特許第6271806号(P6271806)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6271806
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】ウイルス静止化合物としての抗炎症剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/381 20060101AFI20180122BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 31/22 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 31/20 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 13/02 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 13/10 20060101ALI20180122BHJP
【FI】
   A61K31/381
   A61P31/12
   A61P31/22
   A61P31/20
   A61P27/02
   A61P1/00
   A61P11/00
   A61P13/12
   A61P13/02
   A61P13/10
【請求項の数】6
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-504237(P2017-504237)
(86)(22)【出願日】2014年4月11日
(65)【公表番号】特表2017-513935(P2017-513935A)
(43)【公表日】2017年6月1日
(86)【国際出願番号】EP2014057398
(87)【国際公開番号】WO2015154820
(87)【国際公開日】20151015
【審査請求日】2017年1月24日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成25年10月20日発行の「Antiviral Research 100(2013)640−648」に発表
(73)【特許権者】
【識別番号】516304182
【氏名又は名称】パノプテス・ファーマ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100163784
【弁理士】
【氏名又は名称】武田 健志
(72)【発明者】
【氏名】シュトロブル,シュテファン
【審査官】 常見 優
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2010/0280081(US,A1)
【文献】 特表2006−514023(JP,A)
【文献】 特表2006−511564(JP,A)
【文献】 Antiviral Research, 2013.10.20, Vol. 100, No. 3, p. 640-648
【文献】 Journal of Medicinal Chemistry, 2006, Vol. 49, No. 4, p. 1239-1247
【文献】 Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 2006, Vol. 16, No. 2, p. 267-270
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K31/00−33/44
A61P 1/00−43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化合物3−(2,3,5,6−テトラフルオロ−3’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−チオフェン−2−カルボン酸またはその薬理学的に許容可能な塩を含む、アデノウイルス、HHV(ヒトヘルペスウイルス)、VZV(水痘帯状疱疹ウイルス)、HSV(単純ヘルペスウイルス)、EBV(エプスタイン・バーウイルス)、ワクシニアウイルス、またはBKウイルスにより引き起こされる疾患または医学的状態の処置または改善のための医薬組成物。
【請求項2】
前記化合物が、インビトロアッセイにおけるジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害に関する50nM以下の半数阻害濃度(IC50)およびインビトロアッセイにおけるアデノウイルスの阻害に関する50μM以下の半数有効濃度(EC50)を有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
疾患または医学的状態がアデノウイルスにより引き起こされる、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
疾患または医学的状態が、呼吸器、胃腸、または眼の症状により特性付けられる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
疾患または医学的状態が、アデノウイルス性結膜炎または角結膜炎である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
疾患または医学的状態が、サイトメガロウイルス感染、網膜炎、感染性単核球症様症候群、単核球症、水痘、帯状疱疹、第六病(小児バラ疹または突発性発疹)、ワクシニアウイルス感染、BKウイルス関連腎障害、尿管狭窄および間質性腎炎、出血性膀胱炎である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アデノウイルス、HHV(ヒトヘルペスウイルス)、VZV(水痘帯状疱疹ウイルス)、HSV(単純ヘルペスウイルス)、EBV(エプスタイン・バーウイルス)、ワクシニアウイルス、またはBKウイルスにより引き起こされる医学的状態の処置における使用のための一般式(I)の化合物:
【0002】
【化1】
【0003】
ならびにその塩類および生理的に機能する誘導体に関する。
【背景技術】
【0004】
ウイルス感染症は、通常はウイルスタンパク質を標的とする物質により処理され、例えばインフルエンザは、M2−膜タンパク質阻害剤(アダマンチンおよびリマンタジン)またはノイラミニダーゼ阻害剤(オセルタミビルおよびザナミビル)により処置され;HIVは、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素阻害剤(ヌクレオシドおよび非ヌクレオシド類似体)、融合阻害剤(ウイルス膜貫通タンパク質gp41を妨げる)または細胞侵入阻害剤により処置され;HCVは、リバビリンおよびインターフェロンアルファの組み合わせにより処置され、ここで、リバビリンは、ヌクレオシド類似体としてウイルスのポリメラーゼを阻害し、そしてインターフェロンアルファは、宿主の免疫系を活性化し;HBVは、ペグ化インターフェロンアルファおよび/またはヌクレオシドもしくはヌクレオチド類似体(analoga)により処置される。
【0005】
しかし、これらのウイルス性疾患の処置は、ウイルスの高い変異率のために満足なものではなく、従って結果として現在知られている薬物療法の有効性の欠如をもたらしている。さらに、宿主因子との相互作用により、または2種類もしくは数種類の異なるウイルスに感染している患者に関する処置の不適合により引き起こされる重篤な副作用が、たびたび起こる。ウイルスタンパク質を標的とする物質により引き起こされる新しい選択圧に迅速に適応するウイルスの能力を考慮して、ウイルス性疾患に関する新規の処置選択肢が、緊急に必要とされている。ウイルスに対する選択圧を迂回し、そうして耐性の発生を回避するための新規のアプローチが、ウイルスの複製サイクルに必須の宿主細胞因子の標的化である。
【0006】
完全に異なる構造を有するDHODH阻害剤であるレフルノミドの活性代謝産物が、最近論じられており、いくつかのウイルス感染モデルにおいて、ならびに感染した患者において試験されている(Gabriel T. Meister, dissertation Ohio State University 2005; Chong et al. Am. J. Transplant 2006 6(1): 69-75)が、抗ウイルス活性は、大部分がタンパク質キナーゼの阻害に帰せられ、それは結果としてウイルスタンパク質のリン酸化の阻害をもたらす。さらに、ウイルスプラークアッセイにおけるウリジンの投与は、サイトメガロウイルス(CMV)モデルにおいてウイルス負荷の低減に影響を及ぼさなかった;しかし、その活性をDHODHの阻害により発揮する阻害剤は、上記で引用された刊行物によれば、アッセイにウリジンが補われた際に、その阻害可能性を失うことが予想されるであろう。
【0007】
本発明が関連する化合物は、以前にDHODH阻害剤として記載されており(国際公開第03/006425号、国際公開第04/056746号、国際公開第04/056797号、国際公開第04/056747号、国際公開第08/077639号、国際公開第09/021696号)、ウイルス感染により引き起こされる疾患の処置が言及されている。これらの化合物は、レフルノミドの活性代謝産物と比較した場合により活性なDHODH阻害剤であり、タンパク質キナーゼを生理的に関連するレベルで阻害しない。さらに、本発明からの化合物の抗ウイルス活性は、ウリジンの添加により逆転し得ることが示されている(Marshall et al., Antiviral Research 100 (2013) 640-648)。従って、本発明が関連する化合物の抗ウイルス活性は、DHODHの阻害に基づいていると結論付けられる。対照的に、レフルノミドの活性代謝産物に関しては、抗ウイルス活性は大部分がタンパク質キナーゼの阻害に帰せられる。
【0008】
ウイルスの病原性は、複製に関する宿主細胞の機序に重度に頼っており、これはウイルスの高い複製速度のために核酸塩基構築ブロックの高い必要性をもたらしている。意外にも、現在、ピリミジン類の新規生合成の阻害をもたらすDHODHの阻害は、特定のウイルスの複製を抑制するために利用されることができることが分かっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第03/006425号
【特許文献2】国際公開第04/056746号
【特許文献3】国際公開第04/056797号
【特許文献4】国際公開第04/056747号
【特許文献5】国際公開第08/077639号
【特許文献6】国際公開第09/021696号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Gabriel T. Meister, dissertation Ohio State University 2005
【非特許文献2】Chong et al. Am. J. Transplant 2006 6(1): 69-75
【非特許文献3】Marshall et al., Antiviral Research 100 (2013) 640-648
【発明の概要】
【0011】
本発明は、驚くほどウイルス静止活性を示す化合物に関する。特に、本発明は、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ(DHODH)を阻害する化合物の、ウイルスに誘導される疾患の処置および予防のための使用に関する。本発明に従う疾患または医学的状態は、アデノウイルス、HHV(ヒトヘルペスウイルス)、VZV(水痘帯状疱疹ウイルス)、HSV(単純ヘルペスウイルス)、EBV(エプスタイン・バーウイルス)、ワクシニアウイルス、またはBKウイルスにより、特にアデノウイルスにより誘導される。
【0012】
Marschallらは、著しい抗ウイルス活性を有するDHODH阻害剤化合物を記載している。
本明細書において、我々は、式(I)に従う物質の使用は、アデノウイルスにより引き起こされる疾患の処置に関して特に有利であることを開示する。
【0013】
従って、特に、本発明の対象は、以下の側面を含む:
【発明を実施するための形態】
【0014】
第1側面において、本発明は、それを必要とする対象に有効量の式(I)のジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ阻害剤を投与することを含むウイルス感染症により引き起こされる疾患または医学的状態の処置または改善における使用のための式(I)の化合物:
【0015】
【化2】
【0016】
[式中、
Aは、フラン、チオフェン、フェニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、ピリジルもしくはジヒドロチオフェンであり;
Dは、O、またはSであり;
R’は、独立してハロゲン、−COR”、−CONR”R'”、−CR”O、−SONR”、−NR”−CO−ハロアルカニル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、−NO、−NR”−SO−ハロアルカニル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、−NR”−SO−アルカニル、−NR”−SO−アルケニル、−NR”−SO−アルキニル、−SO−アルカニル、−SO−アルケニル、−SO−アルキニル、−NR”−CO−アルカニル、−NR”−CO−アルケニル、−NR”−CO−アルキニル、−CN、アルカニル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アミノアルカニル、アミノアルケニル、アミノアルキニル、アルカニルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、アルカニルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、−シクロアルキルオキシ、−OH、−SH、アルカニルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、ヒドロキシアルカニル、ヒドロキシアルケニル、ヒドロキシアルキニル、ヒドロキシアルカニルアミノ、ヒドロキシアルケニルアミノ、ヒドロキシアルキニルアミノ、ハロゲン、ハロアルカニル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ハロアルカニルオキシ、ハロアルケニルオキシ、ハロアルキニルオキシ、アリール、アラルキルまたはヘテロアリールを表し;
R”は、独立してH、ハロアルカニル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ヒドロキシアルカニル、ヒドロキシアルケニル、ヒドロキシアルキニル、アルカニル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノアルカニル、アミノアルケニルまたはアミノアルキニルを表し、
R'”は、独立してHまたはアルカニルを表し、
Eは、フェニルまたはピリジルであり、そのそれぞれは、場合により1個以上の置換基R’により置換されており;
nは、0、1、2、3または4であり;そして
qは、0または1である]
またはその薬理学的に許容可能な塩、または式Iの化合物のヒドロキシル基のエステル、ホスフェートもしくはサルフェート修飾、式Iの化合物のカルボキシル基のエステルもしくはアミド修飾、もしくは式Iの化合物のアミノ基のイミン、アミドもしくは尿素修飾である生理的に機能する誘導体に関し、ここで、ウイルス感染は、アデノウイルス、HHV(ヒトヘルペスウイルス)、VZV(水痘帯状疱疹ウイルス)、HSV(単純ヘルペスウイルス)、EBV(エプスタイン・バーウイルス)、ワクシニアウイルス、またはBKウイルスにより引き起こされる。
【0017】
別の側面において、本発明は、それを必要とする対象に有効量の以下のジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ阻害剤:
3−(2,3,5,6−テトラフルオロ−3’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−チオフェン−2−カルボン酸;
4−(2’−クロロ−3,5−ジフルオロ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−2,5−ジヒドロ−チオフェン−3−カルボン酸;
2−[3−クロロ−4−(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジルオキシ)−フェニルカルバモイル]−シクロペンタ−1−エンカルボン酸;
2−(2,3,5,6−テトラフルオロ−3’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−シクロペンタ−1−エンカルボン酸;
2−[4−(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジルオキシ)−3−フルオロ−フェニルカルバモイル]−シクロペンタ−1−エンカルボン酸;
2−(3−フルオロ−3’−メトキシ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−シクロペンタ−1−エンカルボン酸;
2−(3−ビフェニル−4−イルウレイド)安息香酸;
2−(2,3,5,6−テトラフルオロ−3’−メトキシビフェニル−4−イルカルバモイル)フラン−3−カルボン酸;
4−(3’−エトキシ−3,5−ジフルオロビフェニル−4−イルカルバモイル)チオフェン−3−カルボン酸;
2−(2,3,5,6−テトラフルオロ−3’−メトキシビフェニル−4−イルカルバモイル)シクロペンタ−1−エンカルボン酸;
2−(2,3,5,6−テトラフルオロ−2’−メトキシビフェニル−4−イルカルバモイル)シクロペンタ−1−エンカルボン酸;
2−(3,5−ジフルオロ−3’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−4−イルカルバモイル)シクロペンタ−1−エンカルボン酸;
3−ヒドロキシ−2−(2,3,5,6−テトラフルオロ−3’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−4−イルカルバモイル)シクロペンタ−1−エンカルボン酸;
2−(2−クロロ−4’−メトキシビフェニル−4−イルカルバモイル)シクロペンタ−1−エンカルボン酸;
4−(3,5−ジフルオロ−3’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−4−イルカルバモイル)チオフェン−3−カルボン酸;
5−(4−(2−クロロ−6−フルオロベンジルオキシ)−3−フルオロフェニルカルバモイル)シクロペンタ−1,4−ジエンカルボン酸;
3−(3,5−ジフルオロ−3’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−4−イルカルバモイル)チオフェン−2−カルボン酸;
2−(3−フルオロ−3’−メトキシビフェニル−4−イルアミノ)ニコチン酸;
2−(3,5−ジフルオロ−3’−メトキシビフェニル−4−イルアミノ)ニコチン酸;
5−シクロプロピル−2−(5−メチル−6−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジン−3−イルアミノ)安息香酸;
2−[4−(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジルオキシ)−3−フルオロ−フェニルカルバモイル]−シクロペンタ−1−エンカルボン酸;
2−[3,5−ジクロロ−4−(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジルオキシ)−フェニルカルバモイル]−シクロペンタ−1−エンカルボン酸;
2−(2−クロロ−4’−ジメチルアミノ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−シクロペンタ−1−エンカルボン酸;
3−(3−フルオロ−3’−メトキシ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−チオフェン−2−カルボン酸;もしくは
4−(2,3,5,6−テトラフルオロ−3’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−2,5−ジヒドロ−チオフェン−3−カルボン酸;
またはその薬理学的に許容可能な塩、
または式Iの化合物のヒドロキシル基のエステル、ホスフェートもしくはサルフェート修飾、式Iの化合物のカルボキシル基のエステルもしくはアミド修飾、もしくは式Iの化合物のアミノ基のイミン、アミドもしくは尿素修飾であるその生理的に機能する誘導体;
の1つを投与することを含むウイルス感染により引き起こされる疾患または医学的状態の処置または改善における使用のための上記の化合物に関し、ここで、ウイルス感染は、アデノウイルス、HHV(ヒトヘルペスウイルス)、VZV(水痘帯状疱疹ウイルス)、HSV(単純ヘルペスウイルス)、EBV(エプスタイン・バーウイルス)、ワクシニアウイルス、またはBKウイルスにより引き起こされる。
【0018】
さらなる側面において、本発明は、上記の使用のための式(I)の化合物であって、ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ阻害剤がインビトロアッセイにおけるジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害に関する50nM以下の半数阻害濃度(IC50)およびインビトロアッセイにおけるウイルスの阻害に関する50μM以下の、好ましくは10μM以下の半数有効濃度(EC50)を有する使用のための式(I)の化合物に関する。
【0019】
さらなる側面において、本発明は、上記の使用のための式(I)の化合物であって、ウイルス感染がアデノウイルスにより引き起こされる使用のための式(I)の化合物に関する。
【0020】
さらなる側面において、本発明は、上記の使用のための式(I)の化合物であって、疾患または医学的状態が呼吸器、胃腸、または眼の症状と関係している使用のための式(I)の化合物に関する。
【0021】
さらなる側面において、本発明は、上記の使用のための式(I)の化合物であって、疾患または医学的状態がアデノウイルス性結膜炎または角結膜炎である使用のための式(I)の化合物に関する。
【0022】
本発明のさらなる側面は、前記の医学的状態の処置または改善のための方法に関する態様に関して本明細書で詳述されている疾患または医学的状態の処置または改善のための方法における上記のDHODH阻害剤である。
【0023】
本発明のさらなる側面は、前記の医学的状態の処置または改善のための方法に関する態様に関して本明細書で詳述されている疾患または医学的状態の処置または改善における使用のための医薬品の生産のための、上記のDHODH阻害剤の使用である。本発明の一態様であるその一例は、ウイルス感染により引き起こされる、より好ましくはアデノウイルスにより引き起こされる疾患または医学的状態の処置または改善における使用のための医薬品の生産のための、化合物1の使用である。
【0024】
本発明のさらなる側面は、前記の医学的状態の処置または改善のための方法に関する態様に関して本明細書で詳述されている疾患または医学的状態の処置または改善のための、上記のDHODH阻害剤の使用である。本発明の一態様であるその一例は、ウイルス感染により引き起こされる、より好ましくはアデノウイルスにより引き起こされる疾患または医学的状態の処置または改善のための、化合物1の使用である。
【0025】
本発明のさらなる側面は、前記の医学的状態の処置または改善のための方法に関する態様に関して本明細書で詳述されている疾患または医学的状態の処置または改善における使用のための、上記のDHODH阻害剤である。本発明の一態様であるその一例は、ウイルス感染により引き起こされる、より好ましくはアデノウイルスにより引き起こされる疾患または医学的状態の処置または改善における使用のための化合物1である。
【0026】
本発明のさらなる側面は、前記の医学的状態の処置または改善のための方法に関する態様に関して本明細書で詳述されている疾患または医学的状態の処置または改善における使用のための、上記のDHODH阻害剤および1種類以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物である。本発明の一態様であるその一例は、ウイルス感染により引き起こされる、より好ましくはアデノウイルスにより引き起こされる疾患または医学的状態の処置または改善における使用のための、化合物1および1種類以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物である。
【0027】
本発明の好ましい態様であるその一例は、ウイルス感染により引き起こされる、より好ましくはアデノウイルスにより引き起こされる疾患または医学的状態の処置または改善における使用のための化合物1である。
【0028】
本発明のさらなる側面は、前記の医学的状態の処置または改善のための方法に関する態様に関して本明細書で詳述されている疾患または医学的状態の処置または改善における使用のための、本発明に属するDHODH阻害剤および1種類以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物である。本発明の一態様であるその一例は、ウイルス感染により引き起こされる、より好ましくはアデノウイルスにより引き起こされる疾患または医学的状態の処置または改善における使用のための、化合物1および1種類以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物である。
【0029】
アルカニル基は、別途記載されない場合、線状または分枝状C〜C−アルカニル、好ましくは1〜5炭素原子の線状または分枝鎖を意味し;アルケニル基は、別途記載されない場合、1個以上の炭素−炭素二重結合を含み、さらにその炭化水素鎖内に1個以上の炭素−炭素単結合を含むことができる線状または分枝状C〜C−アルケニル基を意味し;アルキニル基は、別途記載されない場合、1個以上の炭素−炭素三重結合を含み、さらにその炭化水素鎖内に1個以上の炭素−炭素二重結合および/または単結合を含むことができる線状または分枝状C〜C−アルキニル基を意味し、ここでそのアルカニル、アルケニルおよびアルキニル基は、場合により1個以上の置換基Rにより、好ましくはハロゲンにより置換されていることができる。
【0030】
〜C−アルカニル、C〜C−アルケニルおよびC〜C−アルキニル残基は、好ましくは以下の基:−CH、−C、−CH=CH、−C≡CH、−C、−CH(CH、−CH−CH=CH、−C(CH)=CH、−CH=CH−CH、−C≡C−CH、−CH−C≡CH、−C、−CH−CH(CH、−CH(CH)−C、−C(CH、−C11、−C13、−C(R、−C(R、−CH−C(R、−C(R、−C−C(R、−C−CH=CH、−CH=CH−C、−CH=C(CH、−CH−CH=CH−CH、−CH=CH−CH=CH、−C−C≡CH、−C≡C−C、−CH−C≡C−CH、−C≡C−CH=CH、−CH=CH−C≡CH、−C≡C−C≡CH、−C−CH(CH、−CH(CH)−C、−CH−CH(CH)−C、−CH(CH)−CH(CH、−C(CH−C、−CH−C(CH、−C−CH=CH、−CH=CH−C、−C−CH=CH−CH、−CH−CH=CH−C、−CH−CH=CH−CH=CH、−CH=CH−CH=CH−CH、−CH=CH−CH−CH=CH、−C(CH)=CH−CH=CH、−CH=C(CH)−CH=CH、−CH=CH−C(CH)=CH、−CH−CH=C(CH、−C(CH)=C(CH、−C−C≡CH、−C≡C−C、−C−C≡C−CH、−CH−C≡C−C、−CH−C≡C−CH=CH、−CH−CH=CH−C≡CH、−CH−C≡C−C≡CH、−C≡C−CH=CH−CH、−CH=CH−C≡C−CH、−C≡C−C≡C−CH、−C≡C−CH−CH=CH、−CH=CH−CH−C≡CH、−C≡C−CH−C≡CH、−C(CH)=CH−CH=CH、−CH=C(CH)−CH=CH、−CH=CH−C(CH)=CH、−C(CH)=CH−C≡CH、−CH=C(CH)−C≡CH、−C≡C−C(CH)=CH、−C−CH(CH、−C−CH(CH)−C、−CH(CH)−C、−CH−CH(CH)−C、−CH(CH)−CH−CH(CH、−CH(CH)−CH(CH)−C、−CH−CH(CH)−CH(CH、−CH−C(CH−C、−C(CH−C、−C(CH−CH(CH、−C−C(CH、−CH(CH)−C(CH、−C−CH=CH、−CH=CH−C、−C−CH=CH−CH、−CH−CH=CH−C、−C−CH=CH−C、−CH−C(CH)=C(CH、−C−CH=C(CH、−C−C≡CH、−C≡C−C、−C−C≡C−CH、−CH−C≡C−C、−C−C≡C−Cを含む基から選択されることができ、ここで、上記で言及された基の全部において、水素原子の1個以上が、置換基Rにより、好ましくはハロゲンにより置き換えられていることができる。
【0031】
は、独立してH、ハロアルカニル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ヒドロキシアルカニル、ヒドロキシアルケニル、ヒドロキシアルキニル、アルカニル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノアルカニル、アミノアルケニルまたはアミノアルキニルを表す。
【0032】
シクロアルキル基は、3〜8個の炭素原子、好ましくは4〜8個の炭素原子を含有する単環式非芳香族炭化水素環、または7〜10個の炭素原子、好ましくは8〜10個の炭素原子を含有する二環式非芳香族炭化水素環系を意味し、ここで、シクロアルキル基は、場合により1個以上の二重結合を含み、かつここで、シクロアルキル基は、場合により上記で定義された1個以上の残基Rにより置換されており、かつここで、シクロアルキル基において、1個または2個の非連続のメチレン基が、C=OまたはC=NR基により置き換えられていることができ;シクロアルキル基の限定的でない例は、シクロプロパニル、シクロブタニル、シクロペンタニル、シクロヘキサニル、シクロヘプタニルおよびシクロオクタニル、好ましくはシクロペンタニル、シクロヘキサニルまたはシクロヘプタニルであり、ここで、前記の基において、場合により水素原子の1個以上が、上記で定義された残基Rにより置換されている。
【0033】
ヘテロシクロアルキル基は、3〜8個の炭素原子、好ましくは4〜8個の炭素原子を含有する単環式非芳香族炭化水素環、または7〜10個の炭素原子、好ましくは8〜10個の炭素原子を含有する二環式非芳香族炭化水素環系を意味し、ここで、ヘテロシクロアルキル基において、炭化水素環または環系中の炭素原子の1個以上は、−N(R)−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−を含む基から選択される基により置き換えられており;ここで、ヘテロシクロアルキル基は、場合により1個以上の二重結合を含み、かつここで、ヘテロシクロアルキル基は、場合により上記で定義された1個以上の残基R’により置換されており、かつここで、ヘテロシクロアルキル基において、1個または2個のメチレン基が、C=OまたはC=NR基により置き換えられていることができ;ヘテロシクロアルキル基の限定的でない例は、アゼパン−1−イル、ピペリジニル、特にピペリジン−1−イルおよびピペリジン−4−イル、ピペラジニル、特にN−ピペラジニルおよび1−アルキルピペラジン−4−イル、モルホリン−4−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオフェン、スルホラニル、スルホレニル、オキサゾリニル、イソキサゾリニル、オキサゾリジニル、オキサゾリジノン−イルであり、ここで、前記の基において、場合により水素原子の1個以上が、上記で定義された残基Rにより置換されている。
【0034】
アルカニルオキシ、アルケニルオキシまたはアルキニルオキシ基は、−O−アルカニル、−O−アルケニルまたは−O−アルキニル基を意味し、アルカニル、アルケニルまたはアルキニル基は、上記で定義された通りであり;アルカニルオキシ基は、好ましくはメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシまたはペントキシ基である。
【0035】
アルカニルチオ、アルケニルチオまたはアルキニルチオ基は、−S−アルカニル、−S−アルケニルまたは−S−アルキニル基を意味し、アルカニル、アルケニルまたはアルキニル基は、上記で定義された通りである。
【0036】
ハロアルカニル、ハロアルケニルまたはハロアルキニル基は、1〜5個のハロゲン原子により置換されているアルカニル、アルケニルまたはアルキニル基を意味し、アルカニル、アルケニルまたはアルキニル基は、上記で定義された通りであり;ハロアルカニル基は、好ましくは−C(R、−C(R、−CH−C(R、−CH−C(R、−CH(CH(R))、−C(Rまたは−C−C(Rであり、ここで、Rの例は、同じまたは異なることができ、それぞれのRは、独立してF、Cl、BrまたはIから選択され、好ましくはFである。
【0037】
ヒドロキシアルカニル、ヒドロキシアルケニルまたはヒドロキシアルキニル基は、HO−アルカニル、HO−アルケニルまたはHO−アルキニル基を意味し、アルカニル、アルケニルまたはアルキニル基は、上記で定義された通りである。
【0038】
ハロアルカニルオキシ、ハロアルケニルオキシまたはハロアルキニルオキシ基は、1〜5個のハロゲン原子により置換されているアルカニルオキシ、アルケニルオキシまたはアルキニルオキシ基を意味し、アルカニル、アルケニルまたはアルキニル基は、上記で定義された通りであり;ハロアルカニルオキシ、ハロアルケニルオキシまたはハロアルキニルオキシ基は、好ましくは−OC(R、−OC(R、−OCH−C(R、−OCH(CH(R))、−OC(Rまたは−OC−C(Rである。
【0039】
シクロアルキルオキシ基は、−O−シクロアルキル基を意味し;シクロアルキニルオキシ基は、好ましくはシクロプロポキシ、シクロブトキシおよびシクロペントキシである。
ヒドロキシアルカニルアミノ、ヒドロキシアルケニルアミノまたはヒドロキシアルキニルアミノ基は、(HO−アルカニル)−N−、(HO−アルケニル)−N−もしくは(HO−アルキニル)−N−基またはHO−アルカニル−NH−、HO−アルケニル−NH−もしくはHO−アルキニル−NH−基を意味し、アルカニル、アルケニルまたはアルキニル基は、上記で定義された通りである。
【0040】
アルカニルアミノ、アルケニルアミノまたはアルキニルアミノ基は、HN−アルカニル、HN−アルケニルもしくはHN−アルキニルまたはN−ジアルカニル、N−ジアルケニルもしくはN−ジアルキニル基を意味し、アルカニル、アルケニルまたはアルキニル基は、上記で定義された通りである。
【0041】
ハロゲン基は、塩素、臭素、フッ素またはヨウ素であり、フッ素が好ましい。
アリール基は、好ましくは6〜15個の炭素原子を有する単環式、二環式、または三環式、好ましくは単環式芳香族炭化水素基を意味し、ここで、アリール基は、場合により1個以上の置換基R’により置換されており、ここで、R’は、上記で定義された通りであり;アリール基は、好ましくは−o−C−R’、−m−C−R’、−p−C−R’、またはフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アントラセニル、特に1−アントラセニルおよび2−アントラセニル基であり、それは場合により1個以上のR’、より好ましくはフェニル基、−o−C−R’、−m−C−R’、−p−C−R’により置換されていることができる。
【0042】
ヘテロアリール基は、炭素原子の少なくとも1個がO、N、Sのような複素原子により置き換えられている芳香族5もしくは6員単環式芳香族炭化水素基、または炭素原子の少なくとも1個がN原子、Sにより置き換えられている5もしくは6員単環式芳香族炭化水素基を意味し、ここで、芳香族単環式5または6員環式炭化水素基は、場合によりさらなる単環式5〜7員、好ましくは5または6員の芳香族または非芳香族炭化水素環に縮合しており、ここで、そのさらなる単環式芳香族または非芳香族炭化水素環において、1以上、好ましくは1または2個の炭素原子が、O、N、Sのような複素原子により置き換えられていることができ;ヘテロアリール基の限定的でない例は、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、イソチアゾール−3−イル、イソチアゾール−4−イル、イソチアゾール−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、1,2,5−オキサジアゾール−3−イル、1,2,5−オキサジアゾール−4−イル、1,2,5−チアジアゾール−3−イル、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、1,2,5−チアジアゾール−4−イル、4−イミダゾリル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−フラニル、3−フラニル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、2−ピラジニル、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、1H−テトラゾール−2−イル、1H−テトラゾール−3−イル、テトラゾリル、インドリル、インドリニル、ベンゾ[b]フラニル、ベンゾ[b]チオフェニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、キナゾリニル、キノキサゾリニル(quinoxazolinyl)、または好ましくはキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル基であり;ヘテロアリール基は、場合により1個以上の置換基Rにより置換されていることができ、ここでRは上記で定義された通りであり;当業者は、上記の定義において、“炭素原子”の複素原子による置き換えは、前記の炭素原子に結合したあらゆる水素原子を含むことを認めるであろう。
【0043】
アラルキル基は、本発明の分子にアルカニル、アルケニルまたはアルキニル架橋を介して連結されている上記のアリール基を意味し、ここで、アルカニル、アルケニルまたはアルキニルは、上記で定義された通りであり;好ましいアラルキル基は、−CH−C(ベンジル)、−CH−CH−C(フェニルエチル)、−CH=CH−C、−C≡C−C、−o−CH−C−R’、−m−CH−C−R’、−p−CH−C−R’であり;アラルキル基は、場合によりアリールおよび/またはアルカニル、アルケニルもしくはアルキニル部分上で1個以上の置換基Rにより置換されていることができ、ここでR’は、上記で定義された通りである。
【0044】
本発明は、遊離形態または薬学的に許容可能な塩類および生理的に機能する誘導体の形態の式(I)の化合物を、薬学的に許容可能な希釈剤またはキャリヤーと一緒に含む医薬組成物も提供する。
【0045】
用語“生理的に機能する誘導体”は、本明細書で用いられる際、それら自体は薬学的に活性ではないがインビボで、すなわちその化合物が投与される対象中でそれらの薬学的に活性な形態へと変換される化合物を指す。生理的に機能する誘導体の例は、プロドラッグ、例えば本出願において記載されているプロドラッグである。
【0046】
本明細書で用いられる際、プロドラッグは、投与後にインビボで加水分解により、または酵素によるプロセシングにより代謝されて活性代謝産物になる物質の誘導体である。プロドラッグは、前記の物質の化学基の1個以上が化学修飾されている化合物を包含し、ここでそのような修飾は、例えば以下のものである:ヒドロキシル基のエステル、ホスフェートまたはサルフェート誘導体、カルボキシル基のエステルまたはアミド誘導体、アミノ基のイミン、アミドまたは尿素誘導体等。
【0047】
さらに、本発明に従う化合物および組成物は、患者が2種類の異なるウイルスに感染している、またはウイルス感染症および炎症性もしくは自己免疫疾患を患っている場合に優先的に用いられることができる。
【0048】
特定の態様
特定の態様において、Aは、チオフェンまたはジヒドロチオフェンである。
特定の態様において、Aは、シクロペンチルまたはシクロペンタジエニルである。
【0049】
特定の態様において、Aは、フェニルまたはピリジルである。
特定の態様において、Eは、場合により1個以上の置換基R’により、好ましくはハロゲンにより、より好ましくはフルオロにより置換されたフェニルである。
【0050】
特定の態様において、DはOである。
特定の態様において、q=0である。
特定の態様において、R’は、独立してハロゲン、アルカニル、アルケニル、アルキニル、アルカニルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、アルカニルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、−OH、ヒドロキシアルカニル、ヒドロキシアルケニル、ヒドロキシアルキニル、ハロアルカニル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ハロアルカニルオキシ、ハロアルケニルオキシ、またはハロアルキニルオキシを表し;好ましくは、R’は、独立してH、アルカニル、アルカニルアミノ、アルカニルオキシ、ハロゲン、ハロアルカニル、またはハロアルカニルオキシを表す。
【0051】
さらなる態様において、R’は、独立してメチル、ジメチルアミノ、メトキシ、エトキシ、F、Cl、またはトリフルオロメトキシを表す。
さらなる態様において、R’は、独立してF、またはトリフルオロメトキシを表す。
【0052】
本発明に従う典型的な化合物は、表1およびその塩類から選択されるあらゆる1つを含み、特に好ましくは化合物1を含む。
当業者は、本発明は、化学的に不安定な実体、例えばオゾン基または五価炭素原子もしくは三価酸素原子を含有する基等を含む化合物を包含しないことを、理解するであろう。従って、そのような化学的に不安定な実体をもたらす本明細書で記載された化学基および部分の組み合わせまたはバリエーションは、除外される。
【0053】
本明細書で定義されたシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルカニル、アルケニル、アルキニル基および(例えばアルカニルオキシのような)アルカニル、アルケニルまたはアルキニルに由来する基は、1個以上の残基R’による可能な置換にかかわらず、本発明の化合物の側鎖分枝上の末端基であることができ、または本発明の化合物の側鎖分枝内に配置されていることもできる。従って、本発明の文脈において、上記で言及された用語は、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、アルカニレン、アルケニレン、アルキニレン基およびアルカニレン、アルケニレンまたはアルキニレンに由来する基を包含する。
【0054】
本発明の化合物において、残基R’およびR”は、好ましくは、R’および/またはR”から選択される第2の、または他のさらなる残基を含む基により置換されていることができない。これは、多数のR’および/またはR”単位を含むオリゴマー性またはポリマー性側鎖を含む化合物は、好ましくは本発明に包含されないように理解されるべきである。
【0055】
上記の特定の態様は、さらなる特定の態様を提供するために、あらゆる適切かつ化学的に合理的な様式で組み合わせられることができることは、理解されるべきである。
それらの有利な薬物動態学的特性により、本発明の化合物は、経口処置計画に適しており、ここで、本発明に従う化合物を含む医薬品は、1日1回投与される。
【0056】
一態様において、本発明の化合物は、アデノウイルスにより引き起こされる疾患または医学的状態の処置または改善のためのものである。
好ましくは、本発明に従う化合物は、インビトロアッセイにおけるジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害に関する1μM以下、より好ましくは200nM以下、さらにもっと好ましくは20nM以下の半数阻害濃度(IC50)およびインビトロアッセイにおけるウイルスの阻害に関する10μM以下、好ましくは1μM以下、さらにもっと好ましくは200nM以下の半数有効濃度(EC50)を有する。
【0057】
好ましくは、本発明に従う化合物は、5μg/mL以上、好ましくは10μg/mL以上の水中での可溶性および/または10%以上、より好ましくは30%以上の絶対経口利用能(absolute oral availability)(F)を有する。
【0058】
好ましくは、本発明に従う化合物は、極性、プロトン性溶媒中で、例えば水中で高い可溶性(10μg/mL HOより大きい可溶性)を示し、かつ/またはそれらの経口利用能(F)は30%より大きい。さらに、好ましくは、本発明の化合物は、化学的に安定であり、かつその製造は安価であり、複雑でない。従って、本発明の化合物の製造は、対費用効果が高い。
【0059】
宿主細胞ベースの標的との相互作用を含む本発明の化合物の作用方式により、耐性ウイ
ルス株の発生は起こり難い。
ある態様において、本発明は以下であってもよい。
[態様1]式(I)の化合物:
【化3】
[式中、
Aは、フラン、チオフェン、フェニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、ピリジルもしくはジヒドロチオフェンであり;
Dは、O、またはSであり;
R’は、独立してハロゲン、−COR”、−CONR”R'”、−CR”O、−SONR”、−NR”−CO−ハロアルカニル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、−NO、−NR”−SO−ハロアルカニル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、−NR”−SO−アルカニル、−NR”−SO−アルケニル、−NR”−SO−アルキニル、−SO−アルカニル、−SO−アルケニル、−SO−アルキニル、−NR”−CO−アルカニル、−NR”−CO−アルケニル、−NR”−CO−アルキニル、−CN、アルカニル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アミノアルカニル、アミノアルケニル、アミノアルキニル、アルカニルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、アルカニルオキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、−シクロアルキルオキシ、−OH、−SH、アルカニルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、ヒドロキシアルカニル、ヒドロキシアルケニル、ヒドロキシアルキニル、ヒドロキシアルカニルアミノ、ヒドロキシアルケニルアミノ、ヒドロキシアルキニルアミノ、ハロアルカニル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ハロアルカニルオキシ、ハロアルケニルオキシ、ハロアルキニルオキシ、アリール、アラルキルまたはヘテロアリールを表し;
R”は、独立してH、ハロアルカニル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ヒドロキシアルカニル、ヒドロキシアルケニル、ヒドロキシアルキニル、アルカニル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アミノアルカニル、アミノアルケニルまたはアミノアルキニルを表し、
R'”は、独立してHまたはアルカニルを表し、
Eは、フェニルまたはピリジルであり;
nは、0、1、2、3または4であり;そして
qは、0または1である]
またはその薬理学的に許容可能な塩、または式Iの化合物のヒドロキシル基のエステル、ホスフェートもしくはサルフェート修飾、式Iの化合物のカルボキシル基のエステルもしくはアミド修飾、もしくは式Iの化合物のアミノ基のイミン、アミドもしくは尿素修飾である生理的に機能する誘導体であって、アデノウイルス、HHV(ヒトヘルペスウイルス)、VZV(水痘帯状疱疹ウイルス)、HSV(単純ヘルペスウイルス)、EBV(エプスタイン・バーウイルス)、ワクシニアウイルス、またはBKウイルスにより引き起こされる疾患または医学的状態の処置または改善における使用のための式(I)の化合物。
[態様2]以下のジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ阻害剤化合物:
3−(2,3,5,6−テトラフルオロ−3’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−チオフェン−2−カルボン酸;
4−(2’−クロロ−3,5−ジフルオロ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−2,5−ジヒドロ−チオフェン−3−カルボン酸;
2−[3−クロロ−4−(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジルオキシ)−フェニルカルバモイル]−シクロペンタ−1−エンカルボン酸;
2−(2,3,5,6−テトラフルオロ−3’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−シクロペンタ−1−エンカルボン酸;
2−[4−(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジルオキシ)−3−フルオロ−フェニルカルバモイル]−シクロペンタ−1−エンカルボン酸;
2−(3−フルオロ−3’−メトキシ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−シクロペンタ−1−エンカルボン酸;
2−(3−ビフェニル−4−イルウレイド)安息香酸;
2−(2,3,5,6−テトラフルオロ−3’−メトキシビフェニル−4−イルカルバモイル)フラン−3−カルボン酸;
4−(3’−エトキシ−3,5−ジフルオロビフェニル−4−イルカルバモイル)チオフェン−3−カルボン酸;
2−(2,3,5,6−テトラフルオロ−3’−メトキシビフェニル−4−イルカルバモイル)シクロペンタ−1−エンカルボン酸;
2−(2,3,5,6−テトラフルオロ−2’−メトキシビフェニル−4−イルカルバモイル)シクロペンタ−1−エンカルボン酸;
2−(3,5−ジフルオロ−3’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−4−イルカルバモイル)シクロペンタ−1−エンカルボン酸;
3−ヒドロキシ−2−(2,3,5,6−テトラフルオロ−3’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−4−イルカルバモイル)シクロペンタ−1−エンカルボン酸;
2−(2−クロロ−4’−メトキシビフェニル−4−イルカルバモイル)シクロペンタ−1−エンカルボン酸;
4−(3,5−ジフルオロ−3’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−4−イルカルバモイル)チオフェン−3−カルボン酸;
5−(4−(2−クロロ−6−フルオロベンジルオキシ)−3−フルオロフェニルカルバモイル)シクロペンタ−1,4−ジエンカルボン酸;
3−(3,5−ジフルオロ−3’−(トリフルオロメトキシ)ビフェニル−4−イルカルバモイル)チオフェン−2−カルボン酸;
2−(3−フルオロ−3’−メトキシビフェニル−4−イルアミノ)ニコチン酸;
2−(3,5−ジフルオロ−3’−メトキシビフェニル−4−イルアミノ)ニコチン酸;
5−シクロプロピル−2−(5−メチル−6−(3−(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジン−3−イルアミノ)安息香酸;
2−[4−(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジルオキシ)−3−フルオロ−フェニルカルバモイル]−シクロペンタ−1−エンカルボン酸;
2−[3,5−ジクロロ−4−(2−クロロ−6−フルオロ−ベンジルオキシ)−フェニルカルバモイル]−シクロペンタ−1−エンカルボン酸;
2−(2−クロロ−4’−ジメチルアミノ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−シクロペンタ−1−エンカルボン酸;
3−(3−フルオロ−3’−メトキシ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−チオフェン−2−カルボン酸;もしくは
4−(2,3,5,6−テトラフルオロ−3’−トリフルオロメトキシ−ビフェニル−4−イルカルバモイル)−2,5−ジヒドロ−チオフェン−3−カルボン酸;
またはそれらの薬理学的に許容可能な塩、
または、式Iの化合物のヒドロキシル基のエステル、ホスフェートもしくはサルフェート修飾、式Iの化合物のカルボキシル基のエステルもしくはアミド修飾、もしくは式Iの化合物のアミノ基のイミン、アミドもしくは尿素修飾である、その生理的に機能する誘導体、
の1つをそれを必要とする対象に有効量投与することを含む、態様1に記載の使用のための式(I)の化合物であって、
該ウイルス感染が、アデノウイルス、HCMV(ヒトサイトメガロウイルス)、MCMV(マウスサイトメガロウイルス)、HHV(ヒトヘルペスウイルス)、VZV(水痘帯状疱疹ウイルス)、HSV(単純ヘルペスウイルス)、EBV(エプスタイン・バーウイルス)、ワクシニアウイルス、またはBKウイルスにより引き起こされる、前記化合物。
[態様3]ジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼ阻害剤が、インビトロアッセイにおけるジヒドロオロト酸デヒドロゲナーゼの阻害に関する50nM以下の半数阻害濃度(IC50)およびインビトロアッセイにおけるアデノウイルスの阻害に関する50μM以下の半数有効濃度(EC50)を有する、態様1又は2に記載の使用のための式(I)の化合物。
[態様4]疾患または医学的状態が、HHV(ヒトヘルペスウイルス)、VZV(水痘帯状疱疹ウイルス)、HSV(単純ヘルペスウイルス)、EBV(エプスタイン・バーウイルス)、ワクシニアウイルス、またはBKウイルスにより引き起こされる、態様1〜3のいずれか1に記載の使用のための式(I)の化合物。
[態様5]疾患または医学的状態がアデノウイルスにより引き起こされる、態様1〜3のいずれか1に記載の使用のための式(I)の化合物。
[態様6]疾患または医学的状態が、呼吸器、胃腸、または眼の症状により特性付けられる、態様5に記載の使用のための式(I)の化合物。
[態様7]疾患または医学的状態が、アデノウイルス性結膜炎または角結膜炎である、態様6に記載の使用のための式(I)の化合物。
[態様8]疾患または医学的状態が、サイトメガロウイルス感染、網膜炎、感染性単核球症様症候群、単核球症、水痘、帯状疱疹、第六病(小児バラ疹または突発性発疹)、ワクシニアウイルス感染、BKウイルス関連腎障害、尿管狭窄および間質性腎炎、出血性膀胱炎である、態様7に記載の使用のための式(I)の化合物。
[態様9]遊離形態または薬学的に許容可能な塩類および生理的に機能する誘導体の形態の式(I)の化合物を薬学的に許容可能な希釈剤またはキャリヤーと一緒に含む、アデノウイルス、HCMV(ヒトサイトメガロウイルス)、MCMV(マウスサイトメガロウイルス)、HHV(ヒトヘルペスウイルス)、VZV(水痘帯状疱疹ウイルス)、HSV(単純ヘルペスウイルス)、EBV(エプスタイン・バーウイルス)、ワクシニアウイルス、またはBKウイルスにより引き起こされる疾患または医学的状態の処置または改善における使用のための医薬組成物。
【0060】
【表1-1】
【0061】
【表1-2】
【0062】
【表1-3】
【実施例】
【0063】
1.化合物1の薬理学的パラメーターの決定
化合物1の薬理学的パラメーター(表2)を、標準的な手順により決定し、すなわち、DHODHおよびキナーゼ活性アッセイを、それぞれDavisら(1996. The immunosuppressive metabolite of leflunomide is a potent inhibitor of human dihydroorotate dehydrogenase. Biochemistry 35, 1270-1273)およびwww.DiscoverX.comの標準的なプロトコルに従って実施した。
【0064】
【表2】
【0065】
2.ヒトおよびマウスのDHODHの阻害
インビトロ酵素活性の分析を、以前に記載された(Davis et al., Biochemistry. 1996 Jan 30;35(4):1270-3; Leban et al., Bioorg Med Chem Lett. 2006 Jan 15;16(2):267-70)ような確立されたアッセイにおける精製されたヒトDHODHの使用により実施した。推定上の阻害化合物を、100pM〜10μMの濃度範囲で反応に直接適用した。
【0066】
それぞれ1.5±0.2nMおよび3.2±0.8nMのIC50値でのヒトおよびマウスのDHODHの強力かつ選択的な阻害が、インビトロで実証されることができた(表2)。比較設定において、ヌクレオシド類似体GCV(抗サイトメガロウイルス参照薬として用いられる)は、インビトロでDHODHに対して一切阻害を発揮しなかった。ヒトDHODHに対する作用がないことが、GCVの高い濃度に至るまで測定され(二重の試験)、すなわち、DHODHは10μMにおいてさえも100%の活性を発揮した。この発見は、化合物1の特異性を強調し、その強力かつ濃度依存性の抗DHODH活性を確証した。DHODHに関連しない他の酵素、例えばPI3K、AKTおよびJAK(それぞれ3〜4種類のイソ型)を含む一連のタンパク質キナーゼは、化合物1により阻害されなかった(表2)。
【0067】
3.細胞培養における抗ウイルスアッセイ
抗ウイルスアッセイを、文献(Marschall, M. et al., 2000. Antimicrob. Agents Chemother. 44, 1588-1597.; Marschall M. et al., 2012. Antimicrob. Agents Chemother. 56, 1135-1137.; Kindsmueller et al., 2009. J. Virol. 83, 9045-9056.; Rechter et al., 2006. Antiviral Res. 72, 197-206)において記載されているように実施した。
【0068】
ヒトアデノウイルス2型(HAdV−2)は、標準的なプラーク低減アッセイにおいて測定した際に、高レベルの感受性を示した(IC50 0.56±0.02μM;表3)。この結果は、以前に確立されたウイルス収量アッセイ(Kindsmueller et al., 2009. J. Virol. 83, 9045-9056)を種A〜E(それぞれ1〜3タイプ、臨床分離株B03kおよびE04kを含む)にわたる一連のHAdVを用いて実施することにより確証および実証された。
【0069】
A549細胞に、MOI20で感染させ、所与の濃度の化合物1で連続的に処理した。ウイルスを含有する上清を、それぞれ感染後4d、6dまたは2dにおいて未感染の細胞に移し、感染性ウイルスの定量化のために用いた。総細胞あたりのウイルス陽性細胞の百分率を、間接免疫蛍光染色(モノクローナル抗アデノウイルスヘキソンタンパク質抗体;Abcam B025−AD51/ab7428)に基づいて顕微鏡下での計数により決定した:C02、C05、D19、D37に関してn=4;B03k、E04kに関してn=3;A31、B03、D08、E04に関してn=1。
【0070】
HAdVのこの選択は、アデノウイルスに誘導される病原性感染、すなわち、呼吸器、胃腸、眼または他のタイプの症状との関係の天然の多様性を表していた。重要なことだが、全てのHAdVは、1.11μMの薬物濃度において、71%〜100%の有効性範囲で阻害を受けた(表4)。最高の感受性が、ウイルス種A、CおよびDに関して見られ、より低い感受性が、BおよびEに関して見られた。
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】
【表5】