特許第6272221号(P6272221)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6272221ウイルス複製の阻害剤、それらの調製方法及び治療におけるそれらの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6272221
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】ウイルス複製の阻害剤、それらの調製方法及び治療におけるそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C07C 57/38 20060101AFI20180122BHJP
   A61K 31/18 20060101ALI20180122BHJP
   A61K 31/192 20060101ALI20180122BHJP
   A61K 31/353 20060101ALI20180122BHJP
   A61K 31/357 20060101ALI20180122BHJP
   A61K 31/4155 20060101ALI20180122BHJP
   A61K 31/428 20060101ALI20180122BHJP
   A61K 31/4433 20060101ALI20180122BHJP
   A61K 31/47 20060101ALI20180122BHJP
   A61K 31/4709 20060101ALI20180122BHJP
   A61K 31/553 20060101ALI20180122BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 31/18 20060101ALI20180122BHJP
   C07C 59/72 20060101ALI20180122BHJP
   C07D 215/14 20060101ALI20180122BHJP
   C07D 311/58 20060101ALI20180122BHJP
   C07D 405/04 20060101ALI20180122BHJP
   C07D 407/04 20060101ALI20180122BHJP
   C07D 413/04 20060101ALI20180122BHJP
【FI】
   C07C57/38
   A61K31/18
   A61K31/192
   A61K31/353
   A61K31/357
   A61K31/4155
   A61K31/428
   A61K31/4433
   A61K31/47
   A61K31/4709
   A61K31/553
   A61K45/00
   A61P31/12
   A61P31/18
   C07C59/72
   C07D215/14
   C07D311/58CSP
   C07D405/04
   C07D407/04
   C07D413/04
【請求項の数】10
【全頁数】182
(21)【出願番号】特願2014-504353(P2014-504353)
(86)(22)【出願日】2012年4月13日
(65)【公表番号】特表2014-511872(P2014-511872A)
(43)【公表日】2014年5月19日
(86)【国際出願番号】EP2012056851
(87)【国際公開番号】WO2012140243
(87)【国際公開日】20121018
【審査請求日】2014年1月10日
【審判番号】不服2016-4160(P2016-4160/J1)
【審判請求日】2016年3月17日
(31)【優先権主張番号】11305458.9
(32)【優先日】2011年4月15日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/476,051
(32)【優先日】2011年4月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517034721
【氏名又は名称】アシュアイビーアイアシュ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087871
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 積
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100150810
【弁理士】
【氏名又は名称】武居 良太郎
(72)【発明者】
【氏名】ソフィー シャセ
(72)【発明者】
【氏名】フランシス シェブルイユ
(72)【発明者】
【氏名】ブノワ ルドゥーサル
(72)【発明者】
【氏名】フレデリック ル ストラ
(72)【発明者】
【氏名】リシャール ブナルー
【合議体】
【審判長】 中田 とし子
【審判官】 瀬下 浩一
【審判官】 齊藤 真由美
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−537459(JP,A)
【文献】 特表2011−503116(JP,A)
【文献】 特表2011−503117(JP,A)
【文献】 特表2011−503118(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/130034(WO,A1)
【文献】 特表2001−527073(JP,A)
【文献】 特開昭55−127347(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0079696(US,A1)
【文献】 特表2002−501064(JP,A)
【文献】 FRAUKE CHRIST,RATIONAL DESIGN OF SMALL−MOLECULE INHIBITORS OF THE LEDGF/P75−INTEGRASE INTERACTION AND HIV REPLICATION,NATURE CHEMICAL BIOLOGY,米国,NATURE PUBLISHING GROUP,2010年 6月 1日,V6,P1−7
【文献】 BRADSHER CHARLES K,AROMATIC CYCLODEHYDRATION. XXVIII. 9,10−DIALKYLPHENANTHRENES BY CYCLIZATION OF KETONES,JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,米国,ACS,1954年 8月 1日,V76 16,P4140−4143
【文献】 WANG DONG−HUI,VERSATILE PD(II)−CATALYZED C−H ACTIVATION/ARYL−ARYL COUPLING OF BENZOIC AND PHENYL ACETIC ACIDS,JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,米国,AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,2008年12月31日,V130 N52,P17676−17677
【文献】 Wei, Xudong et al.,Tetrahedron: Asymmetry ,1997年,Vol.8, No.5,p.665−66811.Daly, J. W. et al.,Biochemistry,1965年,Vol.4, No.11,p.2513−2525
【文献】 Carlsson, A. et al.,Helvetica Chimica Acta,1964年,Vol.47, No.5,p.1340−1349
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 57/00-57/76
C07C 59/00-59/92
C07D215/00-215/60
C07D311/00-311/96
C07D405/00-405/14
C07D407/00-407/14
C07D413/00-413/14
A61K 31/00-31/80
A61K 45/00-45/08
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(5A)の化合物:
【化1】
(式中、
Wは、置換された、芳香族の炭素環を表し;
1、R7、R9及びR11は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された、水素、NH、−C(O)NH2、−CF3、ハロゲン、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、−O−アリール、アリールアルキル、複素環を独立に表し、
ここで、アルキル、アリールアルキル基は、アルキルの部分中に、O及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;又は
及びR11は、飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の5、6若しくは7員の炭素環若しくは複素環を形成し;又は
及びR11は、飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の5、6若しくは7員の炭素環若しくは複素環を形成し;又は
及びRは、飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の5、6若しくは7員の炭素環若しくは複素環を形成し;
3は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換されたアリール、シクロアルケニル若しくは複素環を表し、
4は、非置換の又は少なくとも1つのT2により置換された、−O−シクロアルキル、C3−C20のアルキル、ヘテロアルキルを表し、
ここで、アルキル基は、アルキルの部分中に、1つ以上のOを含んでいてもよく、
13は、水素、アルキル、アリール又はアリールアルキルを表し、前記アルキル又はアリールの炭素原子は、酸化されてC=Oを形成することができ;
1は、−OT3、アルキル、アリールアルキル、複素環を表し;
ここで、前記アルキル、アリールアルキル、複素環は、1つ以上のT7により置換されていてもよく;
ここで、前記アルキル、アリールアルキル、複素環の炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、N=O、S=O又はS(O)2を形成していてもよく;
2は、ハロゲン、−OT8、−OCF3、=O、−ST8、=S、−S(O)T9、−S(O)29、−S(O)2NT1011、−CF3、−NO2、−NT1011、−NT8S(O)29、−CN、−NT8C(O)T9、−NT8C(O)NT1011、−C(O)OT8、−C(O)NT1011、−C(O)T9、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルは、1つ以上のT7により置換されていてもよく、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、N=O、S=O又はS(O)2を形成していてもよく;
3は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、複素環を表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、複素環は、1つ以上の−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又はC(O)NH2により置換されていても非置換でもよく、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、複素環の炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、N=O、S=O又はS(O)2を形成していてもよく;
4は、−OH、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール又は複素環を表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、複素環は、1つ以上の−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又はC(O)NH2により置換されていても非置換でもよく、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、複素環の炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、N=O、S=O又はS(O)2を形成していてもよく;
7は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−CN、−NO2、−COOH、−NH2、又は−C(O)NH2を独立に表し;
8は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、又はヘテロアルキニルを表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルは、1つ以上の−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又は−C(O)NH2により置換されていても非置換でもよく、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、 ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、N=O、S=O又はS(O)2を形成していてもよく;
9は、−OH、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルを表し、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルは、1つ以上の−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又は−C(O)NH2により置換されていても非置換でもよく、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、N=O、S=O又はS(O)2を形成していてもよく;
10又はT11は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルを独立に表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルは、1つ以上の−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又は−C(O)NH2により置換されていても非置換でもよく、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、N=O、S=O又はS(O)2を形成していてもよく、又は
10とT11とは、一緒になって、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、−OH、ハロゲン、−SH、−CF3、O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又は−C(O)NH2により置換された又は非置換の4、5、6又は7員の複素環を形成することができる)
又はそのラセミ化合物、エナンチオマー、アトロプ異性体若しくはジアステレオ異性体又は医薬的に許容される塩、但し、
i)R4は−OMeを表さず;
ii)式(5A)の化合物は、以下の式(xvii):
【化2】
(式中、
14、R16、R18及びR20は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された、水素、−CN、−OH、−O−シクロアルキル、−O−シクロアルケニル、−O−シクロアルキニル、−NH2、−NR13−シクロアルキル、−NR13−シクロアルケニル、−NR13−シクロアルキニル、−S−シクロアルキル、−S−シクロアルケニル、−S−シクロアルキニル、−COOH、−C(O)NH2、−CF3、−SO2NH2、−NHSO2NH2、−NHC(O)NH2、−OC(O)NH2、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、−O−アリール、−NR13−アリール、−S−アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、−O−複素環、−NR13−複素環、−S−複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを独立に表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、N=O、S=O又はS(O)2を形成していてもよく、
ここで、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、又はヘテロシクリル−ヘテロアルキニル基は、少なくとも1つのさらなる環と縮合していてもよく、
ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル基は、アルキル、アルケニル、アルキニルの部分中にO、S及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;
3、R4、R7、R9、R13及びT1は、式(5A)の化合物について定義された通りである)
の化合物を表さず;
iii)式(5A)の化合物は、以下の式(xviii)、(xix)又は(xx):
【化3】
【化4】
【化5】
(式中、
14、R16、R18及びR20は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された、水素、−CN、−OH、−O−シクロアルキル、−O−シクロアルケニル、−O−シクロアルキニル、−NH2、−NR13−シクロアルキル、−NR13−シクロアルケニル、−NR13−シクロアルキニル、−S−シクロアルキル、−S−シクロアルケニル、−S−シクロアルキニル、−COOH、−C(O)NH2、−CF3、−SO2NH2、−NHSO2NH2、−NHC(O)NH2、−OC(O)NH2、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、−O−アリール、−NR13−アリール、−S−アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、−O−複素環、−NR13−複素環、−S−複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを独立に表し、及び
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、N=O、S=O又はS(O)2を形成していてもよく、
ここで、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、又はヘテロシクリル−ヘテロアルキニル基は、少なくとも1つのさらなる環と縮合していてもよく、
ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル基は、アルキル、アルケニル、アルキニルの部分中にO、S及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;
3、R4、R5、R9、R13及びT1は、式(5A)の化合物について定義された通りである)
の化合物を表さず;
iv)式(5A)の化合物は、2‐(4‐クロロ‐2‐フェニルフェニル)‐3メチルブタン酸を表さず;
v)式(5A)の化合物は、2‐(2‐フェニルフェニル)ヘプタン酸を表さず;
vi)式(5A)の化合物は、
【化6】
を表さず;
vii)式(5A)の化合物は、5‐(ジメチルアミノ)‐2‐(2‐フェニルフェニル)ペンタン酸を表さず;
viii)式(5A)の化合物は、
【化7】
を表さず;
ix)式(5A)の化合物は、
【化8】
を表さず;
x)式(5A)の化合物はα‐(2‐ビフェニル)‐β‐メチルブチル酸を表さない。
【請求項2】
以下の式(10A)、(17A)、(20A)、(25A)又は(27A):
【化9】
【化10】
(式中、
Wは、縮合した、置換された、芳香族の炭素環を表し;
a、c、e、g、i、j、k、l、m、n、o及びpは、0又は1を独立に表し;
5は、CR14、CR15、CR1415、N、NR14、NR15、S、O、C=O、C=S、S=O、又はS(O)2を表し;
6は、CR16、CR17、CR1617、N、NR16、NR17、S、O、C=O、C=S、S=O、又はS(O)2を表し;
7は、CR18、CR19、CR1819、N、NR18、NR19、S、O、C=O、C=S、S=O、又はS(O)2を表し;
8は、CR20、CR21、CR2021、N、NR20、NR21、S、O、C=O、C=S、S=O、又はS(O)2を表し;
1、R7、R9、R11、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20及びR21は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された、水素、−NH2、−C(O)NH2、−CF3、ハロゲン、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、−O−アリール、アリールアルキル、複素環を独立に表し、
ここで、アルキル、アリールアルキル基は、アルキルの部分中にO及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;
3は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換されたアリール、シクロアルケニル若しくは複素環を表し、
4は、非置換の又は少なくとも1つのT2により置換された、−O−シクロアルキル、C3−C20のアルキル、ヘテロアルキルを表し、
ここで、アルキル基は、アルキルの部分中にO、S及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;
13は、水素、アルキル、アリール又はアリールアルキルを表し、
ここで、前記アルキル又はアリールの炭素原子は、酸化されてC=Oを形成していてもよく;
1は、−OT3、アルキル、アリールアルキル、複素環を表し、
ここで、前記アルキル、アリールアルキルは、1つ以上のT7により置換されていてもよく、
2は、ハロゲン、−OT8、−OCF3、=O、−ST8、=S、−S(O)T9、−S(O)29、−S(O)2NT1011、−CF3、−NO2、−NT1011、−NT8S(O)29、−CN、−NT8C(O)T9、−NT8C(O)NT1011、−C(O)OT8、−C(O)NT1011、−C(O)T9、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを表し;
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルは、1つ以上のT7により置換されていてもよく;
前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、N=O、S=O又はS(O)2を形成していてもよく;
3は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、複素環を表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、複素環は、1つ以上の−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又はC(O)NH2により置換されていても非置換でもよく、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、複素環の炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、N=O、S=O又はS(O)2を形成していてもよく;
4は、−OH、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、又は複素環を表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、複素環は、1つ以上の−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又はC(O)NH2により置換されていても非置換でもよく、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、複素環の炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、N=O、S=O又はS(O)2を形成していてもよく;
7は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−CN、−NO2、−COOH、−NH2、又は−C(O)NH2を独立に表し;
8は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、又はヘテロアルキニルを表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルは、1つ以上の−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又は−C(O)NH2により置換されていても非置換でもよく、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、N=O、S=O又はS(O)2を形成していてもよく;
9は、−OH、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルを表し、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルは、1つ以上の−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又は−C(O)NH2により置換されていても非置換でもよく、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、N=O、S=O又はS(O)2を形成していてもよく;
10又はT11は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルを独立に表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルは、1つ以上の−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又は−C(O)NH2により置換されていても非置換でもよく、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、N=O、S=O又はS(O)2を形成していてもよく、又は
10とT11とは、一緒になって、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、−OH、ハロゲン、−SH、−CF3、O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO、−C(O)OH、−NH2又は−C(O)NH2により置換された又は非置換の4、5、6又は7員の複素環を形成していてもよい)
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
以下の式(39A)、(40A)、(41A)、(54A)、(55A)、(56A)、(64A)、(65A)又は(70A):
【化11】
【化12】
(式中、
Wは、縮合した、置換された、芳香族の炭素環を表し;
a、c、e、g、i、j、k、l、m及びnは、0又は1を独立に表し;
5は、CR14、CR15、CR1415、N、NR14、NR15、S、O、C=O、C=S、S=O、又はS(O)2を表し;
6は、CR16、CR17、CR1617、N、NR16、NR17、S、O、C=O、C=S、S=O、又はS(O)2を表し;
7は、CR18、CR19、CR1819、N、NR18、NR19、S、O、C=O、C=S、S=O、又はS(O)2を表し;
1、R7、R9、R11、R14、R15、R16、R17、R18及びR19は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された、水素、−NH2、−C(O)NH2、−CF3、ハロゲン、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、−O−アリール、アリールアルキルを独立に表し、
ここで、アルキル、アリールアルキル基は、アルキルの部分中にO及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;
3は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換されたアリール、シクロアルケニル、若しくは複素環を表し、
4は、非置換の又は少なくとも1つのT2により置換された、−O−シクロアルキル、C3−C20のアルキル、ヘテロアルキルを表し、
ここで、アルキル基はアルキルの部分中に1つ以上のOを含んでいてもよく;
13は、水素、アルキル、アリール又はアリールアルキルを表し、
ここで、前記アルキル又はアリールの炭素原子は、酸化されてC=Oを形成していてもよく;
1は、−OT3、アルキル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを表し、
ここで、前記アルキル、アリールアルキルは、1つ以上のT7により置換されていてもよく、
2は、ハロゲン、−OT8、−OCF3、=O、−ST8、=S、−S(O)T9、−S(O)29、−S(O)2NT1011、−CF3、−NO2、−NT1011、−NT8S(O)29、−CN、−NT8C(O)T9、−NT8C(O)NT1011、−C(O)OT8、−C(O)NT1011、−C(O)T9、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルは、1つ以上のT7により置換されていてもよく、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、N=O、S=O又はS(O)2を形成していてもよく;
3は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、又は複素環を表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、複素環は、1つ以上の−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又はC(O)NH2により置換されていても非置換でもよく、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、複素環の炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、N=O、S=O又はS(O)2を形成していてもよく;
4は、−OH、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、又は複素環を表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、複素環は、1つ以上の−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又はC(O)NH2により置換されていても非置換でもよく、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、複素環の炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、N=O、S=O又はS(O)2を形成していてもよく;
7は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−CN、−NO2、−COOH、−NH2、又は−C(O)NH2を独立に表し;
8は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、又はヘテロアルキニルを表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルは、1つ以上の−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又は−C(O)NH2により置換されていても非置換でもよく、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、N=O、S=O又はS(O)2を形成していてもよく;
9は、−OH、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルを表し、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルは、1つ以上の−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又は−C(O)NH2により置換されていても非置換でもよく、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、N=O、S=O又はS(O)2を形成していてもよく;
10又はT11は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルを独立に表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルは、1つ以上の−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又は−C(O)NH2により置換されていても非置換でもよく、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、N=O、S=O又はS(O)2を形成していてもよく、又は
10とT11とは、一緒になって、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、−OH、ハロゲン、−SH、−CF3、O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又は−C(O)NH2により置換された又は非置換の4、5、6又は7員の複素環を形成していてもよい)
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
1、R9及びR11は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された、水素、−NH2、−C(O)NH2、−CF、ハロゲン、アルキル、ヘテロアルキル、アリール、−O−アリールを独立に表し、
ここで、アルキル、アリールアルキル基は、アルキルの部分中にO及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;
7は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された、水素、−CF、ハロゲン、アルキルを表し、
ここで、アルキル基は、アルキルの部分中にO及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;又は
13は、水素、アルキル又はアリールを表し、
ここで、前記アルキル又はアリールの炭素原子は、酸化されてC=O、N=O、S=O又はS(O)2を形成していてもよい
請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物であって、前記化合物が、以下:
2−(tert−ブトキシ)−2−[7−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル]酢酸;
2−(tert−ブトキシ)−2−[3−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ナフタレン−2−イル]酢酸;
2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ナフタレン−1−イル]酢酸;
2−(tert−ブトキシ)−2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−5−イル]酢酸;
2−(tert−ブトキシ)−2−[6−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)キノリン−5−イル]酢酸;
2−[4−ベンジル−6−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−オキソ−2,3、4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]−2−(tert−ブトキシ)酢酸;
2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)フェニル]酢酸;
2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−(ジメチルアミノ)−4−フェノキシフェニル]酢酸;
2−(tert−ブトキシ)−2−(2−フェニルフェニル)酢酸;
2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−フェノキシフェニル]酢酸;
2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−メチルフェニル]酢酸;
2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−(ジメチルアミノ)フェニル]酢酸;
2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−トリフルオロメチルフェニル]酢酸;
2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−メチルフェニル]酢酸;
2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−フェニル−フェニル]酢酸;
2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル]酢酸;
2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3,6−ジメチルフェニル]酢酸;
2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]酢酸;
2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−(メトキシメチル)フェニル]酢酸;
2−(tert−ブトキシ)−2−[3−(ジエチルカルバモイル)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)フェニル]酢酸;
2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸;
2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸;
2−[3−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−(tert−ブトキシ)酢酸;又は
2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(4,4−ジメチルシクロヘキサ−1−エン−1−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸
から選択される、化合物。
【請求項6】
有効成分として請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物、及び少なくとも1つの医薬的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項7】
抗ウイルス剤を含む、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
ウイルス感染の予防又は治療に使用するための、請求項6又は7に記載の医薬組成物。
【請求項9】
レトロウイルス感染の予防又は治療に使用するための、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
HIVに感染している又は感染するリスクがある哺乳動物におけるHIV感染の治療に使用するための、請求項8又は9に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化合物、及びHIVを含むウイルスによる障害の治療又は予防におけるそれらの使用に関する。本発明は、そのような化合物の調製方法にも関する。本発明は、そのような化合物を含む医薬組成物にも関する。本発明は、そのような化合物の治療的有効量の投与によるウイルス感染の治療にも関する。
【背景技術】
【0002】
後天性免疫不全症候群(AIDS)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による感染に基づく疾患である。HIVは、霊長類レンチウイルスの亜綱に属するレトロウイルスである。HIVの2つのタイプ、HIV−1及びHIV−2が同定されている。HIV−1は、AIDSの世界的な流行の大きな部分の原因であり、実質的に全ての国で症例が報告されている。
現在HIVに感染した患者は、異なったクラスに属する数種の薬剤の組合せによる非常に有効な抗レトロウイルス療法(HAART)で治療されている。2003年まで、承認された全ての抗HIV薬は、2種のウイルスの酵素、すなわち、逆転写酵素(RT)阻害剤及びプロテアーゼ(PR)阻害剤の触媒活性の阻害剤であった。逆転写酵素阻害剤は、2種の異なったクラス、すなわちヌクレオシド/ヌクレオチドRT阻害剤(NRTI)及び非ヌクレオシドRT阻害剤(NNRTI)を含む。2003年に新しいクラスの抗レトロウイルス剤(ARV)、融合阻害剤(Enfuvirtide)が導入された(Cervia et al、Clin Infect Dis.,2003、37(8):1102−6)。最近、2007年に、他のクラスの2種のARV、すなわち、CCR5共受容体を標的とする侵入阻害剤(Maraviroc(Pfizer))、及びインテグラーゼ阻害剤(Raltegravir(Merck))(Hughes et al、J Infect.,2008、57(1):1−10.)が承認された。これら3種の新規薬剤は、RT及びPR阻害剤に対する多剤耐性に基づく治療に失敗した患者を治療するために非常に有用であるが、これらの薬剤に対する耐性変異が既に報告されている。
【0003】
これらの強力な抗HIV薬の開発は、HIVに感染した人々が、より長く生きてより質の高い生活の恩恵を受けることを可能にしたが、これらの薬剤がHIV感染を治癒させないことは明らかである。その上、それらの長期使用により、有意の毒性及び薬剤耐性ウイルスの出現がしばしば生じる。重要なことは、感染進行の初期に潜在的貯蔵を確立するHIVの能力が、強力な薬剤療法及び活発な抗ウイルス性免疫応答に面してさえウイルスの残留を確保することである。
【0004】
したがって、新規な抗HIV療法の開発に対する必要性が続いている(2008、13(3):393−416.)。
【0005】
Christらの文献(Christ et al、Nat.Chem.Biol.,2010,6:442)及び文献国際公開第2007/131350号、国際公開第2009/062285号、国際公開第2009/062288号、国際公開第2009/062289号、国際公開第2009/062308号、国際公開第2010/130034号、国際公開第2010/130842号、国際公開第2011/015641号、国際公開第2011/076765号、国際公開第2012/003498号及び国際公開第2012/0033735号には、抗HIV剤として、部分的に又は全体的に、不飽和の複素環誘導体が記載されている。
【0006】
文献国際公開第2012/003497号には、抗HIV剤として、ナフチル誘導体が記載されている。
【0007】
しかしながら、これらの化合物は、本発明による化合物とは異なる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の問題及び欠点を全体的に又は部分的に解決することができる化合物に関する。
【0009】
本発明は、新しい抗ウイルス剤、特に抗レトロウイルス剤、さらに特定すれば抗HIV化合物を提供する。
【0010】
本発明による化合物はHIV複製の阻害剤であり、本明細書において詳述するHIV−1複製アッセイにより評価される。したがって、これらの化合物は、宿主の感染した細胞中におけるウイルスの複製を阻害することにより、HIVなどのウイルス、又は他のウイルスの病原性疾患又は障害を治療又は予防するために有用な薬剤である。
【0011】
それ故、本発明による化合物は、動物、哺乳動物及びヒトにおけるウイルス感染の治療及び/又は予防に、さらに具体的にはヒトにおけるHIVの治療及び/又は予防に使用することができる新しい強力な抗ウイルス性化合物の有用なクラスを構成する。
【0012】
本発明は、医薬としてそれらを使用するためのそのような化合物、そのような化合物の医薬としての、さらに具体的には抗ウイルス剤としての使用、及びウイルス感染、限定されないが特にヒトにおけるHIVなどのレトロウイルス感染を治療及び/又は予防するための医薬の製造のためのそれらの使用にさらに関する。
【0013】
本発明は、そのような化合物を、抗ウイルス性の有効量で、場合により少なくともさらに1つの抗ウイルス剤との組合せで含む医薬組成物にも関する。
【0014】
本発明は、HIVに感染している又は感染するリスクがある哺乳動物におけるHIV感染の治療に使用するための上記の医薬組成物にさらに関する。
【0015】
本発明は、1つ以上の上記化合物を、場合により1つ以上の他の抗ウイルス剤との組合せで、それらが必要な患者に投与することによる、ウイルス感染、限定されないが特にヒトにおけるHIVなどのレトロウイルス感染の治療又は予防方法にも関する。
【0016】
本発明は、HIVの複製が阻害される条件下でウイルスを有効量の1つ以上のそのような化合物に曝すことを含む、HIVの複製を阻害する方法にも関する。
【0017】
第1の態様において、本発明は、6員炭素環又は複素環を含む化合物であって、以下の式(A):
【0018】
【化1】
【0019】
(式中、
Wは、置換された、部分的に又は全体的に不飽和の、芳香族又は非芳香族の炭素環又は複素環を表し;
a、b、c、d、e、f、g及びhは、0又は1を独立に表し;
1は、CR1、CR2、CR12、N、NR1、NR2、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
2は、CR7、CR8、CR78、N、NR7、NR8、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
3は、CR9、CR10、CR910、N、NR9、NR10、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
4は、CR11、CR12、CR1112、N、NR11、NR12、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
1、R2、R7、R8、R9、R10、R11及びR12は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された、水素、−CN、−OH、−O−シクロアルキル、−O−シクロアルケニル、−O−シクロアルキニル、−NH2、−NR13−シクロアルキル、−NR13−シクロアルケニル、−NR13−シクロアルキニル、−S−シクロアルキル、−S−シクロアルケニル、−S−シクロアルキニル、−COOH、−C(O)NH2、−CF3、−SO2NH2、−NHSO2NH2、−NHC(O)NH2、−OC(O)NH2、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、−O−アリール、−NR13−アリール、−S−アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、−O−複素環、−NR13−複素環、−S−複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを独立に表し、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく;
アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、又はヘテロシクリル−ヘテロアルキニル基は、少なくとも1つのさらなる環(cycle)と縮合していてもよく;
アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル基は、アルキル、アルケニル、アルキニルの部分中に、O、S及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;
3は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された−O−シクロアルキル、−O−シクロアルケニル、−O−シクロアルキニル、−NR13−シクロアルキル、−NR13−シクロアルケニル、−NR13−シクロアルキニル、−S−シクロアルキル、−S−シクロアルケニル、−S−シクロアルキニル、C4−C20アルキル、C4−C20アルケニル、C4−C20アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、−O−アリール、−NR13−アリール、−S−アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、−O−複素環、−NR13−複素環、−S−複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく;
ここで、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、又はヘテロシクリル−ヘテロアルキニルは、少なくとも1つのさらなる環と縮合していてもよく;
ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル基は、アルキル、アルケニル、アルキニルの部分中に、O、S及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;
同一であるか又は異なるR4又はR5は、非置換の又は少なくとも1つのT2により置換された、水素、ハロゲン、−CN、−O−シクロアルキル、−O−シクロアルケニル、−O−シクロアルキニル、−S−シクロアルキル、−S−シクロアルケニル、−S−シクロアルキニル、C3−C20のアルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、−O−アリール、−S−アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、−O−複素環、−S−複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを独立に表し、及び
前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されて、C=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく、
ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル基は、アルキル、アルケニル、アルキニルの部分中に、O、S及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく、
4とR5は、以下の式(i):
【0020】
【化2】
【0021】
(式中、Zは、水素、アルキル又はヘテロアルキルを表し、前記アルキルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよい)
の基を形成し;
6は、水素、アルキル、アリール又はアリールアルキルを表し、
13は、水素、アルキル、アリール又はアリールアルキルを表し、
前記アルキル又はアリールの炭素原子は、酸化されてC=O又はC=Sを形成していてもよく;
1、Q1、Q4及びR11は、飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の5、6若しくは7員の炭素環若しくは複素環、又は飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の10、11、12、13又若しくは14員のポリ炭素環若しくはポリ複素環を形成し;
1、Q1、Q4及びR12は、飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の5、6若しくは7員の炭素環又は複素環、又は飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の10、11、12、13若しくは14員のポリ炭素環若しくはポリ複素環を形成し;
2、Q1、Q4及びR11は、飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の5、6若しくは7員の炭素環若しくは複素環、又は飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の10、11、12、13若しくは14員のポリ炭素環若しくはポリ複素環を形成し;
2、Q1、Q4及びR12は、飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の5、6若しくは7員の炭素環若しくは複素環、又は飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の10、11、12、13若しくは14員のポリ炭素環若しくはポリ複素環を形成し;
9、Q3、Q4及びR11は、飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の5、6若しくは7員の炭素環若しくは複素環、又は飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の10、11、12、13若しくは14員のポリ炭素環若しくはポリ複素環を形成し;
9、Q3、Q4及びR12は、飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の5、6若しくは7員の炭素環若しくは複素環、又は飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の10、11、12、13若しくは14員のポリ炭素環若しくはポリ複素環を形成し;
10、Q3、Q4及びR11は、飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の5、6若しくは7員の炭素環若しくは複素環、又は飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の10、11、12、13若しくは14員のポリ炭素環若しくはポリ複素環を形成し;
10、Q3、Q4及びR12は、飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の5、6若しくは7員の炭素環若しくは複素環、又は飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の10、11、12、13若しくは14員のポリ炭素環若しくはポリ複素環を形成し;
7、Q2、Q3及びR9は、飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の5、6若しくは7員の炭素環若しくは複素環、又は飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の10、11、12、13若しくは14員のポリ炭素環若しくはポリ複素環を形成し;
7、Q2、Q3及びR10は、飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の5、6若しくは7員の炭素環若しくは複素環、又は飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の10、11、12、13若しくは14員のポリ炭素環若しくはポリ複素環を形成し;
8、Q2、Q3及びR9は、飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の5、6若しくは7員の炭素環若しくは複素環、又は飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の10、11、12、13若しくは14員のポリ炭素環若しくはポリ複素環を形成し;
8、Q2、Q3及びR10は、飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の5、6若しくは7員の炭素環若しくは複素環、又は飽和の、部分的に若しくは全体的に不飽和の10、11、12、13若しくは14員のポリ炭素環若しくはポリ複素環を形成し;
1は、水素、ハロゲン、−OT3、−OCF3、=O、−ST3、=S、−S(O)T4、−S(O)24、−S(O)2NT56、CF3、NO2、−NT56、−NT3S(O)24、CN、−NT3C(O)T4、−NT3C(O)NT56、−C(O)OT3、−C(O)NT56、−C(O)T4、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルは、1つ以上のT7により置換されていてもよく、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく;
2は、水素、ハロゲン、−OT8、−OCF3、=O、−ST8、=S、−S(O)T9、−S(O)29、−S(O)2NT1011、−CF3、−NO2、−NT1011、−NT8S(O)29、−CN、−NT8C(O)T9、−NT8C(O)NT1011、−C(O)OT8、−C(O)NT1011、−C(O)T9、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルは、1つ以上のT7により置換されていてもよく、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく;
3は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、複素環を表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、複素環は、1つ以上の−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又はC(O)NH2により置換されていてもよく又は置換されていなくてもよく、
前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、複素環の炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく;
4は、−OH、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、複素環を表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、複素環は、1つ以上の−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又はC(O)NH2により置換されていてもよく又は置換されていなくてもよく、
前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、複素環の炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく;
5又はT6は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、複素環を独立に表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、複素環は、1つ以上の−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又はC(O)NH2により置換されていても非置換でもよく、
前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、複素環の炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく、又は
5とT6とは、一緒になって、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、−OH、ハロゲン、−SH、−CF3、−O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又は−C(O)NH2により置換された又は非置換の4、5、6又は7員の複素環を形成していてもよく;
7は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−CN、−NO2、−COOH、−NH2、−C(O)NH2を独立に表し;
8は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルを表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルは、1つ以上の−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又は−C(O)NH2により置換されていても非置換でもよく、
前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく;
9は、−OH、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルを表し、ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルは、1つ以上の−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又は−C(O)NH2により置換されていても非置換でもよく、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく;
10又はT11は、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルを独立に表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルは、1つ以上の−OH、=O、ハロゲン、−SH、=S、−CF3、−O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又は−C(O)NH2により置換されていても非置換でもよく、
前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく、又は
10とT11とは、一緒になって、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、−OH、ハロゲン、−SH、−CF3、O−アルキル、−OCF3、−CN、−NO2、−C(O)OH、−NH2又は−C(O)NH2により置換された4、5、6又は7員の複素環を形成していてもよい)
に従った構造を有する前記化合物、及びそのラセミ化合物、エナンチオマー、異性体、アトロプ異性体又はジアステレオ異性体又は医薬的に許容される塩を提供する
(但し、
i)Wは、置換された1,3ピリミジン部分を表さず、ここでQ1とQ3とが同時にNを表し;
ii)R3がアリール又は複素環を表し、且つR6が水素を表す場合、Wは、置換されたピリジン部分を表さず、ここでQ3がNを表し;
iii)R3がアリール又は複素環を表し且つR6が水素を表す場合、Wは、置換されたキノリン部分を表さず、ここでbとhが同時に0を表し、R1、Q1、Q4及びR11は、置換された又は非置換の芳香族6員炭素環を形成し、Q3はNを表し;
iv)R3がアリール又は複素環を表し且つR6が水素を表す場合、Wは、置換された3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−2−オンを表さず、ここでbとhが同時に0を表し、R1、Q1、Q4及びR11は、置換された又は非置換の芳香族6員炭素環を形成し、Q3はOを表し、そしてQ2はC=Oを表し;
v)R3がアリール又は複素環を表し且つR6が水素を表す場合、Wは、置換された1,2−ジヒドロキノリン−2−オンを表さず、ここでbとhが同時に0を表し、R1、Q1、Q4及びR11は、置換された又は非置換の芳香族6員炭素環を形成し、Q3はNを表し、そしてQ2はC=Oを表し;
vi)R3がアリール又は複素環を表す場合、R6が水素を表し、Q1、Q2及びQ4はCを同時に表し、Q3はNを表し、そしてdは0を表し;
1、Q1、Q4及びR11は、置換された又は置換されていない5員の飽和した又は部分的に若しくは全体的に不飽和の複素環を形成せず;
1、Q1、Q4及びR12は、置換された又は置換されていない5員の飽和した又は部分的に若しくは全体的に不飽和の複素環を形成せず;
2、Q1、Q4及びR11は、置換された又は置換されていない5員の飽和した又は部分的に若しくは全体的に不飽和の複素環を形成せず;
2、Q1、Q4及びR12は、置換された又は置換されていない5員の飽和した又は部分的に若しくは全体的に不飽和の複素環を形成せず;
1、Q1、Q4及びR11は、O、N又はSから選択された少なくとも1つのさらなるヘテロ原子を含む、置換された又は置換されていない5員の飽和した又は部分的に若しくは全体的に不飽和の複素環を形成せず;
1、Q1、Q4及びR12は、O、N又はSから選択された少なくとも1つのさらなるヘテロ原子を含む、置換された又は置換されていない5員の飽和した又は部分的に若しくは全体的に不飽和の複素環を形成せず;
2、Q1、Q4及びR11は、O、N又はSから選択された少なくとも1つのさらなるヘテロ原子を含む置換された又は置換されていない5員の飽和した又は部分的に若しくは全体的に不飽和の複素環を形成せず;
2、Q1、Q4及びR12は、O、N又はSから選択された少なくとも1つのさらなるヘテロ原子を含む、置換された又は置換されていない5員の飽和した又は部分的に若しくは全体的に不飽和の複素環を形成せず;
vii)Wは、以下の式(vii):
【0022】
【化3】
【0023】
(式中、
14又はR16は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された、水素、−CN、−OH、−O−シクロアルキル、−O−シクロアルケニル、−O−シクロアルキニル、−NH2、−NR13−シクロアルキル、−NR13−シクロアルケニル、−NR13−シクロアルキニル、−S−シクロアルキル、−S−シクロアルケニル、−S−シクロアルキニル、−COOH、−C(O)NH2、−CF3、−SO2NH2、−NHSO2NH2、−NHC(O)NH2、−OC(O)NH2、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、−O−アリール、−NR13−アリール、−S−アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、−O−複素環、−NR13−複素環、−S−複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを独立に表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく、
ここで、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、又はヘテロシクリル−ヘテロアルキニル基は、少なくとも1つのさらなる環と縮合していてもよく、
ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル基は、アルキル、アルケニル、アルキニルの部分中にO、S及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;及び
3、R4、R5、R6、R7及びT1は、式(A)の化合物について定義された通りである)
の化合物を表さず;
viii)Wは、以下の式(viii):
【0024】
【化4】
【0025】
(式中、
3は、アリール又は複素環を表し;
14又はR18は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された、水素、−CN、−OH、−O−シクロアルキル、−O−シクロアルケニル、−O−シクロアルキニル、−NH2、−NR13−シクロアルキル、−NR13−シクロアルケニル、−NR13−シクロアルキニル、−S−シクロアルキル、−S−シクロアルケニル、−S−シクロアルキニル、−COOH、−C(O)NH2、−CF3、−SO2NH2、−NHSO2NH2、−NHC(O)NH2、−OC(O)NH2、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、−O−アリール、−NR13−アリール、−S−アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、−O−複素環、−NR13−複素環、−S−複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを独立に表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく、
ここで、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、又はヘテロシクリル−ヘテロアルキニル基は、少なくとも1つのさらなる環と縮合していてもよく、
ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル基は、アルキル、アルケニル、アルキニルの部分中にO、S及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;及び
4、R5、R7、R13及びT1は、式(A)の化合物について定義した通りである)
の化合物を表さず;
ix)R4が水素原子又はハロゲン原子を表す場合、R5は、水素原子又はハロゲン原子を表さず;
x)R5が水素原子又はハロゲン原子を表す場合、R4は水素原子又はハロゲン原子を表さず;
xi)R4又はR5は-OMeを表さず;
xii)Wは、2−(4−クロロ−2−フェニルフェニル)−3−メチルブタン酸を表さず;
xiii)Wは、以下の式(xiii):
【0026】
【化5】
【0027】
(式中、
16又はR18は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された、水素、−CN、−OH、−O−シクロアルキル、−O−シクロアルケニル、−O−シクロアルキニル、−NH2、−NR13−シクロアルキル、−NR13−シクロアルケニル、−NR13−シクロアルキニル、−S−シクロアルキル、−S−シクロアルケニル、−S−シクロアルキニル、−COOH、−C(O)NH2、−CF3、−SO2NH2、−NHSO2NH2、−NHC(O)NH2、−OC(O)NH2、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、−O−アリール、−NR13−アリール、−S−アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、−O−複素環、−NR13−複素環、−S−複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを独立に表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく、
ここで、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、又はヘテロシクリル−ヘテロアルキニル基は、少なくとも1つのさらなる環と縮合していてもよく、
ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル基は、アルキル、アルケニル、アルキニルの部分中に、O、S及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;及び
3、R4、R5、R6、R7、R13及びT1は、式(A)の化合物について定義された通りである)
の化合物を表さず;
xiv)Wは、式(xiv):
【0028】
【化6】
【0029】
(式中、
16及びR18は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された、水素、−CN、−OH、−O−シクロアルキル、−O−シクロアルケニル、−O−シクロアルキニル、−NH2、−NR13−シクロアルキル、−NR13−シクロアルケニル、−NR13−シクロアルキニル、−S−シクロアルキル、−S−シクロアルケニル、−S−シクロアルキニル、−COOH、−C(O)NH2、−CF3、−SO2NH2、−NHSO2NH2、−NHC(O)NH2、−OC(O)NH2、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、−O−アリール、−NR13−アリール、−S−アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、−O−複素環、−NR13−複素環、−S−複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを独立に表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく、
ここで、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、又はヘテロシクリル−ヘテロアルキニル基は、少なくとも1つのさらなる環と縮合していてもよく、
ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル基は、アルキル、アルケニル、アルキニルの部分中にO、S及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;及び
3、R4、R5、R6、R7、R13及びT1は、式(A)の化合物について定義された通りである)
の化合物を表さず;
xv)Wは、以下の式(xv):
【0030】
【化7】
【0031】
(式中、
14及びR16は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された、水素、−CN、−OH、−O−シクロアルキル、−O−シクロアルケニル、−O−シクロアルキニル、−NH2、−NR13−シクロアルキル、−NR13−シクロアルケニル、−NR13−シクロアルキニル、−S−シクロアルキル、−S−シクロアルケニル、−S−シクロアルキニル、−COOH、−C(O)NH2、−CF3、−SO2NH2、−NHSO2NH2、−NHC(O)NH2、−OC(O)NH2、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、−O−アリール、−NR13−アリール、−S−アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、−O−複素環、−NR13−複素環、−S−複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを独立に表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく、
ここで、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、又はヘテロシクリル−ヘテロアルキニル基は、少なくとも1つのさらなる環と縮合していてもよく、
ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル基は、アルキル、アルケニル、アルキニルの部分中にO、S及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく、及び
3、R4、R5、R6、R7、R13及びT1式(A)の化合物について定義された通りである)
の化合物を表さず;
xvi)Wは、以下の式(xvi):
【0032】
【化8】
【0033】
(式中、
16は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された、水素、−CN、−OH、−O−シクロアルキル、−O−シクロアルケニル、−O−シクロアルキニル、−NH2、−NR13−シクロアルキル、−NR13−シクロアルケニル、−NR13−シクロアルキニル、−S−シクロアルキル、−S−シクロアルケニル、−S−シクロアルキニル、−COOH、−C(O)NH2、−CF3、−SO2NH2、−NHSO2NH2、−NHC(O)NH2、−OC(O)NH2、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、−O−アリール、−NR13−アリール、−S−アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、−O−複素環、−NR13−複素環、−S−複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく、
ここで、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、又はヘテロシクリル−ヘテロアルキニル基は、少なくとも1つのさらなる環と縮合していてもよく、
ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル基は、アルキル、アルケニル、アルキニルの部分中にO、S及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;及び
3、R4、R5、R6、R7、R13及びT1は、式(A)の化合物について定義された通りである)
の化合物を表さず;
xvii)Wは、以下の式(xvii):
【0034】
【化9】
【0035】
(式中、
14、R16、R18及びR20は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された、水素、−CN、−OH、−O−シクロアルキル、−O−シクロアルケニル、−O−シクロアルキニル、−NH2、−NR13−シクロアルキル、−NR13−シクロアルケニル、−NR13−シクロアルキニル、−S−シクロアルキル、−S−シクロアルケニル、−S−シクロアルキニル、−COOH、−C(O)NH2、−CF3、−SO2NH2、−NHSO2NH2、−NHC(O)NH2、−OC(O)NH2、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、−O−アリール、−NR13−アリール、−S−アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、−O−複素環、−NR13−複素環、−S−複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを独立に表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく、
ここで、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、又はヘテロシクリル−ヘテロアルキニル基は、少なくとも1つのさらなる環と縮合していてもよく、
ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル基は、アルキル、アルケニル、アルキニルの部分中にO、S及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;及び
3、R4、R5、R7、R9、R13及びT1は、式(A)の化合物について定義された通りである)
の化合物を表さず;
xviii)Wは、以下の式(xviii)、(xix)又は(xx):
【0036】
【化10】
【0037】
【化11】
【0038】
【化12】
【0039】
(式中、
14、R16、R18及びR20は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された、水素、−CN、−OH、−O−シクロアルキル、−O−シクロアルケニル、−O−シクロアルキニル、−NH2、−NR13−シクロアルキル、−NR13−シクロアルケニル、−NR13−シクロアルキニル、−S−シクロアルキル、−S−シクロアルケニル、−S−シクロアルキニル、−COOH、−C(O)NH2、−CF3、−SO2NH2、−NHSO2NH2、−NHC(O)NH2、−OC(O)NH2、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、−O−アリール、−NR13−アリール、−S−アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、−O−複素環、−NR13−複素環、−S−複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを独立に表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく、
ここで、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、又はヘテロシクリル−ヘテロアルキニル基は、少なくとも1つのさらなる環と縮合していてもよく、
ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル基は、アルキル、アルケニル、アルキニルの部分中にO、S及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;及び
3、R4、R5、R7、R9、R13及びT1は、式(A)の化合物について定義された通りである)
の化合物を表さない)。
【発明を実施するための形態】
【0040】
たとえ特定の又は好ましい実施形態で記載したとしても、本発明が、そのような特定の又は好ましい実施形態に限定されると理解されるべきではない。
【0041】
本明細書において使用する用語「アルキル(alkyl)」は、単独で又は他のラジカルとの組合せのいずれかで、非環式の直鎖又は分岐鎖アルキルラジカルを指す。
【0042】
本明細書において使用する用語「アルケニル(alkenyl)」は、単独で又は他のラジカルとの組合せのいずれかで、少なくとも2個の炭素原子が二重結合により互いに結合した不飽和の非環式直鎖又は分岐鎖炭化水素ラジカルを指す。
【0043】
本明細書において使用する用語「アルキニル(alkynyl)」は、単独で又は他のラジカルとの組合せのいずれかで、少なくとも2個の炭素原子が三重結合により互いに結合した不飽和の非環式直鎖又は分岐鎖炭化水素ラジカルを指す。
【0044】
本明細書において使用する用語「シクロアルキル(cycloalkyl)」は、単独で又は他のラジカルとの組合せのいずれかで、単環式又は多環式の飽和炭化水素ラジカルを指す。
【0045】
本明細書において使用する用語「シクロアルケニル(cycloalkenyl)」は、単独で又は他のラジカルとの組合せで、不飽和、すなわち炭素−炭素二重結合の少なくとも1つの部位を有する単環式又は多環式の非芳香族炭化水素ラジカルを指す。
【0046】
本明細書において使用する用語「シクロアルキニル(cycloalkynyl)」は、単独で又は他のラジカルとの組合せで、不飽和、すなわち炭素−炭素三重結合の少なくとも1つの部位を有する単環式又は多環式非芳香族炭化水素ラジカルを指す。
【0047】
本明細書において使用する用語「ヘテロアルキル(heteroalkyl)」は、単独で又は他のラジカルとの組合せで、1つ以上の炭素原子が酸素、窒素又はイオウ原子により置き換えられている非環式アルキルを指す。
【0048】
本明細書において使用する用語「ヘテロアルケニル(heteroalkenyl)」は、単独で又は他のラジカルとの組合せで、1つ以上の炭素原子が酸素、窒素又はイオウ原子により置き換えられている非環式アルケニルを指す。
【0049】
本明細書において使用する用語「ヘテロアルキニル(heteroalkynyl)」は、単独で又は他のラジカルとの組合せで、1つ以上の炭素原子が酸素、窒素又はイオウ原子により置き換えられている非環式アルキニルを指す。
【0050】
本明細書において使用する用語「アリール(aryl)」は、単独で又は他のラジカルとの組合せのいずれかで、少なくともさらに1つの他の飽和、不飽和又は芳香族炭素環と縮合していてもよい6個の炭素原子を含有する炭素環状の芳香族単環式基を指す。
【0051】
本明細書において使用する用語「アリールアルキル(arylakyl)」は、単独で又は他のラジカルとの組合せのいずれかで、炭素原子に結合した水素原子の1つがアリールラジカルにより置き換えられた非環式アルキルラジカルを指す。
【0052】
本明細書において使用する用語「アリールアルケニル(arylalkenyl)」は、単独で又は他のラジカルとの組合せで、炭素原子に結合した水素原子の1つがアリールラジカルにより置き換えられた非環式アルケニルラジカルを指す。
【0053】
本明細書において使用する用語「アリールアルキニル(arylalkynyl)」は、単独で又は他のラジカルとの組合せで、炭素原子に結合した水素原子の1つがアリールラジカルにより置き換えられた非環式アルキニルラジカルを指す。
【0054】
本明細書において使用する用語「アリールヘテロアルキル(arylheteroalkyl)」は、単独で又は他のラジカルとの組合せで、炭素原子に結合した水素原子の1つがアリールラジカルにより置き換えられたヘテロアルキルラジカルを指す。
【0055】
本明細書において使用する用語「アリールヘテロアルケニル(arylheteroalkenyl)」は、単独で又は他のラジカルとの組合せで、炭素原子に結合した水素原子の1つがアリールラジカルにより置き換えられたヘテロアルケニルラジカルを指す。
【0056】
本明細書において使用する用語「アリールヘテロアルキニル(arylheteroalkynyl)」は、単独で又は他のラジカルとの組合せで、炭素原子に結合した水素原子の1つがアリールラジカルにより置き換えられたヘテロアルキニルラジカルを指す。
【0057】
本明細書において使用する用語「炭素環(carbocycle)」は、特に断りのない限り、単独で又は他のラジカルとの組合せのいずれかで、環のメンバーの全てが炭素原子であり且つ少なくともさらに1つの他の炭素環と縮合していてもよい3〜8員の飽和、不飽和又は芳香族の環状ラジカルを指す。
【0058】
本明細書において使用する用語「複素環(heterocycle)」は、少なくとも1つのN、O又はSを含み且つ少なくともさらに1つの他の炭素環又は複素環と縮合していてもよい、3〜18原子の飽和、不飽和又は芳香族の環系を意味する。
【0059】
本明細書において使用する用語「ヘテロシクリル−アルキル(heterocyclyl‐alkyl)」は、単独で又は他のラジカルとの組合せで、炭素原子に結合した水素原子の1つが複素環ラジカルにより置き換えられた非環式アルキルラジカルを指す。
【0060】
本明細書において使用する用語「ヘテロシクリル−アルケニル(heterocyclyl‐alkenyl)」は、単独で又は他のラジカルとの組合せで、炭素原子に結合した水素原子の1つが複素環ラジカルにより置き換えられた非環式アルケニルラジカルを指す。
【0061】
本明細書において使用する用語「ヘテロシクリル−アルキニル(heterocyclyl‐alkynyl)」は、単独で又は他のラジカルとの組合せで、炭素原子に結合した水素原子の1つが複素環ラジカルにより置き換えられた非環式アルキニルラジカルを指す。
【0062】
本明細書において使用する用語「ヘテロシクリル−ヘテロアルキル(heterocyclyl‐alkynyl)」は、単独で又は他のラジカルとの組合せで、炭素原子に結合した水素原子の1つが複素環ラジカルにより置き換えられたヘテロアルキルラジカルを指す。
【0063】
本明細書において使用する用語「ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル(heterocycle‐heteroalkenyl)」は、単独で又は他のラジカルとの組合せで、炭素原子に結合した水素原子の1つが複素環ラジカルにより置き換えられたヘテロアルケニルラジカルを指す。
【0064】
本明細書において使用する用語「ヘテロシクリル−ヘテロアルキニル(heterocycle‐heteroalkynyl)」は、単独で又は他のラジカルとの組合せで、炭素原子に結合した水素原子の1つが複素環ラジカルにより置き換えられたヘテロアルキニルラジカルを指す。
【0065】
「医薬的に許容される(pharmaceutically acceptable)」という表現は、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応、又は他の問題又は合併症がなく、合理的な利益/リスク比に見合った、根拠のある医学的判断の範囲内で、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに適したこれらの化合物、材料、組成物及び/又は投与形態を指して使用される。
【0066】
本明細書において使用する「医薬的に許容される塩(pharmaceutically acceptable salt)」は、親化合物がそれらの酸又は塩基塩を作製することにより修飾された開示された化合物の誘導体を指す。医薬的に許容される塩の例として、アミンなどの塩基性残基の無機酸塩又は有機酸の塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩又は有機塩等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0067】
本発明の医薬的に許容される塩は、塩基性部分又は酸性部分を含有する親化合物から従来の化学的方法により合成することができる。
【0068】
本明細書において使用する用語「治療(treatment)」は、HIV感染の症状を緩和するか若しくは排除するため及び/又は患者中のウイルス量を減少させるための本発明による化合物又は組成物の投与を意味することを意図する。用語「治療(treatment)」は、個体のウイルスに対する曝露後であるが疾患の症状の出現前に、及び/又は血液中のウイルスの検出に先立って、疾患の症状の出現を防止及び/又はウイルスが血液中において検出可能なレベルに達することを防止するために本発明による化合物又は組成物を投与すること、並びにHIVの母から子への周産期の伝染を、出産前の母に及び出生後1日以内の子に投与することにより防止するために本発明による化合物又は組成物を投与することも包含する。
【0069】
「治療的有効量therapeutically effective amount)」という表現は、それらが必要な患者に投与されたときに、該化合物が効用を有する病状、状態又は障害に対する治療効果が十分な本発明による化合物の量を指す。そのような量は、研究者又は臨床医により求められる組織系の又は患者の生物学的又は医学的応答を惹起するのに十分であろう。治療的有効量となる本発明による化合物の量は、化合物及びその生物学的活性、投与に使用される組成物、投与時間、投与経路、化合物の排泄速度、治療期間、疾患状態のタイプ又は治療される障害及びその重症度、本発明の化合物と組み合わせて又は同時に使用される薬剤、及び患者の年齢、体重、一般的健康、性及び食事などの要因に依存して変化するであろう。そのような治療的有効量は、当業者により、彼ら自身の知識、技術の状態、及び本発明の開示を考慮して日常的に決定され得る。
【0070】
本明細書において使用する用語「哺乳動物(mammal)」は、ヒト並びにHIV又はHIVの非ヒト同等物による感染を受けやすい非ヒト哺乳動物を包含することを意図される。非ヒト哺乳動物として、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット及びマウスなどの飼育動物、並びに非飼育動物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
本発明による化合物は、定義されたように式(A)の化合物であり、発明の概要に記載した実施形態を含む。
【0072】
特に、本発明による化合物は、R6が水素を表す式(A)の化合物である。
【0073】
より特定すれば、本発明による化合物は、R5が水素を表す式(A)の化合物である。
【0074】
有利なことに、本発明は、以下の式(1)〜(5)の化合物:
【0075】
【化13】
【0076】
【化14】
【0077】
(式中、
Wは、置換された、部分的に又は全体的に不飽和の、芳香族又は非芳香族炭素環又は複素環を表し;
a、b、c、d、e、f、g及びhは0又は1を独立に表し;
1、Q2、Q3、Q4、R1、R2、R3、R4、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9及びT10は、式(A)の化合物について定義された通りであるが、関連する但し書きを含む)
を提供する。
【0078】
好ましくは、本発明は、以下の式(1A)、(2A)、(3A)、(4A)又は(5A)の化合物:
【0079】
【化15】
【0080】
(式中、
Wは、置換された、部分的に又は全体的に不飽和の又は芳香族の炭素環を表し;
1、Q2、Q3、Q4、R1、R2、R3、R4、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9及びT10は、式(A)の化合物について定義された通りである)
を提供する。
【0081】
式(1A)の化合物の例として、本発明は、以下の式(1A−1)及び(1A−2)の化合物:
【0082】
【化16】
【0083】
を提供する。
【0084】
化合物(5A)の例として、本発明は、以下の式(5A−1)、(5A−2)、(5A−3)、(5A−4)、(5A−5)、(5A−6)、(5A−7)、(5A−8)、(5A−9)、(5A−10)、(5A−11)、(5A−12)、(5A−13)、(5A−14)、(5A−15)、(5A−16)、(5A−17)、(5A−18)、(5A−19)又は(5A−20)の化合物:
【0085】
【化17】
【0086】
【化18】
【0087】
【化19】
【0088】
【化20】
【0089】
を提供する。
【0090】
好ましくは、本発明は、以下の式(5B)〜(5J)の化合物:
【0091】
【化21】
【0092】
【化22】
【0093】
(式中、
Wは、置換された芳香族複素環を表し;
1、R3、R4、R7、R9、R11、R13、T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9及びT10は、式(A)の化合物について定義された通りであるが、関連する但し書きを含む)
も提供する。
【0094】
有利なことに、本発明は、以下の式(6)〜(12)の化合物:
【0095】
【化23】
【0096】
【化24】
【0097】
(式中、
Wは、縮合した、置換された、部分的に又は全体的に不飽和の又は芳香族の炭素環又は複素環を表し;
a、c、d、e、f、g、i、j、k、l、m、n、o及びpは、0又は1を独立に表し;
1はCR1、Nを表し;
4はCR11、Nを表し;
5は、CR14、CR15、CR1415、N、NR14、NR15、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
6は、CR16、CR17、CR1617、N、NR16、NR17、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
7は、CR18、CR19、CR1819、N、NR18、NR19、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
8は、CR20、CR21、CR2021、N、NR20、NR21、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
14、R15、R16、R17、R18、R19、R20及びR21は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された、水素、−CN、−OH、−O−シクロアルキル、−O−シクロアルケニル、−O−シクロアルキニル、−NH2、−NR13−シクロアルキル、−NR13−シクロアルケニル、−NR13−シクロアルキニル、−S−シクロアルキル、−S−シクロアルケニル、−S−シクロアルキニル、−COOH、−C(O)NH2、−CF3、−SO2NH2、−NHSO2NH2、−NHC(O)NH2、−OC(O)NH2、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、−O−アリール、−NR13−アリール、−S−アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、−O−複素環、−NR13−複素環、−S−複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを独立に表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく、
ここで、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、又はヘテロシクリル−ヘテロアルキニル基は、少なくとも1つのさらなる環と縮合していてもよく;
ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル基は、アルキル、アルケニル、アルキニルの部分中にO、S及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;
2、Q3、R1、R3、R4、R7、R8、R9、R10、R11、R13、T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9及びT10は、式(A)の化合物について定義された通りであるが、関連する但し書きを含む)
を提供する。
【0098】
式(10)の化合物の例として、本発明は、以下の式(10A)又は(10B)の化合物:
【0099】
【化25】
【0100】
を提供する。
【0101】
式(11)の化合物の例として、本発明は、以下の式(11A)の化合物:
【0102】
【化26】
【0103】
を提供する。
【0104】
式(12)の化合物の例として、本発明は、以下の式(12A)又は(12B)の化合物:
【0105】
【化27】
【0106】
を提供する。
【0107】
有利なことに、本発明は、以下の式(13)〜(20)の化合物:
【0108】
【化28】
【0109】
【化29】
【0110】
(式中、
Wは、縮合した、置換された、部分的に又は全体的に不飽和の又は芳香族の炭素環又は複素環を表し;
a、b、c、d、e、g、i、j、k、l、m、n、o及びpは、0又は1を独立に表し;
3はCR9、Nを表し;
4はCR11、Nを表し;
5は、CR14、CR15、CR1415、N、NR14、NR15、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
6は、CR16、CR17、CR1617、N、NR16、NR17、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
7は、CR18、CR19、CR1819、N、NR18、NR19、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
8は、CR20、CR21、CR2021、N、NR20、NR21、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
14、R15、R16、R17、R18、R19、R20及びR21は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された、水素、−CN、−OH、−O−シクロアルキル、−O−シクロアルケニル、−O−シクロアルキニル、−NH2、−NR13−シクロアルキル、−NR13−シクロアルケニル、−NR13−シクロアルキニル、−S−シクロアルキル、−S−シクロアルケニル、−S−シクロアルキニル、−COOH、−C(O)NH2、−CF3、−SO2NH2、−NHSO2NH2、−NHC(O)NH2、−OC(O)NH2、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、−O−アリール、−NR13−アリール、−S−アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、−O−複素環、−NR13−複素環、−S−複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを独立に表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく、
ここで、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、又はヘテロシクリル−ヘテロアルキニル基は、少なくとも1つのさらなる環と縮合していてもよく、
ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル基は、アルキル、アルケニル、アルキニルの部分中にO、S及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;
1、Q2、R1、R2、R3、R4、R7、R8、R9、R11、R13、T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9及びT10は、式(A)の化合物について定義された通りである)
を提供する。
【0111】
有利なことに、本発明は、以下の式(21)〜(27)の化合物:
【0112】
【化30】
【0113】
【化31】
【0114】
【化32】
【0115】
(式中、
Wは、縮合した、置換された、部分的に又は全体的に不飽和の又は芳香族の炭素環又は複素環を表し;
a、b、c、e、g、h、i、j、k、l、m、n、o及びpは、0又は1を独立に表し;
2は、CR7、Nを表し;
3は、CR9、Nを表し;
5は、CR14、CR15、CR1415、N、NR14、NR15、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
6は、CR16、CR17、CR1617、N、NR16、NR17、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
7は、CR18、CR19、CR1819、N、NR18、NR19、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
8は、CR20、CR21、CR2021、N、NR20、NR21、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
14、R15、R16、R17、R18、R19、R20及びR21は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された、水素、−CN、−OH、−O−シクロアルキル、−O−シクロアルケニル、−O−シクロアルキニル、−NH2、−NR13−シクロアルキル、−NR13−シクロアルケニル、−NR13−シクロアルキニル、−S−シクロアルキル、−S−シクロアルケニル、−S−シクロアルキニル、−COOH、−C(O)NH2、−CF3、−SO2NH2、−NHSO2NH2、−NHC(O)NH2、−OC(O)NH2、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、−O−アリール、−NR13−アリール、−S−アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、−O−複素環、−NR13−複素環、−S−複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを独立に表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく、
ここで、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、又はヘテロシクリル−ヘテロアルキニル基は、少なくとも1つのさらなる環と縮合していてもよく、及び
ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル基は、アルキル、アルケニル、アルキニルの部分中にO、S及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;
1、Q4、R1、R2、R3、R4、R7、R9、R11、R12、R13、T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9及びT10は、式(A)の化合物について定義された通りであるが関連する但し書きを含む)
を提供する。
【0116】
好ましくは、本発明は、以下の式(10A)、(17A)、(20A)、(25A)又は(27A)の化合物:
【0117】
【化33】
【0118】
【化34】
【0119】
(式中、
Wは、縮合した、置換された、芳香族炭素環又は複素環を表し;
a、c、e、g、i、j、k、l、m、n、o及びpは、0又は1を独立に表し;
5は、CR14、CR15、CR1415、N、NR14、NR15、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
6は、CR16、CR17、CR1617、N、NR16、NR17、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
7は、CR18、CR19、CR1819、N、NR18、NR19、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
8は、CR20、CR21、CR2021、N、NR20、NR21、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
14、R15、R16、R17、R18、R19、R20及びR21は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された、水素、−CN、−OH、−O−シクロアルキル、−O−シクロアルケニル、−O−シクロアルキニル、−NH2、−NR13−シクロアルキル、−NR13−シクロアルケニル、−NR13−シクロアルキニル、−S−シクロアルキル、−S−シクロアルケニル、−S−シクロアルキニル、−COOH、−C(O)NH2、−CF3、−SO2NH2、−NHSO2NH2、−NHC(O)NH2、−OC(O)NH2、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、−O−アリール、−NR13−アリール、−S−アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、−O−複素環、−NR13−複素環、−S−複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを独立に表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく、
ここで、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、又はヘテロシクリル−ヘテロアルキニル基は、少なくとも1つのさらなる環と縮合していてもよく;
ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル基は、アルキル、アルケニル、アルキニルの部分中にO、S及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;
1、R7、R9、R11、R13、T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9及びT10は、式(A)の化合物について定義された通りである)
も提供する。
【0120】
化合物(17)の例として、本発明は、以下の式(17A−1)の化合物:
【0121】
【化35】
【0122】
を提供する。
【0123】
化合物(20)の例として、本発明は、以下の式(20A−1)又は(20A−2)の化合物:
【0124】
【化36】
【0125】
を提供する。
【0126】
式(27)の化合物として、本発明は、以下の式(27A−1)、(27A−2)、(27A−3)又は(27A−4)の化合物:
【0127】
【化37】
【0128】
【化38】
【0129】
を提供する。
【0130】
有利なことに、本発明は、以下の式(28)〜(43)の化合物:
【0131】
【化39】
【0132】
【化40】
【0133】
【化41】
【0134】
(式中、
Wは、縮合した、置換された、部分的に又は全体的に不飽和の又は芳香族の炭素環又は複素環を表し;
a、c、d、e、f、g、i、j、k、l、m及びnは、0又は1を独立に表し;
1は、CR1、Nを表し;
4は、CR11、Nを表し;
5は、CR14、CR15、CR1415、N、NR14、NR15、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
6、は、CR16、CR17、CR1617、N、NR16、NR17、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2
7は、CR18、CR19、CR1819、N、NR18、NR19、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
14、R15、R16、R17、R18及びR19は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された、水素、−CN、−OH、−O−シクロアルキル、−O−シクロアルケニル、−O−シクロアルキニル、−NH2、−NR13−シクロアルキル、−NR13−シクロアルケニル、−NR13−シクロアルキニル、−S−シクロアルキル、−S−シクロアルケニル、−S−シクロアルキニル、−COOH、−C(O)NH2、−CF3、−SO2NH2、−NHSO2NH2、−NHC(O)NH2、−OC(O)NH2、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、−O−アリール、−NR13−アリール、−S−アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、−O−複素環、−NR13−複素環、−S−複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを独立に表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく、
ここで、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、又はヘテロシクリル−ヘテロアルキニル基は、少なくとも1つのさらなる他の環と縮合していてもよく;
ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル基は、アルキル、アルケニル、アルキニルの部分中にO、S及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;
2、Q3、R1、R3、R4、R7、R8、R9、R10、R11、R13、T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9及びT10は、式(A)の化合物について定義された通りであるが、関連する但し書きを含む)
も提供する。
【0135】
有利なことに、本発明は、以下の式(44)〜(56)の化合物:
【0136】
【化42】
【0137】
【化43】
【0138】
【化44】
【0139】
(式中、
Wは、縮合した、置換された、部分的に又は全体的に不飽和の又は芳香族の炭素環又は複素環を表し;
a、b、c、d、e、g、i、j、k、l、m及びnは、0又は1を独立に表し;
3は、CR9、Nを表し;
4は、CR11、Nを表し;
5は、CR14、CR15、CR1415、N、NR14、NR15、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
6、は、CR16、CR17、CR1617、N、NR16、NR17、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
7は、CR18、CR19、CR1819、N、NR18、NR19、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
14、R15、R16、R17、R18及びR19は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された、水素、−CN、−OH、−O−シクロアルキル、−O−シクロアルケニル、−O−シクロアルキニル、−NH2、−NR13−シクロアルキル、−NR13−シクロアルケニル、−NR13−シクロアルキニル、−S−シクロアルキル、−S−シクロアルケニル、−S−シクロアルキニル、−COOH、−C(O)NH2、−CF3、−SO2NH2、−NHSO2NH2、−NHC(O)NH2、−OC(O)NH2、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、−O−アリール、−NR13−アリール、−S−アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、−O−複素環、−NR13−複素環、−S−複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを独立に表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく、
ここで、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、又はヘテロシクリル−ヘテロアルキニル基は、少なくとも1つのさらなる少なくとも1つのさらなる他の環と縮合していてもよく;
ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル基は、アルキル、アルケニル、アルキニルの部分中にO、S及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;
1、Q2、R1、R2、R3、R4、R7、R8、R9、R11、R13、T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9及びT10は、式(A)の化合物について定義された通りである)
も提供する。
【0140】
有利なことに、本発明は、以下の式(57)〜(72)の化合物:
【0141】
【化45】
【0142】
【化46】
【0143】
【化47】
【0144】
(式中、
Wは、縮合した、置換された、部分的に又は全体的に不飽和の又は芳香族の炭素環又は複素環を表し;
a、b、c、e、g、h、i、j、k、l、m及びnは、0又は1を独立に表し;
2は、CR7、Nを表し;
3は、CR9、Nを表し;
5は、CR14、CR15、CR1415、N、NR14、NR15、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
6、は、CR16、CR17、CR1617、N、NR16、NR17、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
7は、CR18、CR19、CR1819、N、NR18、NR19、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
14、R15、R16、R17、R18及びR19は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された、水素、−CN、−OH、−O−シクロアルキル、−O−シクロアルケニル、−O−シクロアルキニル、−NH2、−NR13−シクロアルキル、−NR13−シクロアルケニル、−NR13−シクロアルキニル、−S−シクロアルキル、−S−シクロアルケニル、−S−シクロアルキニル、−COOH、−C(O)NH2、−CF3、−SO2NH2、−NHSO2NH2、−NHC(O)NH2、−OC(O)NH2、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、−O−アリール、−NR13−アリール、−S−アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、−O−複素環、−NR13−複素環、−S−複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを独立に表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく、
ここで、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、又はヘテロシクリル−ヘテロアルキニル基は、少なくとも1つのさらなる他の環と縮合していてもよく;
ここで、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル基は、アルキル、アルケニル、アルキニルの部分中にO、S及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;
1、Q4、R1、R2、R3、R4、R7、R9、R11、R12、R13、T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9及びT10は、式(A)の化合物について定義された通りである)
も提供する。
【0145】
好ましくは、本発明は、以下の式(39A)、(40A)、(41A)、(54A)、(55A)、(56A)、(64A)、(65A)又は(70A)の化合物:
【0146】
【化48】
【0147】
【化49】
【0148】
(式中、
Wは、縮合した、置換された、芳香族炭素環又は複素環を表し;
a、c、e、g、i、j、k、l、m及びnは、0又は1を独立に表し;
5は、CR14、CR15、CR1415、N、NR14、NR15、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
6、は、CR16、CR17、CR1617、N、NR16、NR17、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
7は、CR18、CR19、CR1819、N、NR18、NR19、S、O、C=O、C=S、N=O、S=O、S(O)2を表し;
14、R15、R16、R17、R18及びR19は、非置換の又は少なくとも1つのT1により置換された、水素、−CN、−OH、−O−シクロアルキル、−O−シクロアルケニル、−O−シクロアルキニル、−NH2、−NR13−シクロアルキル、−NR13−シクロアルケニル、−NR13−シクロアルキニル、−S−シクロアルキル、−S−シクロアルケニル、−S−シクロアルキニル、−COOH、−C(O)NH2、−CF3、−SO2NH2、−NHSO2NH2、−NHC(O)NH2、−OC(O)NH2、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、−O−アリール、−NR13−アリール、−S−アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、−O−複素環、−NR13−複素環、−S−複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルを独立に表し、
ここで、前記アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキニルの炭素原子又はヘテロ原子は、酸化されてC=O、C=S、N=O、N=S、S=O又はS(O)2を形成していてもよく、
ここで、アリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、アリールヘテロアルキル、アリールヘテロアルケニル、アリールヘテロアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、複素環、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル、ヘテロシクリル−ヘテロアルキル、ヘテロシクリル−ヘテロアルケニル、又はヘテロシクリル−ヘテロアルキニル基は、少なくとも1つのさらなる他の環と縮合していてもよく;
アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロシクリル−アルキル、ヘテロシクリル−アルケニル、ヘテロシクリル−アルキニル基は、アルキル、アルケニル、アルキニルの部分中にO、S及びNから選択された1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよく;
1、R3、R4、R7、R9、R11、R13、T1、T2、T3、T4、T5、T6、T7、T8、T9及びT10は、式(A)の化合物について定義された通りである)
も提供する。
【0149】
式(40)の例として、本発明は、以下の式(40A−1)の化合物:
【0150】
【化50】
【0151】
を提供する。
【0152】
組合せ療法
組合せ療法は、本発明による化合物、又は医薬的に許容されるそれらの塩が、少なくとも1つのさらなる抗ウイルス剤と共投与される場合に考慮される。追加の薬剤は、本発明による化合物と組み合わせて単一の投与形態を創ることができる。あるいはこれらの追加の薬剤は、多様な投与形態の一部として同時に又は逐次で別々に投与することができる。本発明の医薬組成物が、本発明による化合物又は医薬的に許容されるそれらの塩と少なくとも1つのさらなる抗ウイルス剤の組合せを含む場合、両方の化合物及び追加の薬剤は、単独療法投与計画で通常投与される用量の約10〜100%の間、より好ましくは約10%と80%の間の用量レベルで存在すべきである。本発明による化合物と追加の抗ウイルス剤又は薬剤との間に相乗的相互作用がある場合は、組合せ中の有効な活性剤のいずれか又は全ての用量を、単独療法投与計画で通常投与される用量と比較して減少させることができる。
【0153】
そのような組合せ療法における使用を考慮される抗ウイルス剤は、哺乳動物におけるウイルスの形成及び/又は複製の阻害に有効な薬剤(化合物又は生物学的物質)を含み、哺乳動物におけるウイルスの形成及び/又は複製に必要な宿主又はウイルスいずれかの機構に干渉する薬剤を含むが、これらに限定されない。そのような薬剤は、以下:
NRTI(ヌクレオシド又はヌクレオチド逆転写酵素阻害剤;ジドブジン、ジダノシン、ザルシタビン、スタブジン、ラミブジン、エムトリシタビン、アバカビル、及びテノホビルを含むが、これらに限定されない);
NNRTI(非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤;ネビラピン、デラビルジン、エファビレンツ、エトラビリン、リルピビリン及びBILR355を含むが、これらに限定されない);
プロテアーゼ阻害剤(リトナビル、チプラナビル、サキナビル、ネルフィナビル、インジナビル、アンプレナビル、フォサンプレナビル、アタザナビル、ロピナビル、ダルナビル及びブレカナビルを含むが、これらに限定されない);
侵入阻害剤 マラビロク(UK−427,857)、ビクリビロク(SCH−D、SCH−417690)及びTAK−652などのCCR5アンタゴニスト)、AMD−11070などのCXCR4アンタゴニストを含むが、これらに限定されない)
融合阻害剤(エンフビルチド(T−20)その他(BMS−488043を含むがこれに限定されない)を含むがこれに限定されない);
インテグラーゼ阻害剤(MK−0518、c−1605、BMS−538158及びGS9137を含むが、これらに限定されない);
TAT阻害剤;
成熟阻害剤(ベビリマート(PA−457)を含むがこれに限定されない);及び
免疫調節性活性剤(レバミゾールを含むがこれに限定されない)
から選択することができる。
【0154】
さらに、本発明による化合物は、少なくとも1つの他の本発明による化合物又は1つ以上の抗真菌性又は抗菌性薬剤(フルコナゾ−ルを含むがこれに限定されない)と共に使用することができる。
【0155】
それ故、一実施形態により、本発明の医薬組成物は、1つ以上の抗ウイルス剤をさらに含む。
【0156】
さらなる実施形態は、追加の抗ウイルス剤が少なくとも1つのNNRTIを含む本発明の医薬組成物を提供する。
【0157】
本発明の医薬組成物の他の実施形態により、追加の抗ウイルス剤は少なくとも1つのNRTIを含む。
【0158】
本発明の医薬組成物の他の実施形態により、追加の抗ウイルス剤は少なくとも1つのプロテアーゼ阻害剤を含む。
【0159】
本発明の医薬組成物のさらに他の実施形態により、追加の抗ウイルス剤は少なくとも1つの侵入阻害剤を含む。
【0160】
本発明の医薬組成物のさらなる実施形態により、追加の抗ウイルス剤は少なくとも1つのインテグラーゼ阻害剤を含む。
【実施例】
【0161】
以下の実施例は、本発明を例示する目的で提供され、決して本発明の範囲を限定すると解釈されるべきでない。第1の部分は、化合物(中間体及び最終化合物)の調製を示し、それに対して第2の部分は、本発明による化合物の抗ウイルス活性の評価を記載する。
【0162】
本明細書において使用する略号又は記号は、下記を含む。
DMSO:ジメチルスルホキシド
MS:質量分析法
NMR:核磁気共鳴分光法
s:一重線
d:二重線
t:三重線
q:四重線
dd:二重二重線
dt:二重三重線
m:連峰状のピーク(massif)
TLC:薄層クロマトグラフィー
【0163】
実施例1:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)フェニル]酢酸の合成
【0164】
【化51】
【0165】
ステップ1:中間体2−(2−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸(1a)の調製
2−ブロモアセトフェノン(3.0g、15mmol)の1,4−ジオキサン(45mL)及び水(15mL)中の溶液に、二酸化セレン(3.34g、30.1mmol)及びイッテルビウム(III)トリフルオロメタンスルホネート水和物(0.61g、0.98mmol)を加えた。該混合物を90℃で18時間加熱した。混合物を室温でセライト(登録商標)を通して濾過した。濾液を真空で濃縮した。残渣に水酸化ナトリウムの0.25M水溶液(150mL)を加えて、生じた溶液をジクロロメタン(2×60mL)で抽出した。水層を濃塩酸でpH1になるまで酸性化して酢酸エチル(2×60mL)で抽出した。この有機層を硫酸ナトリウムで脱水して乾燥蒸発乾固すると2−(2−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸(1a)(2.32g、10mmol、66%)が黄色固体として得られ、それはさらに精製することなく使用した。
【0166】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δ5.67(s、1H)、7.21(dt、J=1.8、7.2Hz、1H)、7.34(dt、J=1.2、7.5Hz、1H)、7.42(dd、J=1.8、7.8Hz、1H)、7.59(dd、J=1.2、8.1Hz、1H)。
【0167】
ステップ2:中間体メチル2−(2−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシアセテート(1b)の調製
2−(2−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸(1a)(2.32g、10mmol)及び硫酸(54μL、1mmol)のメタノール(50mL)中の溶液を、3.5時間還流させた。混合物を真空で濃縮した。重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(30mL)を残渣に加えて、生成物を酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して蒸発乾固した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル85/15)、メチル2−(2−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシアセテート(1b)(2.07g、8.44mmol、84%)を淡黄色固体として得た。
【0168】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δ3.56(d、J=4.8Hz、1H)、3.77(s、3H)、5.58(d、J=4.8Hz、1H)、7.19(dt、J=2.1、7.2Hz、1H)、7.30〜7.40(m、2H)、7.58(dd、J=1.0、8.1Hz、1H)。
【0169】
ステップ3:中間体メチル2−(2−ブロモフェニル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(1c)の調製
メチル2−(2−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシアセテート(1b)(256mg、1.04mmol)の無水ジクロロメタン(3mL)溶液に、窒素雰囲気下で過塩素酸マグネシウム(23mg、0.1mmol)及びジ−tert−ブチルジカーボネート(520mg、2.38mmol)を加えた。該混合物を24時間還流させた。水(10mL)を加えて層分離した。有機層をジクロロメタン(2×10mL)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、メチル2−(2−ブロモフェニル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(1c)(84mg、0.28mmol、26%)を白色固体として得た。
【0170】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δ1.23(s、9H)、3.69(s、3H)、5.48(s、1H)、7.15(dt、J=1.8、7.8Hz、1H)、7.33(t、J=7.8Hz、1H)、7.52(d、J=8.1Hz、1H)、7.65(dd、J=1.5、7.8Hz、1H)。
【0171】
ステップ4:中間体メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)フェニル]アセテート(1d)の調製
メチル2−(2−ブロモフェニル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(1c)(60mg、0.20mmol)のトルエン(1.1mL)中の溶液に、炭酸ナトリウム(84mg、0.79mmol)、水(0.48mL)、パラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(12mg、0.01mmol)及び6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)クロマン(93mg、0.36mmol)のエタノール(0.55mL)中の溶液を加えた。該混合物を18時間還流させた。次に混合物を室温に冷却して水(5mL)を加えた。水層をトルエン(2×5mL)で抽出した。有機層を1M水酸化ナトリウム水溶液(5mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)フェニル]アセテート(1d)(43mg、0.12mmol、60%)を白色固体として得た。
【0172】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ0.99(s、9H)、2.04〜2.07(m、2H)、2.80〜2.86(m、2H)、3.68(s、3H)、4.24(dd、J=4.8、6.0Hz、2H)、5.21(s、1H)、6.85(d、J=8.4Hz、1H)、7.07(d、J=1.6Hz、1H)、7.12(dd、J=1.6、8.4Hz、1H)、7.21(dd、J=1.6、7.2Hz、1H)、7.28〜7.36(m、2H)、7.66(dd、J=1.6、7.2Hz、1H)。
MS m/z([M+Na]+)377。
【0173】
ステップ5:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)フェニル]酢酸の調製
メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)フェニル]アセテート(1d)(42mg、0.12mmol)及び水酸化カリウム(27mg、0.47mmol)のエタノール(6mL)及び水(2mL)中の溶液を90分間還流させた。該混合物を真空で濃縮した。水(10mL)を残渣に加えて、溶液をジエチルエーテル(10mL)で抽出した。水層を濃塩酸でpH1になるまで酸性化してジクロロメタン(2×5mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して蒸発乾固し、2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)フェニル]酢酸(実施例1)(35mg、0.10mmol、87%)を白色固体として得た。
【0174】
1HNMR(400MHz、DMSO−d6)δ0.90(s、9H)、1.93〜1.96(m、2H)、2.74〜2.80(m、2H)、4.17(t、J=5.2Hz、2H)、5.06(s、1H)、6.82(d、J=8.4Hz、1H)、7.09〜7.13(m、2H)、7.17〜7.20(m、1H)、7.30〜7.35(m、2H)、7.50〜7.52(m、1H)、12.61(broads、1H)。
MS m/z([M−H]−)339。
【0175】
実施例2:2−(tert−ブトキシ)−2−(4−シクロヘキシル−2−メチルキノリン−3−イル)酢酸の合成
【0176】
【化52】
【0177】
ステップ1:中間体2−シクロヘキサンカルボニルアニリン(2a)の調製
シクロヘキシル塩化マグネシウム(21.16mL、メチルテトラヒドロフラン中1M、21.16mmol)を、2−アミノベンゾニトリル(1g、8.46mmol)のテトラヒドロフラン(17mL)中の溶液に−10℃で45分かけて加えた。次に反応混合物を室温に温まるに任せてこの温度で18時間攪拌した。6N塩酸水溶液を0℃でゆっくり添加することにより反応を停止させて、5N水酸化ナトリウム水溶液を室温で添加することにより塩基性にした。有機層を分離して水層を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル95/5)、所望の生成物(2a)を薄い橙色の粉末(981.2mg、4.83mmol、57%)として得た。
【0178】
1HNMR(400MHz、DMSO−d6) δ1.19〜1.25(m、1H)、1.29〜1.47(m、4H)、1.62〜1.80(m、5H)、3.28〜3.37(m、1H)、6.53(t、J=7.0Hz、1H)、6.75(d、J=8.4Hz、1H)、7.15〜7.25(m、3H)、7.78(d、J=8.2Hz、1H)。
MS m/z[M+H]+ 204。
【0179】
ステップ2:中間体エチル2−(4−シクロヘキシル−2−メチルキノリン−3−イル)−2−オキソアセテート(2b)の調製
2−シクロヘキサンカルボニルアニリン(2a)(544mg、2.68mmol)及びエチルアセトピルベート(423.2mg、2.68mmol)をチューブに入れて、N,N−ジメチルホルムアミド(6.5mL)に溶解した。塩化トリメチルシリル(1.36mL、10.70mmol)を該溶液にアルゴン雰囲気下で滴下した。チューブを完全に閉じて反応器上で100℃で1時間加熱した。室温に冷却した後(過剰な内圧に注意)、重炭酸ナトリウム飽和水溶液及び水を加えて、混合物を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して真空で濃縮した。残渣を4枚の分取TLCにより、ジクロロメタン/メタノール(99/1)を溶離剤として使用して精製し、所望の生成物(2b)(少量の副生物(2c)と共に)を無色油状物(201mg、0.62mmol、23%)として得た。
【0180】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.38〜1.47(m、7H)、1.81〜2.00(m、5H)、2.18〜2.40(m、1H)、2.60(s、3H)、4.45(q、J=7.2Hz、2H)、7.52〜7.61(m、1H)、7.75(t、J=7.5Hz、1H)、8.08(d、J=8.2Hz、1H)、8.31(d、J=8.3Hz、1H)。
MS m/z[M+H]+326
【0181】
ステップ3:中間体エチル2−(4−シクロヘキシル−2−メチルキノリン−3−イル)−2−ヒドロキシアセテート(2d)の調製
エチル2−(4−シクロヘキシル−2−メチルキノリン−3−イル)−2−オキソアセテート(2b)(190.8mg、0.586mmol)のテトラヒドロフラン(4.7mL)とエタノール(1.1mL)の混合物中の溶液に、0℃で水素化ホウ素ナトリウム(19.85mg、0.525mmol)を添加した。該混合物を0℃で2時間攪拌した。混合物を水と酢酸エチルとに分配して、水性相を1N塩酸水溶液でpH5〜6になるまで酸性化した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して真空で濃縮した。残渣を分取TLCにより、ジクロロメタン/メタノール(95/5)を溶離剤として使用して精製し、エチル2−(4−シクロヘキシル−2−メチルキノリン−3−イル)−2−ヒドロキシアセテート(2d)を黄色油状物として得た(134.3mg、0.41mmol、37%)。
【0182】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.23(t、J=7.1Hz、3H)、1.31〜1.70(m、4H)、1.82〜2.10(m、5H)、2.22〜2.38(m、1H)、2.86(s、3H)、3.24〜3.36(m、1H)、4.17〜4.38(m、2H)、5.79(s、1H)、7.43〜7.51(m、1H)、7.63〜7.72(m、1H)、8.03(d、J=8.1Hz、1H)、8.46(d、J=8.1Hz、1H)。
MS m/z[M+H]+328。
【0183】
ステップ4:中間体エチル2−(tert−ブトキシ)−2−(4−シクロヘキシル−2−メチルキノリン−3−イル)アセテート(2e)の調製
エチル2−(4−シクロヘキシル−2−メチルキノリン−3−イル)−2−ヒドロキシアセテート(3d)(134mg、0.409mmol)のtert−ブチルアセテート(4.5mL)中の懸濁液に、−10℃で過塩素酸(103μL)を加えた。該混合物を−5℃で2時間攪拌した。次に混合物を重炭酸ナトリウム飽和水溶液(5mL)でpH6まで塩基性化した。水層を酢酸エチルで抽出して、有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して真空で濃縮した。残渣を分取TLCにより、シクロヘキサン/酢酸エチル(70/30)を使用して精製し、エチル2−(tert−ブトキシ)−2−(4−シクロヘキシル−2−メチルキノリン−3−イル)アセテート(3e)を固体(27mg、0.07mmol、17.2%)として得た。
【0184】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.20(t、J=7.12Hz、3H)、8.48(d、J=8.6Hz、1H)、8.01(d、J=8.3Hz、1H)、7.64(t、J=8.2Hz、1H)、7.46(t、J=8.3Hz、1H)、4.16(m、2H)、3.85(m、1H)、2.94(s、3H)、2.26(m、2H)、1.95(m、4H)、1.53(m、5H)、1.26(s、9H)。
MS m/z[M+H]+384。
【0185】
ステップ5:2−(tert−ブトキシ)−2−(4−シクロヘキシル−2−メチルキノリン−3−イル)酢酸の調製
水酸化リチウム(10.1mg、0.42mmol)をエチル2−(tert−ブトキシ)−2−(4−シクロヘキシル−2−メチルキノリン−3−イル)アセテート(2e)(27mg、0.07mmol)のテトラヒドロフラン(0.91mL)と水(0.73mL)との混合物中の溶液に加えた。該混合物を70℃で4時間加熱した。追加の水酸化リチウム(5mg、0.2mmol)を加えて加熱を70℃で終夜継続した。混合物を真空で濃縮して、残渣を水とジクロロメタンとに分配した。水層を1N塩酸溶液で酸性化してジクロロメタンで3回抽出した。有機層を塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して蒸発乾固し、所望の生成物(実施例2)を白色粉末(26mg、0.07mmol、99%)として得た。
【0186】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.28(s、9H)、1.39〜1.59(m、3H)、1.62〜2.07(m、4H)、2.10〜2.42(m、3H)、2.95(s、3H)、3.39(broads、1H)、5.68(s、1H)、7.47(t、J=7.7Hz、1H)、7.66(t、J=7.9Hz、1H)、8.04(d、J=8.5Hz、1H)、8.46(d、J=8.6Hz、1H)。
MS m/z[M+H]+356。
【0187】
実施例3:2−(tert−ブトキシ)−2−(4−tert−ブチル−2−メチルキノリン−3−イル)酢酸の合成
【0188】
【化53】
【0189】
ステップ1:中間体1−(2−アミノフェニル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン(3a)の調製
Tert−ブチルリチウム(13.23mL、ペンタン中1.6M、21.16mmol)を、2−アミノベンゾニトリル(1g、8.46mmol)の無水テトラヒドロフラン(20mL)中の溶液に−5℃で30分かけて加えた。次に反応混合物を室温に温まるに任せてこの温度で18時間攪拌した。6N塩酸水溶液を0℃でゆっくり添加することにより反応を停止させて、1N水酸化ナトリウム水溶液を室温で添加することにより塩基性にした。有機層を分離して水層を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣を4枚の分取TLCにより、シクロヘキサン/酢酸エチル(80/20)を溶離剤として使用して精製し、所望のケトン(3a)を黄色油状物(329mg、1.86mmol、22%)として得た。
【0190】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.39(s、9H)、5.66(broads、2H)、6.67(dt、J=1.2、7.2Hz、1H)、6.71(dd、J=1.0、8.2Hz、1H)、7.23(dt、J=1.5、7.1Hz、1H)、7.82(dd、J=1.4、8.1Hz、1H)。
MS m/z[M+H]+178。
【0191】
ステップ2:中間体エチル2−(4−tert−ブチル−2−メチルキノリン−3−イル)−2−オキソアセテート(3b)の調製
1−(2−アミノフェニル)−2,2−ジメチルプロパン−1−オン(3a)(329mg、1.86mmol)及びエチルアセト−ピルベート(293.5mg、1.86mmol)を、チューブに入れてN,N−ジメチルホルムアミド(4.4mL)に溶解した。塩化トリメチルシリル(0.942mL、7.42mmol)を、該溶液にアルゴン雰囲気下で滴下した。チューブを完全に閉じて反応器で100℃で1時間加熱した。室温に冷却した後(過剰な内圧に注意)、重炭酸ナトリウム飽和水溶液及び水を加えて、該混合物を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して真空で濃縮した。残渣を2枚の分取TLCにより、シクロヘキサン/酢酸エチル(70/30)を溶離剤として使用して精製し、2つの異性体化合物(3b)と(3c)との混合物をそれぞれ40/60の比で橙色油状物(318.8mg、1.06mmol、57.3%)として得た。
【0192】
1HNMR(400MHz、CDCl3)異性体(3b)δδ1.41(t、J=7.1Hz、3H)、1.65(s、9H)、2.52(s、3H)、4.46(q、J=,7.1Hz、2H)、7.55(dt、J=1.4、7.1Hz、1H)、7.71(dt、J=1.2、7.0Hz、1H)、8.08(dd、J=1.0、8.2Hz、1H)、8.48(d、J=8.2Hz、1H)。
MS m/z[M+H]+300。
1HNMR(400MHz、CDCl3)異性体(3c)δδ1.47(t、J=7.1Hz、3H)、1.73(s、9H)、2.79(s、3H)、4.50(q、J=,7.1Hz、2H)、7.64(dt、J=1.5、7.2Hz、1H)、7.75(dt、J=1.2、7.0Hz、1H)、8.25(dd、J=1.1、8.4Hz、1H)、8.52(d、J=8.2Hz、1H)。
MS m/z[M+H]+300。
【0193】
ステップ3:中間体エチル2−(4−tert−ブチル−2−メチルキノリン−3−イル)−2−ヒドロキシアセテート(3d)の調製
エチル2−(4−tert−ブチル−2−メチルキノリン−3−イル)−2−オキソアセテート(3b)(318.8mg、1.065mmol)のテトラヒドロフラン(7.8mL)とエタノール(2mL)との混合物中の溶液に、0℃で水素化ホウ素ナトリウム(36.3mg、0.958mmol)を添加した。該混合物を0℃で1時間攪拌して、混合物を水と酢酸エチルとに分配した。水性相を1N塩酸水溶液でpH5〜6まで酸性化した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して真空で濃縮した。残渣を2枚の分取TLCにより、ジクロロメタン/メタノール(96/4)を使用して精製して、エチル2−(4−tert−ブチル−2−メチルキノリン−3−イル)−2−ヒドロキシアセテート(3d)(82.5mg、0.27mmol、65%)を得た。
【0194】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.15(t、J=7.1Hz、3H)、1.84(s、9H)、2.67(s、3H)、4.15〜4.25(m、2H)、5.99(s、1H)、7.43(dt、J=1.4、7.1Hz、1H)、7.62(dt、J=1.1、7.0Hz、1H)、7.99(d、J=8.6Hz、1H)、8.41(d、J=8.8Hz、1H)。
MS m/z[M+H]+302。
【0195】
ステップ4:中間体、エチル2−(tert−ブトキシ)−2−(4−tert−ブチル−2−メチルキノリン−3−イル)アセテート(3e)の調製
エチル2−(4−tert−ブチル−2−メチルキノリン−3−イル)−2−ヒドロキシアセテート(3d)(82.5mg、0.274mmol)のtert−ブチルアセテート(2mL)中の懸濁液に、−10℃で過塩素酸(54μL)を加えた。反応混合物を−10℃で3時間攪拌した。次に該混合物を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(6mL)でpH7まで塩基性化した。水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して真空で濃縮した。残渣を分取TLCにより、シクロヘキサン/酢酸エチル(70/30)を使用して精製し、エチル2−(tert−ブトキシ)−2−(4−tert−ブチル−2−メチルキノリン−3−イル)アセテート(3e)を固体(31.1mg、0.09mmol、31.7%)として得た。
【0196】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ1.11(s、9H)、1.32(t、J=7.1Hz、3H)、1.79(broads、9H)、2.80(broads、3H)、4.31(m、2H)、6.20(broads、1H)、7.42(t、J=7.2Hz、1H)、7.59(t、J=7.2Hz、1H)、7.98(d、J=7.8Hz、1H)、8.41(d、J=8.5Hz、1H)。
MS m/z[M+H]+358。
【0197】
ステップ5:2−(tert−ブトキシ)−2−(4−tert−ブチル−2−メチルキノリン−3−イル)酢酸の調製
エチル2−(tert−ブトキシ)−2−(4−tert−ブチル−2−メチルキノリン−3−イル)アセテート(3e)(11mg、0.031mmol)及び水酸化カリウム(34.5mg、0.62mmol)の水(0.6mL)とエタノール(0.2mL)との混合物中の溶液を85℃で終夜攪拌した。反応混合物を水とジクロロメタンとに分配した。水層を1N塩酸溶液で酸性化してジクロロメタン3回抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して蒸発乾固し、所望の酸(実施例3)を黄色粉末(5mg、0.015mmol、50%)として得た。
【0198】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ0.87(s、9H)、1.44(s、9H)、2.21(s、3H)、5.28(s、1H)、6.77(d、J=7.9Hz、1H)、7.05(t、J=7.8Hz、1H)、7.20(t、J=7.9Hz、1H)、7.43(d、J=7.8Hz、1H)。
MS m/z[M+H]+330。
【0199】
実施例4:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−(ジメチルアミノ)−4−フェノキシフェニル]酢酸の合成
【0200】
【化54】
【0201】
ステップ1:中間体2−クロロ−4−フルオロ−5−ニトロ安息香酸(4a)の調製
2−クロロ−4−フルオロ安息香酸(2.0g、11.46mmol)の硫酸(8mL)中の懸濁液に、硝酸カリウム(1.27g、12.6mmol)を0℃で加えた。該混合物を室温で4時間攪拌し、次に氷(150mL)に加えた。混合物を2時間攪拌して濾過した。固体を水で洗浄して、五酸化リン上で減圧下で乾燥し、2−クロロ−4−フルオロ−5−ニトロ安息香酸(4a)を白色固体として得た。
【0202】
1HNMR(400MHz、DMSO−d6)δδ8.03(d、J=11.1Hz、1H)、8.55(d、J=8.2Hz、1H)。
MS m/z([M−H]−)218、220、([2M−H]−)437。
【0203】
ステップ2:中間体1−(2−クロロ−4−フルオロ−5−ニトロフェニル)エタン−1−オン(4b)の調製
2−クロロ−4−フルオロ−5−ニトロ安息香酸(4a)(1.61g、7.33mmol)の塩化チオニル(10mL)中の懸濁液を2時間還流させた。室温に冷却した後、該混合物を真空で濃縮した。トルエン(2×10mL)を加えて、混合物を再び濃縮して塩化アシルを得た。カリウムエチルマロネート(2.62g、15.4mmol)の無水アセトニトリル(20mL)中の懸濁液に、窒素雰囲気下0℃でトリエチルアミン(3.3mL、23.8mmol)及び塩化マグネシウム(1.61g、16.9mmol)を順に加えた。該混合物を室温で2.5時間攪拌して再び冷却した後、塩化アシルのアセトニトリル(6mL)中の溶液を滴下した。混合物を室温で終夜攪拌し、0℃で冷却して13%塩酸水溶液(10mL)を加えた。層を分離し、有機層を真空で濃縮してアセトニトリルを除去した。水層を酢酸エチルで抽出し(2×15mL)、合わせた有機層抽出物を重炭酸ナトリウムの飽和溶液(20mL)、塩水(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。次に残渣を、酢酸(12mL)、水(7.5mL)及び硫酸(1.5mL)の混合物中で6時間還流させた。室温に冷却した後、混合物を真空で濃縮して酢酸を除去した。残渣を氷水(50mL)に注いで酢酸エチルで抽出した(3×15mL)。有機層を重炭酸ナトリウムの飽和溶液(20mL)、2M水酸化ナトリウム水溶液(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して蒸発乾固して、1−(2−クロロ−4−フルオロ−5−ニトロフェニル)エタン−1−オン(4b)(1.11g、5.1mmol、70%)を黄色油状物として得て、それをさらに精製せずに使用した。
【0204】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ2.70(s、3H)、7.43(d、J=10.2Hz、1H)、8.38(d、J=8.1Hz、1H)。
【0205】
ステップ3:中間体メチル2−(2−クロロ−4−フルオロ−5−ニトロフェニル)−2−ヒドロキシアセテート(4c)の調製
1,4−ジオキサン(4mL)と水(1.4mL)との混合液中の1−(2−クロロ−4−フルオロ−5−ニトロフェニル)エタン−1−オン(4b)(301mg、1.38mmol)、二酸化セレン(307mg、2.77mmol)及びイッテルビウム(III)トリフルオロメタンスルホネート(86mg、0.14mmol)の混合物を、90℃で24時間攪拌した。二酸化セレン(307mg、2.77mmol)及びイッテルビウム(III)トリフルオロメタンスルホネート(86mg、0.14mmol)を再び加えて、混合物を90℃で24時間攪拌した。室温に冷却した後、混合物をセライト(登録商標)で濾過した。濾液を真空で濃縮した。残渣を0.25M NaOH(15mL)に溶解してジエチルエーテルで抽出した(2×10mL)。水層を1M塩酸でpH1まで酸性化して、酢酸エチルで抽出した(2×15mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をメタノール(10mL)中で2滴の硫酸の存在下に3時間還流させた。混合物を真空で濃縮して、残渣を酢酸エチル(10mL)と重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(10mL)とに分配した。水層を酢酸エチルで抽出し(2×10mL)、有機層を硫酸ナトリウムで脱水して蒸発乾固した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製して(シクロヘキサン/酢酸エチル80/20)、メチル2−(2−クロロ−4−フルオロ−5−ニトロフェニル)−2−ヒドロキシアセテート(4c)(154mg、0.58mmol、42%)を黄色油状物として得た。
【0206】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ3.70(d、J=3.9Hz、1H)、3.80(s、3H)、5.56(d、J=3.9Hz、1H)、7.38(d、J=10.2Hz、1H)、8.21(d、J=7.8Hz、1H)。
【0207】
ステップ4:中間体メチル2−(tert−ブトキシ)−2−(2−クロロ−4−フルオロ−5−ニトロフェニル)アセテート(4d)の調製
メチル2−(2−クロロ−4−フルオロ−5−ニトロフェニル)−2−ヒドロキシアセテート(4c)(154mg、0.58mmol)のtert−ブチルアセテート(10mL)中の溶液に、−20℃で過塩素酸(1.4mL)を加えた。該混合物を−20℃で2時間及び室温で1時間攪拌した後、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(30mL)中に注いだ。水(60mL)を加え、層分離して水層を酢酸エチルで抽出した(2×20mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル:90/10)、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−(2−クロロ−4−フルオロ−5−ニトロフェニル)アセテート(4d)(59mg、0.18mmol、31%)を黄色油状物として得た。
【0208】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.25(s、9H)、3.72(s、3H)、5.41(s、1H)、7.33(d、J=10.2Hz、1H)、8.41(d、J=8.1Hz、1H)。
【0209】
ステップ5:中間体メチル2−(tert−ブトキシ)−2−(2−クロロ−5−ニトロ−4−フェノキシフェニル)アセテート(4e)の調製
メチル2−(tert−ブトキシ)−2−(2−クロロ−4−フルオロ−5−ニトロフェニル)アセテート(4d)(58mg、0.18mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(2mL)中の溶液に、フェノール(18mg、0.19mmol)及び炭酸カリウム(28mg、0.2mmol)を順に加えた。該混合物を75℃で4時間加熱した。室温に冷却した後、混合物を水(10mL)中に注いで酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。有機層を2M水酸化ナトリウム水溶液(10mL)、塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮して、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−(2−クロロ−5−ニトロ−4−フェノキシフェニル)アセテート(4e)(69mg、0.175mmol、97%)を黄色油状物として得、それをさらに精製することなく使用した。
【0210】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.25(s、9H)、3.73(s、3H)、5.39(s、1H)、6.91(s、1H)、7.09(d、J=7.6Hz、2H)、7.23〜7.27(m、1H)、7.43(t、J=7.6Hz、2H)、8.27(s、1H)。
【0211】
ステップ6:中間体メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−ニトロ−4−フェノキシフェニル]アセテート(4f)の調製
メチル2−(tert−ブトキシ)−2−(2−クロロ−5−ニトロ−4−フェノキシフェニル)アセテート(4e)(69mg、0.175mmol)、炭酸ナトリウム(74mg、0.7mmol)、6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)クロマン(68mg、0.26mmol)及びパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(10mg、0.08mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1.5mL)及び水(0.5mL)中の脱気した混合物を、100℃で4時間加熱した。室温に冷却した後、該混合物を水(10mL)に注いで、水層を酢酸エチルで抽出した(2×5mL)。有機層を塩水(2×5mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル:90/10)、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−ニトロ−4−フェノキシフェニル]アセテート(4f)(29mg、0.059mmol、33%)を黄色油状物として得た。
【0212】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.03(s、9H)、1.99〜2.07(m、2H)、2.76〜2.81(m、2H)、3.72(s、3H)、4.20〜4.24(m、2H)、5.12(s、1H)、6.81〜6.84(m、2H)、6.95(d、J=2.0Hz、1H)、7.00(dd、J=2.08.2Hz、1H)、7.06〜7.09(m、2H)、7.13〜7.18(m、1H)、7.33〜7.38(m、2H)、8.30(s、1H)。
【0213】
ステップ7:中間体メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−(ジメチルアミノ)−4−フェノキシフェニル]アセテート(4g)の調製
メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−ニトロ−4−フェノキシフェニル]アセテート(4f)(29mg、0.059mmol)、37%水性ホルムアルデヒド(0.10mL、1.36mmol)及びパラジウムチャーコール(10mg)のメタノール(5mL)中の混合物を、室温で水素雰囲気下に4時間攪拌した。該混合物セライト(登録商標)(メタノールで洗浄)で濾過して、濾液を真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル:90/10)、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−(ジメチルアミノ)−4−フェノキシフェニル]アセテート(4g)(17mg、0.034mmol、58%)を無色油状物として得た。
【0214】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.01(s、9H)、1.97〜2.04(m、2H)、2.75〜2.80(m、2H)、2.86(s、6H)、3.72(s、3H)、4.18〜4.22(m、2H)、5.16(s、1H)、6.70(s、1H)、6.78(d、J=8.1Hz、1H)、6.79〜7.06(m、5H)、7.24〜7.31(m、3H)。
【0215】
ステップ8:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−(ジメチルアミノ)−4−フェノキシフェニル]酢酸の調製
エタノール(3mL)と水(1mL)との混合液中のメチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−(ジメチルアミノ)−4−フェノキシフェニル]アセテート(4g)(17mg、0.034mmol)及び水酸化カリウム(12mg、0.21mmol)の混合物を2時間還流させた。該混合物を真空で濃縮した。水(5mL)を残渣に加えて、ジエチルエーテル(2×5mL)で抽出した。水層を1M塩酸でpH5まで酸性化して酢酸エチルで抽出した(2×5mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をペンタン中で粉砕して蒸発乾固し、2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−(ジメチルアミノ)−4−フェノキシフェニル]酢酸(実施例4)(15mg、0.031mmol、93%)を白色固体として得た。
【0216】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.00(s、9H)、1.99〜2.05(m、2H)、2.76〜2.81(m、2H)、2.84(s、6H)、4.20(t、J=8.1Hz、2H)、5.21(s、1H)、6.74(s、1H)、6.78(d、J=8.4Hz、1H)、6.99〜7.06(m、4H)、7.16〜7.18(m、2H)、7.26〜7.31(m、2H)。
MS m/z([M−H]−)474。
【0217】
実施例5:2−[2−(ベンジルオキシ)ナフタレン−1−イル]−2−(tert−ブトキシ)酢酸の合成
【0218】
【化55】
【0219】
ステップ1:中間体エチル2−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)アセテート(5a)の調製
塩化チタン(0.4mL、3.64mmol)を、2−ナフトール(500mg、3.47mmol)及びトルエン中50%のエチルグリオキサレート(1.0mL、5.2mmol)の無水ジクロロメタン(10mL)中の溶液に、0℃で窒素雰囲気に滴下した。該混合物を0℃で30分間攪拌して氷水(50mL)中に注いだ。混合物を30分間攪拌し、層分離して水層をジクロロメタンで抽出した(2×20mL)。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル:60/40)、エチル2−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)アセテート(5a)(0.84g、3.41mmol、98%)を得た。
【0220】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.13(t、J=7.1Hz、3H)、3.69(broads、1H)、4.12(q、J=7.1Hz、2H)、6.16(s、1H)、7.11(d、J=8.8Hz、1H)、7.35(dt、J=0.8、7.9Hz、1H)、7.50(dt、J=1.3、6.9Hz、1H)、7.74(d、J=8.8Hz、1H)、7.78(d、J=7.9Hz、1H)、7.9(broads、1H)、7.92(d、J=8.6Hz、1H)。
MS m/z([M−H]−)245。
【0221】
ステップ2:中間体エチル2−ヒドロキシ−2−[2−(ベンジルオキシ)ナフタレン−1−イル]アセテート(5b)の調製
エチル2−ヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)アセテート(5a)(0.73g、2.96mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(10mL)中の溶液に、0℃で窒素雰囲気下に臭化ベンジル(1.1mL、8.9mmol)、炭酸セシウム(1.93g、5.93mmol)及びヨウ化ナトリウム(0.44g、2.96mmol)を順に加えた。該混合物を室温で4時間攪拌して水(50ml)中に注ぎ、水層を酢酸エチルで抽出した(2×20mL)。合わせた有機層を塩水で洗浄し(2×20mL)、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製すると(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10次に80/20)固体が得られ、それをシクロヘキサン中で粉砕して濾過し、エチル2−ヒドロキシ−2−[2−(ベンジルオキシ)ナフタレン−1−イル]アセテート(5b)(0.70g、2.08mmol、70%)を白色固体として得た。
【0222】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.11(t、J=7.1Hz、3H)、3.68(d、J=5.5Hz、1H)、4.06〜4.20(m、2H)、5.22(d、J=12.0Hz、1H)、5.28(d、J=12.0Hz、1H)、6.11(d、J=5.5Hz、1H)、7.29(d、J=9.0Hz、1H)、7.33〜7.54(m、7H)、7.78〜7.84(m、2H)、8.06(d、J=8.5Hz、1H)。
MS m/z([M+H−H2O]+)319。
【0223】
ステップ3:中間体エチル2−[2−(ベンジルオキシ)ナフタレン−1−イル]−2−(tert−ブトキシ)アセテート(5c)の調製
エチル2−ヒドロキシ−2−[2−(ベンジルオキシ)ナフタレン−1−イル]アセテート(5b)(0.70g、2.08mmol)のtert−ブチルアセテート(34mL)中の溶液に、−20℃で過塩素酸(4.5mL)を加えた。該混合物を−20℃で2時間及び室温で30分間攪拌した後、重炭酸ナトリウムの飽和溶液(100mL)中に注いだ。水(150mL)を加え、層分離して水層を酢酸エチルで抽出した(2×30mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル:90/10)、エチル2−[2−(ベンジルオキシ)ナフタレン−1−イル]−2−(tert−ブトキシ)アセテート(5c)(0.39g、0.99mmol、48%)を黄色油状物として得た。
【0224】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.07(t、J=7.1Hz、3H)、1.20(s、9H)、4.00〜4.18(m、2H)、5.29(s、2H)、6.27(s、1H)、7.25〜7.52(m、7H)、7.72〜7.76(m、2H)、8.44(d、J=8.5Hz、1H)。
MS m/z([M+Na]+)415。
MS m/z([M−H]−)391。
【0225】
ステップ4:2−[2−(ベンジルオキシ)ナフタレン−1−イル]−2−(tert−ブトキシ)酢酸の調製
エタノール(3mL)と水(1mL)との混合液中のエチル2−[2−(ベンジルオキシ)ナフタレン−1−イル]−2−(tert−ブトキシ)アセテート(5c)(50mg、0.13mmol)及び水酸化カリウム(29mg、0.51mmol)の混合物を、2時間還流させた。該混合物を真空で濃縮し、残渣に水(5mL)を加えてジエチルエーテルで抽出した(2×5mL)。水層を1M塩酸でpH1まで酸性化して酢酸エチルで抽出した(2×5mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をペンタン中で粉砕して蒸発乾固し、2−[2−(ベンジルオキシ)ナフタレン−1−イル]−2−(tert−ブトキシ)酢酸(実施例5)(30mg、0.082mmol、65%)を白色固体として得た。
【0226】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.20(s、9H)、5.26(d、J=11.9、1H)、5.30(d、J=11.9、1H)、6.24(s、1H)、7.29(d、J=9.0Hz、1H)、7.34〜7.50(m、7H)、7.77(d、J=8.0Hz、1H)、7.81(d、J=9.0Hz、1H)、8.02(d、J=8.6Hz、1H)。
MS m/z([M−H]−)363。
【0227】
実施例6:2−(tert−ブトキシ)−2−[7−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル]酢酸の合成
【0228】
【化56】
【0229】
ステップ1:中間体エチル2−(7−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−2−オキソアセテート(6a)の調製
塩化アルミニウム(0.49g、3.7mmol)を、6−ブロモ−1,4−ベンゾジオキサン(0.50g、2.3mmol)及びエチルクロロオキソアセテート(0.35g、2.5mmol)の予め氷浴で冷却した無水ジクロロメタン(10mL)中の溶液に加えた。反応混合物を室温で終夜攪拌して氷水中に注いだ。混合物をジクロロメタンで抽出して(2×20mL)、有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して蒸発乾固して、エチル2−(7−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−2−オキソアセテート(6a)(0.71g、2.3mmol、97%)を黄色油状物として得て、それをさらに精製することなく使用した。
【0230】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.40(t、J=7.2Hz、3H)、4.25〜4.34(m、4H)、4.40(q、J=7.2Hz、2H)、7.13(s、1H)、7.33(s、1H)。
【0231】
ステップ2:中間体、エチル2−(7−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−2−ヒドロキシアセテート(6b)の調製
2−(7−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−2−オキソアセテート(6a)(0.60g、1.9mmol)の無水テトラヒドロフラン(10mL)中の溶液を、−10℃に冷却して、水素化ホウ素ナトリウム(0.22g、5.7mmol)を小分けして窒素雰囲気下で添加した。30分攪拌した後、2〜3滴の1N塩酸溶液を加えて、生じた沈殿を濾過した。濾液を真空で濃縮した。残渣を塩水で希釈して酢酸エチルで抽出した(2×20mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して蒸発乾固し、エチル2−(7−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−2−ヒドロキシアセテート(6b)(0.61g、1.9mmol、100%)を得て、それをさらに精製することなく使用した。
【0232】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.24(t、J=7.2Hz、3H)、4.15〜4.30(m、6H)、5.41(s、1H)、6.87(s、1H)、7.08(s、1H)。
【0233】
ステップ3:中間体、エチル2−(7−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(6c)の調製
酸化銀(0.22g、0.94mmol)及び臭化tert−ブチル(0.26g、1.90mmol)を、エチル2−(7−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−2−ヒドロキシアセテート(6b)(0.10g、0.31mmol)のシクロヘキサン(2mL)とジクロロメタン(0.5mL)との混合物中の溶液に、順に加えた。該反応混合物に、t=16時間/21時間/24時間に、当量の酸化銀及び臭化tert−ブチルを添加して室温で48時間攪拌した。反応が完結したら、混合物をセライト(登録商標)で濾過して、濾液を真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル:80/20)、エチル2−(7−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(6c)(85mg、0.23mmol、73%)を得た。
【0234】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.20〜1.25(m、12H)、4.08〜4.18(m、2H)、4.23(s、4H)、5.31(s、1H)、7.02(s、1H)、7.17(s、1H)。
【0235】
ステップ4:中間体エチル2−(tert−ブトキシ)−2−[7−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル]アセテート(6d)の調製
エチル2−(7−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(6c)(85mg、0.23mmol)のエタノール(0.6mL)、トルエン(1.26mL)及び水(0.5mL)の混合物中の溶液に、炭酸ナトリウム(96mg、0.91mmol)及び6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)クロマン(106mg、0.41mmol)を加えた。窒素で5分泡立たせた後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(13mg、0.01mmol)を加えて、該混合物を95℃で終夜加熱した。次に混合物を室温で冷却して水(5mL)を加えた。水層をトルエンで抽出した(3×10mL)。合わせた有機層を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル:80/20)、エチル2−(tert−ブトキシ)−2−[7−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル]アセテート(6d)(52mg、0.12mmol、53%)を得た。
【0236】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ0.99(s、9H)、1.23(t、J=7.2Hz、3H)、1.99〜2.08(m、2H)、2.76〜2.84(m、2H)、4.07〜4.17(m、4H)、4.26(s、4H)、5.05(s、1H)、6.71(s、1H)、6.80(d、J=8.2Hz、1H)、7.04〜7.10(m、2H)、7.18(s、1H)。
【0237】
ステップ5:2−(tert−ブトキシ)−2−[7−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル]酢酸の調製
2−(tert−ブトキシ)−2−[7−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル]アセテート(6d)(50mg、0.12mmol)及び水酸化カリウム(57mg、0.47mmol)のエタノール(2mL)と水(6mL)との混合物中の溶液を60分間還流させた。該混合物を真空で濃縮した。水(10mL)を残渣に加えて、溶液をジエチルエーテル(10mL)で抽出した。水層を濃塩酸でpH2まで酸性化して、酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して蒸発乾固し、2−(tert−ブトキシ)−2−[7−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル]酢酸(実施例6)(33mg、0.08mmol、69%)を白色固体として得た。
【0238】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ0.99(s、9H)、1.99〜2.07(m、2H)、2.79〜2.85(m、2H)、4.21〜4.25(m、2H)、4.27(s、4H)、5.13(s、1H)、6.75(s、1H)、6.82(d、J=8.6Hz、1H)、6.92(s、1H)、7.15〜7.23(m、2H)。
【0239】
実施例7:2−(tert−ブトキシ)−2−[7−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−6−イル]酢酸の合成
【0240】
【化57】
【0241】
ステップ1:中間体、メチル2−(2−ブロモフェニル)アセテート(7a)の調製
(2−ブロモフェニル)酢酸(3.0g、14.0mmol)及び硫酸(75μL、1.4mmol)のメタノール(60mL)中の溶液を3.5時間還流させた後、室温に冷却して真空で濃縮した。炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(20mL)を残渣に加えて酢酸エチルで抽出した(2×25mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮し、メチル2−(2−ブロモフェニル)アセテート(7a)(3.09g、13.5mmol、96%)を無色油状物として得た。
【0242】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ3.68(s、3H)、3.76(s、2H)、7.07〜7.13(m、1H)、7.21〜25(m、2H)、7.53(d、J=8.0Hz、1H)。
【0243】
ステップ2:中間体メチル2−(2−ブロモフェニル)ペンタノエート(7b)の調製
メチル2−(2−ブロモフェニル)アセテート(7a)(300mg、1.31mmol)の無水テトラヒドロフラン(5mL)中の溶液に、窒素雰囲気下に0℃でナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドのテトラヒドロフラン中の1M溶液(1.31mL、1.31mmol)を滴下した。該混合物を室温で45分間攪拌してヨードプロパン(128μL、1.31mmol)を加えた。混合物を室温で3時間攪拌して水(5mL)を加えた。層を分離して、水層を酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、メチル2−(2−ブロモフェニル)ペンタノエート(7b)(261mg、0.92mmol、73%)を無色油状物として得た。
【0244】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ0.93(t、J=7.2Hz、3H)、1.24〜1.41(m、2H)、1.69〜1.81(m、1H)、1.98〜2.11(m、1H)、3.68(s、3H)、4.19(t、J=7.5Hz、1H)、7.11(dt、J=1.7Hz、J=7.9Hz、1H)、7.29(dt、J=1.2Hz、J=7.9Hz、1H)、7.38(dd、J=1.7Hz、J=7.9Hz、1H)、7.53(dd、J=1.2Hz、J=7.9Hz、1H)。
【0245】
ステップ3:中間体、メチル2−(2−フェニルフェニル)ペンタノエート(7c)の調製
トルエン(2.5mL)、エタノール(1.25mL)及び水(1.1mL)の混合液中のメチル2−(2−ブロモフェニル)ペンタノエート(7b)(149mg、0.55mmol)、炭酸ナトリウム(233mg、2.2mmol)、フェニルボロン酸(100mg、0.82mmol)及びパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(32mg、0.027mmol)の混合物を終夜還流させた。該混合物をトルエン(10mL)で希釈して、水酸化ナトリウムの1M溶液(5mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル80/20)、メチル2−(2−フェニルフェニル)ペンタノエート(7c)(97mg、0.36mmol、66%)を黄色油状物として得た。
【0246】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ0.70(t、J=7.2Hz、3H)、0.99−1.09(m、2H)、1.58〜1.70(m、1H)、1.89〜2.01(m、1H)、3.65(s、3H)、3.79(t、J=7.5Hz、1H)、7.22〜7.48(m、9H)。
【0247】
ステップ4:2−(2−フェニルフェニル)ペンタン酸の調製
メチル2−(2−フェニルフェニル)ペンタノエート(7c)(87mg、0.32mmol)及び水酸化カリウム(73mg、1.3mmol)のエタノール(6mL)と水(2mL)との混合液中の溶液を、90℃で90分間攪拌した。エタノールを真空で蒸発させた。残渣水(10mL)で希釈してジエチルエーテル(5mL)で洗浄した。水層を1M塩酸でpH1まで酸性化して酢酸エチルで抽出した(2×5mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮し、所望の酸(実施例7)(69mg、0.27mmol、84%)を白色固体として得た。
【0248】
1HNMR(300MHz、DMSO−d6)δδ0.63(t、J=7.2Hz、3H)、0.89−1.04(m、2H)、1.48〜1.60(m、1H)、1.79〜1.91(m、1H)、3.62(t、J=7.5Hz、1H)、7.20(dd、J=1.3Hz、J=7.4Hz、1H)、7.27〜7.49(m、8H)、12.34(s、1H)。
MS m/z([M−H]−)253。
【0249】
実施例8:2−(tert−ブトキシ)−2−(2−フェニルフェニル)酢酸の合成
【0250】
【化58】
【0251】
ステップ1:中間体2−(2−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸(8a)の調製
2−ブロモアセトフェノン(3.0g、15mmol)の1,4−ジオキサン(45mL)及び水(15mL)中の溶液に、二酸化セレン(3.34g、30.1mmol)及びイッテルビウム(III)トリフルオロメタンスルホネート水和物(0.61g、0.98mmol)を加えた。該混合物を90℃で18時間加熱した。混合物を室温でセライトで濾過し、濾液を真空で濃縮した。残渣に水酸化ナトリウムの0.25M水溶液(150mL)を加えた。生じた溶液をジクロロメタンで抽出した(2×60mL)。水層を濃塩酸でpH1まで酸性化して酢酸エチルで抽出した(2×60mL)。この有機層を水酸化ナトリウムで脱水して真空で濃縮し、2−(2−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸(8a)(2.32g、10mmol、66%)を黄色固体として得て、それをさらに精製することなく使用した。
【0252】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ5.67(s、1H)、7.21(dt、J=1.8Hz、J=7.2Hz、1H)、7.34(dt、J=1.2Hz、J=7.5Hz、1H)、7.42(dd、J=1.8Hz、J=7.8Hz、1H)、7.59(dd、J=1.2Hz、J=8.1Hz、1H)。
【0253】
ステップ2:中間体メチル2−(2−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシアセテート(8b)の調製
2−(2−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシ酢酸(8a)(2.32g、10mmol)及び硫酸(54μL、1mmol)のメタノール(50mL)中の溶液を、3.5時間還流させた。該混合物を真空で濃縮した。重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(30mL)を残渣に加えて、生成物を酢酸エチルで抽出した(2×20mL)。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル85/15)、メチル2−(2−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシアセテート(2.07g、8.44mmol、84%)淡黄色固体として得た。
【0254】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δ3.56(d、J=4.8Hz、1H)、3.77(s、3H)、5.58(d、J=4.8Hz、1H)、7.19(dt、J=2.1Hz、J=7.2Hz、1H)、7.30〜7.40(m、2H)、7.58(dd、J=1.0Hz、J=8.1Hz、1H)。
【0255】
ステップ3:中間体メチル2−(2−ブロモフェニル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(8c)の調製
メチル2−(2−ブロモフェニル)−2−ヒドロキシアセテート(8b)(256mg、1.04mmol)の無水ジクロロメタン(3mL)中の溶液に、窒素雰囲気下で過塩素酸マグネシウム(23mg、0.1mmol)及びジ−tert−ブチルジカーボネート(520mg、2.38mmol)を加えた。該混合物を24時間還流させた。水(10mL)を加えて層を分離し、有機層をジクロロメタンで抽出した(2×10mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、化合物メチル2−(2−ブロモフェニル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(8c)(84mg、0.28mmol、26%)を白色固体として得た。
【0256】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.23(s、9H)、3.69(s、3H)、5.48(s、1H)、7.15(dt、J=1.8Hz、J=7.8Hz、1H)、7.33(t、J=7.8Hz、1H)、7.52(d、J=8.1Hz、1H)、7.65(dd、J=1.5Hz、J=7.8Hz、1H)。
【0257】
ステップ4:中間体メチル2−(tert−ブトキシ)−2−(2−フェニルフェニル)アセテート(8d)の調製
メチル2−(2−ブロモフェニル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(8c)(60mg、0.20mmol)のトルエン(1.1mL)中の溶液に、炭酸ナトリウム(84mg、0.79mmol)、水(0.48mL)、パラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(12mg、0.01mmol)及びエタノール(0.55mL)中のフェニルボロン酸(44mg、0.36mmol)溶液を加えた。該混合物を18時間還流させた。次に混合物を室温で冷却して水(5mL)を加えた。水層をトルエンで抽出した(2×5mL)。有機層を1M水酸化ナトリウム水溶液(5mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−(2−フェニルフェニル)アセテート(8d)(52mg、0.17mmol、88%)を無色油状物として得た。
【0258】
1HNMR(300MHz、CDCl3) δ0.97(s、9H)、3.69(s、3H)、5.19(s、1H)、7.23〜7.45(m、8H)、7.67〜7.70(m、1H)。
MS m/z([M+Na]+)321。
【0259】
ステップ5:2−(tert−ブトキシ)−2−(2−フェニルフェニル)酢酸の調製
メチル2−(tert−ブトキシ)−2−(2−フェニルフェニル)アセテート(8d)(49mg、0.16mmol)及び水酸化カリウム(37mg、0.66mmol)のエタノール(6mL)と水(2mL)との混合液中の溶液を90分間還流させた。該混合物を真空で濃縮した。水(10mL)を残渣に加えて溶液をジエチルエーテルで抽出した(10mL)。水層を濃塩酸でpH1まで酸性化して、ジクロロメタンで抽出した(2×5mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮し、所望の酸(実施例8)(37mg、0.13mmol、78%)を白色固体として得た。
【0260】
1HNMR(300MHz、DMSO−d6)δδ0.85(s、9H)、5.03(s、1H)、7.22〜7.24(m、1H)、7.35〜7.45(m、5H)、7.47〜7.55(m、3H)、12.67(broads、1H)。
MS m/z([M−H]−)283。
【0261】
実施例9:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−フェノキシフェニル]酢酸の合成
【0262】
【化59】
【0263】
ステップ1:中間体メチル2−[5−アミノ−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−フェノキシフェニル]−2−(tert−ブトキシ)−アセテート(9a)の調製
メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−ニトロ−4−フェノキシフェニル]アセテート(4f)(124mg、0.25mmol)とパラジウムチャーコール(24mg)のメタノール(7mL)中の混合物を、室温で水素雰囲気下に1時間攪拌した。該混合物をセライト(登録商標)(メタノールで洗浄)で濾過して濾液を真空で濃縮し、所望のアニリン(9a)(101mg、0.22mmol、87%)褐色油状物として得て、それをさらに精製することなく使用した。
【0264】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.01(s、9H)、1.98〜2.06(m、2H)、2.74〜2.81(m、2H)、3.71(s、3H)、4.19〜4.22(m、2H)、5.13(s、1H)、6.68(s、1H)、6.78(d、J=8.1Hz、1H)、6.98〜7.07(m、5H)、7.26〜7.33(m、3H)。
MS m/z([M+H]+)462。
【0265】
ステップ2:中間体メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−フェノキシフェニル]アセテート(9b)の調製
亜硝酸tert−ブチル(26μL、0.22mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(1mL)中の溶液に、窒素雰囲気下に60℃でメチル2−[5−アミノ−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−フェノキシフェニル]−2−(tert−ブトキシ)−アセテート(9a)(50mg、0.11mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)中の溶液を滴下した。攪拌を60℃で30分間継続し、次に室温で冷却して水(10mL)中に注いで、水層を酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。有機層を1M塩酸溶液(10mL)、塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−フェノキシフェニル]アセテート(9b)(22mg、0.049mmol、46%)を得た。
【0266】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.00(s、9H)、2.01〜2.07(m、2H)、2.79〜2.84(m、2H)、3.71(s、3H)、4.21〜4.24(m、2H)、5.17(s、1H)、6.82〜6.85(m、2H)、6.96(dd、J=2.6Hz、J=8.6Hz、1H)、7.04〜7.12(m、5H)、7.31〜7.35(m、2H)、7.61(d、J=8.6Hz、1H)。
【0267】
ステップ3:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−フェノキシフェニル]酢酸の調製
エタノール(3mL)と水(1mL)との混合液中のメチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−フェノキシフェニル]アセテート(9b)(22mg、0.049mmol)と水酸化カリウム(11mg、0.2mmol)との混合物を1時間還流させた。該混合物を真空で濃縮した。水(5mL)を残渣に加えてから、1M塩酸によりpH1にした。水層を酢酸エチルで抽出した(2×5mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をペンタン中で粉砕して真空で濃縮し、所望の酸(実施例9)(16mg、0.037mmol、76%)を白色固体として得た。
【0268】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ0.99(s、9H)、2.00〜2.06(m、2H)、2.77〜2.87(m、2H)、4.22(t、J=5.2Hz、2H)、5.21(s、1H)、6.83(d、J=8.5Hz、1H)、6.88(d、J=2.6Hz、1H)、6.96(dd、J=2.6Hz、J=8.5Hz、1H)、7.03〜7.06(m、2H)、7.11(t、J=7.4Hz、1H)、7.22〜7.26(m、3H)、7.31〜7.36(m、3H)。
MS m/z([M−H]−)431。
【0269】
実施例10:2−[3−(ベンジルオキシ)ナフタレン−2−イル]−2−(tert−ブトキシ)酢酸の合成
【0270】
【化60】
【0271】
ステップ1〜2:中間体ナトリウム3−(ベンジルオキシ)ナフタレン−2−カルボキシレート(10b)の調製
臭化ベンジル(1.4mL、11.7mmol)を、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(1.0g、5.3mmol)及び炭酸カリウム(1.6g、11.7mmol)のアセトン(10mL)中の溶液に加えた。該反応混合物を終夜還流させて、次に真空で濃縮した。残渣を水(20mL)で希釈して酢酸エチルで抽出した(2×20mL)。合わせた有機層を2M水酸化ナトリウム(20mL)で洗浄して硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して蒸発乾固し、ベンジル3−(ベンジルオキシ)ナフタレン−2−カルボキシレート(10a)(2.16g)を得た。エタノール(30mL)と水(10mL)との混合液中の粗生成物と水酸化ナトリウム(0.85g、21.2mmol)との混合物を30分間還流させた。室温に冷却した後、沈殿を濾過してエタノールで洗浄した。固体をトルエンに溶解して蒸発乾固し、ナトリウム3−(ベンジルオキシ)ナフタレン−2−カルボキシレート(10b)(0.82g、2.7mmol、2ステップで51%)を白色固体として得た。
【0272】
1HNMR(300MHz、DMSO−d6)δδ5.21(s、2H)、7.25〜7.40(m、6H)、7.55〜7.57(m、2H)、7.64(s、1H)、7.67〜7.75(m、2H)。
【0273】
ステップ3:中間体、[3−(ベンジルオキシ)ナフタレン−2−イル]メタノール(10c)の調製
ナトリウム3−(ベンジルオキシ)ナフタレン−2−カルボキシレート(10b)(0.49g、1.65mmol)の水(5mL)中の溶液を、1M塩酸でpH2まで酸性化して、酢酸エチルで抽出した(2×15mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。粗生成物と塩化チオニル(5mL)の混合物を60分間還流させた。反応混合物を真空で濃縮し、トルエンと共沸させて、油状物を得、それを水素化ホウ素ナトリウム(0.15g、1.65mmol)の無水ジメトキシエタン(10mL)中の溶液に、窒素雰囲気下10℃でゆっくり加えた。室温で90分間攪拌した後、反応混合物を真空で濃縮した。水(10mL)を残渣に加えてから、酢酸(2mL)により水素化ホウ素ナトリウムを完全に分解した。混合物を水酸化アンモニウムでpH8まで塩基性化して酢酸エチルで抽出した(2×20mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して蒸発乾固して、所望のアルコール(10c)(0.44g、1.65mmol、100%)を油状物として得、それをさらに精製することなく使用した。
【0274】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ4.89(s、2H)、5.24(s、2H)、7.23(s、1H)、7.33〜7.51(m、7H)、7.71〜7.80(m、3H)。
【0275】
ステップ4:中間体、3−(ベンジルオキシ)ナフタレン−2−カルボアルデヒド(10d)の調製
[3−(ベンジルオキシ)ナフタレン−2−イル]メタノール(10c)(0.44g、1.65mmol)及び二酸化マンガン(1.45g、16.5mmol)のジクロロメタン(6mL)中の溶液を、室温で終夜攪拌した。該反応混合物をセライト(登録商標)で濾過して濾液を蒸発乾固し、3−(ベンジルオキシ)ナフタレン−2−カルボアルデヒド(10d)(0.43g、1.64mmol、99%)を黄色固体として得て、それをさらに精製することなく使用した。
【0276】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ5.29(s、2H)、7.29(s、1H)、7.34〜7.47(m、4H)、7.49〜7.57(m、3H)、7.73(d、J=8.2Hz、1H)、7.90(d、J=8.2Hz、1H)、8.40(s、1H)、10.67(s、1H)。
【0277】
ステップ5:中間体({1−[3−(ベンジルオキシ)ナフタレン−2−イル]プロパ−2−イン−1−イル}オキシ)トリメチルシラン(10e)の調製
3−(ベンジルオキシ)ナフタレン−2−カルボアルデヒド(10d)(430mg、1.65mmol)の無水ジクロロメタン(5mL)中の溶液に、窒素雰囲気下0℃でヨウ化亜鉛(53mg、0.16mmol)及びトリメチルシリルシアニド(0.24mL、1.99mmol)を順に加えた。混合物を2時間攪拌してから、室温に達するに任せた。重炭酸ナトリウムの飽和溶液(10mL)を加えた。水層をジクロロメタンで抽出した(2×10mL)。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで脱水して蒸発乾固し、({1−[3−(ベンジルオキシ)ナフタレン−2−イル]プロパ−2−イン−1−イル}オキシ)トリメチルシラン(10e)(450mg、1.24mmol、75%)を得て、それをさらに精製することなく使用した。
【0278】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ0.23(s、9H)、5.23(d、J=11.6Hz、1H)、5.29(d、J=11.6Hz、1H)、5.91(s,1H)、7.23(s、1H)、7.35〜7.55(m、7H)、7.73(d、J=8.1Hz、1H)、7.84(d、J=8.1Hz、1H)、8.08(s、1H)。
【0279】
ステップ6:中間体メチル2−[3−(ベンジルオキシ)ナフタレン−2−イル]−2−ヒドロキシアセテート(10f)の調製
無水メタノール(5mL)を0℃で冷却して塩化水素で5分間泡立てた。({1−[3−(ベンジルオキシ)ナフタレン−2−イル]プロパ−2−イン−1−イル}オキシ)トリメチルシラン(10e)(100mg、0.28mmol)を加えて、次に混合物を室温で30分間加温して真空で濃縮した。残渣を1M塩酸(5mL)に溶解して、室温で2時間攪拌した。混合物を酢酸エチルで抽出して(2×10mL)、有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、蒸発乾固して、メチル2−[3−(ベンジルオキシ)ナフタレン−2−イル]−2−ヒドロキシアセテート(10f)(87mg、0.27mmol、97%)を得て、それをさらに精製することなく使用した。
【0280】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ3.67(s、3H)、5.21(d、J=12.3Hz、1H)、5.25(d、J=12.3Hz、1H)、5.46(s,1H)、7.23(s、1H)、7.32〜7.48(m、7H)、7.69〜7.80(m、3H)。
【0281】
ステップ7:中間体メチル2−[3−(ベンジルオキシ)ナフタレン−2−イル]−2−(tert−ブトキシ)アセテート(10g)の調製
酸化銀(194mg、0.84mmol)及び臭化tert−ブチル(0.19mL、1.67mmol)を、メチル2−[3−(ベンジルオキシ)ナフタレン−2−イル]−2−ヒドロキシアセテート(10f)(90mg、0.28mmol)の、シクロヘキサン(2mL)とジクロロメタン(0.5mL)との混合液中の溶液に順に加えた。該反応混合物を室温で4日間攪拌しながら、酸化銀及び臭化tert−ブチルを、作業日の1時間毎に反応の進行が止まるまで添加した。混合物をセライト(登録商標)で濾過して、濾液を真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル75/25)、メチル2−[3−(ベンジルオキシ)ナフタレン−2−イル]−2−(tert−ブトキシ)アセテート(10g)(64mg、0.17mmol、60%)を得た。
【0282】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.27(s、9H)、3.64(s、3H)、5.25(s、2H)、5.64(s,1H)、7.18(s、1H)、7.31〜7.51(m、7H)、7.69(d、J=8.1Hz、1H)、7.80(d、J=7.9Hz、1H)、8.04(s、1H)。
【0283】
ステップ8:2−[3−(ベンジルオキシ)ナフタレン−2−イル]−2−(tert−ブトキシ)酢酸の調製
メチル2−[3−(ベンジルオキシ)ナフタレン−2−イル]−2−(tert−ブトキシ)アセテート(10g)(30mg、0.08mmol)及び水酸化カリウム(39mg、0.32mmol)の、エタノール(1mL)と水(3mL)との混合液中の溶液を60分間還流させた。該混合物を真空で濃縮した。水(5mL)を残渣に加えて、溶液をジエチルエーテルで抽出した(10mL)。水層を濃塩酸でpH2まで酸性化して酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して蒸発乾固し、2−[3−(ベンジルオキシ)ナフタレン−2−イル]−2−(tert−ブトキシ)酢酸(実施例10)(26mg、0.07mmol、89%)を白色固体として得た。
【0284】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.26(s、9H)、5.22(d、J=11.8Hz、1H)、5.28(d、J=11.8Hz、1H)、5.55(s,1H)、7.21(s、1H)、7.31〜7.53(m、7H)、7.69(d、J=8.1Hz、1H)、7.76(d、J=8.1Hz、1H)、7.85(s、1H)。
【0285】
実施例11:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−メチルフェニル]酢酸の合成
【0286】
【化61】
【0287】
ステップ1:中間体1−(2−ブロモ−3−メチルフェニル)エタン−1−オン(11a)の調製
2−ブロモ−3−メチル安息香酸(1.00g、4.65mmol)の塩化チオニル(10mL)中の懸濁液を2時間還流させた。室温に冷却した後、該混合物を真空で濃縮した。トルエン(2×10mL)を加えて、混合物を再び濃縮して塩化アシルを得た。カリウムエチルマロネート(1.66g、9.77mmol)の無水アセトニトリル(15mL)中の懸濁液に、窒素雰囲気下0℃でトリエチルアミン(2.1mL、15.1mmol)及び塩化マグネシウム(1.02g、10.7mmol)を順に加えた。該混合物を室温で2.5時間攪拌して再び冷却した後、塩化アシルのアセトニトリル(5mL)中の溶液を滴下した。混合物を室温で終夜攪拌し、0℃で冷却して、13%塩酸水溶液(10mL)を加えた。層を分離して、有機層を真空で濃縮してアセトニトリルを除去した。水層を酢酸エチルで抽出した(2×15mL)。合わせた有機層抽出物を、重炭酸ナトリウムの飽和溶液(20mL)、塩水(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。次に残渣を酢酸(8mL)、水(5mL)及び硫酸(1.0mL)の混合物中で3時間還流させた。室温に冷却した後、混合物を真空で濃縮して酢酸を除去した。残渣を氷水(50mL)に注いで酢酸エチルで抽出した(2×15mL)。有機層を重炭酸ナトリウムの飽和溶液(2×20mL)、塩水(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して蒸発乾固し、1−(2−ブロモ−3−メチルフェニル)エタン−1−オン(11a)(586mg、2.75mmol、59%)を黄色油状物として得て、それをさらに精製することなく使用した。
【0288】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ2.48(s、3H)、2.64(s、3H)、7.19(dd、J=1.8Hz、J=7.2Hz、1H)、7.28〜7.38(m、2H)。
【0289】
ステップ2:中間体、メチル2−(2−ブロモ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシアセテート(11b)の調製
1,4−ジオキサン(9mL)と水(3mL)との混合液中の1−(2−ブロモ−3−メチルフェニル)エタン−1−オン(11a)(570mg、2.68mmol)、二酸化セレン(594mg、5.35mmol)及びイッテルビウム(III)トリフルオロメタンスルホネート(166mg、0.27mmol)の混合物を、90℃で終夜攪拌した。室温に冷却した後、混合物をセライト(登録商標)で濾過して、濾液を真空で濃縮した。残渣を酢酸エチル(30mL)に溶解して0.5M NaOH(2×30mL)で洗浄した。水層を37%塩酸でpH3まで酸性化して酢酸エチルで抽出した(2×30mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をメタノール(10mL)中で2滴の硫酸の存在下に1時間還流させた。混合物を真空で濃縮して、残渣を酢酸エチル(10mL)と水(10mL)とに分配した。水層を酢酸エチルで抽出した(2×10mL)、合わせた有機抽出物を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して蒸発乾固した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル80/20)、メチル2−(2−ブロモ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシアセテート(11b)(296mg、1.14mmol、42%)を黄色油状物として得た。
【0290】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ2.49(s、3H)、3.58(d、J=5.2Hz、1H)、3.81(s、3H)、5.70(d、J=5.2Hz、1H)、7.22〜7.30(m、3H)。
【0291】
ステップ3:中間体メチル2−(2−ブロモ−3−メチルフェニル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(11c)の調製
メチル2−(2−ブロモ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシアセテート(11b)(296mg、1.14mmol)のtert−ブチルアセテート(20mL)中の溶液に、−20℃で過塩素酸(2.7mL)を加えた。該混合物を−20℃で2時間攪拌した後、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(50mL)に注いだ。水(100mL)を加え、層分離して水層を酢酸エチルで抽出した(2×30mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、メチル2−(2−ブロモ−3−メチルフェニル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(11c)(231mg、0.73mmol、64%)を黄色油状物として得た。
【0292】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.23(s、9H)、2.42(s、3H)、3.68(s、3H)、5.56(s、1H)、7.16〜7.25(m、2H)、7.48(dd、J=2.0Hz、J=7.3Hz、1H)。
【0293】
ステップ4:中間体メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−メチルフェニル]アセテート(11d)の調製
トルエン(1.1mL)、水(0.55mL)及びエタノール(0.48mL)の混合液中のメチル2−(2−ブロモ−3−メチルフェニル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(11c)(72mg、0.23mmol)、炭酸ナトリウム(97mg、0.91mmol)、6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)クロマン(104mg、0.41mmol)及びパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(13mg、0.011mmol)の混合物を、85℃で終夜加熱した。室温に冷却した後、該混合物を水(10mL)中に注いで、水層をトルエンで抽出した(2×5mL)。有機層を塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル95/5)、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−メチルフェニル]アセテート(11d)(66mg、0.18mmol、78%)を無色油状物として得た。
【0294】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.02及び1.03(s、9H)、2.04〜2.09(m、5H)、2.76〜2.85(m、2H)、3.61及び3.62(s、3H)、4.22〜4.26(m、2H)、4.89及び4.90(s、1H)、6.83〜6.94(m、3H)、7.17〜7.27(m、2H)、7.50(t、J=8.1Hz、1H)。
MS m/z([M+Na]+)391。
【0295】
ステップ5:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−メチルフェニル]酢酸の調製
エタノール(6mL)及び水(2mL)の混合液中のメチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−メチルフェニル]アセテート(11d)(63mg、0.17mmol)及び水酸化カリウム(38mg、0.68mmol)の混合物を1時間還流させた。該混合物を真空で濃縮した。水(2mL)を残渣に加えて生じた溶液を1M塩酸でpH3まで酸性化して酢酸エチルで抽出した(2×5mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣を石油エーテル中で粉砕して蒸発乾固し、所望の酸(実施例11)(50mg、0.14mmol、82%)を白色固体として得た。
【0296】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.09及び1.10(s、9H)、2.08〜2.11(m、5H)、2.76〜2.90(m、2H)、4.27〜4.30(m、2H)、4.97及び4.98(s、1H)、6.85〜6.93(m、2H)、7.26〜7.35(m、4H)。
MS m/z([M−H]−)353。
【0297】
実施例12:2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ナフタレン−1−イル]−2−エトキシ酢酸の合成
【0298】
【化62】
【0299】
ステップ1〜2:中間体エチル2−エトキシ−2−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)アセテート(12b)の調製
2−ナフトール(1.00g、6.94mmol)とトルエン中50%のエチルグリオキサレート(2.06mL、10.4mmol)の無水ジクロロメタン(20mL)中の溶液に、0℃で、窒素雰囲気下に塩化チタン(0.80mL、7.28mmol)を滴下した。黒色の混合物を0℃で45分間攪拌してから氷(150mL)に注いだ。混合物を30分間攪拌して、水層を酢酸エチルで抽出した(3×50mL)。有機層を2M水酸化ナトリウム(2×50mL)で洗浄した。塩基性の水性層を37%塩酸で酸性化して酢酸エチルで抽出した(2×50mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をエタノール(10mL)に溶解して、2滴の硫酸の存在下で1時間還流させた。混合物を真空で濃縮した。残渣を水(10mL)に溶解して酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル70/30)、エチル2−エトキシ−2−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)アセテート(12b)(140mg、0.51mmol、7%)を黄色固体として得た。
【0300】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.16(t、J=7.2Hz、3H)、1.33(t、J=7.2Hz、3H)、3.60〜3.80(m、2H)、4.07〜4.26(m、2H),5.83(s、1H)、7.13(d、J=8.7Hz、1H)、7.34(t、J=7.5Hz、1H)、7.51(t、J=7.2Hz、1H)、7.75(t、J=8.7Hz、2H)、7.99(d、J=8.7Hz、1H)、8.48(s、1H)。
MS m/z([M−H]−)273。
【0301】
ステップ3:中間体エチル2−エトキシ−2−{2−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]ナフタレン−1−イル}アセテート(12c)の調製
エチル2−エトキシ−2−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)アセテート(12b)(135mg、0.49mmol)、N−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(264mg、0.74mmol)及び4−(ジメチルアミノ)ピリジン(6mg、0.05mmol)の無水ジクロロメタン(8mL)中の溶液に、0℃で窒素雰囲気下にトリエチルアミン(137μL、0.98mmol)を加えた。該混合物を室温で3時間攪拌した。水(10mL)を加えて、水層をジクロロメタンで抽出した(2×10mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、エチル2−エトキシ−2−{2−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]ナフタレン−1−イル}アセテート(12c)(195mg、0.48mmol、97%)を黄色油状物として得た。
【0302】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.08(t、J=7.1Hz、3H)、1.24(t、J=7.0Hz、3H)、3.50(dq、J=9.07.0Hz、1H)、3.80(dq、J=9.07.0Hz、1H)、4.04(dq、J=10.77.1Hz、1H)、4.20(dq、J=10.77.1Hz、1H)、5.72(s、1H)、7.40(d、J=9.0Hz、1H)、7.55〜7.60(m、2H)、7.86〜7.93(m、2H)、8.53〜8.56(m、1H)。
MS m/z([M−H]−)405。
【0303】
ステップ4:中間体エチル2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ナフタレン−1−イル]−2−エトキシアセテート(12d)の調製
エチル2−エトキシ−2−{2−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]ナフタレン−1−イル}アセテート(12c)(82mg、0.20mmol)、炭酸ナトリウム(86mg、0.81mmol)、6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)クロマン(94mg、0.36mmol)及びパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(12mg、0.010mmol)のトルエン(1.1mL)、水(0.55mL)及びエタノール(0.48mL)中の混合物を、85℃で終夜加熱した。室温に冷却した後、混合物を水(10mL)中に注いで、水層をトルエンで抽出した(2×5mL)。有機層を塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル95/5)、エチル2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ナフタレン−1−イル]−2−エトキシアセテート(12d)(55mg、0.14mmol、69%)を無色油状物として得た。
【0304】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.08〜1.13(m、6H)、2.04〜2.10(m、2H)、2.84(t、J=6.4Hz、2H)、3.28〜3.35(m、1H)、3.46〜3.54(m、1H)、4.04(dq、J=10.77.1Hz、1H)、4.17〜4.27(m、3H)、5.48(s、1H)、6.86(d、J=8.3Hz、1H)、7.16(broads、1H)、7.36(d、J=8.4Hz、1H)、7.44〜7.52(m、2H)、7.95〜7.85(m、2H)、8.45(d、J=8.2Hz、1H)。
MS m/z([M+Na]+)413。
【0305】
ステップ5:2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ナフタレン−1−イル]−2−エトキシ酢酸の調製
エタノール(6mL)と水(2mL)との混合液中のエチル2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ナフタレン−1−イル]−2−エトキシアセテート(55mg、0.14mmol)と水酸化カリウム(12d)(32mg、0.56mmol)の混合物を、90分間還流させた。該混合物を真空で濃縮し、水(2mL)を残渣に加えて水層をジエチルエーテルで抽出した(5mL)。水層を1M塩酸でpH3まで酸性化して酢酸エチルで抽出した(2×5mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮し、所望の酸(実施例12)(38mg、0.10mmol、74%)を白色固体として得た。
【0306】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.04(t、J=7.2Hz、3H)、2.02〜2.10(m、2H)、2.80〜2.86(m、2H)、3.25〜3.34(m、2H)、4.23〜4.27(m、1H)、5.62(s、1H)、6.86(d、J=8.1Hz、1H)、7.09〜7.26(m、1H)、7.38(d、J=8.4Hz、1H)、7.46〜7.54(m、2H)、7.82〜7.88(m、2H)、8.14(m、1H)。
MS m/z([M−H]−)361。
【0307】
実施例13:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−(ジメチルアミノ)フェニル]酢酸の合成
【0308】
【化63】
【0309】
ステップ1:中間体メチル2−(4−アミノ−2−クロロ−5−ニトロフェニル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(13a)の調製
NH3中7Mのメチル2−(tert−ブトキシ)−2−(2−クロロ−4−フルオロ−5−ニトロフェニル)アセテート(4d)(104mg、0.33mmol)のメタノール(2mL)中の溶液を、60℃で30分間攪拌した。該混合物を真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル80/20)、メチル2−(4−アミノ−2−クロロ−5−ニトロフェニル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(13a)(52mg、0.16mmol、50%)を黄色油状物として得た。
【0310】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.24(s、9H)、3.71(s、3H)、5.31(s、1H)、6.11(broads、2H)、6.84(s、1H)、8.39(s、1H)。
MS m/z([M−H]−)315。
【0311】
ステップ2:中間体メチル2−(tert−ブトキシ)−2−(2−クロロ−5−ニトロフェニル)アセテート(13b)の調製
亜硝酸tert−ブチル(39μL、0.33mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(1mL)中の溶液に、メチル2−(4−アミノ−2−クロロ−5−ニトロフェニル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(52mg、0.16mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(0.5mL)中の溶液を60℃で滴下した。該混合物を60℃で1時間攪拌して、水(10mL)中に注ぎ酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。有機層を塩水(2×5mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をトルエン(5mL)に溶解して真空で濃縮し、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−(2−クロロ−5−ニトロフェニル)アセテート(13b)(48mg、0.16mmol、96%)を黄色油状物として得て、それをさらに精製することなく使用した。
【0312】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.25(s、9H)、3.72(s、3H)、5.49(s、1H)、7.51(d、J=8.7Hz、1H)、8.11(dd、J=2.78.7Hz、1H)、8.55(d、J=2.7Hz、1H)。
【0313】
ステップ3:中間体、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−ニトロフェニル]アセテート(13c)の調製
メチル2−(tert−ブトキシ)−2−(2−クロロ−5−ニトロフェニル)アセテート(13b)(48mg、0.16mmol)、炭酸ナトリウム(67mg、0.64mmol)、6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)クロマン(74mg、0.29mmol)及びパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(9mg、0.008mmol)の、トルエン(1.1mL)、水(0.55mL)及びエタノール(0.48mL)中の混合物を85℃で終夜加熱した。室温に冷却した後、該混合物を水(10mL)中に注いで、水層をトルエンで抽出した(2×5mL)。有機層を塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−ニトロフェニル]アセテート(13c)(29mg、0.072mmol、45%)を黄色油状物として得た。
【0314】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.02(s、9H)、2.03〜2.11(m、2H)、2.81〜2.86(m、2H)、3.70(s、3H)、4.24〜4.28(m、2H)、5.21(s、1H)、6.88(d、J=8.4Hz、1H)、7.03(d、J=2.4Hz、1H)、7.09(dd、J=2.48.4Hz、1H)、7.37(d、J=8.4Hz、1H)、8.14(dd、J=2.48.4Hz、1H)、8.56(d、J=2.4Hz、1H)。
【0315】
ステップ4:中間体、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−(ジメチルアミノ)フェニル]アセテート(13d)の調製
メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−ニトロフェニル]アセテート(13c)(28mg、0.07mmol)、37%水性ホルムアルデヒド(0.12mL、1.61mmol)及びパラジウムチャーコール(10mg)のメタノール(4mL)中の混合物を、室温で水素雰囲気下に2時間攪拌した。該混合物をミリポアで濾過して、濾液を真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル80/20)、中間体のメチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−(ジメチルアミノ)フェニル]アセテート(13d)(23mg、0.058mmol、82%)を無色油状物として得た。
【0316】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.00(s、9H)、2.01〜2.09(m、2H)、2.79〜2.85(m、2H)、2.97(s、6H)、3.68(s、3H)、4.21〜4.25(m、2H)、5.20(s、1H)、6.71(dd、J=2.78.4Hz、1H)、6.82(d、J=8.4Hz、1H)、6.97(d、J=2.7Hz、1H)、7.05〜7.13(m、3H)。
MS m/z([M+H]+)398。
【0317】
ステップ5:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−(ジメチルアミノ)フェニル]酢酸の調製
エタノール(3mL)と水(1mL)との混合液中のメチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−(ジメチルアミノ)フェニル]アセテート(13d)(20mg、0.05mmol)及び水酸化カリウム(21mg、0.37mmol)の混合物を90分間還流させた。該混合物を真空で濃縮した。水(2mL)を残渣に加えて生じた溶液をジエチルエーテル(5mL)で抽出した。水層を1M塩酸でpH4まで酸性化して酢酸エチルで抽出した(2×5mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をペンタン中で粉砕して蒸発乾固し、2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−(ジメチルアミノ)フェニル]酢酸(実施例13)(19mg、0.049mmol、99%)を白色固体として得た。
【0318】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ0.99(s、9H)、2.00〜2.07(m、2H)、2.79〜2.85(m、2H)、2.96(s、6H)、4.20〜4.24(m、2H)、5.24(s、1H)、6.71〜6.75(m、2H)、6.82(d、J=8.7Hz、1H)、7.12(d、J=8.7Hz、1H)、7.20〜7.22(m、2H)。
MS m/z([M−H]−)382。
MS m/z([M+H]+)384。
【0319】
実施例14:2−(tert−ブトキシ)−2−[3−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ナフタレン−2−イル]酢酸の合成
【0320】
【化64】
【0321】
ステップ1:中間体メチル2−(tert−ブトキシ)−2−(3−ヒドロキシナフタレン−2−イル)アセテート(14a)の調製
メチル2−[3−(ベンジルオキシ)ナフタレン−2−イル]−2−(tert−ブトキシ)アセテート(10g)(120mg、0.32mmol)及びパラジウムチャーコール(12mg)の酢酸エチル(2mL)中の混合物を、室温で水素雰囲気下に4日攪拌した。該混合物をミリポアで濾過して、濾液を真空で濃縮し、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−(3−ヒドロキシナフタレン−2−イル)アセテート(14a)(88mg、0.30mmol、96%)を得た。
【0322】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.31(s、9H)、3.71(s、3H)、5.36(s、1H)、7.25(s、1H)、7.27〜33(m、1H)、7.37〜44(m、1H)、7.65〜7.77(m、3H)、8.10(s、1H)。
【0323】
ステップ2:中間体メチル2−(tert−ブトキシ)−2−{3−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]ナフタレン−2−イル}アセテート(14b)の調製
メチル2−(tert−ブトキシ)−2−(3−ヒドロキシナフタレン−2−イル)アセテート(14a)(90mg、0.31mmol)、N−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(167mg、0.47mmol)及び4−(ジメチルアミノ)ピリジン(4mg、0.03mmol)の無水ジクロロメタン(3mL)中の溶液に、0℃で窒素雰囲気下にトリエチルアミン(87μL、0.62mmol)を加えた。該混合物を室温で1時間攪拌した。水(5mL)を加えて、水層をジクロロメタンで抽出した(2×7mL)。有機層を重炭酸ナトリウムの飽和溶液(5mL)及び1N塩酸(5mL)の順で洗浄し、次に硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル50/50)、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−{3−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]ナフタレン−2−イル}アセテート(90mg、0.21mmol、69%)を得た。
【0324】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.29(s、9H)、3.71(s、3H)、5.50(s、1H)、7.53〜7.59(m、2H)、7.77(s、1H)、7.83〜7.86(m、1H)、7.89〜7.93(m、1H)、8.22(s、1H)。
【0325】
ステップ3:中間体メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[3−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ナフタレン−2−イル]アセテート(14c)の調製
トルエン(1.26mL)、エタノール(0.6mL)及び水(0.5mL)の混合液中のメチル2−(tert−ブトキシ)−2−{3−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]ナフタレン−2−イル}アセテート(14b)(90mg、0.21mmol)、炭酸ナトリウム(91mg、0.86mmol)、及び6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)クロマン(100mg、0.39mmol)の混合物を、窒素で5分間泡立てた。パラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(12mg、0.01mmol)を加えて、反応混合物を95℃で終夜加熱した。室温に冷却した後、水(2mL)を加え、水層をトルエンで抽出した(2×8mL)。有機層を塩水で洗浄し(5mL)、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル80/20)、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[3−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ナフタレン−2−イル]アセテート(14c)(70mg、0.17mmol、81%)を得た。
【0326】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.05(s、9H)、2.04〜2.12(m、2H)、2.80〜2.89(m、2H)、3.67(s、3H)、4.27(t、J=5.2Hz、2H)、5.53(s、1H)、6.89(d、J=8.3Hz、1H)7.14〜7.22(m、2H)、7.44〜7.48(m、2H)、7.69(s、1H)、7.77〜7.80(m、1H)、7.85〜7.91(m、1H)、8.16(s、1H)。
【0327】
ステップ4:2−(tert−ブトキシ)−2−[3−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ナフタレン−2−イル]酢酸の調製
メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[3−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ナフタレン−2−イル]アセテート(14c)(70mg、0.17mmol)及び水酸化カリウム(84mg、0.69mmol)の、エタノール(2mL)と水(6mL)との混合液中の溶液を60分間還流させた。該混合物を真空で濃縮した。水(8mL)を残渣に加えて、溶液をジエチルエーテル(10mL)で洗浄した。水層を濃塩酸でpH2まで酸性化して酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣を分取TLCにより(ジクロロメタン/メタノール95/5)精製して、所望の酸(実施例14)(20mg、0.05mmol、29%)を得た。
【0328】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.03(s、9H)、2.02〜2.11(m、2H)、2.81〜2.89(m、2H)、4.26(t、J=5.3Hz、2H)5.37(s、1H)、6.89(d、J=8.6Hz、1H)7.29〜7.32(m、2H)、7.44〜7.51(m、2H)、7.73(s、1H)、7.78〜7.87(m、2H)、7.99(s、1H)。
MS m/z([M−H]−)389。
【0329】
実施例15:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ナフタレン−1−イル]酢酸の合成
【0330】
【化65】
【0331】
ステップ1:中間体エチル2−[2−(ベンジルオキシ)ナフタレン−1−イル]−2−(メトキシメトキシ)アセテート(15a)の調製
エチル2−ヒドロキシ−2−[2−(ベンジルオキシ)ナフタレン−1−イル]アセテート(5b)(341mg、1.01mmol)の無水ジクロロメタン(5mL)中の溶液に、窒素雰囲気下に0℃でジイソプロピルアミン(353μL、2.03mmol)及びクロロメチルメチルエーテル(154μL、2.03mmol)を加えた。混合物を室温で72時間攪拌した後、水(5mL)を加えた。層分離して水層をジクロロメタンで抽出した(2×5mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣を酢酸エチル(10mL)に溶解して、塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮し、エチル2−[2−(ベンジルオキシ)ナフタレン−1−イル]−2−(メトキシメトキシ)アセテート(15a)(384mg、1.01mmol、99%)を無色油状物として得た。
【0332】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.09(t、J=7.2Hz、3H)、3.35(s、3H)、4.06〜4.18(m、2H)、4.67(d、J=6.6Hz、1H)、4.85(d、J=6.6Hz、1H)、5.25(d、J=12.0Hz、1H)、5.31(d、J=12.0Hz、1H)、6.40(s、1H)、7.27〜7.51(m、9H)、7.75〜7.82(m、2H)、8.24(d、J=8.7Hz、1H)。
MS m/z([M−H]−)379。
【0333】
ステップ2:中間体エチル2−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−2−(メトキシメトキシ)アセテート(15b)の調製
エチル2−[2−(ベンジルオキシ)ナフタレン−1−イル]−2−(メトキシメトキシ)アセテート(15a)(384mg、1.01mmol)及びパラジウムチャーコール(60mg)の酢酸エチル(10mL)中の混合物を、室温で水素雰囲気下に48時間攪拌した。該混合物をミリポアで濾過して、濾液を真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル:90/10)、所望のフェノール(15b)(107mg、0.368mmol、36%)を無色油状物として得た。
【0334】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.16(t、J=7.1Hz、3H)、3.42(s、3H)、4.08〜4.27(m、2H)、4.78(d、J=6.8Hz、1H)、4.84(d、J=6.8Hz、1H)、6.12(s、1H)、7.14(d、J=8.9Hz、1H)、7.35(t、J=7.8Hz、1H)、7.49〜7.55(m,1H)、7.75〜7.79(m、2H)、7.89(broads、1H)、8.01(d、J=8.6Hz、1H)。
MS m/z([M+Na]+)313。
MS m/z([M−H]−)289。
【0335】
ステップ3:エチル2−(メトキシメトキシ)−2−{2−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]ナフタレン−1−イル}アセテート(15c)の調製
エチル2−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−2−(メトキシメトキシ)アセテート(15b)(107mg、0.37mmol)、N−フェニル−トリフルオロメタンスルホンイミド(198mg、0.55mmol)及び4−(ジメチルアミノ)ピリジン(5mg、0.03mmol)の無水ジクロロメタン(8mL)中の溶液に、0℃で窒素雰囲気下にトリエチルアミン(103μL、0.74mmol)を加えた。該混合物を室温で3時間攪拌した。水(10mL)を加えて水層をジクロロメタンで抽出した(2×10mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、エチル2−(メトキシメトキシ)−2−{2−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]ナフタレン−1−イル}アセテート(15c)(151mg、0.357mmol、96%)を黄色固体として得た。
【0336】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.10(t、J=7.2Hz、3H)、3.31(s、3H)、4.02〜4.27(m、2H)、4.69(d、J=6.6Hz、1H)、4.89(d、J=6.8Hz、1H)、6.03(s、1H)、7.43(d、J=9.1Hz、1H)、7.52〜7.63(m、2H)、7.87〜7.95(m、2H)、8.43(d、J=8.0Hz、1H)。
MS m/z([M−H]−)421。
【0337】
ステップ4:エチル2−(メトキシメトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ナフタレン−1−イル]アセテート(15d)の調製
トルエン(1.1mL)、水(0.55mL)及びエタノール(0.48mL)の混合液中の2−(メトキシメトキシ)−2−{2−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]ナフタレン−1−イル}アセテート(15c)(150mg、0.36mmol)、炭酸ナトリウム(151mg、1.42mmol)、6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)クロマン(166mg、0.64mmol)及びパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(21mg、0.018mmol)の混合物を95℃で終夜加熱した。室温に冷却した後、該混合物を水(10mL)中に注いで、水層をトルエンで抽出した(2×5mL)。有機層を塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル:90/10)、エチル2−(メトキシメトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ナフタレン−1−イル]アセテート(15d)(69mg、0.17mmol、48%)を無色油状物として得た。
【0338】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.14(t、J=7.1Hz、3H)、2.03〜2.11(m、2H)、2.84(t、J=6.4Hz、2H)、3.18(s、3H)、4.00〜4.27(m、4H)、4.57(d、J=6.6Hz、1H)、4.74(d、J=6.6Hz、1H)、5.80(s、1H)、6.87(d、J=8.4Hz、1H)、7.16〜7.19(m、2H)、7.37(d、J=8.4Hz、1H)、7.47〜7.56(m、2H)、7.80〜7.87(m、2H)、8.41(d、J=8.3Hz、1H)。
MS m/z([M+Na]+)429。
【0339】
ステップ5:エチル2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ナフタレン−1−イル]−2−ヒドロキシアセテート(15e)の調製
エチル2−(メトキシメトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ナフタレン−1−イル]アセテート(15d)(69mg、0.17mmol)及びトリフルオロ酢酸(0.13mL、1.7mmol)のジクロロメタン中の溶液を室温で2日間攪拌した。該混合物を真空で濃縮した。重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(10mL)を残渣に加えた。水層をジクロロメタンで抽出した(2×10mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル80/20)、エチル2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ナフタレン−1−イル]−2−ヒドロキシアセテート(15e)(46mg、0.12mmol、74%)を無色油状物として得た。
【0340】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.08(t、J=7.1Hz、3H)、2.02〜2.10(m、2H)、2.85(t、J=6.4Hz、2H)、3.44(d、J=1.8Hz、1H)、4.06〜4.26(m、4H)、5.73(d、J=1.8Hz、1H)、6.87(d、J=8.2Hz、1H)、7.19〜7.24(m、2H)、7.41(d、J=8.4Hz、1H)、7.39〜7.53(m、2H)、7.82〜7.88(m、2H)、8.10(d、J=7.5Hz、1H)。
MS m/z([M+H−H2O]+)345。
【0341】
ステップ6:エチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ナフタレン−1−イル]アセテート(15f)の調製
エチル2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ナフタレン−1−イル]−2−ヒドロキシアセテート(15e)(45mg、0.12mmol)のtert−ブチルアセテート(2.3mL)中の溶液に、−20℃で過塩素酸(0.3mL)を加えた。該混合物を−20℃で2時間攪拌した後、重炭酸ナトリウム(10mL)の飽和水溶液に注いだ。水(10mL)を加え、層分離して水層を酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、エチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ナフタレン−1−イル]アセテート(15f)(22mg、0.052mmol、42%)を無色油状物として得た。
【0342】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ0.96(s、9H)、1.17(t、J=7.1Hz、3H)、2.03〜2.11(m、2H)、2.75〜2.92(m、2H)、4.02〜4.28(m、4H)、5.65(s、1H)、6.88(d、J=8.3Hz、1H)、7.10〜7.40(broads、2H)、7.33(d、J=8.4Hz、1H)、7.42〜7.52(m、2H)、7.76〜7.83(m、2H)、8.53(d、J=9.2Hz、1H)。
MS m/z([M+Na]+)441。
【0343】
ステップ7:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ナフタレン−1−イル]酢酸の調製
エタノール(3mL)と水(1mL)との混合液中のエチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ナフタレン−1−イル]アセテート(15f)(21mg、0.05mmol)及び水酸化カリウム(23mg、0.4mmol)の混合物を7時間還流させた。該混合物を真空で濃縮し、水(2mL)を残渣に加えて水層をジエチルエーテルで抽出した(5mL)。水層を1M塩酸でpH2まで酸性化してジエチルエーテルで抽出した(2×5mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣を分取TLCにより(ジクロロメタン/メタノール95/5)精製して、所望の酸(実施例15)(8mg、0.02mmol、40%)を白色固体として得た。
【0344】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ0.89(s、9H)、2.03(broads、2H)、2.82(broads、2H)、4.24(t、J=4.8Hz、2H)、5.79(s、1H)、6.87(broads、1H)、7.12(broads、1H)、7.35(d、J=8.4Hz、1H)、7.44(broads、3H)、7.78〜7.81(m、2H)、8.14(broads、1H)。
MS m/z([M−H]−)389。
【0345】
実施例16:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)シクロヘキサ−1−エン−1−イル]酢酸の合成
【0346】
【化66】
【0347】
ステップ1:中間体エチル2−ヒドロキシ−2−(2−オキソシクロヘキシル)アセテート(16a)の調製
ジイソプロピルアミン(0.857mL、6.11mmol)のテトラヒドロフラン(9mL)中の溶液に、n−ブチルリチウム(1.6Minヘキサン、3.82mL、6.11mmol)を、−78℃でアルゴン雰囲気下に滴下した。−78℃で30分後に、シクロヘキサノン(500mg、5.09mmol)のテトラヒドロフラン(45mL)中の溶液を加えた。該混合物を10分間攪拌してエチルグリオキサレート(トルエン中50%、1.22mL、6.11mmol)を、反応混合物に−78℃で加えた。混合物を−78℃に3時間30分保ち、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で反応を停止させてジクロロメタンで3回抽出した。有機層を塩水で洗浄して硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル80/20)、エチル2−ヒドロキシ−2−(2−オキソシクロヘキシル)アセテート(16a)(412mg、2.06mmol、40%、両方のジアステレオ異性体の混合物)淡黄色液体として得た。
【0348】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.34(t、J=7.1Hz、3H)、1.68〜1.77(m、2H)、1.90〜2.18(m、4H)、2.32〜2.54(m、2H)、2.81〜3.01(m、1H)、4.26〜4.32(q、J=7.1Hz、2H)、4.70〜4.72(m、1H)。
MS m/z([M+H]+)201。
【0349】
ステップ2:中間体エチル2−(tert−ブトキシ)−2−(2−オキソシクロヘキシル)アセテート(16b)の調製
酸化銀(1.22g、5.27mmol)及び臭化tert−ブチル(1.18mL、10.55mmol)を、エチル2−ヒドロキシ−2−(2−オキソシクロヘキシル)アセテート(16a)(352mg、1.76mmol)のシクロヘキサン(17.5mL)中の溶液に順に加えた。該反応混合物を室温で24時間攪拌した。この時間中に、2当量の酸化銀及び臭化tert−ブチルを反応時間の5時間後及び7時間後に加えた。反応が完結したら、混合物を濾別して濾液を真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル80/20)、エチル2−(tert−ブトキシ)−2−(2−オキソシクロヘキシル)アセテート(16b)(303.7mg、1.18mmol、67%、両ジアステレオ異性体の混合物)を得た。
【0350】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.23及び1.24(s、9H)、1.29〜1.33(m、3H)、1.56〜1.78(m、3H)、1.90〜2.08(m、2H)、2.21〜2.47(m、3H)、2.70〜2.76(m、1H)、4.18〜4.25(m、2H)、4.36〜4.51(m、1H)。
MS m/z([M+Na]+)279。
【0351】
ステップ3:中間体エチル2−(tert−ブトキシ)−2−{2−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]シクロヘキサ−1−エン−1−イル}アセテート(16c)の調製
エチル2−(tert−ブトキシ)−2−(2−オキソシクロヘキシル)アセテート(16b)(272mg、1.06mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(6.3mL)及びテトラヒドロフラン(1.1mL)中の溶液に、カリウムtert−ブトキシド(テトラヒドロフラン中1M、1.11mL、1.11mmol)の溶液を-78℃でアルゴン雰囲気下に加えた。−78℃で1時間後に、N−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(436mg、1.22mmol)のテトラヒドロフラン(1.45mL)及びN,N−ジメチルホルムアミド(0.3mL)中の溶液を、混合物に−78℃でゆっくり加え、それを−78℃で1.5時間攪拌した。反応を重炭酸ナトリウムの飽和溶液の添加により停止させて、混合物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル95/5)、エチル2−(tert−ブトキシ)−2−{2−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]シクロヘキサ−1−エン−1−イル}アセテート(16c)の単一異性体(275mg、0.71mmol、67%)を得た。
【0352】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.25(s、9H)、1.29(t、J=7.1Hz、3H)、1.61〜1.81(m、4H)、2.07〜2.14(m、1H)、2.32〜2.52(m、3H)、4.22(q、J=7.1Hz、2H)、5.12(s、1H)。
MS m/z([M+Na]+)411。
【0353】
ステップ4:中間体エチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)シクロヘキサ−1−エン−1−イル]アセテート(16d)の調製
エチル2−(tert−ブトキシ)−2−{2−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]シクロヘキサ−1−エン−1−イル}アセテート(16c)(265mg、0.682mmol)の、トルエン(2.65mL)とエタノール(0.7mL)との混合液中の溶液に、2M炭酸ナトリウム(0.682mL、1.36mmol)、パラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(39.4mg、0.05mmol)及び6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)クロマン(195.2mg、0.75mmol)の溶液を加えた。該混合物を80℃で20時間加熱した。次に混合物を室温で冷却して水を加え、水層を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣を分取TLCにより(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)精製し、エチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)シクロヘキサ−1−エン−1−イル]アセテート(16d)(131mg、0.352mmol、52%)を得た。
【0354】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.01〜1.02(m、9H)、1.31〜1.36(m、4H)、1.65〜1.74(m、3H)、1.96〜2.44(m、6H)、2.78〜2.85(m、2H)、4.17〜4.27(m、4H)、4.70(s、1H)、6.78(d、J=8.1Hz、1H)、6.97〜6.99(m、2H)。
MS m/z([M+Na]+)395。
【0355】
ステップ5:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)シクロヘキサ−1−エン−1−イル]酢酸の調製
水酸化リチウム(23.7mg、0.989mmol)を、テトラヒドロフラン(4.1mL)と水(3.3mL)との混合液中の2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)シクロヘキサ−1−エン−1−イル]アセテート(16d)(123mg、0.33mmol)の溶液に加えた。該混合物を70℃で20時間加熱し、この間に、3当量の水酸化リチウムを反応時間の7時間後に加えた。反応が完結したら、混合物を真空で濃縮した。残渣を水とジクロロメタンとに分配した。生成物をジクロロメタンで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して真空で濃縮した。残渣を分取TLCにより(ジクロロメタン/メタノール95/5)精製して所望の酸(実施例16)(72mg、0.21mmol、63%)を得た。
【0356】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.07(s、9H)、1.67〜2.47(m、10H)、2.77〜2.87(m、2H)、4.23(t、J=5.2Hz、2H)、4.88(s、1H)、6.79(d、J=8.4Hz、1H)、7.09〜7.13(m、2H)。
MS m/z([M+Na]+)367。
【0357】
実施例17:2−(tert−ブトキシ)−2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2H−クロメン−3−イル]酢酸の合成
【0358】
【化67】
【0359】
ステップ1:中間体、エチル2−ヒドロキシ−2−(4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)アセテート(17a)の調製
窒素雰囲気下に、クロマノン(768mg、5.18mmol)を0℃でトリフルオロ酢酸(3.8μL、0.05mmol)及びエチルグリオキサレート(トルエン中50%、0.2mL、1mmol)の溶液に加えた。該混合物を0℃で10分間次に室温で終夜攪拌した。揮発成分を蒸発させて粗材料を分取TLCにより(シクロヘキサン/酢酸エチル70/30)精製して、エチル2−ヒドロキシ−2−(4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)アセテートを無色油状物(17a)(235mg、0.94mmol、93%、ジアステレオ異性体の混合物)として得た。
【0360】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.24〜1.37(m、3H)、3.28〜3.53(m、1H)、4.29〜4.36(m、3H)、4.48〜4.98(m、3H)、7.01(d、J=8.3Hz、1H)、7.03〜7.10(m、1H)、7.50〜7.54(m、1H)、7.90〜7.97(m、1H)。
MS m/z([M+H]+)251。
【0361】
ステップ2:中間体エチル、2−(tert−ブトキシ)−2−(4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)アセテート(17b)の調製
エチル2−ヒドロキシ−2−(4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)アセテート(17a)(235mg、0.939mmol)のtert−ブチルアセテート(5.6mL)中の懸濁液に、−10℃で過塩素酸(70%、168μL)を加えた。該混合物を−5℃で5時間攪拌して、次に重炭酸ナトリウムの飽和水溶液でpH8まで塩基性化した。水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して真空で濃縮した。残渣を分取TLCにより精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル70/30)、エチル2−(tert−ブトキシ)−2−(4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)アセテート(17b)を固体(135mg、0.44mmol、47%、ジアステレオ異性体の混合物)として得た。
【0362】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.17〜1.34(m、12H)、2.99〜3.19(m、1H)、4.10〜4.28(m、2H)、4.57〜4.72(m、3H)、6.98〜7.08(m、2H)、7.47〜7.54(m、1H)、7.92〜7.95(m、1H)。
MS m/z([M+Na]+)329。
【0363】
ステップ3:中間体エチル2−(tert−ブトキシ)−2−{4−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]−2H−クロメン−3−イル}アセテート(17c)の調製
エチル2−(tert−ブトキシ)−2−(4−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−3−イル)アセテート(1b)(144mg、0.47mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(2.9mL)とテトラヒドロフラン(0.48mL)との混合液中の溶液に、カリウムtert−ブトキシド(1Minテトラヒドロフラン、0.5mL、0.5mmol)の溶液を、−78℃でアルゴン雰囲気下に加えて、該混合物を同じ温度で1時間攪拌した。N−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(193mg、0.54mmol)の、テトラヒドロフラン(0.6mL)及びジメチルホルムアミド(0.14mL)の混合液中の溶液を混合物に−78℃でゆっくり加えて、それを同じ温度で1時間さらに攪拌した。反応を飽和重炭酸ナトリウム溶液の添加により停止させて、混合物を酢酸エチルで2回抽出した。合わせた有機層を塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣を分取TLCにより精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、エチル2−(tert−ブトキシ)−2−{4−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]−2H−クロメン−3−イル}アセテート(17c)(175mg、0.40mmol、85%)を得た。
【0364】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.28〜1.33(m、12H)、4.25(q、J=7.1Hz、2H)、5.05(s、2H)、5.16(s、1H)、6.92(d、J=8.1Hz、1H)、7.03(t、J=7.5Hz、1H)、7.27〜7.31(m、1H)、7.35(d、J=7.4Hz、1H)。
MS m/z([M+Na]+)461。
【0365】
ステップ4:中間体、エチル2−(tert−ブトキシ)−2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2H−クロメン−3−イル]アセテート(17d)の調製
エチル2−(tert−ブトキシ)−2−{4−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]−2H−クロメン−3−イル}アセテート(17c)(171mg、0.39mmol)の、トルエン(1.60mL)とエタノール(0.4mL)との混合液中の溶液に、炭酸ナトリウム2M(0.39mL、0.78mmol)、パラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(22.5mg、0.05mmol)及び6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)クロマン(111.6mg、0.429mmol)の溶液を加えた。該混合物を20時間還流させた。次に混合物を室温で冷却して水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣を分取TLCにより精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、エチル2−(tert−ブトキシ)−2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2H−クロメン−3−イル]アセテート(1d)(129mg、0.306mmol、78%)を得た。
【0366】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.09(s、9H)、1.29〜1.36(m、3H)、2.09(m、2H)、2.85(m、2H)、4.19〜4.30(m、4H)、4.71(s、1H)、4.82(d、J=14.8Hz、1H)、5.08(d、J=14.0Hz、1H)、6.74〜6.91(m、5H)、7.04〜7.08(m、1H)、7.15(dt、J=1.7,6.3Hz、1H)。
MS m/z([M+Na]+)445。
【0367】
ステップ5:2−(tert−ブトキシ)−2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2H−クロメン−3−イル]酢酸(実施例)の調製
水酸化リチウム(20.2mg、0.843mmol)を、テトラヒドロフラン(3.5mL)と水(2.8mL)との混合液中のエチル2−(tert−ブトキシ)−2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2H−クロメン−3−イル]アセテート(17d)(119mg、0.281mmol)の溶液に加えた。該混合物を70℃で4時間加熱した。混合物を真空で濃縮して、残渣を水とジクロロメタンとに分配した。水層を1N塩酸で酸性化して酢酸エチルで2回抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して真空で濃縮した。残渣を分取TLCにより(ジクロロメタン/メタノール95/5)精製して、所望の酸(実施例17)(67mg、0.169mmol、57%)を得た。
【0368】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.16(s、9H)、2.07〜2.10(m、2H)、2.74〜2.89(m、2H)、4.28(t、J=5.2Hz、2H)、4.71(d、J=13.6Hz、1H)、4.88〜4.95(m、2H)、6.78〜6.93(m、5H)、7.16〜7.20(m、1H)、7.39〜7.44(m、1H)。
MS m/z([M−H]−)393。
【0369】
実施例18:2−(tert−ブトキシ)−2−(2−メチル−4−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル)酢酸の合成
【0370】
【化68】
【0371】
ステップ1:中間体1−メトキシ−4−[(ペンタ−3−イン−1−イルオキシ)メチル]ベンゼン(18a)の調製
水素化ナトリウム(油中60%、0.50g、14.85mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)中の懸濁液に、窒素雰囲気下に0℃で3−ペンチン−3−オール(0.50g、5.94mmol)を滴下した。該混合物を0℃で30分間攪拌して、次に1−(クロロメチル)−4−メトキシベンゼン(1.21mL、8.91mmol)及びヨウ化ナトリウム(0.089g、0.59mmol)を加えた。室温で24時間後、反応混合物を水(100mL)で反応停止させて酢酸エチルで抽出した(2×50mL)。合わせた有機抽出物を水(100mL)、塩水(100mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで脱水し蒸発乾固した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/ジクロロメタン30/70)、1−メトキシ−4−[(ペンタ−3−イン−1−イルオキシ)メチル]ベンゼン(18a)(1.03g、5.04mmol、85%)を黄色油状物として得た。
【0372】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.81(t、J=2.5Hz、3H)、2.44〜2.48(m、2H)、3.55(t、J=7.1Hz、2H)、3.84(s、3H)、4.52(s、2H)、6.91(d、J=8.7Hz、2H)、7.30(d、J=8.2Hz、2H)。
【0373】
ステップ2:中間体3−{2−[(4−メトキシフェニル)メトキシ]エチル}−2−メチル−4−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン(18b)の調製
トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)塩化物(0.420g、0.45mmol)及び無水トルエン(10mL)を含有する封管をアルゴンで3回脱気した。1−メトキシ−4−[(ペンタ−3−イン−1−イルオキシ)メチル]ベンゼン(18a)(0.949g、4.65mmol)及びN−[(2E)−2−(フェニルメチリデン)シクロヘキシリデン]ヒドロキシルアミン(0.850g、4.22mmol、Parthasarathy et al.,J.Org.Chem.2009,74,9359−9364により調製した)をこの順で加えて、反応混合物を130℃で16時間攪拌し続けた。該混合物を短いセライト(登録商標)パッドを通して濾過し、ジクロロメタン(3×10mL)で洗浄した。濾液を真空で濃縮して、残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル80/20)、3−{2−[(4−メトキシフェニル)メトキシ]エチル}−2−メチル−4−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン(18b)(0.561g、1.45mmol、34%)を褐色油状物として得た。
【0374】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.65〜1.71(m、2H)、1.81〜1.88(m、2H)、2.23(t、J=6.4Hz 2H)、2.60(s、3H)、2.71(t、J=7.8Hz、2H)、2.95(t、J=6.4Hz、2H)、3.36(t、J=7.8Hz、2H)、3.83(s、3H)、4.28(s、2H)、6.86(d、J=8.7Hz、2H)、7.04(dd、J=1.7、7.7Hz、2H)、7.13(d、J=8.7Hz、2H)、7.36〜7.46(m、3H)。
MS m/z([M+H]+)388。
【0375】
ステップ3:中間体、2−(2−メチル−4−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル)エタン−1−オール(18c)の調製
3−{2−[(4−メトキシフェニル)メトキシ]エチル}−2−メチル−4−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン(18b)(0.560g、1.45mmol)の無水ジクロロメタン(25mL)中の溶液に、窒素雰囲気下でトリフルオロ酢酸(2.21mL、28.9mmol)を加えた。該混合物を室温で2時間攪拌した。混合物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液でゆっくり中和して(最終pH約8〜9)、ジクロロメタン(50mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(酢酸エチル/メタノール、100/0〜95/5)、2−(2−メチル−4−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル)エタン−1−オール(18c)(0.223g、0.84mmol、58%)をベージュのメレンゲとして得た。
【0376】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.65〜1.72(m、2H)、1.82〜1.88(m、2H)、2.24(t、J=6.4Hz、2H)、2.62(s、3H)、2.69(t、J=7.7Hz、2H)、2.94(t、J=6.4Hz、2H)、3.59(t、J=7.7Hz、2H)、7.11(dd、J=1.5、6.8Hz、2H)、7.38〜7.49(m、3H)。
MS m/z([M+H]+)268。
【0377】
ステップ4:中間体、メチル2−(2−メチル−4−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル)アセテート(18d)の調製
アセトニトリル(4mL)、四塩化炭素(4mL)及び水(6mL)の混合液中の2−(2−メチル−4−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル)エタン−1−オール(18c)(0.187g、0.70mmol)の二相性溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(0.613g、2.87mmol)及び塩化ルテニウム(III)水和物(0.003g、0.015mmol)を加えた。該混合物を室温で45分間激しく攪拌し、水(20mL)で希釈してジクロロメタンで抽出した(2×20mL)。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。この材料をメタノール(7mL)で溶解し、混合物を0℃に冷却して塩化チオニル(0.051mL、0.7mmol)を滴下した。混合物を室温で16時間攪拌しながら濃縮乾固した。残渣を酢酸エチル(20mL)に取り込み、2N水酸化ナトリウム水溶液(20mL)及び水(2×20mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して蒸発乾固した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル70/30)、メチル2−(2−メチル−4−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル)アセテート(18d)(0.050g、0.168mmol、24%)を無色油状物として得た。
【0378】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.67〜1.73(m、2H)、1.84〜1.90(m、2H)、2.30(t、J=6.4Hz、2H)、2.52(s、3H)、2.98(t、J=6.4Hz、2H)、3.40(s、2H)、3.64(s、3H)、7.10(dd、J=1.5、6.7Hz、2H)、7.39〜7.49(m、3H)。
MS m/z([M+H]+)296。
【0379】
ステップ5:中間体メチル2−ヒドロキシ−2−(2−メチル−4−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル)アセテート(18e)の調製
カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(テトラヒドロフラン中の1M溶液、0.84mL、0.84mmol)の無水テトラヒドロフラン(3mL)中の溶液に、−78℃でアルゴン雰囲気下にメチル2−(2−メチル−4−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル)アセテート(18d)(0.165g、0.56mmol)の無水テトラヒドロフラン(2ml)中の溶液を滴下した。溶液を−78℃で30分間攪拌して次にDavis試薬(0.219g、0.84mmol、Davis et al.,J. Org.Chem.1988,53,2087〜2089により調製した)の無水テトラヒドロフラン(3mL)中の溶液を加えた。−78℃で75分後、反応を塩化アンモニウムの飽和溶液(30mL)で停止させて、酢酸エチルで抽出した(2×20mL)。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで脱水して蒸発乾固した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/ジクロロメタン50/50)、メチル2−ヒドロキシ−2−(2−メチル−4−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル)アセテート(18e)(0.130g、0.42mmol、75%)を白色メレンゲとして得た。
【0380】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.63〜1.71(m、2H)、1.79〜1.88(m、2H)、2.25(t、J=6.4Hz、2H)、2.51(s、3H)、2.95(t、J=6.4Hz、2H)、3.09(d、J=2.5Hz、1H)、3.71(s、3H)、5.02(d、J=2.5Hz、1H)、7.12〜7.20(m、2H)、7.36〜7.48(m、3H)。
MS m/z([M+H]+)312。
【0381】
ステップ6:中間体、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−(2−メチル−4−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル)アセテート(18f)の調製
メチル2−ヒドロキシ−2−(2−メチル−4−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル)アセテート(18e)(0.090g、0.29mmol)のtert−ブチルアセテート(3mL)中の溶液に、過塩素酸(0.057mL、0.95mmol)を加えた。該混合物を90分間室温で攪拌した。反応を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(10mL)で停止させて、酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル70/30)、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−(2−メチル−4−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル)アセテート(18f)(90mg、0.24mmol、50%)を黄色油状物として得た。
【0382】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ0.95(s、9H)、1.50〜1.90(m、4H)、2.11(dt、J=17.0、5.7Hz、1H)、2.30〜2.45(m、1H)、2.61(s、3H)、2.95(t、J=5.4Hz、2H)、3.68(s、3H)、4.89(s、1H)、7.11〜7.17(m、1H)、7.24〜7.30(m、1H)、7.39〜7.50(m、3H)。
MS m/z([M+H]+)368。
【0383】
ステップ7:2−(tert−ブトキシ)−2−(2−メチル−4−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル)酢酸の調製
水酸化リチウムの水溶液(2N、0.678mL、1.36mmol)を、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−(2−メチル−4−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル)アセテート(18f)(0.083g、0.23mmol)のメタノール(4mL)中の溶液に加えた。該混合物を70℃で140分間攪拌した。メタノールを真空で蒸発させた。残渣を水(5mL)で希釈してジクロロメタン(5mL)で洗浄した。1M塩酸で水層のpHをおよそ5〜6に調節した。水層を酢酸エチルで抽出した(2×8mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して蒸発乾固し、所望の酸(実施例18)(0.073g、0.021mmol、91%)を白色固体として得た。
【0384】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ0.98(s、9H)、1.51〜1.63(m、1H)、1.70〜1.94(m、3H)、2.13(dt、J=17.0、5.3Hz、1H)、2.39〜2.51(m、1H)、2.63(s、3H)、3.01(t、J=6.4Hz、2H)、4.98(s、1H)、7.16(d、J=6.8Hz、1H)、7.38〜7.55(m、4H)。
MS m/z([M+H]+)354。
MS m/z([M−H]−)352。
【0385】
実施例19:エチル2−(tert−ブトキシ)−2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−5−イル]酢酸の合成
【0386】
【化69】
【0387】
ステップ1:中間体エチル2−(2,4−ジヒドロキシ−3−ニトロフェニル)−2−ヒドロキシアセテート(19a)の調製
2−ニトロレゾルシノール(2.95g、19mmol)及びトルエン中50%のエチルグリオキサレート(4.9mL、24.7mmol)の無水ジクロロメタン(40mL)中の溶液に、0℃で、窒素雰囲気下に塩化チタン(2.5mL、22.8mmol)を滴下した。この黒色混合物を0℃で20分間攪拌し、次に氷(100mL)と水(100mL)の混合物に注いだ。混合物を20分間攪拌して、水層をジクロロメタンで抽出した(2×40mL)。有機層を塩水で洗浄し(50mL)、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル70/30次に50/50)、エチル2−(2,4−ジヒドロキシ−3−ニトロフェニル)−2−ヒドロキシアセテート(19a)(3.64g、14.1mmol、74%)を橙色固体として得た。
【0388】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.24(t、J=7.1Hz、3H)、3.54(d、J=4.5Hz、1H)、4.15〜4.34(m、2H)、5.34(d、J=3.8Hz、1H)、6.66(d、J=8.7Hz、1H)、7.52(d、J=8.7Hz、1H)、10.68(s、1H)、11.11(s、1H)。
MS m/z([M−H]−)256。
【0389】
ステップ2:中間体エチル2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−(2,4−ジヒドロキシ−3−ニトロフェニル)アセテート(19b)の調製
エチル2−(2,4−ジヒドロキシ−3−ニトロフェニル)−2−ヒドロキシアセテート(19a)(2.0g、7.78mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中の溶液に、窒素雰囲気下に0℃でtert−ブチル(クロロ)ジメチルシラン(1.41g、9.33mmol)及びトリエチルアミン(1.30mL、9.33mmol)を加えた。該混合物を室温で2.5時間攪拌し、次に塩化アンモニウムの飽和溶液(100mL)に注いで、水層を酢酸エチルで抽出した(3×60mL)。有機層を塩水で洗浄し(2×50mL)、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、エチル2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−(2,4−ジヒドロキシ−3−ニトロフェニル)アセテート(19b)(1.68g、4.52mmol、58%)を橙色固体として得た。
【0390】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ0.06(s、3H)、0.14(s、3H)、0.90(s、9H)、1.24(t、J=7.1Hz、3H)、4.13〜4.21(m、2H)、5.54(s、1H)、6.68(d、J=8.8Hz、1H)、7.75(d、J=8.8Hz、1H)、10.68(s、1H)、11.03(s、1H)。
MS m/z([M−H]−)370。
【0391】
ステップ3:中間体、エチル2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−(4−ヒドロキシ−2−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−5−イル)アセテート(19c)の調製
エチル2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−(2,4−ジヒドロキシ−3−ニトロフェニル)アセテート(19b)(0.60g、1.62mmol)及びパラジウムチャーコール(60mg)のメタノール(10mL)中の混合物を、室温で水素雰囲気下に40分間攪拌した。次に混合物をミリポアで濾過して濾液を真空で濃縮した。残渣をトリメチルオルトアセテート(6mL)に溶解して1滴の硫酸を加えた。該混合物を室温で終夜攪拌し、真空で濃縮した。水(10mL)を残渣に加えて、水層を酢酸エチルで抽出した(2×15mL)。有機層を塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル80/20)、エチル2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−(4−ヒドロキシ−2−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−5−イル)アセテート(19c)(162mg、0.44mmol、27%)を白色固体として得、エチル2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−(4−ヒドロキシ−2−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−7−イル)アセテート(227mg、0.62mmol、38%)を白色固体として得た。
【0392】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ0.05(s、3H)、0.15(s、3H)、0.92(s、9H)、1.21(t、J=7.2Hz、3H)、2.63(s、3H)、4.10〜4.21(m、2H)、5.46(s、1H)、、6.98(d、J=8.4Hz、1H)、7.21(d、J=8.4Hz、1H)、8.86(broads、1H)。
MS m/z([M+H]+)366。
MS m/z([M−H]−)364。
【0393】
ステップ4:中間体、エチル2−ヒドロキシ−2−(4−ベンジルオキシ−2−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−5−イル)アセテート(19d)の調製
エチル2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−2−(4−ヒドロキシ−2−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−5−イル)アセテート(19c)(123mg、0.34mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(4mL)中の溶液に、窒素雰囲気下で炭酸カリウム(84mg、0.61mmol)及び臭化ベンジル(58μL、0.49mmol)をこの順で加えた。該混合物を室温で1時間攪拌し、次に水(10mL)中に注いで、水層を酢酸エチルで抽出した(3×10mL)。有機層を塩水で洗浄し(2×5mL)、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣を窒素雰囲気下で無水テトラヒドロフランに溶解して、テトラヒドロフラン(0,40mL、0.4mmol)中のフッ化テトラブチルアンモニウムの1M溶液を滴下した。混合物を室温で30分間攪拌して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル70/30)、中間体エチル2−ヒドロキシ−2−(4−ベンジルオキシ−2−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−5−イル)アセテート(19d)(96mg、0.28mmol、83%)を無色油状物として得た。
【0394】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.13(t、J=7.2Hz、3H)、2.63(s、3H)、3.48(d、J=6.0Hz、1H)、4.02〜4.21(m、2H)、5.44(d、J=6.0Hz、1H)、5.75(d、J=11.7Hz、1H)、5.80(d、J=11.7Hz、1H)、7.12(d、J=8.4Hz、1H)、7.21(d、J=8.4Hz、1H)、7.32〜7.41(m、3H)、7.51(d、J=8.1Hz、2H)。
MS m/z([M+H]+)342。
MS m/z([M−H]−)340。
【0395】
ステップ5:中間体、エチル2−(4−ベンジルオキシ−2−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−5−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(19e)の調製
エチル2−ヒドロキシ−2−(4−ベンジルオキシ−2−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−5−イル)アセテート(19d)(96mg、0.28mmol)のtert−ブチルアセテート(4.6mL)中の溶液に、−20℃で過塩素酸(0.6mL)を加えた。該混合物を−20℃で1.25時間攪拌した後、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(10mL)に注いだ。水(15mL)を加えて層分離し、水層を酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、エチル2−(4−ベンジルオキシ−2−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−5−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(19e)(70mg、0.17mmol、62%)を無色油状物として得た。
【0396】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.15(t、J=7.1Hz、3H)、1.17(s、9H)、2.62(s、3H)、4.00〜4.17(m、2H)、5.58(s、1H)、5.69(d、J=11.8Hz、1H)、5.85(d、J=11.8Hz、1H)、7.12(d、J=8.4Hz、1H)、7.30〜7.40(m、3H)、7.49(d、J=8.4Hz、1H)、7.53〜7.55(m、2H)。
MS m/z([M+H]+)398。
MS m/z([M−H]−)396。
【0397】
ステップ6:中間体エチル2−(tert−ブトキシ)−2−(4−ヒドロキシ−2−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−5−イル)アセテート(19f)の調製
エチル2−(4−ベンジルオキシ−2−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−5−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(19e)(80mg、0.20mmol)及びパラジウムチャーコール(13mg)のメタノール(4mL)中の混合物を、室温で水素雰囲気下に1時間攪拌した。該混合物をミリポアで濾過して濾液を真空で濃縮し、中間体エチル2−(tert−ブトキシ)−2−(4−ヒドロキシ−2−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−5−イル)アセテート(19f)(62mg、0.20mmol、100%)を無色油状物として得た。
【0398】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.20(t、J=7.1Hz、3H)、1.27(s、9H)、2.64(s、3H)、4.09〜4.21(m、2H)、5.45(s、1H)、6.98(d、J=8.4Hz、1H)、7.29(d、J=8.4Hz、1H)、9.76(broads、1H)。
MS m/z([M+H]+)308。
MS m/z([M−H]−)306。
【0399】
ステップ7:中間体、エチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−メチル−4−(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ)−1,3−ベンゾオキサゾール−5−イル]アセテート(19g)の調製
エチル2−(tert−ブトキシ)−2−(4−ヒドロキシ−2−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−5−イル)アセテート(19f)(62mg、0.20mmol)、N−フェニル−トリフルオロメタンスルホンイミド(108mg、0.30mmol)及び4−(ジメチルアミノ)ピリジン(2mg、0.016mmol)の無水ジクロロメタン(5mL)中の溶液に、0℃で窒素雰囲気下にトリエチルアミン(56μL、0.40mmol)を加えた。該混合物を室温で4時間攪拌した。N−フェニル−トリフルオロメタンスルホンイミド(54mg、0.15mmol)及びトリエチルアミン(56μL、0.40mmol)を加えて、混合物を終夜攪拌した。水(5mL)を加えて水層をジクロロメタンで抽出した(2×5mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、エチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−メチル−4−(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ)−1,3−ベンゾオキサゾール−5−イル]アセテート(19g)(86mg、0.195mmol、96%)を無色油状物として得た。
【0400】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.18(t、J=7.1Hz、3H)、1.24(s、9H)、2.67(s、3H)、4.04〜4.22(m、2H)、5.48(s、1H)、7.50(d、J=8.4Hz、1H)、7.71(d、J=8.4Hz、1H)。
MS m/z([M+H]+)440。
【0401】
ステップ8:中間体、エチル2−(tert−ブトキシ)−2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−5−イル]アセテート(19h)の調製
エチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−メチル−4−(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ)−1,3−ベンゾオキサゾール−5−イル]アセテート(19g)(86mg、0.195mmol)、炭酸ナトリウム(83mg、0.78mmol)、6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)クロマン(92mg、0.35mmol)及びパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(23mg、0.02mmol)の、トルエン(1.1mL)、水(0.55mL)及びエタノール(0.48mL)の混合液中の溶液を110℃で4時間加熱した。室温に冷却した後、該混合物を水(10mL)中に注いで、水層を酢酸エチルで抽出した(2×5mL)。有機層を塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで、次に分取TLCにより精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、エチル2−(tert−ブトキシ)−2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−5−イル]アセテート(19h)(12mg、0.028mmol、14%)を無色油状物として得た。
【0402】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ1.00(s、9H)、1.21(t、J=7.1Hz、3H)、2.01〜2.10(m、2H)、2.58(s、3H)、2.75〜2.94(m、2H)、4.06〜4.19(m、2H)、4.22〜4.26(m、2H)、5.20(s、1H)、6.91(d、J=8.4Hz、1H)、7.16〜7.20(m、2H)、7.43(d、J=8.6Hz、1H)、7.65(d、J=8.6Hz、1H)。
MS m/z([M+H]+)424。
【0403】
ステップ9:エチル2−(tert−ブトキシ)−2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−5−イル]酢酸の調製
エタノール(3mL)と水(1mL)との混合液中のエチル2−(tert−ブトキシ)−2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2−メチル−1,3−ベンゾオキサゾール−5−イル]アセテート(19h)(12mg、0.028mmol)及び水酸化カリウム(6mg、0.11mmol)の混合物を2時間還流させた。該混合物を真空で濃縮して、水(1mL)を残渣に加えた。水層を1M塩酸でpH3まで酸性化して酢酸エチルで抽出した(2×5mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をペンタン中で粉砕して真空で濃縮し、所望の酸(実施例19)(11mg、0.027mmol、96%)を白色固体として得た。
【0404】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δδ0.99(s、9H)、2.01〜2.06(m、2H)、2.60(s、3H)、2.77〜2.93(m、2H)、4.23(t、J=5.2Hz、2H)、5.30(s、1H)、6.91(d、J=8.4Hz、1H)、7.20〜7.38(broads、2H)、7.41(d、J=8.5Hz、1H)、7.44(d、J=8.5Hz、1H)。
MS m/z([M+H]+)396。
MS m/z([M−H]−)394。
【0405】
実施例20:2−(tert−ブトキシ)−2−[6−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)キノリン−5−イル]酢酸の合成
【0406】
【化70】
【0407】
ステップ1:中間体6−アミノキノリン−5−カルボニトリル(20a)の調製
ニトロキノリン(5g、28.71mmol)を、エチルシアノアセテート(9.74g、86.13mmol)及び水酸化カリウム(4.83g、86.13mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(87mL)中の攪拌されている溶液に加えた。該混合物を室温で22時間攪拌した。次に溶媒を真空で除去して、残渣を、10%塩酸で、3時間還流して加水分解した。混合物を10%水酸化ナトリウム水溶液で塩基性化してクロロホルムで3回抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して減圧下で蒸発した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(ジクロロメタン/メタノール95/5)、6−アミノキノリン−5−カルボニトリル(20a)(3.4g、20.1mmol、70%)を得た。
【0408】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ4.92(broads、2H)、7.14(d、J=9.2Hz、1H)、7.46(dd、J=4.3及び8.4Hz、1H)、8.04(d、J=9.2Hz、1H)、8.22(dd、J=1.6及び8.4Hz、1H)、8.73(dd、J=1.6及び4.3Hz、1H)。
MS m/z([M+H]+)170。
【0409】
ステップ2:中間体6−ブロモキノリン−5−カルボニトリル(20b)の調製
アルゴン下で、臭化銅(1.58g、7.09mmol)を、6−アミノキノリン−5−カルボニトリル(20a)(1g、5.91mmol)のアセトニトリル(25mL)中の溶液に加えた。室温で10分後、亜硝酸tert−ブチル(920μL、7.68mmol)を該混合物に加え、それを60℃で8時間加熱した。混合物を室温でさらに10時間攪拌した。1N塩酸を混合物に加えて、それを4時間攪拌して酢酸エチルで3回抽出した。有機層を1N塩酸、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して減圧下で蒸発し、6−ブロモキノリン−5−カルボニトリル(20b)をベージュの固体(1.34g、5.75mmol、98%)として得た。
【0410】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ7.65(dd、J=4.2及び8.5Hz、1H)、7.94(d、J=9.1Hz、1H)、8.21(d、J=9.1Hz、1H)、8.53(d、J=8.5Hz、1H)、9.05(d、J=4.2Hz、1H)。
MS m/z([M+H]+)233/235。
【0411】
ステップ3:中間体6−ブロモキノリン−5−カルボアルデヒド(20c)の調製
窒素雰囲気下に−10℃で、水素化ジイソブチルアルミニウム(トルエン中1M、11.15mL、11.15mmol)の溶液を6−ブロモキノリン−5−カルボニトリル(20b)のトルエン(105mL)中の溶液にゆっくり加えた。該混合物を−5℃で50分間攪拌した。−5℃で、5%硫酸の溶液を、該混合物に加えて、それを室温で1時間攪拌した。次に混合物を炭酸水素塩の飽和溶液で塩基性化して酢酸エチルで3回抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して減圧下で蒸発した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(ジクロロメタン/メタノール95/5)、6−ブロモキノリン−5−カルボアルデヒド(20c)(900mg、3.81mmol、68%)を得た。
【0412】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ7.58(dd、J=4.2及び8.8Hz、1H)、7.94(d、J=9.0Hz、1H)、8.16(d、J=9.0Hz、1H)、8.98(dd、J=1.6及び4.2Hz、1H)、9.45〜9.48(m、1H)、10.72(s、1H)。
MS m/z([M+H]+)236/238。
【0413】
ステップ4:中間体2−(6−ブロモキノリン−5−イル)−2−[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル(20d)の調製
窒素雰囲気下で、トリメチルシリルシアニド(255μL、2.03mmol)を、0℃で6−ブロモキノリン−5−カルボアルデヒド(20c)(400mg、1.69mmol)及びヨウ化亜鉛(II)(54mg、0.17mmol)のジクロロメタン(33mL)中の溶液に加えた。7時間後、トリメチルシリルシアニド(255μL、2.03mmol)及びヨウ化亜鉛(II)(54mg、0.17mmol)を混合物に加えて、反応を完結させた。さらに15時間攪拌した後、反応を炭酸ナトリウムの飽和水溶液で停止させてジクロロメタンで2回抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して減圧下で蒸発し、2−(6−ブロモキノリン−5−イル)−2−[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル(20d)(529mg、1.58mmol、93%)を得て、それをさらに精製することなく使用した。
MS m/z([M+H]+)335/337。
【0414】
ステップ5:中間体メチル2−(6−ブロモキノリン−5−イル)−2−ヒドロキシアセテート(20e)の調製
37%塩酸(8mL)を、2−(6−ブロモキノリン−5−イル)−2−[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル(20d)(529mg、2.24mmol)の水(2mL)中の溶液に加えた。該混合物を70℃で4時間、50℃で14時間、最後に90℃で2時間加温した。室温でメタノール(11mL)及び37%塩酸(1mL)を混合物に加え、それを90℃で5時間加温した。さらにそれを室温で48時間攪拌した。反応を炭酸ナトリウムの飽和水溶液で停止させた。メタノールを蒸発させて、混合物を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して減圧下で蒸発した。粗材料を分取TLCにより精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル60/40)、メチル2−(6−ブロモキノリン−5−イル)−2−ヒドロキシアセテート(20e)をベージュの粉末(329mg、1.11mmol、49%)として得た。
【0415】
1HNMR(400MHz、DMSO−d6)δδ3.57(s、3H)、6.09(s、1H)、7.59(dd、J=4.2及び8.8Hz、1H)、7.92(d、J=9.1Hz、1H)、7.96(d、J=9.0Hz、1H)、8.69〜8.71(m、1H)、8.93(dd、J=1.6及び4.2Hz、1H)。
MS m/z([M+H]+)296/298。
【0416】
ステップ6:中間体メチル2−[6−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)キノリン−5−イル]−2−ヒドロキシアセテート(20f)の調製
アルゴン雰囲気下に、炭酸ナトリウム(88.6mg、0.84mmol)、水(5mL)、及び2−(6−ブロモキノリン−5−イル)−2−ヒドロキシアセテート(20e)(225mg、0.76mmol)を、6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)クロマン(217mg、0.84mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(15mL)中の溶液に加えた。該溶液をアルゴン下で脱気して、パラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(263mg、0.23mmol)を加えた。混合物を100℃で4時間加熱した。次に混合物を室温で冷却し、水を加えて水層を酢酸エチルで3回抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して減圧下で蒸発した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル95/5〜6/4)、メチル2−[6−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)キノリン−5−イル]−2−ヒドロキシアセテート(20f)(105mg、0.30mmol、39%)を得た。
【0417】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ2.04〜2.10(m、2H)、2.84〜2.87(m、2H)、3.66(s、3H)、4.24〜4.26(m、2H)、5.76(s、1H)、6.88(d、J=8.3Hz、1H)、7.16〜7.23(m、2H)、7.53〜7.58(m、1H)、7.84〜7.90(m、1H)、8.15〜8.19(m、1H)、8.52〜8.57(m、1H)、8.90〜8.92(m、1H)。
MS m/z([M+H]+)350。
【0418】
ステップ7:中間体メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[6−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)キノリン−5−イル]アセテート(20g)の調製
メチル2−[6−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)キノリン−5−イル]−2−ヒドロキシアセテート(20f)(105mg、0.30mmol)のtert−ブチルアセテート(8.6mL)中の懸濁液に、−10℃で過塩素酸(70%、144μL)を加えた。該混合物を0℃で1時間攪拌して室温で1時間さらに加温した。次に混合物を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液でpH8まで塩基性化した。水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して真空で濃縮した。残渣を分取TLCにより精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル60/40)、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[6−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)キノリン−5−イル]アセテート(20g)(30mg、0.07mmol、24%)を得た。
【0419】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ0.94〜0.95(m、9H)、2.07〜2.11(m、2H)、2.79〜2.87(m、2H)、3.67〜3.69(m、3H)、4.26〜4.29(m、2H)、5.60〜5.64(m、1H)、6.89(d、J=8.3Hz、1H)、7.40〜7.75(m、5H)、7.85〜8.08(m、2H)。
MS m/z([M+H]+)406。
【0420】
ステップ8:2−(tert−ブトキシ)−2−[6−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)キノリン−5−イル]酢酸の調製
水酸化カリウム(12mg、0.21mmol)を、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[6−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)キノリン−5−イル]アセテート(20g)(29mg、0.07mmol)のエタノール(0.8mL)と水(1.77mL)との混合液中の溶液に加える。反応混合物を変換が完了するまで85℃に加温した。次にエタノールを濃縮した。水を反応混合物に加えて、それをジクロロメタンで洗浄した。水層を1N塩酸水溶液で酸性化して、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して減圧下で蒸発した。残渣を分取TLCにより精製し(ジクロロメタン/メタノール90/10)、所望の酸(実施例20)(6mg、0.02mmol、21%)を得た。
【0421】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ0.91(s、9H)、2.04〜2.07(m、2H)、2.81〜2.85(m、2H)、4.24〜4.26(m、2H)、5.75(s、1H)、6.88〜7.60(m、5H)、8.05〜8.07(m、1H)、8.70〜8.71(m、1H)、8.84〜8.86(m、1H)。
MS m/z([M+H]+)392。
【0422】
実施例21:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−トリフルオロメチルフェニル]酢酸の合成
【0423】
【化71】
【0424】
ステップ1:中間体1−(2−ブロモ−3−トリフルオロメチルフェニル)エタン−1−オン(21a)の調製
2−ブロモ−3−トリフルオロメチル安息香酸(500mg、1.86mmol)の塩化チオニル(10mL)中の溶液を2時間還流させた。室温に冷却した後、該混合物を真空で濃縮した。トルエン(2×10mL)を加え、混合物を再び濃縮して塩化アシルを得た。カリウムエチルマロネート(664mg、3.9mmol)の無水アセトニトリル(5mL)中の懸濁液に、窒素雰囲気下に0℃でトリエチルアミン(0.83mL、5.94mmol)及び塩化マグネシウム(407mg、4.27mmol)をこの順で加えた。混合物を室温で2.5時間攪拌して再び冷却した後、塩化アシルのアセトニトリル(5mL)中の溶液を滴下した。混合物を室温で終夜攪拌し、0℃で冷却して13%塩酸水溶液(4mL)を加えた。層を分離して、水層を酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。合わせた有機層抽出物を重炭酸ナトリウムの飽和溶液(10mL)、塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。次に残渣を酢酸(3.2mL)、水(2mL)及び硫酸(0.4mL)の混合物中で3時間還流させた。室温に冷却した後、混合物を真空で濃縮した。残渣を氷水に注いで(20mL)、酢酸エチルで抽出した(2×15mL)。有機層を重炭酸ナトリウムの飽和溶液(10mL)、塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して蒸発乾固し、1−(2−ブロモ−3−トリフルオロメチルフェニル)エタン−1−オン(21b)(382mg、1.43mmol、77%)を黄色油状物として得てそれをさらに精製することなく使用した。
【0425】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ2.63(s、3H)、7.45〜7.49(m、2H)、7.76(d、J=8.0Hz、1H)。
【0426】
ステップ2:中間体、メチル2−(2−ブロモ−3−トリフルオロメチルフェニル)−2−ヒドロキシアセテート(21b)の調製
1,4−ジオキサン(5mL)と水(1.5mL)との混合液中の1−(2−ブロモ−3−トリフルオロメチルフェニル)エタン−1−オン(21a)(382mg、1.43mmol)、二酸化セレン(317mg、2.86mmol)及びイッテルビウム(III)トリフルオロメタンスルホネート(89mg、0.143mmol)の混合物を90℃で終夜攪拌した。室温に冷却した後、該混合物をセライト(登録商標)で濾過した。濾液を真空で濃縮した。残渣を酢酸エチル(30mL)に溶解して0.5MのNaOHで洗浄した(3×15mL)。水層を37%塩酸でpH3まで酸性化して、酢酸エチルで抽出した(2×20mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をメタノール(10mL)中で5滴の硫酸の存在下で1時間還流させた。混合物を真空で濃縮した。残渣を酢酸エチル(20mL)に溶解して重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(10mL)、塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して蒸発乾固し、メチル2−(2−ブロモ−3−トリフルオロメチルフェニル)−2−ヒドロキシアセテート(21b)(296mg、1.14mmol、42%)を黄色油状物として得、それをさらに精製することなく使用した。
【0427】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ3.79(s、3H)、5.77(s、1H)、7.45(t、J=8.0Hz、1H)、7.56(d、J=8.0Hz、1H)、7.69(d、J=8.0Hz、1H)。
【0428】
ステップ3:中間体メチル2−(2−ブロモ−3−トリフルオロメチルフェニル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(21c)の調製
メチル2−(2−ブロモ−3−トリフルオロメチルフェニル)−2−ヒドロキシアセテート(21b)(330mg、1.05mmol)のtert−ブチルアセテート(20mL)中の溶液に、−15℃で過塩素酸(3mL)を加えた。該混合物を−15℃で2時間攪拌した後、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液に注いだ(50mL)。層分離して水層を酢酸エチルで抽出した(20mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、メチル2−(2−ブロモ−3−トリフルオロメチルフェニル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(21c)(210mg、0.56mmol、54%)を黄色油状物として得た。
【0429】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.22(s、9H)、3.68(s、3H)、5.82(s、1H)、7.02(t、J=8.0Hz、1H)、7.06(d、J=8.0Hz、1H)、7.37(d、J=8.0Hz、1H)。
【0430】
ステップ4:中間体メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−トリフルオロメチルフェニル]アセテート(21d)の調製
メチル2−(2−ブロモ−3−トリフルオロメチルフェニル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(21c)(137mg、0.37mmol)、炭酸ナトリウム(157mg、1.48mmol)、6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)クロマン(145mg、0.56mmol)及びパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(21mg、0.02mmol)のジオキサン(3mL)及び水(1.5mL)中の混合物を、1時間照射した(200W、80℃)。該混合物を水(10mL)中に注いで、水層を酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。有機層を塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル95/5)、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−トリフルオロメチルフェニル]アセテート(21d)(114mg、0.26mmol、70%)を黄色油状物として得た。
【0431】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.03及び1.05(s、9H)、2.05〜2.08(m、2H)、2.79〜2.83(m、2H)、3.61(s、3H)、4.24〜4.26(m、2H)、4.83及び4.84(s、1H)、6.82〜6.94(m、3H)、7.43〜7.50(m、1H)、7.68(d、J=8.0Hz、1H)、7.87〜7.93(m、1H)。
【0432】
ステップ5:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−トリフルオロメチルフェニル]酢酸の調製
メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−トリフルオロメチルフェニル]アセテート(21d)(114mg、0.27mmol)のテトラヒドロフラン(4mL)及び水(0.3mL)中の溶液に、水酸化ナトリウムの2M溶液(0.16mL、0.33mmol)を加えた。該混合物を室温で終夜攪拌した。補完の水酸化ナトリウム溶液(1mL、2.1mmol)を加えて、攪拌を24時間継続した。次に溶液を一塩基性リン酸ナトリウム溶液で酸性化して酢酸エチルで抽出した(2×5mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣を最初にフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル10/90)、次にアセトニトリルと水の混合物中で粉砕しして、所望の酸(57mg、0.14mmol、52%)を白色固体として得た。
【0433】
1HNMR(400MHz、DMSO−d6)δδ0.95(s、9H)、1.94〜1.97(m、2H)、2.68〜2.74(m、2H)、4.19〜4.21(m、2H)、4.63(s、1H)、6.78〜6.95(m、3H)、7.62(t、J=8.0Hz、1H)、7.74〜7.82(m、2H)、12.65(s、1H)。
MS m/z([M−H]−)407。
【0434】
実施例22:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−メチルフェニル]酢酸の合成
【0435】
【化72】
【0436】
ステップ1:中間体1−(2−ブロモ−6−メチルフェニル)エタン−1−オン(22a)の調製
実施例21のステップ1で記載した手順を使用して、2−ブロモ−6−メチル安息香酸(1g、4.65mmol)を1−(2−ブロモ−6−メチルフェニル)エタン−1−オン(22a)(684mg、3.21mmol、69%)に変換すると橙色油状物となり、それをさらに精製することなく使用した。
【0437】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ2.27(s、3H)、2.55(s、3H)、7.12〜7.14(m、2H)、7.38(d、J=8.0Hz、1H)。
【0438】
ステップ2:中間体メチル2−(2−ブロモ−6−メチルフェニル)−2−ヒドロキシアセテート(22b)の調製
実施例21のステップ2に記載した手順を使用して、1−(2−ブロモ−3−メチルフェニル)エタン−1−オン(22a)(684mg、3.21mmol)を、メチル2−(2−ブロモ−6−メチルフェニル)−2−ヒドロキシアセテート(22b)(757mg、2.92mmol、91%)に変換すると橙色油状物となり、それをさらに精製することなく使用した。
【0439】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ2.39(s、3H)、3.43(broads、1H)、3.79(s、3H)、5.81(s、1H)、7.10(t、J=8.0Hz、1H)、7.14(d、J=8.0Hz、1H)、7.44(d、J=8.0Hz、1H)。
【0440】
ステップ3:中間体メチル2−(2−ブロモ−6−メチルフェニル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(22c)の調製
実施例21のステップ3に記載した手順を使用して、メチル2−(2−ブロモ−6−メチルフェニル)−2−ヒドロキシアセテート(22b)(756mg、2.92mmol)を変換すると、フラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲル(シクロヘキサン/酢酸エチル80/20)で精製後、ベージュの固体としてメチル2−(2−ブロモ−6−メチルフェニル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(22c)(248mg、0.78mmol、27%)が得られた。
【0441】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.22(s、9H)、2.42(s、3H)、3.68(s、3H)、5.82(s、1H)、7.02(t、J=8.0Hz、1H)、7.09(d、J=8.0Hz、1H)、7.40(d、J=8.0Hz、1H)。
【0442】
ステップ4:中間体メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−メチルフェニル]アセテート(22d)の調製
実施例21のステップ4に記載した手順を使用して、メチル2−(2−ブロモ−6−メチルフェニル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(22c)(124mg、0.39mmol)を変換し、フラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製後(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−メチルフェニル]アセテート(22d)(73mg、0.2mmol、64%)を黄色油状物として得た。
【0443】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ0.91(s、9H)、2.03〜2.07(m、2H)、2.41(s、3H)、2.75〜2.85(m、2H)、3.74(s、3H)、4.22〜4.25(m、2H)、5.34(s、1H)、6.82(d、J=8.0Hz、1H)、7.06〜7.20(m、5H)。
【0444】
ステップ5:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−メチルフェニル]酢酸の調製
実施例21のステップ5に記載した手順を使用して、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−メチルフェニル]アセテート(22d)(269mg、0.73mmol)を変換し、フラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで(シクロヘキサン/酢酸エチル10/90)で精製し、アセトニトリルと水の混合液中で再結晶後、2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−メチルフェニル]酢酸(実施例22)を(60mg、0.17mmol、23%)を白色固体として得た。
【0445】
1HNMR(400MHz、DMSO−d6)δδ0.82(s、9H)、1.93〜1.97(m、2H)、2.35(s、3H)、2.68〜2.78(m、2H)、4.18(t、J=5.0Hz、2H)、5.24(s、1H)、6.81(d、J=8.0Hz、1H)、7.00〜7.20(m、5H)。
MS m/z([M−H]−)353。
【0446】
実施例23:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−フェニル−フェニル]酢酸の合成
【0447】
【化73】
【0448】
ステップ1:中間体5−(ベンジルオキシ)−2−ホルミルフェニルトリフルオロメタンスルホネート(23a)の調製
4−(ベンジルオキシ)−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(1g、4.38mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中の溶液に、0℃で窒素雰囲気下にN−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(2.35g、8.76mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(53mg、0.44mmol)及びトリエチルアミン(1.25mL、8.76mmol)を加えた。該混合物を室温で終夜攪拌して水中に注ぎ(100mL)、水層をジクロロメタンで抽出した(2×30mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル40/60)、5−(ベンジルオキシ)−2−ホルミルフェニルトリフルオロメタンスルホネート(23a)(1.47g、4.08mmol、93%)を無色油状物として得た。
【0449】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ5.16(s、2H)、6.95(d、J=1.0Hz、1H)、7.09(dd、J=1.0Hz、J=8.0Hz、1H)、7.33〜7.43(m、5H)、7.95(d、J=8.0Hz、1H)、10.13(s、1H)。
【0450】
ステップ2:中間体4−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ベンズアルデヒド(23b)の調製
トルエン(19mL)、エタノール(8mL)及び水(10mL)の混合液中の5−(ベンジルオキシ)−2−ホルミルフェニルトリフルオロメタンスルホネート(23a)(1.45g、4.02mmol)、炭酸ナトリウム(1.70g、16.08mmol)、6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)クロマン(1.57g、6.04mmol)及びパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(232mg、0.20mmol)の混合物を終夜還流させた。該混合物を水中に注いだ(20mL)。水層を酢酸エチルで抽出した(2×20mL)。有機層を塩水(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル95/5)、メチル4−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ベンズアルデヒド(23b)(1.18g、3.42mmol、85%)を白色固体として得た。
【0451】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ2.03〜2.07(m、2H)、2.84(t、J=8.0Hz、2H)、4.23〜4.26(m、2H)、5.16(s、2H)、6.87(d、J=8.0Hz、1H)、6.95(d、J=1.0Hz、1H)、7.01〜7.04(m、2H)、7.09(dd、J=1.0Hz、J=8.0Hz、1H)、7.35〜7.45(m、5H)、7.99(d、J=8.0Hz、1H)、10.13(s、1H)。
【0452】
ステップ3:中間体2−[4−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)フェニル]−2−[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル(23c)の調製
4−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ベンズアルデヒド(23b)(1.30g、3.43mmol)の無水ジクロロメタン(13mL)中の溶液に、0℃で窒素雰囲気下にヨウ化亜鉛(109mg、0.34mmol)及びトリメチルシリルシアニド(0.54mL、4.29mmol)を順に加えた。該混合物を室温で終夜攪拌した。炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(10mL)を加え、層分離して水層をジクロロメタン(10mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮し、2−[4−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)フェニル]−2−[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル(23c)(1.50g、3.38mmol、98%)を得た。
【0453】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ0.06(s、9H)、2.04〜2.07(m、2H)、2.80〜2.86(m、2H)、4.23〜4.26(m、2H)、5.08(s、2H)、5.42(s、1H)、6.84〜6.86(m、2H)、6.98〜7.05(m、3H)、7.33〜7.44(m、5H)、7.69(d、J=8.0Hz、1H)。
【0454】
ステップ4:中間体メチル2−[4−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)フェニル]−2−ヒドロキシアセテート(23d)の調製
2−[4−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)フェニル]−2−[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル(23c)(4.8g、11.24mmol)を3M塩酸メタノール溶液(37mL、111mmol)中に溶解して10日間攪拌し、3M塩酸メタノール溶液(18mL、54mmol)を毎日加えた。該混合物を真空で濃縮した。残渣をジクロロメタン(50mL)に溶解して、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(30mL)、塩水(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10次に80/20)、メチル2−[4−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)フェニル]−2−ヒドロキシアセテート(23d)(1.39g、3.43mmol、30%)を橙色固体として得た。
【0455】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ2.03〜2.06(m、2H)、2.83(t、J=8.0Hz、2H)、3.71(s,3H)、4.21〜4.24(m、2H)、5.07(s、2H)、5.23(s、1H)、6.83(d、J=8.0Hz、1H)、6.90(d、J=1.0Hz、1H)、6.95(dd、J=1.0Hz、J=8.0Hz、1H)、7.11(s、1H)、7.16(d、J=8.0Hz、1H)、7.25〜7.43(m、6H)。
【0456】
ステップ5:中間体メチル2−[4−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)フェニル]−2−(tert−ブトキシ)アセテート(23e)の調製
メチル2−[4−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)フェニル]−2−ヒドロキシアセテート(23d)(1.36g、3.37mmol)のtert−ブチルアセテート(64mL)中の溶液に、−10℃で過塩素酸(10mL)を加えた。該混合物を−10℃で1時間、次に0℃で1時間攪拌した後、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(200mL)に注いだ。層分離して水層を酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル85/15)、メチル2−[4−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)フェニル]−2−(tert−ブトキシ)アセテート(23e)(467mg、1.01mmol、30%)を無色油状物として得た。
【0457】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ0.98(s、9H)、2.03〜2.07(m、2H)、2.80〜2.85(m、2H)、3.69(s,3H)、4.23〜4.26(m、2H)、5.05(s、2H)、5.14(s、1H)、6.83〜6.86(m、2H)、6.97(dd、J=1.0Hz、J=8.0Hz、1H)、7.07(s、1H)、7.13(d、J=8.0Hz、1H)、7.32〜7.43(m、5H)、7.57(d、J=8.0Hz、1H)。
【0458】
ステップ6:中間体メチル2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−ヒドロキシフェニル]−2−(tert−ブトキシ)アセテート(23f)の調製
メチル2−[4−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)フェニル]−2−(tert−ブトキシ)アセテート(23e)(417mg、0.90mmol)の2−プロパノール(80mL)中の溶液を終夜Pd/Cの存在下で水素化した(H−cube)。次に該溶液を真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル85/15次に75/25)、メチル2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−ヒドロキシフェニル]−2−(tert−ブトキシ)アセテート(23f)(314mg、0.84mmol、94%)を白色発泡体として得た。
【0459】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ δ0.97(s、9H)、2.04〜2.06(m、2H)、2.79〜2.85(m、2H)、3.69(s,3H)、4.23〜4.25(m、2H)、5.12(s、1H)、6.67(d、J=1.0Hz、1H)、6.80(dd、J=1.0Hz、J=8.0Hz、1H)、6.84(d、J=8.0Hz、1H)、7.06(s、1H)、7.11(d、J=8.0Hz、1H)、7.53(d、J=8.0Hz、1H)。
【0460】
ステップ7:中間体メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]フェニル]アセテート(23g)の調製
メチル2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−ヒドロキシフェニル]−2−(tert−ブトキシ)アセテート(23f)(300mg、0.81mmol)の無水ジクロロメタン(4mL)中の混合物に、0℃で窒素雰囲気下にN−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(433mg、1.21mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(10mg、0.08mmol)及びトリエチルアミン(230μL、1.62mmol)を加えた。該混合物を室温で終夜攪拌した。水(10mL)を加えて水層をジクロロメタンで抽出した(2×10mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]フェニル]アセテート(23g)(470mg)を無色油状物として得た。
【0461】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ0.99(s、9H)、2.05〜2.08(m、2H)、2.80〜2.86(m、2H)、3.70(s,3H)、4.24〜4.27(m、2H)、5.17(s、1H)、6.87(d、J=8.0Hz、1H)、7.03〜7.12(m、3H)、7.23(dd、J=1.0Hz、J=8.0Hz、1H)、7.75(d、J=8.0Hz、1H)。
【0462】
ステップ8:中間体メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−フェニル−フェニル]アセテート(23h)の調製
メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]フェニル]アセテート(23g)(110mg、0.21mmol)、炭酸カリウム(116mg、0.86mmol)、フェニルボロン酸(37mg、0.30mmol)及びパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(12mg、0.01mmol)のジオキサン(1.2mL)及び水(0.4mL)中の混合物を1時間照射した(200W、80℃)。該混合物を水(10mL)中に注いで、水層を酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。有機層を塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル:90/10)、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−フェニルフェニル]アセテート(23h)(37mg、0.086mmol、41%)を無色油状物として得た。
【0463】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.03(s、9H)、2.03〜2.10(m、2H)、2.79〜2.89(m、2H)、3.71(s,3H)、4.24〜4.27(m、2H)、5.25(s、1H)、6.88(d、J=8.0Hz、1H)、7.12(s、1H)、7.18(d、J=8.0Hz、1H)、7.33(t、J=8.0Hz、1H)、7.40〜7.46(m、3H)、7.57〜7.62(m、3H)、7.73(d、J=8.0Hz、1H)。
【0464】
ステップ9:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−フェニル−フェニル]酢酸の調製
エタノール(2.1mL)と水(0.8mL)との混合液中のメチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−フェニル−フェニル]アセテート(23h)(34mg、0.077mmol)及び水酸化カリウム(18mg、0.31mmol)の溶液を95℃で24時間攪拌した。水酸化カリウム(10mg、0.18mmol)を加えて該混合物を6時間攪拌した。エタノールを真空で蒸発させて、リン酸一ナトリウムの10%水溶液をpHが酸性になるまで加えた。固体を濾過し、酢酸エチル(5mL)に溶解して、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル10/90)、所望の酸(実施例23)(18mg、0.043mmol、56%)を白色固体として得た。
【0465】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.02(s、9H)、2.05〜2.07(m、2H)、2.80〜2.88(m、2H)、4.25(t、J=4.0Hz、2H)、5.29(s、1H)、6.88(d、J=8.0Hz、1H)、7.34〜7.62(m、10H)。
MS m/z([M+NH4]+)434。
MS m/z([M−H]−)415。
【0466】
実施例24:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル]酢酸の合成
【0467】
【化74】
【0468】
ステップ1:中間体メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル]アセテート(24a)の調製
ジオキサン(1.2mL)と水(0.4mL)との混合液中のメチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]フェニル]アセテート(23g)(110mg、0.21mmol)、炭酸カリウム(116mg、0.86mmol)、1−メチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキソボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(62mg、0.30mmol)及びパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(12mg、0.01mmol)の混合物を1時間照射した(200W、80℃)。該混合物を水(10mL)中に注いで、水層を酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。有機層を塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル:90/10次に50/50)、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル]アセテート(24a)(46mg、0.10mmol、50%)を無色油状物として得た。
【0469】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ1.00(s、9H)、2.05〜2.10(m、2H)、2.79〜2.89(m、2H)、3.69(s,3H)、3.92(s、3H)、4.23〜4.26(m、2H)、5.18(s、1H)、6.86(d、J=8.0Hz、1H)、7.09(s、1H)、7.15(d、J=8.0Hz、1H)、7.31(d、J=1.0Hz、1H)、7.43(dd、J=1.0Hz、J=8.0Hz、1H)、7.60(s、1H)、7.64(d、J=8.0Hz、1H)、7.75(s、1H)。
【0470】
ステップ2:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル]酢酸の調製
エタノール(2.9mL)と水(1.1mL)との混合液中のメチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)フェニル]アセテート(24a)(46mg、0.10mmol)及び水酸化カリウム(24mg、0.42mmol)の溶液を95℃で24時間攪拌した。水酸化カリウム(12mg、0.21mmol)を加えて、混合物を6時間攪拌した。エタノールを真空で蒸発させて、リン酸一ナトリウムの10%水溶液をpHが酸性になるまでを加えた。固体を濾過して酢酸エチル(5mL)に溶解し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル10/90次にジクロロメタン/メタノール90/10)、所望の酸(実施例24)(22mg、0.052mmol、52%)を白色固体として得た。
【0471】
1HNMR(400MHz、DMSO−d6)δδ0.90(s、9H)、1.95〜2.00(m、2H)、2.75〜2.81(m、2H)、3.84(s、3H)、4.18(t、J=4.0Hz、2H)、5.03(s、1H)、6.83(d、J=8.0Hz、1H)、7.13〜7.18(m、2H)、7.36(d、J=1.0Hz、1H)、7.45〜7.52(m、2H)、7.86(s、1H)、8.16(s、1H)。
MS m/z([M+H]+)421。
MS m/z([M−H]−)419。
【0472】
実施例25:2−[4−ベンジル−6−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−オキソ−2,3、4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]−2−(tert−ブトキシ)酢酸の合成
【0473】
【化75】
【0474】
ステップ1:中間体、2−ブロモ−3−シアノ−6−フルオロ安息香酸(25a)の調製
n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、4.4mL、7mmol)の溶液を、ジイソプロピルアミン(1.05mL、7.50mmol)のテトラヒドロフラン(20mL)中の溶液に−78℃で加えた。該溶液を−10℃で15分間加温した。次に該混合物を−78℃で30分間冷却して、2−ブロモ−4−フルオロベンゾニトリル(1g、5.0mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)中の溶液を加えた。−78℃で10分間攪拌した後、注射器を用いて二酸化炭素(気体)で混合物を5分間泡立てた。反応混合物を−78℃で2時間攪拌して、室温で15時間加温した。次に混合物を水で反応停止させ、20分間攪拌した。混合物を水酸化ナトリウム(10%)で3回抽出した。水層を塩酸(6N)で酸性化してジクロロメタンで3回抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して減圧下で蒸発し、2−ブロモ−3−シアノ−6−フルオロ安息香酸(25a)を橙色粉末(700mg、2.87mmol、63%)として得た。
【0475】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ7.26〜7.30(m、1H)、7.78(dd、J=5.4及び8.8Hz、1H)。
MS m/z([M−H]−)242/244。
【0476】
ステップ2:中間体ベンジル({2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル})アミン(25b)の調製
アルゴン雰囲気下0℃で、塩化tert−ブチルジメチルシリル(997mg、6.61mmol)を、2−(ベンジルアミノ)エタン−1−オール(1g、6.61mmol)、ジイソプロピルエチルアミン(1.7mL、9.92mmol)及びN,N−ジメチルアミノピリジン(80.8mg、0.66mmol)のジクロロメタン(20mL)中の溶液に加えた。該反応混合物を室温で6時間攪拌したままにした。次にジエチルエーテル及び水を加えて、水性相をジエチルエーテルで2回抽出した。有機層を塩化アンモニウムの飽和水溶液で2回及び塩水で洗浄して、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(ジクロロメタン/メタノール95/5)、ベンジル({2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル})アミン(25b)(1.17g、4.41mmol、67%)を無色油状物として得た。
【0477】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ0.05(s、6H)、0.89(s、9H)、2.74(t、J=5.3Hz、2H)、3.75(t、J=5.3Hz、2H)、3.82(s、2H),7.24〜7.33(m、5H)。
MS m/z([M+H]+)266。
【0478】
ステップ3:中間体4−ベンジル−6−ブロモ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−カルボニトリル(25e)の調製(3ステップ)
2−ブロモ−3−シアノ−6−フルオロ安息香酸(25a)(993mg、4.07mmol)の塩化チオニル(20mL)中の溶液を85℃で3時間加熱した。該混合物をトルエンと共に2回共沸させた。残渣をテトラヒドロフラン(15mL)中に希釈して、0℃でトリエチルアミン(851μL、6.10mmol)及びベンジル−({2−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]エチル})アミン(25b)(1.08g、4.07mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)中の溶液に加えた。混合物を室温で15時間ゆっくり加温した。水を混合物に加えて、それを酢酸エチルで2回抽出した。有機層を塩化アンモニウムの飽和水溶液で2回及び塩水で洗浄して、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル:85/15)、保護された中間体(25c)(1.76g、3.58mmol、88%)を得た。
【0479】
窒素雰囲気下で、生じた生成物(25c)をジオキサンに溶解して、塩酸(4Minジオキサン、2.5mL、10mmol)により室温で18時間、さらに50℃で2時間処理した。次に溶媒を真空で除去して、残渣を水酸化ナトリウム水溶液(1N)で塩基性化して酢酸エチルで2回抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して減圧下で蒸発した。残渣をシリカゲルで濾過して、粗生成物N−ベンジル−2−ブロモ−3−シアノ−6−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエチル)ベンズアミド(25d)(875mg、2.31mmol、58%)を得た。
MS m/z([M+H]+)377/379。
【0480】
窒素雰囲気下で、0℃で、水素化ナトリウム(60%、鉱油に分散、120.5mg、3.01mmol)を、(25b)(874mg、2.32mmol)のジメチルホルムアミド(11.4mL)中の溶液に加えた。1時間後、該混合物を室温で5時間加温した。次に混合物を水により加水分解して、水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して減圧下で蒸発した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し(ジクロロメタン/酢酸エチル95/5)、4−ベンジル−6−ブロモ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−カルボニトリル(25e)(348mg、0.97mmol、24%)を白色固体として得た。
【0481】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ3.42(t、J=5.6Hz、2H)、4.09(t、J=5.6Hz、2H)、4.86(s、2H)、7.10(d、J=8.4Hz、1H)、7.31〜7.39(m、5H)、7.67(d、J=8.4Hz、1H)。
MS m/z([M+H]+)357/359。
【0482】
ステップ4:中間体、4−ベンジル−6−ブロモ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−カルボアルデヒド(25f)の調製
窒素雰囲気下に−78℃で、水素化ジイソブチルアルミニウム(トルエン中1M、2mL、2mmol)の溶液を、4−ベンジル−6−ブロモ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−カルボニトリル(25e)(210mg、0.59mmol)のジクロロメタン(25mL)中の溶液に滴下した。該混合物を−78℃で1.5時間攪拌した。次に混合物を塩酸(1N)で加水分解して室温で加温した。ジクロロメタンで抽出後、有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して減圧下で蒸発した。残渣を分取TLCにより精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル60/40)、4−ベンジル−6−ブロモ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−カルボアルデヒド(25f)(74mg、0.20mmol、35%)を白色固体として得た。
【0483】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δδ3.43〜3.45(m、2H)、4.09(t、J=5.6Hz、2H)、4.89(s、2H)、7.13(d、J=8.4Hz、1H)、7.24〜7.42(m、5H)、8.01(d、J=8.4Hz、1H)、10.47(s、1H)。
MS m/z([M+H]+)360/362。
【0484】
ステップ5:中間体、2−(4−ベンジル−6−ブロモ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)−2−[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル(25g)の調製
窒素雰囲気下で、トリメチルシリルシアニド(46μL、0.366mmol)を、0℃で4−ベンジル−6−ブロモ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−カルボアルデヒド(25f)(110mg、0.305mmol)及びヨウ化亜鉛(II)(10mg、0.03mmol)のジクロロメタン(5.9mL)中の溶液に加えた。室温で4時間後に、反応を炭酸ナトリウムの飽和水溶液で停止させてジクロロメタンで2回抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して減圧下で蒸発し、2−(4−ベンジル−6−ブロモ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)−2−[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル(25g)(131mg、0.28mmol、93.5%)を得て、それをさらに精製することなく使用した。
【0485】
1HNMR(400MHz、CDCl3) δ0.28(s、9H)、3.29〜3.35(m、1H)、3.46〜3.54(m、1H)、3.98〜4.10(m、2H)、4.84(d、J=14.8Hz、1H)、4.92(d、J=14.8Hz、1H)、5.84(s、1H)、7.11(d、J=8.5Hz、1H)、7.30〜7.41(m、5H)、7.77(d、J=8.5Hz、1H)。
MS m/z([M+H]+)459/461。
【0486】
ステップ6:中間体メチル2−(4−ベンジル−6−ブロモ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)−2−ヒドロキシアセテート(25h)の調製
窒素雰囲気下で、塩化アセチル(406μL、5.70mmol)を−10℃で無水メタノール(0.7mL)に加えた。該混合物を30分間攪拌した。メタノール(0.4mL)とジクロロメタン(0.5mL)との混合液中の2−(4−ベンジル−6−ブロモ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)−2−[(トリメチルシリル)オキシ]アセトニトリル(25g)の溶液を、上記の混合物に加えて、それを0℃で4時間、次に室温でさらに2時間攪拌した。濃縮した後、混合物を炭酸ナトリウムの飽和水溶液で反応停止させてジクロロメタンで2回抽出した。有機層を水酸化ナトリウム水溶液(1N)及び塩水で洗浄して、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して減圧下で蒸発した。残渣を分取TLCにより精製し(ジクロロメタン/メタノール98/2)、メチル2−(4−ベンジル−6−ブロモ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)−2−ヒドロキシアセテート(25h)(52mg、0.12mmol、43%)を得た。
【0487】
1HNMR(400MHz、CDCl3) δ3.33〜3.50(m、1H)、3.51〜3.60(m、1H)、3.79(s、3H)、3.97〜4.01(m、2H)、4.88(s、2H)、5.71〜5.72(m、1H)、7.03(d、J=8.4Hz、1H)、7.31〜7.43(m、6H)。
MS m/z([M+H]+)420/422。
【0488】
ステップ7:中間体メチル2−(4−ベンジル−6−ブロモ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(25i)の調製
メチル2−(4−ベンジル−6−ブロモ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)−2−ヒドロキシアセテート(25h)(52mg、0.12mmol)のtert−ブチルアセテート(737μL)中の懸濁液に、−10℃で過塩素酸(70%、22μL)を加えた。該混合物を−10℃で1時間攪拌した。次に混合物を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液でpH8まで塩基性化した。水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して真空で濃縮した。残渣を分取TLCにより精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル60/40)、メチル2−(4−ベンジル−6−ブロモ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(25i)(49mg、0.10mmol、83%)を白色固体として得た。
【0489】
1HNMR(400MHz、CDCl3) δ1.24(s、9H)、3.30〜3.48(m、2H)、3.70(s、3H)、3.96〜4.01(m、2H)、4.82〜4.91(m、2H)、5.58(s、1H)、7.03〜7.05(d、J=8.5Hz、1H)、7.31〜7.41(m、5H)、7.71〜7.73(d、J=8.5Hz、1H)。
MS m/z([M+H]+)476/478。
【0490】
ステップ8:中間体メチル2−[4−ベンジル−6−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]−2−(tert−ブトキシ)アセテート(25j)の調製
アルゴン雰囲気下で、メチル2−(4−ベンジル−6−ブロモ−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(25i)(49mg、0.10mmol)、6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)クロマン(28.1mg、0.11mmol)及び炭酸ナトリウム(11.4mg、0.11mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド/H2O(2.3mL/0.7mL)に溶解した。該溶液をアルゴン下で脱気して、パラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(24mg、0.02mmol)を加えた。混合物を100℃で16時間加熱した。次に混合物を室温で冷却し、水を加えて水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して減圧下で蒸発した。残渣を分取TLCにより精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル60/40)、メチル2−[4−ベンジル−6−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]−2−(tert−ブトキシ)アセテート(25j)(20mg、0.04mmol、36%)を得た。
【0491】
1HNMR(400MHz、CDCl3) δ0.98及び1.01(s、9H)、2.02〜2.11(m、2H)、2.69〜2.93(m、2H)、3.28〜3.61(m、2H)、3.63及び3.66(s、3H)、4.00〜4.17(m、2H)、4.22〜4.26(m、2H)、4.51〜4.58(m、1H)、4.80〜4.86(m、1H)、5.07及び5.08(s、1H)、6.81〜6.84(m、1H)、6.88(d、J=8.5Hz、1H)、7.03(d、J=8.1Hz、1H)、7.16〜7.21(m、1H)、7.22〜7.34(m、5H)、7.70(dd、J=8.6及び9.7Hz、1H)。
MS m/z([M+H]+)530。
【0492】
ステップ9:2−[4−ベンジル−6−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]−2−(tert−ブトキシ)酢酸の調製
メチル2−[4−ベンジル−6−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−5−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−ベンゾオキサゼピン−7−イル]−2−(tert−ブトキシ)アセテート(25j)(20mg、0.04mmol)及び水酸化カリウム(4.2mg、0.08mmol)のエタノール/水(0.45mL/1mL)中の溶液を、85℃に5時間加温した。エタノールを蒸発させて水を反応混合物に加え、それをジクロロメタンで洗浄した。水層を1N塩酸水溶液でpH2まで酸性化して、ジクロロメタンで3回抽出した。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して減圧下で蒸発し、所望の酸(実施例25)(13mg、0.02mmol、65%)を白色粉末として得た。
【0493】
1HNMR(400MHz、CDCl3) δ1.03及び1.07(s、9H)、2.01〜2.09(m、2H)、2.69〜2.91(m、2H)、3.32〜3.56(m、2H)、4.02〜4.17(m、2H)、4.22〜4.25(m、2H)、4.48〜4.56(m、1H)、4.81〜4.89(m、1H)、5.07及び5.08(s、1H)、6.78〜6.89(m、2H)、7.03(d、J=8.4Hz、1H)、7.20〜7.37(m、6H)、7.50(d、J=8.4Hz、1H)。
MS m/z([M−H]−)514。
【0494】
実施例26:2−(tert−ブトキシ)−2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル]酢酸の合成
【0495】
【化76】
【0496】
ステップ1:中間体(2E)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イルメチリデン)シクロヘキサン−1−オン(26a)の調製
クロマン−6−カルボアルデヒド(0.865g、5.33mmol)を、ジメチルアンモニウムジメチルカルバメート(DIMCARB、3mL)に室温で攪拌しながら加えた。ガスが発生した。該溶液を50℃に加熱して、シクロヘキサノン(1.10mL、10.67mmol)を一度に加えた。50℃で4時間後、反応混合物を0.5M硫酸(30mL)で酸性化してジクロロメタンで抽出した(3×30mL)。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで脱水して蒸発乾固した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/ジエチルエーテル:90/10〜80/20)、(2E)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イルメチリデン)シクロヘキサン−1−オン(26a)(1.05g、4.37mmol、82%)を黄色固体として得た。
【0497】
1HNMR(300MHz、CDCl3) δ1.73〜1.81(m、2H)、1.87〜1.95(m、2H)、1.98〜2.06(m、2H)、2.51(t、J=6.7Hz、2H)、2.75〜2.88(m、4H)、4.21(t、J=5.2Hz、2H)、6.79(d、J=8.5Hz、1H)、7.13(d、J=1.7Hz、1H)、7.20(dd、J=1.7、8.5Hz、1H)、7.46(s、1H)。
MS m/z([M+H]+)243。
【0498】
ステップ2:中間体N−[(2E)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イルメチリデン)シクロヘキシリデン]ヒドロキシルアミン(26b)の調製
(2E)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イルメチリデン)シクロヘキサン−1−オン(26a)(1.92g、7.92mmol)をエタノール(10mL)中に溶解し、続いてヒドロキシルアミン塩酸塩(1.10g、15.83mmol)を添加した。反応混合物を加熱して還流させ、10N水酸化ナトリウム(1.0mL)を滴下して、還流を2時間30分継続した。反応中に生成した沈殿を濾過により除去した。濾液を蒸発させ、残渣を酢酸エチル(80mL)に取り込み、水で洗浄した(2×100mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水し、蒸発乾固して、N−[(2E)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イルメチリデン)シクロヘキシリデン]ヒドロキシルアミン(26b)(1.83g、7.11mmol、90%)を白色固体として得た。
【0499】
1HNMR(300MHz、CDCl3) δ1.58〜1.76(m、4H)、1.95〜2.06(m、2H)、2.59〜2.70(m、4H)、2.77(t、J=6.5Hz、2H)、4.19(t、J=5.2Hz、2H)、6.72〜6.83(m、2H)、7.00(s、1H)、7.06(dd、J=1.9、8.4Hz、1H)。
MS m/z([M+H]+)258。
【0500】
ステップ3:中間体4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−{2−[(4−メトキシフェニル)メトキシ]エチル}−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン(26c)の調製
実施例18のステップ2に記載した手順を使用して、1−メトキシ−4−[(ペンタ−3−イン−1−イルオキシ)メチル]ベンゼン(18a)(1.50g、7.34mmol)及びN−[(2E)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イルメチリデン)シクロヘキシリデン]ヒドロキシルアミン(26b)(1.72g、6.67mmol)の混合物を、4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−{2−[(4−メトキシフェニル)メトキシ]エチル}−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン(26c)(0.932g、2.10mmol、31%)に誘導して、褐色油状物として得た。
【0501】
1HNMR(400MHz、CDCl3) δ1.60〜1.70(m、2H)、1.76〜1.85(m、2H)、1.98〜2.08(m、2H)、2.23(t、J=6.3Hz、2H)、2.57(s、3H)、2.66〜2.79(m、4H)、2.91(t、J=6.3Hz、2H)、3.28〜3.38(m、2H)、3.80(s、3H)、4.22(t、J=5.1Hz、2H)、4.28(s、2H)、6.64(d、J=1.7Hz、1H)、6.68(dd、J=1.7、8.2Hz、2H)、6.80(d、J=8.2Hz、1H)、6.83(d、J=8.6Hz、2H)、7.12(d、J=8.6Hz、2H)。
MS m/z([M+H]+)444。
【0502】
ステップ4:中間体2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル]エタン−1−オール(26d)の調製
実施例18のステップ3に記載した手順を使用して、中間体4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−{2−[(4−メトキシフェニル)メトキシ]エチル}−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン(26c)(0.907g、2.04mmol)を変換し、フラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製(ジクロロメタン/メタノール100/0〜90/10)した後、2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル]エタン−1−オール(26d)(0.662g、2.04mmol、100%)をベージュのメレンゲとして得た。
【0503】
1HNMR(400MHz、CDCl3) δ1.65〜1.74(m、2H)、1.79〜1.88(m、2H)、2.01〜2.11(m、2H)、2.31(t、J=6.3Hz、2H)、2.70〜2.85(m、7H)、3.11(t、J=6.2Hz、2H)、3.57(t、J=7.0Hz、2H)、4.24(t、J=5.3Hz、2H)、6.72(d、J=2.0Hz、1H)、6.76(dd、J=2.0、8.2Hz、1H)、6.87(d、J=8.2Hz、1H)。
MS m/z([M+H]+)324。
【0504】
ステップ5:中間体、メチル2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル]アセテート(26e)の調製
2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル]エタン−1−オール(26d)(0.665g、2.06mmol)及びN−メチルモルホリンN−オキシド(NMO)一水和物(2.78g、20.56mmol)をアセトニトリル(7.5mL)に溶解した。テトラn−プロピルアンモニウム過ルテニウム酸塩(TPAP、0.072g、0.204mmol)を加えて、混合物を室温で40分間攪拌した。反応を過剰の2−プロパノール(3mL)で停止させて真空で濃縮した。水(10mL)を加えて、pHを1N塩酸溶液の添加により4〜5に調節した。水性相を酢酸エチル(2×30mL)、ジクロロメタン(2×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。この材料をメタノールに溶解し(15mL)、混合物を0℃に冷却して塩化チオニル(0.365mL、5.01mmol)を滴下した。混合物を室温で16時間攪拌したままにして濃縮し乾燥させた。残渣を酢酸エチル(30mL)に取り込み、2N水酸化ナトリウム水溶液(20mL)及び水(2×20mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して蒸発乾固した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル70/30)、メチル2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル]アセテート(26e)(0.232g、0.660mmol、32%)をベージュの固体として得た。
【0505】
1HNMR(300MHz、CDCl3) δ1.62〜1.73(m、2H)、1.77〜1.89(m、2H)、1.98〜2.10(m、2H)、2.31(t、J=6.2Hz、2H)、2.49(s、3H)、2.77(td、J=2.2、6.4Hz、2H)、2.96(t、J=6.4Hz、2H)、3.41(s、2H)、3.62(s、3H)、4.22(t、J=5.2Hz、2H)、6.71(d、J=2.0Hz、1H)、6.75(dd、J=2.0、8.2Hz、1H)、6.82(d、J=8.2Hz、1H)。
MS m/z([M+H]+)352。
【0506】
ステップ6:中間体、メチル2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル]−2−ヒドロキシアセテート(26f)の調製
実施例18のステップ5に記載した手順を使用して、中間体メチル2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル]アセテート(26e)(0.216g、0.61mmol)を変換し、フラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製(シクロヘキサン/酢酸エチル50/50)した後、メチル2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル]−2−ヒドロキシアセテート(26f)(0.221g、0.60mmol、98%)を、黄色油状物として得る。
【0507】
1HNMR(300MHz、CDCl3) δ1.63〜1.76(m、2H)、1.78〜1.90(m、2H)、2.00〜2.11(m、2H)、2.31(t、J=6.2Hz、2H)、2.52及び2.54(s、3H)、2.75〜3.84(m、2H)、2.94〜3.04(m、2H)、3.09及び3.13(d、J=2.4Hz、1H)、3.70及び3.71(s、3H)、4.23(t、J=5.2Hz、2H)、5.09〜5.15(m、1H)、6.79〜6.86(m、3H)。
MS m/z([M+H]+)368。
【0508】
ステップ7:中間体メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル]アセテート(26g)の調製
実施例18のステップ6に記載した手順を使用して、中間体メチル2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル]−2−ヒドロキシアセテート(26f)(0.221g、0.60mmol)を変換し、フラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製(シクロヘキサン/酢酸エチル80/20)した後、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル]アセテート(26g)(0.140g、0.60mmol、55%)を無色油状物として得る。
【0509】
1HNMR(400MHz、CDCl3) δ0.98(s、9H)、1.46〜1.94(m、4H)、1.98〜2.28(m、3H)、2.34〜2.49(m、1H)、2.64(broads、3H)、2.70〜2.87(m、2H)、2.93〜3.05(m、2H)、3.67及び3.69(s、3H)、4.24(t、J=5.1Hz、2H)、4.96及び4.97(s、1H)、6.75〜6.98(m、3H)。
MS m/z([M+H]+)424。
【0510】
ステップ8:2−(tert−ブトキシ)−2−[4−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル]酢酸の調製
実施例18のステップ7に記載した手順を使用して、中間体メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル]アセテート(26g)(0.140g、0.33mmol)を変換し、2−(tert−ブトキシ)−2−[4−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−イル]酢酸(実施例26)(0.082g、0.20mmol、60%)を黄色油状物として得る。
【0511】
1HNMR(400MHz、CDCl3) δ0.99(s、9H)、1.51〜1.63(m、1H)、1.70〜1.93(m、3H)、1.99〜2.10(m、2H)、2.13〜2.26(m、1H)、2.41〜2.53(m、1H)、2.64及び2.65(s、3H)、2.69〜2.88(m、2H)、2.98〜3.08(m、2H)、4.24(t、J=5.1Hz、2H)、5.04及び5.05(s、1H)、6.77〜6.90(m、2H)、7.20及び7.22(broads、1H)。
MS m/z([M+H]+)410。
MS m/z([M−H]−)408。
【0512】
実施例27:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3,6−ジメチルフェニル]酢酸の合成
【0513】
【化77】
【0514】
ステップ1:中間体、3,6−ジメチル−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(27a)の調製
2,5−ジメチルフェノール(7.0g、57.3mmol)のアセトニトリル(250mL)中の溶液に、トリエチルアミン(30.1mL、0.212mol)及び塩化マグネシウム(8.17g、86mmol)を加えた。該混合物を室温で15分間攪拌した後、パラホルムアルデヒド(11.5g、0.38mol)を加えた。混合物を80℃で20時間加熱した。アセトニトリルを蒸発真空により除去して、残渣に10%塩酸溶液を加えた。混合物を室温で30分間攪拌して、ジクロロメタンで抽出した(2×40mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(ジクロロメタン)、3,6−ジメチル−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(27a)(3.56g、23.7mmol、42%)を得た。
【0515】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ 2.21(s、3H)、2.57(s、3H)、6.62(d、J=8.0Hz、1H)、7.24(d、J=8.0Hz、1H)、10.30(s、1H)、12.18(s、1H)。
【0516】
ステップ2:中間体、2−ホルミル−3,6−ジメチルフェニルトリフルオロメタンスルホネート(27b)の調製
3,6−ジメチル−2−ヒドロキシベンズアルデヒド(27a)(1.0g、6.6mmol)の無水ジクロロメタン(30mL)中の混合物に、0℃で窒素雰囲気下にN−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(3.56g、9.9mmol)、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(80mg、0.66mmol)及びトリエチルアミン(1.9mL、13.2mmol)を加えた。該混合物を室温で5時間攪拌した。水(30mL)を加えて水層をジクロロメタンで抽出し(2×20mL)、有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/ジクロロメタン50/50)、2−ホルミル−3,6−ジメチルフェニルトリフルオロメタンスルホネート(27b)(1.66g、5.88mmol、89%)を得た。
【0517】
1HNMR(400MHz、CDCl3) δ2.42(s、3H)、2.60(s、3H)、7.21(d、J=8.0Hz、1H)、7.41(d、J=8.0Hz、1H)、10.41(s、1H)。
【0518】
ステップ3:中間体、2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3,6−ジメチルベンズアルデヒド(27c)の調製
トルエン(3mL)、エタノール(1mL)及び水(1.5mL)の混合液中の、2−ホルミル−3,6−ジメチルフェニルトリフルオロメタンスルホネート(27b)(300mg、1.06mmol)、炭酸ナトリウム(449mg、4.2mmol)、6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)クロマン(359mg、1.38mmol)及びパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(62mg、0.053mmol)の混合物を1時間照射した(200W、80℃)。混合物を水(10mL)中に注いで、水層を酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。有機層を塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル95/5)、2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3,6−ジメチルベンズアルデヒド(27c)(160mg、0.60mmol、57%)を黄色油状物として得た。
【0519】
1HNMR(400MHz、CDCl3) δ1.98〜2.05(m、2H)、2.10(s、3H)、2.58(s、3H)、2.78〜2.82(m、2H)、4.20〜4.24(m、2H)、6.83〜6.90(m、3H)、7.14(d、J=8.0Hz、1H)、7.31(d、J=8.0Hz、1H)、9.80(s、1H)。
【0520】
ステップ4:中間体2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3,6−ジメチルフェニル]−2−ヒドロキシアセトニトリル(27d)の調製
2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3,6−ジメチルベンズアルデヒド(27c)(800mg、3.00mmol)の無水ジクロロメタン(10mL)中の溶液に、0℃で窒素雰囲気下にヨウ化亜鉛(96mg、0.30mmol)及びトリメチルシリルシアニド(372mg、3.75mmol)を順に加えた。混合物を室温で終夜攪拌した。炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(10mL)を加え、層分離して水層をジクロロメタンで抽出した(10mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をメタノール(4mL)中の3N塩酸に溶解して終夜室温で攪拌し、次に真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル80/20)、2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3,6−ジメチルフェニル]−2−ヒドロキシアセトニトリル(27d)(700mg、2.38mmol、79%)を黄色油状物として得た。
【0521】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ2.00(s、3H)、2.02〜2.06(m、2H)、2.63及び2.65(s、3H)、2.78〜2.82(m、2H)、4.23〜4.26(m、2H)、5.56(d、J=1.0Hz、1H)、6.80〜6.88(m、3H)、7.15(d、J=8.0Hz、1H)、7.19(d、J=8.0Hz、1H)。
【0522】
ステップ5:中間体、メチル2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3,6−ジメチルフェニル]−2−ヒドロキシアセテート(27e)の調製
2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3,6−ジメチルフェニル]−2−ヒドロキシアセトニトリル(27d)(700mg、2.39mmol)の12N塩酸(10mL)中の溶液を、80℃で16時間加熱した。該混合物をジクロロメタンで抽出し(2×10mL)、有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をメタノール(20mL)に溶解し、硫酸(0.5mL)を加えて混合物を16時間還流させた。メタノールを真空で蒸発させた。残渣をジクロロメタン(20mL)に溶解して、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(20mL)、塩水(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル80/20)、メチル2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3,6−ジメチルフェニル]−2−ヒドロキシアセテート(27e)(160mg、0.49mmol、20%)を褐色固体として得た。
【0523】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ1.99(s、3H)、2.02〜2.06(m、2H)、2.29及び2.31(s、3H)、2.78〜2.80(m、2H)、3.70及び3.71(s、3H)、4.21〜4.25(m、2H)、5.18(d、J=1.0Hz、1H)、6.82〜6.90(m、3H)、7.06(d、J=8.0Hz、1H)、7.13(d、J=8.0Hz、1H)。
【0524】
ステップ6:中間体、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3,6−ジメチルフェニル]アセテート(27f)の調製
メチル2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3,6−ジメチルフェニル]−2−ヒドロキシアセテート(27e)(160mg、0.49mmol)のtert−ブチルアセテート(10mL)中の溶液に、−15℃で過塩素酸(1.45mL)を加えた。該混合物を−15℃で2時間攪拌した後、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液に注いだ(30mL)。層分離して水層を酢酸エチルで抽出した(20mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル97/3次に(90/10))、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3,6−ジメチルフェニル]アセテート(27f)(16mg、0.042mmol、8%)を得た。
【0525】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ0.99(s、9H)、1.98及び1.99(s、3H)、2.02〜2.08(m、2H)、2.40(s、3H)、2.75〜2.82(m、2H)、3.65及び3.67(s、3H)、4.24〜4.26(m、2H)、5.05及び5.07(s、1H)、6.79〜6.90(m、2H)、6.97〜7.04(m、2H)、7.08(d、J=8.0Hz、1H)。
【0526】
ステップ7:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3,6−ジメチルフェニル]酢酸の調製
テトラヒドロフラン(2mL)、メタノール(0.7mL)、水(2mL)及び1M水酸化リチウム溶液(0.44mL、0.44mmol)の混合液中の、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3,6−ジメチルフェニル]アセテート(27f)(16mg、0.042mmol)の溶液を60℃で20時間攪拌した。2M塩酸をpH3になるまで加えた。固体を濾過して水で洗浄し、所望の酸(13mg、0.035mmol、84%)を黄色固体として得た。
【0527】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ1.00(s、9H)、2.00〜2.05(m、5H)、2.36(s、3H)、2.75〜2.85(m、2H)、4.22〜4.24(m、2H)、5.19(s、1H)、6.79〜6.90(m、2H)、7.03(d、J=8.0Hz、1H)、7.11(d、J=8.0Hz、1H)、7.18(s、1H)。
MS m/z([M−H]−)367。
【0528】
実施例28:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]酢酸の合成
【0529】
【化78】
【0530】
ステップ1:中間体、メチル2−ブロモ−3−メチルベンゾエート(28a)の調製
2−ブロモ−3−メチル安息香酸(5g、23.2mmol)及び硫酸(0.5mL)の無水メタノール(100mL)中の混合物を20時間還流し、次に真空で濃縮した。残渣をジクロロメタン(50mL)に溶解して、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮し、メチル2−ブロモ−3−メチルベンゾエート(28a)(4.43g、19.3mmol、83%)を得た。
【0531】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ2.46(s、3H)、3.93(s、3H)、7.24(t、J=8.0Hz、1H)、7.34(dd、J=1.0Hz、J=8.0Hz、1H)、7.46(dd、J=1.0Hz、J=8.0Hz、1H)。
【0532】
ステップ2:中間体、メチル2−ブロモ−3−ホルミルベンゾエート(28b)の調製
メチル2−ブロモ−3−メチルベンゾエート(28a)(3.35g、15.0mmol)の四塩化炭素(35mL)中の溶液に、N−ブロモスクシンイミド(5.20g、29mmol)及び過酸化ベンゾイル(363mg、1.5mmol)を加えた。該混合物を15分間脱気して終夜還流させた。混合物を濾過して、濾液を真空で濃縮した。残渣を40%ジエチルアミン(46mL)に溶解して60℃で15分間照射した(200W)。溶液をジクロロメタンで抽出した(2×30mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮し、メチル2−ブロモ−3−ホルミルベンゾエート(28b)(2.12g、8.72mmol、58%)を白色固体として得た。
【0533】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ3.97(s、3H)、7.49(t、J=8.0Hz、1H)、7.89(dd、J=1.0Hz、J=8.0Hz、1H)、8.00(dd、J=1.0Hz、J=8.0Hz、1H)、10.49(s、1H)。
【0534】
ステップ3:中間体、メチル2−ブロモ−3−{シアノ[(トリメチルシリル)オキシ]メチル}ベンゾエート(28c)の調製
メチル2−ブロモ−3−ホルミルベンゾエート(28b)(1.39g、5.7mmol)の無水ジクロロメタン(13mL)中の溶液に、0℃で窒素雰囲気下にヨウ化亜鉛(181mg、0.57mmol)及びトリメチルシリルシアニド(0.89mL、7.13mmol)を順に加えた。該混合物を室温で終夜攪拌した。炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(10mL)を加え、層分離して水層をジクロロメタン(10mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮して、メチル2−ブロモ−3−{シアノ[(トリメチルシリル)オキシ]メチル}ベンゾエート(28c)(1.84g、5.37mmol、94%)を得た。
【0535】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ0.27(s、9H)、3.95(s、3H)、5.86(s、1H)、7.48(t、J=8.0Hz、1H)、7.73(dd、J=1.0Hz、J=8.0Hz、1H)、7.86(dd、J=1.0Hz、J=8.0Hz、1H)。
【0536】
ステップ4:中間体、メチル2−ブロモ−3−(1−ヒドロキシ−2−メトキシ−2−オキソエチル)ベンゾエート(28d)の調製
メチル2−ブロモ−3−{シアノ[(トリメチルシリル)オキシ]メチル}ベンゾエート(28c)(1.8g、5.3mmol)を、メタノール中の3M塩酸溶液(35mL、105mmol)に溶解して室温で2日間攪拌した。メタノール中の3M塩酸溶液(18mL、54mmol)を、反応が完結するまで毎日加えた(10日)。混合物を真空で濃縮した。残渣をジクロロメタン(50mL)に溶解して、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(30mL)、塩水(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル75/25次に60/40)、メチル2−ブロモ−3−(1−ヒドロキシ−2−メトキシ−2−オキソエチル)ベンゾエート(28d)(1.12g、3.69mmol、70%)を黄色油状物として得た。
【0537】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ3.77(s、3H)、3.95(s、3H)、5.73(s、1H)、7.37(t、J=8.0Hz、1H)、7.51(dd、J=1.0Hz、J=8.0Hz、1H)、7.62(dd、J=1.0Hz、J=8.0Hz、1H)。
【0538】
ステップ5:中間体、メチル2−ブロモ−3−[1−(tert−ブトキシ)−2−メトキシ−2−オキソエチル]ベンゾエート(28e)の調製
メチル2−ブロモ−3−(1−ヒドロキシ−2−メトキシ−2−オキソエチル)ベンゾエート(28d)(1.70g、5.61mmol)のtert−ブチルアセテート(107mL)中の溶液に、−10℃で過塩素酸(17mL)を加えた。該混合物を−10℃で1時間、次に0℃で1時間攪拌した後、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(200mL)に注いだ。層分離して水層を酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル80/20次に65/35)、メチル2−ブロモ−3−[1−(tert−ブトキシ)−2−メトキシ−2−オキソエチル]ベンゾエート(28e)(1.43g、3.98mmol、71%)を無色油状物として得た。
【0539】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ1.22(s、9H)、3.68(s、3H)、3.93(s、3H)、5.60(s、1H)、7.38(t、J=8.0Hz、1H)、7.60(dd、J=1.0Hz、J=8.0Hz、1H)、7.80(dd、J=1.0Hz、J=8.0Hz、1H)。
【0540】
ステップ6:中間体、メチル3−[1−(tert−ブトキシ)−2−メトキシ−2−オキソエチル]−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ベンゾエート(28f)の調製
メチル2−ブロモ−3−[1−(tert−ブトキシ)−2−メトキシ−2−オキソエチル]ベンゾエート(28e)(300mg、0.835mmol)、炭酸ナトリウム(354mg、3.54mmol)、6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)クロマン(304mg、1.17mmol)及びパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(48mg、0.041mmol)のジオキサン(3.6mL)及び水(1.4mL)中の混合物を3×1時間照射した(200W、80℃)。混合物を水(10mL)中に注いで、水層を酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。有機層を塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、メチル3−[1−(tert−ブトキシ)−2−メトキシ−2−オキソエチル]−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ベンゾエート(28f)(339mg、0.821mmol、98%)を黄色油状物として得た。
【0541】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ1.00(s、9H)、1.95〜2.10(m、2H)、2.60〜2.85(m、2H)、3.59及び3.60(s、3H)、3.62及び3.64(s、3H)、4.22〜4.25(m、2H)、4.98及び5.01(s、1H)、6.78〜6.88(m、2H)、6.97〜7.08(m、1H)、7.38〜7.43(m、1H)、7.72(d、J=8.0Hz、1H)、7.80〜87(m、1H)。
【0542】
ステップ7:中間体2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−(メトキシカルボニル)フェニル]酢酸(28g)の調製
メチル3−[1−(tert−ブトキシ)−2−メトキシ−2−オキソエチル]−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)ベンゾエート(28f)(200mg、0.48mmol)のテトラヒドロフラン(6mL)及び水(2mL)中の溶液に、1M水酸化リチウム水溶液(0.67mL、0.67mmol)を加えた。混合物を室温で4時間攪拌した。1M塩酸(1.2mL、1.2mmol)及び塩水(10mL)を加えて、水層を酢酸エチルで抽出した(2×5mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル30/70)、2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−(メトキシカルボニル)フェニル]酢酸(28g)(172mg、0.43mmol、89%)を黄色油状物として得た。
【0543】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ1.00及び1.01(s、9H)、1.95〜2.08(m、2H)、2.74〜2.86(m、2H)、3.57及び3.59(s、3H)、4.23〜4.25(m、2H)、5.06及び5.09(s、1H)、6.75〜6.88(m、2H)、7.28〜7.42(m、2H)、7.58〜7.60(m、1H)、7.72〜7.74(m、1H)。
【0544】
ステップ8:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]酢酸の調製
2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−(メトキシカルボニル)フェニル]酢酸(28g)(270mg、0.677mmol)の無水テトラヒドロフラン(20mL)中の溶液に、1滴のシクロヘキシルアミンの存在下0℃で窒素雰囲気下にテトラヒドロフラン中の水素化ホウ素リチウムの3M溶液(1.36mL、2.71mmol)を加えた。混合物を室温で7時間攪拌した後、テトラヒドロフラン中の水素化ホウ素リチウムの3M溶液(0.90mL、2.7mmol)を加えた。混合物終夜攪拌して塩化アンモニウムの飽和溶液(20mL)を加えて、水層を酢酸エチルで抽出した(3×15mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(酢酸エチル/メタノール95/5次に80/20)、2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]酢酸(実施例28)(126mg、0.34mmol、50%)を白色固体として得た。
【0545】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ1.06(s、9H)、2.04〜2.06(m、2H)、2.77〜2.87(m、2H)、4.23〜4.25(m、2H)、4.37〜4.53(m、2H)、4.92及び4.94(s、1H)、6.81〜6.90(m、2H)、7.27(s、1H)、7.35〜7.42(m、2H)、7.49〜7.51(m、1H)。
MS m/z([M−H]−)369。
【0546】
実施例29:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−(メトキシメチル)フェニル]酢酸の合成
【0547】
【化79】
【0548】
ステップ1:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−(メトキシメチル)フェニル]酢酸の調製
2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−(ヒドロキシメチル)フェニル]酢酸(実施例28)(121mg、0.326mmol)の無水テトラヒドロフラン(5mL)中の溶液に、0℃で窒素雰囲気下に、油中60%の水素化ナトリウム(39mg、0.98mmol)を加えた。該混合物を5分間攪拌してヨードメタンを加えた(0.03mL、0.359mmol)。次に混合物を室温で24時間攪拌した後、塩化アンモニウムの飽和溶液(5mL)を加えた。Na2HPO4をpH3になるまで加えて、水層を酢酸エチルで抽出した(3×5mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(ジクロロメタン/メタノール99/1次に95/5)、2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−(メトキシメチル)フェニル]酢酸(実施例29)(40mg、0.10mmol、32%)を無色油状物として得た。
【0549】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ1.03(s、9H)、2.04〜2.07(m、2H)、2.76〜2.86(m、2H)、3.27(s、3H)、4.07〜4.16(m、2H)、4.23〜4.26(m、2H)、4.93及び4.95(s、1H)、6.79〜6.91(m、2H)、7.23(s、1H)、7.35(t、J=8.0Hz、1H)、7.42(d、J=8.0Hz、1H)、7.47(d、J=8.0Hz、1H)。
MS m/z([M−H]−)383。
【0550】
実施例30:メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−[3−(ピリジン−3−イル)フェニル]フェニル]酢酸の合成
【0551】
【化80】
【0552】
ステップ1:中間体3−(3−クロロフェニル)ピリジン(30a)の調製
トルエン(7.5mL)、エタノール(2.5mL)及び水(2.8mL)の混合液中の3−クロロフェニルボロン酸(239mg、1.53mmol)、3−ヨードピリジン(285mg、1.39mmol)及び炭酸カリウム(768mg、5.56mmol)及びパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(60mg、0.06mmol)の溶液を80℃で終夜攪拌した。トルエン(10mL)及び水(10mL)を加えて、層分離して水層をトルエン(10mL)で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル75/25)、3−(3−クロロフェニル)ピリジン(30a)(238mg、1.25mmol、90%)を得た。
【0553】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ7.38〜7.47(m、4H)、7.57(s、1H)、7.87〜7.90(m、1H)、8.63(d、J=1.0Hz、1H)、8.83(s、1H)。
【0554】
ステップ2:中間体、3−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキソボロラン−2−イル)フェニル]ピリジン(30b)の調製
3−(3−クロロフェニル)ピリジン(30a)(130mg、0.68mmol)、ビピナコラトジボロン(209mg、0.82mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(38mg、0.14mmol)、酢酸カリウム(67mg、2.05mmol)及びビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(24mg、0.04mmol)のジオキサン(3.6mL)中の混合物を1時間照射した(200W、80℃)。該混合物を酢酸エチル(10mL)で希釈してセライトで濾過した。水(10mL)を濾液に加えて、水層を酢酸エチルで抽出した(10mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(ジクロロメタン/酢酸エチル85/15)、3−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキソボロラン−2−イル)フェニル]ピリジン(30b)(100mg、0.35mmol、52%)を淡黄色固体として得た。
【0555】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ1.37(s、12H)、7.38〜7.41(m、1H)、7.50(t、J=8.0Hz、1H)、7.67〜7.70(m、1H)、7.86(d、J=8.0Hz、1H)、7.95〜7.97(m、1H)、8.03(s、1H)、8.60(d、J=1.0Hz、1H)、8.88(s、1H)。
【0556】
ステップ3:中間体、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−[3−(ピリジン−3−イル)フェニル]フェニル]アセテートの調製(30c)
ジオキサン(1.9mL)と水(0.6mL)との混合液中のメチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]フェニル]アセテート(23g)(170mg、0.33mmol)、炭酸カリウム(183mg、1.35mmol)、3−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキソボロラン−2−イル)フェニル]ピリジン(30b)(100mg、0.35mmol)及びパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(20mg、0.01mmol)の混合物を1時間照射した(200W、80℃)。混合物を水(10mL)中に注いで、水層を酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。有機層を塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10次に65/45)、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−[3−(ピリジン−3−イル)フェニル]フェニル]アセテート(30c)(151mg、0.30mmol、90%)を無色油状物として得た。
【0557】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ1.03(s、9H)、2.05〜2.10(m、2H)、2.80〜2.90(m、2H)、3.72(s,3H)、4.24〜4.27(m、2H)、5.25(s、1H)、6.86(d、J=8.0Hz、1H)、7.12(s、1H)、7.19(d、J=8.0Hz、1H)、7.48〜7.69(m、6H)、7.76〜7.79(m、2H)、8.03〜8.06(m、1H)、8.63(dd、J=1.0Hz、J=4.0Hz、1H)、8.91(s、1H)。
【0558】
ステップ4:メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−[3−(ピリジン−3−イル)フェニル]フェニル]酢酸の調製
エタノール(8.7mL)と水(3.3mL)との混合液中のメチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−4−[3−(ピリジン−3−イル)フェニル]フェニル]アセテート(30c)(164mg、0.32mmol)及び水酸化カリウム(100mg、1.78mmol)の溶液を95℃で16時間攪拌した。水酸化カリウム(20mg、0.35mmol)を加えて、混合物を8時間攪拌した。エタノールを真空で蒸発させて、リン酸一ナトリウムの10%水溶液をpHが酸性になるまで加えた。固体を濾過して酢酸エチル(5mL)に溶解し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(ジクロロメタン/メタノール95/5)、所望の酸(実施例30)(70mg、0.14mmol、44%)を橙色固体として得た。
【0559】
1HNMR(400MHz、DMSO−d6)δ0.94(s、9H)、1.94〜1.98(m、2H)、2.75〜2.83(m、2H)、4.19(t、J=4.0Hz、2H)、5.13(s、1H)、6.85(d、J=8.0Hz、1H)、7.20〜7.24(m、2H)、7.48〜7.51(m,1H)、7.58〜7.62(m、3H)、7.72〜7.77(m、3H)、8.01(s、1H)、8.19(d、J=4.0Hz、1H)、8.60(d、J=1.0Hz、1H)、9.00(s、1H)、12.70(s、1H)。
MS m/z([M+H]+)494。
MS m/z([M−H]−)492。
【0560】
実施例31:2−(tert−ブトキシ)−2−[3−(ジエチルカルバモイル)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)フェニル]酢酸の合成
【0561】
【化81】
【0562】
ステップ1:中間体メチル2−(2−ブロモ−3−ホルミルフェニル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(31a)の調製
メチル2−(2−ブロモ−3−メチルフェニル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(11c)(200mg、0.63mmol)の四塩化炭素(3mL)中の溶液に、N−ブロモスクシンイミド(136mg、0.76mmol)及び1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(16mg、0.06mmol)を加えた。さらに1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(16mg、0.06mmol)を加えて還流を2時間継続した。混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈して、炭酸ナトリウムの飽和溶液(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をジオキサン(6mL)に溶解して、4−メチルモルホリン−N−オキシド(257mg、1.90mmol)を加えた。混合物終夜還流させて次に真空で濃縮した。残渣酢酸エチル(5mL)に溶解して、塩化アンモニウムの飽和溶液(5mL)、水(5mL)、塩水(5mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、メチル2−(2−ブロモ−3−ホルミルフェニル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(31a)(126mg、0.38mmol、60%)を無色油状物として得た。
【0563】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ1.24(s、9H)、3.70(s、3H)、5.62(s、1H)、7.46(t、J=7.6Hz、1H)、7.86(dd、J=2.0Hz、J=7.6Hz、2H)、7.92(dd、J=2.0Hz、J=7.6Hz、1H)、10.44(s、1H)。
【0564】
ステップ2:中間体、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−ホルミルフェニル]アセテート(31b)の調製
ジオキサン(2mL)と水(1mL)との混合液中のメチル2−(2−ブロモ−3−ホルミルフェニル)−2−(tert−ブトキシ)アセテート(31a)(126mg、0.38mmol)、炭酸ナトリウム(162mg、1.53mmol)、6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)クロマン(149mg、0.57mmol)及びパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(44mg、0.04mmol)の混合物を、85℃で終夜加熱した。該混合物を水(5mL)中に注いで、酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。有機層を塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−ホルミルフェニル]アセテート(31b)(103mg、0.27mmol、70%)を黄色油状物として得た。
【0565】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δ1.01〜1.05(m、9H)、2.02〜2.10(m、2H)、2.70〜2.85(m、2H)、3.65及び3.66(s、3H)、4.24〜4.28(m、2H)、5.01〜5.04(m、1H)、6.84〜7.14(m、3H)、7.46〜7.50(m、1H)、7.90〜7.96(m、2H)、9.71(s、1H)。
【0566】
ステップ3:中間体、3−[1−(tert−ブトキシ)−2−メトキシ−2−オキソエチル]−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)安息香酸(31c)の調製
アセトニトリル(200μL)と水(50μL)との混合液中のメチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−ホルミルフェニル]アセテート(31b)(95mg、0.25mmol)及びジメチルスルホキシド(21μL、0.30mmol)の溶液に、水(270μL)中の亜塩素酸ナトリウム(56mg、0.50mmol)の溶液を加えた。該混合物を55℃で3日間加熱した。亜硫酸ナトリウムの飽和溶液(2mL)及び重炭酸ナトリウムの飽和溶液(2mL)を加えた。混合物を10分間室温で攪拌して、ジエチルエーテルで抽出した(2×5mL)。水層を1M塩酸で酸性化してジエチルエーテルで抽出した(2×5mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮し、3−[1−(tert−ブトキシ)−2−メトキシ−2−オキソエチル]−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)安息香酸(31c)(35mg、0.088mmol、35%)を黄色油状物として得た。
【0567】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ1.00(s、9H)、2.00〜2.08(m、2H)、2.67〜2.85(m、1H)、3.62及び3.63(s、3H)、4.21〜4.25(m、2H)、4.96及び4.98(s、1H)、6.76〜7.04(m、3H)、7.39〜7.44(m、1H)、7.84〜7.90(m、2H)。
MS m/z([M−H]−)397。
【0568】
ステップ4:中間体、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[3−(ジエチルカルバモイル)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)フェニル]アセテート(31d)の調製
3−[1−(tert−ブトキシ)−2−メトキシ−2−オキソエチル]−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)安息香酸(31c)(34mg、0.09mmol)及びジエチルアミン(17μL、0.13mmol)の無水N,N−ジメチルホルムアミド(1mL)中の溶液に、窒素雰囲気下でトリエチルアミン(24μL、0.17mmol)及びO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N′,N′−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(36mg、0.09mmol)を加えた。混合物を室温で2.5時間攪拌して水(5mL)中に注いだ。水層を酢酸エチルで抽出した(2×5mL)。有機層を重炭酸ナトリウムの飽和溶液(5mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣を分取TLCにより精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル50/50)、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[3−(ジエチルカルバモイル)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)フェニル]アセテート(31d)(35mg、0.077mmol、89%)を黄色油状物として得た。
【0569】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δ0.61〜0.71(m、3H)、0.82〜0.97(m、9H)、1.10〜1.12(m、3H)、1.94〜2.02(m、2H)、2.54〜2.85(m、4H)、2.94〜3.19(m、1H)、3.52及び3.54(s、1H)、3.71及び3.72(s、2H)、3.72〜3.83(m、1H)、4.17〜4.22(m、2H)、4.97〜5.05(m、1H)、6.71〜7.14(m、3H)、7.20〜7.27(m、1H)、7.34〜3.39(m、1H)、7.64〜7.74(m、1H)。
【0570】
ステップ5:2−(tert−ブトキシ)−2−[3−(ジエチルカルバモイル)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)フェニル]酢酸の調製
エタノール(3mL)と水(1mL)との混合中のメチル2−(tert−ブトキシ)−2−[3−(ジエチルカルバモイル)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)フェニル]アセテート(31d)(35mg、0.08mmol)及び水酸化カリウム(22mg、0.31mmol)の溶液を90℃で90分間攪拌した。エタノールを真空で蒸発させた。残渣を水(2mL)で希釈して、ジエチルエーテル(5mL)で洗浄した。水層を1M塩酸でpH2まで酸性化してジエチルエーテルで抽出した(2×5mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をペンタン中で粉砕して真空で濃縮し、所望の酸(実施例31)(15mg、0.034mmol、44%)を白色固体として得た。
【0571】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δ0.64(t、J=7.1Hz、3H)、0.82(t、J=7.1Hz、3H)、0.96及び0.98(s、8H)、1.08及び1.09(s、1H)、1.96〜2.05(m、2H)、2.50〜2.86(m、4H)、2.92〜3.04(m、1H)、3.71〜3.88(m、1H)、4.13〜4.25(m、2H)、4.88及び4.91及び5.06及び5.11(s、1H)、6.66〜6.831(m、1H)、7.10〜7.13(m、1H)、7.22〜7.50(m、4H)。
MS m/z([M+H]+)440。
MS m/z([M−H]−)438。
【0572】
実施例32:(2−1−ベンゾピラン−6−イル−3,3−ジメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−tert−ブトキシ酢酸の合成
【0573】
【化82】
【0574】
ステップ1:中間体、2−クロロ−3,3−ジメチル−シクロヘキサ−1−エンカルボアルデヒド(32a)の調製
0℃で、N,N−ジメチルホルムアミド(525μL、7.1mmol)を、2,2−ジメチルシクロヘキサノン(450mg、3.55mmol)のオキシ塩化リン(1mL、10.65mmol)中の溶液に加えた。混合物を110℃で3時間攪拌し、室温に冷却して氷と酢酸エチルの混合物で反応停止させた。有機層を水(30mL)、塩水(30mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して減圧下で蒸発し、2−クロロ−3,3−ジメチル−シクロヘキサ−1−エンカルボアルデヒド(32a)(520mg、3.01mmol、85%)を得た。
【0575】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ1.25(s、6H)、1.62〜1.71(m、4H)、2.27(t、J=6Hz、2H)、10.20(s、1H)。
【0576】
ステップ2:中間体、2−1−ベンゾピラン−6−イル−3,3−ジメチル−シクロヘキサ−1−エンカルボアルデヒド(32b)の調製
窒素雰囲気下で、2−クロロ−3,3−ジメチル−シクロヘキサ−1−エンカルボアルデヒド(32a)(520mg、3.01mmol)、炭酸カリウム(416mg、3.01mmol)、パラジウムジアセテート(107mg、0.51mmol)、6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)クロマン(781mg、3.01mmol)及び臭化テトラブチルアンモニウム(965mg、3.01mmol)のエタノール(7mL)及び水(10mL)中の溶液を70℃で3時間攪拌した。次に混合物を室温で冷却して、酢酸エチル(30mL)及び水(30mL)で希釈した。有機層を水(30mL)、塩水(30mL)で洗浄して、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して減圧下で蒸発した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(ジクロロメタン)、2−1−ベンゾピラン−6−イル−3,3−ジメチル−シクロヘキサ−1−エンカルボアルデヒド(32b)(400mg、1.48mmol、49%)を得た。
【0577】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ1.03(s、3H)、1.04(s、3H)、1.60〜1.66(m、2H)、1.69〜1.77(m、2H)、1.98〜2.06(m、2H)、2.25〜2.30(m、2H)、2.75〜2.79(m、2H)、4.18〜4.22(m、2H)、6.72〜6.82(m、3H)、9.22(s、1H)。
MS m/z([M+H]+)271。
【0578】
ステップ3:中間体メチル(2−1−ベンゾピラン−6−イル−3,3−ジメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−ヒドロキシ−アセテート(32c)の調製
実施例25のステップ5及びステップ6に記載した手順を使用して、中間体2−1−ベンゾピラン−6−イル−3,3−ジメチル−シクロヘキサ−1−エンカルボアルデヒド(32b)(400mg、1.48mmol)を変換し、フラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製(ジクロロメタン/酢酸エチル95/5)した後、メチル(2−1−ベンゾピラン−6−イル−3,3−ジメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−ヒドロキシ−アセテート(32c)(200mg、0.605mmol、41%)を得た。
【0579】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ0.93〜0.97(4s、6H)、1.51〜1.75(m、5H)、1.97〜2.03(m、2H)、2.24〜2.30(m、1H)、2.71〜2.82(m、2H)、3.74及び3.75(s、3H)、4.16〜4.19(m、2H)、4.43及び4.44(s、1H)、6.69〜6.81(m、3H)。
MS m/z([M+Na]+)353。
【0580】
ステップ4:中間体、メチル(2−1−ベンゾピラン−6−イル−3,3−ジメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−tert−ブトキシ−アセテート(32d)の調製
窒素雰囲気下で、過塩素酸(70%、0.25mL)を、−10℃でメチル(2−1−ベンゾピラン−6−イル−3,3−ジメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−ヒドロキシ−アセテート(32c)(200mg、0.605mmol)のtert−ブチルアセテート(6.3mL)中の溶液に加えた。1時間後、反応を重炭酸ナトリウムの飽和溶液で停止させてジクロロメタンで抽出した。有機層を塩水(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、濾過して減圧下で蒸発した。残渣を分取TLCにより精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル85/15)、メチル(2−1−ベンゾピラン−6−イル−3,3−ジメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−tert−ブトキシ−アセテート(32d)を白色固体(160mg、0.414mmol、68%)として得た。
【0581】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ0.85及び0.87(s、3H)、0.97及び0.98(s、3H)、1.00及び1.01(s、9H)、1.48〜1.60(m、2H)、1.65〜1.71(m、2H)、1.87〜2.06(m、3H)、2.33〜2.41(m、1H)、2.63〜2.82(m、2H)、3.65及び3.66(s、3H)、4.18〜4.21(m、2H)、4.31及び4.33(s、1H)、6.68〜6.82(m、3H)。
MS m/z([M+Na]+)409。
【0582】
ステップ5:(2−1−ベンゾピラン−6−イル−3,3−ジメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−tert−ブトキシ−酢酸の調製
実施例25のステップ9に記載した手順を使用して、中間体メチル(2−1−ベンゾピラン−6−イル−3,3−ジメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−tert−ブトキシ−アセテート(32d)(160mg、0.414mmol)を変換して、分取TLCにより(シクロヘキサン/酢酸エチル70/30)精製後、(2−1−ベンゾピラン−6−イル−3,3−ジメチル−シクロヘキサ−1−エニル)−tert−ブトキシ−酢酸(実施例32)(51mg、0.137mmol、33%)を得た。
【0583】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ0.84(s、3H)、1.04及び1.05(s、3H)、1.08及び1.09(s、9H)、1.52〜1.57(m、2H)、1.66〜1.85(m、3H)、1.97〜2.04(m、2H)、2.25〜2.33(m、1H)、2.64〜2.83(m、2H)、4.16〜4.23(m、2H)、4.42及び4.44(s、1H)、6.68〜6.81(m、2H)、7.07〜7.11(m、1H)。
MS m/z([M−H]−)371。
【0584】
実施例33:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸の合成
【0585】
【化83】
【0586】
ステップ1:中間体1−(メトキシメトキシ)−3−(トリフルオロメチル)ベンゼン(33a)の調製
3−(トリフルオロメチル)フェノール(2.0g、18.5mmol)の無水ジクロロメタン(36mL)中の溶液に、窒素雰囲気下に0℃でジイソプロピルエチルアミン(6.44mL、37mmol)及びクロロメチルメチルエーテル(2.1mL、27.7mmol)を順に加えた。該混合物を0℃で2時間攪拌した後、水(30mL)を加えた。層分離して、水層をジクロロメタンで抽出した(30mL)。合わせた有機層を2M水酸化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮して、1−(メトキシメトキシ)−3−(トリフルオロメチル)ベンゼン(33a)(2.53g、16.6mmol、90%)を淡黄色油状物として得た。
【0587】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δ3.49(s、3H)、5.20(s、2H)、7.19〜7.28(m、3H)、7.39(t、J=7.8Hz、1H)。
【0588】
ステップ2:中間体エチル2−[2−(メトキシメトキシ)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−オキソアセテート(33b)の調製
窒素雰囲気下に、ヘキサン中1.6Mのn−ブチルリチウム溶液(1.9mL、3.04mmol)及びテトラヒドロフラン中1Mのカリウムtert−ブトキシド溶液(3.04mL、3.04mmol)を、無水テトラヒドロフラン(20mL)に−78℃で加えた。混合物を15分間攪拌した後、1−(メトキシメトキシ)−3−(トリフルオロメチル)ベンゼン(33a)(500mg、2.43mmol)のテトラヒドロフラン(5mL)中の溶液を滴下した。該混合物を−78℃で90分間攪拌して、塩化エチルオキサリル(0.75mL、4.85mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)中の溶液に、−78℃でカニューレを通して加えた。混合物を−78℃で45分間攪拌して水(40mL)を加えた。層分離して水層を酢酸エチルで抽出した(2×20mL)。合わせた有機層を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(20mL)、塩水(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル80/20)、エチル2−[2−(メトキシメトキシ)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−オキソアセテート(33b)(278mg、0.90mmol、37%)を黄色油状物として得た。
【0589】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δ1.36(t、J=7.2Hz、3H)、3.43(s、3H)、4.37(q、J=7.2Hz、2H)、5.17(s、2H)、7.35〜7.40(m、2H)、7.53(t、J=7.8Hz、1H)。
【0590】
ステップ3:中間体、エチル2−ヒドロキシ−2−[2−(メトキシメトキシ)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]アセテート(33c)の調製
エチル2−[2−(メトキシメトキシ)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−オキソアセテート(33b)(278mg、0.91mmol)の無水メタノール(5mL)中の溶液に、窒素雰囲気下で、0℃で水素化ホウ素ナトリウム(69mg、1.82mmol)を分割して加えた。該混合物を0℃で30分間攪拌して、水(2mL)を加えた。メタノールを真空で蒸発させて、生じた溶液を酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。有機層を塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮し、エチル2−ヒドロキシ−2−[2−(メトキシメトキシ)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]アセテート(33c)(267mg、0.86mmol、95%)を白色固体として得、それをさらに精製することなく使用した。
【0591】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ1.20(t、J=7.2Hz、3H)、3.45(s、3H)、3.67(broads、1H)、4.13〜4.30(m、2H)、5.15〜5.19(m、2H)、5.40(s、1H)、7.33〜7.41(m、3H)。
MS m/z([M+Na]+)331。
【0592】
ステップ4:中間体、エチル2−ヒドロキシ−2−[2−ヒドロキシ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]アセテート(33d)の調製
エチル2−ヒドロキシ−2−[2−(メトキシメトキシ)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]アセテート(33c)(554mg、1.80mmol)、3N塩酸(2mL)及びテトラヒドロフラン(10mL)の混合物を、65℃で3時間30分加熱した。テトラヒドロフランを真空で除去した。水(10mL)を残渣に加えて、この溶液を酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。有機層を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(10mL)、塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮し、エチル2−ヒドロキシ−2−[2−ヒドロキシ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]アセテート(33d)(387mg、1.46mmol、81%)を白色固体として得て、それをさらに精製することなく使用した。
【0593】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ1.18(t、J=7.2Hz、3H)、3.72(broads、1H)、4.14〜4.30(m、2H)、5.59(s、1H)、7.09(d、J=8.0Hz、1H)、7.28〜7.35(m、2H)、7.40(broads、1H)。
MS m/z([M−H]−)263。
【0594】
ステップ5:中間体エチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−ヒドロキシ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]アセテート(33e)の調製
エチル2−ヒドロキシ−2−[2−ヒドロキシ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]アセテート(33d)(247mg、0.93mmol)のジクロロメタン中の溶液に、酸化銀(867mg、3.74mmol)及び臭化tert−ブチル(0.84mL、7.48mmol)を加えた。該混合物を室温で24時間攪拌した。さらに酸化銀(867mg、3.74mmol)及び臭化tert−ブチル(0.84mL、7.48mmol)を加えて、攪拌をさらに24時間継続した。混合物を濾過して、濾液を真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、エチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−ヒドロキシ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]アセテート(33e)(223mg、0.69mmol、74%)を淡黄色油状物として得た。
【0595】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δ1.20(t、J=7.2Hz、3H)、1.29(s、9H)、4.10〜4.22(m、2H)、5.55(s、1H)、7.09(d、J=8.1Hz、1H)、7.18(d、J=6.9Hz、1H)、7.26〜7.31(m、1H)、8.71(s、1H)。
MS m/z([M−H]−)319。
【0596】
ステップ6:中間体、エチル2−(tert−ブトキシ)−2−{2−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]−6−(トリフルオロメチル)フェニル}アセテート(33f)の調製
実施例27のステップ2に記載した手順を使用して、中間体エチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−ヒドロキシ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]アセテート(33e)(222mg、0.69mmol)を変換し、フラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製(シクロヘキサン/酢酸エチル80/20)した後、エチル2−(tert−ブトキシ)−2−{2−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]−6−(トリフルオロメチル)フェニル}アセテート(33f)(314mg、0.69mmol、100%)を黄色油状物として得た。
【0597】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δ1.19(t、J=7.2Hz、3H)、1.22(s、9H)、4.18(q、J=7.2Hz、2H)、5.54(s、1H)、7.42〜7.52(m、2H)、7.72(dd、J=2.1Hz、J=6.9Hz、1H)。
【0598】
ステップ7:中間体、エチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]アセテート(33g)の調製
エチル2−(tert−ブトキシ)−2−{2−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]−6−(トリフルオロメチル)フェニル}アセテート(33f)(70mg、0.15mmol)、炭酸カリウム(86mg、0.62mmol)、6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)クロマン(52mg、0.20mmol)及びパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(18mg、0.02mmol)の、ジオキサン(1mL)及び水(0.25mL)中の脱気した溶液を、85℃で16時間加熱した。水(3mL)を加えて、混合物を酢酸エチルで抽出した(2×5mL)。有機層を塩水(5mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣を分取TLCにより2回精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル95/5次に80/20)、エチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]アセテート(33g)(49mg、0.11mmol、72%)を無色油状物として得た。
1HNMR(300MHz、CDCl3)δ0.93(s、9H)、1.25(t、J=7.2Hz、3H)、2.02〜2.07(m、2H)、2.78(t、J=6.4Hz、2H)、4.17〜4.25(m、4H)、5.23(s、1H)、6.81(d、J=8.4Hz、1H)、7.04〜7.09(m、2H)、7.36〜7.43(m、2H)、7.69(dd、J=2.1Hz、J=7.3Hz、1H)。
【0599】
ステップ8:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸の調製
エタノール(3mL)と水(1mL)との混合液中のエチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]アセテート(33g)(49mg、0.11mmol)及び水酸化カリウム(61mg、1.08mmol)の溶液を、90℃で24時間攪拌した。さらに水酸化カリウム(40mg、0.71mmol)を加えて、混合物をさらに24時間還流させた。エタノールを真空で蒸発させた。残渣を水(2mL)で希釈して、1M塩酸をpH2になるまで加えて酸性化し、酢酸エチルで抽出した(2×5mL)。有機層を塩水(5mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をペンタン中で粉砕して真空で濃縮し、所望の酸(実施例33)(30mg、0.073mmol、68%)を白色固体として得た。
【0600】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ0.95(s、9H)、2.02〜2.08(m、2H)、2.75〜2.88(m、2H)、4.22〜4.25(m、2H)、5.40(s、1H)、6.85(d、J=8.4Hz、1H)、6.98(broads、1H)、7.42〜7.48(m、3H)、7.71(dd、J=2.2Hz、J=7.2Hz、1H)。
MS m/z([M−H]−)407。
【0601】
実施例34:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸の合成
【0602】
【化84】
【0603】
ステップ1:中間体、1−フルオロ−2−(メトキシメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(34a)の調製
2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)フェノール(2.0g、11.1mmol)の無水ジクロロメタン(20mL)中の溶液に、窒素雰囲気下に0℃でジイソプロピルエチルアミン(3.87mL、22.2mmol)及びクロロメチルメチルエーテル(1.26mL、16.6mmol)を順に加えた。混合物を0℃で45分間攪拌した後、水(20mL)を加えた。層分離して水層をジクロロメタン(30mL)で抽出した。合わせた有機層を2M水酸化ナトリウム溶液(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮し、1−フルオロ−2−(メトキシメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(34a)(2.49g、11.1mmol、100%)を淡黄色油状物として得た。
【0604】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ3.53(s、3H)、5.25(s、2H)、7.16〜7.20(m、1H)、7.24〜7.27(m、1H)、7.46(dd、J=1.8Hz、J=7.4Hz、1H)。
【0605】
ステップ2:中間体、エチル2−[3−フルオロ−2−(メトキシメトキシ)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−オキソアセテート(34b)の調製
窒素雰囲気下に、ヘキサン(3.5mL、5.6mmol)中の1.6Mn−ブチルリチウム溶液及びテトラヒドロフラン(5.6mL、5.6mmol)中の1Mカリウムtert−ブトキシド溶液を無水テトラヒドロフラン(30mL)に−78℃で加えた。該混合物を15分間攪拌した後、1−フルオロ−2−(メトキシメトキシ)−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(34a)(1.0g、4.46mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)中の溶液を滴下した。混合物を−78℃で2時間攪拌し、カニューレを通してテトラヒドロフラン(20mL)中の塩化エチルオキサリルの溶液(1.4mL、9.0mmol)に−78℃で加えた。混合物を−78℃で45分間攪拌して水(50mL)を加えた。層分離して水層を酢酸エチルで抽出した(2×30mL)。合わせた有機層を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(30mL)、塩水(30mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル90/10)、エチル2−[3−フルオロ−2−(メトキシメトキシ)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−オキソアセテート(34b)(840mg、2.59mmol、58%)を黄色油状物として得た。
【0606】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δ1.36(t、J=7.2Hz、3H)、3.45(s、3H)、4.38(q、J=7.2Hz、2H)、5.16(s、2H)、7.28〜7.34(m、1H)、7.43(dd、J=4.4Hz、J=8.8Hz、1H)。
【0607】
ステップ3:中間体、エチル2−[3−フルオロ−2−ヒドロキシ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−オキソアセテート(34c)の調製
エチル2−[3−フルオロ−2−(メトキシメトキシ)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−オキソアセテート(34b)(500mg、1.54mmol)及びp−トルエンスルホン酸(59mg、0.31mmol)の、ジクロロメタン(7.5mL)及びエタノール(1.5mL)中の溶液を50℃で終夜加熱した。該混合物を真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル60/40)、エチル2−[3−フルオロ−2−ヒドロキシ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−オキソアセテート(34c)(394mg、1.40mmol、91%)を黄色油状物として得た。
【0608】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δ1.38(t、J=7.2Hz、3H)、4.38(q、J=7.2Hz、2H)、6.91(d、J=2.7Hz)、7.26〜7.35(m、2H)。
【0609】
ステップ4:中間体、エチル2−{3−フルオロ−2−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]−6−(トリフルオロメチル)フェニル}−2−オキソアセテート(34d)の調製
エチル2−[3−フルオロ−2−ヒドロキシ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−オキソアセテート(34c)(394mg、1.41mmol)の無水ジクロロメタン(5mL)中の溶液に、窒素雰囲気下−78℃でトリエチルアミン(0.24mL、1.69mmol)及び無水トリフルオロ酸(0.26mL、1.55mmol)を順に加えた。該混合物を−78℃で45分間攪拌した後、水(10mL)を加えた。層を分離して、水層をジクロロメタン(10mL)で抽出した。合わせた有機層を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮して、エチル2−{3−フルオロ−2−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]−6−(トリフルオロメチル)フェニル}−2−オキソアセテート(34d)(548mg、1.32mmol、94%)を黄色油状物として得て、それをさらに精製することなく使用した。
【0610】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δ1.37(t、J=7.2Hz、3H)、4.42(q、J=7.2Hz、2H)、7.55(t、J=8.7Hz)、7.78(dd、J=4.5Hz、J=8.7Hz,1H)。
【0611】
ステップ5:中間体、メチル2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−オキソアセテート(34e)の調製
エチル2−{3−フルオロ−2−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]−6−(トリフルオロメチル)フェニル}−2−オキソアセテート(34d)(478mg、1.16mmol)、炭酸カリウム(641mg、4.64mmol)、6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)クロマン(392mg、1.51mmol)及びパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(134mg、0.12mmol)の、ジオキサン(10mL)及び水(2mL)中の脱気した溶液を85℃で終夜加熱した。水(10mL)を加えてジオキサンを真空で蒸発させた。ジエチルエーテル(10mL)を加えて、層を分離した。有機層を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(10mL)で洗浄した。水性層を37%塩酸でpH2まで酸性化し、次にジエチルエーテルで抽出した(2×20mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をシクロヘキサン(5mL)及びメタノール(2.5mL)に0℃で溶解して、ジエチルエーテル中のトリメチルシリルジアゾメタンの2M溶液(4mL、8mmol)を加えた。混合物を室温で15分間攪拌し、0℃で冷却して酢酸を発泡が終了するまで加えた。混合物を真空で濃縮した。残渣を酢酸エチル(10mL)に溶解して、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(10mL)、塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮し、メチル2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−オキソアセテート(34e)(343mg、0.90mmol、77%)を黄色固体として得て、それをさらに精製することなく使用した。
【0612】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ1.98〜2.04(m、2H)、2.77(t、J=6.4Hz、2H)、3.57(s、3H)、4.19〜4.22(m、2H)、6.81(d、J=8.4Hz、1H)、6.86(d、J=1.0Hz、1H)、6.95(dd、J=1.0Hz、J=8.4Hz、1H)、7.35(t、J=8.6Hz、1H)、7.73(dd、J=4.8Hz、J=8.6Hz、1H)。
【0613】
ステップ6:中間体、メチル2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−ヒドロキシアセテート(34f)の調製
メチル2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−オキソアセテート(34e)(100mg、0.26mmol)の無水1,2−ジメトキシエタン(2mL)中の溶液に、0℃で水素化ホウ素ナトリウム(12mg、0.31mmol)を分割して加えた。該混合物を室温で1時間攪拌した。水(5mL)を加えて、1,2−ジメトキシエタンを真空で蒸発させた。生じた溶液を酢酸エチルで抽出した(2×5mL)。有機層を塩水(5mL)で洗浄して硫酸ナトリウムで脱水し、メチル2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−ヒドロキシアセテート(34f)(84mg、0.22mmol、83%)を白色固体として得た。
【0614】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δ2.00〜2.08(m、2H)、2.75〜2.82(m、2H)、3.57及び3.60(s、3H)、4.22〜4.25(m、2H)、5.40(s、1H)、6.80〜6.85(m、2H)、7.06〜7.10(m、1H)、7.22(t、J=8.6Hz、1H)、7.73(dd、J=5.2Hz、J=8.6Hz、1H)。
【0615】
ステップ7:中間体、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]アセテート(34g)の調製
実施例28のステップ5に記載した手順を使用して、中間体メチル2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−ヒドロキシアセテート(34f)(84mg、0.22mmol)を変換し、分取TLCにより(シクロヘキサン/酢酸エチル80/20)精製した後、メチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]アセテート(34g)(28mg、0.06mmol、29%)を無色油状物として得た。
【0616】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ0.97及び0.98(s、9H)、2.03〜2.07(m、2H)、2.72〜2.89(m、2H)、3.70(s、3H)、4.22〜4.26(m、2H)、5.14(s、1H)、6.83〜6.87(m、1H)、6.94〜6.98(m、1H)、7.04〜7.09(m、1H)、7.17(t、J=8.6Hz、1H)、7.70(dd、J=5.6Hz、J=8.6Hz、1H)。
【0617】
ステップ8:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸の調製
エタノール(3mL)と水(1mL)との混合液中のメチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]アセテート(34g)(28mg、0.063mmol)及び水酸化カリウム(36mg、0.64mmol)の溶液を、90℃で18時間攪拌した。エタノールを真空で蒸発させた。残渣を水(2mL)で希釈して1M塩酸をpH2になるまで加えて酸性化して、ジエチルエーテルで抽出した(2×5mL)。有機層を硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をペンタン中で粉砕して真空で濃縮し、所望の酸(実施例34)(21mg、0.049mmol、78%)を白色固体として得た。
【0618】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ1.00(s、9H)、2.01〜2.07(m、2H)、2.75〜2.85(m、2H)、4.23〜4.26(m、2H)、5.24及び5.28(s、1H)、6.86〜6.99(m、2H)、7.22(t、J=8.6Hz、1H)、7.35(broads、1H)、7.72(dd、J=5.6Hz、J=8.6Hz、1H)。
MS m/z([M−H]−)425。
【0619】
実施例35:2−[3−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−(tert−ブトキシ)酢酸の合成
【0620】
【化85】
【0621】
ステップ1:中間体、メチル2−[3−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−オキソアセテート(35a)の調製
無水ジメチルアセトアミド(1mL)中の油中60%の水素化ナトリウムの懸濁液(21mg、0.52mmol)に、0℃で窒素雰囲気下に、無水ベンジルアルコール(54μL、0.52mmol)を滴下した。該混合物を室温で30分間攪拌した後、メチル2−[2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−3−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−オキソアセテート(34e)(100mg、0.26mmol)の無水ジメチルアセトアミド(1mL)中の溶液を滴下した。混合物を1時間攪拌して、次に室温で油中60%の水素化ナトリウム(10mg、0.25mmol)及びベンジルアルコール(25μL、0.24mmol)を加えた。攪拌を3時間継続した。混合物を塩水(5mL)に注いで、1M塩酸をpH2になるまで加えた。混合物を酢酸エチルで抽出して(2×10mL)、塩水(5mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をシクロヘキサン(3mL)及びメタノール(1.5mL)に0℃で溶解して、トリメチルシリルジアゾメタンのジエチルエーテル(0.3mL、0.6mmol)中の2M溶液を加えた。混合物を室温で20分間攪拌した後、2〜3滴の酢酸を加えた。残渣を酢酸エチル(10mL)に溶解し、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(10mL)、塩水(10mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル75/25)、メチル2−[3−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−オキソアセテート(35a)(76mg、0.16mmol、62%)を無色油状物として得た。
【0622】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δ1.97〜2.05(m、2H)、2.75(t、J=6.4Hz、2H)、3.55(s、3H)、4.19〜4.22(m、2H)、5.15(s、2H)、6.80(d、J=8.4Hz、1H)、6.85(d、J=2.1Hz、1H)、6.99(dd、J=2.1Hz、J=8.4Hz、1H)、7.11(d、J=8.7Hz、1H)、7.23〜7.36(m、5H)、7.65(d、J=8.7Hz、1H)。
【0623】
ステップ2:中間体、メチル2−[3−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−ヒドロキシアセテート(35b)の調製
メチル2−[3−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−オキソアセテート(35a)(76mg、0.16mmol)の無水メタノール(2mL)中の溶液に、0℃で水素化ホウ素ナトリウム(12mg、0.32mmol)を分割して加えた。該混合物を室温で30分間攪拌した後、追加分の水素化ホウ素ナトリウム(12mg、0.32mmol)を加えた。30分攪拌した後、水(5mL)を加えて、メタノールを真空で蒸発させた。生じた溶液を酢酸エチルで抽出した(2×5mL)。有機層を塩水(5mL)で洗浄して硫酸ナトリウムで脱水し、メチル2−[3−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−ヒドロキシアセテート(35b)(76mg、0.16mmol、100%)を白色固体として得た。
【0624】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δ2.01〜2.09(m、2H)、2.75〜2.82(m、2H)、3.58及び3.61(s、3H)、4.22〜4.26(m、2H)、5.07(s、2H)、5.38及び5.39(s、1H)、6.79〜6.85(m、2H)、6.97〜7.14(m、4H)、7.24〜7.31(m、3H)、7.65(d、J=9.0Hz、1H)。
【0625】
ステップ3:中間体、メチル2−[3−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−(tert−ブトキシ)アセテート(35c)の調製
メチル2−[3−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−ヒドロキシアセテート(35b)(76mg、0.12mmol)のtert−ブチルアセテート(3mL)中の溶液に、0℃で過塩素酸(0.4mL)を加えた。該混合物を0℃で30分間時間次に30分間室温で攪拌した後、炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(20mL)に注いだ。層分離して水層を酢酸エチルで抽出した(2×10mL)。有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣を分取TLCにより精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル80/20)、メチル2−[3−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−(tert−ブトキシ)アセテート(35c)(17mg、0.032mmol、20%)を無色油状物として得た。
【0626】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δ0.99及び1.36及び1.37(s、9H)、2.00〜2.09(m、2H)、2.70〜2.85(m、2H)、3.59及び3.61及び3.69及び3.70(s、3H)、4.22〜4.27(m、2H)、5.00〜5.41(m、3H)、6.81〜7.32(m、9H)、7.63〜7.70(m、1H)。
【0627】
ステップ4:2−[3−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−(tert−ブトキシ)酢酸の調製
実施例33のステップ8に記載した手順を使用して、中間体メチル2−[3−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−(tert−ブトキシ)アセテート(35c)(17mg、0.032mmol)を、2−[3−(ベンジルオキシ)−2−(3,4−ジヒドロ−2H−1−ベンゾピラン−6−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]−2−(tert−ブトキシ)酢酸(実施例35)(12mg、0.023mmol、70%)の白色固体に変換する。
【0628】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ1.01及び1.33及び1.35(s、9H)、1.96〜2.08(m、2H)、2.69〜2.83(m、2H)、4.17〜4.25(m、2H)、5.00〜5.12(m、2H)、5.24及び5.29及び5.46及び5.48(s、1H)、6.72〜7.06(m、3H)、7.10〜7.16(m、2H)、7.23〜7.32(m、4H)、7.64〜7.69(m、1H)。
MS m/z([M−H]−)513。
【0629】
実施例36:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(4,4−ジメチルシクロヘキサ−1−エン−1−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸の合成
【0630】
【化86】
【0631】
ステップ1:中間体、エチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(4,4−ジメチルシクロヘキサ−1−エン−1−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]アセテート(36a)の調製
エチル2−(tert−ブトキシ)−2−{2−[(トリフルオロメタン)スルホニルオキシ]−6−(トリフルオロメチル)フェニル}アセテート(33f)(80mg、0.18mmol)、炭酸カリウム(98mg、0.71mmol)、4,4−ジメチルシクロヘキセン−1−イルボロン酸(41mg、0.27mmol)及びパラジウムテトラキス(トリフェニルホスフィン)(20mg、0.02mmol)の、ジオキサン(1mL)及び水(0.25mL)中の脱気した溶液を、85℃で16時間加熱した。水(3mL)を加えて、混合物を酢酸エチルで抽出した(2×5mL)。有機層を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(5mL)、塩水(5mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水して真空で濃縮した。残渣を分取TLCにより精製し(シクロヘキサン/酢酸エチル95/5)、エチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(4,4−ジメチルシクロヘキサ−1−エン−1−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]アセテート(36a)(45mg、0.11mmol、61%)を無色油状物として得た。
【0632】
1HNMR(400MHz、CDCl3)δ1.00(s、3H)、1.02(s、3H)、1.14(s、9H)、1.19(t、J=7.1Hz、3H)、1.43〜1.56(m、2H)、1.90〜1.92(m、2H)、2.12〜2.20(m、1H)、2.42〜2.50(m、1H)、4.13(q、J=7.1Hz、2H)、5.45(broads、2H)、7.24〜7.27(m、1H)7.33(t、J=7.8Hz、1H)、7.58(dd、J=1.2、J=7.8Hz、1H)。
【0633】
ステップ2:2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(4,4−ジメチルシクロヘキサ−1−エン−1−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸の調製
実施例33のステップ8に記載した手順を使用して、中間体エチル2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(4,4−ジメチルシクロヘキサ−1−エン−1−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]アセテート(36a)(45mg、0.11mmol)を変換し、分取TLCにより(シクロヘキサン/酢酸エチル70/30)精製した後、2−(tert−ブトキシ)−2−[2−(4,4−ジメチルシクロヘキサ−1−エン−1−イル)−6−(トリフルオロメチル)フェニル]酢酸(実施例36)(15mg、0.039mmol、36%)を無色油状物として得た。
【0634】
1HNMR(300MHz、CDCl3)δ1.00(s、3H)、1.01(s、3H)、1.18(s、9H)、1.48〜1.52(m、2H)、1.95(broads、2H)、2.16〜2.25(m、1H)、2.47〜2.57(m、1H)、5.60(broads、2H)、7.29〜7.32(m、1H)7.39(t、J=7.7Hz、1H)、7.58(dd、J=1.0、J=7.7Hz、1H)、9.73(broads、1H)。
MS m/z([M−H]−)383。
【0635】
抗ウイルス活性
本発明による化合物の抗ウイルス活性、特にHIVに対する活性を、下記のプロトコルにより評価した。
【0636】
HIV−1のNL4−3株のウイルスストックの調製(Adachi et al、J Virol、1986、59(2):284〜91)
ウイルスは、Lopezら(Lopez et al、Proc Natl Acad Sci U S A., 2006、103(40):14947〜52)に記載されたように、2×106個の293T細胞(CRL−1573、ATCC)を以下により改変してトランスフェクトすることにより調製した。すなわち、6μgのNL4−3プロウイルスのDNA分子のクローンをRocheからのFugene 6トランスフェクション試薬と混合して、メーカーの指示に従って使用した。48時間後に、トランスフェクトされた細胞の上清を捕集して、0.45μm孔径のフィルタを通して濾過し、HIV−1p24抗原を、Innotest HIV抗原mAbアッセイ(Ingen)をメーカーの指示に従って使用することにより定量化して、感染実験に使用した。
【0637】
化合物の調製
試験すべき化合物の逐次希釈を、完全RPMI培地中で10mMのDMSOストック溶液から調製して、96ウェルのFalcon 353072 Microtest TM組織培養プレート中に、各ウェル中のDMSO最終濃度が感染細胞の添加後に0.5%になるように20μlの体積で分注した。対照ウェルにもDMSOを最終濃度0.5%で入れたが化合物は入れなかった。
【0638】
細胞の感染
RPMI完全培地中のMT4細胞(NIH AIDS Research and Reference Reagent Programから)を計数し(Falcon 353047 Multiwell(登録商標)、24ウェル中の1ウェル当たり10×106細胞)、37°で2時間、0.0001〜0.00001の感染多重度(moi)で感染させた。次に細胞を3000rpmで3分遠心分離して、1mlのPBS中で2回洗浄し、細胞に侵入しなかったウイルスを除去した。感染した細胞を完全RPMI中に1.25×106細胞/mlで再懸濁して、80μlの感染細胞を、試験すべき化合物を入れた各ウェル又は対照ウェル中に分注した。次にプレートを37°で5日間インキュベートした。
【0639】
化合物によるHIV複製の阻害を測定するために使用したアッセイ(Gregg S.Jones et al.,Antimicrobial Agents and Chemotherapy,2009,53(3):1194−1203による)
5日インキュベーション後、50μlのCell Titer−Glo試薬(Promega Biosciences,Inc.,Madison WI,USA)を各ウェルに加えた。細胞溶解は室温で10分間実施して、150μlの溶解物をPackard Optiplateの96ウェルに移して、化学発光をFluoroskan(Thermo Scientific)で読み取った。
【0640】
EC50、すなわち有効濃度50は、NL4−3ウイルスを感染させたMT4細胞に基づくCell−Titer−Glo(登録商標)の生存能力アッセイにおける細胞保護が50%になる化合物濃度である。
【0641】
【表1】
【0642】
結果は、本発明による化合物はHIV複製を阻害することができ、したがって抗HIV化合物として使用することができることを示す。