(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
挿抜することにより、高所に設置する高所設置機器との間で電気的な接続と遮断を行う一対の電気接続部材のうち、前記高所設置機器の設置部側に設けられる前記電気接続部材が接続可能に設けられ、前記設置部に配設されるベース部と、
前記高所設置機器を取り付けることができると共に、一対の前記電気接続部材のうち前記高所設置機器側の前記電気接続部材が接続可能に設けられ、且つ、前記ベース部に対して着脱自在に構成され、前記ベース部に取り付けることにより一対の前記電気接続部材同士の間での電気的な接続を行うことが可能な本体部と、
前記本体部に取り付けられた前記高所設置機器を着脱自在に支持する支持部材と、
を備えることを特徴とする高所設置機器の交換金具。
前記ベース部と前記本体部とには、挿抜することにより一対の前記電気接続部材同士の間での電気的な接続と遮断を行うことができる一対の中間接続部材がそれぞれに備えられており、
一対の前記中間接続部材は、前記ベース部に対する前記本体部の着脱と共に挿抜が行われる請求項1に記載の高所設置機器の交換金具。
前記支持部材は、前記高所設置機器を保持する保持機構を一端側に備えており、他端側には、前記保持機構での前記高所設置機器の保持状態と解放状態とを切り替える操作部材が備えられている請求項1または2に記載の高所設置機器の交換金具。
前記支持部材には、前記保持機構によって前記高所設置機器を保持することが可能な状態であることを報知する保持可能報知手段が備えられている請求項3に記載の高所設置機器の交換金具。
前記ベース部または前記本体部には、前記本体部が取り付けられたことを報知する取付完了報知手段が備えられている請求項1〜7のいずれか1項に記載の高所設置機器の交換金具。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係る高所設置機器の交換金具の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0010】
〔実施形態〕
図1は、実施形態に係る高所設置機器の交換金具の概略構成を示す説明図である。
図2は、実施形態に係る高所設置機器の交換金具を用いて高所設置機器を着脱する場合の説明図である。
図1、
図2に示す高所設置機器の交換金具1は、高所に設置する機器である高所設置機器を、昇降設備を用いることなく、設置部3に対して着脱することができるように構成されている。本実施形態では、高所設置機器として、無線LAN(Local Area Network)で使用する無線アクセスポイント10が用いられ、交換金具1は、無線アクセスポイント10を、高所の一例である室内の天井2の設置部3に対して着脱することができるように構成されている。
【0011】
この交換金具1は、天井2の設置部3に配設されるベース部20と、無線アクセスポイント10を取り付けることができる本体部60と、本体部60に取り付けられた無線アクセスポイント10を着脱自在に支持する支持部材80と、を備えている。無線アクセスポイント10は、本体部60とベース部20とを介して天井2の設置部3に設置することができ、作業者Wは、天井2の下方で支持部材80を支持することにより、天井2の下方に居ながら、無線アクセスポイント10を天井2の設置部3に対して着脱することが可能になっている。
【0012】
天井2における無線アクセスポイント10の設置部3に配設されるベース部20は、挿抜することにより、無線アクセスポイント10との間で電気的な接続と遮断を行う一対の電気接続部材6のうち、無線アクセスポイント10の設置部3側に設けられる電気接続部材6が接続可能に設けられている。この場合における一対の電気接続部材6としては、例えば、LAN等で用いられる通信用のコネクタである「RJ45」が用いられる。ベース部20は、LAN用のサーバ(図示省略)に接続されて天井2に配設されるサーバ側LANケーブル5に接続されるRJ45プラグ7が、接続可能になっている。
【0013】
無線アクセスポイント10は、ベース部20に対して着脱自在に構成される本体部60に、アタッチメント77を介して取り付けられている。即ち、無線アクセスポイント10は、アタッチメント77を介して取り付けられた無線アクセスポイント10が取り付けられた本体部60が、ベース部20に連結されることにより、天井2における当該無線アクセスポイント10の設置部3に配設される。
【0014】
図3は、
図1に示すベース部の側面図である。
図4は、
図3のA−A矢視図である。ベース部20は、一端側が閉塞した略角筒状の形状で形成されるベース部本体21と、ベース部本体21における開口端側に位置し、ベース部20を天井2に取り付ける部分であるベース部取付部材22と、有している。ベース部取付部材22は、ベース部本体21における開口端側に、鍔状の形状で形成されている。ベース部20は、ベース部本体21の開口端側が下方に位置し、下方に向かって開口する向きで、ベース部取付部材22によって天井2の設置部3に取り付けられる。
【0015】
ベース部本体21おける閉塞端側には、一対の電気接続部材6のうち、無線アクセスポイント10に設けられる電気接続部材6であるRJ45レセプタ11(
図22参照)の代わりに設けられるRJ45レセプタ45が設けられている。つまり、RJ45レセプタ45は、ベース部本体21の形状である角筒の軸方向において、ベース部本体21におけるベース部取付部材22が位置する側の反対側の端部に位置し、ベース部本体21の外面側に配設されている。
【0016】
詳しくは、ベース部本体21における閉塞端側には、ベース部本体21の形状である角筒の軸方向に沿って延びる回動軸を中心として回動自在に配設される回動部材40が設けられており、RJ45レセプタ45は、この回動部材40に取り付けられている。回動部材40には、回動部材40に対して所望の回動方向へ付勢力を付与するコネクタ位置補正用バネ41が連結されている。コネクタ位置補正用バネ41は、他端側がベース部本体21に連結されることにより、回動部材40に対して回動方向の付勢力を付与することができるようになっている。回動自在に配設される回動部材40は、回動部材40に対して外力が入力されない状態では、コネクタ位置補正用バネ41から付与される付勢力により、所望の回動角度を維持する。
【0017】
図5は、
図3のB−B矢視図である。ベース部20と本体部60とには、挿抜することにより、一対の電気接続部材6同士の間での電気的な接続と遮断を行うことができる一対の中間接続部材である通信用コネクタ71がそれぞれに備えられている。一対の通信用コネクタ71は、ベース部20に対する本体部60の着脱と共に挿抜が行われる。
【0018】
一対の通信用コネクタ71のうち、ベース部20側には、通信用レセプタ46が備えられている。この通信用レセプタ46は、例えば、イーサネット(登録商標)で用いられるコネクタのレセプタが用いられる。通信用レセプタ46は、回動部材40におけるベース部本体21の内側の面側に設けられており、ベース部本体21における開口端側を向く向きで配設されている。通信用レセプタ46は、このように回動部材40に設けられているため、回動部材40の回動時には、回動部材40と一体となって回動することが可能になっている。これらのように回動部材40の両面に配設されている通信用レセプタ46とRJ45レセプタ45とは、電気的に接続されている。
【0019】
また、回動部材40における通信用レセプタ46の側方には、本体部60に設けられるガイド部74(
図6参照)が差し込まれるガイド孔43が形成されている。このガイド孔43は、通信用レセプタ46を挟んで2つが、通信用レセプタ46の近傍に形成されている。
【0020】
また、ベース部20には、本体部60に設けられる本体部ロックピン63(
図1参照)が入り込んで係合するガイド溝30が形成されている。このガイド溝30は、ベース部本体21を構成する板材を切り欠いて形成されており、ベース部本体21におけるベース部取付部材22が位置する側の端部から、回動部材40が位置する側の端部側に向けて形成されている。このように形成されるガイド溝30は、ベース部20に対して本体部60を着脱する際に本体部ロックピン63が通る通路部31と、ベース部20への本体部60の取り付け時に本体部ロックピン63が係合する係合部34と、を有している。
【0021】
このうち、通路部31は、ベース部20に対して本体部60を着脱する方向、つまり、ベース部本体21の形状である角筒の軸方向に沿った方向に延びると共に、一端が開放して本体部ロックピン63の出入りが可能になっている。即ち、通路部31は、ベース部本体21におけるベース部取付部材22が位置する側の端部が開放し、開放部32として形成されており、本体部ロックピン63は、通路部31に対して、この開放部32から出入りが可能になっている。
【0022】
また、係合部34は、通路部31における開放部32側の端部の反対側の端部である係合部連通部33に連通しており、係合部連通部33から、短い長さでベース部取付部材22が位置する側に向かって形成されている。つまり、ガイド溝30は、ベース部本体21の形状である角筒の軸方向に沿った方向において係合部連通部33が位置する側に凸となって折り返されており、折り返された部分である係合部34が、通路部31の溝幅方向における通路部31の側方に、短い長さで並んで形成されている。
【0023】
このように形成されるガイド溝30は、略角筒状に形成されるベース部本体21の4つの側面において、対向する2つの側面に形成されている。2つの側面に形成される2つのガイド溝30は、回動部材40の回動時における回動軸を中心とする点対称の形状で形成されている。つまり、本体部ロックピン63は、複数が本体部60に設けられており、ガイド溝30は、複数の本体部ロックピン63に対応して複数が設けられている。
【0024】
さらに、ベース部取付部材22には、ガイド溝30に連通する孔であるロックピン孔23が形成されている。ロックピン孔23は、ベース部取付部材22を形成する板材を板厚方向に連通する孔として形成されており、ガイド溝30の開放部32から、ベース部本体21の外側方向に離れる方向に向けて形成されている。ロックピン孔23は、2箇所のガイド溝30に対応してベース部取付部材22の2箇所に形成されている。2箇所のロックピン孔23は、ガイド溝30の開放部32から、ベース部本体21の外側方向に離れる方向に向けた長さがそれぞれ異なっており、この長さが長い方のロックピン孔23は第1ロックピン孔24になっており、短い方のロックピン孔23は第2ロックピン孔25になっている。
【0025】
また、ベース部20には、本体部60をベース部20に取り付ける際に、本体部60の姿勢を調整する本体部姿勢調整部26が設けられている。本体部姿勢調整部26は、ベース部本体21内に配設されており、外形の形状が、ベース部本体21の内側形状と同等の形状になり、板厚方向に連通する孔が内側に開いた板状の形状で形成されている。このように形成される本体部姿勢調整部26は、板厚方向が、ベース部本体21の形状である角筒の軸方向に沿った向きで、ベース部本体21内に配設されている。さらに、本体部姿勢調整部26は、任意の複数箇所が、ベース部本体21に形成される切欠きよりベース部本体21の外側に出ており、本体部姿勢調整部26のこの部分には、それぞれに調整部バネ27の一端が連結されている。調整部バネ27は、引張りバネからなり、各調整部バネ27の他端側は、ベース部取付部材22に連結されている。これにより、本体部姿勢調整部26には、ベース部取付部材22に向かう方向の付勢力が、複数の調整部バネ27によって付与されている。
【0026】
また、ベース部20には、本体部60が取り付けられたことを報知する取付完了報知手段50が備えられている。取付完了報知手段50は、本体部60の本体部ロックピン63がガイド溝30の係合部34に係合したことを検出することにより、本体部60が取り付けられたことを作業者Wに報知することが可能になっている。この取付完了報知手段50は、本体部ロックピン63が係合部34に係合した際に、本体部ロックピン63と電気的に接続される接点51と、本体部ロックピン63と接点51とが電気的に接続された際に点灯するLED(Light Emitting Diode)52と、を有している。
【0027】
図6は、
図1に示す本体部の側面図である。
図7は、
図6のC−C矢視図である。
図8は、
図6のD−D矢視図である。本体部60は、一端側が閉塞した略円筒状の形状で形成される本体部本体61を有しており、本体部ロックピン63は、本体部本体61に設けられている。この本体部ロックピン63は、本体部60の、ベース部20への着脱方向に直交する方向に突出する突起部として設けられている。本体部ロックピン63は、突出方向の長さが異なる長さで複数が本体部60に設けられており、具体的には、突出方向の長さが他方に対して長い第1ロックピン64と、突出方向の長さが第1ロックピン64よりも短い第2ロックピン65との2つが設けられている。
【0028】
本体部60は、複数の本体部ロックピン63が、対応する複数のガイド溝30にそれぞれ入り込むことにより、ベース部20に取り付けることが可能になっている。つまり、本体部ロックピン63がガイド溝30に入り込む際には、ロックピン孔23を通りながらガイド溝30の開放部32からガイド溝30に入り込むが、長さが長い第1ロックピン64は、長さが短い第2ロックピン孔25を通ることができないようになっている。換言すると、第1ロックピン64は、第2ロックピン孔25を通ることができない長さで形成されている。
【0029】
このため、第1ロックピン64は、第2ロックピン孔25に連通するガイド溝30には入り込むことができないようになっており、第1ロックピン孔24に連通するガイド溝30にしか入り込むことができないようになっている。従って、第1ロックピン64には、第1ロックピン孔24に連通するガイド溝30が対応し、第2ロックピン65には、第2ロックピン孔25に連通するガイド溝30が対応し、2つの本体部ロックピン63は、対応する2つのガイド溝30にそれぞれ入り込むことが可能になっている。
【0030】
このように設けられる2つの本体部ロックピン63には、それぞれに、本体部ロックピン63がガイド溝30の係合部34に係合した際にベース部20の接点51と電気的に接続される電極75が設けられている。この2つの電極75には、取付完了報知手段50の電源であるボタン電池76が接続されている。
【0031】
また、本体部60には、挿抜することにより、一対の電気接続部材6同士の間での電気的な接続と遮断を行うことができる一対の通信用コネクタ71のうち、ベース部20が有する通信用レセプタ46(
図5参照)に接続可能な通信用プラグ72が配設されている。この通信用プラグ72は、略円筒状の形状で形成される本体部本体61における閉塞端側に位置して本体部本体61を閉塞する部分である上面部70に設けられており、本体部本体61の外側方向を向く向きで配設されている。一対の通信用コネクタ71は、ベース部20に対する本体部60の着脱と共に、この通信用プラグ72と、ベース部20に設けられる通信用レセプタ46との挿抜が行われるようになっている。
【0032】
通信用プラグ72の側方には、通信用プラグ72を通信用レセプタ46に差し込む際におけるガイドであるガイド部74が設けられている。このガイド部74は、通信用プラグ72を挟んで2つが、通信用プラグ72の近傍に形成されている。ガイド部74は、通信用レセプタ46の近傍にベース部20に設けられるガイド孔43(
図5参照)に差し込むことが可能になっており、通信用プラグ72を通信用レセプタ46に差し込む際に、先にガイド孔43に差し込まれることにより、通信用プラグ72の差し込み時におけるガイドの役割を果たす。このため、通信用プラグ72とガイド部74との位置関係は、通信用レセプタ46とガイド孔43との位置関係とほぼ同じ関係になっている。
【0033】
また、本体部60は、一対の電気接続部材6のうち無線アクセスポイント10側の電気接続部材6であるRJ45レセプタ11(
図22参照)が接続可能に設けられている。即ち、本体部60には、無線アクセスポイント10のRJ45レセプタ11に接続されるアクセスポイント側LANケーブル15(
図22参照)が有する中間プラグ17(
図22参照)が接続される中間レセプタ73が設けられている。この中間レセプタ73は、上面部70における本体部本体61の内側の面側に設けられており、本体部本体61における開口端側を向く向きで配設されている。
【0034】
本体部本体61には、本体部本体61の外側から内側にアクセスポイント側LANケーブル15を導入する孔であるケーブル導入口62が形成されている。アクセスポイント側LANケーブル15は、このケーブル導入口62を通ることにより、本体部本体61の外側に位置する無線アクセスポイント10のRJ45レセプタ11と、本体部本体61内に位置する中間レセプタ73とに接続することが可能になっている。
【0035】
これらのように上面部70の両面に配設されている中間レセプタ73と通信用プラグ72とは、電気的に接続されている。このため、本体部60は、中間レセプタ73と、無線アクセスポイント10のRJ45レセプタ11とをアクセスポイント側LANケーブル15で接続した状態で、ベース部20に取り付けて通信用プラグ72と通信用レセプタ46とを接続することにより、一対の電気接続部材6同士の間での電気的な接続を行うことが可能になっている。
【0036】
本体部本体61における上面部70の反対側に位置する端部には、当該端部における本体部本体61の内面側に、比較的狭い幅で内側方向に全周にかけて突出した底面部66が形成されている。この底面部66には、無線アクセスポイント10に取り付けられたアタッチメント77を本体部60に取り付ける部分であるアタッチメント取付部67が形成されている。アタッチメント取付部67は、底面部66の二箇所に形成されており、一方のアタッチメント取付部67は孔状の形状で形成され、もう一方のアタッチメント取付部67は切欠き状の形状で形成されている。
【0037】
アタッチメント取付部67は、ビス(図示省略)等の取付部材を、本体部本体61の内部側からアタッチメント取付部67に通し、底面部66を挟んでビスをアタッチメント77に螺合することにより、アタッチメント77を本体部60に取り付けることが可能になっている。このため、本体部60の上面部70には、アタッチメント取付部67が形成されている位置に対応する位置に、アタッチメント取付部67に通す取付部材を操作する工具を通す孔であるアタッチメント取付用孔68が形成されている。
【0038】
図9は、
図1に示すアタッチメントの平面図である。アタッチメント77は、略レール状の形状で所定の長さで形成されており、幅方向における両側に、無線アクセスポイント10に嵌合する嵌合部78が形成されている。嵌合部78は、無線アクセスポイント10に設けられる嵌合部材(図示省略)によって板厚方向に挟み込むことにより、無線アクセスポイント10に嵌合することが可能になっている。また、取付け孔79は、アタッチメント77を本体部60に取り付ける際のビス(図示省略)等の取付部材が螺合するネジ孔として形成されている。アタッチメント77は、取付け孔79に取付部材を螺合させることにより、本体部60に取り付けることが可能になっている。
【0039】
図10は、
図2に示す支持部材が有する支持棒の側面図である。無線アクセスポイント10を天井2に対して着脱する際に用いる支持部材80は、無線アクセスポイント10を保持する保持機構81(
図2参照)を一端側に備えており、保持機構81は、支持部材80が有する棒状の部材である支持棒100によって支持されている。この支持棒100には、保持機構81での無線アクセスポイント10の保持状態と解放状態とを切り替える操作部材である操作ボタン101が備えられている。
【0040】
この操作ボタン101としては、保持機構81での無線アクセスポイント10の保持を行うための操作であるON操作を行うON操作ボタン102と、保持機構81での無線アクセスポイント10の保持を解放するための操作であるOFF操作を行うOFF操作ボタン103とが設けられている。ON操作ボタン102とOFF操作ボタン103とは、支持棒100の側面において、支持棒100を挟んで互いに反対側に位置する部分にそれぞれ配設されている。
【0041】
また、支持棒100には、操作ボタン101の操作に応じて突出したり突出しなかったりする部材である支持棒ロックピン105が設けられている。支持棒ロックピン105は、支持棒100の使用時における上端側に配設されており、ON操作ボタン102を押すと、支持棒100の端部から上方に突出し、OFF操作ボタン103を押すと、自重によって下がり、端部から突出しなくなるように設けられている。支持棒ロックピン105は、このように動作することにより、保持機構81を動作させることが可能になっている。
【0042】
また、支持部材80は、本体部60をベース部20に対して取り付け可能な状態であるか否かを示す水平器110を備えている。水平器110は、支持棒100への取付部111と、作業者Wが握る部分である持ち手112とを有しており、水平器110が水平状態であるか否かを示す水平針113を備えている。
【0043】
このうち、取付部111は、内径が支持棒100の外径と同程度で、円周方向の一部が切り欠かれた形状の部材からなり、取付部111を支持棒100の外側から被せて支持棒100に嵌めることにより、水平器110を支持棒100に取り付けることが可能になっている。また、水平針113は、水平度を示す針状の部材を内設しており、この針状の部材を視認することにより、作業者Wは水平器110が水平状態であるか否かを認識することができる。
【0044】
さらに、水平器110には、保持機構81によって無線アクセスポイント10を保持することが可能な状態であることを報知する保持可能報知手段であるブザー114が備えられている。このブザー114は、電源と、水平器110が水平状態であるか否かを検出するセンサと、音を発するスピーカとを有しており、水平器110が水平状態であることをセンサで検出すると、スピーカから音を発することが可能になっている。
【0045】
図11は、
図10に示す水平器を支持棒に取り付けた状態を示す説明図である。水平器110は、取付部111を、支持棒100の使用時における下端寄りの位置に取り付けることにより、支持棒100に取り付けることができる。水平器110は、この状態で水平針113とブザー114とにより水平状態であるか否かを検知することにより、支持棒100が垂直状態であるか否かを検知することができる。また、水平器110が取り付けられた支持部材80を作業者Wが支持する際には、このように支持棒100に取り付けられた持ち手112を保持することによって支持する。
【0046】
図12は、
図10に示す操作ボタンのON状態を示す説明図である。
図13は、
図10に示す操作ボタンのOFF状態を示す説明図である。操作ボタン101が有するON操作ボタン102とOFF操作ボタン103とは、連動するように設けられており、ON操作ボタン102が押されたら、反対側に位置するOFF操作ボタン103が飛び出す。反対に、OFF操作ボタン103が押されたら、反対側に位置するON操作ボタン102が飛び出すように設けられている。
【0047】
支持棒ロックピン105は、支持棒100内で、下端がON操作ボタン102に押されるか否かにより、支持棒100の上端から飛び出したり飛び出さなかったりするように設けられている。つまり、ON操作ボタン102が押された場合、支持棒ロックピン105の下方にON操作ボタン102が入り込むことにより、支持棒ロックピン105はON操作ボタン102によって上方に押し出される。これにより、支持棒ロックピン105は、支持棒100の上端から上方に突出する状態になる。
【0048】
これに対し、OFF操作ボタン103が押された場合には、ON操作ボタン102はOFF操作ボタン103によって押し戻され、OFF操作ボタン103が位置する側の反対方向に飛び出す状態になる。これにより、ON操作ボタン102は、支持棒ロックピン105の下方から移動して支持棒ロックピン105の下方には位置しない状態になるため、支持棒ロックピン105は自重によって下方に下がる。また、支持棒100内には、外部からの力によって上下移動が可能な連動部材106が支持棒ロックピン105の下方に配設されており、ON操作ボタン102が支持棒ロックピン105の下方から移動した場合には、支持棒ロックピン105は、連動部材106に接触する位置まで下がる。OFF操作ボタン103が押された場合、支持棒ロックピン105は、このように連動部材106に接触する位置まで下がることにより、支持棒100の上端からは飛び出さない状態になる。
【0049】
図14は、
図12に示す支持棒を連結した状態を示す説明図である。支持部材80は、長さを調節することができ、具体的には、複数の支持棒100を連結することにより、支持部材80全体の長さを調節することが可能になっている。支持棒100を連結した場合における操作ボタン101の操作に対する支持棒ロックピン105の動きについて説明すると、複数の支持棒100を連結した場合には、支持棒100が有する連動部材106は、下側の支持棒100が有する支持棒ロックピン105の動きに連動する。
【0050】
つまり、連動部材106は、下側の支持棒100が有する支持棒ロックピン105が、支持棒100の上端から飛び出さない状態である場合には、連動部材106は、この支持棒ロックピン105からは力が入力されないため、支持棒100内で自重によって下方に下がった状態になる。
【0051】
これに対し、連動部材106を有する支持棒100の下側に連結される支持棒100の支持棒ロックピン105が、上方に突出する状態である場合には、連動部材106は、下方からこの支持棒ロックピン105に押されることにより、連動部材106も上方に移動する。連動部材106が上方に移動した場合には、連動部材106は、当該連動部材106の上方に位置する支持棒ロックピン105を上方に押し、支持棒ロックピン105は、支持棒100の上端から上方に突出する状態になる。このため、当該支持棒100の操作ボタン101が、OFF操作ボタン103が押された状態においても、支持棒ロックピン105は、下側の支持棒100が有する支持棒ロックピン105の動きに連動し、下側の支持棒ロックピン105が上方に突出する状態の場合には、当該支持棒100の支持棒ロックピン105も上方に突出する状態になる。
【0052】
支持棒100を連結した場合には、支持棒ロックピン105は、このように下側の支持棒100の支持棒ロックピン105に連動するため、支持棒100を連結した際には、最下段に位置する支持棒100以外は、全てOFF操作ボタン103が押された状態にし、操作ボタン101をOFFにする。保持機構81は、支持棒100の上端側に連結されるが、保持機構81を動作させる支持棒ロックピン105は、最下段に位置する操作ボタン101によって操作することが可能になっている。即ち、保持機構81での無線アクセスポイント10の保持状態と解放状態とを切り替えることができる操作ボタン101は、保持機構81が位置する側の端部の他端側に備えられている。
【0053】
図15は、
図2に示す保持機構の側面図である。
図16は、
図15のE−E矢視図である。
図17は、
図15のF−F矢視図である。
図18は、
図15のG−G矢視図である。保持機構81は、保持機構81の基部になる保持機構基部83の上に、無線アクセスポイント10を下方から支持する部分である機器受け部82が取り付けられている。保持機構基部83と機器受け部82とは、双方が合わせられた状態では、上下方向の厚さが薄い、略直方体状の形状で形成されている。機器受け部82は、直方体の長手方向の長さが保持機構基部83の長さよりも短くなっており、これにより、保持機構基部83は、長手方向における機器受け部82の両端側が、上方に開口している。
【0054】
保持機構基部83と機器受け部82とにより画成される内部空間には、直方体の長手方向に移動可能なスライダ85が配設されている。このスライダ85の一端には、保持機構81で無線アクセスポイント10を保持する際に無線アクセスポイント10の側方に当接するストッパ84が連結されている。このストッパ84は、保持機構基部83の長手方向において、機器受け部82の両端で上方に開口している部分のうち、一方の開口部分から、上方に向かって突出している。これにより、ストッパ84は、機器受け部82の一端側から上方に突出して配設されている。
【0055】
スライダ85におけるストッパ84が連結されている側の端部の反対側の端部には、無線アクセスポイント10におけるストッパ84によって保持される側方の反対側の側方を保持するシャッタ88が連結されている。このシャッタ88は、回動軸89を中心として回動自在にスライダ85に連結されており、無線アクセスポイント10を保持しない状態では、回動軸89を中心として回動することにより倒れた状態になっている。
【0056】
回動軸89は、倒れた状態におけるシャッタ88の、スライダ85側の端部における、上端側で、シャッタ88とスライダ85とを連結している。回動軸89の下方には、シャッタ88に当接する当接部90が保持機構基部83に設けられており、シャッタ88は、倒れた状態では、スライダ85側の端部における回動軸89の下方側の位置が、この当接部90に当接している。これにより、シャッタ88は、倒れる方向の回動が規制されている。
【0057】
また、スライダ85は、保持機構基部83内に配設されるスライダバネ87により、シャッタ88が位置する方向への付勢力が付与されている。スライダバネ87は、引張りバネからなり、一端側が保持機構基部83側の固定部材に連結され、他端側が、スライダ85に設けられるスライダストッパ86に連結されている。これによりスライダ85は、スライダバネ87によって付勢力が付与されている。スライダバネ87により付勢力が付与されるスライダ85は、ストッパ84が機器受け部82に当接することにより、シャッタ88が位置する方向への移動が規制されている。
【0058】
また、保持機構基部83の下面側、即ち、機器受け部82が位置する側の反対側には、支持棒100を連結する支持棒連結部91が設けられている。支持棒連結部91は、角筒状の形状で形成されており、角筒の一端が保持機構基部83の下面側に連結されている。支持棒連結部91は、角筒の内側が、支持棒100を差し込む差し込み孔92になっている。保持機構81は、支持棒100の上端部分が、この差し込み孔92に差し込まれることにより、支持棒100に連結される。
【0059】
スライダ85が有するスライダストッパ86は、差し込み孔92内に露出するように設けられている。詳しくは、スライダ85が有するスライダストッパ86は、ストッパ84が機器受け部82に当接する状態では、スライダストッパ86は、差し込み孔92の位置よりもシャッタ88寄りの位置に位置することにより、差し込み孔92内には露出しないようになっている。これに対し、ストッパ84が機器受け部82から離れる方向にスライダ85が移動した際には、スライダストッパ86もストッパ84の方向に移動することにより、スライダストッパ86は、差し込み孔92内に露出する。
【0060】
保持機構81が支持棒100に連結されている場合、支持棒100の上端側に配設される支持棒ロックピン105は、支持棒100の上端から突出する状態のときには、差し込み孔92内に露出したスライダストッパ86におけるシャッタ88側の面に当接することにより、スライダ85がシャッタ88の方向に移動することを規制することが可能になっている。
【0061】
支持棒連結部91における保持機構基部83に連結されている部分の周囲には、サイドサポート95(
図20参照)を取り付けることのできるサイドサポート取付け座93が設けられている。このサイドサポート95は、無線アクセスポイント10における、ストッパ84やシャッタ88が当接する側方に対して直交する側方を保持することのできる部材になっている。サイドサポート取付け座93には、下方側の面に、サイドサポート95を取り付けるビス(図示省略)と螺合するネジ孔94が形成されている。
【0062】
図19は、
図15に示すスライダがストッパの方向に移動した場合の説明図である。ストッパ84が機器受け部82から離れる方向にスライダ85が移動した場合、スライダ85に連結されているシャッタ88は、回動軸89がスライダ85と共にストッパ84側に移動することにより、シャッタ88もストッパ84側に引っ張られる。その際に、倒れた状態のシャッタ88は、回動軸89よりも下側の部分が当接部90に接触しているため、倒れた状態のシャッタ88は、下面側は移動が規制された状態で、上面側がストッパ84の方向に移動することになる。これにより、シャッタ88は、倒れた状態における上面側がストッパ84側を向く方向に回動軸89を中心として回動する。つまり、シャッタ88は、ストッパ84に対向する向きに起き上がり、無線アクセスポイント10においてストッパ84によって保持する側面の反対側に位置する側面を保持することが可能になり、ストッパ84と共に無線アクセスポイント10を挟み込むことが可能になる。
【0063】
図20は、
図15に示す保持機構のサイドサポート取付け座に取り付けられるサイドサポートの正面図である。
図21は、
図20のH−H矢視図である。保持機構基部83の下面側に位置するサイドサポート取付け座93に取り付けられるサイドサポート95は、無線アクセスポイント10の側面のうち、ストッパ84とシャッタ88とが保持する側面に直交する側面を保持するサポート部96を有している。このサポート部96は、無線アクセスポイント10を挟んで両側から保持できるように、対向する2箇所に設けられている。2箇所のサポート部96は、具体的には、双方の上端側が他方のサポート部96に近付く方向に折り曲げられており、これによりサポート部96は、無線アクセスポイント10の側面の上方側を保持することが可能になっている。
【0064】
このサポート部96は、サポート部96同士の間隔が変化する方向や高さ方向に移動することにより、間隔や高さを変更することが可能になっている。これらの間隔や高さを変更する部分には、蝶ネジ99が設けられており、蝶ネジ99を緩めることによりサポート部96を移動させて間隔や高さを変更することができ、蝶ネジ99を締めることにより、現在の間隔や高さを維持することが可能になっている。これにより、サポート部96は、無線アクセスポイント10の幅や厚さに応じてサポート部96同士の間隔や高さを変更することが可能になっている。
【0065】
このように構成されるサポート部96を有するサイドサポート95は、サポート部96同士の間の部分に、保持機構基部83の下面側に設けられる支持棒連結部91が通る挿通孔97と、サイドサポート取付け座93に形成されるネジ孔94に螺合するビスが通る取付け孔98とが形成されている。
【0066】
サイドサポート95は、2つのサポート部96が、ストッパ84とシャッタ88とが配設される方向、即ち、保持機構基部83が延びる方向に直交する方向に位置する向きで、保持機構基部83の下方側から、挿通孔97に支持棒連結部91を通した状態で、サイドサポート取付け座93に取り付けられる。これにより、保持機構81は、四方にストッパ84とシャッタ88と、2箇所のサポート部96が位置することになり、無線アクセスポイント10を、四方で保持することが可能になる。
【0067】
本実施形態に係る無線アクセスポイント10の交換金具1は、以上のような構成からなり、以下、その作用について説明する。本実施形態に係る無線アクセスポイント10の交換金具1は、作業者Wが昇降設備を用いることなく、天井2に位置する無線アクセスポイント10の設置部3に対して、無線アクセスポイント10の着脱を行うことが可能になっている。交換金具1を用いた無線アクセスポイント10の着脱作業のうち、まず、交換金具1を用いて無線アクセスポイント10を天井2の設置部3に取り付ける場合の作業について説明する。
【0068】
図22は、無線アクセスポイントを本体部に取り付けた状態を示す説明図である。交換金具1を用いて無線アクセスポイント10を天井2に取り付ける際には、まず、無線アクセスポイント10を本体部60に取り付ける。本体部60への無線アクセスポイント10の取り付けは、アタッチメント77を介して行うため、無線アクセスポイント10を本体部60に取り付ける際には、無線アクセスポイント10にアタッチメント77を取り付ける。無線アクセスポイント10へのアタッチメント77の取り付けは、アタッチメント77の嵌合部78を、無線アクセスポイント10が有するクリップ部(図示省略)に嵌合させる。これにより、無線アクセスポイント10にアタッチメント77を取り付ける。
【0069】
また、無線アクセスポイント10を本体部60に取り付ける際には、アクセスポイント側LANケーブル15における中間プラグ17が設けられる端部側を、本体部60のケーブル導入口62から本体部本体61内に通し、中間プラグ17を本体部60の中間レセプタ73に接続する。アクセスポイント側LANケーブル15の他端側に設けられるRJ45プラグ16は、無線アクセスポイント10のRJ45レセプタ11に接続する。本体部60の通信用プラグ72と中間レセプタ73とは、電気的に接続されているため、このように無線アクセスポイント10のRJ45レセプタ11と本体部60の中間レセプタ73とをアクセスポイント側LANケーブル15で接続することにより、無線アクセスポイント10のRJ45レセプタ11は、本体部60の通信用プラグ72と電気的に接続される。
【0070】
本体部60への無線アクセスポイント10の取り付けは、無線アクセスポイント10に取り付けられたアタッチメント77を、ビス等の取付部材を用いて本体部60の底面部66に取り付ける。これにより、無線アクセスポイント10を、本体部60に取り付ける。
【0071】
図23は、無線アクセスポイントを保持機構で保持する場合の説明図である。本体部60に無線アクセスポイント10を取り付けたら、本体部60に取り付けられた無線アクセスポイント10を、支持棒100に連結された保持機構81によって保持する。具体的には、保持機構81が有するサイドサポート95のサポート部96同士の間に、シャッタ88側から無線アクセスポイント10を通す。つまり、サポート部96は、サイドサポート95の側面の上部を保持することができるように、上端側が他方のサポート部96側に折り曲げられているため、この折り曲げられている部分の下方側に、無線アクセスポイント10をシャッタ88側から通す。
【0072】
なお、サポート部96の上端で折り曲げられている部分は、この部分の下方に無線アクセスポイント10を通し易いように、シャッタ88が位置する側の端部付近で広がっている。つまり、サポート部96の上端で折り曲げられている部分は、保持機構81の機器受け部82からの距離が、シャッタ88が位置する側の端部付近で大きくなっており、この部分の下方に無線アクセスポイント10を通す際に、無線アクセスポイント10を通し易くなっている。
【0073】
無線アクセスポイント10は、サポート部96における折り曲げられている部分の下方を通したら、そのまま移動させてストッパ84に接触させる。
図24は、無線アクセスポイントを保持機構で保持する際における動作の説明図である。無線アクセスポイント10をシャッタ88側からストッパ84に接触させたら、そのまま無線アクセスポイント10をストッパ84に押し付ける、或いは、ストッパ84を無線アクセスポイント10に押し付ける。これにより、ストッパ84を、スライダ85と共に保持機構基部83に対して、シャッタ88が位置する側の反対方向に移動させる。スライダ85がストッパ84側に移動することにより、倒れていたシャッタ88は起き上がり、無線アクセスポイント10は、起き上がったシャッタ88とストッパ84とに挟まれ、これらにより保持される。
【0074】
スライダ85がストッパ84と共に移動する場合、スライダ85に設けられるスライダストッパ86(
図15参照)も、スライダ85と共にストッパ84が位置する側に移動する。このスライダストッパ86は、スライダ85がストッパ84側に移動してシャッタ88が起き上がり、無線アクセスポイント10を保持する状態になった場合に、支持棒連結部91に連結される支持棒100の支持棒ロックピン105の位置よりも、ストッパ84側に位置する状態になる。
【0075】
この状態で、支持棒100のON操作ボタン102を押して、支持棒ロックピン105を支持棒100の上端から突出する状態、即ち、支持棒ロックピン105をONの状態にすると、支持棒ロックピン105は、スライダストッパ86よりも、シャッタ88側に位置することになる。これにより、シャッタ88の方向への付勢力がスライダバネ87から付与されているスライダ85は、スライダストッパ86が支持棒ロックピン105に当接することにより、シャッタ88の方向への移動が規制される。このため、シャッタ88は、起き上がった状態が維持され、保持機構81は、シャッタ88とストッパ84によって無線アクセスポイント10を挟んで保持する状態が維持される。
【0076】
なお、保持機構81には、保持機構基部83におけるサイドサポート95のサポート部96が位置する方向の面に、ストッパ84とシャッタ88との間隔の調節用の蝶ネジ99が配設されている。保持機構81は、この蝶ネジ99を緩めることにより、ストッパ84とシャッタ88との間隔を調節することができ、蝶ネジ99を締めることにより、現在のストッパ84とシャッタ88との間隔を維持することができる。
【0077】
図25は、支持部材で支持する無線アクセスポイントをベース部に取り付ける状態を示す説明図である。本体部60に取り付けられ、保持機構81によって保持された無線アクセスポイント10は、天井2に設置されたベース部20に本体部60を取り付けることにより、天井2に取り付ける。このベース部20は、サーバ側LANケーブル5の端部に設けられるRJ45プラグ7(
図1参照)が、ベース部20のRJ45レセプタ45に予め接続された状態で、天井2に配設されている。サーバ側LANケーブル5は、RJ45レセプタ45を覆ってベース部20の上端側に取り付けられるベース部カバー55(
図1参照)に設けられるケーブル導入部56(
図1参照)を通って、RJ45プラグ7側の端部側がベース部カバー55内に入り込み、RJ45レセプタ45に接続されている。
【0078】
無線アクセスポイント10が取り付けられた本体部60を天井2に取り付ける際には、無線アクセスポイント10を支持する支持部材80を用いて、本体部60を天井2のベース部20に近付ける。このとき、支持棒100の操作ボタン101は、無線アクセスポイント10を保持する状態を維持するため、ON操作ボタン102が押された状態にすることにより、ONの状態にする。
【0079】
図26は、
図25に示す支持棒の下方に支持棒を継ぎ足した状態を示す説明図である。天井2までの高さが高く、支持部材80を用いても本体部60がベース部20に届かない場合には、支持部材80が有する支持棒100の下方に別の支持棒100を連結し、支持棒100を継ぎ足す。この場合、新たに追加した支持棒100は、ON操作ボタン102を押して操作ボタン101をONの状態にして継ぎ足すことにより、上段側の連動部材106は下方から追加された支持棒100の支持棒ロックピン105に押し上げられ、上段側の支持棒100の操作ボタン101がOFFの状態になる。
【0080】
支持棒100同士を連結する場合には、下段側からON操作ボタン102を押して操作ボタン101をONの状態にした別の支持棒100を連結して継ぎ足すことにより、上段側の連動部材106は下方から追加された支持棒100の支持棒ロックピン105に押し上げられ、上段側の支持棒100の操作ボタン101が、連結前にONであるかOFFであるかに関わらず、OFFの状態になる。結果、上段側の支持棒100の支持棒ロックピン105は、下段側の支持棒100の支持棒ロックピン105に連動する状態になる。これにより、保持機構81のスライダストッパ86に当接してスライダ85の動きを規制している、上段側の支持棒100の支持棒ロックピン105の操作を、下段側の支持棒100の操作ボタン101によって行うことができるようになる。
【0081】
図27は、
図26に示す支持棒の下方に支持棒を継ぎ足した状態を示す説明図である。さらに支持棒100を継ぎ足す場合も同様に、新たに最下段に追加する支持棒100の操作ボタン101をONの状態にして連結することにより、この支持棒100の上側に位置して、操作ボタン101がONになっていた支持棒100の操作ボタン101はOFFになる。つまり、支持部材80を用いて本体部60をベース部20に取り付ける場合において、複数の支持棒100を連結する場合には、最下段の支持棒100の操作ボタン101のみONにし、それ以外の支持棒100の操作ボタン101はOFFになる。これにより、保持機構81に連結されている支持棒100の支持棒ロックピン105の操作を、最下段の支持棒100の操作ボタン101によって行うことが可能になる。
【0082】
図28は、本体部をベース部に取り付ける場合の斜視図である。支持部材80によって無線アクセスポイント10を保持することにより、本体部60がベース部20に届いたら、本体部60を、通信用プラグ72が位置する側からベース部20内に入り込ませる。本体部60は、ベース部20に対しては、下方に向かって開口しているベース部20における開口部分からベース部20内に入り込ませる。その際に、本体部60は、本体部ロックピン63における第1ロックピン64が、ベース部20に形成されるロックピン孔23における第1ロックピン孔24側に位置し、第2ロックピン65が第2ロックピン孔25側に位置する向きで入り込ませる。
【0083】
ロックピン孔23に対する本体部ロックピン63の向きが適切な向きで、本体部60が、通信用プラグ72が位置する側からベース部20内に入り込むと、本体部ロックピン63はロックピン孔23に入り込んでロックピン孔23を通過し、ガイド溝30に入り込む。即ち、本体部ロックピン63は、ガイド溝30が有する通路部31の開放部32から通路部31内に入り込む。支持部材80を持ち上げることにより、本体部60をそのまま上方に移動させると、本体部ロックピン63は、開放部32側から、通路部31における係合部34が連通している側の端部である係合部連通部33に向けて通路部31内を移動する。
【0084】
また、本体部60がベース部20内に入り込むと、本体部60は、ベース部20内に設けられる本体部姿勢調整部26に当接する。本体部姿勢調整部26には、複数の調整部バネ27から付勢力が付与されているため、本体部姿勢調整部26に当接した本体部60は、本体部本体61の形状である円筒の軸方向が、ベース部本体21の形状である角筒の軸方向に沿った方向になるように、姿勢が調整される。本体部60に設けられる通信用プラグ72は、このように本体部60の姿勢が調整された状態で、ベース部20内に配設される通信用レセプタ46に接続される。
【0085】
ベース部20の通信用レセプタ46は、サーバ側LANケーブル5のRJ45プラグ7が接続されたRJ45レセプタ45と電気的に接続されており、本体部60の通信用プラグ72は、無線アクセスポイント10のRJ45レセプタ11と電気的に接続されている。このため、本体部60の通信用プラグ72が、ベース部20の通信用レセプタ46に接続されることにより、無線アクセスポイント10のRJ45レセプタ11は、サーバ側LANケーブル5のRJ45プラグ7に対して、電気的に接続された状態になる。
【0086】
通信用プラグ72が通信用レセプタ46に接続された状態で、本体部60をさらに上方に移動させると、ガイド溝30の通路部31内に位置する本体部ロックピン63は、係合部連通部33の位置に到達する。本体部ロックピン63が係合部連通部33に到達したら、本体部ロックピン63は、それ以上、上方には移動することができなくなり、本体部60をそれ以上、上方に移動させることができなくなる。支持部材80を持っている作業者Wは、支持部材80が上方に移動しなくなったら、本体部ロックピン63に対して係合部34が位置する側に支持部材80を回動させる。
【0087】
本体部60の通信用プラグ72が接続される、ベース部20の通信用レセプタ46は、回動部材40に設けられているため、支持部材80を回動させることによって本体部60が回動し、通信用プラグ72が回動した場合には、通信用プラグ72と共に、回動部材40全体が回動する。これにより、本体部60は、通信用プラグ72と通信用レセプタ46との接続を維持したまま回動させることができる。
【0088】
また、本体部ロックピン63が、係合部34が位置する側に向かう方向に本体部60を回動させた場合、本体部ロックピン63は、ガイド溝30の通路部31に入り込んだ状態で、係合部連通部33で通路部31の溝幅方向に移動する。これにより、本体部ロックピン63は、係合部34に入り込み、係合部34と係合する。2箇所のガイド溝30と、第1ロックピン64と第2ロックピン65とは、それぞれ点対称となる位置に設けられているため、本体部60を回動させることにより、2つの本体部ロックピン63は、それぞれガイド溝30の係合部34と係合する。
【0089】
図29は、本体部をベース部に取り付けた状態を示す斜視図である。
図30は、本体部をベース部に取り付けた状態を示す側面図である。詳しくは、支持部材80を回動させると、本体部ロックピン63は、通路部31側から係合部34側に移動し、係合部34の溝壁に当接することにより、それ以上は同方向には移動しなくなる。これにより、本体部60は回動しなくなるので、本体部60が回動しなくなったら、作業者Wは支持部材80を下方に降ろす。これにより本体部ロックピン63は、係合部34内の下端部まで移動し、係合部34と係合する。
【0090】
本体部ロックピン63が係合部34に係合すると、ベース部20に設けられる取付完了報知手段50の接点51は、本体部ロックピン63に設けられる電極75に接触し、電気的に接続される。本体部ロックピン63に設けられる電極75は、ボタン電池76に接続されているため、本体部ロックピン63に設けられる電極75と、取付完了報知手段50の接点51とが接触した場合、ボタン電池76の電力が取付完了報知手段50に流れる。取付完了報知手段50が有するLED52は、このようにボタン電池76から供給される電力により、一定時間点灯する。
【0091】
天井2の下方で支持部材80を支持する作業者Wは、LED52が点灯したことを視認することにより、本体部ロックピン63と係合部34とが係合したことを認識する。本体部ロックピン63と係合部34とが係合したことを認識した作業者Wは、支持部材80を無線アクセスポイント10から取り外す。
【0092】
図31は、支持部材を無線アクセスポイントから取り外す際の説明図である。支持部材80を無線アクセスポイント10から取り外す際には、支持棒100のOFF操作ボタン103を押して、操作ボタン101をOFF状態にする。その際に、複数の支持棒100が連結されている場合には、最下段の操作ボタン101をOFF状態にする。これにより、保持機構81に連結されている支持棒100の支持棒ロックピン105は、自重によって下方に下がるため、保持機構81のスライダ85は、シャッタ88が位置する側に移動可能になる。このため、スライダバネ87によって付勢力が付与されているスライダ85は、シャッタ88の方向に移動し、シャッタ88は、このスライダ85の移動によって倒れる。即ち、保持機構81は解放状態になる。
【0093】
無線アクセスポイント10は、本体部60を介してベース部20に取り付けられているため、シャッタ88が倒れた状態で、支持部材80を、ストッパ84が位置する側に移動させることにより、無線アクセスポイント10をシャッタ88側から引き抜くことができる。これにより、支持部材80は、無線アクセスポイント10から取り外され、無線アクセスポイント10は、RJ45レセプタ11が、サーバ側LANケーブル5のRJ45プラグ7に電気的に接続された状態で、天井2に設置される。
【0094】
次に、無線アクセスポイント10のメンテナンスや交換を行う際に、天井2に設置された無線アクセスポイント10を取り外す手法について説明する。無線アクセスポイント10を取り外す際には、支持部材80の長さを、複数の支持棒100を連結することにより、上端の保持機構81が、天井2に設置された無線アクセスポイント10に届く長さにする。保持機構81が無線アクセスポイント10に届く長さになったら、最下段の支持棒100に、水平器110を取り付ける。また、この場合、支持棒100の操作ボタン101は、全てOFF状態にする。
【0095】
水平器110は、水平針113によって支持部材80の傾きを視認でき、また、支持部材80が垂直状態になった場合には、ブザー114から音を発する。このため、作業者Wは、水平針113を視認したり、ブザー114からの音を聞いたりすることにより、支持部材80を垂直状態にし、この状態で、保持機構81のシャッタ88側から、サイドサポート95のサポート部96同士の間に、無線アクセスポイント10を通す。支持部材80が垂直状態のときは、保持機構81の機器受け部82は水平状態になっているため、サポート部96において、無線アクセスポイント10の側面の上方側を保持する部分の下方側に、無線アクセスポイント10をスムーズに通すことができる。
【0096】
サイドサポート95のサポート部96同士の間に、無線アクセスポイント10を通したら、さらに、保持機構81がシャッタ88側に移動する方向に支持部材80を移動させることにより、無線アクセスポイント10をストッパ84に当接させる。この状態で、保持機構81をさらに同方向に移動させることにより、ストッパ84に連結されるスライダ85を移動させ、シャッタ88を起こすことにより、無線アクセスポイント10を、ストッパ84とシャッタ88とで挟んで保持する状態にする。
【0097】
このように、シャッタ88が起きたら、支持棒100のうち、最下段に位置する支持棒100の操作ボタン101をON状態にする。これにより、保持機構81に連結される支持棒100の支持棒ロックピン105は上方に突出し、ストッパ84の移動を規制することにより、ストッパ84とシャッタ88とで無線アクセスポイント10を挟んで保持する状態が維持される。即ち、保持機構81は、無線アクセスポイント10の保持状態になる。
【0098】
保持機構81が、無線アクセスポイント10の保持状態になったら、支持部材80を一旦、上に持ち上げ、係合部34内の本体部ロックピン63が、通路部31が位置する側に向かうように本体部60を回動させる方向に、支持部材80を回動させる。つまり、本体部60をベース部20に取り付けた場合の反対の動作を、支持部材80に対して行う。本体部60を回動させることにより、本体部ロックピン63が通路部31まで移動したら、支持部材80をそのまま下方に下げる。これにより、本体部60の通信用プラグ72は、ベース部20の通信用レセプタ46から抜けて、さらに、本体部ロックピン63は、通路部31の開放部32から、ガイド溝30内を抜け出て、ロックピン孔23を下方側に通過する。
【0099】
本体部ロックピン63がガイド溝30から抜け出たら、支持部材80をそのまま下方に下げることにより、本体部60をベース部20内から抜け出させることができる。本体部60をベース部20内から抜け出させたら、保持機構81で保持している無線アクセスポイント10を保持機構81から取り外すが、支持部材80は長さが長くなっているため、そのままでは支持部材80を倒して無線アクセスポイント10を取り外すことができない場合がある。この場合は、支持棒100の連結を解除することにより、支持部材80全体の長さを短くしてから、無線アクセスポイント10を取り外す。
【0100】
図32は、無線アクセスポイントを保持している支持部材を短くする場合の説明図である。支持棒100の連結を解除して支持棒100を取り外す際には、最下段側に位置する支持棒100を取り外す。最下段側に位置する支持棒100を取り外す場合には、そのすぐ上の支持棒100のON操作ボタン102を押しながら最下段側の支持棒100を取り外すことにより、この支持棒100の操作ボタン101をON状態にする。これにより、保持機構81に連結される支持棒100の支持棒ロックピン105を上方に突出させて、保持機構81で無線アクセスポイント10を保持する状態を維持したまま、最下段の支持棒100を取り外す。
【0101】
図33は、
図32に示す支持部材から、最下段の支持棒を取り外す場合の説明図である。支持部材80の長さを、さらに短くする場合も同様に、最下段側に位置する支持棒100のすぐ上の支持棒100のON操作ボタン102を押しながら最下段側の支持棒100を取り外す。これにより、保持機構81で無線アクセスポイント10を保持する状態を維持したまま、最下段の支持棒100を取り外す。支持部材80の長さが短くなり、作業者Wが無線アクセスポイント10や本体部60を直接触れることのできる状態になったら、ON状態になっている操作ボタン101をOFFにする。これにより、保持機構81を、無線アクセスポイント10を解放する状態にし、保持機構81から無線アクセスポイント10を取り外す。さらに、本体部60から無線アクセスポイント10を取り外して、無線アクセスポイント10に対して所望の作業を行う。
【0102】
以上の実施形態に係る無線アクセスポイント10の交換金具1は、無線アクセスポイント10が取り付けられた本体部60を、天井2に配設されるベース部20に支持部材80を用いて着脱するため、作業者Wは、昇降設備を用いることなく、着脱を行うことができる。その際に、本体部60をベース部20に取り付けることにより、無線アクセスポイント10のRJ45レセプタ11と、サーバ側LANケーブル5のRJ45プラグ7との電気的な接続も行われるので、機械的な着脱のみでなく、電気的な接続や遮断も行うことができる。これらの結果、無線アクセスポイント10を容易に着脱することができる。
【0103】
また、サーバ側LANケーブル5と無線アクセスポイント10との間で電気的な接続と遮断を行うRJ45プラグ7及びRJ45レセプタ11には、抜け防止用に爪が付いているため、離れた位置からの無線アクセスポイント10の取り付け、取り外しが困難になっている。これに対し、実施形態に係る無線アクセスポイント10の交換金具1では、本体部60をベース部20に取り付けることによって、RJ45プラグ7とRJ45レセプタ11との電気的な接続が可能になっている。これにより、電気接続部材6から離れた位置からの、無線アクセスポイント10の取り外しを可能にすることができる。この結果、無線アクセスポイント10の取り外しを、より確実に容易に行うことができる。
【0104】
また、ベース部20には通信用レセプタ46が設けられ、本体部60には通信用プラグ72が設けられ、通信用レセプタ46と通信用プラグ72とは、ベース部20に対する本体部60の着脱に伴って挿抜が行われると共に、一対の電気接続部材6同士の間での電気的な接続と遮断を行うことが可能になっている。これにより、ベース部20に対して本体部60を取り付けたり取り外したりすることのみで、無線アクセスポイント10のRJ45レセプタ11と、サーバ側LANケーブル5のRJ45プラグ7との電気的な接続と遮断を行うことができる。この結果、無線アクセスポイント10の動作性を確保しつつ、無線アクセスポイント10の着脱を容易に行うことができる。
【0105】
また、支持部材80は、一端側に保持機構81を備えており、他端側には、保持機構81の保持状態と解放状態とを切り替える操作ボタン101が備えられているため、作業者Wは、高所に位置する保持機構81を、床等の低所にいながら操作することができる。この結果、より確実に、無線アクセスポイント10の着脱を容易に行うことができる。
【0106】
また、支持部材80には、保持機構81によって無線アクセスポイント10を保持することが可能な状態であることを報知する保持可能報知手段が備えられているため、作業者Wが低所にいながら保持機構81の操作をする際に、容易に操作をすることができる。この結果、無線アクセスポイント10を、より容易に着脱することができる。
【0107】
また、本体部60には本体部ロックピン63が設けられており、ベース部20には、ベース部20への本体部60の取り付け時に本体部ロックピン63が係合する係合部34を有するガイド溝30が形成されているため、係合部34に本体部ロックピン63を係合させることにより、本体部60を容易にベース部20に取り付けることができる。この結果、より確実に、無線アクセスポイント10の着脱を容易に行うことができる。
【0108】
また、本体部ロックピン63は、長さが異なって複数が設けられると共に、ガイド溝30は、複数の本体部ロックピン63に対応して複数が設けられており、本体部60は、それぞれの本体部ロックピン63が、対応するガイド溝30に入り込むことによりベース部20に取り付けることが可能になっているため、本体部60をベース部20に取り付ける際に、適切な向きで取り付けることができる。この結果、無線アクセスポイント10の着脱を、より適切に行うことができる。
【0109】
また、支持部材80は、連結する支持棒100の数を変更することにより、長さを調節することができるため、無線アクセスポイント10を設置する部分の高さに応じた適切な長さで着脱作業を行うことができる。つまり、支持部材80の長さが短い場合には、無線アクセスポイント10を天井2に届かせることが困難になるため、作業者Wが低所にいながら無線アクセスポイント10を設置することが困難になる。また、無線アクセスポイント10を設置する部屋が狭い場合において、支持部材80の長さが長い場合には、支持部材80を倒すことが困難になるため、支持部材80を倒して無線アクセスポイント10を保持機構81に対して着脱する作業を行うのが困難になる。これに対し、本実施形態に係る交換金具1では、支持部材80の長さを調節することができるため、無線アクセスポイント10を設置する部分の高さや部屋の大きさに関わらず、適切な長さで着脱作業を行うことができる。この結果、無線アクセスポイント10の着脱を、より確実に容易に行うことができる。
【0110】
また、ベース部20には、本体部60が取り付けられたことを報知する取付完了報知手段50が備えられているため、作業者Wは本体部60がベース部20に取り付けられたことを、低所にいながら認識することができる。この結果、より確実に、無線アクセスポイント10の着脱を容易に行うことができる。
【0111】
〔変形例〕
なお、上述した実施形態に係る交換金具1では、無線アクセスポイント10を本体部60に取り付けるアタッチメント77として、レール状のものが用いられているが、アタッチメント77は、これ以外のものが用いられてもよい。
図34は、実施形態に係る高所設置機器の交換金具の変形例であり、アタッチメントの平面図である。アタッチメント120としては、例えば、
図34に示すように、内側がメッシュ状に形成される板状のものが用いられてもよい。具体的には、アタッチメント120には、ビスによってアタッチメント120を無線アクセスポイント10に取り付けるための取付け孔122として、丸孔123と十字孔124とが多数形成されている。十字孔124は、十字状に開口した孔になっており、座金を用いることにより、十字状の孔のどの部分でも、ビスを通して無線アクセスポイント10のネジ孔に螺合させることができる。
【0112】
また、このアタッチメント120は、レール状のアタッチメント77と比較して無線アクセスポイント10を覆う面積が大きいため、無線アクセスポイント10と本体部60とに接続するアクセスポイント側LANケーブル15を通すための孔であるケーブル導入口121が形成されている。このように、アタッチメント120に多数の取付け孔122を形成することにより、無線アクセスポイント10の形式を変更した場合でも、いずれかの取付け孔122を用いて、アタッチメント120を無線アクセスポイント10に取り付けることができるため、交換金具1の汎用性を高めることができる。
【0113】
また、実施形態に係る交換金具1では、無線アクセスポイント10を設置する部分である高所として、天井2を用いて説明しているが、無線アクセスポイント10を設置する高所は、天井2以外の部分でもよい。無線アクセスポイント10を設置する高所としては、壁面における高い位置や、屋外の庇等であってもよい。高所としては、労働安全衛生規則・第518条の規定に基づいて、高さが2m以上の箇所に対する無線アクセスポイント10の着脱作業を高所作業として適用し、高さが2m以上の箇所に位置する設置部3に対して無線アクセスポイント10を着脱する場合に、交換金具1を用いてもよい。
【0114】
また、実施形態に係る交換金具1では、ベース部20と本体部60との間で電気的な接続を行う中間接続部材として、イーサネットで用いられる通信用コネクタ71が用いられているが、中間接続部材は、これ以外のものを用いてもよい。中間接続部材としては、例えば、光ファイバーや電源モジュールで用いられるコネクタを用いてもよい。
【0115】
また、実施形態に係る交換金具1では、支持部材80は、複数の支持棒100を連結したり取り外したりすることにより、長さを調節することが可能になっているが、支持部材80は、これ以外の手法によって長さを調節することができるようになっていてもよい。支持部材80は、例えばテレスコピック状に形成されることにより、伸縮可能に構成されていてもよい。
【0116】
また、実施形態に係る交換金具1では、取付完了報知手段50は、ベース部20に備えられているが、取付完了報知手段50は、ベース部20以外に備えられていてもよく、例えば、本体部60に設けられていてもよい。取付完了報知手段50は、本体部60がベース部20に取り付けられたことを作業者Wに報知することができるものであれば、報知の手段や取り付け位置は、実施形態に記載したもの以外でもよい。
【0117】
また、実施形態に係る交換金具1では、交換金具1で着脱を行う高所設置機器として、無線アクセスポイント10を用いて説明しているが、高所設置機器としては、無線アクセスポイント10以外のものを用いてもよい。高所設置機器は、例えば、ネットワークカメラや火災警報器、プロジェクタ等が用いられていてもよい。高所設置機器は、天井2や、壁面の高い位置等の高所に設置する機器であれば、機器の機能は問わない。
【0118】
また、実施形態に係る交換金具1では、サーバ側LANケーブル5と無線アクセスポイント10との間で電気的な接続と遮断を行う一対の電気接続部材6として、RJ45プラグ7及びRJ45レセプタ11が用いられているが、電気接続部材6は、これ以外のものでもよい。電気接続部材6は、挿抜することにより電気的な接続と遮断を行うことができるものであれば、その種類は問わない。