特許第6272561号(P6272561)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6272561ドキシラミン並びにピリドキシン及び/またはそれらの代謝産物もしくは塩の多峰性放出製剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6272561
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】ドキシラミン並びにピリドキシン及び/またはそれらの代謝産物もしくは塩の多峰性放出製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/4415 20060101AFI20180122BHJP
   A61K 31/4402 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 1/08 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20180122BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20180122BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20180122BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20180122BHJP
   A61K 9/32 20060101ALI20180122BHJP
【FI】
   A61K31/4415
   A61K31/4402
   A61P1/08
   A61P15/00
   A61P43/00 121
   A61K47/32
   A61K47/44
   A61K9/32
【請求項の数】27
【全頁数】47
(21)【出願番号】特願2017-511764(P2017-511764)
(86)(22)【出願日】2014年8月29日
(65)【公表番号】特表2017-525731(P2017-525731A)
(43)【公表日】2017年9月7日
(86)【国際出願番号】CA2014050828
(87)【国際公開番号】WO2016029290
(87)【国際公開日】20160303
【審査請求日】2017年3月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514214003
【氏名又は名称】デュシネイ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マノン・ヴランデリック
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−リュク・サン−トンジュ
(72)【発明者】
【氏名】ミシェル・ガロ
(72)【発明者】
【氏名】エリック・ジェルヴェ
【審査官】 鈴木 理文
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/123595(WO,A1)
【文献】 特表2008−518888(JP,A)
【文献】 特表2012−520895(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/126770(WO,A1)
【文献】 マテリアルライフ,1991年,Vol.3 No.2,pp.104-109
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/4415
A61K 9/32
A61K 31/4402
A61K 47/32
A61K 47/44
A61P 1/08
A61P 15/00
A61P 43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(I)(a)ドキシラミンまたはその医薬的に許容される塩を約5mg〜約40mg及びピリドキシンまたはその医薬的に許容される塩を約5mg〜約40mg含むコア;
(b)前記コアを囲んでいる腸溶性コーティング;
を含む遅延放出成分;並びに
(II)(c)前記腸溶性コーティングを囲んでいる第一の活性成分を含む即時放出コーティングであって、(i)ドキシラミンもしくはその医薬的に許容される塩を約5mg〜約40mg、または(ii)ピリドキシンもしくはその医薬的に許容される塩を約5mg〜約40mg含むコーティング;及び
(d)前記第一の活性成分を含むコーティングを囲んでいる第二の活性成分を含む即時放出コーティングであって、(i)ドキシラミンもしくはその医薬的に許容される塩を約5mg〜約40mg、または(ii)ピリドキシンもしくはその医薬的に許容される塩を約5mg〜約40mg含むコーティング;
を含む即時放出成分、を含む固体経口投薬製剤であって、
前記第一の活性成分を含む即時放出コーティングが前記ドキシラミンまたはその医薬的に許容される塩を含む場合、前記第二の活性成分を含む即時放出コーティングは前記ピリドキシンまたはその医薬的に許容される塩を含み、前記第一の活性成分を含む即時放出コーティングが前記ピリドキシンまたはその医薬的に許容される塩を含む場合、前記第二の活性成分を含む即時放出コーティングは前記ドキシラミンまたはその医薬的に許容される塩を含む、固体経口投薬製剤
【請求項2】
前記コアが前記ドキシラミンまたはその医薬的に許容される塩を約10mg含む、請求項1に記載の固体経口投薬製剤
【請求項3】
前記コアがコハク酸ドキシラミンを含む、請求項1または2に記載の固体経口投薬製剤
【請求項4】
前記コアが前記ピリドキシンまたはその医薬的に許容される塩を約10mg含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の固体経口投薬製剤
【請求項5】
前記コアが塩酸ピリドキシンを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の固体経口投薬製剤
【請求項6】
前記第一または第二の活性成分を含む即時放出コーティングが前記ドキシラミンまたはその医薬的に許容される塩を約10mg含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の固体経口投薬製剤
【請求項7】
前記第一または第二の活性成分を含む即時放出コーティングがコハク酸ドキシラミンを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の固体経口投薬製剤
【請求項8】
前記第一または第二の活性成分を含む即時放出コーティングが前記ピリドキシンまたは
その医薬的に許容される塩を約10mg含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の固体経口投薬製剤
【請求項9】
前記第一または第二の活性成分を含む即時放出コーティングが塩酸ピリドキシンを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の固体経口投薬製剤
【請求項10】
前記第一及び/または第二の活性成分を含む即時放出コーティングが即時放出フィルムコーティングシステムを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の固体経口投薬製剤
【請求項11】
前記コアが、前記固体経口投薬製剤の約50%〜約70%(w/w)の量で存在する、請求項1から10のいずれか一項に記載の固体経口投薬製剤
【請求項12】
前記腸溶性コーティングが、前記固体経口投薬製剤の約2%〜約15%(w/w)の量で存在する、請求項1から11のいずれか一項に記載の固体経口投薬製剤
【請求項13】
前記腸溶性コーティングがアクリルポリマーまたはコポリマー、好ましくはメタクリル酸及びアクリル酸エチルに基づくコポリマーを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の固体経口投薬製剤
【請求項14】
前記第一の活性成分を含む即時放出コーティングが、前記固体経口投薬製剤の約4%〜約12%(w/w)の量で存在する、請求項1から13のいずれか一項に記載の固体経口投薬製剤
【請求項15】
さらに、前記第一の活性成分を含む即時放出コーティングを囲んでいる第一の中間コーティングを含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の固体経口投薬製剤
【請求項16】
前記第一の中間コーティングが、前記固体経口投薬製剤の約1%〜約4%(w/w)の量で存在する、請求項15に記載の固体経口投薬製剤
【請求項17】
前記第一の中間コーティングがフィルムコーティングシステムを含む、請求項15または16に記載の固体経口投薬製剤
【請求項18】
前記第二の活性成分を含む即時放出コーティングが、前記固体経口投薬製剤の約5%〜約15%(w/w)の量で存在する、請求項1から17のいずれか一項に記載の固体経口投薬製剤
【請求項19】
さらに、前記コア及び前記腸溶性コーティングの間に第二の中間コーティングを含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の固体経口投薬製剤
【請求項20】
さらに、前記第二の活性成分を含む即時放出コーティングを囲んでいるシールコーティングを含む、請求項1から19のいずれか一項に記載の固体経口投薬製剤
【請求項21】
前記シールコーティングが、前記固体経口投薬製剤の約2%〜約10%(w/w)の量で存在する、請求項20に記載の固体経口投薬製剤
【請求項22】
前記シールコーティングがフィルムコーティングシステムを含む、請求項20または21に記載の固体経口投薬製剤
【請求項23】
さらに、前記シールコーティングを囲んでいる固体経口投薬製剤のコーティング剤を含
む、請求項20から22のいずれか一項に記載の固体経口投薬製剤
【請求項24】
前記固体経口投薬製剤のコーティング剤が、前記固体経口投薬製剤の約0.005%〜約0.5%(w/w)の量で存在する、請求項23に記載の固体経口投薬製剤
【請求項25】
前記固体経口投薬製剤のコーティング剤がワックスを含む、請求項23または24に記載の固体経口投薬製剤
【請求項26】
前記固体経口投薬製剤が錠剤である、請求項1から25のいずれか一項に記載の固体経口投薬製剤
【請求項27】
請求項1から26のいずれか一項に記載の固体経口投薬製剤を含む、ヒトの妊娠の吐気及び嘔吐の症状を緩和するための薬剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、例えば、妊娠の吐気及び嘔吐(NVP)の予防及び/または治療等の、吐気及び嘔吐の管理のための投薬形態並びにその使用及びパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
「つわり」とも呼ばれる妊娠の吐気及び嘔吐(NVP)はよく見られる。これは、妊婦の50%〜80%を様々な重症度で苦しめている。
【0003】
一般に妊娠初期の4〜16週内に発症し、約20%の女性で長期間NVPが続く。一部の女性は妊娠末期までNVPに苦しむことがある。吐気と嘔吐は重篤な副作用を及ぼしうる。重症の場合、NVPは、塩とビタミンの不均衡を伴う脱水を引き起こしうる。これら及び他の影響は、当該女性の健康及びその子供の福祉に有害な場合がある。その最も重症型では、NVPは、入院を要する遷延性嘔吐、吐気、重度脱水、及び体重減少によって特徴づけられる、0.5%〜2%の妊娠に影響を及ぼす生命にかかわる恐れのある疾患の妊娠悪阻として現れうる。
【0004】
カナダではDiclectin(登録商標)の商品名で、米国ではDiclegis(登録商標)の商品名で販売される、コハク酸ドキシラミン/ピリドキシンHCl(各10mg)の遅延放出性の組合せは、NVPの治療用にカナダと米国で承認された唯一の薬剤である。NVP治療に関するその安全性と有効性は、医学界で認められ、その妊娠中を通じた安全性は、長年にわたり確立されてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それでもなお、NVP等の吐気及び嘔吐の予防並びに治療に関する新規な薬の投与システム並びに投薬形態、例えば、薬物動態プロファイル及び/または安定性が改良されたそれらの開発が必要である。
【0006】
本明細書は多くの文書を参照するが、これらの内容は、参照することによってその全体が本明細書に組み込まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の1〜49の項目に関する。
1.固体経口投薬形態であって、
ドキシラミンまたはその塩を約5mg〜約40mg及びピリドキシンまたはその塩を約5mg〜約40mg含むコア、
前記コアを囲んでいる腸溶性コーティング、
前記腸溶性コーティングを囲んでいる第一の活性成分を含むコーティングであって、(i)ドキシラミンもしくはその塩を約5mg〜約40mg、または(ii)ピリドキシンもしくはその塩を約5mg〜約40mg含むコーティング、並びに
前記中間コーティングを囲んでいる第二の活性成分を含むコーティングであって、(i)ドキシラミンもしくはその塩を約5mg〜約40mg、または(ii)ピリドキシンもしくはその塩を約5mg〜約40mg含むコーティングを含むとともに、前記第一の活性成分を含むコーティングが前記ドキシラミンまたはその塩を含む場合、前記第二の活性成分を含むコーティングは前記ピリドキシンまたはその塩を含み、前記第一の活性成分を含むコーティングが前記ピリドキシンまたはその塩を含む場合、前記第二の活性成分を含むコーティングは前記ドキシラミンまたはその塩を含む、固体経口投薬形態。
【0008】
2.前記コアが前記ドキシラミンまたはその塩を約10mg含む、項目1に記載の固体経口投薬形態。
【0009】
3.前記コアがコハク酸ドキシラミンを含む、項目1または2に記載の固体経口投薬形態。
【0010】
4.前記コアが前記ピリドキシンまたはその塩を約10mg含む、項目1から3のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態。
【0011】
5.前記コアが塩酸ピリドキシンを含む、項目1から4のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態。
【0012】
6.前記第一または第二の活性成分を含むコーティングが前記ドキシラミンまたはその塩を約10mg含む、項目1から5のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態。
【0013】
7.前記第一または第二の活性成分を含むコーティングがコハク酸ドキシラミンを含む、項目1から6のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態。
【0014】
8.前記第一または第二の活性成分を含むコーティングが前記ピリドキシンまたはその塩を約10mg含む、項目1から7のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態。
【0015】
9.前記第一または第二の活性成分を含むコーティングが塩酸ピリドキシンを含む、項目1から8のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態。
【0016】
10.前記第一及び/または第二の活性成分を含むコーティングがフィルムコーティングシステムを含む、項目1から9のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態。
【0017】
11.前記フィルムコーティングシステムがポリマー及び可塑剤を含む、項目10に記載の固体経口投薬形態。
【0018】
12.前記コアが、前記固体経口投薬形態の約50%〜約70%(w/w)の量で存在する、項目1から11のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態。
【0019】
13.前記コアが、前記固体経口投薬形態の約55%〜約65%(w/w)の量で存在する、項目12に記載の固体経口投薬形態。
【0020】
14.前記腸溶性コーティングが、前記固体経口投薬形態の約2%〜約15%(w/w)の量で存在する、項目1から13のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態。
【0021】
15.前記腸溶性コーティングが、前記固体経口投薬形態の約4%〜約12%(w/w)の量で存在する、項目14に記載の固体経口投薬形態。
【0022】
16.前記腸溶性コーティングがアクリルポリマーまたはコポリマーを含む、項目1から15のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態。
【0023】
17.前記アクリルポリマーまたはコポリマーが、メタクリル酸及びアクリル酸エチルに基づくコポリマーである、項目16に記載の固体経口投薬形態。
【0024】
18.前記第一の活性成分を含むコーティングが、前記固体経口投薬形態の約4%〜約12%(w/w)の量で存在する、項目1から17のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態。
【0025】
19.前記第一の活性成分を含むコーティングが、前記固体経口投薬形態の約6%〜約10%(w/w)の量で存在する、項目18に記載の固体経口投薬形態。
【0026】
20.さらに、前記第一の活性成分を含むコーティングを囲んでいる第一の中間コーティングを含む、項目1から19のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態。
【0027】
21.前記第一の中間コーティングが、前記固体経口投薬形態の約1%〜約4%(w/w)の量で存在する、項目20に記載の固体経口投薬形態。
【0028】
22.前記第一の中間コーティングが、前記固体経口投薬形態の約2%〜約3%(w/w)の量で存在する、項目21に記載の固体経口投薬形態。
【0029】
23.前記第一の中間コーティングがフィルムコーティングシステムを含む、項目20から22のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態。
【0030】
24.前記フィルムコーティングシステムがポリマー及び可塑剤を含む、項目23に記載の固体経口投薬形態。
【0031】
25.前記第二の活性成分を含むコーティングが、前記固体経口投薬形態の約5%〜約15%(w/w)の量で存在する、項目1から24のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態。
【0032】
26.前記第二の活性成分を含むコーティングが、前記固体経口投薬形態の約8%〜約12%(w/w)の量で存在する、項目25に記載の固体経口投薬形態。
【0033】
27.さらに、前記コア及び前記腸溶性コーティングの間に第二の中間コーティングを含む、項目1から26のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態。
【0034】
28.前記第二の中間コーティングが、前記固体経口投薬形態の約1%〜約8%(w/w)の量で存在する、項目27に記載の固体経口投薬形態。
【0035】
29.前記第二の中間コーティングが、前記固体経口投薬形態の約2%〜約6%(w/w)の量で存在する、項目28に記載の固体経口投薬形態。
【0036】
30.前記第二の中間コーティングが、ポリマー及び可塑剤を含むフィルムコーティングシステムを含む、項目24から26のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態。
【0037】
31.さらに、前記第二の活性成分を含むコーティングを囲んでいるシールコーティングを含む、項目27から30のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態。
【0038】
32.前記シールコーティングが、前記固体経口投薬形態の約2%〜約10%(w/w)の量で存在する、項目31に記載の固体経口投薬形態。
【0039】
33.前記シールコーティングが、前記固体経口投薬形態の約4%〜約8%(w/w)の量で存在する、項目32に記載の固体経口投薬形態。
【0040】
34.前記シールコーティングがフィルムコーティングシステムを含む、項目31から33のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態。
【0041】
35.前記フィルムコーティングシステムがポリマー及び可塑剤を含む、項目34に記載の固体経口投薬形態。
【0042】
36.さらに、前記シールコーティングを囲んでいる固体経口投薬形態のコーティング剤を含む、項目31から35のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態。
【0043】
37.前記固体経口投薬形態のコーティング剤が、前記固体経口投薬形態の約0.005%〜約0.5%(w/w)の量で存在する、項目36に記載の固体経口投薬形態。
【0044】
38.前記固体経口投薬形態のコーティング剤がワックスを含む、項目36または37に記載の固体経口投薬形態。
【0045】
39.前記コアが、さらに1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を含む、項目1から38のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態。
【0046】
40.前記コアが、微結晶性セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、クロスカルメロースナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムを含む、項目39に記載の固体経口投薬形態。
【0047】
41.前記コアが、微結晶性セルロースを約60%〜約65%(w/w)、コロイド状二酸化ケイ素を約0.5〜約1%(w/w)、三ケイ酸マグネシウムを約16%〜約20%(w/w)、クロスカルメロースナトリウムを約2%〜約3%(w/w)、及びステアリン酸マグネシウムを約2%〜約3%(w/w)含む、項目40に記載の固体経口投薬形態。
【0048】
42.前記固体経口投薬形態が錠剤である、項目1から41のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態。
【0049】
43.ヒトの妊娠の吐気及び嘔吐の症状を緩和するための項目1から42のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態。
【0050】
44.ヒトの妊娠の吐気及び嘔吐の症状を緩和するための薬剤製造用の項目1から42のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態。
【0051】
45.ヒトの妊娠の吐気及び嘔吐の症状を緩和するための項目1から42のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態の使用。
【0052】
46.ヒトの妊娠の吐気及び嘔吐の症状を緩和するための薬剤製造用の項目1から42のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態の使用。
【0053】
47.ヒトの妊娠の吐気及び嘔吐の症状の緩和方法であって、項目1から42のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態を、それを必要とする妊娠ヒト女性に投与することを含む前記方法。
【0054】
48.項目1から42のいずれか一項に記載の固体経口投薬形態を含むパッケージ。
【0055】
49.さらに、ヒトの妊娠の吐気及び嘔吐の症状を緩和するための前記固体経口投薬形態の使用説明書を含む、項目48のパッケージ。
【0056】
本発明の他の目的、利点、及び特徴は、ほんの一例として示す、以下の非限定的な特定の実施形態の説明を読むことによってより明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本明細書に記載の研究は、多峰性放出製剤の即時放出成分におけるコハク酸ドキシラミン及びピリドキシンHClの分解産物プロファイルの、該2成分が別々のコーティングに組み込まれた場合の改良を示す。
【0058】
従って、第一の態様において、本発明は、
ドキシラミン成分及びピリドキシン成分を含むコア;
該コアを囲んでいる腸溶性コーティング;
ドキシラミン成分またはピリドキシン成分を含む、該腸溶性コーティングを囲んでいる第一の活性成分を含むコーティング;並びに
ドキシラミン成分またはピリドキシン成分を含む、該中間コーティングを囲んでいる第二の活性成分を含むコーティングを含み、該第一の活性成分を含むコーティングが該ドキシラミン成分を含む場合、該第二の活性成分を含むコーティングは該ピリドキシン成分を含み、該第一の活性成分を含むコーティングが該ピリドキシン成分を含む場合、該第二の活性成分を含むコーティングは該ドキシラミン成分を含む、固体経口投薬形態を提供する。
【0059】
別の態様において、本発明は、
ドキシラミンまたはその塩を約5mg〜約40mg及びピリドキシンまたはその塩を約5mg〜約40mg含むコア;
該コアを囲んでいる腸溶性コーティング;
該腸溶性コーティングを囲んでいる第一の活性成分を含むコーティングであって、(i)ドキシラミンもしくはその塩を約5mg〜約40mg、または(ii)ピリドキシンもしくはその塩を約5mg〜約40mg含むコーティング;並びに
該中間コーティングを囲んでいる第二の活性成分を含むコーティングであって、(i)ドキシラミンもしくはその塩を約5mg〜約40mg、または(ii)ピリドキシンもしくはその塩を約5mg〜約40mg含むコーティングを含み、該第一の活性成分を含むコーティングが該ドキシラミンまたはその塩を含む場合、該第二の活性成分を含むコーティングは該ピリドキシンまたはその塩を含み、該第一の活性成分を含むコーティングが該ピリドキシンまたはその塩を含む場合、該第二の活性成分を含むコーティングは該ドキシラミンまたはその塩を含む、固体経口投薬形態を提供する。
【0060】
別の態様において、本発明は、腸溶性コーティングで被覆されたコアを含み、
該コアは、ドキシラミン成分(ドキシラミンまたはその塩、例えば、コハク酸ドキシラミン)及びピリドキシン成分(ピリドキシンまたはその塩、例えば、塩酸ピリドキシン)を含み、
該腸溶性コーティングで被覆された該コアはさらに該腸溶性コーティングの上を(すなわち、囲む/覆う)2層の活性成分を含むコーティングで被覆され、
該2層の活性成分を含むコーティングのうちの1層がドキシラミン成分(ドキシラミンまたはその塩、例えば、コハク酸ドキシラミン)を含み、実質的にピリドキシン成分(ピリドキシンまたはその塩、例えば、塩酸ピリドキシン)を含まず、
該2層の活性成分を含むコーティングのうちの他の層がピリドキシン成分(ピリドキシンまたはその塩、例えば、塩酸ピリドキシン)を含み、実質的にドキシラミン成分(ドキシラミンまたはその塩、例えば、コハク酸ドキシラミン)を含まない、固体経口投薬形態(例えば、医薬錠剤)を提供する。実施形態では、該2層の活性成分を含むコーティングは中間コーティングで互いに分離されている。
【0061】
「約」という用語は、本明細書では、値を測定するために採用される装置もしくは方法に関する固有の誤差の変動を含む値を示すために、または、列挙された値に近い値、例えば、列挙された値(もしくは値の範囲)の10%以内を包含するために用いられる。
【0062】
本明細書で用いられる「コア」という用語は、活性成分(複数可)を含み、本明細書で定義される異なるコーティングで被覆される当該固体経口投薬形態の中心の成分を指す。該コアはさらに、1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を含んでよい。さらに、実施形態では、本明細書に記載の該コーティングの1層以上はさらに1つ以上の医薬的に許容される賦形剤を含んでよい。
【0063】
本明細書で用いられる「賦形剤」は、当技術分野におけるその通常の意味を有し、それ自体は活性成分(薬物)ではない、経口投薬形態の任意の成分である。賦形剤としては、例えば、バインダー、滑沢剤、希釈剤、充填剤、増粘剤、崩壊剤、可塑剤、コーティング、バリア層処方、滑沢剤、安定剤、放出遅延剤、及びその他の成分が挙げられる。本明細書で用いられる「医薬的に許容される賦形剤」とは、当該活性成分の生物活性の有効性を妨げず、当該対象に対して毒性がない、すなわち、当該対象に対して毒性がない種類の賦形剤及び/または当該対象に対して毒性がない量で使用するための賦形剤である任意の賦形剤を指す。妊娠ヒト女性対象の場合、該医薬的に許容される賦形剤はまた、当該胚または胎児に毒性がない、すなわち、妊婦への投与に適した医薬品賦形剤である。従って、妊娠対象への投与用の投薬形態では、催奇性を有する、及び/または妊娠期間に使用が禁忌である医薬的に許容される賦形剤は除外される。賦形剤は当技術分野では周知であり、本システムは、上記の点に関して限定されない。例えば、Remington‘s Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, A. Gennaro, Ed., Mack Pub. Co. (Easton, Pa., 1990), Chapters 88−91を参照されたい。特定の実施形態では、該投薬形態の1つ以上の処方は、例えば、制限なく、1つ以上のバインダー(結合剤)、増粘剤、界面活性剤、希釈剤、放出遅延剤、着色剤、矯味矯臭薬、充填剤、崩壊剤/溶解促進剤、滑沢剤、可塑剤、シリカ流動調整剤、流動促進剤、凝固阻止剤、粘着防止剤、安定剤、帯電防止剤、膨潤剤、及びそれらの任意の組合せが挙げられる賦形剤を含む。当業者であれば理解するように、単一の賦形剤は同時に2つ以上の機能を果たすことがあり、例えば、結合剤及び増粘剤の両方の役割を果たすことがある。当業者であれば同様に理解するように、これらの用語は必ずしも互いに排他的ではない。
【0064】
該固体経口投薬形態のコア及び/またはコーティングに使用できる有用な希釈剤、例えば、充填剤としては、例えば、制限なく、リン酸二カルシウム、二リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、セルロース、カオリン、塩化ナトリウム、デンプン類、粉砂糖、コロイド状二酸化ケイ素、酸化チタン、アルミナ、タルク、コロイド状シリカ、微結晶性セルロース、ケイ化微結晶性セルロース、及びそれらの組合せを挙げてもよい。最小薬物投与量の錠剤の嵩を増し、適切なサイズと重量の錠剤を生産することができる充填剤としては、クロスカルメロースナトリウムNF/EP(例えば、Ac−Di−Sol)、無水ラクトースNF/EP(例えば、Pharmatose(商標)DCL21);及び/またはポビドンUSP/EPが挙げられる。実施形態では、該固体経口投薬形態のコアは、希釈剤または充填剤、好ましくは微結晶性セルロースを含む。
【0065】
該固体経口投薬形態のコア及び/またはコーティングに使用できるバインダー材料としては、例えば、制限なく、デンプン類(コーンスターチ及びアルファ化デンプン等)、ゼラチン、糖類(スクロース、グルコース、デキストロース、及びラクトース等)、ポリエチレングリコール、ポビドン、ワックス、並びに天然及び合成ゴム、例えば、アカシア アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系ポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、コロイド状二酸化ケイ素NF/EP(例えば、Cab−O−Sil(商標)M5P)、ケイ化微結晶性セルロース(SMCC)、例えば、ケイ化微結晶性セルロースNF/EP(例えば、Prosolv(商標)SMCC 90)、及び二酸化ケイ素、それらの混合物等)、veegum、並びにそれらの組合せを挙げてもよい。
【0066】
該固体経口投薬形態のコア及び/またはコーティングに使用できる有用な滑沢剤としては、例えば、キャノーラ油、パルミトステアリン酸グリセリル、硬化植物油(I型)、酸化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、鉱油、ポロキサマー、ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ナトリウムステアレートフマレート、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸亜鉛、グリセリルベハペート(glyceryl behapate)、ラウリル硫酸マグネシウム、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム/酢酸ナトリウム(組み合わせて)、DLロイシン、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、それらの混合物等を挙げてもよい。実施形態では、該固体経口投薬形態のコアは、滑沢剤、好ましくはステアリン酸マグネシウムを含む。
【0067】
該固体経口投薬形態のコア及び/またはコーティングに使用できる増量剤としては、例えば:微結晶性セルロース、例えばバインダーの特性も有するAVICEL(登録商標)(FMC Corp.)またはEMCOCEL(登録商標)(Mendell Inc.);リン酸二カルシウム、例えば、EMCOMPRESS(登録商標)(Mendell Inc.)、硫酸カルシウム、例えば、COMPACTROL(登録商標)(Mendell Inc.)、デンプン類、例えば、Starch 1500、及びポリエチレングリコール類(CARBOWAX(登録商標))を挙げてもよい。
【0068】
該固体経口投薬形態のコア及び/またはコーティングに使用できる適切な崩壊剤または溶解促進剤としては、限定されないが、デンプン類、クレー類、セルロース類、アルギネート類、ガム類、架橋ポリマー、コロイド状二酸化ケイ素、酵素原、それらの混合物等、例えば、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(AC−DI−SOL(登録商標))、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム(EXPLOTAB(登録商標)、PRIMO JEL(登録商標)) 架橋ポリビニルポリピロリドン(PLASONE−XL(登録商標))、塩化ナトリウム、スクロース、ラクトース、及びマンニトールを挙げてもよい。実施形態では、該固体経口投薬形態のコアは、崩壊剤、好ましくはクロスカルメロースナトリウムを含む。
【0069】
該固体経口投薬形態のコア及び/またはコーティングに使用できる抗癒着剤及び流動促進剤としては、とりわけ、タルク、デンプン類(例えば、コーンスターチ)、セルロース類、二酸化ケイ素、ラウリル硫酸ナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、及びステアリン酸金属塩を挙げてもよい。
【0070】
シリカ流動調整剤の例としては、コロイド状二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、及びグアーガムが挙げられる。実施形態では、該固体経口投薬形態のコアは、シリカ流動調整剤、好ましくは二酸化ケイ素を含む。
【0071】
該固体経口投薬形態のコア及び/またはコーティングに使用できる適切な界面活性剤としては、医薬的に許容される非イオン性、イオン性、及びアニオン性界面活性剤が挙げられる。界面活性剤の一例はラウリル硫酸ナトリウムである。必要に応じて、投与される医薬組成物はまた、少量の湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤等の非毒性補助物質、例えば、酢酸ナトリウム、ソルビタンモノラウレート、トリエタノールアミン酢酸ナトリウム、オレイン酸トリエタノールアミン等も含んでよい。必要に応じて、矯味矯臭薬、着色剤、及び/または甘味料も添加してよい。
【0072】
該固体経口投薬形態のコア及び/またはコーティングに使用できる安定剤の例としては、アカシア、アルブミン、ポリビニルアルコール、アルギン酸、ベントナイト、リン酸二カルシウム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、コロイド状二酸化ケイ素、シクロデキストリン類、モノステアリン酸グリセリル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、三ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、プロピレングリコール、アルギン酸プロピレングリコール、アルギン酸ナトリウム、カルナバワックス、キサンタンガム、デンプン、ステアレート(類)、ステアリン酸、ステアリン酸モノグリセリド、及びステアリルアルコールが挙げられる。実施形態では、該固体経口投薬形態のコアは、安定剤、好ましくは三ケイ酸マグネシウムを含む。
【0073】
任意に、増粘剤を加えて、該投薬形態(例えば、錠剤)に適切な時期の崩壊挙動を与えることができる。該投薬形態は任意に、それを容易に飲み込めるようにするのには十分に遅く、60秒以内に水中で良好な懸濁液を与えるのには十分速い速度で崩壊する。該増粘剤は、例えば、タルクUSP/EP、天然ガム、例えば、グアーガムもしくはアラビアゴム、またはセルロース誘導体、例えば、微結晶性セルロースNF/EP(例えば、Avicel(商標)PH 102)、メチルセルロース、エチルセルロース、もしくはヒドロキシエチルセルロースでよい。有用な増粘剤は、各種粘度グレードで入手可能なアジュバントであるヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0074】
同様に、該固体経口投薬形態のコア及び/またはコーティングに使用できる適切な可塑剤としては、アセチル化モノグリセリドで、これらは食品添加物として使用することができ、食品包装、医療用品、化粧品、及び子供のおもちゃに使用されるクエン酸アルキル、クエン酸トリエチル(TEC)、TECより沸点が高く揮発性が低いアセチルクエン酸トリエチル(ATEC)、クエン酸トリブチル(TBC)、PVC及び塩化ビニルコポリマーと相溶するアセチルクエン酸トリブチル(ATBC)、ガム及び制御放出薬にも使用されるクエン酸トリオクチル(TOC);印刷インクにも使用されるアセチルクエン酸トリオクチル(ATOC)、PVCと相溶し、制御放出薬にも使用されるクエン酸トリへキシル(THC)、PVCと相溶するアセチルクエン酸トリへキシル(ATHC)、PVCと相溶するブチリルクエン酸トリへキシル(BTHC、o−ブチリルクエン酸トリへキシル)、PVCと相溶するクエン酸トリメチル(TMC)、アルキルスルホン酸フェニルエステル、ポリエチレングリコール(PEG)、またはそれらの任意の組合せが挙げられる。任意に、該可塑剤はクエン酸トリエチルNF/EPを含むことができる。
【0075】
実施形態では、該コアは、1つ以上の充填剤、1つ以上の流動促進剤、1つ以上の崩壊剤、及び/または1つ以上の滑沢剤を含む。
【0076】
実施形態では、該コアは、微結晶性セルロース、コロイド状二酸化ケイ素、三ケイ酸マグネシウム、クロスカルメロースナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムを含む。実施形態では、該微結晶性セルロースは、該コアの約60%〜約65%(w/w)の量で存在する。実施形態では、該コロイド状二酸化ケイ素は、該コアの約0.5〜約1%(w/w)の量で存在する。実施形態では、該三ケイ酸マグネシウムは、該コアの約16%〜約20%(w/w)の量で存在する。実施形態では、該クロスカルメロースナトリウムは、該コアの約2%〜約3%(w/w)の量で存在する。実施形態では、該ステアリン酸マグネシウムは、該コアの約2%〜約3%(w/w)の量で存在する。
【0077】
さらなる実施形態では、該コアは、微結晶性セルロースを約60%〜約65%(w/w)、コロイド状二酸化ケイ素を約0.5〜約1%(w/w)、三ケイ酸マグネシウムを約16%〜約20%(w/w)、クロスカルメロースナトリウムを約2%〜約3%(w/w)、及びステアリン酸マグネシウムを約2%〜約3%(w/w)含む。
【0078】
実施形態では、該コアは、該固体経口投薬形態において、該固体経口投薬形態の約40%〜約80%または約50%〜約70%(w/w)の量で存在し、さらなる実施形態では、該固体経口投薬形態の約55%〜約65%(w/w)、例えば、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、または65%の量で存在する。実施形態では、該コアの全重量は、約100mg〜約200mgであり、さらなる実施形態では、約120mg〜約180mg、約130mg〜約170mg、または約140〜150mg(例えば、約145mg)である。実施形態では、該コアは、微結晶性セルロースを約80〜約100mg(例えば、90mg)、ドキシラミンまたはその塩(例えば、コハク酸ドキシラミン)を約5〜約15mg(例えば、約10mg)、ピリドキシンまたはその塩(例えば、塩酸ピリドキシン)を約5〜約15mg(例えば、約10mg)、コロイド状二酸化ケイ素を約0.5〜約2mg(例えば、約1mg)、三ケイ酸マグネシウムを約20mg〜約30mg(例えば、約26〜27mg)、クロスカルメロースナトリウムを約3mg〜約4mg(例えば、約3.5または3.6mg)、及びステアリン酸マグネシウムを約3.5mg〜約4.5mg(例えば、約4mg)含む。
【0079】
本明細書で用いられる「コーティング」という用語は、該固体経口投薬形態の内側成分を囲む/覆う(及び好ましくはこれに接着する)1つ以上の適切な材料からなる層またはフィルムを指す。該コーティングは、層またはフィルムを形成するのに適する任意の薬剤または薬剤の組合せ、例えば、ポリマー材料(例えば、セルロース系ポリマー、アクリル系ポリマー、ポリビニル系ポリマーを含んでよい。ポリマー(複数可)、可塑剤、顔料等を含むコーティング材料/ポリマー及びコーティングシステムは、当技術分野では既知である。コーティングポリマー及びシステムの例としては、OPADRY(登録商標)シリーズのフィルムコーティングシステム(COLORCON(登録商標))、INSTACOAT(登録商標)フィルムコーティングシステム(IDEAL CURES(登録商標)PVT LTD)、AQUARIUS(商標)フィルムコーティングシステム(ASHLAND(登録商標))、SHEFFCOAT(商標)フィルムコーティングシステム(KERRY(登録商標))、SEPIFILM(商標)フィルムコーティングシステム(SEPPIC(登録商標))、EVONIK(登録商標)製PlasACRYL(商標)コーティングシステム(EUDRAGIT(登録商標)ポリマーに基づく)、KOLLICOAT(商標)コーティングシステム(BASF(登録商標))、SPECTRABLEND(商標)コーティングシステム(SENSIENT(登録商標))、VIVAPHARM(登録商標)HPMC(JRS PHARMA(登録商標))が挙げられる。実施形態では、該コーティングはOPADRY(登録商標)フィルムコーティングシステムを含む。
【0080】
「腸溶性コーティング」という用語は、耐胃材料(ポリマー)、すなわち、胃の酸性環境では実質的に無傷のままであるが腸の高いpH(及び/または腸に特徴的に存在する分解酵素の存在下)では容易に溶解する材料(ポリマー)製のコーティングを指すために使用される。腸溶性コーティングを形成するのに適するポリマーは当技術分野では周知であり、例えば、セルロース系ポリマー(例えば、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートトリメリテート、セルロースアセテートスクシネートポリマー、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(ヒプロメロースアセテートスクシネート)、カルボキシメチルセルロースナトリウム)、アクリル酸ポリマー及びコポリマー、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、及び/またはメタクリル酸エチルから形成されるもの(例えば、メタクリレート系ポリマー/コポリマー(例えば、EUDRAGIT(登録商標)ポリマー、例えば、EUDRAGIT(登録商標)L30D−55、L100−55、L−100、EUDRAGIT(登録商標)S、EUDRAGIT(登録商標)NE、RL及びRS)、ビニルポリマー及びコポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン、酢酸ビニル、ポリビニルアセテートフタレート、ビニルアセテートフタレート、酢酸ビニルクロトン酸コポリマー、エチレン−酢酸ビニルコポリマー(PVAP)、酵素分解性ポリマー、例えば、アゾポリマー、ペクチン、キトサン、アミロース、及びグアーガム;ゼイン並びにシェラックを含む。腸溶性コーティングシステムの例としては、OPADRY(登録商標)、SURETERIC(登録商標)またはAcryl−EZE(登録商標)腸溶性システム(COLORCON(登録商標))、及びSHEFFCOAT(商標)ENTシステム(KERRY(登録商標))が挙げられる。異なる腸溶性材料の組合せも使用してよい。異なるポリマーを用いた多層コーティングもまた適用してよい。腸内投与システムの特性、製造、及び設計は、当業者には周知である。例えば、Development of Biopharmaceutical Parenteral Dosage Forms (Drugs and the Pharmaceutical Sciences), by Bontempo (Publishers: Informa Healthcare (July 25, 1997)を参照されたい。
【0081】
実施形態では、該腸溶性コーティングは、アクリルポリマーまたはコポリマーを含み、さらなる実施形態では、メタクリル酸とアクリル酸エチルに基づくコポリマー(例えば、ポリ(メタクリル酸−co−アクリル酸エチル)1:1、商品名EUDRAGIT(登録商標)L100−55で市販)を含む。さらなる実施形態では、該腸溶性コーティングは、Acryl−EZE(登録商標)腸溶性コーティングシステムを含む。さらに別の実施形態では、該腸溶性コーティングは、さらに、消泡剤、例えば、シメチコンまたはシメチコンエマルション(例えば、Simethicone Emulsion 30% USP, KH)及び可塑剤、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)8000、トリアセチン、またはクエン酸トリエチル(TEC)(例えば、クエン酸トリエチルNF、K)を含む。実施形態では、該固体経口投薬形態中の該腸溶性コーティングの重量は、約10〜約20mgであり、さらなる実施形態では、約14〜約18mg、例えば、約16mgである。さらなる実施形態では、該腸溶性コーティングは、消泡剤(例えば、シメチコンエマルション)を約0.001〜約0.005mg、可塑剤(例えば、TEC)を約1〜約2mg、及び腸溶性材料/ポリマー(例えば、Acryl−EZE(登録商標)腸溶性コーティングシステム)を約14mg〜約15mg含む。
【0082】
本明細書に記載の固体経口投薬形態の腸溶性コーティングは、該コアに含まれる活性成分(ドキシラミン及びピリドキシン成分)の遅延放出を可能にする。実施形態では、該腸溶性コーティングは、該固体経口投薬形態の約1%〜約20%(w/w)の量で存在する。さらなる実施形態では、該腸溶性コーティングは、該固体経口投薬形態の約2%〜約15%、約4%〜約12%、または約4%〜約10%、例えば、約4、5、6、7、8、9、もしくは10%(w/w)の量で存在する。
【0083】
該第一の活性成分を含むコーティングは、該腸溶性コーティングを囲むか、または包み、かつ、ドキシラミン成分(例えば、ドキシラミンもしくはその塩)とピリドキシン成分(例えば、ピリドキシンもしくはその塩)のどちらかを含む。実施形態では、該第一の活性成分を含むコーティングは、該ピリドキシン成分、例えば、ピリドキシンまたはその塩、例えばピリドキシンHClを含む。
【0084】
該第一の活性成分を含むコーティングはさらに、上述したように、層またはフィルムを形成するのに適した任意の非腸溶性コーティング材料を含んでよい。実施形態では、該第一の活性成分を含むコーティングは、ポリマー及び可塑剤を含むフィルムコーティングシステム、例えば、OPADRY(登録商標)フィルムコーティングシステムを含む。該第一の活性成分を含むコーティング中の活性成分とコーティング材料の比は、約1:4〜約4:1、例えば、約1:3〜約3:1または約1:2〜約2:1、さらなる実施形態では、約1:1.5〜約1.5:1、例えば、約1:1でよい。実施形態では、該第一の活性成分を含むコーティングは、ピリドキシンまたはその塩、例えば、ピリドキシンHClを約8〜12mg(例えば、約10mg)、及びコーティング材料(例えば、OPADRY(登録商標)フィルムコーティング)を約8mg〜約10mg(例えば、約9mg)含む。
【0085】
実施形態では、該第一の活性成分を含むコーティングは、該固体経口投薬形態の約1%〜約20%(w/w)の量で存在する。さらなる実施形態では、該第一の活性成分を含むコーティングは、該固体経口投薬形態の約2%〜約15%、約2%〜約10%、または約4%〜約8%、例えば、4、5、6、7、もしくは8%(w/w)の量で存在する。
【0086】
該第二の活性成分を含むコーティングは、該中間コーティングを囲むか、または包み(該第一及び第二の活性成分を含むコーティングは該中間コーティングで分離される)、かつ、該第一の活性成分を含むコーティングが該ドキシラミン成分(例えば、ドキシラミンもしくはその塩)か該ピリドキシン成分(例えば、ピリドキシンもしくはその塩)かどうかによって、該ドキシラミン成分(例えば、ドキシラミンもしくはその塩)と該ピリドキシン成分(例えば、ピリドキシンもしくはその塩)のどちらかを含む。実施形態では、該第二の活性成分を含むコーティングは、該ドキシラミン成分、例えば、ドキシラミンまたはその塩、例えばコハク酸ドキシラミンを含む。
【0087】
該第二の活性成分を含むコーティングはさらに、上述したように、層またはフィルムを形成するのに適した任意の非腸溶性コーティング材料を含んでよい。実施形態では、該第二の活性成分を含むコーティングは、ポリマー及び可塑剤を含むフィルムコーティングシステム、例えば、OPADRY(登録商標)フィルムコーティングシステムを含む。該第二の活性成分を含むコーティング中の活性成分とコーティング材料の比は、約1:4〜約4:1、例えば、約1:3〜約3:1または約1:2〜約2:1、さらなる実施形態では、約1:1〜約1.5:1、例えば、約1.4もしくは1.5:1でよい。実施形態では、該第二の活性成分を含むコーティングは、ドキシラミンまたはその塩、例えばコハク酸ドキシラミンを約8〜12mg(例えば、約10mg)、及びコーティング材料(例えば、OPADRY(登録商標)フィルムコーティング)を約12mg〜約16mg(例えば、約14〜15mg)含む。
【0088】
実施形態では、該第二の活性成分を含むコーティングは、該固体経口投薬形態の約2%〜約20%(w/w)の量で存在する。さらなる実施形態では、該第二の活性成分を含むコーティングは、該固体経口投薬形態の約5%〜約15%、または約8%〜約12%、例えば、8、9、10、11、もしくは12%(w/w)の量で存在する。
【0089】
実施形態では、該固体経口投薬形態は、1つ以上のさらなるコーティング/層を含む。
【0090】
実施形態では、該固体経口投薬形態はさらに、該第一の活性成分を含むコーティングを囲んでいる第一の中間コーティングを(すなわち、該第一及び第二の活性成分を含むコーティングの間に)含む。該中間コーティングは、該第一及び第二の活性成分を含むコーティング間に「シール」を形成するのに役立ち、該第一及び第二の活性成分を含むコーティングに含まれる該ドキシラミン成分(例えば、ドキシラミンもしくはその塩)と該ピリドキシン成分(例えば、ピリドキシンもしくはその塩)間の接触/相互作用を回避または最小限にする。該中間コーティングは、上述したように、該第一及び第二の活性成分を含むコーティング間に層またはフィルムを形成するのに適した任意の非腸溶性コーティング材料を含んでよい。実施形態では、該中間コーティングは、ポリマー及び可塑剤を含むフィルムコーティングシステム、例えば、OPADRY(登録商標)フィルムコーティングシステムを含む。実施形態では、該中間コーティングは、該コーティング材料(OPADRY(登録商標)フィルムコーティング)を約5〜6mg含む。実施形態では、該中間コーティングは、該固体経口投薬形態の約1%〜約10%(w/w)の量で存在する。さらなる実施形態では、該中間コーティングは、該固体経口投薬形態の約1%〜約8%、約1%〜約5%、または約2%〜約3もしくは4%、例えば、約2もしくは3%(w/w)の量で存在する。
【0091】
実施形態では、該固体経口投薬形態はさらに、該第二の活性成分を含むコーティングを囲んでいるシールコーティングを含む。該シールコーティングは、上述したように、層またはフィルムを形成するのに適した任意の非腸溶性コーティング材料を含んでよい。実施形態では、該シールコーティングは、ポリマー及び可塑剤を含むフィルムコーティングシステム、例えば、OPADRY(登録商標)フィルムコーティングシステムを含む。実施形態では、該シールコーティングはさらに、染料または顔料(着色剤)を含む。実施形態では、該シールコーティングは、コーティング材料(例えば、OPADRY(登録商標)フィルムコーティング)を約11〜約15mg(例えば、約13mg)含む。実施形態では、該シールコーティングは、該固体経口投薬形態中に、該固体経口投薬形態の約1%〜約15%(w/w)の量で存在する。さらなる実施形態では、該中間コーティングは、該固体経口投薬形態の約2%〜約10%、または約4%〜約8%、例えば、4、5、6、7、もしくは8%(w/w)の量で存在する。
【0092】
実施形態では、該固体経口投薬形態はさらに、該シールコーティングを囲んでいる固体経口投薬形態または錠剤コーティング(例えば、外側のコーティング)を含む。かかるコーティングは、例えば、該錠剤を容易に飲み込めるようにするために使用してもよい。実施形態では、該固体経口投薬形態または錠剤コーティングは、ワックス、例えば、カルナバワックスを含む。実施形態では、該固体経口投薬形態または錠剤コーティングは、ワックス材料(例えば、カルナバワックス)を約0.01〜約0.05mg(例えば、約0.04mg)含む。
【0093】
実施形態では、該固体経口投薬形態はさらに、該コアと該腸溶性コーティング間に第二の中間コーティングを含む。該第二の中間コーティングは、上述したように、層またはフィルムを形成するのに適した任意のコーティング材料を含んでよい。実施形態では、該第二の中間コーティングは、ポリマー及び可塑剤を含むフィルムコーティングシステム、例えば、OPADRY(登録商標)フィルムコーティングシステムを含む。実施形態では、該第二の中間コーティングは、コーティング材料(例えば、OPADRY(登録商標)フィルムコーティング)を約8mg〜約12mg(例えば、約9〜10mg)含む。実施形態では、該第二の中間コーティングは、該固体経口投薬形態の約1%〜約10%(w/w)の量で存在する。さらなる実施形態では、該第二の中間コーティングは、該固体経口投薬形態の約1%〜約8%、約2%〜約6%、例えば、約2、3、4、5、または6%(w/w)の量で存在する。
【0094】
該固体経口投薬形態はさらに、1つ以上のさらなるコーティング(本明細書で定義されたものに加えて)または成分(賦形剤)を含んでもよい。
【0095】
本明細書で用いられる「ドキシラミン成分」(もしくは「ドキシラミン化合物」)という用語は、ドキシラミン、ドキシラミン類似体、誘導体、プロドラッグ、代謝産物、及び/または塩を指す。本明細書で用いられる「ピリドキシン成分」(もしくは「ピリドキシン化合物」)という用語は、ピリドキシン、ピリドキシン類似体、誘導体、プロドラッグ、代謝産物、及び/または塩を指す。
【0096】
本明細書で用いられる「類似体」または「誘導体」という用語は、「親」化合物(例えば、ドキシラミンまたはピリドキシン)のものと類似の構造を有し、該親化合物とは構造が異なる(例えば、異なる要素の原子による1つ以上の原子の置換、特定の基の存在または欠如等)、異化合物を指す。類似体/誘導体は通常、「親」化合物のそれと同様の全般的生物学的効果を呈するが、1つ以上の物理化学的及び/または薬物動態的特性(効力、安定性、溶解性、吸収性、インビボ半減期、インビボ分布等)が異なりうる。
【0097】
本明細書で用いられる「プロドラッグ」とは、投与後に、所望の薬理活性をもたらす化合物に転換される(例えば、活性な、またはより活性の高い薬剤になる)代謝過程による化学変換を受ける形態での投与用の化合物(これは、例えば、不活性、または活性がかなり低い形態にある)を指す。
【0098】
本明細書で用いられる「代謝産物」とは、インビボでの代謝過程/経路による始まりの化合物の生化学的変換に起因する化合物を指す。代謝産物は、該始まりの化合物(これはプロドラッグまたは活性薬剤でよい)と比較して、1つ以上の物理化学的及び/または薬物動態的特性(効力、安定性、溶解性、吸収性、インビボ半減期、インビボ分布等)が異なりうる。その構造が既知の場合、かかる代謝産物は、インビトロで調製し、対象に直接投与して生物学的効果を発揮させることができる。所与の代謝産物はそれ自体代謝過程/経路を通して代謝されうるため、該「始まりの」代謝産物と比較して、より多くの物理化学的及び/または薬物動態的特性が異なる1つ以上のさらなる代謝産物をもたらす。
【0099】
実施形態では、該ピリドキシン成分は、式I
【化1】
の化合物であって、式中、
R1は、ヒドロキシル(OH)またはホスフェート(PO2−、HPO、またはHPO)基であり、及びR2は、CHOH、CHO、またはCHNHである化合物、
または該式Iの化合物の医薬的に許容されるエステル、もしくはその医薬的に許容される塩である。
【0100】
本明細書で用いられる「医薬的に許容される塩」という用語は、親化合物の生物活性を保つ化合物(活性成分)の塩であって、生物学的に、またはその他の点で望ましくないわけではない、すなわち、塩の一種及び/または当該対象に対して毒性のない量で使用するためである塩を指す。妊娠ヒト女性対象の場合、該医薬的に許容される塩は、胚または胎児に毒性がない濃度であり(すなわち、妊婦への投与に許容される薬剤塩)、かつ、ヒトの妊娠期間に使用が禁忌でない。ゆえに、妊娠対象に対する投与用の投薬形態では、催奇性のある医薬的に許容される塩は除外される。
【0101】
医薬的に許容される酸付加塩は、無機及び有機酸から調製されうる。代表的な酸付加塩としては、限定されないが、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、ジグルコン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩(イソチオネート(isothionate))、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩(palmitoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、リン酸塩、グルタミン酸塩、重炭酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、及びウンデカン酸塩が挙げられる。無機酸由来の塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等を含む。有機酸由来の塩は、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸等を含む。医薬的に許容される酸付加塩を形成するのに使用できる酸の例としては、例えば、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、及びリン酸、並びに有機酸、例えば、シュウ酸、マレイン酸、コハク酸、及びクエン酸が挙げられる。実施形態では、ドキシラミンの該医薬的に許容される塩は、コハク酸ドキシラミンである。実施形態では、ピリドキシンの該医薬的に許容される塩は、塩酸ピリドキシン(ピリドキシンHCl)である。
【0102】
実施形態では、該コアと該第一または第二の活性成分を含むコーティングは、同じドキシラミン、その類似体、その誘導体、そのプロドラッグ、その代謝産物、もしくはその塩(もしくは、同じ組合せのドキシラミン、その類似体、その誘導体、そのプロドラッグ、その代謝産物、及び/またはその塩)を含む。別の実施形態では、該コアと該第一または第二の活性成分を含むコーティングは、異なるドキシラミン、その類似体、その誘導体、そのプロドラッグ、その代謝産物、もしくはその塩(もしくは、異なる組合せのドキシラミン、その類似体、その誘導体、そのプロドラッグ、その代謝産物、及び/またはその塩)を含む。実施形態では、該コア及び/または該第一もしくは第二の活性成分を含むコーティングは、ドキシラミン、その類似体、その誘導体、そのプロドラッグ、その代謝産物、もしくはその塩のうちの1つしか含まない。実施形態では、該コア及び/または該第一もしくは第二の活性成分を含むコーティングは、コハク酸ドキシラミンを含む。
【0103】
実施形態では、上記のコア及び/または第一もしくは第二の活性成分を含むコーティングは、ピリドキシン(PYR)及び/またはさらなる医薬品成分、例えば、1つ以上のPYR代謝産物、例えば、リン酸ピリドキシン(PYP)、ピリドキサール(PYL)、ピリドキサール5−リン酸(PLP)、ピリドキサミン(PYM)、ピリドキサミン5−リン酸(PMP)、及び/または、PYR、PYP、PYL、PLP、PYM、及び/またはPMPの医薬的に許容される塩の1つ以上を含む。実施形態では、該コア及び/または該第一もしくは第二の活性成分を含むコーティングは、ピリドキサールを((i)ドキシラミン、(ii)その類似体、(iii)その誘導体、(iv)そのプロドラッグ、(v)その代謝産物、及び(vi)(i)−(v)のいずれかの塩のうちの1つ以上に加えて)含む。ピリドキシ類似物、誘導体、プロドラッグ、代謝産物、及び塩としては、例えば、ピリドキシンの医薬的に許容されるエステルもしくはアミン、塩酸ピリドキシン、リン酸ピリドキシン、ピリドキサール、リン酸ピリドキサール、リン酸ピリドキサールカルシウム、塩酸ピリドキサール、ピリドキサミン、または二塩酸ピリドキサミンが挙げられる。実施形態では、ピリドキシンの該医薬的に許容される塩は、塩酸ピリドキシンである。実施形態では、該コアと該第一または第二の活性成分を含むコーティングは、同じピリドキシン、その代謝産物、もしくはその塩(もしくは、同じ組合せのピリドキシン、その代謝産物、及び/またはその塩)を含み、さらなる実施形態では、該コアと該第一または第二の活性成分を含むコーティングは、ピリドキシンまたはその塩、好ましくは塩酸ピリドキシンを含む。別の実施形態では、該コアと該第一または第二の活性成分を含むコーティングは、異なるピリドキシン、プロドラッグ、その代謝産物、もしくはその塩(もしくは、異なる組合せのピリドキシン、そのプロドラッグ、及び/またはその代謝産物、及び/またはその塩)を含む。
【0104】
実施形態では、該コアは塩酸ピリドキシン及びコハク酸ドキシラミンを含み、該第二の活性成分を含むコーティングはコハク酸ドキシラミンを含み、該第一の活性成分を含むコーティングは塩酸ピリドキシン含む。
【0105】
該固体経口投薬形態は、該コアと該腸溶性コーティング(さらに任意に該第二の中間コーティング)を含む遅延放出成分、並びに該第一及び第二の活性成分を含むコーティング並びに該第一の中間コーティング(さらに任意に該シールコーティング、及び該固体経口投薬形態コーティング剤)を含む即時放出成分を含む。
【0106】
本明細書で用いられる「即時放出成分」または「即時放出組成物」という用語は、投与で比較的短時間に、強化、遅延、または持続放出効果なしで、実質的にすべての該活性成分を放出するように処方される投薬形態の成分/組成物を指す。いくつかの実施形態では、該比較的短時間とは、例えば、約0.1〜約2時間、例えば、約10、15、20、30、40、60、90、または120分以内でありうる。いくつかの実施形態では、該即時放出成分は、投与後、かかる比較的短時間内に、該投薬形態の中から該活性成分(複数可)の大部分、例えば、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%の活性成分(複数可)を放出する。例えば、標準的な溶解アッセイ、例えば本明細書に記載のアッセイで測定して、当該薬物の約80%が投与後約30または40分以内に放出されうる。実施形態では、該即時放出組成物は、実質的に胃内での放出をもたらす(少なくとも約90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%が放出される)ためである。
【0107】
本明細書で用いられる「遅延放出成分」または「遅延放出組成物」という用語は、当該対象への投与後の期間中に、該活性成分のゼロ放出もしくは比較的低い放出を行うように処方される投薬形態の成分/組成物を指す。該期間は、通常約0.5〜12時間に及び、例えば、約1または2時間から約6、7、8、または9時間に及び、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、または9時間である。実施形態では、該遅延放出は、投与後、約2時間〜約3時間、約3時間〜約4時間、約4時間〜約5時間、または約5時間〜約6時間の期間の後に始まる。実施形態では、該遅延放出組成物は、実質的に腸内での放出をもたらすためであって、すなわち、その結果、胃内での放出はないか、または実質的にない(約10、9、8、7、6、5、4、3、2、もしくは1%未満)。
【0108】
実施形態では、該投薬形態からの該遅延放出成分は、該即時放出成分よりも遅い時点で溶解し始めるが、放出が始まると、該遅延放出成分の放出パターンは、上記の該即時放出成分の当該パターンと同様である。例えば、比較的短いバーストの継続時間、例えば、60分未満、例えば、約50、40、30、20、15、10、または5分未満は、即時放出及び遅延バースト放出の両方に特徴的でありうる。
【0109】
該即時放出及び遅延放出組成物は、該活性成分の2つの連続放出をもたらし、第一の放出は投与後比較的すぐに生じ、第二の放出は後に生じる。当該活性成分の第一の即時放出とそれに続く当該活性成分の遅延放出の間の期間は、「放出間隔」と呼ぶことができる。本発明の投薬形態において、該放出間隔は、概して約0.5〜12時間の範囲、例えば、約1または2時間〜約6、7、8、または9時間、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、または9時間の範囲でありうる。実施形態では、該遅延放出は、約2時間〜約3時間、約3時間〜約4時間、約4時間〜約5時間、または約5時間〜約6時間の期間の後に始まる。任意に、該遅延放出は、該投薬形態が、絶食及び/または摂食対象の小腸にたどり着いた時点で生じるように時間調整される。活性成分の該即時放出は、例えば、投与後約1時間以内、例えば、約30分以内、または約15分以内に生じうる。実施形態では、該ドキシラミン成分の放出速度は、該ピリドキシン成分のそれと実質的に同様(すなわち、その違いは10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1%未満)である(該即時及び遅延放出成分のどちらか一方、または両方で)。実施形態では、該ドキシラミン成分の放出速度は、該ピリドキシン成分のそれとは異なる(該即時及び遅延放出組成物のどちらか一方、または両方で)。
【0110】
該放出間隔は、インビトロまたはインビボで測定できる。薬物の血漿濃度は、胃腸管での実際の放出時間に後れを取りうるが、該放出間隔は、該即時放出成分によって達成される当該活性成分のCmax(すなわち、最大血漿濃度)と該遅延放出成分によって達成される当該活性成分のCmaxの間の時間間隔として、インビボでおおよそ測定できる。別の方法として、該放出間隔は、即時放出後の遅延放出によって生じる当該活性成分の血漿濃度の、当該活性成分の即時放出のみによって達成されるそれと比較した増加を通して監視することができる。
【0111】
放出はまた、一般的に使用されるインビトロ溶解アッセイを用いて評価することもできる。一般に、インビトロ溶解アッセイは、該投薬形態(複数可)(例えば、錠剤(複数可))を適切な攪拌装置を備えた容器内の既知の体積の溶解媒体に入れて行われる。該媒体の分量を様々な時点で回収し、溶解した活性物質を分析して溶解速度を測る。1つの手法では、該投薬形態(例えば、錠剤)を、37℃の溶解溶媒900mlを含む米国薬局方溶解装置II(パドル)の容器に入れる。該パドルの速度は50、75、または100RPMである。単独測定を少なくとも3つの錠剤、例えば6錠について行う。該溶解溶媒は、中性溶解溶媒、例えば、50mMのリン酸カリウム緩衝液、pH7.2(「中性条件」)もしくは水、または酸性媒体、例えば50mMの酢酸カリウム(もしくはナトリウム)緩衝液、pH4.5でよい。通常、単位用量形態を該容器に添加し、溶解を開始する。特定の時点、例えば5、10、15、20、30、45、または60分で、媒体の分量(例えば、2ml)を回収し、溶液中の活性成分の量を通常の分析法(例えば、HPLC)を用いて測定する。
【0112】
一例として、該投薬形態からの薬物の即時放出及び/または遅延放出は、米国薬局方に記載の通りApparatus II(パドル)を用いて監視でき、そこでは、該溶解は、1つの投薬形態を、温度37℃、速度100rpmの放出媒体900mlを含む6つの容器の各々に入れて行われる。任意に、0.1N塩酸(pH1.2または4.5)の放出媒体を第一段階に2時間使用し、pH6.8に調整された0.2M三塩基性リン酸ナトリウム緩衝液を第二段階(緩衝液段階)に5、10、15、20、30、45、60、90、及び120分で使用し、薬物含量をHPLCでアッセイする。さらに、インビトロ溶解アッセイ用の様々な媒体(例えば、人口胃液(SGF)、人工腸液(SIF)、摂食または絶食条件の疑似版(摂食条件用のFeSSFGまたはFeSSIF、絶食条件用のFaSSGFまたはFaSSIF)等)が当技術分野で周知である。
【0113】
実施形態では、該固体経口投薬形態は事実上単体、例えば、錠剤の形態である。単体の単位投薬形態は、形が多様であってよく、例えば、円形、卵形、楕円形、円筒形(例えば、円盤形)または任意の他の幾何学的形状、例えば、直線的でもよい。例えば、該固体経口投薬形態は、円盤もしくは卵型、または扁平な円盤もしくは魚雷のような形状を有することができる。縁は面取りされても丸められてもよい。
【0114】
該活性成分は、便宜上単位投薬形態で提供することができ、薬学の分野で周知の方法のいずれかによって調製されうる。技術と処方は概して例えば、Remington‘s Pharmaceutical Sciences (Mack Publishing Co., Easton, PA)に見出される。かかる方法は、1つ以上の活性成分を任意の追加の賦形剤に会合させる段階を含む。一般に、該投薬形態は、該活性成分を液体担体もしくは微粉化した固体担体または両方と均一に密接に会合させ、その後該産物を成形することによって調製される。実施形態では、該固体経口投薬形態は、錠剤の形態である。錠剤の各種調製方法は当業者には周知である。例えば、Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets, Third Edition, by Larry L. Augsburger and Stephen W. Hoag (publisher: Informa Healthcare; December 15, 2007)を参照されたい。これらの方法は、直接圧縮及び造粒(例えば、湿式もしくは乾式、または流動床)を含む。
【0115】
ペレットは、例えば、湿式造粒または乾式造粒等の単純な造粒後のふるい分け、押し出し及びマルメリゼーション(marumerization)(球形化)、回転造粒(rotogranulation)、または合理的なサイズと耐久性のペレットをもたらす任意の凝集工程で作製できる。押し出し及びマルメリゼーション用には、該薬物及び他の添加剤は、バインダー溶液の添加によって造粒される。該湿塊を特定のサイズのスクリーンを備えた押し出し機に通し、当該押し出し物をマルメライザー(marumerizer)にて球形化する。得られたペレットを乾燥し、さらなる用途用にふるい分けする。該薬物及び他の添加剤が乾式混合され、その後当該混合物が高せん断造粒機/混合機でバインダー溶液の添加によって湿らされる高せん断造粒もまた用いてよい。これら顆粒を湿潤後、混合及び粉砕の複合作用によって混錬する。得られた顆粒またはペレットを乾燥し、さらなる用途用にふるい分けする。別の方法として、該即時放出小ビーズまたはペレットは、バインダー及び任意にタルク等の粘着防止剤を含むか、または含まない該活性成分の溶液または懸濁液を、流動床処理装置または他の適切な機器内で、コアまたは開始シード(調製されたものか市販品のどちらか)に噴霧する、溶液または懸濁液の層形成によって調製される。該コアまたは開始シードは、例えば、糖の球体または微結晶性セルロース製の球体の場合がある。該活性成分は、従って、該開始シードの表面に被覆される。該活性成分はまた、必要に応じて、上記活性成分を含むペレットの上に層形成されてもよい。薬物の層形成に続いて、得られた活性成分負荷ペレットをさらなる用途用に乾燥する。保護層またはオーバーコーティングは、該活性成分負荷ペレットが処理中または貯蔵時に凝集しないことを保証するために望ましい場合がある。該保護コーティング層は、該コア、すなわち、活性成分を含むコアもしくは活性成分を層形成したコアのどちらかのすぐ外側に、従来のコーティング技術、例えば、パンコーティングまたは流動床コーティングによって、ポリマーの水溶液もしくは適切な有機溶媒溶液を用いて、またはポリマーの水分散液を用いて塗布してもよい。OPADRY(登録商標)、OPADRY II(登録商標)(COLORCON(登録商標))、及びCOLORCON(登録商標)製の対応する着色及び無色グレード等のコーティングシステムを用いて、該ペレットが粘着性にならないようにすること、及び当該製品に色を与えることができる。異なる無水物系ポリマー(例えば、セバシン酸/フマル酸コポリマー、例えば、SPHERICS,Inc.製SPHEROMER(商標)IまたはSPHEROMER(商標)II)もまた保護層として使用されうる。該コア(保護コーティング層で被覆された、またはされていない)は、その後、本明細書で定義する該層/コーティングで、例えば、以下の実施例に記載の方法に従って、順次被覆される。
【0116】
投薬量を調整し、予防または治療有効量の該活性薬剤(複数可)の投与によって、最適な予防/治療反応をもたらしてもよい。予防または治療有効量とは、該活性薬剤(ドキシラミン及び/またはピリドキシン成分)のいかなる毒性または有害作用も、該予防または治療の有益な効果が上回るものである。妊娠ヒト女性対象への投与用には、該活性薬剤の該有効量は、胚または胎児に毒性がない量である。
【0117】
実施形態では、該固体経口投薬形態は、約40mg以下(例えば、約35、30、25、20、15mgまたはそれ以下)の該ドキシラミン成分を含み、実施形態では、約10、11、12、13、14、15から約16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30mgの間である。実施形態では、該経口投薬形態は、約20mgの該ドキシラミン成分(例えば、コハク酸ドキシラミン)を含む。
【0118】
実施形態では、該コア内の該ドキシラミン成分、例えば、ドキシラミンまたはその塩の量は、約5〜約40mg、さらなる実施形態では、約5〜約30mg、約5〜約25mg、約5〜約20mg、または約5〜約15mg、例えば、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは15mgである。該第一または第二の活性成分を含むコーティング内の該ドキシラミン成分、例えば、ドキシラミンまたはその塩の量は約5〜約40mg、さらなる実施形態では、約5〜約30mg、約5〜約25mg、約5〜約25mg、約5〜約20mg、または約5〜約15mg、例えば、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは15mg、好ましくは10mgである。
【0119】
実施形態では、該固体経口投薬形態は、約40mg以下(例えば、約35、30、25、20、15mgまたはそれ以下)の該ピリドキシン成分を含み、実施形態では、約10、11、12、13、14、15から約16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30mgの間である。実施形態では、該経口投薬形態は、約20mgの該ピリドキシン成分(例えば、塩酸ピリドキシン)を含む。
【0120】
該コア内の該ピリドキシン成分、例えば、ピリドキシンまたはその塩の量は、約5〜約40mg、さらなる実施形態では、約5〜約30mg、約5〜約25mg、約5〜約20mg、または約5〜約15mg、例えば、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは15mg、好ましくは約10mgである。
【0121】
該第一または第二の活性成分を含むコーティング内の該ピリドキシン成分、例えば、ピリドキシンまたはその塩の量は約5〜約40mg、さらなる実施形態では、約5〜約30mg、約5〜約25mg、約5〜約20mg、または約5〜約15mg、例えば、約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、もしくは15mg、好ましくは約10mgである。
【0122】
実施形態では、該固体経口投薬形態の総重量は、約200mg〜約300mg、さらなる実施形態では、約200mg〜約250mgまたは約220mg〜約240mg、例えば、約230mg〜約235mgである。
【0123】
実施形態では、該固体経口投薬形態は、
微結晶性セルロースを約80〜約100mg(例えば、約90mg);ドキシラミンまたはその塩(例えば、コハク酸ドキシラミン)を約5〜約15mg(例えば、約10mg);ピリドキシンまたはその塩(例えば、塩酸ピリドキシン)を約5〜約15mg(例えば、約10mg);コロイド状二酸化ケイ素を約0.5〜約2mg(例えば、約1mg);三ケイ酸マグネシウムを約20mg〜約30mg(例えば、約26〜27mg);クロスカルメロースナトリウムを約3mg〜約4mg(例えば、約3.5または3.6mg);及びステアリン酸マグネシウムを約3.5mg〜約4.5mg(例えば、約4mg)含むコア、
消泡剤(例えば、シメチコンエマルション)を約0.001〜約0.005mg、可塑剤(例えば、TEC)を約1〜約2mg、及び腸溶性材料/ポリマー(例えば、Acryl−EZE(登録商標)腸溶性コーティングシステム)を約14mg〜約15mg含む腸溶性コーティング、
ピリドキシンまたはその塩、例えば、ピリドキシンHClを約8〜12mg(例えば、約10mg)、及びコーティング材料(例えば、OPADRY(登録商標)フィルムコーティング)を約8mg〜約10mg(例えば、約9mg)含む第一の活性成分を含むコーティング、
コーティング材料(OPADRY(登録商標)フィルムコーティング)を約5〜6mg含む第一の中間コーティング、
ドキシラミンまたはその塩、例えばコハク酸ドキシラミンを約8〜12mg(例えば、約10mg)、及びコーティング材料(例えば、OPADRY(登録商標)フィルムコーティング)を約12mg〜約16mg(例えば、約14〜15mg)含む第二の活性成分を含むコーティング、
コーティング材料(例えば、OPADRY(登録商標)フィルムコーティング)を約8mg〜約12mg(例えば、約9〜10mg)含む第二の中間コーティング(該コアと該腸溶性コーティング間)、
コーティング材料(例えば、OPADRY(登録商標)フィルムコーティング)を約11〜約15mg(例えば、約13mg)含むシールコーティング(該第二の活性成分を含むコーティングを囲んでいる)、並びに
ワックス材料(例えば、カルナバワックス)を約0.01〜約0.05mg(例えば、約0.04mg)含む固体経口投薬形態または錠剤コーティングを含む。
【0124】
実施形態では、該固体経口投薬形態の安定性は好ましくは、
40℃及び相対湿度75%で維持された該固体経口投薬形態における1、2、3、または6ヶ月後のピリドキシンまたはその塩(例えば、塩酸ピリドキシン)の関連物質(分解産物)の総量が約2%以下;
40℃及び相対湿度75%で維持された該固体経口投薬形態における1、2、3、または6ヶ月後のドキシラミンまたはその塩(例えば、コハク酸ドキシラミン)の関連物質(分解産物)の総量が約2%以下;
25℃及び相対湿度60%で維持された該固体経口投薬形態における1、2、3、または6ヶ月後のピリドキシンまたはその塩(例えば、塩酸ピリドキシン)の関連物質(分解産物)の総量が約2%以下;
25℃及び相対湿度60%で維持された該固体経口投薬形態における1、2、3、または6ヶ月後のドキシラミンまたはその塩(例えば、コハク酸ドキシラミン)の関連物質(分解産物)の総量が約2%以下;
40℃及び相対湿度75%で維持された該固体経口投薬形態における1、2、3、または6ヶ月後の各未知の関連物質(分解産物)の量が約0.2%以下;及び/または
25℃及び相対湿度60%で維持された該固体経口投薬形態における1、2、3、または6ヶ月後の各未知の関連物質(分解産物)の量が約0.2%以下である。
【0125】
別の態様において、本発明は、哺乳類の吐気及び嘔吐の症状の緩和方法であって、有効量の上記固体経口投薬形態を、それを必要とする哺乳類に投与することを含む方法を提供する。
【0126】
別の態様において、本発明は、ヒトの妊娠の吐気及び嘔吐(NVP)の症状の緩和方法であって、有効量の上記固体経口投薬形態を、それを必要とする妊娠ヒト女性に投与することを含む方法を提供する。
【0127】
別の態様において、本発明は、哺乳類の吐気及び嘔吐の症状を緩和するための上記固体経口投薬形態の使用を提供する。
【0128】
別の態様において、本発明は、NVPの症状を緩和するための上記固体経口投薬形態の使用を提供する。
【0129】
別の態様において、本発明は、哺乳類の吐気及び嘔吐の症状の緩和用の薬剤を調製するための上記固体経口投薬形態の使用を提供する。
【0130】
別の態様において、本発明は、NVPの症状の緩和用の薬剤を調製するための上記固体経口投薬形態の使用を提供する。
【0131】
別の態様において、本発明は、哺乳類の吐気及び嘔吐の症状の緩和用の上記固体経口投薬形態を提供する。
【0132】
別の態様において、本発明は、NVPの症状の緩和用の薬剤の調製用の上記固体経口投薬形態を提供する。
【0133】
別の態様において、本発明は、哺乳類の吐気及び嘔吐の症状の緩和用の薬剤の調製用の上記固体経口投薬形態を提供する。
【0134】
別の態様において、本発明は、NVPの症状の緩和用の上記固体経口投薬形態を提供する。
【0135】
別の態様において、本発明は、薬剤として使用するための上記固体経口投薬形態を提供する。
【0136】
別の態様において、本発明は、哺乳類の吐気及び嘔吐の症状を緩和するためのパッケージまたはキットを提供し、該パッケージは、上記固体経口投薬形態を含む。実施形態では、該パッケージはさらに、哺乳類の吐気及び嘔吐の症状を緩和するための該固体経口投薬形態の使用説明書を含む。該パッケージはさらに1つ以上の容器を含む場合がある。
【0137】
別の態様において、本発明は、ヒトの妊娠の吐気及び嘔吐(NVP)の症状を緩和するためのパッケージを提供し、該キットは、上記固体経口投薬形態を含む。実施形態では、該パッケージはさらに、NVPの症状を緩和するための該固体経口投薬形態の使用説明書を含む。該パッケージはさらに1つ以上の容器を含む場合がある。
【0138】
別の実施形態では、該パッケージは、1日の異なる時刻に服用するように特定される固体経口投薬形態を含む。例えば、該パッケージは、1日の特定の時刻(例えば、夜、例えば約10PM)に服用する必要があるという指示(形、色、マーク等)を含む第一の固体経口投薬形態、及び1日の別の時刻(例えば、朝、例えば、約10AM)に服用する必要があるという指示(形、色、マーク等)を含む第二の固体経口投薬形態を含んでよい。
【0139】
別の実施形態では、該パッケージは、以下のスケジュールに従う該固体経口投薬形態の使用説明書を含む:夜(例えば、約10PM)の第一の固体経口投薬形態及び朝(例えば、約10AM)の第二の固体経口投薬形態。該第一及び第二の固体経口投薬形態は、同じでも異なっていてもよい。実施形態では、該第一及び第二の固体経口投薬形態は同一である。
【0140】
実施形態では、該パッケージはさらに、上記固体経口投薬形態が包装される容器を含む。
【0141】
実施形態では、該パッケージは、当該投薬形態の非催奇性側面を図で確認するための妊娠に優しい表示を有する固体経口投薬形態を含む。かかる妊娠に優しい表示の例は、PCT公開番号第WO/2004/004694号に記載されている。実施形態では、該表示は、該投薬形態自体、または該容器/パッケージに施された妊婦の図解の形である。
【0142】
本明細書で用いられる「対象」または「患者」という用語は、哺乳類等の温血動物、例えば、ネコ、イヌ、マウス、モルモット、ウマ、ウシ、ヒツジ、及びヒトを意味するものと解釈される。実施形態では、該対象は哺乳類、より具体的には雌である。さらなる実施形態では、上記対象はヒトである。さらに別の実施形態では、該対象はヒト女性、より具体的には、妊娠ヒト女性である。
【実施例】
【0143】
本発明を以下の限定されない実施例によってさらに詳細に説明する。
【0144】
実施例1:コハク酸ドキシラミンとピリドキシンHClの入った腸溶性コート錠剤の安定性
製剤処方
表1に遅延腸溶性コート錠剤ロットING−028のコア組成を示す。
【表1】
【0145】
シールコーティング
表1の腸溶性コートコア錠剤ロットING−028は、表2の材料を用いて平均重量増加2.67%を目指して被覆し、名称をL148−02010 SC20mgに変更した。
【表2】
【0146】
即時放出層コーティング
コハク酸ドキシラミン10mg及びピリドキシンHCl10mgからなる目的の即時放出(IR)を該シールコート錠剤ロットL148−02010 SC20mgに塗布し、これをロットL148−02010A二峰性FCT IR&DR40mgに名称変更した。1錠あたりに塗布された両活性薬剤成分(API)(コハク酸ドキシラミン及びピリドキシンHCl)の実際の平均量は、26.2mgで、過多量を含んでいた。該IR層コートの組成を表3に示す。
【表3】
【0147】
仕上げコーティング
該Diclectin FCT二峰性IR&DR40mgロットL148−02010Aを次に、OPADRY(登録商標)YS−1−18027−AホワイトロットTS060604の5%(w/w)水懸濁液から、平均重量1.4%の重量増加で外層被覆した。最後に、仕上げ層の0.1%カルナバワックス粉末ロット14613をこれら錠剤に塗布した。
【0148】
安定性プログラム
R&D安定性試験を該被覆Diclectin二峰性錠剤IR&DR40mgロットL148−02010Aに対して開始し、12ヶ月間までの長期条件(25℃/相対湿度(RH)60%)、及び6ヶ月間の加速条件(40℃/75%RH)で新たな製剤の安定性の結果を評価した。
【0149】
これらの錠剤を60ccの丸い乳白色高密度ポリエチレン(HDPE)ボトル(ロットC00139、Drug Plastic&Glass Co.)に包装し、ポリプロピレン製小児用安全キャップ(ロットC00137、Drug Plastic&Glass Co.)で誘導シールした。これらのボトルはその後、制御された環境チャンバーに入れた。
【0150】
以下の方法を用いた:
外観の目視観察;
アッセイ及び関連物質。コハク酸ドキシラミン並びにピリドキシンHClに関するアッセイ及び分解産物(関連物質)は、UV検出器を備えた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定した。用いたHPLCカラムはInertsil(商標)ODS2(150×4.6mm、5um)、流量1.0mL/分であった。これは、291nmで0−10分間、及び261nmで10−45分間の勾配下で行った。通常の保持はピリドキシンHClに関しては約6分であり、コハク酸ドキシラミンに関しては28分である。
溶解。酸段階:パドル100rpm、0.1NのHCl900mL;及び緩衝液段階:パドル100rpm、リン酸緩衝液pH6.8 900mL;非USP緩衝液調製物:0.2M NaPO:0.1N HCl 1:3、pH6.8)。
【0151】
表4A及び4Bは、加速(表4A)及び長期(表4B)安定性条件下で保管した試料の6ヶ月までの得られた安定性の結果を示す。T=0での含量均一性値は許容可能なばらつきを示した。ND=検出されず;NA=該当せず(試験せず);RRT=相対保持時間;%LC=表示値%;RSD=相対標準偏差、及びAV=許容値。
【表4】
【0152】
結果の概要
T=1ヶ月では、外観、アッセイ、及び溶解試験に関して有意な変化は認められなかった。関連物質の増加が加速条件下、コハク酸ドキシラミンと塩酸ピリドキシンの両方で測定されたが、ピリドキシンHClでより高かった(コハク酸ドキシラミンの0.45%に対して1.16%)。
【0153】
T=2ヶ月では、加速条件(40℃/75%RH)下、錠剤の外観は茶色がかったオフホワイトになったが、両APIのアッセイ及び溶解の結果は変化がなかった。1ヶ月と2ヶ月の間で、コハク酸ドキシラミンの関連物質の合計は0.45%から0.98%に倍増し、ピリドキシンHClの関連物質の合計は1.16%から0.87%までわずかに減少した。
【0154】
長期安定性条件(25℃/60%RH)下の試料のT=2ヶ月では、ピリドキシンHClの関連物質の合計は0.12%から0.36%に増加した。灰色がかったオフホワイト錠剤へのわずかな外観の変化が認められた。
【0155】
T=6ヶ月では、両安定性条件下で認められたアッセイについて評価された変化は、顕著ではなかった。しかしながら、一方では、ピリドキシンHClの関連物質の合計は、加速条件下でT=1ヶ月と比較した場合、減少し続け(1.16面積%から0.59面積%へ減少)、湿熱が、時間の経過とともにコハク酸ドキシラミンの関連物質の0.45面積%から1.88面積%への増加に重大な影響を与えたと思われた。他方、長期安定性条件下では、ピリドキシンHClは関連物質の中等度の上昇(T=0での0.12面積%に対して0.59面積%)を示したものの、コハク酸ドキシラミンは、関連物質の合計のNMT0.08面積%の6ヶ月までは比較的安定であることを証明した。
【0156】
上記の結果は、コハク酸ドキシラミンとピリドキシンHClの分解産物プロファイルは、Diclectin(登録商標)/Diclegis(登録商標)からの履歴データの実質的な量と比較して予期されたプロファイルに従わなかったことを示し、本処方の調製に用いたコーティング方法が許容されないことを示した。
【0157】
実施例2:コハク酸ドキシラミン及びピリドキシンHClコーティング溶液の分析試験
実施例1の予期しなかった結果を調査するため、Diclectin(登録商標)/Diclegis(登録商標)のコア錠剤における2つのAPI(コハク酸ドキシラミンと塩酸ピリドキシン)の安定性を考慮すると、仮説は、該コーティング溶液中で薬物間相互作用が起こりうるということであった。従って、異なるpHで異なるAPIの組合せの各種コーティング溶液を調製して調べた。各試験について、アッセイ及び分解産物分析は、以下の安定性条件下で行った:周囲温度で24時間及び48時間、40℃で4日間、及び50℃で2時間。
【0158】
試験1(コーティング懸濁液A):実施例1の処方に用いたコーティング溶液(コハク酸ドキシラミン50mg/g+ピリドキシンHCl50m/g)。
【0159】
試験2(コーティング懸濁液B):コハク酸ドキシラミン50mg/g+ピリドキシンHCl50mg/gでpHを2.5に下げたもの。
【0160】
試験3(コーティング懸濁液C):コハク酸ドキシラミン50mg/g+ピリドキシンHCl50mg/gでpHを12.3に上げたもの。
【0161】
試験4(コーティング懸濁液D):コハク酸ドキシラミン64mg/g+ピリドキシンHCl64mg/gの水溶液。
【0162】
試験5(コーティング懸濁液E):ピリドキシンHCl50mg/gのみの水溶液。
【0163】
試験6(コーティング懸濁液F):コハク酸ドキシラミン50mg/gのみの水溶液。
【0164】
試料溶液はすべて、該懸濁液または溶液0.5gを希釈剤(0.1%リン酸水溶液)100mlに溶解し、ろ過して調製した。これらの試験の結果を表5A〜5Fに示す。
【表5】
【0165】
これらの試験の結果は、溶液中にドキシラミンとピリドキシンがともにある場合、ピリドキシン及び/またはドキシラミンに分解産物が認められ、すべての溶液で薬物間相互作用が見られることを示す。
【0166】
実施例3:コハク酸ドキシラミンとピリドキシンHClを別々の層/コーティングに含む処方の分析試験
上記の問題を克服するため、活性成分(コハク酸ドキシラミン及びピリドキシンHCl)が個別の溶液として加えられ、間に保護コートを備えた連続コートとして添加された新たなプロトタイプ処方を調製した。これらのプロトタイプ処方は、以下の層を連続して添加して腸溶性コートコア錠剤(ロットING−028、表1)を被覆して調製した:
層1:シールコート(3%)、
層2:ピリドキシンHCl37.5g/バッチ溶液、
層3:シールコート(3%)、
層4:コハク酸ドキシラミン40g/バッチ、
層5:Opadry white外層(6%)、
層6:カルナバワックス(0.1%)。
【0167】
これらプロトタイプ(ロット02016A)の最初のロットは、長期(25℃/60%RH)及び加速(40℃/75%RH)条件下での安定性試験を行った。これら安定性研究の結果を表6A〜6Dに示す。
【表6】
【0168】
加速及び長期条件下の上記結果は、6ヶ月後、これら処方の関連物質の量が、改良されたコーティング方法を用いて許容される濃度を維持することを明確に示す。
【0169】
実施例4:錠剤コアの調製
錠剤コアを表7に示す成分を使用して製造した。
【表7】
【0170】
1.最初に、成分1Aを、024Rスクリーンを備えたQuadro(商標)Comil U10を用いて処理し回収した。
2.次に、成分2、3、及び4を混合した。この混合物を、次に該Comil(商標)U10を用いて処理し、成分1Aに添加した。
3.成分1Bを、該Comil(商標)U10を用いて処理し、ステップ2で得られた混合物に添加した。このようにして製造された新たな混合物をその後混合した。
4.成分5と6を混合し、次にステップ3で得られた混合物に添加した。このようにして製造された新たな混合物をその後混合した。
5.成分7Aをステップ4で得られた混合物に添加した。このようにして製造された新たな混合物をその後混合した。
6.ステップ5で得られた混合物を次に溝付きローラー及び1000ミクロンのメッシュスクリーンを備えたGerteis(商標)Mini−Pactorで圧縮した。
7.この圧縮された材料をその後回収し成分7Bと混合した。
【0171】
圧縮錠をその後、5/16’’円形標準凹面、プレーン上下パンチを備えたManesty(商標)Diamon Unipressプレスを用いて製造した。目標硬度は7kpであった。
【0172】
実施例5:錠剤コーティング
実施例4の錠剤コアを以下に記載の通りに被覆した。表8は、各種コートの名称とそれらの成分を示す。
【表8】
【0173】
表9は、このコーティング方法用に調製されたコーティング溶液及び懸濁液の名称と成分を示す。
【表9】
【0174】
表10は、これら錠剤コアに塗布されたコートの順番、各塗布段階についての目標重量増加、及びどのコーティング溶液/懸濁液がどのコーティングの製造に使用されたかを示す。塗布は、半月4インチシールド及びバッフルを備えた48インチAccela Cota(商標)を用いて行った。
【表10】
【0175】
その後、これら錠剤を成分17(カルナバワックス粉末)とパンコーター内で混合した。
【0176】
以上、本発明をその特定の実施形態によって説明してきたが、本発明は、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の本質から逸脱することなく、変更することができる。本特許請求の範囲は、これら実施例に記載の好ましい実施形態によって限定されるものではなく、全体として本明細書と一致する最も広い解釈が与えられるべきである。特許請求の範囲において、「comprising(含む)」という語は、実質的に「including but not limited to(含むが限定されない)」という表現と同意義のオープンエンドの用語として使用される。単数形の「a」、「an」、及び「the」は、その文脈が明らかに他を指示しない限り、対応する複数の言及を含む。