(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6271714
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】タバコ産業における、短い縦方向寸法を有する製品を収容するためのトレイ
(51)【国際特許分類】
A24C 5/352 20060101AFI20180122BHJP
【FI】
A24C5/352
【請求項の数】12
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-514511(P2016-514511)
(86)(22)【出願日】2014年5月20日
(65)【公表番号】特表2016-518859(P2016-518859A)
(43)【公表日】2016年6月30日
(86)【国際出願番号】IB2014061560
(87)【国際公開番号】WO2014188339
(87)【国際公開日】20141127
【審査請求日】2017年3月7日
(31)【優先権主張番号】BO2013A000261
(32)【優先日】2013年5月24日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100179682
【弁理士】
【氏名又は名称】田嶋 亮介
(72)【発明者】
【氏名】エウセピ,イヴァン
(72)【発明者】
【氏名】エスポスティ,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】サルトーニ,マッシモ
【審査官】
宮崎 光治
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−230703(JP,A)
【文献】
特開2008−195536(JP,A)
【文献】
特開平07−313133(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24C1/00−5/60
B65B19/00−23/22
B65B35/00−35/58
A24D1/00−3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ産業の短い縦方向寸法(“l”)を有する製品(2)を収容するためのトレイであって、各々が少なくとも背面壁(4)および基礎壁(5)によって形成される複数の収集チャンバ(3)を備え、各チャンバ(3)は、指定された向きに格納されて前記背面壁(4)の全面を覆う複数の製品(2)の層(8)を収容するよう設計されており、
前記収集チャンバの(3)の前記背面壁(4)は互いに平行であり、前記複数チャンバ(3)のうちの第一チャンバ(3)の背面壁(4)の内面(4a)と、前記第一チャンバと隣接して配置される第二チャンバ(3)の背面壁(4)の外面(4b)との間の距離(D)が、前記製品(2)の短い縦方向寸法(“l”)と実質的に同じであり、前記製品の端部(2a)は、前記外面(4b)および前記内面(4a)に実質的に接しており、各チャンバ(3)は、それぞれのチャンバの壁を用いて、複数の製品(2)の層(8)を収容するモジュール(7)を形成し、
互いに組み立てることができて、同一のトレイ(1)の厚さを定義する、複数の積み重ね可能なモジュール(7)を備え、
各モジュール(7)と他のモジュールとの間に接続・解除手段(10)が設けられ、必要に応じて変更可能な数のモジュール(7)で構成される、トレイ。
【請求項2】
請求項1に記載のトレイにおいて、それぞれのチャンバ(3)および/またはモジュール(7)は、また背面壁(4)の二つの端部に二つの側壁(6)を備えており、
二つの側壁(6)は互いに平行であり、背面壁(4)および基礎壁(5)に対して実質的に垂直であるトレイ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のトレイにおいて、それぞれのチャンバ(3)および/またはモジュール(7)の背面壁(4)の面寸法と等しい面寸法の前壁(11)を備えており、前壁(11)は、トレイ(1)を閉じるために最後のチャンバ(3)および/またはモジュール(7)の開口部分に接続可能であるトレイ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載のトレイの装置において、接続・解除手段(10)は、突起(12a)および溝(12b)を有し、任意の一つのチャンバとしてのチャンバ(3)および/またはモジュール(7)の基礎壁(5)の内側縁部(13)と、それに隣接するチャンバ(3)および/またはモジュール(7)の外側縁部(14)と、の間に形成される少なくとも第一ジョイント(12)を備えており、
ほぞを形成する突起(12a)は断面が鋸歯状であり、ほぞ穴を形成する溝(12b)に嵌入するよう設計されており、
溝の断面は、突起(12a)の鋸歯形状と適合する空間を形成するよう形成されているトレイ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載のトレイの装置において、接続・解除手段(10)はまた、二つの側壁(6)の自由端に一ペアの第二ジョイント(15)を備えており、
それぞれの第二ジョイント(15)は、ほぞを形成するとともに凹部(17)に嵌入するよう設計されるV字状の歯(16)を備えており、凹部(17)は、ほぞ穴を形成するとともに、V字状の歯(16)の形状と適合する空間を形成しているトレイ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のトレイの装置において、接続・解除手段(10)はまた、それぞれのチャンバ(3)および/またはモジュール(7)の側壁(6)に嵌入する少なくとも一つ以上の永久磁石(18)を備えており、少なくとも一つ以上の永久磁石(18)は、隣接するチャンバ(3)および/またはモジュール(7)の永久磁石(18)と接触するよう設計されているトレイ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載のトレイの装置において、背面壁(4)は、二つの側壁(6)と実質的に平行である一以上の補強リブ(19)を有するトレイ。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載のトレイにおいて、それぞれのチャンバおよび/またはモジュールは、基礎壁(5)とは反対側に、製品(2)を放出するための放出口(9)を有しており、
放出口(9)には、二つの側壁(6)の自由端に形成される孔(21)へと摺動可能であるとともに、トレイ(1)が取り扱われるときに製品(2)を保持するように着脱可能に固定可能である少なくとも一つのロッド(20)が配置されているトレイ。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載のトレイの装置において、トレイを構成するチャンバおよび/またはモジュールの放出口(9)に、底部閉鎖壁(22)を備えており、底部閉鎖壁(22)は、それぞれのチャンバおよび/またはモジュールの放出口(9)のそれぞれに対する開閉手段(23)を備えているトレイ。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載のトレイの装置において、トレイを構成するチャンバおよび/またはモジュールの放出口(9)に、底部閉鎖壁(22)を備えており、底部閉鎖壁(22)は、それぞれのチャンバおよび/またはモジュールの放出口(9)のそれぞれに対する開閉手段(23)を備えており、
開閉手段(23)はそれぞれ、移動手段(24)の作用によって他の開閉手段から独立して移動可能であり、移動手段(24)は、製品(2)がタバコ産業の包装機械へと供給される放出ステーション(25)において動作するトレイ。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載のトレイの装置において、それぞれのチャンバおよび/またはモジュールの放出口(9)のそれぞれに対する開閉手段(23)は、それぞれのチャンバおよび/またはモジュールの放出口のそれぞれに対して一つのギロチン・ゲートバルブ(26)を備えており、
それぞれのゲートバルブ(26)は、二つの端部のそれぞれに、それぞれのスロット(28)において底部閉鎖壁(22)のそれぞれの側部から突出するピン(27)を備えており、
それぞれのピン(27)は好ましくはカム従動ローラを有しており、
カムは、少なくとも一ペアの平坦なロッド(30)の傾斜輪郭(31)によって形成されており、
それぞれのペアの平坦なロッド(30)は、トレイの側壁と平行な方向に沿って延設されるとともに、ゲートバルブ(26)が開いている位置と閉まっている位置との二つの位置の間で移動可能であるトレイ。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載のトレイの装置において、トレイを構成するチャンバおよび/またはモジュールの放出口(9)に、底部閉鎖壁(22)を備えており、
底部閉鎖壁(22)は、チャンバおよび/またはモジュールの一つと一体的に構成されるとともに、基礎壁に対して実質的に平行に延設されており、
特に、底部閉鎖壁は、一連のチャンバおよび/またはモジュールの、すべてのチャンバおよび/またはモジュールが接続・解除手段によって次々と重ねられる、第一のチャンバの一部を形成するとともに、すべてのチャンバおよび/またはモジュールが互いに接続されてパック状に閉じられるとトレイを構成するすべてのチャンバおよび/またはモジュールの放出口をすべて閉じる長さを有するトレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコ産業における、短い縦方向寸法を有する製品を収容するためのトレイに関する。
【背景技術】
【0002】
一例であるが、「短い縦方向寸法を有する製品」という用語は、フィルタ部材を意味するのに用いられる。そのようなものとしては、活性炭、酢酸セルロース、紙などの円筒物等があり、さらに言えば、プラスチックまたは可塑性材料の管状物がある。また、それらは、紙巻タバコまたはフィルタ自体の風味付け添加物を構成するビーズなどの小さい球状製品を含むものである。
【0003】
上述した製品は、「ベーシックプロダクト(基礎製品)」ともいい、タバコ製造機械すなわち生産機械に供給される。より具体的には、複合フィルタ(すなわち近接配置された異なるフィルタ特性を有するとともに完成時には縦方向寸法が個々のベーシックプロダクト自体よりも比較的長い二つ以上のフィルタにより得られるフィルタ)を形成するための機械に供給される。
【0004】
最先端技術のタバコ産業機械は、非常に高速で動作しており、これらのベーシックプロダクトは長い要素またはロッドから得られる。長い要素またはロッドは、ベーシックプロダクトに要求される短い縦方向寸法に達するまで、処理サイクルの際に機械により切断される。
【0005】
当該寸法は、本発明を限定するものではなく、単なる一例であるが、次のように考えると理解しやすい。すなわち、これらのベーシックプロダクトは、横方向寸法が5〜8mmの範囲であり、縦方向寸法が6〜9mmの範囲である。一方、長い要素またはロッドの縦方向寸法はベーシックプロダクトの縦方向寸法の6〜15倍である。
【0006】
ロッドの比較的大きい縦方向寸法が、特に正確かつ安定して取り扱いを容易に行うことを可能にし、また速度を過度に上げすぎることなくロッドを供給できるようにすることは明らかである。
【0007】
業界の専門家たちの間では「ノンカッタブル(切断不能)(non-cuttables)」と呼ばれるほど、最終の短い縦方向寸法に切断した後に、ベーシックプロダクトが製造機械に供給される必要がある。そのため、製造機械に供給する際の取り扱い性および安定性において大きな問題が生じる。
【0008】
これらの問題は、そのような短い寸法の製品に対する、既知の装置では不可能な供給速度の達成が求められる場合に、顕著となる。
【0009】
従来技術においてはまた、長い要素又はロッドは、ベーシックプロダクトの短い縦方向寸法に達するまで、処理サイクルの際に機械で直接切断される。長い要素又はロッドは、トレイとして知られる、容器を使う製造機械に供給される。容器には、ロッドが指定の向きに応じてバッチ毎に収容される。それから前述の製造機械の供給ステーションにおいて空にされる。
【0010】
当該技術の現在状況において知られているトレイは基本的に、背面壁と、互いから間隔をあけて配置された二つの実質的に平行な側壁と、基礎壁と、を備えている。これにより、一バッチ分のロッドを収集して、そこからロッドを取り出すことができる収集チャンバを形成する。
【0011】
従来技術トレイでは、既に短い縦方向寸法に切断された製品を収集して、取り出すという要求に適応することができない。ましてや、従来技術のトレイでは、これらの製品を当初の指定された所定の向きに応じて配置可能にするという要求には適応することができない。
【発明の概要】
【0012】
本発明の目的は、既に必要とされる短い寸法に切断された短い縦方向寸法を有する製品収集し収容することができ、また短い縦方向寸法を有する製品をトレイ自体に収集した当初位置および向きにしっかりと維持することができるトレイを提供することによって上述した欠点を克服することにある。
【0013】
特有の技術的な目標および目的は、請求項1に記載のタバコ産業の短い縦方向寸法を有する製品を収容するためのトレイによって十分に達成される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の添付した図面に例示するタバコ産業の短い縦方向寸法を有する製品を収容するためのトレイのそれのみに制限されない好ましい実施形態に関する後述する、発明を限定するものではない説明からより明らかとなろう。
【
図1】
図1は、パック状に閉じているタバコ産業の短い縦方向寸法を有する製品を収容するためのトレイを概略的に示している。
【
図2】
図2は、
図1のトレイを概略的な分解組立図で示している。
【
図2a】
図2aは、
図2のトレイの細部を拡大した概略的な斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1のトレイを構成するチャンバおよび/またはモジュールを示している。
【
図4】
図4は、
図1のトレイを構成するチャンバおよび/またはモジュールを示している。
【
図5】
図5は、
図1のトレイの、前壁が切り取られた正面図を示しており、トレイの断面A−Aを概略的に示している。
【
図6】
図6は、
図5のトレイのB−Bの正面図を概略的に示している。
【
図7】
図7は、それぞれのチャンバおよび/またはモジュールにおいて収集された短い縦方向寸法を有する製品を分かりやすく図示するために一部が切り取られた、第一の取り出し動作位置における
図1のトレイの概略的な側面図を示している。
【
図8】
図8は、短い縦方向寸法を有する製品を取り出すさらなる動作位置における
図1のトレイの概略的な側面図を示している。
【
図9】
図9は、短い縦方向寸法を有する製品を取り出すさらなる動作位置における
図1のトレイの概略的な側面図を示している。
【
図10】
図10は、短い縦方向寸法を有する製品を取り出すさらなる動作位置における
図1のトレイの概略的な側面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1および
図7を参照して、参照符号1は、本発明にかかる、短い縦方向寸法を有する製品2を収容するために形成されたトレイを示す。
【0016】
本明細書の導入部分において述べたように、短い縦方向寸法を有する製品2は業界の専門家たちの間では「ノンカッタブル」と呼ばれているが、本発明の範囲を限定するものでなく、簡略化の目的で、複合フィルタや複合フィルタを有するタバコを製造するよう製造機械によってベーシックプロダクトとして用いられるフィルタペーパ、酢酸セルロースまたは活性炭の小さい円筒状のピースとして説明する。
【0017】
図2、
図7、
図3および
図4に示すとおり、トレイ1は、製品2が収集される複数の収集チャンバ3を備える。
【0018】
それぞれのチャンバ3は、外周部が、背面壁4と、基礎壁5と、背面壁4の二つの短辺にある側壁6と、によって形成される。
【0019】
二つの側壁6は互いに平行であり、背面壁4および基礎壁5に対して実質的に垂直である。
【0020】
このように、図の実施形態においては、それぞれのチャンバ3は、その背面壁および外壁(側壁6および基礎壁4)によって、短い縦方向寸法を有する層状8の複数の製品2(
図7)を収容するためのモジュール7を構成している。
【0021】
このことは、トレイ1が、製品2の多層トレイであることを意味する。
【0022】
より具体的には、各モジュール7は、背面壁4の開口側長辺に放出口9を有する。
【0023】
図示しないが明細書に添付した特許請求の範囲によって保護されるさらなる態様においては、トレイ1を、組み立て可能なモジュール7と同じようなものではなく、一体的部材で構成することもできることは明らかであろう。
【0024】
このさらなる実施形態において、トレイ1を構成する複数の側壁6および基礎壁5が、トレイ1自体の側壁を形成しているそれぞれの一体的な壁と置き換えられるが、トレイ1自体は、複数の一体的収集チャンバとそれぞれの収集チャンバに対して一つが対応する複数の放出口とを形成するよう、その内部に背面壁に連結された複数の壁を有している。
【0025】
なお、モジュール7およびトレイ1をどれも、取り出し位置に表しているので、それぞれのモジュール7は添付図面においてその基礎壁5を上部に、すなわち個々のチャンバ3の放出口9を底部に表しているが、これを誤解されないよう気を付けていただきたい。つまり、個々のチャンバ3は、製品が装填された場合、添付図面において示される位置と比較して少なくとも90度そして180度程度まで回転されることを頭に入れておいていただきたい。これにより、装填がより容易であり、また、放出口9を通って製品2が落下することによる損失が防止される。
【0026】
このように、それぞれのチャンバ3は、指定された向きに応じて格納される背面壁4の全面を覆う、短い縦方向寸法を有する層状8の複数の製品2を収容する設計されている。
【0027】
図7に示すように、トレイ1が構成され、モジュール7はすべて境壁を共有しながら(back-to-back)、パック状に閉じられると、収集チャンバの3のそれぞれの背面壁4は互いに平行となり、任意の一つのチャンバとしての(generic)第一チャンバ3(トレイ1を構成する複数のチャンバから選択される)の背面壁4の内面4aと、当該第一チャンバと隣接しているとともに第一チャンバ3に近接して配置される第二チャンバ3の背面壁4の外面4bと、の間の距離“D”が、それぞれの製品2の短い縦方向寸法“l”と実質的に等しい。
【0028】
したがって、製品2はすべて、長手方向の端部2aが二つの連続して隣り合うモジュールの外面4bおよび内面4aと実質的に接するよう、配置される。
【0029】
それぞれの製品2の長手方向の端部2aのそれぞれのチャンバ3の背面壁の面4a,4bとの接触でいう「実質的に」とは、実際にはそれぞれの製品2の二つの端部2aと面4a,4bとの間に小さい隙間があって、チャンバ3が空になったとき製品2が放出口9に向かって容易に摺動することができるが、それぞれの製品は面4a,4bに対して向きを変えることができないことを表していることは明らかであろう。
【0030】
各トレイ1が二つ以上の層を収容できるために、かつ、トレイ1自体の厚さを定義する複数のモジュール7を互いに積み重ねることによって手早く組み立てや分解できるために、供給すべき機械に対する要求に応じて変更される数のモジュール7を組み立てることにより各トレイ1を構成するよう、接続・解除手段10は一のモジュール7と他のモジュールとの間に配置される。
【0031】
より具体的には、トレイ1は、それぞれのチャンバ3および/またはモジュール7の背面壁4の面寸法と面寸法が等しい前壁11を備える。蓋のように作用してトレイ1を閉じるために、前壁11は、最後のチャンバ3および/またはモジュール7の開口部に接続可能である。
【0032】
それぞれのモジュール7に関して、
図3、
図4および
図6を参照して、接続・解除手段10は、突起(profiled tongue)12aおよび溝(groove)12bを有し、モジュール7の基礎壁5の内側縁部13と、隣接するモジュール7の外側縁部14と、の間に形成される第一ジョイント12を備える。
【0033】
ほぞを形成する突起12aは、横断面が鋸歯状であり、ほぞ穴を形成する溝12bに嵌入するよう設計されている。
【0034】
溝12bの断面は、突起12aの鋸歯形状と適合する空間を形成するよう形成されている。
【0035】
言い換えれば、さねはぎジョイント(tongue and groove joint)12は、接続・解除のためのほぞを形成し、鋸歯状の横断面を有する。隣接するモジュール7の、ほぞ穴を形成するとともに横断面が鋸歯形状と適合する空間を形成する形状である、溝が形成された外側縁部14に嵌入するよう、さねはぎジョイントは設計されている。
【0036】
接続・解除手段10はまた、二つの側壁6の自由端に一ペアの第二ジョイント15を備える。
【0037】
それぞれの第二ジョイント15は、ほぞを形成するV字状の歯16を備えており、ほぞ穴を形成する凹部17に嵌入するよう設計されている。
【0038】
凹部17は、形状がV字状の歯の空間と適合する空間を形成しており、二つの傾斜面が互いに対して摺動する場合、隣接するモジュール7間に締め付ける力を生成するよう計算されたサイズの歯16を底部に向かって有している。
【0039】
最後に、接続・解除手段10はまた、それぞれのモジュール7の側壁6の内部に嵌め込まれる少なくとも一つ以上の永久磁石18を備える。
【0040】
二つの隣接するモジュール7が接続されるとき、第一ジョイント12および第二ジョイント15は相互の接続の固定位置に達するまで互いに対して摺動する。背面壁4と実質的に平行な面内において二つのモジュール7が互いに対して摺動する際に、磁石は、相互接触の位置に達し、向かい合い、隣接するモジュール7をよく接触させる引力を生成する。
【0041】
図2、
図3、
図4および
図5に示す通り、背面壁4は、二つの側壁6と実質的に平行である一以上の補強リブ19を有する。
【0042】
上に詳細に記載した通り、それぞれのチャンバ3および/またはモジュール7は、基礎壁5とは反対側に、製品2を放出するための放出口9を有する。
【0043】
より具体的には
図2、
図2aおよび
図6を参照して、それぞれの放出口9には、二つの側壁6の自由端に形成される孔21へと摺動可能であるとともに、トレイ1が製品2を収集する位置から取り出し位置すなわち放出位置へと移動するときに製品2を保持するように着脱可能に固定可能であるロッド20が配置されている。
【0044】
なお、ロッド20が通る孔21をそれぞれのリブ19の自由底端部に形成することもできることを記載しておく。
【0045】
チャンバ3および/またはモジュール7を取り出すための放出口9に、トレイ1は底部閉鎖壁22を有する。なお、図の実施形態において、底部閉鎖壁22はモジュール7のうちの一つと一体に形成されることを記載しておく。より具体的には、
図2に示す通り、閉鎖壁22は、
図2で見て右側にある第一モジュール7の一部を形成しており、基礎壁5と実質的に平行にかつ基礎壁5の反対側で延設されている。
【0046】
言い換えれば、底部閉鎖壁22は、その上にすべてのチャンバ3および/またはモジュール7が次々と重ねられ、接続・解除手段10によって互いに固定される、一連のチャンバ3および/またはモジュール7の第一のチャンバおよび/またはモジュールの一部を形成する。
【0047】
底部閉鎖壁22の長さ“L”は、互いに接続されてパック状に閉じられトレイを構成するすべてのチャンバ3および/またはモジュール7のすべての放出口9を閉じるような長さである。
【0048】
図2a、
図7、
図8、
図9および
図10に示す通り、底部閉鎖壁22は、それぞれのチャンバおよび/またはモジュールの放出口9のそれぞれに対する開閉手段23を備える。
【0049】
開閉手段23はそれぞれ、移動手段24によって他の開閉手段から独立して移動可能である。移動手段24は、製品2がタバコ産業の製造機械へと放出される取り出しステーションにおいて動作する。
【0050】
なお、取り出しステーションを、
図7に示すトレイ1下のブロック25として概略的に表していることを記載しておく。
【0051】
開閉手段23は、それぞれのチャンバ3のそれぞれの放出口9毎に一つのギロチン・ゲートバルブ(guillotine gate valve)26を備える。
【0052】
各ゲートバルブ26は、二つの端部のそれぞれに、それぞれのスロット28において底部閉鎖壁22のそれぞれの側部から突出するピン27を備えている。
【0053】
図示しない実施形態においては、各ピン27は、キーで固定されたカム従動ローラを有することもできる。
【0054】
なお、ピン27またはもしある場合にはローラとともに作用するカムは、少なくとも一ペアの平坦なロッド30の傾斜輪郭31によって形成されることを記載しておく。より具体的には、二ペアの平坦なロッドが備えられている。
【0055】
各ペアの平坦なロッド30は、トレイ1の側壁6と平行な方向に沿って延設されるとともに、ゲートバルブ26が開いている位置と閉まっている位置との二つの位置の間で移動可能である。
【0056】
使用時には、動作の際、ステップ毎に一つのチャンバ3の放出口9が取り出しステーション25の上方の正しい取り出し位置に移動されるよう、トレイ1は
図7における矢印Fによって示す方向に一ステップずつ進行する。
【0057】
平坦なロッド30は上方へ移動し、開くべきゲートバルブ26の対応するピン27またはもしある場合にはカム従動ローラに傾斜輪郭31が当たる。ピン27またはもしある場合にはローラがそれぞれのスロット28に沿って移動すると、平坦なロッド30の横方向縁部によりゲートバルブ26を開口位置に保持することができる。このサイクルがそれぞれのゲートバルブ26に対して繰り返される。なお、二つの連続する隣接モジュールに関して、二つの口のうちの一方を開くと他方を閉じることに対応するよう、ゲートバルブは二つの重なり合う面に配置されていることを記載しておく。
【0058】
ゲートバルブ26の開閉サイクルもまた、動作の種々のステップを示す
図7〜
図10から容易に推測できよう。