【課題を解決するための手段】
【0020】
その目的は、請求項1の特徴を有する方法により解決される。
【0021】
エアロゾル発生品を生産する本発明による方法は以下のステップを備える。
(a)再構成されたタバコ材のシートを作成するステップと、
(b)前記シートを断片に切断するステップと、
(c)
前記再構成されたタバコ材のシートの製造の間、前記タバコ材または前記断片にフレーバーを加えるステップと
(d)
前記再構成されたタバコ材のシートの製造の間、前記タバコ材
または前記断片に粘着性のあるフレーバーを加えるステップと、
(e)断片を有し、連続するタバコロッドを生産するステップと、連続して包まれた(囲まれた)ロッドを形成するためにタバコロッドを包装紙で囲むステップと、連続して包まれたロッドを個々のロッド部に切断するステップ。
なお、フレーバーは、クローブ油および/またはクローブ生産物であり、粘着性のあるフレーバーは、糖蜜および/または、サッカリンおよび/または、他の人工甘味料である。
【0022】
本発明による方法は、エアロゾル発生品の生産のために再構成されたタバコ材のシートを使用する。シートは、タバコの茎、破砕されたタバコの葉、タバコ粉末または他のくずから作られる。スラリー方法、または、圧延方法等、好ましくは製紙方法から借用できる方法で、製造が行われる。これらの方法は、高度に開発されて、安全である。再構成されたタバコの使用の重要な効果は、タバコにおけるタールおよび他の有毒な物質の割合を減少させることができる点である。試験によると、再構成されたタバコ材のタールの割合が従来のタバコ材のタールの割合よりも60%少ないことを示した。さらに、再構成されたタバコ材の生産の間、使用済みの材料の異なる特性のバランスがとられるので、再構成されたタバコ材の使用によりエアロゾル発生品の品質が安定する。エアロゾル発生品の生産のためにタバコ生産くずの再利用は、経済的にも、環境的にも有益である。他の効果として、再構成されたタバコは密度が低く、高い多孔性および良好な可燃性を有し、その充填物含有量はエアロゾル発生品のタバコ材へのタバコ副産物の直接添加に対してよりも高くすることができる。これにより、生産コストを減少することができ、競争力を高めることができる。粘着性のフレーバーは、風味を向上する。粘着性のフレーバーは、好ましくは、糖蜜または砂糖生産の他の生産物である。糖蜜は、インドネシア市場用のタバコのために、湿潤剤およびフレーバーとしてタバコに加えられる。糖蜜が加えられた再構成されたタバコの連続シートは、添加物の粘着性のために、処理可能でなくなるか、または、処理するのが非常に困難となる。かくして、本発明は、糖蜜または他の粘着性のフレーバーが加えられた再構成されたタバコ材の断片の処理方法を提供する。吸引テープコンベヤ、および、トリミング・ディスクを有する従来の分配ユニット、ロッド製造機、および、タバコ製造のフィルタ組立機は、エアロゾル発生品の製造のために使用することができる。インドネシアのタバコに典型的な粘着性のフレーバーを有するエアロゾル発生品のかなりの量の生産の技術的に容易な制御可能な製造のための再構成されたタバコ材の利点が、このように、初めて利用可能となる。さらに、再構成されたタバコ材の断片は、それらの大きな表面により、タバコ材へのフレーバーの装填およびエアロゾルの気化について有利である。断片の低密度性および高多孔性により、フレーバーは、比較的低い温度で特によく気化することができる。有害な燃焼生成物は、低温のために発生しない。これにより、有毒な物質の吸入が、特に効果的方法で回避される。さらに、粘着性のフレーバーは、ロッド部の固定化またはそれぞれ安定化に貢献し、また、ロッド部の端部から断片が抜け落ちることの防止に貢献することができる。このために、ロッド部は、端部に増加したタバコ密度によって頭部の補強を有する。
【0023】
再構成されたタバコ材の生産のために従来の装置を用いることができ、再構成されたタバコ材の生産のために、または、紙産業においてそれぞれ使われる。シートを断片に切るために、従来のタバコ切断機を用いることができる。エアロゾル発生品の製造のために、分配ユニット、ロッド製造機、およびフィルタ組立機から構成される従来のタバコ機械を用いることができる。
【0024】
本発明の一実施態様として、再構成されたタバコ材のシートを作成するステップは、タバコ材を細い粒径に粉砕して、粉砕されたタバコ材から公知の製紙方法を用いてシートを作成するステップを備える。
公知の製紙方法は、茎、押しつぶされたタバコの葉、およびタバコ塵のようなタバコ副産物が分類される第1ステップと、分類された材料が水および抽出手段に浸される第2ステップと、分類された材料と水との混合物から成分が抽出される第3ステップと、抽出された物質を積載した抽出手段が再利用されて第2ステップに供給されるステップと、残留する材料が固体および液体に分けられる第4ステップと、繊維及びフィラーの追加の間、固体がパルプに加工される第5ステップと、パルプから紙が作られる第6ステップと、抽出の後に分離された液体が浄化される第7ステップと、液体が低温で濃縮される第8ステップと、浄化されて低温で濃縮された液体に、添加物または成分それぞれが加えられる第9ステップと、生成された紙が、濃縮して得られた液体にしみ込まされコーティングされる第10ステップと、しみ込まされコーティングされた紙が乾燥される第11ステップと、を備える。
【0025】
さらなる実施態様として、再構成されたタバコ材に加工されるタバコ材は、茎、破砕された葉、タバコ粉末または他のタバコ副産物の少なくとも1つ以上を備える。
【0026】
生産方法のさらなる実施態様として、フレーバーおよび/または、湿潤剤および/または、他の成分がタバコ材に加えられ、再構成されたタバコ材のシートは前記成分を有するタバコ材から作成される。
【0027】
好ましい実施態様として、糖蜜および/または、蔗糖および/または、砂糖生産の他の生産物および/または、サッカリンまたは人工甘味料および/または、クローブおよび/または、クローブ油および/または、他のクローブ製品および/または、グリセリンおよび/または、他の湿潤剤がフレーバーとして加えられる。糖蜜および/または、蔗糖および/または、サッカリンは、好ましくは粘着性のフレーバーとして加えられる。
【0028】
さらなる実施態様として、タバコを切断するタバコ切断機が、再構成されたタバコのシートを断片へと切断するために用いられる。タバコ、タバコの葉の茎およびクローブを切ることに適しているタバコ切断機が、好ましくは用いられる。
【0029】
さらなる実施態様として、断片の大きさが、タバコを製造するのに通常用いられるタバコ繊維の大きさと同じか、または、より大きい。
【0030】
他の実施態様として、断片の長さが10から20mmであり、断片の幅が0.5から2.0mmである。
【0031】
さらなる実施態様として、シートから切断された断片が乾燥される。
【0032】
さらなる実施態様として、タバコ乾燥機が、シートから作成される断片を乾燥するのに用いられる。従来のタバコ乾燥機をこのために用いることができる。
【0033】
さらなる実施態様として、フレーバーおよび/または、湿潤剤および/または、他の成分が、断片に加えられる。粘着性のフレーバーおよび/または、他のクローブ生産物が、好ましくは、断片に加えられる。糖蜜および/または、蔗糖および/または、砂糖生産の他の生産物および/または、サッカリンおよび/または、他の人工甘味料および/または、クローブ油が、好ましくは、断片に加えられる。これにより、タバコの風味が向上する。粘着性の断片は、従来のタバコ機械により、容易に処理される。フレーバーは、断片を乾燥させた後に、好ましくは加えられる。あるいは、または、さらに、フレーバーを、再構成されたタバコのシートの製造の間、加えてもよい。
【0034】
好ましい実施態様として、連続するタバコロッドは、再構成されたタバコ材のシートから切られた断片のみから成る。他の実施態様として、連続するタバコロッドが、再構成されたタバコ材のシートから切られた断片に加えて、タバコ材の繊維から成る。さらなる実施態様として、連続するタバコロッドは、タバコ葉の繊維を含む。この実施態様は、エアロゾル発生品の風味を向上することができる。
【0035】
さらなる実施態様として、連続するタバコロッドは、少なくとも50%の断片から製造される。タバコロッドは、好ましくは、少なくとも95%の断片から製造され、最も好ましくは100%の断片から製造される。さらなる実施態様として、連続するタバコロッドの他の部分は、少なくとも部分的にタバコ材の繊維を含む。
【0036】
さらなる実施態様として、ロッド部は、タバコ機械において、または、フィルタ結合器において、中空チューブおよびフィルタ・プラグと結合される。このために、従来のタバコ機械またはフィルタ結合器を使うことができる。ロッド部、中空チューブおよびフィルタ・プラグの結合は、分割型ロッドであり、と同時に、エアロゾル発生品である。
【0037】
さらに、本目的は、請求項14の特徴を有するエアロゾル発生品により解決される。
【0038】
本発明におけるエアロゾル発生品は、再構成されたタバコ材のシートから切られた断片を含むフィラー(充填材)を囲む包装紙を備え、粘着性のフレーバーがタバコ材に加えられている。
【0039】
エアロゾル発生品は有益な特性を有し、それは本発明による方法の説明と関連して上述される。粘着性のフレーバーは、製品の風味を向上する。
【0040】
さらなる実施態様として、タバコ材は、クローブおよび/または、クローブ油および/または、サッカリンおよび/または、他のフレーバーおよび/または、グリセリンおよび/または湿潤剤を含む。
【0041】
さらなる実施態様として、フィラーは、再構成されたタバコ材のシートから切られた断片のみを含む。他の実施態様として、フィラーは、再構成されたタバコ材のシートから切られた断片に加えてタバコ材の繊維を含む。さらなる実施態様として、フィラーは、タバコ葉の繊維を含む。
【0042】
さらなる実施態様として、エアロゾル発生品は中空チューブおよびフィルタを備える。フィラーが中空チューブの一端に配置され、フィルタが中空チューブの他端に配置され、フィラーは包装紙に囲まれ、中空チューブおよびフィルタ・プラグがさらなる包装紙に囲まれ、さらなる包装紙は包装紙の一部を囲む。
【0043】
最後に、本発明は請求項1から13のいずれか1つに記載の生産方法により生産されるエアロゾル発生品、または、ヒータを有する請求項14から16のいずれか1つに記載のエアロゾル発生品の使用方法に関する。ヒータはエアロゾルを発生するためにタバコ内の断片を加熱するように設計されている。
【0044】
さらなる実施態様として、ヒータは、200℃から400℃の範囲の温度に、好ましくは約375℃の温度に、断片を加熱するように設計されている。
【0045】
使用のさらなる実施態様として、ヒータは電気ヒータである。
【0046】
さらなる発明の目的は、タバコ材を含むロッド用のヒータを使用するために、タバコ材を含む分割型ロッドを作製することであり、ほとんど労力なしに製造することができる。さらに、分割型ロッドを生産する方法は確立される。
【0047】
目的は、以下の特徴を有する分割型ロッドにより解決される。
【0048】
エアロゾルを発生するための分割型ロッドは、少なくとも1つのタバコ材を含むセグメントと、チューブセグメントと、固体セグメントとを備える。
【0049】
タバコ材が加熱され、喫煙者が吸い口端部を吸い込むと、少なくとも1つのタバコ材を含むセグメントはエアロゾルを発生する。チューブセグメントは、好ましくは、エアロゾルが加えられた加熱空気を冷却して、エアロゾルを発生する扱いやすい大きさのロッドを提供する。固体セグメントは、好ましくは、フィルタとして機能し、さらに、エアロゾルが加えられた空気を冷やす。
【0050】
ロッドがわずか3つのセグメントから構成されるという事実により、製造労力は減少し、高い生産能力を有する特に効果的な製造が促進される。
【0051】
分割型ロッドおよび以下の実施態様と、請求項1から20のいずれか1つに記載の本発明とのいかなる組み合わせも、本出願の主題でもある。
【0052】
一実施態様として、固体セグメントは、少なくとも1つのプラグ、好ましくは、アセテート・トウでできている少なくとも1つのプラグ、または、2つ、または、3つのプラグを備える。これにより、特に良好なフィルタ効果を得ることができる。
【0053】
他の実施態様として、固体セグメントは、吸引抵抗が80から130mmWG、好ましくは、80から105mmWGの範囲で設定されるように作成される。
【0054】
これは、ロッドがヒータに挿入されるときに、システムの中の吸引抵抗に関する。これにより、ヒータおよびロッドのシステムの吸引抵抗が従来のタバコの吸引抵抗に近づくことが、ここに、達成される。
【0055】
さらなる実施態様として、固体セグメントは少なくとも1つのプラグを備え、プラグは1つ以上の臭気物質を含む要素を有し、それは、カプセルまたは円筒、または、円錐形または卵形に成形した繊維体のように成形されている。臭気物質を含む要素は、ロッドの風味を向上する。
【0056】
さらなる実施態様として、固体セグメントは高温ガスの温度を30℃から40℃に制限する。その結果、口端から出るガスの温度は、従来のタバコの口端から出るガスの温度と同じである。
【0057】
さらなる実施態様として、固体セグメントは、エアロゾルが含まれた空気の通気を実施する。通気は8から30個の穴により実施され、穴は、好ましくは0.05から0.2mm、さらに好ましくは0.1mmの直径を有し、穴は、電子放射、または、機械的にレーザビームにより固体セグメントに作られる。穴を通じて、エアロゾルを含む空気が加えられた二次空気が、喫煙の間、吸入される。
【0058】
さらなる実施態様として、固体セグメントは、エアロゾルに空気を追加して供給することにより、エアロゾルを含んだ空気の温度を調整する。追加された空気は8から30個の穴により作られ、穴は、ヒータの周辺部周辺で、好ましくは0.1から0.5mm、さらに好ましくは0.25mmの直径を有する。二次空気により、エアロゾルを含む空気の温度は、好ましくは30℃から40℃範囲に、特に効果的に減少する。
【0059】
さらなる実施態様として、チューブセグメントは、1.3から2.5mmの壁厚を有し、および/または、5.2から8.5mmの外径を有する。チューブセグメントにおけるエアロゾルを含んだ空気の特に効果的な冷却が、これにより実現される。
【0060】
さらなる実施態様として、タバコ材を含むセグメントは、タバコ繊維、または、0.1から0.4mg/mm
3の密度を有する再構成されたタバコを含む。
【0061】
さらなる実施態様として、タバコ材を含むセグメントは、毛細管を挿入するための内側中空チューブを有する。分割型ロッドに損傷を与えることのない毛細管の挿入が、これにより促進される。
【0062】
さらにまた、目的は、以下の特徴を有する方法により解決される。
【0063】
本発明におけるタバコ材を含む分割型ロッドを生産する方法は、以下のステップを備える。
(a)チューブが、長いチューブに分割されるステップと、
(b)フィルタが、長いフィルタに分割されるステップと、
(c)長いチューブおよび長いフィルタが交互にそれぞれ続くように、長いチューブおよび長いフィルタを連続ロッドへと結合するステップと、
(d)ロッドが、紙により連続的に囲まれるステップと、
(e)紙により囲まれたロッドは、長い結合体に長いチューブで切断されるステップと、
(f)長い結合体が、中央部に1本の長いフィルタを有し端部に短いチューブをそれぞれ有する結合体へと、長いチューブの中央部でそれぞれ分割されるステップと、
(g)連続するタバコ材ロッドでできている連続ロッドおよびそれを囲んでいる連続シガレットペーパーが、個々の、長いロッドに切られるステップと、
(h)各長いロッドが2本のロッドに分割されるステップと、
(i)2本のロッドが別々に押されるステップと、
(j)結合体が2本のロッドの間に挿入されるステップと、
(k)連続チップ紙ウエブが、長いチップ紙に切られるステップと、
(l)長いチップ紙が結合体およびロッドの端部周辺に配置されて、それにより接着されるステップと、
(m)それに対して囲まれている結合体および隣接するロッドは、タバコ材を含む分割型ロッドへと、長いフィルタで分割されるステップ。
【0064】
本発明による方法は、特に効果的で、非常に多い生産数を可能にする。それは、従来の機械を使用しているタバコを生産するために実施することができる。
【0065】
分割型ロッドの生産方法および以下の実施態様と、請求項1から20のうちのいずれか1つに記載の本発明とのいかなる組合せも、本出願の主題でもある。
【0066】
一実施態様として、原料としてステップ(a)に記載されるチューブは、包装されていないアセテートから作り出される。
【0067】
さらなる実施態様として、原料としてステップ(b)に記載されるフィルタは、アセテートから作り出される。
【0068】
さらなる実施態様として、2本のロッドの間に結合体を挿入した後、2本のロッドは、結合体の端部に向かって進む。
【0069】
さらなる実施態様として、チップ紙ウエブは冷えた接着剤を備えており、冷えた接着剤を備えている長いチップ紙が、結合体に隣接するロッド部の端部周辺に配置される。
【0070】
さらなる発明の目的は、タバコ材を含むロッド用のヒータを作製することであり、同時に、タバコ材を加熱し、熱損失を回避すると共に、ロッドがヒータで動けなくなるのを防止して、ロッドの追加ヒータを必要としないことである。さらにまた、タバコ材を含むロッドにおいてエアロゾルを発生するためのヒータを備えるシステムと、タバコ材を含むロッドとは、利用できるようにされなければならない。
【0071】
目的は、以下の特徴を有するヒータによって解決される。
【0072】
タバコ材を含むロッドのエアロゾルを発生するための本発明によるヒータは、少なくともロッドの一部分を挿入することができる収容部と、空気を加熱するための発熱体と、少なくともロッドの一部分が収容部に挿入されて発熱体により加熱された空気をロッド内部へ導くための導管とを備える。
【0073】
本発明によるヒータは、ロッドの外側で空気を加熱して、加熱された空気を収容部に挿入されたロッドの中に導入する。熱損失は、防がれる。空気がタバコ材のロッド内に広がって均一にそれを加熱し、その結果、エアロゾルがタバコ材全体から均一に放出される。有毒な物質の放出は、均一な加熱により防がれる。タバコ材への伝熱が発熱体から直接に起こらず、加熱された空気を介するので、発熱体の固着が回避される。さらに、炭素含有燃料要素または電気伝導粒子のようなヒータの構成要素を、ロッドが必ずしも備える必要があるというわけではない。かくして、喫煙者が喫煙具に集積される酸化手段の燃焼ガスを吸い込むことが回避される。喫煙者が煙る物品に組み込まれる酸化手段の燃焼ガスにおいて呼吸することが回避される。
【0074】
ヒータおよび以下の実施態様と、請求項1から20のいずれか1つに記載の本発明とのいかなる組合せも、本出願の主題でもある。
【0075】
一実施態様として、ヒータは侵入要素を備え、ロッドの少なくとも一部分が収容部に挿入されると、侵入要素がロッドに深く入りこむ。収容部において侵入要素は導管の放出口を備えており、侵入要素がロッドに深く入りこむと、放出口がロッドの中に配置される。この実施態様は、侵入要素により加熱された空気が特に効果的にロッドの内部へ導入される効果がある。侵入要素は、タバコ材を経て空気の均等な分配を達成することができる。さらに、侵入要素は、収容部の物質を保持することができる。侵入要素の温度が空気の温度よりかなり低くすることができ、それによって、タバコ材が侵入要素に固着することが回避される。加熱された空気で侵入要素を浄化することは、タバコ材が侵入要素に固着するのを防止することができる。他の実施態様として、導管がロッドの外側、例えば口端の反対側の端部で終わり、加熱された空気が端部においてロッドに入ることができる。
【0076】
さらなる実施態様として、ヒータは、物理的な発熱体である。好ましい実施態様として、発熱体は、電気発熱体、例えば、電気抵抗ヒータである。
【0077】
他の実施態様として、発熱体は、化学的発熱体、特に、酸化手段、または、それぞれ可燃性の熱源である。化学発熱体は、必要に応じて、電気伝導壁により導管から離され、燃焼ガスが入りこまない空気が導管において加熱される。
【0078】
さらなる実施態様として、発熱体は、高温ガスを生成する。高温ガスは、空中に伝熱を強めることができる。
【0079】
さらなる実施態様として、導管は、1つ以上の毛細管を備える。毛細管において、空気を均一に加熱することができる。空気は毛細管からロッド内に均一に通過することができる。このために、各毛細管は、好ましくは放出口を有し、放出口から空気がロッドに入る。さらに、各毛細管は、ロッドを変形させることなく、特に容易にロッドに入り込むことができる。
【0080】
さらなる実施態様として、毛細管は、針状先端部を備えている。針状先端部は、ロッドを変形させることなく、ロッド内への毛細管の侵入を容易にする。
【0081】
さらなる実施態様として、毛細管は、収容部内にロッドの挿入方向と平行して延びる。これにより、収容部内にロッドが挿入されている間、毛細管がロッドに侵入することが達成される。あるいは、毛細管は、収容部内にロッドの挿入方向と平行して伸びる。ロッドが収容部に挿入されると、毛細管は確実に収容部に位置することができ、ロッド内に斜めに入り込むことができる。あるいは、収容部にロッドを挿入した後に、毛細管だけがロッド内に挿入される。この実施態様において、ロッドが収容部に特に安全に固定される。
【0082】
さらなる実施態様として、放出口は、少なくとも一つの穴を備え、好ましくは、特に0.3mmから0.8mmの間の直径を有する少なくとも1から4列の穴を備える。いくつかの穴により、タバコ材への加熱された空気の特に均一な導入が、達成される。
【0083】
さらなる実施態様として、穴は、毛細管の中心軸に鋭角で整列配置される。
【0084】
さらなる実施態様として、穴の代わりにノズルまたは開口部が、気流を調節するためにある。これにより、ロッドにおける加熱された空気の好ましい分配を達成することができる。
【0085】
さらなる実施態様として、毛細管は、60から160mmWG の吸引抵抗(RTD)を有する。これにより、ヒータにより煙らせる喫煙具の吸引抵抗を、従来のタバコの吸引抵抗に近づけることが達成される。
【0086】
さらなる実施態様として、毛細管はステンレス鋼製であり、ステンレス鋼は非接着材層でおおわれている。これにより、毛細管へタバコ材が固着するのを防止する。さらなる実施態様として、毛細管の全てまたは毛細管の外層が、断熱材で作られている。断熱材は、毛細管が加熱されるのを防止し、これにより、タバコ材への毛細管の固着を防止する。
【0087】
このために、さらなる実施態様として、ヒータはパフ(puff)(吸引)の数を制御して、制限する。ここで、パフの数は好ましくは6から14回のパフ、特に11回の吸引である。このために、さらなる実施態様として、ヒータは、真空センサ、制御装置(コントローラ)、および、弁を備える。制御装置は真空センサおよび弁に接続される。パフにより真空センサに捉えられた圧力損失の場合に制限された空気量を通すように、制御装置は弁を制御するように設計されている。ここにおいて、エアロゾルがタバコ材により完全に放出されるまで、6から14回のパフが可能であるように、空気量が好ましくは制限され、11回のパフがこれにとって好ましくは可能である。
【0088】
さらなる実施態様として、ヒータは温度センサを備え、温度センサは、導管、および、温度センサと発熱体に接続される制御装置の温度を検出する。制御装置は、導管の空気の温度を特定の範囲内で制御する。これにより、エアロゾルがタバコ材から放出される加熱された装置が均一な温度を有することが達成される。好ましい温度は、200℃から400℃の範囲内であり、さらに好ましくは375℃である。
【0089】
さらなる実施態様として、ヒータは真空センサを備え、真空センサは、導管、制御装置、および、亀裂音を生成する音発生装置に配置される。制御装置は真空センサおよび音発生装置と接続されている。真空センサがパフにより圧力損失を確認した際に、音発生装置が亀裂音(ピシッという音)を生成するように、制御装置は音発生装置を制御するように設計されている。インドネシアのタバコを吸うときに、インドネシアのタバコの特別な物質の燃焼により生じる音をこの実施態様は擬態している。特に、クローブ花の中の小さな粒が破裂して、クローブ油が加熱により放出されるときの音である。
【0090】
さらにまた、目的は、以下の特徴を備えるシステムによって解決される。本発明におけるシステムは上述したタイプのヒータおよびタバコ材を含むロッドを備える。ロッドはヒータの収容部内に挿入可能である。システムは、主に危険物質の吸入を回避し、タバコ材に含まれる風味を利用しながら喫煙を可能にする。熱損失およびヒータへのロッドの固着が回避される。ロッドは、タバコ材を加熱するために、それ自身のヒータを必要としない。
【0091】
システムおよび以下の実施態様と、請求項1から20のいずれか1つに記載の本発明とのいかなる組合せも、本出願の主題でもある。
【0092】
さらなる実施態様として、ロッドはいくつかのセグメントを備え、少なくとも1つのセグメントはタバコ材を含み、ヒータにより先に加熱された空気により加熱されるだけである。タバコ材を含むセグメントに加えて、別のセグメントがあってもよく、特に冷却するためのセグメントおよび加熱された空気を濾過するためのセグメントがあってもよい。
【0093】
さらなる実施態様として、ロッドは、少なくとも1つのタバコ材を含むセグメント、チューブセグメントおよび固体セグメントを備える。チューブセグメントは、好ましくは、エアロゾルを含む加熱された空気を冷却し、固体セグメントは、エアロゾルを含む空気をフィルタにかけて、さらに冷却する。
【0094】
さらなる実施態様として、固体セグメントは、好ましくはアセテート・トウで作られた少なくとも1つのプラグ、または2つまたは3つのプラグを備える。これにより、特に良好なフィルタ効果を得ることができる。
【0095】
他の実施態様として、固体セグメントは、吸引抵抗が80から130mmWG、好ましくは120から130mmWGの範囲で設定されるように作成される。ロッドがヒータ内に挿入されるときに、このことがシステムの吸引抵抗に関係する。これにより、ヒータおよびロッドのシステムの吸引抵抗が従来のタバコの吸引抵抗に近づくことが達成される。
【0096】
さらなる実施態様として、固体セグメントは少なくとも1つのプラグを備え、それは、1つ以上の臭気物質を含む要素を有する。臭気物質は、カプセルまたは円筒のように形成されているか、または、円錐形または卵形に形成された繊維体である。臭気物質含有要素は、ロッドの役割を改善する。
【0097】
さらなる実施態様として、固体セグメントは高温ガスの温度を30℃から40℃に制限する。この結果、口端を出るガスの温度は、従来のタバコの口端を出るガスの温度と同様である。
【0098】
さらなる実施態様として、固体セグメントはエアロゾルを含む空気の通気を実現する。通気は、好ましくは0.05から0.2mm、さらに好ましくは0.1mmの直径を有する、8から30個の穴により実現される。穴は、レーザビームにより、電子放出により、または、機械的に、固体セグメントに作成される。穴を通して、エアロゾルを含む空気に加えられる二次空気が、喫煙の間、吸入される。
【0099】
さらなる実施態様として、固体セグメントは、エアロゾルに追加された空気を供給することによりエアロゾルを含む空気の温度を調整する。追加された空気はヒータの周辺部周辺で、好ましくは0.1mmから0.5mmの直径を有し、より好ましくは0.25mmの直径を有する8から30個の穴によってつくられる。二次空気により、エアロゾルを含む空気の温度が、好ましくは30℃から40℃の範囲に、特に効果的に減少する。
【0100】
さらなる実施態様として、チューブセグメントは、1.3から2.5mmの壁厚および/または5.2から8.5mmの外径を有する。これにより、チューブセグメントにおけるエアロゾルを含む空気の特に効果的な冷却を達成することができる。
【0101】
さらなる実施態様として、タバコ材を含むセグメントは、タバコ繊維、および/または、0.1から0.4mg/mm
3の密度を有する再構成したタバコを含む。
【0102】
さらなる実施態様として、タバコ材を含むセグメントは、毛細管を挿入するための内側中空チューブを有する。これにより、ロッドに損傷を与えることのない毛細管の挿入が、促進される。
【0103】
更なる発明の目的は、粘着性のタバコ材で作られた連続ロッドを形成するために、より高い生産能力およびより長い耐用年数を有する信頼性の高い装置を提供することである。
【0104】
目的は、以下の特徴を有する装置によって解決される。
【0105】
粘着性の断片の連続ロッド、および/または、エアロゾル発生品生産のためのタバコ材の繊維を形成するための本発明による装置は、吸引ロッドコンベヤを備える。コンベヤは、回転し、連続する、多孔質なテープを有する。テープは、上方から真空が供給され、下側にタバコ材の断片および/または繊維がタバコ経路に沿って運搬され、少なくとも1つの液体圧力ノズルがテープの下側の方を向いて、圧力がかけられた液体源に接続されていることを特徴とする。
【0106】
本発明における装置の場合、テープは、圧力がかけられた液体ノズル(加圧液体ノズル)からの圧力がかけられた液体に、連続的にまたは断続的に、当てられる。液体は負の圧力源により引き出される。これのために、追加された負の圧力源が、連続多孔質テープに好ましくは供給される。あるいは、または、加えて、連続多孔質テープに供給される吸引装置が、これのために用いられる。これにより、粘着性の粒子および他の不純物がテープから抽出され、テープが洗浄される。これにより、操業停止が回避され、高い処理量が達成される。また、テープの耐用年数が増加する。負の圧力源が連続多孔質テープに好ましくは使用され、それは作動液を供給される側の反対側に位置する。あるいは、または、加えて、それは、同じ側に取り付けられる。
【0107】
テープの洗浄は、好ましくは、テープ上で連続ロッドがタバコ材から作り上げられていない、テープ領域において連続ロッドのタバコ材の生産中に行う。テープの洗浄は、好ましくは、連続ロッドが形成されるテープ部分からはるかに離れた領域において行われる。あるいは、テープの洗浄は、装置がタバコ材の連続ロッドを生産していない製造工程が停止している間に行われる。
【0108】
装置は、再構成されたタバコ材の粘着性の断片の処理と同様に、粘着性のタバコ繊維の処理の両方に適している。
【0109】
粘着性のタバコ材の連続ロッドを形成する装置および以下の実施態様と、請求項1から20のいずれか1つによる本発明とのいかなる組合せも、本出願の主題でもある。
【0110】
本発明の一実施態様として、排気フードは、少なくとも1つの液体圧力ノズルの反対側にテープの上側に配置されて、負の圧力源に接続されている。流体または塵は、それぞれ、排気フードにより特に効果的に引き抜かれる。
【0111】
本発明の一実施態様として、液体圧力ノズルは、水圧ノズル(加圧水ノズル)であって、加圧水源に接続されている。特に効果的な洗浄が、テープへの加圧水の噴霧によって達成される。水は、飲料水または完全な純水または超高純度の水である。さらに、洗浄剤を水に加えてもよい。さらにまた、洗浄剤を有する第1の水を、次に洗浄剤を含まない水を噴霧してもよい。
【0112】
好ましい実施態様として、装置は、1から4個の液体圧力ノズルを備える。好ましくは、装置は、2つの液体圧力ノズルを備える。他の実施態様として、液体圧力ノズルは、平坦な霧吹きノズルである。さらなる実施態様として、液体圧力ノズルは、搬送方向に対して垂直に、または、吸引ロッドコンベヤのテープの移動方向に、1列以上でそれぞれ配置される。好適な実施態様として、液体圧力ノズルは、2から100barの圧力で動く。
【0113】
さらなる実施態様として、少なくとも一つの圧縮空気ノズル(空気圧力ノズル)は、テープの下側に向けられ、圧縮空気源に接続されている。圧縮空気により、テープは、特に塵について浄化され、流体に加圧され噴霧されたものの残留量がテープから取り除かれる。 これにより、吸引部の形成の間、タバコ材に湿気を供給しないように、また、タバコ材がテープに貼り付かないように、テープが乾燥される。
【0114】
圧縮空気によりテープを乾燥させることは、製造工程を継続中に、テープを掃除するのに特に有益である。
【0115】
さらなる実施態様として、装置は、3から28個の圧縮空気ノズルを備える。装置は、8個の圧縮空気ノズルを備えるのが好ましい。さらなる実施態様として、圧縮空気ノズルは、搬送方向に対して垂直に、または、吸引ロッドコンベヤのテープの移動方向に、それぞれ1列以上で配置される。好適な実施態様として、圧縮空気ノズルは、0.1から10barの範囲の圧縮空気により動かされる。好ましくは、5から6bar圧力で作動される。
【0116】
さらなる実施態様として、外気供給装置は、排気フードの反対側にテープの下側に配置されて、外気に接続される。外気供給装置からの外気による通風でテープを再び乾燥することができ、不快な風味を除去することができる。
【0117】
さらなる実施態様として、排気フードが塵除去用送風機と負圧源とに任意に接続できるように、吸引フードは二方弁を介して塵除去用送風機と負圧源に接続される。テープから塵を除去するために、好ましくは、第1圧縮空気が供給され、加圧液はまだ供給されず、排気フードは塵除去用送風機に接続される。それから、粘着性の成分を除去するために、加圧液、および、適用可能であれば、さらに圧縮空気が供給され、負圧源は排気フードに接続される。
【0118】
さらなる実施態様として、二方弁は、少なくとも1つのフィルタを介して負圧源に接続される。フィルタは、テープから離れた流体から、水、および/または、汚れたタバコ、および/または、塵、および/または、空気を除去するのに用いられる。
【0119】
さらなる実施態様として、二方弁は、水および汚れたタバコを除去するためのフィルタと、塵および空気を除去するためのフィルタとの連続配置を介して負圧源に接続される。
【0120】
さらなる実施態様として、少なくとも1つの液体圧力ノズル、および/または、圧縮空気ノズル、および、排気フードは吸引チャンバの中に配置され、吸引チャンバは、テープの上側に負の圧力を発生させるために、テープの一部分を囲む。あるいは、少なくとも1つの液体圧力ノズル、および/または、圧縮空気ノズル、および、排気フードが、吸引チャンバの外側に配置される。
【0121】
さらなる実施態様として、圧縮空気ノズルは、テープの流れる方向で液体圧力ノズルの後に配置される。これにより、加圧液による洗浄の後に、テープの乾燥が達成される。
【0122】
さらなる実施態様として、外気の供給装置は、テープの流れる方向で少なくとも1つの液圧流体ノズルの後に配置される。これにより、テープは、洗浄して乾燥した後に、通気される。さらなる乾燥を通気により達成することができ、テープ上に不快な風味が堆積するのを減少することができる。
【0123】
本発明は、例示的実施態様の添付の図面を参照して、さらに説明される。