリ402bの第1の側の下に第1のインデックス構造体410と、該4層膜電極アセンブリ402bの第2の側の下に第2のインデックス構造体412とを備える。ストリップ400a、400bおよびキャリア401a、401bの片方または両方が、インデックス構造体を提供すると考えられ得るということが理解され得る。
【0086】
ストリップ400bの第1の領域内にある部分的燃料電池コンポーネントは、完全燃料電池を画定するために、キャリア401bの対応する領域内にある部分的燃料電池コンポーネントに隣接して位置付けられる。つまり、ストリップ400bがキャリア401bの隣に位置付けられ、扇式に折り畳まれてスタックを画定するときに、完全燃料電池が提供される。ストリップ400bの第1の領域は、隣接する折り畳み線の間のコンポーネント(例えば図4bの燃料電池406)であると考えられ得、または、折り畳み線の片側にあるコンポーネント(例えば図4bの燃料電池406および間隔要素408)であると考えられ得る。
【0087】
膜電極アセンブリ(MEA)402bは、キャリア材料上で定位置に固定され、ボイド414によって他のMEA402bから分離される。ボイド414は間隔要素の例である。キャリア401b内のボイド414は、必ずしもストリップ400b内の間隔要素408と整列しなくてもよいということが理解され得る。
【0088】
インデックス構造体410、412は各々、互いから絶縁された複数の導電性トラック416を備える。導電性トラック416は各々、電池のアノードまたはカソード側の一方と電気接触し、(i)電池性能の観察、または(ii)電流収集の提供、のいずれかを容易にする。導電性トラック416の各々は、インデックス構造体410、412のうちの1つのそれぞれの長さに沿って延在する。導電性トラック416は、燃料電池がスタックに組み立てられるときに、燃料電池から電流を取り除くために使用され得る。代替の実施形態では、燃料電池の1つ以上または全てが1つの伝導性トラックを共有し得るということが理解され得る。
【0089】
図5aおよび5bは、図4のストリップおよびキャリアの組み合わせによって形成された構造体に類似する、燃料電池ケース502a、502b、および燃料電池506のストリップ504を示す。図4のストリップおよびキャリアの特徴に加え、図5のストリップ504は、集電板514、外部コネクタフレーム520、および絶縁フレーム522を備える。本実施例では、該ケースの底部502aは第1のエンドプレートを備え、該ケースの上部502bは第2のエンドプレートを備える。
【0090】
燃料電池506のストリップ504の第1の断熱フレーム508は、ケース502aの底部内に配置される。燃料電池スタックは、燃料電池506、507のストリップ504を、燃料電池504および空フレーム512を分離する横方向折り畳み線510に沿って折り畳むことによって形成され得る。空フレーム512は、間隔要素の例である。横方向折り畳み線510は、空フレーム512の各々の先端に設けられる。燃料電池506、507が全て底部502a内に入ると、燃料電池スタックを完成させるために、ケース502bの蓋が、折り畳まれた燃料電池の上部上に配置され得る。
【0091】
図5のストリップ504は、図4に示されるストリップとは多数の点で異なる。例えば、集電板514がストリップ504の第1の断熱フレーム上に提供され、外部コネクタフレームがストリップ504の他方の端に設けられる。伝導性プレート514は、第1の断熱フレーム508によってケースの底部502a内に設けられる第1のエンドプレートから絶縁される。集電板514は、支持構造体518に沿って、ストリップ502の他方の端の外部コネクタフレーム520へと走る伝導性トラック516に結合される。燃料電池506は、電流モニタリングのために、類似する伝導性トラック516にも結合する。伝導性トラック516は、外部コネクタフレーム520上のノード518にて終了する。集電板514、伝導性トラック516、およびノード518は、銅等の材料を含んでよい。図5bから分かるように、スタックが構成されるときに、ノード518は外部接続のために露呈する。
【0092】
スタックの上部を形成し得るストリップ502の一部に最も近い燃料電池507は、上部燃料電池507と称され得る。該上部燃料電池507は、任意の間隔要素(空フレーム)512に隣接する。間隔要素512は、電気断熱材料を含む絶縁フレーム522に隣接する。絶縁フレーム522は、スタックが折り畳まれたときに、第2のエンドプレートを形成する蓋502bを、上部燃料電池507から分離する。該絶縁フレーム522は、端間隔要素513によって、外部コネクタフレーム520から分離する。しかしながら、端間隔要素513の機能は、残りの間隔要素512とは異なる。端間隔要素513の先端の横方向折り畳みは、各々隣接するフレーム520、522に対して90度折り畳まれる。端間隔要素513は、コネクタフレーム520をケース502bの上部内へ構築される第2のエンドプレートの外部上に位置付けることを可能にする。図5aに示される絶縁フレーム522の表面は、ストリップが折り畳まれたとき、コネクタフレーム520の表面と同じ方向に向かない。
【0093】
図5bは、図5aに見られるストリップ504の扇式に折り畳まれた図を示す。スタックを通る方向での距離は明確性のために誇張される。隣接する燃料電池506と空フレーム512のキャリア部分との間の角度は、ストリップ504が折り畳まれたときに180度(燃料電池の厚さが幅に比較して小さくなる)に近づく。
【0094】
圧力パッド524は、伝導性ノード518が設けられる表面に対向する、コネクタフレーム520の表面上に提供され得る。圧力パッド524は、ケースの上部502bにおいても受けられる第2のエンドプレートと、コネクタフレーム520との間に、圧力吸収層を提供し得る。圧力パッド524の提供は、圧縮力526が燃料電池スタックに適用されたときにスタックへの損傷を防止し得、適合性を提供し導電性表面の間の接触を最大化または増加させることができる。圧縮力526は、スタック内の様々な電池電池506、507の電池およびガスケットを、圧縮を介して係合および密閉すること、ならびに、当業者に公知のように最終スタックアセンブリを可能にすることを必要とされる。
【0095】
図6は、燃料電池スタック602の生産ライン600の一部を示す。生産ライン600は、コンベヤベルト604を備える。
【0096】
コンベヤベルト604は、燃料電池サブコンポーネントとして複数の燃料電池と関連する、支持構造体606上のインデックスと相互作用するように構成されたインデクサ(図示せず)を有し得る。支持構造体606は、多数のフレームを含む。本実施例の生産ラインは、下部適用機構608及び上部適用機構610をさらに備える。下部適用機構608は、マニホールドシール等の構造体を、コンベヤベルト604上に位置する支持構造体606の下側に適用するように構成される。上部適用機構610は、支持構造体606のフレームにおいて完全燃料電池612を形成するために、燃料電池サブコンポーネントを支持構造体606の上部上に配置することができる。いくつかの実施例では、1つの適用機構のみが必要とされ得るということが理解され得る。生産ライン600および前述の燃料電池コンポーネントのストリップの特徴の組み合わせは、燃料電池スタックを構築するために必要とされる物理的空間を低減し、有意な量の自動化の提供を可能にし、燃料電池スタックの構成の再現可能性および正確性を改良することができる。
【0097】
コンベヤベルト604は、適用機構608、610によって形成された燃料電池612をケース614内に堆積させることができる。燃料電池612は、燃料電池の各々の第1の表面が適切に整列するように、ケース614内で自己整列のプロセスにより整列し得る。スタック内の燃料電池の各々の第1の表面は、ストリップにおいて平坦に配置されたときの、燃料電池の同一の第1の表面と同じ方向に向くことができる。
【0098】
本明細書に記載の実施形態のあらゆる特徴は、そうすることが実用的である場合、任意の他の実施形態の特徴または特徴(複数)と組み合わされてよいということが理解され得る。例えば、図6の生産ラインは、図5に示される2つのように、複数の部分的燃料電池コンポーネントのストリップを用いて使用され得る。
【0099】
図7は、燃料電池スタックを組み立てる方法を示す。該方法は、燃料電池コンポーネントのストリップを折り畳んで、複数の燃料電池コンポーネントを構築位置に位置付ける第1のステップ701を含む。該方法は、構築位置にて、支持構造体の少なくとも一部を、複数の燃料電池コンポーネントから除去する、任意の第2のステップ702も含む。構築位置にて複数の燃料電池コンポーネントから支持構造体の少なくとも一部を除去することは、複数の燃料電池コンポーネントに接続する支持構造体の一部を残す、第3のステップ703を含み得る。支持構造体の残りの部分は、スタックへの電気接続を提供することができる。このように、支持構造体は、燃料電池スタックの構成の間、燃料電池コンポーネントを保持すること、およびスタックへの電気接続を提供することの両方ができる。
【0100】
図8は、燃料電池スタックを組み立てる方法を示す。該方法は、インデックス構造体を備える燃料電池コンポーネントのストリップをインデックスして、燃料電池コンポーネントを構築位置に位置付ける第1のステップ801を含む。インデックス構造体の使用は、簡素化した、燃料電池スタックを組み立てる方法を可能にする。インデックス構造体の使用は、燃料電池スタックコンポーネントの構築位置での、より正確または再現可能な配置を可能にし得る。
【0101】
該方法は、構築位置にて燃料電池コンポーネントからインデックス構造体を除去する、任意の第2のステップ802も含む。
【0102】
該方法は、第3のステップ803および第4のステップ804も含み得る。燃料電池スタックのインデックス構造体は、隣接する燃料電池コンポーネントの間に横方向折り畳み領域を備え得る。第3のステップ803では、横方向折り畳み領域でインデックス構造体が折り畳まれて、複数の燃料コンポーネントを構築位置に位置付けることができる。第4のステップ804にて、インデックス構造体は、構築位置にて複数の燃料電池コンポーネントから除去され得る。インデックス構造体の除去は、燃料電池スタックの最終寸法の低減を可能にし得る。
【0103】
図9は、燃料電池スタックを組み立てる方法を示す。該方法は、部分的燃料電池コンポーネントの第2のストリップの上に、部分的燃料電池コンポーネントの第1のストリップを位置付ける、第1のステップ901を含む。該第1のストリップおよび第2のストリップは、一緒に複数の燃料電池を画定し得る。
【0104】
該方法は、続いて、ステップ902にて燃料電池スタックを組み立てるために、部分的燃料電池コンポーネントの該第1および第2のストリップを一緒に扇式に折り畳む。
【0105】
図9の該方法は、便利で、正確で、再現可能な、燃料電池スタックを組み立てる手段を提供する。
図1a
図1b
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9