(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6273309
(24)【登録日】2018年1月12日
(45)【発行日】2018年1月31日
(54)【発明の名称】テントアッセンブリ
(51)【国際特許分類】
E04H 15/44 20060101AFI20180122BHJP
E04H 15/48 20060101ALI20180122BHJP
E04H 15/36 20060101ALI20180122BHJP
E04H 15/34 20060101ALI20180122BHJP
【FI】
E04H15/44
E04H15/48
E04H15/36
E04H15/34 B
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-61466(P2016-61466)
(22)【出願日】2016年3月25日
(65)【公開番号】特開2016-223282(P2016-223282A)
(43)【公開日】2016年12月28日
【審査請求日】2016年3月25日
(31)【優先権主張番号】104117262
(32)【優先日】2015年5月28日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】503293259
【氏名又は名称】能昌實業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100077584
【弁理士】
【氏名又は名称】守谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100132137
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 謙一郎
(72)【発明者】
【氏名】陳 金成
【審査官】
兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2011/0297201(US,A1)
【文献】
米国特許第05261436(US,A)
【文献】
国際公開第2010/060303(WO,A1)
【文献】
実開昭62−151368(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 15/00−15/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テントアッセンブリであって、前記テントアッセンブリは、
支持フレームを備え、前記支持フレームは、
上部ベースと、
前記上部ベースと枢動可能に接続され、前記上部ベースの周囲に隔置して配置される複数の支持ロッドユニットとを備え、各支持ロッドユニットは、
第1の端部及び第2の端部を有し、前記第1の端部が前記上部ベースに接続される上部ロッドと、
前記上部ロッドの前記第2の端部に接続される第1の継手とを備え、前記第1の継手は、
前記上部ロッドの前記第2の端部に接続される第1の接続ロッドと、
第2の接続ロッドと、
枢支点とを備え、各支持ロッドユニットは、
前記第1の継手に接続される中間ロッドと、
第1の端部及び第2の端部を有する2つのフックとを備え、前記フックの前記第2の端部は前記第1の継手の前記枢支点から隔置する位置で前記第1の継手の前記第1の接続ロッド及び前記第2の接続ロッドにそれぞれ枢動可能に接続され、前記テントアッセンブリは、
前記支持フレームに接続されたレインフライを備え、前記レインフライは、
前記支持ロッドユニットに接続される複数の接続ユニットを備え、各接続ユニットは、
隔置して配置され、前記支持ロッドユニットの1つの前記上部ロッド及び前記中間ロッドに接続される複数の接続ロープと、
前記支持ロッドユニットの対応する1つの前記フックの前記第1の端部の周囲に装着される少なくとも1つの弾性ベルトとを備え、
各支持ロッドユニットの前記第1の継手は、
前記支持ロッドユニットの前記第1の継手の前記第1の接続ロッドに半径方向に形成される第1の貫通孔と、
前記第1の貫通孔及び前記第1の継手の前記第1の接続ロッドに接続される前記上部ロッドを介して装着される第1の枢軸とを備え、
各支持ロッドユニットの前記中間ロッドは、
前記中間ロッドに半径方向に形成される第2の貫通孔と、
前記中間ロッドに接続される前記支持ロッドユニットの前記第1の継手の前記第2の貫通孔及び前記第2の接続ロッドを介して装着される第2の枢軸とを備え、
各支持ロッドユニットの前記フックの前記第2の端部は前記支持ロッドユニットの第1の枢軸及び第2の枢軸の周囲にそれぞれ回転可能に装着されることを特徴とするテントアッセンブリ。
【請求項2】
各支持ロッドユニットの前記上部ロッドは1つの長さ(L1)を有し、前記レインフライは前記支持ロッドユニットの1つの前記上部ベース及び前記第1の継手にそれぞれ接続される接続ロープ(21)及び弾性ベルト(22)間に形成される長さ(L2)を有し、各支持ロッドユニットの前記上部ロッドの長さは前記レインフライの長さよりも長いことを特徴とする請求項1記載のテントアッセンブリ。
【請求項3】
各支持ロッドユニットの前記上部ロッドの長さは前記レインフライの長さの105%であることを特徴とする請求項2記載のテントアッセンブリ。
【請求項4】
各支持ロッドユニットの前記第1の継手の前記第1の接続ロッド及び前記第2の接続ロッドは枢支点で互いに枢動可能に接続され、
各支持ロッドユニットの前記第1の継手の前記第1の接続ロッドは前記支持ロッドユニットの前記上部ロッドの前記第2の端部の周囲に装着され、
各支持ロッドユニットの前記中間ロッドは第1の端部及び第2の端部を有し、前記中間ロッドの前記第1の端部は前記支持ロッドユニットの前記第1の継手の前記第2の接続ロッドに接続され、各支持ロッドユニットは、
第2の継手を備え、前記第2の継手は、
前記支持ロッドユニットの前記中間ロッドの前記第2の端部に接続され、前記支持ロッドユニットの前記中間ロッドの前記第2の端部の周囲に装着される第1の接続ロッドと、
第2の接続ロッドとを備え、各支持ロッドユニットは、
前記支持ロッドユニットの前記第2の継手の前記第2の接続ロッドに接続される下部ロッドを備えることを特徴とする請求項3記載のテントアッセンブリ。
【請求項5】
各接続ユニットの少なくとも1つの弾性ベルトは数量的に2個として実装され、各接続ユニットの2つの弾性ベルトは対応する支持ロッドユニットの前記フックの前記第1の端部の周囲にそれぞれ装着されることを特徴とする請求項1乃至請求項4何れか1項記載のテントアッセンブリ。
【請求項6】
前記上部ベースはガラス繊維で作成されることを特徴とする請求項1乃至請求項5何れか1項記載のテントアッセンブリ。
【請求項7】
各弾性ベルトはループとして形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項6何れか1項記載のテントアッセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テントアッセンブリに関し、特に容易に組立て、解体することができるテントアッセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
テントは、設営、撤収、輸送を簡単に行なうことができ、キャンプ及び宿泊に便利なツールである。従来のテントは実質的に、支持フレーム、レインフライ及び複数の支持ロープを含んでいる(例えば特許文献1参照)。支持フレームはレインフライを支持するための複数のロッドを含み、支持ロープはレインフライとグランドとの間に接続されてテントをグランド上に支持する。
【0003】
図7及び
図8を参照するに、従来のテントのレインフライ40は拡張されて支持フレーム30に接続し、支持フレーム30によって支持され、支持フレーム30は支持効果をレインフライ40に拡張された状態で与える。従来のテントの支持フレーム30は、実質的に、複数の上部ロッド31、複数の継手32、複数の下部ロッド33、複数のフック34及び複数の弾性ベルト35を含んでいる。フック34は継手32の枢支点で継手32とそれぞれ枢動可能に接続され、弾性ベルト35はフック34にそれぞれ接続される。しかしながら、弾性ベルト35は支持フレーム30が折り畳まれた状態にあるときでも未だ拡張されて、このため弾性ベルト35は簡単に弾性疲労を発現してしまう。したがって、支持フレーム30はレインフライ40に十分な支持効果を提供することはできていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】JP 3944884 B2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの欠点を克服するために、本発明は前述の問題を軽減又は回避するテントアッセンブリを提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の主目的は、組立て及び解体が容易に可能で、かつ弾性疲労を蒙らないよう弾性ベルを保持できるテントアッセンブリを提供することである。
【0007】
テントアッセンブリは、支持フレーム及びレインフライを有している。支持フレームは、上部ベースと、上部ベースに枢動可能に接続され、上部ベースの周囲に隔置して配置された複数の支持ロッドユニットとを含んでいる。各支持ロッドユニットは上部ロッド、第1の継手、中間ロッド及び2つのフックを有している。上部ロッドは、第1の端部及び第2の端部を有し、第1の端部は上部ベースに接続されている。第1の継手は、上部ロッドの第2の端部に接続され、第1の接続ロッド、第2の接続ロッド及び枢支点を有している。第1の接続ロッドは上部ロッドの第2の端部と接続されている。中間ロッドは第1の継手と接続されている。各フックは第1の端部及び第2の端部を有している。フックの第2の端部は第1の継手の枢支点から離間した位置で第1の継手の第1の接続ロッド及び第2の接続ロッドにそれぞれ枢動可能に接続されている。レインフライは支持フレームに接続され、支持ロッドユニットと接続された複数の接続ユニットを有している。各接続ユニットは複数の接続ロープ及び少なくとも1つの弾性ベルトを有している。接続ロープは隔置して配置され、支持ロッドユニットの1つの上部ロッド及び中間ロッドに接続されている。少なくとも1つの弾性ベルトは支持ロッドユニットの対応する1つのフックの第1の端部の周囲に装着されている。
【0008】
本発明の他の目的、利点及び新規な特徴は、以下の詳細な説明から添付の図面を併せて参照することで一層明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係るテントアッセンブリの側面図である。
【
図2】
図1におけるテントアッセンブリの第1の継手、上部ロッド、中間ロッド及び2つのフックの拡大斜視図である。
【
図3】
図2におけるテントアッセンブリの第1の継手、上部ロッド、中間ロッド、2つのフック及び2つの弾性ベルトの分解斜視図である。
【
図4】
図2におけるテントアッセンブリの第1の継手、上部ロッド、中間ロッド、フック及び弾性ベルトの側面図である。
【
図5】
図2におけるトンアッセンブリの第1の継手、上部ロッド、中間ロッド、フック及び弾性ベルトの動作側面図である。
【
図6】本発明によるテントアッセンブリの第1の継手、上部ロッド、中間ロッド、2つのフック及び2つの弾性ベルトの他の実施例の斜視図である。
【
図8】
図7におけるトンアッセンブリの第1の継手、上部ロッド、中間ロッド、フック及び弾性ベルトの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明にしたがうテントアッセンブリを好ましい実施例について図面を参照して詳述する。
【0011】
図1〜
図3を参照するに、本発明に係るテントアッセンブリは支持フレーム10及びレインフライ20を含んでいる。
【0012】
支持フレーム10は上部ベース11及び複数の支持ロッドユニット101を含んでいる。上部ベース11はガラス繊維から作成することができる。支持ロッドユニット101は上部ベース11に枢動可能に接続され、かつ上部ベース11の周囲に隔置して配置され、各支持ロッドユニット101は上部ロッド12、第1の継手13、中間ロッド14、2つのフック17、第2の継手15及び下部ロッド16を含んでいる。上部ロッド12は、第1の端部及び第2の端部を有し、第1の端部は上部ベース11に接続される。第1の継手13は、上部ロッド12の第2の端部に接続され、第1の接続ロッド131、第2の接続ロッド132及び枢支点Cを有している。第1の接続ロッド131及び第2の接続ロッド132は枢支点Cにおいて互いに枢動可能に接続されている。第1の接続ロッド131は、上部ロッド12の第2の端部に接続される。好ましくは、第1の接続ロッド131は中空であり、上部ロッド12の第2の端部の周囲に装着される。さらに、第1の接続ロッド131は、第1の接続ロッド131に
半径方向に形成された第1の貫通孔133を有する。第1の枢軸181は第1の貫通孔133及び上部ロッド12を介して装着される。
【0013】
中間ロッド14は第1の継手13と接続され、好ましくは第1の継手13の第2の接続ロッド132に接続される。中間ロッド14は中間ロッド14に
半径方向に形成された第2の貫通孔141を有する。第2の枢軸182は第2の貫通孔141及び第2の接続ロッド132を介して装着される。
【0014】
フック17の各々は第1の端部及び第2の端部を有している。フックの第2の端部は、第1の継手13の枢支点Cから離間した位置で第1の継手13の第1の接続ロッド131及び第2の接続ロッド132にそれぞれ枢動可能に接続される。好ましくは、フック17の第2の端部は第1の枢軸181及び第2の枢軸182の周囲にそれぞれ回転可能に装着される。
【0015】
第2の継手15は中間ロッド14の第2の端部に接続され、第1の接続ロッド151及び第2の接続ロッド152を有している。第1の接続ロッド151は第2の接続ロッド152に枢動可能に接続される。第1の接続ロッド151は中間ロッド14の第2の端部に接続され、かつ中間ロッド14の第2の端部の周囲に装着される。下部ロッド16は第2の継手15の第2の接続ロッド152に接続される。
【0016】
図1及び
図2を参照するに、レインフライ20は支持フレーム10に接続され、複数の接続ユニットを含んでいる。接続ユニットは支持ロッドユニット101と接続され、各接続ユニットは複数の接続ロープ21及び少なくとも1つの弾性ベルト22を含んでいる。接続ロープ21は隔置して配置され、支持ロッドユニット101の1つの上部ロッド12、中間ロッド14及び下部ロッド16に接続される。少なくとも1つの弾性ベルト22は支持ロッドユニット101のうちの対応する1つのフック17の第1の端部の周囲に装着される。この実施例において、1つの弾性ベルト22が実装されている。別法として、
図6を参照するに、2つの弾性ベルト22が実装され、2つの弾性ベルト22は対応する支持ロッドユニット101のフック17の第1の端部の周囲にそれぞれ装着される。また、弾性ベルト22はループとして形成される。
【0017】
図1を参照するに、各支持ロッドユニット101の上部ロッド12は長さL1を有し、レインフライ20は支持ロッドユニット101の1つの上部ベース11及び第1の継手13にそれぞれ接続される接続ロープ21の2つの間に形成される長さL2を有する。各支持ロッドユニット101の上部ロッド12の長さL1はレインフライ20の長さL2よりも長い。好ましくは、各支持ロッドユニット101の上部ロッド12の長さL1はレインフライ20の長さL2の105%である。
【0018】
図1、
図4及び
図5を参照するに、テントアッセンブリを設営するには、支持ロッドユニット101が起立され、拡張され、レインフライ20が弾性ベルト22及び接続ロープ21により支持フレーム10の内側で完全に拡張され、支持されるようにする。したがって、テントアッセンブリが容易に組立てられる。上部ロッド12は上部ベース11と第1の継手13との間で若干湾曲していてもよい。何故なら、上部ロッド12の長さL1はレインフライ20の長さL2よりも長いからである。したがって、湾曲した上部ロッド12は、優れた支持効果をレインフライ20に与え、レインフライ20が倒壊するのを防止することができる。テントアッセンブリを撤収するには、上部ロッド12及び中間ロッド14はレインフライ20の内側に第1の継手13の枢支点Cで枢動させると、弾性ベルト22はフック17から緩められる。次いで、下部ロッド16及び中間ロッド14が第2の継手15に対して内側に枢動させると、支持枠10を折り畳むことができる。フック17は第1の継手13の枢支点Cから離間した位置で第1の継手13に接続されているため、各第1の継手13の枢支点Cと対応するフック17及び弾性ベルト22間の接続位置との距離が延長される。したがって、弾性ベルト22は、効果的に緩められ、拡張されことがないように維持され、それでベルト22は弾性疲労を抑制することができる。したがって、弾性ベルト22の寿命を効率良く延長することができる。
【0019】
本発明の幾つかの特徴及び利点が前述の説明において本発明の構造及び機能の詳細とともに記載されているものの、この開示は例示のみであり、多くの変更が、特に部品の形状、大きさ及び配置の問題で特許請求の範囲が表現している用語の広い一般的な意味によって示される全範囲に亘って本発明の原理内で詳細に行なうことができる。
【符号の説明】
【0020】
10・・・支持フレーム
11・・・上部ベース
12・・・上部ロッド
13・・・第1の継手
14・・・中間ロッド
15・・・第2の継手
16・・・下部ロッド
17・・・フック
20・・・レインフライ
21・・・接続ロープ
22・・・弾性ベルト
101・・・支持ロッドユニット
131・・・第1の接続ロッド
132・・・第2の接続ロッド
133・・・第1の貫通孔
141・・・第2の貫通孔
151・・・第1の接続ロッド
152・・・第2の接続ロッド
181・・・第1の枢軸
182・・・第2の枢軸
C・・・枢支点
L1・・・上部ロッドの長さ
L2・・・レインフライの長さ