(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6273025
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】決定方法及びガスタービン
(51)【国際特許分類】
F02C 7/042 20060101AFI20180122BHJP
F02C 7/057 20060101ALI20180122BHJP
F02C 9/20 20060101ALI20180122BHJP
F01D 25/00 20060101ALI20180122BHJP
F02C 9/00 20060101ALI20180122BHJP
F01D 25/02 20060101ALI20180122BHJP
【FI】
F02C7/042
F02C7/057
F02C9/20
F01D25/00 W
F02C9/00 A
F01D25/02
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-544504(P2016-544504)
(86)(22)【出願日】2014年11月28日
(65)【公表番号】特表2017-501337(P2017-501337A)
(43)【公表日】2017年1月12日
(86)【国際出願番号】EP2014075961
(87)【国際公開番号】WO2015101450
(87)【国際公開日】20150709
【審査請求日】2016年9月12日
(31)【優先権主張番号】14150126.2
(32)【優先日】2014年1月3日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508008865
【氏名又は名称】シーメンス アクティエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】チャルク・アイスフェルト
(72)【発明者】
【氏名】マルコ・ラーソン
(72)【発明者】
【氏名】ウルリヒ・ヴァルトケ
【審査官】
高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−032869(JP,A)
【文献】
特表2012−500362(JP,A)
【文献】
実開昭64−053429(JP,U)
【文献】
国際公開第2013/144111(WO,A1)
【文献】
特開2007−040171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 25/00
F01D 25/02
F02C 7/042
F02C 7/057
F02C 9/00
F02C 9/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービン(10)の圧縮器(11)の、後方ロータブレード列又は後方ガイドベーン列(13)の上流に配置されている前方ガイドベーン列(12)であって、前記圧縮器(11)における氷形成を防止するために初期角度と最終角度(E)との間において調整可能とされる前記前方ガイドベーン列(12)のガイドベーンの最終角度(E)を決定するための決定方法(20)において、
少なくとも1つのプロセスパラメータの現在値が、前記ガスタービン(10)の運転の際に、パラメータ決定ステップ(22)において決定され、その後に、前記現在値に従って、前期最終角度(E)が、最終角度決定ステップ(23)において決定され、
空気力学的速度(n*)が、前記プロセスパラメータとして決定されることを特徴とする決定方法(20)。
【請求項2】
少なくとも1つの温度(T)の値が、決定されることを特徴とする請求項1に記載の決定方法(20)。
【請求項3】
前記ガスタービン(10)を囲んでいる領域の空気の温度が、前記温度(T)として決定されることを特徴とする請求項2に記載の決定方法(20)。
【請求項4】
前記後方ロータブレード列又は後方ガイドベーン列(13)における表面温度が、前記温度(T)として決定されることを特徴とする請求項2又は3に記載の決定方法(20)。
【請求項5】
前記最終角度(E)が、前記後方ロータブレード列又は後方ガイドベーン列(13)における前記表面温度が0℃を越えた状態を維持するように決定されることを特徴とする請求項4に記載の決定方法(20)。
【請求項6】
大気湿度(H)が、決定されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の決定方法(20)。
【請求項7】
相対大気湿度(h)が、決定されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の決定方法(20)。
【請求項8】
圧縮器(11)を具備するガスタービン(10)において、
前記ガスタービン(10)が、
初期角度と最終角度(E)との間において調整可能とされるガイドベーンを備えている前方ガイドベーン列(12)と、
前方ガイドベーン列(12)の下流に配置されている後方ガイドベーン列(13)と、
少なくとも1つの運転計測点(15)と、
前記運転計測点(15)にデータ通信可能に接続されている評価ユニット(16)であって、請求項1〜7のいずれか一項に記載の決定方法(20)を実施するように構成されている前記評価ユニット(16)と、
を有していることを特徴とするガスタービン(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮器の内部における氷の生成を防止するために初期角度と最終角度との間において調整可能とされるガスタービン、及び、当該ガスタービンの一のガイドベーン列のガイドベーンの最終角度を決定するための決定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、圧縮器の入口に配設された入口ガイドベーンを可変調整することによって部分負荷運転においてガスタービンの圧縮器によって取り込まれる、空気の質量流を利用することが知られている。このようにして、排出ガスの所定の最大温度について、可能な限り高い効果を得ることができる。、可変圧縮器の許容可能な最終角度についての制限ファクタのうち一の制限ファクタは、この場合には入口ガイドベーン列及び/又は第1の圧縮器ロータブレード列の領域並びに関連する着氷の危険がある領域における取込空気の冷却である。取込空気の湿度に依存して、入口ガイドベーン列の下流における流れの加速が、流れの冷却を招き、圧縮器の内部における着氷を発生させ、その結果として、機械全体の機能障害及び場合によっては機械の損傷を発生させる。
【0003】
従来技術では、プロセスパラメータの前提値に対して事前に断定的に決定された固定値を指定することが通例であった。その結果として、ガスタービンの運転範囲はすべての状況において完全に活用されている訳ではなかった。
【0004】
特許文献1は、圧縮器入口のおける現在の温度と大気の湿度とに基づく設定を実施することを開示しており、可変設定を提案している。しかしながら、不慮に大きい技術的支出を示すものであり、場合によっては付加的な運転中に計測するためのステーションを必要とする専用の特性マップについての計算による決定が、このような設定のために必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−032869号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Joerg Seume編,「Stationaere Gasturbinen」(第1版),第346頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、これら欠点を克服すること、並びに、最終角度を可変決定するための単純な決定方法、及び、当該決定方法を実施するためのガスタービンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
当該目的は、請求項1に規定される決定方法及び請求項8に規定されるガスタービンによって実現される。本発明の優位な発展形態については、従属請求項に特定しており、発明の詳細な説明において説明する。
【0009】
圧縮器の内部における氷の形成を防止するために初期角度と最終角度との間において調整可能とされるガスタービンの圧縮器の、後方のロータブレード列又はガイドベーン列の上流に配置されている前方ガイドベーン列のガイドベーンの最終角度を決定するための、本発明における決定方法の場合には、少なくとも1つのプロセスパラメータの現在値が、ガスタービンの運転の際に、パラメータ決定ステップにおいて決定され、その後に、当該現在値に従って、最終角度が、最終角度決定ステップにおいて決定される。この場合には、空気力学的速度が、プロセスパラメータとして決定される。
【0010】
このような構成によって、優位には、ガスタービンの運転範囲を拡大することができるので、これにより、用途及び効率についての可能性を高めることができる。例えば従来技術から知られているように、断定的に決定された固定値を利用するのではなく、最終角度は、現在支配的な状況に適応可能とされる。
【0011】
また、如何なる場合であっても、空気力学的速度は、ガスタービンの運転の際には、当該ガスタービンを開ループ制御又は閉ループ制御するために決定される。その結果として、例えば一連の到達可能な空気力学的速度が適切な最終角度から成る対応するセットに割り当てられることによって、且つ、適切な最終角度の現在値が支配的な空気力学的速度に従って選定されることによって、最終角度を可変設定するために、このような変数を容易に利用することができる。さらに、付加的な運転中に計測するためのステーションが不要となる。安全運転速度としても知られている空気力学的速度は、入口温度による補正によって、ロータの機械的速度から得られる。
【0012】
機械的速度ひいてはガスタービンの内部に発生する空気力学的速度の変化は、取り込まれ輸送される質量流の変化である場合がある。このことは、ロータブレード又はガイドベーンの領域において、圧縮器の内部における流速に対して影響を有している。流速に従って、圧縮器の内部における温度分布が形成されており、氷が形成されるか否かが、局所的に生じる静温度によって決定される。特に一般的なガスタービンの場合における、すなわち、ネットワーク同期している圧縮器ネットワークのネットワークに温度分布が存在する場合における、及び、可変圧縮器の場合における始動運転については、実際の速度を含んでいることが優位である。
【0013】
本発明における決定方法の優位な優位な実施例では、温度の値が決定される。この場合には、ガスタービンを囲んでいる領域の空気のインドが、温度として決定されるか、又は、後方のロータブレード列若しくはガイドベーン列における表面温度が決定される場合がある。
【0014】
温度は、氷の形成に対して影響を有している重要なパラメータである。最終角度を温度に基づいて決定することによって、氷の形成を容易に回避することができる。温度は、容易に且つ低コストで測定可能である。その結果として、本発明における決定方法は容易に実施可能とされる。
【0015】
本発明における決定方法のさらなる優位な実施例では、最終角度が表面温度が0℃より高い状態を維持するように固定されている。
【0016】
このようにして、氷の形成を防止し、圧縮器を氷による損傷から保護することができる。
【0017】
本発明における決定方法のさらなる優位な実施例では、大気の湿度又は大気の相対湿度の値が決定される。
【0018】
大気の湿度又は大気の相対湿度は、氷の形成に対して影響を有している重要なパラメータである。最終角度を大気の湿度又は大気の相対湿度に従って決定することによって、氷の形成を容易に回避することができる。
【0019】
本発明における決定方法のさらなる優位な実施例では、前方ガイドベーン列の下流且つ後方ガイドベーン列の上流における大気の相対湿度が決定される。
【0020】
空気流の加速度が大きいことに起因して、ここは、ガスタービンの運転の際に圧縮器の内部において温度が最も低い場所である。当該場所において、空気によって吸収される水蒸気が最小となり、相対的湿度が最大となる。温度が最も低い場所において決定することによって、機械の内部において最も低い温度を考慮することができる。
【0021】
本発明におけるガスタービンは、圧縮器を備えている。当該圧縮器は、前方ガイドベーン列と、前方ガイドベーン列の下流に配置されている後方のロータブレード列又はガイドベーン列とを有している。前方ガイドベーン列は、初期角度と最終角度との間において調整可能とされるガイドベーンを備えている。また、本発明におけるガスタービンは、少なくとも1つの運転計測点と、当該運転計測点にデータ中心可能に接続されている評価ユニットとを有している。評価ユニットは、本発明における決定方法を実行するように構成されている。
【0022】
結論として、ガスタービンは、本発明における決定方法の優位点を利用しており、拡大された運転範囲を有している。
【0023】
本発明の典型的な実施例について、図面及び発明の詳細な説明に基づいて以下に詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図3】本発明における決定方法のパラメータ決定ステップを表わす。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明におけるガスタービン10の概略的な実施例の断面図である。ガスタービン10は、空気の質量流14を取り込み圧縮するための圧縮器11を備えている。従来技術では一般的であるが、圧縮器11は、ロータブレード列とガイドベーン列とを有している。
【0026】
本発明におけるガスタービン10では、圧縮器11は、前方ガイドベーン列12と後方ガイドベーン列13とを備えている。前方ガイドベーン列12は、後方ガイドベーン列13の上流に配置されており、後方ガイドベーン列13は、前方ガイドベーン列12の下流に配置されている。この場合には、好ましくは、前方ガイドベーン列12は、入口ガイドベーン列12として知られているものであり、後方ガイドベーン列13は、続いて隣接する下流のガイドベーン列であって、第1のガイドベーン列13として知られている。このことは、
図1に表わされている。前方ガイドベーン列12と後方ガイドベーン列13との間には、ロータブレード列が図示されている。
【0027】
前方ガイドベーン列12は、従来技術から知られているような、調整可能とされるガイドベーンを有している。後方ガイドベーン列13のガイドベーンも、同様に調整可能とされる。前方ガイドベーン列12のガイドベーンは、初期角度から最終角度Eの範囲において調整可能とされる。ガイドベーンを調整することによって、ガスタービン10を通じて流れる空気の質量流14が調節される。初期角度は、可能な範囲で最大の空気の質量流を流すことができるガイドベーンの基本位置を示している。ガイドベーンを調整することによって、空気の質量流は、最終角度Eに到達した場合に空気の質量流14が最小化されるまで低減される。最終角度Eが初期角度から離れるに従って、ガイドベーンの調整範囲が大きくなる。
【0028】
本発明におけるガスタービン10の場合には、最終角度Eは可変に決定可能とされる。最終角度Eを可変に決定するために、ガスタービン10は、評価ユニット16と、評価ユニット16にデータ通信可能に接続されている運転計測点15とを有している。運転計測点15は、少なくとも1つのプロセスパラメータの現在値を計測するように構成されている。また、ガスタービン10が様々なプロセスパラメータを計測するために多数の運転計測点15を有している場合がある。運転計測点15は、温度T及び/又は絶対大気湿度H若しくは相対的大気湿度hのための計測点である。さらに、運転計測点15は、ガスタービン10の機械的速度のための計測点とされる場合がある。少なくとも1つの運転計測点15は、ガスタービン10の内側に又はガスタービン10を囲んでいる領域の外側に配置されている。
【0029】
図示の構成では、運転計測点15は、ガスタービン10の内側において後方ガイドベーン列13に配置されており、後方ガイドベーン列13のガイドベーンの表面の温度Tを計測するように構成されている。運転計測点15に接続されている評価ユニット16は、本発明における決定方法20によって最終角度Eを決定する。
【0030】
本発明における決定方法20は、開始21から終了24を表わす図表である
図2に例示的に表わされている。本発明では、圧縮器11の内部において氷の形成を防止するために、少なくとも1つのプロセスパラメータの現在値が、ガスタービン10の運転の際に、パラメータ決定ステップ22において決定される。その後に、当該現在値に従って、最終角度Eが、最終角度決定ステップ23において決定される。
【0031】
パラメータ決定ステップ22では、ガスタービン10の内側又は外側における現在値が検出される。
【0032】
最終角度決定ステップ23は、最終角度Eが決定されたパラメータの関数である場合には、格納されている数式を利用することによって、又は、パラメータの様々な値に関する様々な最終角度Eが事前に定義されている場合には、格納されているテーブルから最終角度を割り当てることによって決定される。最終角度Eは、様々なタイプのガスタービンの同一のプロセスパラメータに対して相違する。従って、最終角度決定ステップ23は、ガスタービンのタイプそれぞれに対して個々に実施しなければならない。
【0033】
図3は、例示的な実施例におけるパラメータ決定ステップ22の図表である。図示の実施例では、4つの異なるパラメータの値が決定される。本発明は、少なくとも1つのパラメータを有している。
【0034】
温度決定ステップ25では、温度Tの値が決定される。大気湿度決定ステップ26では、大気湿度Hの値が決定される。相対大気湿度決定ステップ27では、相対大気湿度hの値が決定される。空気力学的速度決定ステップ28では、空気力学的速度n*が決定される。
【0035】
温度決定ステップ25は、ガスタービン10の内側又は外側において実施される。ガスタービン10を囲んでいる領域の空気の温度が、及び/若しくは、空気の質量流14の空気の温度が、又はガスタービン10の内側の材料表面の表面温度、特に後方ガイドベーン列13の表面温度が、温度Tとして決定される。ガスタービン10の内部では、空気の温度が、特に温度が最も低い場所である前方ガイドベーン列12の下流且つ後方ガイドベーン列13の上流において決定される。最終角度Eは、具体的には温度T、特に後方ガイドベーン列13の表面温度が0℃を越えた状態を維持するように、温度Tに依存して選定される。
【0036】
ガイドベーンの表面温度が決定される場所は、具体的にはガイドベーンの前縁部において、特にガイドベーンの前縁部の外側領域において、特に回転軸線方向に関するラジアル方向から見るとガイドベーンの高さの約4分の1に位置している。ガイドベーンの表面において温度が最も低い地点は、この位置にあると予想される。理想的には、ガイドベーンの表面温度が決定される場所は、ガスタービンそれぞれについて、特に運転モードそれぞれについて個々に決定される。また、この場合には、表面温度は非接触式で決定される。
【0037】
大気湿度決定ステップ26と相対大気湿度決定ステップ27とは、同様にガスタービン10の内側又は外側において実施される。大気湿度H又は相対大気湿度hは、特に空気の質量流14の内部において決定される。特に相対大気湿度hは、前方ガイドベーン列12の下流且つ後方ガイドベーン列13の上流において決定される。前方ガイドベーン列12の下流且つ後方ガイドベーン列13の上流の領域では、大気湿度Hが一定であり、温度が最も低く、且つ、相対大気湿度hが最も高いからである。最終角度Eは、具体的には相対大気湿度hが100%より低い状態を維持するように決定される。
【0038】
空気力学的速度決定ステップ28は、ガスタービン10の機械的速度と温度Tとを計測することによって実施される。最終角度Eは、入口温度を補正することによって機械的速度から導出することができる空気力学的速度n*の関数として形成されている。上記の詳細については、非特許文献1に開示されている。
【0039】
図4は、図示を目的として、特定のタイプのガスタービンについての温度T及び相対大気湿度hに従って決定される最終角度Eを例示的に表わす。
図4には、大気湿度Hについての値が、定数に基づいて例示的に描画されている。ここでは、最終角度Eは、35℃〜55℃の範囲にある。さらに、
図4は、従来技術から知られている氷形成防止AIの“抗着氷(Anti-Icing)”方法についての限界線を表わす。氷形成防止AIの方法の場合には、空気の質量流14は、特にさらに下流から取り込まれる比較的暖かい空気流によって加熱される。また、本発明における決定方法20は、氷形成防止AIの方法又は幾つかの他の空気予熱ステップを実行する際に実施される。
【0040】
温度が0℃を下回り、且つ、関連するブレード又はベーンにおける相対湿度が100%より大きい場合に、氷が形成される。このことは、ロータブレード及びガイドベーンに当て嵌まる。しかしながら、運転の際には遠心力が作用するので、ロータブレードは頻繁には凍結しない。従って、最も低い温度がロータブレードにおいて予測される場合であっても、実際には、そのような凍結はほとんど観測されない。原理上、ロータブレードにおいて最も低い温度を計測することができるが、そのような計測はガイドベーンにおける計測より困難である。
【0041】
本発明について、好ましい典型的な実施例を利用して詳述したが、本発明は、開示された実施例によって限定される訳ではなく、当業者であれば、本発明の保護範囲から逸脱することなく、本明細書から他の変形例を想到することができる。
【符号の説明】
【0042】
10 ガスタービン
11 圧縮器
12 前方ガイドベーン列(入口ガイドベーン列)
13 後方ガイドベーン列(第1のガイドベーン列)
14 空気の質量流
15 運転計測点
16 評価ユニット
20 決定方法
21 開始
22 パラメータ決定ステップ
23 最終角度決定ステップ
24 終了
25 温度決定ステップ
26 大気湿度決定ステップ
27 相対大気湿度決定ステップ
28 空気力学的速度決定ステップ
AI 氷形成防止
E 最終角度
T 温度
H 大気湿度
h 相対大気湿度
n* 空気力学的速度