特許第6272605号(P6272605)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ リンテック株式会社の特許一覧

特許6272605帯状シートの支持装置および帯状シートの管理方法
<>
  • 特許6272605-帯状シートの支持装置および帯状シートの管理方法 図000002
  • 特許6272605-帯状シートの支持装置および帯状シートの管理方法 図000003
  • 特許6272605-帯状シートの支持装置および帯状シートの管理方法 図000004
  • 特許6272605-帯状シートの支持装置および帯状シートの管理方法 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6272605
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】帯状シートの支持装置および帯状シートの管理方法
(51)【国際特許分類】
   H01Q 7/06 20060101AFI20180122BHJP
   H01P 11/00 20060101ALI20180122BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20180122BHJP
【FI】
   H01Q7/06
   H01P11/00
   H01L21/68 N
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-77913(P2014-77913)
(22)【出願日】2014年4月4日
(65)【公開番号】特開2015-201692(P2015-201692A)
(43)【公開日】2015年11月12日
【審査請求日】2017年2月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】松下 香織
(72)【発明者】
【氏名】片倉 克己
(72)【発明者】
【氏名】鳴河 正之
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 健一
(72)【発明者】
【氏名】岡本 直也
【審査官】 佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−114601(JP,A)
【文献】 特開2013−114600(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/087841(WO,A1)
【文献】 特許第3883269(JP,B2)
【文献】 国際公開第2013/154552(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0309088(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/07
H01L 21/683
H01P 11/00
H01Q 7/00− 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空筒状の軸芯部材に巻回された帯状シートを繰出可能に支持する帯状シートの支持装置において、
前記軸芯部材の中空部に挿入可能な支持軸と、
前記支持軸を支えるフレームと、
前記支持軸の軸線の方向に沿って、前記軸芯部材の内周面側または外周面側に設けられた非接触式のデータキャリアと、
前記支持軸の軸線と直交するアンテナ面と、
前記アンテナ面に設けられたループアンテナと、を備え、
前記軸芯部材には、所定のデータの記憶と送信のうち少なくとも一方が可能な前記データキャリアが設けられ、
前記ループアンテナは、前記軸線を囲むループ状に巻かれたループ部を有し、
前記ループアンテナ側から前記軸芯部材を前記軸線に沿う方向で見た際に、前記軸芯部材の近傍に前記ループアンテナのループ部が配置されていることを特徴とする帯状シートの支持装置。
【請求項2】
請求項1に記載の帯状シートの支持装置において、
前記軸芯部材は、軸方向で一端側に第一端部を備え、軸方向で他端側に第二端部を備え、
前記フレームは、前記第一端部側に配置され、
前記アンテナ面は、前記第二端部側に配置されていることを特徴とする帯状シートの支持装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の帯状シートの支持装置において、
前記ループアンテナ側から前記軸芯部材を前記軸線に沿う方向で見た際に、前記軸芯部材の形状と、前記ループアンテナの前記ループ部の形状とが重なることを特徴とする帯状シートの支持装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の帯状シートの支持装置において、
前記軸芯部材は、中空の円筒状であり、
前記ループ部は、円形であり、
前記軸芯部材の円筒の直径と前記ループ部の直径とが同じであることを特徴とする帯状シートの支持装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の帯状シートの支持装置において、
前記データキャリアは、コイル状のアンテナを有し、
前記コイル状のアンテナの長手方向が、前記軸線方向に沿って延びていることを特徴とする帯状シートの支持装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5いずれか一項に記載の帯状シートの支持装置において、
前記内周面側または前記外周面側には凹部が設けられ、前記凹部に前記データキャリアが収容されていることを特徴とする帯状シートの支持装置。
【請求項7】
中空筒状の軸芯部材に巻回された帯状シートを繰出可能に支持する帯状シートの支持装置において、
前記軸芯部材の中空部に挿入可能な支持軸と、
前記支持軸を支えるフレームと、
前記支持軸の軸線と直交するアンテナ面と、
前記アンテナ面に設けられたループアンテナと、を備え、
前記軸芯部材には、所定のデータの記憶と送信のうち少なくとも一方が可能な非接触式のデータキャリアが設けられ、
前記ループアンテナは、前記軸線を囲むループ状に巻かれたループ部を有し、
前記ループアンテナ側から前記軸芯部材を前記軸線に沿う方向で見た際に、前記軸芯部材の近傍に前記ループアンテナのループ部が配置されており、
前記データキャリアは、コイル状のアンテナを有し、
前記コイル状のアンテナの長手方向が、前記軸線方向に沿って延びていることを特徴とする帯状シートの支持装置。
【請求項8】
支持装置に繰出可能に支持される帯状シートを管理する帯状シートの管理方法において、
前記帯状シートは、中空筒状の軸芯部材に巻回され、
前記支持装置は、前記軸芯部材の中空部に挿入可能な支持軸と、前記支持軸を支えるフレームと、前記支持軸の軸線と直交するアンテナ面と、前記アンテナ面に設けられ、前記軸線を囲むループ状に巻かれたループ部を有するループアンテナと、を備え、
前記軸芯部材には、所定のデータの記憶と送信のうち少なくとも一方が可能なデータキャリアを、前記支持軸の前記軸線の方向に沿って、前記軸芯部材の内周面側または外周面側に設け、
前記ループアンテナ側から前記軸芯部材を前記軸線に沿う方向で見た際に、前記軸芯部材の近傍に前記ループアンテナのループ部を配置し、
前記データキャリアと前記ループアンテナとの間で、所定のデータの記憶と送信のうち少なくとも一方を行うことを特徴とする帯状シートの管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状シートの支持装置および帯状シートの管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、帯状の接着シートを繰り出してウェハに貼付する貼付装置において、接着シートが巻回された軸芯部材にデータキャリアを設け、当該データキャリアに書き込まれたデータを読み取って、貼付条件を適切に設定する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された支持装置では、軸芯部材を支持する支持軸の軸線と直交するアンテナ面に当該軸線を囲むループアンテナを設け、軸芯部材に設けられたデータキャリアとループアンテナとの間で交信させる構成を採用している。特許文献1によれば、当該支持装置によって、交信を行うための軸芯部材を支持する際の正確な位置合わせが不要になる旨が記載されている。
その他、金属製のフレームの近傍にループアンテナやデータキャリアが配置された支持装置や、金属製の筐体内にて帯状シートを支持する貼付装置等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−16545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ループアンテナやデータキャリアの近傍に金属製の部材や筐体等が配置されていると、データキャリアとループアンテナとの間の交信が不安定になるおそれがある。そのため、金属製の部材等が配置されていてもより安定的に交信を行うことのできる技術が要望されている。
【0005】
本発明の目的は、データキャリアとループアンテナとの間の交信を安定して行うことができる帯状シートの支持装置および帯状シートの管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る帯状シートの支持装置は、中空筒状の軸芯部材に巻回された帯状シートを繰出可能に支持する帯状シートの支持装置において、前記軸芯部材の中空部に挿入可能な支持軸と、前記支持軸を支えるフレームと、前記支持軸の軸線と直交するアンテナ面と、前記アンテナ面に設けられたループアンテナと、を備え、前記軸芯部材には、所定のデータの記憶と送信のうち少なくとも一方が可能な非接触式のデータキャリアが設けられ、前記ループアンテナは、前記軸線を囲むループ状に巻かれたループ部を有し、前記ループアンテナ側から前記軸芯部材を前記軸線に沿う方向で見た際に、前記軸芯部材の近傍に前記ループアンテナのループ部が配置されていることを特徴とする。
【0007】
本発明の一態様に係る帯状シートの支持装置において、前記軸芯部材は、軸方向で一端側に第一端部を備え、軸方向で他端側に第二端部を備え、前記フレームは、前記第一端部側に配置され、前記アンテナ面は、前記第二端部側に配置されていることが好ましい。
【0008】
本発明の一態様に係る帯状シートの支持装置において、前記ループアンテナ側から前記軸芯部材を前記軸線に沿う方向で見た際に、前記軸芯部材の形状と、前記ループアンテナの前記ループ部の形状とが重なることが好ましい。
【0009】
本発明の一態様に係る帯状シートの支持装置において、前記軸芯部材は、中空の円筒状であり、前記ループ部は、円形であり、前記軸芯部材の円筒の直径と前記ループ部の直径とが同じであることが好ましい。
【0010】
本発明の一態様に係る帯状シートの支持装置において、前記データキャリアは、コイル状のアンテナを有し、前記コイル状のアンテナの長手方向が、前記軸線方向に沿って延びていることが好ましい。
【0011】
本発明の一態様に係る帯状シートの管理方法は、支持装置に繰出可能に支持される帯状シートを管理する帯状シートの管理方法において、前記帯状シートは、中空筒状の軸芯部材に巻回され、前記支持装置は、前記軸芯部材の中空部に挿入可能な支持軸と、前記支持軸を支えるフレームと、前記支持軸の軸線と直交するアンテナ面と、前記アンテナ面に設けられ、前記軸線を囲むループ状に巻かれたループ部を有するループアンテナと、を備え、前記軸芯部材には、所定のデータの記憶と送信のうち少なくとも一方が可能なデータキャリアを設け、前記ループアンテナ側から前記軸芯部材を前記軸線に沿う方向で見た際に、前記軸芯部材の近傍に前記ループアンテナのループ部を配置し、前記データキャリアと前記ループアンテナとの間で、所定のデータの記憶と送信のうち少なくとも一方を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様に係る帯状シートの支持装置によれば、ループアンテナ側から軸芯部材を軸線に沿う方向で見た際に、軸芯部材の近傍にループアンテナのループ部が配置されているので、ループアンテナから放射される磁束がデータキャリアを通過し易くなる。その結果、データキャリアとループアンテナとの間の交信を安定して行うことができる。ここで、近傍とは、ループアンテナにて発生した磁束が前記データキャリアを通過可能な位置に配置されていることをいうものとする。
【0013】
本発明の一態様に係る帯状シートの支持装置において、軸芯部材の第一端部側にフレームが配置され、軸芯部材の第二端部側にアンテナ面が配置されていれば、金属製のフレームから離れた位置にループアンテナを設けることができる。そのため、データキャリアとループアンテナとの間の交信をより安定させることができる。さらに、データキャリアが設けられた軸芯部材を支持軸に設置する際に、データキャリアは第二端部側に位置されるため、データキャリアに設けられたICチップなどが、支持軸に接触して破損するおそれが低減する。
【0014】
本発明の一態様に係る帯状シートの支持装置において、ループアンテナ側から軸芯部材を軸線に沿う方向で見た際に、軸芯部材の形状と、ループアンテナのループ部の形状とが重なっていれば、データキャリアを通過する磁束が多くなる。そのため、データキャリアとループアンテナとの間の交信をより安定させることができる。
【0015】
本発明の一態様に係る帯状シートの支持装置において、軸芯部材は、中空の円筒状であり、ループアンテナのループ部は、円形であり、軸芯部材の円筒の直径とループ部の直径とが同じであれば、データキャリアを通過する磁束をさらに増やすことができる。また、軸芯部材が軸線回りで回転しても、軸芯部材の形状と、ループアンテナのループ部の形状との重なりの程度の変動が抑制される。そのため、データキャリアとループアンテナとの間の交信精度をさらに向上させることができ、さらには帯状シートの供給時等の軸芯部材が回転している間も安定して交信を行うことができる。
【0016】
本発明の一態様に係る帯状シートの支持装置において、データキャリアは、コイル状のアンテナを有し、コイル状のアンテナの長手方向が、軸芯部材の軸線方向に沿って延びていれば、ループアンテナから軸線方向に向かって放射されたより多くの磁束がコイル状のアンテナを通過する。つまり、データキャリアのコイル状のアンテナを通過する磁束をさらに増やすことができる。そのため、データキャリアとループアンテナとの間の交信精度をさらに向上させることができる。
【0017】
本発明の一態様に係る帯状シートの管理方法によれば、ループアンテナ側から軸芯部材を前記軸線に沿う方向で見た際に、軸芯部材の近傍にループアンテナのループ部を配置する。そして、データキャリアとループアンテナとの間で、所定のデータの記憶と送信のうち少なくとも一方を行う。そのため、ループアンテナから放射される磁束がデータキャリアを通過し易くなる。ゆえに、データキャリアとループアンテナとの間の交信を安定させることができ、帯状シートの管理精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の一実施形態に係る貼付装置の側面図である。
図2】前記貼付装置の支持装置におけるループアンテナとデータキャリアとの配置を示す部分拡大図である。
図3】第二実施形態に係る支持装置の部分断面図である。
図4】第三実施形態に係るループアンテナとデータキャリアとの配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図においては、本発明の内容を理解しやすくするために各構成の形状や配置状態を誇張して示している。また、本実施形態において基準となる図を挙げることなく、例えば、上、下、左、右、または、手前、奥といった方向を示した場合は、全て図1を基準としている。
【0020】
〔第一実施形態〕
図1において、貼付装置1は、半導体ウェハ(以下「ウェハ」と称す)Wに接着シートSを貼付する。
接着シートSは、基材シートBSと、基材シートBSの一方の面に積層された接着剤層ADと、当該接着剤層ADを介して仮着された剥離シートRLとを備えた帯状シートである。接着シートSは、原反Rとして、中空円筒状の軸芯部材24の外周に巻回されて予め準備されている。
そして、貼付装置1は、接着シートSを繰出可能に支持する支持装置2と、接着シートSを繰り出す繰出手段3と、繰り出された接着シートSをウェハWに押圧して貼付する押圧手段4と、ウェハWと押圧手段4とを相対移動させる移動手段5とを備える。貼付装置1は、パーソナルコンピュータやシーケンサ等の制御手段6によってその全体的な動作が制御されるように構成されている。
【0021】
支持装置2は、フレーム21と、このフレーム21の一方の面21Aに設けられた支持部22とを備えている。支持部22は、支持軸221を備えている。軸芯部材24における中空部の一端側から支持軸221が挿入されることで、支持部22は、軸芯部材24を支持する。
繰出手段3は、その全体がフレーム21に支持されている。繰出手段3は、原反Rを案内する複数のガイドローラ32,ガイドローラ33と、原反Rの剥離シートRLを折り返すことで当該剥離シートRLから接着シートSを剥離する剥離板34と、駆動機器としての回動モータ35によって駆動する駆動ローラ36と、駆動ローラ36との間に剥離シートRLを挟み込むピンチローラ37と、駆動機器としての回動モータ39によって剥離シートRLを回収する回収ローラ38とを備えている。
押圧手段4は、ゴムや樹脂等の弾性変形可能な部材で構成されている。押圧手段4は、図示しない支持部材により回転自在に支持され、駆動機器としての図示しない直動モータにより昇降可能に設けられている。
移動手段5は、ウェハWが載置され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない吸着保持手段によって当該ウェハWを吸着保持可能なテーブル51と、テーブル51の下面にスライダ52が固定された駆動機器としての単軸ロボット53とを備える。移動手段5は、スライダ52をスライド駆動することで、テーブル51を左右方向に移動可能に構成されている。
【0022】
次に、支持装置2について説明する。
フレーム21の一方の面21A(図1参照)側に位置する支持部22は、図2に示すように、円柱状の支持軸221と、支持軸221の軸線Cと同軸の基端軸222と、を備える。なお、図2においては、フレーム21の図示が省略されている。基端軸222は、支持軸221の一端側の第一端部221Aから延びる。基端軸222は、フレーム21に回転可能に支持されている。支持軸221は磁束が通過可能な材質で構成されていることが好ましい。
【0023】
軸芯部材24は磁束が通過可能な材質で構成されていることが好ましい。軸芯部材24の材質としては、例えば、紙製や樹脂製が挙げられる。軸芯部材24用の樹脂としては、ポリプロピレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体、アクリロニトリルエチレンプロピレンゴムスチレン共重合体、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアリレート、ポリフェニレンオキサイド、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、フッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等を例示することができる。軸芯部材24の材質は、これらの樹脂に特に限定されることはない。
【0024】
軸芯部材24には、データキャリア26が設けられている。
本実施形態で用いるデータキャリア26は、軸芯部材24の材質の影響を受けない電磁波を通信媒体とし、非接触でデータを読み取って記憶したり、非接触でデータを送信したりすることができる。このような非接触型のデータキャリア26としては、例えば、ICチップと、このICチップに接続された送受信用のコイル状のアンテナとから構成されるいわゆるICカードやICタグ等を挙げることができる。
【0025】
ICタグとしては、データを記憶可能なラベル状のICタグが用いられる。ICタグは、電磁波を通信媒体としてデータを読み取って記憶したり、データを送信したりすることができる。ICタグは、ICインレットと、表面シートと、両面粘着シートとを備える。ICタグは、両面粘着シートを介して軸芯部材24に貼付される。
【0026】
ICインレットは、所定の共振周波数(例えば、135kHz、13.56MHz)で動作するICチップと、コイル状のアンテナと、ICチップおよびコイル状のアンテナを保持する回路基材とで構成される。
表面シートのICインレットと反対側の面には、上記データに関連する情報を印字したり、バーコードや2次元コードを併記したりすることも可能である。回路基材および表面シートとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリイミド等の合成樹脂フィルムや、上質紙、コート紙、クラフト紙、グラシン紙等の紙材や、不織布等のシート材料を用いることができる。
回路基材および表面シートの厚さ寸法は、特に限定されるものではなく、用途に合わせて適宜設定することができ、例えば、5μm以上2000μm以下が好ましく、10μm以上500μm以下がより好ましい。
両面粘着シートは、例えば、アクリル系、シリコーン系、ゴム系、ポリエステル系、ポリウレタン系等の粘着剤を用いて形成することができる。中でも、アクリル系粘着剤は、粘着力が制御しやすい点で優れているので、好ましい。両面粘着シートの厚さ寸法は、特に限定されるものではなく、用途に合わせて適宜設定でき、例えば、1μm以上300μm以下が好ましく、5μm以上150μm以下がより好ましい。両面粘着シートは、更に中芯を備えていてもよい。
【0027】
また、ICタグは、金属の影響を低減するために、ICインレットの回路基材面(表面シート側の面)およびその反対面(両面粘着シート側の面)のいずれか一方に、磁性体層を更に備えてもよい。磁性体層の厚さ寸法は、特に限定されるものではなく、用途に合わせて適宜設定でき、例えば、20μm以上3000μm以下が好ましく、特に50μm以上1000μm以下が好ましい。
【0028】
データキャリア26は、軸芯部材24の内周面側に設けられていてもよいし、外周面側に設けられていてもよい。また、軸芯部材24の内周面側や外周面側に、凹部を設け、当該凹部にデータキャリア26を収容させてもよい。例えば、軸芯部材24の内周面側に設けた凹部にデータキャリア26を収容させれば、軸芯部材24の中空部に支持軸221が挿入される際に、支持軸221とデータキャリア26との接触を防止し、データキャリア26の破損を防止できる。また、軸芯部材24の外周面側に設けた凹部にデータキャリア26を収容させれば、軸芯部材24に巻回された接着シートSの押圧によるデータキャリア26の破損を防止できる。データキャリア26がICチップを備える場合、ICチップは、外部からの応力によって壊れ易いので、支持軸221との接触や、接着シートSの巻き付けによる押圧を避ける態様が有効である。
【0029】
フレーム21の一方の面21Aには、アンテナ部27が取り付けられている。アンテナ部27は、基板271を備えている。基板271は、面21Aに着脱可能に固定されている。基板271は、基板開口部272を有する。基板開口部272の内径は、支持軸221の直径よりも大きい。
基板271は、円環状のアンテナが配置される部材である。基板271の一面は、図示しない回路が形成されたアンテナ面273である。アンテナ面273には、ループアンテナ274が設けられている。ループアンテナ274は、導電体をループ状に巻回形成したループ部274aを有する。本実施形態では、ループ部274aは、円形に巻回形成されている。
ループアンテナ274は、保護部材によって保護されていてもよい。例えば、ループ部274aを保護部材としてのカバーで覆うことができる。
【0030】
本実施形態において、基板271は、基板開口部272に基端軸222が挿通され、支持軸221の軸線Cとアンテナ面273とが直交し、かつ、軸線Cとループアンテナ274の中心とが一致するように位置が調整されている。
前述のとおり、本実施形態では、軸芯部材24は、中空円筒状であり、ループアンテナ274のループ部274aは、円形である。そのため、ループアンテナ274側から軸芯部材24を軸線Cに沿う方向で見た際に、軸芯部材24の近傍にループ部274aが配置されている。
また、本実施形態では、軸芯部材24の円筒の直径(内径)Lとループ部274aの直径(内径)Lとが同じ寸法である。そのため、ループアンテナ274側から軸芯部材24を軸線Cに沿う方向で見た際に、軸芯部材24の円筒の円と、ループ部274aの円とが重なる。
図2に示すようなループアンテナ274とデータキャリア26との配置の下で、ループアンテナ274から磁束Mが放射され、磁束Mは、データキャリア26を通過する。本実施形態では、基板271の基板開口部272側に軸芯部材24の位置決めをするための部材が設けられていないため、アンテナ面273におけるループアンテナ274の設置位置の自由度が増す。ループアンテナ274を基板開口部272側に設置できるようになり、データキャリア26に対してより近傍に設置できるようになる。
【0031】
データキャリア26が、前述のようにICチップと、コイル状のアンテナとを備える非接触型データキャリアである場合、コイル状のアンテナの配置位置としては、ループアンテナ274から発生する磁束Mが通過する位置であればよい。例えば、コイル状のアンテナが支持軸221の外周面と対向する対向面261に配置されていてもよいし、支持軸221の外周面と直交する直交面262に配置されていてもよい。コイル状のアンテナの形状は、特に限定されないが、例えば、円形状、楕円形状、正方形状、長方形状、多角形状、不定形状などが挙げられる。コイル状のアンテナは、楕円形状や長方形状のような長手方向を有する形状の場合は、長手方向が軸線Cの方向に沿って延びるように配置されていることが好ましい。
本実施形態では、図2に示すように、データキャリア26が、コイル状のアンテナ26aを有し、コイル状のアンテナ26aは、通過する磁束Mが多くなるように、対向面261に沿って配置されている。さらに、コイル状のアンテナ26aは、その長手方向が軸線Cの方向に沿って配置されている。
【0032】
アンテナ部27には、図1に示すリーダライタ7が接続されている。リーダライタ7は、制御手段6による制御に基づき、データキャリア26に記憶されたデータを読み取ったり、データキャリア26にデータを書き込んだりすることが可能である。
データキャリア26とループアンテナ274とで通信するデータとしては、ICチップのID、接着シートSの種類、材質、品名、コード、厚さ、長さ、幅、直径などの規格寸法、さらには、原反Rのロットナンバー、原反Rを使用した長さ、原反Rの残りの長さ、接着シートSの品質保証期限、繰出開始前後の接着シートSの残数、繰り出された接着シートSの枚数、接着シートSを最適に繰り出すことのできる推奨繰出速度、接着シートSを最適に貼付することができる推奨貼付張力や推奨押圧力などの接着シートSの貼付条件、接着シートSや原反Rについての相談窓口の連絡先などが例示できる。そして、貼付装置1に設けられた図示しないモニタにデータキャリア26から読み取ったデータを表示させたり、読み取ったデータを基に当該貼付装置1の貼付条件を設定したりすることができる。
【0033】
本実施形態に係る帯状シートの管理方法は、本実施形態に係る支持装置2を用いて実施することが可能である。
まず、軸芯部材24を支持軸221で支持させる。その際、ループアンテナ274側から軸芯部材24を軸線Cに沿う方向で見た際に、軸芯部材24の近傍にループ部274aが配置されるように調整する。
本実施形態では、軸芯部材24の円筒の直径(内径)Lとループ部274aの直径(内径)Lとが同じ寸法であるため、軸芯部材24の円筒の円と、ループ部274aの円とが重なる。また、軸芯部材24を支持する際、位置決めを行ってアンテナ部27とデータキャリア26との距離をデータの読み書きを適切に行える長さに設定する。その後、ループアンテナ274に電流を流すことで磁束Mを発生させ、データキャリア26とループアンテナ274との間で、所定のデータの記憶と送信のうち少なくとも一方を行う。交信の制御は、制御手段6によって行われる。
【0034】
本実施形態に係る貼付方法は、本実施形態に係る貼付装置1を用いて実施することができる。貼付装置1において、ウェハWに接着シートSを貼付する際には、まず、軸芯部材24を支持軸221で支持させる。その際、軸芯部材24の位置決めを行い、アンテナ部27とデータキャリア26との距離をデータの読み書きを適切に行える長さに設定する。
そして、回動モータ35および回動モータ39の駆動により、軸芯部材24を支持軸221とともに回転させることで接着シートSを繰り出し、当該接着シートSを移動手段5により搬送されるウェハWに貼付する。
【0035】
ここで、制御手段6は、貼付開始前にリーダライタ7を制御し、ループアンテナ274に電流を流すことで磁束Mを発生させ、データキャリア26に書き込まれたデータを読み取り、当該読み取ったデータに基づいて、貼付装置1全体を制御する。この制御は、例えば、データキャリア26に書き込まれたデータのうち、接着シートSの推奨繰出速度を基にして、回動モータ35および回動モータ39の回転速度や、単軸ロボット53でテーブル51を移動させる移動速度を決定したり、推奨押圧力を基にして、押圧手段4を昇降させる図示しない直動モータの昇降量を決定し、押圧力を設定したりすることができる。このとき、支持軸221の軸線Cとアンテナ面273とが直交するようにアンテナ部27の位置が調整されているため、軸芯部材24を支持軸221で支持させる際の軸線C回りの角度によらず、データキャリア26が磁束Mの通過位置に存在することとなり、リーダライタ7は、軸芯部材24の取り付け角度によらず、データキャリア26のデータを適切に読み取ることができる。
【0036】
また、制御手段6は、貼付開始後の軸芯部材24の回転中に、リーダライタ7を制御して磁束Mを発生させ、データキャリア26にデータを書き込むこともできる。このように軸芯部材24が回転している場合であっても、データキャリア26が磁束Mの通過位置に常時存在することとなり、リーダライタ7は、データキャリア26にデータを適切に書き込むことができる。このときに書き込むデータとしては、例えば、接着シートSを使用した枚数や、原反Rを使用した長さ等が例示できる。なお、原反Rを使用した長さは、回動モータ35の回転数やパルスによって算出することができる。
そして、所定枚数のウェハWに接着シートSが貼付し終わると、リーダライタ7を制御してデータキャリア26にデータを書き込むこともできる。このときに書き込むデータとしては、例えば、繰出開始前の接着シートSの残数から接着シートSを使用した枚数を差し引いた繰出開始後の接着シートSの残数や、原反Rの残りの長さ等が例示できる。
【0037】
本実施形態に係る支持装置2によれば、ループアンテナ274側から軸芯部材24を軸線Cに沿う方向で見た際に、軸芯部材24の近傍にループ部274aが配置されている。そのため、ループアンテナ274から放射される磁束Mがデータキャリア26のコイル状のアンテナ26aを通過し易くなる。その結果、データキャリア26とループアンテナ274との間の交信を安定して行うことができる。
なお、基板271の基板開口部272側に軸芯部材24の移動を規制するための固定当て板が設けられていると、ループアンテナ274を基板開口部272側に設置し難く、データキャリア26の近傍にループアンテナ274を設置し難い。
【0038】
支持装置2によれば、軸芯部材24は、中空の円筒状であり、ループアンテナ274のループ部274aは、円形であり、軸芯部材24の円筒の直径Lとループ部の直径Lとが同じである。そのため、ループアンテナ274側から軸芯部材24を軸線Cに沿う方向で見た際に、軸芯部材24の円筒の内径または外径の円と、ループ部274aの最外周または最内周の円とが重なり、データキャリア26を通過する磁束Mをさらに増やすことができる。また、軸芯部材24が軸線Cの回りで回転しても、軸芯部材24の形状と、ループ部274aの形状との重なりの程度の変動が抑制される。そのため、データキャリア26とループアンテナ274との間の交信精度をさらに向上させることができ、さらには軸芯部材24が回転している間も安定して交信を行うことができる。
【0039】
支持装置2において、データキャリア26は、コイル状のアンテナ26aを有し、アンテナ26aの長手方向が、軸芯部材24の軸線C方向に沿って延びている。ループアンテナ274から軸線C方向に向かって放射された磁束Mは、アンテナ26aをより多く通過する。つまり、データキャリア26のアンテナ26aを通過する磁束Mをさらに増やすことができる。そのため、データキャリア26とループアンテナ274との間の交信精度をさらに向上させることができる。
【0040】
〔第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態について説明する。なお、以下の説明では、既に説明したものと、同一の部材、構成、手段等については、同一符号を付して説明を簡略または省略する。
【0041】
図3は、本実施形態に係る支持装置2Aの部分断面図である。
支持装置2Aは、金属製の筐体100の内部に収容されている。フレーム21が筐体100の内部で固定されている。
本実施形態のアンテナ部27Aは、筐体100の扉101の内側に配置されている点で、第一実施形態のようにフレーム21側に配置されているアンテナ部27とは相違する。アンテナ部27Aは、円環状のアンテナが配置される基板275を備えている。基板275は、筐体100の扉101の内側に固定されている。基板275は、扉101の内側に対向する第一の面と、第一の面とは反対側の第二の面とを有し、この第二の面が、本実施形態ではアンテナ面273である。アンテナ面273には、ループアンテナ274が設けられている。ループアンテナ274は、導電体をループ状に巻回形成したループ部274aを有する。本実施形態では、ループ部274aは、円形に巻回形成されている。
【0042】
本実施形態において、支持部22Aは、円柱状の支持軸223と、支持軸223の軸線Cと同軸の基端軸222と、を備える。基端軸222は、支持軸223の一端側の第一端部223A(図3中左端)から延びる。基端軸222は、回転軸受23により、回転可能に支持されている。支持軸223は磁束が通過可能な材質で構成されていることが好ましい。
【0043】
本実施形態において、支持装置2Aは、上述のような構成を備えているため、軸芯部材24の支持態様が、第一実施形態とは異なる。
軸芯部材24は、軸方向で一端側に第一端部24Aを備え、軸方向で他端側に第二端部24Bを備える。本実施形態では、第一端部24Aがフレーム21側に配置され、第二端部24Bが扉101側に配置されるように、軸芯部材24は支持軸223に支持される。
データキャリア26は、第二端部24B側に設けられているため、扉101の内側に配置されたループアンテナ274から放射される磁束Mが通過し得る。
【0044】
本実施形態に係る調整手段28Aは、フレーム21に挿通される2本のボルト281と、それぞれのボルト281に2個ずつ螺合される4個のナット282と、2本のボルト281に固定された当て板283とを備える。当て板283は、支持軸223の第一端部223A側に配置され、軸芯部材24の移動を規制する。調整手段28Aは、第一端部24Aの位置を支持軸223の軸線Cに沿って調整可能に構成されている。軸芯部材24は、第一端部24Aを当て板283に当接させることで、移動が規制される。
【0045】
本実施形態に係る支持装置2Aによれば、第一実施形態と同様、ループアンテナ274側から軸芯部材24を軸線Cに沿う方向で見た際に、軸芯部材24の近傍にループ部274aが配置されている。そのため、ループアンテナ274から放射される磁束Mがデータキャリア26のコイル状のアンテナ26aを通過し易くなる。ゆえに、データキャリア26とループアンテナ274との間の交信を安定して行うことができる。なお、図3においては、アンテナ26aの図示が省略されている。
【0046】
また、支持装置2Aによれば、第一実施形態と同様、ループアンテナ274側から軸芯部材24を軸線Cに沿う方向で見た際に、軸芯部材24の円筒の内径または外径の円と、ループ部274aの最外周または最内周の円とが重なる。その結果、支持装置2Aによっても、データキャリア26とループアンテナ274との間の交信をさらに安定向上させることができ、さらには軸芯部材24が回転している間も安定して交信を行うことができる。
【0047】
また、支持装置2Aによれば、扉101側にアンテナ部27Aが配置されるため、ループアンテナ274を設ける位置の自由度が高まり、データキャリア26との交信を行い易い位置にループアンテナ274を設置し易くなる。さらに、データキャリア26が設けられた軸芯部材24を支持軸223に設置する際に、データキャリア26は、第二端部24B側に配置されるため、データキャリア26が支持軸223に接触してICチップが破損するおそれが低減する。
【0048】
また、支持装置2Aによれば、扉101側にアンテナ部27Aが配置され、軸芯部材24およびアンテナ部27Aの配置を軸線Cに沿う方向で移動させ易いので、金属製部材の影響を受け難くすることができる。例えば、調整手段28Aによって当て板283をフレーム21側に移動させることで、軸芯部材24をフレーム21側へ移動可能になり、扉101の内側と第二端部24Bとの間のスペースが拡がる。軸芯部材24の移動に合わせて、ループアンテナ274も扉101から離れた位置に設置できるようになる。このように、フレーム21からも扉101からも離れた位置にループアンテナ274およびデータキャリア26を配置できるようになるので、フレーム21や扉101が金属製であっても、交信をより安定的に行うことができる。
【0049】
〔第三実施形態〕
次に、本発明の第三実施形態について説明する。なお、以下の説明では、既に説明したものと、同一の部材、構成、手段等については、同一符号を付して説明を簡略または省略する。
【0050】
本実施形態に係る支持装置は、ループアンテナの形状や設置位置が、第一実施形態または第二実施形態におけるループアンテナ274の形状と異なる他は、第一実施形態または第二実施形態の支持装置と同様に構成される。
【0051】
図4には、本実施形態に係るループアンテナ276と、軸芯部材24との配置関係を示す概略図が示されている。具体的には、ループアンテナ276側から軸芯部材24を軸線Cに沿う方向で見た際の配置が示されている。
本実施形態においても、ループアンテナ276は、導電体をループ状に巻回形成したループ部276aを有する。本実施形態では、ループ部276aは、図4に示すように、略矩形状に巻回形成されている。また、図4に示すように、ループ部276aのループの中に軸芯部材24が位置し、軸芯部材24の近傍にループ部276aが配置されている。そのため、データキャリア26とループアンテナ274との間の交信を安定して行うことができる。
軸芯部材24の内周側であってデータキャリア26が設けられた位置から、ループ部276aのループ内周側までの距離Dは、軸芯部材24が軸線C回りで回転する間に変化する。図4に示すように、近い場合は距離Dで表され、遠い場合は距離Dで表される。データキャリア26にループアンテナ276で発生した磁束を通過させるためには、距離Dが80mm以下であることが好ましく、70mm以下であることがより好ましい。80mmを超えると、ループアンテナ276とデータキャリア26とが交信不能になるおそれがある。
【0052】
〔実施形態の変形〕
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができる。また、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0053】
前記実施形態では、軸芯部材24の内周面側にデータキャリア26を配置していたが、本発明はこのような配置に限定されない。例えば、軸芯部材24の外周面側にデータキャリア26を配置する態様であってもよい。この態様であるとき、軸芯部材24の円筒の直径(外径)とループ部274aの直径(内径)とが同じ寸法であることが好ましい。このように寸法が同じであれば、ループアンテナ274側から軸芯部材24を軸線Cに沿う方向で見た際に、軸芯部材24の円筒の円と、ループ部274aの円とが重なる。その結果、通過する磁束Mが増えるので交信を安定して行うことができる。
【0054】
第二実施形態では、基板275が筐体100の扉101の内側に固定されている態様を例に挙げて説明したが、本発明はこのような態様に限定されない。例えば、基板275は、扉101に固定されておらず、搬送手段によって軸芯部材24の近傍に搬送される態様としてもよい。この場合、軸芯部材24を支持軸223で支持させた後に、搬送手段によって基板275が移動し、ループ部274aと軸芯部材24とが第二実施形態で述べた配置となるように位置調整されることが好ましい。
【0055】
前記実施形態では、ループアンテナのループ部は、円形や略矩形状であったが、本発明はこれらのような形状に限定されない。例えば、楕円形、正方形、多角形、不定形等であってもよい。さらに、ループアンテナ274の中心と、支持軸221の軸線Cと一致させなくてもよい。
また、データキャリア26は、データの記憶のみが可能であってもよいし、データの送信のみが可能であってもよい。
【0056】
また、本発明における接着シートSの種別や材質などは、特に限定されず、例えば、基材シートBSと接着剤層ADとの間に中間層を有するものや、他の層を有する等3層以上のものでもよい。また、接着シートSは、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルムなどであってもよい。半導体ウェハは、シリコン半導体ウェハや化合物半導体ウェハ等が例示でき、このような半導体ウェハに貼付する接着シートは、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルムに限らず、その他の任意のシート、フィルム、テープ等、任意の用途、形状の接着シート等が適用できる。さらに、板状部材が光ディスクの基板であって、接着シートが記録層を構成する樹脂層を有したものであってもよい。以上のように、板状部材としては、ガラス板、鋼板、樹脂板等や、その他の部材のみならず、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。
また、押圧手段4は、前記実施形態で示したもの以外のもので構成してもよく、押圧手段4は板状部材に接着シートが貼付できる限りにおいて何ら限定されるものではなく、例えば、ブレード材、エア噴き付け、ゴム、樹脂、スポンジ等による押圧部材を採用することができる。
【0057】
また、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
【0058】
前記実施形態では、半導体ウェハに接着シートを貼付する態様を例に挙げて説明したが、本発明はこのような態様に限定されない。
【符号の説明】
【0059】
2,2A…支持装置、21…フレーム、221,223…支持軸、24…軸芯部材、24A…第一端部、24B…第二端部、26…データキャリア、26a…コイル状のアンテナ、274,276…ループアンテナ、274a,276a…ループ部、C…軸線。
図1
図2
図3
図4