特許第6273032号(P6273032)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6273032
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】衝突衝撃吸収装置
(51)【国際特許分類】
   E01F 15/14 20060101AFI20180122BHJP
   F16F 7/12 20060101ALI20180122BHJP
【FI】
   E01F15/14
   F16F7/12
【請求項の数】13
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-552388(P2016-552388)
(86)(22)【出願日】2014年10月31日
(65)【公表番号】特表2016-539266(P2016-539266A)
(43)【公表日】2016年12月15日
(86)【国際出願番号】KR2014010349
(87)【国際公開番号】WO2015068985
(87)【国際公開日】20150514
【審査請求日】2016年5月23日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0133698
(32)【優先日】2013年11月5日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0057896
(32)【優先日】2014年5月14日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516132116
【氏名又は名称】シンソン コントロール カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SHINSUNG CONTROL CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000981
【氏名又は名称】アイ・ピー・ディー国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チョ ギュヒョン
【審査官】 苗村 康造
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−524060(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/031611(WO,A1)
【文献】 米国特許第03428150(US,A)
【文献】 特開2005−003169(JP,A)
【文献】 特開2013−204349(JP,A)
【文献】 特開昭52−005931(JP,A)
【文献】 特開2001−159107(JP,A)
【文献】 特表2013−535601(JP,A)
【文献】 実開昭49−085726(JP,U)
【文献】 特開2001−260726(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 1/00
E01F 13/00〜 15/14
F16F 7/00〜 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
路面に取り付けられるレールと、
前記レールの先端に取り付けられ、衝撃が加わると前記レールに沿って押される前方支持部と、
前記レールの後端に取り付けられる後方支持部と、
記前方支持部か前記後方支持部に至るように路面から一定の高さに取り付けられ、パンチによってパイプが拡管されながら衝撃を吸収する緩衝器と、
を含
前記前方支持部は、支持部フレームと、
前記レールを上から取り囲み、前記支持部フレームの側面厚さより大きくかつ、前記後方支持部側に突出するように形成されるスライダーと、
を含む、衝突衝撃吸収装置。
【請求項2】
前記パンチは前記パイプの後方に取り付けられ、車両の衝突によって後方に押される前記パイプの後部を拡管する、請求項1に記載の衝突衝撃吸収装置。
【請求項3】
前記前方支持部には突込突起が形成され、車両が衝突すると、前記突込突起が車両のバンパーにめり込むことによって滑りを防止する、請求項1に記載の衝突衝撃吸収装置。
【請求項4】
前記前方支持部と前記後方支持部の間の前記レールに取り付けられて前記緩衝器を支持し、衝撃が加わると後方に押される中間支持部をさらに含む、請求項1に記載の衝突衝撃吸収装置。
【請求項5】
前記中間支持部は、支持部フレームと、
前記レールを上から取り囲むものであり、前記支持部フレームの側面厚さより大きくかつ、前記後方支持部側に突出するように形成されるスライダーと、
を含む、請求項4に記載の衝突衝撃吸収装置。
【請求項6】
前記レールは一本が取り付けられ、前記前方支持部、前記後方支持部及前記中間支持部が前記レールに取り付けられ、前記前方支持部と前記中間支持部は左右に一定程度回動することができる、請求項4に記載の衝突衝撃吸収装置。
【請求項7】
前記緩衝器は、前記前方支持部と前記中間支持部との間、隣り合う前記中間支持部の間、及び、前記中間支持部と前記後方支持部との間に複数が配置され、前記パンチは前記後方支持部と前記中間支持部に固定されて前記パイプの後部を拡管する、請求項4に記載の衝突衝撃吸収装置。
【請求項8】
前記緩衝器は前記後方支持部側に行くほど設置数が増加する、請求項に記載の衝突衝撃吸収装置。
【請求項9】
前記前方支持部か前記後方支持部に至るように取り付けられて前記前方支持部及前記後方支持部を覆い、複数が設けられ、それぞれの先端が前記前方支持部または中間支持部に固定され、前記前方支持部と前記中間支持部が押されると互いに重なるスライドパネルをさらに含む、請求項1に記載の衝突衝撃吸収装置。
【請求項10】
前記スライドパネルには長手方向に多数の孔が一列に形成され、前記スライドパネルの後部に形成された孔にボルトが締結されることにより、前記スライドパネルが後方に押されるとき、前記孔が前記ボルトによって次第に破裂されながら衝撃を吸収する、請求項に記載の衝突衝撃吸収装置。
【請求項11】
前記スライドパネルには長手方向にスリットが形成され、
前記スリットの幅がボルトの直径より小さく形成されることにより、前記スライドパネルが後方に押されるとき、前記ボルトが前記スリットを拡張しながら衝撃を吸収する、請求項に記載の衝突衝撃吸収装置。
【請求項12】
前記パンチは、後端が前記パイプの入口に挿合され、先端に行くほど直径が増加する拡管部を備えることにより、前記パイプを巻きながら拡管させる、請求項1に記載の衝突衝撃吸収装置。
【請求項13】
前記前方支持部と前記後方支持部の間には緩衝材が満たされる、請求項1に記載の衝突衝撃吸収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝撃吸収装置に係り、特に、道路に取り付けられ、車両の衝突衝撃を効果的に吸収することによって、車両の破損を減らし、人命の被害を最小化することができるようにする衝突衝撃吸収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の使用が日常化するにつれて交通量は急激に膨脹している。したがって、比例的に交通事故の発生も日増しに増加しており、性能改善による高速走行が一般化するにつれて、事故の形態も大型化し、莫大な人命及び財産の損失を引き起こしている。
【0003】
交通事故のうち、自動車単独で発生する事故は、主に、道路施設物に自動車が衝突して発生することになる。主原因は、運転未熟、不注意または居眠り運転などであると知られている。
【0004】
衝突による事故を防止するためには、道路施設物の整備とともに安全な運転を日常化することができるようにするキャンペーンを実施するなどの多様な努力が複合的に行われなければならない。しかし、このような努力のみで衝突事故を完全に防止することは不可能であるので、衝突が発生するおそれがある地点に衝撃を吸収することができる施設を設置することになった。
【0005】
衝撃を吸収することができる施設として代表的なものがガードレール及びこのガードレールの前方に取り付けられる衝突衝撃吸収装置である。前者の場合は主に側面衝突時に衝撃を吸収する役目をし、後者の場合は正面衝突時に衝撃を吸収する役目をすることになる。衝突衝撃吸収装置の例としては、大韓民国登録特許第10−1267446号(2013.5.31)の「ガードレール前方部の車両衝突時の衝撃吸収装置」がある。
【0006】
このような衝突衝撃吸収装置の場合、高速で走行する車両の衝撃を吸収して被害を最小化することは当然発揮すべき能力なので、衝撃を効果的に吸収することができる能力を充分に確保することができる構造を備えていることが必須である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、車両の衝突時に衝撃を効果的に吸収して、交通事故による財産及び人命の被害を最小化する衝撃吸収装置を得ることにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、パンチがパイプを拡管させながら衝撃を吸収することができる緩衝器を採択した衝撃吸収装置を提案して、車両による衝撃を効果的に吸収することができるようにすることで前記目的を達成する。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る衝突衝撃吸収装置によれば、道路に取り付けられ、車両の衝突時に衝撃を効果的に吸収することで、搭乗者の安全に役立って人命被害を最小化するとともに車両の破損を減少させ、財産の被害も最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明による衝突衝撃吸収装置の例示図である。
図2】本発明による前方、後方及び中間支持部の基本構成となる支持フレームを示す例示図である。
図3】支持フレームを形成した前方、後方及び中間支持部の多様な実施例を示す例示図である。
図4】支持フレームを形成した前方、後方及び中間支持部の多様な実施例を示す例示図である。
図5】支持フレームを形成した前方、後方及び中間支持部の多様な実施例を示す例示図である。
図6】一本のレールに支持フレームが取り付けられた状態を示す例示図である。
図7】本発明による緩衝器の設置構造を示す例示図である。
図8】本発明による緩衝器に適用されるパンチの例示図である。
図9】本発明による緩衝器に適用されるパンチの例示図である。
図10】本発明による緩衝器に適用されるパンチの例示図である。
図11】本発明によるスライドパネルの例を示す例示図である。
図12】本発明によるスライドパネルの例を示す例示図である。
図13】本発明による緩衝器の設置構造の他の実施例を示す例示図である。
図14】本発明による緩衝器の設置構造の他の実施例を示す例示図である。
図15】衝撃が加わるとき、本発明による衝突衝撃吸収装置の作動を示す例示図である。
図16】衝撃が加わるとき、本発明による緩衝器においてパンチがパイプを拡管させることを示す例示図である。
図17】本発明による突込突起の作用を示す例示図である。
図18】本発明による衝突衝撃吸収装置を設置する過程を示す例示図である。
図19】本発明による衝突衝撃吸収装置を設置する過程を示す例示図である。
図20】本発明による衝突衝撃吸収装置を設置する過程を示す例示図である。
図21】本発明による衝突衝撃吸収装置を設置する過程を示す例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、車両の衝突衝撃を効果的に吸収して人命被害を最小化するために、路面に敷設されるレール、前記レールの先端に取り付けられ、衝撃が加わるとレールに沿って押される前方支持部、前記レールの後端に取り付けられる後方支持部、及び前記前方支持部から後方支持部に至るように取り付けられ、路面から一定の高さに取り付けられ、パンチの進行によってパイプが拡管されながら衝撃を吸収する緩衝器、を含前方支持部は、支持部フレームと、レールを上から取り囲み、支持部フレームの側面厚さより大きくかつ、後方支持部側に突出するように形成されるスライダーと、を含む、衝突衝撃吸収装置を提案する。
【0012】
以下、本発明を添付図面の図1図21に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明による衝突衝撃吸収装置の例示図、図2は本発明による前方、後方及び中間支持部の基本構成となる支持フレームを示す例示図、図3図5は支持フレームを形成した前方、後方及び中間支持部の多様な実施例を示す例示図、図6は一本のレールに支持フレームが取り付けられた状態を示す例示図、図7は本発明による緩衝器の設置構造を示す例示図、図8図10は本発明による緩衝器に適用されるパンチの例示図、図11及び図12は本発明によるスライドパネルの例を示す例示図である。
【0014】
図示のように、本発明による衝突衝撃吸収装置は、レール110、前方支持部120a、後方支持部120b、パンチ142及びパイプ144からなる緩衝器を含む。
【0015】
レール110は路面に敷設されるもので、一対が設けられ、一定間隔で平行に形成される。鉄路を形成するのに使われる一般的な平底レールと同様なものが採択できる。レール110はアンカーボルトのような固定手段によって路面に堅固に固定されることで、本発明による衝撃吸収装置に衝撃が加わっても路面から分離しないように取り付けられる。このようなレール110は一本または三本が取り付けられるなど、その本数を必要によって選択して適用することができる。
【0016】
前方支持部120aは前記レール110の先端に取り付けられるものである。前方支持部120aの下端がレール110に結合されて立設される。前方支持部120aはレール110から分離されない状態でレール110に沿って移動することができる構造に結合されるものである。本発明においては、レール110を上から取り囲む形態のスライダー126によって達成される。必要によって、スライダー126にローラーを設けることで、円滑な挙動ができるようにすることも可能である。
【0017】
前方支持部120aの前方には突込突起130が形成できる。この突込突起130は一定の長さで突出するもので、車両が前方支持部120aに衝突すれば、バンパーなどの車両の前部にめり込むことで車両が滑ることを防止する役目をする。車両が滑って2次事故が発生し得るため、これを防止するものである。ここで、前記突込突起130が外部に露出して外観を損なわないようにするために、薄い金属材またはプラスチック材のカバー板150が前方支持部120aに結合されることができる。
【0018】
後方支持部120bは前記レール110の後端に取り付けられて位置が固定される。緩衝器の後端を支持して後方に押されないようにする役目をするもので、堅固に位置が固定される。
【0019】
前方支持部120aと後方支持部120bは方形に形成され、金属ビームによって形成される支持部フレームFから形成できる。前記支持部フレームFは、図2に示したように、金属ビームを方形に形成してなるもので、図3のように一面に金属板144が設けられ、あるいは図4及び図5のように横方向または縦方向に支持ビーム124が設けられる構成が採択できる。しかし、これらに限定されるものではなく、方形に形成されるものであればどの構成でも可能である。また、必要によって強度を補強することができる多様な部材を付け加えて構成することもできるのはいうまでもない。
【0020】
前方支持部120aの場合、前記のような支持部フレームFの下端にスライダー126が形成される。スライダー126にはレール110の断面形状と類似するが面積は大きい溝が形成され、レール110が前記溝に挿入されることにより、支持部フレームFがレール110に取り付けられ、レール110に沿って移動することができる。
【0021】
前記スライダー126は、図2に示したように、支持部フレームFの側面厚さより大きく形成されて後方に突出するように形成される。よって、前方支持部120aがレール110に沿って後方に押されるとき、より安定的に挙動するようにする。前記のようなスライダー126の構成は、前方支持部120aだけでなく後述する中間支持部120cにも適用することができる。
【0022】
前記スライダー126は、レール100の設置数及び位置によって設置数及び位置が決定される。例えば、レール100が一本のみ取り付けられる場合、図6に示したように、スライダー126も支持部フレームFの幅方向を基準に中間に形成されるものである。この構成においては、前記レール110が挿入される溝がレール110の断面形状と類似するが面積は大きく形成されるため、支持部フレームFがレール110を軸として一定の程度に左右に回動することができる。このように支持部フレームFが左右に回動すれば、本発明による衝突衝撃吸収装置の設置が完了した状態で全体が幾分左右に回動することができる。結果として、車両などによって、正面ではなくて斜めな方向に衝撃が加われば、前方支持部120aと中間支持部120cが衝撃の加わる方向に幾分傾いた状態で後方に押されながら衝撃を吸収することになる。この際、前記レール110が挿入される溝がレール110の断面より大きく形成されるので、摩擦が大きく発生しなくて前方支持部120a及び中間支持部120cが円滑に挙動することができることになる。
【0023】
一方、前記のように、前方支持部120aと中間支持部120cが左右に回動することができる構成においては、支持部フレームFの下端の両縁部が路面に埋め込まれているアンカーボルト190に接することによって回動角度を制限することができる。前方支持部120a及び中間支持部120cの回動角度はおおよそ6°程度が好ましい。
【0024】
緩衝器は、前記前方支持部120aから後方支持部120bに至る長さに形成され、路面から一定の高さに取り付けられるパイプ144、及び前記パイプ144を拡管させるパンチ142を含む。緩衝器が取り付けられる高さは車両のバンパーがぶつかる高さに決定されることが好ましい。
【0025】
パイプ144は金属材から円筒状に形成される。パンチ142は、パイプ144の後方において、車両の衝突時に後方に押される前方支持部120aによって押されるパイプ144の後端を拡管させることができるように形成されることが好ましい。パンチ142は前方支持部120aまたは後方支持部120bに固定できるが、後者のように後方支持部120bに固定されてパイプ144の後端を拡管させるものである。これにより、車両が前方支持部120aに衝突して前方支持部120aが幾分傾きながら後方に押される場合にも、パンチ142がパイプ144から抜け出なくて安定的に拡管させることができる。前記のようなパンチ142の固定はボルトによってなすことができるが、これに限定されない。
【0026】
前記パンチ142は、図8図10に示したように、全体として断面が円形に形成され、先端から後端に行くほど直径が増加して拡管部143が形成される。前記拡管部143は先端がパイプ144に挿入された状態でパイプ144と結合される。前記拡管部143の前部には刃部が形成できる。刃部はパンチ142がパイプ144を裂きながら進行することができるようにする役目をする。
【0027】
本発明による衝突衝撃吸収装置は、前記前方支持部120aと後方支持部120bの間に取り付けられる中間支持部120cをさらに含むことができる。中間支持部120cはレール110に取り付けられて前記パイプ144を支持する。このような中間支持部120cは、前方支持部120a及び後方支持部120bと同様に、支持部フレームFによって形成されることができ、パイプ144が貫通する孔が形成されてパイプ144を支持することになる。前記のように取り付けられる中間支持部120cは、車両の衝突によって後方に押される前方支持部120aと重なりながらレール110に沿って後方に押される。
【0028】
前記中間支持部120cは少なくとも一つが設けられる。パイプ144の長さによってその数が選択される。複数が設けられる場合、前方支持部120aと中間支持部120cの間に一定の間隔で設けられる。中間支持部120cの設置間隔は必要によって調節可能である。
【0029】
前記前方支持部120aと後方支持部120bの間には緩衝材(図示せず)が満たされることができる。緩衝材は衝撃を効果的に吸収することができる構造のものが採択される。本発明が車両の衝突衝撃を吸収するためのものであることに鑑み、衝撃を効果的に吸収することができるものが選択される。例えば、屈曲のある金属板が互いに突出部どうし突き合わせられて蜂の巣状に形成されることができ、必要な場合には、廃タイヤや水が満たされたプラスチックタンクなどからなることができる。
【0030】
本発明による衝突衝撃吸収装置は、前記前方支持部120aから後方支持部120bに至るまで形成され、前方支持部120a及び後方支持部120bを覆って装置の外面をなすスライドパネル160をさらに含む。
【0031】
前記スライドパネル160は板状に形成されたもので、中間支持部120cが設けられる場合、複数が設けられ、それぞれの先端が前方支持部120aまたは中間支持部120cに固定された状態で先のスライドパネル160の後端がその後に配置されるスライドパネル160の前端と一部が重なるように取り付けられる。
【0032】
前記スライドパネル160は、前方支持部120a及び後方支持部の側面を覆うものと上面を覆うものが別に形成され、あるいは側面及び上面の両者を覆う形態に形成されることができる(図面には側面を覆うものが示されている。)。このようなスライドパネル160は、衝撃が加わって前方支持部120aが後方に押される場合と同様に押される。中間支持部120cが形成される場合にも、中間支持部120cが後方に押されれば一緒に押されることになるものである。
【0033】
ここで、前記スライドパネル160には、図11に示したように、長手方向に多数の孔162が一列に形成できる。そして、後方に形成された孔162にはボルト144が締結されて支持される。したがって、スライドパネル160が後方に押されれば、前記孔162がスライドパネル160の後部を支持するボルト164によって次第に破裂されながら押されるので、衝撃吸収性能を向上させることができる。
【0034】
また、スライドパネル160には、図12に示したように、前記孔162の代替手段としてスリット163が形成できる。この際、前記スリット163の幅はボルト144の直径より小さく形成される。したがって、スライドパネル160が後方に押されれば、ボルト144が前記スリット163を拡張させながら衝撃を吸収するのに役立つことになる。
【0035】
図13及び図14は本発明による緩衝器の設置構造の他の実施例を示す例示図である。
【0036】
本発明による緩衝器は複数が設けられることができる。この場合、図13に示したように、緩衝器が一列に配置されるように構成できる。すなわち、前方支持部120aから後方支持部120bまで複数のパイプ144が一直線上に配置され、各パイプ144の後端にパンチ142が取り付けられることで、複数の緩衝器が一列に配置されるものである。この際、前側に配置されるパイプ144の後端に取り付けられたパンチ142が後側に配置されるパイプ144の先端を支持することによって互いに連結されることができる。図示のように、パンチ142の後端にパイプ144の先端が挿合される孔が形成されることによって互いに連結されるものである。
【0037】
前記のように複数の緩衝器が互いに一列に配置される場合、緩衝器の円滑な作動のために適切な位置で支持されなければならない。好ましくは、緩衝器が互いに連結される部分が支持される。本発明によると、中間支持部120cによって達成できる。後方支持部120bと中間支持部120cにそれぞれパンチ142が固定され、パイプ144の後端にパンチ142の前端が挿合されるように配置される構成である。この構成において、前方支持部120aに衝撃が加われば、それぞれの緩衝器のパイプ144がパンチ142側に押され、多数のパイプ144が同時に拡管されながら衝撃を吸収して、衝撃をより効率よく吸収することができる。
【0038】
一方、複数の緩衝器が設けられる場合、緩衝器が平行に並んで形成され、あるいは、図14に示したように、後方支持部120b側に行くほど数が順次増える構成が採択されることもできる。後者の場合、前方支持部120aと第1中間支持部120cには一つの緩衝器が設けられ、第1中間支持部120cと第2中間支持部120cには二つの緩衝器が設けられ、第2中間支持部120cと第3中間支持部120cには三つの緩衝器が設けられるように、数が順次増加する構成である。この際、緩衝器が一列に配置されれば、上下左右の均衡が取れないこともあるので、均衡が取れる地点に形成される。複数の緩衝器を構成するためには、予め計算された位置にパイプ144が形成され、それぞれのパイプ144に対応する複数のパンチ142がパイプ144の後端に設けられる構成である。
【0039】
図15は、衝撃が加わるときの、本発明による衝突衝撃吸収装置の作動を示す例示図である。
【0040】
車両の衝突によって衝撃が発生すると、前方支持部120aがレール110に沿って後方に押される。この際、前方支持部120aに先端が固定されているスライドパネル160が前方支持部120aと一緒に押され、中間支持部120cに先端が固定されているスライドパネル160と重なる。衝撃量が大きくて前方支持部120aが中間支持部120cまで押される場合、前方支持部120aと中間支持部120cが重なって一緒に後方に押される。この際、中間支持部120cに先端が固定されているスライドパネル160も一緒に押され、孔162がボルト144によって破裂されながら衝撃を吸収し、後側に形成されたスライドパネル160と重なる。
【0041】
図16は、衝撃が加わるとき、本発明による緩衝器のパンチがパイプを拡管させることを示す例示図である。
【0042】
車両の衝突が発生して前方支持部120aに衝撃が加わると、前方支持部120aがレール110に沿って後方に押され、パイプ144も後方に押される。したがって、パイプ144の後端がパンチ142によって多数の枝状の形状に引き裂かれながら拡管されるものである。このように、金属材からなる前記パイプ144が衝撃量によって移動してパンチ142によって拡管されながら衝撃を吸収することになるものである。
【0043】
図17は本発明による突込突起の作用を示す例示図である。
【0044】
車両が前方支持部120aに衝突する場合、車両のバンパーが突込突起130にめり込まれる。カバー板150が設けられた場合、突込突起130がカバー板150を貫いて車両のバンパーにめり込む。したがって、車両が本発明による衝突衝撃吸収装置に衝突してから滑って飛び出ることを最小化することができるので、2次事故の危険を低めることができる。
【0045】
以下、このような本発明による衝突衝撃吸収装置を設置する過程を説明する。これは道路に直接設置する一例を説明するものである。
【0046】
図18図21は本発明による衝突衝撃吸収装置を設置する過程を示す例示図である。
【0047】
まず、図18に示したように、路面を均一にならした後、レール110を設置する。この際、路面にはコンクリートを打ち込んでレール110の敷設位置を形成することができる。これはレール110が路面から分離されないようにするための構成である。図面にはレール100が二本取り付けられたものが例示されているが、図6に示したように、一本を設置することもできるのはいうまでもない。
【0048】
その後、図19に示したように、後方支持部120bと中間支持部120cをレール110に設置する。後方支持部120bは路面に堅固に固定されることによって、強い力によっても後方に押されないように取り付けられなければならないので、アンカーボルトなどを用いて路面に堅固に固定し、必要によって倒れないように補強することができる装置をさらに設置する。そして、中間支持部120cを設計時に予め決定された地点に位置させ、好ましくは、後方支持部120b、中間支持部120c及び前方支持部120aを互いに等間隔で設置する。
【0049】
その後、図20に示したように、緩衝器の形成のためにパイプ144を設置し、前方支持部120aを設置する。パイプ144は中間支持部120cに形成された孔に貫通させ、後端を後方支持部120bによって支持させる。この際、後方支持部120bにはパンチ142が固定された状態なので、パイプ144の後端がパンチ142の先端に嵌合された状態となるようにする。パイプ144の前端は前方支持部120aに溶接のような方法で堅固に固定する。
【0050】
最後に、図21に示したように、スライドパネル160を設置する。複数のスライドパネル160を設けて前方支持部120aから後方支持部120bまで順次設置する。この際、前側に取り付けられるスライドパネル160の後端が後側に取り付けられるスライドパネル160の先端と一部重なるように設置する。このような過程で本発明による衝突衝撃吸収装置の設置が完了する。
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