(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記振動溶接は、前記極板及び前記接続部を挟み込むホーン及びアンビルのうちの前記ホーンに超音波振動を付与することで、前記極板及び前記接続部を溶着させる超音波振動溶接であり、
超音波振動溶接時に前記ホーンを前記接続部に対向させる
請求項1に記載の蓄電素子の製造方法。
【背景技術】
【0003】
近年、電池(リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等)、キャパシタ(電気二重層キャパシタ等)等の充放電可能な蓄電素子が車両(自動車、自動二輪車等)、各種機器(携帯端末、ノート型パソコン等)等の電源に採用されている。
【0004】
蓄電素子は、一般的に、ケーブル、バスバー等の導電体が接続される外部端子と、極板が多重に積層された電極体と、外部端子と電極体とを電気的に接続する集電部材とを備える。
【0005】
電極体は、正極用の極板と負極用の極板とを備える。正極用の極板及び負極用の極板は、互いに絶縁された状態で積層されている。正極用の極板及び負極用の極板は、幅方向に位置ずれした状態で配置されている。これにより、正極用の極板のみが積層された突出部が電極体の幅方向の一端部に形成され、負極用の極板のみが積層された突出部が電極体の幅方向の他端部に形成されている。
【0006】
蓄電素子は、正極用の極板(突出部)に接合される正極用の集電部材と、負極用の極板(突出部)に接合される負極用の集電部材とを備える。これらの集電部材は、基本構成が共通している。集電部材は、極板(正極用の極板又は負極用の極板)に溶着される接続部を有する。
【0007】
より具体的に説明する。集電部材は、電極体の極板(正極用の極板又は負極用の極板)に沿って配置された集電体であって、外部端子に電気的に接続された集電体を備える。そして、この種の集電部材には、集電体に加え、当て部材またはクリップ部材を備えたものがある。当て部材は、電極体の極板(正極用の極板又は負極用の極板)に沿って配置される。クリップ部材は、電極体の極板(正極用の極板又は負極用の極板)を挟んで互いに対向する一対の対向片を有する。集電体は、これら一対の対向片のうちの何れか一方の対向片に重ね合わされる。
【0008】
当て部材を備えた集電部材においては、集電体の極板に沿った部分、及び当て部材が、接続部として極板に対して通電可能に接合(溶着)される。また、クリップ部材を備えた集電部材においては、集電体の極板に沿った部分、及び一対の対向片が、接続部として極板に対して通電可能に接合(溶着)される。
【0009】
この種の蓄電素子において、電極体及び集電部材は、振動溶接によって溶着される。振動溶接は、溶接対象物を重ね合わせた状態で、その対象物に振動を付与することで、両者を溶融(溶着)させる溶接方法である。超音波振動溶接が振動溶接の一つとして普及している。かかる超音波振動溶接は、超音波振動が付与されるホーンと、該ホーンとともに溶接対象物を挟み込むアンビルとを用いる。上記構成の蓄電素子においては、電極体の極板(突出部)及び集電部材の接続部がホーンとアンビルとに挟まれ、この状態で超音波振動がホーンに付与される。これにより、電極体(極板)と集電部材(接続部)とが溶着される。
【0010】
振動溶接は、溶接対象物に振動を付与することで、重なり合う溶接対象物間に摩擦を生じさせて両者を溶融させる。そのため、振動エネルギーが溶接対象物に対して効率的に伝搬されなければ、溶接対象物同士が適正に融合しない。従って、蓄電素子の製造過程において、電極体(極板)と集電部材(接続部)とが振動溶接されても、十分に融合しない(溶け込まない)ことがある。その結果、この種の蓄電素子においては、電極体と集電部材との接合不良が発生することが懸念された。また、接合不良が原因で、電極体の極板が損傷することも懸念された。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明に係る蓄電素子は、外部端子と、極板が積層された電極体と、外部端子と電極体とを電気的に接続する集電部材であって、振動溶接によって極板に溶着された接続部を有する集電部材とを備え、集電部材のうちの少なくとも接続部が圧延材で構成される。
【0027】
上記構成の蓄電素子では、振動溶接によって電極体と溶着される接続部が振動の伝搬されやすい圧延材によって構成されているため、電極体と集電部材との電気的且つ機械的な接続が十分に確保されている。具体的には、以下の通りである。
【0028】
圧延加工によって形成された圧延材は、鍛造によって形成された鍛造材、切断加工によって形成された切断材等の等方性の材料と比較して、特定の方向に延伸し易く且つ加えられた振動を伝播し易い特性を有している。このため、集電部材において少なくとも接続部を圧延材によって構成することにより、製造時に振動溶接によって集電部材と極板とを溶着するときに、振動が接続部を通じて極板に効率よく伝搬される。その結果、蓄電素子において、電極体と集電部材との電気的且つ機械的な接続を十分且つ確実に得ることができる。
【0029】
この場合、接続部の圧延方向が、振動溶接時に付与される振動の振幅方向と対応していることが好ましい。なお、ここで「接続部の圧延方向が振動溶接時に付与される振動の振幅方向と対応している」とは、接続部の圧延方向が振動の振幅方向と一致している状態は勿論のこと、接続部の延伸が振動を大きく減衰させることのない範囲で、接続部の圧延方向が振動の振幅方向に対して傾斜している状態を含む概念である。
【0030】
上記構成の蓄電素子によれば、製造時における振動溶接の際に、接続部が振動溶接の振動の振幅方向と対応する方向に延伸する。すなわち、接続部が圧延材で構成されることで、該接続部は、圧延方向に延伸し易い特性を有する。このため、振動溶接をするときに、極板と接続部とを圧接した状態にするための圧接力を作用させる加圧により、接続部が圧延方向に延伸する。このとき、接続部が振動の振幅方向と対応した方向に延伸することになり、振動溶接時の振動エネルギーが大きく低下することなく接続部及び極板に伝搬される。
【0031】
具体的に説明する。接続部が振動の振幅方向と対応しない方向に延伸すると、接続部の延伸方向と振動の振幅方向との不一致により、接続部の延伸が振動を減衰させる。このため、振動エネルギーが接続部及び極板に効率的に伝搬されなくなる。これに対し、接続部が振動の振幅方向と対応する方向に延伸すると、接続部の延伸方向と振動の振幅方向との一致により、接続部の延伸が振動を維持又は増幅させる。このため、振動エネルギーが接続部及び極板に効率的に伝搬される。その結果、接続部及び極板は、効率的に融合し、確実に接合される。
【0032】
本発明に係る蓄電素子の一態様として、
振動溶接は、極板及び接続部を挟み込むホーン及びアンビルのうちのホーンに超音波振動を付与することで、極板及び接続部を溶着させる超音波振動溶接であり、
接続部は、超音波振動溶接時にホーンと対向する部位である、
ようにし得る。
【0033】
このようにすれば、極板及び接続部がホーンとアンビルとによって挟み込まれ、接続部が加圧される。これに伴い、超音波振動溶接するときに、極板と接続部が圧接した状態で接続部が超音波振動の振幅方向と対応した方向に延伸しつつ、極板と接続部とがホーンからの振動を受ける。従って、接続部の延伸方向と振動の振幅方向との一致により、接続部の延伸が振動を維持又は増幅させ、接続部及び極板に振動エネルギーが効率的に伝搬される。その結果、接続部及び極板は、効率的に融合し、確実に接合される。
【0034】
これらの場合、集電部材は、
電極体の極板に沿って配置された集電体であって、外部端子に電気的に接続された集電体と、
極板を挟んで対向する一対の対向片を有するクリップ部材であって、前記一対の対向片のうちの何れか一方の対向片に集電体が重ね合わされるクリップ部材とを備え、
接続部は、集電体の極板に沿った部分、又は一対の対向片のうちの何れか一方の対向片である、
ようにし得る。
【0035】
このようにすれば、振動溶接するときに、極板に対して直接振動が付与されることがない。従って、極板が薄い金属箔で構成されるような場合であっても、極板が振動の影響で損傷(破損)することを防止し得る。また、クリップ部材は、電極体の極板を包囲する。従って、電極体の極板の保護も可能である。
【0036】
また、集電部材は、
電極体の極板に沿って配置された集電体であって、外部端子に電気的に接続された集電体と、
電極体の極板に沿って配置された当て部材とを備え、
接続部は、集電体又は当て部材の何れか一方における極板に沿った部分である、
ようにし得る。
【0037】
このようにすれば、振動溶接するときに、極板に対して直接振動が付与されることがない。従って、極板が薄い金属箔で構成されるような場合であっても、振動の影響で極板が損傷(破損)することを防止し得る。
【0038】
本発明に係る蓄電素子の製造方法は、
外部端子と、
極板が積層された電極体と、
振動溶接によって極板に溶着された接続部を有し、外部端子と前記電極体とを電気的に接続する集電部材とを備えた蓄電素子の製造方法であって、
集電部材のうちの少なくとも接続部が圧延材で構成される。
【0039】
上記構成の蓄電素子の製造方法では、振動溶接によって電極体と溶着される接続部が振動の伝搬されやすい圧延材によって構成されているため、振動溶接によって電極体と集電部材との電気的且つ機械的な接続を十分に確保することができる。具体的には、以下の通りである。
【0040】
圧延材は、鍛造によって形成された鍛造材、切断加工によって形成された切断材等の等方性の材料と比較して、特定の方向に延伸し易く且つ加えられた振動を伝播し易い特性を有している。このため、集電部材において少なくとも接続部を圧延材によって構成することにより、振動溶接によって集電部材と極板とを溶着するときに、振動が接続部を通じて極板に効率よく伝搬される。その結果、製造された蓄電素子において、電極体と集電部材との電気的且つ機械的な接続が十分且つ確実に得られる。
【0041】
この場合、接続部の圧延方向を振動溶接における振動の振幅方向と対応させた状態で、接続部を極板に振動溶接する、ことが好ましい。なお、ここで「接続部の圧延方向を振動溶接における振動の振幅方向と対応させた状態」とは、接続部の圧延方向が振動の振幅方向と一致している状態は勿論のこと、接続部の延伸が振動を大きく減衰させることのない範囲で、接続部の圧延方向が振動の振幅方向に対して傾斜している状態を含む概念である。
【0042】
上記構成の蓄電素子の製造方法によれば、振動溶接するときに、その振動の振幅方向と対応する方向に接続部が延伸する。すなわち、接続部が圧延材で構成されることで、該接続部は、圧延方向に延伸し易い特性を有する。これに伴い、振動溶接をするときに、極板と接続部とを圧接した状態にするための圧接力を作用させる加圧により、接続部が圧延方向に延伸する。従って、接続部が振動の振幅方向と対応した方向に延伸することになり、振動溶接時の振動エネルギーが低下することなく接続部及び極板に伝搬される。
【0043】
具体的に説明する。接続部が振動の振幅方向と対応しない方向に延伸すると、接続部の延伸方向と振動の振幅方向との不一致により、接続部の延伸が振動を減衰させる。このため、振動エネルギーが接続部及び極板に効率的に伝搬されなくなる。これに対し、接続部が振動の振幅方向と対応する方向に延伸すると、接続部の延伸方向と振動の振幅方向との一致により、接続部の延伸が振動を維持又は増幅させる。このため、接続部及び極板に振動エネルギーが効率的に伝搬される。その結果、接続部及び極板は、効率的に融合し、確実に接合される。
【0044】
本発明に係る蓄電素子の製造方法の一態様として、
振動溶接は、極板及び接続部を挟み込むホーン及びアンビルのうちのホーンに超音波振動を付与することで、極板及び接続部を溶着させる超音波振動溶接であり、
超音波振動溶接時にホーンを接続部に対向させる、
ようにし得る。
【0045】
このようにすれば、超音波振動溶接するときに、極板及び接続部がホーンとアンビルとによって挟み込まれ、接続部が加圧される。これに伴い、超音波振動溶接するとき、極板と接続部が圧接した状態で接続部が超音波振動の振幅方向と対応した方向に延伸しつつ、ホーンからの振動を受ける。従って、接続部の延伸方向と振動の振幅方向との一致により、接続部の延伸が振動を維持又は増幅させる。このため、接続部及び極板に振動エネルギーが効率的に伝搬される。その結果、接続部及び極板は、効率的に融合し、破損なく、確実に接合される。
【0046】
これらの場合、集電部材は、
電極体の極板に沿って配置された集電体であって、外部端子に電気的に接続された集電体と、
極板を挟んで対向する一対の対向片を有するクリップ部材であって、一対の対向片のうちの何れか一方の対向片に集電体が重ね合わされるクリップ部材とを備え、
接続部は、集電体の極板に沿った部分、又は一対の対向片のうちの何れか一方の対向片である、
ようにし得る。
【0047】
このようにすれば、振動溶接するときに、極板に対して直接振動が付与されることがない。従って、極板が薄い金属箔で構成されるような場合であっても、振動の影響で極板が損傷(破損)することを防止し得る。また、クリップ部材は、電極体の極板を包囲する。従って、電極体の極板の保護も可能である。
【0048】
また、集電部材は、
電極体の極板に沿って配置された集電体であって、外部端子に電気的に接続された集電体と、
電極体の極板に沿って配置された当て部材とを備え、
接続部は、集電体又は当て部材の何れか一方における極板に沿った部分である、
ようにし得る。
【0049】
このようにすれば、振動溶接するときに、極板に対して直接振動が付与されることがない。従って、極板が薄い金属箔で構成されるような場合であっても、振動の影響で極板が損傷(破損)することを防止し得る。
【0050】
以下、本発明の一実施形態に係る蓄電素子について、図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、蓄電素子の一例として、車両(自動車、自動二輪車等)、各種機器(携帯端末、ノート型パソコン等)等の電源に採用される充放電可能な二次電池(以下、単に「電池」という。)について説明する。
【0051】
本実施形態に係る電池は、リチウムイオン二次電池である。電池は、
図1及び
図2に示す如く、金属製のケース10と、ケース10の内部に収容された電極体20と、ケース10の外側に配置された外部端子30,30と、外部端子30,30と電極体20とを電気的に接続する集電部材40,40とを備える。
【0052】
ケース10は、開口部を有する有底角筒状のケース本体11と、ケース本体11の開口部を塞ぐ蓋体12とを備える。ケース本体11及び蓋体12は、互いに組み合わされた状態で周縁部同士が溶接されることで一体化される。これにより、ケース10は、気密且つ液密に構成される。
【0053】
外部端子30,30は、ケーブル、バスバー等の導電体(図示しない)が接続される部位である。本実施形態に係る電池には、正極用の外部端子30と、負極用の外部端子30とが設けられている。正極用の外部端子30及び負極用の外部端子30は、共通の構成を有する。正極用の外部端子30及び負極用の外部端子30は、ケース10との絶縁が図られた状態でケース10に固定されつつ電極体20に対して電気的に接続されている。本実施形態の外部端子30,30は、ケース10(蓋体12)を貫通したリベット13を介してケース10に固定されている。リベット13は、外部端子30,30をケース10に固定する。また、リベット13は、集電部材40,40をケース10に固定しつつ集電部材40,40と外部端子30,30とを導通可能に接続する機能を有する。
【0054】
電極体20は、極板が積層されている。具体的に、電極体20は、
図3に示す如く、正極用の極板21と負極用の極板22とを備える。より具体的には、電極体20は、正極用の極板21、負極用の極板22、及びセパレータ23を備える。正極用の極板21及び負極用の極板22は、セパレータ23を挟んで積層されている。本実施形態の正極用の極板21及び負極用の極板22は、それぞれ帯状をなしている。そして、正極用の極板21及び負極用の極板22は、セパレータ23を挟んだ状態で積層された上で扁平状に巻回されている。
【0055】
正極用の極板21及び負極用の極板22は、互いに幅方向(長手方向と直交する方向)に位置ずれするように配置されている。これにより、電極体20は、幅方向の一端部に正極用の極板21のみが突出することにより構成される突出部24と、幅方向の他端部に負極用の極板22のみが突出することにより構成される突出部25とを有する。すなわち、本実施形態に係る電極体20において、正極用の極板21のみが積層されている突出部24が幅方向の一端部に形成され、負極用の極板22のみが積層されている突出部25が幅方向の他端部に形成されている。そして、電極体20は、
図1に示す如く、ケース10におけるリベット13の挿通される面(蓋体12の内面)に対して巻回中心CLが平行となるように、ケース10内に収容される。
【0056】
電池は、正極用の集電部材40と、負極用の集電部材40とを備える。正極用の集電部材40は、正極用の極板21と正極用の外部端子30とを接続する。負極用の集電部材40は、負極用の極板22と負極用の外部端子30とを接続する。正極用の集電部材40及び負極用の集電部材40は、同一形状に形成される。これらの集電部材40,40は、振動溶接によって極板21,22に溶着された接続部41を有する。集電部材40,40において、少なくとも接続部41が圧延材によって構成される。接続部41の圧延方向は、振動溶接時に付与される振動の振幅方向と対応している。
【0057】
より具体的に説明する。集電部材40,40は、
図4に示す如く、集電体42と、クリップ部材43,43とを備える。
【0058】
集電体42は、電極体20の極板21,22に沿って配置され、外部端子30,30に電気的に接続される。この集電体42は、外部端子30,30に接続される内部接続部420と、電極体20の突出部24,25に対して直接的に又は間接的に接合される電極添設部421と、内部接続部420と電極添設部421とを接続する中間部422とを備える。集電体42は、所定形状に裁断された板状の金属材料を曲げ加工して正面視変形L字状に成形されている。なお、一般的に、正極用の集電体42の金属材料として、例えば、アルミニウム又はアルミニウム合金等が採用される。また、負極用の集電体42の金属材料としては、例えば、銅又は銅合金等が採用される。
【0059】
集電体42は、中間部422で折り曲げられている。これにより、内部接続部420が電極添設部421に対して直角方向(正面視でL字形)を向いている。内部接続部420は、ケース10の内面と絶縁した状態で、ケース10の内面に沿うように配置される。外部端子30,30を接続するリベット13(
図1及び
図2参照)を挿通する貫通穴423が内部接続部420の先端部に設けられている。
【0060】
電極添設部421は、電極体20の突出部24,25とケース10の内面との間に配置される(
図1参照)。電極添設部421は、開口部424を備えている。内部接続部420と同一方向に延在する二つの接続片425,425が開口部424の両側に設けられている。
【0061】
本実施形態に係る電極体20は、
図2に示す如く、正極用の極板21及び負極用の極板22を扁平状に巻回することにより形成されている。このため、電極体20は、巻回中心CLから見て短径と長径とを有する。そして、電極体20の突出部24,25は、
図3に示す如く、短径方向において電極体20の巻回中心CLを挟むように形成された二つの積層部26,26を有する。これに伴い、電極添設部421は、
図4及び
図5に示す如く、二つの積層部26,26のうちの一方の積層部26に接合される接続片425と、二つの積層部26,26のうちの他方の積層部26に接合される接続片425とを備える。二つの接続片425,425のそれぞれは、電極体20の長径方向に沿って延び、電極体20の巻回中心CLの延びる方向に延在している。本実施形態の二つの接続片425,425は、電極体20の突出部24,25における中心部に挿入された状態でそれぞれが対応する積層部26,26と重なるようになっている。開口部424及び接続片425,425は、例えば、電極添設部421を成形する前の帯板の状態において長さ方向の切込みを入れ、この切込みの両側を捻ることによって形成される。
【0062】
クリップ部材43は、電極体20の極板21,22を挟み込み、集電体42と電極体20とを接続する。このクリップ部材43は、電極体20の極板21,22(突出部24,25)を挟んで対向する一対の対向片430,430を有する。より具体的に説明する。クリップ部材43は、互いに間隔をあけて対向する一対の対向片430,430と、一対の対向片430,430の対応する端部を連結する連結部431とを有する。本実施形態では、一対の対向片430,430が、電極体20の極板21,22に接合される接続部41である。
【0063】
本実施形態において、電極体20の突出部24,25が二つの積層部26,26で構成されるに伴い、集電体42が二つの積層部26,26のそれぞれに対応した二つの接続片425,425を備える。そのため、正極用の集電部材40及び負極用の集電部材40のそれぞれは、一つの積層部26とこの積層部26に対応する一つの接続片425とを電気的に接続できるよう、接続片425,425及び積層部26,26に対応して、二つのクリップ部材43,43を備えている。
【0064】
本実施形態に係るクリップ部材43は、板状の金属材料を折り曲げ加工することで、断面U字形状に形成されている。クリップ部材43を形成する金属材料は、一方向に圧延されて引き延ばされた圧延材である。
【0065】
本実施形態において、
図5に示す如く、集電部材40(クリップ部材43及び集電体42の接続片425)は、電極体20の極板21,22(突出部24,25)に振動溶接される。これに伴い、クリップ部材43,43は、金属材料の圧延方向が振動溶接時の振動の振幅方向と対応するように、金属材料が曲げ加工されることにより形成されている。本実施形態のクリップ部材43,43は、金属材料の圧延方向が振動の振幅方向と一致した状態になるように形成されている。
【0066】
本実施形態の一対の対向片430,430のそれぞれは、電極体20の長径方向に長手をなすように形成されている。そして、対向片430,430は、
図1及び
図2に示す如く、電極体20の長径方向(対向片430,430の長手方向)に延びる溶接域WAを形成するように、極板21,22及び接続片425,425に振動溶接される。
【0067】
本実施形態において、振動溶接するに当り、振動の振幅方向を対向片430,430の長手方向と対応させるように、振動が対向片430に付与される。これに伴い、クリップ部材43,43は、対向片430,430における圧延方向が前記振動溶接の振幅方向と対応するように曲げ加工されている。すなわち、クリップ部材43,43(一対の対向片430,430及び連結部431)は、板状又はシート状をなす圧延材を圧延方向と直交する方向に曲げ加工することで形成される。これにより、対向片430と連結部431との境界線(仮想線)が圧延材の圧延方向と一致している。
【0068】
本実施形態に係るクリップ部材43,43は、上述の如く、一枚の圧延材を折り曲げ加工して形成される。このため、クリップ部材43,43では、一対の対向片430,430及び連結部431のそれぞれにおいて圧延方向が一致している。すなわち、一対の対向片430,430及び連結部431の圧延方向は、金属材料の曲げ方向と直交又は略直交する方向と一致又は略一致している。なお、正極用のクリップ部材43は、正極の集電体42と同様、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金等で構成され、負極用のクリップ部材43は、負極の集電体42と同様、例えば銅又は銅合金等で構成されている。
【0069】
本実施形態に係る電池は以上の通りである。次に、かかる電池の製造方法について説明する。なお、ケース10に対する集電体42や外部端子30,30の連結、ケース10の組立は一般的な方法による。以下では、集電部材40,40と電極体20との接合についてのみ説明する。
図6に示す如く、まず、クリップ部材43,43が電極体20の突出部24,25に装着された上で、集電体42の接続片425がクリップ部材43に溶接される。
【0070】
より具体的に説明する。クリップ部材43,43のそれぞれが突出部24,25を構成する一対の積層部26,26に装着される。このとき、各クリップ部材43,43の対向片430,430は、対応する積層部26,26(極板21,22)を挟み込んだ状態となる。その上で、集電体42の一対の接続片425,425が電極体20の突出部24,25の中央部(一対の積層部26,26の間)に挿入される。これにより、一方の接続片425が一方のクリップ部材43における一方の対向片430に沿い、他方の接続片425が他方のクリップ部材43における一方の対向片430に沿うことになる。
【0071】
この状態において、圧延方向と対応する方向に振幅を有する微小振動がクリップ部材43の他方の対向片430に対して付与される。これにより、集電部材40(クリップ部材43の対向片430、及び集電体42の接続片425)と極板21,22とが振動溶接される。このとき、
図7に示す如く、クリップ部材43の対向片430(接続部41)が振動の振幅方向と対応する方向に延伸する。すなわち、接続部41であるクリップ部材43の対向片430が圧延材によって構成されるため、該対向片430は、圧延方向に延伸し易い。このため、振動溶接において、極板21,22とクリップ部材43の対向片430,430(接続部41)とを圧接した状態にするための圧接力を作用させる加圧により、クリップ部材43の対向片430,430(接続部41)が圧延方向に延伸する。このように、クリップ部材43の対向片430,430(接続部41)が振動の振幅方向と対応した方向に延伸するため、振動溶接時の振動エネルギーが低下することなく接続部41及び極板21,22に伝搬される。
【0072】
具体的に説明する。クリップ部材43の対向片430(接続部41)が振動の振幅方向と対応しない方向に延伸すると、クリップ部材43の対向片430(接続部41)の延伸方向と振動の振幅方向との不一致により、クリップ部材43の対向片430(接続部41)の延伸が振動を減衰させる。これにより、振動エネルギーがクリップ部材43の対向片430(接続部41)及び極板21,22に効率的に伝搬されなくなる。これに対し、クリップ部材43の対向片430(接続部41)が振動の振幅方向と対応する方向に延伸すると、クリップ部材43の対向片430(接続部41)の延伸方向と振動の振幅方向との一致により、接続部41の延伸が振動を維持又は増幅させる。これにより、振動エネルギーがクリップ部材43の対向片430(接続部41)及び極板21,22に効率的に伝搬される。その結果、クリップ部材43の対向片430(接続部41)と極板21,22とが効率的に融合して確実に接合される。また、振動溶接するに当たって、極板21,22に対して直接大きなストレスが作用しない。このため、極板21,22の損傷も防止される。
【0073】
本実施形態では、振動溶接として、
図6に示す如く、ホーンP1及びアンビルP2とを用い、ホーンP1に超音波振動を付与することで、対象物を溶着させる超音波振動溶接が採用される。これに伴い、超音波振動溶接時には、ホーンP1を接続部41であるクリップ部材43の対向片430に対向させる。より具体的に説明すると、アンビルP2が接続片425に押し当てられ、ホーンP1(超音波振動子)が該接続片425の重ね合わされた対向片430とは反対側の対向片430に押し当てられる。
【0074】
これにより、接続片425、一対の対向片430,430、及び突出部24,25の極板21,22がホーンP1とアンビルP2とによって挟まれた状態になる。そして、この状態で超音波振動がホーンP1に付与されることで摩擦熱が発生する。これにより、接続片425,425、クリップ部材43(対向片430,430)及び極板21,22が一体的に溶着される。このように、本実施形態では、クリップ部材43に振動を付与するようにしているため、極板21,22が薄い金属箔で構成されても、極板21,22が振動の付加の影響で損傷(破損)することを防止し得る。また、クリップ部材43は、電極体20の突出部24,25(極板21,22)を包囲するため、電極体20の極板21,22の保護も可能である。
【0075】
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0076】
上記実施形態においては、正極用の極板21、負極用の極板22、及びセパレータ23を巻回した巻回型の電極体20が採用されたが、これに限定されない。例えば、電極体20は、それぞれ枚葉状をなす正極用の極板21、負極用の極板22及びセパレータ23を積層したものであってもよい。
【0077】
上記実施形態において、集電部材40を構成するクリップ部材43全体が圧延材で構成されたが、これに限定されない。例えば、電極体20に接合される接続部41は、振動溶接時に振動の付与される部位(対向片430,430)のみが圧延材で構成され、他の部位が圧延されていない材料によって構成されてもよい。すなわち、振動溶接時に振動が付与されることで電極体20(極板21,22)に溶着される接続部41のみが、圧延材で構成されてもよい。この場合においても、接続部41の圧延方向が振動溶接時の振動の振幅方向と対応するように、集電部材40が配置されることが好ましい。
【0078】
また、上記実施形態において、集電部材40のクリップ部材43のみを圧延材で構成したが、これに限定されない。例えば、振動溶接における振動エネルギーを効率的に活用するには、以下の構成であってもよい。重ね合わされる溶接対象物(集電部材40の接続部41、極板21,22)の全てが圧延材で構成されるとともに、これら全ての溶接対象物が圧延方向を対応させた状態で配置される。そして、これらの圧延方向を振動溶接時の振動の振幅方向と対応させる。このようにすれば、振動溶接するときの挟み込みによって、接続部41及び極板21,22が振動の振幅方向と対応する方向に延伸する。その結果、振動エネルギーが接続部及び極板21,22(積層部26)全体に伝搬され、効率的な溶接(溶着)が可能となる。
【0079】
上記実施形態において、振動溶接の一例として、超音波振動溶接を採用したが、これに限定されない。例えば、重ね合わされた複数の溶接対象物のうちの最も外側に位置する溶接対象物に対して機械的に微小振動を付与することで、重ね合わされた溶接対象物間に摩擦を発生させて溶接する方式であってもよい。この場合においても、振動が付与されることにより電極体20の突出部24,25に溶接される接続部41が圧延材によって構成され、その圧延方向を振動の振幅の方向と対応させることで、上記実施形態と同様の作用及び効果が得られる。
【0080】
上記実施形態では、突出部24,25(積層部26,26)を挟んだ状態のクリップ部材43の一方の対向片430に、集電体42の接続片425を重ねている。そして、接続部41であるクリップ部材43の他方の対向片430(外側に位置する対向片430)に振動を付与している(ホーンP1によって超音波振動を付与している)。しかし、この構成に限定されない。例えば、
図8に示す如く、接続片425及びクリップ部材43の配置を換えることなく、接続片425を接続部41として該接続片425に振動を付与する(直接ホーンP1を接続片425に押し当て、アンビルP2を他方の対向片430に押し当てて振動を付与する)ようにしてもよい。
【0081】
また、
図9及び
図10に示す如く、集電体42の主要構成を上記実施形態と共通させることを前提に、集電体42の接続片425がクリップ部材43の他方の対向片430(外側の対向片430)と重ね合わされる。そして、接続部41としての外側にある接続片425及び内側にある一方の対向片430(接続部41)の何れか一方に対して振動を付与するようにしてもよい。即ち、外側の接続片425及び内側の対向片430の何れか一方にホーンP1を押し当て、外側の接続片425及び内側の対向片430の何れか他方にアンビルP2を押し当てて振動を付与するようにしてもよい。
【0082】
この場合、振動が接続部41である接続片425又は一方の対向片430に付与される。このため、接続部41(接続片425又は一方の対向片430)が圧延材で構成され、且つ、接続部41の圧延方向が振動溶接時の振動の振幅方向に対応するように材料取りされることによって、集電部材40(集電体42、クリップ部材43)が形成される。これにより、電極体20の極板21,22に溶着される集電部材40,40における接続部41は、振動溶接時に振動を付与されることによって、前記振動の振幅と対応した方向に延伸される。このように、振動が付与される接続部41が圧延材で構成され、且つ、圧延部材の圧延方向が振動溶接における振動の振幅と対応すれば、接続部41が溶接時に圧延方向(振動の振幅方向)に延びる。その結果、振動エネルギーの減少を抑えることができ、上記実施形態と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0083】
また、集電体42の主要構成が上記実施形態と共通することを前提に、
図11〜
図14に示す如く、集電体42の接続片425が電極体20の積層部26の外面又は内面に重なるように配置され、該接続片425及び電極体20の突出部24,25がクリップ部材43に挟まれてもよい。この場合、クリップ部材43の一対の対向片430,430が最も外側に位置する。このため、何れか一方の対向片430を接続部41とし、該対向片430に振動を付与するようにしてもよい。即ち、何れか一方の対向片430にホーンP1を押し当て、何れか他方の対向片430にアンビルP2を押し当ててホーンP1に振動を付与するようにしてもよい。
【0084】
上記実施形態においては、集電部材40が集電体42とクリップ部材43とを備えたが、これに限定されない。例えば、
図15及び
図16に示す如く、集電部材40は、電極体20の極板21,22に沿って配置された集電体42であって、外部端子30に電気的に接続された集電体42と、電極体20の極板21,22に沿って配置された当て部材44とを備えたものであってもよい。
【0085】
この場合、集電体42は、上記実施形態と同様のものであってもよい。また、集電体は、基本構成を上記実施形態の集電体42と共通させ、接続片425を電極体20の突出部24,25(積層部26)の外面に重ねるようにしたものであってもよい。そして、集電体42の接続片425とともに突出部24,25の極板21,22を挟み込むように当て部材44を配置してもよい。この場合、当て部材44は、電極体20の突出部24,25(積層部26,26)に沿って配置できればよい。例えば、当て部材44は、板状に形成されたり、電極体20の突出部24,25の形態に即した形状にプレス成形されたりしたものであってもよい。
【0086】
そして、集電部材40と電極体20とを振動溶接するに当り、振動が接続部41である接続片425又は当て部材44に付与される。これに伴い、接続部41である接続片425,425又は当て部材44が圧延材で構成され、その圧延方向が振動溶接時の振動の振幅方向と対応するように接続片425又は当て部材44が配置される。従って、上記実施形態と同様に、集電部材40と電極体20とを超音波振動溶接する場合には、超音波振動が付与されるホーンP1を接触させる接続片425又は当て部材44は、圧延材で構成され、その圧延方向が振動溶接時の超音波振動の振幅方向と対応するように材料取りされて形成される。
【0087】
上記実施形態において、集電部材40が集電体42とクリップ部材43とを備えたが、これに限定されない。例えば、集電部材40は、外部端子30に接続される集電体42のみで構成されてもよい。この場合、振動溶接時に集電体42の接続片425に振動を付与することを前提に、接続部41としての接続片425が圧延材で構成され、この圧延材の圧延方向が振動溶接時の振動の振幅方向と対応するように集電体42(集電部材40)が配置されてもよい(材料取りされてもよい)。
【0088】
上記実施形態において、電極体20の突出部24,25が二つの積層部26,26を有することを前提に、集電体42の接続片425,425が各積層部26,26に接合されたが、これに限定されない。例えば、電極体20の突出部24,25は、全体が束ねられた状態で集電体42(集電部材40)に振動溶接されてもよい。
【0089】
また、上記実施形態に係る集電体42は、電極添設部421に開口部424を設け、開口部424の両側に両端が互いに連結された一対の接続片425,425が設けられた構成であるが、これに限定されない。例えば、集電体42の電極添設部421は、中間部422から二股に分かれた(互いの一端同士のみが連結した)一対の接続片425,425を備えてもよい。また、集電体42(電極添設部421)は、それ自身で一つの接続片425を構成したものであってもよい。すなわち、集電体42(電極添設部421)は、電極体20の突出部24,25に重ね合わせて配置できる電極添設部421を備えたものであればよい。
【0090】
上記実施形態において、接続部41の圧延方向と振動溶接における振動の振幅方向とが完全に一致したが、これに限定されない。接続部41の圧延方向が振動溶接時の振動の振幅方向と対応していてもよい。すなわち、振動溶接する場合、接続部41の圧延方向が振動溶接における振動の振幅方向と完全に一致した状態だけでない。例えば、接続部41の延伸が振動の振幅を大きく減衰させることのない範囲で、接続部41の圧延方向が振動の振幅方向に対して傾斜した状態であってもよい。具体的には、接続部41の圧延方向と振動溶接における振動の振幅方向とが、例えば、0°〜45°の範囲内で相互に傾斜した状態になるように、集電部材40(接続部41)が形成されていてもよい。この場合、接続部41の圧延方向と振動溶接における振動の振幅方向とが、略一致するように(例えば、0°〜10°の範囲内で相互に傾斜した状態になるように)、集電部材40(接続部41)が形成されていることがより好ましい。
【0091】
また、上記実施形態においては、充放電可能な二次電池(リチウムイオン二次電池)について説明したが、電池の種類や大きさ(容量)は任意である。また、上記実施形態において、蓄電素子の一例として、リチウムイオン二次電池について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、本発明は、種々の二次電池、その他、一次電池や、電気二重層キャパシタ等のキャパシタの蓄電素子にも適用可能である。
【実施例1】
【0092】
ここで、本発明に係る電池(蓄電素子)における集電部材と極板との接合強度を評価するために、以下の実験を行った。
【0093】
実験条件:
厚みが15μmの集電箔(上記実施形態の極板に相当)を30枚重ね、この重ねられた集電箔を厚みが0.1mmのクリップ部材によって挟み込む。その後、厚みが1.5mmの集電体を外側から前記クリップ部材に重ね合わせる。この重ね合わせた状態のクリップ部材と集電体とに対し、集電体側にアンビル、クリップ部材側にローレット形状(詳しくは、正四角錐形状の複数の凸部が配列された形状)のホーンをそれぞれ配置して挟み込み、超音波溶接を行う。ここで、集電箔、クリップ部材、集電体の材料は、いずれもアルミニウム合金である。
・実験例1:クリップ部材の圧延方向及び超音波の振動方向は、いずれも
図7における上下方向とする。
・実験例2:クリップ部材の圧延方向は、
図7の上下方向と直交する方向(左右方向)、超音波の振動方向は、
図7の上下方向とする。
【0094】
結果:
・実験例1では、超音波溶接時の最大出力が760Wであり、溶接後のクリップ部材と集電箔との間の引っ張り強度が1259Nであった。
・実験例2では、超音波溶接時の最大出力が640Wであり、溶接後のクリップ部材と集電箔との間の引っ張り強度が700Nであった。
【0095】
以上より、クリップ部材を構成する圧延材の圧延方向と、超音波溶接の振動方向とを一致させることで、振動エネルギーが効率よく伝搬され、クリップと集電箔とがより強固に接合されることが確認できた。