(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
先ず、本発明の精製茶抽出物の製造方法について説明する。
本発明の精製茶抽出物の製造方法は、茶抽出物をマグネシウム型又はリチウム型のカチオン交換樹脂と接触させるものである。
【0011】
本発明で使用する「茶抽出物」としては、例えば、茶抽出液又はその濃縮物が挙げられ、その形態としては、固体、液体、溶液、スラリーなど種々のものがある。
ここで、本明細書において「茶抽出液」とは、茶葉から熱水又は親水性有機溶媒を用いてニーダー抽出やカラム抽出などにより抽出したものであって、濃縮や精製操作が行われていないものをいう。なお、親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール、アセトンなどのケトンを挙げることができる。また、「茶抽出液の濃縮物」とは、茶抽出液から溶媒の少なくとも一部を除去して非重合体カテキン類濃度を高めたものをいい、例えば、特開昭59−219384号公報、特開平4−20589号公報、特開平5−260907号公報、特開平5−306279号公報などに記載の方法により調製することができる。
【0012】
抽出に使用する茶葉としては、例えば、Camellia属、例えば、C.var.sinensis(やぶきた種を含む)、C.var.assamica及びそれらの雑種から選択される茶葉が挙げられる。茶葉は、その加工方法により、不発酵茶、半発酵茶、発酵茶に大別することができる。
不発酵茶としては、例えば、煎茶、番茶、玉露、てん茶、釜炒り茶などの緑茶が挙げられ、茎茶、棒茶、芽茶なども使用することができる。また、半発酵茶としては、例えば、鉄観音、色種、黄金桂、武夷岩茶などの烏龍茶が挙げられる。更に、発酵茶としては、ダージリン、アッサム、スリランカなどの紅茶が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、非重合体カテキン類の含有量の点から、緑茶が好ましい。ここで、本明細書において「非重合体カテキン類」とは、カテキン、ガロカテキン、カテキンガレート及びガロカテキンガレートなどの非エピ体カテキン類、並びにエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート及びエピガロカテキンガレートなどのエピ体カテキン類を併せての総称である。非重合体カテキン類濃度は、上記8種の合計量に基づいて定義される。
【0013】
本発明においては、茶抽出液又はその濃縮物の固形物として、例えば、三井農林(株)の「ポリフェノン」、伊藤園(株)の「テアフラン」、太陽化学(株)の「サンフェノン」などの市販品を使用することもできる。
【0014】
本発明で使用するカチオン交換樹脂は、マグネシウム型又はリチウム型のカチオン交換樹脂である。マグネシウム型又はリチウム型のカチオン交換樹脂は、水素型(H型)カチオン交換樹脂の水素イオンをマグネシウムイオン又はリチウムイオンに変換して調製することができる。調製方法としては常法を採用することが可能であるが、例えば、次の方法を挙げることができる。マグネシウム型カチオン交換樹脂の場合、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウムなどの水溶液を水素型カチオン交換樹脂と接触させる。また、リチウム型カチオン交換樹脂の場合、水酸化リチウム、塩化リチウムなどの水溶液を水素型カチオン交換樹脂と接触させる。次いで、接触処理後のカチオン交換樹脂をイオン交換水で、洗浄水のpHがアルカリ性を示さなくなるまで洗浄する。
【0015】
マグネシウム型又はリチウム型のカチオン交換樹脂の調製に使用する水素型カチオン交換樹脂の樹脂母体としては、例えば、スチレン−ジビニルベンゼンなどのスチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂、メタクリル酸系樹脂などを挙げることができる。また、母体構造としては、例えば、ゲル型、ポーラス型が挙げられる。更に、樹脂の形態としては、例えば、粉状、球状、繊維状、膜状などを挙げることができる。本発明においては、これらを適宜選択して使用することができる。
また、水素型カチオン交換樹脂には、強酸性又は弱酸性のカチオン交換樹脂が存在する。中でも、カリウムの除去効率、イオン交換処理時の非重合体カテキン類の収率の観点から、強酸性カチオン交換樹脂が好ましい。強酸性カチオン交換樹脂として、例えば、ダイヤイオンSK1B、SK104、SK110、SK112、SK116、PK208、PK212、PK216、PK218、PK220、PK228(以上、三菱化学社製)、アンバーライトIR120B、IR124、200CT、252(以上、ローム・アンド・ハーシュ社製)、ダウエックス50Wx2、50Wx4、50Wx8(以上、ダウ・ケミカル社製)などを使用することができる。
【0016】
本発明においては、上記のようにして調製されたマグネシウム型又はリチウム型のカチオン交換樹脂に茶抽出物を接触させるが、茶抽出物に含まれるカリウムイオンは、カチオン交換樹脂のマグネシウムイオン又はリチウムイオンと置換される。その結果、カリウム含有量が大幅に低減される一方、マグネシウム又はリチウムの含有量が高められるため、非重合体カテキン類の溶媒に対する溶解性が大幅に改善される。
【0017】
カチオン交換樹脂と接触させる際の茶抽出物のpH(20℃)は、イオン交換における効率面、エタノール溶出時の上清液中の固形分中の非重合体カテキン類の含有量の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3.5以上、更に好ましくは4以上であり、そして、非重合体カテキン類の安定性の観点から、好ましくは6以下、より好ましくは5.5以下、更に好ましくは5以下である。かかるpHの範囲としては、2〜6が好ましく、3.5〜5.5がより好ましく、4〜5が更に好ましい。
【0018】
マグネシウム型又はリチウム型のカチオン交換樹脂に接触させる際の茶抽出物中の非重合体カテキン類濃度は、生産効率の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.25質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.75質量%以上であり、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である。かかる非重合体カテキン類濃度の範囲としては、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.25〜5質量%、更に好ましくは0.5〜5質量%、更に好ましくは0.5〜3質量%、更に好ましくは0.75〜3質量%である。なお、茶抽出物中の非重合体カテキン類濃度を上記範囲内に調整するために、茶抽出物を必要により濃縮又は希釈などしてもよい。
【0019】
茶抽出物とマグネシウム型又はリチウム型のカチオン交換樹脂との接触方法としては、茶抽出物に上記カチオン交換樹脂を添加し撹拌して吸着させた後、ろ過操作により上記カチオン交換樹脂を回収するバッチ方式、あるいは上記カチオン交換樹脂を充填したカラムに茶抽出物を通液して連続的に吸着処理を行なうカラム方式などを挙げることができる。
接触条件は、接触方法により適宜設定することが可能であるが、例えば、バッチ方式で行う場合、接触時間は、イオン交換の効率の観点から、好ましくは0.1時間以上、より好ましくは0.3時間以上、更に好ましくは0.5時間以上、更に好ましくは1時間以上、更に好ましくは2時間以上、更に好ましくは3時間以上であり、そして、風味劣化抑制の観点から、好ましくは5時間以下、更に好ましくは4時間以下である。接触時間の範囲としては、好ましくは0.1〜5時間、より好ましくは0.3〜5時間、更に好ましくは0.5〜5時間、更に好ましくは1〜5時間、更に好ましくは2〜5時間、更に好ましくは3〜5時間、更に好ましくは3〜4時間である。また、カラム方式で行う場合、空間速度(SV)は、好ましくは10/hr以下、更に好ましくは8/hr以下であり、そして、好ましくは0.5/hr以上、より好ましくは2/hr以上、更に好ましくは5/hr以上である。かかる空間速度(SV)の範囲としては、好ましくは0.5〜10/hr、より好ましくは2〜10/hr、更に好ましくは5〜10/hr、更に好ましくは5〜8/hrである。
【0020】
茶抽出物とマグネシウム型又はリチウム型のカチオン交換樹脂との接触温度は、接触方法の如何を問わず、好ましくは0℃以上、より好ましくは10℃以上、更に好ましくは20℃以上であって、好ましくは40℃以下、より好ましくは35℃以下、更に好ましくは30℃以下である。接触温度の範囲としては、好ましくは0〜40℃、より好ましくは10〜35℃、更に好ましくは20〜30℃である。
【0021】
マグネシウム型又はリチウム型のカチオン交換樹脂の使用量は、接触方法により適宜設定可能であるが、カリウムの除去効率の観点から、例えば、茶抽出物/カチオン交換樹脂の容量比(v/v)として、好ましくは1以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは10以上であり、そして、好ましくは200以下、より好ましくは150以下、更に好ましくは100以下、更に好ましくは80以下、更に好ましくは60以下、更に好ましくは40以下、更に好ましくは30以下である。かかる容量比(v/v)としては、好ましくは1〜200、より好ましくは5〜150、更に好ましくは10〜100、更に好ましくは10〜80、更に好ましくは10〜60、更に好ましくは10〜40、更に好ましくは10〜30である。
【0022】
接触処理後のカチオン交換樹脂は、前述した方法によりマグネシウム型又はリチウム型のカチオン交換樹脂に再生することにより、繰り返し再使用することができる。
【0023】
このようにして本発明の精製茶抽出物が得られるが、製品形態としては液体でも固体でもよく、固体が望ましい場合は、噴霧乾燥や凍結乾燥などの常法により粉体化することができる。
【0024】
また、本発明の精製茶抽出物は、以下の特性を具備することができる。
(i)(マグネシウム+リチウム)/非重合体カテキン類の質量比は、非重合体カテキン類の溶解性向上の観点から、0.1以上であるが、好ましくは0.13以上、更に好ましくは0.15以上である。なお、上限は特に限定されないが、生産効率の観点から、好ましくは1、より好ましくは0.6、更に好ましくは0.4である。かかる質量比の範囲としては、好ましくは0.1〜1、より好ましくは0.13〜0.6、更に好ましくは0.15〜0.4である。
(ii)固形分中のマグネシウム及びリチウムの合計含有量は、非重合体カテキン類の溶解性向上の観点から、好ましくは3質量%以上、より好ましくは4質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。かかる合計含有量の範囲としては、好ましくは3〜30質量%、より好ましくは4〜20質量%、更に好ましくは5〜10質量%である。
(iii)カリウム/非重合体カテキン類の質量比は、非重合体カテキン類の溶解性向上の観点から、好ましくは0.26以下、より好ましくは0.24以下、更に好ましくは0.22以下である。なお、下限は特に限定されないが、生産効率の観点から、好ましくは0.01、より好ましくは0.05、更に好ましくは0.1である。かかる質量比の範囲としては、好ましくは0.01〜0.26、より好ましくは0.05〜0.24、更に好ましくは0.1〜0.22である。
(iv)固形分中のカリウムの含有量は、非重合体カテキン類の溶解性向上の観点から、好ましくは8.5質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは7質量%以下であり、そして、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上である。かかる含有量の範囲としては、好ましくは2〜8.5質量%、より好ましくは3〜8質量%、更に好ましくは4〜7質量%である。
(v)固形分中の非重合体カテキン類の含有量は、生理効果の観点から、好ましくは25質量%以上、より好ましくは28質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であり、そして、好ましくは45質量%以下、より好ましくは44質量%以下、更に好ましくは43質量%以下である。かかる含有量の範囲としては、好ましくは25〜45質量%、より好ましくは28〜44質量%、更に好ましくは30〜43質量%である。
(vi)後掲の下記式(1)により算出されるエタノールへの非重合体カテキン類の溶出率は、好ましくは92〜100%、より好ましくは92.5〜100%、更に好ましくは93〜100%である。
(vii)精製茶抽出物を、非重合体カテキン類濃度が1質量%となるように蒸留水で希釈したときの水溶液のpH(20℃)は、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは4.5以上であって、好ましくは7以下、より好ましくは6.5以下、更に好ましくは6以下である。かかるpHの範囲としては、好ましくは3〜7、より好ましくは4〜6.5、更に好ましくは4.5〜6である。
【0025】
ここで、本明細書において「非重合体カテキン類」及び「マグネシウム、リチウム、カリウム」の含有量の測定は、後掲の実施例に記載の方法にしたがうものとする。また、「固形分」、「乾燥固形分」とは、試料を105℃の電気恒温乾燥機で3時間乾燥して揮発物質を除いた残分をいう。
【0026】
また、本発明の精製緑茶抽出物は、高濃度のエタノールを始めとする種々の溶媒に対する非重合体カテキン類の溶解性が改善されているため、これを原料として更なる精製工程に供することが可能である。すなわち、茶抽出物をマグネシウム型又はリチウム型のカチオン交換樹脂と接触させて得られた本発明の精製緑茶抽出物を、有機溶媒水溶液と接触させ、更なる精製茶抽出物の製造を行うことができる。また、好ましい有機溶媒としてはエタノールが挙げられ、好ましい有機溶媒水溶液中の有機溶媒濃度としては75質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは90質量%以上であり、そして、100質量%以下、より好ましくは99.5質量%以下、更に好ましくは95質量%以下である。
【0027】
すなわち、上記実施形態に関し、本発明は更に以下の精製茶抽出物の製造方法、あるいは精製茶抽出物を開示する。
<1−1>
茶抽出物をマグネシウム型又はリチウム型のカチオン交換樹脂と接触させる、精製茶抽出物の製造方法。
【0028】
<1−2>
カチオン交換樹脂が好ましくは強酸性イオン交換樹脂である、前記<1−1>記載の精
製茶抽出物の製造方法。
<1−3>
カチオン交換樹脂と接触させる際の茶抽出物のpHが、好ましくは2以上、より好ましくは3.5以上、更に好ましくは4以上であって、好ましくは6以下、より好ましくは5.5以下、更に好ましくは5以下である、前記<1−1>又は<1−2>記載の精製茶抽出物の製造方法。
<1−4>
カチオン交換樹脂と接触させる際の茶抽出物のpHが、好ましくは2〜6、より好ましくは3.5〜5.5、更に好ましくは4〜5である、前記<1−1>〜<1−3>のいずれか一に記載の精製茶抽出物の製造方法。
<1−5>
茶抽出物中の非重合体カテキン類の濃度が、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.25質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは0.75質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であって、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である、前記<1−1>〜<1−4>のいずれか一に記載の精製茶抽出物の製造方法。
<1−6>
茶抽出物中の非重合体カテキン類の濃度が、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.25〜5質量%、更に好ましくは0.5〜5質量%、更に好ましくは0.5〜3質量%、更に好ましくは0.75〜3質量%、更に好ましくは1〜3質量%である、前記<1−1>〜<1−5>のいずれか一に記載の精製茶抽出物の製造方法。
<1−7>
カチオン交換樹脂の使用量が茶抽出物/カチオン交換樹脂の容量比で、好ましくは1以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは10以上であって、好ましくは200以下、より好ましくは150以下、更に好ましくは100以下、更に好ましくは80以下、更に好ましくは60以下、更に好ましくは40以下、更に好ましくは30以下である、前記<1−1>〜<1−6>のいずれか一に記載の精製茶抽出物の製造方法。
<1−8>
カチオン交換樹脂の使用量が茶抽出物/カチオン交換樹脂の容量比で、好ましくは1〜200、より好ましくは5〜150、更に好ましくは10〜100、更に好ましくは10〜80、更に好ましくは10〜60、更に好ましくは10〜40、更に好ましくは10〜30である、前記<1−1>〜<1−7>のいずれか一に記載の精製茶抽出物の製造方法。
<1−9>
カチオン交換樹脂の母体がスチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂又はメタアクリル酸系樹脂である、前記<1−1>〜<1−8>のいずれか一に記載の精製茶抽出物の製造方法。
<1−10>
カチオン交換樹脂が好ましくはゲル型又はポーラス型である、前記<1−1>〜<1−9>のいずれか一に記載の精製茶抽出物の製造方法。
<1−11>
カチオン交換樹脂と接触させる際の温度が、好ましくは0℃以上、より好ましくは10℃以上、更に好ましくは20℃以上であって、好ましくは40℃以下、より好ましくは35℃以下、更に好ましくは30℃以下である、前記<1−1>〜<1−10>のいずれか一に記載の精製茶抽出物の製造方法。
<1−12>
カチオン交換樹脂と接触させる際の温度が、好ましくは0〜40℃、より好ましくは10〜35℃、更に好ましくは20〜30℃である、前記<1−1>〜<1−11>のいずれか一に記載の精製茶抽出物の製造方法。
<1−13>
カチオン交換樹脂との接触方法が好ましくはバッチ方式である、前記<1−1>〜<1−12>のいずれか一に記載の精製茶抽出物の製造方法。
<1−14>
バッチ方式で接触させる際の時間が、好ましくは0.1時間以上、より好ましくは0.3時間以上、更に好ましくは0.5時間以上、更に好ましくは1時間以上、更に好ましくは2時間以上、更に好ましくは3時間以上であって、好ましくは5時間以下、更に好ましくは4時間以下である、前記<1−13>記載の精製茶抽出物の製造方法。
<1−15>
バッチ方式で接触させる際の時間が、好ましくは0.1〜5時間、より好ましくは0.3〜5時間、更に好ましくは0.5〜5時間、更に好ましくは1〜5時間、更に好ましくは2〜5時間、更に好ましくは3〜5時間、更に好ましくは3〜4時間である、前記<1−13>又は<1−14>記載の精製茶抽出物の製造方法。
<1−16>
カチオン交換樹脂との接触方法が好ましくはカラム方式である、前記<1−1>〜<1−12>のいずれか一に載の精製茶抽出物の製造方法。
<1−17>
カラム方式で接触させる際の空間速度が、好ましくは10/hr以下、更に好ましくは8/hr以下であって、好ましくは0.5/hr以上、より好ましくは2/hr以上、更に好ましくは5/hr以上である、前記<1−16>記載の精製茶抽出物の製造方法。
<1−18>
カラム方式で接触させる際の空間速度が、好ましくは0.5〜10/hr、より好ましくは2〜10/hr、更に好ましくは5〜10/hr、更に好ましくは5〜8/hrである、前記<1−16>又は<1−17>記載の精製茶抽出物の製造方法。
<1−19>
茶抽出物が緑茶抽出物である、前記<1−1>〜<1−18>のいずれか一に記載の精製茶抽出物の製造方法。
【0029】
<2−1>
(マグネシウム+リチウム)/非重合体カテキン類の質量比が0.1以上である、精製茶抽出物。
【0030】
<2−2>
(マグネシウム+リチウム)/非重合体カテキン類の質量比が、好ましくは0.13以上、更に好ましくは0.15以上であって、好ましくは1以下、より好ましくは0.6以下、更に好ましくは0.4以下である、前記<2−1>記載の精製茶抽出物。
<2−3>
(マグネシウム+リチウム)/非重合体カテキン類の質量比が、好ましくは0.1〜1、より好ましくは0.13〜0.6、更に好ましくは0.15〜0.4である、前記<2−1>記載の精製茶抽出物。
<2−4>
固形分中のマグネシウム及びリチウムの合計含有量が、好ましくは3質量%以上、より好ましくは4質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であって、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である、前記<2−1>〜<2−3>のいずれか一に記載の精製茶抽出物。
<2−5>
固形分中のマグネシウム及びリチウムの合計含有量が、好ましくは3〜30質量%、より好ましくは4〜20質量%、更に好ましくは5〜10質量%である、前記<2−1>〜<2−4>のいずれか一に記載の精製茶抽出物。
<2−6>
固形分中のカリウムの含有量が、好ましくは8.5質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは7質量%以下であって、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上である、前記<2−1>〜<2−5>のいずれか一に記載の精製茶抽出物。
<2−7>
固形分中のカリウムの含有量が、好ましくは2〜8.5質量%、より好ましくは3〜8質量%、更に好ましくは4〜7質量%である、前記<2−1>〜<2−6>のいずれか一に記載の精製茶抽出物。
<2−8>
固形分中の非重合体カテキン類の含有量が、好ましくは25質量%以上、より好ましくは28質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であって、好ましくは45質量%以下、より好ましくは44質量%以下、更に好ましくは43質量%以下である、前記<2−1>〜<2−7>のいずれか一に記載の精製茶抽出物。
<2−9>
固形分中の非重合体カテキン類の含有量が、好ましくは25〜45質量%、より好ましくは28〜44質量%、更に好ましくは30〜43質量%である、前記<2−1>〜<2−8>のいずれか一に記載の精製茶抽出物。
<2−10>
カリウム/非重合体カテキン類の質量比が、好ましくは0.26以下、より好ましくは0.24以下、更に好ましくは0.22以下であって、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上である、前記<2−1>〜<2−9>のいずれか一に記載の精製茶抽出物。
<2−11>
カリウム/非重合体カテキン類の質量比が、好ましくは0.01〜0.26、より好ましくは0.05〜0.24、更に好ましくは0.1〜0.22である、前記<2−1>〜<2−10>のいずれか一に記載の精製茶抽出物。
<2−12>
後掲の下記式(1)により算出されるエタノールへの非重合体カテキン類の溶出率が、好ましくは92〜100%、より好ましくは92.5〜100%、更に好ましくは93〜100%である、前記<2−1>〜<2−11>のいずれか一に記載の精製茶抽出物。
<2−13>
非重合体カテキン類濃度が1質量%となるように蒸留水で希釈したときの水溶液のpHが、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、更に好ましくは4.5以上であって、好ましくは7以下、より好ましくは6.5以下、更に好ましくは6以下である、前記<2−1>〜<2−12>のいずれか一に記載の精製茶抽出物。
<2−14>
非重合体カテキン類濃度が1質量%となるように蒸留水で希釈したときの水溶液のpHが、好ましくは3〜7、より好ましくは4〜6.5、更に好ましくは4.5〜6である、前記<2−1>〜<2−13>のいずれか一に記載の精製茶抽出物。
【実施例】
【0031】
1.非重合体カテキン類の測定
茶抽出物、茶抽出物1、茶抽出液1〜3、精製茶抽出物1〜16を各々蒸留水で適宜希釈を行い、フィルター(0.45μm)で濾過し、高速液体クロマトグラフ(型式SCL−10AVP、島津製作所製)を用い、オクタデシル基導入液体クロマトグラフ用パックドカラム(L−カラムTM ODS、4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント法で行った。カテキン類の標準品としては、三井農林製のものを使用し、検量線法で定量した。移動相A液は酢酸を0.1mol/L含有する蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol/L含有するアセトニトリル溶液とし、試料注入量は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った。
【0032】
2.金属イオンの測定
茶抽出物、茶抽出物1、茶抽出液1〜3、精製茶抽出物1〜16を各々蒸留水で適宜希釈を行い、フィルター(0.45μm)で濾過し、キャピラリー電気泳動装置Capi3000(大塚電子)に供した。各金属イオンの濃度は塩化物として算出を行った。
泳動液:10mM イミダゾール、5mM 2―ヒドロキシイソ酪酸、2mM 18クラウン−6−エーテル、0.2wt% 酢酸
検出:インダイレクトUV法、UV検出器波長210nm
【0033】
3.pHの測定
茶抽出物、茶抽出物1、茶抽出液1〜3、精製茶抽出物1〜16を各々蒸留水で非重合体カテキン類濃度が1質量%となるように希釈した溶液のpH(20℃)を測定した。
【0034】
4.エタノールへの非重合体カテキン類の溶解試験
茶抽出物1、精製茶抽出物1〜16を各々1.0g採取し、それにろ過助剤(ソルカフロック、栗田工業)0.063g、酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学)0.5g、92.4質量%エタノール4.0gを添加し、25℃で6時間混合した。スラリーを静置分離し、上清を0.2μmのフィルター処理を行い、上清液を回収した。この上清液中の非重合体カテキン類の含有量、乾燥固形分の測定を行った。
【0035】
エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率
下記式(1)により算出した。
エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率=(上清液中の非重合体カテキン類量)/(茶抽出物中の非重合体カテキン類量)×100 ・・・(1)
【0036】
製造例1
カチオン交換樹脂の製造
1)マグネシウム型カチオン交換樹脂の製造
強酸性カチオン交換樹脂(H型、SK1BH、三菱化学社製)を10g採取し、それを水酸化マグネシウム20gを含むイオン交換水400g中で40時間攪拌を行った。次いで、濾別した後、イオン交換水1200gで水洗を3回行い、マグネシウム型(Mg型)カチオン交換樹脂を製造した。
【0037】
2)リチウム型カチオン交換樹脂の製造
強酸性カチオン交換樹脂(H型、SK1BH、三菱化学社製)を10g採取し、それを2M水酸化リチウム500g中で1時間攪拌を行う操作を3回行った。次いで、濾別した後、イオン交換水1200gで水洗を3回行い、リチウム型(Li型)カチオン交換樹脂を製造した。
【0038】
3)カリウム型カチオン交換樹脂の製造
2M水酸化カリウムを用いた以外は、Li型カチオン交換樹脂と同様の操作を行い、カリウム型(K型)カチオン交換樹脂を製造した。
【0039】
4)ナトリウム型カチオン交換樹脂の製造
2M水酸化ナトリウムを用いた以外は、Li型カチオン交換樹脂と同様の操作を行い、ナトリウム型(Na型)カチオン交換樹脂を製造した。
【0040】
製造例2
茶抽出液1の調製
茶抽出物(非重合体カテキン類32.9質量%)を3.23g採取し、イオン交換水967.7gに溶解して、非重合体カテキン類を1.0質量%含有する茶抽出液1を調製した。
【0041】
製造例3
茶抽出液2の調製
茶抽出物(非重合体カテキン類32.9質量%)を64.6g採取し、イオン交換水935.4gに溶解して、非重合体カテキン類を2.0質量%含有する茶抽出液2を調製した。
【0042】
製造例4
茶抽出液3の調製
茶抽出物(非重合体カテキン類32.9質量%)を96.9g採取し、イオン交換水903.1gに溶解して、非重合体カテキン類を3.0質量%含有する茶抽出液3を調製した。
【0043】
実施例1
茶抽出液1(非重合体カテキン類1.0質量%)107.0gに対して、Mg型カチオン交換樹脂5.0g(6.2mL)を添加し、25℃で4時間混合した後、濾別して精製茶抽出液1を103.8g(非重合体カテキン類0.95質量%)得た。その後、凍結乾燥を行い、精製茶抽出物1(非重合体カテキン類32.4質量%)を3.0g得た。精製茶抽出物1の分析結果及び92.4質量%エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を表1に示す。
【0044】
実施例2
茶抽出液1(非重合体カテキン類1.0質量%)250.1gに対して、Mg型カチオン交換樹脂5.0g(6.2mL)を添加した以外は、実施例1と同様の操作を行い、精製茶抽出物2(非重合体カテキン類32.8質量%)を7.2g得た。精製茶抽出物2の分析結果及び92.4質量%エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を表1に示す。
【0045】
実施例3
茶抽出液1(非重合体カテキン類1.0質量%)500.0gに対して、Mg型カチオン交換樹脂5.0g(6.2mL)を添加した以外は、実施例1と同様の操作を行い、精製茶抽出物3(非重合体カテキン類32.3質量%)を14.7g得た。精製茶抽出物3の分析結果及び92.4質量%エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を表1に示す。
【0046】
実施例4
Li型カチオン交換樹脂を用いた以外は、実施例2と同様の操作を行い、精製茶抽出物4(非重合体カテキン類31.4質量%)を7.0g得た。精製茶抽出物4の分析結果及び92.4質量%エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を表1に示す。
【0047】
比較例1
茶抽出液1(非重合体カテキン類1.0質量%)107.0gを凍結乾燥し、茶抽出物1(非重合体カテキン類31.9質量%)を3.0g得た。茶抽出物1の分析結果及び92.4質量%エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を表1に示す。
【0048】
比較例2
茶抽出液1(非重合体カテキン類1.0質量%)250.1gに対して、Na型カチオン交換樹脂5.0g(6.2mL)を添加した以外は、実施例1と同様の操作を行い、精製茶抽出物5(非重合体カテキン類31.5質量%)を7.2g得た。精製茶抽出物5の分析結果及び92.4質量%エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を表1に示す。
【0049】
比較例3
茶抽出液1(非重合体カテキン類1.0質量%)250.1gに対して、K型カチオン交換樹脂5.0g(6.2mL)を添加した以外は、実施例1と同様の操作を行い、精製茶抽出物6(非重合体カテキン類30.9質量%)を7.2g得た。精製茶抽出物6の分析結果及び92.4質量%エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
実施例5
Li型カチオン交換樹脂を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、精製茶抽出物7(非重合体カテキン類32.5質量%)を3.0g得た。精製茶抽出物7の分析結果及び92.4質量%エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を表2に示す。
【0052】
実施例6
Li型カチオン交換樹脂を用いて茶抽出物375.0gと接触させた以外は、実施例5と同様の操作を行い、精製茶抽出物8(非重合体カテキン類33.2質量%)を11.8g得た。精製茶抽出物8の分析結果及び92.4質量%エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を表2に示す。
【0053】
実施例7
Li型カチオン交換樹脂を用いて茶抽出物437.5gと接触させた以外は、実施例5と同様の操作を行い、精製茶抽出物9(非重合体カテキン類32.8質量%)を13.8g得た。精製茶抽出物9の分析結果及び92.4質量%エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】
表1及び表2より、茶抽出物をマグネシウム型又はリチウム型のカチオン交換樹脂と接触させることにより、非重合体カテキン類の溶媒に対する溶解性を高めた精製茶抽出物を得ることができることがわかる。
【0056】
実施例8
茶抽出液1に対して、塩酸を添加しpHを5.0に調整した以外は実施例2と同様の操作を行い、精製茶抽出物10(非重合体カテキン類32.1質量%)を7.0g得た。精製茶抽出物10の分析結果及び92.4質量%エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を表3に示す。
【0057】
実施例9
塩酸を添加しpHを4.0に調整した以外は実施例8と同様の操作を行い、精製茶抽出物11(非重合体カテキン類32.3質量%)を7.0g得た。精製茶抽出物11の分析結果及び92.4質量%エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を表3に示す。
【0058】
実施例10
塩酸を添加しpHを3.0に調整した以外は実施例8と同様の操作を行い、精製茶抽出物12(非重合体カテキン類31.7質量%)を7.1g得た。精製茶抽出物12の分析結果及び92.4質量%エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を表3に示す。
【0059】
実施例11
塩酸を添加しpHを2.0に調整した以外は実施例8と同様の操作を行い、精製茶抽出物13(非重合体カテキン類30.6質量%)を7.2g得た。精製茶抽出物13の分析結果及び92.4質量%エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を表3に示す。
【0060】
【表3】
【0061】
表3より、カチオン交換樹脂に接触させる際の茶抽出物のpHが2〜6の範囲内であれば、非重合体カテキン類の溶媒に対する溶解性が高められることがわかる。
【0062】
実施例12
茶抽出液2を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、精製茶抽出物14(非重合体カテキン類33.0質量%)を5.8g得た。精製茶抽出物14の分析結果及び92.4質量%エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を表4に示す。
【0063】
実施例13
茶抽出液3を用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、精製茶抽出物15(非重合体カテキン類32.4質量%)を8.8g得た。精製茶抽出物15の分析結果及び92.4質量%エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を表4に示す。
【0064】
【表4】
【0065】
表4より、カチオン交換樹脂に接触させる際の茶抽出物中の非重合体カテキン類濃度を高濃度化しても溶媒に対する溶解性の高い精製茶抽出物を得られることがわかる。
【0066】
実施例14
茶抽出液1(非重合体カテキン類1.0質量%)16656.9gを、Mg型カチオン交換樹脂271.0g(336.1mL)を充填したカラムに流量43.1mL/分(SV=7.7/Hr)で通液し、精製茶抽出液16を16504.7g(非重合体カテキン類0.985質量%)回収した。得られた精製茶抽出液16の凍結乾燥を行い、精製茶抽出物16(非重合体カテキン類32.9質量%)を480.0g得た。精製茶抽出物16の分析結果及び92.4質量%エタノールへの非重合体カテキン類の溶出率を表5に示す。
【0067】
【表5】
【0068】
表5より、カラム方式においても、溶媒に対する非重合体カテキン類の溶解性の高い精製茶抽出物を得られることがわかる。
【0069】
表1〜5におけるエタノールへの非重合体カテキン類の溶解性試験の分析データを以下に示す。
【0070】
・茶抽出物1の溶解試験の結果は、上清液の非重合体カテキン類濃度6.37質量%、乾燥固形分11.02質量%であった。
・精製茶抽出物1の溶解試験の結果は、上清液の非重合体カテキン類濃度6.93質量%、乾燥固形分12.02質量%であった。
・精製茶抽出物2の溶解試験の結果は、上清液の非重合体カテキン類濃度6.94質量%、乾燥固形分11.97質量%であった。
・精製茶抽出物3の溶解試験の結果は、上清液の非重合体カテキン類濃度6.71質量%、乾燥固形分11.56質量%であった。
・精製茶抽出物4の溶解試験の結果は、上清液の非重合体カテキン類濃度6.85質量%、乾燥固形分13.04質量%であった。
・精製茶抽出物5の溶解試験の結果は、上清液の非重合体カテキン類濃度6.48質量%、乾燥固形分10.96質量%であった。
・精製茶抽出物6の溶解試験の結果は、上清液の非重合体カテキン類濃度6.13質量%、乾燥固形分9.97質量%であった。
・精製茶抽出物7の溶解試験の結果は、上清液の非重合体カテキン類濃度6.86質量%、乾燥固形分13.62質量%であった。
・精製茶抽出物8の溶解試験の結果は、上清液の非重合体カテキン類濃度6.82質量%、乾燥固形分12.37質量%であった。
・精製茶抽出物9の溶解試験の結果は、上清液の非重合体カテキン類濃度6.68質量%、乾燥固形分11.84質量%であった。
・精製茶抽出物10の溶解試験の結果は、上清液の非重合体カテキン類濃度6.86質量%、乾燥固形分12.3質量%であった。
・精製茶抽出物11の溶解試験の結果は、上清液の非重合体カテキン類濃度6.88質量%、乾燥固形分13.3質量%であった。
・精製茶抽出物12の溶解試験の結果は、上清液の非重合体カテキン類濃度6.62質量%、乾燥固形分14.8質量%であった。
・精製茶抽出物13の溶解試験の結果は、上清液の非重合体カテキン類濃度6.19質量%、乾燥固形分15.7質量%であった。
・精製茶抽出物14の溶解試験の結果は、上清液の非重合体カテキン類濃度6.80質量%、乾燥固形分11.34質量%であった。
・精製茶抽出物15の溶解試験の結果は、上清液の非重合体カテキン類濃度6.85質量%、乾燥固形分11.33質量%であった。
・精製茶抽出物16の溶解試験の結果は、上清液の非重合体カテキン類濃度7.09質量%、乾燥固形分12.16質量%であった。
【0071】
以下、実施例2で得られた精製茶抽出物2を、エタノール濃度が95質量%、85質量%、80質量%、又は75質量%のエタノールと水との混合溶媒に溶解したときの非重合体カテキン類の溶解試験を行い、各エタノール濃度への非重合体カテキン類の溶出率を算出した。その結果を表6に示す。
【0072】
実施例15
精製茶抽出物2をエタノール濃度95質量%のエタノールと水との混合溶媒で溶解試験を行った結果、上清液の非重合体カテキン類濃度6.05質量%、乾燥固形分9.22質量%、非重合体カテキン類の溶出率は82.4%であった。
【0073】
実施例16
精製茶抽出物2をエタノール濃度85質量%のエタノールと水との混合溶媒で溶解試験を行った結果、上清液の非重合体カテキン類濃度6.89質量%、乾燥固形分12.87質量%、非重合体カテキン類の溶出率は97.0%であった。
【0074】
実施例17
精製茶抽出物2をエタノール濃度80質量%のエタノールと水との混合溶媒で溶解試験を行った結果、上清液の非重合体カテキン類濃度6.88質量%、乾燥固形分13.71質量%、非重合体カテキン類の溶出率は98.1%であった。
【0075】
実施例18
精製茶抽出物2をエタノール濃度75質量%のエタノールと水との混合溶媒で溶解試験を行った結果、上清液の非重合体カテキン類濃度6.86質量%、乾燥固形分14.42質量%、非重合体カテキン類の溶出率は98.6%であった。
【0076】
比較例4
比較例1で得られた茶抽出物1を用いてエタノール濃度95質量%のエタノールと水との混合溶媒で溶解試験を行った結果、上清液の非重合体カテキン類濃度5.00質量%、乾燥固形分7.43質量%、非重合体カテキン類の溶出率は67.2%であった。
【0077】
比較例5
茶抽出物1を用いてエタノール濃度85質量%のエタノールと水との混合溶媒で溶解試験を行った結果、上清液の非重合体カテキン類濃度6.72質量%、乾燥固形分12.20質量%、非重合体カテキン類の溶出率は94.5%であった。
【0078】
比較例6
茶抽出物1を用いてエタノール濃度80質量%のエタノールと水との混合溶媒で溶解試験を行った結果、上清液の非重合体カテキン類濃度6.79質量%、乾燥固形分13.22質量%、非重合体カテキン類の溶出率は96.9%であった。
【0079】
比較例7
茶抽出物1を用いてエタノール濃度75質量%のエタノールと水との混合溶媒で溶解試験を行った結果、上清液の非重合体カテキン類濃度6.73質量%、乾燥固形分13.88質量%、非重合体カテキン類の溶出率は96.8%であった。
【0080】
【表6】
【0081】
表6より、茶抽出物をマグネシウム型又はリチウム型のカチオン交換樹脂と接触させることにより、75%以上のエタノール濃度において、非重合体カテキン類の溶解性の高い精製茶抽出物が得られることがわかる。