特許第6272280号(P6272280)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6272280再構成されたタバコ材を含むエアロゾル発生品の生産方法、再構成されたタバコ材を含むエアロゾル発生品、および、再構成されたタバコ材を含むエアロゾル発生品の使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6272280
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】再構成されたタバコ材を含むエアロゾル発生品の生産方法、再構成されたタバコ材を含むエアロゾル発生品、および、再構成されたタバコ材を含むエアロゾル発生品の使用
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20060101AFI20180122BHJP
   A24B 3/14 20060101ALI20180122BHJP
【FI】
   A24F47/00
   A24B3/14
【請求項の数】19
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2015-169710(P2015-169710)
(22)【出願日】2015年8月28日
(65)【公開番号】特開2016-195585(P2016-195585A)
(43)【公開日】2016年11月24日
【審査請求日】2016年2月8日
(31)【優先権主張番号】15162513.4
(32)【優先日】2015年4月2日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】515238334
【氏名又は名称】ピーティー.グダン ガラム ティービーケー.
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(72)【発明者】
【氏名】スシロ・ウォノウィジョヨ
(72)【発明者】
【氏名】ブアナ・スシロ
【審査官】 西田 侑以
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2007/0084476(US,A1)
【文献】 米国特許第04899765(US,A)
【文献】 特表平08−504598(JP,A)
【文献】 特開2007−267749(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24B 1/00 − 15/42
A24F 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生品の生産方法であって、
再構成されたタバコ材のシートを作成するステップと、
前記シートを断片に切断するステップと、
前記再構成されたタバコ材のシートの製造の間、前記タバコ材または前記断片にフレーバーを加えるステップと、
前記再構成されたタバコ材のシートの製造の間、前記タバコ材または前記断片に粘着性のあるフレーバーを加えるステップと、
前記タバコ材に粘着性のあるフレーバーを加えるステップと、
連続するタバコロッドを生産するステップと、連続して包まれたロッドを形成するためにタバコロッドを包装紙で囲むステップと、連続して包まれたロッドを個々のロッド部に切断するステップ
を備え
前記フレーバーは、クローブ油および/またはクローブ生産物であり、
前記粘着性のあるフレーバーは、糖蜜および/または、サッカリンおよび/または、他の人工甘味料である
ことを特徴とするエアロゾル発生品の生産方法。
【請求項2】
請求項1に記載のエアロゾル発生品の生産方法において、
前記再構成されたタバコ材はインドネシアにおいて成長したタバコ材だけで構成される
ことを特徴とするエアロゾル発生品の生産方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載のエアロゾル発生品の生産方法において、
再構成されたタバコ材のシートを作成する前記ステップは、タバコ材を細い粒径に粉砕して、粉砕されたタバコ材から再構成されたタバコ材のシートを公知の製紙方法を用いて作成するステップを備え
前記公知の製紙方法は、
茎、押しつぶされたタバコの葉、およびタバコ塵のようなタバコ副産物が分類される第1ステップと、
前記分類された材料が水および抽出手段に浸される第2ステップと、
前記分類された材料と水との混合物から成分が抽出される第3ステップと、
抽出された物質を積載した前記抽出手段が再利用されて前記第2ステップに供給されるステップと、
残留する前記材料が固体および液体に分けられる第4ステップと、
繊維及びフィラーの追加の間、前記固体がパルプに加工される第5ステップと、
前記パルプから紙が作られる第6ステップと、
前記抽出の後に分離された前記液体が浄化される第7ステップと、
前記液体が低温で濃縮される第8ステップと、
浄化されて低温で濃縮された前記液体に、添加物または成分それぞれが加えられる第9ステップと、
前記生成された紙が、濃縮して得られた前記液体にしみ込まされコーティングされる第10ステップと、
前記しみ込まされコーティングされた紙が乾燥される第11ステップと、を備える
ことを特徴とするエアロゾル発生品の生産方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載のエアロゾル発生品の生産方法において、
前記タバコ材は、茎、破砕された葉、粉末または他のタバコ副産物の少なくとも1つ以上を備える
ことを特徴とするエアロゾル発生品の生産方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載のエアロゾル発生品の生産方法において、
フレーバーおよび/または、湿潤剤および/または、他の成分がタバコ材に混ぜられたものから、再構成されたタバコ材のシートが作成される
ことを特徴とするエアロゾル発生品の生産方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1つに記載のエアロゾル発生品の生産方法において、
タバコを切断するタバコ切断機が、再構成されたタバコのシートを切断するために用いられる
ことを特徴とするエアロゾル発生品の生産方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1つに記載のエアロゾル発生品の生産方法において、
前記断片の大きさは、タバコを生産するのに従来用いられるタバコ繊維の大きさと対応しているかまたは上回っており、
前記断片の長さが10から20mmであり、前記断片の幅が0.5から2.0mmである
ことを特徴とするエアロゾル発生品の生産方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1つに記載のエアロゾル発生品の生産方法において、
切断された断片を乾燥する
ことを特徴とするエアロゾル発生品の生産方法。
【請求項9】
請求項8に記載のエアロゾル発生品の生産方法において、
タバコを乾燥させるタバコ乾燥機が、前記断片の乾燥に用いられる。
ことを特徴とするエアロゾル発生品の生産方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1つに記載のエアロゾル発生品の生産方法において、
トップ・フレーバーおよび/または湿潤剤および/または他の成分が、前記断片に加えられる
ことを特徴とするエアロゾル発生品の生産方法。
【請求項11】
請求項5または請求項10に記載のエアロゾル発生品の生産方法において
記湿潤剤は、グリセリンおよび/または、糖蜜および/または、砂糖生産の他の生産物である
ことを特徴とするエアロゾル発生品の生産方法。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1つに記載のエアロゾル発生品の生産方法において、
少なくとも50%の断片、好ましくは95%の断片、最も好ましくは100%の断片の部分を有するタバコロッドが生産される
ことを特徴とするエアロゾル発生品の生産方法。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1つに記載のエアロゾル発生品の生産方法において、
それぞれのロッド部は、タバコ製造機、または、フィルタ結合器のフィルタープラグおよび中空チューブと結合される
ことを特徴とするエアロゾル発生品の生産方法。
【請求項14】
エアロゾル発生品であって、
再構成されたタバコ材のシートを切断した断片を含むフィラーを囲む包装紙を備え、
前記再構成されたタバコ材のシートの製造の間、前記タバコ材または前記断片にクローブ油および/またはクローブ生産物が加えられ
粘着性のあるフレーバーが前記タバコ材に加えられ
前記粘着性のあるフレーバーは、糖蜜および/または、サッカリンおよび/または、他の人工甘味料である
ことを特徴とするエアロゾル発生品。
【請求項15】
請求項14に記載のエアロゾル発生品において、
前記タバコ材は、他のフレーバーおよび/または、グリセリンおよび/または、糖蜜および/または、他の湿潤剤を含む
ことを特徴とするエアロゾル発生品。
【請求項16】
請求項14または15に記載のエアロゾル発生品において、
中空チューブおよびフィルタ・プラグを備え、
前記フィラーは前記中空チューブの一端に配置され、フィルタ・プラグが前記中空チューブの他端に配置され、
前記フィラーは前記包装紙に囲まれ、
前記中空チューブおよび前記フィルタ・プラグは別の包装紙により囲まれ、
前記別の包装紙は、前記包装紙の一部を囲む
ことを特徴とするエアロゾル発生品。
【請求項17】
請求項1から13のいずれか1つに記載のエアロゾル発生品の生産方法により生産されたエアロゾル発生品、または、請求項14から16のいずれか1つに記載のエアロゾル発生品のヒータを用いての使用において、
前記ヒータは、エアロゾルを発生する物品の中の断片を加熱するよう設計されている
ことを特徴とするエアロゾル発生品の使用。
【請求項18】
請求項17に記載のエアロゾル発生品の使用において、
前記ヒータは、前記断片を200から400℃の範囲の温度に加熱し、好ましくは約375℃の温度に加熱するように設計されている
ことを特徴とするエアロゾル発生品の使用。
【請求項19】
請求項17または18に記載のエアロゾル発生品の使用において、
前記ヒータは電気ヒータである
ことを特徴とするエアロゾル発生品の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再構成されたタバコ材を含むエアロゾル発生品の生産方法、再構成されたタバコ材を含むエアロゾル発生品、および、再構成されたタバコ材を含むエアロゾル発生品の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
タバコ産業および関連する産業は、タバコ栽培、タバコ機械製造および包装および他の材料の供給者と同様に、多くの国の重要な経済的要因である。しかしながら、喫煙には健康リスクがあるので、タバコ製品の安全性の改良が求められる。
【0003】
従来のタバコは、シガレットペーパーで包装されたタバコ材(タバコロッド)で作られたロッドを備える。フィルタ紙(プラグラップ)で包装されセルロースアセテートで作られた円筒形フィルタ(プラグ)は、タバコロッドの一端に配置される。タバコロッドのフィルタおよび端部領域は、チップ紙で作られた包装材によって包まれる。タバコ材は天然の葉たばこから作られ、特に、茎を除去し、乾燥し、混合し、味付けをし(包装し)、フレーバー材(トップ・フレーバー)を噴霧することで風味を加え、カットされる。しばしば、再構成されたタバコ、または、他のタバコ代用品が、最高で25%ほどこのように生産されるタバコ材に混入される。再構成されたタバコは、柔軟で、均一な、紙のようなシートである。そして、それは、細かく磨りつぶされて再び束ねられた未処理のタバコの紙製造から、または、このように同様に処理されるきれいな製造くずから公知の方法で作られる。
【0004】
従来のタバコの1つの不利な点は、タバコ材の燃焼の結果として、危険物質が800℃から1100℃の温度で放出されるということである。
【0005】
R.J.Reynolds社の喫煙具「Eclipse」は、空気経路を備えた、炭の破片の形での内部加熱源を含み、また、酸化手段およびエアロゾル発生材を有するカプセルを含む。タバコを吸うと、赤熱する炭の部分が中に吸い込んだ空気を約300℃まで加熱して、カプセルから加熱された空気エアロゾルを気化させる。このような喫煙具は、タバコを燃やすというよりも加熱しており、R.J.ReynoldsTobacco社の学術書(1988年)「Chemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco」、および、「Inhalation Toxicology」(2000年)の1から58ページに記載されている。喫煙具「Eclipse」に関する詳細は、以下の文書において詳述される。
【0006】
欧州特許第1993388号は、タバコ製品および喫煙具(例えばタバコ)を記載しているが、不完全燃焼の製品および熱分解製品については公開されていない。喫煙具は点火するために端部を有し、この下流に口端およびエアロゾル生成システムがある。エアロゾル生成システムは、熱発生セグメント、および、熱発生セグメントの下流に配置されるエアロゾル発生セグメントを備える。熱発生セグメントは、好ましくは短い熱源から構成され、炭素燃料要素を含む可燃物を含む。エアロゾル生成領域には、例えばグリセリンおよびフレーバーなどのエアロゾル発生材を備える。喫煙者が吸うことができる吸い口は、口端に配置される。吸い口は、好ましくはフィルタである。熱源が酸化セリウムの粒子と金属ハロゲン化物との密接な接触においてなされ、一酸化炭素を二酸化炭素に変換する。喫煙者が口端を吸い込むと、空気が熱発生セグメントに引き込まれて、加熱される。燃焼によって生成される一酸化炭素は、二酸化炭素に変換される。加熱された空気はエアロゾルセグメントからエアロゾルを気化させて、エアロゾルは喫煙者にフィルタを通して吸い込まれる。加熱された空気を介してエアロゾルを気化させることは、不完全燃焼生成物および熱分解生産物を回避する。
【0007】
欧州特許出願公開2443947号は、他の喫煙具を記載しており、点火される端部に炭素含有燃料要素と、その下流に配置されるエアロゾル生成システムと、その下流に配置されるフィルタとを有する。内蔵された化学熱源を有する喫煙具は、それらの製造が複雑となる不利益な点を有する。さらに、それらは、喫煙者が摂取する一酸化炭素および他の有毒燃焼生成物を生成する。タバコが燃焼する、および、エアロゾルの風味が消極的な影響を受けるという恐れもある。
【0008】
Philip Morrisによる電子システム「IQOS」は、ペンのようなヒータ、および、粉末にされたタバコを含む「マルボロ熱スティック」を備える。熱スティックはホルダに挿入される。タバコは、ホルダにおいて350℃の温度まで加熱される。放出されるニコチン含有ガスは、これにより、含まれる有毒な物質をより少量にすることができ、消費者に吸入される。従来のタバコの健康リスクは、ここで減少する。システムに関する詳細は、以下の文書において詳述される。
【0009】
国際公開第2013/178766号は、フィルタに接続するスペーサ部に支持部材を介して支持されるエアロゾル発生材を備えるエアロゾル生成品を記載する。全体がシガレットペーパーにより包まれる。エアロゾル発生材は、圧着されたタバコ材の第1シートと他のタバコ材の第2シートとから形成され包装材に包まれるロッドを備えている。ロッドの製造のために、タバコ材の連続したストリップは、引っ張られ、圧着されて、ボビンからそれぞれの上に配置されて、連続ストランドに形成されて、ストランドはロッドに分けられる。エアロゾル発生品を使用する際、ヒータの刃のような発熱体がエアロゾル発生材に入り込んで、例えば375℃程度の温度にそれを加熱する。これにより、エアロゾルが放出され、スペーサ部の中で凝縮して、フィルタからユーザの口の中に出る。
【0010】
フレーバーの第2シートがタバコでできていないエアロゾル発生品の別体が、国際公開第2013/178767号において記載され、アルミホイルの第2シートを有するエアロゾル発生品の別体が、国際公開第2013/178768号に記載されている。国際公開第2013/190036号には他の別体が記載されており、エアロゾル発生基板の直径の40%および70%の間の直径を有する発熱体が、製品に大きな変形をすることなく入り込むことができるように、エアロゾル発生基板が作られている。国際公開第2013/098405号には別体が記載されており、支持部、および、その後ろの凝縮部がエアロゾル発生基板の後に流れる方向に配置されている。国際公開第2013/098409号および国際公開第2013/098410号には別体が記載されており、エアロゾル発生基板の前に前プラグを有する。
【0011】
国際公開第2011/076407号および国際公開第2013/098395号には、製品を煙らすためのヒータが記載されており、ヒータは電気的に加熱されるピンを有し、ピンは喫煙具のエアロゾル発生材の中に挿入される。
【0012】
米国特許第8430106号、および、国際公開第2014/048745号には、喫煙具のためのヒータが記載され、ヒータは熱伝導性のピンを有し、ピンは喫煙具のエアロゾル発生材の中に押し込まれる。ピンは、喫煙具の外側でも、例えば誘導的に、加熱される。
【0013】
加熱されるピンを有するヒータには、ヒータがエアロゾル発生材に局所的にしか熱を導かない不利な点があり、その結果、エアロゾル発生材が不均一に加熱される。さらに、ピンにエアロゾル発生材が付着する危険性がある。
【0014】
国際公開第2014/048745号には、喫煙具のためのヒータが記載されており、ヒータはカップに電気的伝導粒子を有し、カップの中に、喫煙具の一端が挿入される。カップは、誘導的に加熱される。不利な点は、エアロゾル発生材の局所的でしたがって不均等な加熱である。さらに、シガレットペーパーは伝熱を弱め、温度の出力を増加する結果となる。これは、いくつかのセグメントから喫煙具のために特に表明されており、シガレットペーパーのいくつかの層により共に保持される。
【0015】
国際公開第2014/048745号には別体が記載され、誘導ヒータは電気伝導粒子を加熱し、電気伝導粒子は喫煙具のエアロゾル生成材に埋め込まれる。これの不利な点は、電気伝導粒子をエアロゾル生成材に埋めることにより生産労力が増加する点である。
【0016】
欧州特許第0846424号には、ロッド吸引コンベヤを用いてタバコ生産のために連続するタバコロッドを形成する装置が記載され、コンベヤは、回転式で連続的な多孔質テープを備え、上部から吸引が実施され、下側にタバコ繊維がタバコ経路に沿って運ばれる。粘着性のタバコ繊維を加工する場合、例えばインドネシア市場のためのタバコ製造のような場合、糖蜜の高い割合のために、従来の吸引コンベヤはしばしば動作不良に至り、処理速度が比較的低くなってしまう。多くの場合において、吸引ロッドコンベヤが洗浄されることと、テープが交換されることを必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】欧州特許第1993388号
【特許文献2】欧州特許出願公開2443947号
【特許文献3】国際公開第2013/178766号
【特許文献4】国際公開第2013/178767号
【特許文献5】国際公開第2013/178768号
【特許文献6】国際公開第2013/190036号
【特許文献7】国際公開第2013/098405号
【特許文献8】国際公開第2013/098409号
【特許文献9】国際公開第2013/098410号
【特許文献10】国際公開第2011/076407号
【特許文献11】国際公開第2013/098395号
【特許文献12】米国特許第8430106号
【特許文献13】国際公開第2014/048745号
【特許文献14】欧州特許第0846424号
【非特許文献】
【0018】
【非特許文献1】R.J.ReynoldsTobacco社「Chemical and Biological Studies on New Cigarette Prototypes that Heat Instead of Burn Tobacco」、1988年
【非特許文献2】「Inhalation Toxicology」、2000年、p.1-58
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明の目的は、従来の生産技術を主に使用し、材料費を減らして、毒性物質の放出を抑制したエアロゾル発生品を生産する方法を確立することである。さらに、本発明は、毒性物質の放出を抑制したエアロゾル発生品および上述した効果を可能とするエアロゾル発生品の製造を目的とする。最後に、本発明は、エアロゾル発生品の使用またはエアロゾル発生品の生産方法により生産される物品を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
その目的は、請求項1の特徴を有する方法により解決される。
【0021】
エアロゾル発生品を生産する本発明による方法は以下のステップを備える。
(a)再構成されたタバコ材のシートを作成するステップと、
(b)前記シートを断片に切断するステップと、
(c)前記再構成されたタバコ材のシートの製造の間、前記タバコ材または前記断片にフレーバーを加えるステップ
(d)前記再構成されたタバコ材のシートの製造の間、前記タバコ材または前記断片に粘着性のあるフレーバーを加えるステップと、
(e)断片を有し、連続するタバコロッドを生産するステップと、連続して包まれた(囲まれた)ロッドを形成するためにタバコロッドを包装紙で囲むステップと、連続して包まれたロッドを個々のロッド部に切断するステップ。
なお、フレーバーは、クローブ油および/またはクローブ生産物であり、粘着性のあるフレーバーは、糖蜜および/または、サッカリンおよび/または、他の人工甘味料である。
【0022】
本発明による方法は、エアロゾル発生品の生産のために再構成されたタバコ材のシートを使用する。シートは、タバコの茎、破砕されたタバコの葉、タバコ粉末または他のくずから作られる。スラリー方法、または、圧延方法等、好ましくは製紙方法から借用できる方法で、製造が行われる。これらの方法は、高度に開発されて、安全である。再構成されたタバコの使用の重要な効果は、タバコにおけるタールおよび他の有毒な物質の割合を減少させることができる点である。試験によると、再構成されたタバコ材のタールの割合が従来のタバコ材のタールの割合よりも60%少ないことを示した。さらに、再構成されたタバコ材の生産の間、使用済みの材料の異なる特性のバランスがとられるので、再構成されたタバコ材の使用によりエアロゾル発生品の品質が安定する。エアロゾル発生品の生産のためにタバコ生産くずの再利用は、経済的にも、環境的にも有益である。他の効果として、再構成されたタバコは密度が低く、高い多孔性および良好な可燃性を有し、その充填物含有量はエアロゾル発生品のタバコ材へのタバコ副産物の直接添加に対してよりも高くすることができる。これにより、生産コストを減少することができ、競争力を高めることができる。粘着性のフレーバーは、風味を向上する。粘着性のフレーバーは、好ましくは、糖蜜または砂糖生産の他の生産物である。糖蜜は、インドネシア市場用のタバコのために、湿潤剤およびフレーバーとしてタバコに加えられる。糖蜜が加えられた再構成されたタバコの連続シートは、添加物の粘着性のために、処理可能でなくなるか、または、処理するのが非常に困難となる。かくして、本発明は、糖蜜または他の粘着性のフレーバーが加えられた再構成されたタバコ材の断片の処理方法を提供する。吸引テープコンベヤ、および、トリミング・ディスクを有する従来の分配ユニット、ロッド製造機、および、タバコ製造のフィルタ組立機は、エアロゾル発生品の製造のために使用することができる。インドネシアのタバコに典型的な粘着性のフレーバーを有するエアロゾル発生品のかなりの量の生産の技術的に容易な制御可能な製造のための再構成されたタバコ材の利点が、このように、初めて利用可能となる。さらに、再構成されたタバコ材の断片は、それらの大きな表面により、タバコ材へのフレーバーの装填およびエアロゾルの気化について有利である。断片の低密度性および高多孔性により、フレーバーは、比較的低い温度で特によく気化することができる。有害な燃焼生成物は、低温のために発生しない。これにより、有毒な物質の吸入が、特に効果的方法で回避される。さらに、粘着性のフレーバーは、ロッド部の固定化またはそれぞれ安定化に貢献し、また、ロッド部の端部から断片が抜け落ちることの防止に貢献することができる。このために、ロッド部は、端部に増加したタバコ密度によって頭部の補強を有する。
【0023】
再構成されたタバコ材の生産のために従来の装置を用いることができ、再構成されたタバコ材の生産のために、または、紙産業においてそれぞれ使われる。シートを断片に切るために、従来のタバコ切断機を用いることができる。エアロゾル発生品の製造のために、分配ユニット、ロッド製造機、およびフィルタ組立機から構成される従来のタバコ機械を用いることができる。
【0024】
本発明の一実施態様として、再構成されたタバコ材のシートを作成するステップは、タバコ材を細い粒径に粉砕して、粉砕されたタバコ材から公知の製紙方法を用いてシートを作成するステップを備える。公知の製紙方法は、茎、押しつぶされたタバコの葉、およびタバコ塵のようなタバコ副産物が分類される第1ステップと、分類された材料が水および抽出手段に浸される第2ステップと、分類された材料と水との混合物から成分が抽出される第3ステップと、抽出された物質を積載した抽出手段が再利用されて第2ステップに供給されるステップと、残留する材料が固体および液体に分けられる第4ステップと、繊維及びフィラーの追加の間、固体がパルプに加工される第5ステップと、パルプから紙が作られる第6ステップと、抽出の後に分離された液体が浄化される第7ステップと、液体が低温で濃縮される第8ステップと、浄化されて低温で濃縮された液体に、添加物または成分それぞれが加えられる第9ステップと、生成された紙が、濃縮して得られた液体にしみ込まされコーティングされる第10ステップと、しみ込まされコーティングされた紙が乾燥される第11ステップと、を備える。
【0025】
さらなる実施態様として、再構成されたタバコ材に加工されるタバコ材は、茎、破砕された葉、タバコ粉末または他のタバコ副産物の少なくとも1つ以上を備える。
【0026】
生産方法のさらなる実施態様として、フレーバーおよび/または、湿潤剤および/または、他の成分がタバコ材に加えられ、再構成されたタバコ材のシートは前記成分を有するタバコ材から作成される。
【0027】
好ましい実施態様として、糖蜜および/または、蔗糖および/または、砂糖生産の他の生産物および/または、サッカリンまたは人工甘味料および/または、クローブおよび/または、クローブ油および/または、他のクローブ製品および/または、グリセリンおよび/または、他の湿潤剤がフレーバーとして加えられる。糖蜜および/または、蔗糖および/または、サッカリンは、好ましくは粘着性のフレーバーとして加えられる。
【0028】
さらなる実施態様として、タバコを切断するタバコ切断機が、再構成されたタバコのシートを断片へと切断するために用いられる。タバコ、タバコの葉の茎およびクローブを切ることに適しているタバコ切断機が、好ましくは用いられる。
【0029】
さらなる実施態様として、断片の大きさが、タバコを製造するのに通常用いられるタバコ繊維の大きさと同じか、または、より大きい。
【0030】
他の実施態様として、断片の長さが10から20mmであり、断片の幅が0.5から2.0mmである。
【0031】
さらなる実施態様として、シートから切断された断片が乾燥される。
【0032】
さらなる実施態様として、タバコ乾燥機が、シートから作成される断片を乾燥するのに用いられる。従来のタバコ乾燥機をこのために用いることができる。
【0033】
さらなる実施態様として、フレーバーおよび/または、湿潤剤および/または、他の成分が、断片に加えられる。粘着性のフレーバーおよび/または、他のクローブ生産物が、好ましくは、断片に加えられる。糖蜜および/または、蔗糖および/または、砂糖生産の他の生産物および/または、サッカリンおよび/または、他の人工甘味料および/または、クローブ油が、好ましくは、断片に加えられる。これにより、タバコの風味が向上する。粘着性の断片は、従来のタバコ機械により、容易に処理される。フレーバーは、断片を乾燥させた後に、好ましくは加えられる。あるいは、または、さらに、フレーバーを、再構成されたタバコのシートの製造の間、加えてもよい。
【0034】
好ましい実施態様として、連続するタバコロッドは、再構成されたタバコ材のシートから切られた断片のみから成る。他の実施態様として、連続するタバコロッドが、再構成されたタバコ材のシートから切られた断片に加えて、タバコ材の繊維から成る。さらなる実施態様として、連続するタバコロッドは、タバコ葉の繊維を含む。この実施態様は、エアロゾル発生品の風味を向上することができる。
【0035】
さらなる実施態様として、連続するタバコロッドは、少なくとも50%の断片から製造される。タバコロッドは、好ましくは、少なくとも95%の断片から製造され、最も好ましくは100%の断片から製造される。さらなる実施態様として、連続するタバコロッドの他の部分は、少なくとも部分的にタバコ材の繊維を含む。
【0036】
さらなる実施態様として、ロッド部は、タバコ機械において、または、フィルタ結合器において、中空チューブおよびフィルタ・プラグと結合される。このために、従来のタバコ機械またはフィルタ結合器を使うことができる。ロッド部、中空チューブおよびフィルタ・プラグの結合は、分割型ロッドであり、と同時に、エアロゾル発生品である。
【0037】
さらに、本目的は、請求項14の特徴を有するエアロゾル発生品により解決される。
【0038】
本発明におけるエアロゾル発生品は、再構成されたタバコ材のシートから切られた断片を含むフィラー(充填材)を囲む包装紙を備え、粘着性のフレーバーがタバコ材に加えられている。
【0039】
エアロゾル発生品は有益な特性を有し、それは本発明による方法の説明と関連して上述される。粘着性のフレーバーは、製品の風味を向上する。
【0040】
さらなる実施態様として、タバコ材は、クローブおよび/または、クローブ油および/または、サッカリンおよび/または、他のフレーバーおよび/または、グリセリンおよび/または湿潤剤を含む。
【0041】
さらなる実施態様として、フィラーは、再構成されたタバコ材のシートから切られた断片のみを含む。他の実施態様として、フィラーは、再構成されたタバコ材のシートから切られた断片に加えてタバコ材の繊維を含む。さらなる実施態様として、フィラーは、タバコ葉の繊維を含む。
【0042】
さらなる実施態様として、エアロゾル発生品は中空チューブおよびフィルタを備える。フィラーが中空チューブの一端に配置され、フィルタが中空チューブの他端に配置され、フィラーは包装紙に囲まれ、中空チューブおよびフィルタ・プラグがさらなる包装紙に囲まれ、さらなる包装紙は包装紙の一部を囲む。
【0043】
最後に、本発明は請求項1から13のいずれか1つに記載の生産方法により生産されるエアロゾル発生品、または、ヒータを有する請求項14から16のいずれか1つに記載のエアロゾル発生品の使用方法に関する。ヒータはエアロゾルを発生するためにタバコ内の断片を加熱するように設計されている。
【0044】
さらなる実施態様として、ヒータは、200℃から400℃の範囲の温度に、好ましくは約375℃の温度に、断片を加熱するように設計されている。
【0045】
使用のさらなる実施態様として、ヒータは電気ヒータである。
【0046】
さらなる発明の目的は、タバコ材を含むロッド用のヒータを使用するために、タバコ材を含む分割型ロッドを作製することであり、ほとんど労力なしに製造することができる。さらに、分割型ロッドを生産する方法は確立される。
【0047】
目的は、以下の特徴を有する分割型ロッドにより解決される。
【0048】
エアロゾルを発生するための分割型ロッドは、少なくとも1つのタバコ材を含むセグメントと、チューブセグメントと、固体セグメントとを備える。
【0049】
タバコ材が加熱され、喫煙者が吸い口端部を吸い込むと、少なくとも1つのタバコ材を含むセグメントはエアロゾルを発生する。チューブセグメントは、好ましくは、エアロゾルが加えられた加熱空気を冷却して、エアロゾルを発生する扱いやすい大きさのロッドを提供する。固体セグメントは、好ましくは、フィルタとして機能し、さらに、エアロゾルが加えられた空気を冷やす。
【0050】
ロッドがわずか3つのセグメントから構成されるという事実により、製造労力は減少し、高い生産能力を有する特に効果的な製造が促進される。
【0051】
分割型ロッドおよび以下の実施態様と、請求項1から20のいずれか1つに記載の本発明とのいかなる組み合わせも、本出願の主題でもある。
【0052】
一実施態様として、固体セグメントは、少なくとも1つのプラグ、好ましくは、アセテート・トウでできている少なくとも1つのプラグ、または、2つ、または、3つのプラグを備える。これにより、特に良好なフィルタ効果を得ることができる。
【0053】
他の実施態様として、固体セグメントは、吸引抵抗が80から130mmWG、好ましくは、80から105mmWGの範囲で設定されるように作成される。
【0054】
これは、ロッドがヒータに挿入されるときに、システムの中の吸引抵抗に関する。これにより、ヒータおよびロッドのシステムの吸引抵抗が従来のタバコの吸引抵抗に近づくことが、ここに、達成される。
【0055】
さらなる実施態様として、固体セグメントは少なくとも1つのプラグを備え、プラグは1つ以上の臭気物質を含む要素を有し、それは、カプセルまたは円筒、または、円錐形または卵形に成形した繊維体のように成形されている。臭気物質を含む要素は、ロッドの風味を向上する。
【0056】
さらなる実施態様として、固体セグメントは高温ガスの温度を30℃から40℃に制限する。その結果、口端から出るガスの温度は、従来のタバコの口端から出るガスの温度と同じである。
【0057】
さらなる実施態様として、固体セグメントは、エアロゾルが含まれた空気の通気を実施する。通気は8から30個の穴により実施され、穴は、好ましくは0.05から0.2mm、さらに好ましくは0.1mmの直径を有し、穴は、電子放射、または、機械的にレーザビームにより固体セグメントに作られる。穴を通じて、エアロゾルを含む空気が加えられた二次空気が、喫煙の間、吸入される。
【0058】
さらなる実施態様として、固体セグメントは、エアロゾルに空気を追加して供給することにより、エアロゾルを含んだ空気の温度を調整する。追加された空気は8から30個の穴により作られ、穴は、ヒータの周辺部周辺で、好ましくは0.1から0.5mm、さらに好ましくは0.25mmの直径を有する。二次空気により、エアロゾルを含む空気の温度は、好ましくは30℃から40℃範囲に、特に効果的に減少する。
【0059】
さらなる実施態様として、チューブセグメントは、1.3から2.5mmの壁厚を有し、および/または、5.2から8.5mmの外径を有する。チューブセグメントにおけるエアロゾルを含んだ空気の特に効果的な冷却が、これにより実現される。
【0060】
さらなる実施態様として、タバコ材を含むセグメントは、タバコ繊維、または、0.1から0.4mg/mmの密度を有する再構成されたタバコを含む。
【0061】
さらなる実施態様として、タバコ材を含むセグメントは、毛細管を挿入するための内側中空チューブを有する。分割型ロッドに損傷を与えることのない毛細管の挿入が、これにより促進される。
【0062】
さらにまた、目的は、以下の特徴を有する方法により解決される。
【0063】
本発明におけるタバコ材を含む分割型ロッドを生産する方法は、以下のステップを備える。
(a)チューブが、長いチューブに分割されるステップと、
(b)フィルタが、長いフィルタに分割されるステップと、
(c)長いチューブおよび長いフィルタが交互にそれぞれ続くように、長いチューブおよび長いフィルタを連続ロッドへと結合するステップと、
(d)ロッドが、紙により連続的に囲まれるステップと、
(e)紙により囲まれたロッドは、長い結合体に長いチューブで切断されるステップと、
(f)長い結合体が、中央部に1本の長いフィルタを有し端部に短いチューブをそれぞれ有する結合体へと、長いチューブの中央部でそれぞれ分割されるステップと、
(g)連続するタバコ材ロッドでできている連続ロッドおよびそれを囲んでいる連続シガレットペーパーが、個々の、長いロッドに切られるステップと、
(h)各長いロッドが2本のロッドに分割されるステップと、
(i)2本のロッドが別々に押されるステップと、
(j)結合体が2本のロッドの間に挿入されるステップと、
(k)連続チップ紙ウエブが、長いチップ紙に切られるステップと、
(l)長いチップ紙が結合体およびロッドの端部周辺に配置されて、それにより接着されるステップと、
(m)それに対して囲まれている結合体および隣接するロッドは、タバコ材を含む分割型ロッドへと、長いフィルタで分割されるステップ。
【0064】
本発明による方法は、特に効果的で、非常に多い生産数を可能にする。それは、従来の機械を使用しているタバコを生産するために実施することができる。
【0065】
分割型ロッドの生産方法および以下の実施態様と、請求項1から20のうちのいずれか1つに記載の本発明とのいかなる組合せも、本出願の主題でもある。
【0066】
一実施態様として、原料としてステップ(a)に記載されるチューブは、包装されていないアセテートから作り出される。
【0067】
さらなる実施態様として、原料としてステップ(b)に記載されるフィルタは、アセテートから作り出される。
【0068】
さらなる実施態様として、2本のロッドの間に結合体を挿入した後、2本のロッドは、結合体の端部に向かって進む。
【0069】
さらなる実施態様として、チップ紙ウエブは冷えた接着剤を備えており、冷えた接着剤を備えている長いチップ紙が、結合体に隣接するロッド部の端部周辺に配置される。
【0070】
さらなる発明の目的は、タバコ材を含むロッド用のヒータを作製することであり、同時に、タバコ材を加熱し、熱損失を回避すると共に、ロッドがヒータで動けなくなるのを防止して、ロッドの追加ヒータを必要としないことである。さらにまた、タバコ材を含むロッドにおいてエアロゾルを発生するためのヒータを備えるシステムと、タバコ材を含むロッドとは、利用できるようにされなければならない。
【0071】
目的は、以下の特徴を有するヒータによって解決される。
【0072】
タバコ材を含むロッドのエアロゾルを発生するための本発明によるヒータは、少なくともロッドの一部分を挿入することができる収容部と、空気を加熱するための発熱体と、少なくともロッドの一部分が収容部に挿入されて発熱体により加熱された空気をロッド内部へ導くための導管とを備える。
【0073】
本発明によるヒータは、ロッドの外側で空気を加熱して、加熱された空気を収容部に挿入されたロッドの中に導入する。熱損失は、防がれる。空気がタバコ材のロッド内に広がって均一にそれを加熱し、その結果、エアロゾルがタバコ材全体から均一に放出される。有毒な物質の放出は、均一な加熱により防がれる。タバコ材への伝熱が発熱体から直接に起こらず、加熱された空気を介するので、発熱体の固着が回避される。さらに、炭素含有燃料要素または電気伝導粒子のようなヒータの構成要素を、ロッドが必ずしも備える必要があるというわけではない。かくして、喫煙者が喫煙具に集積される酸化手段の燃焼ガスを吸い込むことが回避される。喫煙者が煙る物品に組み込まれる酸化手段の燃焼ガスにおいて呼吸することが回避される。
【0074】
ヒータおよび以下の実施態様と、請求項1から20のいずれか1つに記載の本発明とのいかなる組合せも、本出願の主題でもある。
【0075】
一実施態様として、ヒータは侵入要素を備え、ロッドの少なくとも一部分が収容部に挿入されると、侵入要素がロッドに深く入りこむ。収容部において侵入要素は導管の放出口を備えており、侵入要素がロッドに深く入りこむと、放出口がロッドの中に配置される。この実施態様は、侵入要素により加熱された空気が特に効果的にロッドの内部へ導入される効果がある。侵入要素は、タバコ材を経て空気の均等な分配を達成することができる。さらに、侵入要素は、収容部の物質を保持することができる。侵入要素の温度が空気の温度よりかなり低くすることができ、それによって、タバコ材が侵入要素に固着することが回避される。加熱された空気で侵入要素を浄化することは、タバコ材が侵入要素に固着するのを防止することができる。他の実施態様として、導管がロッドの外側、例えば口端の反対側の端部で終わり、加熱された空気が端部においてロッドに入ることができる。
【0076】
さらなる実施態様として、ヒータは、物理的な発熱体である。好ましい実施態様として、発熱体は、電気発熱体、例えば、電気抵抗ヒータである。
【0077】
他の実施態様として、発熱体は、化学的発熱体、特に、酸化手段、または、それぞれ可燃性の熱源である。化学発熱体は、必要に応じて、電気伝導壁により導管から離され、燃焼ガスが入りこまない空気が導管において加熱される。
【0078】
さらなる実施態様として、発熱体は、高温ガスを生成する。高温ガスは、空中に伝熱を強めることができる。
【0079】
さらなる実施態様として、導管は、1つ以上の毛細管を備える。毛細管において、空気を均一に加熱することができる。空気は毛細管からロッド内に均一に通過することができる。このために、各毛細管は、好ましくは放出口を有し、放出口から空気がロッドに入る。さらに、各毛細管は、ロッドを変形させることなく、特に容易にロッドに入り込むことができる。
【0080】
さらなる実施態様として、毛細管は、針状先端部を備えている。針状先端部は、ロッドを変形させることなく、ロッド内への毛細管の侵入を容易にする。
【0081】
さらなる実施態様として、毛細管は、収容部内にロッドの挿入方向と平行して延びる。これにより、収容部内にロッドが挿入されている間、毛細管がロッドに侵入することが達成される。あるいは、毛細管は、収容部内にロッドの挿入方向と平行して伸びる。ロッドが収容部に挿入されると、毛細管は確実に収容部に位置することができ、ロッド内に斜めに入り込むことができる。あるいは、収容部にロッドを挿入した後に、毛細管だけがロッド内に挿入される。この実施態様において、ロッドが収容部に特に安全に固定される。
【0082】
さらなる実施態様として、放出口は、少なくとも一つの穴を備え、好ましくは、特に0.3mmから0.8mmの間の直径を有する少なくとも1から4列の穴を備える。いくつかの穴により、タバコ材への加熱された空気の特に均一な導入が、達成される。
【0083】
さらなる実施態様として、穴は、毛細管の中心軸に鋭角で整列配置される。
【0084】
さらなる実施態様として、穴の代わりにノズルまたは開口部が、気流を調節するためにある。これにより、ロッドにおける加熱された空気の好ましい分配を達成することができる。
【0085】
さらなる実施態様として、毛細管は、60から160mmWG の吸引抵抗(RTD)を有する。これにより、ヒータにより煙らせる喫煙具の吸引抵抗を、従来のタバコの吸引抵抗に近づけることが達成される。
【0086】
さらなる実施態様として、毛細管はステンレス鋼製であり、ステンレス鋼は非接着材層でおおわれている。これにより、毛細管へタバコ材が固着するのを防止する。さらなる実施態様として、毛細管の全てまたは毛細管の外層が、断熱材で作られている。断熱材は、毛細管が加熱されるのを防止し、これにより、タバコ材への毛細管の固着を防止する。
【0087】
このために、さらなる実施態様として、ヒータはパフ(puff)(吸引)の数を制御して、制限する。ここで、パフの数は好ましくは6から14回のパフ、特に11回の吸引である。このために、さらなる実施態様として、ヒータは、真空センサ、制御装置(コントローラ)、および、弁を備える。制御装置は真空センサおよび弁に接続される。パフにより真空センサに捉えられた圧力損失の場合に制限された空気量を通すように、制御装置は弁を制御するように設計されている。ここにおいて、エアロゾルがタバコ材により完全に放出されるまで、6から14回のパフが可能であるように、空気量が好ましくは制限され、11回のパフがこれにとって好ましくは可能である。
【0088】
さらなる実施態様として、ヒータは温度センサを備え、温度センサは、導管、および、温度センサと発熱体に接続される制御装置の温度を検出する。制御装置は、導管の空気の温度を特定の範囲内で制御する。これにより、エアロゾルがタバコ材から放出される加熱された装置が均一な温度を有することが達成される。好ましい温度は、200℃から400℃の範囲内であり、さらに好ましくは375℃である。
【0089】
さらなる実施態様として、ヒータは真空センサを備え、真空センサは、導管、制御装置、および、亀裂音を生成する音発生装置に配置される。制御装置は真空センサおよび音発生装置と接続されている。真空センサがパフにより圧力損失を確認した際に、音発生装置が亀裂音(ピシッという音)を生成するように、制御装置は音発生装置を制御するように設計されている。インドネシアのタバコを吸うときに、インドネシアのタバコの特別な物質の燃焼により生じる音をこの実施態様は擬態している。特に、クローブ花の中の小さな粒が破裂して、クローブ油が加熱により放出されるときの音である。
【0090】
さらにまた、目的は、以下の特徴を備えるシステムによって解決される。本発明におけるシステムは上述したタイプのヒータおよびタバコ材を含むロッドを備える。ロッドはヒータの収容部内に挿入可能である。システムは、主に危険物質の吸入を回避し、タバコ材に含まれる風味を利用しながら喫煙を可能にする。熱損失およびヒータへのロッドの固着が回避される。ロッドは、タバコ材を加熱するために、それ自身のヒータを必要としない。
【0091】
システムおよび以下の実施態様と、請求項1から20のいずれか1つに記載の本発明とのいかなる組合せも、本出願の主題でもある。
【0092】
さらなる実施態様として、ロッドはいくつかのセグメントを備え、少なくとも1つのセグメントはタバコ材を含み、ヒータにより先に加熱された空気により加熱されるだけである。タバコ材を含むセグメントに加えて、別のセグメントがあってもよく、特に冷却するためのセグメントおよび加熱された空気を濾過するためのセグメントがあってもよい。
【0093】
さらなる実施態様として、ロッドは、少なくとも1つのタバコ材を含むセグメント、チューブセグメントおよび固体セグメントを備える。チューブセグメントは、好ましくは、エアロゾルを含む加熱された空気を冷却し、固体セグメントは、エアロゾルを含む空気をフィルタにかけて、さらに冷却する。
【0094】
さらなる実施態様として、固体セグメントは、好ましくはアセテート・トウで作られた少なくとも1つのプラグ、または2つまたは3つのプラグを備える。これにより、特に良好なフィルタ効果を得ることができる。
【0095】
他の実施態様として、固体セグメントは、吸引抵抗が80から130mmWG、好ましくは120から130mmWGの範囲で設定されるように作成される。ロッドがヒータ内に挿入されるときに、このことがシステムの吸引抵抗に関係する。これにより、ヒータおよびロッドのシステムの吸引抵抗が従来のタバコの吸引抵抗に近づくことが達成される。
【0096】
さらなる実施態様として、固体セグメントは少なくとも1つのプラグを備え、それは、1つ以上の臭気物質を含む要素を有する。臭気物質は、カプセルまたは円筒のように形成されているか、または、円錐形または卵形に形成された繊維体である。臭気物質含有要素は、ロッドの役割を改善する。
【0097】
さらなる実施態様として、固体セグメントは高温ガスの温度を30℃から40℃に制限する。この結果、口端を出るガスの温度は、従来のタバコの口端を出るガスの温度と同様である。
【0098】
さらなる実施態様として、固体セグメントはエアロゾルを含む空気の通気を実現する。通気は、好ましくは0.05から0.2mm、さらに好ましくは0.1mmの直径を有する、8から30個の穴により実現される。穴は、レーザビームにより、電子放出により、または、機械的に、固体セグメントに作成される。穴を通して、エアロゾルを含む空気に加えられる二次空気が、喫煙の間、吸入される。
【0099】
さらなる実施態様として、固体セグメントは、エアロゾルに追加された空気を供給することによりエアロゾルを含む空気の温度を調整する。追加された空気はヒータの周辺部周辺で、好ましくは0.1mmから0.5mmの直径を有し、より好ましくは0.25mmの直径を有する8から30個の穴によってつくられる。二次空気により、エアロゾルを含む空気の温度が、好ましくは30℃から40℃の範囲に、特に効果的に減少する。
【0100】
さらなる実施態様として、チューブセグメントは、1.3から2.5mmの壁厚および/または5.2から8.5mmの外径を有する。これにより、チューブセグメントにおけるエアロゾルを含む空気の特に効果的な冷却を達成することができる。
【0101】
さらなる実施態様として、タバコ材を含むセグメントは、タバコ繊維、および/または、0.1から0.4mg/mmの密度を有する再構成したタバコを含む。
【0102】
さらなる実施態様として、タバコ材を含むセグメントは、毛細管を挿入するための内側中空チューブを有する。これにより、ロッドに損傷を与えることのない毛細管の挿入が、促進される。
【0103】
更なる発明の目的は、粘着性のタバコ材で作られた連続ロッドを形成するために、より高い生産能力およびより長い耐用年数を有する信頼性の高い装置を提供することである。
【0104】
目的は、以下の特徴を有する装置によって解決される。
【0105】
粘着性の断片の連続ロッド、および/または、エアロゾル発生品生産のためのタバコ材の繊維を形成するための本発明による装置は、吸引ロッドコンベヤを備える。コンベヤは、回転し、連続する、多孔質なテープを有する。テープは、上方から真空が供給され、下側にタバコ材の断片および/または繊維がタバコ経路に沿って運搬され、少なくとも1つの液体圧力ノズルがテープの下側の方を向いて、圧力がかけられた液体源に接続されていることを特徴とする。
【0106】
本発明における装置の場合、テープは、圧力がかけられた液体ノズル(加圧液体ノズル)からの圧力がかけられた液体に、連続的にまたは断続的に、当てられる。液体は負の圧力源により引き出される。これのために、追加された負の圧力源が、連続多孔質テープに好ましくは供給される。あるいは、または、加えて、連続多孔質テープに供給される吸引装置が、これのために用いられる。これにより、粘着性の粒子および他の不純物がテープから抽出され、テープが洗浄される。これにより、操業停止が回避され、高い処理量が達成される。また、テープの耐用年数が増加する。負の圧力源が連続多孔質テープに好ましくは使用され、それは作動液を供給される側の反対側に位置する。あるいは、または、加えて、それは、同じ側に取り付けられる。
【0107】
テープの洗浄は、好ましくは、テープ上で連続ロッドがタバコ材から作り上げられていない、テープ領域において連続ロッドのタバコ材の生産中に行う。テープの洗浄は、好ましくは、連続ロッドが形成されるテープ部分からはるかに離れた領域において行われる。あるいは、テープの洗浄は、装置がタバコ材の連続ロッドを生産していない製造工程が停止している間に行われる。
【0108】
装置は、再構成されたタバコ材の粘着性の断片の処理と同様に、粘着性のタバコ繊維の処理の両方に適している。
【0109】
粘着性のタバコ材の連続ロッドを形成する装置および以下の実施態様と、請求項1から20のいずれか1つによる本発明とのいかなる組合せも、本出願の主題でもある。
【0110】
本発明の一実施態様として、排気フードは、少なくとも1つの液体圧力ノズルの反対側にテープの上側に配置されて、負の圧力源に接続されている。流体または塵は、それぞれ、排気フードにより特に効果的に引き抜かれる。
【0111】
本発明の一実施態様として、液体圧力ノズルは、水圧ノズル(加圧水ノズル)であって、加圧水源に接続されている。特に効果的な洗浄が、テープへの加圧水の噴霧によって達成される。水は、飲料水または完全な純水または超高純度の水である。さらに、洗浄剤を水に加えてもよい。さらにまた、洗浄剤を有する第1の水を、次に洗浄剤を含まない水を噴霧してもよい。
【0112】
好ましい実施態様として、装置は、1から4個の液体圧力ノズルを備える。好ましくは、装置は、2つの液体圧力ノズルを備える。他の実施態様として、液体圧力ノズルは、平坦な霧吹きノズルである。さらなる実施態様として、液体圧力ノズルは、搬送方向に対して垂直に、または、吸引ロッドコンベヤのテープの移動方向に、1列以上でそれぞれ配置される。好適な実施態様として、液体圧力ノズルは、2から100barの圧力で動く。
【0113】
さらなる実施態様として、少なくとも一つの圧縮空気ノズル(空気圧力ノズル)は、テープの下側に向けられ、圧縮空気源に接続されている。圧縮空気により、テープは、特に塵について浄化され、流体に加圧され噴霧されたものの残留量がテープから取り除かれる。 これにより、吸引部の形成の間、タバコ材に湿気を供給しないように、また、タバコ材がテープに貼り付かないように、テープが乾燥される。
【0114】
圧縮空気によりテープを乾燥させることは、製造工程を継続中に、テープを掃除するのに特に有益である。
【0115】
さらなる実施態様として、装置は、3から28個の圧縮空気ノズルを備える。装置は、8個の圧縮空気ノズルを備えるのが好ましい。さらなる実施態様として、圧縮空気ノズルは、搬送方向に対して垂直に、または、吸引ロッドコンベヤのテープの移動方向に、それぞれ1列以上で配置される。好適な実施態様として、圧縮空気ノズルは、0.1から10barの範囲の圧縮空気により動かされる。好ましくは、5から6bar圧力で作動される。
【0116】
さらなる実施態様として、外気供給装置は、排気フードの反対側にテープの下側に配置されて、外気に接続される。外気供給装置からの外気による通風でテープを再び乾燥することができ、不快な風味を除去することができる。
【0117】
さらなる実施態様として、排気フードが塵除去用送風機と負圧源とに任意に接続できるように、吸引フードは二方弁を介して塵除去用送風機と負圧源に接続される。テープから塵を除去するために、好ましくは、第1圧縮空気が供給され、加圧液はまだ供給されず、排気フードは塵除去用送風機に接続される。それから、粘着性の成分を除去するために、加圧液、および、適用可能であれば、さらに圧縮空気が供給され、負圧源は排気フードに接続される。
【0118】
さらなる実施態様として、二方弁は、少なくとも1つのフィルタを介して負圧源に接続される。フィルタは、テープから離れた流体から、水、および/または、汚れたタバコ、および/または、塵、および/または、空気を除去するのに用いられる。
【0119】
さらなる実施態様として、二方弁は、水および汚れたタバコを除去するためのフィルタと、塵および空気を除去するためのフィルタとの連続配置を介して負圧源に接続される。
【0120】
さらなる実施態様として、少なくとも1つの液体圧力ノズル、および/または、圧縮空気ノズル、および、排気フードは吸引チャンバの中に配置され、吸引チャンバは、テープの上側に負の圧力を発生させるために、テープの一部分を囲む。あるいは、少なくとも1つの液体圧力ノズル、および/または、圧縮空気ノズル、および、排気フードが、吸引チャンバの外側に配置される。
【0121】
さらなる実施態様として、圧縮空気ノズルは、テープの流れる方向で液体圧力ノズルの後に配置される。これにより、加圧液による洗浄の後に、テープの乾燥が達成される。
【0122】
さらなる実施態様として、外気の供給装置は、テープの流れる方向で少なくとも1つの液圧流体ノズルの後に配置される。これにより、テープは、洗浄して乾燥した後に、通気される。さらなる乾燥を通気により達成することができ、テープ上に不快な風味が堆積するのを減少することができる。
【0123】
本発明は、例示的実施態様の添付の図面を参照して、さらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0124】
図1】本発明のエアロゾル発生品を示す長手方向断面図である。
図2】再構成されたタバコ生産用のローリング方法を示すフローチャートである。
図3】再構成されたタバコ生産用のスラリー方法を示すフローチャートである。
図4】再構成されたタバコ生産用の紙方法を示すフローチャートである。
図5】再構成されたタバコ材の断片を使用するエアロゾル発生品の生産装置を示す概略斜視図である。
図6】チューブ、フィルタおよびタバコロッドの組立てを示す概略フローチャートである。
図7】チューブおよびフィルタの組立てを示す概略フローチャートである。
図8】ヒータを示す長手方向概略断面図である。
図9】ロッドに挿入されるヒータを示す長手方向概略断面図である。
図10】さらなるヒータを示すX線像である。
図11図11(a)は吸引テープを洗浄する装置を示す概略図であり、図11(b)は、吸引チャンバにおいて吸引テープを洗浄する装置の配置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0125】
図1を参照すると、エアロゾル発生品1はロッド部2を備える。 ロッド部2は、再構成されたタバコ材3で充填されている。ロッド部2は、包装材4により巻かれている。これは、シガレットペーパーが好ましい。
【0126】
例えばアセテート製、特に巻かれていないアセテート(NWA)製、または紙製のチューブ5がロッド部2の一端に接続される。フィルタ6が中空チューブ5の他端に付けられる。フィルタ6は、アセテート製が好ましい。
【0127】
チューブ5およびフィルタ6は共に、例えばフィルタ紙で作られた内側包装紙7により巻かれており保持されている。チューブ5、フィルタ6およびその近傍の包装材4の端部は外側包装紙8により巻かれている。ここで、これは、チップ紙が好ましい。ここで、ロッド部2、 チューブ5およびフィルタ6は、共に保持されることが好ましい。
【0128】
エアロゾル発生品1は、セグメント化されたロッドである。
【0129】
再構成されたタバコ材3は、下記に記載された方法の1つにより作られる。
【0130】
図2を参照すると、ロール工程において、茎のようなタバコくず、および、タバコの小片が供給され(符号8)、第1ステップ9において磨りつぶされる。第2ステップ10において、磨りつぶされた材料は、粘着剤11および水、スパイスおよび香料またはフレーバー12と混合される。
【0131】
第3ステップにおいて、混合物は第1ロール工程によりローラーで延ばされ、第4ステップにおいて、混合物は第2ロール工程14によりローラーで延ばされる。ローラ工程を経た材料は第5ステップ15において乾燥され、次の第6ステップにおいて糸状にカットする。第7ステップ17において、カットされた糸状のもの(ストリング)はシリンダにおいて平衡乾燥される。
【0132】
最後に、最終ステップ18において乾燥された糸状のものは包装される。これは、例えば、再構成されたタバコ材が、エアロゾル発生品が作られる同じ工場で作られるなら省略することができる。
【0133】
図3におけるスラリー法において、茎およびタバコ葉のかけら19のようなタバコくずが供給される。第1ステップ20において、原料が磨りつぶされる。第2ステップ21において、磨りつぶされた原料は、粘着材22および水、スパイス、香料、またはフレーバー23と共にパルプへ混ぜ合わされる。
【0134】
第3ステップ24において、平坦な固形材が形成されるように、パルプは平坦な下敷き上で乾燥される。
【0135】
第4ステップ25において、 平坦な材料が糸状にカットされ、適用可能であれば、第5ステップ26において包装される。
【0136】
紙製造方法は、図4の方法により行うことができる。ベース製品は、順に、茎、押しつぶされたタバコの葉、および、タバコ塵27のようなタバコ副産物である。
【0137】
原料は、第1ステップ28において分類される。第2ステップ29において、分類された原料が、水30および(再利用される)抽出手段31に浸される。
【0138】
第3ステップ32において、成分が混合物から抽出される。抽出された物質を積載した抽出手段が再利用され(符号31)、第2ステップ29に供給される。
【0139】
残留する材料は、固体33および液体34に分けられる。固体は、繊維およびフィラー36の追加の間、さらなるステップ35においてパルプに加工される。紙生成工程において、紙は他のステップ37において作られる。
【0140】
抽出後に分離された液体34は、他のステップ38において浄化されて、低温で濃縮される(符号39)。それから、添加物または成分40、41それぞれが、2つのステップ42,43において加えられる。これらは、例えば、クローブ油、および/または、他のクローブ製品、および/または、糖蜜、および/または、蔗糖、および/または、他の砂糖製品、および/または、サッカリン、および/または、他の人工甘味料である。
【0141】
生成された紙37は、第2ステップ44において、濃縮して得られた液体にしみ込まされコーティングされる。
【0142】
しみ込まされてコーティングされた紙は、それからさらなるステップ45から48において乾燥され、カットされ、空気乾燥されて、適用可能であれば、包装される。
【0143】
上述された方法により生産される再構成されたタバコ3は、タバコ切断機において小片に刻まれる。欧州特許出願公開0872189号に記載されているように、例えば、Hauni社のKT2型のタバコ切断機をこのために使用することができる。
【0144】
小片はタバコ乾燥機で乾燥されることが好ましい。欧州特許出願公開1929888号に記載されているように、例えば、Hauni社のKLD型回転乾燥機をこのために使用することができる。
【0145】
さらなるステップにおいて、乾燥され切断された小片にトップ・フレーバーを加えてもよい。トップ・フレーバーは、例えば、クローブ油および/または他のクローブ製品および/または糖蜜および/または蔗糖および/または他の砂糖製品および/またはサッカリンおよび/または他の人工甘味料でもよい。グリセリンまたは他の湿潤剤を加えてもよい。フレーバー装置をこのために使用することができ、例えば、Hauni社のFLT型のスプレーアプリケーションを有するフレーバードラムが挙げられる。
【0146】
このように調整されるタバコ小片のさらなる処理を、図5に基づいて説明する。
【0147】
従来のタバコ機械において、タバコ小片3は、コンベヤ50により第1貯蔵部49から斜め上方へ運ばれる。コンベヤ50の上端から、覆われたタバコの小片3は、ガイド軸51へ落ちる。ガイド軸51の底端部から、タバコ小片3は、吸引テープ54の下方で緻密な覆い布53においてニードルピッカーローラ52によって分散される。負の圧力が、吸引テープ54の頂側部に供給される。負の圧力は吸引テープ54の底面上のタバコ小片3を吸引し、ここで、それらは経路において連続するタバコロッド(またはタバコ材のそれぞれ連続するロッド)に成形される。
【0148】
吸引テープ54の端部で、タバコロッド55は、一対のトリミング・ディスクを有するトリミング装置56によって、定められた高さに切り取られる。トリミング・ディスクは、外面上にポケットを有する。両方のトリミング・ディスクの外面のポケットのない部分が交互にタバコロッド55からタバコを離すようにそれらが同期し、両方のトリミング・ディスクのポケットがタバコロッドからタバコを離すというわけではない。ここで、タバコロッドの端を封止するヘッドが準備される。
【0149】
連続的に形成されたタバコロッド55は、タバコ機械においてシガレットペーパーに包まれる。このために、シガレットペーパーの連続ストリップ58は、シガレットペーパーローダー57から供給される。
【0150】
ストリップ58は、タバコロッド55が運ばれる方向にガニチャテープ59上に運ばれ、この結果、タバコロッド55にストリップ58が加えられる。固定されたそらせ板または巻きつけ装置により、それが加えられたあと、ストリップ58はタバコロッド55の周囲を封止する。接着場所において、接着剤噴出口59.1により冷えた接着剤が、ストリップ58の2つの端の重なり合う領域に供給される。それから、ストリップ58は封止室60で合わせ目の領域で加圧され、冷えた接着剤は下流のロッドヒータ61により硬化される。連続して包まれたタバコロッド62は、ロッドヒータ61から出る。
【0151】
次に、包まれたタバコロッド62の重量を調整するシステムのマイクロ波センサを備える重量検査システム63において、包まれたタバコロッド62の重量が連続的に測定される。次に、包まれたタバコロッド62の直径を調整するシステムの直径検査システム64において、包まれたタバコロッド62の直径が連続的に測定される。
【0152】
この後にロッド切断機構65が続き、連続的に包まれたタバコロッド62は、そこで、回転ナイフ66により個々に長いロッド部67に切り分けられる。
【0153】
長いロッド部67は、移行ヘッド68により、タバコストランド55が運ばれる方向に対して連続した平行の長いロッド部67へと垂直に方向を変えられる。これらは、ピックアップドラム69により運ばれる。
【0154】
長いロッド部67は、それぞれ、第1切断ドラム70により、2つのロッド部71(タバコロッド)にそれぞれ分けられる。
【0155】
2つのロッド部71の各ペアは、分離ドラム72により引き離される。
【0156】
ロッド部71の運ばれる経路より上に、長いチューブ71の結合体73、両側の2つの長いフィルタ75および2つの端部の2つの短いチューブ76が、中央の第2貯蔵部78から供給されている。結合体73は包装されて、薄紙76(例えば濾紙)により、共に保持されている。それらはフィルタ組立装置に組み込まれ、タバコ機械(例えば、Hauni社の「マックス」型)の一部であってもよい。チューブ78およびフィルタ80の製造は、概略的に図によって、図6の上部および図7において示される。チューブ79は、好ましくは、非包装アセテート(NWA)フィルタ・メーカーにより製造され、フィルタ80はアセテートフィルタ・メーカーにより製造される。
【0157】
図7を参照すると、チューブ79およびフィルタ80はそれぞれ長いチューブ74および長いフィルタ75に分けられて、結合器において連続ロッドに結合される。ここで、長いチューブ74および長いフィルタ75は交互に配置される。ロッドは、紙78により包まれて、長いチューブ79による結合体73に分けられる。
【0158】
図5を参照すると、結合体73は、第2ホッパー77から平行した配列において連続して出力され、第2切断ドラム81により、2つの半体または結合体82にそれぞれ分けられる。分割により作成された結合体82は、両端に2本の短い中空チューブ76を有する長いフィルタ75を中央にそれぞれ有する。
【0159】
これらの結合体81は、交互配置ドラム83により、各々に関してオフセットされて、センタリングドラム84により各々の後に一列の平行な配列に配置されて、運ばれる。最後に、分離ドラム72の2つのロッド部71の間に、結合体82が前組立ドラム85により挿入される。
【0160】
連続チップ紙ウエブ87は、チップ紙ローダー86から連続的に供給される。チップ紙ウエブ87はチップ接着装置88より冷えた接着剤が提供され、それは前加熱装置89において加熱される。次に、チップ紙ウエブ87は、チップ紙切断ドラム90により短いチップ紙91に切断される。そして、チップ紙91は組立ドラム93に共に押しつけられる結合体およびチップ紙ドラム92によりロッド部71の隣接する端周辺に配置される。
【0161】
このように前接着される結合体94は、回転ヒータ96の回転ドラム95を回避する。次に、それらは、移送ドラム97により最終切断ドラム98に供給されて、フィルタ82で2つのエアロゾル発生品1、または、2本の分割型ロッドにそれぞれ分けられる。
【0162】
結合体73およびロッド部71からの製品1の生産は、概略的に図6に示される。製品1の予備製品のそれぞれの状態に加えて、それに作用する装置も明示されている。
【0163】
チップ紙8がそれぞれ図の前方側面となるように、エアロゾル発生品1は回転ドラム99により1列の平行した配列となる。
【0164】
次に、製品は移送ドラム100によりレーザー・ステーション101の移送ドラムに供給され、二次空気のための切取り線がチップ紙8の領域に入れられる。
【0165】
次に、製品1は移送ドラム102を介して検査ドラム103に向かう。そこで品質が検査され、傷物製品1は下流の最終不合格品ドラム104により選別される。欠陥のない製品1は、移送ドラム105および移送サンプリングドラム106の方に向かい、また、梱包機械、または、サンプリング箱108への出口ドラム107の方へ向かう。
【0166】
選別された不合格品、または、運搬の間に落下したそれぞれの中間製品は、輸送コンベヤ109を介して更なる使用に供給される。
【0167】
エアロゾル発生品1は、図8から10に示すように、ヒータを用いて消費される。
【0168】
図8を参照すると、一端に製品1用の挿入開口部112と他端に空気用の吸気口113とを有する管状ベース本体111をヒータ110は備えている。ベース本体111において、毛細管114が同心軸で配置される。毛細管114は、針状端部115を有する。毛細管114および針状端部115はそれぞれ径方向の穴116を備え、その穴は、毛細管114またはそれぞれの針状端部115の外側と内部とを相互接続する。
【0169】
針状端部115の反対側に位置する端部において、毛細管114は、漏斗状の拡大部116に接続される。拡大部116は、毛細管114の反対側に空気用の入り口開口部117を備えている。空気用の導管118は、入り口開口部117から拡大部116および毛細管114を通って針状端部115まで延びる。発熱体119(例えば、電気抵抗加熱ワイヤ)は、拡大部116に配置される。
【0170】
針状端部115を有する毛細管114および拡大部116は、発熱体119と同様に、ホルダー(不図示)によりベース本体111に保持される。
【0171】
さらにまた、ベース本体111は、側面に少なくとも一つの径方向の通気口120を有する。
【0172】
電池または再充電可能電池を有する実施例では、電気発熱体119は電力で作動される。
【0173】
ベース本体内部の、製品1の一部である収容部121は、挿入開口部112を通じて外側からアクセス可能である。
【0174】
図9を参照すると、ロッド部2を有する製品1は、収容部121に通じている挿入開口部を通じて前方に挿入され、針状端部115を有する毛細管114は、再構成されたタバコ材3に前方に深く入り込む。
【0175】
発熱体119は、電力供給により加熱される。喫煙者がフィルタ6を吸い込むと、吸気口113からの空気が製品1および導管118を通じてベース本体111に吸い込まれる。吸い込まれた空気は、発熱体119により例えば375℃程度の温度まで加熱され、導管118および穴116を通ってロッド部2の中へ向かう。そこで加熱された空気は、再構成されたタバコ材3からエアロゾルを放出する。
【0176】
エアロゾルを有する加熱された空気は、チューブ5およびフィルタ6を通って喫煙者の口へと進む。途中のチューブ5およびフィルタ6により、エアロゾルおよび空気は30℃から40℃の温度に冷やされ、不必要な物質はエアロゾルからフィルタで除去される。吸入の間、二次空気が、ベース本体111の通気口120および再構成されたタバコ材3の端部を通じて製品に入る。さらに、二次空気は、フィルタ6上の二次空気穴122を通じて混入される。二次空気は、エアロゾルおよび空気の冷却に貢献する。
【0177】
製品1が使い切られると、すなわち、再構成されたタバコ材3が吸入に応じて感知できるほどのエアロゾルの量をもはや放出しなくなると、喫煙者は製品1を引き抜くことができ、ヒータは新しい製品1をすぐに受け入れることができる。
【0178】
図10におけるヒータ110.1は、特に、真空センサ123が導管118に接続されているという点で、上述したものと異なる。真空センサ123は、電子コントローラ124に接続されている。さらに、ヒータ110.1は、亀裂音を生成する音発生装置125を有する。
【0179】
電力供給源は、コントローラおよびヒータと接続されている。電力供給源は、プラグ接続部126、例えば、USBポートにより任意に接続可能である。電力供給は、コンピュータ、ラップトップ、などから得ることもできる。
【0180】
図10におけるヒータ110.1は、いくつかのモジュール127で構成されていてもよい。モジュール127は、円筒形ベース本体111の一部分111.1に、針状端部115を有する毛細管114、センサ123、コントローラ124、音発生装置125、および、発熱体119を備える。
【0181】
さらなるモジュール128は、製品1の一部として収容部121を備え、接着接続または着脱可能な接続(例えばネジ接続)を介してこのモジュール127に接続することができる。さらなるモジュール128は、円筒形ベース本体の更なる一部分111.2を備え、適用可能であれば二次空気穴が設けられている。さらなるモジュールの内径は、製品1の直径に適合する。異なる外径を有する製品1を使用するためにモジュール128が異なる直径を有して、ヒータ110.1が作られてもよい。
【0182】
さらに、ヒータ110.1は電力供給モジュールを備えていてもよく、電力供給モジュールは、例えば、固着、または、着脱可能な接続(例えばネジ接続)により、モジュール127の他端に接続される。電力供給モジュールは円筒形ベース本体111の一部分を有していてもよく、そこにおいて、例えばボタン電池などの電池または再充電可能電池が配置される。モジュール127の電気的構成要素と電力供給モジュールとの接続は、プラグ接続または固定配線を介して実施することができる。
【0183】
クローブ製品の燃焼によりインドネシアのタバコを吸うときに典型的であるように、収容部121に挿入された製品1を喫煙者が吸い込むと、センサ123は負の圧力を記録し、コントローラ124が亀裂音を制御する。
【0184】
さらに、コントローラは、タバコを吸っている間、発熱体119のスイッチを入れてもよいし、または、吸入の間に吸い込まれる空気を加熱するために、発熱体119に増加した電力を供給してもよい。
【0185】
図11(a)および図11(b)は、吸引テープを洗浄する装置129を示し、特に、図1に示す吸引テープ54にも使うことができる。
【0186】
図11(a)を参照すると、装置129は少なくとも一つの水圧ノズル130を備え、水圧ノズル130はテープ54の下側に向けられる。さらに、装置129は空気圧力ノズル131を備え、空気圧力ノズル131はテープ54の流れの方向で水圧ノズル130の後にテープ54の下側に向けられる。さらに、装置129は外気供給装置132を備え、それはテープ54の流れの方向で空気圧力ノズルの後にテープ54の下側に向けられる。
【0187】
好ましくは、0.1から1mmの直径を有する水圧ノズル130が用いられ、それは最大の水圧が100barで作動される。
【0188】
好ましくは、1から4個の、また好ましくは2個の水圧ノズル130が用いられる。水圧ノズル130は好ましくは平坦な霧吹きノズルである。例えば、商品名DeLavan CACの平坦な霧吹きノズルが用いられる。
【0189】
空気圧力ノズル131は、好ましくは0.1から1mmの直径を有する。
【0190】
3個から25個、好ましくは8個の空気圧力ノズル131が用いられる。空気圧力ノズル131は、水平面に対して水平に、垂直に、そして、斜めに配置してもよい。それにより、空気圧力ノズル131の上をテープが通過する。いくつかの空気圧力ノズル131は、ベルト54に、異なって整列配置されることが好ましい。
【0191】
テープ54の上方に、排気フード133が、水圧ノズル130、空気圧力ノズル131および外気供給装置132の反対側に配置される。
【0192】
空気圧力ノズル131は水圧調整器134を介して水圧ポンプ135に接続され、水圧ポンプ135は容器136から水を供給される。水圧ポンプ135は、2から250barの水圧を起こすことができる。水圧調整器134は、5から250barの範囲の水圧の調節をすることができる。
【0193】
空気圧力ノズル130は、空気圧調整器137を介して圧縮空気ネットワーク138と接続される。空気圧力は、0.1から10barの範囲で空気圧調整器137により調整することができる。
【0194】
外気供給装置132は、例えば、テープ54の下側の方へ開かれたフードであり、フードは導管を介して外気に接続されている。
【0195】
排気フード133は、導管139を介して二方弁140と接続されている。二方弁140は、一方が塵送風機141と接続され、他方が直列接続したフィルタ装置142および143を介して真空ポンプ144または他の負圧源と接続される。
【0196】
負圧源144は、周囲温度に対して100から500mbarの負の圧力を発生させる。
【0197】
フィルタ142は、水および汚れたタバコを除去するのに用いる。フィルタ142は、排出を経て水槽145に接続されている。
【0198】
図11(b)を参照すると、傾斜装置129は、テープ54の上側に負圧を発生する吸引チャンバ146の中に配置される。
【0199】
テープ54の浄化は、好ましくは断続的に実施される。浄化は、50,000から1,000,000本のタバコの製造の後、または、50,000から100,000本のタバコの製造に対応するそれぞれの時間枠の後に好ましくは行われる。
【0200】
加圧水を用いない通常の製造の間、二方弁140が適切に切替えられると、中央塵除去部への塵送風機141による塵および空気の除去が行われる。水圧ノズル130から加圧水を用いて洗浄する間、二方弁140が適切に切替えられると、負圧源144により水その他の吸引が行われる。
【0201】
テープ54の耐用年数を、かなり長くすることができる。浄化装置129を使用した場合のテープ54の最小耐用寿命は522,000本のタバコであり、最大達成実行時は2,323,000本のタバコである。浄化装置129により定期的に浄化することで、平均して、1,474,255本のタバコがテープ54で生産することが可能であった。
図1
図2
図3
図4
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図6
図7
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図9
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図11